JP2022000629A - ミスフォールディングタンパク質の検出 - Google Patents

ミスフォールディングタンパク質の検出 Download PDF

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Abstract

【課題】例えばアルツハイマー病、パーキンソン病などを有する患者の、試料に由来するミスフォールディングタンパク質を増幅および検出するための方法の提供。【解決手段】モノマーフォールディングタンパク質としてα−シヌクレイン(α−syn)、緩衝組成物、塩、発蛍光試薬としてチオフラビンT(ThT)を含むプレインキュベーション混合物を調製し、生体試料と前記プレインキュベーション混合物とを混合する。前記インキュベーション混合物を断続的な攪拌サイクルでインキュベートして得たインキュベートされた混合物に、前記ThTを励起する波長の光を照射し、生じた傾向のレベルを決定する。前記蛍光のレベルの増加が、生体試料中のα−syn凝集物の存在を示す方法。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月11日出願の米国特許仮出願第62/049,306号の優先権を主張するものであり、その出願の内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
背景
タンパク質ミスフォールディング病(PMD)としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、2型糖尿病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、全身性アミロイドーシス、プリオン病などが挙げられる。異なるタンパク質のミスフォールディング凝集物が、形成および蓄積される場合がある。ミスフォールディング凝集物は、数ある影響の中で、細胞機能不全および組織損傷を誘発し得る。
例えばアルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病(PD)は、脳変性疾患であり、効果的処置または正確な前臨床診断を有さない。これまでに得られた証拠によって、ADにおいて、例えばアミロイドベータタンパク質(Aβ)のミスフォールディング、凝集、および脳内沈着は、ADの病態を惹起する因子であり得ることが示唆されている。Aβ斑は元々、該疾患の特徴であると思われてきたが、現在の研究では、可溶性AβオリゴマーがADの神経変性を誘発する重大なシナプス毒性種である可能性が示唆されている。脳は再生能力が低いため、PMDの初期診断が、不可逆的神経病理的変化を起こす前の介入を可能にするのに不可欠である。ミスフォールディングおよびオリゴマー化のプロセスが、臨床症状および実質的脳損傷の発生の数年または数十年前に開始し得ることが、複数のエビデンスで示されている。広く許容され、早期で感受性のある客観的検査室診断の欠如が、依然として、PMDに罹患する患者のケアに関する主要な問題である。
本出願は、例えば関連疾患の診断のための、タンパク質ミスフォールディングの検出が、難解であるが興味をそそる試みになり得ることを認識している。
概要
一実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法が、提供される。該方法は、試料をモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることを含み得る。該方法は、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することを含み得る。各インキュベーションサイクルは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートすることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を物理的に破壊することを含み得る。該方法は、可溶性ミスフォールディングタンパク質の少なくとも一部を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外され得る。
別の実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法が、提供される。該方法は、試料をチオフラビンTおよびモル過剰のモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることを含み得る。該モル過剰は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの量よりも大きくなり得る。該方法は、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することを含み得る。各インキュベーションサイクルは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を振とうすることを含み得る。該方法はまた、可溶性ミスフォールディングタンパク質に対応するチオフラビンTの蛍光を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外されている。
一実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法が、提供される。該方法は、試料から可溶性ミスフォールディングタンパク質を捕捉することを含み得る。該方法は、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質をモル過剰のモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることを含み得る。該モル過剰は、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの量よりも大きくなり得る。該方法は、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することを含み得る。各インキュベーションサイクルは、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を物理的に破壊することを含み得る。該方法はまた、可溶性ミスフォールディングタンパク質の少なくとも一部を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質は、捕捉された可溶性ミスフォールディングモノマーおよび捕捉された可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外されている。
別の実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定するキットが、提供される。該キットは、既知量のモノマーフォールディングタンパク質と、既知量の可溶性ミスフォールディングタンパク質指示薬と、を含み得る。該キットは、取扱説明書を含み得る。該取扱説明書で、試料を、既知量のモノマーフォールディングタンパク質および既知量の可溶性ミスフォールディングタンパク質指示薬のうちの1つまたは複数と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することがユーザに指導され得る。各インキュベーションサイクルは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を物理的に破壊することを含み得る。該取扱説明書で、可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することがユーザに指導され得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外され得る。
試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定するために本明細書に開示された方法およびキットは、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の非存在を判定するのに効果的になり得る。
本明細書の一部に取り込まれ、それを構成する添付の図面は、例示的方法および結果を示しており、例示的実施形態を示すために用いられているに過ぎない。
インキュベーションの0時間、5時間、10時間、および24時間目に撮影された電子顕微鏡写真を示す。 可溶性オリゴマーAβタンパク質凝集物のウェスタンブロットである。 実施例1の様々な濃度の合成可溶性オリゴマーAβタンパク質がシードとなった、時間の関数としてThT蛍光によって測定された非増幅アミロイド形成を示すグラフである。 実施例1の様々な濃度の合成可溶性オリゴマーAβタンパク質がシードとなった、時間の関数としてThT蛍光によって測定された増幅サイクル促進アミロイド形成を示すグラフである。 AD、NND、およびNAND群から得られた代表的試料5つのCSFがシードとなったAβ凝集の平均反応速度を示す、ThT蛍光標識の関数として測定されたアミロイド形成対時間のグラフである。 AD、NND、およびNAND群から得られた試料の存在下でのAβ凝集のための時間単位での誘導期時間のグラフである。 AD、NND、およびNAND患者から得られたCSF試料の存在下での180Aβ−PMCAサイクル、即ち90時間のインキュベーション(P90)の後に得られたアミロイド形成の度合いを示すグラフである。 AD対NANDに関する、図3Bに示された誘導期の値を利用した、異なるカットオフポイントでの偽陽性率(特異度)の関数としての真陽性率(感度)のプロットである。 AD対NNDに関する、図3Bに示された誘導期の値を利用した、異なるカットオフポイントでの偽陽性率(特異度)の関数としての真陽性率(感度)のプロットである。 AD対全ての対照試料に関する、図3Bに示された誘導期の値を利用した、異なるカットオフポイントでの偽陽性率(特異度)の関数としての真陽性率(感度)のプロットである。 図3Bに示された誘導期の値を利用した、異なるカットオフポイントでの偽陽性率(特異度)の関数としての真陽性率(感度)のプロットであり、図4A〜4Cの群比較の異なる組み合わせについての最も信頼できるカットオフポイントを推定している。 表1は、誘導期数を利用して計算されたAβ−PMCAテストの感度、特異度および予測値の推定を示す。 ADおよび対照患者から得られたCSF試料の存在下での300Aβ−PMCAサイクル、即ち150時間のインキュベーション(P90)の後に得られた試料の時間単位での誘導期時間のグラフである。 ヒトCSFに添加された合成によって調製したAβオリゴマーを用いた免疫枯渇の結果を示すウェスタンブロットである。 対照および免疫枯渇CSF試料がシードとなったAβ凝集の反応速度を示すグラフである。 A11コンフォメーション抗体のみで枯渇された、対照および免疫枯渇CSF試料がシードとなったAβ凝集の反応速度を示すグラフである。 複合的生体試料に由来するAβオリゴマーを捕捉するために用いられるELISA固相法の略図である。 複合的生体試料に由来するAβオリゴマーを捕捉するために用いられる磁気ビーズ固相法の略図である。 表2は、Aβオリゴマーを捕捉する特異的抗体の能力を示す。 ヒト血漿に添加された異なる量の合成オリゴマーの存在によるAβ凝集の促進を示すアミロイド形成対時間のグラフである。 AD患者および対照から得られた血漿試料の存在下でのAβ−PMCAアッセイにおいて50%凝集に達するまでの時間を示すグラフである。 プロテアーゼ消化後のウェスタンブロットによってモニタリングされた異なる量の合成Aβオリゴマーの存在下でのインキュベーション/超音波処理サイクルによるAβ凝集の増幅結果を示すウェスタンブロットである。 PD−PMCAによるαSシードの検出を示すチオフラビンT蛍光対時間のグラフである。 示された量のαSシードの関数としてプロットされた50%凝集に達するまでの時間のグラフである。 アルツハイマー病(AD)または非神経変性疾患(NND)を有する対照に対する、PD−PMCAによるヒトPD患者から得られたCSF試料中のαSシードの検出を示す。 表3は、αSオリゴマーを捕捉する異なる配列またはコンフォメーション抗体の能力を実証する。 αSオリゴマーを捕捉するために用いられるELISA固相法の略図である。 αSオリゴマーを捕捉するために用いられる磁気ビーズ固相法の略図である。 N−19αS抗体を用いたヒト血漿に由来するαSオリゴマーの免疫沈降/凝集の結果を示すグラフである。 211αS抗体を用いたヒト血漿に由来するαSオリゴマーの免疫沈降/凝集の結果を示すグラフである。 C−20αS抗体を用いたヒト血漿に由来するαSオリゴマーの免疫沈降/凝集の結果を示すグラフである。 CSF試料中のαSシードの検出のための対照試料における結果を示すグラフである。 CSF試料中のαSシードの検出のためのPD患者における結果を示すグラフである。 CSF試料中のαSシードの検出のための多系統萎縮症(MSA)患者における結果を示すグラフである。
詳細な記載
タンパク質ミスフォールディング病(PMD)の診断のためなど、試料中のミスフォールディングタンパク質の検出のための方法およびキットが提供される。異なるタンパク質のミスフォールディング凝集物が、形成および蓄積される場合がある。ミスフォールディング凝集物は、数ある影響の中で、細胞機能不全および組織損傷を誘発し得る。例えばPMDとしては、アルツハイマー病(AD)または全身性アミロイドーシスなどのアミロイドーシス;パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症などのシヌクレイン病;多系統萎縮症;シヌクレイン関連神経軸索ジストロフィー;2型糖尿病;ハンチントン病(HD)などのトリプレットリピート病;筋萎縮性側索硬化症(ALS)などを挙げることができる。異なるタンパク質のミスフォールディング凝集物が、形成および蓄積される場合がある。ミスフォールディング凝集物は、数ある影響の中で、細胞機能不全および組織損傷を誘発し得る。
