JP2022011744A - 衣料用経編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユニフォーム用途に好適な適度なストレッチ性を有するとともに、洗濯耐久性に優れた形態保持性と帯電防止性能を有する衣料用経編地を提供する。【解決手段】バック糸とフロント糸にポリエステル繊維を用い、ミドル糸に2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維と導電性繊維を用いて挿入編みを形成してなる経編地であって、以下の(1)~(3)の条件を全て満足することを特徴とする、衣料用経編地。(1)緯方向の伸長率が30~90%(2)目付が150~270g/m2(3)10洗後の経方向の収縮率及び緯方向の収縮率が3%以内【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年9月3日にユニチカトレーディング株式会社が住商モンブラン株式会社に販売
特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年1月1日に住商モンブラン株式会社がhttp://scmb.montblanc-web.jp/他で公開
特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年1月22,23日に住商モンブラン株式会社がハービスホールにて開催されたMONTBLANC 2020 EXHIBITIONで公開
本発明は、適度なストレッチ性と洗濯耐久性に優れ、特にユニフォーム用途に適した衣料用経編地に関する。
スポーツウエアや各種ユニフォームは着用動作時の皮膚の伸びに追随するよう、伸縮性の高いニット生地が用いられる。また、ユニフォームとしては、ハリ感があり、衣服の形態を保持しやすいニット生地が求められている。
従来、高いストレッチ性とストレッチバック性を得るためにスパンデックスと呼ばれるポリウレタン系弾性繊維をナイロン繊維、ポリエステル繊維、綿糸などと組み合わせたストレッチ編地について、種々検討がされてきた。
しかし、ポリウレタン系弾性繊維は高いストレッチ性を有するものの、これを混用した場合、ポリウレタンの光黄変や加水分解などの経時劣化により、編地が劣化しやすくなるという問題があり、繰り返し洗濯を行いながら使用することが多い、ユニフォーム用途での使用は困難であった。また、ポリエステル繊維に混用した場合、ポリエステル用の分散染料には染まり難く、洗濯液汚染の問題、および編地の湿摩擦堅牢度低下の問題がつきまとい、そのため還元洗浄の強化など染色工程が複雑になるなど問題もあった。また、ポリウレタン系弾性繊維のコストも非常に高いものであった(特許文献1参照)。
上記の問題を解決するものとして、例えば、ポリエステル繊維、またはナイロン繊維に仮撚加工を施し、加撚/解撚によるトルクを発現させた繊維を混用することによりストレッチ性を付与する方法や、ポリブチレンテレフタレート繊維を混用する方法も採用されてきた。さらには、ポリエステル繊維として、2種類のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維マルチフィラメント糸を挿入編みされてなる経編地も提案されている(特許文献2、3参照)。
これらの編地は、ポリウレタン系弾性繊維を使用していないため、コスト的に有利にストレッチ性を有する編地を得ることができるものであったが、ユニフォーム用途に使用する上で求められる、洗濯耐久性や制電性能については言及されていない。つまり、ユニフォーム衣料は、着用動作時の皮膚の伸びに追随する適度なストレッチ性とハリ感が求められ、かつ、帯電防止性が求められる。さらには、洗濯の頻度が高いものであるため、洗濯耐久性(洗濯後の形態保持性や帯電防止性能の耐久性)に優れることが要求される。しかしながら、これらの性能を十分に満足する編地は未だ提案されていない。
特公平01-040137号公報 特開平06-101116号公報 特開2004-44069号公報
