JP2022001577A - セリアック病、非セリアックグルテン過敏症及び難治性セリアック病を治療するための方法及び組成物 - Google Patents

セリアック病、非セリアックグルテン過敏症及び難治性セリアック病を治療するための方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】炎症性障害、特に、セリアック病、難治性セリアック病及び非セリアックグルテン過敏症を治療する方法と医薬組成物を提供する。【解決手段】治療有効量の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を投与することを含み、前記治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、前記抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約50〜1000mg、好ましくは75〜600mg、より好ましくは約75mg、約150mg、約300mg又は約600mg含む、治療方法とする。【選択図】なし

Description

本明細書に開示されている組成物と方法は、炎症性障害、特に、セリアック病、難治性セリアック病及び非セリアックグルテン過敏症の治療に関するものである。
セリアック病(CD)は、遺伝的感受性の高い個体において、グルテンの消費によって誘発される全身性自己免疫疾患である(Green and Cellier,2007)。CDによって、腸粘膜損傷と、重篤になる可能性のある内科合併症とを含む衰弱症状が現れる。
CDは、グルテン(非常に多く見られる穀物(例えば、小麦、大麦、ライ麦)のいくつかに存在する主要なタンパク質)という抗原が特定された最初の自己免疫疾患であった。ヒトは、グルテンを完全に消化する酵素を持っておらず、遺伝的に正常な状況では、グルテンにより、腸とその他の器官において、炎症と自己免疫が誘発された後、トランスグルタミナーゼ(tTG)という酵素によって脱アミノ化が行われる。CDは、いくつかの形態で存在しており、治療には課題が残されている。
CDは、認可された薬物がない唯一の一般的な自己免疫障害である。現在、唯一利用できるCD管理策は、生涯にわたってグルテンを完全に除去することである。グルテンは様々な食物に存在することから、完全に除去するのは、不可能ではないにしても、非常に難しい。50mg/日ほどの少なさであっても(通常の食事には、10g/日を超える量が含まれる)、小腸で、T細胞の活性化が誘発され、腸管粘膜損傷を引き起こす(Catassi et al.,2007)。このため、グルテンフリー食(GFD)を摂取しているCD患者の50%超で、活動性疾患、腸管免疫の活性化及び粘膜萎縮が依然として見られる(Lee et al.,2003、Cranney et al.,2007、Hopper et al.,2007、Midhagen et al.,2003)。セリアック病と診断された個体のおよそ20%は、組織トランスグルタミナーゼ抗体(セリアック病を示す分子マーカー)が陽性であるか否かにかかわらず、持続的な症状又は貧血を有する。
不応性セリアック病(NRCD)は、食餌グルテンを6〜12カ月除去したにもかかわらず、CDに特徴的な持続的な徴候、症状又は検査値異常が見られることによって定義される(Rubio−Tapia et al.,2013)。現在、NRCDに有効な治療はない。
難治性セリアック病(RCD)は、まれではあるが、CDにおける、グルテンへの持続的暴露の特有の合併症によって特徴付けられ、セリアック病患者のおよそ1%が罹患している(Lebwohl et al.,2013)。RCDは、グルテン消費の非存在下、小腸の異型腸上皮内リンパ球(IEL)の存在下での重度の腸管粘膜萎縮と、消化器症状によって特徴付けられる(Verbeek et al.,2008、vanWanrooij et al.,2014)。小腸における異型IELの20%というカットオフ値によって、I型RCD(<20%)とII型RCD(RCD−II、20%以上)が分類される。RCD−Iは、ステロイドによって対症的に治療することができるが、RCD−IとRCD−IIに対する認可済み又は治癒的な治療は存在せず、RCD−IIは、症例の50%において、明白なリンパ腫に進展し、予後が極めて不良である(Nijeboer et al.,2015)。
腸管症型T細胞リンパ腫(EATL)は、ほぼ例外なくRCD−IIの合併症として見られる高悪性度な全身性T細胞リンパ腫である(Nijeboer et al.,2015)。診断としては、画像診断及び組織診断によって、リンパ節又はその他の器官などの上皮外に悪性T細胞が存在することを示すものが挙げられる。EATLの治療は、外科的切除と化学療法に依存するが、予後は極めて不良であり、5年生存率は20%未満である(Nijeboer et al.,2015)。
小麦の摂取に応じて生じるCD随伴症状のいくつかは、CDの典型的な血清学的マーカー、組織学的マーカー又は遺伝子マーカーを有さないとともに、小麦アレルギーに伴う、免疫グロブリンE(IgE)の血清学的応答を示さない個体によっても報告されている。非セリアックグルテン過敏症(NCGS)という用語は、これらの患者によって報告される一連の状態を指す目的で提示されたものである(Lundin and Alaedini,2012)。非セリアックグルテン過敏症は現在、小麦、ライ麦及び大麦を含む食物の摂取に応答して、様々な症状の発生を伴う状態として理解されており、個体の食事からこれらの食物を除去すると症状の消散する疾患のうち、CDと小麦アレルギーが除外された疾患である(Lundin and Alaedini,2012)。
したがって、CD、NRCD、RCD、EATL及びNCGSに対する有効な治療が至急必要とされている。
Green and Cellier,2007 Catassi et al.,2007 Lee et al.,2003 Cranney et al.,2007 Hopper et al.,2007 Midhagen et al.,2003 Rubio−Tapia et al.,2013 Lebwohl et al.,2013 Verbeek et al.,2008 vanWanrooij et al.,2014 Nijeboer et al.,2015 Lundin and Alaedini,2012
一態様では、本発明は、セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療を必要とする対象のセリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療方法であって、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を治療有効量、その対象に投与することを含み、その治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約50〜1000mg、好ましくは75〜600mg、より好ましくは約75mg、約150mg、約300mg又は約600mg含む方法に関するものである。一実施形態では、この治療有効量は、約2週間おきに投与する6回分の単位用量を含む。各単位用量は、皮下注射又は静脈内注射によって投与してよい。
別の態様では、本発明は、セリアック病もしくは非セリアックグルテン過敏症を治療するための医薬組成物、又はセリアック病もしくは非セリアックグルテン過敏症の治療方法で用いる医薬組成物であって、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を治療有効量含み、この治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約50〜1000mg、好ましくは75〜600mg、より好ましくは約75mg、約150mg、約300mg又は約600mg含む医薬組成物に関するものである。この医薬組成物の一実施形態では、治療有効量は、2週間おきに投与する6回分の単位用量を含む。各単位用量は、皮下注射又は静脈内注射によって投与できる。
本発明の別の態様は、難治性セリアック病の治療を必要とする対象の難治性セリアック病の治療方法であって、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を治療有効量、その対象に投与することを含み、その治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約1〜50mg/kg、好ましくは約4〜16mg/kg、より好ましくは約4mg/kg、約8mg/kg、約12mg/kg又は約16mg/kg含む方法に関するものである。一実施形態では、この治療有効量は、2週間おきに投与する6回分の単位用量と、1週目における任意の追加的な負荷用量を含む。各単位用量は、皮下注射又は静脈内注射によって投与する。この難治性セリアック病は、I型又はII型難治性セリアック病である。
また、本発明で提供するのは、難治性セリアック病を治療するための医薬組成物、又は難治性セリアック病の治療方法で用いる医薬組成物であって、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を治療有効量含み、この治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約1〜50mg/kg、好ましくは約4〜16mg/kg、より好ましくは約4mg/kg、約8mg/kg、約12mg/kg又は約16mg/kg含む医薬組成物である。この治療有効量は、いくつかの実施形態では、2週間おきに投与する6回分の単位用量と、1週目に投与する任意の追加的な負荷用量を含む。各単位用量は、皮下注射又は静脈内注射によって投与できる。この難治性セリアック病は、I型であることも、II型であることもできる。
本明細書に開示されている方法及び/又は医薬組成物のいくつかの実施形態では、その抗体は、配列番号5〜7の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有してよい。この抗体は、特定の実施形態では、配列番号8〜10の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有してよい。この抗体は、いくつかの実施形態では、配列番号2のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する。特定の実施形態では、この抗体は、配列番号4のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有してよい。
AMG714の概略的な構造を示している。 健常な対象と、活動性セリアック病である対象の腸に存在する絨毛を示している。 セリアック病と難治性セリアック病の病態生理の簡単な概略を示している。 RCD−IIにおけるIL−15のシグナル伝達の簡単な概略を示している。 セリアック病と難治性セリアック病におけるIL−15の複数の役割の簡単な概略を示している。
本明細書に開示されている組成物と方法は、例えば、治療有効量のIL−15アンタゴニストを用いて、IL−15の活性を調節することによって、CD、NRCD、RCD、EATL及びNCGSなどの消化器障害を治療することに関するものである。いくつかの実施形態では、このIL−15アンタゴニストは、抗体である。いくつかの実施形態では、IL−15は、IL−15に結合して、IL−15の機能を阻害できるモノクローナル抗体であるAMG714によってブロックできる。
本発明で提供する医薬組成物は、IL−15、特にヒトIL−15に対する組み換えモノクローナル抗体又は抗原結合断片を治療有効量含むことができる。好適な抗体としては、例えば、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、及び当該技術分野において知られているその他の抗体形態を挙げることができる。いくつかの実施形態では、その抗体としては、米国特許第7,247,304号、同第7,329,405号、同第7,153,507号、同第7,597,892号、同第7,585,961号及び同第8,345,105号(これらはいずれも、参照により、その全体が本明細書に援用される)に開示されているものを挙げることができるが、これらに限らない。この抗体は、例えば、国際公開第WO2007/07087384号(参照により、その全体が本明細書に援用される)に開示されている方法を用いて、組み換え発現させた糖タンパク質の形態で提供することができる。
一実施形態では、抗体は、IL−15と結合する完全ヒトモノクローナル抗体である。具体的な実施形態では、抗体は、配列番号2に示されているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号4に示されているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するAMG714である。この抗体は、配列番号2及び/又は配列番号4に対する同一性が約80%、85%、90%、95%又はこれを上回る値であるアミノ酸配列を有することもできる。
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号8〜10に示されている1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)又はその相同配列(例えば、配列番号8〜10のいずれかに対する同一性が約80%、85%、90%、95%又はこれを上回る値であるアミノ酸配列を有する配列)を含む軽鎖可変領域を含むことができる。この代わりに又はこれに加えて、この抗体は、配列番号5〜7に示されている1つ又は複数のCDR又はその相同配列(例えば、配列番号5〜7のいずれかに対する同一性が約80%、85%、90%、95%又はこれを上回る値であるアミノ酸配列を有する配列)を含む重鎖可変領域を含むことができる。特定的な実施形態では、IL−15と結合するヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号8〜10に示されている3つのすべてのCDR又はその保存的アミノ酸置換体を含む軽鎖可変領域と、配列番号5〜7に示されている3つのすべてのCDR又はその保存的アミノ酸置換体を含む重鎖可変領域を含む。
本明細書に開示されている医薬組成物は、IL−15と結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を治療有効量と、製薬学的に許容可能な担体を含むことができる。この医薬組成物を用いて、ヒトIL−15の過剰発現と関連する障害及び/又はヒトIL−15によって誘導される作用をダウンレギュレーションもしくは阻害すると有益である障害を治療又は予防できる。
また、本発明で提供するのは、対象に、単離抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を治療有効量投与することによって、ヒトIL−15の過剰発現と関連する障害及び/又はヒトIL−15によって誘導される作用をダウンレギュレーションもしくは阻害すると有益である障害を治療又は予防する方法である。
本発明で開示する方法又は組成物を用いて治療又は予防できる例示的な障害としては、セリアック病、不応性セリアック病、難治性セリアック病、腸管症型T細胞リンパ腫及びグルテン感受性腸疾患が挙げられるが、これらに限らない。治療できるその他の障害としては、血管炎、乾癬、多発性硬化症、関節リウマチ(RA)、炎症性障害(例えば、炎症性腸疾患)、同種移植拒絶、移植片対宿主病、T細胞リンパ腫及びT細胞白血病が挙げられる。
定義
便宜上、この節では、本明細書、実施例及び添付の請求項で用いられている特定の用語がまとめられている。別段の定めのない限り、本明細書で用いられているすべての技術的用語及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
