JP2022002973A - 薬液揮散器 - Google Patents

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佳尚 岩沢
Yoshinao Iwasawa
龍太郎 石山
Ryutaro Ishiyama
勧 小林
Susumu Kobayashi
悟司 辻野
Satoshi Tsujino
総 下仲
Satoshi Shimonaka
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Abstract

【課題】カバー部材に薬液が付着している状態が形成されにくい薬液揮散器を提供する。【解決手段】薬液揮散器は、口部を有し、薬液を収容するための容器本体と、前記容器本体の外に一部が露出するように前記口部を介して前記容器本体内に挿入され、前記薬液を吸い上げる棒状の揮散体と、前記揮散体を支持しつつ、前記口部を閉じるように前記口部に取り付けられる封止部材と、前記揮散体が挿入される開口を含み、前記口部、及び、前記口部に取り付けられた前記封止部材を上方から覆うように、前記容器本体に取り付けられるカバー部材と、を備え、前記封止部材は、前記カバー部材の内側に付着した前記薬液を吸収可能な材料によって構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、薬液揮散器に関する。
薬液が収容された容器内に、棒状の揮散体を容器内から突出するような態様で挿入して使用する薬液揮散器が知られている。例えば、特許文献1に記載の薬液揮散器は、容器内の薬液が揮散体に吸い上げられて外部空間に揮散することによって、薬液の有する芳香効果等の効果が外部空間に付与される。この薬液揮散器には、容器本体の口部にこれを外側から覆うカバー部材が取り付けられている。
特開2018−203286号公報
特許文献1に記載の薬液揮散器では、使用される環境によっては、揮散体から揮散された薬液に起因する結露が発生し、カバー部材の内側に薬液が付着する。カバー部材の内側に付着した薬液は、容器外に漏れ出すおそれがある。
本発明は、カバー部材に薬液が付着している状態が形成されにくい薬液揮散器を提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る薬液揮散器は、口部を有し、薬液を収容するための容器本体と、前記容器本体の外に一部が露出するように前記口部を介して前記容器本体内に挿入され、前記薬液を吸い上げる棒状の揮散体と、前記揮散体を支持しつつ、前記口部を閉じるように前記口部に取り付けられる封止部材と、前記揮散体が挿入される開口を含み、前記口部、及び、前記口部に取り付けられた前記封止部材を上方から覆うように、前記容器本体に取り付けられるカバー部材と、を備え、前記封止部材は、前記カバー部材の内側に付着した前記薬液を吸収可能な材料によって構成される。
本発明の第2観点に係る薬液揮散器は、第1観点に係る薬液揮散器であって、前記封止部材は、少なくとも一部が前記口部の内部に挿入される。
本発明の第3観点に係る薬液揮散器は、第1観点又は第2観点に係る薬液揮散器であって、前記封止部材は、挿入孔を有し、前記挿入孔に挿入された前記揮散体を支持する。
本発明の第4観点に係る薬液揮散器は、第3観点に係る薬液揮散器であって、前記挿入孔は、前記封止部材に対する前記揮散体の相対的な位置が維持される大きさを有する。
本発明の第5観点に係る薬液揮散器は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る薬液揮散器であって、前記封止部材を構成する材料は、不織布を含む。
本発明に関する薬液揮散器によれば、カバー部材に薬液が付着している状態が形成されにくい。
実施形態の薬液揮散器の正面図。 図1の薬液揮散器の側面図。 図1の揮散体の横断面図。 図2のD4−D4線に沿う断面図。
以下、本発明に係る薬液揮散器の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、一実施形態に係る薬液揮散器10の正面図である。図2は、薬液揮散器10の側面図である。
