JP2021531497A - 光学システム及び光学フィルム - Google Patents

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Abstract

反射型偏光子フィルムなどの光学フィルム、及び光学フィルムを含む光学システムについて記載されている。光学システムは、少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、部分反射体と、反射型偏光子と、を含む。少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、反射型偏光子は、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、第2の偏光状態の平均光反射率Rpと、を有し、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%である。

Description

ヘッドマウント式ディスプレイ内で光学システムを使用することにより、例えば、観察者に画像を提供することができる。光学システムは、反射型偏光子フィルムなどの光学フィルムを含むことができる。
本明細書のいくつかの態様において、少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、部分反射体と、反射型偏光子と、を含む光学システムを提供する。少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、反射型偏光子は、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、第2の偏光状態の平均光反射率Rpと、を有し、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%である。
本明細書のいくつかの態様において、1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面上に配置され、1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面に適合する、部分反射体と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、1つ以上の光学レンズの主表面に適合し、かつ複数のポリマー層とを含む反射型偏光子であって、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有する、反射型偏光子と、出射面と、を含む光学システムを提供する。少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、複数のポリマー層は、50%≦Rs≦95%である、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、Tp≧80%である、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、有する。光学システムは、出射面に近接して位置する観察者に画像を表示するように構成されている。1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を有するオブジェクトから光学システムに入射し、かつ光の出射円錐として出射面を通って光学システムを出射する、少なくとも10度の全円錐角を有する光の入射円錐について、光の出射円錐が出射面に近接して結像されるときに、画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有する。Ibは、明るい領域の中央50%領域の平均輝度であり、Idは、暗い領域の中央50%領域の平均輝度であり、Ib/Id≧50である。
本明細書のいくつかの態様において、200〜500の数の複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含む光学フィルムを提供する。各第1及び第2のポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有する。隣接する第1及び第2のポリマー層の各対について、第1の層は、光学フィルムの平面内の第1の軸に沿った屈折率n1xと、光学フィルムの平面内の直交する第2の軸に沿った屈折率n1yと、第1及び第2の軸に直交するz軸に沿った屈折率n1zと、を有し、第2の層は、第1の軸に沿った屈折率n2xと、第2の軸に沿った屈折率n2yと、z軸に沿った屈折率n2zと、を有する。少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、n1xとn1yとn1zとの間の最大差は、約0.002未満であり、n2xとn1xとの差は、約0.2よりも大きい。所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長を有する実質的に垂直に入射する光に対して、複数の交互の第1及び第2のポリマー層は、第1の軸に沿った第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、第2の軸に沿った第2の偏光状態の平均光透過率Tp及び平均光反射率Rpと、を有し、Tp≧80%、Rp≦0.25%、及び80%≦Rs≦95%である。
本明細書のいくつかの態様において、1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面上に配置され、1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面に適合する、部分反射体と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、1つ以上の光学レンズの主表面に適合する、反射型偏光子と、出射面と、を含む光学システムを提供する。反射型偏光子は、複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含み、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有する。少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、第2のポリマー層の最大屈折率は、第1のポリマー層の最大屈折率よりも大きく、第2のポリマー層の最大屈折率と第1のポリマー層の最小屈折率との差は、約0.3未満である。光学システムは、出射面に近接して位置する観察者に画像を表示するように構成されている。1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を含むオブジェクトから光学システムに入射し、かつ光の出射円錐として出射面を通って光学システムを出射する、少なくとも10度の全円錐角を有する光の入射円錐について、光の出射円錐が出射面に近接して結像されるときに、画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有する。Ibは、明るい領域の中央50%領域の平均輝度であり、Idは、暗い領域の中央50%領域の平均輝度であり、Ib/Id≧50である。
光学システムの概略断面図である。 光学システムの概略断面図である。 第1の光学レンズと第2の光学レンズとを含む光学システムの概略断面図である。 ディスプレイパネルから観察者に画像を表示するように構成された光学システムの概略断面図である。 ディスプレイパネル上に表示することができるオブジェクトの概略図である。 図5Aのオブジェクトから形成された画像の概略図である。 ディスプレイパネルに面する部分反射体を含む光学システムの概略断面図である。 ディスプレイパネルに面する反射型偏光子を含む光学システムの概略断面図である。 波長の関数としての、光学フィルムの透過率、又は光学フィルム内に含まれる複数のポリマー層の透過率の概略プロットである。 波長の関数としての、光学フィルムの反射率、又は光学フィルム内に含まれる複数のポリマー層の反射率の概略プロットである。 光学フィルムの概略斜視図である。 図10Aの光学フィルムの一部分の概略斜視図である。 リターダンス対波長の概略プロットである。 リターダンス対波長の概略プロットである。 ヘッドセットの概略上面図である。 ブロック状態及び通過状態の波長に関する反射型偏光子を通る透過率のプロットである。 ブロック状態及び通過状態の波長に関する反射型偏光子からの反射率のプロットである。
以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されないものとする。
例えば、米国特許第9,557,568号(Ouderkirkら)に記載されているものなどの折り返された光学システム(optics system)は、反射型偏光子及び部分反射体を利用して、折り返された光路を提供する。ヘッドマウント式ディスプレイ内でこのような光学システムを使用することにより、例えば、観察者に、例えば、高い視野を提供することができる。このような光学システム内の反射型偏光子は、典型的には、高い効率を提供するために、ブロック状態において高い反射(例えば、97%よりも大きいブロック状態における反射率(Rs))、及び通過状態において高い透過を提供するように選択されている。米国特許第9,557,568号(Ouderkirkら)に記載されているように、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能なAPFなどの一軸配向反射型偏光子は、折り返された光学システムで使用される場合、利点を提供する。275個の干渉層の単一パケットを有するAPFフィルムは、約98%の内部平均ブロック状態反射率Rs及び約2%の浸漬平均通過状態反射率Rpを有した。本明細書によれば、実質的により低い通過状態反射率(例えば、通過状態反射率Rpが1%以下、又は0.6%以下)を有する反射型偏光子は、低い通過状態反射率を提供するために、ブロック状態の反射率を犠牲にした場合(例えば、95%以下のRs)であっても、従来の反射型偏光子を使用する場合よりも高いコントラストを提供することが見出された。通過状態における反射型偏光子からの反射は、反射された通過状態光の光学システムにおける複数の後続の反射により、コントラストを低下させることが見出された。
所望の低Rpを得るために、典型的にはRsが低減されることが見出された。例えば、いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、高屈折率ポリマー層と低屈折率ポリマー層との交互の層を含む多層光学フィルムである。このような反射型偏光子における層の数を減少させること、又は高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を減少させることにより、Rpを(例えば、通過方向に沿った屈折率の不整合からの反射の減少により)減少させることができるが、Rsもまた減少させることができる。別の例として、いくつかの実施形態では、反射型偏光子はワイヤグリッド偏光子である。ワイヤ密度を減少させることにより、Rpを減少させることができるが、Rsもまた減少させることができる。
図1は、少なくとも1つの湾曲した主表面112を有する1つ以上の光学レンズ110と、部分反射体120と、反射型偏光子130と、を含む光学システム100の概略断面図である。光学システム100は、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光140に対して、部分反射体120が、少なくとも30%の平均光反射率を有し、反射型偏光子130が、第1の偏光状態142の平均光反射率Rsと、直交する第2の偏光状態144の平均光透過率Tpと、第2の偏光状態144の平均光反射率Rpと、を有するように構成されている。いくつかの実施形態では、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%である。いくつかの実施形態では、Tp≧85%、又はTp≧90%である。いくつかの実施形態では、Rp≦0.8%、又はRp≦0.6%、又はRp≦0.4%、又はRp≦0.25%、又はRp≦0.2%である。いくつかの実施形態では、80%≦Rs≦95%、又は85%≦Rs≦95%である。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光140に対して、反射型偏光子は、約10%未満又は約5%未満の第1の偏光状態142の平均光透過率Tsを有する。Tp、Ts、Rp、及びRsは、所定の波長範囲にわたる対応する透過率又は反射率の非加重平均を指す。場合によっては、対応する明所視平均透過率又は明所視平均反射率T ph、T ph、R ph、及びR phを、それぞれ指定することができる。T ph、T ph、R ph、及びR phは、Tp、Ts、Rp、及びRsに関して記載されるそれぞれの範囲のうちのいずれか内であってもよい。T ph、T ph、R ph、及びR phの決定に使用される明所視的な重み付けは、CIE(International Commission on Illumination)1931 2°Standard Observerによって定義さえ、T ph、T ph、R ph、及びR phを求める際に使用される光源は、CIE Illuminant Cであり得る。