「a」及び「an」という冠詞は、本明細書では、その冠詞が付く文法的対象の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す目的で用いられている。例としては、「an」の付いた要素は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、20%以内、より好ましくは10%以内、最も好ましくは5%以内を意味する。「実質的に」という用語は、50%超、好ましくは80%超、最も好ましくは90%又は95%超を意味する。
「IL−15」、「IL−15抗原」及び「インターロイキン15」という用語は、本明細書では同義的に用いられており、天然において細胞によって発現されるそのいずれかのバリアント又はアイソフォームを含む。インターロイキン15は、T細胞、特に腸上皮内リンパ球(IEL)と、ナチュラルキラー(NK)細胞に対する強力な成長、生存及び活性化因子としての機能を果たす炎症誘発性サイトカインである。IL−15の発現の増加は、CD、関節リウマチ(RA)及び乾癬を含む様々な炎症状態において示されている(Malamut et al.,2010)。IL−15は、CDの免疫病理の中心的調節因子及びRCDにおけるリンパ腫形成の非リダンダントな駆動因子とみなされている。アンタゴニストによるIL−15の阻害は、CD治療のための魅力的な治療標的である。IL−15と結合する完全ヒトモノクローナル抗体によるIL−15の標的化は、CDにおいて、IL−15によって促されるシグナル伝達機構を解明する役割を果たしているとともに、IL−15の下流エフェクターを調節する利点に関して、実験証明原理を確立している(Malamut et al.,2010)。
本明細書で言及されている「抗体」という用語には、全抗体と、いずれかの抗原(例えばIL−15)結合断片(すなわち、「抗原結合部分」)又はその一本鎖が含まれる。「抗体」とは、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖と2つの軽(L)鎖を含むタンパク質、又はその抗原結合部分を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書では、VHと略す)と、重鎖定常領域で構成されている。重鎖定常領域は、CH1、CH2及びCH3という3つのドメインで構成されている。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書では、VLと略す)と、軽鎖定常領域で構成されている。軽鎖定常領域は、CLという1つのドメインで構成されている。VH領域とVL領域はさらに、保存性の高い領域(フレームワーク領域(FR)という)に挟まれた超可変性領域(相補性決定領域(CDR)という)に細分化できる。それぞれのVHとVLは、3つのCDRと、4つのFRで構成されており、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4という順で並んでいる。重鎖と軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、宿主組織又は因子(免疫系の様々な細胞(例えばエフェクター細胞)と、古典的補体系の第1成分(Clq)を含む)への免疫グロブリンの結合を媒介できる。
「抗体」という用語には、様々な抗体改変形態及び/又は抗体誘導体形態も含まれることを理解すべきであり、この形態としては、追加の分子的実体(1つ又は複数の異なる抗体もしくはその抗原結合断片(例えば、二重特異性、三重特異性又は多特異性)、医薬剤、ペプチド又はタンパク質、及び検出剤又は標識など)にカップリング又は連結されている抗IL−15抗体又はその抗原結合断片が挙げられるが、これらに限らない。「抗体」という用語には、一本鎖抗体、ダイアボディ、ドメイン抗体、ナノボディ及びユニボディも含まれる。
抗体の「抗原結合部分」及び「抗原結合断片」(又は簡潔には「抗体部分」)という用語は、本明細書で使用する場合、抗原(例えばIL−15)に選択的に結合する1つ又は複数の抗体断片を指す。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって行うことができることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に含まれる抗原結合断片の例としては、(i)Fab断片(VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン及びCH1ドメインからなる一価の断片)、(ii)F(ab’)2断片(2つのFab断片がヒンジ領域で、ジスルフィド結合によって連結されたものを含む二価の断片)、(iii)VHドメインとCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLドメインとVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,Nature 341:544−546(1989))、ならびに(vi)単離相補性決定領域(CDR)、又は(vii)2つ以上の単離CDRを組み合わせたもの(任意に応じて合成リンカーによって連結してもよい)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメイン(VL及びVH)は、別々の遺伝子によってコードされるが、組み換え方法を用いて、これの領域を1本のタンパク質鎖(VL領域とVH領域が対になって一価の分子を形成する)にできる合成リンカーによって、これらのドメインを連結できる(一本鎖Fv(scFv)として知られている。例えば、Bird et al.,Science 242:423−426(1988)及びHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883(1988)を参照されたい)。このような一本鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」及び「抗原結合断片」という用語に含まれるように意図されている。これらの抗体断片は、当業者に知られている従来の技法を用いて得られ、これらの断片は、インタクト抗体と同じようにして、有用性についてスクリーニングする。
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用する場合、特定のエピトープに対する単一の結合特異性と親和性を示す抗体を指す。したがって、「ヒトモノクローナル抗体」という用語は、単一の結合特異性を示すとともに、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域と定常領域を有する抗体を指す。一実施形態では、ヒトモノクローナル抗体は、ヒト重鎖導入遺伝子とヒト軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するヒト以外のトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニックマウスから得たB細胞を不死化細胞に融合したものを含むハイブリドーマによって産生させる。別の実施形態では、ヒトモノクローナル抗体は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞によって産生させることができる。
本明細書で使用する場合、「組み換えヒト抗体」という用語には、組み換え手段によって調製、発現、作製又は単離されるすべてのヒト抗体((a)ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックもしくはトランスクロモソーマルである動物(例えばマウス)、又はその動物から調製したハイブリドーマから単離した抗体、(b)その抗体を発現するようにトランスフォーメーションした宿主細胞(例えばCHO細胞)、例えばトランスフェクトーマから単離した抗体、(c)組み換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離した抗体、及び(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを伴ういずれかの他の手段によって調製、発現、作製又は単離した抗体など)が含まれる。このような組み換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域と定常領域を有する。しかしながら、特定の実施形態では、このような組み換えヒト抗体には、インビトロでの変異誘発(又は、ヒトIg配列についてトランスジェニックである動物を用いるときには、インビボでの体細胞変異誘発)を行うことができるので、組み換え抗体のVH領域とVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系のVH配列とVL配列に由来するとともに、その配列に関連する配列であるが、天然においては、インビボのヒト抗体生殖細胞系レパートリーには存在できない配列である。
本明細書で使用する場合、「異種抗体」は、その抗体を産生するヒト以外のトランスジェニック生物との関連で定義する。この用語は、ヒト以外のトランスジェニック動物から構成されていない生物で見られる配列に対応するアミノ酸配列又はコード核酸配列であって、ヒト以外のトランスジェニック動物の種以外の種に概して由来するアミノ酸配列又はコード核酸配列を有する抗体を指す。
「単離抗体」とは、本明細書で使用する場合、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、IL−15に特異的に結合する単離抗体は、IL−15以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、IL−15のエピトープに特異的に結合する単離抗体は、他の関連するサイトカイン又は異なる種に由来する他のIL−15タンパク質に対して交叉反応性を有することがある。しかしながら、本発明の抗体は、常にヒトIL−15に結合するのが好ましい。加えて、単離抗体は典型的には、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない。特定的な実施形態では、明確に定義されている組成物において、IL−15特異性の異なる「単離」モノクローナル抗体を組み合わせたものが組み合わされている。
本明細書で使用する場合、「特異的結合」、「選択的結合」及び「選択的に結合する」とは、所定の抗原に結合する抗体又はその断片を指す。例えば、一実施形態では、抗体は、表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって、BIACORE3000という計器で、組み換えヒトIL−15を分析対象物として、抗体をリガンドとして用いて測定すると、約10−7M未満(約10−8M未満、10−9M未満、10−10M未満、又はこれを下回る値など)の親和性(K)で結合するとともに、所定の抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)又は近縁の抗原に対する結合の親和性よりも少なくとも2倍高い親和性で、所定の抗原に結合する。「抗原を認識する抗体」及び「抗原に対して特異的な抗体」という語句は、本明細書では、「抗原に選択的に結合する抗体」という用語と同義的に用いられている。
「K」という用語は、本明細書で使用する場合、特定の抗体−抗原相互作用の解離平衡定数を指すように意図されている。
「核酸分子」という用語は、本明細書で使用する場合、DNA分子とRNA分子を指す。核酸分子は、一本鎖であっても、二本鎖であってもよいが、二本鎖DNAであるのが好ましい。
「単離核酸分子」という用語は、IL−15に選択的に結合する抗体又は抗体部分(例えば、VH、VL、CDR3)をコードする核酸に関して本明細書で使用する場合、その抗体又は抗体部分をコードするヌクレオチド配列が、IL−15以外の抗原と結合する抗体又は抗体部分をコードする他のヌクレオチド配列であって、天然においては、ヒトゲノムDNA内でその核酸に隣接している場合のある他の配列を含まない核酸分子を指す。
一実施形態では、ヒト抗IL−15抗体は、配列番号1に示されているヌクレオチド配列もしくはその保存的核酸置換配列(例えばサイレント変異配列)によってコードされる重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号3に示されているヌクレオチド配列もしくはその保存的核酸置換配列によってコードされる軽鎖可変領域(VL)を有することができる。この抗体は、配列番号1に対する同一性が約80%、85%、90%、95%もしくはこれを上回る値であるヌクレオチド配列によってコードされるVH、及び/又は配列番号3に対する同一性が約80%、85%、90%、95%もしくはこれを上回る値であるヌクレオチド配列によってコードされるVLを有することもできる。
一実施形態では、この抗体は、配列番号2に示されているアミノ酸配列もしくはその保存的アミノ酸置換配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号4に示されているアミノ酸配列もしくはその保存的アミノ酸置換配列を含む軽鎖可変領域を有することができる。この抗体は、配列番号2及び/又は配列番号4に対する同一性が約80%、85%、90%、95%又はこれを上回る値であるアミノ酸配列も有することができる。
いくつかの実施形態では、この抗体は、配列番号8〜10に示されている1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)又はその相同配列を含む(例えば、配列番号8〜10のいずれかに対する同一性が約80%、85%、90%、95%もしくはこれを上回る値であるアミノ酸配列を有するか、又はその配列に対するアミノ酸置換もしくはアミノ酸変化を1個、2個、3個もしくは4個有する)軽鎖可変領域を含むことができる。この代わりに又はこれに加えて、この抗体は、配列番号5〜7に示されている1つ又は複数のCDR又はその相同配列を含む(例えば、配列番号5〜7のいずれかに対する同一性が約80%、85%、90%、95%もしくはこれを上回る値であるアミノ酸配列を有するか、又はその配列に対するアミノ酸置換もしくはアミノ酸変化を1個、2個、3個もしくは4個有する)重鎖可変領域を含むことができる。特定的な実施形態では、IL−15又はその抗原結合断片と結合するヒトモノクローナル抗体は、配列番号8〜10に示されている3つのすべてのCDR又はその保存的アミノ酸置換体を含む軽鎖可変領域と、配列番号5〜7に示されている3つのすべてのCDR又はその保存的アミノ酸置換体を含む重鎖可変領域を含む。
本発明の一実施形態には、配列番号1〜10に示されている配列の「保存的な配列改変体」又は「保存的な配列置換体」、すなわち、そのヌクレオチド配列によってコードされるか、又はそのアミノ酸配列を含む抗体の結合特性に有意に影響を及ぼしたり、その結合特性を有意に変化させたりしないヌクレオチド配列改変体とアミノ酸配列改変体も含まれる。このような保存的な配列改変としては、ヌクレオチドとアミノ酸の置換、付加及び欠失が挙げられる。改変は、当該技術分野において知られている標準的な技法(部位特異的変異誘発及びPCRによる変異誘発など)によって、配列番号1〜10に導入できる。保存的アミノ酸置換としては、アミノ酸残基を、類似の側鎖を持つアミノ酸残基に置き換える置換が挙げられる。類似の側鎖を持つアミノ酸残基ファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を持つアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を持つアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非電荷極性側鎖を持つアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を持つアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β−分岐側鎖を持つアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖を持つアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。したがって、ヒト抗IL−15抗体における、予測された非必須アミノ酸残基を、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基と置き換えるのが好ましい。
