JP2022003284A - 極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液化冷媒の消費量を抑制しつつ、冷凍機を常に定格運転できる、極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法の提供。【解決手段】第1の熱交換器HX1において、冷媒ガスと冷却ガスとを熱交換させて冷媒ガスを液化することを特徴とする、極低温流体循環式冷却システム。【選択図】図1

Description

本発明は、極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法に関する。
送電ケーブル、モータ、限流器、変圧器等の高温超電導電力機器を冷却するための液化冷媒には、比較的安価で入手し易く、電気絶縁性に優れた液体窒素が一般に使用されている。この液体窒素を65〜77Kの過冷却温度(サブクール温度)まで冷却する冷凍機としては、GM冷凍機、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機、ブレイトン冷凍機(特許文献1)等の機械式冷凍機が用いられている。
このような機械式冷凍機は、通常、定格運転(フル運転)で冷凍能力と効率が最大となるように設計されており、熱負荷が減少し、冷凍機が減量運転となった時は冷凍機効率(COP)が定格運転時よりも低下する。例えば、超電導送電ケーブルでは送電量が多い昼間には冷凍機が定格運転され、送電量が少ない夜間には冷凍機が減量運転となることが多く、冷凍機は昼夜で定格運転と減量運転を繰り返す運用がなされている。このような超電導電力機器の冷却装置では、液体窒素の貯槽やリザーバタンク、ケーブル端末部等において外部からの侵入熱によって液体窒素の一部が気化(蒸発)し、各機器の内圧が上昇するのを防止するため、気化した液体窒素は大気中に放出されている(特許文献2)。
超電導送電ケーブルの初期冷却時に発生する大量の気化した液体窒素を冷凍機の熱交換器に導入し、その冷熱エネルギーを回収する方法が知られている(特許文献3)。この方法は、超電導送電ケーブルを冷却して気化した液体窒素の温度に応じて冷凍機の熱交換器の導入位置を変えることによって冷却装置のクールダウンに要する冷凍機の消費電力を低減する方法である。
また、初期冷却時に発生する大量の気化した液体窒素を冷却装置で再液化して利用する装置及び方法が知られている(特許文献4)。この装置及び方法は、冷凍機によってリザーバタンク内の液体窒素をサブクール温度まで冷却し、気化した液体窒素をこのリザーバタンク内に導入してサブクール液体窒素と直接熱交換させることによって再液化する方法である。
従来の極低温流体循環式冷却システムの一例を図5に示す。従来の極低温流体循環式冷却システム5は、冷凍機REF、第1の液化冷媒貯留タンクST1、第2の液化冷媒貯留タンクST2、被冷却対象HTS、液化冷媒循環ポンプLNP、第1の液化冷媒供給ライン101、液化冷媒戻りライン102、第1の気化冷媒移送ライン103、第2の気化冷媒移送ライン104、バイパスライン105、第2の液化冷媒供給ライン201、液化冷媒補充ライン202、第3の気化冷媒移送ライン203、冷媒ガスライン301、及び冷媒ガス放出ライン302を備える。
極低温流体循環式冷却システム5では、第1の液化冷媒貯留タンクST1から導出した液化冷媒が、冷凍機REFでサブクール温度以下に冷却後、超電導送電ケーブル等の被冷却対象HTSに供給される。液化冷媒によって被冷却対象HTSが冷却されるとともに、液化冷媒の一部が気化して冷媒ガスを発生する。発生した冷媒ガスは、被冷却対象HTS内部の圧力上昇を回避するため、第1の気化冷媒移送ライン103、第2の気化冷媒移送ライン104、冷媒ガスライン301を経由して冷媒ガス放出ライン302から大気中に放出される。
また、被冷却対象HTSが超電導送電ケーブル等である場合、冷凍機REFは、送電量が多い昼間には定格運転され、送電量が少ない夜間には減量運転される。
このように、冷凍機REFは、昼夜で定格運転と減量運転を繰り返す運用がなされる。
特開2011−106755号公報 特開2016−186983号公報 特開2016−169880号公報 特開2019−117026号公報
このような運用では、減量運転時に、第1の液化冷媒貯留タンクST1、第2の液化冷媒貯留タンクST2、被冷却対象HTSの内部等において外部からの侵入熱によって液化冷媒の一部が気化して冷媒ガスが発生する。従来の極低温流体循環式冷却システム5では、液化冷媒貯留タンクST1、ST2や被冷却対象HTSの内圧の上昇を回避するため、発生した冷媒ガスが、大気中に放出される。これにより、液化冷媒が不足することとなるため、タンクローリー等によって外部から液化冷媒を液化冷媒貯留タンクST1及びST2に補充する必要がある。
また、従来の極低温流体循環式冷却システム5では、減量運転時には冷凍機REFの冷凍機効率(COP)が定格運転時に比べて低下する。
本発明は、液化冷媒の消費量を抑制しつつ、冷凍機を常に定格運転できる、極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法を提供することを課題とする。
[1] 液化冷媒が貯留される第1の液化冷媒貯留タンクと、
一端が前記第1の液化冷媒貯留タンクと接続され、被冷却対象の一端を介して、前記液化冷媒を前記被冷却対象に供給する第1の液化冷媒供給ラインと、
冷媒ガスを貯留する冷媒ガス貯留タンクと、
前記被冷却対象を介して気化した冷媒ガスを前記冷媒ガス貯留タンクに回収する第1の気化冷媒移送ラインと、
前記冷媒ガス貯留タンクから前記冷媒ガスを導出し、第1の熱交換器を介して、前記第1の液化冷媒貯留タンクに移送する移送ラインと、
前記第1の液化冷媒供給ラインに設けられ、前記第1の液化冷媒供給ラインに前記液化冷媒を圧送循環させる液化冷媒循環ポンプと、