所定の波長範囲は、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる。少なくとも約450nm〜約600nmにわたる波長範囲にわたる平均反射率及び平均透過率が、反射型偏光子を特徴付けるのに有用であることが見出された。所定の波長範囲は、450nmよりも小さい波長及び/又は600nmよりも大きい波長までわたってもよい。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲は、少なくとも約400nm〜約600nmにわたる、又は少なくとも約450nm〜約650nmにわたる、又は少なくとも約450nm〜約700nmにわたる、又は少なくとも約400nm〜約700nmにわたる。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲は、約450nm〜約600nm、又は約450nm〜約650nm、又は約450nm〜約700nm、又は約400nm〜約700nmである。
図示の実施形態では、部分反射体120は、1つ以上の光学レンズ110の湾曲した主表面112上に配置され、主表面112に適合する。いくつかの実施形態では、反射型偏光子130は、1つ以上の光学レンズ110の主表面上に配置され、主表面112に適合する。例えば、反射型偏光子130は、1つ以上の光学レンズ110の主表面114上に(例えば、直接、あるいは1つ以上の光学層及び/又は1つ以上の接着剤層を介して間接的に)配置されてもよく、この1つ以上の光学レンズ110の主表面114は、図示されるように実質的に平坦な表面であってもよく、又は曲面であってもよい。図示の実施形態では、1つのみのレンズ110が含まれるが、光学システム100は、1つよりも多くのレンズ(例えば、2つ以上の、又は3つ以上の光学レンズ)を含むことができることが理解されるであろう。例えば、部分反射体120は、主表面上に配置されてもよく、第1の光学レンズ及び反射型偏光子130は、異なる第2の光学レンズの主表面上に配置されてもよい(例えば、図3を参照)。
いくつかの実施形態では、光学システム100は、光軸150を含み、光軸150に沿って伝播する光線は、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ110、反射型偏光子130、及び部分反射体120を通過する。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学レンズ110、反射型偏光子130、及び部分反射体120は、光軸150を中心としている。実質的には屈折せず、とは、表面に入射する光線と、その表面を通って透過される光線との間の角度が、15度以下であることを意味する。いくつかの実施形態では、この入射光線と透過光線との間の角度は、10度未満、又は5度未満、又は3度未満、又は2度未満である。1つ以上の光学レンズ110、反射型偏光子130、及び部分反射体120は、互いに光学的に連通して配置される。2つのオブジェクトに適用される光学的連通とは、光が、光学的方法(例えば、反射、回折、屈折)を使用して、直接又は間接的のいずれかで、一方から他方へと透過され得ることを意味する。
いくつかの実施形態では、光学システム100は、部分反射体120と反射型偏光子130との間に配置されたリターダを更に含む。リターダは、レンズ110と反射型偏光子130との間の別個の層であってもよく、又はレンズ110上若しくは光学システム内の別のレンズ上に配置されてもよく、あるいは反射型偏光子130上に配置されてもよい。リターダは、所定の波長範囲内の1つ以上の波長での四分の一波長リターダンスを有してもよい。
光140の経路は、図1に概略的に示されている。実際の経路は、図示されたものと異なってもよい(例えば、光路の異なる部分間の図示された間隔は、縮尺どおりでなくてもよい)。光140の一部分140aは、部分反射体120を通って透過し、ブロック状態142で反射型偏光子に入射する。一部分140aの(例えば、Rsに比例する)一部分140cは、反射型偏光子130から反射され、(例えば、Tsに比例する)別の一部分140bは、反射型偏光子を通って透過する。一部分140cの一部分140dは、部分反射体120から反射され、別の一部分(図示せず)は、部分反射体120を通って透過する。一部分140dは、通過状態144で反射型偏光子130に入射する。一部分140dが反射型偏光子130に入射するときに通過状態144にあるように、部分反射体120と反射型偏光子130との間にリターダを含めることができる。一部分140dの(例えば、Tpに比例する)一部分140eは、反射型偏光子130を通って透過し、(例えば、Rpに比例する)別の一部分140fは、反射型偏光子130から反射される。光140がディスプレイパネルからであり、光学システム100が観察者に画像を表示するように構成されているいくつかの実施形態では、所望の画像は、一部分140eにある。一部分140fの一部分140gは、部分反射体120から反射され、別の一部分(図示せず)は、部分反射体120を通って透過する。一部分140gの(例えば、Rsに比例する)一部分140hは、反射型偏光子130から反射され、(例えば、Tsに比例する;図示せず)別の一部分は、反射型偏光子130を通って透過する。一部分140hの一部分140iは、部分反射体120から反射され、別の一部分(図示せず)は、部分反射体120を通って透過する。一部分140iの(例えば、Tpに比例する)一部分140jは、反射型偏光子130から反射され、別の一部分(図示せず)は、反射型偏光子130から反射される。
望ましくない反射により、光学システム100のコントラストが劣化する場合がある。一部分140jは、より高次の反射であっても、光学システム100の知覚されるコントラストに(例えば、本明細書の他の箇所で記載されるように、Ib/Idによって定量化されるように)大きな影響を及ぼすことが見出された。一部分140bは、クリーンアップ偏光子(例えば、光学システム100の反射型偏光子130と出射面との間の光吸収型偏光子)を含めることによりブロックされる場合があるが、一部分140jは、一部分140eと同じ偏光状態144を有するので、クリーンアップ偏光子は、一部分140jを排除せず、一部分140eも減衰させない。図1に必ずしも示されていない他の望ましくない反射もまた、コントラストを低減し得る。本明細書の他の箇所で更に記載されるように(例えば、図6参照)、望ましくない反射を低減するために、様々な屈折率整合層及び/又は反射防止コーティングを含めることができる。
光140を提供するためにディスプレイパネルを含めることができる。光吸収型偏光子及びリターダなどの偏光素子は、光140が反射型偏光子130に最初に入射するときに実質的に第1の偏光状態142にあるように、ディスプレイパネル内に含まれてもよく、又はディスプレイパネルと部分反射体120との間に配置されてもよい。
本明細書の光学システムのうちのいずれかで使用される部分反射体は、任意の好適な部分反射体であってもよい。例えば、部分反射体は、透明基材(例えば、次にレンズに接着することができるフィルム、又は基材はレンズであってもよい)上に金属(例えば、銀又はアルミニウム)の薄層をコーティングすることによって構築されてもよい。この部分反射体はまた、例えば、レンズ基材の表面上に薄膜誘電体コーティングを堆積させることによって、又はレンズ基材の表面上に、金属コーティングと誘電体コーティングとの組み合わせを堆積させることによって、形成することもできる。いくつかの実施形態では、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有する。いくつかの実施形態では、部分反射体の平均光反射率は、40%〜60%の範囲内である。いくつかの実施形態では、部分反射体は、それぞれ30%〜70%の範囲内である、又はそれぞれ40%〜60%の範囲内である、又はそれぞれ45%〜55%の範囲内である所定の波長範囲内における平均光反射率及び平均光透過率を有する。部分反射体は、例えばハーフミラーであってよい。
部分反射体の平均光反射率は、別段の指定がない限り、部分反射体に実質的に垂直に入射し、所定の波長範囲内の波長にわたって平均化(非加重平均)された実質的に非偏光の光に対する光反射率を指す。特定の偏光状態に対する反射型偏光子の平均光反射率及び平均光透過率は、それぞれ、別段の指定がない限り、指定の偏光状態で反射型偏光子に実質的に垂直に入射し、所定の波長範囲内の波長にわたって平均化(非加重平均)された光に対する光反射率及び光透過率を指す。
実質的に非偏光の光とは、十分に小さい偏光度を有する光であるため、垂直に入射する実質的に非偏光の光の透過率及び反射率は、垂直に入射する非偏光の光の透過率及び反射率と無視できる程度にしか変わらない。偏光の程度は、偏光される光の割合(強度による)である。いくつかの実施形態では、実質的に非偏光として記載される光は、10%未満の偏光度を有する。いくつかの実施形態では、実質的に非偏光として記載される光は、非偏光又は名目上非偏光である。実質的に垂直に入射する光は、垂直入射に十分に近い光であるため、実質的に垂直に入射する非偏光の光の透過率及び反射率は、垂直に入射する非偏光の光の透過率及び反射率と無視できる程度にしか変わらない。実質的に垂直に入射する光は、いくつかの実施形態では、20度以内若しくは10度以内で垂直入射してもよく、又は垂直入射若しくは名目上垂直入射してもよい。
反射型偏光子は、所望の反射特性を有する任意の好適な反射型偏光子であってもよい。例えば、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%を提供するように選択された密度のワイヤ(例えば、ナノワイヤ)を有するワイヤグリッド偏光子を使用することができる。いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含み、第1及び第2のポリマー層の屈折率並びに第1及び第2のポリマー層の総数は、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%を提供するように選択される。
図2は、少なくとも1つの湾曲した主表面212を有する1つ以上の光学レンズ210と、部分反射体220と、反射型偏光子230と、を含む光学システム200の概略断面図である。光学システム200は、部分反射体及び反射型偏光子の相対的な配向を除いて、光学システム100と多くの点で同様である。光学システム200は、反射型偏光子230に入射した光を受光し、部分反射体220を通って光を観察者へと透過させるように構成されており、光学システム100は、部分反射体120に入射した光を受光し、反射型偏光子130を通って光を観察者へと透過させるように構成されている。反射型偏光子230は、反射型偏光子130について説明したとおりであってもよく、部分反射体220は、部分反射体120について説明したとおりであってもよい。光学システム200は、光学システム100について説明したように、部分反射体220と反射型偏光子230との間に配置されたリターダを更に含んでもよい。図示の実施形態では、1つのみのレンズ210が図示されるが、光学システム200は、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、1つよりも多くのレンズ(例えば、2つ以上の、又は3つ以上の光学レンズ)を含むことができることが理解されるであろう。例えば、反射型偏光子230は、主表面上に配置されてもよく、第1の光学レンズ及び部分反射体220は、異なる第2の光学レンズの主表面上に配置されてもよい(例えば、図3を参照)。
通過(第2の)偏光状態244を有する光240の経路は、図2に概略的に示されている。実際の経路は、図示されたものと異なってもよい(例えば、光路の異なる部分間の図示された間隔は、縮尺どおりでなくてもよい)。光240の(例えば、Tpに比例する)一部分240aは、反射型偏光子230を通って透過し、(例えば、Rpに比例する)別の一部分240bは、反射型偏光子230から反射される。一部分240cは、部分反射体220を通って透過し、別の一部分240dは、部分反射体220から反射される。一部分240dは、ブロック(第1の)偏光状態242で反射型偏光子230に入射する。一部分240dの(例えば、Rsに比例する)一部分240eは、反射型偏光子230から反射され、別の一部分(図示せず)は、反射型偏光子230を通って透過する。一部分240eの一部分240fは、部分反射体220を通って透過し、別の一部分(図示せず)は、部分反射体220から反射される。光240がディスプレイパネルからであり、光学システム200が観察者に画像を表示するように構成されているいくつかの実施形態では、所望の画像は、一部分240fにある。反射型偏光子230を通って透過された一部分240b(及び一部分240dの一部分及び一部分240iの一部分)は、一部分240gとして光学システム200の前方のオブジェクト(図示せず)から反射される。一部分240gの(例えば、Tpに比例する)一部分240hは、一部分240hとして反射型偏光子230を通って透過し、別の一部分(図示せず)は、反射型偏光子230から反射される。一部分240hの一部分240iは、部分反射体220から反射され、別の一部分(図示せず)は、部分反射体220を通って透過する。(例えば、Rsに比例する)一部分240jは、反射型偏光子230から反射され、別の一部分(図示せず)は、反射型偏光子230を通って透過する。一部分240jの一部分240kは、部分反射体220を通って透過し、別の一部分(図示せず)は、部分反射体220から反射される。
