JP2022008503A - 積層膜、及び、Ag合金スパッタリングターゲット - Google Patents

積層膜、及び、Ag合金スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、かつ、光学特性及び電気特性に優れた積層膜、及び、この積層膜を構成するAg合金膜を成膜する際に用いられるAg合金スパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】Ag合金膜11と、このAg合金膜11の両面に積層された透明誘電体膜12と、を備えた積層膜10であって、Ag合金膜11は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有し、さらにNa,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下とされ、残部がAg及び不可避不純物とされた組成とされていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、赤外線を反射して遮熱する低放射ガラス等の遮熱膜やディスプレイあるいはタッチパネル等の透明導電配線膜として利用可能な積層膜、及び、この積層膜を構成するAg合金膜を成膜する際に用いられるAg合金スパッタリングターゲットに関するものである。
一般に、上述の低放射ガラス等においては、例えば特許文献1に開示されているように、ガラス表面に、Ag合金膜と透明誘電体膜とを積層した積層膜(遮熱膜)を成膜した構造とされている。この低放射ガラス等に用いられる積層膜においては、赤外線の反射率が高く、かつ、可視光の透過率が高いことが求められる。
また、このような積層膜は、例えば特許文献2に記載されているように、各種ディスプレイ等の透明導電配線膜としても利用されている。この透明導電配線膜には、可視光域の光の透過率が高く、かつ、電気抵抗の低いものが要求される。
ここで、ガラス基板等にAg合金膜を成膜する場合には、例えば特許文献3,4に開示されているように、Ag合金スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法が利用されている。
特開2007-070146号公報 特開平09-232278号公報 特開2004-238648号公報 特開2006-240289号公報
ところで、上述の積層膜においては、遮熱膜として使用する場合には、可視光を透過するとともに赤外線を反射するといった光学特性が要求される。また、透明導電配線膜として使用する場合には、可視光を透過する光学特性と優れた導電率を有する電気特性も要求される。
また、例えば低放射ガラス等を製造する際には、ガラスの強化を目的として、積層膜を成膜した状態で、例えば700℃まで加熱してエアー等で急冷する熱処理(風冷強化法)を行う場合がある。上述の積層膜においては、この熱処理の際にAg合金膜に割れが発生してしまうおそれがあった。このため、通常、Ag合金膜の両面に金属膜等の保護膜を形成してAg合金膜の耐久性を向上させることが実施されているが、保護膜を形成することによって、製造コストの上昇、及び、光学特性の低下といった問題が生じるおそれがあった。
なお、各種ディスプレイ等の透明導電配線膜を作製する際においても、工程中に熱処理が含まれることがある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性に優れ、かつ、光学特性及び電気特性に優れた積層膜、及び、この積層膜を構成するAg合金膜を成膜する際に用いられるAg合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の積層膜は、Ag合金膜と、このAg合金膜の両面に積層された透明誘電体膜と、を備えた積層膜であって、前記Ag合金膜は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有し、さらにNa,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下とされ、残部がAg及び不可避不純物とされた組成とされていることを特徴としている。
本発明の積層膜によれば、Ag合金膜がSn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有しているので、Ag合金膜の耐熱性を向上させることができる。よって、金属からなる保護膜を形成する必要がない。
また、Na,K,Ba,Teといった元素は、融点が700℃以下と比較的融点が低く、かつ、Agに固溶しにくい元素である。そこで、Ag合金膜において、Na,K,Ba,Teの合計含有量を50質量ppm以下に制限することにより、熱処理等で粒界にこれらの元素が濃化することを抑制できる。
さらに、炭素は熱処理時に酸化されてCOガスやCOガスとなって放出され、Ag合金膜に凹凸を生じさせるおそれがある。そこで、Ag合金膜において、炭素の含有量を50質量ppm以下に制限することにより、熱処理等でAg合金膜に凹凸が生じることを抑制できる。