本発明は、ユニフォーム用途に好適な適度なストレッチ性とハリ感を有するとともに、洗濯耐久性に優れた形態保持性と帯電防止性能を有する衣料用経編地を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者は、用いる糸の種類、編組織を適切なものに選定し、本発明で規定する特性値を満足する経編地とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の(イ)~(ニ)を要旨とするものである。
(イ) バック糸とフロント糸がポリエステル繊維であり、ミドル糸に2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維と導電性繊維を用いて挿入編みを形成してなる経編地であって、以下の(1)~(3)の条件を全て満足することを特徴とする、衣料用経編地。
(1)JIS L1096 伸長率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸長率が30~90%
(2)目付が150~270g/m
(3)JIS L1096 F-2法(中温ワッシャ法;60℃×30分)で10洗後の経方向の収縮率及び緯方向の収縮率がいずれも3%以内
(ロ)さらに、以下(4)の条件を満足する、(イ)記載の衣料用経編地。
(4)緯方向の曲げ剛性(B値)が0.020~0.100gf.cm/cm
(ハ)さらに、以下(5)の条件を満足する、(イ)又は(ロ)に記載の衣料用経編地。
(5)初期及び10洗後のJIS L1094 C法により測定した帯電電荷密度が7μC/m以下
(ニ)ミドル糸は、2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維(A)と、2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維(A)と導電性繊維の合撚糸(B1)もしくはインターレース糸(B2)とを含む、(イ)~(ハ)のいずれかに記載の衣料用経編地。
(ホ)(イ)~(ニ)のいずれかに記載の衣料用経編地からなるユニフォーム。
本発明の衣料用経編地は、ユニフォーム用途に適した適度なストレッチ性とハリ感に優れるとともに、洗濯耐久性に優れた形態保持性と帯電防止性能を有し、各種ユニフォーム衣料に好適に使用することができる。
本発明の経編地のバック、フロントの編組織の一実施態様を示す編成組織図の一例である。 本発明の経編地のバック、フロント、ミドルの編組織の一実施態様を示す編成組織図の一例である。
本発明の衣料用経編地は、バック糸とフロント糸にポリエステル繊維を用い、ミドル糸に2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維と導電性繊維とを用いて挿入編を形成してなる経編地である。
まず、本発明の衣料用経編地を構成するバック糸とフロント糸に用いるポリエステル繊維について説明する。ポリエステル繊維を形成するポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートが挙げられるが、中でも汎用性の点から、PETを用いることが好ましい。また、上記のポリエステル樹脂にはその特性を損なわない範囲で、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、1、3-プロパンジオール、1、4-ブタンジオール、1、6-ヘキサンジオールまたはビスフェノール等が共重合されていてもよい。
バック糸とフロント糸に用いるポリエステル繊維は、適度なストレッチ性とハリ感、風合いや洗濯耐久性を考慮すると、中でも単繊維繊度が1.0~3.5dtex、総繊度が30~160dtexであり、強度2.0~5.5cN/dtex、伸度15~50%、熱水収縮率が1~5%のマルチフィラメントであることが好ましい。
なお、強度、伸度はJIS L1013法により測定するものであり、熱水収縮率は、JIS L1013法に従い、100℃×30分の熱水処理を行う方法により測定するものである。
次に、本発明の衣料用経編地を構成するミドル糸に用いる2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維〔ポリエステル繊維(A)と称することがある〕としては、2種類以上のポリエステルポリマーを用い、同心芯鞘型、偏心芯鞘型、サイドバイサイド型、多層型等の貼り合わせ形状にした複合繊維が挙げられる。中でもストレッチ性を付与するためには、偏心芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維が好ましい。
