JP7376040B2 - 神経変性疾患におけるバイオマーカー分子の検出方法 - Google Patents

神経変性疾患におけるバイオマーカー分子の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出方法、検出用キット及び検出装置、並びに当該タンパク質が蓄積する疾患の発症リスク及び/又は重症度を評価する方法に関する。
パーキンソン病は神経変性疾患の一種であり、その病理学的発症メカニズムはまだ明らかでは無く、パーキンソン病の根本的な治療方法は現時点では確立されていない。αシヌクレイン(aSyn)は、パーキンソン病の主な病態因子として認識されている。脳細胞内に通常存在するαシヌクレインのモノマーは、疾患脳においては凝集によりオリゴマー、プロトフィブリル、フィブリルへと変化する。これらは、非常に毒性が高いことが分かっている。それ故、パーキンソン病の発症前あるいは発症超早期の診断において、患者の脳脊髄液(CSF: CerebroSpinal Fluid)あるいは血中のaSynの凝集形態を検出することは極めて重要である。
微量のaSynフィブリルをaSynモノマーと混合させることにより、aSynモノマーの凝集が促進されることが明らかになっている。この現象に基づいて、Real-Time Quaking-Induced Conversion (RT-QuIC)法が開発され、蛍光プローブ分子(チオフラビンT)を用いて微量のaSyn凝集体を検出できたことが報告されている。しかし、RT-QuIC法は最終測定までに通常数万回のシェイキングを必要としており、測定時間が数十時間に及ぶことや、非特異的増幅が多く選択性が良くないこと、再現性が低いことなどの問題がある。また、臨床現場における実用技術として抗原抗体反応を利用したELISA技術が用いられているが、操作が煩雑であり測定に時間がかかるという問題に加えて、現行のものでは感度の点からも不十分であり、実用化には至っていない。さらにこれらのELISA法やRT-QuIC法は、一般実地臨床で実施することが難しい方法である。
本発明者の一人は、カンチレバーセンサを用いて、モデル細胞膜(リポソーム)上でアルツハイマー病の病原的因子であるアミロイドβタンパク質を検出したことを報告している(非特許文献1~3)。しかしながら、当該カンチレバーセンサを用いたアミロイドβタンパク質の検出感度は、最大で1 nMであり、更なる高感度化が必要であった。
Electroanalysis, Vol.28, 620-625(2016) Sensors and Actuators B, Vol.236, 893-899(2016) Electroanalysis, Vol.29, 722-729(2017)
本発明は、操作が簡便で高感度であり、短時間での測定が可能である、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出方法、検出用キット及び検出装置、並びに当該タンパク質が蓄積する疾患の発症リスクを早期に予測可能な方法及び重症度を評価可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、極低濃度のaSynフィブリルをaSynモノマーと予め混合しておき、この混合溶液を本発明者の一人が開発したカンチレバーセンサを用いて測定することで7 pMのaSynフィブリルであっても検出することができるという知見を得た。この結果から、本カンチレバーセンサで同様の測定を行うことで、百fMオーダーの超高感度な凝集aSynの検出が行えると推測される。
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次の特定のタンパク質の凝集体の検出方法、検出用キット及び検出装置、並びに特定のタンパク質が蓄積する疾患の発症リスク及び/又重症度を評価する方法を提供するものである。
項1.以下の工程を含む、プリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出方法:
(1)試料と、前記タンパク質のモノマーとを混合する工程、及び
(2)表面に脂質膜が固定化されたセンサに、工程(1)で得られた混合物を接触させ、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出する工程。
項2.前記プリオン又はプリオン類似タンパク質が、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン及びプリオンタンパク質から選択される、項1に記載の方法。
項3.前記プリオン又はプリオン類似タンパク質がαシヌクレインである、項1又は2に記載の方法。
項4.前記工程(2)において、カンチレバー、水晶発振子微量天秤、漏れ電流、発光、蛍光、又は局所ラマン分光法を利用して検出を行う、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
