特許文献1には、蓄電池パックハウジングと、少なくとも1つのセルホルダと、フレキシブル配線板を備えた蓄電池パックエレクトロニクスとを有する、手動工作機械のための蓄電池パックが記載されており、セルホルダは少なくとも1つの蓄電池セルを有する。
独国特許出願公開第102016203427号明細書
本発明は、少なくとも1つの蓄電池セルが軸方向の開口部を通して収容されるセルハウジングを備えたハウジングを有する蓄電池パック、特に手動工作機械蓄電池パックに関し、セルハウジングは少なくとも1つの径方向の開口部を有し、該開口部を通して少なくとも1つの蓄電池セルを接触可能である。少なくとも1つの径方向の開口部の領域に、径方向の開口部を封止するシール部材が配置されることが提案される。それにより、蓄電池パックの耐用寿命を延ばすことができるという利点がある。
蓄電池パックは、特に、蓄電池パックと電力消費部とで構成されるシステムの一部であり、電力消費部が作動中に蓄電池パックを通じてエネルギーの供給を受ける。蓄電池パックは、特に、交換用蓄電池パックとして構成される。蓄電池パックは、特に、蓄電池パックを充電するための充電装置と接続可能であるように構成される。蓄電池パックのハウジングは、特に外側ハウジングとして構成される。蓄電池パックは、特に蓄電池パックのハウジングは、機械的なインターフェースを介して電力消費部および/または充電装置と取外し可能に結合可能である。蓄電池パックのハウジングは1つまたは複数のハウジング部分を有することができ、セルハウジングはこれらのハウジング部分のうちの1つである。ハウジング部分は摩擦接合式、形状接合式、および/または物質接合式に相互に結合される。蓄電池パックの機械的なインターフェースは、特に、蓄電池パックの重量割合が総重量の少なくとも1/8、特に総重量の少なくとも1/4、好ましくは総重量の少なくとも1/3である、蓄電池パックと電力消費部とからなるシステムのために意図される。このような重量比率では、蓄電池パックの大きい重量と蓄電池パックの質量慣性に基づき、システムが落下した場合、機械的なインターフェースの不可逆的な損傷につながりかねない、機械的な結合への非常に高い負荷が生じる可能性がある。
電力消費部は、特に、たとえば芝刈り機や剪定鋏などの園芸用器具、たとえば電動式の窓洗浄機やハンドクリーナーなどの家庭用器具、たとえばアンギュラ研削機、ドライバー、穿孔機械、ドリルハンマーなどの手動工作機械、または、たとえばレーザ距離測定器などの測定用工具として構成されていてよい。さらに、電力消費部がこれ以外の特に持ち運び可能な器具として、たとえば工事現場照明具、吸塵機、工事現場用ラジオなどとして構成されることも考えられる。機械的なインターフェースを介して、蓄電池パックを電力消費部と摩擦接合式および/または形状接合式に結合可能である。機械的なインターフェースは少なくとも1つの操作部材を含むのが好ましく、これを介して、電力消費部および/または充電装置と蓄電池パックとの結合を解消可能である。操作部材はたとえばボタン、レバー、またはキーとして構成されていてよい。さらに、蓄電池パックは少なくとも1つの電気的なインターフェースを有し、これを介して、電力消費部および/または充電装置と蓄電池パックを電気的に接続可能である。この電気接続を介して、蓄電池パックをたとえば充電および/または放電させることができる。その代替または追加として、電気的なインターフェースを介して情報を伝送可能であることも考えられる。電気的なインターフェースは、少なくとも2つの導電性のコンポーネントの物理的な接触を介して電気接続が行われる接触インターフェースとして構成されるのが好ましい。電気的なインターフェースは、少なくとも2つの電気的な接点を含むのが好ましい。特に、電気的な接点のうちの1つはプラス接点として構成され、他の電気的な接点がマイナス接点として構成される。