JP2022001745A - 内燃機関の点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼効率を向上させることができる、内燃機関の点火装置を提供すること。【解決手段】放電ギャップGが配される副燃焼室50を有するスパークプラグ1を備えた内燃機関の点火装置10。副燃焼室50を覆うプラグカバー5は、副燃焼室50と内燃機関の主燃焼室11とを連通する噴孔51を備えている。内燃機関の点火装置10は、内燃機関の吸気行程において、放電ギャップGに予備放電を生じさせる予備放電電圧を印加するよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の点火装置に関する。
副燃焼室を備えたスパークプラグが、特許文献1に開示されている。
かかるスパークプラグにおいては、副燃焼室にて着火して形成された火炎が、噴孔を介して主燃焼室に火炎ジェットとして噴出することで、主燃焼室における燃焼を促進することができる。
独国特許出願公開第102017221517号明細書
しかしながら、副燃焼室を備えたスパークプラグにおいては、副燃焼室にて形成された火炎が、ハウジング、プラグカバー等に熱を奪われることがあるという課題がある。
例えば、内燃機関の冷間時や部分負荷時等、スパークプラグの温度が比較的低い状態における運転領域において、副燃焼室内の火炎が冷却損失を受けるおそれがある。この場合、噴孔から噴出する火炎ジェットを強くすることが困難となり、主燃焼室における燃焼効率の向上が困難となるおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、燃焼効率を向上させることができる、内燃機関の点火装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、放電ギャップ(G)が配される副燃焼室(50)を有するスパークプラグ(1)を備えた内燃機関の点火装置(10)であって、
上記副燃焼室を覆うプラグカバー(5)は、上記副燃焼室と上記内燃機関の主燃焼室(11)とを連通する噴孔(51)を備えており、
上記内燃機関の吸気行程において、上記放電ギャップに予備放電を生じさせる予備放電電圧を印加するよう構成されている、内燃機関の点火装置にある。
上記内燃機関の点火装置は、吸気行程において、放電ギャップに予備放電電圧を印加するよう構成されている。これにより、主放電前の着火を防ぎつつ、副燃焼室内の気体を活性化させることが可能となる。それゆえ、その後の主放電時の副燃焼室における燃焼を促進させることができる。これにより、噴孔から主燃焼室へ噴射する火炎ジェットが強化され、燃焼効率を向上させることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、燃焼効率を向上させることができる、内燃機関の点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、内燃機関の点火装置の説明図。 実施形態1における、スパークプラグの先端部付近の軸方向に沿った断面図。 実施形態1における、点火信号及び電圧印加のタイミングチャート図。 実験例1における、予備放電電圧の印加時期とCOVとの関係を示す線図。 実験例1における、予備放電の有無による初期燃焼速度及び平均有効圧を比較した試験結果を示す線図。 実施形態2における、点火信号及び電圧印加のタイミングチャート図。 実験例2における、予備放電電圧の印加時期とCOVとの関係を示す線図。 実施形態3における、スパークプラグの先端部付近の軸方向に沿った断面図。 実施形態4における、スパークプラグの先端部付近の軸方向に沿った断面図。
(実施形態1)
内燃機関の点火装置に係る実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
本形態の内燃機関の点火装置10は、図1、図2に示すごとく、副燃焼室50を有するスパークプラグ1を備えた内燃機関の点火装置10である。
副燃焼室50には放電ギャップGが配されている。副燃焼室50を覆うプラグカバー5は、噴孔51を備えている。噴孔51は、副燃焼室50と内燃機関の主燃焼室11とを連通する。
点火装置10は、図3に示すごとく、内燃機関の吸気行程において、放電ギャップGに予備放電を生じさせる予備放電電圧V1を印加するよう構成されている。