望ましくない反射により、光学システム200のコントラストが劣化する場合がある。一部分240kは、より高次の反射であっても、光学システム200の知覚されるコントラストに大きな影響を及ぼすことが見出された。一部分240cは、クリーンアップ偏光子(例えば、光学システム200の部分反射体220と出射面との間の光吸収型偏光子)を含めることによりブロックされる場合があるが、一部分240kは、一部分240fと同じ偏光状態を有するので、クリーンアップ偏光子は、一部分240kを排除せず、一部分240fも減衰させない。本明細書の他の箇所で更に記載されるように(例えば、図7参照)、望ましくない反射を低減するために、様々な屈折率整合層及び/又は反射防止コーティングを含めることができる。
光240を提供するためにディスプレイパネルを含めることができる。光吸収型偏光子などの偏光素子は、光240が反射型偏光子230に最初に入射するときに実質的に第2の偏光状態244にあるように、ディスプレイパネル内に含まれてもよく、又はディスプレイパネルと反射型偏光子230との間に配置されてもよい。
図3は、1つ以上の光学レンズ310を含む光学システム300の概略断面図である。図示の実施形態では、1つ以上の光学レンズ310は、第1の光学レンズ311及び第2の光学レンズ313を含む。光学層315は、図示の実施形態では第1の光学レンズ311の湾曲した主表面である、第1の光学レンズ311の主表面上に配置され、第1の光学レンズ311の湾曲した主表面に適合する。光学層317は、図示の実施形態では第2の光学レンズ313の湾曲した主表面である、第2の光学レンズ313の主表面上に配置され、第2の光学レンズ313の湾曲した主表面に適合する。光学層315及び317のいずれか又は両方は、それぞれの第1の光学レンズ311及び第2の光学レンズ313上に配置されたフィルム又はコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、光学層315及び317のうちの一方は、多層光学フィルムであり得る(例えば、反射型偏光子130又は230に対応する)反射型偏光子であり、光学層315及び317の他方は、(例えば、部分反射体120又は220に対応する)部分反射体である。いくつかの実施形態では、光学システム300は、光軸350を含み、光軸350に沿って伝播する光線340は、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ310、並びに第1の光学層315及び第2の光学層317を通過する。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学レンズ310は、光軸350を中心としている。
図4は、光学システム401とディスプレイパネル405とを含む光学システム400の概略断面図である。光学システム401は、例えば、光学システム100又は200又は300に対応してもよく、光学システム400は、例えば、本明細書の他の箇所で記載される光学システム600又は700に対応してもよい。いくつかの実施形態では、光学システム401は、1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面上に配置され、1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面に適合する、部分反射体と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、1つ以上の光学レンズの主表面に適合し、かつ複数のポリマー層を含む反射型偏光子であって、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、複数のポリマー層は、50%≦Rs≦95%である、第1の偏光状態の平均光反射率Rと、Tp≧80%である、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、有する、反射型偏光子と、含む。いくつかの実施形態では、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%である。いくつかの実施形態では、Tp≧85%、又はTp≧90%である。いくつかの実施形態では、Rp≦0.8%、又はRp≦0.6%、又はRp≦0.4%、又はRp≦0.25%、又はRp≦0.2%である。いくつかの実施形態では、80%≦Rs≦95%、又は85%≦Rs≦95%である。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、複数のポリマー層は、約10%未満又は約5%未満の第1の偏光状態の平均光透過率Tsを有する。記号Rs、Rp、Ts、及びTpは、反射型偏光子についての、又は光干渉によって主に光を反射及び透過する複数の干渉層であり得る複数のポリマー層についての、第1及び第2の偏光状態の反射率及び第1及び第2の偏光状態の透過率をそれぞれ指すために使用されてもよい。反射型偏光子の値は、反射型偏光子内の追加の境界面に起因して、複数のポリマー層の対応する値とはわずかに異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、反射型偏光子及び複数のポリマー層は、上記の範囲のうちのいずれか内のRs、Rp、Ts、及び/又はTpを有する。
光学システム401は、光学システム401に入射する光(例えば、ディスプレイパネル405から)が光学システム401を出射する表面である出射面452を含む。いくつかの実施形態では、出射面405は、ディスプレイパネル405から最も遠い光学システム401の構成要素の主表面である。いくつかの実施形態では、出射面405は、構成要素の表面ではなく、第2の光学システム(例えば、カメラ又は観察者の目)の入射瞳と重なり合うように適合された表面である。光学システム400及び401は、出射面452に近接して位置する観察者454に画像を表示するように構成されている。
光学システムのコントラストの測定値は、光学システムを通して明るい領域及び暗い領域を有するオブジェクトを表示することと、オブジェクトの画像を形成することと、画像内の明るい領域の平均輝度と暗い領域の平均輝度との比率を求めることと、によって得ることができる。いくつかの実施形態では、低空間周波数(例えば、1ミリメートル当たり約1ライン対未満)を有するオブジェクトのコントラストを定義することが望ましい。場合によっては、このような遷移領域は高効果空間周波数を有することができ、低特殊周波数の限界におけるコントラスト比を定義することが望ましい場合があるため、明るい領域と暗い領域との間の遷移領域付近の明るい領域及び暗い領域の一部分は、コントラストを特徴付ける比率を形成するときに除外される。オブジェクトは、例えば、交互の明るいライン及び暗いライン、あるいは明るい正方形若しくは矩形又は暗い正方形若しくは矩形を含んでもよい。オブジェクトは、1ミリメートル当たりのライン対(明るいライン又は領域と暗いライン又は領域の対)という観点から特徴付けることができる。平均輝度は、カメラを使用して強度を測定することと、明るい領域(例えば、各中央領域が対応する明るい領域の面積の約50%の面積を有する、明るい領域の中央領域)の指定面積にわたる強度及び暗い領域(例えば、各中央領域が対応する暗い領域の面積の約50%の面積を有する、暗い領域の中央領域)の指定面積にわたる強度を平均することと、によって求めることができる。平均輝度とは、別段の指定がない限り、重み付けされていない平均強度を指す。1ミリメートル当たりの1ライン対未満の空間周波数は、光学システムのコントラストの測定値を求めるのに使用されてもよく、一方、例えば、光学システムがディスプレイ用途で使用されるときに他の空間周波数が利用されてもよい。例えば、使用時に、光学システムは、1ミリメートル当たり実質的に1ライン対よりも大きい空間周波数を有するオブジェクトの画像(例えば、高精細画像)を表示することができる。
いくつかの実施形態では、1ミリメートル当たり約1ライン対未満(例えば、1ミリメートル当たり約0.1〜約1ライン対)の空間周波数を有するオブジェクト407から光学システム401に入射し(例えば、ディスプレイパネル405上に表示される)、かつ光の出射円錐441として出射面452を通って光学システム401を出射する、少なくとも10度(例えば、10度〜60度、又は15度〜40度、又は20度〜35度、又は約30度)の全円錐角θ(半値幅)を有する光の入射円錐440について、光の出射円錐441が出射面452に近接して結像されるときに、画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有する。例えば、図5Aは、ディスプレイパネル405上に表示することができるオブジェクト507の概略図である。オブジェクト507は、ディスプレイパネルの一部分のみの上にわたってもよい。例えば、ディスプレイパネル上に14個の正方形×14個の正方形の碁盤目パターンを表示することができ、このパターンの一部分(例えば、10個の正方形×10個の正方形、又は6個の正方形×6個の正方形、又は5個の正方形×5個の正方形、又は4個の正方形×4個の正方形)ディスプレイパネルの中央付近の碁盤目パターン)をオブジェクト507とすることができる。オブジェクト507は、第1の方向(x方向)に沿った単位距離d1当たり1ライン対の第1の空間周波数と、直交する第2の方向(y方向)に沿った単位距離d2当たり1ライン対の第2の空間周波数と、を有する。オブジェクト507は、第1の空間周波数及び第2の空間周波数のうちの少なくとも1つが1ミリメートル当たり約1ライン対未満である場合、1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の空間周波数の各々は、1ミリメートル当たり約1ライン対未満である。いくつかの実施形態では、Ib/Id≧50であり、Ibは、明るい領域の中央50%領域の平均輝度であり、Idは、暗い領域の中央50%領域の平均輝度である。図5Bは、出射面452を通って光学システム401を出射した、オブジェクト507からの画像509形成光の概略図である。画像509は、全体スケールを除いてオブジェクト507として現れてもよく、又は画像509は、光学システムによって歪んでいることもある(その場合、そのような歪みは、所望であれば電子的に補正することができる)。画像509は複数の交互の明るい領域571及び暗い領域573を含む。明るい領域571ごとに、中央50%領域576があり、暗い領域573ごとに、中央50%領域579がある。中央50%領域576は、明るい領域571の面積の約50%の面積を有する明るい領域571の内部領域内の領域を指す。同様に、中央50%領域579は、暗い領域573の面積の約50%の面積を有する暗い領域573の内部の領域を指す。明るい領域571の中央50%領域576の平均輝度は、中央50%領域576上にわたる輝度(強度)を平均化することによって求められる。同様に、暗い領域573の中央50%領域579の平均輝度は、中央50%領域579上にわたる輝度を平均化することによって求められる。比Ib/Idは、例えば、赤色、緑色、及び青色のサブ画素について別々に測定することができ、又は白色光出力について求めることができ、又は所定の波長範囲内の1つ以上の波長について求めることができる。少なくとも10度の全円錐角θは、光学システムのコントラストの測定値を求めるのに使用されてもよく、一方、例えば、光学システムがディスプレイ用途で使用されるときに他の円錐角が利用されてもよい。例えば、使用中、光学システムは、任意の好適な(例えば、10度未満、約10度、又は10度よりも大きい)全円錐角を有する光の入射円錐を提供するディスプレイパネルを含んでもよい。
場合によっては、ディスプレイパネルを使用してオブジェクト407又は507を表示する代わりに、オブジェクト407又は507は、例えば、発光ダイオード(LED)光源を使用して、例えば、ガラス上にコーティングされた碁盤目パターン(ガラス上にコーティングされたそのようなパターンは、例えば、Precision Optical Imaging(Rush,NY)から入手可能である)を照明することによって生成される。光学構成要素は、光源とガラスとの間に含まれて、特定の全円錐角θを生成することができる。LEDは、白色LEDであってよく、Id及びIbは、例えば、カラーカメラの赤色、緑色、又は青色の色チャネルのうちの任意の1つ以上のカラーカメラを使用して求めることができる。Ib/Idに関して、カラーカメラの色チャネルの感度が高い波長範囲に対応する波長範囲内の光源を使用し、光源によって放射される光の波長範囲全体にわたる輝度を求めることによって、同様の又は実質的に同じ結果を得ることができる。例えば、白色光源及びカラーカメラの緑色の色チャネルを利用することにより、Ib/Idに関して、カラーカメラの緑色の色チャネルの波長に対応する波長分布を有する光源を使用し、放射された光の波長範囲全体にわたる輝度を求めることと同様の結果をもたらす。いくつかの実施形態では、Ib/Idを求めるために使用される光の入射円錐は、少なくとも520nm〜570nm、及び/又は少なくとも430nm〜480nm、及び/又は少なくとも610nm〜660nmの波長を含む。いくつかの実施形態では、光源は、所定の波長範囲内の光を放射する。