その代替または追加として、電気的なインターフェースは、誘導式の充電をするための二次充電コイル部材を有することができる。さらに蓄電池パックのハウジングには、電気的な接触装置を介して電力消費部と電気的に接続可能である少なくとも1つの蓄電池セルが配置される。蓄電池セルは、1つのセル極が一方の端部に位置するとともに別のセル極がこれと向かい合う端部に位置する構造を有するガルバニ電池として構成されていてよい。特に、蓄電池セルは一方の端部に正のセル極を有し、これと向かい合う端部に負のセル極を有する。蓄電池セルはNiCdセルまたはNiMhセルとして構成されるのが好ましく、リチウムベースの蓄電池セルないしLiイオン蓄電池セルとして構成されるのが特別に好ましい。蓄電池パックの蓄電池電圧は、通常、1つの蓄電池セルの電圧の倍数であり、それぞれの蓄電池セルの配線(並列または直列)から求められる。したがって、たとえば普及している3.6Vの電圧を有する蓄電池セルであれば、3.6V、7.2V、10.8V、14.4V、18V、36V、54V、108Vなどの蓄電池電圧が得られる。蓄電池セルは、少なくとも実質的に円筒状の丸型セルとして構成されるのが好ましく、円筒形状の各端部にセル極が配置される。これに加えて電気的なインターフェースは、電力消費部および/または充電装置に追加の情報を伝送するために構成される少なくとも1つの追加接点を有することができる。蓄電池パックはエレクトロニクスを有するのが好ましく、エレクトロニクスは情報が保存される記憶ユニットを含むことができる。その追加または代替として、エレクトロニクスによって情報が判定されることも同じく考えられる。このような情報は、たとえば蓄電池パックの充電状態、蓄電池パック内部の温度、蓄電池パックのコーディングや残り容量であり得る。さらに、蓄電池パックの充電プロセスおよび/または放電プロセスを調節または制御するためにエレクトロニクスが構成されることが考えられる。エレクトロニクスはたとえば配線板、計算ユニット、制御ユニット、トランジスタ、コンデンサ、および/または記憶ユニットを有することができる。さらにエレクトロニクスは、たとえば蓄電池パック内部の温度を判定するための温度センサなど、1つまたは複数のセンサ部材を有することができる。その代替または追加としてエレクトロニクスは、たとえばコーディング抵抗器などのコーディング部材を有することができる。
セルハウジングは少なくとも部分的に外側ハウジング部分として構成されるのが好ましい。セルハウジングは、少なくとも1つの蓄電池セルのための少なくとも1つの収容領域を有する。セルハウジングは特に複数の収容領域を有し、これらの中にそれぞれ1つまたは複数の蓄電池セルが配置される。蓄電池パックの全部の蓄電池セルが、セルハウジングの収容領域の中で個別に収容されるのが好ましい。セルハウジングは一体的に構成されるのが好ましい。セルハウジングはプラスチックから、たとえばHD PE(高密度ポリエチレン)から構成されるのが好ましい。特に、セルハウジングはそれぞれの収容領域ごとに少なくとも1つの軸方向の開口部を有する。「軸方向の開口部」とは、ここでの関連では特にセルハウジングの開口部であって、収容領域に配置される少なくとも1つの蓄電池セルの長軸から切断されるものを意味するものとする。特に軸方向の開口部は、収容領域に配置される少なくとも1つの蓄電池セルの長軸に対して実質的に垂直に延びる。軸方向の開口部は特に収容開口部として構成され、これを通して蓄電池セルをセルハウジングへ挿入可能ないし収容可能である。セルハウジングは、その中に収容可能な蓄電池セルごとに1つの軸方向の開口部を有するのが好ましい。それぞれの軸方向の開口部は、特に、セルハウジングの同一の側に配置される。セルハウジングの軸方向の開口部がそれぞれ相違する側に、好ましくは互いに向かい合う側に配置されることも同じく考えられる。径方向の開口部は、特に、軸方向の開口部が配置されている側とは相違する側に配置される。