あるいは、別の実施形態では、抗IL−15抗体コード配列の全体又は一部に沿って、飽和変異誘発によるなどして、変異をランダムに導入でき、得られた改変抗IL−15抗体は、結合活性についてスクリーニングできる。
したがって、本明細書に開示されている(重鎖可変領域及び軽鎖可変領域)ヌクレオチド配列によってコードされ、及び/又は本明細書に開示されている(重鎖可変領域及び軽鎖可変領域)アミノ酸配列(すなわち、配列番号1〜4)を含む抗体には、保存的に改変された類似の配列によってコードされるか又は保存的に改変された類似の配列を含む実質的に類似の抗体が含まれる。さらに、配列番号1〜4として本明細書に開示されている部分的な(すなわち、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域)配列に基づき、このような実質的に類似の抗体をいかにして作製できる方法についての考察を以下に示す。
核酸に関しては、「実質的な相同性」という用語は、適切なヌクレオチドを挿入又は欠失した状態で、2つの核酸又はその所定の配列を最適にアライメントして比較したときに、そのヌクレオチドの少なくとも約80%、通常は少なくとも約90%〜95%、より好ましくは、そのヌクレオチドの少なくとも約98%〜99.5%において、それらの核酸又はその所定の配列が同一であることを指す。あるいは、そのセグメントが、選択的ハイブリダイゼーション条件下で、その鎖の相補体にハイブリダイゼーションする場合に、実質的な相同性が存在する。
アミノ酸配列に関しては、「相同性」という用語は、適切な挿入又は欠失を加えた状態で、2つのアミノ酸配列を最適にアライメントして比較した場合のそれらのアミノ酸配列間の同一性の程度を示す。
2つの配列の同一性%は、2つの配列を最適にアラインメントするために入れる必要のあるギャップの数と、各ギャップの長さを考慮した状態で、それらの配列に共通する同一な位置の数から導き出したものである(すなわち、相同性%=同一な位置の数/位置の総数×100)。配列の比較と、2つの配列の同一性%の導出は、数学的なアルゴリズムを用いて行うことができる。
2つのヌクレオチド配列の同一性%は、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを用いて、NWSgapdna、CMPマトリックス、ギャップ加重=40、50、60、70又は80、及びギャップ長加重=1、2、3、4、5又は6を使用して導出できる。また、2つのヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の同一性%は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているE.Meyers及びW.Millerのアルゴリズム(CABIOS,4:11−17(1989))を用いて、PAM120加重残基表、ギャップ長ペナルティー=12、及びギャップペナルティー=4を使用して導出できる。加えて、2つのアミノ酸配列の同一性%は、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれているNeedleman及びWunsch(J.Mol.Biol.(48):444−453(1970))のアルゴリズムを用いて、Blossum62マトリックス又はPAM250マトリックス、ギャップ加重=16、14、12、10、8、6又は4、及びギャップ長加重=1、2、3、4、5又は6を使用して導出できる。
本発明の核酸配列とタンパク質配列はさらに、例えば、関連する配列を特定する目的で、「クエリー配列」として用いて、公共データベースに対する検索を行うことができる。このような検索は、Altschul,et al.,J.Mol.Biol.215:403−10(1990)のNBLASTとXBLASTのプログラム(バージョン2.0)を用いて行うことができる。BLASTでのヌクレオチド検索は、NBLASTのプログラムとともに、スコア=100、ワード長=12で行って、本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTでのタンパク質検索は、XBLASTのプログラムとともに、スコア=50、ワード長=3で行って、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的で、ギャップ付きのアラインメントを得るには、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25(17):3389−3402(1997)に記載されているようにして、Gapped BLASTを用いることができる。BLASTとGapped BLASTのプログラムを用いるときには、各プログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメーターを用いることができる。(www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。)
本明細書で使用する場合、「対象」という用語には、いずれかのヒト又はヒト以外の動物が含まれる。例えば、本発明の方法と組成物を用いて、炎症性疾患(セリアック病、難治性セリアック病、腸管症型T細胞リンパ腫及び非セリアックグルテン過敏症など)の対象を治療できる。「ヒト以外の動物」という用語には、すべての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物(ヒト以外の霊長類動物、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生動物、爬虫類など)が含まれる。
炎症性障害(セリアック病、難治性セリアック病、グルテン感受性腸疾患及び/又は腸管症型T細胞リンパ腫など)に対する「治療上有効な用量」又は「治療有効量」により、患者の臨床転帰が向上するか、又は別段に、対象における徴候及び/又は症状が改善するのが好ましい。例えば、治療上有効な用量のAMG−714によって、治療を受けている患者の臨床転帰を向上させ、及び/又は臨床検査結果、例えば、本明細書に定められているように、臨床試験及び/又は医師による評価においてモニタリングするパラメーターを改善させることができる。
「単位用量」とは、医薬組成物、特には、その組成物の活性成分(例えばAMG714のような抗IL−15抗体)の量のうち、1回の治療セッションで対象に投与する量を指す。治療セッションは、持続的であってよく、例えば、連続的な非経口単回ボーラス投与(例えば、皮下又は静脈内投与)を、ある期間(例えば、1時間、2時間)行うものであってよい。治療セッションは、2回以上のサブセッションに分けて、各ボーラス投与の後に、停止又は回復時間を設けた状態で、1回分の単位用量を経時的に(例えば、12時間、24時間)投与するようにすることもできる。
本明細書で使用する場合、「製薬学的に許容可能な担体」には、生理学的に適合可能であるあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗細菌剤、抗真菌剤、等張化剤及び吸収遅延剤などが含まれる。好ましくは、この担体は、(例えば注射又は注入による)静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、非経口投与、脊髄投与又は表皮投与に適するものである。投与経路に応じて、本発明の抗体は、酸の作用及びその化合物を不活化し得るその他の天然の条件から、その化合物を保護する材料でコーティングしてよい。
「製薬学的に許容可能な塩」とは、親化合物の所望の生物学的活性を保持しているとともに、いずれかの望ましくない毒性作用を付与しない塩を指す(例えば、Berge,S.M.,et al.,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)を参照されたい)。このような塩の例としては、酸付加塩と塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、非毒性の無機酸(塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホスホン酸など)と、非毒性の有機酸(脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸など)に由来する塩が挙げられる。塩基付加塩としては、アルカリ土類金属(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)と、非毒性の有機アミン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなど)に由来する塩が挙げられる。
以下の項では、本発明の様々な態様についてさらに詳細に説明する。
医薬組成物及びその調製物
本発明は、一態様では、治療用抗体又はその抗原結合断片(例えば、IL−15と結合するヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合断片)を治療有効量有する医薬組成物であって、製薬学的に許容可能な担体とともに調合できる医薬組成物を含む。
いくつかの実施形態では、AMG714(インターロイキン15(IL−15)に結合する完全ヒト免疫グロブリン(IgG1κ)モノクローナル抗体(mAb))は、例えば、セリアック病、グルテンフリー食(GFD)不応性セリアック病(NRCD)、非セリアックグルテン過敏症及びII型難治性セリアック病(RCD−II)の治療剤として有用である。
およそ14〜15kDaの糖タンパク質であるインターロイキン15(IL−15)は、IL−2と構造的に似ている炎症誘発性サイトカインである。IL−15は、免疫学的に関連する多くの細胞に対して生体作用を発揮する(Fehniger and Caligiuri,2001)。種を越えて重要な差が存在するが、IL−15は概して、NK細胞とメモリー表現型CD8+T細胞(IELを含む)の発生、ホメオスタシス及び活性化因子として機能する。IL−15は、これらの細胞種によるケモカインとサイトカインの産生も誘導する。IL−15は、単球/マクロファージによるIL−1、IL−6及びTNF−αなどの炎症誘発性サイトカインの産生を強力に刺激する。濾胞樹状細胞によって産生されるIL−15は、胚中心B細胞の増殖と免疫グロブリンクラススイッチを補佐することが知られている(Park et al.,2004、Litinskiy et al.,2002)。マウスにおいて、IL−15遺伝子又はIL−15Rα遺伝子のいずれかを標的破壊すると、NK細胞、NK−T細胞、T細胞レセプターγδ(TCRγδ+)IEL及びメモリーCD8+T細胞が欠損することが示されている(Lodolce et al.,1998)。IL−15ノックアウトマウスでは、これらの欠損は、外因性IL−15の投与によって可逆である(Kennedy et al.,2000)。しかしながら、ヒトNK細胞は、IL−15に完全に依存している訳ではない(Lebrec et al.,2013)。
IL−15メッセンジャーRNA(mRNA)は、広範な組織及び細胞種で発現する。しかしながら、IL−15タンパク質の発現は、より一層制限されており、複数の転写後制御機構の影響を受ける。IL−15タンパク質源としては、単球、マクロファージ、上皮・線維芽細胞及び骨髄間質細胞が挙げられる(Fehniger and Caligiuri,2001)。IL−15とそのレセプターは、免疫系外のいくつかの器官でも発現し、これらの系におけるIL−15の役割については、あまり分かっていない。IL−15及びIL−15Rαノックアウトマウスにおいて、免疫系外での明らかな異常が見られないことにより、免疫系以外のいずれの系でも、IL−15が必須ではないことが示唆されている。
IL−15は、IL−2レセプター(CD122又はIL−2/IL−15Rβ)と共有されているβ鎖と、IL−2レセプター、IL−4レセプター、IL−7レセプター、IL−9レセプター及びIL−21レセプターと共有されている共通γ鎖(γC)と、固有のα鎖とからなるヘテロ三量体レセプターに結合する。IL−15は、IL−15Rα鎖に高い親和性で結合した後、IL−2/IL−15Rβ及びγCと相互作用する。IL−15/IL−15Rα複合体と、その完全なレセプター複合体の他の2つの構成要素との会合は、3つのすべてのレセプター構成要素が同じ細胞上に存在するシス配置、又はIL−15/IL−15Rαの対が一方の細胞に、レセプターβ鎖とγC鎖がもう一方の細胞に存在するトランス配置で行われることができる(Schluns et al.,2005)。IL−15は、細胞表面のIL−15Rαと会合した後、CD8+T細胞とNK細胞を刺激する潜在能力を持つ可溶性サイトカイン/レセプター複合体に切断されることができる(Anthony et al.,2015)。
RA、乾癬、炎症性腸疾患、移植片対宿主病、固形臓器移植拒絶反応(Blaser et al.,2005、Conti et al.,2003、Gianfrani et al.,2005、McInnes and Gracie,2004)及びセリアック病(Gianfrani et al.,2005、Meresse et al.,2012)を含む様々な炎症状態において、IL−15の発現が増加することが示されている。
AMG714(完全ヒト免疫グロブリン(IgG1κ)モノクローナル抗体)は、あらゆる既知の形態のIL−15(IL−15レセプターα(IL−15Rα)に結合するシス、トランス、可溶性IL−15)に結合して、そのIL−15の機能を阻害する。AMG714は、IL−15誘導性T細胞の増殖を阻害するとともに、IL−15誘導性腫瘍壊死因子α(TNF−α)の産生の用量依存的な阻害を示す。AMG714の構造は、図1に示されている。
AMG714は、概して当該技術分野において知られているいずれかの抗体作製方法によって作製することができる。例えば、AMG714は、B細胞ハイブリドーマ細胞株から産生させてよい。AMG714は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株のような哺乳動物細胞株によっても産生させることができる。当業者であれば分かるように、CHO細胞によって産生される型から、重鎖C末端リシンが欠失し得る(Dick Jr.et al.,Biotechnol.Bioeng.2008;100:1132−1143)。
非臨床実験で、AMG714は、ヒトIL−15(hIL−15)とそのレセプター複合体との相互作用に必須なエピトープを認識することが分かった。AMG714は、末梢血T細胞と、IL−15レセプターを発現している細胞株のIL−15誘導性増殖の用量依存的な阻害と、hIL−15誘導性のTNF−αの産生の用量依存的な阻害を示した。AMG714は、腸上皮における、ヒトIL−15のトランスジェニック発現によって誘発したセリアック病マウスモデルにおいて、有効であることが分かった。このモデルでは、AMG714は、IELの活性化及び増殖と、組織学的異常を阻止した。加えて、AMG714は、活動性セリアック病及びRCD−IIの患者から得た小腸外植片のエキソビボ培養において、ヒトIELのアポトーシスを誘導できた。