幾つかの実施形態において、PMDには、感染性プリオン病、例えば伝達性海綿状脳症(TSE)が除外され得る。そのような伝達性海綿状脳症(TSE)は、ヒトおよび動物が罹患する感染性神経変性疾患の一群である。例えばヒトTSE病としては、クロイツフェルト・ヤコブ病およびその亜種(CJD、vCJD)、クールー病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)、ならびに致死性家族性不眠症(FFI)を挙げることができる。動物のTSE病としては、ヒツジおよびヤギ(スクレーピー);ウシ(牛海綿状脳症、BSE);ヘラジカ、オジロジカ、ミュールジカおよびアカシカ(慢性ウェイスティング病、CWD);ミンク(伝達性ミンク脳症、TME);ネコ(ネコ海綿状脳症、FSE);ニアラおよびより大きなクーズー(外来性有蹄類脳症、EUE)などを挙げることができる。
本明細書で用いられる「モノマータンパク質」および「可溶性ミスフォールディングタンパク質」は、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外されている。本明細書で用いられる「プリオン」は、TSEを誘発することが知られるミスフォールディングタンパク質である。プリオンタンパク質(PrP)は、複数のアイソフォーム:正常型、一般的、または細胞性アイソフォーム(PrP);プロテアーゼ耐性アイソフォーム(PrPres);感染性または「スクレーピー」アイソフォーム(PrPSc)などに関連づけることができる。
タンパク質ミスフォールディング循環増幅(PMCA)という方法は、インビトロでのミスフォールディングおよび凝集プロセスの人工的促進および増幅を通してミスフォールディング凝集物の超高感度な検出を提供し得る。PMCAの基本的概念が、過去に開示された(それぞれ全体として参照により本明細書に組み入れられる、Soto et al, WO2002/04954号;Estrada, et al. 米国特許出願公開第20080118938号)。しかし本明細書の出願日より前に、PMDの診断のためなど、試料中のプリオン以外の可溶性ミスフォールディングタンパク質の増幅および検出のためのPCMAを可能にした特許出願はない。本明細書では、PMD患者に見出され得る通り、可溶性ミスフォールディングタンパク質の検出のためのPMCA技術を可能にする特定の実施例および詳細を開示する。
様々な実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法が、提供される。本明細書に記載された通り、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法およびキットは、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の非存在を判定するのに効果的になり得る。本明細書に記載された可溶性ミスフォールディングタンパク質は、例えばPMDに関連する様々な神経病変を誘発または誘導する、病原性タンパク質であり得る。該方法は、試料をモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることを含み得る。該方法は、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することを含み得る。各インキュベーションサイクルは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、例えばミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させること、を含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を物理的に破壊することを含み得る。該方法は、可溶性ミスフォールディングタンパク質の少なくとも一部を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外され得る。
本明細書で用いられる「Aβ」または「ベータアミロイド」は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の連続切断によって形成されたペプチドを指す。様々なAβアイソフォームは、38〜43アミノ酸残基を含み得る。Aβタンパク質は、APPが任意の組み合わせでβ−および/またはγ−セクレターゼによって処理されると、形成され得る。Aβは、ADに罹患した個体またはADを有する疑いがある個体の脳におけるアミロイド斑の構成要素であり得る。様々なAβアイソフォームが、包含され得、Aベータ40およびAベータ42に限定されない。様々なAβペプチドが、AD関連の神経損傷に関連し得る。
本明細書で用いられる「αS」または「アルファ−シヌクレイン」は、全長140アミノ酸のα−シヌクレインタンパク質、例えば「αS−140」を指す。他のアイソフォームまたは断片としては、「αS−126」、つまり例えばエクソン3の欠損により、残基41〜54が欠如したアルファ−シヌクレイン−126;および「αS−112」、つまり例えばエクソン5の欠損により、残基103〜130が欠如したアルファ−シヌクレイン−112を挙げることができる。αSは、PDに罹患した個体またはPDを有する疑いがある個体の脳内に存在し得る。様々なαSアイソフォームが、包含され得、αS−140、αS−126、およびαS−112に限定されない。様々なαSペプチドが、PD関連の神経損傷に関連し得る。
本明細書で用いられる「タウ」は、単一遺伝子からの選択的スプライシングの産物、例えばヒトにおけるMAPT(微小管関連タンパク質タウ)であるタンパク質を指す。タウタンパク質は、タウのアイソフォームのいずれかの全長またはトランケート形態を包含する。様々なアイソフォームとしては、タウ遺伝子のエクソン2、3、および10における選択的スライシングに対応するヒト脳組織内に存在することが知られる6つのタウアイソフォームが挙げられるが、これらに限定されない。3種のアイソフォームは、3つの結合ドメインを有し、他の3種は、4つの結合ドメインを有する。ミスフォールディングタウは、ADに罹患した個体、またはADもしくは他のタウパチーを有する疑いがある個体の脳内に存在し得る。
本明細書で用いられる「ミスフォールディングタンパク質」は、生体系の典型的な非病的正常機能に関与する場合に存在するため、タンパク質の構造的コンフォメーションの全てまたは一部をもはや含まないタンパク質である。ミスフォールディングタンパク質は、凝集し得る。ミスフォールディングタンパク質は、タンパク質凝集物内に局在し得る。ミスフォールディングタンパク質は、非機能性タンパク質であり得る。ミスフォールディングタンパク質は、タンパク質の病原性配座異性体であり得る。モノマーフォールディングタンパク質組成物が、シードに関連するミスフォールディング、オリゴマー化、および凝集のための触媒活性を有さないネイティブの非病原的確認で提供され得る。モノマーフォールディングタンパク質組成物は、シード不含形態で提供され得る。
本明細書で用いられる「モノマーフォールディングタンパク質」は、単一タンパク質分子を指す。「可溶性凝集ミスフォールディングタンパク質」は、溶液中に残存するモノマーミスフォールディングタンパク質の凝集を指す。可溶性ミスフォールディングタンパク質の例は、ミスフォールディングタンパク質が可溶性である限り、任意の数のタンパク質モノマーを含み得る。例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質は、モノマー、またはモノマータンパク質の2〜約50単位の凝集物を含み得る。
モノマーおよび/または可溶性ミスフォールディングタンパク質は、凝集して、不溶性凝集物および/またはより高級オリゴマーを形成し得る。例えばAβタンパク質の凝集は、プロトフィブリル、フィブリルを、そして最終的にはAD対象において観察され得るアミロイド斑をもたらし得る。「シード」または「核」は、可溶性ミスフォールディングタンパク質または短い断片化フィブリル、特にさらなるミスフォールディング、オリゴマー化、および凝集のための触媒活性を有する可溶性ミスフォールディングタンパク質を指す。そのような核形成依存性凝集は、緩徐な誘導期を特徴とし得、その時期に凝集物が形成され得、その後さらなる凝集物およびより大きなポリマーの急速な形成を触媒し得る。誘導期は、あらかじめ形成された核またはシードの添加によって最小化または排除され得る。シードに関連するミスフォールディングおよび凝集の触媒活性を有さないモノマータンパク質組成物が、提供され得る。モノマータンパク質組成物は、シード不含形態で提供され得る。
本明細書で用いられる「可溶性」種は、生理学的条件下の生体液中の溶液を形成し得るが、「不溶性」種は、生理学的条件下のそのような生体液中の沈殿物、フィブリル、沈着物、タングル、または他の非溶解形態として存在し得る。そのような生体液としては、例えば羊水;胆汁;血液;脳脊髄液;耳垢;皮膚;滲出液;糞便;胃液;リンパ;乳;粘液、例えば鼻分泌物;粘膜、例えば鼻粘膜;腹水;血漿;胸水;膿;唾液;皮脂;精液;汗;滑液;涙液;尿などのうちの1種または複数の流体、またはそれから搾出された流体を挙げることができる。不溶性種としては、例えばAβ、αS、タウなどのフィブリルを挙げることができる。非生体液に溶解するが生理学的条件下での前述の生体液の1種には溶解しない種は、不溶性と見なされ得る。例えばAβ、αS、タウなどのフィブリルは、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液などの界面活性剤の溶液に溶解され得るが、それでも生理学的条件下の上述の生体液の1種または複数には不溶性であり得る。
幾つかの実施形態において、該試料には、Aβ、αS、またはタウなどのミスフォールディングタンパク質の不溶性種が、生理学的条件下の上記生体液の1種または複数に不溶性になり得る沈殿物、フィブリル、沈着物、タングル、プラークまたは他の形態として除外され得る。
例えば該試料には、フィブリル形態のαSおよびタウが除外され得る。該試料には、不溶性形態のミスフォールディングAβ、αSおよび/またはタウタンパク質が除外され得、例えば該試料には、ミスフォールディングAβ、αSおよび/またはタウタンパク質が、沈殿物、フィブリル、沈着物、タングル、プラークまたは他の非溶解形態、例えばフィブリル形態として除外され得る。本明細書に記載された方法は、不溶性形態のミスフォールディングAβおよびタウタンパク質を除外することによって、例えばミスフォールディングAβおよびタウタンパク質を沈殿物、フィブリル、沈着物、タングル、プラークまたは他の非溶解形態、例えばフィブリル形態として除外することによって、試料を調製することを含み得る。本明細書に記載されたキットは、ミスフォールディングAβ、αSおよび/またはタウタンパク質を、沈殿物、フィブリル、沈着物、タングル、プラークまたは他の非溶解形態、例えばフィブリル形態として除外することによって試料を調製することがユーザに指導される取扱説明書を含み得る。試料からの、そのような不溶性形態の上記のミスフォールディングタンパク質の除外は、実質的または完全であり得る。
本明細書で用いられる可溶性ミスフォールディングタンパク質の凝集物は、可溶性ミスフォールディングタンパク質をはじめとする非共有結合のタンパク質集合体を指す。可溶性ミスフォールディングタンパク質の凝集物は、「脱凝集」または破壊されて、可溶性ミスフォールディングタンパク質を分解または放出し得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質シードのコレクションの触媒活性は、少なくとも一部が混合物中のシード数に応じて規模を増減し得る。したがって、混合物中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の凝集物を破壊して可溶性ミスフォールディングタンパク質シードを放出することが、モノマータンパク質のオリゴマー化のための触媒活性を上昇させることになり得る。
本明細書で用いられる「ミスフォールディングタンパク質」は、生体系の典型的な非病的正常機能に関与する場合に存在するため、タンパク質の構造的コンフォメーションの全てまたは一部をもはや含まないタンパク質である。ミスフォールディングタンパク質は、凝集し得る。ミスフォールディングタンパク質は、タンパク質凝集物内に局在し得る。ミスフォールディングタンパク質は、非機能性タンパク質であり得る。ミスフォールディングタンパク質は、病的アイソフォームであり得る。
様々な実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法が、提供される。該方法は、試料をチオフラビンTおよびモル過剰のモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることを含み得る。該モル過剰は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの量よりも大きくなり得る。該方法は、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することを含み得る。各インキュベーションサイクルは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を振とうすることを含み得る。該方法はまた、可溶性ミスフォールディングタンパク質に対応するチオフラビンTの蛍光を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質は、捕捉された可溶性ミスフォールディングモノマーおよび捕捉された可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。幾つかの実施形態において、モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外され得る。
