JP2021535953A - 強度及び導電率に優れた銅合金板材の製造方法及びこれから製造された銅合金板材 - Google Patents

強度及び導電率に優れた銅合金板材の製造方法及びこれから製造された銅合金板材 Download PDF

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Abstract

本発明は、重量%で、ニッケル(Ni):0.5〜1.5%、コバルト(Co):0.3〜1.5%、シリコン(Si):0.35〜0.8%、クロム(Cr):0.05〜0.5%、残りとしてCu及び不可避な不純物を含む銅合金板材の製造方法及びこれから製造された銅合金板材に関する。

Description

本発明は、優れた強度、導電率及び曲げ加工性を有する銅合金板材の製造方法及びこれから製造された銅合金板材に関する。
近来、電子機器を構成する部品(電子部品)は、小型化及び精密化しつつある。これに従って、部品に用いられる板材に対しても求まれる特性が様々となる。電子部品の中でも、特にコネクタに主に求められる特性としては、強度、導電率、曲げ加工性などがある。このような特性を満たす材料として主に銅類が用いられるが、純銅の場合、強度が低いため、1種以上の元素を含んで強度の増大された多種の銅合金が有利である。
銅合金を含む合金の強度を増大させるために、一般に用いられる硬化方法としては、固溶硬化(solid solution hardening)、加工硬化(work hardening)、析出硬化(precipitation hardening)などがある。固溶硬化は、合金元素が基地(matrix)内に固溶されることで基地の純度(purity)を低下して導電率を急激に減少させ、加工硬化は、基地内の転位(dislocation)の密度を増加させて導電率を減少させる傾向がある。それに比べて、析出硬化は、析出物の核生成及び成長メカニズムにより基地の純度を向上させると同時に、効果的に硬化にも寄与できる。代表的な析出硬化型銅合金として、銅(Cu)−ニッケル(Ni)−シリコン(Si)系(いわゆる、コルソン(Corson)系)合金は、曲げ加工性にも優れ、コネクタのような加工度の高い部品によく用いられている。
しかし、近来、電子部品がさらに小型化し、銅合金板材の薄板化が求まれている。薄板化による電気抵抗の増加分及び耐荷重の減少分を克服するためには、強度及び導電率の向上も必要である。一方、強度を向上させるためには、ニッケル(Ni)量の増大が必要となるが、ニッケルの添加量が2.6重量%を超える場合、析出物のサイズが3μmを越える粗大粒子が形成されることを避けることが難しい。粗大粒子は、曲げ加工時に割れ開始部として働き、曲げ加工性を低下させるために、従来のコルソン系合金では、要求物性である強度と曲げ加工性とを両立させることが難しい。
このような問題を解決するために、従来には、コルソン系合金にコバルト(Co)又はクロム(Cr)を単独又は複合的に添加し、固溶化熱処理後に、さらに1〜2回の熱処理を行い、その後、仕上げ冷間圧延により強度及び導電率を向上させる方法が提案されている。
具体的に、日本特許公報 第6385383号には、銅合金板材にニッケル(Ni)、
シリコン(Si)、コバルト(Co)、クロム(Cr)を含有させて物性を向上させようとしているが、この方法では55.0%IACS以上の導電率、及び0.2%耐力720MPa以上の強度を同時に達成することはできない。
また、日本特許公報 第5647703号には、ニッケル(Ni)とコバルト(Co)
の合計が3.0質量%を超えるため、0.2%耐力が980MPa以上の優れた強度は奏することができたが、サイズ3μmを超える粗大粒子の形成を完全に制御できず、これにより曲げ加工性が低下した。また、得られる銅合金板材の導電率が45%IACSに至らない限界があった。
また、上記文献らは、製造時にコバルト(Co)の析出を容易にする工程メカニズムを明確に究明していない。また、長時間又は数回の析出熱処理を行ってから仕上げ圧延を施すため、銅基地内の合金元素の固溶度が急激に減少し、仕上げ圧延時において高強度と優れた導電率とを両立させるのに限界があった。
本発明は、銅(Cu)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)−シリコン(Si)−クロム(Cr)合金に熱的−機械的2段析出を行い、強度及び導電率に優れた銅合金板材を製造する方法及びこれから製造された銅合金板材を提供することに目的がある。
