JP2021531343A - Ask1阻害剤としての結晶形、その製造方法及び利用 - Google Patents

Ask1阻害剤としての結晶形、その製造方法及び利用 Download PDF

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Abstract

式(I)化合物の結晶形A、B、C及びD、並びにASK1関連疾患を治療する医薬品における前記結晶形の利用。【化1】【選択図】図1

Description

本願は、2018年7月20日出願の中国特許出願第CN201810806190.4号の優先権を主張する。この中国特許出願の全文を本願に引用している。
技術分野
本発明は、式(I)化合物の結晶形、及びASK1関連疾患を治療する医薬品の製造におけるその結晶形の利用に関する。
アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(apotosis signal−regulating kinase 1、ASK1)は細胞分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ(mitogen−activated protein kinase kinase kinase、MAP3K)ファミリーの一つのメンバーである。ASK1は、酸化ストレス、活性酸素クラスター(ROS)、LPS、TNF−α、FasL、小胞体ストレスや細胞内カルシウムイオン濃度の増加などの一連の刺激によって活性化される。ASK1はJNK(c−Jun N−terminal kinase)とp38 MAPK(p38 mitogen−activated protein kinases)を活性化することでこの一連の刺激に対応し、そして、ミトコンドリア細胞死経路に関連するシグナルにより、多種のアポトーシスを誘導する。ASK1の活性化及びシグナル伝達は、神経変性疾患、心血管疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患や代謝障害疾患など、多くの疾患において重要な役割を果たしている。したがって、神経変性疾患、心血管疾患、炎症、自己免疫疾患や代謝疾患に罹患する患者では、治療薬としてASK1阻害剤を用いることにより、患者の生活を改善することができる。
本発明は、粉末X線回折(XRPD)パターンにおいて、2θ角8.40±0.2°、13.46±0.2°及び14.13±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形Aを提供する。
Figure 2021531343
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Aは、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.40±0.2°、10.56±0.2°、13.46±0.2°、14.13±0.2°、15.31±0.2°、16.79±0.2°、24.09±0.2°及び24.97±0.2°に特徴的な回折ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形AのXRPDパターンが図1に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形AのXRPDパターンの分析データが表1に示される如きである。
Figure 2021531343
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Aの示差走査熱量測定曲線(DSC)において、210.78℃及び237.74℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、215.70℃に1つの放熱ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形AのDSCパターンが図2に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Aの熱重量分析曲線(TGA)において、120℃にて1.799%の重量損失に達する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形AのTGAパターンが図3に示される如きである。
本発明は、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.85±0.2°、17.07±0.2°及び17.70±0.2°に特徴的な回折ピークを有する式(I)化合物の結晶形Bを提供する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Bは、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.85±0.2°、10.20±0.2°、14.62±0.2°、17.07±0.2°、17.70±0.2°、21.57±0.2°、23.34±0.2°及び24.37±0.2°に特徴的な回折ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形BのXRPDパターンが図4に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形BのXRPDパターンの分析データが表2に示される如きである。