項5.前記工程(2)において、カンチレバーを利用して検出を行う、項1~4のいずれか一項に記載の方法。
項6.前記脂質膜がリポソームである、項1~5のいずれか一項に記載の方法。
項7.以下の工程を含む、プリオン又はプリオン類似タンパク質が蓄積する疾患の発症リスク及び/又は重症度を評価する方法:
(1)試料と、前記タンパク質のモノマーとを混合する工程、及び
(2)表面に脂質膜が固定化されたセンサに、工程(1)で得られた混合物を接触させ、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出する工程。
項8.前記プリオン又はプリオン類似タンパク質が、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン及びプリオンタンパク質から選択される、項7に記載の方法。
項9.前記疾患が、パーキンソン病、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、多系統萎縮症、又はクロイツフェルト・ヤコブ病である、項7又は8に記載の方法。
項10.以下を含む、プリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出用キット:
(3)前記タンパク質のモノマー、及び
(4)表面に脂質膜が固定化されたセンサであって、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出するためのセンサ。
項11.以下の手段を含む、プリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出装置:
(5)試料と、前記タンパク質のモノマーとを混合する手段、及び
(6)表面に脂質膜が固定化されたセンサに手段(5)で得られた混合物を接触させたときの、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出するための手段。
本発明の方法によれば、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体について、簡便且つ短時間で、高感度の検出が可能である。また、本発明の検出方法を利用することで、診断装置の小型装置化を行うことができる。
さらに、本発明の方法によれば、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質が蓄積する疾患の発症リスクの超早期の予測及び重症度の評価が可能となる。
本発明の検出方法を実施するためのセンサの概略構成を示すブロック図である。 センサアレイの断面図である。 センサアレイの下層の平面図である。 センサアレイの上層の平面図である。 センサユニットの平面図である。 センサユニットの部分拡大断面図である。 aSynモノマー(7μM)溶液とaSynフィブリル溶液(7 pM、70 pM、700 pM)との混合溶液のカンチレバーセンサでの検出結果(抵抗変化率(ppm))を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において「含む(comprise)」とは、「本質的にからなる(essentially consist of)」という意味と、「のみからなる(consist of)」という意味をも包含する。
本発明における検出とは、定性的な検出又は定量的な検出を意味する。
本発明のプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出方法は、以下の工程を含むことを特徴とする。
(1)試料と、前記タンパク質のモノマーとを混合する工程、及び
(2)表面に脂質膜が固定化されたセンサに、工程(1)で得られた混合物を接触させ、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出する工程。
本発明の検出方法で検出するのは、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体であり、中でも好ましくはαシヌクレインの凝集体である。
本発明で使用する試料としては、例えば、被験対象の生体試料などが挙げられる。被験対象は、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ、マウス、ラット、モルモットなどの哺乳動物であり、特にヒトである。生体試料としては、被験対象から単離された細胞、組織、体液等であり、好ましくは血液、脳脊髄液、涙、唾液、鼻汁、尿などの体液であり、特に好ましくは血液、脳脊髄液である。
試料として被験対象の生体試料を使用する場合は、工程(1)を行う前に公知の精製方法による精製を行うか、又は当該生体試料をそのまま使用してもよい。