点火装置10は、図1に示すごとく、スパークプラグ1と、スパークプラグ1に接続された点火コイル101と、点火コイル101に点火信号を送る制御部102とを有する。制御部102は、例えば、車両用のECU(すなわち、電子制御ユニット)にて構成することができる。
制御部102は、所定のタイミングにて、点火コイル101へ点火信号を送信する。この点火信号に基づいて、点火コイル101は、高電圧をスパークプラグ1に印加する。これにより、スパークプラグ1における放電ギャップGに、放電が生じる。
本形態の点火装置10は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。そして、図1に示すごとく、スパークプラグ1の軸方向Zの一端を、内燃機関の主燃焼室11に配置する。スパークプラグ1の軸方向Zにおいて、主燃焼室11に露出する側を先端側、その反対側を基端側というものとする。
スパークプラグ1は、図2に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、接地電極6と、プラグカバー5と、を有する。
中心電極4は、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3から先端側に突出している。接地電極6と中心電極4との間に放電ギャップGが形成されている。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。ハウジング2は、スパークプラグ1を内燃機関に取り付けるための取付ネジ部23を備えている。プラグカバー5は、ハウジング2の先端部に設けられている。プラグカバー5は、噴孔51を複数有している。
接地電極6は、中心電極4の先端部の側面に、外周側から対向して配置されている。本形態において、接地電極6は、ハウジング2に固定されている。そして、放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも基端側に配置されている。
内燃機関は、いわゆる4サイクルエンジンであり、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を、順次繰り返すように、図1に示すピストン14の往復運動と、吸気バルブ12及び排気バルブ13の開閉が行われる。同図において、符号120は吸気ポートを示し、符号130は排気ポートを示す。そして、点火装置10は、図3に示すごとく、ピストン14の所定のクランク角において、スパークプラグ1に、主放電と予備放電とをそれぞれ生じさせる。すなわち、制御部102は、ピストン14のクランク角に対する所定のタイミングにて、点火信号を発信し、点火コイル101を介してスパークプラグ1に電圧を印加する。
図3は、クランク角に対する、点火信号及び電圧印加のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。同図において、線Sが点火信号のオンオフ、線Vが印加電圧の変化をそれぞれ表す。また、同図には、主燃焼室11の内圧の変化を、曲線Pにて併記してある。また、同図の下段に付した数値は、圧縮上死点に対してどの程度前のクランク角であるかを示す、BTDC(Before Top Dead Center の略)である。
同図に示すように、圧縮上死点付近と吸気行程とにおいて、それぞれ点火信号が発信され、スパークプラグ1に電圧が印加されている。圧縮上死点付近における電圧印加(符号V2参照)は、圧縮上死点の前後、すなわち、BTDC0°の前後のタイミングにて行われる。図3には、点火信号の発信、電圧印加のタイミングを、圧縮行程とした例を示したが、点火信号の発信、電圧印加のタイミングを、圧縮上死点後の膨張行程にて行うこともできる。吸気行程における電圧印加(符号V1参照)は、BTDC360°よりも遅く、BTDC180°よりも早いタイミングにて、行われる。なお、スパークプラグ1への電圧印加のタイミングは、電圧印加開始時点を意味し、本形態の場合、点火信号Sがオンからオフに切り替わる時点と実質的に一致する。
圧縮上死点前後における電圧印加は、スパークプラグ1の放電ギャップGに主放電を生じさせる。主放電により、混合気に点火し、噴孔51から火炎ジェットを噴射して、主燃焼室11に燃焼を生じさせる。
吸気行程における電圧印加は、スパークプラグ1の放電ギャップGに予備放電を生じさせる。吸気行程においては、吸気ポート120より主燃焼室11に混合気が導入される。そして、噴孔51を介して副燃焼室50内に混合気が導入される。この段階においては、主燃焼室11及び副燃焼室50の内圧は、概ね大気圧であり、また、主燃焼室11及び副燃焼室50における混合気の燃料密度も比較的低い。また、主燃焼室11及び副燃焼室50の温度も、主放電の時点に比べて低い。