冷却ガスを循環させる冷却ガス循環ライン、前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを圧縮する圧縮機、前記圧縮機の二次側に位置する前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを断熱膨張させる膨張タービン、前記膨張タービンで断熱膨張させた前記冷却ガスと前記第1の液化冷媒供給ラインを流れる前記液化冷媒とを熱交換させることにより、前記液化冷媒をサブクール温度まで冷却する第2の熱交換器、及び前記第2の熱交換器を通過した前記冷却ガスと前記圧縮機で圧縮された前記冷却ガスとを熱交換させる前記第1の熱交換器を含む冷凍機と、を備え、
前記第1の熱交換器において、前記冷媒ガスと前記冷却ガスとを熱交換させて前記冷媒ガスを冷却又は液化することを特徴とする、極低温流体循環式冷却システム。
[2] 冷媒ガス発生装置をさらに備え、
前記冷媒ガス発生装置から発生させた冷媒ガスを液化させてから前記第1の液化冷媒貯留タンクに供給する、[1]に記載の極低温流体循環式冷却システム。
[3] 第2の液化冷媒貯留タンクをさらに備え、
前記冷媒ガス発生装置から発生させた冷媒ガスを液化させてから前記第2の液化冷媒貯留タンクに供給する、[2]に記載の極低温流体循環式冷却システム。
[4] 前記冷媒ガス発生装置の二次側に水分除去装置を有する、[2]又は[3]に記載の極低温流体循環式冷却システム。
[5] 前記第1の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとの間に位置する前記移送ラインから分岐され、前記冷凍機と前記被冷却対象との間に位置する前記第1の液化冷媒供給ラインと接続された第3の液化冷媒供給ラインを有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の極低温流体循環式冷却システム。
[6] 前記被冷却対象と前記冷媒ガス貯留タンクとの間に位置する前記第1の気化冷媒移送ラインから分岐され、前記第1の熱交換器を介して前記冷媒ガス貯留タンクと接続され、前記第1の熱交換器の二次側に圧縮機を有する冷媒ガス圧縮ラインを有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の極低温流体循環式冷却システム。
[7] 前記冷凍機の前記圧縮機の回転数又は運転電力が最大となるように、前記冷媒ガス貯留タンクから第1の熱交換器に供給する冷媒ガスの流量を調節する流量調節部を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の極低温流体循環式冷却システム。
[8] 前記被冷却対象をバイパスし、前記第2の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとを接続するバイパスラインを備え、
前記バイパスラインを介して過冷却の液化冷媒を前記第1の液化冷媒貯留タンクに供給することで、前記液化冷媒の圧力を下げて、前記第1の液化冷媒貯留タンクの圧力が、前記冷媒ガス貯留タンクの圧力よりも低くなるように調節する、[1]〜[7]のいずれかに記載の極低温流体循環式冷却システム。
[9] 液化冷媒が貯留される第1の液化冷媒貯留タンクと、
一端が前記第1の液化冷媒貯留タンクと接続され、被冷却対象の一端を介して、前記液化冷媒を前記被冷却対象に供給する第1の液化冷媒供給ラインと、
冷媒ガスを貯留する冷媒ガス貯留タンクと、
前記被冷却対象を介して気化した冷媒ガスを前記冷媒ガス貯留タンクに回収する第1の気化冷媒移送ラインと、
前記冷媒ガス貯留タンクから前記冷媒ガスを導出し、第1の熱交換器を介して、前記第1の液化冷媒貯留タンクに移送する移送ラインと、
前記第1の液化冷媒供給ラインに設けられ、前記第1の液化冷媒供給ラインに前記液化冷媒を圧送循環させる液化冷媒循環ポンプと、
冷却ガスを循環させる冷却ガス循環ライン、前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを圧縮する圧縮機、前記圧縮機の二次側に位置する前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを断熱膨張させる膨張タービン、前記膨張タービンで断熱膨張させた前記冷却ガスと前記第1の液化冷媒供給ラインを流れる前記液化冷媒とを熱交換させることにより、前記液化冷媒をサブクール温度まで冷却する第2の熱交換器、及び前記第2の熱交換器を通過した前記冷却ガスと前記圧縮機で圧縮された前記冷却ガスとを熱交換させる第1の熱交換器を含む冷凍機と、を備え、
前記冷凍機の前記圧縮機の回転数又は運転電力が最大となるように、前記冷媒ガス貯留タンクから前記第1の熱交換器に供給する冷媒ガスを供給し、前記冷媒ガスを冷却又は液化することを特徴とする、極低温流体循環式冷却方法。
[10] 前記第1の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとの間に位置する前記移送ラインから分岐され、前記冷凍機と前記被冷却対象との間に位置する前記第1の液化冷媒供給ラインと接続された第3の液化冷媒供給ラインを有し、
前記被冷却対象の初期冷却時において、前記第3の液化冷媒供給ラインを介して前記第1の熱交換器により冷却された前記冷媒ガスを前記被冷却対象に供給し、前記被冷却対象を冷却する、[9]に記載の極低温流体循環式冷却方法。
[11] 前記被冷却対象と前記冷媒ガス貯留タンクとの間に位置する前記第1の気化冷媒移送ラインから分岐され、前記第1の熱交換器を介して前記冷媒ガス貯留タンクと接続され、前記第1の熱交換器の二次側に圧縮機を有する冷媒ガス圧縮ラインを有し、