本発明に係る銅合金板材の製造方法は、重量%で、ニッケル(Ni):0.5〜1.5%、コバルト(Co):0.3〜1.5%、シリコン(Si):0.35〜0.8%、クロム(Cr):0.05〜0.5%、残部量のCu及び不可避な不純物を含む銅合金板材を製造する方法であって、前記方法は、前記成分元素を溶解してインゴットを鋳造するステップ;前記インゴットを950〜1040℃にて熱間圧延するステップ;前記熱間圧延された生成物を冷却するステップ;前記冷却された銅合金を圧下率70%以上で冷間圧延するステップ;前記冷間圧延された銅合金板材を800〜1040℃にて20〜60秒間固溶化熱処理を行うステップ; 前記固溶化熱処理を行った銅合金板材を熱的−機械的2
段析出熱処理を行うステップを含み、前記熱的−機械的2段析出熱処理を行うステップは、前記固溶化熱処理を行った銅合金板材を550〜700℃にて20〜60秒間1次析出するステップ;前記1次析出された銅合金板材を圧下率10〜50%で冷間圧延するステップ;及び前記冷間圧延された板材を300〜550℃にて1〜24時間2次析出するステップからなる。
前記ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)の含量は、1.5≦Ni+Co≦2.6であり、0.8≦Ni/Co≦1.3をいずれも満たすことができる。
前記ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、シリコン(Si)及びクロム(Cr)の含量は、3.5≦(Ni+Co)/(Si−Cr/3)≦4.5を満たすことができる。
前記銅合金に、さらに、重量%で、マンガン(Mn):0.01〜0.2%、リン(P):0.01〜0.2%、マグネシウム(Mg):0.01〜0.2%、スズ(Sn):0.01〜0.2%、亜鉛(Zn):0.01〜0.5%、ジルコニウム(Zr):0.01〜0.1%からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含むことができる。
本発明に係る銅合金板材は、前記製造方法に従って製造され、前記銅合金板材は、α母相と金属間化合物析出物を含むマイクロ組織を有し、前記金属間化合物析出物の直径は3μm以下である銅合金板材を提供する。
前記銅合金板材の圧延平行方向の0.2%耐力は720MPa〜820MPaであり、導電率が55%IACS〜60%IACSであり、圧延平行方向及び圧延直角方向の90°曲げ加工性がR/t=0であることができる。
本発明により提供された銅合金板材の製造方法によって、優れた強度及び導電率を有し、且つ曲げ加工性にも優れた銅合金板材を製造することができる。
本発明に係る強度及び導電率に優れた銅合金板材の製造方法を簡単に示す工程フローチャートである。 実施例1の組成を有する銅合金板材の製造工程において、温度による相分率(phase fraction)を示すグラフである。 実施例1の組成を有する銅合金板材の製造工程において、1次及び2次の析出熱処理に適用可能な温度変化によるNi−Co−Si析出物の各元素のモル分率を示すグラフである。 比較例8の組成を有する銅合金板材の製造工程において、1次及び2次の析出熱処理に適用可能な温度変化によるNi−Co−Si析出物の各元素のモル分率を示すグラフである。
本発明は、重量%で、ニッケル(Ni):0.5〜1.5%、コバルト(Co):0.3〜1.5%、シリコン(Si):0.35〜0.8%、クロム(Cr):0.05〜0.5%、残部量のCu及び不可避な不純物を含む銅合金板材を製造する方法であって、前記方法は、前記成分元素を溶解して鋳造するステップ;前記溶解及び鋳造された銅合金を950〜1040℃にて熱間圧延するステップ;前記熱間圧延された銅合金を冷却するステップ;前記冷却された銅合金を圧下率70%以上で冷間圧延するステップ;前記冷間圧延された銅合金板材を800〜1040℃にて20〜60秒間固溶化熱処理を行うステップ;前記固溶化熱処理を行った銅合金板材を熱的−機械的2段析出熱処理を行うステップを含み、前記熱的−機械的2段析出熱処理を行うステップは、前記固溶化熱処理を行った銅合金板材を550〜700℃にて20〜60秒間1次析出するステップ;前記1次析出を行った銅合金板材を圧下率10〜50%で冷間圧延するステップ;及び前記冷間圧延された板材を300〜550℃にて1〜24時間2次析出するステップからなる。
先ず、本発明に係る銅合金板材の成分元素の組成範囲について詳細に説明する。本発明の成分元素の組成範囲の説明において、成分元素の含量を示す%は、得に指示のない限り、重量%を意味する。