このような環境下において、放電ギャップGに高電圧が印加されると、放電ギャップGには、大気圧グロー放電が予備放電として形成されるが、混合気への着火は抑制される。この予備放電によって、放電ギャップG付近の空気及び燃料が活性化されて、オゾン、OHラジカル等の活性種が生成される。すなわち、大気圧グロー放電にて生じる高エネルギー電子が空気及び燃料の分子に衝突する。このとき生じる衝突乖離反応によって、活性種が生成される。そして、放電ギャップG付近を含む副燃焼室50は、プラグカバー5にて覆われているため、発生した活性種の多くは拡散せずに放電ギャップG付近に留まる。
その後、活性種が多く存在する副燃焼室50に、圧縮行程にて混合気が導入され、圧力上昇に伴い燃料密度及び温度が上昇する。この状態において、放電ギャップGに主放電を生じさせることで、混合気への着火が促進される。つまり、副燃焼室50における初期火炎の形成及び火炎成長が促進される。それゆえ、例えば、内燃機関の冷間時や部分負荷時等、スパークプラグ1の温度が比較的低い場合にも、副燃焼室50における着火性を向上させ、火炎ジェットを強化することができる。
次に、本形態の作用効果につき説明する。
上記内燃機関の点火装置10は、吸気行程において、放電ギャップGに予備放電電圧を印加するよう構成されている。これにより、主放電前の着火を防ぎつつ、副燃焼室50内の気体を活性化させることが可能となる。それゆえ、上述のように、主放電時の副燃焼室50における燃焼を促進させることができる。これにより、噴孔51から主燃焼室11へ噴射する火炎ジェットが強化され、燃焼効率を向上させることができる。
なお、吸気行程の前の排気行程、すなわち、BTDC360°よりも前の時期は、副燃焼室50内に、高温の残留ガス(CO2、H2O等)が充満し、混合気が殆ど存在しない状態となっていると考えられる。また、残留ガスに含まれるCO2、H2O等は電子を吸着しやすいため、上述の衝突乖離反応による活性種の生成が困難となる。さらに、高温化ではオゾン等の活性種が消失しやすいことも知られている。それゆえ、この排気行程において予備放電電圧を印加しても、主放電時の燃焼効率の向上には繋がりにくいと考えられる。
一方、吸気行程の後の圧縮行程、すなわち、BTDC180°よりも後の時期は、副燃焼室50内に混合気が充満され始める。それゆえ、この時期に予備放電電圧を印加すると、低温酸化反応等の燃焼反応が始まり、この早期着火により副燃焼室50内の活性種が消失してしまうと考えられる。その結果、主放電時における燃焼効率の向上を図ることが困難となると考えられる。
以上の観点からも、副燃焼室50内の残留ガスが掃気された後であって、早期着火が生じやすくなる前である、吸気行程において、予備放電電圧を印加することが有効であるといえる。
また、放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも基端側に配置されている。これにより、放電ギャップGを噴孔51から遠い位置に設けることができる。それゆえ、初期火炎が噴孔51から遠い位置に形成されやすくなり、充分に火炎が成長して、副燃焼室50の内圧が充分に上昇したのちに、火炎ジェットが噴射されやすくなる。その一方で、放電ギャップGがハウジング2の先端よりも基端側に存在すると、冷損を受けやすくなる。この課題に対して、上述のような予備放電電圧の印加タイミングとすることで、副燃焼室50内における着火性を向上させることができる。それゆえ、より一層効果的に、内燃機関の燃焼効率を向上させることができる。
以上のごとく、本形態によれば、燃焼効率を向上させることができる、内燃機関の点火装置を提供することができる。
(実験例1)
本例は、図4、図5に示すごとく、吸気行程における予備放電による内燃機関の燃焼改善効果を確認した例である。
まず、図4に示すごとく、予備放電電圧の印加タイミングと、燃焼変動率(以下、COVともいう)との関係を調べた。実験に用いた内燃機関は、ポート噴射式の4サイクルガソリンエンジンであり、回転数1200rpm、主放電の時期をBTDC30°とした。また、点火コイル101からスパークプラグ1に供給する点火エネルギーは、予備放電時と主放電時とで同等とした。また、冷間時を想定して、内燃機関の冷却水温を40℃とした。
また、比較のために、予備放電を行わない場合についても、COVを測定した。