前記被冷却対象から排出され、前記第1の熱交換器を介して昇温した冷媒ガスを前記圧縮機で圧縮して前記冷媒ガス貯留タンクに導入する、[9]又は[10]に記載の極低温流体循環式冷却方法。
[12] 前記冷凍機の前記圧縮機の回転数又は運転電力が最大となるように、前記冷媒ガス貯留タンクから第1の熱交換器に供給する冷媒ガスの流量を調節する、[9]〜[11]のいずれかに記載の極低温流体循環式冷却方法。
[13] 前記第1の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとの間に設置したジュール・トムソン弁の開度調節によって、前記冷媒ガス貯留タンクから第1の熱交換器に供給する冷媒ガスの流量を調節する、[12]に記載の極低温流体循環式冷却方法。
[14] 前記第2の熱交換器で冷却されて過冷却となった液化冷媒を、前記第2の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとを接続するバイパスラインを介して前記第1の液化冷媒貯留タンクに供給し、前記液化冷媒の飽和温度を低下させることにより、前記第1の液化冷媒貯留タンクの圧力が、前記冷媒ガス貯留タンクの圧力よりも低くなるように調節する、[9]〜[13]のいずれかに記載の極低温流体循環式冷却方法。
本発明によれば、液化冷媒の消費量を抑制しつつ、冷凍機を常に定格運転できる、極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法を提供できる。
図1は、本発明の極低温流体循環式冷却システムの第1の実施形態の一例を示す概念図である。 図2は、本発明の極低温流体循環式冷却システムの第2の実施形態の一例を示す概念図である。 図3は、本発明の極低温流体循環式冷却システムの第3の実施形態の一例を示す概念図である。 図4は、本発明の極低温流体循環式冷却システムの第4の実施形態の一例を示す概念図である。 図5は、従来の極低温流体循環式冷却システムの一例を示す概念図である。
以下では、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、後述する実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形が可能である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の両側の数値をその範囲に含む。
[第1の実施形態]
本発明の極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法の第1の実施形態について、図1を適宜参照しながら、説明する。
図1に示す第1の実施形態の極低温流体循環式冷却システム1は、冷凍機REF、第1の液化冷媒貯留タンクST1、第2の液化冷媒貯留タンクST2、被冷却対象HTS、液化冷媒循環ポンプLNP、第1の液化冷媒供給ライン101、液化冷媒戻りライン102、第1の気化冷媒移送ライン103、第2の気化冷媒移送ライン104、第2の液化冷媒供給ライン201、液化冷媒補充ライン202、第3の気化冷媒移送ライン203、冷媒ガスライン301、冷媒ガス放出ライン302、冷媒ガス貯留タンクGT及び移送ライン106を備える。本実施形態の極低温流体循環式冷却システム1では、さらに、バイパスライン105を備える。
第1の液化冷媒供給ライン101は、第1の液化冷媒貯留タンクST1と、被冷却対象HTSの一端HTSaとを接続する。第1の液化冷媒供給ライン101の途中には、液化冷媒循環ポンプLNPが設置されている。第1の液化冷媒供給ライン101は、冷凍機REFの熱交換器(第2の熱交換器HX2)を通過している。
液化冷媒戻りライン102は、被冷却対象HTSの他端HTSbと、第1の液化冷媒貯留タンクST1とを接続する。液化冷媒戻りライン102の途中には、バルブV4が設置されている。
第1の気化冷媒移送ライン103は、被冷却対象HTSの他端HTSbと冷媒ガスライン301とを接続する。第1の気化冷媒移送ライン103の途中には、バルブV3が設置されている。
第2の気化冷媒移送ライン104は、第1の液化冷媒貯留タンクST1と第1の気化冷媒移送ライン103とを接続する。第2の気化冷媒移送ライン104の途中にはバルブV7が設置されている。第2の気化冷媒移送ライン104が第1の気化冷媒移送ライン103に合流する点は、バルブV3と、第1の気化冷媒移送ライン103が冷媒ガスライン301と接続する点との間である。
第2の液化冷媒供給ライン201は、第2の液化冷媒貯留タンクST2の下端と、被冷却対象HTSの一端HTSaとを接続する。第2の液化冷媒供給ライン201の途中にはバルブV2が設置されている。
液化冷媒補充ライン202は、第2の液化冷媒貯留タンクST2の下端と、第1の液化冷媒貯留タンクST1とを接続する。液化冷媒補充ライン202の途中には、バルブV1が設置されている。
第3の気化冷媒移送ライン203は、第2の液化冷媒貯留タンクST2の上端と、冷媒ガスライン301とを接続する。
冷媒ガス放出ライン302は、冷媒ガスライン301に接続されている。冷媒ガスライン301と冷媒ガス放出ライン302の間には、バルブV6が設置されている。
冷媒ガスライン301の一端は冷媒ガス貯留タンクGTに接続されている。冷媒ガスライン301の他端は、冷媒ガス放出ライン302に接続されていてもよい。
移送ライン106は、冷媒ガス貯留タンクGTと第1の液化冷媒貯留タンクST1とを接続する。移送ライン106の途中には、冷凍機REFの第1の熱交換器HX1及び等エンタルピー膨張弁(ジュール・トムソン弁)JTVが設置されている。
第1の液化冷媒貯留タンクST1、ジュール・トムソン弁JTV及び液化冷媒循環ポンプLNPは、真空断熱容器VIC内に設置されている。
冷凍機REFは、第1の熱交換器HX1、第2の熱交換器HX2、膨張タービンET及び冷却ガス循環ライン401を備える。