<1.薬液揮散器の全体構成>
図1及び図2に示される薬液揮散器10は、例えば、室内、又は、自動車の車内に設置して使用される。薬液揮散器10が自動車の車内に設置される場合、薬液揮散器10は、例えば、アダプターを介してエアーコンディショナーの吹き出し口に固定される、或いはダッシュボードの上に載置される。ここでいうアダプターの構成は、特に限定されないが、一例を挙げると、吹き出し口のルーバーを挟むようにしてルーバーに固定可能なクリップに、薬液揮散器10のうちの任意の箇所を掴む等の態様で薬液揮散器10を着脱自在に保持する保持機構を設けた部材が想定される。薬液揮散器10は、薬液が収容される容器20、及び、容器20に挿入される1又は複数の棒状の揮散体70を備える。本実施形態では、薬液揮散器10は、3本の揮散体70を備える。別の例では、薬液揮散器10は、1本、2本、又は、4本以上の揮散体70を備える。なお、本明細書でいう「上」「下」は、特に断らない限り、図1に示す使用状態を基準に定義される。
容器20に収容される薬液は、特にその種類は限定されないが、典型的には芳香剤、消臭剤又は防虫剤、或いはこれらの混合物であり、使用目的に応じて、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等の添加剤が含有される。薬液に含まれる溶媒は、使用される添加剤の種類に応じて適宜選択され、親水性溶媒又は親油性溶媒、或いはこれらの混合物とすることができる。薬液が香料を含む場合には、その香り強度を高めるために、溶媒として少なくとも親油性溶媒を含むことが好ましい。親水性溶媒としては、例えば、水又はエタノール、或いはこれらの混合物を使用することができる。親油性溶媒としては、例えば、グリコールエーテル又はイソパラフィン系溶媒、或いはこれらの混合物を使用することができる。また、薬液には、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等の機能性成分を可溶化させるために、溶解剤が含まれていてもよい。
揮散体70は、容器20内からその一部が突出するような態様で容器20内に差し込まれる。揮散体70は、容器20の高さに対し十分な長さを有している。揮散体70の下端部71(図4参照)は、容器20内に位置する。本実施形態では、揮散体70の下端部71は、後述する薬液収容部31の底壁31A(図4参照)と接触する。揮散体70の上端部72は、容器20の外に露出する。薬液揮散器10のインテリア性を向上させるべく、揮散体70は、上下方向に対して傾斜した状態で容器20にセットされる。図1に示されるように、薬液揮散器10が複数の揮散体70を備える場合、例えば、複数の揮散体70は、様々な方向を向き、かつ、放射状に延びるように容器20にセットされる。
揮散体70は、薬液を毛細管現象によって重力に逆らって吸い上げることが可能な構造を有している。その結果、容器20内の薬液は、揮散体70を伝って下端部71(図4参照)から上端部72まで上昇することができ、揮散体70の外表面から外部空間へと揮散(自然蒸散)する。これにより、薬液は、薬液揮散器10の置かれた周囲の空間へ拡散される。
揮散体70の形状及び材質は、薬液を吸い上げて外部に揮散させることができる限り、特に限定されない。揮散体70は、典型的には、内部に微細孔を有する細長い略円柱形状を有しており、ラタン等の天然素材から構成することもできるし、ポリエチレン、ポリアセタール等の合成樹脂から構成することもできる。本実施形態に係る揮散体70は、図3に示される横断面形状を有する。この例では、揮散体70は、ポリエチレンテレフタレートとポリウレタンから構成され、内部に多数の不定形の微細孔70Aを有する。また、この揮散体70の外表面には、複数の溝73が形成されている。複数の溝73は、揮散体70の軸方向に沿って下端部71(図4参照)から上端部72まで筋状に延びている。すなわち、揮散体70の横断面は、周方向に沿って滑らかな輪郭線ではなく、凹凸を有する輪郭線を有する。また、これらの溝73は、揮散体70の周方向に沿って概ね等間隔に配置されている。薬液は、毛細管現象によって、微細孔70Aだけでなく、溝73に沿っても吸い上げられる。そのため、本実施形態の揮散体70の外表面には、薬液が多量に付着し易くなっている。