(1)ニッケル(Ni)
本発明において、ニッケル(Ni)の含量は0.5〜1.5%である。ニッケル(Ni)は、固溶硬化元素であり、且つシリコン(Si)と金属間化合物を形成する析出硬化元素である。ニッケル(Ni)の含量が0.5%未満では強度を確保することが難しく、1.5%を超える場合には導電率を上昇させることが難しい。
(2)コバルト(Co)
コバルト(Co)の含量は0.3〜1.5%である。コバルト(Co)は、シリコン(Si)とニッケル(Ni)に比べて多量の微細な金属間化合物を形成し、析出硬化の効果に優れる。コバルト(Co)の含量が0.3%未満では得られる銅合金の強度を確保することが難しい。コバルト(Co)の含量が1.5%を超える場合には固溶化熱処理の温度領域が縮小するため、粗大な金属間化合物を形成し、析出硬化の効果を顕著に減少させる恐れがある。
(3)シリコン(Si)
シリコン(Si)の含量は0.35〜0.8%である。シリコン(Si)は、固溶された状態における加工硬化の効果が非常に大きい。また、シリコン(Si)は、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)と金属間化合物を形成させ、析出硬化に寄与する。シリコン(Si)の含量が0.35%未満では金属間化合物の分率が低減し、析出硬化の効果が少なくなる可能性がある。シリコン(Si)の含量が0.8%を超える場合には導電率を確保することが難しく、表面に酸化膜を形成して打抜き性を低下させる恐れがある。
(4)クロム(Cr)
クロム(Cr)の含量は0.05〜0.5%である。クロム(Cr)は、980℃以下の領域においてシリコンと金属間化合物を析出(precipitation)させることができるため、熱間圧延時に結晶粒界に金属間化合物を微細に形成し、結晶粒サイズを微細化することができ、これは粒界割れを防止する効果をもたらす(図2を参照)。また、クロム(Cr)は、特に700℃以下で熱処理を行う場合には、金属間化合物が析出硬化に寄与することができる。しかし、クロム(Cr)の含量が0.05%未満では熱間圧延時の割れ防止の効果を奏することはできるが、硬化の効果が顕著に減少し、添加の意味を失ってしまう。一方、クロム(Cr)の含量が0.5%を超える場合には全ての温度領域において銅(Cu)基地内に完全に固溶されず、マイクロメータサイズの粗大な金属間化合物を形成する。このようにして形成された粗大な金属間化合物は、マイクロ組織の不均一を引き起こし、打抜き性、曲げ加工性を低下させる恐れがある。また、粗大な金属間化合物は、析出熱処理時にクロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)を吸収して成長しようとする傾向があるため、微細な析出物の形成を減少させて、これは析出硬化の効果の低下を引き起こす。
上記に関連して、本発明に係る組成(実施例1)において温度による相分率(phase fraction)を示すグラフである図2を参照すれば、1000℃に至らない温度、つまり、980℃程度でCr−Si析出物の相分率が増加し始め、700℃以下ではCr−Si析出物を約0.002モル形成することを確認することができる。
(5)ニッケルとコバルトの合計量(Ni+Co)
ニッケル(Ni)とコバルト(Co)は、シリコン(Si)と共に金属間化合物を形成する主な元素であって、合計量が増加するほど0.2%耐力の数値が向上する傾向がある。しかし、ニッケル(Ni)とコバルト(Co)の成分の和が1.5%未満である場合には0.2%耐力を満たすことが難しい。一方、ニッケル(Ni)とコバルト(Co)の成分の和が2.6%を超える場合には、完全な固溶化熱処理を施すための温度を1030℃以上に高める必要があるため、これは銅の溶融点に近く、熱間圧延時に素材が溶融される可能性がある。よって、ニッケルとコバルトの合計量(Ni+Co)は1.5〜2.6%にすることが好ましい。
(6)ニッケルとコバルトの重量比(Ni/Co)
本発明に係る銅合金において、ニッケルとコバルトの重量比(Ni/Co)により金属間化合物の析出温度の範囲を制御することができる。ニッケルとコバルトの重量比(Ni/Co)は0.8〜1.3である。
ニッケルとコバルトの重量比(Ni/Co)が0.8未満になる場合、析出速度が速くなり過ぎて、目指す物性に到達するための条件を制御し難い。ニッケルとコバルトの重量比(Ni/Co)が1.3を超える場合、コバルト(Co)が主成分となる金属間化合物の析出が難しくなるため、55%IACS以上の導電率を確保することが難しい。