冷却ガス循環ライン401は、第1の熱交換器HX1を出た後、圧縮機C1及び水冷クーラーWCを経由して、第1の熱交換器HX1に戻る。
第1の熱交換器HX1を、移送ライン106が通過する。
第2の熱交換器HX2を、第1の液化冷媒供給ライン101が通過する。
圧縮機C1は冷却ガスを圧縮する。
冷凍機REFで使用する冷却ガスとしては、ネオン、ヘリウム及びこれらの混合ガスからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
水冷クーラーWCは、前記圧縮機C1により圧縮されて高温になった冷却ガスを冷却水と熱交換させることにより冷却水の温度近くまで冷却して、前記冷却ガスの温度を低下させる。
膨張タービンETは、第1の熱交換器HX1を通過して冷却された前記冷却ガスを断熱膨張させ、前記冷却ガスの温度をさらに低下させる。
第1の熱交換器HX1は、水冷クーラーWCにより冷却された冷却ガスと断熱膨張後の冷却ガスとの間で熱交換を行わせる。第1の熱交換器HX1は、図1では1つの熱交換器ブロックとしているが、2つ以上の熱交換器ブロックでもよい。
第2の熱交換器HX2は、断熱膨張後の冷却ガスと第1の液化冷媒供給ライン101を流れる液化冷媒との間で熱交換を行わせ、液化冷媒の温度を低下させる。
冷却ガスは冷却ガス循環ライン401を循環して使用されるので、漏れ等により減少した分の補充を除き、補充の必要はない。
冷凍機REFは圧縮機C1の回転数又は運転電力を最大とすることで定格運転となり、回転数又は運転電力を下げることで減量運転となる。
第1の液化冷媒貯留タンクST1内の液化冷媒は、第1の液化冷媒供給ライン101を通って、被冷却対象HTSに供給される。前記液化冷媒は、第1の液化冷媒供給ライン101を通過する途中で、冷凍機REFによって冷却される。
前記液化冷媒としては、不活性であり、入手も用意であることから、液体窒素が好ましい。この場合、液化冷媒が気化した冷媒ガスは窒素ガスである。
第1の液化冷媒貯留タンクST1に接続された液化冷媒循環ポンプLNPは、遠心式のポンプであり、インバータによって駆動され、ポンプの回転数を変えることで吐出圧力や流量を調整できる。
液化冷媒循環ポンプLNPの吐出側液化冷媒は冷凍機REFの第2の熱交換器HX2で冷却されて温度が低下し、サブクール温度(例えば65〜77K)となる。サブクール温度の液化冷媒は、被冷却対象HTSに供給され、被冷却対象HTSを冷却して昇温する。昇温した液化冷媒は、液化冷媒戻りライン102及びバルブV4を通じて、第1の液化冷媒貯留タンクST1の液層側に戻る。
液化冷媒は被冷却対象HTSの冷却開始時や、第1の液化冷媒貯留タンクST1内の液化冷媒が少なくなった場合に、第2の液化冷媒貯留タンクST2から、液化冷媒補充ライン202及びバルブV1を通じて、第1の液化冷媒貯留タンクST1に補充される。
第2の液化冷媒貯留タンクST2から、第2の液化冷媒供給ライン201及びバルブV2を通じて、被冷却対象HTSに液化冷媒を供給することも可能である。
冷凍機REFの第2の熱交換器HX2と被冷却対象HTSとの間から分岐するバイパスライン105は、被冷却対象HTSを迂回するバイパス流路である。バイパスライン105の途中には、バルブV8が設置されている。被冷却対象HTSを冷却する際、V8は通常、閉となっている。第1の液化冷媒貯留タンクST1内の液化冷媒の温度又は圧力が高くなった場合には、バルブV8を開けて、冷凍機REFで冷却された、より低温の液化冷媒を導入することで、第1の液化冷媒貯留タンクST1内の液化冷媒の温度又は圧力を降下させる。
液化冷媒が気化して発生した冷媒ガス(例えば窒素ガス)は、冷媒ガス放出ライン302及びバルブV6を通じて大気中に放出することも可能である。
しかし、本実施形態では、冷媒ガスを大気中に放出せず、冷媒ガス貯留タンクGTに回収、貯留し、被冷却対象HTSの熱負荷が減少して冷凍機REFが減量運転となる場合(例えば、電力需要が減少する夜間など)に、ジュール・トムソン弁JTVを開いて、冷媒ガス貯留タンクGTから冷凍機REFの第1の熱交換器HX1に冷媒ガスを導入して、冷凍機REFの熱負荷を増加することで冷凍機を定格運転にする。冷凍機REFは、圧縮機C1の回転数を最大回転数とすることで定格運転となり、回転数を下げることで減量運転となる。なお、冷凍機REFの熱負荷増加は、例えば、膨張タービンETの入口、出口の温度又は第2の熱交換器HX2の入口、出口の温度が上昇することで判断できる。
冷凍機REFの第1の熱交換器HX1の冷端側出口で冷媒ガスは液化して飽和液化冷媒となるが、第1の液化冷媒貯留タンクST1に入る際には、ジュール・トムソン弁JTVによって圧力降下してさらに温度が低下した飽和液化冷媒となっている。
第1の液化冷媒貯留タンクST1内には冷凍機REFでサブクール温度に冷却された液化冷媒が貯留されているので、前述したジュール・トムソン弁JTVからの飽和液化冷媒は、これと混ざり合うことでサブクール温度の液化冷媒となる。
冷媒ガスを再液化する場合、サブクール温度の液化冷媒を貯留する第1の液化冷媒貯留タンクST1の圧力が、冷媒ガス貯留タンクGTの圧力よりも低くなるように、液化冷媒循環ポンプLNP出口のバイパスライン105のバルブV8及び被冷却対象HTS出口の液化冷媒戻りライン102のバルブV4の開度を調整することが好ましい。
また、冷凍機REFが定格運転、すなわち冷凍機REFの圧縮機C1の回転数が最大(又は、圧縮機C1の運転電力が最大)となるように、冷凍機REFの第1の熱交換器HX1に導入する冷媒ガスの量を調整することが好ましい。
本実施形態では、極低温流体循環式冷却システム5にはない構成を備えることによって、従来、大気中に放出して廃棄していた冷媒ガスを回収、貯留、冷却して再度液化冷媒として利用できる。
これにより、気化した液化冷媒を再液化して有効利用することで、冷媒の消費を抑制し、かつ、冷凍機REFは常に定格運転するので、冷却効率が高い冷却装置を提供できる。
