この出願は、受動光ネットワーク技術の分野に関し、特に、データ伝送方法、関連する装置、及びシステムに関する。
近年、ブロードバンドアクセス技術が急速に発展し、受動光ネットワーク(passive optical network, PON)が大規模に適用されるとともに、急速に拡大している。ユーザデータに対する需要が増加するのに伴って、10G PONは、拡大展開の段階に入り、次世代PONシステムの規格は、徐々に開発されるとともに改良されつつある。
次世代PONシステムの伝送速度が増加するのに伴って、現在の光デバイスの帯域幅は、その要求を満たすことは不可能になる。次世代PONシステムの効果的な解決方法は、電気的領域等化技術を使用して、光デバイスの十分でない帯域幅を補償することである。
PONシステムは、ポイントトゥマルチポイント通信システムであり、アップリンクデータは、バーストモードで伝送される。複数の異なる時間期間において、光回線端末(optical line terminal, OLT)は、複数の異なる光ネットワークユニット(optical network unit, ONU)からデータを受信する。複数の異なるONUの光モジュールは、異なる帯域幅をサポートすることが可能である。複数の異なるONUとOLTとの間の距離は、異なっていてもよい。電気的領域等化技術を使用するときに、OLT側での電気的領域等化器の動作パラメータは、また、異なっていてもよい。PONシステムにおける現在の動作モードにおいて、アップリンクバーストデータを受信するときに、OLTの等化器は、受信したデータがいずれのONUからのデータであるかを認識しなくてもよく、長いプリアンブル又は長いトレーニングコードを使用することによって、等化器を最適化するとともに収束させる必要がある。最適化及び収束の際に、ONUは、有効なサービスデータを送信することは不可能である。結果として、PONシステムのアップリンク効率は低下するとともに、システムの有効帯域幅は影響を受ける。
PONシステムにおいて、OLTが、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別することが可能である場合に、電気的領域等化器の動作パラメータを前もって構成してもよい。これにより、その等化器の最適化及び収束のための時間を減少させるとともに、PONシステムのアップリンク効率を改善する。一方で、現在のPONシステムにおいては、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別する技術を欠いている。したがって、その問題を解決するための新しい方法が必要である。
この出願は、データ伝送方法、関連する装置、及びシステムを提供して、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
第1の態様によれば、この出願は、OLT側に適用されるデータ伝送方法を提供する。その方法は、OLTが、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信するステップであって、前記アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含み、前記同期データブロックは、第1の同期データを含み、前記第1の同期データは、第1のプリアンブル及び前記ONUの識別子を含み、前記第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、前記ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い、ステップを含んでもよい。前記OLTは、前記第1の同期データの中の前記ONUの前記識別子を取得する。
第1の態様における方法の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるか、又は、ONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行してもよい。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
アップリンクバーストデータの場合に、第1の同期データの中の第1のプリアンブルは、OLTが、短時間でデータに正しく応答することを可能とする(すなわち、第1のプリアンブルを除くアップリンクバーストデータのうちで、ONUの識別子及びペイロードを含む残りの部分を正しく識別する)。ONUの識別子は、一意のONU を示すのに使用されるか、又は、ONUのグループを示すのに使用される。ONUの識別子がONUのグループを示すのに使用されている場合に、そのグループの中のONUは、同様の性能を有してもよい。ペイロードは、ONUからOLTに伝送される有効なデータである。
第1の態様を参照すると、ある1つの選択的な実施形態において、前記同期データブロックは、第2の同期データをさらに含んでもよく、前記第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、前記第1の同期データの前記周波数分布が占有する前記帯域幅よりも広い。
第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅が、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭いときに、第1の同期データは、伝送プロセスにおいて(光ファイバの影響及び光トランシーバの性能の影響を含めて)OLTとONUとの間の伝送チャネルによってわずかに影響を受ける。この場合に、OLTは、等価技術の使用を省略してもよく、又は、あらかじめ設定されている等価パラメータに基づいて、受信したアップリンクバーストデータに対して等価を実行してもよく、それにより、アップリンクバーストデータの第1の同期データを復元することが可能である。したがって、データ処理時間を短縮することが可能である。
上記の選択的な実施形態を参照すると、選択的に、前記第2の同期データの送信レートは、前記ペイロードの送信レートに等しくてもよい。
第2の同期データの送信レートがペイロードの送信レートに等しいときに、OLTは、第2の同期データを使用してクロックを復元し、そして、復元したクロックを使用してペイロードを識別することが可能である。
上記の選択的な実施形態を参照すると、選択的に、前記第2の同期データの前記周波数分布が占有する前記帯域幅は、前記第1の同期データの前記周波数分布が占有する前記帯域幅の倍数である。本明細書においては、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の整数倍であってもよく又は非整数倍であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
本明細書においては、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅が、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の倍数となっている場合に、ペイロードに適用可能な第2のクロックを復元するための時間を短縮し、そして、データ処理速度を改善してもよい。
上記の選択的な実施形態を参照すると、選択的に、第2の同期データは、第2のプリアンブルを含んでもよく、第2のプリアンブルは、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードを識別するのに使用されてもよい。選択的に、第2の同期データは、第2の区切り文字をさらに含んでもよい。第2の区切り文字は、第2のプリアンブルの後ろに位置し、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードをより迅速に発見するのに使用されてもよい。
第1の態様及び上記の複数の選択的な方式のうちのいずれか1つを参照すると、第1の同期データは、第1の区切り文字をさらに含んでもよい。第1の区切り文字は、第1のプリアンブルとONUの識別子との間に位置していてもよく、又は、ONUの識別子の後ろに位置していてもよい。このことは、この出願においては限定されない。本明細書においては、第1の区切り文字は、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子をより迅速に発見するのに使用されてもよい。
第1の態様及び上記の複数の選択的な方式のうちのいずれか1つを参照すると、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を取得することは、具体的には、OLTが第1のプリアンブルに基づいて第1のクロックを復元し、そして、OLTがその第1のクロックを使用して第1の同期データの中のONUの識別子を識別することを含んでもよい。
具体的には、選択的な方式の具体的な実装は、以下のステップで詳述される。
1. ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信した後に、OLTは、最初に、アップリンクバーストデータのうちの第1の同期データを復元する必要がある。
複数の異なるバーストデータの間の振幅及び位相は大きく異なるが、それらの複数の異なるバーストデータの送信の間の時間間隔は、小さいので、以前のアップリンクバーストデータに適用可能であるOLTの現在のクロック及び決定レベルは、現在受信されているアップリンクバーストデータには適用することが不可能である。したがって、たとえ、第1の同期データを復元する場合であっても、OLTは、第1の同期データのうちの各々の部分の特定の値を正確に識別することが不可能である。
2. 第1の同期データを復元した後に、OLTは、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元する。
3. OLTは、第1のクロックを使用して、第1の同期データの中のONUの識別子を識別する。
本明細書においては、第1のプリアンブルの周波数は、ONUの識別子の周波数と一致する。したがって、ステップ2において復元されている第1のクロックは、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を識別するのに使用されてもよい。選択的に、場合によっては、ONUの識別子のコードタイプは、第1のプリアンブルのコードタイプとわずかに異なっている場合があり、OLTは、ONUの識別子を第1のプリアンブルと間違えることによって、ONUの識別子の正確な識別に失敗する場合がある。この選択的な場合には、第1の同期データは、第1の区切り文字をさらに含んでもよく、第1の区切り文字は、OLTがONUの識別子を迅速かつ正確に識別するのを支援することが可能である。
第1の態様及び上記の複数の選択的な方式のうちのいずれか1つを参照すると、選択的に、第1の態様のデータ伝送方法は、前記OLTが、ONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、前記ONU識別子に対応する等化パラメータを構成し、そして、前記構成される等化パラメータに基づいて、前記ペイロードに対して等化を実行することをさらに含んでもよい。
本明細書においては、等化パラメータは、これらには限定されないが、等化器のタップタイプ、等化器の次数、及びタップ係数等のうちの少なくとも1つを含む。
上記の選択的な方式において、アップリンクデータは、バーストモードでPONシステムにおいて伝送される。複数の異なる時間期間において、データ送信端(ONU)は変化する場合があり、データ送信端(ONU)とデータ受信端(OLT)との間のチャネルも、また、変化する場合がある。したがって、データ受信端がデータに対して等化処理を実行するのに使用される等化パラメータは、チャネルに応じて更新される必要がある場合がある。この出願においては、トレーニングによって、各々のONUの識別子に対応する等化パラメータを前もって取得し、そして、格納してもよい。等価パラメータは、伝送データに対するOLTとONUとの間のチャネルの影響を反映する場合がある。本明細書においては、トレーニング及び格納のプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
1. OLTは、ONUが送信する第1のメッセージを受信し、第1のメッセージは、第3のプリアンブル及び登録要求を含む。
2. OLTは、受信した第3のプリアンブルに基づいて、等化パラメータを決定する。
3. OLTは、ONUの識別子と決定された等化パラメータとの対応関係を格納する。
上記のプロセスによって、OLTは、PONシステムにおいて、伝送されるデータに対するOLTと各々のONUとの間のチャネルの影響を知ることが可能である。その次に、OLTは、その影響に基づいて、各々の伝送チャネルに対応する等化パラメータを決定し、そして、その決定された等化パラメータをONUの識別子に対応させてもよい。
上記の選択的な方式において、OLTは、等化技術を使用することによってペイロードを処理して、光デバイスの十分でない帯域幅を補償する。したがって、比較的小さな帯域幅を有する光デバイスの性能は、比較的大きな帯域幅を有する光デバイスと同等又はさらに良好な性能を有することが可能である。比較的小さな帯域幅を有する(OLT及びONUを含む)光デバイスは、また、アップリンク高速データ伝送を実装することが可能である。この場合には、次世代PONシステムの高速データ伝送要件を満足しつつ、アクセスネットワークのコストを減少させることが可能である。加えて、アップリンクバーストモードにおいては、アップリンクバーストデータを受信するときに、OLTは、ONUの識別子に基づいて、対応する等価パラメータを構成してもよく、等価パラメータを取得するためのトレーニングプロセスを必要とはしない。したがって、高速収束を実装することが可能であるとともに、アップリンクオーバヘッドを減少させることが可能である。加えて、効果的なアップリンク帯域幅を保証することが可能であるとともに、PONシステムのアップリンクデータ伝送効率を改善することが可能である。
第2の態様によれば、この出願は、ONU側に適用されるデータ伝送方法を提供する。その方法は、ONUがアップリンクバーストデータを生成するステップであって、前記アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含み、前記同期データブロックは、第1の同期データを含み、前記第1の同期データは、第1のプリアンブル及び前記ONUの識別子を含み、前記第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、前記ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い、ステップと、前記ONUがOLTに前記アップリンクバーストデータを送信するステップと、を含んでもよい。
本明細書においては、第2の態様において説明されているアップリンクバーストデータの構造及び機能と第1の態様において説明されているアップリンクバーストデータの構造及び機能とは同じである。第1の態様における関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
第3の態様によれば、この出願は、OLTを提供し、そのOLTは、第1の態様において説明されているデータ伝送方法を実行するように構成される。そのOLTは、メモリ及びそのメモリに結合されるプロセッサを含んでもよい。メモリは、第1の態様において説明されているデータ伝送方法の実装コードを格納するように構成される。プロセッサは、メモリに格納されているプログラムコードを実行するように構成される、すなわち、第1の態様によって提供される方法、又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行する。
第4の態様によれば、この出願は、ONUを提供し、そのONUは、第2の態様において説明されているデータ伝送方法を実行するように構成される。そのONUは、メモリ及びそのメモリに結合されるプロセッサを含んでもよい。メモリは、第2の態様において説明されているデータ伝送方法の実装コードを格納するように構成される。プロセッサは、メモリの中に格納されているプログラムコードを実行するように構成される、すなわち、第2の態様によって提供される方法、又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行する。
第5の態様によれば、この出願は、OLTを提供する。そのOLTは、複数の機能モジュールを含んでもよく、それらの複数の機能モジュールは、それに対応して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行するように構成される。
第6の態様によれば、この出願は、ONUを提供する。そのONUは、複数の機能モジュールを含んでもよく、それらの複数の機能モジュールは、それに対応して、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行するように構成される。
第7の態様によれば、この出願は、PONシステムを提供する。そのPONシステムは、OLT及びONUを含む。OLTは、第3の態様において説明されているOLTであってもよく、ONUは、第4の態様において説明されているONUであってもよい。代替的に、OLTは、第5の態様において説明されているOLTであってもよく、ONUは、第6の態様において説明されているONUであってもよい。
第8の態様によれば、この出願は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。読み取り可能な記憶媒体は、命令を格納する。コンピュータにおいてその命令を実行するときに、そのコンピュータが、第1の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
第9の態様によれば、この出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータにおいてそのコンピュータプログラム製品を実行するときに、そのコンピュータが、第1の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
第10の態様によれば、この出願は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。その読み取り可能な記憶媒体は、命令を含む。コンピュータにおいてその命令を実行するときに、そのコンピュータが、第2の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
第11の態様によれば、この出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータにおいてそのコンピュータプログラム製品を実行するときに、そのコンピュータが、第2の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
この出願の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行することが可能である。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
この出願にしたがった通信システムの概略的な構成図である。
この出願にしたがったOLTの概略的な構成図である。
この出願にしたがったONUの概略的な構成図である。
この出願にしたがったデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。
この出願にしたがったPONシステムにおけるアップリンクデータ伝送のシナリオの概略的な図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータの構成の概略的な図である。
この出願にしたがったデータ周波数分布の概略的な図である。
この出願にしたがったデジタル信号位相のシーケンス図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータの他の構成の概略的な図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータにおける第2の同期データの概略的な構成図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータにおける第1の同期データの概略的な構成図である。
この出願にしたがった他のデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。
この出願にしたがった等化パラメータトレーニングプロセスの概略的なフローチャートである。
この出願にしたがったOLT及びONUの機能ブロック図である。
この出願の複数の実装において使用される語の中には、この出願の複数の特定の実施態様を説明するのに使用されるにすぎないものもあるが、この出願を限定することを意図するものではない。