Figure 2021531343
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Bの示差走査熱量測定曲線において、149.17℃、170.25℃及び237.84℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、177.34℃に1つの放熱ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形BのDSCパターンが図5に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Bの熱重量分析曲線において、60℃にて0.3593%の重量損失に達し、120℃にて1.5703%の重量損失に達する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形BのTGAパターンが図6に示される如きである。
本発明は、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が9.47±0.2°、16.45±0.2°及び17.32±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形Cを提供する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Cは、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.72±0.2°、9.47±0.2°、10.44±0.2°、13.75±0.2°、16.45±0.2°、17.32±0.2°、19.41±0.2°及び26.82±0.2°に特徴的な回折ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形CのXRPDパターンが図7に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形CのXRPDパターンの分析データが表3に示される如きである。
Figure 2021531343
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Cの示差走査熱量測定曲線において、105.76℃、171.54℃及び237.48℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、177.64℃に1つの放熱ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形CのDSCパターンが図8に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Cの熱重量分析曲線において、75.89℃にて1.115%の重量損失に達し、164.93℃にて2.958%の重量損失に達する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形CのTGAパターンが図9に示される如きである。
本発明は、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が10.26±0.2°、12.73±0.2°及び20.60±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形Dを提供する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Dは、粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が10.26±0.2°、11.84±0.2°、12.73±0.2°、14.70±0.2°、16.39±0.2°、20.60±0.2°、21.22±0.2°及び22.26±0.2°に特徴的な回折ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形DのXRPDパターンが図10に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形DのXRPDパターンの分析データが表4に示される如きである。
Figure 2021531343
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Dの示差走査熱量測定曲線において、101.92℃、171.01℃及び237.29℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、179.96℃に1つの放熱ピークを有する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形DのDSCパターンが図11に示される如きである。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形Dの熱重量分析曲線において、75.62℃にて0.4876%の重量損失に達し、132.36℃にて2.5836%の重量損失に達する。
本発明のいくつかの形態では、上記結晶形DのTGAパターンが図12に示される如きである。
本発明は、ASK1関連疾患を治療する医薬品の製造における、上記結晶形A、結晶形B、結晶形C又は結晶形Dの利用をさらに提供する。