以上のことから、本発明の積層膜は、例えば700℃といった比較的高温条件の熱処理を実施した場合であっても、Ag合金膜の割れの発生を抑制することができる。また、本発明の積層膜は、可視光の透過率及び赤外線の反射率等の光学特性に優れ、かつ、導電率等の電気特性に優れている。
ここで、本発明の積層膜においては、前記Ag合金膜は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上3.0原子%以下の範囲で含有することが好ましい。
この場合、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量の上限が3.0原子%以下とされているので、積層膜の光学特性及び電気特性をさらに向上させることができる。
また、本発明の積層膜においては、前記Ag合金膜が、さらに、Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素を含有し、前記添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zが、0.02≦X/Z≦0.4の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、Ag合金膜がMg,Ca,Sbといった元素を上述の範囲で含有しているので、Ag合金膜の耐熱性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明の積層膜においては、前記透明誘電体膜は、Zn,Al,Sn,Ti,Si,Zr,Ta,Inから選択される少なくとも一種以上を含む酸化物膜又は窒化物膜であることが好ましい。
この場合、前記透明誘電体膜における可視光の透過率等の光学特性、及び、電気特性に優れており、積層膜としての光学特性及び電気特性を向上させることができる。
本発明のAg合金スパッタリングターゲットは、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有し、さらにNa,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下とされ、残部がAg及び不可避不純物とされた組成とされていることを特徴とする。
この構成のAg合金スパッタリングターゲットによれば、上述したように、耐熱性に優れ、かつ、光学特性及び電気特性に優れたAg合金膜を成膜することができる。
ここで、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上3.0原子%以下の範囲で含有することが好ましい。
この場合、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量の上限が3.0原子%以下とされているので、積層膜の光学特性及び電気特性にさらに優れたAg合金膜を成膜することができる。
また、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、さらに、Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素を含有し、前記添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zが、0.02≦X/Z≦0.4の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、Mg,Ca,Sbといった元素を上述の範囲で含有しているので、成膜したAg合金膜の耐熱性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明のAg合金スパッタリングターゲットにおいては、スパッタ面の面積が0.25m以上であり、前記スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSが200μm以下とされるとともに、結晶粒径の標準偏差σGSと結晶粒径の平均値μGSとによって以下の式で定義される分布DGSが25%以下とされていることが好ましい。
GS=(σGS/μGS)×100(%)
この場合、スパッタ面の面積が0.25m以上と大面積であっても、前記スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSが200μm以下とされているので、スパッタ時の異常放電の発生を抑制することができる。また、結晶粒径の標準偏差σGSと結晶粒径の平均値μGSとによって定義される分布DGSが25%以下とされているので、スパッタが進行した後でもスパッタ面内でのスパッタレートのばらつきを抑制することができ、厚さのばらつきが少ないAg合金膜を形成することができる。
耐熱性に優れ、かつ、光学特性及び電気特性に優れた積層膜、及び、この積層膜を構成するAg合金膜を成膜する際に用いられるAg合金スパッタリングターゲットを提供することが可能となる。