これらの複合繊維は、中でも単繊維繊度が1.0~3.0dtex、総繊度が50~100dtexであり、強度2.0~5.5cN/dtex、伸度15~50%であることが好ましく、ストレッチ性を考慮すると、熱水収縮率が5%以上となる、潜在捲縮性能を有しているマルチフィラメントであることが好ましく、中でも熱水収縮率が7%以上となる、潜在捲縮性能を有しているマルチフィラメントが好ましい。
複合繊維の熱水収縮率は、7~15%であることが特に好ましく、バック糸とフロント糸に用いるポリエステル繊維の熱水収縮率よりも、3%以上大きいことが好ましく、さらには4%以上大きいことが好ましい。
ミドル糸を形成する2種類以上のポリエステルポリマーの組み合わせとしては、一方にPETを使用し、他方にPBTを使用するものが好ましく、また、一方に高粘度のPETを使用し、他方に低粘度のPETを使用するもの、もしくは、一方にPETを使用し、他方にPTTを使用するものであってもよい。
本発明の衣料用経編地を構成するミドル糸には、上記したポリエステル繊維(A)とともに、導電性繊維を用いる。
本発明の衣料用経編地においては、導電性繊維を含有することによって、摩擦などによって発生する静電気を常に放出することができるため、帯電防止性能に優れたものとなる。中でも導電性繊維を0.1~3.0質量%含有させることが好ましく、0.5~2.0質量%含有させることがより好ましい。導電性繊維の含有量が0.1質量%未満になると、帯電防止性能に劣るものとなり、後述する(5)の特性値である、初期及び10洗後の帯電電荷密度を7μc/m以下にすることが困難となりやすい。
また、本発明の衣料用経編地は、ミドルの挿入糸に導電性繊維を用いることにより、編地表面に導電糸が露出することがないため、編地表面から導電糸が見えにくくなり美観が良好となるとともに、摩耗による導電糸切れを防止することも可能となる。
本発明における導電性繊維は、導電性微粒子を繊維中に練り込んだものであることが好ましいが、具体的には、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂などの繊維形成性樹脂に導電性物質を練り込んだもの(導電性樹脂)で形成される導電性繊維(単一成分系)や、導電性樹脂と非導電性樹脂で形成される導電性繊維(複合成分系)のいずれであってもよい。中でも、導電性樹脂の少なくとも一部が単繊維表面に露出している形態のものが好ましい。
導電性物質としては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどの導電性カーボンブラック;銀、ニッケル、銅、鉄、錫などの金属単体;硫化銅、硫化亜鉛、ヨウ化銅などの金属化合物などが挙げられる。
また、導電性繊維の電気抵抗値としては、帯電防止性能に優れ、初期及び10洗後の帯電電荷密度を7μC/m以下にするためには、10~1010Ω/cmであることが好ましい。
上記したような導電性繊維としては、例えば、ユニチカトレーディング社製「メガーナ」、KBセーレン社製「ベルトロン」、東レ社製「ルアナ」などを使用することができる。
そして、上記したような導電性繊維は、ポリエステル繊維(A)と合撚した合撚糸(B1)、もしくはポリエステル繊維(A)とともにインターレースしたインターレース糸(B2)とすることが好ましい。つまり、本発明の衣料用経編地を形成するミドル糸は、2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維(A)と、前記ポリエステル繊維(A)と導電性繊維の合撚糸(B1)もしくは前記ポリエステル繊維(A)と導電性繊維のインターレース糸(B2)を含むものであることが好ましい。
本発明の経編地に十分な帯電防止性能を付与するため、導電性繊維は、ウェール方向に1本/インチ以上配置することが好ましい。
また、ミドル糸をポリエステル繊維(A)と導電性繊維を含む合撚糸(B1)もしくはインターレース糸(B2)とする場合に、ポリエステル繊維(A)と導電性繊維の質量割合は、1/1~5/1であることが好ましい。
本発明の衣料用経編地は、以下の(1)~(3)の条件を全て満足するものである。