(7)ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、シリコン(Si)及びクロム(Cr)の含量の関係
本発明に係る銅合金板材の組成において、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、シリコン(Si)及びクロム(Cr)の含量は、3.5≦(Ni+Co)/(Si−Cr/3)≦4.5を満たす。
この(Ni+Co)/(Si−Cr/3)の値が3.5未満になる場合、Siの含量が高過ぎる状態であるため、高強度を得るには容易であるものの、導電率が顕著に減少し、
鋳造時にシリコン酸化物を表面に形成して、熱間圧延時に割れ(Crack)を誘発する。(Ni+Co)/(Si−Cr/3)の値が4.5を超える場合、導電率が50%IACS以上を確保することが難しい。
(8)その他の元素
一方、必要に応じて、その他の元素として、マンガン(Mn)、リン(P)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)の中から選択的に1種以上を添加することができる。
添加する場合、マンガン(Mn)の含量は0.01〜0.2%である。マンガン(Mn)は銅合金に対して固溶硬化の効果を奏することができ、またリン(P)と共に添加する場合、結晶粒界に微細なMn−P金属間化合物を形成し、熱間圧延時の割れを抑制するという効果がある。しかし、0.01%未満ではかかる効果が期待できず、0.2%を超える場合、導電率を顕著に低下させ、鋳造時に粗大なマンガン酸化物を形成して鋳造割れを引き起こす可能性がある。
添加する場合、リン(P)の含量は0.01〜0.2%である。リン(P)は、上記範囲の適量を添加する場合、溶湯内の酸素と反応して、微細な酸化物を形成し、鋳造組織のサイズを減少させるという効果を奏する。また、銅合金インゴット内の酸素含量を下げることで、水素誘起割れ(hydrogen induced cracking)を抑制する効果がある。しかし、リン(P)を0.01%未満添加する場合、かかる効果が期待できない。一方、0.2%を越える場合、急激に合金の融点を下げて共晶反応を引き起こし、Co−P、Ni−Pのようなリン化物を形成する。これは、基地内のコバルト(Co)、ニッケル(Ni)の含量を減少させて、Co−Ni−Si金属間化合物による析出硬化の効果を抑制させる。よって、リン(P)の含量は0.01〜0.2%である。
添加する場合、マグネシウム(Mg)の含量は0.01〜0.2%である。マグネシウム(Mg)は、シリコン(Si)と金属間化合物を形成して、更なる硬度及び導電率の向上を期待することができる。添加量が0.01%未満である場合にはかかる効果が少なく、0.2%を超える場合には曲げ加工性を低下させる恐れがある。よって、マグネシウム(Mg)の含量は0.01〜0.2%である。
添加する場合、スズ(Sn)の含量は0.01〜0.2%である。スズ(Sn)の固溶硬化元素として添加することができ、0.01%未満ではかかる効果が期待できない。0.2%を超える場合には55%IACS以上の導電率を確保することが難しい。
添加する場合、亜鉛(Zn)の含量は0.01〜0.5%である。亜鉛(Zn)は、固溶硬化元素として腐食抵抗を増加させる。0.01%未満では硬化の効果がほとんどなく、0.5%を超える場合、導電率が阻害される可能性がある。
添加する場合、ジルコニウム(Zr)の含量は0.01〜0.1%である。ジルコニウム(Zr)は、導電率の阻害がほとんどなく、リン(P)と類似する作用をする。つまり、鋳造組織を微細化させて、酸素の含量を下げる効果がある。0.01%未満ではかかる効果が低減して、0.1%を超える場合にはコバルト(Co)、ニッケル(Ni)と反応して粗大な金属間化合物を形成させる。
上記のようなその他の元素の総和は、最大1.0%である。これらのその他の元素の総和が1.0%を超えると、最終的に得られる銅合金板材の強度又は導電率が顕著に低下し、好ましくない。
(8)銅及び不可避な不純物
本発明に係る銅合金板材の組成は、上述した成分の他に、残部量の銅(Cu)及び不可避な不純物を含有する。不可避な不純物は、銅合金板材の原材料に、又は熱処理及び加工過程において不可避に含まれる鉛(Pb)、砒素(Sb)、炭素(C)、塩素(Cl)などを意味する。このような不可避な不純物は0.05%以下に制御されるため、最終的に得られる銅合金板材に及ぼす影響が少なくて無視することができる。
次いで、本発明に係る銅合金板材の製造方法を図1に基づいて説明する。