<2.容器の詳細>
図4は、容器20の縦断面図である。図4に示されるように、容器20は、容器本体30、カバー部材40、封止部材50、及び、中栓60を備える。
<2―1.容器本体>
容器本体30は、薬液を収容する薬液収容部31、薬液収容部31の上端と繋がる肩部32、及び、肩部32の上端と繋がる筒状の口部33を有する。本実施形態では、平面視において、薬液収容部31の外形は、概ね楕円形であり、肩部32、及び、口部33の外形は、概ね円形である。薬液収容部31、肩部32、及び、口部33の中心は、一致する。薬液収容部31の最大径は、肩部32の最大径、及び、口部33の最大径よりも大きい。肩部32の最大径は、口部33の最大径よりも大きい。口部33の上端には、揮散体70が挿入される開口33Aが形成される。口部33の外面には、カバー部材40に形成される雌ねじ42と噛み合う雄ねじ33Bが形成される。なお、2つのねじ33B及び42の雄雌の関係は、逆であってもよい。
容器本体30を構成する材料は、任意に選択可能である。例えば、容器本体30を構成する材料は、ガラス又は合成樹脂である。好ましい例では、容器本体30は、インテリア性を向上させ、かつ、薬液の残量を外部から視認できるように、透明又は半透明である材料によって構成される。
<2―2.カバー部材>
カバー部材40は、口部33及び封止部材50を上方から覆うように容器本体30に取り付けられる。カバー部材40は、天面41を有する。天面41は、口部33の開口33Aと連通する開口41Aが形成される。開口41Aの形状及び大きさは、任意に選択可能である。本実施形態では、天面41は、平面視において概ね円形であり、その中心に、同じく概ね円形の開口41Aが形成される。また、本実施形態では、開口41Aの最大径は、開口33Aの最大径よりも小さい。カバー部材40を構成する材料は、任意に選択可能である。例えば、カバー部材40を構成する材料としては、合成樹脂を選択することもできるし、意匠性を向上させる観点からは、木材を選択することもできる。合成樹脂の一例は、ポリプロピレンである。なお、薬液揮散器10が使用されない場合、揮散体70が容器20から抜かれ、カバー部材40には、開口41Aを閉じるように蓋(図示略)が取り付けられる。
天面41の外周縁からは、円環状の外壁部43が下方に延びている。また、天面41の下面からは、外壁部43の内側において、円環状の内壁部44が下方に延びている。内壁部44は、開口41Aを囲むように、開口41Aの外周縁に沿って、そのやや外側を延びている。容器本体30の口部33の雄ねじ33Bと噛み合う雌ねじ42は、内壁部44の内面に形成されている。外壁部43は、内壁部44よりも下方へ延びており、肩部32及び口部33を覆っている。外壁部43により容器本体30のうちの薬液収容部31以外の部分が外部から視認されないため、薬液揮散器10の意匠性が高められる。
<2―3.封止部材>
封止部材50は、薬液揮散器10が傾いた場合、倒れた場合、振動した場合、又は、高温環境に晒された場合であっても、口部33の開口33Aから薬液が漏れ出さないように、開口33Aを閉じるべく、口部33に着脱自在に取り付けられる。典型的な例では、薬液揮散器10に物体が接触すること等によって外力が作用する場合、薬液揮散器10は、傾く又は倒れる。また、薬液揮散器10が例えば、自動車の車内で使用される場合、薬液揮散器10は、振動する、又は、周辺温度が過剰に上昇し得る。封止部材50は、このような場合において薬液の漏れを防止するべく、口部33の開口33Aを封止する「栓」として機能することができる。なお、本実施形態では、後述する通り、口部33には中栓60が取り付けられ、口部33は中栓60とともに、容器本体30の口部を画定する。この意味で、以下では、口部33と中栓60とを合わせて、口部11と称し、口部11により画定される開口を、開口11Aと称する。封止部材50は、口部11により画定される開口11Aを封止する。本実施形態では、封止部材50の形状は、円柱であり、口部11の形状に対応する。しかしながら、別の例では、封止部材50の形状は、四角柱等であってもよく、口部11の形状に合わせて、適宜、選択可能である。