本発明の化合物の結晶形A、結晶形B、結晶形C及結晶形Dは、安定的であり、光、熱、湿度による影響が小さく、溶解性が非常に高く、製薬分野において将来性が期待できる。
(I)化合物の結晶形AのCu−Kα放射のXRPDパターンである。 (I)化合物の結晶形AのDSCパターンである。 (I)化合物の結晶形AのTGAパターンである。 (I)化合物の結晶形BのCu−Kα放射のXRPDパターンである。 (I)化合物の結晶形BのDSCパターンである。 (I)化合物の結晶形BのTGAパターンである。 (I)化合物の結晶形CのCu−Kα放射のXRPDパターンである。 (I)化合物の結晶形CのDSCパターンである。 (I)化合物の結晶形CのTGAパターンである。 (I)化合物の結晶形DのCu−Kα放射のXRPDパターンである。 (I)化合物の結晶形DのDSCパターンである。 (I)化合物の結晶形DのTGAパターンである。 式(I)化合物の結晶形AのMCD誘導マウスNASHモデルでのインビボ有効性実験結果であり、注:***はp<0.001vs.正常対照群を示し、##はp<0.01vs.モデル群を示す。 式(I)化合物の結晶形AのCCl4誘導マウス肝線維症モデルでのインビボ有効性実験結果であり、注:***はp<0.001vs.正常対照群を示し、#はp<0.05vs.モデル群を示し、##はp<0.01vs.モデル群を示す。
定義及び説明
特に断らない限り、本明細書で使用される下記用語及び句は下記定義を含むことを意図する。1つの特定の句又は用語は、特に定義されない場合、不明確又は不明瞭であると理解できず、一般的な定義として理解すべきである。本明細書に商品名が記載されている場合、該商品名に対応する商品又はその活性成分を意味する。
本発明の中間体化合物は当業者に公知の複数の合成方法により製造することができ、以下で挙げられる特定実施形態、それらの実施形態と他の化学合成方法とを組み合わせた実施形態、及び当業者に公知の同等の置換形態が含まれ、好ましい実施形態は、本発明の実施例を含むが、本発明の実施例には制限されない。
本発明の特定実施形態の化学反応は適切な溶剤にて行われ、前記溶剤は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬や材料に適していなければならない。本発明の化合物を得るために、当業者が既存の実施形態に基づいて合成ステップ又は反応手順を修正又は選択することも必要とされる場合はある。
以下、実施例にて本発明を詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではない。
本発明で使用されるすべての溶剤は市販品であり、さらなる精製を必要とせずに使用することができる。
本発明で使用されるすべての溶剤は市販品として入手可能である。本発明では、下記略語が使用される。DCMはジクロロメタンを表し、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを表し、DMSOはジメチルスルホキシドを表し、EtOHはエタノールを表し、MeOHはメタノールを表し、TFAはトリフルオロ酢酸を表し、TsOHはp−トルエンスルホン酸を表し、mpは融点を表し、EtSO3Hはエタンスルホン酸を表し、MeSO3Hはメタンスルホン酸を表し、ATPはアデノシン三リン酸を表し、HEPESは4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニルエタンスルホン酸を表し、EGTAはエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸を表し、MgCl2は塩化マグネシウムを表し、MnCl2は二塩化マンガンを表し、DTTはジチオスレイトールを表し、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドを表し、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンを表し、DIEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンを表し、wt%は質量百分率である。
本発明の粉末X線回折(X−ray powder diffractometer、XRPD)方法
器具型番:Bruker D8 advance 粉末X線回折計
テスト方法:XRPD検出に約10〜20mgのサンプルが使用される。
詳細なXRPDパラメータは以下のとおりである。
X線管:Cu、kα(λ=1.54056オングストローム)、
X線管電圧:40kV、X線管電流:40mA
発散スリット:0.60mm
検出器スリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
走査範囲:3又は4〜40deg
ステップ角:0.02deg
ステップ長:0.12秒
サンプルトレイの回転数:15rpm
本発明の示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)方法
器具型番号:TADSCQ2000示差走査熱量計
テスト方法:サンプル(0.5〜1mg)をDSC用アルミ鍋に入れてテストし、10℃/minの昇温速度で、サンプルを25℃(室温)から300℃(又は350℃)に加熱する。
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)方法