この出願によって提供されるデータ伝送方法をより良く説明するために、この出願の方法において使用される通信システムを最初に説明する。図1は、この出願にしたがった通信システムPON100の概略的な構成図である。PON100は、高速データ伝送を実行することが可能であり、(10G EPON及び50G EPON等の)イーサネット受動光ネットワーク(Ethernet PON, EPON)システム、(10G GPON及び50G GPON等の)ギガビット受動光ネットワーク(Gigabit-Capable PON, GPON)システム(例えば10G GPON及び50G GPON)、XG-PONシステムに限定されるものではなく、又は、将来的な発展型のPONシステムであってもよい。
図1に示されているように、PON100は、アクセスネットワークに適用され、コアネットワークにさまざまな端末デバイスを接続するように構成される。PON100は、OLT101、1つ又は複数のONU102、OLT101及びONU102を接続する光分配ネットワーク(optical distribution network, ODN)103を含んでもよい。
OLT101は、中央オフィスに位置し、ユーザ指向の受動光ネットワークに光ファイバインターフェイスを提供するように構成される。OLT101は、アップリンクにおいて(公衆交換電話ネットワーク(public switched telephone network, PSTN)、インターネット、又はCATV等の)上位層ネットワークに接続されて、PONシステムのアップリンクアクセスを完了する。OLT101は、ODNを介してONU102に接続されて、ONU102における制御、管理、及び測距等の機能を実装する。この出願においては、OLT101は、等化器を含み、その等化器は、ONU102が送信するアップリンクデータに対して等化を実行するように構成され、アップリンクデータ送信に対するチャネルフェージング及び符号間干渉等の影響を排除することが可能である。このことは、PON100のアップリンクデータ伝送効率を改善するとともに、OLT101の不十分な帯域幅を補償することが可能である。したがって、OLT101の性能は、より広い帯域幅を有するOLTの性能と同等であるか又はより良好である場合がある。
ONU102は、ユーザ側に位置し、顧客構内機器となっている。ONU102は、PON100にユーザ側インターフェイスを提供する。ONUが、パーソナルコンピュータ(Personal Computer, PC)のインターネットアクセスに使用されるイーサネットユーザポート等のユーザポートの機能を直接的に提供する場合に、ONUは、光ネットワーク端末(Optical Network Terminal, ONT)と称される。ONU102及びOLT120は、協働して、イーサネット層2及びイーサネット層3の機能を実装し、そして、音声、データ、及びマルチメディア等のサービスをユーザに提供する。ONU102は、OLT101が送信するデータを受信することを選択してもよく、さらに、(携帯電話又はコンピュータ等の)ユーザ端末が送信するユーザのイーサネットデータを受信し及びバッファリングし、そして、OLT101が割り当てる送信ウィンドウを使用してアップリンクにおけるイーサネットデータを送信してもよい。
ODN103は、(例えば、図1に示されているフィーダファイバ及び分配ファイバ等の)光ファイバ及び受動光スプリッタ等の1つ又は複数の受動光デバイスを含む。ODN103は、OLTとONUとの間の光チャネルを提供して、OLT101とONU102との間でデータを分配し又は多重化する。
この出願においては、図1に示されているPON100は、ポイントトゥマルチポイント時分割多重化(time division multiplexing, TDM)システムである。OLTからONUへの方向は、ダウンリンクと称され、ONUからOLTへの方向は、アップリンクと称される。アップリンクデータ伝送は、バーストモードである。具体的にいうと、OLT101は、複数の異なる時点において複数の異なるONU102からデータを受信する。ある特定の時間期間において、OLT101は、1つのONU102のみが送信するデータを受信することが可能である。バーストモードにおいては、複数の異なる時間期間においてOLT101が受信するデータは、複数の異なるONU102から到来する。OLT101と複数の異なるONU102との間の距離及びチャネル条件は異なっているため、そのデータについての遅延及び減衰はまた異なる。
この出願は、PONシステムのアップリンクバーストモードにおいて、OLTが、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別して、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応するオペレーションを実行する方法を説明している。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
図2は、この出願にしたがったOLT200の概略的な構成図である。OLT200は、図1に示されているPONシステムにおいて、OLT101として実装されてもよい。図2に示されているように、OLT200は、通信インターフェイス201、1つ又は複数のプロセッサ202、メモリ203、等化器204、光受信機205、及び光送信機206を含んでもよい。これらの構成要素は、バスによって、又は他の方式によって接続されてもよい。
通信インターフェイス201は、OLT200が、例えば、ONU又は上位層ネットワークデバイス等の他の通信装置と通信するのに使用されてもよい。特定の実装において、通信インターフェイス201は、 (例えば、イーサネットインターフェイス又は光ファイバインターフェイス等の)有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスを含んでもよい。
メモリ203は、プロセッサ202に結合され、さまざまなソフトウェアプログラム及び/又は命令の複数のセットを格納するように構成される。特定の実装において、メモリ203は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶デバイス等の不揮発性メモリをさらに含んでもよい。メモリ203は、Linux、uCOS、VxWorks、又はRTLinux等の組み込み型のオペレーティングシステムを含む。メモリ203は、内蔵されているネットワーク通信プログラムをさらに含んでもよく、ネットワーク通信プログラムは、PONシステムの中の他のデバイスと通信するのに使用されてもよい。
この出願の複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、メモリ203は、OLT側で、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法を実装するためのプログラムを格納するように構成されてもよい。この出願によって提供されるデータ伝送方法の実装については、以下の複数の実施形態を参照すべきである。ある1つの選択的な実施形態において、メモリ203は、さらに、PONシステムにおける複数のONUの識別子と等化パラメータとの間の対応関係を格納してもよい。この出願におけるONUの識別子と等化パラメータとの対応関係については、以下の複数の実施形態を参照すべきである。
コントローラプロセッサ202は、例えば、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)等の汎用プロセッサであってもよい。プロセッサ201は、ハードウェアチップをさらに含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、又は複合的なプログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device, CPLD)のうちの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。プロセッサ202は、通信インターフェイス201が受信するデータを処理してもよく、プロセッサ202は、さらに、無線伝送媒体を通じて伝送するために通信インターフェイス201に送信されるべきデータを処理してもよい。ある1つの選択的な実施形態において、プロセッサ202は、等化器204の動作パラメータを構成するように構成されてもよい。等化器204の動作パラメータについては、以下の複数の実施形態を参照すべきである。
この出願においては、プロセッサ202は、コンピュータ読み取り可能な命令を読み取り、そして、実行するように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ202は、例えば、OLT側で、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法を実装するためのプログラム等のメモリ203の中に格納されているプログラムを起動し、そして、プログラムの中に含まれる命令を実行する、ように構成されてもよい。
この出願においては、プロセッサ202は、ONUが送信するアップリンクバーストデータの中で搬送されるONUの識別子を取得して、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを識別するように構成される。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、プロセッサ202は、さらに、メモリ203の中に存在するONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、ONUの識別子に対応する等化パラメータを決定するように構成される。
等化器204は、光受信機205が出力する信号を処理して、信号品質を最適化するように構成される。等化器204は、主として、高速データに影響を与える十分ではない帯域幅を光デバイスに補償し、そして、伝送チャネル(すなわち、光ファイバ)におけるデータに影響を与える符号間干渉及びチャネルフェージング等の要因によって引き起こされる信号の歪みを補償して、ピアエンドに送信されるデータを正しく復元する、ように構成されてもよい。選択的に、等化器204は、フィルタを使用することによって実装されてもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、等化器204は、プロセッサ202が決定する等化パラメータに基づいて、構成を実行し、アップリンクバーストデータの中にあるペイロードに対して、その構成された等化パラメータに基づいて、等化を実行するように構成される。
光受信機205は、光電気信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光受信機205は、アップリンクバースト光信号(すなわち、アップリンクバーストデータ)を受信し、そして、光信号を電気信号に変換する、ように構成される。
光送信機206は、電気光信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光送信機206は、プロセッサ202が生成するダウンリンク電気信号(すなわち、ダウンリンクデータ)を光信号に変換し、ODNを通じて、対応するONUに光信号を送信する、ように構成される。
図2に示されているOLT200は、この出願のある1つの実装であるにすぎない。実際の適用においては、OLT200は、より多くの構成要素又はより少ない構成要素をさらに含んでもよい。このことは、本明細書においては限定されない。
図3は、この出願にしたがったONU300の概略的な構成図である。ONU300は、図1に示されているPONシステムのONU102として実装されてもよい。図3に示されているように、ONU300は、通信インターフェイス301、1つ又は複数のプロセッサ302、メモリ303、光受信機304、及び光送信機305を含んでもよい。これらの構成要素は、バスによって、又は他の方式によって接続されてもよい。これらの説明は、以下のようになる。
通信インターフェイス301は、ONU300によって使用されて、例えば、OLT又はユーザ端末等の他の通信デバイスと通信してもよい。特定の実装において、通信インターフェイス301は、(例えば、イーサネットインターフェイス又は光ファイバインターフェイス等の)有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスを含んでもよい。
メモリ303は、プロセッサ302に結合され、さまざまなソフトウェアプログラム及び/又は命令の複数のセットを格納するように構成される。特定の実装において、メモリ303は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶デバイス等の不揮発性メモリをさらに含んでもよい。メモリ303は、Linux、uCOS、VxWorks、又はRTLinux等の組み込み型のオペレーティングシステムを含む。メモリ303は、組み込み型のネットワーク通信プログラムを含んでもよく、ネットワーク通信プログラムは、PONシステムの中の他のデバイスと通信するのに使用されてもよい。
この出願の複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、メモリ303は、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法をONU側で実装するためのプログラムを格納するように構成されてもよい。この出願によって提供されるデータ伝送方法の実装については、以下の複数の実施形態を参照すべきである。
コントローラプロセッサ302は、例えば、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)等の汎用プロセッサであってもよい。プロセッサ301は、ハードウェアチップをさらに含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、又は複合的なプログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device, CPLD)のうちの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。プロセッサ302は、通信インターフェイス301が受信するデータを処理してもよく、プロセッサ302は、さらに、無線伝送媒体を通じて伝送するために通信インターフェイス301に送信されるべきデータを処理してもよい。
この出願においては、プロセッサ302は、コンピュータ読み取り可能な命令を読み出し及び実行するように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ302は、例えば、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法をONU側で実装するためのプログラム等のメモリ303の中に格納されているプログラムを呼び出し、そして、そのプログラムの中に含まれる命令を実行するように構成されてもよい。
光受信機304は、光電気信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光受信機304は、OLTが送信するダウンリンク光信号(すなわち、ダウンリンクデータ)を受信し、光信号を電気信号に変換するように構成される。
光送信機305は、電気光信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光送信機305は、プロセッサ302が生成するアップリンク電気信号(すなわち、アップリンクバーストデータ)を光信号に変換し、そして、ODNを通じてOLTに光信号を送信するように構成される。
図3に示されているONU300は、この出願のある1つの実装であるにすぎない。実際の適用においては、ONU300は、より多くの構成要素又はより少ない構成要素をさらに含んでもよい。このことは、本明細書においては限定されない。
上記のポイントトゥマルチポイント通信システム、すなわち、PON100、OLT200、及びONU300に基づいて、この出願は、データ伝送方法を提供する。その方法は、ポイントトゥマルチポイント通信システムに適用されてもよい。アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行してもよい。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
図4は、この出願にしたがったデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。その方法は、図1に示されているPONシステムに適用されてもよい。
図4に示されているように、その方法は、以下のステップを含む。
S101: ONUは、アップリンクバーストデータを生成し、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
S102: ONUは、OLTにアップリンクバーストデータを送信し、それに対応して、OLTは、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信する。
本明細書においては、OLTは、図1に示されているPON100の中のOLT101であってもよく、又は、図2に示されているOLT200であってもよい。ONUは、図1に示されているPON100の中のONU102であってもよく、又は、図3に示されているONU300であってもよい。
この出願においては、ONUからOLTへの方向は、アップリンク方向である。アップリンク方向においては、時分割多重化を使用することによってデータを伝送する。図5を参照すると、アップリンク伝送時間は、複数のタイムスロット(time slot)に分割され、各々のタイムスロットは、ある1つのONUがデータを送信するのに使用されてもよい。言い換えると、アップリンクデータ伝送は、バーストモードであり、OLTは、複数の異なるタイムスロットにおいて複数の異なるONUからアップリンクバーストデータを受信してもよい。
以下の記載は、この出願におけるアップリンクバーストデータの構成を詳細に説明している。図6は、この出願にしたがったアップリンクバーストデータの構成の概略的な図である。その図に示されているように、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロード(data)を含む。同期データブロックは、第1の同期データを含み、第1の同期データは、第1のプリアンブル(preamble1)及びONUの識別子(ONU-ID)を含む。
アップリンクバーストデータにおいては、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。図7は、データ周波数分布の概略的な図である。その図に示されているように、横軸は、周波数(f)を示し、縦軸は、振幅(w)を示す。図7に示されている曲線は、データ周波数分布を示し、その曲線と座標軸との間の面積は、そのデータの周波数分布が占有する帯域幅を示してもよい。ある1つの特定の例において、曲線1は、第1の同期データの周波数分布を示し、曲線2は、ペイロードの周波数分布を示してもよい。曲線1が占有する帯域幅は、曲線2が占有する帯域幅よりも狭い。言い換えると、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。選択的に、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅は、PONシステムの高速データ伝送に必要な帯域幅と一致してもよい。
図7から、狭い帯域幅を占有する曲線は、より低い周波数分布に対応しているということを理解することが可能である。言い換えると、この出願においては、第1の同期データの周波数は、ペイロードの周波数よりも低い。第1の同期データの周波数がペイロードの周波数よりも低いときに、第1の同期データの送信レートは、ペイロードの送信レートと等しいか又はより低くてもよい。
以下の記載は、ディジタル信号の送信レートと周波数との間の関係を詳細に説明する。図8は、3つのディジタル信号の位相シーケンスの図である。図8に示されている3つのディジタル信号のうち、(a)のディジタル信号符号化周波数は、(b)及び(c)のディジタル信号符号化周波数よりも高い。図8に示されているディジタル信号を伝送するときに、(a)のデータ送信レートは、(c)のデータ送信レートと同じであり、(a)のデータ送信レートは、(b)のデータ送信レートの4倍である。言い換えると、周波数がより低いディジタル信号の送信レートは、(例えば、(c)及び(a)に示されているディジタル信号のように)周波数がより高いディジタル信号の送信レートと同じであってもよく、(例えば、(b)及び(a)に示されているディジタル信号のように)周波数がより高いディジタル信号の送信レートよりも小さくてもよい。