様々な実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定する方法が、提供される。該方法は、試料から可溶性ミスフォールディングタンパク質を捕捉することを含み得る。該方法は、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質をモル過剰のモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることを含み得る。該モル過剰は、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの量よりも大きくなり得る。該方法は、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することを含み得る。各インキュベーションサイクルは、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を物理的に破壊することを含み得る。該方法はまた、可溶性ミスフォールディングタンパク質の少なくとも一部を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングモノマーおよび可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質は、捕捉された可溶性ミスフォールディングモノマーおよび捕捉された可溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、可溶性ミスフォールディングモノマーの増幅部分、可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数を含み得る。幾つかの実施形態において、モノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質には、プリオンタンパク質(PrP)およびそのアイソフォームが除外され得る。
本明細書で用いられる可溶性ミスフォールディングタンパク質の言及は、試料、インキュベーション混合物などの中に分散された可溶性ミスフォールディングタンパク質の任意の形態を包含し得る。例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質の言及は、可溶性ミスフォールディングタンパク質、例えばPMDに罹患した対象から得られた試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質を包含し得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質の言及は、例えば(例えばインキュベーション混合物中の)ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を包含し得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質の言及は、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質に特異的な抗体を用いて試料から捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質を包含し得る。
幾つかの実施形態において、該方法は、可溶性ミスフォールディングタンパク質の指示薬をインキュベーション混合物に接触させることを含み得る。該可溶性ミスフォールディングタンパク質の指示薬は、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下での指示状態、および可溶性ミスフォールディングタンパク質の非存在下での非指示状態を特徴とし得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の指示薬の指示状態を検出することを包含し得る。指示薬の指示状態および指示薬の非指示状態は、蛍光の差を特徴とし得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在の判定は、蛍光の差を検出することを含み得る。
複数の実施形態において、該方法は、モル過剰の、可溶性ミスフォールディングタンパク質指示薬を、インキュベーション混合物に接触させることを含み得る。該モル過剰は、インキュベーション混合物中のモノマーフォールディングタンパク質および可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの総モル量よりも大きくなり得る。
様々な実施形態において、可溶性ミスフォールディングタンパク質の指示薬としては、チオフラビンT、コンゴーレッド、m−I−スチルベン、クリサミンG、PIB、BF−227、X−34、TZDM、FDDNP、MeO−X−04、IMPY、NIAD−4、発光コンジュゲートポリチオフェン、緑色蛍光タンパク質および黄色蛍光タンパク質などの蛍光タンパク質との融合物、それらの誘導体などのうちの1種または複数を挙げることができる。
幾つかの実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することは、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を測定することを含み得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量は、対照試料と比較して測定され得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量は、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%のうちの少なくとも約1つまたは複数の感度で検出され得る。検出された試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量は、100nmol、10nmol、1nmol、100pmol、10pmol、1pmol、100fmol、10fmol、3fmol、1fmol、100attomol、10attomol、および1attomolのうちの約1つまたは複数より少なくなり得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量は、試料によって含まれるモノマーフォールディングタンパク質に対するモル比で検出され得る。該モル比は、1:100、1:10,000、1:100,000および1:1,000,000の約1つまたは複数より小さくなり得る。
様々な実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質は、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%のうちの少なくとも約1つまたは複数の特異度で検出され得る。
幾つかの実施形態において、該インキュベーション混合物は、約1nM〜約2mM;約10nM〜約200μM;約100nM〜約20μM;または約1μM〜約10μM;および約2μMのうちの1つまたは複数の濃度、または濃度範囲のモノマーフォールディングタンパク質を含み得る。
幾つかの実施形態において、該インキュベーション混合物は、緩衝組成物を含み得る。該緩衝組成物は、本明細書に記載されたインキュベーション混合物のpH、例えばpH5〜pH9を調製または保持するのに効果的になり得る。該緩衝組成物は、Tris−HCL、PBS、MES、PIPES、MOPS、BES、TES、およびHEPESなどのうちの1つまたは複数を含み得る。該緩衝剤の濃度は、約1μm〜約1Mの総濃度であり得る。例えば該緩衝剤は、0.1M濃度のTris−HClであり得る。
様々な実施形態において、該インキュベーション混合物は、塩組成物を含み得る。該塩組成物は、インキュベーション混合物のイオン強度を上昇させるのに効果的になり得る。該塩組成物は、NaCl、KClなどのうちの1つまたは複数を含み得る。該インキュベーション混合物は、約1μm〜約500mMの総濃度の塩組成物を含み得る
幾つかの実施形態において、該インキュベーション混合物は、約5〜約9、約6〜約8.5、約7〜約8、および約7.4のうちの1つまたは複数のpH値もしくはpH範囲を特徴とし得る、そのpH値もしくはpH範囲で調整され得る、またはそのpH値もしくはpH範囲を保持され得る。
幾つかの実施形態において、該インキュベーション混合物は、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、35、36、37、40、45、50、55、および60のうちの約1つもしくは複数の温度℃、例えば約22℃、または前記値の任意の2つの間の温度範囲、例えば約4℃〜約60℃、約4℃〜約35℃、約8℃〜約50℃、約12℃〜約40℃、約18℃〜約30℃、約18℃〜約26℃などのうちの1つまたは複数の温度範囲でインキュベートされ得る。
複数の実施形態において、可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することは、ウェスタンブロットアッセイ、ドットブロットアッセイ、酵素免疫測定法(ELISA)、チオフラビンT結合アッセイ、コンゴーレッド結合アッセイ、沈降アッセイ、電子顕微鏡測定、原子間力顕微鏡測定、表面プラズモン共鳴、および分光法のうちの1つまたは複数を含み得る。ELISAは、両側サンドウィッチELISA(two−sided sandwich ELISA)を包含し得る。分光法は、準光散乱分光法、マルチスペクトル紫外分光法、共焦点二色蛍光相関分光法、フーリエ変換赤外分光法、分光法検出によるキャピラリー電気泳動法、電子スピン共鳴分光法、核磁気共鳴分光法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)分光法のうちの1つまたは複数を包含し得る。
様々な実施形態において、可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することは、インキュベーション混合物をプロテアーゼと接触させることを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、ウェスタンブロットアッセイ、ドットブロットアッセイ、およびELISAのうちの1つまたは複数において、抗ミスフォールディングタンパク質抗体を利用して検出され得る。
幾つかの実施形態において、該方法は、標識された形態のモノマーフォールディングタンパク質を提供することを含み得る。標識された形態の該モノマーフォールディングタンパク質は、共有結合により取り込まれた放射性アミノ酸、共有結合により取り込まれた同位体標識アミノ酸、および共有結合により取り込まれたフルオロフォアのうちの1つまたは複数を含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することは、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分に取り込まれた、標識された形態のモノマーフォールディングタンパク質を検出することを含む。
複数の実施形態において、該試料は、対象から採取され得る。該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在に従って対象のPMDの存在を判定または診断することを含み得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在は、対照群の対象から採取された対照試料に比較して判定され得る。
幾つかの実施形態において、PMDは、アミロイドーシス;シヌクレイン病;トリプレットリピート病;または筋萎縮性側索硬化症のうちの少なくとも1つを包含し得る。PMDとしては、アミロイドーシス、例えばアルツハイマー病または全身性アミロイドーシスのうちの少なくとも1つを挙げることができる。PMDとしては、シヌクレイン病、例えばパーキンソン病、レビー小体型認知症;多系統萎縮症;またはシヌクレイン関連神経軸索ジストロフィーのうちの少なくとも1つを挙げることができる。PMDとしては、ハンチントン病を挙げることができる。
様々な実施形態において、該検出することは、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を検出することを含み得る。該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を、所定の閾値量に比較することによって、対象のPMDの存在を判定または診断することを含み得る。
複数の実施形態において、該試料は、認知テストに従って認知症の臨床徴候を示さなかった対象から採取され得る。該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在に従って対象のPMDの存在を判定または診断することを含み得る。
幾つかの実施形態において、該試料は、アミロイドベータのコントラスト画像に従って皮質斑またはタングルを示さなかった対象から採取され得る。該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在に従って対象のPMDの存在を判定または診断することをさらに含み得る。
様々な実施形態において、該試料は、認知症テストに従って認知症の臨床徴候を示した対象から採取され得る。該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在に従って対象の認知症の臨床徴候への寄与因子として、PMDの存在を判定または診断することをさらに含み得る。
幾つかの実施形態において、該試料は、羊水;胆汁;血液;脳脊髄液;耳垢;皮膚;滲出液;糞便;胃液;リンパ;乳;粘液、例えば鼻分泌物;粘膜、例えば鼻粘膜;腹水;血漿;胸水;膿;唾液;皮脂;精液;汗;滑液;涙液;尿などのうちの1種または複数を挙げることができる。
複数の実施形態において、該方法は、対象から試料を得ることを含み得る。該対象は、ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、シカ、ヘラジカ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、または非ヒト霊長類のうちの1つであり得る。非ヒト動物は、野生または家畜であり得る。該対象は、PMDのリスクがある、PMDを有する、PMDの処置を受けている、ミスフォールディングタンパク質の調節不能、ミスフォールディング、凝集または素因に関連する疾患を有するリスクがある、ミスフォールディングタンパク質の調節不能、ミスフォールディング、凝集または素因に関連する疾患を有する、ミスフォールディングタンパク質の調節不能、ミスフォールディング、凝集または素因に関連する疾患のための処置を受けている、のうちの1つまたは複数であり得る。