封止部材50の外周面は、全周に沿って口部11の内面に接触する形状であることが好ましい。また、好ましい例では、封止部材50は、少なくとも一部が口部11の内部に挿入される。さらに好ましい例では、封止部材50は、高さ方向において半分以上が口部11の内部に挿入される。本実施形態では、封止部材50は、全体が口部11の内部に挿入される。この場合、薬液揮散器10が傾いた場合、倒れた場合、振動した場合、又は、高温環境に晒された場合であっても、封止部材50が口部11から脱落し難く、ひいては薬液が漏れ出し、周囲環境を汚す事態を効果的に抑制することができる。また、封止部材50は、周囲環境へ揮散体70に吸い上げられた薬液が揮散するだけでなく、液面から直接揮散することにより、薬液が無駄に消費されることも抑制することができる。
封止部材50を構成する材料は、適宜選択可能であるが、薬液が漏れ出すことを抑制できる材料であることが好ましい。例えば、封止部材50を構成する材料は、コルク又は合成樹脂である。好ましい例では、封止部材50は、揮散体70を構成する材料よりも柔らかい材料によって構成される。その一例は、不織布である。この場合、揮散体70のうちの封止部材50に挿入されている部分において、溝73以外の部分が封止部材50に効果的に噛み込むため、封止部材50から揮散体70が抜けることが抑制される。
また、薬液揮散器10は、使用される環境によっては、例えば、カバー部材40の内面に揮散体70から揮散された薬液に起因する結露が発生する場合がある。典型的な例では、使用される環境の温度が低い場合に結露が発生する。結露が発生した場合、カバー部材40の内面、典型的には天面41と反対側の面41Bのうちの開口41Aの近傍において薬液が付着する。面41Bに付着した薬液は、開口41Aを介して容器20外に漏れ出すおそれがある。このため、別の好ましい例では、封止部材50は、容器20に結露が発生した場合に、カバー部材40に付着した薬液を吸うことができる材料によって構成される。その一例は、不織布である。
封止部材50は、揮散体70が挿入される挿入孔51を有する。封止部材50に形成される挿入孔51の数は、使用される揮散体70の数と一致することが好ましい。本実施形態では、封止部材50は、3つの挿入孔51を有する。3つの挿入孔51の形状は、挿入される揮散体70の角度に応じて異なる。本実施形態では、3つの挿入孔51のうちの2つの挿入孔51は、封止部材50に対して所定角度傾斜するように延び、1つの挿入孔51は、封止部材50に対して平行に延びる。3つの挿入孔51がこのように形成されることにより、揮散体70が放射状に固定される。
挿入孔51の大きさは、揮散体70が挿入できる大きさであれば任意に選択可能である。本実施形態では、挿入孔51は、封止部材50に対する揮散体70の相対的な位置が維持される大きさを有する。換言すれば、挿入孔51は、揮散体70の最大の外径と実質的に等しい、又は、わずかに大きい大きさを有する。このため、揮散体70は、挿入孔51に挿入されることにより、封止部材50に対して移動不能に固定される。
<2―4.中栓>
中栓60は、封止部材50を支持するように口部33の内部に取り付けられる。中栓60は、筒状であり、上端に口部33の天面に引っ掛かるフランジ61を備える。中栓60は、口部33に対して回転可能である。中栓60は、口部33の内面に接合されていてもよい。なお、本実施形態では、封止部材50と中栓60との間には、容器20の内と外とで空気の出入りができるように、微小な隙間が形成される。容器本体30の内部が陽圧になりにくいため、容器本体30から薬液が噴出することが抑制される。
<3.揮散体の配置>