本実施形態では、冷凍機REFの圧縮機C1の回転数が最大となるように、冷媒ガス貯留タンクGTから第1の熱交換器HX1に供給する冷媒ガスの流量を調節する流量調節部として前述したジュール・トムソン弁JTVの開度を利用する。もし、被冷却対象HTSの熱負荷が増大して、第2の熱交換器HX2の入口、出口の温度が増加した場合には、ジュール・トムソン弁JTVの開度を小さくすることで被冷却対象HTSの冷却温度を一定に保持することができる。
また、第1の液化冷媒貯留タンクST1の圧力が、冷媒ガス貯留タンクGTの圧力よりも低くなるようにするには、液化冷媒循環ポンプLNP出口のバイパスライン105のバルブV8を開けて第2の熱交換器HX2で冷却されたサブクール温度に冷却された液化冷媒を部分的にバイパスさせ第1の液化冷媒貯留タンクST1に貯留された液化冷媒の飽和温度を低下させることにより圧力を低くすることができるので第1の液化冷媒貯留タンクST1の圧力を容易に調節することができる。
なお、図1に示した第1の実施形態では、バイパスライン105を流れるサブクール温度に冷却された液化冷媒は液化冷媒戻りライン102と合流してから第1の液化冷媒貯留タンクST1に供給されている。一般に、貯留タンクに貯留された液化冷媒の温度分布は自然対流によって一様でなく、上部は高く、下部は低い温度となる。したがって、バイパスライン105は、第1の液化冷媒貯留タンクST1の上部に位置する液化冷媒補充ライン202、第2の気化冷媒移送ライン、又はジュール・トムソン弁JTVのいずれかに合流してから前記第1の液化冷媒貯留タンクST1に供給してもよい。すなわち、下部よりも上部から供給する方がより速やかに液化冷媒の飽和温度を低下させ、その圧力を低くすることができる。
[第2の実施形態]
本発明の極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法の第2の実施形態について、図2を適宜参照しながら、説明する。
図2に示す本発明の第2の実施形態の極低温流体循環式冷却システム2は、概して、図1に示す本発明の第1の実施形態の極低温流体循環式冷却システムに、冷媒ガス発生装置PSA、冷媒ガス供給ライン303及び第3の液化冷媒供給ライン107を追加した構成となっている。
第3の液化冷媒供給ライン107は、移送ライン106の第1の熱交換器HX1とジュール・トムソン弁JTVとの間と、第2の液化冷媒供給ライン201のバルブV2と被冷却対象HTSとの間に接続される。第3の液化冷媒供給ライン107の途中には、バルブV10が設置されている。
冷媒ガス供給ライン303は、冷媒ガス発生装置PSAと冷媒ガスライン301のバルブV9と冷媒ガスタンクGTとの間を接続する。冷媒ガス供給ライン303の途中には、バルブCV1が設置されている。
冷媒ガス発生装置PSAは、冷媒ガスが窒素ガスである場合、圧力スイング吸着式窒素発生装置又は膜分離式窒素ガス発生装置が好ましい。
侵入熱又は被冷却対象HTSのクールダウン等で液化冷媒を消費して第1の液化冷媒貯留タンクST1又は第2の液化冷媒貯留タンクST2内の液化冷媒の保有量が減少した場合、冷媒ガス発生装置PSAを起動して、低純度冷媒ガスを冷媒ガス貯留タンクGTに貯留しておき、被冷却対象HTSの熱負荷が減少して冷凍機REFの冷凍能力に余力が生じた状態、すなわち減量運転となる時に低純度冷媒ガスを液化して第1の液化冷媒貯留タンクST1に液化冷媒を補充する。第2の液化冷媒貯留タンクST2の液化冷媒保有量が減少した場合は、第1の液化冷媒貯留タンクST1から、第1の液化冷媒供給ライン101及び第2の液化冷媒供給ライン(液化冷媒循環ポンプLNP、第2の熱交換器HX2、バルブV2)を通って、第2の液化冷媒貯留タンクST2にサブクール温度の液化冷媒を移して液化冷媒を補充する。そのため、タンクローリー等によって外部から超高純度の液化冷媒を第2の液化冷媒貯留タンクST2に補充する必要がない。また、補充する液化冷媒はサブクール温度の液化冷媒なので、第2の液化冷媒貯留タンクST2に貯留されている液化冷媒の温度を下げることができ、補充によって第2の液化冷媒貯留タンクST2の液化冷媒が蒸発して内圧が高くなってバルブV5及びバルブV6を経由して液化冷媒の気化により生じた冷媒ガスを大気中に無駄に放出しなくて済む。
次に、本実施形態の被冷却対象HTSの初期冷却(クールダウン)時について説明する。
初期冷却時、被冷却対象HTSはまだ常温の状態にある。まず、冷凍機REF及び冷媒ガス発生装置PSAを起動して、冷媒ガス貯留タンクGTに、低純度冷媒ガスを貯留し、ジュール・トムソン弁JTVは閉、バルブV10は開として、冷凍機REFの第1の熱交換器HX1で冷却されて温度が常温よりも低下した低純度、低温の冷媒ガスを移送ライン106及び第3の液化冷媒供給ライン107を経由して被冷却対象HTSに供給して、被冷却対象HTSを冷却する。被冷却対象HTSを冷却して温度上昇した低純度の冷媒ガスは、第1の気化冷媒移送ライン103及びバルブV3、冷媒ガスライン301、冷媒ガス放出ライン302及びバルブV6を通じて大気中に放出される。
冷凍機REFの運転によって、第1の熱交換器HX1の温度が低下するとともに、低純度、低温の冷媒ガスの温度も次第に低下する。低温の冷媒ガスにより、被冷却対象HTSは、クールダウンされていく。被冷却対象HTSの出口の冷媒ガスの温度(バルブV3の上流側温度)が所定の温度まで低下すれば、液化冷媒循環ポンプLNPを起動して、第1の液化冷媒貯留タンクST1内の液化冷媒を、冷凍機REFの第2の熱交換器HX2を介して、被冷却対象HTSに供給する。すなわち、この時は、バルブV10からの低温冷媒ガス及び第1の液化冷媒貯留タンクST1からの液化冷媒を被冷却対象HTSに供給している状態である。被冷却対象HTSの入口は低温冷媒ガスと液化冷媒の中間温度となる。