様々な実施形態において、該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を、試料と異なる時間に対象から採取された比較試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量に比較することによって、対象のPMDの進行または恒常性を測定または診断することを含み得る。様々な実施形態において、該試料は、PMDのための治療を受けている患者から採取され得る。PMCAアッセイを利用して、どの患者が治療によって処置され得るかを決定することができる。
例えば、様々なメカニズムを通してAβ恒常性をターゲットとする複数の新規治療薬が、現在、開発途中である。AβオリゴマーのためのPMCAアッセイを利用して、どの患者がPMD疾患改善療法で処置され得るかを決定することができる。PMCA法による検出で、Aβオリゴマーのレベルの変化、例えば低下または上昇を示す患者を、Aβ調整療法への「応答者」として分類することができ、Aβオリゴマーのレベルを低下する治療薬で処置することができる。異常なAβ恒常性を欠く患者を、「非応答者」として分類することができ、処置しなくてもよい。こうして、Aβ恒常性の調整を目的とした治療により利益を享受し得る患者が、同定され得る。
同じく、例えば様々なメカニズムを通してαS恒常性を標的とする複数の新規治療薬が、現在、開発途中である。αS恒常性を標的とする治療的アプローチは、PD01A+もしくはPD03A+などの能動免疫化、またはPRX002などの受動免疫化を含み得る。αSオリゴマーのためのPMCAアッセイを用いて、どの患者がαS調節療法で処置され得るかを決定することができる。PMCA法による検出で、αSオリゴマーのレベルの変化、例えば低下または上昇を示す患者を、αS調整療法への「応答者」として分類することができ、αSオリゴマーのレベルを低下する治療薬で処置することができる。異常なαS恒常性を欠く患者を、「非応答者」として分類することができ、処置しなくてもよい。こうして、αS恒常性の調整を目的とした治療により利益を享受し得る患者が、同定され得る。
さらに、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を、PMCAを用いて患者から得られた試料で測定することができる。可溶性ミスフォールディングタンパク質の測定値が高い患者は、可溶性ミスフォールディングタンパク質恒常性を調整する治療薬で処置することができる。可溶性ミスフォールディングタンパク質の測定値が正常な患者は、処置しなくてもよい。可溶性ミスフォールディングタンパク質の恒常性の調整を目的とした治療薬への患者の応答を、追跡することができる。例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質レベルを、治療的介入の開始時の患者試料で測定することができる。臨床上有意義な期間の患者の治療に続いて、追加の患者試料を得ることができ、可溶性ミスフォールディングタンパク質レベルを測定することができる。治療的介入の後、可溶性ミスフォールディングタンパク質レベルの変化を示した患者は、処置に応答すると見なされ得る。不変の可溶性ミスフォールディングタンパク質レベルを示した患者は、非応答と見なされ得る。該方法は、PMCA反応と干渉し得る成分を含有する患者試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質凝集物の検出を含み得る。
幾つかの実施形態において、該対象は、PMD調整療法で処置され得る。該方法は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を、比較試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量に比較することを含み得る。試料および比較試料は、可溶性ミスフォールディングタンパク質の調整療法を受けている期間の異なる時点で対象から採取され得る。該方法は、対象がその期間の可溶性ミスフォールディングタンパク質の変化に従って可溶性ミスフォールディングタンパク質の調整療法に応答する、またはその期間の可溶性ミスフォールディングタンパク質の恒常性に従って可溶性ミスフォールディングタンパク質の調整療法に応答しない、の一方であることを判定または診断することを含み得る。該方法は、可溶性ミスフォールディングタンパク質の調整療法で、可溶性ミスフォールディングタンパク質の調整療法に応答すると判定された対象を処置することを含み得る。例えばADの場合、PMD調整療法は、BACE1(ベータセクレターゼ1)の阻害剤;γ−セクレターゼの阻害剤;およびAβ恒常性の調整剤、例えばAβ恒常性の免疫療法調整剤、のうちの1つまたは複数の投与を含み得る。Aβ調整療法は、E2609;MK−8931;LY2886721;AZD3293;セマガセスタット(LY−450139);アバガセスタット(BMS−708163);ソラネズマブ;クレネズマブ;バピネオズマブ;BIIB037;CAD106;8F5もしくは5598、またはAβグロブロマーに対して増加する他の抗体、例えば全体の教示が参照により本明細書に組み入れられるBarghorn et al, “Globular amyloid β−peptide1−42 oligomer――a homogenous and stable neuropathological protein in Alzheimer’s disease” J. Neurochem., 2005, 95, 834−847に記載されたもの;ACC−001;V950;Affitope AD02などのうちの1つまたは複数の投与を含み得る。
PDの場合、例えばPMD調整療法は、PD01A+もしくはPD03A+などの能動免疫化、PRX002などの受動免疫化などを含み得る。該PMD調整療法はまた、GDNF(グリア細胞株由来神経栄養因子)、イノシン、カルシウムチャネルブロッカー、具体的にはイスラジピンなどのCav1.3チャネルブロッカー、ニコチンおよびニコチン受容体アゴニスト、GM−CSF、グルタチオン、ピオグリタゾンなどのPPARガンマアゴニスト、ならびにD2/D3ドーパミン受容体アゴニストおよびLRRK2(ロイシンリッチリピートキナーゼ2)阻害剤をはじめとするドーパミン受容体アゴニストでの処置を含み得る。
複数の実施形態において、ミスフォールディングタンパク質の量を、PMCAを利用して患者から得られた試料で測定することができる。ミスフォールディングタンパク質の測定値が増加した患者は、PMDのための疾患修飾療法で処置することができる。ミスフォールディングタンパク質の測定値が正常な患者は、処置されなくてもよい。疾患修飾療法への患者の応答を、追跡することができる。例えばミスフォールディングタンパク質レベルを、治療的介入の開始時の患者試料で測定することができる。臨床上有意義な期間の患者の治療に続いて、追加の患者試料を得ることができ、可溶性ミスフォールディングタンパク質レベルを測定することができる。治療的介入の後、ミスフォールディングタンパク質レベルの変化を示した患者は、処置に応答すると見なされ得る。不変のミスフォールディングタンパク質レベルを示した患者は、非応答と見なされ得る。該方法は、PMCA反応と干渉し得る成分を含有する患者試料中のミスフォールディングタンパク質凝集物の検出を含み得る。
複数の実施形態において、該方法は、試料およびインキュベーション混合物の1つまたは複数の中で可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮することは、インキュベーション混合物を形成させる前に試料を前処置することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮することは、インキュベーション混合物をインキュベートする前にインキュベーション混合物を前処置することを含み得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮することは、1種または複数の特異的抗体を可溶性ミスフォールディングタンパク質に接触させて、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質を形成させることを含み得る。
例えばADの場合、1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、6E10、4G8、82E1、A11、X−40/42、16ADVなどのうちの1つまたは複数を含み得る。そのような抗体は、以下の通り入手することができる:6E10および4G8(Covance、ニュージャージー州プリンストン所在);82E1(IBL America、ミネソタ州ミネアポリス所在);A11(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド所在);X−40/42(MyBioSource, Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ所在);および16ADV(Acumen Pharmaceuticals,カリフォルニア州リバモア所在)。
さらにPDの場合、例えば1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、α/β−シヌクレインN−19;α−シヌクレインC−20−R;α−シヌクレイン211;α−シヌクレインSyn204;α−シヌクレイン2B2D1;α−シヌクレインLB509;α−シヌクレインSPM451;α−シヌクレイン3G282;α−シヌクレイン3H2897;α/β−シヌクレインSyn202;α/β−シヌクレイン3B6;α/β/γ−シヌクレインFL−140などのうちの1つまたは複数をはじめとするPD特異的抗体を包含し得る。幾つかの実施形態において、1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、α/β−シヌクレインN−19;α−シヌクレインC−20−R;α−シヌクレイン211;α−シヌクレインSyn204などのうちの1つまたは複数を含み得る。そのような抗体は、以下の通り入手され得る:α/β−シヌクレインN−19(cat. No.SC−7012、Santa Cruz Biotech、テキサス州ダラス所在);α−シヌクレインC−20−R(SC−7011−R);α−シヌクレイン211(SC−12767);α−シヌクレインSyn204(SC−32280);α−シヌクレイン2B2D1(SC−53955);α−シヌクレインLB509(SC−58480);α−シヌクレインSPM451(SC−52979);α−シヌクレイン3G282(SC−69978);α−シヌクレイン3H2897(SC−69977);α/β−シヌクレインSyn202(SC−32281);α/β−シヌクレイン3B6(SC−69699);またはα/β/γ−シヌクレインFL−140(SC−10717)。
さらに、該1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、可溶性ミスフォールディングタンパク質のアミノ酸配列に特異的な抗体、または可溶性ミスフォールディングタンパク質のコンフォメーションに特異的な抗体のうちの1つまたは複数を包含し得る。該1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、固相に連結され得る。該固相は、磁気ビーズおよびマルチウェルプレートのうちの1つまたは複数を包含し得る。
例えばELISAプレートは、患者の試料に由来する可溶性ミスフォールディングタンパク質を捕捉するのに用いられる抗体でコーティングされ得る。抗体コーティングELISAプレートを患者試料と共にインキュベートすることができ、非結合材料を洗い流すことができ、PMCA反応を実施することができる。抗体をビーズに連結させることもできる。ビーズを患者の試料と共にインキュベートし、それを用いて可溶性ミスフォールディングタンパク質−抗体複合体を、患者試料の残りと分離することができる。
様々な実施形態において、該試料をモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることは、モル過剰のモノマーフォールディングタンパク質を、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質を含む試料に接触させることを含み得る。モノマーフォールディングタンパク質の該モル過剰は、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの総モル量よりも大きくなり得る。インキュベーション混合物をインキュベートすることは、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、該モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発して、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になり得る。
幾つかの実施形態において、該タンパク質凝集物は、モノマータンパク質、可溶性ミスフォールディングタンパク質、および可溶性ミスフォールディングタンパク質の捕捉形態のうちの1つまたは複数を含み得る。
複数の実施形態において、インキュベーション混合物を物理的に破壊することは、音波処理、撹拌、振とう、凍結/解凍、レーザ照射、オートクレーブインキュベーション、高圧、ホモジネーションなどのうちの1つまたは複数を含み得る。例えば振とうは、周期的撹拌を含み得る。該周期的撹拌は、約50回転/分(RPM)〜10,000RPMで実施され得る。該周期的撹拌は、約200RPM〜2000RPMで実施され得る。該周期的撹拌は、約500RPMで実施され得る。
様々な実施形態において、インキュベーション混合物を物理的に破壊することは、約5秒〜約10分、約30秒〜約1分、約45秒〜約1分、約1分間などの各インキュベーションサイクルで実施され得る。例えば、該インキュベーション混合物を物理的に破壊することは、約5秒〜約10分、約30秒〜約1分、約45秒〜約1分、約1分間などのうちの1つまたは複数の間、振とうすることにより各インキュベーションサイクルで実施され得る。インキュベーション混合物をインキュベートすることは、独立して、約5分〜約5時間、約10分〜約2時間、約15分〜約1時間、約25分〜約45分などの時間、各インキュベーションサイクルで実施され得る。各インキュベーションサイクルは、独立して、約5分〜約5時間インキュベートすることおよび約5秒〜約10分間物理的に破壊すること;約10分〜約2時間インキュベートすることおよび約30秒〜約1分間物理的に破壊すること;約15分〜約1時間インキュベートすることおよび約45秒〜約1分間物理的に破壊すること;約25分〜約45分インキュベートすることおよび約45秒〜約1分間物理的に破壊すること;ならびに約1分間インキュベートすることおよび約1分間物理的に破壊すること、のうちの1つまたは複数の間、インキュベーション混合物をインキュベートすることおよび物理的に破壊することを含み得る。