マカクIL−15に対するAMG714の結合性が低いことから、ヒト以外の霊長類動物(NHP)、具体的にはカニクイザルでの非臨床試験において、サロゲート分子Hu714MuXHuを用いて、AMG714の安全性プロファイルが評価されている。NHPでは、Hu714MuXHuによるIL−15の阻害によって、何匹かのサルでは、可逆的にNK細胞が低減され、関連する消化器感染症が見られたが、ヒトでは、NK細胞の枯渇は観察されておらず(Lebrec et al.,2013)、ヒトでの研究では、対応する胃腸炎又は腸管感染は、頻繁な有害イベント(AE)としては報告されていない。その他の毒性徴候は観察されていない。この観察結果と、NHPで見られたNK細胞の枯渇との違いは、ヒトとカニクイザルにおいて、IL−15の遮断に対するNK細胞の感受性が異なることに関連していると見られる。おそらく、ヒトNK細胞に対するIL−2のリダタントな役割により、ヒトNK細胞は、その生存に関しては、IL−15に依存していない。
これまで、RA及び乾癬の治療のために、およそ200人の対象が、AMG714に暴露されている(12週間、2週間に1度投与されたおよそ140人の対象を含む)。AMG714は、4つの臨床試験(NHVにおける1つの第1相試験(30人の対象はAMG714、10人はプラセボ、静脈内[IV]と皮下[SC])、RAにおける1つの第1相試験(29人の対象がAMG714、プラセボなし、IV)、乾癬における第1b/2a相試験(14人の患者はAMG714、6人はプラセボ、SC)、及びRAにおける第2b相試験(121人の対象はAMG714、58人はプラセボ、SC))で試験が行われている。これまで、AMG714は、十分に耐えられるものであり、その安全性プロファイルは概して、注射部位の反応(AMG714に暴露させた対象において、プラセボよりも広く報告されている)を除き、プラセボに匹敵している。
RAの臨床試験では、第1相試験と第2相試験のいずれにおいても、AMG714によって、およそ60%の患者で応答が示されたのに対し、プラセボ群では、およそ30%の応答であった。また、AMG714によって、C反応性タンパク質(CRP)及び赤血球沈降速度(ESR)などの炎症性バイオマーカーが低減された。乾癬患者による臨床試験では、AMG714による応答は示されなかったことから、広範な全身性免疫抑制剤の作用とは異なり、AMG714の作用が選択的であることが示唆されている。
AMG714は、標的を介する明らかな動態が見られないとともに、半減期が20〜22日である典型的なヒト免疫グロブリンG1抗体と一致するPKプロファイルを有する。AMG714の免疫原性は、これまで、臨床プログラム全体における1人の対象から得た1つの血液試料のみで報告されている。
本発明の医薬組成物は、併用療法でも投与でき、すなわち、他の薬剤と組み合わせることができる。例えば、併用療法には、本発明の組成物とともに、少なくとも1つ又は複数の追加の治療剤(抗炎症剤、DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)、免疫抑制剤、化学療法及び乾癬剤など)を含めることができる。本発明の医薬組成物は、放射線療法と併せて投与することもできる。CD4特異的抗体及びIL−2特異的抗体のような他の抗体との併用投与も、本発明に含まれる。CD4特異的抗体又はIL−2特異的抗体とのこのような併用は、自己免疫疾患と移植片拒絶反応の治療に特に有用であると考えられている。
本発明の組成物は、当該技術分野において知られている様々な方法によって投与できる。当業者には明らかなように、投与経路及び/又は投与方法は、所望の成果によって変化することになる。放出制御型製剤(インプラント、経皮パッチ及びマイクロカプセル化送達システムを含む)のように、活性化合物は、その化合物を急速な放出から保護することになる担体とともに調製できる。エチレンビニルアセテート、ポリアンハイドライド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸のような生分解性生体適合性ポリマーを用いることができる。このような製剤の調製方法の多くは概して、当業者に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照されたい。
本発明の化合物を特定の投与経路によって投与するには、その化合物の不活化を防ぐ物質で、その化合物をコーティングするか、その化合物の不活化を防ぐ物質と、その化合物を併用投与することが必要になることがある。例えば、本発明の化合物は、適切な担体、例えば、リポソーム又は希釈剤中で、対象に投与してよい。製薬学的に許容可能な希釈剤としては、生理食塩水及び緩衝水溶液が挙げられる。リポソームとしては、水中油中水型CGFエマルジョンと、従来のリポソームが挙げられる(Strejan et al.,J.Neuroimmunol.7:27(1984))。
製薬学的に許容可能な担体としては、滅菌水溶液又は滅菌分散液と、滅菌注射用溶液又は滅菌注射用分散液の用時調製用の滅菌粉末が挙げられる。製薬学的に活性な物質に、このような媒体と作用剤を用いることは、当該技術分野において知られている。いずれかの従来の媒体又は作用剤が、活性化合物と適合しない場合を除き、本発明の医薬組成物で、それらの媒体又は作用剤を用いることが想定されている。補足的な活性化合物も、本発明の組成物に組み込むことができる。
治療用組成物は典型的には、製造条件及び保存条件下で、無菌かつ安定していなければならない。治療用組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、又は高い薬物濃度に適するその他の規則構造体として調合できる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにこれらを適切に組み合わせたものを含む溶媒又は分散媒であることができる。例えば、レシチンのようなコーティングを用いることによって、分散液の場合には、所望の粒径を維持することによって、また、界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、組成物に等張化剤、例えば、糖、多価アルコール(マンニトール、ソルビトールなど)、又は塩化ナトリウムを含めるのが好ましい。注射用組成物の持続的な吸収は、その組成物に、吸収を遅らせる作用剤、例えば、モノステアレート塩及びゼラチンを含めることによってもたらすことができる。
滅菌注射用溶液は、必要に応じて、上に列挙した成分の1つ又はそれを組み合わせたものととともに、活性化合物を所要量で適切な溶媒に組み込んでから、滅菌精密ろ過することによって調製できる。概して、分散液は、塩基性分散媒と、上に列挙した成分のうちの所要のその他の成分とを含む滅菌ビヒクルに活性化合物を組み込むことによって調製する。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合には、好ましい調製方法は、真空乾燥と凍結乾燥(freeze−drying)(凍結乾燥(lyophilization))によって、活性成分といずれかの追加的な所望の成分との溶液を事前に滅菌ろ過したものから、その活性成分と追加的な所望の成分との粉末を得るものである。
投与レジメンを調節して、最適な所望の応答(例えば、治療応答)をもたらすことができる。例えば、治療状況の要求によって示されるのに応じて、単回ボーラス投与を行っても、用量を何回かに分けて経時的に投与しても、用量を比例減少又は比例増加させてもよい。例えば、本発明のヒト抗体は、皮下注射によって週に1回もしくは2回、又は皮下注射によって1カ月に1回もしくは2回投与してよい。
投与しやすさと用量の均一化のために、投与単位形態で非経口組成物を調合するのが特に有益である。投与単位形態とは、本明細書で使用する場合、治療する対象に対する単位投与量として適する物理的に別個の単位を指し、各単位には、所要の製剤用担体と併せて、所望の治療効果をもたらすように算出した所定量の活性化合物が含まれる。本発明の投与単位形態の仕様は、(a)活性化合物の特有の特徴と、実現すべき具体的な治療効果、及び(b)個体における感受性を治療するためのこのような活性化合物を配合する技術に固有の制限によって定められるとともに、これらに直接左右される。
製薬学的に許容可能な抗酸化剤の例としては、(1)水溶性抗酸化剤(アスコルビン酸、システインハイドロクロライド、ナトリウムバイサルフェート、ナトリウムメタバイサルファイト、ナトリウムサルファイトなど)、(2)油溶性抗酸化剤(アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート、α−トコフェロールなど)及び(3)金属キレート剤(クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)が挙げられる。
治療用組成物用では、本発明の製剤としては、経口投与、経鼻投与、局所投与(口腔内投与と舌下投与を含む)、直腸投与、膣内投与及び/又は非経口投与に適する製剤が挙げられる。本発明の製剤は利便的なことに、単位用量形態で提供してよいとともに、薬学技術分野において知られているいずれかの方法によって調製してよい。単回用量形態を作る目的で、担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、治療する対象と、具体的な投与方法に応じて変化することになる。単回用量形態を作る目的で、担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は概して、治療効果をもたらす組成物量である。概して、この量は、100パーセント中、約0.001パーセント〜約90パーセントの活性成分、好ましくは約0.005パーセント〜約70パーセント、最も好ましくは約0.01パーセント〜約30パーセントの範囲となる。
本発明の組成物を局所又は経皮投与するための剤形としては、散剤、噴霧剤、軟膏剤、パスタ剤、クリーム、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ及び吸入剤が挙げられる。本発明の活性化合物は、滅菌条件下で、製薬学的に許容可能な担体と、必要となる場合のあるいずれかの保存剤、緩衝剤又は噴射剤と混合してよい。
本発明の医薬組成物で用いてよい好適な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びこれらの好適な混合物、植物油(オリーブ油など)、ならびに注射用有機エステル(エチルオレエートなど)が挙げられる。例えば、レシチンのようなコーティング物質を用いることによって、分散液の場合には、所望の粒径を維持することによって、また、界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を維持することができる。
これらの組成物は、アジュバント(保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤など)も含んでよい。滅菌手順(上記)と、様々な抗細菌剤と抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることの両方によって、微生物の存在を防ぐようにしてよい。等張化剤(糖、塩化ナトリウムなど)を本発明の組成物に含めるのが望ましいこともある。加えて、吸収を遅らせる作用剤(アルミニウムモノステアレート及びゼラチンなど)を含めることによって、注射用医薬形態の持続的な吸収をもたらしてもよい。
本発明の化合物を医薬としてヒト及び動物に投与するときには、その化合物は、単独で与えることも、製薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、活性成分を例えば0.001〜90%(より好ましくは、0.005〜70%(0.01〜30%など))含む医薬組成物として与えることもできる。
「非経口投与」及び「非経口投与する」という語句は、本明細書で使用する場合、経腸投与と局所投与以外の投与方法(通常は注射による方法)を意味し、静脈内注射及び注入、筋肉内注射及び注入、動脈内注射及び注入、髄腔内注射及び注入、嚢内注射及び注入、眼窩内注射及び注入、心臓内注射及び注入、皮内注射及び注入、腹腔内注射及び注入、経気管注射及び注入、皮下注射及び注入、表皮下注射及び注入、関節内注射及び注入、被膜下注射及び注入、クモ膜下注射及び注入、髄腔内注射及び注入、硬膜外注射及び注入、ならびに胸骨内注射及び注入が挙げられるが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、皮下及び/又は静脈内投与を用いることができ、これらの特定の長所と短所が下にまとめられている。
Figure 2022001577
選択した投与経路にかかわらず、本発明の化合物(好適な水和形態で用いてよい)及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者に知られている従来の方法によって、製薬学的に許容可能な剤形に調合する。
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与レベルは、特定の患者、組成物及び投与方法において、患者に対する毒性を伴うことなく、所望の治療応答を実現するのに有効な活性成分量が得られるように変化させてよい。選択する投与レベルは、様々な薬物動態学的要因(本発明の組成物のうち、使用する特定の組成物、又はそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用する特定の化合物の排泄速度、治療期間、使用する特定の組成物と組み合わせて用いるその他の薬物、化合物及び/又は物質、治療する患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態及び過去の病歴、ならびに医学分野で周知の類似の要因を含む)によって決まることになる。当該技術分野における通常の知識を有する医師又は獣医は、必要な医薬組成物の有効量を容易に判断及び処方できる。例えば、医師又は獣医は、所望の治療効果を得るために必要な用量よりも低いレベルから、医薬組成物で用いる本発明の化合物の用量を始めて、所望の効果が得られるまで、投与量を徐々に増やすことができる。概して、本発明の組成物の1日当たりの好適な用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量である化合物量となる。このような有効投与量は概して、上記の要因によって決まることになる。静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与又は皮下投与であること、好ましくは、標的部位の近位に投与することが好ましい。所望に応じて、治療用組成物の1日当たりの有効投与量は、1日を通して、任意に応じて単位用量形態で、2回、3回、4回、5回、6回又はそれを上回る回数に分けて、適切な間隔で投与してよい。本発明の化合物を単独で投与することも可能であるが、本発明の化合物は、医薬製剤(組成物)として投与するのが好ましい。
治療用組成物は、当該技術分野において知られている医療器具によって投与できる。例えば、好ましい実施形態では、本発明の治療用組成物は、針無皮下用注射器具(米国特許第5,399,163号、同第5,383,851号、同第5,312,335号、同第5,064,413号、同第4,941,880号、同第4,790,824号又は同第4,596,556号に開示されている器具など)によって投与できる。本発明において有用な周知のインプラント及びモジュールの例としては、制御された速度で薬物を分注するための埋め込み型微量注入ポンプを開示している米国特許第4,487,603号、皮膚を介して医薬を投与するための治療用器具を開示している米国特許第4.,486,194号、正確な注入速度で薬物を送達するための薬物注入ポンプを開示している米国特許第4,447,233号、連続的に薬物を送達するための流量可変型埋め込み型注入装置を開示している米国特許第4,447,224号、複数の区画室を有する浸透性薬物送達システムを開示している米国特許第4,439,196号、及び浸透性薬物送達システムを開示している米国特許第4,475,196号が挙げられる。その他のこのようなインプラント、送達システム及びモジュールの多くは、当業者に知られている。