器具型番:TAQ5000熱重量分析計
テスト方法:サンプル(2〜5mg)をTGA用プラチナ鍋に入れてテストし、25mL/min、N2条件下、10℃/minの昇温速度で、サンプルを室温から350℃又は重量が20%損失されるまで加熱する。
本発明の内容をよりよく理解するために、以下、特定の実施例を参照しながらさらに説明するが、特定の実施形態は本発明の内容に対する制限ではない。
実施例1:式(I)化合物の製造
Figure 2021531343
ステップ1:
化合物1(370g、1.81moL、1eq)及び化合物2(513g、1.99moL、1.1eq、純度98.71%)を乾燥している5L三口フラスコに加え、反応フラスコにトルエン(1.85L)及びDIEA(665.00mL、3.81moL、2.1eq)を順次加え、反応系を100℃に緩やかに昇温して10時間撹拌した。反応系の液体を室温に冷却して、水を加えて撹拌し、静置して分液し、有機相を収集し、収集した有機相をNH4Cl(27wt%、1L)、NaHCO3(9wt%、1L)及びNaCl(15wt%、500mL)で順次洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム(150g)で乾燥させ、ろ過して、ろ液を減圧下回転乾燥させ(オイルポンプ、50℃)、灰色固体(498g)を得た。灰色固体をn−ヘキサン(1L)で、室温下2時間ビーティング(叩解)し、ろ過して、ろ過ケーキを減圧下回転乾燥させ(オイルポンプ、50℃)、化合物3を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm 0.86-0.90(m,2H)0.91-0.96(m,2H)2.09(s,3H)2.14-2.21(m,1H)4.16(d,J=5.52Hz,2H)5.27(d,J=5.52Hz,1H)6.50(d,J=6.02Hz,1H)7.05(d,J=9.29Hz,1H)。
ステップ2:
無水酢酸(540.00mL、5.77moL、4eq)及びギ酸(1.84L)を乾燥している5L三口フラスコに加え、次に、系の温度を0℃に下げた。化合物3(460.00g、1.44moL、1eq、純度89.37%)を無水ジクロロメタン(1.84L)に溶解した後、反応系に加え、反応系を0℃で1時間撹拌した。反応系の液体に水(1L)を加え、次に、NaOH(50%)でPH=8〜9に調整し、系の温度を0〜15℃に維持しながら、有機相を収集し、収集した有機相をジクロロメタン(1.5L)及び飽和塩化ナトリウム(1L)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム(200g)で乾燥させ、ろ過して、ろ液を減圧下回転乾燥させ(水ポンプ、50℃)、化合物4を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm 0.86-0.90(m,2H)0.93-0.96(m,2H)2.06-2.10(m,1H)2.25(s,3H)4.68(s,2H)7.41(d,J=9.54Hz,1H)7.61(d,J=6.78Hz,1H)8.17(s,1H)。
ステップ3:
化合物4(440g、1.33moL、1eq、純度94.77%)を乾燥している5L三口フラスコに加え、反応フラスコに酢酸(2.2L)及び酢酸アンモニウム(399.03g、5.18moL、3.9eq)を順次加え、反応系を115℃に緩やかに昇温して43h撹拌した。反応系の液体1滴をメタノール1mLに溶解してLCMSに送ったところ、LCMSによれば、原料化合物4が24.50%残されており、70.67%の産物が生成されたことが示されていたため、酢酸アンモニウム(102.00g、1.32moL、1eq)を補充して、反応系を20時間撹拌した。反応系の液体1滴をメタノール1mLに溶解してLCMSに送ったところ、LCMSによれば、原料化合物4が12.66%残されており、76.03%の産物が生成されたことが示されていたため、酢酸アンモニウム(51.00g、661.63mmoL、0.5eq)を補充して、反応系を15時間撹拌し続けた。反応系の液体1滴をメタノール1mLに溶解してLCMSに送ったところ、LCMSによれば、原料化合物4が7.32%残されており、89.36%の産物が生成されたことが示されていたため、反応系の液体に水(1L)を加え、次に、酢酸イソプロピル(1L)を加えて撹拌し、静置して分液し、有機相を収集し、収集した有機相を50%のNaOHでPH=8〜9に調整し、次に、静置して分液し、有機相を収集し、上記有機相を飽和NaCl(800mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(200g)で乾燥させ、ろ過して、ろ液を減圧下回転乾燥させ(水ポンプ、50℃)、茶褐色油状液体(420g)を得た。茶褐色油状液体をメチルt−ブチルエーテル(600mL)に溶解し、次に沈殿が生成されず、溶液の上層が黄色で澄明となるまでn−ヘキサン(600mL)を溶液に緩やかに加え、ろ過して、ろ液を減圧下回転乾燥させ(水ポンプ、50℃)、化合物5を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm 0.66-0.71(m,2H)0.76-0.81(m,2H)1.78-1.86(m,1H)2.13(s,3H)7.13(d,J=1.25Hz,1H)7.47(d,J=9.54Hz,1H)7.64(d,J=1.25Hz,1H)7.69(d,J=6.53Hz,1H)。