インキュベーションサイクルを実施することは、約2回〜約1000回、約5回〜約500回、約50回〜約500回、約150回〜約250回など、反復され得る。インキュベーション混合物をインキュベートすることは、独立して、各インキュベーションサイクルで、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50℃の温度、または前記値の任意の2つの間の範囲、例えば約15℃〜約50℃で実施される。
複数の実施形態において、試料をモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることは、生理的条件下で実施され得る。試料をモノマーフォールディングタンパク質と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることは、試料をモル過剰のモノマータンパク質と接触させることを含み得る。モル過剰は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質に含まれるタンパク質モノマーの総モル量よりも大きくなり得る。モノマーフォールディングタンパク質におよび/または可溶性ミスフォールディングタンパク質は、例えばモノマーフォールディングタンパク質および/または可溶性ミスフォールディングタンパク質のタンパク質分解切断によって形成された、1つまたは複数のペプチドを含み得る。例えばADの場合、モノマーフォールディングタンパク質および/または可溶性ミスフォールディングタンパク質は、アミロイド前駆体タンパク質のβ−またはγ−セクレターゼ切断を介して形成された1つまたは複数のペプチドを含み得る。例えばADの場合、モノマーフォールディングタンパク質および/または可溶性ミスフォールディングタンパク質は、Aベータ40およびAベータ42のうちの1つまたは複数を含み得る。さらに例えばPDの場合、モノマーフォールディングタンパク質および/または可溶性ミスフォールディングタンパク質は、αS−140のタンパク質分解切断を介して形成された1つまたは複数のペプチドを含み得る。モノマーαSタンパク質および/または可溶性オリゴマーαSタンパク質は、αS−140、αS−126、αS−112などのうちの1つまたは複数を含み得る。本明細書で用いられる「αS−140」は、全長140アミノ酸α−シヌクレインタンパク質を指す。他のアイソフォームとしては、「αS−126」、つまり例えばエクソン3の欠損により、残基41〜54が欠如したアルファ−シヌクレイン−126;および「αS−112」、つまり例えばエクソン5の欠損により、残基103〜130が欠如したアルファ−シヌクレイン−112を挙げることができる。
様々な実施形態において、該モノマーフォールディングタンパク質は、化学合成、組換え生成、または非組換え生体試料からの抽出のうちの1つによって生成され得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、実質的に可溶性ミスフォールディング凝集物であり得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、実質的に可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数であり得る。
様々な実施形態において、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定するキットが、提供される。該キットは、既知量のモノマーフォールディングタンパク質と、既知量の可溶性ミスフォールディングタンパク質指示薬と、を含み得る。該キットは、取扱説明書を含み得る。該取扱説明書で、本明細書に記載された方法のいずれかを実施するようにユーザに指導され得る。例えば該取扱説明書で、試料を、既知量のモノマーフォールディングタンパク質および既知量の可溶性ミスフォールディングタンパク質指示薬のうちの1つまたは複数と接触させて、インキュベーション混合物を形成させることがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させるのに効果的になるように2回以上のインキュベーションサイクルを実施することがユーザに指導され得る。各インキュベーションサイクルは、可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在下で、モノマーフォールディングタンパク質の少なくとも一部のミスフォールディングおよび/または凝集を誘発するのに効果的になるようにインキュベーション混合物をインキュベートして、ミスフォールディングタンパク質の増幅部分を形成させることを含み得る。各インキュベーションサイクルは、例えば可溶性ミスフォールディングタンパク質を放出するために、存在する任意のタンパク質凝集物の少なくとも一部を分解するのに効果的になるようにインキュベーション混合物を物理的に破壊することを含み得る。該取扱説明書で、可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することによって、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を判定することがユーザに指導され得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、可溶性ミスフォールディングタンパク質およびミスフォールディングタンパク質の増幅部分を含み得る。
様々な実施形態において、該キットは、既知量のモノマーフォールディングタンパク質と、既知量の可溶性ミスフォールディングタンパク質指示薬と、を含み得る。該キットは、個々のプレートまたは装置の1つまたは複数として、組み合わせた装置としてなどで含まれる、マルチウェルマイクロタイタープレート(multiwall microtitre plate);マイクロ流体プレート;振とう装置;インキュベーション装置;および蛍光測定装置のうちの1つまたは複数を含み得る。例えば振とうマイクロプレートリーダを用いて、インキュベーションおよび振とうのサイクルを実施して、実験過程のThT蛍光発光を自動測定することができる(例えば、FLUOstar OPTIMA、BMG LABTECH Inc.,ノースカロライナ州カリー所在)。
該キットの複数の実施形態において、可溶性ミスフォールディングタンパク質の指示薬の指示状態および非指示状態は、蛍光の差を特徴とし得る。該取扱説明書で、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在を蛍光分光法によって判定することがユーザに指導され得る。
該キットの幾つかの実施形態において、可溶性ミスフォールディングタンパク質の指示薬としては、チオフラビンT、コンゴーレッド、m−I−スチルベン、クリサミンG、PIB、BF−227、X−34、TZDM、FDDNP、MeO−X−04、IMPY、NIAD−4、発光コンジュゲートポリチオフェン、緑色蛍光タンパク質および黄色蛍光タンパク質などの蛍光タンパク質との融合物、それらの誘導体などのうちの1種または複数を挙げることができる。該モノマーフォールディングタンパク質は、共有結合により取り込まれた放射性アミノ酸、共有結合により取り込まれた同位体標識アミノ酸、および共有結合により取り込まれたフルオロフォアのうちの1つまたは複数を含み得る。
該キットの様々な実施形態において、該取扱説明書で、本明細書に記載された方法のいずれかを実施することがユーザに指導され得る。例えば該取扱説明書は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を測定するためのユーザへの指導を含み得る。該取扱説明書で、ウェスタンブロットアッセイ、ドットブロットアッセイ、酵素免疫測定法(ELISA)、チオフラビンT結合アッセイ、コンゴーレッド結合アッセイ、沈降アッセイ、電子顕微鏡測定、原子間力顕微鏡測定、表面プラズモン共鳴、および分光法などのうちの1つまたは複数を実施することによって可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することがユーザに指導され得る。
該取扱説明書で、インキュベーション混合物をプロテアーゼと接触させること、ならびにウェスタンブロットアッセイ、ドットブロットアッセイ、およびELISAのうちの1つまたは複数において、抗ミスフォールディングタンパク質抗体を利用して可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出すること、によって可溶性ミスフォールディングタンパク質を検出することがユーザに指導され得る。
該キットの複数の実施形態において、該取扱説明書で、対象から試料を採取することがユーザに指導され得る。該取扱説明書は、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在に従って対象のPMDの存在を判定するためのユーザへの指導を含み得る。試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の存在は、対照群の対象から採取された対照試料に比較して判定され得る。該取扱説明書で、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を、所定の閾値量に比較することによって、対象のPMDの存在を判定することがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、羊水;胆汁;血液;脳脊髄液;耳垢;皮膚;滲出液;糞便;胃液;リンパ;乳;粘液、例えば鼻分泌物;粘膜、例えば鼻粘膜;腹水;血漿;胸水;膿;唾液;皮脂;精液;汗;滑液;涙液;尿などのうちの1種または複数を含む試料を得ることがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量を、試料と異なる時間に対象から採取された比較試料中の可溶性ミスフォールディングタンパク質の量に比較することによって、対象のPMDの進行または恒常性を測定することがユーザに指導され得る。
該取扱説明書で、試料およびインキュベーション混合物の1つまたは複数の中で可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮することがユーザに指導され得る。例えば該キットは、可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮または捕捉するように構成された1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体を含み得る。該1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、可溶性ミスフォールディングタンパク質のアミノ酸配列に特異的な抗体、および可溶性ミスフォールディングタンパク質のコンフォメーションに特異的な抗体のうちの1つまたは複数を含み得る。該取扱説明書で、該1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体を、可溶性ミスフォールディングタンパク質に接触させて、捕捉された可溶性ミスフォールディングタンパク質を形成させることによって、可溶性ミスフォールディングタンパク質を選択的に濃縮することがユーザに指導され得る。該1種または複数の可溶性ミスフォールディングタンパク質の特異的抗体は、提供されて固相に連結され得る。該固相は、磁気ビーズおよびマルチウェルプレートのうちの1つまたは複数を含み得る。
該キットの様々な実施形態において、インキュベーション混合物を物理的に破壊するための取扱説明書で、音波処理、撹拌、振とう、凍結/解凍、レーザ照射、オートクレーブインキュベーション、高圧、ホモジネーションなどのうちの1つまたは複数を利用することがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、本明細書に記載された任意のRPM範囲に従って、例えば約50RPM〜10,000RPMで周期的撹拌を実施することがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、各インキュベーションサイクルで本明細書に記載された任意の時間範囲に従って、例えば約5秒〜10分間、物理的破壊を実施することがユーザに指導され得る。該取扱説明書で、各インキュベーションサイクルで本明細書に記載された任意の時間範囲に従って、例えば約5分〜5時間、インキュベーション混合物をインキュベートすることがユーザに指導され得る。該インキュベーションサイクルを実施するための取扱説明書で、本明細書に記載された任意の反復回数、例えば約2回〜約1000回、インキュベーションサイクルを実施することがユーザに指導され得る。該インキュベーションサイクルを実施するための取扱説明書は、約15℃〜約50℃の温度でインキュベートするためのユーザへの指導を含み得る。
該キットの様々な実施形態において、該モノマーフォールディングタンパク質は、化学合成、組換え生成、または非組換え生体試料からの抽出のうちの1つによって生成され得る。可溶性ミスフォールディングタンパク質は、実質的に可溶性ミスフォールディング凝集物であり得る。ミスフォールディングタンパク質の増幅部分は、実質的に可溶性ミスフォールディング凝集物の増幅部分、および不溶性ミスフォールディング凝集物のうちの1つまたは複数であり得る。
実施例
実施例1:合成Aβオリゴマーの調製