いくつかの実施形態では、屈折率整合層、反射防止コーティング、追加のリターダ、及び/又は光吸収型偏光子(単数又は複数)は、望ましくない反射を低減し、それによって、例えば、Ib/Idを増加させるために、光学システムに含まれてもよい。本明細書の光学システムのいずれも、例えば、Ib/Id≧50、Ib/Id≧55、又はIb/Id≧60、又はIb/Id≧65、Ib/Id≧70、又はIb/Id≧72、又はIb/Id≧75、又はIb/Id≧76、又はIb/Id≧77、又はIb/Id≧78を有してもよい。いくつかの実施形態では、これらの範囲のうちのいずれか内においてIb/Idを求めるために使用される光の入射円錐は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長を含む。いくつかの実施形態では、これらの範囲のうちのいずれか内のIb/Idを求めるために使用される光の入射円錐は、少なくとも520nm〜570nm、及び/又は少なくとも430nm〜480nm、及び/又は少なくとも610nm〜660nmの波長を含む。いくつかの実施形態では、光の入射円錐は、少なくとも500nm〜570nmの波長、及びIb/Id≧72、又はIb/Id≧75、又はIb/Id≧76、又はIb/Id≧77、又はIb/Id≧78を含む。図6〜図7は、各々が1つ以上の屈折率整合層及び1つ以上の反射防止コーティングを含む、2つの光学システムを概略的に示す。いくつかの実施形態では、屈折率整合層、反射防止コーティング、追加のリターダ、及び/又は光吸収型偏光子(単数又は複数)のうちの1つ以上が省略される。いくつかの実施形態では、追加の屈折率整合層、反射防止コーティング、追加のリターダ、及び/又は光吸収型偏光子(単数又は複数)が含まれる。
図6は、1つ以上の光学レンズ610と、部分反射体620と、反射型偏光子630と、を含む光学システム600の概略図である。いくつかの実施形態では、部分反射体620は、1つ以上の光学レンズ610の湾曲した主表面612上に配置され、主表面612に適合し、反射型偏光子630は、1つ以上の光学レンズ610の主表面614上に配置され、主表面614に適合する。図示の実施形態では、部分反射体620は、1つ以上の光学レンズ610の主表面612上に直接配置され、反射型偏光子630は、1つ以上の光学レンズ610の主表面614上に間接的に配置される。図示の実施形態では、1つ以上の光学レンズ610のうちの1つの光学レンズ611のみが図示されている。他の実施形態では、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、2つ以上の光学レンズが含まれる。
いくつかの実施形態では、光学システム600は、光学システム600の出射面652に近接して位置する観察者に(例えば、ディスプレイパネル605からの)画像を表示するように構成されている。反射型偏光子630は、部分反射体620と出射面652との間に配置される。リターダ625は、部分反射体620と反射型偏光子630との間に配置される。
図示の実施形態では、光学システム600は、一体型光学スタック690を含む。一体型光学スタックは、互いに結合された光学層又は構成要素のスタックである。一体型光学スタック690は、順に、部分反射体620と、1つ以上の光学レンズ610のうちの第1の光学レンズ611と、第1の光学的に透明な接着剤層655と、リターダ625と、第2の光学的に透明な接着剤層657と、反射型偏光子630と、を含む。いくつかの実施形態では、一体型光学スタック690内の少なくとも一対の隣接する層について、屈折率整合層は、一対の隣接する層の間に配置される。例えば、図示の実施形態では、一体型光学スタック690はまた、第1の光学的に透明な接着剤層655とリターダ625との間に配置された第1の屈折率整合層624と、リターダ625と第2の光学的に透明な接着剤層657との間に配置された第2の屈折率整合層626と、第2の光学的に透明な接着剤層657と反射型偏光子630との間に配置された第3の屈折率整合層627と、を含む。いくつかの実施形態では、一体型光学スタック690は、第2の光学的に透明な接着剤層657の反対側の反射型偏光子630の主表面上に反射防止コーティング629を更に含む。
いくつかの実施形態では、光学システム600は、出射面652と反射型偏光子630との間に配置された光吸収型偏光子661を含む。このような光吸収型偏光子は、クリーンアップ偏光子として使用することができる。いくつかの実施形態では、光吸収型偏光子661は、所定の波長範囲内における第1の(ブロック)偏光状態について、約50%よりも大きい、又は約60%よりも大きい、又は約70%よりも大きい、又は約80%よりも大きい平均光吸収率を有する。いくつかの実施形態では、光学システム600は、光吸収型偏光子661と出射面652との間に配置されたリターダ663を含む。リターダ663は、光学システム600から出射するとき、及び光学システム600に再び入るときにリターダ663を通過した後、(例えば、観察者の目から)光学システムに戻る反射が光吸収型偏光子661のブロック状態に実質的に回転するように含まれ得る。
いくつかの実施形態では、光学システム600は、1つ以上の光学レンズに面する最外主表面662を有するディスプレイパネル605を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイパネル605の最外主表面662は、反射防止コーティング649を含む。反射防止コーティング649は、部分反射体620からディスプレイパネル605に向かって反射された光が部分反射体620に向かって反射されて戻るのを防ぐために含まれ得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイパネル605は、リターダ665及び光吸収型偏光子691のうちの少なくとも1つを含み、ディスプレイパネル605の反射防止コーティング649は、リターダ665又は吸収型偏光子(absorbing polarizer)691上に配置される。図示の実施形態では、リターダ665及び光吸収型偏光子691が含まれ、反射防止コーティング649はリターダ665上に配置される。いくつかの実施形態では、屈折率整合層647は、光吸収型偏光子691とリターダ665との間に配置される。図示の実施形態では、ディスプレイパネル605は、順に、第1のディスプレイパネル604と、第1の光学的に透明な接着剤層675と、リターダ685と、第2の光学的に透明な接着剤層677と、光吸収型偏光子691と、第3の光学的に透明な接着剤層678と、屈折率整合層647と、リターダ665と、反射防止コーティング649と、を含む。追加の屈折率整合層(例えば、リターダ685の各主表面上の)も含まれ得る。第1のディスプレイパネル604は、非偏光の光を放射するように構成されてもよく、リターダ685、第2の光学的に透明な接着剤層677、及び光吸収型偏光子691は共に、円形偏光子(例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイに一般的に含まれるような円形偏光子)であってもよい。光吸収型偏光子691及びリターダ665が含まれ得るため、光は、円形偏光状態で部分反射体620に入射し、その後、反射型偏光子630のブロック状態でリターダ625を通過後に反射型偏光子630に入射する。
図7は、1つ以上の光学レンズ710と、部分反射体720と、反射型偏光子730と、を含む光学システム700の概略図である。いくつかの実施形態では、反射型偏光子730は、1つ以上の光学レンズ710の湾曲した主表面712上に配置され、1つ以上の光学レンズ710の湾曲した主表面712に適合し、部分反射体720は、1つ以上の光学レンズ710の主表面714上に配置され、主表面714に適合する。図示の実施形態では、反射型偏光子730は、1つ以上の光学レンズ710の主表面712上に直接配置され、部分反射体720は、1つ以上の光学レンズ710の主表面714上に間接的に配置される。図示の実施形態では、1つ以上の光学レンズ710のうちの1つの光学レンズ711のみが図示されている。他の実施形態では、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、1つよりも多くの光学レンズ711が含まれる。
いくつかの実施形態では、光学システム700は、光学システム700の出射面752に近接して位置する観察者に(例えば、ディスプレイパネル705からの)画像を表示するように構成されている。部分反射体720は、反射型偏光子730と出射面752との間に配置される。リターダ725は、反射型偏光子730と部分反射体720との間に配置される。反射型偏光子730は、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、光学フィルム反射型偏光子であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、反射型偏光子630又は730は、複数のポリマー層を含み、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、部分反射体620又は720は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、複数のポリマー層は、50%≦Rs≦95%である、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、Tp≧80%である、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、有する。いくつかの実施形態では、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%である。いくつかの実施形態では、Tp≧85%、又はTp≧90%である。いくつかの実施形態では、Rp≦0.8%、又はRp≦0.6%、又はRp≦0.4%、又はRp≦0.25%、又はRp≦0.2%である。いくつかの実施形態では、80%≦Rs≦95%、又は85%≦Rs≦95%である。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、複数のポリマー層は、約10%未満又は約5%未満の第1の偏光状態の平均光透過率Tsを有する。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を含むオブジェクトから光学システム600又は700に入射し、かつ光の出射円錐として出射面652又は752を通って光学システム600又は700を出射する、少なくとも10度の全円錐角を有する光の入射円錐について、光の出射円錐が出射面652又は752に近接して結像されるときに、画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有する。いくつかの実施形態では、Ib/Id≧50であり、Ibは、明るい領域の中央50%領域の平均輝度であり、Idは、暗い領域の中央50%領域の平均輝度である。いくつかの実施形態では、Ib/Id≧55、Ib/Id≧60、又はIb/Id≧65、Ib/Id≧70、又はIb/Id≧72、又はIb/Id≧75、又はIb/Id≧76、又はIb/Id≧78である。いくつかの実施形態では、明るい領域の各中央50%領域は、明るい領域の面積の約50%の面積を有する明るい領域の内部領域であり、暗い領域の各中央50%領域は、暗い領域の面積の約50%の面積を有する暗い領域の内部領域である。
図示の実施形態では、光学システム700は、一体型光学スタック790を含む。一体型光学スタックは、順に、反射型偏光子730と、1つ以上の光学レンズ710うちの第1の光学レンズ711と、第1の光学的に透明な接着剤層755と、リターダ725と、部分反射体720と、を含む。いくつかの実施形態では、一体型光学スタック790は、順に、リターダ725の反対側の部分反射体720上に配置された第2の光学的に透明な接着剤層757と、第2のリターダ735と、第3の光学的に透明な接着剤層759と、所定の波長範囲内における第1の偏光状態について、約50%よりも大きい平均光吸収率を有し得る光吸収型偏光子761と、第3のリターダ763と、を更に含む。いくつかの実施形態では、一体型光学スタック790は、光吸収型偏光子761と第3のリターダ763との間に第4の光学的に透明な接着剤層779を更に含む。いくつかの実施形態では、一体型光学スタック790内の少なくとも一対の隣接する層について、屈折率整合層は、一対の隣接する層の間に配置される。例えば、図示の実施形態では、屈折率整合層724は、第1の光学的に透明な接着剤層755とリターダ725との間に配置され、屈折率整合層727は、第2の光学的に透明な接着剤層757とリターダ735との間に配置され、屈折率整合層729は、リターダ735と第3の光学的に透明な接着剤層759との間に配置され、屈折率整合層769は、第4の光学的に透明な接着剤層779と第3のリターダ763との間に配置される。いくつかの実施形態では、一体型光学スタックは、最外の第1及び第2の主表面797及び798を有し、第1の最外主表面797及び第2の最外主表面798の各々は、それぞれ、反射防止コーティング795及び796を有する。リターダ763は、光学システム700から出射するとき、及び光学システム700に再び入るときにリターダ763を通過した後、(例えば、観察者の目から)光学システムに戻る反射が光吸収型偏光子761のブロック状態に実質的に回転するように含まれ得る。