ステップ4:
化合物5(80g、238.63mmoL、1eq、純度88.04%)を乾燥している3L三口フラスコに加え、反応フラスコに無水テトラヒドロフラン(1.20L)を加えて、窒素バルーンを用いて系内の空気を置換する操作を2回繰り返した。また、系の温度を0℃に下げた後、iPrMgCl(143.00mL、286.36mmoL、1.2eq、2M)を緩やかに加えて2時間撹拌し、反応系へCO2(15Psi)を30分間導入し、次に、氷浴を取り外して、室温でCO2(15psi)を60分間導入して、反応系を停止した。反応系の液体に水(1L)を加え、次に、濃縮させて(水ポンプ、50℃)黄色液体(1.2L)を得て、反応系の液体にメチルt−ブチルエーテル(1L)を加えて、撹拌して静置し、分液して水相を収集し、収集した水相を6MのHClでPH=4〜5に調整し、メチルt−ブチルエーテル(1L)を加えて抽出し、水相を収集して、水相を水ポンプ(70℃)で溶液の体積が400mLとなるまで濃縮させ、冷却して静置し、固体を析出し、混合液を別のバッチ(材料投入量130g)の混合液と合わせてろ過した。ろ過ケーキを減圧下回転乾燥させ(水ポンプ、50℃)、化合物6を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm 0.86-0.91(m,2H)1.00-1.06(m,2H)2.00-2.07(m,1H)2.25(s,3H)7.54(d,J=11.29Hz,1H)7.75(d,J=1.00Hz,1H)8.00(d,J=6.78Hz,1H)9.31(d,J=1.51Hz,1H)。
ステップ5:
化合物6(70g、260.57mmol、1.1当量)をDCM(700L)に入れて、DMF(2mL、25.99mmol、0.1当量)を加え、撹拌しながら反応系の液体に(COCl)2(35.5mL、405.55mmol、1.7当量)を滴下して、系を30℃で1h撹拌し、反応系の液体が完全に澄明となると、反応系の液体を約200mLまで減圧下回転蒸発させた。無水DCM 500mLを加え、さらに約200mLまで減圧下回転蒸発させ、この操作を2回繰り返した。反応系の液体に無水DCM 700mL、化合物7(51g、236.93mmol、1当量)、DIEA(41.5mL、237.61mmol、1当量)を加え、系を30℃で1h撹拌した。反応系の液体を別のバッチ(同じ材料投入量)の反応系の液体とともに水2Lに注入し、DCM(1L*3)で抽出し、有機相を併せて水(2L)、飽和NaHCO3(2L)、及び水(2L)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過してろ液を減圧下回転乾燥させ、粗生成物を得て、粗生成物にアセトニトリル(170mL)を加えて十分に振とうさせ、大量の固体を析出させ、さらにアセトニトリル(170mL)を加えて、常温で30min撹拌し、ろ過して、アセトニトリル500mLでろ過ケーキを洗浄し、ろ過ケーキを収集して乾燥させ、白色固体生成物115.5gを得た。固体115.5gを別のバッチの生成物76.5gと合わせて、HCl溶液(120mL、0.7mol/L)に溶解し、次に、撹拌しながら6mol/LのNaOH水溶液を加え、大量の固体を析出させ、ろ過してろ過ケーキを収集し、ろ過ケーキを水1Lに入れて、激しく30min撹拌し、ろ過して、ろ過ケーキを水500mLで洗浄し、70℃で乾燥させ、式(I)化合物を得た。1H NMR(400MHz,重水素化クロロホルム)δppm 0.81-0.84(m,2H)0.87-0.92(m,2H)1.87-1.93(m,1H)1.97−1.98(m,2H)2.03-2.06(m,2H)2.29(s,3H)3.07−3.10(m,2H)4.47−4.50(m,2H)6.79(d,J=0.75Hz,1H)7.19(d,J=12.30Hz,1H)7.44(d,J=1.00Hz,1H)7.89(t,J=8.03Hz,1H)8.06(t,J=7.53Hz,2H)8.35(d,J=8.28Hz,1H)9.04(d,J=14.81Hz,1H)。
実施例2:式(I)化合物の結晶形Aの製造
約50mgの式(I)化合物をサンプル瓶に秤量し、アセトン(又はアセトニトリル)400μLを加えて懸濁液とした。上記懸濁液を40℃で連続して3日間振とうさせた後、遠心分離して、残留固体を真空乾燥箱に入れ、30℃の条件で一晩真空乾燥させ、式(I)化合物の結晶形Aを得た。
実施例3:式(I)化合物の結晶形Bの製造
約50mgの式(I)化合物をサンプル瓶に秤量し、メタノール210μLを加えて懸濁液とした。上記懸濁液を40℃の条件で連続して3日間振とうさせた後、遠心分離して、残留固体を真空乾燥箱に入れ、30℃の条件で一晩真空乾燥させ、式(I)化合物の結晶形Bを得た。
実施例4:式(I)化合物の結晶形Cの製造
約50mgの式(I)化合物をサンプル瓶に秤量し、エタノール200μLを加えて懸濁液とした。上記懸濁液を40℃の条件で連続して3日間振とうさせた後、遠心分離して、残留固体を真空乾燥箱に入れ、30℃の条件で一晩真空乾燥させ、式(I)化合物の結晶形Cを得た。
実施例5:式(I)化合物の結晶形Dの製造