Aβ1−42を、Yale大学W.Keck Facilityにて固相N−tert−ブチルオキシカルボニルの化学作用を利用して合成し、逆相HPLCによって精製した。最終生成物を凍結乾燥し、アミノ酸分析および質量分析によって特徴づけた。凝集されたミスフォールディングAβタンパク質を含まない原液を調製するために、凝集物を高pHに溶解し、30kDaカットオフフィルターでろ過して、残留する凝集物を除去した。異なるタイプの凝集物を調製するために、シード不含のAβ1−42の溶液(10μM)を、0.1M Tris−HCl(pH7.4)中、25℃で異なる時間、撹拌しながらインキュベートした。この調製物は、インキュベーション時間に応じて異なる割合で、Aβモノマー、そしてフィブリル、プロトフィブリルおよび可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の混合物を含有した。凝集の度合いを、ThT蛍光発光、ネガティブ染色後の電子顕微鏡、A11コンフォメーション抗体を用いたドットブロット試験および4G8抗Aβ抗体を用いたゲル電気泳動後のウェスタンブロットによって特徴づけた。
異なるサイズのAβオリゴマーの混合物を、フィブリル形成の過程で作製した。具体的には、可溶性ミスフォールディングAβタンパク質を、モノマー合成Aβ1−42(10μM)を撹拌しながら25℃でインキュベートすることよって調製した。5時間のインキュベーション後に、多量の可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の球状の外観が、ネガティブ染色後の電子顕微鏡測定によって観察され、少量のみのプロトフィブリルおよびフィブリルも観察された。10時間目にプロトフィブリルが主に観察され、24時間目に、長いフィブリルが多量に観察された。図1Aは、インキュベーションの0時間目、5時間目、10時間目、および24時間目に撮影された電子顕微鏡写真を示している。
可溶性ミスフォールディングAβタンパク質凝集物を、Kayed, et al. “Common structure of soluble amyloid oligomers implies common mechanism of pathogenesis,” Science 2003, 300, 486−489の方法に従ってA11抗オリゴマー特異的抗体を利用して陽性とテストされた。10時間および24時間のさらなるインキュベーションの後、プロトフィブリルおよびフィブリル構造を観察した。凝集物のサイズを、定義された孔径のフィルターでのろ過およびSDS−PAGE分離後のウェスタンブロットによって測定した。5時間のインキュベーションによって形成された可溶性ミスフォールディングAβタンパク質は、30kDaカットオフのフィルター中に保持され、1000kDaカットオフのフィルターを通過した。図1Bは、可溶性ミスフォールディングAβタンパク質凝集物のウェスタンブロットである。この可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の電気泳動分離から、該材料の大部分が約170kDaのSDS耐性凝集物として移動し、17kDaに小さなバンドを有することが示された。
実施例2:Aβ−PMCAは合成Aβオリゴマーを検出する
実施例2A.Aβ凝集のシーディングを、異なる量の合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質(対照(Aβオリゴマー不含);または合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質3、80、300、および8400フェムトモル)を含み、または含まずに、チオフラビンTの存在下でシード不含Aβ1−42の溶液をインキュベーションすることによって試験した。Aβ−PMCAの一般的手順:0.1M Tris−HCl(pH7.4)中の2μM凝集物不含Aβ1−42の溶液(総量200μL)を、不透明96ウェルプレートに入れ、単独で、または合成Aβ凝集物(実施例1に記載された通り5時間インキュベートすることにより調製)もしくはCSFアリコット40μLの存在下でインキュベートした。試料を5μMチオフラビンT(ThT)の存在下でインキュベートし、22℃の一定温度でEppendorfサーモミキサーを利用して周期的攪拌に供した(500rpmで1分間、その後、振とうせずに29分間)。様々な時点で、ThT蛍光をプレート内で、プレート分光蛍光計を用いて435nmで励起した後、485nmで測定した。図2Aは、示されたフェムトモル濃度の合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質シードを用いた、チオフラビンTの蛍光による測定でのアミロイド形成(循環増幅を含まない)対時間のグラフである。緩衝液のペプチド濃度、温度およびpHをモニタリングして、誘導期の度合いおよび実験間の再現性を制御した。これらの条件下では、自然なAβ凝集物は、実験が実施された時間(125時間)では検出されなかった。モノマーAβ1−42タンパク質の凝集が、0.3〜8.4fmolの実施例1の合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の存在下で観察された。
実施例2B:インキュベーションと物理的破壊の組み合わせ期である増幅サイクルを用いた。図2Aと同じ試料を、周期的撹拌(500rpmで1分間撹拌した後、振とうせずに29分間)を行いながらインキュベートした。凝集を、プレート分光蛍光計(励起435;発光485)を用いて、アミロイドフィブリルへのチオフラビンT(ThT)結合によって経時的に測定した。グラフは、三重測定の平均および標準誤差を示す。Aβオリゴマーの濃度は、平均分子量170kDaと仮定して推定した。図2Bは、様々な濃度の実施例1の合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質に関する時間の関数として、ThT蛍光によって測定された増幅周期促進アミロイド形成を示すグラフである。これらの条件下では、8400、300、80および3fmolの合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質によって誘導されたモノマーAβ1−42タンパク質の凝集が、明らかにより急速であり、合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の非存在下で観察されたものとより容易に識別された。この結果から、これらの条件下での検出限界が、所与の試料中では3fmol以下の可溶性ミスフォールディングAβタンパク質であることが示される。
実施例3:Aβ−PMCAは、AD患者の脳脊髄液中のミスフォールディングAβを検出する
CSFのアリコットを、AD患者50名、非変性神経疾患(NND)に罹患した認知的に正常な個体39名、および他の形態の認知症をはじめとする非AD神経変性疾患(NAND)に罹患した個体37名から得た。テストCSF試料を、DSM−IVおよびNINCDS−ADRA指針(McKhann et al., 1984)による定義と、様々なテスト、例えば日常的医学検査、神経学的評価、神経心理学的評定、磁気共鳴画像、ならびにAβ1−42、総タウおよびホスホタウのCSFレベルの測定などを利用した測定と、によりおそらくADであると診断された患者50名から得た。試料採取時のAD患者の平均年齢は、71.0±8.1歳(範囲49〜84歳)であった。対照CSF試料を、正常圧水頭症の症例12名、末梢神経傷害の患者7名、種々の形態の脳腫瘍の患者7名、ICTUS患者2名、重度頭痛の患者1名、脳炎患者3名、高血圧患者1名、および潰瘍診断の6名からなる非変性神経疾患(NND)に罹患した患者39名から得た。CSF試料がこの患者群から採取された時の平均年齢は、64.6±14.7歳(範囲31〜83歳)であった。対照CSF試料はまた、前頭側頭型認知症10名(行動障害型5名および言語障害型5名)、パーキンソン病の患者6名(認知症関連4名および運動ニューロン疾患1名)、進行性核上性麻痺患者6名、脊髄小脳失調6名(認知症関連1名)、筋萎縮性側索硬化症4名、ハンチントン病2名、MELAS1名、レビー小体型認知症1名、および血管型認知症1名からなる非AD神経変性疾患(NAND)に罹患した個体37名から採取した。この群の試料採取時の平均年齢は、63.8±11.1歳(範囲41〜80歳)であった。CSF試料は、一夜絶食後に非外傷性針によるL4/L5間またはL3/L4間の腰部穿刺によってポリプロピレン試験管に採取した。試料を4℃および3,000gで3分間遠心分離し、分取して、分析まで−80℃で貯蔵した。CSF細胞カウント、グルコースおよびタンパク質濃度を測定した。アルブミンを、レートネフェロメトリーによって測定した。血液脳関門の統合性および髄腔内IgG産生を評価するために、アルブミン比率(CSFアルブミン/血清アルブミン)×10およびIgG指数(CSFアルブミン/血清アルブミン)(CSF IgG/血清IgG)を計算した。この試験は、Helsinki Declarationの条項にしたがって実施され、Ethics Committeeにより認可された。
実験と分析の開始部分は、盲検で実施した。図3Aは、AD、NND、およびNAND群から得られた代表的試料5つのAβ凝集の平均反応速度を示すThT蛍光標識の関数として測定されたアミロイド形成対時間のグラフである。
結果から、AD患者からのCSFが対照CSFに比較してAβ凝集を有意に促進することが示される(P<0.001)。ヒトCSF試料の存在下でのAβ凝集反応速度における差の有意性は、一元配置分散分析と、それに続くテューキー多重比較事後検定によって解析した。有意水準は、P<0.05に設定した。ADと他の2群の試料との差は、P<0.001(***)で高い有意性があった。
図3Bは、AD、NNDおよびNAND群から得られた試料についての時間単位での誘導期時間のグラフである。Aβ凝集に及ぼす個々の試料の影響を測定するために、誘導期を推定して、対照緩衝液試料を差し引いた後の40任意単位よりも大きなThT蛍光までの時間として定義した。この値は、対照緩衝液試料の測定値のおよそ5倍に対応することを考慮して選択された。
図3Cは、180Aβ−PMCAサイクル、即ち90時間インキュベーション(P90)の後に得られたアミロイド形成の度合いを示すグラフである。実験群の間での誘導期およびP90の比較から、ADと、非変性神経疾患または非AD神経変性疾患の個体から得られた対照試料との有意差が明らかである。さらに、凝集パラメータとAD患者の年齢との間に相関が検出されず、マーカのレベルが、患者の年齢ではなく患者のCSFにおける凝集Aβタンパク質に対応することが示される。
図5の表1は、誘導期数を利用して計算されたAβ−PMCAテストの感度、特異度および予測値の推定を示す。
再現性を試験するために、図3A〜Cに示されたものと類似の実験を、独立して、異なる試料、試薬、およびAβ−PMCAの基質としてのAβペプチドの新しいバッチを用いて実施した。300Aβ−PMCAサイクル、即ち150時間インキュベーション(P150)の後に得られたアミロイド形成の度合いを、各患者で測定した。対照群には、他の神経変性疾患に罹患したヒトおよび非神経病の患者の両者が含まれる。各試料のデータは、二重測定の平均を表す。統計学的差を、スチューデントt検定により解析した。図6は、300Aβ−PMCAサイクル、即ち150時間インキュベーション(P90)の後に得られた試料の時間単位での誘導期時間のグラフである。
試験過程で、4番目の位置に由来するCSF試料の全組み合わせは、高濃度の合成オリゴマーを添加した後でも全く凝集しなかった。試料採取時の試薬汚染が、アッセイを妨害したと予測される。
異なる試料間の凝集反応速度の差を、誘導期、A50およびP90をはじめとする様々な異なる反応速度パラメータの推定によって評価した。誘導期は、緩衝液単独のバックグランド値の5倍よりも高いThT蛍光に達するのに必要となる時間と定義される。A50は、最大凝集の50%に達する時間に対応する。P90は、90時間目の凝集(ThT蛍光として測定)の度合いに対応する。感度、特異度および予測値は、このデータを用いて測定し、カットオフ閾値は、MedCalcソフトウェア(MedCalc Software、ベルギーのオステンド所在)を用いた受信者動作特性(ROC)曲線解析によって測定した。
実施例4:CSF中のADのAβ−PMCA検出のためのミスフォールディングAβの閾値の測定
図5、表1の裏づけとして、感度、特異度および予測値を、誘導期データを用いて測定し、カットオフ閾値は、MedCalcソフトウェア(バーション12.2.1.0、MedCalc、ベルギー所在)を用いた受信者動作特性(ROC)曲線解析によって測定した。図5、表1に示される通り、90.0%感度および84.2%特異度が、非変性神経疾患を有する年齢が一致した個体からなる対照群について推定された。反対に、他の形態の認知症をはじめとする他の神経変性疾患からのADの臨床的により関連した識別では、100%感度および94.6%特異度が推定された。ADを他の形態の神経変性疾患と区別するためのAβ−PMCAのこの能力は、臨床的に有意である。全ての対照個体を考慮した全体的感度および特異度は、それぞれ90%および92%であった。
Aβ−PMCAテストの性能を評価してAD患者を対照と区別するために、真陽性率(感度)を、異なるカットオフポイントの偽陽性率(特異度)の関数としてプロットした。この解析では、AD対NAND(図4A)、AD対NND(図4B)、およびAD対全ての対照試料(図4C)の誘導期の値を用いた。曲線下面積で推定されたテストの性能は、ADに対して、NAND、NNDおよび全ての対照と比較して、それぞれ0.996±0.0033、0.95±0.020および0.97±0.011であった。統計解析を、MedCale ROC曲線解析ソフトウエア(バージョン12.2.1.0)を用いて実施し、結果から、P<0.0001で該テストがADを対照と区別し得ることが示された。異なる組み合わせでの群比較について最も信頼性のあるカットオフポイントを推定するために、感度(青色線)および特異度(赤色線)を、各カットオフ値についてプロットした(図4D)。グラフは、AD対全ての対照試料(NANDおよびNND群を含む)の曲線および95%信頼区間を示す。これらのカットオフ値を用いて、図5、表1の感度、特異度および予測値を推定した。
実施例5:Aβオリゴマー免疫枯渇はヒト脳脊髄液におけるAβシードを除去し、Aβ−PMCAによるAD CSF中の可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の検出が確認される