上述したように、薬液揮散器10は、傾く場合、倒れる場合、振動する場合、又は、高温環境に晒される場合がある。本実施形態では、このような場合であっても、容器20から揮散体70が抜けないように、揮散体70の配置が決められている。図4に示されるように、少なくとも1つの揮散体70の下端部71は、容器本体30の幅方向において、口部33のうちの最も狭い部分33X(以下では、「最狭部33X」という)よりも外側に位置する。本実施形態では、2本の揮散体70の下端部71は、容器本体30の幅方向において、最狭部33Xよりも外側に位置する。このため、2本の揮散体70は、容器本体30に対して所定角度傾斜している。以下では、容器本体30に対して所定角度傾斜している2本の揮散体70のうちの一方を第1揮散体91と称し、他方を第2揮散体92と称する場合がある。
本実施形態では、揮散体70は、封止部材50に挿入されているため、揮散体70と封止部材50との摩擦力によって、揮散体70と封止部材50とは、一体的に移動する。第1揮散体91及び第2揮散体92の少なくとも一方に対して容器本体30から抜けるような力が作用した場合、封止部材50が口部33の内面に接触する方向に移動するため、揮散体70及び封止部材50が容器本体30から抜けることが抑制される。一方、封止部材50に対して容器本体30から抜けるような力が作用した場合、第1揮散体91及び第2揮散体92と最狭部33Xとが接触する。第1揮散体91及び第2揮散体92が最狭部33Xに引っ掛かるため、揮散体70及び封止部材50が容器本体30から抜けることが抑制される。
本実施形態では、容器本体30の幅方向における第1揮散体91の下端部71及び第2揮散体92の下端部71の最大の間隔XAは、最狭部33Xの幅XBよりも広い。封止部材50に対して容器本体30から抜けるような力が作用した場合、第1揮散体91及び第2揮散体92と最狭部33Xとが接触する。複数の揮散体70が最狭部33Xに引っ掛かるため、揮散体70及び封止部材50が容器本体30から抜けることが一層抑制される。
また、薬液揮散器10では、揮散体70のうちの容器20内から突出している部分(以下では、「露出部74」という)と、壁等の薬液揮散器10の周囲の物体とが接触し、周囲の物体に薬液が付着するおそれがある。本実施形態では、露出部74と薬液揮散器10の周囲の物体とが接触しにくいように、容器本体30に対する揮散体70の相対的な位置を維持する支持構造80によって揮散体70が支持されている。支持構造80は、封止部材50及びカバー部材40の少なくとも一方を含む。本実施形態では、支持構造80は、封止部材50及びカバー部材40を含む。本実施形態では、挿入孔51は、封止部材50に対する揮散体70の相対的な位置が維持される大きさであるため、露出部74が容器20に対して広がりすぎることが抑制される。また、カバー部材40の開口41Aが口部33の開口33Aに対して十分に小さいため、露出部74が容器20に対して広がりすぎることが抑制される。本実施形態では、揮散体70は、支持構造80に支持された状態では、容器本体30の幅方向において容器本体30の外郭、及び、カバー部材40の外郭よりも内側に配置される。
<4.薬液揮散器の作用および効果>
薬液揮散器10に結露が発生し、カバー部材40の内面に薬液がした場合、封止部材50によって、カバー部材40に付着している薬液が吸われる。封止部材50によって吸われた薬液は、封止部材50から揮散される、又は、揮散体70によって封止部材50から吸われ、揮散体70から揮散される。このため、カバー部材40に薬液が付着した状態が形成されにくい。
<5.本実施形態の効果>
以上のように構成された薬液揮散器10では、さらに次の効果を得ることができる。
<5−1>
封止部材50は、薬液収容部31よりも上方に位置するため、封止部材50と薬液収容部31に収容されている薬液とが接触しない。このため、封止部材50が薬液収容部31に収容されている薬液を吸い上げない。封止部材50が薬液で飽和された状態とならないため、結露が発生した場合に、封止部材50によって、カバー部材40に付着している薬液を好適に吸うことができる。
<5−2>
封止部材50によって口部11が閉じられているため、容器本体30が傾いた場合、倒れた場合、振動した場合、又は、高温環境に晒された場合であっても、薬液が口部11を介して外部に漏れ出すことが封止部材50によって妨げられる。このため、薬液が外部に漏れ出しにくい。
<5−3>