約50mgの式(I)化合物をサンプル瓶に秤量し、エタノール/水混合液(エタノール:水=3:1)200μLを加えて懸濁液とした。上記懸濁液を40℃の条件で連続して3日間振とうさせた後、遠心分離して、残留固体を真空乾燥箱に入れ、30℃の条件で一晩真空乾燥させ、式(I)化合物の結晶形Dを得た。
実施例6:式(I)化合物の結晶形Aの固体安定性試験
『原薬及び製剤安定性試験の指導原則』(中国薬局方2015版四部通則9001)に準じて、式(I)化合物の結晶形Aの、高温(60℃、開放)、高湿(室温/相対湿度92.5%、開放)及び強い光照射(5000lx、密閉)の条件での安定性を調べた。
式(I)化合物の結晶形Aを約1g秤量して、開放した清浄な秤量瓶に敷き均し、それぞれ高温、高湿及び強い光照射の貯蔵容器に入れた。放置して5日目、10日目にサンプリングして検出し、検出結果を0日目の初期検出結果と比較し、試験結果を下記表5に示す。
Figure 2021531343
結論:式(I)化合物の結晶形Aは、高温、高湿、強い光照射の条件で優れた安定性を有する。
効果実施例1 式(I)化合物の結晶形AのMCD誘導マウスNASHモデルでのインビボ有効性研究
実験材料
SPFグレードのC57BL/6雄マウス、体重22〜25g
MCD:メチオニン/コリン欠乏飼料
肝プロピレン分析試薬:ヘマトキシリン染色液、エオシン染色液、シリウスレッド染色液
実験方法
動物を施設で1週間適応させた後、正常対照群は正常飼料で飼育し、残りの動物に対しては飼料をMCD飼料に変更し、飲水を交換せず、48時間おきに飼料を1回交換し、5週目から、正常対照群及びモデル群を除き、残りの群には試験化合物を投与して治療し、実験は合計8週間持続された。実験終了後、動物の肝臓サンプルを収集して組織病理学的分析を行った。モデル群と正常対照群を比較することにより、モデリングに成功したか否かを判定し、投与群とモデル群を比較することにより、医薬品が有効性を示すか否かを判定した。実験結果を図13に示す。
実験結論
式(I)化合物の結晶形A(6mg/Kg BID(2回/日)及び60mg/Kg BID)は、肝線維症に対して顕著な改善作用を有する。
効果実施例2 式(I)化合物の結晶形AのCCl4誘導マウス肝線維症モデルでのインビボ有効性研究
実験材料
雄C57BL/6マウス、体重22〜27g、上海霊暢生物科技有限公司。
実験方法:
マウスを、1週間の検疫・適応期間後に実験エリアに移した。動物を体重に応じてランダムに群分け、マウス5匹を1つのケージに入れて別々に飼育した。CCl4を0.5μl/gのマウス投与量でオリーブオイルに溶解し、CCl4:オリーブオイル=1:4の20%のCCl4溶液を調製した。1週間あたり3回経口投与してモデリングし、4週間持続し、一方、正常対照群は同体積のオリーブオイルを経口投与した。試験化合物は、経口胃内投与方式で投与され、動物1匹あたり体積10ml/kgで投与された。CCl4モデリングの開始初日に投与を開始させ、28日目まで投与した。実験終了後、動物の肝臓サンプルを収集して組織病理学的分析を行った。モデル群と正常対照群とを比較することにより、モデリングに成功したか否かを判定し、投与群とモデル群とを比較することにより、医薬品が有効性を示すか否かを判定した。実験結果を図14に示す。
実験結論
式(I)化合物の結晶形A(3mg/Kg BID、30mg/Kg BID)は、肝線維症に対して優れた改善作用を有する。
以上は本発明の特定実施形態を説明したが、当業者が理解できるように、これらは例示的な説明に過ぎず、本発明の原理及び主旨を逸脱せずに、これらの実施形態について多数の変更や修正を行うことができる。したがって、本発明の特許範囲は添付の特許請求の範囲により制限される。

Claims (29)

  1. 粉末X線回折XRPDパターンにおいて、2θ角が8.40±0.2°、13.46±0.2°、及び14.13±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形A。
    Figure 2021531343
  2. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.40±0.2°、10.56±0.2°、13.46±0.2°、14.13±0.2°、15.31±0.2°、16.79±0.2°、24.09±0.2°及び24.97±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項1に記載の結晶形A。
  3. XRPDパターンが図1に示される如きである、請求項2に記載の結晶形A。
  4. 示差走査熱量測定曲線DSCにおいて、210.78℃及び237.74℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、215.70℃に1つの放熱ピークを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶形A。
  5. DSCパターンが図2に示される如きである、請求項4に記載の結晶形A。
  6. 熱重量分析曲線TGAにおいて、120℃にて1.799%の重量損失に達する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶形A。
  7. TGAパターンが図3に示される如きである、請求項6に記載の結晶形A。
  8. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.85±0.2°、17.07±0.2°及び17.70±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形B。