先ず、上述した本発明の銅合金板材の成分になるように成分元素を添加して溶解し、インゴットを鋳造する。溶解は全ての原材料が溶融できるように1200〜1300℃にて加熱する。溶解温度が低過ぎる場合、溶湯の流動性が低下する恐れがある。一方、溶解温度が高過ぎる場合、クロム(Cr)、コバルト(Co)のように酸化性の高い元素の酸化が発生し、所望の組成の銅合金を得ることが難しい。鋳造後、700℃以上の温度では20℃/s以下で徐冷することが好ましい。鋳造後に直ぐ急冷する場合、鋳造材の表面と内部の温度差による体積差が発生し、鋳造割れを引き起こすからである。
次いで、鋳造したインゴットを950〜1040℃にて熱間圧延する。950℃未満で熱間圧延する場合、金属間化合物が結晶粒界に多量に析出され、割れを引き起こす可能性がある。1040℃を超える温度では、鋳造時に最終凝固地点が溶融されて、赤熱脆性(red shortness)を引き起こす可能性がある。
次いで、熱間圧延された生成物を冷却する。冷却は300℃以下、10〜50℃/sの速度で行う。熱間圧延後の冷却速度が10℃/s未満である場合、金属間化合物が多量に析出され、固溶化熱処理時に元素の固溶度が低くなり、最終に得られた銅合金板材の強度が減少する。冷却速度が50℃/sを超える場合、金属間化合物が微量に析出され、固溶化熱処理時に背面の結晶面が主に{200}の立方体(cube)集合組織を得ることが難しく、その結果、曲げ加工性が阻害される可能性がある。
次いで、冷却したストリップ状の銅合金を圧下率70%以上で冷却圧延する。圧下率が70%未満である場合には、後述する固溶化熱処理で所望の物性を得ることが難しく、最終に得られる生成品が目指す厚さを確保し難い。
次いで、冷間圧延された板材は、800〜1040℃の温度条件で20〜60秒間固溶化熱処理を行う。固溶化熱処理の温度が800℃未満である場合、析出熱処理時に導電率を確保することが容易ではあるものの、強度が低くなる傾向がある。固溶化熱処理の温度が1040℃を超える場合、上記とは反対の傾向、つまり、強度の確保は容易であるものの、導電率が低くなる傾向を示す。固溶化熱処理の時間が20秒未満である場合、冷間圧延組織が完全になくならず、曲げ加工性が低下して、60秒を超える場合、結晶粒粗大化により析出物の形成が容易ではなく、導電率と強度を確保することが難しい。
固溶化熱処理した板材は、熱的−機械的2段析出熱処理(Thermo−Mechanical Double Aging,TMDA)を適用することになる。TMDA工程は、1次析出熱処理、冷間圧延、2次析出熱処理を施す一連の工程を称し、これにより効果的に最終に得られた銅合金板材の導電率と0.2%耐力とを両立させることができる。
TMDA工程は、2回の析出熱処理の過程を必要とするため、今までは銅合金板材の製造工程では導入した例がない。通常、銅合金の析出熱処理を行うためには、設備の稼動に必要な時間が数時間〜数日かかり、析出熱処理を2回以上施すことは、費用及び生産性の側面から非常に不利であるためである。しかし、本発明では、1次析出熱処理は、合金元
素の含量の制御と共に1次析出熱処理の温度条件を制御して、同時に1次析出熱処理を60秒以下の短い時間の間に行うため、値段競争力及び生産性を確保することができる。かかる複合的な含量及び工程条件の制御は開示されたことが全くない。
本発明に係る製造方法において、TMDA工程の1次析出熱処理は以前のステップで得られた生成物を550〜700℃にて20〜60秒間熱処理することで行われる。1次析出熱処理時に析出される金属間化合物は、Co−SiとNi−Siとに区分して析出されず、Ni−Co−Siが互いに混合して形成され、化合物の成分比率は析出温度区間及びNiとCoの重量比(Ni/Co)に応じて異なる。このような内容は、後述する図3及び図4に示されたモル分率の熱力学計算より確認できる。
この1次析出熱処理の温度と時間が十分ではない場合、1次析出熱処理工程の中でコバルト(Co)が主に含まれたNi−Co−Siの析出物の形成が不足し、完材の導電率を確保することが難しい。一方、1次析出熱処理の温度と時間が高過ぎるか、長い場合には、基地内の合金元素量が少なく、この後の冷間圧延時の強度上昇分が顕著に減少し、2次析出熱処理時に析出物の粗大化を発生する可能性があるため、完材の0.2%耐力が720MPa以上となり難い。
次いで、1次析出熱処理された板材を圧下率10〜50%で冷間圧延する。この冷間圧延は、10%未満の圧下率で施す場合、効果的な強度上昇が期待できず、50%超えで施す場合は、0.2%耐力が850MPa以上と非常に優れた強度を確保できるものの、曲げ加工性が顕著に低下し、2次析出熱処理の時間が長くなり過ぎる。2次析出熱処理の時間が長くなり過ぎる場合、設備稼働に必要な費用が増加し、生産性が低下するというデメリットがある。