本発明の治療抗体は、インビボにおいて適切な分布を助けるように調合できる。例えば、血液脳関門(BBB)は、親水性の高い化合物の多くを除外する。本発明の治療用化合物が、BBBを通過するのを助けるために(所望の場合)、その化合物は、例えばリポソーム内に調合できる。リポソームの作製方法については、例えば、米国特許第4,522,811号、同第5,374,548号及び同第5,399,331号を参照されたい。リポソームは、特有の細胞又は器官に選択的に輸送される1つ又は複数の部分を含んでよく、すなわち、標的化薬物送達を促してよい(例えば、V.V.Ranade J.Clin.Pharmacol.29:685(1989)を参照されたい)。例示的な標的化部分としては、フォレート又はビオチン(例えば、Lowらの米国特許第5,416,016号を参照されたい)、マンノシド(Umezawa et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.153:1038(1988))、抗体(P.G.Bloeman et al.,FEBS Lett.357:140(1995)、M.Owais et al.,Antimicrob.Agents Chemother.39:180(1995))、界面活性剤プロテインAレセプター(Briscoe et al.,Am.J.Physiol.1233:134(1995))、本発明の製剤を構成してよい異なる種、本発明の分子の成分、p120(Schreier et al.,J.Biol.Chem.269:9090(1994))が挙げられ、K.Keinanen;M.L.Laukkanen FEBS Lett.346:123(1994)、J.J.Killion;I.J.Fidler Immunomethods 4:273(1994)も参照されたい。本発明の治療用化合物は、リポソーム内に調合することができ、リポソームは、標的化部分を含むことができる。リポソーム内に調合した治療用化合物は、ボーラス注射によって、腫瘍又は感染部の近位部位に送達できる。本発明の組成物は、シリンジに容易に入れることができる程度に流体でなければならない。本発明のリポソーム組成物は、製造条件及び保存条件下で安定していることができる。本発明のリポソーム組成物は、微生物(細菌及び真菌など)の汚染作用から保護されるように保存することができる。
本発明の組成物は、胎盤を介した輸送が予防又は低減されるように調合できる。これは、当該技術分野において知られている方法によって、例えば、抗体のPEG化、又はF(ab)2’断片の利用によって行うことができる。さらには、“Cunningham−Rundles C,Zhuo Z,Griffith B,Keenan J.(1992)Biological activities of polyethylene−glycol immunoglobulin conjugates.”Resistance to enzymatic degradation.J Immunol Methods.152:177−190及びLandor M.(1995)Maternal−fetal transfer of immunoglobulins,Ann Allergy Asthma Immunol 74:279−283を参照することができる。
本発明の組成物は、無菌であるとともに、シリンジによって送達できる程度に流体である必要がある。担体は、水に加えて、等張緩衝食塩液、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの好適な混合物であることができる。例えば、レシチンのようなコーティングを用いることによって、分散液の場合には、所望の粒径を維持することによって、また、界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、等張化剤、例えば、糖、多価アルコール(マンニトール又はソルビトールなど)、及び塩化ナトリウムを本発明の組成物に含めるのが好ましい。注射用組成物の長期的な吸収は、吸収を遅らせる作用剤、例えば、アルミニウムモノステアレート又はゼラチンを組成物に含めることによってもたらすことができる。
上記のように、活性化合物を保護するのが好適であるときには、その化合物は、例えば不活性希釈剤又は同化可能な食用担体とともに経口投与してよい。
セリアック病及び非セリアックグルテン過敏症を治療する目的での、医薬組成物の使用
セリアック病は、遺伝的感受性の高い個体において、グルテンの消費によって誘発される全身性自己免疫疾患である(Green and Cellier,2007)。現在、米国(US)と欧州連合(EU)の人口の約1%が、セリアック病に罹患しており、それにもかかわらず、診断されているのは、10〜20%のセリアック病患者に過ぎない。セリアック病は、グルテン(非常に多く見られる穀物(例えば、小麦、大麦、ライ麦)のいくつかに存在する主要なタンパク質)という抗原が特定された最初の自己免疫疾患であった。現代の食事においては、グルテンの量が増え続けており、グルテンは、加工食品、化粧品及び経口薬物において添加剤としても使用されている。グルテンは、糖に続いて、2番目に多い食品成分であり、いくつかの国では、最大で食品の80%に存在している。
ヒトは、グルテンを完全に消化する酵素を持っておらず、遺伝的に正常な状況(すなわち、HLA−DQ2/8、Th1指向性免疫系が存在する状況)では、グルテンにより、腸とその他の器官において、炎症と自己免疫が誘発された後、トランスグルタミナーゼ(tTG)という酵素によって脱アミノ化が行われ、それ自体が、自己抗体の標的となる。IL−15は、腸外症状を発現させる適応免疫応答と、腸管粘膜萎縮と消化器症状を引き起こす自然免疫応答の両方において、重要なメディエーターであると考えられている。
セリアック病は、衰弱症状と、重篤になる可能性のある内科合併症を引き起こす。多くの患者では、腸粘膜損傷に由来する消化器症状が、診断において患者の訴える症状を占めている。図2に示されているように、健常な個体(左)の腸に存在する正常な絨毛(吸収性のある指状突起部)は、活動性セリアック病(右)では、粘膜萎縮と陰窩過形成が原因で見られない。絨毛の高さ(VH)と腸陰窩の深さ(CD)の比率(VH:CD比)は、セリアック病の重症度の主な指標の1つである(Taavela et al.,2013)。小腸の損傷により、栄養吸収障害に至ることが多く、この吸収障害は、様々なさらなる臨床症状(例えば、貧血、骨減少症、小児の発育障害)を引き起こすことがある。加えて、皮膚炎、不妊症、神経障害及び骨格障害のような腸外症状と全身性症状も見られることが多い(Green and Cellier,2007)。
セリアック病は、かなりの罹患率にかかわらず、唯一、認可された薬物のない一般的な自己免疫障害である。現在、唯一利用できるセリアック病管理策は、生涯にわたってグルテンを完全に除去することである。実施するのは、理論上は簡単であるが、グルテンは様々な食品、薬物、家庭用品、化粧品、さらにはグルテンフリー品目にまで存在することから、グルテンを完全に除去するのは、不可能ではないにしても、難しい。
グルテンフリー食(GFD)をきちんと維持するための主な難題は、食品産業において、穀粉が広く用いられており、天然においても、又は添加剤としても、大半の食品に存在することである。グルテンフリー製品を購入することはできるが、市場で作られているグルテンフリー製品は、見つけるのが難しかったり、風味に劣る傾向があったり、通常のグルテン含有食品よりも高価であったりすることがあり、これにより、患者は、GFDを守るのをあきらめることがある。加えて、多くの国において、適切な食品表示が行われていない。優れた表示ガイドラインのある国でさえも、「グルテンフリー」と表示された食品にもかかわらず、グルテンが含まれていることがある。例えば、北欧の国では、グルテン量100パーツパーミリオン(ppm)までは、セリアック病患者用のグルテンフリー製品として認められている(Gibert et al.,2006)。
これらの理由から、セリアック病患者は、食品及び飲料を消費する際、日常的にグルテン汚染に暴露されている。グルテン汚染への暴露と、それに関連する生理学的及び心理学的帰結により、社会活動を自発的に制限したり、及び/又は消費する食品の種類が減ったりする。したがって、GFDには、相当な課題と、患者へのかなりの負担の両方がある。Shahらによる研究(2014)により、セリアック病とGFDによる、患者のクオリティオブライフへの負担が、末期の腎疾患(1週間に複数回、透析治療が必要な状態)に次いで2番目に重いことが分かった。
上で考察したように、グルテンは様々な物に存在することから、完全に除去するのは、不可能ではないにしても、非常に難しい。50mg/日ほどの少なさであっても(通常の食事には、10g/日を超える量が含まれる)、小腸で、T細胞の活性化が誘発され、腸管粘膜損傷を引き起こす(Catassi et al.,2007)。このため、GFDを摂取しているセリアック病患者の50%超で依然として、活動性疾患、腸管免疫の活性化及び粘膜萎縮が見られる(Lee et al.,2003、Cranney et al.,2007、Hopper et al.,2007、Midhagen et al.,2003)。
GFDを維持しようと努めても、症状が出続ける患者は、NRCDであるとみなされる。NRCDは、「食餌グルテンを6〜12カ月除去したにもかかわらず、セリアック病に特徴的な持続的な徴候、症状又は検査値異常が見られること」によって定義されている(Rubio−Tapia et al.,2013)。セリアック病患者のクオリティオブライフを改善するために、GFDとは別の代替的な治療選択肢、又はGFDと組み合わせる代替的な治療選択肢が至急必要である点で、患者支援グループと専門家は一致している。
図5に示されているように、かなりの実験データによって、CDとRCDの病態生理におけるIL−15の複数の作用が裏付けられている(Abadie and Jabri et al.,2014)。例えば、自然免疫応答では、IL−15は、腸粘膜を破壊するIELに欠かせない非リダンダントな成長及び活性化因子である。さらに、腸上皮におけるIL−15の発現は、絨毛萎縮に必須である。加えて、一部の患者では、IL−15は、リンパ腫形成と、命にかかわる可能性のあるRCD−IIへの進行を駆動する(Malamut et al.,2010)。
実験データによって、IL−15が、適応免疫応答も媒介することが示唆されている。例えば、IL−15は、抗原提示細胞(APC)による脱アミド化グルテンペプチド(DGP)の提示を促す。さらに、IL−15によって、活性化CD4+T細胞は、調節性T細胞による阻害に対する耐性を持つようになる。
IL−15は、IELを活性化することによって、セリアック病において、グルテンへの暴露に応答して生じる粘膜損傷における主要メディエーターになると考えられる(Korneychuk et al.,2014)。腸上皮におけるIL−15の発現は、セリアック病動物モデルにおいて、絨毛萎縮に不可欠であり、状況証拠から、このことは、ヒトのケースにも当てはまると見られる。加えて、IL−15によって、エフェクターT細胞は、調節性T細胞(Treg)による阻害に対する耐性を持つようになり(Abadie and Jabri 2014)、食品抗原に対する寛容性の喪失を促す(DePaolo et al.,2011、Korneychuk et al.,2014)。
セリアック病のマウスモデルの1つは、腸上皮細胞によるIL−15の過剰発現によって、セリアック病様病像(T細胞及びB細胞の媒介による病変を含む)が生じるIL−15−トランスジェニックマウスである(Yokoyama et al.,2009 and 2011)。このマウスモデルでは、抗IL−15 mAb AMG714(Malamut et al.,2010)又は抗IL−15R mAb(Yokoyama et al.,2009)で処置後、IELのアポトーシスが観察されている。IL−15は、食品抗原に対する寛容性の喪失における重要な因子であることが実証されている(DePaolo et al.,2011、Korneychuk,et al.,2014)。
CDの典型的な血清学的マーカー、組織学的マーカー又は遺伝子マーカーを有さないとともに、小麦アレルギーと関連する免疫グロブリンE(IgE)の血清学的応答も示さない個体によっても、小麦の摂取に応答して生じるいくつかのCD随伴症状のいくつかが報告されている。非セリアックグルテン過敏症又は非セリアックグルテン過敏症(NCGS)という用語は、これらの患者によって報告されている多様な状態を指すように提案されている(Lundin and Alaedini,2012)。非セリアックグルテン過敏症は現在、CDと小麦アレルギーが除外された個体において、小麦、ライ麦及び大麦を含む食品の摂取に応答して様々な症状が生じるとともに、これらの食品を食事から除去すると、症状が消散することを伴う状態として理解されている(Lundin and Alaedini,2012)。その症状には、グルテンに対する抗体のレベルの上昇が伴うことがある。NCGSと関連する症状の大半は、腹痛、頭痛、「ブレインフォグ」、手脚の刺痛及び/又はしびれ、疲労、ならびに筋骨格痛を含め、自覚的なものである。しかしながら、発疹及び下痢のようなその他の症状、ならびにさらに重症な神経学的及び精神医学的状態(統合失調症及び小脳性運動失調を含む)も、NCGSと関連することが報告されている。
本発明は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を治療有効量投与することによって、セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症を治療する方法と組成物を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片は、例えば、CD又はNCGSの治療のために、(1)グルテン誘導性の小腸管粘膜の形態学的障害の軽減、(2)絨毛の高さと陰窩の深さ(VH:CD)の比率の低下、(3)グルテン誘導性小腸管粘膜炎症(上皮内リンパ球(IEL)密度として測定した場合)の軽減、(4)グルテン誘導性の小腸管粘膜の形態学的障害の低減(Marshスコアのグループ化分類を用いた場合)、(5)グルテン誘導性血清抗体の低減(抗組織トランスグルタミナーゼ抗体(抗tTG IgA)及び抗脱アミド化グリアジンペプチド(抗DGP)IgA及びIgGの測定による)、及び/又は(6)グルテン誘導性臨床症状の軽減(Bristol Stool Form Scale(BSFS)、Gastrointestinal Symptom Rating Scale(GSRS)及びセリアック病GSRS(CeD−GSRS)によって評価した場合)のうちの1つ又は複数を実現できる。NCGSの追加の評価項目としては、症状のアドホックリスト(Di Sabatino et al.,Clinical Gastroenterology and Hepatology 2015;13:1604−1612)又はビジュアルアナログスケール(VAS)のように、患者の報告による重症度の転帰(Elli et al.,Nutrients 2016,8,84;doi:10.3390/nu8020084)が挙げられる。