光学システム700は、1つ以上の光学レンズ710に面する最外主表面762を有するディスプレイパネル705を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイパネル705の最外主表面762は、反射防止コーティング749を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイパネル705は、リターダ785又は光吸収型偏光子791のうちの少なくとも1つを含み、ディスプレイパネル705の反射防止コーティング749は、リターダ785又は光吸収型偏光子791上に配置される。図示の実施形態では、ディスプレイパネル705は、順に、第1のディスプレイパネル704と、第1の光学的に透明な接着剤層775と、屈折率整合層774と、リターダ785と、屈折率整合層747と、第2の光学的に透明な接着剤層778と、光吸収型偏光子791と、最外主表面762に反射防止コーティング749と、を含む。光吸収型偏光子791が含まれ得るため、ディスプレイパネル705からの光は反射型偏光子730の通過偏光状態で反射型偏光子730に入射する。
任意の好適な屈折率整合層又は反射防止コーティングを、光学システムのうちのいずれかで使用することができる。2つの隣接する層又は構成要素の間の屈折率整合層は、典型的には、2つの隣接する層又は構成要素の屈折率の間に少なくとも1つの屈折率を有する。いくつかの実施形態では、屈折率整合層は、単一層を使用する場合と比較して、屈折率がより緩やかにシフトするように、2つ以上の副層を含む。反射防止コーティングは、単一層(例えば、ナノ構造反射防止層)であってもよく、又は2つ以上の副層を含んでもよい。例えば、弱め合う干渉をもたらすように選択された厚さを有する異なる屈折率の交互の層を使用することができる。屈折率整合層(単数又は複数)及び/又は反射防止コーティング(単数又は複数)は、例えば、アルミナ、チタニア、シリカ、MgFの層などの1つ以上の無機層を含んでもよい。
光学的に透明な接着剤層には、任意の好適な光学的に透明な接着剤が使用されてもよい。光学的に透明な接着剤は、所定の波長範囲における好適に高い透過率(例えば、所定の波長範囲内における実質的に垂直に入射する実質的に非偏光の光に対して、少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%の透過率)及び好適に低いヘイズ(例えば、ASTM D1003−13試験規格によって決定した、20%未満、又は10%未満、又は5%未満のヘイズ)を有する接着剤である。
図8は、実質的に垂直に入射する光の直交する第1及び第2の偏光状態についての、光学フィルムの透過率、又は光学フィルムに含まれる複数のポリマー層(例えば、主に光干渉及び/又は交互の第1及び第2のポリマー層によって光を反射及び透過する複数の干渉層)の透過率の概略プロットである。λ1〜λ2の所定の波長範囲内の波長にわたる透過率の平均は、第1の偏光状態ではTsであり、第2の偏光状態ではTpである。いくつかの実施形態では、λ1は、約400nm〜約450nmの範囲内であり、λ2は、約600nm〜約700nm又は約650nm〜約700nmの範囲内である。
図9は、実質的に垂直に入射する光の直交する第1及び第2の偏光状態についての、光学フィルムの反射率、又は光学フィルムに含まれる複数のポリマー層(例えば、主に光干渉及び/又は交互の第1及び第2のポリマー層によって光を反射及び透過する複数の干渉層)の反射率の概略プロットである。λ1〜λ2の所定の波長範囲内の波長にわたる反射率の平均は、第1の偏光状態ではRsであり、第2の偏光状態ではRpである。
図8〜図9に示す透過率及び/又は反射率は、光学フィルム上の位置についてでもよく、フィルム上の各位置は、例えば、形成(例えば、熱成形)プロセスにより、位置ごとにいくらか変動し得る対応する透過率及び反射率を有し得る。例えば、各位置は、一般に図9に示されるように、対応する反射帯域を有し得るが、帯域端波長λ0及び/又はλ3は、位置に伴っていくらか変動し得る。光学フィルムは、光学フィルム上の少なくとも1つの位置が、指定された範囲内の平均透過率及び/又は反射率を有する場合、光学フィルムは指定された範囲内の平均透過率及び/又は反射率を有すると言うことができる。いくつかの実施形態では、光学フィルムのエリアの少なくとも大部分における各位置、又は光学フィルムの全ての面積若しくは実質的に全ての面積における各位置は、指定された平均透過率及び/又は反射率を有し得る。
長波長帯域端λ3を図8及び図9に示し、短波長帯域端λ0を図9に示す。反射帯域は典型的に、反射率が急に低下する長波長帯域端及び短波長帯域端の両方を有する。図示の実施形態では、短波長帯域端λ0はλ1未満であり、長波長w帯域端λ3はλ2よりも大きい。帯域端は、実質的に垂直に入射する光に対して求められる。帯域端の正確な波長は、いくつかの異なる基準を使用して定義することができる。帯域端の波長は、例えば、第1の偏光状態を有する垂直に入射する光に関する反射率が1/2Rsまで低下する波長、又は第1の偏光状態を有する垂直に入射する光の透過率が10%まで増加する波長としてもよい。
多層光学フィルムの生産に使用される材料は、典型的には、少なくとも可視波長及び近可視波長にわたって、並びにフィルム内の典型的な光路距離に対して、吸収率が非常に低いポリマー材料である。したがって、所与の光線に対する多層フィルムの反射率R及び透過率Tは、典型的には実質的に相補的であり、すなわち、R+T≒100%であり、通常、約1%以内の精度である。
光学フィルムの透過率は、一般的に、透過光の強度を入射光の強度によって除算したもの(所与の波長、入射方向などの光についてのもの)を指すが、「外部透過率」又は「内部透過率」という用語で表されることもある。光学フィルムの外部透過率が光学フィルムの透過率となるのは、周囲が空気であり、かつ要素の前方の空気/要素界面のフレネル反射に対して、又は要素の後方の要素/空気界面のフレネル反射に対していかなる補正もされない場合である。光学フィルムの内部透過率がそのフィルムの透過率となるのは、その前方表面及び後方表面のフレネル反射が除かれた場合である。前側及び後側のフレネル反射の除去は、計算的に(例えば、フレネル方程式及び光学フィルムの最外層の屈折率測定値から求めることができる外部透過/反射スペクトルから適切な関数を差し引くことによって)行われてもよく、又は実験的に行われてもよい(例えば、内部透過率及び内部反射率は、光学フィルムの前面に配置され、かつ光学フィルムと好適に整列された吸収型偏光子の有無にかかわらず、光学フィルムの反射率及び透過率の測定値、光学フィルムの前面及び後面に配置され、かつ光学フィルムと好適に整列された吸収型偏光子の有無にかかわらず、光学フィルムの反射率及び透過率の測定値、並びに吸収偏光子の反射率及び透過率の測定値から抽出されて得る)。多くのタイプのポリマー及びガラス材料では、フレネル反射は、2つの外部表面の各々で約4〜6%(法線入射角又はほぼ法線入射角に対して)であり、これにより、外部透過率が、内部透過率と比べ約10%下方にシフトする。
したがって、光学フィルムの内部透過は、フィルム構成要素の2つの外側表面ではなく、内部部分からのみ生じる透過を指す。内部透過は、「内部反射」に類似している。フィルムの内部反射は、フィルム構成要素の2つの最外表面ではなく、内部部分からのみ生じる反射を指す。光学フィルムの透過率又は反射率はまた、ガラスなどのいくつかの媒質に浸漬されたフィルムについても求めることができる。例えば、ガラスが光学フィルムの外層の屈折率に近い屈折率を有し、屈折率整合接着剤を使用して、光学フィルムを光学フィルムの各面上のガラス(例えば、ガラスプリズム)に結合するために使用され、ガラスに浸漬された光学フィルムの垂直入射の透過率及び反射率は、それぞれ、垂直入射の内部透過率及び反射率とほぼ等しい。本明細書で内部又は外部を指定せずに透過率又は反射率に言及する場合、文脈により特に明記しない限り、透過率又は反射率は、内部透過率又は内部反射率を指すものと見なさなければならない。
内部反射及び透過特性は、光学モデリング又は実験室測定から容易に求めることができる。モデル化されたフィルムに対する反射率及び透過率の計算値の場合、内部反射及び透過は、計算された値からのそれらの表面反射の計算を省略することによって容易に達成される。反射スペクトル及び任意の角度での反射率、及び複屈折多層フィルムの帯域端などのその特徴の全ては、Berreman and Scheffer,Phys.Rev.Lett.25:577(1970)の4×4スタックコードを使用して計算することができる。本方法の説明は、Elsevier Science(Holland)により公開されたAzzam及びBasharaによって書かれた書籍「Ellipsometry and Polarized Light」に記載されている。
反射率又は透過率の測定値の場合、内部反射及び透過特性は、フィルムを空気中で測定し、表面反射率のみを表す計算値又は測定値を差し引くことによって求めることができる。例えば、干渉層よりもはるかに厚い平滑かつ透明な表面層を有する多層フィルムを所与として、この表面層の屈折率を測定することができる。表面層の屈折率が分かると、当該技術分野において周知の数式を使用することにより、測定された全反射率から表面反射率を差し引くことができる。
図10Aは、反射型偏光子であってもよく、本明細書の他の箇所に記載される光学システムのうちのいずれかにおいて使用することができる光学フィルム3100の概略斜視図である。図10Bは、光学フィルム3100の一部分の概略斜視図である。光学フィルム3100は、合計(N)個の干渉層を有する複数のポリマー干渉層3102を含む。図10Bは、交互のより高屈折率ポリマー層3102a(A層)及び低屈折率ポリマー層及び3102b(B層)を示す。高屈折率層は、同じ方向における低屈折率層の屈折率よりも大きい少なくとも1つの方向における屈折率を有する。低屈折率層3102bは、第1の層と称されてもよく、高屈折率層3102aは、第2の層と称されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、第2のポリマー層の最大屈折率は、第1のポリマー層の最大屈折率よりも大きく、第2のポリマー層の最大屈折率と第1のポリマー層の最小屈折率との差は、約0.3未満、若しくは約0.28未満、若しくは約0.2〜約0.3の範囲、若しくは約0.22〜約0.28の範囲、又は約0.25である。実質的に垂直に入射する光が参照されるため、最大屈折率及び最小屈折率は実質的に面内の屈折率である。
いくつかの実施形態では、複数の交互の第1ポリマー層3102b及び第2のポリマー層3102aは、約900個未満の層、若しくは約500個未満の層、若しくは約300個未満の層を含むか、又は約200個〜約300個層の範囲内の総数(N個)の層を含む。いくつかの実施形態では、光学フィルム3100は、約500ミクロン未満の平均厚さtを有する。平均厚さとは、光学フィルムの領域にわたる厚さ平均を指す。いくつかの実施形態では、厚さは実質的に均一であるため、光学フィルムの厚さは平均厚さtに実質的に等しい。いくつかの実施形態では、光学フィルムは湾曲形状に形成され、形成プロセスから生じる厚さの変動を有する。いくつかの実施形態では、各ポリマー層3102は、約500nm未満の平均厚さを有する。
使用中、入射光3110として描かれる光学フィルム3100の主表面(例えば、フィルム表面3104)に入射する光は、光学フィルム3100の第1の層に入り、複数の干渉層3102を通って伝播することができ、入射光3110の偏光状態に依存して、光干渉による選択反射又は選択透過を受ける。入射光3110は、互いに相互に直交する第1の偏光状態(b)及び第2の偏光状態(a)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルム3100は、偏光素子であり、第2の偏光状態(a)は、「通過」状態と考えることができ、一方で第1の偏光状態(b)は、「ブロック」状態と考えることができる。いくつかの実施形態では、光学フィルム3100は、延伸軸3120に沿って配向され、直交軸3122に沿っては配向されていない偏光子である。このような実施形態では、軸3122に沿った電界を有する垂直に入射する光の偏光状態は、第2の偏光状態(a)であり、軸3120に沿った電界を有する垂直に入射する光の偏光状態は第1の偏光状態(b)である。いくつかの実施形態では、入射光3110が複数の干渉層3102を通って伝播していくと、第1の偏光状態(b)における光の一部分は隣接する干渉層によって反射され、第1の偏光状態(b)が光学フィルム3100によって反射される結果となり、一方で第2の偏光状態(a)における光の一部分は、光学フィルム3100をまとまって通過する。