試料と混合するタンパク質のモノマーは、検出することを目的とするタンパク質の凝集体を構成するタンパク質と同じ種類のものを使用する。当該タンパク質のモノマーとしては、ミスフォールディングしていない、正常な構造を有するタンパク質モノマーであり、凝集性を有していないものである。
タンパク質のモノマーと、検出することを目的とするタンパク質の凝集体とは、強力な選択性があり、異なる種類のタンパク質の組合せを使用した場合には、増幅、増倍現象は生じない。このように、タンパク質のモノマーとタンパク質の凝集体とは高い選択性を有しており、本発明では、この高い選択性の下、高感度性を実現できる。
タンパク質のモノマーは、該タンパク質のモノマーをコードする遺伝子を導入した形質転換体を培養することなどの公知の方法により製造することができる。形質転換体を作製するための宿主としては、例えば、大腸菌、酵母、哺乳類細胞、植物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。
試料と、タンパク質モノマーとの混合は、公知の手段により行うことができ、これらを単に添加するだけの操作であってもよく、好ましくは均質なものが得られる程度まで混合を行う。また、混合の際には、RT-QuIC法やProtein misfolding cyclic amplification (PMCA)法のように、試料とタンパク質モノマーとの混合物に対して、超音波処理や振動を繰り返し与える処理を行ってもよい。このような処理を行うことで、タンパク質の凝集体を増幅、増倍させることができる。
タンパク質モノマーの濃度は、タンパク質の凝集体を検出できる限り特に限定されず、試料とタンパク質のモノマーとの混合物中の最終濃度として、好ましくは1~60μM、より好ましくは3~30μMである。
本発明で使用するセンサの表面に固定化される脂質膜における脂質としては、例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸等のグリセロリン脂質、スフィゴミエリン等のスフィンゴリン脂質などが挙げられる。ターゲットとなるプリオン又はプリオン類似タンパク質と本脂質膜との相互作用は、主に疎水性相互作用であると検討されている。その点で、静電性相互作用を有しない中性親水基側脂質分子がターゲット選択性確保の点で必要であろうと考えている。荷電性の親水基側脂質分子は、血液、脳脊髄液中での非ターゲット分子となる多くの荷電性バイオ分子を非選択的に検出してしまう実験結果を有している。その観点では、(完全中性ではないが)親水基PCを有するDPPC等が有効と考えられる。また、本発明での脂質膜は脳細胞模擬膜であり、実脳細胞の構成成分比率が高い脂質種が有効である可能性も考えられる。その点でもDPPC等は同比率は高く適切ではないかと考えられる。以上から、中でも好ましい脂質としては、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルコリンが挙げられる。本発明で使用する脂質としては、炭素数12~18の脂肪酸残基を有するものが好ましく、パルミチン酸残基を有するものがより好ましい。脂質の具体例としては、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1-ジパルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)などが挙げられる。当該脂肪酸残基としては、1又は2個の不飽和結合を有するものであってもよい。アミロイドβ(1-40)での測定結果からは、疎水基長がより短い1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)が感度がより高い結果を有している。
脂質膜としては、単分子膜及び2分子膜のいずれであってもよく、好ましくは2分子膜である。脂質膜の形状としては、特に限定されず、平面構造や球構造(リポソーム)が挙げられ、好ましくはリポソームである。このような脂質膜には、コレステロール又はコレステロール誘導体を含ませることができる。脂質膜のコレステロール又はコレステロール誘導体の含量としては、脂質膜中に含まれる脂質の種類などに応じて適切な範囲を適宜設定することができる。アミロイドβ(1-40)での測定結果からは、脂質膜へのコレステロール添加により感度が向上した結果を有している。
脂質膜をセンサの表面に固定化する方法としては、各種公知の固定化方法を広く使用することができ、脂質膜を固定化するセンサ表面の材料(例えば、金属、金属酸化物、水晶、シリコン、ガラス、プラスチックなど)等に応じて好適な固定化方法を適宜決定することができる。
脂質膜をセンサの表面に固定化する方法としては、例えば、センサ表面に脂質膜を直接又はスペーサーを介して固定化する方法、センサ表面に形成された自己組織化膜に脂質膜を直接又はスペーサーを介して固定化する方法、センサ表面に形成された自己組織化膜の表面に固定化された高分子等を使用して脂質膜を直接又はスペーサーを介して固定化する方法、センサ表面にタンパク質等を固定化しこのタンパク質等に脂質膜を直接又はスペーサーを介して固定化する方法などが挙げられる。