アップリンクバーストデータの同期データブロックにおいて、第1の同期データは、第1のプリアンブルを含む。アップリンクバーストモードの場合には、複数の異なるONUからの複数の異なるバーストデータの間の振幅及び位相は大きく異なるが、複数の異なるバーストデータの送信の間の時間間隔は小さいため、OLTは、短時間での急激な振幅及び位相の変化を伴うバーストデータに応答する必要がある。本明細書においては、第1の同期データの中の第1のプリアンブルは、OLTが短時間の間にデータに正しく応答すること(すなわち、第1のプリアンブルを除くアップリンクバーストデータのうちで、ONUの識別子及びペイロードを含む残りの部分を正しく識別すること)を可能とする。OLTが第1のプリアンブルに基づいてONUの識別子及びペイロードを正しく識別する方法については、ステップS103の関連する説明を参照すべきである。
アップリンクバーストデータの同期データブロックにおいて、第1の同期データは、ONUの識別子をさらに含む。ONUの識別子は、一意のONU を示すのに使用されるか、又は、ONUのグループを示すのに使用される。言い換えると、同期データブロックの中のONUの識別子は、現在のバーストデータブロックがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのバーストデータブロックであるかを示してもよい。ONUの識別子がONUのグループを示すのに使用されている場合に、それらのグループの中のONUは、同様の性能を有していてもよい。例えば、そのグループの中のONUは、同じ帯域幅を有し、そのグループの中のONUとOLTとの間の距離は同様である。本明細書においては、ONUの識別子は、論理リンク識別子(logic link identifier, LLID)、ベンダ固有のシリアル番号(vendor specific serial number, VSSN)、MACアドレス、又は他の識別子であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
アップリンクバーストデータにおいて、ペイロードは、ONUからOLTに伝送される有効なデータである。
図6は、この出願におけるアップリンクバーストデータの構成を示す。特定の実装において、この出願におけるアップリンクバーストデータは、代替的に、他の構成として実装されてもよい。以下の記載は、この出願におけるアップリンクバーストデータの可能な構成のある1つの例を示している。
ある1つの選択的な実施形態において、図6に示されているアップリンクバーストデータに基づいて、同期データブロックは、第2の同期データをさらに含む。第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅よりも広い。図9は、その選択的な実施形態におけるアップリンクバーストデータの構成の概略的な図である。第2の同期データの機能については、以下の複数の実施形態における関連する説明を参照すべきである。
選択的に、第2の同期データの送信レートは、ペイロードの送信レートと等しくてもよい。選択的に、ペイロードの伝送量は、PONシステムが要求するデータ送信レートである。
選択的に、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の整数倍である。本明細書においては、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の整数倍であってもよく又は非整数倍であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
図10は、図9に示されている選択的な実施形態における第2の同期データの可能な構成を示す。図10の左の図に示されているように、選択的に、第2の同期データは、第2のプリアンブル(preamble2)を含んでもよく、第2のプリアンブルは、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードを識別するのに使用されてもよい。さらに、図10の右の図に示されているように、第2の同期データは、第2の区切り文字(delimiter2)をさらに含んでもよい。第2の区切り文字は、第2のプリアンブルの後ろに位置し、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードをより迅速に発見するのに使用されてもよい。
ある1つの選択的な実施形態において、図6又は図9に示されているアップリンクバーストデータに基づいて、第1の同期データは、第1の区切り文字(delimiter1)をさらに含んでもよい。図11は、その選択的な実施形態における第1の同期データのある1つの可能な構成を示す。図11の左の図に示されているように、第1の区切り文字は、第1のプリアンブルとONUの識別子との間に位置していてもよい。図11の右の図に示されているように、第1の区切り文字は、代替的に、ONUの識別子の後ろに位置していてもよい。このことは、この出願においては限定されない。本明細書においては、第1の区切り文字は、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子をより迅速に発見するのに使用されてもよい。
上記の選択的な実施形態において、アップリンクバーストデータの場合に、第1のプリアンブルのコードタイプ及び第2のプリアンブルのコードタイプは、標準的なプロトコルによってあらかじめ定義されてもよく、又は、OLTによって決定され、そして、その次に、ONUに送信されてもよい。OLTにアップリンクバーストデータを送信するときに、PONシステムの中のONUは、同じ第1のプリアンブル及び/又は第2のプリアンブルを使用してもよく、或いは、異なる第1のプリアンブル及び/又は第2のプリアンブルを使用してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
選択的に、この出願によって言及されているアップリンクバーストデータは、イーサネットデータフレームとして実装されてもよい。
ステップS102において、OLT及びONUは、光ファイバによって接続されているので、OLTがONUから受信するアップリンクバーストデータは光信号であるということを理解することが可能である。OLTは、光信号を電気信号に変換し、そして、その次に、次の処理を実行する(すなわち、ステップS103を実行する)必要がある。言い換えると、OLTが処理するこの出願で後に言及されるアップリンクバーストデータは、電気信号である。
S103: OLTは、第1の同期データの中のONUの識別子を取得する。
具体的には、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信した後に、OLTは、そのアップリンクバーストデータのうちのペイロードを取得してもよい、すなわち、ONUが送信する有効なデータのペイロードを取得してもよい。OLTは、さらに、アップリンクバーストデータの第1の同期データの中のONUの識別子を取得してもよい。OLTは、ONUの識別子によって、現在受信しているアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを知ることが可能である。
以下の記載は、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を取得するために実行する複数の特定の操作を詳細なステップの形態で説明する。
1. ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信した後に、OLTは、最初に、アップリンクバーストデータの中の第1の同期データを復元する必要がある。
具体的には、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。言い換えると、第1の同期データの周波数は、ペイロードの周波数よりも低い。第1の同期データは、伝送プロセスにおいて、(光ファイバの性能の影響及び光トランシーバの性能の影響を含む)OLTとONUとの間の伝送チャネルによってわずかに影響を受ける。したがって、OLTは、等価技術の使用を省略するか、又は、あらかじめ設定されている等価パラメータに基づいて、受信したアップリンクバーストデータに対して等価を実行して、アップリンクバーストデータの第1の同期データを復元してもよい。OLTは、あらかじめ設定されている等化パラメータを前もって格納していてもよい。
OLTが、等価技術の使用を省略して、アップリンクバーストデータのうちの第1の同期データを復元するときに、等価パラメータを構成して、アップリンクバーストデータに対して等価を実行するステップが省略され、したがって、データ処理時間を短縮する。OLTが、あらかじめ設定された等価パラメータを使用することによって、受信したアップリンクバーストデータに対して等価を実行するときに、トレーニングによって等価パラメータを取得する処理が省略され、したがって、また、データ処理時間を短縮することが可能である。したがって、ステップ1において、OLTは、アップリンクバーストデータの中の第1の同期データを迅速に復元することが可能であり、このことは、比較的短い時間を要する。
複数の異なるバーストデータの間の振幅及び位相は大きく異なるが、複数の異なるバーストデータの送信の間の時間間隔は小さいため、以前のアップリンクバーストデータに適用可能であるOLTの現在のクロック及び決定レベルは、現在受信しているアップリンクバーストデータには適用可能ではない場合があるということを理解することが可能である。したがって、ステップ1において第1の同期データを復元する場合であっても、OLTは、第1の同期データのうちの各々の部分の特定の値を正確に識別することが不可能である。その次に、ステップ2によって、OLTは、復元された第1の同期データの中のONUの識別子を正確に識別することが可能である。
2. OLTは、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元する。
具体的には、第1のプリアンブルは、前もってOLTによって取得されてもよい。アップリンクバーストデータの中の同期データブロックを復元した後に、OLTは、前もって取得した第1のプリアンブル及び復元された同期データブロックの中の第1のプリアンブルに対して相関演算を実行してもよい。受信した信号の位相は、演算結果に基づいて決定されてもよい。前もって取得された第1のプリアンブルと復元された同期データブロックの中の第1のプリアンブルとの間の位相差が最も小さいときに、OLTは、第1のクロックとして現在使用されているクロックを使用してもよい。言い換えると、OLTは、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元してもよい。
3. OLTは、第1のクロックを使用して、第1の同期データの中のONUの識別子を識別する。
具体的には、第1のプリアンブルの頻度は、ONUの識別子の頻度と一致する。したがって、ステップ2において復元されている第1のクロックは、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を識別するのに使用されてもよい。
選択的に、OLTは、さらに、第1のプリアンブルに基づいて、正しい決定レベルを確立してもよく、それによって、ONUの識別子のサンプリング時点は、最適なサンプリング点に存在する。したがって、OLTは、第1の同期データの中のONUの識別子を正確に識別することが可能である。
選択的に、場合によっては、ONUの識別子のコードタイプと第1のプリアンブルのコードタイプは、わずかに異なることがある。OLTは、ONUの識別子を第1のプリアンブルと間違えることによって、ONUの識別子の正確な識別に失敗する。
図11を参照すると、第1の同期データは、第1の区切り文字をさらに含んでもよく、第1の区切り文字は、OLTがONUの識別子を迅速かつ正確に識別するのに使用されてもよい。本明細書においては、OLTは、復元された第1のクロックを使用して、第1の同期データの中のONUの識別子及び第1の区切り文字を識別してもよい。第1の区切り文字は前もって取得されるので、OLTは、最初に、第1の同期データの中の第1の区切り文字を識別してもよい。その次に、OLTは、第1の区切り文字とONUの識別子との間の位置関係に基づいて、ONUの識別子を迅速かつ正確に識別することが可能である。アップリンクバーストデータの構成が、図11の左の図に示されている場合に、第1の区切り文字を識別した後に、OLTは、第1の区切り文字の後の部分がONUの識別子であるということを知ることが可能である。アップリンクバーストデータの構成が、図11の右の図に示されているものである場合に、第1の区切り文字を識別した後に、OLTは、第1の区切り文字の前の部分がONUの識別子であるということを知ることが可能である。本明細書においては、OLTは、前もってONUの識別子の長さを取得して、ONUの識別子を迅速に識別してもよい。
ステップS103を実行することによって、OLTは、アップリンクバーストデータの中のONUの識別子を迅速かつ正確に識別することが可能であり、そして、その識別子に基づいて、現在受信しているアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループのからのアップリンクバーストデータであるかを識別することが可能である。
上記のことから、図4に示されている方法の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるのかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行することが可能であるということを理解することが可能である。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
図4に示されている方法の実装の後に、OLTは、現在のアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループのからのアップリンクバーストデータであるかを識別することが可能である。アップリンクバーストデータのペイロード(すなわち、有効なデータ)を取得した後に、OLTは、1つの有効なデータ伝送を完了してもよい。
PONシステムにおいてデータを高いレートで伝送するときに、光デバイスのリンク分散及び限られた帯域幅は、深刻な符号間干渉を引き起こす。したがって、OLTは、受信したアップリンクバーストデータのペイロードに対して処理を実行して、アップリンクバーストデータのペイロードに対する影響を排除する必要がある。
現在、チャネル等化技術は、通信システムにおける符号間干渉を減少させるのに有効である。通信システムは、等化器を使用して伝送チャネルとは反対の特性を生成し、そして、データに対して等価を実行して、データに対する伝送チャネルの影響を除去することが可能である。データに対して等価を実行するときに、通常は、トレーニングによって前もって対応する等価パラメータを取得する必要がある。
例えば、ポイントトゥポイント通信システムにおいては、データ送信端とデータ受信端との間のチャネルは、基本的に固定されており、送信されるデータに対するチャネルの影響は、また、比較的一定となる。したがって、ポイントトゥポイント通信システムは、初期化段階におけるトレーニングによって、データ伝送に対する固定チャネルの影響を知ることが可能である。光回線端末は、その影響に基づいて、等化器の等価パラメータを設定する。データ受信端は、等化パラメータを使用して、以降のデータ伝送におけるデータに対して等化を実行し、その結果、データ伝送に対する固定のチャネルの影響を排除してもよい。ここで、トレーニングは、アップリンク帯域幅を占有し、特定の時間を消費するので、通信システムは、そのトレーニングの際に有効なデータを送信することが不可能である。
図1に示されているポイントトゥマルチポイント通信システムの場合には、アップリンクデータは、バーストモードで伝送される。したがって、複数の異なる時間期間において、データ送信端(ONU)は変化し、データ送信端(ONU)とデータ受信端(OLT)との間のチャネルは変化する場合がある。また、光回線端末がデータに対して等化を実行するのに使用される等化パラメータをチャネルによって更新する必要がある場合がある。チャネルが変化するたびごとにトレーニングによって等価パラメータを更新する場合には、そのような状況では、アップリンク帯域幅を浪費するとともに、大量の時間を消費し、通信システムのデータ伝送効率が影響を受ける。
以下の記載において、この出願は、PONシステムのアップリンクバーストモードの場合に、OLTがアップリンクバーストデータに対して等化をどのように実行して、高速収束を実装するかを説明する。この場合には、アップリンクオーバヘッドを検証させることが可能であるとともに、効果的なアップリンク帯域幅を保証することが可能であり、PONシステムのアップリンクデータ伝送効率を改善することが可能である。
図12は、この出願にしたがった他のデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。その方法は、図1に示されているPONシステムに適用されてもよい。
図12に示されているように、この方法は、以下のステップを含んでもよい。
S201: ONUは、アップリンクバーストデータを生成し、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
S202: OLTは、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信する。
S203: OLTは、第1の同期データの中のONUの識別子を取得する。
本明細書においては、ステップS201乃至S203の実装は、図4に示されている方法のステップS101乃至S103の実装と同じである。詳細については、関連する説明を参照すべきである。アップリンクバーストデータの構成については、図6乃至図11及び関連する説明を参照すべきである。
S204: OLTは、ONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、ONU識別子に対応する等化パラメータを構成し、その構成された等化パラメータに基づいて、ペイロードに対して等化を実行する。
具体的には、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅よりも広い。すなわち、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅はより広く、ペイロードはOLTとONUとの間の伝送チャネルによって大きく影響を受ける。したがって、ペイロードに対して等化を実行して、その影響を相殺する必要がある。
本明細書においては、PONシステムを配置した後に、各々のONUとOLTとの間の伝送チャネルは基本的に固定されている。すなわち、伝送チャネルの特性は、基本的に変化しないまま維持されており、伝送されるデータに対するその伝送チャネルの影響を量子化し、そして、決定してもよい。複数の異なるONUとOLTとの間の(伝送距離、チャネル分散、及び光デバイスの性能等の)チャネル条件は異なっているので、複数の異なるONUからのデータは、チャネルによって(符号間干渉等の)異なる影響を受ける。OLTが複数の異なるONUからのデータに対して等化を実行するときに、使用される等化パラメータは、データに対する実際のチャンネルの影響に対応している必要がある。したがって、データに対して正確に等化を実行することが可能である。
この出願においては、OLTは、アップリンクバーストデータの中のONUの識別子を使用することによって、現在受信しているアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを識別することが可能である。この場合には、OLTは、ONUの識別子に対応する等価パラメータを構成し、そして、その構成した等価パラメータに基づいて、アップリンクバーストデータのペイロードに対して等価を実行してもよい。
具体的には、OLTは、PONシステムの中の複数のONUの識別子と等化パラメータとの間の対応関係を前もって格納してもよい。本明細書においては、ONUの識別子に対応する等化パラメータは、OLTとONUとの間の伝送チャネルに対応する等化パラメータである。表1は、OLTに格納されている各々のONUの識別子と等化パラメータとの間の対応関係を示している。
本明細書においては、この出願における等化パラメータは、これらには限定されないが、等化器のタップタイプ、等化器の次数、及びタップ係数等のうちの少なくとも1つを含む。
図12に示されている方法によれば、等化技術を使用することによってペイロードを処理すると、光デバイスの不十分な帯域幅を補償することが可能である。したがって、比較的小さな帯域幅を有する光デバイスの性能は、比較的大きな帯域幅を有する光デバイスの性能に到達することが可能であるか、又は、その光デバイスの性能よりも良好でさえある場合がある。比較的小さな帯域幅を有する(OLT及びONUを含む)光デバイスは、また、アップリンク高速データ伝送を実装することが可能である。この場合には、次世代PONシステムの高速データ伝送要件を満たしつつ、アクセスネットワークのコストを減少させることが可能である。