本発明の実施形態である積層膜の断面説明図である。 本発明の実施形態であるAg合金スパッタリングターゲットのスパッタ面における結晶粒径の測定位置を示す説明図である。 実施例における熱処理後の積層膜の外観観察結果を示す写真である。(a)が本発明例3の積層膜、(b)が比較例1の積層膜である。
以下に、本発明の一実施形態である積層膜、及び、Ag合金スパッタリングターゲットについて説明する。なお、本実施形態である積層膜は、ガラス基板の表面に成膜され、赤外線を反射して遮熱する低放射ガラスを構成するものである。
本実施形態である積層膜10は、図1に示すように、ガラス基板1の表面に形成されたものであり、Ag合金膜11とこのAg合金膜11の両面にそれぞれ形成された透明誘電体膜12,12と、を備えている。なお、本実施形態である積層膜10は、(2n+1)層(nがAg合金膜11の層数)の構造とされており、本実施形態では、Ag合金膜11は、2層形成されており、全体で5層構造とされている。
ここで、Ag合金膜11のそれぞれの膜厚は 例えば5nm以上30nm以下の範囲内とされている。
また、透明誘電体膜12のそれぞれの膜厚は 例えば5nm以上200nm以下の範囲内とされている。
ここで、透明誘電体膜12は、光学調整層としての働きがあり、Zn,Al,Sn,Ti,Si,Zr,Ta,Inから選択される少なくとも一種以上を含む酸化物膜又は窒化物膜で構成されていることが好ましい。具体的には、ZnO,SnO,ZnSnO,AlO,AlN,TiO,SiN,ZrO,TaO,InSnO等が挙げられる。
これらの酸化物膜又は窒化物膜は、要求される特性に応じて、適宜選択することが好ましい。
そして、Ag合金膜11は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有し、さらにNa,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下とされ、残部がAg及び不可避不純物とされた組成とされている。なお、本実施形態のAg合金膜11は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上3.0原子%以下の範囲で含有することが好ましい。
さらに、Ag合金膜11が、さらに、Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素を含有し、この添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zが、0.02≦X/Z≦0.4の範囲内とされていることが好ましい。
なお、Ag合金膜11は、さらに貴金属(Au,Pt,Pd,Rh,Ir,Ru,Os)が適量添加されていてもよい。
また、本実施形態であるAg合金膜11は、Ag合金スパッタリングターゲット20を用いたスパッタ法によって成膜される。
ここで、Ag合金スパッタリングターゲット20においては、上述のAg合金膜11と同様の組成とされている。なお、成膜したAg合金膜11をICP発光分光分析により成分分析した結果、Ag合金スパッタリングターゲット20の組成と実質的に同等であることを確認している。
ここで、Ag合金膜11及びAg合金スパッタリングターゲット20の組成を上述のように規定した理由を以下に示す。
(Sn又はGeの少なくとも一種以上)
Sn又はGeは、膜の加熱時に、Ag膜の結晶粒界又は粒内に存在し、Ag原子の熱による移動・凝集をピン止め効果で抑制することでAg合金膜11の耐熱性を向上させる元素であり、Ag合金膜11に対して、例えば700℃といった比較的高温条件の熱処理を施した場合であっても、Ag合金膜11の割れ等の欠陥が生じることを抑制できる。また、熱処理後の光学特性及び電気特性を向上させることが可能となる。
ここで、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量が0.5原子%未満では、上述の作用効果を奏することができないおそれがある。一方、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量が8.0原子%を超える場合には、著しく合金の硬さが上昇し圧延時等に割れを頻発させることにより、このAg合金膜11を成膜するためのAg合金スパッタリングターゲット20を製造することができなくなるおそれがある。
以上のことから、本実施形態においては、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量が0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲内とされている。
なお、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量は、0.5原子%以上3.0原子%以下の範囲内であることが好ましい。
例えば、低放射ガラス等においては、熱処理による強化を行う強化ガラス品と熱処理を行わない通常ガラス品とがある。ここで、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量を3.0原子%以下に制限することにより、熱処理前の光学特性及び電気特性を向上させることができ、強化ガラス品と通常ガラス品とを区別することなく製造することが可能となる。