(1)JIS L1096 伸長率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸長率が30~90%
(2)目付が150~270g/m
(3)JIS L1096 F-2法(中温ワッシャ法;60℃×30分)で10洗後の経方向の収縮率及び緯方向の収縮率がいずれも3%以内
これらを満足することによって、ユニフォーム用途に適した適度なストレッチ性とハリ感に優れるとともに、洗濯耐久性に優れた形態保持性を有する経編地とすることができる。
まず、(1)の条件は、JIS L1096 伸長率B法に従って、荷重14.7Nを加えて測定された緯方向の伸長率が30~90%であることが必要であり、中でも35~80%であることが好ましく、さらには40~65%であることが好ましい。
本発明の衣料用経編地の伸長率が上記範囲を満足することにより、ユニフォーム用途に好適な着用動作時の皮膚の伸びに追随する適度なストレッチ性を有するものとなる。
なお、本発明の衣料用経編地の経方向の伸長率は、5~30%であることが好ましく、中でも5~20%であることが好ましい。
(2)の条件は、目付が150~270g/mであることが必要であり、中でも170~260g/mであることが好ましい。目付を上記範囲内のものにすることによって、本発明の衣料用経編地は、ユニフォーム用途に好適な適度なストレッチ性とハリ感を奏するものとなる。
また、本発明の衣料用経編地は、ユニフォーム用途に求められる着用動作時の皮膚の伸びに追随する適度なストレッチ性とハリ感を奏するためには、厚みが0.5~1.5mmであることが好ましく、中でも0.5~1.0mmであることが好ましい。
(3)の条件は、JIS L1096 F法(ワッシャ法)のF-2法(中温ワッシャ法;60℃×30分)で10洗後の経方向の収縮率及び緯方向の収縮率がいずれも3%以内である必要があり、中でも前記収縮率がいずれも2.5%以下であることが好ましく、さらには2.0%以下であることが好ましい。
10洗後の経方向及び緯方向の収縮率が3%以内であることにより、洗濯耐久性に優れた形態保持性を有することができる。ユニフォームに使用される衣服は、工業洗濯を行うクリーニングに繰り返し出されることにより、高温の洗濯条件で処理することが多くなるため、繰り返し洗濯を行ったとしても形態が安定していること、つまり洗濯による収縮が生じないことが要求される。
なお、JIS L1096 F法(ワッシャ法)のF-2法(中温ワッシャ法)において、洗濯・乾燥操作を「温度60℃、時間30分の条件で1回洗濯した後、湯洗を温度40℃、時間5分と温度40℃、時間10分の条件で2回行った後に、タンブル乾燥機にて温度60℃、30分の条件で乾燥する」条件に変更し、当該洗濯・乾燥操作を合計10サイクル行う。
また、本発明の衣料用経編地は上記洗濯・乾燥操作において、洗濯時の温度条件を60℃から80℃に変更した場合においても、10洗後の経方向の収縮率及び緯方向の収縮率がいずれも3%以内であることが好ましい。中でも前記収縮率がいずれも2.5%以下であることが好ましく、さらには2.0%以下であることが好ましい。このように、温度条件を80℃に変更した場合の10洗後の経方向と緯方向の収縮率がいずれも3%以内であることにより、より厳しい洗濯条件下であっても、洗濯耐久性に優れた形態保持性を奏することがわかる。
そして、本発明の衣料用経編地の前記収縮率は、上記の洗濯・乾燥操作を10回行った後(10洗後)の経編地を用いて次のようにして測定するものである。
まず、JIS L1096 8.39に従って、洗濯前の経編地にマーキングし、その後、上記の洗濯・乾燥操作を10回行った後(10洗後)、経編地の経方向と緯方向のマーキング間の長さを測定し、下記の計算式によって求める。
収縮率(%)=100-〔(洗濯後のマーキング間の長さ/洗濯前のマーキング間の長さ)×100〕
さらに、本発明の衣料用経編地は、(4)の条件として、緯方向の曲げ剛性(B値)が0.02~0.100gf.cm/cmであることが好ましく、中でも0.025~0.06gf.cm/cmであることが好ましい。曲げ剛性(B値)が上記範囲であることで、ハリ感に優れたものとなる。つまり、柔らかすぎず、適度な反発性を有するものとなる。