当業者であれば、対象の体格、対象の症状の重症度、及び選択した特定の組成物又は投与経路のような追加の要因に基づき、このような治療有効量を判断できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物の量又は単位用量は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片を約50〜1000mg含むことができる。いくつかの実施形態では、その単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約50〜100mg、約100〜150mg、約150〜200mg、約200〜250mg、約250〜300mg、約300〜350mg、約350〜400mg、約400〜450mg、約450〜500mg、約500〜550mg、約550〜600mg、約600〜700mg、約700〜800mg、約800〜900mgもしくは約900〜1000mg、これらを上回るかもしくは下回る量、又はこれらの間のいずれかの数値の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、その量又は単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約50〜60mg、約60〜70mg、約70〜80mg、約80〜90mg、約90〜100mg、約100〜110mg、約110〜120mg、約120〜130mg、約130〜140mg、約140〜150mg、約150〜160mg、約160〜170mg、約170〜180mg、約180〜190mg、約190〜200mg、約200〜210mg、約210〜220mg、約220〜230mg、約230〜240mg、約240〜250mg、約250〜260mg、約260〜270mg、約270〜280mg、約280〜290mg、約290〜300mg、約300〜310mg、約310〜320mg、約320〜330mg、約330〜340mg、約340〜350mg、約350〜360mg、約360〜370mg、約370〜380mg、約380〜390mg、約390〜400mg、約400〜410mg、約410〜420mg、約420〜430mg、約430〜440mg、約440〜450mg、約450〜460mg、約460〜470mg、約470〜480mg、約480〜490mg、約490〜500mg、約500〜510mg、約510〜520mg、約520〜530mg、約530〜540mg、約540〜550mg、約550〜560mg、約560〜570mg、約570〜580mg、約580〜590mg、約590〜600mg、約600〜610mg、約610〜620mg、約630〜640mg、約640〜650mg、約650〜660mg、約660〜670mg、約670〜680mg、約680〜690mg又は690〜700mgの抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、その量又は単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695もしくは約700mg、又は上記のうちのいずれか2つの間のいずれかの数値の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物の量又は単位用量は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片を約1〜50mg/kg(患者の体重)含むことができる。いくつかの実施形態では、この単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約1〜10mg/kg、約10〜20mg/kg、約20〜30mg/kg、約30〜40mg/kgもしくは約40〜50mg/kg、これらを上回るかもしくは下回る量、又はこれらの間のいずれかの数値の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、この量又は単位用量は、約1〜5mg/kg、約5〜10mg/kg、約10〜15mg/kg、約15〜20mg/kg、約20〜25mg/kg、約25〜30mg/kg、約30〜35mg/kg、約35〜40mg/kg、約40〜45mg/kg又は約45〜50mg/kgであることができる。いくつかの実施形態では、好ましい投与量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg又は約50mg/kgの抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を含むことができる。
いくつかの実施形態では、各対象には、疾患の重症度及び/又は治療の有効性に応じて、本明細書に開示されている単位用量を少なくとも1回分(例えば1〜100回分)投与できる。例えば、対象には、同じであることも、互いに異なることもできる単位用量(例えば、1回以上の初期単位用量は、その後の単位用量(複数可)よりも少ないことも、多いこともできる)を2〜20回分投与してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物は、本明細書に開示されている単位用量で、皮下注射又は静脈内注射によって、1〜20週間おきに投与できる。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、皮下投与する。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、静脈内投与する。特定の実施形態では、投与は、1〜5週間おき、5〜10週間おき、10〜15週間おき又は15〜20週間おきに行うことができる。いくつかの実施形態では、投与は、1〜2週間おき、2〜4週間おき、4〜6週間おき、6〜8週間おき、8〜10週間おき、10〜12週間おき、12〜14週間おき、14〜16週間おき、16〜18週間おき又は18〜20週間おきに行うことができる。いくつかの実施形態では、投与は、1週間おき、2週間おき、3週間おき、4週間おき、5週間おき、6週間おき、7週間おき、8週間おき、9週間おき、10週間おき、11週間おき、12週間おき、13週間おき、14週間おき、15週間おき、16週間おき、17週間おき、18週間おき、19週間おき又は20週間おきに行うことができる。単位用量は、同じ間隔で(例えば1〜20週間おきに)投与できる。あるいは、単位用量の少なくとも一部を、他の単位用量とは異なる(例えば、短くしたか、又は長くした)間隔で投与する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載されているような医薬組成物であって、セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症を治療するためのものであり、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を含む医薬組成物に関するものである。別の実施形態では、この医薬組成物は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を75mg、150mg、300mg、600mg、4mg/kg、8mg/kg又は12mg/kg含む。特定の実施形態では、この医薬組成物は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を150mg又は300mg含む。いくつかの実施形態では、この医薬組成物は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに、皮下投与する。一実施形態では、この医薬組成物は、2週間おきに皮下投与する。別の特定的な実施形態では、この医薬組成物は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに静脈内投与する。別の特定的な実施形態では、この医薬組成物は、2週間おきに静脈内投与する。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載されているような医薬組成物であって、セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療方法で用いるためのものであり、その方法が、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を投与する(例えば皮下投与する)ことを含む医薬組成物に関するものである。いくつかの実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を75mg、150mg、300mg、600mg、4mg/kg、8mg/kg又は12mg/kg投与する(例えば皮下投与する)ことを含む。特定の実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を150mg又は300mg投与する(例えば皮下投与する)ことを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、その医薬組成物を1週間おき、2週間おき又は4週間おきに皮下投与することを含む。一実施形態では、この方法は、2週間おきに皮下投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに静脈内投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、2週間おきに静脈内投与することを含む。
別の態様では、本発明は、セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療方法であって、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を投与する(例えば皮下投与する)ことを含む方法に関するものである。いくつかの実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を75mg、150mg、300mg、600mg、4mg/kg、8mg/kg又は12mg/kg投与する(例えば皮下投与する)ことを含む。特定の実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を150mg又は300mg投与する(例えば皮下投与する)ことを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、本発明の医薬組成物を1週間おき、2週間おき又は4週間おきに皮下投与することを含む。一実施形態では、この方法は、2週間おきに皮下投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに静脈内投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、2週間おきに静脈内投与することを含む。
本明細書に記載されている医薬組成物及び方法の特定的な実施形態では、150又は300mgの抗IL15抗体(例えばAMG714)を2週間に1回(q2w)、皮下注射によって投与する。
難治性セリアック病を治療する目的での、医薬組成物の使用
まれではあるが、セリアック病における、グルテンへの持続的暴露の特有の合併症が、難治性セリアック病(RCD)の発現であり、セリアック病患者のおよそ1%がRCDを罹患している(Lebwohl et al.,2013)。RCDは、グルテンを消費していない状態、かつ小腸異型IELの存在下における重度の腸管粘膜萎縮と消化器症状によって特徴付けられる(Verbeek et al.,2008,vanWanrooij et al.,2014)。
RCD患者は、異型IELの割合と特徴に従って、さらに分類することができる。異型IELの割合の低い患者(フローサイトメトリーによって割り出した場合に、全IELの20%未満(上皮細胞100個当たりのIELが20個未満)として定義されている)は、I型RCD(RCD−I)と称する。これらの異型IELは概してポリクローナルであり、RCD−I患者においては、明白な上皮外リンパ腫(すなわち、腸管症型T細胞リンパ腫[EATL])の発現リスクは増加せず、5年生存率は典型的な値である(vanWanrooij et al.,2014)。RCD−Iの治療には、臨床的及び組織学的改善とともに、コルチコステロイド(局所又は全身)、アザチオプリン、プリネトール、抗TNF剤又はクラドリビンを用いてよい(Brar et al.,2007、Goerres et al.,2003)。図3には、Schuppanらによって説明されたような、セリアック病と難治性セリアック病の病態生理が示されている。
異型IELの割合が20%以上のときには、患者は、II型RCD(RCD−II)と診断される。RCD−IIでは、IELは典型的にはモノクローナルであり、EATLの発現リスクは、50%超まで劇的に向上する(Nijeboer et al.,2015)。異型IELは、抗アポトーシス機構の蓄積により、グルテンの非存在下でも増殖するので、「難治性」という用語によって、成長の遅い非ホジキン上皮内リンパ腫であるこの疾患は、極めて厳密なGFDにも応答しないため、グルテンには依存しないようであることが示されている。図4に示されているように、IL−15は、異型IELの転換と維持の主要な駆動因子であると考えられている(Meresse et al.,2012)。活動性セリアック病及びRCD−II患者から得たヒト小腸生検標本において、抗IL−15 mAb AMG714によってIL−15をブロックすると、IELのアポトーシスが誘導されるという所見によって、RCD−IIにおけるIL−15の阻害に関して、原理の実験的証明がなされている(Malamut et al.,2010)。また、抗IL−15 AMG714(Malamut et al.,2010)又は抗IL−15−レセプターmAb(Yokoyama et al.,2009)で処置したセリアック病動物モデルにおいて、IELのアポトーシスが観察されている。
EATLを発現しているRCD−II患者から得た逐次生検標本において、T細胞レセプター(TCR)再構成レパートリーが類似しているという観察に基づき、異型モノクローナルIELは、EATLの前駆体であることが示されている。RCD−IIは、小腸の低悪性度インサイチューT細胞リンパ腫と考えられている。RCD−IIにおける低悪性度IELの増殖に関する詳細な研究によって、特徴的な表現型が明らかになっており、細胞内CD3が存在し、表面CD3又はTCRが存在しないとともに、概ねCD8の発現が見られず、CD103の発現が見られる(このことは、高悪性度のEATLの増殖と共通する)。この表現型は、合併症を伴わないセリアック病におけるIELの正常な表現型とは異なっており、腸生検標本においてクローナルTCRの再構成が広く見られることと併せて、この表現型により、RCDの診断が確認されるとともに、拡大のフォローアップが可能になる。
異型リンパ球が、小腸上皮全体とともに、通常、胃と結腸に広がることから、手術は除外されるので、RCD−IIの治療は困難である。加えて、RCD−IIには、標準ケアは存在しない。化学療法の試みは大抵無効であり、及び/又は患者にとって危険である。クラドリビン(Tack et al.,2011a、Tack et al.,2011b)と、自家骨髄移植が用いられており、消化器症状と組織構造を一時的に改善させるが、モノクローナル増殖は改善しないことが示されている。RCD−IIの予後は不良であり、主に難治性の下痢、EATL又は低悪性度リンパ球増殖の他の組織(例えば、皮膚、肺)へのまれな拡散により、3〜10年以内に死亡する。
EATLは、ほぼ例外なくRCD−IIの合併症として見られる高悪性度な全身性T細胞リンパ腫である(Nijeboer et al.,2015)。診断としては、画像診断及び組織診断によって、リンパ節又はその他の器官などの上皮外に悪性T細胞が存在することを明らかにすることが挙げられる。EATLの治療は、外科的切除と化学療法に依存するが、予後は極めて不良であり、5年生存率は20%未満である(Nijeboer et al.,2015)。
EATLの発症数は増えており、この増加は、長期にわたって、食餌におけるグルテン汚染が拡大していることと関連している(Sharaiha et al.,2012)。RCD−IIに有効な治療であって、異型IELの存在量、組織学的異常及び/又は症状を低減し得る治療法は依然として、最優先事項である。下記の表1には、CD、RCD及びETCLの特徴の概要がまとめられている。
Figure 2022001577