(Na,K,Ba,Te)
これらNa,K,Ba,Teといった元素は、融点が700℃以下であり、かつ、Agに固溶しない元素である。このため、成膜後に熱処理した際に、Ag合金膜11においてAgの母相中に固溶していた上述の元素が結晶粒界に濃化し、加熱時に溶融してAg合金膜11の特性が劣化するおそれがある。
このため、本実施形態では、Na,K,Ba,Teの合計含有量を50質量ppm以下に制限し、Ag合金膜11の特性が劣化を抑制している。
(炭素)
炭素は、熱処理時に酸化されてCOガスやCOガスとなって放出され、Ag合金膜11に凹凸を生じさせるおそれがある。
このため、本実施形態では、炭素の含有量を50質量ppm以下に制限することで、熱処理等でAg合金膜11に凹凸が生じることを抑制している。
(Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素)
上述の添加元素は、Ag合金の耐熱性をさらに向上させる作用効果を有する。
ここで、Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zが0.02よりも小さい場合には、上述の添加元素によって耐熱性を向上させることができないおそれがあった。一方、X/Zが0.4よりも大きい場合には、Sn又はGeの耐熱性向上の効果を阻害するおそれがある。
以上のことから、本実施形態においては、Mg,Ca,Sbから選択される一種以上の添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zを0.02以上0.4以下の範囲内に設定している。
そして、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20においては、スパッタ面の面積が0.25m以上とされている。
また、スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSが200μm以下とされるとともに、結晶粒径の標準偏差σGSと結晶粒径の平均値μGSとによって以下の式で定義される分布DGSが25%以下とされている。
GS=(σGS/μGS)×100(%)
ここで、本実施形態においては、Ag合金スパッタリングターゲット20のスパッタ面の結晶粒径の平均値μGS及び標準偏差σGSは、図2に示すように、スパッタ面が矩形状をなしていることから、スパッタ面の中心と4つの角部の5箇所でそれぞれ結晶粒径を測定し、得られた5つの測定値から算出した。
以下に、Ag合金スパッタリングターゲット20のスパッタ面の面積、結晶粒径について、上述のように規定した理由を以下に示す。
建材ガラスを製造するためには、比較的大面積で積層膜10(Ag合金膜11)を成膜する必要があることから、Ag合金スパッタリングターゲット20のスパッタ面の面積を0.25m以上とすることが好ましい。
また、スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSを200μm以下とすることにより、スパッタ時における異常放電の発生を抑制でき、安定してスパッタ成膜を行うことが可能となる。
さらに、スパッタ面内において、結晶粒径に分布があると、長時間にわたってスパッタを行った際に、スパッタ面内でスパッタレートの差が生じ、成膜したAg合金膜11において膜厚分布が発生するおそれがある。このため、結晶粒径の標準偏差σGSと結晶粒径の平均値μGSとによって定義される分布DGSを25%以下に制限している。
<Ag合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20の製造方法について説明する。
まず、純度99.9質量%以上のAg原料と、純度99.9質量%以上のSn,Ge,Mg,Ca,Sbの副原料を用意する。
そして、Ag原料を硝酸で浸出し、所定のAg濃度にした電解液を用いて電解精錬を行い、Na,K,Ba,Teの合計含有量を50質量ppm以下、炭素の含有量を50質量ppm以下に低減する。
真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下でAg原料を溶解し、得られた溶湯に所定量のSn,Ge,Mg,Ca,Sbを添加し、所定の組成のAg合金インゴットを製造する。なお、Sn,Ge,Mg,Ca,Sbといった元素は、真空雰囲気でAg原料を溶解した後、不活性ガス(Ar)で置換した状態で添加することが好ましい。また、副原料として上述の元素を含有する母合金を用いてもよい。
次に、均質化処理工程として、Ag合金インゴットに対して600℃以上900℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持する熱処理を行う。
ここで、熱処理温度が600℃未満あるいは保持時間が1時間未満では、均質化が不十分となるおそれがある。一方、熱処理温度が900℃を超えると、Agの融点に近くなり、軟化・溶融してしまうおそれがある。また、保持時間が10時間を超えると、Ag合金中の副原料が内部酸化するおそれがある。