被冷却対象HTSのクールダウンがさらに進行して、被冷却対象HTSの出口の冷媒ガスの温度が液化冷媒温度になれば、バルブV4を開、バルブV10、バルブV3及びバルブV6を閉として、被冷却対象HTSの出口の液化冷媒を第1の液化冷媒貯留タンクST1に戻す。これによって、液化冷媒は、第1の液化冷媒貯留タンクST1から液化冷媒循環ポンプLNP、第2の熱交換器HX2、被冷却対象HTS、バルブV4を通って第1の液化冷媒貯留タンクST1に戻る閉ループで循環され、クールダウンから定格運転に移行する。
クールダウンによって第1の液化冷媒貯留タンクST1、第2の液化冷媒貯留タンクST2の液化冷媒の保有量が減少した場合、第1の実施形態で述べたように、冷凍機REFの冷凍能力に余力があるときに、ジュール・トムソン弁JTVを開けて、第1の液化冷媒貯留タンクST1又は第2の液化冷媒貯留タンクST2に低純度の液化冷媒を補充する。
被冷却対象HTSのクールダウン時に、最初は冷媒ガス発生装置PSAにより発生した低純度冷媒ガスを、冷凍機REFの第1の熱交換器HX1に導入して低温の冷媒ガスとし、被冷却対象HTSに供給し、被冷却対象HTSが所定の温度まで冷却されると、冷凍機REFでサブクール温度に冷却した過冷却液化冷媒と混合して被冷却対象HTSに供給して被冷却対象HTSをクールダウンすることによって被冷却対象HTSを常温から液化冷媒温度まで効率良く冷却することができる。
本実施形態では、超電導電力機器のクールダウン前に、冷媒ガス発生装置PSAと冷凍機REFで製造した低純度の液化冷媒を第1の液化冷媒貯留タンクST1や第2の液化冷媒貯留タンクST2に貯留し、超電導電力機器のクールダウン時に冷凍機REFを定格運転して気化した液化冷媒を再液化利用することにより、タンクローリー等で外部から高純度の液化冷媒を補充する必要がない。
また、本実施形態では、超電導電力機器の初期冷却時、冷凍機REFに供給する冷媒ガスの量を増加することで、冷媒ガスを液化させずに、任意の低温度の冷媒ガスとして超電導電力機器をクールダウンする。これによって超電導電力機器をゆっくりと冷やすことができ、急激な熱収縮等による機器の損傷を防止することが可能となる。
なお、本実施形態とは異なり、冷媒ガス発生装置PSAを用いない第1の実施形態では、冷媒ガス貯留タンクGTの二次側にガスブロワー等を付帯させて、冷凍機REFに供給する冷媒ガスの量を増加することもできる。
[第3の実施形態]
本発明の極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法の第3の実施形態について、図3を適宜参照しながら、説明する。
図3に示す本発明の第3の実施形態の極低温流体循環式冷却システム3は、概して、図2に示す本発明の第2の実施形態の極低温流体循環式冷却システムに、冷媒ガス圧縮ライン108を追加した構成となっている。
冷媒ガス圧縮ライン108は、第1の気化冷媒移送ライン103と、冷媒ガス貯留タンクGTとを接続する。冷媒ガス圧縮ライン108の途中には、バルブ11、第1の熱交換器HX1、圧縮機C2及びバルブCV2が設置されている。
本実施形態は、第2の実施形態において被冷却対象HTSのクールダウン時に低温冷媒ガスを冷凍機REFの第1の熱交換器HX1に戻すことで低温冷媒ガスが保有する冷熱を有効利用するものである。
被冷却対象HTSのクールダウンに伴い、被冷却対象HTSの出口の冷媒ガス温度が低下したら、バルブV11を開けて圧縮機C2を運転する。バルブV6を閉じて低温冷媒ガスを大気放出せずに、第1の熱交換器HX1に低温冷媒ガスを導入し、第1の熱交換器HX1での熱交換により常温まで昇温した冷媒ガスを圧縮機C2で圧縮して高圧になった冷媒ガスを冷媒ガス貯留タンクGTに導入することで、冷媒ガスを大気放出せず、また冷媒ガス発生装置PSAの消費電力も削減でき、かつ、低温冷媒ガスの冷熱エネルギーを回収することで、冷凍機REFの冷凍能力増大に寄与することが可能となる。
また、被冷却対象HTSの定格運転時に、侵入熱や圧力変動等によって、被冷却対象HTSの内圧が高くなり、被冷却対象HTSの出口のバルブV3から排出される気化した液化冷媒は、90〜100K(窒素の場合)といった低温ガスであるため、この冷熱エネルギーを回収する方法は、被冷却対象HTSのクールダウン時だけでなく、被冷却対象HTSの熱負荷が減少して冷凍機REFを定格運転して気化した冷媒ガスを再液化している時にも有効である。冷凍機の冷凍能力増大に寄与するため、冷凍機性能(COP)が向上する。ただし、この再液化時は、バルブV11を開、バルブV9及びバルブV6を閉とし、冷媒ガス圧縮ライン108を通じて第1の熱交換器HX1に低温冷媒ガスを導入し、圧縮機C2は運転しなくてもよい。又は、圧縮機C2をバイパスするラインを設けてもよい。
被冷却対象HTSのクールダウン時に、被冷却対象HTSから発生する低温の冷媒ガスの一部を冷凍機REFの第1の熱交換器HX1に導入し、その冷熱を利用して冷凍機REFの冷凍能力を増大させ、第1の熱交換器HX1から出た常温の冷媒ガスを圧縮機C2で圧縮して、冷媒ガス貯留タンクGTに回収することによって被冷却対象HTSを常温から液化冷媒温度まで効率良く冷却することができ、冷凍機の冷凍能力を増大させ、冷凍機性能(COP)を向上することができる。
[第4の実施形態]
本発明の極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法の第4の実施形態について、図4を適宜参照しながら、説明する。
図4に示す本発明の第4の実施形態の極低温流体循環式冷却システム4は、概して、図2に示す本発明の第2の実施形態の極低温流体循環式冷却システムの冷媒ガス供給ライン303上に、水分除去装置TSA、電気ヒーターHTR、大気放出ライン304を追加した構成となっている。大気放出ライン304は、冷媒ガス供給ライン303のバルブCV1と水分除去装置TSAとの間に接続されている。大気放出ライン304上には、バルブV12が設置されている。