緯方向の曲げ剛性(B値)が0.020gf.cm/cm未満であると、得られる経編地は、ハリ感が乏しく、ユニフォーム用途の衣料として、シルエット性が低下するものとなる。また、伸張性は得られやすくなるものの、洗濯による収縮率が大きくなる傾向にある。一方、0.100gf.cm2/cmを超えると、得られる経編地は風合いが固くなり、ハリ感が強くなるとともに、ストレッチ性に乏しいものとなる。
また、経方向の曲げ剛性(B値)は、0.020~0.07gf.cm/cmであることが好ましく、中でも0.025~0.06gf.cm/cmであることが好ましい。
本発明における曲げ剛性(B値)は、KESFB2-A(カトーテック社製)を使用して測定するものである。
本発明の経編地は、さらに(5)の条件として、初期及び10洗後の帯電電荷密度(JIS L1094 C法により測定)が、経方向と緯方向のいずれの方向においても、摩擦布として、アクリル摩擦布、ナイロン摩擦布のいずれを用いても、絶対値で7μC/m以下であることが好ましく、中でも5μC/m以下であることが好ましい。これによって、本発明の経編地を衣服とした場合に、着用中の静電気の発生が抑制され、冬場などの低湿度で静電気の発生しやすい環境下においても快適に着用することができる。
なお、(5)の条件における10洗は、(3)の条件における10洗と同様の方法で行うものである。つまり、「温度60℃、時間30分の条件で1回洗濯した後、湯洗を温度40℃、時間5分と温度40℃、時間10分の条件で2回行った後に、タンブル乾燥機にて温度60℃、30分の条件で乾燥する」洗濯・乾燥操作を合計10サイクル行うものである。
次に、上記したような構成と特性値を有する本発明の衣料用経編地は、例えば後述するような経編地の組織とすることが好ましい。
本発明の衣料用経編地は、トリコット機やラッセル機などの経編機械で編成される。機械における針密度としては、20~32本/インチであることが好ましく、28~32本/インチであることがより好ましい。針密度が上記範囲を満足しない場合は、得られる経編地の特性値として、上述する(1)~(5)を満足することが困難となりやすい。
本発明の衣料用経編地は、フロント・ミドル・バックの少なくとも3枚の筬により編成される経編地である。フロントとバックはポリエステル繊維を用いてデンビ編み(図1(a)参照)、もしくはコード編み(図1(b)参照)された経編地であることが好ましい。
ミドルは、例えば上記のようなフロントとバックの経編地にミドル筬として挿入編みを組み合わせたものである。
本発明の衣料用経編地に採用され得る組織としては、例えば、図2に示されるような、デンビ編組織及び又はコード編組織と挿入組織とが組み合わせられた組織などが挙げられる。なお、挿入組織とはループを有しない組織である。
図2においては、(a)はバック筬により1-2/1-0で編まれた部位を示している。(b)はミドル筬により0-0/2-2で編まれた部位を示している。(c)はフロント筬により1-0/2-3で編まれた部位を示している。
つまり、図2においては、ミドル筬が挿入組織を編成しており、フロント筬およびバック筬がニット組織を編成している。そして、ミドル筬によって形成される部位は、フロント筬がニット組織を編成することにより保持される。このように、バック筬とフロント筬が共に重なるループ組織を構成していることにより、得られるポリエステル系経編地はより安定なものとなり、かつ前述した(1)~(5)の条件を満足する経編地とすることができる。
本発明の衣料用経編地を得る際には、上記のような組織で製編された生機を精練・乾燥して余分な油分や不純物を除去して、170~190℃で熱セットを行い、形状を安定させることが好ましい。さらに、用途に応じて、常法のポリエステル染色法にて染色を行い、仕上後のコース及びウェール密度が染色後のコース及びウェール密度より3%以上低下しない条件で、150~170℃で仕上げセットを行うことが好ましい。
(1)経編地の伸長率、収縮率、帯電電荷密度
前記の方法で測定した。
(2)経編地の目付け
JIS L 10968.3に従い測定、算出した。
(3)経編地の厚み
PEACOCK DIAL THICKNESS GRADE MODEL H(0.01mm)で経編地の厚みを測定した。
(4)経編地の曲げ剛性(B値)