次に、熱間加工を実施する。本実施形態では、熱間圧延を行う。ここで、圧延終了温度は500℃以上700℃以下の範囲内とすることが好ましく、場合に応じて中間焼鈍を行うことが好ましい。
また、少なくとも圧延の最終1パスの加工率(圧下率)を20%以上とすることが好ましい。加工率(圧下率)が20%未満では、結晶粒径を十分に微細化することができず、また、内部の結晶粒径も不均一となるおそれがある。なお、圧延機の能力の関係から1パス当たりの加工率(圧下率)は50%以下となることが現実的である。
次に、熱間圧延の後、スパッタリングターゲットの結晶組織の均一化及び加工硬化の除去のために、熱処理を実施する。ここで、熱処理温度は600℃以上750℃以下の範囲内、保持時間は1時間以上5時間以下の範囲内とすることが好ましい。
熱処理温度が600℃未満だと加工硬化除去の効果が十分でなく、750℃を超えると結晶粒が粗大化するおそれがある。
そして、熱処理後には、空冷又は水冷によって急冷する。
上述の工程によって、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20が製造される。
<積層膜の製造方法>
次に、本実施形態である積層膜10の製造方法について説明する。
まず、ガラス基板1の表面に、透明誘電体膜12を形成する。本実施形態では、上述した酸化物または窒化物からなるスパッタリングターゲットを用いて成膜する。なお、スパッタリングターゲットの導電性等を考慮して、DC(直流)スパッタ、RF(高周波)スパッタ、MF(中周波)スパッタ、AC(交流)スパッタ等を適宜選択して使用することが好ましい。
成膜された透明誘電体膜12の上に、上述した本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20を用いて、Ag合金膜11を成膜する。
そして、上述のように透明誘電体膜12とAg合金膜11の成膜を繰り返し、本実施形態である積層膜10が成膜される。
以上のような構成とされた本実施形態である積層膜10においては、Ag合金膜11がSn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有しているので、Ag合金膜11の耐熱性を向上させることができる。よって、金属からなる保護膜を形成する必要がない。
また、Ag合金膜11において、Na,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下に制限されているので、熱処理時において結晶粒界にこれらの元素が濃化することを抑制でき、Ag合金膜11の特性の低下を抑制することができる。
さらに、Ag合金膜11において、炭素の含有量を50質量ppm以下に制限しているので、熱処理時に炭素がCOガスやCOガスとして放出されることを抑制でき、Ag合金膜11に凹凸が生じることを抑制できる。
よって、例えば700℃といった比較的高温条件の熱処理を実施した場合であっても、Ag合金膜11の割れの発生を抑制することができるとともに、光学特性及び電気特性に優れた積層膜10を提供することができる。
また、Ag合金膜11において、Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量を0.5原子%以上3.0原子%以下とした場合には、熱処理前の光学特性及び電気特性を向上させることができ、強化ガラス品と通常ガラス品とを区別することなく製造することができる。
さらに、Ag合金膜11が、さらに、Mg,Ca,Sbから選択される一種以上の添加元素を含有し、前記添加元素の合計含有量をX原子%とした場合に、Sn及びGeの合計含有量Z原子%との関係が、0.02≦X/Z≦0.4の範囲内とされている場合には、Ag合金膜11の耐熱性をさらに向上させることができる。
さらに、本実施形態においては、透明誘電体膜12が、Zn,Al,Sn,Ti,Si,Zr,Ta,Inから選択される少なくとも一種以上を含む酸化物膜又は窒化物膜であるので、透明誘電体膜12における可視光の透過率等の光学特性、及び、電気特性に優れており、積層膜10としての光学特性及び電気特性を向上させることができる。
本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20においては、上述のAg合金膜11と同等の組成を有しているので、耐熱性に優れ、かつ、光学特性及び電気特性に優れたAg合金膜11を成膜することができる。
さらに、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20においては、スパッタ面の面積が0.25m以上とされ、比較的大面積とされているので、大型の基板等にも良好にスパッタ成膜することができる。
また、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20においては、スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSが200μm以下とされているので、スパッタ時の異常放電の発生を抑制することができ、安定してスパッタ成膜することができる。