次いで、冷間圧延された板材を300〜550℃にて1〜24時間2次析出熱処理を行う。このとき、TMDA工程における冷間圧延の圧下率に応じて最大硬度を達成する温度は相違する。圧下率が50%に近いほど2次析出熱処理が300℃に近接してこそ最大硬度を示すことができ、このとき必要となる熱処理時間は数十時間である。一方、圧下率が10%に近い場合には、相対的に高い温度で施される必要があり、2次析出熱処理時間は数時間であって比較的に短い。互いに異なる2次析出処理温度で得られた2つの板材の導電率が類似する場合、2次析出処理温度の低い板材の0.2%耐力の方が相対的に高い特徴がある。しかし、2次析出熱処理が上述した条件範囲内で行われる場合、近来に銅合金板材として求められる強度と導電率のバランスを達成することができる。
よって、上述したTMDA工程の1次析出熱処理、冷間圧延及び2次析出熱処理の工程条件の徹底した制限と制御により、所望の物性の板材を得ることができる。
このTMDA工程に関連して、図3は、実施例1の組成(Ni/Co=1.22)において1次及び2次析出熱処理の温度によるNi−Co−Si析出物の各元素のモル分率を示すグラフである。これに関して、本発明者らは、モル分率が変更される基準点となる温度がNi/Co比率に応じて550℃〜700℃の範囲に分布することを熱力学的実験により確認した。その中、図3に示されたように、実施例1の組成では630℃が基準点である。図3において、析出温度が約630℃以上になると、Coが主に含まれたNi−Co−Si析出物が形成され、析出温度が約630℃未満では、CoとNiの含量が逆転し、Niが主に含まれたNi−Co−Si析出物が形成される。よって、Niモル分率が増加されたNi−Co−Si析出物を容易に形成させるためには、約550℃未満で行うことが好ましいことが確認できる。つまり、元素構成比率が異なる析出物を同時に確保して強度及び導電率の向上に寄与可能であることが分かる。本発明では、熱力学的計算及び設計により本発明の目的を達成するために、1次析出熱処理をNi−Co−Si析出物にお
いてコバルト(Co)が主に含まれた析出物が得られる温度範囲で施すものと設定し、2次析出熱処理をNi−Co−Si析出物においてニッケル(Ni)が主に含まれた析出物が得られる温度範囲で施すものと設定する。
一方、本発明に係るニッケルとコバルトの重量比(Ni/Co)の範囲から外れる場合、本発明に係るTMDA工程の条件に従って析出熱処理を行っても、本発明において目指す銅合金板材の物性には到達できない。例えば、図4は、比較例8の組成(Ni/Co重量比0.54)で1次及び2次の析出熱処理の温度によるNi−Co−Si析出物の各元素のモル分率を示すグラフであって、析出熱処理の温度には関係なく、コバルト(Co)が主に含まれるNi−Co−Siが形成されることが確認できる。よって、この場合、2次析出熱処理を行っても、Niの析出が容易ではなく、Coが主に含まれたNi−Co−Siが成長し過ぎて、強度を急激に低下させる。
また、必要に応じて、通常の伸銅工場で行っているように、冷間圧延、均質化熱処理、軟質化熱処理、表面クリーニング(酸洗研磨)、引張焼鈍、テンションレベリングなどの工程を取捨選択して組み合わせてもよい。
また、最終用途に応じて、めっき、スタンピング、エッチングなどの工程を追加してもよい。
一方、本発明に係る製造方法に従って製造された銅合金板材のマイクロ組織(microstructure)は、α母相と金属間化合物粒子を含み、この金属間化合物粒子の平均直径は3μm以下である。この金属間化合物粒子の平均直径が3μmを超える場合、曲げ加工時に応力の集中部として作用し、割れ(crack)の誘発点となり得る。
本発明に係る銅合金板材は、圧延平行方向の0.2%耐力が720MPa〜820MPaであり、導電率が55%IACS〜60%IACSであり、圧延平行方向及び圧延直角方向の90°曲げ加工性がR/t=0である特徴を有する。このような強度、導電率、曲げ加工性の特性は、上述のように、従来には同時に達成することが困難であった特性であって、近来の電気電子分野において用いられる小型電子製品の部品で同時達成が求められ、このような特性をいずれも備えた銅合金板材は、特に電子部品として優れた効果を奏することができる。