図12に示されている方法によれば、アップリンクバーストモードにおいて、アップリンクバーストデータを受信するときに、OLTは、ONUの識別子に基づいて、対応する等価パラメータを構成してもよく、等価パラメータを取得するためのトレーニングプロセスを必要としない。したがって、高速収束を実装することが可能であり、アップリンクオーバヘッドを減少させることが可能である。加えて、有効なアップリンク帯域幅を保証することが可能であり、PONシステムのアップリンクデータ伝送効率を改善することが可能である。
図12に示されている方法によれば、ステップS204において、OLTが、構成された等化パラメータに基づいて、ペイロードに対して等化を実行した後に、ペイロードに対する伝送チャネルの影響は除去される。アップリンクバーストデータの場合には、OLTは、第1の同期データの中の第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元し、第1のクロックは、ペイロードのクロックと完全には一致せず、ペイロードには適用可能ではない場合がある。したがって、OLTは、等化を実行しているペイロードの特定の値を正確に識別することは不可能である。以下の記載は、OLTが、ペイロードに適用可能であるクロックを復元し、そして、その復元されたクロックを使用することによって、ペイロードの特定の値を識別する方式を説明している。
図9に示されているように、アップリンクバーストデータが第2の同期データを含むときに、第2の同期データは、OLTがペイロードを識別するのに使用されてもよい。
具体的には、OLTは、第2の同期データに基づいて、第2のクロックを復元することが可能である。本明細書においては、第2の同期データに基づいて第2のクロックを復元するOLTの動作は、図4に示されている方法のステップS103において第1のプリアンブルに基づいて第1のクロックを復元するOLTの動作と同様である。詳細については、関連する説明を参照すべきである。
選択的に、第2の同期データの送信レートは、ペイロードの送信レートに等しい。したがって、OLTは、第2のクロックを使用して、ペイロードを識別してもよい。
選択的に、OLTは、第2の同期データに基づいて、正しい決定レベルを確立することが可能であり、それによって、OLTのペイロードのサンプリング時点は、最適サンプリング点となる。したがって、OLTは、ペイロードを正確に識別することが可能である。
選択的に、図10を参照すると、第2の同期データが第2のプリアンブルを含む場合に、OLTは、第2のクロックを復元し、そして、第2のプリアンブルに基づいて決定レベルを確立することが可能である。
選択的に、図10に示されている右の図を参照すると、第2の同期データが第2のプリアンブル及び第2の区切り文字を含む場合に、第2の区切り文字は、OLTがペイロードを迅速に発見するのに使用されてもよい。具体的には、OLTは、第2のクロックを使用して、第2の同期データの中の区切り文字及びペイロードを識別してもよい。第2の区切り文字は前もって得られるので、OLTは、最初に、第2の同期データの中の第2の区切り文字を識別することが可能である。その次に、OLTは、第2の区切り文字とペイロードとの間の位置関係に基づいて(すなわち、ペイロードは、第2の区切り文字の後ろに位置している)、ペイロードを迅速かつ正確に識別する。第2の区切り文字を使用することによって、ペイロードと第2のプリアンブルとの間のコードタイプの差異が比較的小さく、OLTがペイロードを正確に識別することが不可能である場合を回避することが可能である。
選択的に、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅が、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の倍数である場合に、OLTが、図12に示されている方法のステップS203にしたがって、第1のプリアンブルに基づいて第1のクロックを復元した後に、第2のクロックは、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅と第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅との間の倍数関係に基づいて前もって決定されていてもよい。ステップS204において、OLTは、前もって決定されている第2のクロックを補正するのみでよく、その結果、ペイロードに適用可能である第2のクロックを取得する。このようにして、ステップS204において、OLTが第2のクロックを決定して、ペイロードを識別するための時間を短縮することが可能であり、また、データ処理速度を改善することが可能である。
図12に示されている方法においては、トレーニングによって、OLTの中に格納されているとともに、ONUの各々の識別子に対応する等化パラメータを取得してもよい。トレーニングは、PONシステムの中のOLT及び各々のONUによって個々に実行されて、対応する等化パラメータを取得する。トレーニングは、図12に示されている方法の前に実装されてもよい、すなわち、ステップS201の前に実装されてもよい。
以下の記載は、ある1つの例としてONUを使用して、OLTが等化パラメータを取得するトレーニングのプロセスを説明する。図13は、この出願にしたがった等化パラメータトレーニングプロセスの概略的なフローチャートである。図に示されているように、トレーニングのプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
S301: OLTは、ONUが送信する第1のメッセージを受信し、第1のメッセージは、第3のプリアンブル及び登録要求を含む。
具体的には、OLTにデータを送信する前に、ONUは、OLTに登録する必要がある。具体的には、ONUは、OLTに第1のメッセージを送信してもよく、第1のメッセージは、登録要求を含み、登録要求は、ONUがOLTに登録するのに使用される。本明細書においては、登録要求は、REGISTER_REQであってもよい。ONUがOLTに登録された後に、OLTは、ONUがPONシステムに含まれているということを認識し、ONUが送信するデータを受信してもよい。
選択的に、OLTは、周期的にウィンドウを開いてもよい。ウィンドウを開く際に、ONUがOLTに登録することを可能とする。本明細書においては、ウィンドウが開く際にOLTに登録されているONUは、PONシステムの中に新たに配置されたONUであってもよい。
選択的に、ONUが第3のプリアンブルを決定する方式は、これらには限定されないが、以下の2つの方式を含む。(1) ONUは、前もって、第3のプリアンブルのコードタイプ及び第3のプリアンブルの符号化周波数等のパラメータを格納し、あらかじめ格納されているパラメータに基づいて、第3のプリアンブルを決定する。(2) OLTは、ONUのために、第3プリアンブルのコードタイプ及び符号化周波数等のパラメータを構成し、ONUにその構成されたパラメータを送信する。ONUは、受信したパラメータに基づいて、第3のプリアンブルを決定する。
この出願おいては、PONシステムの中の各々のONUは、同じ第3のプリアンブル又は異なる第3のプリアンブルを使用することによって、OLTに第1のメッセージを送信してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
この出願において、第3のプリアンブルは、OLTが伝送チャネルに対応する等化係数を決定するのに使用され、伝送チャネルは、OLTとONUとの間の伝送チャネルである。決定処理については、以下のステップS302における関連する説明を参照すべきである。
本明細書においては、図4及び図12における第1のプリアンブルの長さは、第3のプリアンブルの長さよりも短い。すなわち、図4及び図12に示されている方法の実施形態において、第1のプリアンブルの長さは比較的短い。このようにして、図4及び図12に示されている方法の実施形態においては、OLTが、第1のクロックを復元し、ONUの識別子を識別し、そして、均等化係数を決定するために、第1のプリアンブルに基づいて消費する時間は、OLTが、等化係数を決定する(すなわち、トレーニングプロセスの)ために、第3のプリアンブルに基づいて消費する時間よりもより短くなるということを保証することが可能である。したがって、図4及び図12に示されている方法において、高速収束を実装する。
S302: OLTは、受信した第3のプリアンブルに基づいて、等化パラメータを決定する。
具体的には、OLTは、受信した第3プリアンブルに基づいて、等化パラメータを決定する。本明細書においては、OLTが受信する第3のプリアンブルは、チャネル(すなわち、OLTとONUの間のチャネル)を通じて伝送され、第3のプリアンブルは、チャネル応答を搬送する。したがって、第3のプリアンブルに基づいて決定される等価パラメータは、OLTとONUとの間の伝送チャネルに対応し、その等価パラメータは、伝送チャネルの特性を反映してもよい。言い換えると、等化パラメータは、伝送されるデータに対する伝送チャネルの影響を反映してもよい。
本明細書においては、OLTが決定する等化パラメータは、これらには限定されないが、等化器のタップタイプ、等化器の次数、及びタップ係数等のうちの少なくとも1つを含む。
この出願において、OLTは、受信した第3のプリアンブルに基づいて、複数の方式によって等化パラメータを決定してもよい。このことは、この出願においては限定されない。選択的に、OLTによって、受信した第3のプリアンブルに基づいて、等化パラメータのうちのタップ係数を算出する方法は、最小平均二乗(least mean square, LMS)アルゴリズム、再帰的最小二乗(recursive least squares, RLS)アルゴリズム、最小平均二乗誤差(minimum mean square error, MMSE)アルゴリズム、最小二乗(least squares, LS)アルゴリズム、又は上記の4つのアルゴリズムの派生的なアルゴリズムを含んでもよい。このことは、この出願においては限定されない。
S303: OLTは、ONUの識別子と決定された等化パラメータとの間の対応関係を格納する。
選択的に、表1によれば、OLTは、ONUの識別子と決定された等化パラメータとの間の対応関係を格納してもよい。本明細書においては、ONUユニットの識別子と決定された等化パラメータとの間の対応関係は、OLTが図12に示されているデータ伝送方法を実装するのに使用されてもよい。すなわち、ONUからアップリンクバーストデータを受信するときに、OLTは、アップリンクバーストデータのペイロード部分に対して等化を実行してもよい。
図13に示されている等化パラメータのトレーニングによって、OLTは、PONシステムにおいて、伝送データに対するOLTと各々のONUとの間のチャネルの影響を知ることが可能である。OLTは、その影響に基づいて、各々の伝送チャネルに対応する等化パラメータを決定してもよい。
選択的に、図13に示されている方法は、OLTの中に格納されている等化パラメータを更新するために、PONシステムの中に存在するOLTとONUとの間で間欠的に又は周期的に実行されてもよい。
図4及び図12に示されている方法においては、ONUがOLTにアップリンクバーストデータを送信するときに、そのアップリンクバーストデータは、ONUの識別子を含む。図13に示されている方法においては、等化パラメータを決定した後に、OLTは、決定した等化パラメータをONUの識別子に対応させる必要がある。OLTがONUと通信する前に、OLT及びONUの双方は、ONUの識別子を取得することが可能である。以下の記載は、OLT及びONUがONUの識別子を取得する2つの方式を詳細に説明している。
(1) ONUの識別子は、OLTによって各々のONUに割り当てられる。
具体的には、OLTは、そのOLTで登録されている各々のONUに識別子を割り当ててもよい。選択的に、OLTがONUに割り当てた識別子は、論理リンク識別子(logic link identifier, LLID)であってもよく、又は、他の識別子であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
選択的に、ONUが送信する登録要求を受信した後に、OLTは、ONUに割り当てられている識別子をONUに送信する。すなわち、図13に示されている方法のステップS301の実装の後に、図13に示されている方法は、OLTがONUに割り当てられている識別子をONUに送信するというステップをさらに含んでもよい。
選択的に、他の場合では、OLTは、さらに、ONUに割り当てられている識別子をONUに送信してもよい。例えば、新たなONUがPONシステムにアクセスするということを検出するときに、OLTは、新たにアクセスしたONUに識別子を割り当てる。このことは、この出願においては限定されない。
(2) ONU識別子は、ONUによってOLTに送信される。
具体的には、この出願において、ONUの識別子がONUの特定の識別子である場合に、ONUは、この出願における識別子を取得し、OLTにその識別子を送信してもよい。
選択的に、ONUの特定の識別子は、これらには限定されないが、ONUのベンダー特有シリアル番号(vendor specific serial number, VSSN)及びMACアドレスからなる複数のタイプを含む。
選択的に、ONUがOLTに送信する登録要求は、識別子を搬送してもよい。すなわち、図13に示されている方法のステップS301において、ONUがOLTに送信する登録要求は、ONUの識別子を搬送する。
選択的に、ONUがOLTに送信する他のメッセージは、さらに、ONUの識別子を搬送してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
上記の2つの方式において、OLT及びONUの双方は、図4、図12、及び図13に示されている方法を実装するために、ONUの識別子を取得するということを保証することが可能である。
上記の記載は、この出願におけるデータ伝送方法を詳細に説明してきた。この出願におけるその方法をより良好に実装するために、上記の記載に対応して、以下の記載は、この出願における装置を提供する。
図14は、この出願にしたがったPONシステム、OLT、及びONUを示している。PONシステムは、OLT400及びONU500を含む。PONシステムは、図1において説明されているPON100であってもよく、OLT400は、図1に示されているシステムのうちのOLT101であってもよく、ONU500は、図1に示されているシステムのうちのONU102であってもよい。それらの詳細は、以下において個別に提供される。
図14に示されているように、OLT400は、受信ユニット401及び取得ユニット402を含んでもよい。
これらのうちで、受信ユニット401は、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信するように構成される。アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。また、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
取得ユニット402は、第1の同期データの中のONUの識別子を取得するように構成される。
アップリンクバーストデータの構成については、図4に示されている方法の実施形態における関連する説明を参照すべきである。
本明細書においては、受信ユニット401は、図4の実施形態のステップS102を実行するように構成されてもよく、受信ユニット402は、図4の実施形態のステップS103を実行するように構成されてもよい。詳細については、関連する説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
選択的に、取得ユニット402は、復元ユニット4021及び識別ユニット4022を含む。復元ユニット4021は、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元するように構成され、識別ユニット4022は、第1のクロックを使用することによって、第1の同期データの中のONUの識別子を識別するように構成される。
選択的に、OLTは、構成ユニット403及び等価ユニット404をさらに含む。構成ユニット403は、ONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、ONU識別子に対応する等化パラメータを構成するように構成される。等価ユニット404は、構成される等化パラメータに基づいて、ペイロードに対して等化を実行するように構成される。
本明細書においては、構成ユニット403及び等価ユニット404は、図12の実施形態のステップS204を実行するように構成されてもよい。詳細については、関連する説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
図14に示されているように、ONU500は、生成ユニット501及び送信ユニット502を含んでもよい。
生成ユニット501は、アップリンクバーストデータを生成するように構成され、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
送信ユニット502は、OLTにアップリンクバーストデータを送信するように構成される。
アップリンクバーストデータの構成については、図4に示されている方法の実施形態における関連する説明を参照すべきである。
本明細書においては、生成ユニット502は、図4の実施形態のステップS101を実行するように構成されてもよく、送信ユニット502は、図4の実施形態のステップS102を実行するように構成されてもよい。詳細については、関連する説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
OLT400に含まれている複数の機能ユニットの詳細な実装については、上記の複数の実施形態を参照するべきであるということを理解することが可能である。ONU500に含まれている複数の機能ユニットの詳細な実装については、上記の複数の実施形態を参照すべきである。
結論として、この出願の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はいずれのONUグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行してもよい。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
この出願は、PONフィールドに適用可能であり、また、他のポイントトゥポイント通信システムに適用可能であるということを理解することが可能である。この出願におけるデータ伝送方法は、アップリンクデータがバーストモードで伝送される他のポイントトゥマルチポイント通信システムに適用可能である。
ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらのいずれか組み合わせを使用することによって、上記の複数の実施形態のすべて又は一部を実装することが可能である。ソフトウェアを使用して、それらの複数の実施形態を実装するときに、それらの複数の実施形態は、完全に又は部分的に、コンピュータプログラム製品の形態で実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。それらのコンピュータプログラム命令が、コンピュータによってロードされ、そして、実行されるときに、この出願にしたがった手順又は機能のすべて又は一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に格納されていてもよく、又は、ある1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はディジタル加入者線等の)有線方式によって又は(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波等の)無線方式によって、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、他のコンピュータ、他のサーバ、又は他のデータセンターに、それらのコンピュータ命令を伝送してもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、1つ又は複数の使用可能な媒体を集積化しているサーバ又はデータセンター等のコンピュータによってアクセス可能ないずれかの使用可能な媒体又はデータ記憶デバイスであってもよい。使用可能な媒体は、(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ等の)磁気媒体、(例えば、DVD等の)光媒体、又は(例えば、ソリッドステートドライブ Solid State Disk等の)半導体媒体等であってもよい。