さらに、本実施形態であるAg合金スパッタリングターゲット20においては、結晶粒径の標準偏差σGSと結晶粒径の平均値μGSとによって定義される分布DGSが25%以下とされているので、スパッタが進行した後であってもスパッタ面内でのスパッタレートのばらつきを抑制することができ、厚さのばらつきが少ないAg合金膜を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、ガラス基板に積層膜が成膜された低放射ガラスを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、樹脂基板や樹脂フィルム等に本実施形態である積層膜を形成し、透明導電配線膜として利用してもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、Ag合金膜を2層形成し、透明誘電体膜を含めた5層構造の積層膜として説明したが、これに限定されることはなく、Ag合金膜を1層形成し、その両面に透明誘電体膜を形成した3層構造の積層膜であってもよいし、Ag合金膜を3層以上形成し、それぞれのAg合金膜の両面に透明誘電体膜を形成した積層膜であってもよい。
さらに、本実施形態では、透明誘電体膜を、酸化物及び窒化物からなるスパッタリングターゲットを用いて成膜したものとして説明したが、これに限定されることはなく、上述の金属(Zn,Al,Sn,Ti,Si,Zr,Ta,In)からなるスパッタリングターゲットを用いて、酸素雰囲気又は窒素雰囲気で反応スパッタを行うことによって成膜してもよい。
また、本実施形態では、スパッタ面が矩形状をなすものとして説明したが、これに限定されることはなく、スパッタ面が円形をしていてもよいし、円筒面となる円筒状スパッタリングターゲットであってもよい。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
純度99.9質量%以上のAg原料を準備し、本発明例及び比較例1-4においては、このAg原料を硝酸で浸出した後、所定のAg濃度の電解液を用いて電解精錬を行った。精製後のAg原料についてICP法による不純物分析及び炭素ガス分析を実施し、Na,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下であるものを用いた。なお、比較例5,6では、上述の電解精錬を実施しなかったものを使用した。また、比較例7,8においては、Na,K、Cを適宜添加した。
このAg原料を真空雰囲気下で溶解し、Arガスに置換した後、純度99.9質量%以上のSn,Ge,Mg,Ca,Sbの副原料を添加し、所定の組成のAg合金溶湯を溶製した。そして、このAg合金溶湯を、鋳造してAg合金インゴットを製造した。
得られたAg合金インゴットに対して、700℃×3時間の条件で均質化処理を行った。
均質化処理を行った後、熱間圧延を実施した。圧延終了温度を600℃とし、圧延の最終1パスの圧下率を25%とした。
熱間圧延後に、600℃×1時間の条件で熱処理を行った。
以上により、長さ2000mm、幅200mm,厚さ8mmの板材を得た。
また、本発明例19として、熱間圧延後の熱処理を800℃×3時間の条件で実施したもの、更に本発明例20として、均質化処理を600℃×30分、熱間圧延後熱処理を800℃×10分で行ったものを作製した。
得られた板材において、スパッタ面おける結晶粒径の平均値及び分布を以下のように測定した。
図2に示す位置より測定試料を採取し、各測定試料のスパッタ面を観察面として♯180~♯4000の耐水研磨紙で研磨した後、1~3μmの砥粒を用いてバフ研磨した。
次に、エッチング液として過酸化水素水とアンモニア水との混合液を用いて、このエッチング液に室温で1~2秒浸漬することによって、観察面のエッチングを行った。
エッチング後の観察面を光学顕微鏡で倍率30倍で写真を撮影し、各写真において、60mmの線分を井げた状に20mm間隔で縦横に合計4本引き、それぞれの直線で切断された結晶粒の数を数えた。なお、線分の端部に位置する結晶粒は0.5個としてカウントした。
平均切片長さL(μm)を、L=60000/(M・N)で求めた。ここで、Mは実倍率、Nは切断された結晶粒の平均個数である。
求めた平均切片長さLから、測定試料の結晶粒径d(μm)をd=(3/2)×Lによって算出した。
各5箇所の測定試料から得られた結晶粒径の5点平均から板材全体としての結晶粒径の平均値μGS、及び、標準偏差σGSを算出した。そして、これら結晶粒径の平均値μGS、及び、標準偏差σGSを用いて、以下の式により、分布DGSを算出した。測定結果を表1に示す。
GS=(σGS/μGS)×100(%)
次に、上述の板材を切断して機械加工することにより、所定寸法(126mm×178mm×厚さ6mm)のAg合金スパッタリングターゲットを製作した。なお、Na,K,Cといった元素は、人体中の皮脂等に存在するため、製造工程を通じてAg合金スパッタリングターゲットを素手では扱わなかった。