干渉層は、干渉層の反射率及び透過率が光干渉によって合理的に説明できるか、又は光干渉の結果として合理的に正確にモデル化できる場合、光を主に光干渉によって反射及び透過すると説明されてもよい。異なる屈折率を有する干渉層の隣接する対は、対が、光の波長の1/2の合成光学厚さ(ブロック軸に沿った屈折率×物理的厚さ)を有するときに、光干渉によって光を反射する。いくつかの実施形態では、光学繰り返し単位における隣接する対の干渉層の光学厚さは、ほぼ等しい。干渉層は、典型的には、約500nm未満又は約200ナノメートル未満の物理的厚さを有する。いくつかの実施形態では、各ポリマー干渉層は、約45ナノメートル〜約200ナノメートルの範囲の平均厚さ(層にわたる物理的厚さの非加重平均)を有する。非干渉層は、干渉によって可視光の反射に寄与するには大きすぎる光学的厚さを有する。非干渉層は典型的に、少なくとも1マイクロメートル又は少なくとも5マイクロメートルの物理的厚さを有する。干渉層3102は、所定の波長範囲内において、光を主に光干渉によって反射及び透過する複数のポリマー干渉層であり得る。干渉層及び非干渉層を含む光学フィルムの平均厚さは、約500ミクロン未満とすることができる。
交互のポリマー層のための好適な材料は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PEN及びポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は二安息香酸)を含有するコポリマー、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート(PC)、又はこれらクラスの材料のブレンドを含む。
交互になったポリマー干渉層を含む光学フィルムの作製方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,179,948号(Merrillら)、同第6,783,349号(Neavinら)、及び同第9,162,406号(Neavinら)に記載されている。簡潔に要約すると、製作方法は、(a)完成フィルム中で使用される第1及び第2のポリマーに対応する樹脂の少なくとも第1及び第2のストリームを提供することと、(b)第1及び第2のストリームを、好適なフィードブロックを使用して複数の層に分割することと、(c)複合ストリームを押出ダイに通して、各層が隣接する層の主表面に概ね平行である多層ウェブを形成することと、(d)キャスティングホイール又はキャスティングドラムと呼ばれる場合があるチルロール上に多層ウェブをキャスティングして、キャスト多層フィルムを形成することと、を含むことができる。このキャストフィルムは、完成フィルムと同じ数の層を有してもよいが、キャストフィルムの層は、典型的には、完成フィルムの層よりもはるかに厚い。更に、キャストフィルムの層は、典型的には全て等方性である。多層ウェブがチルロール上で冷却された後、これを伸張又は延伸して、最終的な又はほぼ最終的な多層光学フィルムを製造することができる。引き伸ばし又は延伸して、2つの目標、すなわち、層をその所望の最終的な厚さまで薄くすること、また層の少なくともいくつかが複屈折となるように層を配向すること、を達成する。方向付けること又は延伸は、クロスウェブ方向に沿って(例えばテンターにより)、ダウンウェブ方向に沿って(例えばレングスオリエンタ(length orienter)により)、又はそれらの任意の組み合わせで、同時に又は連続的に達成することができる。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、複数の交互の第1のポリマー層相と第2のポリマー層とを含み、各第2のポリマー層は、1つ以上の位置において(例えば、反射型偏光子が実質的に平面である場合の全位置において、及び湾曲した反射型偏光子の頂点から反射型偏光子のブロック軸に概ね沿った円弧に沿った位置において)(例えば、図10Bに示す軸3120に沿って)実質的に一軸配向されている。実質的に一軸配向された層は、1つの面内(例えば、長さ)方向及び厚さ方向の屈折率が実質的に同じ(例えば、0.02以内又は0.01以内)であるが、直交する面内(例えば、幅)方向における屈折率とは実質的に異なる(例えば、少なくとも0.05異なる)屈折率を有する。いくつかの実施形態では、熱成形する前の多層光学フィルムは、実質的に単軸延伸されたたフィルムであり、少なくとも0.7、少なくとも0.8、又は少なくとも0.85の一軸特性度Uを有し、ここで、U=(1/MDDR−1)/(TDDR1/2−1)であり、MDDRは機械方向延伸比として定義され、TDDRは横方向延伸比として定義される。このような実質的に一軸配向された多層光学フィルムは、米国特許出願公開第2010/0254002号(Merrillら)に記載されており、多層フィルムを配向するパラボラテンターを使用することによって得ることができる。米国特許第9,557,568号(Ouderkirkら)に記載されるように、実質的に一軸配向された反射型偏光子フィルムは、折り返された光学システムにおいて改善された性能を提供する。いくつかの実施形態では、第2の層、複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層は、約0.008未満(例えば、約0.002よりも大きく約0.008未満の差)だけ異なる、通過方向及び厚さ方向の屈折率を有する。
いくつかの実施形態では、複数の交互の第1及び第2のポリマー層は、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、第2の偏光状態の平均光透過率Tp及び平均光反射率Rpと、を有し、Tp≧80%、Rp≦1%、又はRp≦0.8%、又はRp≦0.6%、又はRp≦0.4%、又はRp≦0.25%、及び80%≦Rs≦95%である。通過状態(第2の偏光状態)の反射率は、第1及び第2の層の通過方向の屈折率を厳密に整合させることによって(例えば、約0.006未満又は約0.005未満の差)、並びに/又は交互の第1及び第2のポリマー層の数を制限することによって(例えば、いくつかの実施形態では、交互の第1及び第2のポリマー層の数は200〜500個であり、いくつかの実施形態では、複数の交互の第1及び第2のポリマー層は、約300個未満の層を含む)、望ましい低さにすることができる。第1及び第2の層のブロック方向おける有意差(例えば、約0.2よりも大きい、又は約0.22よりも大きい差)のある屈折率を利用することによって、限定された数の層が含まれる場合、ブロック方向(第1の偏光状態)における反射率は、望ましい高さ(例えば、80%≦Rs≦95%)にすることができる。
第1及び第2の層の通過方向における屈折率は、材料の好適な選択によって、並びに、延伸比MDDR及びTDDRの好適な選択によって厳密に整合させることができる。場合によっては、所与のTDDRに関して、MDDRは、より低いRpを生成するために、フィルム加工において一般的に利用されるものよりも低減される。そのような低MDDRを利用することにより、加工中に光学フィルムの座屈を引き起こす可能性があるが、座屈がなく、かつ本明細書の光学システムに使用するのに十分なほど大きい光学フィルムの面積が生じる。例えば、15重量%のPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)とブレンドされた85重量%のポリカーボネートの等方性の第1の層は、屈折率n1x、n1y、及びn1zが、約550nmの波長で各約1.5792、及び633nmの波長で各約1.5705であり、90/10coPEN(90%のポリエチレンナフタレート(PEN)及び10%のポリエチレンテレフタレート(PET)で構成されているポリマー)の配向された第2の層は、約6のTDDR及び約0.43のMDDRの延伸比で配向され、屈折率n2x、n2y、及びn2zが、約550nmの波長で、それぞれ、約1.8372、1.5755、及び1.5690、並びに約633nmの波長で、それぞれ、約1.8120、1.5652、及び1.5587である。これにより、第1及び第2の層の通過方向における屈折率の間に適度に厳密な整合がもたらされた。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含み、各第2のポリマー層は、1つ以上の位置において実質的に一軸配向される。いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、反射型偏光子の頂点を通過する光軸から離れた少なくとも1つの層上の少なくとも1つの位置において実質的に光学的に一軸である少なくとも1つの層を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの位置で、厚さ方向における第1の屈折率、厚さ方向と直交する第2の方向における第2の屈折率、並びに厚さ方向及び第2の方向と直交する第3の方向における第3の屈折率を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との差の絶対値が、0.02未満、又は0.01未満、又は0.008未満であり、第2の屈折率と第3の屈折率との差の絶対値が、0.05超、又は0.1超、又は0.15超、又は0.2超である。
第1及び第2のポリマー層の屈折率は、実質的に垂直に入射する光に対して直交する偏光状態によって定義される方向に沿った屈折率成分に関して表すことができ、かつ/又は光学フィルムの平面内の直交する第1及び第2の軸に沿った屈折率成分に関して表すことができる。いくつかの実施形態では、隣接する第1及び第2のポリマー層の各対について、第1の層3102bは、第1の偏光状態に沿った(例えば、軸3120に沿って又はx軸に沿って偏光された)屈折率n1xと、第2の偏光状態に沿った(例えば、軸3123に沿って又は軸に沿って偏光された)屈折率n1yと、第1及び第2の偏光状態に直交するz軸に沿った屈折率n1zと、を有し、第2の層3102aは、第1の偏光状態に沿った屈折率n2xと、第2の偏光状態に沿った屈折率n2yと、z軸に沿った屈折率n2zと、を有する。いくつかの実施形態では、隣接する第1及び第2のポリマー層の各対について、第1の層3102bは、光学フィルムの平面内の第1の軸(例えば、軸3120又はx軸)に沿った屈折率n1xと、光学フィルムの平面内の直交する第2の軸(例えば、軸3123又はy軸)に沿った屈折率n1yと、第1及び第2の軸に直交するz軸に沿った屈折率n1zと、を有し、第2の層3102aは、第1の軸に沿った屈折率n2xと、第2の軸に沿った屈折率n2yと、z軸に沿った屈折率n2zと、を有する。光学フィルムの平面は、一般に、光学フィルムに接する平面を指す。光学フィルムが平面内に配置される場合、この平面は光学フィルムの平面である。光学フィルムが湾曲している場合(例えば、レンズの曲面上に配置され、レンズの曲面に適合する)場合、光学フィルムの平面は、屈折率が指定される位置における接平面である。実質的に垂直に入射する光は、例えば、第1の軸に沿って第1の偏光状態で(すなわち、第1の偏光状態は、第1の軸に沿って電界を有する線形偏光状態であってもよい)、又は第2の軸に沿って第2の偏光状態偏光状態で(すなわち、第2の偏光状態は、第2の軸に沿って電界を有する線形偏光状態であってもよい)偏光されてもよく、光学フィルムは、本明細書の他の箇所に記載される範囲のうちのいずれか内の、第1及び第2の偏光状態に対する反射率及び透過率を有してもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、n1xとn1yとn1zとの間の最大差は、約0.002未満であり、n2xとn1xとの差は、約0.2よりも大きい。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長について、n2yとn2zとの差は、約0.002よりも大きく、かつ約0.008未満である。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長について、n1yとn2yとの差の絶対値は、約0.006未満、又は約0.005未満である。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長について、n2xとn1xとの差は、約0.22〜約0.28の範囲内である。屈折率は、第1の層のポリマー及び第2の層のポリマーの好適な選択によって、任意の層の好適な配向度によって調整することができる(例えば、延伸比の増加により、配向された(高屈折率)層における延伸方向の屈折率を増加させることができる)。屈折率は、例えば、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長について指定されてもよく、及び/又は固定基準波長(例えば、532nm又は550nm又は633nm)で指定されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、約550nmの波長において、n1x、n1y、及びn1zは、各約1.5792であり、n2x、n2y、及びn2zは、それぞれ、約1.8372、1.5755、及び1.5690である。いくつかの実施形態では、約633nmの波長において、n1x、n1y、及びn1zは、各約1.5705であり、n2x、n2y、及びn2zは、それぞれ、約1.8120、1.5652、及び1.5587である。光学フィルムは、光学フィルム上の少なくとも1つの位置において、これらの範囲のうちのいずれか内の屈折率を有する。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、光学フィルムの全面積の少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は実質的に全てにわたって、これらの範囲のうちのいずれか内の屈折率を有する。