この出願は、受動光ネットワーク技術の分野に関し、特に、データ伝送方法、関連する装置、及びシステムに関する。
近年、ブロードバンドアクセス技術が急速に発展し、受動光ネットワーク(passive optical network, PON)が大規模に適用されるとともに、急速に拡大している。ユーザデータに対する需要が増加するのに伴って、10G PONは、拡大展開の段階に入り、次世代PONシステムの規格は、徐々に開発されるとともに改良されつつある。
次世代PONシステムの伝送速度が増加するのに伴って、現在の光デバイスの帯域幅は、その要求を満たすことは不可能になる。次世代PONシステムの効果的な解決方法は、電気的領域等化技術を使用して、光デバイスの十分でない帯域幅を補償することである。
PONシステムは、ポイントトゥマルチポイント通信システムであり、アップリンクデータは、バーストモードで伝送される。複数の異なる時間期間において、光回線端末(optical line terminal, OLT)は、複数の異なる光ネットワークユニット(optical network unit, ONU)からデータを受信する。複数の異なるONUの光モジュールは、異なる帯域幅をサポートすることが可能である。複数の異なるONUとOLTとの間の距離は、異なっていてもよい。電気的領域等化技術を使用するときに、OLT側での電気的領域等化器の動作パラメータは、また、異なっていてもよい。PONシステムにおける現在の動作モードにおいて、アップリンクバーストデータを受信するときに、OLTの等化器は、受信したデータがいずれのONUからのデータであるかを認識しなくてもよく、長いプリアンブル又は長いトレーニングコードを使用することによって、等化器を最適化するとともに収束させる必要がある。最適化及び収束の際に、ONUは、有効なサービスデータを送信することは不可能である。結果として、PONシステムのアップリンク効率は低下するとともに、システムの有効帯域幅は影響を受ける。
PONシステムにおいて、OLTが、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別することが可能である場合に、電気的領域等化器の動作パラメータを前もって構成してもよい。これにより、その等化器の最適化及び収束のための時間を減少させるとともに、PONシステムのアップリンク効率を改善する。一方で、現在のPONシステムにおいては、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別する技術を欠いている。したがって、その問題を解決するための新しい方法が必要である。
この出願は、データ伝送方法、関連する装置、及びシステムを提供して、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
第1の態様によれば、この出願は、OLT側に適用されるデータ伝送方法を提供する。その方法は、OLTが、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信するステップであって、前記アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含み、前記同期データブロックは、第1の同期データを含み、前記第1の同期データは、第1のプリアンブル及び前記ONUの識別子を含み、前記第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、前記ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い、ステップを含んでもよい。前記OLTは、前記第1の同期データの中の前記ONUの前記識別子を取得する。
第1の態様における方法の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるか、又は、ONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行してもよい。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
アップリンクバーストデータの場合に、第1の同期データの中の第1のプリアンブルは、OLTが、短時間でデータに正しく応答することを可能とする(すなわち、第1のプリアンブルを除くアップリンクバーストデータのうちで、ONUの識別子及びペイロードを含む残りの部分を正しく識別する)。ONUの識別子は、一意のONU を示すのに使用されるか、又は、ONUのグループを示すのに使用される。ONUの識別子がONUのグループを示すのに使用されている場合に、そのグループの中のONUは、同様の性能を有してもよい。ペイロードは、ONUからOLTに伝送される有効なデータである。
第1の態様を参照すると、ある1つの選択的な実施形態において、前記同期データブロックは、第2の同期データをさらに含んでもよく、前記第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、前記第1の同期データの前記周波数分布が占有する前記帯域幅よりも広い。
第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅が、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭いときに、第1の同期データは、伝送プロセスにおいて(光ファイバの影響及び光トランシーバの性能の影響を含めて)OLTとONUとの間の伝送チャネルによってわずかに影響を受ける。この場合に、OLTは、等価技術の使用を省略してもよく、又は、あらかじめ設定されている等価パラメータに基づいて、受信したアップリンクバーストデータに対して等価を実行してもよく、それにより、アップリンクバーストデータの第1の同期データを復元することが可能である。したがって、データ処理時間を短縮することが可能である。
上記の選択的な実施形態を参照すると、選択的に、前記第2の同期データの送信レートは、前記ペイロードの送信レートに等しくてもよい。
第2の同期データの送信レートがペイロードの送信レートに等しいときに、OLTは、第2の同期データを使用してクロックを復元し、そして、復元したクロックを使用してペイロードを識別することが可能である。
上記の選択的な実施形態を参照すると、選択的に、前記第2の同期データの前記周波数分布が占有する前記帯域幅は、前記第1の同期データの前記周波数分布が占有する前記帯域幅の倍数である。本明細書においては、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の整数倍であってもよく又は非整数倍であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
本明細書においては、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅が、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の倍数となっている場合に、ペイロードに適用可能な第2のクロックを復元するための時間を短縮し、そして、データ処理速度を改善してもよい。
上記の選択的な実施形態を参照すると、選択的に、第2の同期データは、第2のプリアンブルを含んでもよく、第2のプリアンブルは、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードを識別するのに使用されてもよい。選択的に、第2の同期データは、第2の区切り文字をさらに含んでもよい。第2の区切り文字は、第2のプリアンブルの後ろに位置し、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードをより迅速に発見するのに使用されてもよい。
第1の態様及び上記の複数の選択的な方式のうちのいずれか1つを参照すると、第1の同期データは、第1の区切り文字をさらに含んでもよい。第1の区切り文字は、第1のプリアンブルとONUの識別子との間に位置していてもよく、又は、ONUの識別子の後ろに位置していてもよい。このことは、この出願においては限定されない。本明細書においては、第1の区切り文字は、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子をより迅速に発見するのに使用されてもよい。
第1の態様及び上記の複数の選択的な方式のうちのいずれか1つを参照すると、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を取得することは、具体的には、OLTが第1のプリアンブルに基づいて第1のクロックを復元し、そして、OLTがその第1のクロックを使用して第1の同期データの中のONUの識別子を識別することを含んでもよい。
具体的には、選択的な方式の具体的な実装は、以下のステップで詳述される。
1. ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信した後に、OLTは、最初に、アップリンクバーストデータのうちの第1の同期データを復元する必要がある。
複数の異なるバーストデータの間の振幅及び位相は大きく異なるが、それらの複数の異なるバーストデータの送信の間の時間間隔は、小さいので、以前のアップリンクバーストデータに適用可能であるOLTの現在のクロック及び決定レベルは、現在受信されているアップリンクバーストデータには適用することが不可能である。したがって、たとえ、第1の同期データを復元する場合であっても、OLTは、第1の同期データのうちの各々の部分の特定の値を正確に識別することが不可能である。
2. 第1の同期データを復元した後に、OLTは、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元する。
3. OLTは、第1のクロックを使用して、第1の同期データの中のONUの識別子を識別する。
本明細書においては、第1のプリアンブルの周波数は、ONUの識別子の周波数と一致する。したがって、ステップ2において復元されている第1のクロックは、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を識別するのに使用されてもよい。選択的に、場合によっては、ONUの識別子のコードタイプは、第1のプリアンブルのコードタイプとわずかに異なっている場合があり、OLTは、ONUの識別子を第1のプリアンブルと間違えることによって、ONUの識別子の正確な識別に失敗する場合がある。この選択的な場合には、第1の同期データは、第1の区切り文字をさらに含んでもよく、第1の区切り文字は、OLTがONUの識別子を迅速かつ正確に識別するのを支援することが可能である。
第1の態様及び上記の複数の選択的な方式のうちのいずれか1つを参照すると、選択的に、第1の態様のデータ伝送方法は、前記OLTが、ONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、前記ONU識別子に対応する等化パラメータを構成し、そして、前記構成される等化パラメータに基づいて、前記ペイロードに対して等化を実行することをさらに含んでもよい。
本明細書においては、等化パラメータは、これらには限定されないが、等化器のタップタイプ、等化器の次数、及びタップ係数等のうちの少なくとも1つを含む。
上記の選択的な方式において、アップリンクデータは、バーストモードでPONシステムにおいて伝送される。複数の異なる時間期間において、データ送信端(ONU)は変化する場合があり、データ送信端(ONU)とデータ受信端(OLT)との間のチャネルも、また、変化する場合がある。したがって、データ受信端がデータに対して等化処理を実行するのに使用される等化パラメータは、チャネルに応じて更新される必要がある場合がある。この出願においては、トレーニングによって、各々のONUの識別子に対応する等化パラメータを前もって取得し、そして、格納してもよい。等価パラメータは、伝送データに対するOLTとONUとの間のチャネルの影響を反映する場合がある。本明細書においては、トレーニング及び格納のプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
1. OLTは、ONUが送信する第1のメッセージを受信し、第1のメッセージは、第3のプリアンブル及び登録要求を含む。
2. OLTは、受信した第3のプリアンブルに基づいて、等化パラメータを決定する。
3. OLTは、ONUの識別子と決定された等化パラメータとの対応関係を格納する。
上記のプロセスによって、OLTは、PONシステムにおいて、伝送されるデータに対するOLTと各々のONUとの間のチャネルの影響を知ることが可能である。その次に、OLTは、その影響に基づいて、各々の伝送チャネルに対応する等化パラメータを決定し、そして、その決定された等化パラメータをONUの識別子に対応させてもよい。
上記の選択的な方式において、OLTは、等化技術を使用することによってペイロードを処理して、光デバイスの十分でない帯域幅を補償する。したがって、比較的小さな帯域幅を有する光デバイスの性能は、比較的大きな帯域幅を有する光デバイスと同等又はさらに良好な性能を有することが可能である。比較的小さな帯域幅を有する(OLT及びONUを含む)光デバイスは、また、アップリンク高速データ伝送を実装することが可能である。この場合には、次世代PONシステムの高速データ伝送要件を満足しつつ、アクセスネットワークのコストを減少させることが可能である。加えて、アップリンクバーストモードにおいては、アップリンクバーストデータを受信するときに、OLTは、ONUの識別子に基づいて、対応する等価パラメータを構成してもよく、等価パラメータを取得するためのトレーニングプロセスを必要とはしない。したがって、高速収束を実装することが可能であるとともに、アップリンクオーバヘッドを減少させることが可能である。加えて、効果的なアップリンク帯域幅を保証することが可能であるとともに、PONシステムのアップリンクデータ伝送効率を改善することが可能である。
第2の態様によれば、この出願は、ONU側に適用されるデータ伝送方法を提供する。その方法は、ONUがアップリンクバーストデータを生成するステップであって、前記アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含み、前記同期データブロックは、第1の同期データを含み、前記第1の同期データは、第1のプリアンブル及び前記ONUの識別子を含み、前記第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、前記ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い、ステップと、前記ONUがOLTに前記アップリンクバーストデータを送信するステップと、を含んでもよい。
本明細書においては、第2の態様において説明されているアップリンクバーストデータの構造及び機能と第1の態様において説明されているアップリンクバーストデータの構造及び機能とは同じである。第1の態様における関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
第3の態様によれば、この出願は、OLTを提供し、そのOLTは、第1の態様において説明されているデータ伝送方法を実行するように構成される。そのOLTは、メモリ及びそのメモリに結合されるプロセッサを含んでもよい。メモリは、第1の態様において説明されているデータ伝送方法の実装コードを格納するように構成される。プロセッサは、メモリに格納されているプログラムコードを実行するように構成される、すなわち、第1の態様によって提供される方法、又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行する。
第4の態様によれば、この出願は、ONUを提供し、そのONUは、第2の態様において説明されているデータ伝送方法を実行するように構成される。そのONUは、メモリ及びそのメモリに結合されるプロセッサを含んでもよい。メモリは、第2の態様において説明されているデータ伝送方法の実装コードを格納するように構成される。プロセッサは、メモリの中に格納されているプログラムコードを実行するように構成される、すなわち、第2の態様によって提供される方法、又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行する。
第5の態様によれば、この出願は、OLTを提供する。そのOLTは、複数の機能モジュールを含んでもよく、それらの複数の機能モジュールは、それに対応して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行するように構成される。
第6の態様によれば、この出願は、ONUを提供する。そのONUは、複数の機能モジュールを含んでもよく、それらの複数の機能モジュールは、それに対応して、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法を実行するように構成される。
第7の態様によれば、この出願は、PONシステムを提供する。そのPONシステムは、OLT及びONUを含む。OLTは、第3の態様において説明されているOLTであってもよく、ONUは、第4の態様において説明されているONUであってもよい。代替的に、OLTは、第5の態様において説明されているOLTであってもよく、ONUは、第6の態様において説明されているONUであってもよい。
第8の態様によれば、この出願は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。読み取り可能な記憶媒体は、命令を格納する。コンピュータにおいてその命令を実行するときに、そのコンピュータが、第1の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
第9の態様によれば、この出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータにおいてそのコンピュータプログラム製品を実行するときに、そのコンピュータが、第1の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
第10の態様によれば、この出願は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。その読み取り可能な記憶媒体は、命令を含む。コンピュータにおいてその命令を実行するときに、そのコンピュータが、第2の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
第11の態様によれば、この出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータにおいてそのコンピュータプログラム製品を実行するときに、そのコンピュータが、第2の態様において説明されているデータ伝送方法を実行することを可能とする。
この出願の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行することが可能である。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
この出願にしたがった通信システムの概略的な構成図である。
この出願にしたがったOLTの概略的な構成図である。
この出願にしたがったONUの概略的な構成図である。
この出願にしたがったデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。
この出願にしたがったPONシステムにおけるアップリンクデータ伝送のシナリオの概略的な図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータの構成の概略的な図である。
この出願にしたがったデータ周波数分布の概略的な図である。
この出願にしたがったデジタル信号位相のシーケンス図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータの他の構成の概略的な図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータにおける第2の同期データの概略的な構成図である。
この出願にしたがったアップリンクバーストデータにおける第1の同期データの概略的な構成図である。
この出願にしたがった他のデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。
この出願にしたがった等化パラメータトレーニングプロセスの概略的なフローチャートである。
この出願にしたがったOLT及びONUの機能ブロック図である。