結果を、図4に示す。同図において、予備放電を行わない場合のCOVの結果を、便宜的に、BTDC0°の位置におけるプロットにて示した。また、プロットを近似的に連結する曲線を破線にて示した。
同図から分かるように、予備放電を行わない場合には、COVにばらつきが生じた。これに対して、内燃機関の吸気行程、すなわちBTDC360°〜180°の間に予備放電電圧を印加した場合には、COVを一定以下に抑えることができている。そして、予備放電電圧の印加を、BTDC180°よりも早いタイミングとすることで、より確実にCOVを抑制できると考えられる。さらには、予備放電電圧の印加時期をBTDC200°以前とすることで、さらにCOVを抑制できている。これは、予備放電電圧の印加時期を、200°よりも遅くした場合、予備放電の一部が、圧縮行程に生じることもあり、上述した早期着火の影響が部分的に生じうるためと考えられる。したがって、予備放電電圧の印加時期を、200°以前とすることが、より好ましいと考えられる。
また、BTDC330°よりも遅い時期、更にはBTDC300°以降の時期とすることにより、よりCOVを抑制することができている。
また、図5は、予備放電を行った場合と行わなかった場合とで、初期燃焼速度及び平均有効圧を比較した試験結果を示す。この試験においては、予備放電電圧の印加時期を、BTDC270°〜240°の間とした。初期燃焼速度の評価として、図5の横軸に、点火開始から燃焼質量割合2%に達する期間を、圧縮上死点後のクランク角にて示している。平均有効圧は、同図の縦軸に示している。平均有効圧が高く、かつ燃焼質量割合2%時期が早いほど、安定した燃焼が得られるといえる。
図5に示すように、予備放電を行わなかったものについては、初期燃焼速度及び平均有効圧にばらつきがあり、初期燃焼速度が遅く、平均有効圧が低いサイクルが存在した。これに対して、予備放電を行ったものについては、初期燃焼速度が速く、かつ平均有効圧が高いレベルに収まった。つまり、安定した燃焼が得られた。この結果から、吸気行程における予備放電電圧の印加により、主放電時における燃焼効率の向上を図ることができていることが分かる。
(実施形態2)
本形態は、図6に示すごとく、いわゆる直噴式の内燃機関に適用した点火装置10の例である。
すなわち、本形態において、内燃機関は、主燃焼室11に直接燃料を噴射するよう構成されている。そして、点火装置10は、燃料の噴射よりも前のタイミングにて、放電ギャップGに予備放電電圧V1を印加するよう構成されている。
直噴エンジンにおいては、吸気行程における所定のタイミングに、インジェクタ(図示略)から燃料を噴射する。この燃料の噴射タイミングよりも前の段階で、スパークプラグ1に予備放電電圧V1を印加する。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
直噴エンジンの場合、吸気ポート120からは、燃料を含まない空気が主燃焼室11に導入される。それゆえ、吸気行程における燃料噴射よりも前の時期は、主燃焼室11及び副燃焼室50に、燃料を含まない空気が導入されることとなる。この時期に、予備放電電圧を印加することにより、副燃焼室50における空気を活性化させることができる。
なお、吸気行程における燃料噴射後の時期は、濃度の高い混合気が副燃焼室50に導入されると考えられる。それゆえ、直噴エンジンの場合、この燃料噴射後に予備放電電圧を印加すると燃焼反応が生じやすくなり、活性種が消失するおそれがある。かかる観点から、直噴式の内燃機関の点火装置10としては、燃料噴射前に予備放電電圧V1を印加することが好ましい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実験例2)
本例は、図7に示すごとく、吸気行程における予備放電による直噴式内燃機関の燃焼改善効果を確認した例である。
本例においても、実験例1と同様に、予備放電電圧の印加タイミングとCOVとの関係を調べた。実験に用いた内燃機関は、直噴式の4サイクルガソリンエンジンであり、回転数1200rpm、主放電の時期をBTDC30°とした。また、燃料噴射の開始時期(SOI)を、BTDC280°とした。また、点火コイル101からスパークプラグ1に供給する電気エネルギーは、予備放電時と主放電時とで同等とした。
また、比較のために、予備放電を行わない場合についても、COVを測定した。
結果を、図7に示す。同図において、予備放電を行わない場合のCOVの結果を、便宜的に、BTDC0°の位置におけるプロットにて示した。また、プロットを近似的に連結する曲線を破線にて示した。