封止部材50は、挿入孔51を有するため、揮散体70を封止部材50に容易に挿入できる。
<5−4>
封止部材50の挿入孔51は、封止部材50に対する揮散体70の相対的な位置が維持される大きさを有している。このため、封止部材50に対する揮散体70の位置が安定する。
<5−5>
封止部材50は、少なくとも一部が口部11の内部に挿入されるため、口部11によって封止部材50が保護される。このため、封止部材50が劣化しにくい。
<5−6>
封止部材50は、高さ方向において、半分以上が口部11の内部に挿入されるため、封止部材50の広い範囲が口部11によって保護される。このため、封止部材50が一層劣化しにくい。
<5−7>
揮散体70に形成される溝73を介して容器本体30の内と外とが連通するため、容器本体30の内と外とで空気が出入りできる。このため、容器本体30の内部が陽圧になりにくい。このため、薬液が噴出することを抑制できる。
<6.変形例>
上記実施形態は本発明に関する薬液揮散器が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する薬液揮散器は、実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
<6−1>
薬液揮散器10の構成は、上記実施形態で示したものに限定されず、任意に変更可能である。例えば、カバー部材40及び中栓60の少なくとも一方を省略することができる。中栓60が省略される場合、封止部材50は、口部33の内面と接触するように口部33に取り付けることができる。
<6−2>
容器本体30の構成は、上記実施形態で示したものに限定されず、任意に変更可能である。例えば、肩部32及び口部33を省略することができる。この場合、封止部材50は、薬液収容部31の開口を閉じるように容器本体30に取り付けることができる。
<6−3>
封止部材50の構成は、上記実施形態で示したものに限定されず、任意に変更可能である。例えば、口部33の天面に接合される円盤状の封止部材50を備えることができる。このように構成すると、封止部材50は、全体が容器本体30から露出する。あるいは、薬液を吸い上げることができるように薬液収容部31まで延びる封止部材50を有することができる。この場合、揮散体70は、封止部材50を介して薬液を吸い上げる。
<6−4>
揮散体70の構成は、上記実施形態で示したものに限定されず、任意に変更可能である。例えば、揮散体70から溝73を省略することができる。この場合、揮散体70の横断面形状は、例えば、円又は楕円とすることができる。
10 :薬液揮散器
11 :口部
11A:開口部
30 :容器本体
31 :薬液収容部
50 :封止部材
51 :挿入孔
70 :揮散体

Claims (5)

  1. 口部を有し、薬液を収容するための容器本体と、
    前記容器本体の外に一部が露出するように前記口部を介して前記容器本体内に挿入され、前記薬液を吸い上げる棒状の揮散体と、
    前記揮散体を支持しつつ、前記口部を閉じるように前記口部に取り付けられる封止部材と、
    前記揮散体が挿入される開口を含み、前記口部、及び、前記口部に取り付けられた前記封止部材を上方から覆うように、前記容器本体に取り付けられるカバー部材と、を備え、
    前記封止部材は、前記カバー部材の内側に付着した前記薬液を吸収可能な材料によって構成される
    薬液揮散器。
  2. 前記封止部材は、少なくとも一部が前記口部の内部に挿入される
    請求項1に記載の薬液揮散器。
  3. 前記封止部材は、挿入孔を有し、前記挿入孔に挿入された前記揮散体を支持する
    請求項1又は2に記載の薬液揮散器。
  4. 前記挿入孔は、前記封止部材に対する前記揮散体の相対的な位置が維持される大きさを有する
    請求項3に記載の薬液揮散器。
  5. 前記封止部材を構成する材料は、不織布を含む
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬液揮散器。
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