本発明で使用するセンサにより、脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用の検出を行う。当該検出は、カンチレバー、水晶発振子微量天秤(QCM: Quartz Crystal Microbalance)、漏れ電流、発光、蛍光、又は局所ラマン分光法(LSPR: Localized Surface Plasmon Resonance)を利用して検出を行うことが好ましく、カンチレバーを利用して検出を行うことがより好ましい。
カンチレバーを利用して検出を行う場合、センサ面となるカンチレバーの表面に脂質膜を固定化することで、脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用を、カンチレバーの反り等による応力変化、形状変化として観測することができる。カンチレバーの応力変化、形状変化を観測する手法としては、カンチレバーのひずみゲージの抵抗変化率を測定する方法や、レーザー光を当ててその反射光の変化を検出する方法などが挙げられる。また、カンチレバーを振動させた場合には、周波数の変化や振幅の変化として脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用を検出することも可能である。
漏れ電流、発光、蛍光を利用して検出を行う場合、リポソーム中に導電性物質、発光物質、蛍光物質を含ませておくことで、脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用が生じた場合、リポソーム中からこれら導電性物質、発光物質、蛍光物質が漏れ出てくることから、導電性、発光、蛍光を観察することで脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用を検出することが可能である。
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本発明の検出方法によれば、タンパク質モノマーとタンパク質の凝集体との混合物を脂質膜に接触させた結果、脂質膜上でフィブリル(タンパク質凝集体)の増幅、増倍が生じることが、高い検出感度が得られる一因であると考えられる。
脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用の検出は、タンパク質の凝集体が増幅、増倍している段階、及び増幅、増倍が終了した段階のいずれの時点でも行うことができる。
本発明の検出方法によりタンパク質の凝集体を検出できる下限は、例えば、現時点データでは700 fM であり、当該カンチレバー抵抗変化出力である数10 ppmからは、10 ppmに相当する100 fMは検出可能である。これは、従来のELISA法と同程度の高感度である。
前述する方法に加えて、電気電子技術による高感度化手法として、S/N向上フィルタ技術、ペルチエ測定基板による温度制御技術による+/-0.1℃以内温度安定化で、さらに1、2桁高感度化できる結果を有している。
本発明の検出方法によれば、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体について、従来の方法(ELISA法やRT-QuIC法)より簡便且つ短時間で、従来のELISA法と同程度の高感度の検出が可能である。
また、本発明の検出方法をMEMS (Micro Electro Mechanical Systems)を用いて実現することで、診断装置の小型装置化を行うことができる。
本発明のプリオン又はプリオン類似タンパク質が蓄積する疾患の発症リスク及び/又は重症度を評価する方法は、上記の工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする。
プリオン又はプリオン類似タンパク質としては、例えば、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などが挙げられ、中でも好ましくはαシヌクレインである。
上記タンパク質が蓄積する疾患としては、特に制限されず、例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、多系統萎縮症、クロイツフェルト・ヤコブ病などが挙げられる。
α-シヌクレインが蓄積する疾患としては、パーキンソン病、レビー小体病型認知症、多系統萎縮症等が挙げられる。
アミロイドβタンパク質が蓄積する疾患としては、アルツハイマー病等が挙げられる。
タウタンパク質が蓄積する疾患としては、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症等が挙げられる。
TDP-43 (TAR DNA-binding protein 43 kDa)が蓄積する疾患としては、前頭側頭型認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等が挙げられる。