水分除去装置TSAとしては、熱スイング吸着式乾燥器が好ましい。
本実施形態は、第2の実施形態で示した冷媒ガス発生装置PSAと冷媒ガス貯留タンクGTの間に、水分除去装置TSAを付帯させて、冷媒ガス発生装置PSAから出てくる低純度冷媒ガスの水分をさらに除去し、露点を低下させた点に特徴がある。
水分除去装置TSAに運転時間の積算計を設け、水分除去装置TSAの運転時間が所定の時間を経過したら、水分除去装置TSAの吸着材を加熱再生し吸着材に吸着された水分を除去する。運転時間の積算計ではなく、水分除去装置TSAの出口に露点計を設け、冷媒ガスの露点が所定値よりも劣化したら水分除去装置TSAを加熱再生する方法でもよい。加熱再生は、冷媒ガス発生装置PSA及び水分除去装置TSAが停止した状態で、冷媒ガス貯留タンクGT内の冷媒ガスを、電気ヒーターHTRを介して120〜200℃程度の高温冷媒ガスとし、これを水分除去装置TSAに導入して、水分除去装置TSA内部の吸着材を加熱して吸着された水分を冷媒ガスに同伴させ、水分除去装置TSAを出た水分を含む冷媒ガスを、バルブV12より大気放出する。
本実施形態では、冷媒ガス発生装置PSAの出口に水分除去装置TSAを設置し、冷媒ガス貯留タンクGTに貯留した冷媒ガスで水分除去装置TSAを加熱再生すれば、冷媒ガス発生装置PSAから出てくる低純度冷媒ガスの露点をさらに下げることができ、冷凍機REFの熱交換器内で水分が凝固、蓄積せずに、長期連続運転が可能となる。
なお、もし冷媒ガス貯留タンクGTに貯留した冷媒ガスの量が少なく、前記水分除去装置TSAの加熱再生が十分でない場合は、図示しないが、冷媒ガス発生装置PSAの出口のバルブCV1を3方弁とし、冷媒ガス発生装置PSAの冷媒ガスを電気ヒーターHTRと冷媒ガス貯留タンクGTの間の冷媒ガス供給ライン303に導入することによって水分除去装置TSAを加熱再生してもよい。
本発明の極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法は、冷媒ガスの大気中への放出を抑制し、液化冷媒を補充する頻度及び量を大きく減じることができ、しかも、冷凍機を常に定格運転できるため、冷凍機の効率が高い。本発明の極低温流体循環式冷却システム及び極低温流体循環式冷却方法は、超電導ケーブルの冷却等に広く適用できる。
REF…冷凍機
VIC…真空断熱容器
ST1…第1の液化冷媒貯留タンク
ST2…第2の液化冷媒貯留タンク
GT …冷媒ガス貯留タンク
PSA…冷媒ガス発生装置
HTS…被冷却対象
ET …膨張タービン
JTV…等エンタルピー膨張弁(ジュール・トムソン弁)
LNP…液化冷媒循環ポンプ
WC …水冷クーラー
HTR…電気ヒーター
TSA…水分除去装置
HX1…第1の熱交換器
HX2…第2の熱交換器
C1,C2…圧縮機
V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12、CV1、CV2…バルブ
101…第1の液化冷媒供給ライン
102…液化冷媒戻りライン
103…第1の気化冷媒移送ライン
104…第2の気化冷媒移送ライン
105…バイパスライン
106…移送ライン
107…第3の液化冷媒供給ライン
108…冷媒ガス圧縮ライン
201…第2の液化冷媒供給ライン
202…液化冷媒補充ライン
203…第3の気化冷媒移送ライン
301…冷媒ガスライン
302…冷媒ガス放出ライン
303…冷媒ガス供給ライン
304…大気放出ライン
401…冷却ガス循環ライン

Claims (14)

  1. 液化冷媒が貯留される第1の液化冷媒貯留タンクと、
    一端が前記第1の液化冷媒貯留タンクと接続され、被冷却対象の一端を介して、前記液化冷媒を前記被冷却対象に供給する第1の液化冷媒供給ラインと、
    冷媒ガスを貯留する冷媒ガス貯留タンクと、
    前記被冷却対象を介して気化した冷媒ガスを前記冷媒ガス貯留タンクに回収する第1の気化冷媒移送ラインと、
    前記冷媒ガス貯留タンクから前記冷媒ガスを導出し、第1の熱交換器を介して、前記第1の液化冷媒貯留タンクに移送する移送ラインと、
    前記第1の液化冷媒供給ラインに設けられ、前記第1の液化冷媒供給ラインに前記液化冷媒を圧送循環させる液化冷媒循環ポンプと、
    冷却ガスを循環させる冷却ガス循環ライン、前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを圧縮する圧縮機、前記圧縮機の二次側に位置する前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを断熱膨張させる膨張タービン、前記膨張タービンで断熱膨張させた前記冷却ガスと前記第1の液化冷媒供給ラインを流れる前記液化冷媒とを熱交換させることにより、前記液化冷媒をサブクール温度まで冷却する第2の熱交換器、及び前記第2の熱交換器を通過した前記冷却ガスと前記圧縮機で圧縮された前記冷却ガスとを熱交換させる前記第1の熱交換器を含む冷凍機と、を備え、
    前記第1の熱交換器において、前記冷媒ガスと前記冷却ガスとを熱交換させて前記冷媒ガスを冷却又は液化することを特徴とする、極低温流体循環式冷却システム。
  2. 冷媒ガス発生装置をさらに備え、
    前記冷媒ガス発生装置から発生させた冷媒ガスを液化させてから前記第1の液化冷媒貯留タンクに供給する、請求項1に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  3. 第2の液化冷媒貯留タンクをさらに備え、