曲げ試験機(カトーテック社製、「KESFB2-A」)を用いた。得られた経編地を20cm×20cmの幅に裁断し、試験片とした。試験片を曲率が-2.5cm-1~+2.5cm-1の範囲で、曲率増加速度=0.5cm/secの曲げ試験を行った。曲げ試験は1サイクルとし、単位長さ当たりの曲げ剛性値である曲げ剛性B値(単位:gf・cm2/cm)を求めた。
(5)ポリエステル繊維の強度、伸度、熱水収縮率
前記の方法で測定した。
実施例1
3枚の筬を備える28ゲージのトリコット編機(Karl MAYER社製)を用いて、以下の糸使い、編組織にて製編を行い、生機を得た。
(糸使い)
L1筬(バック糸):ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント(84dtex/72f、強度3.79cN/dtex、伸度17.7%、熱水収縮率3.8%)
L2筬(ミドル糸):(A);ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート サイドバイサイド複合繊維(84dtex/36f、強度3.58N/dtex、伸度26.2%、熱水収縮率8.4%)
(B);:(A)と導電性繊維(ユニチカ社製「メガーナ」28dtex/2f)のS撚500T/mの合撚糸((A)と導電性繊維を1本ずつ用いて合撚した)
なお、(B)は28コースに1本配列した。
L3筬(フロント糸):L1筬で使用したポリエステルマルチフィラメント
(編組織)
L1筬にバック糸、L2筬にミドル糸、L3筬にフロント糸を配し、表1に記載の組織とした。
次いで、得られた生機を、精練・乾燥して余分な油分や不純物を除去し、180℃で熱セットを行った。さらに、130℃×30分の条件でポリエステル染色を行い、160℃で仕上セットし、経編地を得た。
実施例2
実施例1と同じトリコット編機を用い、糸使いのうち、L2筬を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして経編地を得た。
(糸使い)
L2筬:(A);ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートサイドバイサイド複合繊維(56dtex/48f、強度3.35N/dtex、伸度24.2%、熱水収縮率8.1%)
(B);(A)と導電性繊維〔ユニチカ社製「メガーナ」28dtex/2fのS撚500T/m合撚糸((A)と導電性繊維を1本ずつ用いて合撚した)〕
なお、(B)は28コースに1本配列した。
比較例1
実施例1と同じトリコット編機を用い、糸使いのうち、L2筬を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして経編地を得た。
(糸使い)
L2筬:(A);ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント(84dtex/72f、強度3.79cN/dtex、伸度17.7%、熱水収縮率3.8%)
(B);(A)と導電性繊維(ユニチカ社製「メガーナ」28dtex/2f)のS撚500T/mの合撚糸((A)と導電性繊維を1本ずつ用いて合撚した)
なお、(B)は28コースに1本配列した。
比較例2
実施例1と同じトリコット編機を用い、糸使いのうち、L3筬を以下のように変更した以外は、比較例1と同様にして経編地を得た。
(糸使い)
L3筬:ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートサイドバイサイド複合繊維(84dtex/36f、強度3.58N/dtex、伸度26.2%、熱水収縮率8.4%)
比較例3
実施例1と同じトリコット編機を用い、糸使いのうち、L1筬を以下のように変更した以外は、比較例1と同様にして経編地を得た。
(糸使い)
L1筬:ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート サイドバイサイド複合繊維(84dtex/36f、強度3.58N/dtex、伸度26.2%、熱水収縮率8.4%)
比較例4
実施例1と同じトリコット編機を用い、糸使いのうち、L2筬を以下のように変更した以外は、実施例2と同様にして経編地を得た。
(糸使い)
L2筬:ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートサイドバイサイド複合繊維(56dtex/48f、強度3.35N/dtex、伸度24.2%、熱水収縮率8.1%)