    Figure 2021531343
  9. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.85±0.2°、10.20±0.2°、14.62±0.2°、17.07±0.2°、17.70±0.2°、21.57±0.2°、23.34±0.2°及び24.37±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項8に記載の結晶形B。
  10. XRPDパターンが図4に示される如きである、請求項9に記載の結晶形B。
  11. 示差走査熱量測定曲線において、149.17℃、170.25℃及び237.84℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、177.34℃に1つの放熱ピークを有する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の結晶形B。
  12. DSCパターンが図5に示される如きである、請求項11に記載の結晶形B。
  13. 熱重量分析曲線において、60℃にて0.3593%の重量損失に達し、120℃にて1.5703%の重量損失に達する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の結晶形B。
  14. TGAパターンが図6に示される如きである、請求項13に記載の結晶形B。
  15. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が9.47±0.2°、16.45±0.2°及び17.32±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形C。
    Figure 2021531343
  16. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が8.72±0.2°、9.47±0.2°、10.44±0.2°、13.75±0.2°、16.45±0.2°、17.32±0.2°、19.41±0.2°及び26.82±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項15に記載の結晶形C。
  17. XRPDパターンが図7に示される如きである、請求項16に記載の結晶形C。
  18. 示差走査熱量測定曲線において、105.76℃、171.54℃及び237.48℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、177.64℃に1つの放熱ピークを有する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の結晶形C。
  19. DSCパターンが図8に示される如きである、請求項18に記載の結晶形C。
  20. 熱重量分析曲線において、75.89℃にて1.115%の重量損失に達し、164.93℃にて2.958%の重量損失に達する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の結晶形C。
  21. TGAパターンが図9に示される如きである、請求項20に記載の結晶形C。
  22. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が10.26±0.2°、12.73±0.2°及び20.60±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、式(I)化合物の結晶形D。
    Figure 2021531343
  23. 粉末X線回折パターンにおいて、2θ角が10.26±0.2°、11.84±0.2°、12.73±0.2°、14.70±0.2°、16.39±0.2°、20.60±0.2°、21.22±0.2°及び22.26±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項22に記載の結晶形D。
  24. XRPDパターンが図10に示される如きである、請求項23に記載の結晶形D。
  25. 示差走査熱量測定曲線において、101.92℃、171.01℃及び237.29℃のそれぞれに1つの吸熱ピークの開始点を有し、179.96℃に1つの放熱ピークを有する、請求項22〜24のいずれか1項に記載の結晶形D。
  26. DSCパターンが図11に示される如きである、請求項25に記載の結晶形D。
  27. 熱重量分析曲線において、75.62℃にて0.4876%の重量損失に達し、132.36℃にて2.5836%の重量損失に達する、請求項22〜24のいずれか1項に記載の結晶形D。
  28. TGAパターンが図12に示される如きである、請求項27に記載の結晶形D。
  29. ASK1関連疾患を治療する医薬品の製造における、請求項1〜7のいずれか一項に記載の結晶形A、請求項8〜14のいずれか一項に記載の結晶形B、請求項15〜21のいずれか一項に記載の結晶形C、又は請求項22〜28のいずれか一項に記載の結晶形Dの利用。
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