この出願の複数の実装において使用される語の中には、この出願の複数の特定の実施態様を説明するのに使用されるにすぎないものもあるが、この出願を限定することを意図するものではない。
この出願によって提供されるデータ伝送方法をより良く説明するために、この出願の方法において使用される通信システムを最初に説明する。図1は、この出願にしたがった通信システムPON100の概略的な構成図である。PON100は、高速データ伝送を実行することが可能であり、(10G EPON及び50G EPON等の)イーサネット受動光ネットワーク(Ethernet PON, EPON)システム、(10G GPON及び50G GPON等の)ギガビット受動光ネットワーク(PON, GPON)システム(例えば10G
GPON及び50G GPON)、XG-PONシステムに限定されるものではなく、又は、将来的な発展型のPONシステムであってもよい。
図1に示されているように、PON100は、アクセスネットワークに適用され、コアネットワークにさまざまな端末デバイスを接続するように構成される。PON100は、OLT101、1つ又は複数のONU102、OLT101及びONU102を接続する光分配ネットワーク(optical distribution network, ODN)103を含んでもよい。
OLT101は、中央オフィスに位置し、ユーザ指向の受動光ネットワークに光ファイバインターフェイスを提供するように構成される。OLT101は、アップリンクにおいて(公衆交換電話ネットワーク(public switched telephone network, PSTN)、インターネット、又はCATV等の)上位層ネットワークに接続されて、PONシステムのアップリンクアクセスを完了する。OLT101は、ODNを介してONU102に接続されて、ONU102における制御、管理、及び測距等の機能を実装する。この出願においては、OLT101は、等化器を含み、その等化器は、ONU102が送信するアップリンクデータに対して等化を実行するように構成され、アップリンクデータ送信に対するチャネルフェージング及び符号間干渉等の影響を排除することが可能である。このことは、PON100のアップリンクデータ伝送効率を改善するとともに、OLT101の不十分な帯域幅を補償することが可能である。したがって、OLT101の性能は、より広い帯域幅を有するOLTの性能と同等であるか又はより良好である場合がある。
ONU102は、ユーザ側に位置し、顧客構内機器となっている。ONU102は、PON100にユーザ側インターフェイスを提供する。ONUが、パーソナルコンピュータ(Personal Computer, PC)のインターネットアクセスに使用されるイーサネットユーザポート等のユーザポートの機能を直接的に提供する場合に、ONUは、光ネットワーク端末(Optical Network Terminal, ONT)と称される。ONU102及びOLT101は、協働して、イーサネット層2及びイーサネット層3の機能を実装し、そして、音声、データ、及びマルチメディア等のサービスをユーザに提供する。ONU102は、OLT101が送信するデータを受信することを選択してもよく、さらに、(携帯電話又はコンピュータ等の)ユーザ端末が送信するユーザのイーサネットデータを受信し及びバッファリングし、そして、OLT101が割り当てる送信ウィンドウを使用してアップリンクにおけるイーサネットデータを送信してもよい。
ODN103は、(例えば、図1に示されているフィーダファイバ及び分配ファイバ等の)光ファイバ及び受動光スプリッタ等の1つ又は複数の受動光デバイスを含む。ODN103は、OLTとONUとの間の光チャネルを提供して、OLT101とONU102との間でデータを分配し又は多重化する。
この出願においては、図1に示されているPON100は、ポイントトゥマルチポイント時分割多重化(time division multiplexing, TDM)システムである。OLTからONUへの方向は、ダウンリンクと称され、ONUからOLTへの方向は、アップリンクと称される。アップリンクデータ伝送は、バーストモードである。具体的にいうと、OLT101は、複数の異なる時点において複数の異なるONU102からデータを受信する。ある特定の時間期間において、OLT101は、1つのONU102のみが送信するデータを受信することが可能である。バーストモードにおいては、複数の異なる時間期間においてOLT101が受信するデータは、複数の異なるONU102から到来する。OLT101と複数の異なるONU102との間の距離及びチャネル条件は異なっているため、そのデータについての遅延及び減衰はまた異なる。
この出願は、PONシステムのアップリンクバーストモードにおいて、OLTが、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別して、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応するオペレーションを実行する方法を説明している。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
図2は、この出願にしたがったOLT200の概略的な構成図である。OLT200は、図1に示されているPONシステムにおいて、OLT101として実装されてもよい。図2に示されているように、OLT200は、通信インターフェイス201、1つ又は複数のプロセッサ202、メモリ203、等化器204、光受信機205、及び光送信機206を含んでもよい。これらの構成要素は、バスによって、又は他の方式によって接続されてもよい。
通信インターフェイス201は、OLT200が、例えば、ONU又は上位層ネットワークデバイス等の他の通信装置と通信するのに使用されてもよい。特定の実装において、通信インターフェイス201は、 (例えば、イーサネットインターフェイス又は光ファイバインターフェイス等の)有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスを含んでもよい。
メモリ203は、プロセッサ202に結合され、さまざまなソフトウェアプログラム及び/又は命令の複数のセットを格納するように構成される。特定の実装において、メモリ203は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶デバイス等の不揮発性メモリをさらに含んでもよい。メモリ203は、Linux、uCOS、VxWorks、又はRTLinux等の組み込み型のオペレーティングシステムを含む。メモリ203は、内蔵されているネットワーク通信プログラムをさらに含んでもよく、ネットワーク通信プログラムは、PONシステムの中の他のデバイスと通信するのに使用されてもよい。
この出願の複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、メモリ203は、OLT側で、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法を実装するためのプログラムを格納するように構成されてもよい。この出願によって提供されるデータ伝送方法の実装については、以下の複数の実施形態を参照すべきである。ある1つの選択的な実施形態において、メモリ203は、さらに、PONシステムにおける複数のONUの識別子と等化パラメータとの間の対応関係を格納してもよい。この出願におけるONUの識別子と等化パラメータとの対応関係については、以下の複数の実施形態を参照すべきである。
コントローラプロセッサ202は、例えば、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)等の汎用プロセッサであってもよい。プロセッサ202は、ハードウェアチップをさらに含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、又は複合的なプログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device, CPLD)のうちの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。プロセッサ202は、通信インターフェイス201が受信するデータを処理してもよく、プロセッサ202は、さらに、無線伝送媒体を通じて伝送するために通信インターフェイス201に送信されるべきデータを処理してもよい。ある1つの選択的な実施形態において、プロセッサ202は、等化器204の動作パラメータを構成するように構成されてもよい。等化器204の動作パラメータについては、以下の複数の実施形態を参照すべきである。
この出願においては、プロセッサ202は、コンピュータ読み取り可能な命令を読み取り、そして、実行するように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ202は、例えば、OLT側で、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法を実装するためのプログラム等のメモリ203の中に格納されているプログラムを起動し、そして、プログラムの中に含まれる命令を実行する、ように構成されてもよい。
この出願においては、プロセッサ202は、ONUが送信するアップリンクバーストデータの中で搬送されるONUの識別子を取得して、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを識別するように構成される。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、プロセッサ202は、さらに、メモリ203の中に存在するONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、ONUの識別子に対応する等化パラメータを決定するように構成される。
等化器204は、光受信機205が出力する信号を処理して、信号品質を最適化するように構成される。等化器204は、主として、高速データに影響を与える十分ではない帯域幅を光デバイスに補償し、そして、伝送チャネル(すなわち、光ファイバ)におけるデータに影響を与える符号間干渉及びチャネルフェージング等の要因によって引き起こされる信号の歪みを補償して、ピアエンドに送信されるデータを正しく復元する、ように構成されてもよい。選択的に、等化器204は、フィルタを使用することによって実装されてもよい。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、等化器204は、プロセッサ202が決定する等化パラメータに基づいて、構成を実行し、アップリンクバーストデータの中にあるペイロードに対して、その構成された等化パラメータに基づいて、等化を実行するように構成される。
光受信機205は、光電気信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光受信機205は、アップリンクバースト光信号(すなわち、アップリンクバーストデータ)を受信し、そして、光信号を電気信号に変換する、ように構成される。
光送信機206は、電気光信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光送信機206は、プロセッサ202が生成するダウンリンク電気信号(すなわち、ダウンリンクデータ)を光信号に変換し、ODNを通じて、対応するONUに光信号を送信する、ように構成される。
図2に示されているOLT200は、この出願のある1つの実装であるにすぎない。実際の適用においては、OLT200は、より多くの構成要素又はより少ない構成要素をさらに含んでもよい。このことは、本明細書においては限定されない。
図3は、この出願にしたがったONU300の概略的な構成図である。ONU300は、図1に示されているPONシステムのONU102として実装されてもよい。図3に示されているように、ONU300は、通信インターフェイス301、1つ又は複数のプロセッサ302、メモリ303、光受信機304、及び光送信機305を含んでもよい。これらの構成要素は、バスによって、又は他の方式によって接続されてもよい。これらの説明は、以下のようになる。
通信インターフェイス301は、ONU300によって使用されて、例えば、OLT又はユーザ端末等の他の通信デバイスと通信してもよい。特定の実装において、通信インターフェイス301は、(例えば、イーサネットインターフェイス又は光ファイバインターフェイス等の)有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスを含んでもよい。
メモリ303は、プロセッサ302に結合され、さまざまなソフトウェアプログラム及び/又は命令の複数のセットを格納するように構成される。特定の実装において、メモリ303は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶デバイス等の不揮発性メモリをさらに含んでもよい。メモリ303は、Linux、uCOS、VxWorks、又はRTLinux等の組み込み型のオペレーティングシステムを含む。メモリ303は、組み込み型のネットワーク通信プログラムを含んでもよく、ネットワーク通信プログラムは、PONシステムの中の他のデバイスと通信するのに使用されてもよい。
この出願の複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、メモリ303は、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法をONU側で実装するためのプログラムを格納するように構成されてもよい。この出願によって提供されるデータ伝送方法の実装については、以下の複数の実施形態を参照すべきである。
コントローラプロセッサ302は、例えば、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)等の汎用プロセッサであってもよい。プロセッサ301は、ハードウェアチップをさらに含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、又は複合的なプログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device, CPLD)のうちの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。プロセッサ302は、通信インターフェイス301が受信するデータを処理してもよく、プロセッサ302は、さらに、無線伝送媒体を通じて伝送するために通信インターフェイス301に送信されるべきデータを処理してもよい。
この出願においては、プロセッサ302は、コンピュータ読み取り可能な命令を読み出し及び実行するように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ302は、例えば、この出願の1つ又は複数の実施形態によって提供されるデータ伝送方法をONU側で実装するためのプログラム等のメモリ303の中に格納されているプログラムを呼び出し、そして、そのプログラムの中に含まれる命令を実行するように構成されてもよい。
光受信機304は、光電気信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光受信機304は、OLTが送信するダウンリンク光信号(すなわち、ダウンリンクデータ)を受信し、光信号を電気信号に変換するように構成される。
光送信機305は、電気光信号変換を実行するように構成される。具体的にいうと、光送信機305は、プロセッサ302が生成するアップリンク電気信号(すなわち、アップリンクバーストデータ)を光信号に変換し、そして、ODNを通じてOLTに光信号を送信するように構成される。
図3に示されているONU300は、この出願のある1つの実装であるにすぎない。実際の適用においては、ONU300は、より多くの構成要素又はより少ない構成要素をさらに含んでもよい。このことは、本明細書においては限定されない。
上記のポイントトゥマルチポイント通信システム、すなわち、PON100、OLT200、及びONU300に基づいて、この出願は、データ伝送方法を提供する。その方法は、ポイントトゥマルチポイント通信システムに適用されてもよい。アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONUからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行してもよい。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
図4は、この出願にしたがったデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。その方法は、図1に示されているPONシステムに適用されてもよい。
図4に示されているように、その方法は、以下のステップを含む。
S101: ONUは、アップリンクバーストデータを生成し、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
S102: ONUは、OLTにアップリンクバーストデータを送信し、それに対応して、OLTは、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信する。
本明細書においては、OLTは、図1に示されているPON100の中のOLT101であってもよく、又は、図2に示されているOLT200であってもよい。ONUは、図1に示されているPON100の中のONU102であってもよく、又は、図3に示されているONU300であってもよい。
この出願においては、ONUからOLTへの方向は、アップリンク方向である。アップリンク方向においては、時分割多重化を使用することによってデータを伝送する。図5を参照すると、アップリンク伝送時間は、複数のタイムスロット(time slot)に分割され、各々のタイムスロットは、ある1つのONUがデータを送信するのに使用されてもよい。言い換えると、アップリンクデータ伝送は、バーストモードであり、OLTは、複数の異なるタイムスロットにおいて複数の異なるONUからアップリンクバーストデータを受信してもよい。
以下の記載は、この出願におけるアップリンクバーストデータの構成を詳細に説明している。図6は、この出願にしたがったアップリンクバーストデータの構成の概略的な図である。その図に示されているように、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロード(data)を含む。同期データブロックは、第1の同期データを含み、第1の同期データは、第1のプリアンブル(preamble1)及びONUの識別子(ONU-ID)を含む。
アップリンクバーストデータにおいては、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。図7は、データ周波数分布の概略的な図である。その図に示されているように、横軸は、周波数(f)を示し、縦軸は、振幅(w)を示す。図7に示されている曲線は、データ周波数分布を示し、その曲線と座標軸との間の面積は、そのデータの周波数分布が占有する帯域幅を示してもよい。ある1つの特定の例において、曲線1は、第1の同期データの周波数分布を示し、曲線2は、ペイロードの周波数分布を示してもよい。曲線1が占有する帯域幅は、曲線2が占有する帯域幅よりも狭い。言い換えると、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。選択的に、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅は、PONシステムの高速データ伝送に必要な帯域幅と一致してもよい。
図7から、狭い帯域幅を占有する曲線は、より低い周波数分布に対応しているということを理解することが可能である。言い換えると、この出願においては、第1の同期データの周波数は、ペイロードの周波数よりも低い。第1の同期データの周波数がペイロードの周波数よりも低いときに、第1の同期データの送信レートは、ペイロードの送信レートと等しいか又はより低くてもよい。
以下の記載は、ディジタル信号の送信レートと周波数との間の関係を詳細に説明する。図8は、3つのディジタル信号の位相シーケンスの図である。図8に示されている3つのディジタル信号のうち、(a)のディジタル信号符号化周波数は、(b)及び(c)のディジタル信号符号化周波数よりも高い。図8に示されているディジタル信号を伝送するときに、(a)のデータ送信レートは、(c)のデータ送信レートと同じであり、(a)のデータ送信レートは、(b)のデータ送信レートの4倍である。言い換えると、周波数がより低いディジタル信号の送信レートは、(例えば、(c)及び(a)に示されているディジタル信号のように)周波数がより高いディジタル信号の送信レートと同じであってもよく、(例えば、(b)及び(a)に示されているディジタル信号のように)周波数がより高いディジタル信号の送信レートよりも小さくてもよい。