ハンチンチンが蓄積する疾患としては、ハンチントン病が挙げられる。
プリオンタンパク質が蓄積する疾患としては、クロイツフェルト・ヤコブ病等のプリオン病が挙げられる。
本発明において、上記タンパク質が蓄積する疾患の発症リスクの評価は、被験対象の生体試料と正常試料の上記タンパク質の凝集体の検出量の対比により行うことができる。正常試料の上記タンパク質の凝集体の検出量とは、上記タンパク質が蓄積する疾患に罹患していない健常者の生体試料における上記タンパク質の凝集体の検出量である。正常試料の上記タンパク質の凝集体の検出量は、過去に得られたデータから標準化されたものであってもよい。また、本発明において、上記タンパク質が蓄積する疾患の発症リスクの評価は、被験対象の生体試料と、同一の被験対象から一定期間前に採取された生体試料における上記タンパク質の凝集体の検出量の対比により行うこともできる。ここで一定期間とは、上記タンパク質の凝集体の量が同一の被験対象内で変化し得る程度の期間であれば特に制限されない。
本発明において、被験対象の生体試料の上記タンパク質の凝集体の検出量が、正常試料又は同一の被験対象から一定期間前に採取された生体試料における検出量と比較して上昇していた場合に、上記タンパク質が蓄積する疾患の発症リスクが高いとの判定を行うことができる。
本発明において、上記タンパク質が蓄積する疾患の重症度の評価は、被験対象の生体試料の上記タンパク質の凝集体の検出量に基づいて行うことができる。すなわち、上記タンパク質の凝集体の検出量が多くなるに従い、上記タンパク質が蓄積する疾患の重症度が高くなることから、上記タンパク質の凝集体の検出量に基づいて、上記タンパク質が蓄積する疾患の重症度について判定を行うことができる。このような重症度の判定に用いる、重症度に応じた上記タンパク質の凝集体の検出量は、過去に得られたデータから標準化されたものであってもよい。
本発明の方法により、上記タンパク質が蓄積する疾患の発症リスク又は罹患している可能性が高いと判定された場合、被験対象に対して上記タンパク質が蓄積する疾患の治療又は予防を行い得る。上記タンパク質が蓄積する疾患の治療又は予防方法としては、特に限定されず、公知の治療又は予防方法を各種採用することができる。
パーキンソン病の治療薬としては、これらに限定されないが、例えば、ドーパミンプロドラッグ(例えば、レボドパ)、ドーパミン作用薬(例えば、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、アポモルヒネ)、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤(例えば、トルカポン、エンタカポン)、抗コリン作用薬(例えば、トリヘキシフェニジル)、MAO-B阻害剤(例えば、セレギリン、ラサギリン)、N-メチル-D-アスパラギン酸阻害剤(例えば、アマンタジン)などが挙げられる。
アルツハイマー病の治療薬としては、これらに限定されないが、例えば、ドネペジル、メマンチン、ガランタミン、リバスチグミンなどが挙げられる。
本発明の発症リスク及び/又重症度を評価する方法によれば、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン、プリオンタンパク質などのプリオン又はプリオン類似タンパク質を検出することにより、当該タンパク質が蓄積する疾患の発症リスクの早期の予測及び重症度の評価が可能となる。
本発明のプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出用キットは、以下を含むことを特徴とする。
(3)前記タンパク質のモノマー、及び
(4)表面に脂質膜が固定化されたセンサであって、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出するためのセンサ。
本発明のキットを使用する方法は、前述するプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出方法を適用できる。
本発明のキットにおける、タンパク質のモノマー、センサなどは前述したものと同様である。
以下、本発明の検出方法を実施するための装置構成の一例について説明する。
図1は、本発明の検出方法を実施するための検出装置1の概略構成を示すブロック図である。検出装置1は、カンチレバーを利用して検出を行うものであり、筐体2と、センサアレイ3と、出力セレクタ4と、検出部5と、表示部6と、を備えている。センサアレイ3、出力セレクタ4、検出部5及び表示部6は、筐体2の内部に設けられている。
センサアレイ3は、図2~図4に示すように、複数のセンサ31を備えている。後述するように、センサ31は、センサ面となるカンチレバーの表面に固定化された脂質膜と、カンチレバーの反り(カンチレバー上で発生する応力変化)を検知するためのひずみゲージ(抵抗ゲージ)と、を備えている。ひずみゲージには、一定の電流が印加されており、各センサ31からの出力信号は、出力セレクタ4を介して検出部5に入力される。