免疫枯渇実験を実施して、Aβ−PMCAがCSF中に存在する可溶性ミスフォールディングAβタンパク質に関連するシーディング活性を検出することを確認した。可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の効率的免疫枯渇の方法論を最初に、合成的に調製された可溶性ミスフォールディングAβタンパク質を用いることによって最適化した。免疫枯渇は、Aβの配列を特異的に認識する抗体(4G8)とコンフォメーション抗体(A11)との混合物でコンジュゲートされたDynabeadsと共にインキュベートすることによって実施した。図7Aは、ヒトCSFに添加された合成的に調製されたAβオリゴマーを用いた免疫枯渇の結果を示すウェスタンブロットである。可溶性ミスフォールディングAβタンパク質は、この免疫枯渇によって効率的に除去された。
図7Aおよび7Bは、チオフラビンT蛍光により測定された、アミロイド形成対時間のグラフであり、AD CSF中のシーティング活性が可溶性ミスフォールディングAβタンパク質免疫枯渇によって除去されたことが実証される。4G8およびA11抗体での免疫枯渇前または後のAD CSFの試料を用いて、Aβ−PMCAアッセイにおいてAβ凝集のシードにした。免疫枯渇を、3つのAD CSFに適用した。図7Bは、対照および免疫枯渇CSF試料の反応速度を示すグラフである。図7Bは、免疫枯渇AD CSFの場合にAβ−PMCA反応でのAβ凝集の反応速度が対照CSF試料で観察されたものと同等で、両者とも免疫枯渇前のAD CSFで観察された凝集と有意に異なったことを示している。図7Cは、対照、およびAβ−PMCAアッセイによってモニタリングされたA11コンフォメーション抗体および凝集のみが枯渇された免疫枯渇CSF試料の反応速度を示すグラフである。図7Cは、ミスフォールディングAβを特異的に認識するA11コンフォメーション抗体を用いて免疫枯渇されたAD CSFを用いて得られた類似の結果を示す。これらの結果から、Aβ−PMCAがAD CSF中の可溶性ミスフォールディングβタンパク質を検出することが確認される。
実施例6:固相免疫捕捉
図8Aおよび8Bは、血漿などの複合試料から可溶性ミスフォールディングAβタンパク質を捕捉するために用いられる2つの固相法の略図である。方策1は、ELISAプレート上の固相に結合された特異的抗体でプレコーティングされたELISAプレートを用いた。プレートを洗浄した後、Aβ−PMCA反応を、同じプレートで実施した。方策2は、特異的抗体でコーティングされた固相として磁気ビーズを用いた。このアプローチは、試料の濃度を提供した。
実施例7:免疫捕捉の特異度
図9は、Aβオリゴマーを捕捉する特異的抗体の能力を実証する表2を示す。上のパネルは、この試験で用いられた種々の配列の抗体のAβタンパク質上のエピトープ認識部位の略図を示す。図9の表2は、Aβオリゴマーを捕捉するための異なる配列およびコンフォメーション抗体の効率を実証している。オリゴマーを捕捉する能力を、健常なヒト血漿における合成Aβオリゴマーの添加およびAβ−PMCAでの検出によって測定した。記号は、異なる抗体を用いた検出限界が<12fmol(+++);10〜100fmol(++);>1pmol(+)、および捕捉試薬なし(−)よりも有意に高くない、を示している。
実施例8:ヒト血漿に添加されたAβオリゴマーの検出
図10は、ヒト血漿に添加された可溶性ミスフォールディングAβタンパク質の検出を示すチオフラビンT蛍光によって測定されたアミロイド形成対時間のグラフである。プロテインGでプレコーティングされたELISAプレートを、抗コンフォメーション抗体(Acumenの16ADV)でコーティングした。それゆえ、プレートを、そのままのヒト血漿(対照)(100μl)または異なる濃度の合成可溶性ミスフォールディングAβタンパク質を添加されたヒト血漿(100μl)と共にインキュベートした。インキュベーション後に、プレートを、Aβ40モノマー(2μM)およびThT(5μM)の存在下でAβ−PMCAに供した(29分間インキュベーションおよび30秒間振とう)。アミロイド形成を、チオフラビン蛍光によって測定した。図10は、同様に働く3種の異なる抗体で実施された複数の実験の代表例である。
実施例9:AD患者試料対対照による、それらからの可溶性ミスフォールディングAβの捕捉
図11は、AD患者および対照からの血漿試料中のAβ−PMCAアッセイにおいて50%凝集に達するまでの時間を示すグラフである。ADに罹患した患者、非AD神経変性疾患(NAD)に罹患した患者および健常対照の血漿試料を、抗Aβ抗体(82E1)コーティングビーズと共にインキュベートした。Aβ−PMCAを、実施例2に記載された通り実施した。50%凝集に達するのに必要となる時間を、各群の個々の患者で記録した。差は、一元配置分散分析と、それに続くテューキー多重比較事後検定によって解析した。このデータのROC解析は、対照からAD患者を正しく同定することに関して82%の感度および100%の特異度を示した。
実施例10:音波処理および振とうは様々な検出方法で効果的になる
図12は、凝集を断片化する手段として振とうの代わりに音波処理を利用することによるAβ凝集の増幅の結果を示すウェスタンブロットである。実験は、異なる量の合成Aβオリゴマーの存在下で実施した。10μg/mlシード不含モノマーAβ1−42の試料を、単独(レーン1)で、または300(レーン2)fmol、30(レーン3)fmolおよび3(レーン4)fmolのミスフォールディングAβと共にインキュベートした。試料は、増幅せずに凍結するか(非増幅)、または96PMCAサイクルに供し(増幅)、それぞれには30分間のインキュベーションと、その後の20秒間の音波処理が含まれた。凝集Aβを、プロテアーゼK(PK)での試料の処置後の抗Aβ抗体を用いたウェスタンブロットによって検出した。本発明者らの実験では、チオフラビンT蛍光を用いた検出が音波処理と適合性がなく、物理的破壊法としての振とうによって非常にうまくいくことが観察された。図12は、Aβ凝集物のための異なる検出法、この場合、ウェスタンブロットを用いると、音波処理が振とうと同様にうまく働くことを示している。
実施例11:PMCA基質としてのモノマーAβの生成
シード不含モノマーAβを、サイズ排除クロマトグラフィーによって得た。手短に述べると、ジメチルスルホキシド中で調製された1mg/mLペプチド溶液のアリコットを、pH7.5の10mMリン酸ナトリウムで0.5mL/分で溶出されるSuperdex75カラムを用いて分画した。ピークは、220nmのUV吸収によって検出される。Aβのモノマー/ダイマーを含む4〜10kDa分子量に対応するピークを回収して、アミノ酸分析によって濃度を測定した。試料を貯蔵して、−80℃で凍結乾燥した。
実施例12:Aβの生成および精製
pET28 GroES−Ub−Aβ42プラスミドを含む大腸菌細胞を、37℃のルリアブロス(LB)培地で増殖させて、発現を0.4mM IPTGで誘導した。4時間後に、細胞を採取して、溶解緩衝液(20mM Tris−Cl(pH8.0)、10mM NaCl、0.1mM PMSF、0.1mM EDTAおよび1mM β−メルカプトエタノール)に溶解し、18,000rpmで30分間遠心分離した。封入小体を、6M尿素を含有する再懸濁緩衝液(50mM Tris−Cl(pH8.0)、150mM NaCl、および1mM DTT)に再懸濁させた。不溶性タンパク質を、18,000rpmでの30分間の遠心分離によって除去した。GroES−Ub−Aβ42融合タンパク質を含む上清が回収される。融合タンパク質からAβ42を切除するために、融合タンパク質を再懸濁緩衝液で2倍希釈し、1:100の酵素対基質モル比の組換え脱ユビキチン化酵素(Usp2cc)により37℃で2時間処理した。その後、試料をC18カラム(25mm×250mm、米国のGrace Vydac)にロードした。Aβ42を、溶媒系緩衝液1(30mM酢酸アンモニウム(pH10)、2%アセトニトリル)および緩衝液2(70%アセトニトリル)で、緩衝液2の20〜40%直線勾配を利用して、流速10ml/分で35分間にわたり精製した。精製されたAβ42を凍結乾燥して、使用まで−80℃で貯蔵した。
実施例13:PD−PMCAによるαSシードの検出
実施例13A:αS凝集物のシーディングを、異なる量の合成可溶性オリゴマーαSタンパク質:対照(αSオリゴマー不含);または1ng/mL、10ng/mL、100ng/mL、および1μg/mL合成可溶性オリゴマーαSタンパク質シードを含み、または含まずに、チオフラビンTの存在下でシード不含αSの溶液をインキュベーションすることによって試験した。αS−PMCAの一般的手順:PBS(pH7.4)中の100μg/mLαSシード不含αSの溶液(総量200μL)を、不透明96ウェルプレートに入れ、単独で、または示された濃度の合成αS凝集物もしくはCSFアリコット40μLの存在下でインキュベートした。試料を5μMチオフラビンT(ThT)の存在下でインキュベートし、22℃の一定温度でEppendorfサーモミキサーを利用して周期的攪拌に供した(500rpmで1分間、その後、振とうせずに29分間)。様々な時点で、ThT蛍光をプレート内で、プレート分光蛍光計を用いて435nmで励起した後、485nmで測定した。図13Aは、示された濃度の合成可溶性オリゴマーαSタンパク質シードを用いた、PD−PMCAによるαSシードの検出を示す、時間の関数としてのチオフラビンT蛍光のグラフである。緩衝液のペプチド濃度、温度およびpHをモニタリングして、誘導期の度合いおよび実験間の再現性を制御した。モノマーαSタンパク質の凝集が、1ng/mL、10ng/mL、100ng/mLおよび1μg/mL合成可溶性オリゴマーαSタンパク質シードのαSの存在下で観察された。
実施例13B:添加されたαSシードの量の関数としての50%凝集に達するまでの時間を、実施例1Aの試料を用いて測定した。図13Bは、添加されたαSシードの量の関数としてプロットされた50%凝集に達するまでの時間を示すグラフである。
実施例14:αS−PMCAはPD患者の脳脊髄液中のオリゴマーαSを検出する
対照およびPD患者から得られたヒトCSF試料中のシーディング活性の検出を、PD−PMCAによって実施した。PBS(pH7.4)中の精製されたシード不含アルファ−シヌクレイン(100μg/mL)を、確認されたPD、ADまたは非神経変性神経病(NND)を有するヒト患者から得られたCSFの存在下、500rpmで振とうしながら37℃で凝集させた。凝集の度合いを、プレート分光蛍光計を用いて435nmで励起した後、485nmのチオフラビン蛍光によってモニタリングした。
CSFのアリコットを、PD患者、非変性神経疾患(NND)に罹患した認知的に正常な個体、およびアルツハイマー病(AD)に罹患した患者から得た。テストCSF試料を、DSM−IVによる定義と、様々なテスト、例えば日常的医学検査、神経学的評価、神経心理学的評定、および磁気共鳴画像などを利用した測定と、によりおそらくPDであると診断された患者から得た。CSF試料は、一夜絶食後に非外傷性針によるL4/L5間またはL3/L4間の腰部穿刺によってポリプロピレン試験管に採取した。試料を4℃および3,000gで3分間遠心分離し、分取して、分析まで−80℃で貯蔵した。CSF細胞カウント、グルコースおよびタンパク質濃度を測定した。アルブミンを、レートネフェロメトリーによって測定した。血液脳関門の統合性および髄腔内IgG産生を評価するために、アルブミン比率(CSF アルブミン/血清アルブミン)×10およびIgG指数(CSFアルブミン/血清アルブミン)(CSF IgG/血清IgG)を計算した。この試験は、Helsinki Declarationの条項にしたがって実施され、Ethics Committeeにより認可された。
実験と分析の開始部分は、盲検で実施した。図14は、PD、ADおよびNND群から得られた代表的試料のαS凝集の平均反応速度を示すThT蛍光標識の関数として測定されたαSオリゴマー化対時間のグラフである。
結果から、PD患者からのCSFが対照CSFに比較してαS凝集を有意に促進することが示される(P<0.001)。ヒトCSF試料の存在下でのαS凝集反応速度における差の有意性は、一元配置分散分析と、それに続くテューキー多重比較事後検定によって解析した。有意水準は、P<0.05に設定した。PDと他の2群の試料との差は、P<0.001(***)で高い有意性があった。
実施例15:免疫捕捉の特異度
図15は、αSオリゴマーを捕捉する異なる配列またはコンフォメーション抗体の能力を実証する表3を示す。オリゴマーを捕捉する能力は、健常ヒト血漿に合成αSオリゴマーを添加し、αS−PMCAで検出することによって測定される。最初の欄は、テストされた様々な抗体および対応する商業的供給元を示す。二番目の欄は、この試験で用いられた種々の配列の抗体のαSタンパク質上のエピトープ認識部位の列挙である。三番目の欄は、αSオリゴマーを捕捉するための特異的抗体の観察された能力を示す。記号は、異なる抗体を用いた検出限界が<12fmol(+++);10〜100fmol(++);>1pmol(+)、および捕捉試薬なし(−)よりも有意に高くない、を示している。アルファ/ベータ−シヌクレイン抗体N−19(N−末端エピトープ)およびアルファ−シヌクレイン抗体C−20−R(C末端エピトープ)は最良の結果を示し、アルファ−シヌクレイン抗体211(エピトープ:アミノ酸121〜125)は、非常に良好な結果を示し、アルファ−シヌクレイン抗体204(エピトープ:断片1〜130)は、良好な結果を示し、16ADVマウスIgG1(コンフォメーションエピトープ)は、結果を示さなかった。
実施例16:固相免疫捕捉
図16Aおよび16Bは、血漿などの複合試料から可溶性ミスフォールディングαSタンパク質を捕捉するために用いられる2つの固相法の略図である。方策1は、ELISAプレート上の固相に結合された特異的抗体でプレコーティングされたELISAプレートを用いた。プレートを洗浄した後、αS−PMCA反応を、同じプレートで実施した。方策2は、特異的抗体でコーティングされた固相として磁気ビーズを用いた。このアプローチは、試料の濃度を提供した。
実施例17:ヒト血漿に添加されたα−シヌクレインオリゴマーの検出のためのαS−PMCA