このAg合金スパッタリングターゲットを、無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これをスパッタ装置に装着した。本実施形態では、マグネトロンDCスパッタ装置を用いた。また、本実施形態では、基板搬送式のスパッタ装置を用いた。
(異常放電回数)
通常のマグネトロンスパッタ装置に、上述のターゲット複合体を取り付け、1×10-4Paまで排気した後、Arガス圧:0.5Pa、投入電力:直流1000W、ターゲット基板間距離:60mmの条件でスパッタを実施した。スパッタ時の異常放電回数は、MKSインスツルメント社製DC電源(RPDG-50A)のアークカウント機能により、放電開始から1時間の異常放電回数として計測した。
(面内のスパッタレートばらつき)
上記寸法(2000mm×200mm×8mmt)の板材について、長手方向に3箇所(左端・中央・右端)の点からそれぞれ所定寸法(126mm×178mm×6mm)のAg合金スパッタリングターゲットを3枚製作する。それぞれについて、段落番号0063と同様の条件でスパッタを行い、スパッタリングレートを計算した。スパッタリングレートは、段差測定用のマスクテープを施したガラス基板上に一定時間成膜し、成膜された膜の段差を段差測定計(アルバック社 DEKTAK-XT)を用いて測定することで算出している。3枚のスパッタングターゲットの間のスパッタレート差は以下の式で求めた。
{(最大のレート)-(最小のレート)}/(3枚のレートの平均値)×100(%)
また、表2及び表3に示す窒化物及び酸化物からなるスパッタリングターゲットを準備した。なお、表2及び表3におけるZnSnOは、ZnとSnの原子比が1:1のものとした。
そして、5cm角のガラス基板(コーニング社製EAGLEXGガラス)に対して、表2及び表3に示す層構成の積層膜をスパッタによって成膜した。
なお、Ag合金膜のスパッタ条件は、以下のように規定した。
成膜開始真空度:1.0×10-4Pa以下
スパッタガス:高純度アルゴン
チャンバー内スパッタガス圧力:0.5Pa
直流電流:300W
以上のようにして、本発明例及び比較例の積層膜を成膜した。なお、従来例として、表3に記載の層構成の積層膜を成膜した。
上述のようにして得られた積層膜に対して、700℃×5分の熱処理の後空冷した。そして、熱処理前、及び、熱処理後のシート抵抗、可視光透過率、赤外線反射率を以下のようにして測定した。また、熱処理後の積層膜の外観評価を行った。
(シート抵抗)
抵抗測定器(三菱化学株式会社製ロレスタGP)を用いて、四探針法により、積層膜のシート抵抗を測定した。評価結果を表4,5に示す。
(可視光の透過率及び赤外線の反射率)
分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製U-4100)を用いて、波長550nm(可視光)の透過率、及び、波長2000nm(赤外線)の反射率を測定した。評価結果を表4,5に示す。
(膜の外観観察)
熱処理後の積層膜の外観を光学顕微鏡で実倍率100倍で観察し、100μm以上の欠陥が観察されたものを「×」、100μm以上の欠陥が観察されなかったものを「○」と評価した。評価結果を表3に示す。また、図3(a)に本発明例3の外観観察結果を、図3(a)に比較例1の外観観察結果を示す。
Figure 2022008503000002
Figure 2022008503000003
Figure 2022008503000004
Figure 2022008503000005
Figure 2022008503000006
Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量が0.5原子%未満とされた比較例1及び比較例3のAg合金スパッタリングターゲットを用いた、比較例101及び比較例103の積層膜においては、熱処理後のシート抵抗、可視光の透過率、赤外線の反射率が、劣化していることが確認された。また、熱処理後の積層膜の外観評価が「×」となった。
Sn又はGeの少なくとも一種以上の合計含有量が8.0原子%を超えた比較例2及び比較例4においては、ターゲットの作製中に割れが生じてしまい、Ag合金スパッタリングターゲットを製造することができなかった。このため、その後の評価を中止した。
Na,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppmを超えるとともに炭素の含有量が50質量ppmを超える比較例5,6、Na,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppmを超える比較例7、炭素の含有量が50質量ppmを超える比較例8のAg合金スパッタリングターゲットを用いて成膜した比較例105~108の積層膜においては、熱処理後のシート抵抗、可視光の透過率、赤外線の反射率が、劣化していることが確認された。また、熱処理後の積層膜の外観評価が「×」となった。