検出部5は、脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用による抵抗ゲージでの抵抗変化を電気信号として検出するものであり、例えばホイートストンブリッジ回路を基本回路として備えた高感度抵抗計で構成することができる。抵抗計の精度として現在、有効数字6桁以上の市販品も使用できる。脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用によってカンチレバーの反り具合が変化すると、これに応じてひずみゲージの抵抗値が変化しセンサ31からの出力信号(電圧値)が変化する。検出部5は、センサ31からの出力信号に基づいて、ひずみゲージの抵抗変化率を測定し、脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用を検出する。これにより、タンパク質の凝集体の動的変化・分子成長、対応する濃度変化を高感度に測定できる。
なお、検出部5は、特許請求の範囲に記載の手段(6)に対応する。測定結果は、表示部6に表示される。
図2は、センサアレイ3の断面図であり、図3は、センサアレイ3の下層3bの平面図であり、図4は、センサアレイ3の上層3aの平面図である。
図2に示すように、センサアレイ3は、上層3aと、下層3bとから構成されている。下層3bは、Si層L1と、スペーサー層L2とを備えており、スペーサー層L2によって、センサ31が区分されている。
図3に示すように、センサ31は、下層3bにアレイ状に配置されている。各センサ31には、2つの配線が接続されており、該配線間に一定の電流が印加される。また、下層3bには、複数のマイクロ流路32が形成されている。各マイクロ流路32は、センサ31の配列方向(図3中縦方向)に伸びており、一端が上層3aの注入口33に接続され、他端が上層3aの排出口34に接続されている。
図4に示すように、上層3aには、図中横方向に伸びる複数のマイクロ流路35が形成されている。各マイクロ流路35は、一端がバルブ36を介して注入口37に接続され、他端が排出口38に接続されている。なお、バルブ36は、特許請求の範囲に記載の手段(5)に対応する。注入口37は、3つの注入口37a,37b,37cからなり、注入口37a,37b,37cから導入される各種溶液は、マイクロバルブ36で切り替えられる。また、各マイクロ流路35には、導入口39が形成されており、図2に示すように、各導入口39は、センサ31に通じている。
図5は、センサ31の平面図である。センサ31は、Si層L1上に形成されたカンチレバー31aを備えている。カンチレバー31a上には、ひずみゲージ(抵抗ゲージ)31bが形成されている。ひずみゲージ31bは例えばニクロム(NiCr)配線パターンであり、一端が入力電極31cに接続され、他端が取出電極31dに接続されている。入力電極31cと取出電極31dとの間には一定の電流が印加される。
図6は、センサ31の部分拡大断面図である。カンチレバー31aは、Si層L1、Si酸化物犠牲層L3及びSi層L4からなるシリコンオンインシュレーター(SOI)ウェハー上に、Si3N4層L5、NiCr層L6、及びAu層L7を堆積させ、フォトリソグラフィーによってパターニングした後、パッシベーション層L8及び極薄Au層L9を形成し、Si酸化物犠牲層L3をエッチングすることによって製造される。センサ使用前に、注入口33より自己組織化単分子膜(SAM)生成溶液を注入して極薄Au層L9上に自己組織化単分子膜31fを形成し、その後脂質種リポソーム溶液を注入してセンサ31内に導入することにより、自己組織化単分子膜31f上に脂質膜31g(リポソーム)が固定化される。なお、上記犠牲層エッチングの時点で、図5に示すエッチング孔31eが形成される。また、NiCr層L6はひずみゲージ31bとなる。
センサ使用時には、注入口37a,37cにモノマー溶液及び試料を注入する。それらの混合溶液は、マイクロ流路35及び導入口39を介してセンサ31内に導入される。試料にαシヌクレイン等のタンパク質の微量フィブリルが含まれている場合、試料とモノマー溶液との混合により、タンパク質の凝集体が生成される。そのため、混合溶液が脂質膜31gに接触すると、脂質膜31gとタンパク質の凝集体との相互作用により、カンチレバー31aにかかる応力、反り具合が変化する。これにより、センサ31でのひずみゲージ31bの抵抗が変化するため、検出部5への出力信号(電圧値)が変化し、脂質膜とタンパク質の凝集体との相互作用を検出することができる。
なお、センサ使用後は、注入口37bより洗浄液を注入して、各マイクロ流路およびセンサアレイ内の各センサ構造を洗浄する。