具体的に、本発明に係る銅合金板材は強度が向上され、例えば、電子部品モジュール内の受け部として用いられる場合、支持可能な半導体チップの個数を増加させることができる。また、優れた導電率を有するため、大電流輸送部品などにも用いられる。また、部品設計時に優れた曲げ加工性を必要とするスイッチ及びコネクタなどの電子部品にも適用可能である。その他にも、かかる特性を複合的に求めるUSB端子、モバイルSIMソケットなどにも適用できる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。実施例は本発明の理解を助けるためのものであり、限定するものではない。
実施例1〜10
以下の表1に示す実施例1の組成に従って成分元素を大気雰囲気において溶解して銅合金インゴットを製造した後、このインゴットを加熱炉で1000℃にて1時間加熱し、熱間圧延を施した。熱間圧延された銅合金板材に対して圧下率98%の冷間圧延を施し、0.2mmの板材を製造した。固溶化熱処理は950℃にて30秒間施し、得られた生成物は常温槽を用いて水冷(water quenching)した。
その後、TMDA工程の中で1番目である1次析出熱処理を640℃にて30秒間施し、これを常温槽を用いて水冷した。次いで、圧下率25%の冷間圧延を用いて板材の厚さを0.15mmに加工した。最後に、2次析出熱処理を380℃にて12時間施した。得られた銅合金板材を幅60mm、長さ300mmのサイズに2個切り出し、試片として用いた。
実施例2〜10に係る各試片は、表1の成分元素組成及び表2の工程条件に従って、実施例1と同様に製造された。
比較例1〜18
比較例1〜18の各試片も表1の成分元素組成及び表2の工程条件に従って、実施例1と同様に製造された。
Figure 2021535953
具体的な工程条件は、以下の表2に示した。
Figure 2021535953
試験例
上記実施例及び比較例に従って製造された銅合金板材の試片の特性を評価した。
強度を評価するために、引張試験(ISO 6892)に準じて試片を再加工した後に施した。
また、導電率を評価するために、Forester社の導電率測定器(Sigmatest 2.069)を用いて測定した。
また、金属間化合物の粒子サイズを測定するために、JEOL社の走査電子顕微鏡を用いてマイクロ組織を観察して、3μmを超えるサイズの粒子が発見される場合はOとし、発見されない場合にはXとした。
曲げ加工性試験(JIS H 3130)は、曲げ軸が圧延方向と同一方向(Bad way)のW曲げ試験を行い、曲げ部の半径(R)に対して厚さ(t)に対する比が0に
なるように(つまり、90°R/t=0)して、割れが発生しない場合はOとし、割れが
発生する場合にはXとした。
特性評価の測定結果を以下の表3に示した。
Figure 2021535953
表3に示したように、実施例1〜9によって得られた銅合金板材は、金属間化合物のサイズは3μmを超えず、また導電率55%IACS以上を示し、0.2%耐力720MPa以上が確保された。また、90°曲げ加工性がR/t=0を有するため、コネクタのような屈曲部を有する電子部品として用いられる。
しかし、比較例1は、熱間圧延温度が顕著に低く、結晶粒界に沿って側面割れが発生し、熱間圧延以後の工程を施すことができなった。
比較例2は、固溶化熱処理の温度が750℃と低いため、過飽和されたCo、Ni原子の量が少なく、析出熱処理時に微細な金属間化合物の粒子を多量に形成することが容易ではなく、0.2%耐力720MPaを確保することができなかった。
比較例3は、熱的−機械的2段析出ステップにおける1次析出熱処理の温度が500℃と比較的に低い温度で施された。その結果、導電率が55%IACS以下と示された。これは、Coの析出が容易な温度区間で析出熱処理を施せなかったためである。
比較例4は、1次及び2次析出熱処理中に冷間圧延を施さず、2次析出熱処理以後に25%圧下率で仕上げ冷間圧延を施したものである。その結果、導電率55%IASCと0.2%耐力720MPaとを両立させることができなかった。これは、2次析出熱処理以後に基地に固溶された原子が顕著に少なくなり、冷間圧延による加工硬化が効果的に行われなかった結果である。
比較例5、比較例6は、(Ni+Co)/(Si−Cr/3)の値が本発明で提示する値を超えている。よって、効果的な金属間化合物の形成が容易ではなく、NiとCoが基地の残部として存在し、導電率を確保することができなかった。
比較例7は、(Ni+Co)/(Si−Cr/3)の値が3.04で、提示した範囲に到達していない。その結果、Ni、Coと結合して、Ni−Co−Siを形成できなかったSiは残部として残り、導電率を低下した。