アップリンクバーストデータの同期データブロックにおいて、第1の同期データは、第1のプリアンブルを含む。アップリンクバーストモードの場合には、複数の異なるONUからの複数の異なるバーストデータの間の振幅及び位相は大きく異なるが、複数の異なるバーストデータの送信の間の時間間隔は小さいため、OLTは、短時間での急激な振幅及び位相の変化を伴うバーストデータに応答する必要がある。本明細書においては、第1の同期データの中の第1のプリアンブルは、OLTが短時間の間にデータに正しく応答すること(すなわち、第1のプリアンブルを除くアップリンクバーストデータのうちで、ONUの識別子及びペイロードを含む残りの部分を正しく識別すること)を可能とする。OLTが第1のプリアンブルに基づいてONUの識別子及びペイロードを正しく識別する方法については、ステップS103の関連する説明を参照すべきである。
アップリンクバーストデータの同期データブロックにおいて、第1の同期データは、ONUの識別子をさらに含む。ONUの識別子は、一意のONU を示すのに使用されるか、又は、ONUのグループを示すのに使用される。言い換えると、同期データブロックの中のONUの識別子は、現在のバーストデータブロックがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのバーストデータブロックであるかを示してもよい。ONUの識別子がONUのグループを示すのに使用されている場合に、それらのグループの中のONUは、同様の性能を有していてもよい。例えば、そのグループの中のONUは、同じ帯域幅を有し、そのグループの中のONUとOLTとの間の距離は同様である。本明細書においては、ONUの識別子は、論理リンク識別子(logic link identifier, LLID)、ベンダ固有のシリアル番号(vendor specific serial number, VSSN)、MACアドレス、又は他の識別子であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
アップリンクバーストデータにおいて、ペイロードは、ONUからOLTに伝送される有効なデータである。
図6は、この出願におけるアップリンクバーストデータの構成を示す。特定の実装において、この出願におけるアップリンクバーストデータは、代替的に、他の構成として実装されてもよい。以下の記載は、この出願におけるアップリンクバーストデータの可能な構成のある1つの例を示している。
ある1つの選択的な実施形態において、図6に示されているアップリンクバーストデータに基づいて、同期データブロックは、第2の同期データをさらに含む。第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅よりも広い。図9は、その選択的な実施形態におけるアップリンクバーストデータの構成の概略的な図である。第2の同期データの機能については、以下の複数の実施形態における関連する説明を参照すべきである。
選択的に、第2の同期データの送信レートは、ペイロードの送信レートと等しくてもよい。選択的に、ペイロードの伝送量は、PONシステムが要求するデータ送信レートである。
選択的に、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の整数倍である。本明細書においては、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の整数倍であってもよく又は非整数倍であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
図10は、図9に示されている選択的な実施形態における第2の同期データの可能な構成を示す。図10の左の図に示されているように、選択的に、第2の同期データは、第2のプリアンブル(preamble2)を含んでもよく、第2のプリアンブルは、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードを識別するのに使用されてもよい。さらに、図10の右の図に示されているように、第2の同期データは、第2の区切り文字(delimiter2)をさらに含んでもよい。第2の区切り文字は、第2のプリアンブルの後ろに位置し、OLTがアップリンクバーストデータのペイロードをより迅速に発見するのに使用されてもよい。
ある1つの選択的な実施形態において、図6又は図9に示されているアップリンクバーストデータに基づいて、第1の同期データは、第1の区切り文字(delimiter1)をさらに含んでもよい。図11は、その選択的な実施形態における第1の同期データのある1つの可能な構成を示す。図11の左の図に示されているように、第1の区切り文字は、第1のプリアンブルとONUの識別子との間に位置していてもよい。図11の右の図に示されているように、第1の区切り文字は、代替的に、ONUの識別子の後ろに位置していてもよい。このことは、この出願においては限定されない。本明細書においては、第1の区切り文字は、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子をより迅速に発見するのに使用されてもよい。
上記の選択的な実施形態において、アップリンクバーストデータの場合に、第1のプリアンブルのコードタイプ及び第2のプリアンブルのコードタイプは、標準的なプロトコルによってあらかじめ定義されてもよく、又は、OLTによって決定され、そして、その次に、ONUに送信されてもよい。OLTにアップリンクバーストデータを送信するときに、PONシステムの中のONUは、同じ第1のプリアンブル及び/又は第2のプリアンブルを使用してもよく、或いは、異なる第1のプリアンブル及び/又は第2のプリアンブルを使用してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
選択的に、この出願によって言及されているアップリンクバーストデータは、イーサネットデータフレームとして実装されてもよい。
ステップS102において、OLT及びONUは、光ファイバによって接続されているので、OLTがONUから受信するアップリンクバーストデータは光信号であるということを理解することが可能である。OLTは、光信号を電気信号に変換し、そして、その次に、次の処理を実行する(すなわち、ステップS103を実行する)必要がある。言い換えると、OLTが処理するこの出願で後に言及されるアップリンクバーストデータは、電気信号である。
S103: OLTは、第1の同期データの中のONUの識別子を取得する。
具体的には、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信した後に、OLTは、そのアップリンクバーストデータのうちのペイロードを取得してもよい、すなわち、ONUが送信する有効なデータのペイロードを取得してもよい。OLTは、さらに、アップリンクバーストデータの第1の同期データの中のONUの識別子を取得してもよい。OLTは、ONUの識別子によって、現在受信しているアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを知ることが可能である。
以下の記載は、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を取得するために実行する複数の特定の操作を詳細なステップの形態で説明する。
1. ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信した後に、OLTは、最初に、アップリンクバーストデータの中の第1の同期データを復元する必要がある。
具体的には、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。言い換えると、第1の同期データの周波数は、ペイロードの周波数よりも低い。第1の同期データは、伝送プロセスにおいて、(光ファイバの性能の影響及び光トランシーバの性能の影響を含む)OLTとONUとの間の伝送チャネルによってわずかに影響を受ける。したがって、OLTは、等価技術の使用を省略するか、又は、あらかじめ設定されている等価パラメータに基づいて、受信したアップリンクバーストデータに対して等価を実行して、アップリンクバーストデータの第1の同期データを復元してもよい。OLTは、あらかじめ設定されている等化パラメータを前もって格納していてもよい。
OLTが、等価技術の使用を省略して、アップリンクバーストデータのうちの第1の同期データを復元するときに、等価パラメータを構成して、アップリンクバーストデータに対して等価を実行するステップが省略され、したがって、データ処理時間を短縮する。OLTが、あらかじめ設定された等価パラメータを使用することによって、受信したアップリンクバーストデータに対して等価を実行するときに、トレーニングによって等価パラメータを取得する処理が省略され、したがって、また、データ処理時間を短縮することが可能である。したがって、ステップ1において、OLTは、アップリンクバーストデータの中の第1の同期データを迅速に復元することが可能であり、このことは、比較的短い時間を要する。
複数の異なるバーストデータの間の振幅及び位相は大きく異なるが、複数の異なるバーストデータの送信の間の時間間隔は小さいため、以前のアップリンクバーストデータに適用可能であるOLTの現在のクロック及び決定レベルは、現在受信しているアップリンクバーストデータには適用可能ではない場合があるということを理解することが可能である。したがって、ステップ1において第1の同期データを復元する場合であっても、OLTは、第1の同期データのうちの各々の部分の特定の値を正確に識別することが不可能である。その次に、ステップ2によって、OLTは、復元された第1の同期データの中のONUの識別子を正確に識別することが可能である。
2. OLTは、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元する。
具体的には、第1のプリアンブルは、前もってOLTによって取得されてもよい。アップリンクバーストデータの中の同期データブロックを復元した後に、OLTは、前もって取得した第1のプリアンブル及び復元された同期データブロックの中の第1のプリアンブルに対して相関演算を実行してもよい。受信した信号の位相は、演算結果に基づいて決定されてもよい。前もって取得された第1のプリアンブルと復元された同期データブロックの中の第1のプリアンブルとの間の位相差が最も小さいときに、OLTは、第1のクロックとして現在使用されているクロックを使用してもよい。言い換えると、OLTは、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元してもよい。
3. OLTは、第1のクロックを使用して、第1の同期データの中のONUの識別子を識別する。
具体的には、第1のプリアンブルの頻度は、ONUの識別子の頻度と一致する。したがって、ステップ2において復元されている第1のクロックは、OLTが第1の同期データの中のONUの識別子を識別するのに使用されてもよい。
選択的に、OLTは、さらに、第1のプリアンブルに基づいて、正しい決定レベルを確立してもよく、それによって、ONUの識別子のサンプリング時点は、最適なサンプリング点に存在する。したがって、OLTは、第1の同期データの中のONUの識別子を正確に識別することが可能である。
選択的に、場合によっては、ONUの識別子のコードタイプと第1のプリアンブルのコードタイプは、わずかに異なることがある。OLTは、ONUの識別子を第1のプリアンブルと間違えることによって、ONUの識別子の正確な識別に失敗する。
図11を参照すると、第1の同期データは、第1の区切り文字をさらに含んでもよく、第1の区切り文字は、OLTがONUの識別子を迅速かつ正確に識別するのに使用されてもよい。本明細書においては、OLTは、復元された第1のクロックを使用して、第1の同期データの中のONUの識別子及び第1の区切り文字を識別してもよい。第1の区切り文字は前もって取得されるので、OLTは、最初に、第1の同期データの中の第1の区切り文字を識別してもよい。その次に、OLTは、第1の区切り文字とONUの識別子との間の位置関係に基づいて、ONUの識別子を迅速かつ正確に識別することが可能である。アップリンクバーストデータの構成が、図11の左の図に示されている場合に、第1の区切り文字を識別した後に、OLTは、第1の区切り文字の後の部分がONUの識別子であるということを知ることが可能である。アップリンクバーストデータの構成が、図11の右の図に示されているものである場合に、第1の区切り文字を識別した後に、OLTは、第1の区切り文字の前の部分がONUの識別子であるということを知ることが可能である。本明細書においては、OLTは、前もってONUの識別子の長さを取得して、ONUの識別子を迅速に識別してもよい。
ステップS103を実行することによって、OLTは、アップリンクバーストデータの中のONUの識別子を迅速かつ正確に識別することが可能であり、そして、その識別子に基づいて、現在受信しているアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループのからのアップリンクバーストデータであるかを識別することが可能である。
上記のことから、図4に示されている方法の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるのかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行することが可能であるということを理解することが可能である。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
図4に示されている方法の実装の後に、OLTは、現在のアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループのからのアップリンクバーストデータであるかを識別することが可能である。アップリンクバーストデータのペイロード(すなわち、有効なデータ)を取得した後に、OLTは、1つの有効なデータ伝送を完了してもよい。
PONシステムにおいてデータを高いレートで伝送するときに、光デバイスのリンク分散及び限られた帯域幅は、深刻な符号間干渉を引き起こす。したがって、OLTは、受信したアップリンクバーストデータのペイロードに対して処理を実行して、アップリンクバーストデータのペイロードに対する影響を排除する必要がある。
現在、チャネル等化技術は、通信システムにおける符号間干渉を減少させるのに有効である。通信システムは、等化器を使用して伝送チャネルとは反対の特性を生成し、そして、データに対して等価を実行して、データに対する伝送チャネルの影響を除去することが可能である。データに対して等価を実行するときに、通常は、トレーニングによって前もって対応する等価パラメータを取得する必要がある。
例えば、ポイントトゥポイント通信システムにおいては、データ送信端とデータ受信端との間のチャネルは、基本的に固定されており、送信されるデータに対するチャネルの影響は、また、比較的一定となる。したがって、ポイントトゥポイント通信システムは、初期化段階におけるトレーニングによって、データ伝送に対する固定チャネルの影響を知ることが可能である。光回線端末は、その影響に基づいて、等化器の等価パラメータを設定する。データ受信端は、等化パラメータを使用して、以降のデータ伝送におけるデータに対して等化を実行し、その結果、データ伝送に対する固定のチャネルの影響を排除してもよい。ここで、トレーニングは、アップリンク帯域幅を占有し、特定の時間を消費するので、通信システムは、そのトレーニングの際に有効なデータを送信することが不可能である。
図1に示されているポイントトゥマルチポイント通信システムの場合には、アップリンクデータは、バーストモードで伝送される。したがって、複数の異なる時間期間において、データ送信端(ONU)は変化し、データ送信端(ONU)とデータ受信端(OLT)との間のチャネルは変化する場合がある。また、光回線端末がデータに対して等化を実行するのに使用される等化パラメータをチャネルによって更新する必要がある場合がある。チャネルが変化するたびごとにトレーニングによって等価パラメータを更新する場合には、そのような状況では、アップリンク帯域幅を浪費するとともに、大量の時間を消費し、通信システムのデータ伝送効率が影響を受ける。
以下の記載において、この出願は、PONシステムのアップリンクバーストモードの場合に、OLTがアップリンクバーストデータに対して等化をどのように実行して、高速収束を実装するかを説明する。この場合には、アップリンクオーバヘッドを検証させることが可能であるとともに、効果的なアップリンク帯域幅を保証することが可能であり、PONシステムのアップリンクデータ伝送効率を改善することが可能である。
図12は、この出願にしたがった他のデータ伝送方法の概略的なフローチャートである。その方法は、図1に示されているPONシステムに適用されてもよい。
図12に示されているように、この方法は、以下のステップを含んでもよい。
S201: ONUは、アップリンクバーストデータを生成し、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
S202: OLTは、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信する。
S203: OLTは、第1の同期データの中のONUの識別子を取得する。
本明細書においては、ステップS201乃至S203の実装は、図4に示されている方法のステップS101乃至S103の実装と同じである。詳細については、関連する説明を参照すべきである。アップリンクバーストデータの構成については、図6乃至図11及び関連する説明を参照すべきである。
S204: OLTは、ONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、ONUの識別子に対応する等化パラメータを構成し、その構成された等化パラメータに基づいて、ペイロードに対して等化を実行する。
具体的には、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅は、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅よりも広い。すなわち、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅はより広く、ペイロードはOLTとONUとの間の伝送チャネルによって大きく影響を受ける。したがって、ペイロードに対して等化を実行して、その影響を相殺する必要がある。
本明細書においては、PONシステムを配置した後に、各々のONUとOLTとの間の伝送チャネルは基本的に固定されている。すなわち、伝送チャネルの特性は、基本的に変化しないまま維持されており、伝送されるデータに対するその伝送チャネルの影響を量子化し、そして、決定してもよい。複数の異なるONUとOLTとの間の(伝送距離、チャネル分散、及び光デバイスの性能等の)チャネル条件は異なっているので、複数の異なるONUからのデータは、チャネルによって(符号間干渉等の)異なる影響を受ける。OLTが複数の異なるONUからのデータに対して等化を実行するときに、使用される等化パラメータは、データに対する実際のチャンネルの影響に対応している必要がある。したがって、データに対して正確に等化を実行することが可能である。
この出願においては、OLTは、アップリンクバーストデータの中のONUの識別子を使用することによって、現在受信しているアップリンクバーストデータがいずれのONU又はONUのいずれのグループからのアップリンクバーストデータであるかを識別することが可能である。この場合には、OLTは、ONUの識別子に対応する等価パラメータを構成し、そして、その構成した等価パラメータに基づいて、アップリンクバーストデータのペイロードに対して等価を実行してもよい。
具体的には、OLTは、PONシステムの中の複数のONUの識別子と等化パラメータとの間の対応関係を前もって格納してもよい。本明細書においては、ONUの識別子に対応する等化パラメータは、OLTとONUとの間の伝送チャネルに対応する等化パラメータである。表1は、OLTに格納されている各々のONUの識別子と等化パラメータとの間の対応関係を示している。
本明細書においては、この出願における等化パラメータは、これらには限定されないが、等化器のタップタイプ、等化器の次数、及びタップ係数等のうちの少なくとも1つを含む。