このようなセンサアレイとする目的として、(1)複数、異種ターゲット試料を各セルに供給し、同時計測が可能となる、(2)検出側脂質種(+コレステロール等含有物質)として複数、異種脂質での同時計測が可能となる、(3)同一条件で計測時のバラつき、再現性をセンサアレイ中複数セルで同時に計測することが可能となる、ことが挙げられる。
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
方法
・カンチレバー
NiCr薄膜ひずみゲージを備えたマイクロカンチレバーは、以前に報告されているように製造した([1], [2])。
簡単に説明すると、Si3N4、NiCr及びAuの膜を、RFスパッタリングによってシリコンオンインシュレーター(SOI)ウェハー上に連続的に堆積させ、フォトリソグラフィーによってパターニングした。次に、Cytop絶縁性薄膜をパッシベーション層として塗布形成した。最後に、カンチレバー構造を、埋込みSi酸化物犠牲層をエッチングすることによって形成した。
今回は、長さ400μm、幅250μmのカンチレバーを製造し、マイクロカンチレバー上に厚さ40 nmのNiCr薄膜ひずみゲージを形成し、ひずみゲージの感度、抵抗変化温度係数を最適化するためにNi:Cr比として1:1に調整した。また、ターゲット溶液の経時的な蒸発を数十時間オーダーで防ぐために、ポリジメチルシロキサン(PDMS)液滴シール構造を製造し、カンチレバーチップに備え付けた。
・リポソームの調製と固定化
カンチレバーに固定化するリポソームは、1%のホスファチジルエタノールアミン(PE)を添加した1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)を使用して以前に報告されているように製造した([1]、[3])。
また、カンチレバー表面へのリポソームの固定化についても以前に報告されているように行った([1])。簡単に説明すると、カンチレバーの金表面に16-メルカプトウンデカン酸の自己組織化単分子膜(SAM)を形成させた後、90%1,4-ジオキサン中のN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)を用いた脱水化により、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)と末端カルボキシル基を反応させた。その後、NHSの活性化エステルとPEとの間のアミノカップリングにより、SAM上にリポソームを固定化した。
・リポソームとタンパク質の相互作用の検出
カンチレバー表面に固定化されたリポソームとタンパク質とが相互作用すると、リポソームの形状や大きさが変化し、カンチレバー上に表面ストレスが生成する。この表面ストレスによりカンチレバーのたわみが発生し、このカンチレバーたわみはNiCrひずみゲージの抵抗変化に変換される。ひずみゲージの抵抗変化率は、カンチレバーのたわみ及びカンチレバーの表面ストレスに比例する。実験温度は、ひずみゲージの抵抗に対する温度変化の影響を減少させるために一定にした(室温23℃)。ひずみゲージの抵抗変化率は、ΔR/R0 (R0はひずみゲージの初期抵抗(約4.5 kΩ)、ΔRは抵抗の変化を表す)として定義した。NiCrひずみゲージの抵抗は、以前に報告されているように([1])、デジタルマルチメーター(R6581、株式会社アドバンテスト)を用いて4端子法により測定した。データは、Lab VIEW 2012により自動的に収集した。
・aSynフィブリルの検出
高濃度のaSynモノマー(7μM)溶液と極低濃度のaSynフィブリル溶液(7 pM、70 pM、700 pM)を1:1の割合でよく混合した(aSynモノマーの終濃度3.5μM)。その後、混合溶液を、カンチレバー上に形成されたPDMS製密閉液体保持構造内に注入した。注入の間には、混合溶液の注入と吸引を2回あるいは3回繰り返した。
結果
7μM aSynモノマーに添加した組換えaSynフィブリル(7 pM、70 pM、700 pM)による、カンチレバーセンサのひずみゲージの抵抗変化率の測定結果を図7に示す。図7から、aSynフィブリルを含まないaSynモノマー(3.5μM)のみの時間変化は無視できる程度であり、これはaSynモノマーとDPPCリン脂質とはほとんど相互作用しないことを示している。そして、aSynフィブリルと混合した場合、フィブリル濃度700 pMでは約600 ppm、70 pMでは約120 ppM、7 pMでは約80 ppmで飽和した。このように抵抗変化率は添加されたaSynフィブリル濃度の増加に伴って高くなっていた。7 pMのaSynフィブリルの抵抗変化率が数十ppmであったことから、本カンチレバーセンサでは数ppmまでの検出が可能であるため、百fMオーダーの高感度なaSyn検出が行えることが予想される。
[1] Z. Zhang, M. Sohgawa, K. Yamashita, M. Noda, Electroanalysis 2016, 28, 620-625.