いくつかの実施形態では、光学システムは、部分反射体と反射型偏光子との間に配置されたリターダを含む。いくつかの実施形態では、部分反射体と反射型偏光子との間に配置されたリターダは、所定の波長範囲内の1つ以上の波長での四分の一波長リターダンスを有する。いくつかの実施形態では、光学システムは、複数のリターダ(例えば、図6又は図7に示す複数のリターダ)を含む。いくつかの実施形態では、各リターダは、所定の波長範囲内の1つ以上の波長での四分の一波長リターダンスを有する。
本明細書の光学システムで使用されるリターダ層(単数又は複数)は、フィルム若しくはコーティング、又はフィルムとコーティングとの組み合わせとすることができる。適切なフィルムの例としては、例えば、Meadowlark Optics(Frederick,CO)から入手可能なものなどの、複屈折ポリマーフィルムリターダが挙げられる。リターダ層を形成するのに好適なコーティングとしては、米国特許出願公開第2002/0180916号(Schadtら)、同第2003/028048号(Cherkaouiら)、同第2005/0072959号(Moiaら)、及び同第2006/0197068号(Schadtら)、並びに米国特許第6,300,991号(Schadtら)に記載されている、線状光重合性ポリマー(LPP)材料及び液晶ポリマー(LCP)材料が挙げられる。適切なLPP材料にはROP−131EXP306LPPが含まれ、適切なLCP材料にはROF−5185EXP410LCPが含まれ、両方ともROLIC Technologies Ltd(スイス、Allschwil)より入手可能である。
図11Aは、リターダに関するリターダンス(例えば、nm単位)対波長の概略図である。リターダンス対波長は、波長分散曲線1600aである。分散曲線1600aは、例えば、Merck(Darmstadt,Germany)から入手可能な無色リターダの分散曲線と同様である。理想的な無色四分の一波長リターダの分散曲線1607も示されている。分散曲線1600aを有するリターダは、例えば、波長λaでの及びλbでの四分の一波長リターダであってもよく、所定の波長範囲(例えば、λ1〜λ2)内の波長範囲にわたる実質的に四分の一波長(例えば、四分の一波長の5%以内のリターダンス)であってもよい。図11Bは、異なるリターダ層に関する波長分散曲線1600bの概略図である。分散曲線1600bは、配向ポリマー層のリターダなどの従来のリターダの分散曲線と同様である。分散曲線1600bは、所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する。分散曲線1600bを有するリターダ層は、例えば、波長λ3での実質的に四分の一波長リターダであってもよい。
本明細書の光学システム又はディスプレイシステムのいずれかは、ヘッドセット(例えば、ヘッドマウント式ディスプレイ、又は仮想現実ディスプレイ若しくは拡張現実ディスプレイのヘッドセット)などのデバイスで使用してもよい。ヘッドセットは、取り外し可能であってもよい1つ以上のディスプレイパネルを含んでもよい(例えば、ヘッドセットは、ディスプレイパネルを有する電話を受信するように適合されてもよい)。図19は、フレーム1792と、左右のディスプレイ部分1794a及び1794bと、を含むヘッドセット1790の概略上面図であり、左右のディスプレイ部分1794a及び1794bは、左右の光学システムの各々が本明細書による光学システムである左右の光学システムをそれぞれ含み得る。任意選択の取り外し可能なディスプレイパネル1785が示されている。他の実施形態では、左右のディスプレイパネル又はディスプレイパネルの左右の部分は、左右のディスプレイ部分1794a及び1794bに含まれる。
特徴のサイズ、量、及び物理的性質を表す量に適用されるような「約」の使用が、本明細書に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「約」は、指定された量の10パーセント以内であるが、正に指定された量も含むことを意味すると理解されるだろう。例えば、本発明の記載に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、約1の値を有する量は、0.9〜1.1の値を有するが、ちょうど1の値も含むことを意味する。
実施例
実施例1
反射型偏光子を以下のように作製した。単一の多層光学パケットを共押出成形した。パケットは、90/10coPENと低屈折率等方性層との275層の交互の層を含んだ。90/10coPENは、90%ポリエチレンナフタレート(PEN)及び10%ポリエチレンテレフタレート(PET)から構成されるポリマーである。等方性層を、屈折率を約1.57とし、層が一軸配向の際に実質的に等方性のままとなるようにした、国際公開第2015035030号に記載のポリカーボネート及びコポリエステルのブレンド(PC:coPET)で作製した。PC:coPETモル比は、PC約42.5モル%及びcoPET57.5モル%であった。等方性層は、105℃のTgを有した。この等方性材料は、2つの非延伸方向における屈折率を延伸させた後、非延伸方向における複屈折材料の屈折率と実質的に整合したままとなるように選択され、一方で延伸方向において、複屈折層と非複屈折層との間には屈折率の実質的な不整合が存在した。90/10PEN及びPC:coPETポリマーを、別個の押出成形機から、90/10coPENが44%、PC:coPETが56%の合計流量比で、多層共押出フィードブロックへとそれぞれ供給した。材料を275の交互の光学層のパケットに組み立て、一方の面の90/10PEN及び他方の面のPC:coPETの各面により厚い保護境界層を加えて、合計277の層とした。この多層溶融物は次に、ポリエステルフィルムに関する従来の方法で、フィルムダイを通してチルロール上にキャストされ、急冷された。次いで、キャストウェブを、2006年6月4〜9日にカリフォルニア州San FranciscoでのSociety for Information Displays(SID)International Conferenceにおいて発表された、著者Denkerらによる「Advanced Polarizer Film for Improved Performance of Liquid Crystal Displays」と題するInvited Paper 45.1、に記載されているものと同様のパラボリックテンターで延伸した。放物線状テンターの横方向延伸比(TDDR)は約6.0であり、機械方向延伸比(MDDR)は約0.43であった。
垂直入射における空気中の反射率及び透過率(外部反射率及び外部透過率)は、PerkinElmer(Waltham,MA)から入手可能な偏光子オプションを有するLAMBDA 1050 UV/Vis Spectophotometerを使用して測定した。光源には、CIE光源Cを使用した。実施例1の反射型偏光子について、及び3M Company(St.Paul,MN)から入手可能なAdvanced Polarizing Film(APF)のサンプルについて得られた空気中の透過率及び反射率を図13〜図14に示す。次に、反射型偏光子の最外層の屈折率を、404nm、532nm、及び633nmの波長でMetricon 2010/Mプリズムカプラで測定した。以下の表は、実施例1の反射型偏光子について及びAPFのサンプルについて、通過軸に対応する機械方向(MD)、ブロック軸に対応する横方向(TD)、並びに厚さ(Z)方向で測定された最外層の屈折率(反射型偏光子の各最外層は同じポリマー材料を使用し、そのため、屈折率は、各最外層において同じであると想定された)を列挙する。
Figure 2021531497
測定された屈折率から、表面の各々の明所視的平均反射率は、Thin Film Center Inc(Tucson,AZ)から入手可能なMacleod optical modeling softwareを使用して、約5.03パーセントと判定された。次いで、内部反射率及び内部透過率を、内部反射率及び内部透過率に関して、並びに前面及び後面からの繰り返しフレネル反射に関して、外部反射率及び外部透過率を説明する式を同時に解くことによって求めた。一連の繰り返し反射は、反射型偏光子からの最大5回の反射を含んだ。実施例1の反射型偏光子の明所視平均結果は、R ph=92.4%、R ph=0.15%、T ph=7.8%、及びT ph=99.7%であった。全ての明所視平均は、CIE 1931 2°Standard Observerに基づいて実施された。比較すると、APFのサンプルに適用された測定方法の結果は、R ph=98.8%、R ph=1.2%、T ph=1.2%、及びT ph=98.4%であった。
実施例1の反射型偏光子のサンプルが反射型偏光子630として使用された、光学システム600と同様の光学システムを構築した。光学システムは、ディスプレイパネル604の代わりに、Precision Optical Imaging(Rush,NY)から入手可能なガラス上の碁盤目パターンを利用した。光学システムで使用される光学的に透明な接着剤層の各々は、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能なOptically Clear Adhesive8172の層であった。リターダ685、625、及び663は、各々、Teijin Co.(日本)から入手可能なTeijin Fm143四分の一波長リターダであった。リターダ685及び625について、リターダ上に直接配置されたSiO層及びSiO層上に配置されたAl層から本質的になる屈折率整合層は、リターダの各主表面上に含まれた。反射防止層629を同様の屈折率整合層で置き換え、吸収型偏光子661をこの屈折率整合層に積層し、リターダ663を別の光学的に透明な接着剤層を介して吸収型偏光子661に積層した。この光学的に透明な接着剤層に隣接するリターダ663には、上述したような屈折率整合層が配置された。反射防止コーティングは、出射面652に面するリターダ663上に配置された。この反射防止コーティング及び反射防止コーティング649は、合計6層のTiO及びMgFの交互の層から本質的になっていた。吸収型偏光子691は、API American Polarizers,Inc.(Reading,PA)から入手可能なAP38偏光子であった。吸収型偏光子661はSanritz Co.(日本)から入手可能なAP Sanritz HLC2−5618であった。部分反射体620は、半銀鏡であった。レンズ610は、Edmund Optics(Barrington,NJ)から入手可能な平凸ガラスレンズであった。
約19mmの開口内の明るい正方形及び暗い正方形の碁盤目パターンに配列された正方形の14×14アレイを、白色発光ダイオード(LED)光源を使用して碁盤目パターンを有するガラスに光を供給することによって表示した。表示されたパターンから画像を形成し、画像の中心付近の4つの正方形×4つの正方形の正方形領域(2つの明るい正方形及び2つの暗い正方形を含む4つの正方形)を解析した。明るい正方形及び暗い正方形の強度を、強度に比例した赤色、緑色、及び青色の色チャネルの各々のカウント数を記録したカラーカメラを用いて測定した。LEDと碁盤目パターンを有するガラスとの間にレンズ及び拡散体を配置して、約30度の全円錐角を提供した。マスクは、明るい領域及び暗い領域(正方形)から遷移領域を除外するように定義された。これは、明るい領域及び暗い領域の各々の中央領域を定義した。中央領域の面積は変動し、中央領域の面積が、対応する明るい領域又は暗い領域の面積の約30%〜約70%の範囲内にあるときに、結果として生じるIb/Id比に対して最小限の効果を有することが見出された。8ms、12ms、16ms、及び24msのカメラ露出を使用し、正確なベースラインを提供するために、カメラレンズキャップを所定の位置でダーク減算することを繰り返して測定を繰り返した。異なる露出の結果を統合して、高ダイナミックレンジ画像を形成した。明るい領域の中央領域における平均(average)(平均(mean))輝度Ibを決定し、赤色、緑色、及び青色の色チャネルの各々について、暗い領域の中央領域における平均(平均)輝度Idを求めた。反射型偏光子がAPFで置き換えられたことを除いて、試験光学システムと同等の別の光学システムを準備した。この光学システムについて、上記のように比Ib/Idを求めた。結果を以下の表に提供する。
Figure 2021531497
実施例2