比較例8は、Ni/Coの比率が本発明で提示する範囲に到達していない。よって、Coが多量に含まれたNi−Co−Si金属間化合物の析出速度が速くなり過ぎて、導電率の確保は容易ではあるものの、析出物が微細化し難く、強度が急激に低減した。
比較例9は、低いNi+Coの含量を有している。よって、粗大化した金属間化合物が
形成されず、導電率が比較的に高い。しかし、多量の微細な金属間化合物が形成できず、0.2%耐力720MPaを満たすことができなかった。
比較例10は、Ni/Coの比率が本発明で提示する範囲を超えている。Niの含量が高くなる場合、Coの含量が高いNi−Co−Si化合物を形成する析出温度が高くなり、1次析出熱処理によるCoの析出が難しくなる。よって、導電率が低下した。
比較例11〜比較例16は、本発明に係る成分元素の範囲を超え、導電率が悪くなるか、粗大な金属間化合物が形成され、曲げ加工性が低下した。
比較例17は、Crを過度に含み、導電率が低下し、曲げ加工性が低下した。
比較例18は、本発明で提示する必須元素であるCrを添加せず、基地の純度増加による導電率の確保は容易ではあるものの、0.2%耐力720MPaを満たすことができなかった。
表3に示したように、実施例1〜10によって得られた銅合金板材は、金属間化合物のサイズは3μmを超えず、また導電率55%IACS以上を示し、0.2%耐力720MPa以上が確保された。また、90°曲げ加工性がR/t=0を有するため、コネクタのような屈曲部を有する電子部品として用いられる。

Claims (6)

  1. 重量%で、ニッケル(Ni):0.5〜1.5%、コバルト(Co):0.3〜1.5%、シリコン(Si):0.35〜0.8%、クロム(Cr):0.05〜0.5%、残部量のCu及び不可避な不純物を含む銅合金板材を製造する方法であって、前記方法は、
    前記成分元素を溶解してインゴットを鋳造するステップ;
    前記インゴットを950〜1040℃にて熱間圧延するステップ;
    前記熱間圧延された生成物を冷却するステップ;
    前記冷却された銅合金を圧下率70%以上で冷間圧延するステップ;
    前記冷間圧延された銅合金板材を800〜1040℃にて20〜60秒間固溶化熱処理を行うステップ;
    前記固溶化熱処理を行った銅合金板材を熱的−機械的2段析出熱処理を行うステップを含み、
    前記熱的−機械的2段析出熱処理を行うステップは、
    前記固溶化熱処理を行った銅合金板材を550〜700℃にて20〜60秒間1次析出するステップ;
    前記1次析出された銅合金板材を圧下率10〜50%で冷間圧延するステップ;及び
    前記冷間圧延された板材を300〜550℃にて1〜24時間2次析出するステップ
    からなる銅合金板材の製造方法。
  2. 前記ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)の含量は、1.5≦Ni+Co≦2.6であり、0.8≦Ni/Co≦1.3をいずれも満たす請求項1に記載の銅合金板材の製造方法。
  3. 前記ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、シリコン(Si)及びクロム(Cr)の含量は、3.5≦(Ni+Co)/(Si−Cr/3)≦4.5を満たす請求項1に記載の銅合金板材の製造方法。
  4. 前記銅合金に、さらに、重量%で、マンガン(Mn):0.01〜0.2%、リン(P):0.01〜0.2%、マグネシウム(Mg):0.01〜0.2%、スズ(Sn):0.01〜0.2%、亜鉛(Zn):0.01〜0.5%、ジルコニウム(Zr):0.01〜0.1%からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含む請求項1に記載の銅合金板材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の方法によって製造された銅合金板材であって、前記銅合金板材は、α母相と金属間化合物析出物を含むマイクロ組織を有し、前記金属間化合物析出物の直径は3μm以下である銅合金板材。
  6. 前記銅合金板材の圧延平行方向の0.2%耐力は720MPa〜820MPaであり、導電率は55%IACS〜60%IACSであり、圧延平行方向及び圧延直角方向の90°曲げ加工性がR/t=0である請求項5に記載の銅合金板材。
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