[2] M. Sohgawa, Z. Zhang, T. Akai, K. Takada, K. Yamashita, M. Noda, IEEE Sens. J. 2015, 15, 7135-7141.
[3] M. Noda, T. Shimanouchi, M. Okuyama, R. Kuboi, Sens. Actuators B 2008, 135, 40-45.
1 検出装置
2 筐体
3 センサアレイ
3a 上層
3b 下層
4 出力セレクタ
5 検出部
6 表示部
31 センサ
31a カンチレバー
31b ひずみゲージ
31c 入力電極
31d 取出電極
31e エッチング孔
31f 自己組織化単分子膜
31g 脂質膜
32 マイクロ流路
33 注入口
34 排出口
35 マイクロ流路
36 マイクロバルブ
37 注入口
37a 注入口
37b 注入口
37c 注入口
38 排出口
39 導入口

Claims (8)

  1. 以下の工程を含む、試料中のプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出方法:
    (1)試料と、前記プリオン又はプリオン類似タンパク質のモノマーとを混合する工程、及び
    (2)表面に脂質膜が固定化されたセンサに、工程(1)で得られた混合物を接触させ、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出する工程
    前記プリオン又はプリオン類似タンパク質が、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン及びプリオンタンパク質から選択される、方法
  2. 前記プリオン又はプリオン類似タンパク質がαシヌクレインである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(2)において、カンチレバー、水晶発振子微量天秤、漏れ電流、発光、蛍光、又は局所ラマン分光法を利用して検出を行う、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程(2)において、カンチレバーを利用して検出を行う、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記脂質膜がリポソームである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  6. 以下の工程を含む、試料中のプリオン又はプリオン類似タンパク質が蓄積する疾患の発症リスク及び/又は重症度を評価する方法:
    (1)試料と、前記プリオン又はプリオン類似タンパク質のモノマーとを混合する工程、及び
    (2)表面に脂質膜が固定化されたセンサに、工程(1)で得られた混合物を接触させ、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出する工程
    前記プリオン又はプリオン類似タンパク質と疾患の組み合わせは以下である、方法、
    αシヌクレイン:パーキンソン病、レビー小体型認知症又は多系統萎縮症、
    アミロイドβタンパク質:アルツハイマー病、
    タウタンパク質:アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症又は進行性核上性麻痺、
    TDP-43:前頭側頭型認知症又は筋萎縮性側索硬化症、
    ハンチンチン:ハンチントン病、又は
    プリオンタンパク質:クロイツフェルト・ヤコブ病を含むプリオン病
  7. 以下を含む、プリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出用キット:
    (3)前記プリオン又はプリオン類似タンパク質のモノマー、及び
    (4)表面に脂質膜が固定化されたセンサであって、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出するためのセンサ
    前記プリオン又はプリオン類似タンパク質が、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン及びプリオンタンパク質から選択される、キット
  8. 以下の手段を含む、試料中のプリオン又はプリオン類似タンパク質の凝集体の検出装置:
    (5)試料と、前記プリオン又はプリオン類似タンパク質のモノマーとを混合する手段、及び
    (6)表面に脂質膜が固定化されたセンサに手段(5)で得られた混合物を接触させたときの、該脂質膜と前記タンパク質の凝集体との相互作用を検出するための手段
    前記プリオン又はプリオン類似タンパク質が、αシヌクレイン、アミロイドβタンパク質、タウタンパク質、TDP-43、ハンチンチン及びプリオンタンパク質から選択される、装置
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