ヒト血漿からのα−シヌクレインオリゴマーの免疫沈降を、抗α−シヌクレイン抗体でコーティングされたビーズ(Dynabeads)、および検出のためにチオフラビン−Tと共にシーディング基質としてα−シヌクレインモノマーを用いるシーディング凝集アッセイによって実施した。抗α−シヌクレイン抗体でコーティングされたビーズ(1×10個)を、α−シヌクレインシード(+0.2μgシード)を含み、またはα−シヌクレインシードを含まずに(−シード)、ヒト血漿(500μL)と共にインキュベートした。免疫沈降後に、ビーズを反応緩衝液20μLに再懸濁させて(1×PBS)、ビーズ10μLを96ウェルプレートの各ウェルに添加した。凝集アッセイを、α−シヌクレインモノマー(200μg/mL)およびチオフラビン−T(5μM)を添加することにより実施した。蛍光の増加を、435nmでの励起および485nmでの発光を利用した蛍光光度計によってモニタリングした。図17Aは、シードを含む、または含まない、血漿中のN−19抗体による免疫沈降/凝集結果を示す。図17Bは、シードを含む、または含まない、血漿中の211抗体による免疫沈降/凝集結果を示す。図17Cは、シードを含む、または含まない、血漿中のC−20抗体による免疫沈降/凝集結果を示す。
実施例18:αS−PMCAはPDおよび多系統萎縮症に罹患した患者の脳脊髄液中のオリゴマーαSを高い感度および特異度で検出する
PDおよび関連のα−シヌクレイン病、例えば多系統萎縮症(MSA)の生化学的診断のためのαS−PMCAの効率を試験するために、テストを、これらの疾患に罹患した多くの患者および他の疾患に罹患した対照からのCSFで実施した。図18A、18B、および18Cは、αS−PMCAを用いた、それぞれ対照、ならびにPDおよびMSAに罹患した患者のヒトCSF試料中のシーディング活性の検出を示している。緩衝液MES(pH6.0)中の精製されたシード不含アルファ−シヌクレイン(100μg/mL)を、ヒト患者および対照からのCSFの存在下、500rpmで振とうしながら37℃で凝集させた。凝集の度合いを、プレート分光蛍光計を用いて435nmで励起した後、485nmのチオフラビン蛍光によってモニタリングした。
テストCSF試料を、DSM−IVによる定義と、様々なテスト、例えば日常的医学検査、神経学的評価、神経心理学的評定、および磁気共鳴画像などを利用した測定と、によりおそらくPDおよびMSAであると診断された患者から得た。CSF試料は、一夜絶食後に非外傷性針によるL4/L5間またはL3/L4間の腰部穿刺によってポリプロピレン試験管に採取した。試料を4℃および3,000gで3分間遠心分離し、分取して、分析まで−80℃で貯蔵した。CSF細胞カウント、グルコースおよびタンパク質濃度を測定した。アルブミンを、レートネフェロメトリーによって測定した。この試験は、Helsinki Declarationの条項にしたがって実施され、Ethics Committeeにより認可された。
実験と分析の開始部分は、盲検で実施した。図18A、18Bおよび18Cは、それぞれ対照と、PDおよびMSA群から得られた2つの代表的試料と、のαS凝集の平均反応速度を示すThT蛍光標識の関数として測定されたαS凝集対時間のグラフである。
結果から、PD患者からのCSFが対照CSFに比較してαS凝集を有意に促進することが示される(P<0.001)。ヒトCSF試料の存在下でのαS凝集反応速度における差の有意性は、一元配置分散分析と、それに続くテューキー多重比較事後検定によって解析した。有意水準は、P<0.05に設定した。PDと他の2群の試料との差は、P<0.001(***)で高い有意性があった。
29のPDまたはMSA試料と、41の対照との全組の結果は、29のPDまたはMSA試料のうち26が陽性であったが、41の対照試料では3つが陽性であり、90%感度および93%特異度に対応した。
用語「包含する」または「包含している」が、本明細書または特許請求の範囲で用いられる限りにおいて、それは、過渡的言語として用いられる場合に解釈される用語「含んでいる」と類似の手法で包括的とする。さらに用語「または」が用いられる限りにおいて(例えば、AまたはB)、それは、「AもしくはBまたはその両方」を意味するものとする。本出願者らが、「AまたはBのみであって両方ではないこと」を示す場合、用語「AまたはBであり両方でない」が用いられよう。したがって本明細書における用語「または」の使用は、包括的使用であり、排他的使用ではない。Bryan A. Garner, A Dictionary of Modern Legal Usage 624 (2d. Ed. 1995)を参照されたい。同じく、用語「の中の」または「の中へ」が本明細書または特許請求の範囲で用いられる限りにおいて、それは、追加的に「の上で」または「の上へ」を意味する。用語「選択的に」が本明細書または特許請求の範囲で用いられる限りにおいて、それは、装置のユーザが装置使用において必要となるまたは望む構成要素の特色または機能を活性化または脱活性化し得るような構成要素の条件を指す。用語「動作可能に連結された」が本明細書または特許請求の範囲で用いられる限りにおいて、それは、識別された構成要素が指定された機能を実施する方法で連結されていることを意味するものとする。用語「実質的に」が本明細書または特許請求の範囲で用いられる限りにおいて、それは、識別された構成要素が対象となる業界で許容され得る誤差の度合いで示される関係または性能を有することを意味するものとする。
本明細書および特許請求の範囲で用いられる単数形「a」、「an」および「the」は、その単数形が明記しない限りは複数を含むものとする。例えば「a compound(化合物)」は、2つ以上の化合物の混合物および単一化合物を含み得る。
本明細書で数値と共に用いられる用語「約」は、その通史の±10%を含むものとする。言い換えれば「約10」は、9〜11を意味し得る。
本明細書で用いられる用語「場合による」および「場合により」は、次に記載される状況が、起こる場合、または起こらない場合があり、そのためその記載は、その状況が起こる例と、起こらない例を含む。
加えて、本開示の特色または態様が、マーカッシュ群に関して記載されている場合、本開示がそれによってマーカッシュ群の任意の各構成要素または構成要素の下位群に関しても記載されることは、当業者に認識されるであろう。当業者に理解される通り、記載された説明を提供することに関してなど、あらゆる目的で、本明細書に開示された全ての範囲も、あらゆる可能な下位範囲およびその下位範囲の組み合わせを包含する。任意の列挙された範囲は、同じ範囲を十分に記載し、少なくとも均等な半量、三分の一、四分の一、五分の一に分割することができるものと容易に認識することができる。非限定的例として、本明細書で議論された各範囲は、下部三分の一、中部三分の一および上部三分の一などに即座に分割され得る。同じく当業者に理解される通り、「まで」、「少なくとも」、「を超える」、「未満」などの全ての言語が、列挙された数値を含み、先に議論された通り次に下位範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者に理解されるであろうが、範囲は個々の構成要素を含む。例えば1〜3個のセルを有する群は、1、2、または3個のセルを有する群を指す。同様に1〜5個のセルを有する群は、1、2、3、4、または5個のセルを有する群を指す、などとなる。様々な態様および実施形態が、本明細書に開示されたが、他の態様および実施形態が、当業者に自明となろう。
先に述べられた通り、本出願は、その実施形態の記述によって例示されており、その実施形態は、かなり詳細に記載されたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限または限定することが本出願者の意図ではない。本出願の利益を有するさらなる利点および改良が、当業者に即座に明らかとなろう。それゆえ本出願は、より広範囲の態様において、特定の詳細、示された例示的実施例、または参照された任意の装置に限定されない。本発明の一般的概念の主旨および範囲を逸脱することなく、そのような詳細、実施例、および装置から逸脱することができる。
本明細書に開示された様々な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定ではなく、真の範囲および主旨は、以下の特許請求の範囲に示されている。

Claims (18)

  1. ヒトの生体試料中のα−シヌクレイン(α−syn)凝集物の存在を検出するための方法であって、
    (A)ヒトの生体試料を準備するステップと;
    (B)プレインキュベーション混合物を準備するステップであって、前記プレインキュベーション混合物が、
    (1)モノマーα−synタンパク質、
    (2)約6〜約7.4のpHを有する緩衝組成物、
    (3)1μM〜500mMの総濃度の塩組成物、および
    (4)チオフラビンT(ThT)
    を含む、ステップと;
    (C)前記ヒトの生体試料と前記プレインキュベーション混合物を混ぜ合わせてインキュベーション混合物を形成させるステップと;
    (D)前記インキュベーション混合物を断続的な攪拌サイクルでインキュベートして、インキュベートされた混合物を形成させるステップと;
    (E)前記インキュベートされた混合物を、前記ThTを励起する波長の光で照射するステップと;
    (F)インキュベーション中の蛍光のレベルを決定するステップであって、前記蛍光のレベルの増加が、前記ヒトの生体試料中のα−syn凝集物の存在を示す、ステップと;
    を含む方法。
  2. 前記緩衝組成物が、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)を含む、請求項1に記載の方法。
  3. インキュベート前の前記インキュベーション混合物における前記モノマーα−synタンパク質の総濃度が1μM〜200μMである、請求項1に記載の方法。
  4. インキュベート前の前記インキュベーション混合物における前記モノマーα−synタンパク質の総濃度が約6.54μM〜約65.4μMである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記モノマーα−synタンパク質が、化学合成、組換え生成、または非組換え生体試料からの抽出、のうちの1つによって生成される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記モノマーα−synタンパク質が、全長の140アミノ酸のα−synタンパク質またはその誘導体である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記インキュベートが22℃〜42℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記蛍光のレベルの増加が、攪拌サイクル前のインキュベーション混合物の蛍光のレベルと比較して、最大蛍光での前記インキュベートされた混合物の蛍光の標準偏差の少なくとも2倍の最大蛍光での前記インキュベートされた混合物の蛍光レベルの増加である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記塩組成物が、NaClおよびKClのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ヒトの生体試料が、羊水;胆汁;血液;脳脊髄液;耳垢;皮膚;滲出液;糞便;胃液;リンパ;乳;粘液;粘膜;腹水;血漿;胸水;膿;唾液;皮脂;精液;汗;滑液;涙液;および尿のうちの1種または複数を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ヒトの生体試料が脳脊髄液を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ヒトの生体試料が血液および/または血漿を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ヒトの生体試料が皮膚を含む、請求項1に記載の方法。
  14. α−シヌクレイン(α−syn)凝集物を調製するための方法であって、
    (A)ミスフォールディングα−synタンパク質を含むヒト脳脊髄液(CSF)試料を準備するステップと;
    (B)プレインキュベーション混合物を準備するステップであって、前記プレインキュベーション混合物が、
    (1)モノマーα−synタンパク質、
    (2)約6〜約7.4のpHを有する緩衝組成物、および
    (3)約500mMの総濃度のNaCl
    を含む、ステップと;
    (C)前記ヒトCSF試料と前記プレインキュベーション混合物を混ぜ合わせてインキュベーション混合物を形成させるステップと;
    (D)前記インキュベーション混合物を断続的な攪拌サイクルでインキュベートすることにより前記ミスフォールディングα−synタンパク質で前記モノマーα−synタンパク質の凝集を誘導して、α−syn凝集物を含むインキュベートされた混合物を形成させるステップと;
    を含む方法。
  15. 前記プレインキュベーション混合物がチオフラビンT(ThT)をさらに含む、請求項14に記載の方法であって、
    (A)前記インキュベートされた混合物を、前記ThTを励起する波長の光で照射するステップと;
    (B)インキュベーション中の蛍光のレベルを決定するステップであって、前記蛍光のレベルの増加が、前記ヒトCSF試料中のα−syn凝集物の存在を示す、ステップと;
    をさらに含む、方法。
  16. 前記インキュベートされた混合物を、前記ThTを励起する波長の光で照射するステップが、約435nmで照射することを含み、前記決定するステップが、約485nmでThTの蛍光をモニタリングすることを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記蛍光のレベルの増加が、攪拌サイクル前のインキュベーション混合物の蛍光のレベルと比較して、最大蛍光での前記インキュベートされた混合物の蛍光の標準偏差の少なくとも2倍の最大蛍光での前記インキュベートされた混合物の蛍光レベルの増加である、請求項15に記載の方法。
  18. 請求項14に記載の方法によって調製された、α−シヌクレイン(α−syn)凝集物。
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