図12に示されている方法によれば、等化技術を使用することによってペイロードを処理すると、光デバイスの不十分な帯域幅を補償することが可能である。したがって、比較的小さな帯域幅を有する光デバイスの性能は、比較的大きな帯域幅を有する光デバイスの性能に到達することが可能であるか、又は、その光デバイスの性能よりも良好でさえある場合がある。比較的小さな帯域幅を有する(OLT及びONUを含む)光デバイスは、また、アップリンク高速データ伝送を実装することが可能である。この場合には、次世代PONシステムの高速データ伝送要件を満たしつつ、アクセスネットワークのコストを減少させることが可能である。
図12に示されている方法によれば、アップリンクバーストモードにおいて、アップリンクバーストデータを受信するときに、OLTは、ONUの識別子に基づいて、対応する等価パラメータを構成してもよく、等価パラメータを取得するためのトレーニングプロセスを必要としない。したがって、高速収束を実装することが可能であり、アップリンクオーバヘッドを減少させることが可能である。加えて、有効なアップリンク帯域幅を保証することが可能であり、PONシステムのアップリンクデータ伝送効率を改善することが可能である。
図12に示されている方法によれば、ステップS204において、OLTが、構成された等化パラメータに基づいて、ペイロードに対して等化を実行した後に、ペイロードに対する伝送チャネルの影響は除去される。アップリンクバーストデータの場合には、OLTは、第1の同期データの中の第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元し、第1のクロックは、ペイロードのクロックと完全には一致せず、ペイロードには適用可能ではない場合がある。したがって、OLTは、等化を実行しているペイロードの特定の値を正確に識別することは不可能である。以下の記載は、OLTが、ペイロードに適用可能であるクロックを復元し、そして、その復元されたクロックを使用することによって、ペイロードの特定の値を識別する方式を説明している。
図9に示されているように、アップリンクバーストデータが第2の同期データを含むときに、第2の同期データは、OLTがペイロードを識別するのに使用されてもよい。
具体的には、OLTは、第2の同期データに基づいて、第2のクロックを復元することが可能である。本明細書においては、第2の同期データに基づいて第2のクロックを復元するOLTの動作は、図4に示されている方法のステップS103において第1のプリアンブルに基づいて第1のクロックを復元するOLTの動作と同様である。詳細については、関連する説明を参照すべきである。
選択的に、第2の同期データの送信レートは、ペイロードの送信レートに等しい。したがって、OLTは、第2のクロックを使用して、ペイロードを識別してもよい。
選択的に、OLTは、第2の同期データに基づいて、正しい決定レベルを確立することが可能であり、それによって、OLTのペイロードのサンプリング時点は、最適サンプリング点となる。したがって、OLTは、ペイロードを正確に識別することが可能である。
選択的に、図10を参照すると、第2の同期データが第2のプリアンブルを含む場合に、OLTは、第2のクロックを復元し、そして、第2のプリアンブルに基づいて決定レベルを確立することが可能である。
選択的に、図10に示されている右の図を参照すると、第2の同期データが第2のプリアンブル及び第2の区切り文字を含む場合に、第2の区切り文字は、OLTがペイロードを迅速に発見するのに使用されてもよい。具体的には、OLTは、第2のクロックを使用して、第2の同期データの中の区切り文字及びペイロードを識別してもよい。第2の区切り文字は前もって得られるので、OLTは、最初に、第2の同期データの中の第2の区切り文字を識別することが可能である。その次に、OLTは、第2の区切り文字とペイロードとの間の位置関係に基づいて(すなわち、ペイロードは、第2の区切り文字の後ろに位置している)、ペイロードを迅速かつ正確に識別する。第2の区切り文字を使用することによって、ペイロードと第2のプリアンブルとの間のコードタイプの差異が比較的小さく、OLTがペイロードを正確に識別することが不可能である場合を回避することが可能である。
選択的に、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅が、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅の倍数である場合に、OLTが、図12に示されている方法のステップS203にしたがって、第1のプリアンブルに基づいて第1のクロックを復元した後に、第2のクロックは、第2の同期データの周波数分布が占有する帯域幅と第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅との間の倍数関係に基づいて前もって決定されていてもよい。ステップS204において、OLTは、前もって決定されている第2のクロックを補正するのみでよく、その結果、ペイロードに適用可能である第2のクロックを取得する。このようにして、ステップS204において、OLTが第2のクロックを決定して、ペイロードを識別するための時間を短縮することが可能であり、また、データ処理速度を改善することが可能である。
図12に示されている方法においては、トレーニングによって、OLTの中に格納されているとともに、ONUの各々の識別子に対応する等化パラメータを取得してもよい。トレーニングは、PONシステムの中のOLT及び各々のONUによって個々に実行されて、対応する等化パラメータを取得する。トレーニングは、図12に示されている方法の前に実装されてもよい、すなわち、ステップS201の前に実装されてもよい。
以下の記載は、ある1つの例としてONUを使用して、OLTが等化パラメータを取得するトレーニングのプロセスを説明する。図13は、この出願にしたがった等化パラメータトレーニングプロセスの概略的なフローチャートである。図に示されているように、トレーニングのプロセスは、以下のステップを含んでもよい。
S301: OLTは、ONUが送信する第1のメッセージを受信し、第1のメッセージは、第3のプリアンブル及び登録要求を含む。
具体的には、OLTにデータを送信する前に、ONUは、OLTに登録する必要がある。具体的には、ONUは、OLTに第1のメッセージを送信してもよく、第1のメッセージは、登録要求を含み、登録要求は、ONUがOLTに登録するのに使用される。本明細書においては、登録要求は、REGISTER_REQであってもよい。ONUがOLTに登録された後に、OLTは、ONUがPONシステムに含まれているということを認識し、ONUが送信するデータを受信してもよい。
選択的に、OLTは、周期的にウィンドウを開いてもよい。ウィンドウを開く際に、ONUがOLTに登録することを可能とする。本明細書においては、ウィンドウが開く際にOLTに登録されているONUは、PONシステムの中に新たに配置されたONUであってもよい。
選択的に、ONUが第3のプリアンブルを決定する方式は、これらには限定されないが、以下の2つの方式を含む。(1) ONUは、前もって、第3のプリアンブルのコードタイプ及び第3のプリアンブルの符号化周波数等のパラメータを格納し、あらかじめ格納されているパラメータに基づいて、第3のプリアンブルを決定する。(2) OLTは、ONUのために、第3プリアンブルのコードタイプ及び符号化周波数等のパラメータを構成し、ONUにその構成されたパラメータを送信する。ONUは、受信したパラメータに基づいて、第3のプリアンブルを決定する。
この出願おいては、PONシステムの中の各々のONUは、同じ第3のプリアンブル又は異なる第3のプリアンブルを使用することによって、OLTに第1のメッセージを送信してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
この出願において、第3のプリアンブルは、OLTが伝送チャネルに対応する等化パラメータを決定するのに使用され、伝送チャネルは、OLTとONUとの間の伝送チャネルである。決定処理については、以下のステップS302における関連する説明を参照すべきである。
本明細書においては、図4及び図12における第1のプリアンブルの長さは、第3のプリアンブルの長さよりも短い。すなわち、図4及び図12に示されている方法の実施形態において、第1のプリアンブルの長さは比較的短い。このようにして、図4及び図12に示されている方法の実施形態においては、OLTが、第1のクロックを復元し、ONUの識別子を識別し、そして、等化パラメータを決定するために、第1のプリアンブルに基づいて消費する時間は、OLTが、等化パラメータを決定する(すなわち、トレーニングプロセスの)ために、第3のプリアンブルに基づいて消費する時間よりもより短くなるということを保証することが可能である。したがって、図4及び図12に示されている方法において、高速収束を実装する。
S302: OLTは、受信した第3のプリアンブルに基づいて、等化パラメータを決定する。
具体的には、OLTは、受信した第3プリアンブルに基づいて、等化パラメータを決定する。本明細書においては、OLTが受信する第3のプリアンブルは、チャネル(すなわち、OLTとONUの間のチャネル)を通じて伝送され、第3のプリアンブルは、チャネル応答を搬送する。したがって、第3のプリアンブルに基づいて決定される等価パラメータは、OLTとONUとの間の伝送チャネルに対応し、その等価パラメータは、伝送チャネルの特性を反映してもよい。言い換えると、等化パラメータは、伝送されるデータに対する伝送チャネルの影響を反映してもよい。
本明細書においては、OLTが決定する等化パラメータは、これらには限定されないが、等化器のタップタイプ、等化器の次数、及びタップ係数等のうちの少なくとも1つを含む。
この出願において、OLTは、受信した第3のプリアンブルに基づいて、複数の方式によって等化パラメータを決定してもよい。このことは、この出願においては限定されない。選択的に、OLTによって、受信した第3のプリアンブルに基づいて、等化パラメータのうちのタップ係数を算出する方法は、最小平均二乗(least mean square, LMS)アルゴリズム、再帰的最小二乗(recursive least squares, RLS)アルゴリズム、最小平均二乗誤差(minimum mean square error, MMSE)アルゴリズム、最小二乗(least squares, LS)アルゴリズム、又は上記の4つのアルゴリズムの派生的なアルゴリズムを含んでもよい。このことは、この出願においては限定されない。
S303: OLTは、ONUの識別子と決定された等化パラメータとの間の対応関係を格納する。
選択的に、表1によれば、OLTは、ONUの識別子と決定された等化パラメータとの間の対応関係を格納してもよい。本明細書においては、ONUユニットの識別子と決定された等化パラメータとの間の対応関係は、OLTが図12に示されているデータ伝送方法を実装するのに使用されてもよい。すなわち、ONUからアップリンクバーストデータを受信するときに、OLTは、アップリンクバーストデータのペイロード部分に対して等化を実行してもよい。
図13に示されている等化パラメータのトレーニングによって、OLTは、PONシステムにおいて、伝送データに対するOLTと各々のONUとの間のチャネルの影響を知ることが可能である。OLTは、その影響に基づいて、各々の伝送チャネルに対応する等化パラメータを決定してもよい。
選択的に、図13に示されている方法は、OLTの中に格納されている等化パラメータを更新するために、PONシステムの中に存在するOLTとONUとの間で間欠的に又は周期的に実行されてもよい。
図4及び図12に示されている方法においては、ONUがOLTにアップリンクバーストデータを送信するときに、そのアップリンクバーストデータは、ONUの識別子を含む。図13に示されている方法においては、等化パラメータを決定した後に、OLTは、決定した等化パラメータをONUの識別子に対応させる必要がある。OLTがONUと通信する前に、OLT及びONUの双方は、ONUの識別子を取得することが可能である。以下の記載は、OLT及びONUがONUの識別子を取得する2つの方式を詳細に説明している。
(1) ONUの識別子は、OLTによって各々のONUに割り当てられる。
具体的には、OLTは、そのOLTで登録されている各々のONUに識別子を割り当ててもよい。選択的に、OLTがONUに割り当てた識別子は、論理リンク識別子(logic link identifier, LLID)であってもよく、又は、他の識別子であってもよい。このことは、この出願においては限定されない。
選択的に、ONUが送信する登録要求を受信した後に、OLTは、ONUに割り当てられている識別子をONUに送信する。すなわち、図13に示されている方法のステップS301の実装の後に、図13に示されている方法は、OLTがONUに割り当てられている識別子をONUに送信するというステップをさらに含んでもよい。
選択的に、他の場合では、OLTは、さらに、ONUに割り当てられている識別子をONUに送信してもよい。例えば、新たなONUがPONシステムにアクセスするということを検出するときに、OLTは、新たにアクセスしたONUに識別子を割り当てる。このことは、この出願においては限定されない。
(2) ONU識別子は、ONUによってOLTに送信される。
具体的には、この出願において、ONUの識別子がONUの特定の識別子である場合に、ONUは、識別子を取得し、OLTにその識別子を送信してもよい。
選択的に、ONUの特定の識別子は、これらには限定されないが、ONUのベンダー特有シリアル番号(vendor specific serial number, VSSN)及びMACアドレスからなる複数のタイプを含む。
選択的に、ONUがOLTに送信する登録要求は、識別子を搬送してもよい。すなわち、図13に示されている方法のステップS301において、ONUがOLTに送信する登録要求は、ONUの識別子を搬送する。
選択的に、ONUがOLTに送信する他のメッセージは、さらに、ONUの識別子を搬送してもよい。このことは、この出願においては限定されない。
上記の2つの方式において、OLT及びONUの双方は、図4、図12、及び図13に示されている方法を実装するために、ONUの識別子を取得するということを保証することが可能である。
上記の記載は、この出願におけるデータ伝送方法を詳細に説明してきた。この出願におけるその方法をより良好に実装するために、上記の記載に対応して、以下の記載は、この出願における装置を提供する。
図14は、この出願にしたがったPONシステム、OLT、及びONUを示している。PONシステムは、OLT400及びONU500を含む。PONシステムは、図1において説明されているPON100であってもよく、OLT400は、図1に示されているシステムのうちのOLT101であってもよく、ONU500は、図1に示されているシステムのうちのONU102であってもよい。それらの詳細は、以下において個別に提供される。
図14に示されているように、OLT400は、受信ユニット401及び取得ユニット402を含んでもよい。
これらのうちで、受信ユニット401は、ONUが送信するアップリンクバーストデータを受信するように構成される。アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。また、第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
取得ユニット402は、第1の同期データの中のONUの識別子を取得するように構成される。
アップリンクバーストデータの構成については、図4に示されている方法の実施形態における関連する説明を参照すべきである。
本明細書においては、受信ユニット401は、図4の実施形態のステップS102を実行するように構成されてもよく、受信ユニット402は、図4の実施形態のステップS103を実行するように構成されてもよい。詳細については、関連する説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
選択的に、取得ユニット402は、復元ユニット4021及び識別ユニット4022を含む。復元ユニット4021は、第1のプリアンブルに基づいて、第1のクロックを復元するように構成され、識別ユニット4022は、第1のクロックを使用することによって、第1の同期データの中のONUの識別子を識別するように構成される。
選択的に、OLTは、構成ユニット403及び等価ユニット404をさらに含む。構成ユニット403は、ONUの識別子と等化パラメータとの間のあらかじめ格納されている対応関係に基づいて、ONU識別子に対応する等化パラメータを構成するように構成される。等価ユニット404は、構成される等化パラメータに基づいて、ペイロードに対して等化を実行するように構成される。
本明細書においては、構成ユニット403及び等価ユニット404は、図12の実施形態のステップS204を実行するように構成されてもよい。詳細については、関連する説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
図14に示されているように、ONU500は、生成ユニット501及び送信ユニット502を含んでもよい。
生成ユニット501は、アップリンクバーストデータを生成するように構成され、アップリンクバーストデータは、同期データブロック及びペイロードを含む。同期データブロックは、第1の同期データを含む。第1の同期データは、第1のプリアンブル及びONUの識別子を含む。第1の同期データの周波数分布が占有する帯域幅は、ペイロードの周波数分布が占有する帯域幅よりも狭い。
送信ユニット502は、OLTにアップリンクバーストデータを送信するように構成される。
アップリンクバーストデータの構成については、図4に示されている方法の実施形態における関連する説明を参照すべきである。
本明細書においては、生成ユニット501は、図4の実施形態のステップS101を実行するように構成されてもよく、送信ユニット502は、図4の実施形態のステップS102を実行するように構成されてもよい。詳細については、関連する説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
OLT400に含まれている複数の機能ユニットの詳細な実装については、上記の複数の実施形態を参照するべきであるということを理解することが可能である。ONU500に含まれている複数の機能ユニットの詳細な実装については、上記の複数の実施形態を参照すべきである。
結論として、この出願の実装の際に、アップリンクバーストモードにおいて、OLTは、アップリンクバーストデータがいずれのONU又はいずれのONUグループからのアップリンクバーストデータであるかを迅速に識別し、そして、そのアップリンクバーストデータに基づいて、対応する操作を実行してもよい。このことは、データ伝送時間を短縮するとともに、PONシステムのデータ伝送効率を改善する。
この出願は、PONフィールドに適用可能であり、また、他のポイントトゥポイント通信システムに適用可能であるということを理解することが可能である。この出願におけるデータ伝送方法は、アップリンクデータがバーストモードで伝送される他のポイントトゥマルチポイント通信システムに適用可能である。
ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらのいずれか組み合わせを使用することによって、上記の複数の実施形態のすべて又は一部を実装することが可能である。ソフトウェアを使用して、それらの複数の実施形態を実装するときに、それらの複数の実施形態は、完全に又は部分的に、コンピュータプログラム製品の形態で実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。それらのコンピュータプログラム命令が、コンピュータによってロードされ、そして、実行されるときに、この出願にしたがった手順又は機能のすべて又は一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に格納されていてもよく、又は、ある1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はディジタル加入者線等の)有線方式によって又は(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波等の)無線方式によって、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、他のコンピュータ、他のサーバ、又は他のデータセンターに、それらのコンピュータ命令を伝送してもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、1つ又は複数の使用可能な媒体を集積化しているサーバ又はデータセンター等のコンピュータによってアクセス可能ないずれかの使用可能な媒体又はデータ記憶デバイスであってもよい。使用可能な媒体は、(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ等の)磁気媒体、(例えば、DVD等の)光媒体、又は(例えば、ソリッドステートドライブ Solid State Disk等の)半導体媒体等であってもよい。