比較例5
実施例1と同じトリコット編機を用い、編組織を表1に示すものに変更した以外は、比較例1と同様にして経編地を得た。
実施例1~2、比較例1~5で得られた経編地の特性値を表1に示す。
Figure 2022011744000002
表1から明らかなように、実施例1~2で得られた経編地は、本発明で規定する(1)~(5)の条件を全て満足するものであり、緯方向のストレッチ性に優れており、洗濯による収縮が少なく、帯電防止性能にも優れた生地であった。かつ、風合いとしては、適度なハリ感を有しており、ユニフォーム用途に好適なものであった。また、2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維(A)と導電性繊維の合撚糸(B1)をミドルの挿入組織に編成することで、導電性繊維が経編地の表面に露出することなく、白色で染色しても、導電性繊維の色が表面に反映されにくく、良好な白色度合を保持することができる。
一方、比較例1で得られた経編地は、ミドル糸にポリエステルマルチフィラメントを用いたため、緯方向の伸長率が低く、ストレッチ性に劣るものであった。
比較例2で得られた経編地は、ミドル糸にポリエステルマルチフィラメントを用い、かつループ組織を形成するフロント組織に熱収縮の大きいPET/PBTサイドバイサイド複合繊維を用いたため、ループのしまりが強くなり、緯方向の伸長率が低く、ストレッチ性に劣るものであった。また、緯方向の曲げ剛性値が高く、ハリ感が強すぎて、着心地の悪いものとなった。
比較例3で得られた経編地は、ミドル糸にポリエステルマルチフィラメントを用い、かつループ組織を形成するバック組織に熱収縮の大きいPET/PBTサイドバイサイド複合繊維を用いたため、比較例2と同様にループのしまりが強くなり、ストレッチ性に劣るものであった。また、緯方向の曲げ剛性値が高く、ハリ感が強すぎて、着心地の悪いものとなった。
比較例4で得られた経編地は、導電性繊維を用いていなかったため、帯電電荷密度が大きく、帯電防止性能に劣るものであった。
比較例5で得られた経編地は、フロント糸、ミドル糸、バック糸にポリエステルマルチフィラメントを用い、かつミドル糸で挿入編みを形成しない組織であり、ストレッチ性には優れるが、10洗後の緯方向の収縮率が高く、洗濯耐久性に劣るものであった。また、緯方向の曲げ剛性値が低かったため、ハリ感に乏しく、ユニフォーム用の衣料としてはシルエット性が低下してしまうものであった。

Claims (5)

  1. バック糸とフロント糸がポリエステル繊維であり、ミドル糸に2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維と導電性繊維を用いて挿入編みを形成してなる経編地であって、以下の(1)~(3)の条件を全て満足することを特徴とする、衣料用経編地。
    (1)JIS L1096 伸長率B法(荷重14.7N)により測定した緯方向の伸長率が30~90%
    (2)目付が150~270g/m
    (3)JIS L1096 F-2法(中温ワッシャ法;60℃×30分)で10洗後の経方向の収縮率及び緯方向の収縮率がいずれも3%以内
  2. さらに、以下(4)の条件を満足する、請求項1記載の衣料用経編地。
    (4)緯方向の曲げ剛性(B値)が0.020~0.100gf.cm/cm
  3. さらに、以下(5)の条件を満足する、請求項1又は2に記載の衣料用経編地。
    (5)初期及び10洗後のJIS L1094 C法により測定した帯電電荷密度が7μC/m以下
  4. ミドル糸は、2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維(A)と、2種類以上のポリマーを構成成分とするポリエステル繊維(A)と導電性繊維の合撚糸(B1)もしくはインターレース糸(B2)とを含む、請求項1~3のいずれかに記載の衣料用経編地。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の衣料用経編地からなるユニフォーム。
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