実施例1の反射型偏光子と同様の反射型偏光子をモデル化した。Berremanアルゴリズムを用いた4×4マトリックス法を使用して、反射型偏光子における層界面によって生じる強め合う干渉及び弱め合う干渉のスペクトルを求めた。275個の交互の複屈折層と等方性層とを有するものとして反射型偏光子をモデル化し、ここで、複屈折層及び等方性層の厚さ及び屈折率は、実施例1の反射型偏光子の複屈折層及び等方性層の特性に基づいてモデル化された。各方向における等方性層の屈折率は、550nmの波長で1.5792、及び633nmの波長で1.5705となり、633nmの波長と500nmの波長との間で、並びに633nm以上の波長及び500nmの波長のブローで滑らかに変動する。ブロック方向における複屈折層の屈折率は、550nmでは1.8372、かつ1.8120及び633nmとなり、可視スペクトルにわたって同様に変動した。通過方向における複屈折層の屈折率は、550nmでは1.5755、かつ1.5652及び633nmとなった。厚さ方向における複屈折層の屈折率は、550nmでは1.5690、かつ1.5587及び633nmとなった。両方とも、上記のように、可視スペクトルにわたって滑らかに変動すると見なされた。反射型偏光子の光学スタックの厚さを、原子間力顕微鏡測定によって得た。反射型偏光子光学スタック上に垂直に入射する光に関する透過状態及びブロック状態の内部反射率は、反射型偏光子スタック上の外部層の屈折率と整合する材料の1/2空間にスタック全体を埋め込むことによって計算した。450nm〜650nmの波長にわたって平均化された結果は、Rs=89.0%であり、Rp=0.198%であった。
前述の参照文献、特許、又は特許出願はいずれも一貫した方法でそれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。
図中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、様々な代替及び/又は同等の実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書において説明した具体的な実施形態のあらゆる適合例又は変形例を包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されるものとする。

Claims (15)

  1. 光学システムであって、
    少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
    部分反射体と、
    反射型偏光子と、を備え、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、
    前記部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、
    前記反射型偏光子は、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、前記第2の偏光状態の平均光反射率Rpと、を有し、Tp≧80%、Rp≦1%、及び50%≦Rs≦95%である、
    光学システム。
  2. 前記反射型偏光子は、主に光干渉によって光を反射及び透過する複数の干渉層を含み、前記所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、前記複数の干渉層は、50%〜95%の範囲内の前記第1の偏光状態の平均光反射率と、少なくとも80%の前記第2の偏光状態の平均光透過率と、1%以下の前記第2の偏光状態の平均光反射率と、を有する、請求項1に記載の光学システム。
  3. 前記所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、前記反射型偏光子は、約10%未満の平均光透過率Tsを有する、請求項1又は2に記載の光学システム。
  4. 前記光学システムの出射面に近接して位置する観察者に画像を表示するように構成されており、1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を含むオブジェクトから前記光学システムに入射し、かつ光の出射円錐として前記出射面を通って前記光学システムを出射する、少なくとも10度の全円錐角を有する光の入射円錐について、前記光の出射円錐が前記出射面に近接して結像されるときに、前記画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有し、Ibは、前記明るい領域の中央90%の平均輝度であり、Idは、前記暗い領域の中央90%の平均輝度であり、Ib/Id≧50である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学システム。
  5. 前記反射型偏光子は、複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含み、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、前記第2のポリマー層の最大屈折率は、前記第1のポリマー層の最大屈折率よりも大きく、前記第2のポリマー層の前記最大屈折率と前記第1のポリマー層の最小屈折率との差は、約0.3未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学システム。
  6. 前記反射型偏光子は、複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含み、
    各第1及び第2のポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、隣接する第1及び第2のポリマー層の各対について、
    前記第1の層は、前記第1の偏光状態に沿った屈折率n1xと、前記第2の偏光状態に沿った屈折率n1yと、前記第1及び第2の偏光状態に直交するz軸に沿った屈折率n1zと、を有し、
    前記第2の層は、前記第1の偏光状態に沿った屈折率n2xと、前記第2の偏光状態に沿った屈折率n2yと、前記z軸に沿った屈折率n2zと、を有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、
    n1xとn1yとn1zとの間の最大差は、約0.002未満であり、
    n2xとn1xとの差は、約0.2よりも大きい、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学システム。
  7. 光学システムであって、
    1つ以上の光学レンズと、
    前記1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面上に配置され、前記1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面に適合する部分反射体と、
    前記1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、前記1つ以上の光学レンズの主表面に適合し、かつ複数のポリマー層を含む反射型偏光子であって、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、
    前記部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、
    前記複数のポリマー層は、50%≦Rs≦95%である、第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、Tp≧80%である、直交する第2の偏光状態の平均光透過率Tpと、を有する、反射型偏光子と、
    出射面であって、前記光学システムは、前記出射面に近接して位置する観察者に画像を表示するように構成されている、出射面と、を備え、
    1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を含むオブジェクトから前記光学システムに入射し、かつ光の出射円錐として前記出射面を通って前記光学システムを出射する、少なくとも10度の全円錐角を有する光の入射円錐について、前記光の出射円錐が前記出射面に近接して結像されるときに、前記画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有し、Ibは、前記明るい領域の中央50%領域の平均輝度であり、Idは、前記暗い領域の中央50%領域の平均輝度であり、Ib/Id≧50である、
    光学システム。
  8. 前記明るい領域の各中央50%領域は、前記明るい領域の面積の約50%の面積を有する明るい領域の内部領域であり、前記暗い領域の各中央50%領域は、前記暗い領域の面積の約50%の面積を有する暗い領域の内部領域である、請求項7に記載の光学システム。
  9. 前記光の入射円錐は、少なくとも520nm〜570nmの波長を含み、Ib/Id≧72である、請求項7又は8に記載の光学システム。
  10. 前記複数のポリマー層は、複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含み、隣接する第1及び第2のポリマー層の各対について、
    前記第1の層は、前記第1の偏光状態に沿った屈折率n1xと、前記第2の偏光状態に沿った屈折率n1yと、前記第1及び第2の偏光状態に直交するz軸に沿った屈折率n1zと、を有し、
    前記第2の層は、前記第1の偏光状態に沿った屈折率n2xと、前記第2の偏光状態に沿った屈折率n2yと、前記z軸に沿った屈折率n2zと、を有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、
    n1xとn1yとn1zとの間の最大差は、約0.002未満であり、
    n2xとn1xとの差は、約0.2よりも大きい、
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の光学システム。
  11. 200〜500の数の複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含む光学フィルムであって、
    各第1及び第2のポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、隣接する第1及び第2のポリマー層の各対について、
    前記第1の層は、前記光学フィルムの平面内の第1の軸に沿った屈折率n1xと、前記光学フィルムの前記平面内の直交する第2の軸に沿った屈折率n1yと、前記第1及び第2の軸に直交するz軸に沿った屈折率n1zと、を有し、
    前記第2の層は、前記第1の軸に沿った屈折率n2xと、前記第2の軸に沿った屈折率n2yと、前記z軸に沿った屈折率n2zと、を有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、
    n1xとn1yとn1zとの間の最大差は、約0.002未満であり、
    n2xとn1xとの差は、約0.2よりも大きく、
    前記所定の波長範囲内の前記少なくとも1つの波長を有する実質的に垂直に入射する光に対して、前記複数の交互の第1及び第2のポリマー層は、前記第1の軸に沿った第1の偏光状態の平均光反射率Rsと、前記第2の軸に沿った第2の偏光状態の平均光透過率Tp及び平均光反射率Rpと、を有し、Tp≧80%、Rp≦0.25%、及び80%≦Rs≦95%である、
    光学フィルム。
  12. 前記所定の波長範囲内の前記少なくとも1つの波長について、n2yとn2zとの差は、約0.002よりも大きく、かつ約0.008未満である、請求項11に記載の光学フィルム。
  13. 前記所定の波長範囲内の前記少なくとも1つの波長について、n2xとn1xとの差は、約0.22〜約0.28の範囲内である、請求項11又は12に記載の光学フィルム。
  14. 光学システムであって、
    1つ以上の光学レンズと、
    前記1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面上に配置され、前記1つ以上の光学レンズの湾曲した主表面に適合する部分反射体と、
    前記1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、前記1つ以上の光学レンズの主表面に適合し、かつ複数の交互の第1のポリマー層と第2のポリマー層とを含む反射型偏光子であって、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、少なくとも約450nm〜約600nmにわたる所定の波長範囲内の実質的に垂直に入射する光に対して、
    前記部分反射体は、少なくとも30%の平均光反射率を有し、
    前記第2のポリマー層の最大屈折率は、前記第1のポリマー層の最大屈折率よりも大きく、前記第2のポリマー層の前記最大屈折率と前記第1のポリマー層の最小屈折率との差は、約0.3未満である、反射型偏光子と、
    出射面であって、前記光学システムは、前記出射面に近接して位置する観察者に画像を表示するように構成されている、出射面と、を備え、
    1ミリメートル当たり約1ライン対未満の空間周波数を含むオブジェクトから前記光学システムに入射し、かつ光の出射円錐として前記出射面を通って前記光学システムを出射する、少なくとも10度の全円錐角を有する光の入射円錐について、前記光の出射円錐が前記出射面に近接して結像されるときに、前記画像は、複数の交互の明るい領域及び暗い領域を有し、Ibは、前記明るい領域の中央50%領域の平均輝度であり、Idは、前記暗い領域の中央50%領域の平均輝度であり、Ib/Id≧50である、
    光学システム。
  15. 前記第2のポリマー層の前記最大屈折率と前記第1のポリマー層の前記最小屈折率との前記差は、約0.28未満である、請求項14に記載の光学システム。
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