    前記冷媒ガス発生装置から発生させた冷媒ガスを液化させてから前記第2の液化冷媒貯留タンクに供給する、請求項2に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  4. 前記冷媒ガス発生装置の二次側に水分除去装置を有する、請求項2又は3に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  5. 前記第1の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとの間に位置する前記移送ラインから分岐され、前記冷凍機と前記被冷却対象との間に位置する前記第1の液化冷媒供給ラインと接続された第3の液化冷媒供給ラインを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  6. 前記被冷却対象と前記冷媒ガス貯留タンクとの間に位置する前記第1の気化冷媒移送ラインから分岐され、前記第1の熱交換器を介して前記冷媒ガス貯留タンクと接続され、前記第1の熱交換器の二次側に圧縮機を有する冷媒ガス圧縮ラインを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  7. 前記冷凍機の前記圧縮機の回転数又は運転電力が最大となるように、前記冷媒ガス貯留タンクから第1の熱交換器に供給する冷媒ガスの流量を調節する流量調節部を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  8. 前記被冷却対象をバイパスし、前記第2の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとを接続するバイパスラインを備え、
    前記バイパスラインを介して過冷却の液化冷媒を前記第1の液化冷媒貯留タンクに供給することで、前記液化冷媒の圧力を下げて、前記第1の液化冷媒貯留タンクの圧力が、前記冷媒ガス貯留タンクの圧力よりも低くなるように調節する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の極低温流体循環式冷却システム。
  9. 液化冷媒が貯留される第1の液化冷媒貯留タンクと、
    一端が前記第1の液化冷媒貯留タンクと接続され、被冷却対象の一端を介して、前記液化冷媒を前記被冷却対象に供給する第1の液化冷媒供給ラインと、
    冷媒ガスを貯留する冷媒ガス貯留タンクと、
    前記被冷却対象を介して気化した冷媒ガスを前記冷媒ガス貯留タンクに回収する第1の気化冷媒移送ラインと、
    前記冷媒ガス貯留タンクから前記冷媒ガスを導出し、第1の熱交換器を介して、前記第1の液化冷媒貯留タンクに移送する移送ラインと、
    前記第1の液化冷媒供給ラインに設けられ、前記第1の液化冷媒供給ラインに前記液化冷媒を圧送循環させる液化冷媒循環ポンプと、
    冷却ガスを循環させる冷却ガス循環ライン、前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを圧縮する圧縮機、前記圧縮機の二次側に位置する前記冷却ガス循環ラインに設けられ、前記冷却ガスを断熱膨張させる膨張タービン、前記膨張タービンで断熱膨張させた前記冷却ガスと前記第1の液化冷媒供給ラインを流れる前記液化冷媒とを熱交換させることにより、前記液化冷媒をサブクール温度まで冷却する第2の熱交換器、及び前記第2の熱交換器を通過した前記冷却ガスと前記圧縮機で圧縮された前記冷却ガスとを熱交換させる第1の熱交換器を含む冷凍機と、を備え、
    前記冷凍機の前記圧縮機の回転数又は運転電力が最大となるように、前記冷媒ガス貯留タンクから前記第1の熱交換器に供給する冷媒ガスを供給し、前記冷媒ガスを冷却又は液化することを特徴とする、極低温流体循環式冷却方法。
  10. 前記第1の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとの間に位置する前記移送ラインから分岐され、前記冷凍機と前記被冷却対象との間に位置する前記第1の液化冷媒供給ラインと接続された第3の液化冷媒供給ラインを有し、
    前記被冷却対象の初期冷却時において、前記第3の液化冷媒供給ラインを介して前記第1の熱交換器により冷却された前記冷媒ガスを前記被冷却対象に供給し、前記被冷却対象を冷却する、請求項9に記載の極低温流体循環式冷却方法。
  11. 前記被冷却対象と前記冷媒ガス貯留タンクとの間に位置する前記第1の気化冷媒移送ラインから分岐され、前記第1の熱交換器を介して前記冷媒ガス貯留タンクと接続され、前記第1の熱交換器の二次側に圧縮機を有する冷媒ガス圧縮ラインを有し、
    前記被冷却対象から排出され、前記第1の熱交換器を介して昇温した冷媒ガスを前記圧縮機で圧縮して前記冷媒ガス貯留タンクに導入する、請求項9又は10に記載の極低温流体循環式冷却方法。
  12. 前記冷凍機の前記圧縮機の回転数又は運転電力が最大となるように、前記冷媒ガス貯留タンクから第1の熱交換器に供給する冷媒ガスの流量を調節する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の極低温流体循環式冷却方法。
  13. 前記第1の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとの間に設置したジュール・トムソン弁の開度調節によって、前記冷媒ガス貯留タンクから第1の熱交換器に供給する冷媒ガスの流量を調節する、請求項12に記載の極低温流体循環式冷却方法。
  14. 前記第2の熱交換器で冷却されて過冷却となった液化冷媒を、前記第2の熱交換器と前記第1の液化冷媒貯留タンクとを接続するバイパスラインを介して前記第1の液化冷媒貯留タンクに供給し、前記液化冷媒の飽和温度を低下させることにより前記、第1の液化冷媒貯留タンクの圧力が、前記冷媒ガス貯留タンクの圧力よりも低くなるように調節する、請求項9〜13のいずれか1項に記載の極低温流体循環式冷却方法。
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