本発明は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片を治療有効量投与することによって、I型又はII型難治性セリアック病を治療する方法と組成物を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片は、例えば、RCD−I又はRCD−IIの治療のために、(1)全IELに対する異型腸上皮内リンパ球(IEL)の割合(%)(フローサイトメトリーによって評価した場合)がベースラインから低下したことの定量による、免疫応答の測定、(2)腸上皮細胞に対する異型IELの割合(%)がベースラインから低下したことの定量による、免疫応答の測定、(3)組織学的応答、すなわち、小腸絨毛の高さと陰窩の深さ(VH:CD)の比、Marshスコア又は全IELカウントのベースラインからの向上、及び/又は(4)臨床応答、すなわち、Bristol Stool Form Scale(BSFS)及びGastrointestinal Symptom Rating Scale(GSRS)(セリアック病GSRS(CeD−GSRS)を含む)による臨床症状のベースラインからの変化のうちの1つ又は複数を実現できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物の量又は単位用量は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片を約1〜50mg/kg(患者の体重)含むことができる。いくつかの実施形態では、この単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約1〜10mg/kg、約10〜20mg/kg、約20〜30mg/kg、約30〜40mg/kgもしくは約40〜50mg/kg、これらを上回るかもしくは下回る量、又はこれらの間のいずれかの数値の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、この量又は単位用量は、約1〜5mg/kg、約5〜10mg/kg、約10〜15mg/kg、約15〜20mg/kg、約20〜25mg/kg、約25〜30mg/kg、約30〜35mg/kg、約35〜40mg/kg、約40〜45mg/kg又は約45〜50mg/kgであることができる。いくつかの実施形態では、好ましい投与量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg又は約50mg/kgの抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を含むことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物の量又は単位用量は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片を約50〜1000mg含むことができる。いくつかの実施形態では、この単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約50〜100mg、約100〜150mg、約150〜200mg、約200〜250mg、約250〜300mg、約300〜350mg、約350〜400mg、約400〜450mg、約450〜500mg、約500〜550mg、約550〜600mg、約600〜700mg、約700〜800mg、約800〜900mgもしくは約900〜1000mg、これらを上回るかもしくは下回る量、又はこれらの間のいずれかの数値の抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、この量又は単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約50〜60mg、約60〜70mg、約70〜80mg、約80〜90mg、約90〜100mg、約100〜110mg、約110〜120mg、約120〜130mg、約130〜140mg、約140〜150mg、約150〜160mg、約160〜170mg、約170〜180mg、約180〜190mg、約190〜200mg、約200〜210mg、約210〜220mg、約220〜230mg、約230〜240mg、約240〜250mg、約250〜260mg、約260〜270mg、約270〜280mg、約280〜290mg、約290〜300mg、約300〜310mg、約310〜320mg、約320〜330mg、約330〜340mg、約340〜350mg、約350〜360mg、約360〜370mg、約370〜380mg、約380〜390mg、約390〜400mg、約400〜410mg、約410〜420mg、約420〜430mg、約430〜440mg、約440〜450mg、約450〜460mg、約460〜470mg、約470〜480mg、約480〜490mg、約490〜500mg、約500〜510mg、約510〜520mg、約520〜530mg、約530〜540mg、約540〜550mg、約550〜560mg、約560〜570mg、約570〜580mg、約580〜590mg、約590〜600mg、約600〜610mg、約610〜620mg、約630〜640mg、約640〜650mg、約650〜660mg、約660〜670mg、約670〜680mg、約680〜690mg又は690〜700mgの抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、この量又は単位用量は、本明細書に開示されている抗IL−15抗体(例えばAMG714)又はその抗原結合断片であって、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、約505mg、約510mg、約515mg、約520mg、約525mg、約530mg、約535mg、約540mg、約545mg、約550mg、約555mg、約560mg、約565mg、約570mg、約575mg、約580mg、約585mg、約590mg、約595mg、約600mg、約605mg、約610mg、約615mg、約620mg、約625mg、約630mg、約635mg、約640mg、約645mg、約650mg、約655mg、約660mg、約665mg、約670mg、約675mg、約680mg、約685mg、約690mg、約695mgもしくは約700mg、又は上記のいずれかの2つの間のいずれかの数値の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片であることができる。
いくつかの実施形態では、各対象には、疾患の重症度及び/又は治療の有効性に応じて、本明細書に開示されている単位用量を少なくとも1回分(例えば1〜100回分)投与できる。例えば、対象には、同じであることも、互いに異なることもできる単位用量(例えば、1回以上の初期単位用量は、その後の単位用量(複数可)よりも少ないことも、多いこともできる)を2〜20回分投与してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている医薬組成物は、本明細書に開示されている単位用量で、皮下注射又は静脈内注射によって、1〜20週間おきに投与できる。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、皮下投与する。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、静脈内投与する。特定の実施形態では、投与は、1〜5週間おき、5〜10週間おき、10〜15週間おき又は15〜20週間おきに行うことができる。いくつかの実施形態では、投与は、1〜2週間おき、2〜4週間おき、4〜6週間おき、6〜8週間おき、8〜10週間おき、10〜12週間おき、12〜14週間おき、14〜16週間おき、16〜18週間おき又は18〜20週間おきに行うことができる。いくつかの実施形態では、投与は、1週間おき、2週間おき、3週間おき、4週間おき、5週間おき、6週間おき、7週間おき、8週間おき、9週間おき、10週間おき、11週間おき、12週間おき、13週間おき、14週間おき、15週間おき、16週間おき、17週間おき、18週間おき、19週間おき又は20週間おきに行うことができる。単位用量は、同じ間隔で(例えば1〜20週間おきに)投与できる。あるいは、単位用量の少なくとも一部を、他の単位用量とは異なる(例えば、短くしたか、又は長くした)間隔で投与する。一例では、投薬をブーストするために、例えば、1週目又はいずれかのその他の時点に、追加的な負荷用量を1回以上投与できる。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載されているような医薬組成物であって、II型難治性セリアック病患者、例えば、インサイチュー小腸T細胞リンパ腫の患者の治療に用いるためのものであり、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を含む医薬組成物に関するものである。別の実施形態では、この医薬組成物は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を75mg、150mg、300mg、600mg、4mg/kg、8mg/kg又は12mg/kg含む。特定的な実施形態では、この医薬組成物は、AMG714を8mg/kg含む。いくつかの実施形態では、この医薬組成物は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに(例えば静脈内)投与する。別の特定的な実施形態では、医薬組成物は、2週間おきに(例えば静脈内)投与する。別の特定的な実施形態では、この医薬組成物は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに皮下投与する。別の特定的な実施形態では、この医薬組成物は、2週間おきに皮下投与する。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載されているような医薬組成物であって、II型難治性セリアック病患者、例えば、インサイチュー小腸T細胞リンパ腫の患者の治療方法で用いるためのものであり、この方法が、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を(例えば静脈内)投与することを含む医薬組成物に関するものである。いくつかの実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を75mg、150mg、300mg、600mg、4mg/kg、8mg/kg又は12mg/kg(例えば静脈内)投与することを含む。特定の実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を8mg/kg(例えば静脈内)投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、本発明の医薬組成物を1週間おき、2週間おき又は4週間おきに皮下投与することを含む。一実施形態では、この方法は、2週間おきに皮下投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに静脈内投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、2週間おきに静脈内投与することを含む。
別の態様では、本発明は、II型難治性セリアック病患者又はインサイチュー小腸T細胞リンパ腫の患者の治療方法であって、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を(例えば静脈内)投与することを含む方法に関するものである。いくつかの実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を75mg、150mg、300mg、600mg、4mg/kg、8mg/kg又は12mg/kg(例えば静脈内)投与することを含む。特定の実施形態では、この方法は、抗IL−15抗体(例えばAMG714)を8mg/kg(例えば静脈内)投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに医薬組成物を皮下投与することを含む。一実施形態では、この方法は、2週間おきに皮下投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、例えば、徴候及び/又は症状が軽減又は消失されるまで、1週間おき、2週間おき又は4週間おきに静脈内投与することを含む。別の特定的な実施形態では、この方法は、2週間おきに静脈内投与することを含む。
本明細書に記載されている医薬組成物と方法の特定的な実施形態では、8mg/kgの抗IL−15抗体(例えばAMG714)を2週間に1回(q2w)静脈内投与する。本明細書に記載されている医薬組成物と方法の別の特定的な実施形態では、8mg/kgの抗IL15抗体(例えばAMG714)を0週目、1週目、及びそれ以降は2週間に1回(q2w)静脈内投与する。
実施例1:成人セリアック病患者におけるAMG714の有効性と安全性を評価するための第2a相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験
例示的な臨床試験では、AMG714を成人CD患者に投与できる。この試験の第1の目的は、AMG714が、CDの成人において、グルテン暴露の作用を低減する有効性を評価することである。第2の目的は、グルテン感作した成人セリアック病患者に投与したときのAMG714の安全性と忍容性を評価することである。診査目的は、AMG714の薬物動態(PK)、薬力(PD)及びPK/PDの相関関係を評価することである。
第1の転帰/評価項目指標:グルテン誘導性小腸管粘膜障害の軽減(ベースラインから12週目までのVH:CD比の変化によって評価)。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。VH:CDは、陰窩の深さに対する小腸絨毛の長さという形態学的な指標である。
第2の転帰/評価項目指標:
(1)12週時点において、グルテン誘導性小腸管粘膜炎症が、ベースラインよりも低減したか(組織切片における上皮内リンパ球(IEL)の計数によって測定)。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。小腸生検標本を処理して、ヘマトキシリン−エオシン染色によって染色して、上皮細胞100個当たりのIELを計数できる。
(2)12週時点において、グルテン誘導性血清抗体がベースラインよりも低減したか(抗脱アミド化グリアジンペプチド(DGP))及び自己抗体(抗トランスグルタミナーゼ(ATG))。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。DGPとATG抗体は、血清において、ELISA法によって測定できる。
(3)12週時点において、グルテン誘導性臨床症状がベースラインよりも軽減したか(Gastrointestinal Symptom Rating Scale(GSRS)によって測定)。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。毎回の診察時に(おおむね月に1回)、GSRSの質問書に記入することができる。
その他の転帰/評価項目指標:AMG714の安全性と忍容性(薬物関連の有害イベントのある対象の割合によって評価)。タイムフレーム:12週間。有害イベントと重篤な有害イベントは、試験終了まで、継続的に、スクリーニングから得ることができる。
試験設計
プロトコールは、グルテン感作中の成人セリアック病患者において、グルテン暴露の作用を低減するためのAMG714の有効性と安全性を評価する第2a相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験となるように設計する。