同図から分かるように、予備放電電圧の印加時期を、燃料噴射時期よりも前とすることで、COVを抑制できている。この結果から、直噴式の内燃機関においては、吸気行程における、特に燃料噴射時期よりも前に、予備放電電圧を印加することが効果的であることがわかる。
(実施形態3)
本形態は、図8に示すごとく、放電ギャップGを、ハウジング2の先端よりも先端側に設けたスパークプラグ1を用いた点火装置10の形態である。
本形態においては、接地電極6を、ハウジング2の先端とプラグカバー5の基端との接合部から、中心電極4に向かって、プラグ径方向に突出している。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態においては、放電ギャップGを、副燃焼室50における比較的先端側、すなわち噴孔51に近い位置に設けることができる。それゆえ、主放電により形成される初期火炎が受ける冷損を比較的低減することができる。また、吸気行程における比較的早い段階においても、放電ギャップG付近に混合気を導入することができるため、予備放電電圧の印加時期を、吸気行程の初期段階に行うことも有効となりやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本形態は、図9に示すごとく、接地電極6を、クランク形状とした形態である。
接地電極6は、接合側端部62と、接合側端部62よりも基端側に配される放電側端部61とを有する。接地電極6は、接合側端部62と放電側端部61とを軸方向Zに繋ぐ中継部63を有する。
接合側端部62は、ハウジング2の先端面又はプラグカバー5の基端部に接合される。中継部63は、ハウジング2の内周面22に沿って配置されている。放電側端部61は、中心電極4の先端部の側面に対向配置される。これにより、放電側端部61と中心電極4との間に、放電ギャップGが形成されている。放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも基端側に形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。
上述の構成のスパークプラグ1を備えた点火装置10においても、予備放電電圧の印加時期を吸気行程とすることにより、内燃機関の燃焼効率を向上させることができる。
本形態の場合には、実施形態1と同様に、放電ギャップGを噴孔51から遠い位置に設けることができる。それゆえ、火炎ジェットの強化を図りやすい一方、冷損を招きやすい。しかし、上述の通り、予備放電電圧の印加時期を吸気行程とすることで、主放電時における着火性を向上させることができるため、効果的に燃焼効率を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 スパークプラグ
10 点火装置
11 主燃焼室
2 ハウジング
3 絶縁碍子
4 中心電極
5 プラグカバー
50 副燃焼室
51 噴孔
6 接地電極

Claims (4)

  1. 放電ギャップ(G)が配される副燃焼室(50)を有するスパークプラグ(1)を備えた内燃機関の点火装置(10)であって、
    上記副燃焼室を覆うプラグカバー(5)は、上記副燃焼室と上記内燃機関の主燃焼室(11)とを連通する噴孔(51)を備えており、
    上記内燃機関の吸気行程において、上記放電ギャップに予備放電を生じさせる予備放電電圧を印加するよう構成されている、内燃機関の点火装置。
  2. 上記内燃機関の圧縮上死点に対してクランク角200°以前にて、上記予備放電電圧を印加するよう構成されている、請求項1に記載の内燃機関の点火装置。
  3. 上記内燃機関は、上記主燃焼室に直接燃料を噴射するよう構成されており、上記燃料の噴射よりも前のタイミングにて、上記放電ギャップに予備放電電圧を印加するよう構成されている、請求項1又は2に記載の内燃機関の点火装置。
  4. 上記スパークプラグは、上記内燃機関に取り付けるための取付ネジ部(23)を備えたハウジング(2)を有し、上記放電ギャップは、上記ハウジングの先端よりも基端側に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の点火装置。
JP2020106707A 2020-06-22 2020-06-22 内燃機関の点火装置 Active JP7547806B2 (ja)

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