Mg,Ca,Sbから選択される一種以上の添加元素の合計含有量X原子%と、Sn及びGeの合計含有量Z原子%との比X/Zが0.5を超える比較例9~11のAg合金スパッタリングターゲットを用いて成膜した比較例109~111の積層膜においては、熱処理後のシート抵抗、可視光の透過率、赤外線の反射率が、劣化していることが確認された。また、熱処理後の積層膜の外観評価が「×」となった。
これに対して、本発明例1~18のAg合金スパッタリングターゲットを用いて成膜した本発明例101~128の積層膜においては、熱処理後のシート抵抗、可視光の透過率、赤外線の反射率に優れていることが確認された。また、熱処理後の積層膜の外観評価が「○」となった。また、本発明例13のAg合金スパッタリングターゲットを用いて成膜した本発明例113、119~128の積層膜においては、透明誘電体膜の材質を変更した場合、あるいは、層構造を5層構造とした場合であっても、熱処理前後のシート抵抗、可視光の透過率、赤外線の反射率に優れていることが確認された。さらに、スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSが200μm以下とされるとともに分布DGSが25%以下とされた本発明例1~18においては、異常放電発生回数が少なく、面内のスパッタレート差が小さくなった。
以上のことから、本発明例によれば、耐熱性に優れ、かつ、光学特性及び電気特性に優れた積層膜、及び、この積層膜を構成するAg合金膜を成膜する際に用いられるAg合金スパッタリングターゲットを提供できることが確認された。
10 積層膜
11 Ag合金膜
12 透明誘電体膜
20 Ag合金スパッタリングターゲット

Claims (8)

  1. Ag合金膜と、このAg合金膜の両面に積層された透明誘電体膜と、を備えた積層膜であって、
    前記Ag合金膜は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有し、さらにNa,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下とされ、残部がAg及び不可避不純物とされた組成とされていることを特徴とする積層膜。
  2. 前記Ag合金膜は、Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上3.0原子%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の積層膜。
  3. 前記Ag合金膜が、さらに、Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素を含有し、
    前記添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zが、0.02≦X/Z≦0.4の範囲内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層膜。
  4. 前記透明誘電体膜は、Zn,Al,Sn,Ti,Si,Zr,Ta,Inから選択される少なくとも一種以上を含む酸化物膜又は窒化物膜であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層膜。
  5. Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上8.0原子%以下の範囲で含有し、さらにNa,K,Ba,Teの合計含有量が50質量ppm以下、かつ、炭素の含有量が50質量ppm以下とされ、残部がAg及び不可避不純物とされた組成とされていることを特徴とするAg合金スパッタリングターゲット。
  6. Sn又はGeの少なくとも一種以上を合計で0.5原子%以上3.0原子%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項5に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  7. さらに、Mg,Ca,Sbから選択される少なくとも一種以上の添加元素を含有し、
    前記添加元素の合計含有量をX原子%、Sn及びGeの合計含有量をZ原子%とした場合に、これらの比X/Zが、0.02≦X/Z≦0.4の範囲内とされていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
  8. スパッタ面の面積が0.25m以上であり、前記スパッタ面の結晶粒径の平均値μGSが200μm以下とされるとともに、結晶粒径の標準偏差σGSと結晶粒径の平均値μGSとによって以下の式で定義される分布DGSが25%以下とされていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のAg合金スパッタリングターゲット。
    GS=(σGS/μGS)×100(%)
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