すべての対象は、1:1:1の比で無作為に分けて、AMG714又はプラセボを150mg又は300mg、2週間に1回、10週間投与するようにする。無作為化は、性別によって層別化する。試験薬物(AMG714又はプラセボ)は、臨床部位に、二重盲検様式で、皮下(SC)注射によって投与できる。
試験薬物又はプラセボの投与に加えて、すべての対象は、単純盲検様式で投与されるプラセボグルテン又は活性グルテンのいずれかを消費しなければならない。
VH:CD比、IEL及びMarshスコアのベースラインからの変化を評価するために、すべての試験対象に、ベースライン前(1回目の診察時、0週目/0日目)と、12週間の試験期間の最後(依然としてグルテン感作状態である)と、7回目の診察(12週目/84日目)の5日前以内に、上部消化管の内視鏡検査と生検を行うことができる。
安全性は、継続的にモニタリングすることになり、安全性に関する理由から必要な場合には、対象に予定外の診察を行ってもよい。安全性は、試験全体を通じて、臨床検査、身体診察、バイタルサイン及びAEモニタリングによって評価することになる。
対象組み入れ基準:
・スクリーニングの少なくとも12カ月前に、腸生検によって、セリアック病と診断された
・少なくとも12カ月、グルテンフリー食を摂取している
・セリアック病血清反応が陰性である
・妊娠の回避
除外基準:
・重篤なセリアック病合併症(難治性セリアック病など)
・セリアック病症状
・他の併発自己免疫疾患
・慢性活動性GI疾患
・感染症、併発疾患
・薬物の禁止
セリアック病試験における投与レベルの選択は、一実施形態では、2週間に1回(q2w)、皮下注射(SC)によって150mg及び300mgである。セリアック病にAMG714を用いた過去の見聞も、セリアック病における潜在的なPK/PD関係に関する見識も存在しないが、これまでの毒物学とヒトでの試験によって、今回の試験用に選択した投与レジメンが裏付けられている。過去の臨床試験で試験したAMG714の最高投与量は、2週間おきに12週間、700mg単回SC投与と、300mgSC投与であったが、これまで、安全である証拠は示されていない。
投与レジメンは、活動性セリアック病患者の生検標本における活性化IELのアポトーシスを誘導するためにインビトロで用いられるAMG714濃度(10μg/mL)を上回るトラフレベルをもたらすことが期待される(Malamut et al.,2010)。
血清の暴露は、頻回のPKサンプリングによってモニタリングできる。組織への作用は、試験全体を通じて採取する生検標本において測定される実験用バイオマーカーによってモニタリングできる。
実施例2:II型難治性セリアック病の成人患者におけるAMG714の有効性と安全性を評価するための第2a相試験
例示的な臨床試験では、II型難治性セリアック病の成人患者において、AMG714の有効性と安全性を試験できる。この試験の第1の目的は、AMG714が成人患者のRCD−IIを治療する有効性を評価することとなる。この試験の第2の目的は、RCD−IIの成人患者に投与した場合のAMG714の安全性と忍容性を評価することとなる。この試験の診査目的は、AMG714の薬物動態(PK)、薬力(PD)及びPK/PDの相関関係を評価することとなる。
第1の転帰/評価項目指標には、免疫応答、例えば、異型小腸腸上皮内リンパ球(表面CD3−、細胞内CD3+)の割合(%)がベースラインから低減されることが含まれる。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。異型腸上皮内リンパ球の割合(%)のベースラインからの低減も、例えば、小腸生検標本の採取後、フローサイトメトリーによって測定できる。
第2の転帰/評価項目指標:
(1)組織学的応答:小腸形態のベースラインからの改善(腸生検物質における絨毛の高さと陰窩の深さ(VH:CD)の比によって測定)。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。
(2)臨床応答:臨床症状のベースラインからの変化(Gastrointestinal Symptom Rating Scale(GSRS)によって測定)。タイムフレーム:ベースライン及び12週間。
その他の転帰/評価項目指標には、安全性と忍容性、すなわち、治療関連の有害イベントが見られた参加者の数(Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)によって評価)が含まれる。タイムフレーム:12週間。有害イベントの頻度と性質を集めて、解析することができる。
試験設計
プロトコールは、成人RCD−II患者を治療するためのAMG714の有効性と安全性を評価する第2a相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験となるように設計する。
試験組み入れ基準を満たすすべての対象を2:1の比で無作為に分けて、8mg/kgのAMG714又はプラセボのいずれかを10週間にわたって、2週間おきに、合わせて7回投与して、第1の評価項目を12週目に評価するようにできる。AMG714又はプラセボは、臨床部位に、二重盲検様式で、120分の静脈内(IV)注入によって投与できる。
対象は、無作為化の6カ月前から、最後の試験診察まで(9回目の診察、16週目/112日目)まで、厳格なグルテンフリー食(GFD)に完全に従うように期待されることになる。
最後の試験用量は、7回目の診察時(10週目/70日目)に投与することになる。試験最後の有効性に関する診察は、8回目の診察時(12週目/84日目)に行うことになる。最後の試験診察は、試験薬物の最後の投与から6週間後に、9回目の診察時(16週目/112日目)に行うことになる。
異型IEL、異常IEL、VH:CD比、TCRクロナリティー、Marshスコア及び全IELカウントのベースラインからの変化を評価するために、すべての試験対象には、ベースラインの前(すなわち、1回目の診察の前、0週目/0日目)と、8回目の診察時(12週目/84日目)の7日以内に、上部消化管内視鏡検査と、粘膜生検を行うことができる。
安全性は、継続的にモニタリングでき、安全性に関する理由から、必要な場合、対象に予定外の診察を行ってよい。安全性は、試験全体を通じて、臨床検査、身体診察、バイタルサイン及びAEモニタリングによって評価することになる。
対象組み入れ基準:
・2型難治性セリアック病(RCD−II)の診断が確認された
・異型上皮内リンパ球(IEL)が20%超(フローサイトメトリーによって評価)
・少なくとも6カ月間、グルテンフリー食を摂取している
・妊娠の回避
除外基準:
・腸管症型T細胞リンパ腫(EATL)
・感染症
・免疫抑制
・臨床的に有意な共存症
8mg/kgをIVで、10週間、2週間に1回(q2w)と、1週目に追加投与という提示用量は、RCD−IIに特徴的な推定タンパク漏出性腸症(RCD−II患者におけるアルブミンレベルに基づき、最大で40%のタンパク質の漏出を予測できる)と、より大きい標的器官面積(より局所の関節と比べた場合の小腸)を対象にできる。
本開示の様々な態様は、単独で用いても、組み合わせて用いても、上で説明した実施形態で具体的に考察されていない様々な構成で用いてもよく、したがって、その用途において、上記の説明に示されているか、又は図面に示されている構成要素の詳細及び構成に限定されない。例えば、一実施形態で説明されている態様は、他の実施形態で説明されている態様と、いずれかの形で組み合わせてよい。また、本明細書で用いられている表現と用語は、説明するためのものであり、限定するものとしてみなすべきではない。
請求項において、順序を示す用語(「第1の」、「第2の」、「第3の」など)を使用して、請求項の要素が修飾されていても、それ自体によって、請求項の一要素のいずれかの別の要素に対する優先順位、重要性の順位もしくは順番、又は方法の作業を行う時間的順序を暗示することはなく、順序を示す用語は、特定の名称を有する請求項の一要素を、同じ名称(順序を示す用語の使用は除く)の別の要素と区別して、請求項のそれらの要素を区別するための識別語として用いられているに過ぎない。
また、本明細書で用いられている表現と用語は、説明するためのものであり、限定するものとみなすべきではない。本明細書において「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する」、「含む(containing)」、「伴う」及び、これらの変形表現を用いているのは、その後に列挙されている項目と、それらの均等物と、追加の項目を含むことを意図している。「〜から本質的になる」とは、その後に列挙されている項目を含むことを意味し、列挙されていない項目のうち、本発明の基本的かつ新規な特性に重大な影響を及ぼさない項目を排除しない。
参照による援用
EFS−Webを介して本明細書とともに提出した「A2082PCT.txt」という名称のASCIIテキストファイル(2016年6月15日に作成、サイズ4,623バイト)は、参照により、その全体が本明細書に援用される。
本明細書で言及されている文献、特許及び配列データベース項目はいずれも、個々の文献又は特許がそれぞれ、参照により援用されることが具体的かつ個々に記されているかのように、参照により、その全体が本明細書に援用される。
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Claims (30)

  1. セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療を必要とする対象のセリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療方法であって、治療有効量の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を、前記対象に投与することを含み、前記治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、前記抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約50〜1000mg、好ましくは75〜600mg、より好ましくは約75mg、約150mg、約300mg又は約600mg含む、前記方法。
  2. 前記抗体が、配列番号5〜7の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗体が、配列番号8〜10の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記抗体が、配列番号4のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項3に記載の方法。
  6. 前記治療有効量が、約2週間おきに投与する6回分の単位用量を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記各単位用量を皮下注射又は静脈内注射によって投与する、請求項1又は6に記載の方法。
  8. セリアック病又は非セリアックグルテン過敏症の治療用の医薬組成物であって、治療有効量の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を含み、前記治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、前記抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約50〜1000mg、好ましくは75〜600mg、より好ましくは約75mg、約150mg、約300mg又は約600mg含む、前記医薬組成物。
  9. 前記抗体が、配列番号5〜7の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記抗体が、配列番号8〜10の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  11. 前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  12. 前記抗体が、配列番号4のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項10に記載の医薬組成物。
  13. 前記治療有効量が、2週間おきに投与する6回分の単位用量を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
  14. 前記各単位用量を皮下注射又は静脈内注射によって投与する、請求項8又は13に記載の医薬組成物。
  15. 難治性セリアック病の治療を必要とする対象の難治性セリアック病の治療方法であって、治療有効量の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を、前記対象に投与することを含み、前記治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、前記抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約1〜50mg/kg、好ましくは約4〜16mg/kg、より好ましくは約4mg/kg、約8mg/kg、約12mg/kg又は約16mg/kg含む、前記方法。
  16. 前記抗体が、配列番号5〜7の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抗体が、配列番号8〜10の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項15又は16に記載の方法。
  19. 前記抗体が、配列番号4のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項17に記載の方法。
  20. 前記治療有効量が、2週間おきに投与する6回分の単位用量と、1週目における任意の追加的な負荷用量を含む、請求項15に記載の方法。
  21. 前記各単位用量を皮下注射又は静脈内注射によって投与する、請求項15又は20に記載の方法。
  22. 前記難治性セリアック病が、I型又はII型である、請求項15に記載の方法。
  23. 難治性セリアック病の治療用の医薬組成物であって、治療有効量の抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を含み、前記治療有効量が、それぞれ約1〜12週間おきに投与する1〜20回分の単位用量を含み、各単位用量が独立して、前記抗IL−15抗体又はその抗原結合断片を約1〜50mg/kg、好ましくは約4〜16mg/kg、より好ましくは約4mg/kg、約8mg/kg、約12mg/kg又は約16mg/kg含む、前記医薬組成物。
  24. 前記抗体が、配列番号5〜7の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 前記抗体が、配列番号8〜10の1つ又は複数の相補性決定領域又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項23又は24に記載の医薬組成物。
  26. 前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項23又は24に記載の医薬組成物。
  27. 前記抗体が、配列番号4のアミノ酸配列又はその配列に対する配列同一性が少なくとも80%である配列を含む軽鎖可変領域を有する、請求項25に記載の医薬組成物。
  28. 前記治療有効量が、2週間おきに投与する6回分の単位用量と、1週目に投与する任意の追加的な負荷用量を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
  29. 前記各単位用量を皮下注射又は静脈内注射によって投与する、請求項23又は28に記載の医薬組成物。
  30. 前記難治性セリアック病が、I型又はII型である、請求項23に記載の方法。
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