径方向の開口部は少なくとも1つの方向で、収容領域に配置される蓄電池セルの長軸に対して実質的に平行に延びるのが好ましい。収容領域は軸方向の開口部を有さなくてよく、または、1つもしくは複数の軸方向の開口部を有することができる。径方向の開口部は、特に、個別セル監視開口部として構成される。ここで個別セル監視開口部とは、特に、開口部であってこれを通して蓄電池セルの複合体の個々の蓄電池セルに電気接点を電気接触させて、たとえば個々の蓄電池セルの電圧を判定することができるものを意味するものとする。その代替または追加として、径方向の開口部が温度監視開口部として構成されることが考えられ、これを通して蓄電池セルの温度を温度センサにより判定可能である。収容領域は、特に、セルハウジングの壁部によって区切られる。特に、セルハウジングは収容領域ごとに1つの壁部を有し、これらの壁部が互いに一体的に構成される。壁部は軸方向と径方向の開口部によって中断される。壁部の形状は、収容領域に配置される蓄電池セルの形状に合わせて少なくとも部分的に適合化されるのが好ましい。壁部は、特に、蓄電池セルが少なくとも部分的に、特に全面的に当接する内側を有する。壁部の内側は円筒状に構成されるのが好ましい。径方向の開口部の領域で、収容領域に配置される蓄電池セルは導電性の、好ましくは金属の外側外套を有するのが好ましい。シール部材は、特に、導電性粒子ないし研磨粒子やダストの侵入に対して径方向の開口部を防護するために構成される。シール部材は、弾性的ないし可撓性のプラスチック材料から構成されるのが好ましい。特に、蓄電池パックは径方向の開口部ごとに少なくとも1つのシール部材を有し、これらのシール部材が互いに一体的に構成されるのが好ましい。少なくとも1つのシール部材は、特に収容領域の外部に配置され、好ましくは収容領域の完全に外部に配置される。
さらに、蓄電池パックは少なくとも2つの成分からなるシール部材支持体を有し、少なくとも1つの成分は硬質プラスチックから形成され、少なくとも1つの成分は軟質プラスチックから形成され、シール部材は軟質プラスチック成分として構成されることが提案される。それにより、蓄電池パックの組立を改善できるという利点がある。シール部材支持体は2成分射出成形法を通じて製作されるのが好ましい。特に、シール部材支持体は摩擦接合式および/もしくは形状接合式、または物質接合式にハウジングと結合される。シール部材支持体とハウジングとの間の結合は、硬質プラスチック成分を通じて行われるのが好ましい。シール部材支持体は個別のコンポーネントとして構成されるのが好ましい。特に、シール部材支持体は、軟質プラスチック成分を通じて相互に可動に結合された少なくとも2つの硬質プラスチック成分を有する。特に、硬質プラスチック成分は軟質プラスチック成分よりも高い剛性および/または硬度を有する。軟質プラスチック成分は、硬質プラスチック成分よりも低い力で屈曲および/または変形させることができるのが好ましい。軟質プラスチック成分は、弾性的なプラスチックまたはゴムからなるのが好ましい。
さらに、蓄電池セルは径方向の開口部が配置された側で、セルハウジングおよび別の外側ハウジング部分により少なくとも部分的に二重壁で包囲されることが提案される。それにより、径方向の開口部の防護をいっそう改善することができるという利点がある。特に、外側ハウジング部分は摩擦接合式および/または形状接合式にセルハウジングと結合される。収容領域に配置された蓄電池セルの長軸に対して直交して延びる直線が、長軸を起点として、まず径方向の開口部と交わり、次いで外側ハウジング部分と交わるのが好ましい。
さらに、シール部材支持体はセルハウジングと別の外側ハウジング部分との間に配置され、特に、セルハウジングおよび/または別の外側ハウジング部分と摩擦接合式および/または形状接合式に結合されることが提案される。それにより、組立が簡易化されるという利点がある。
さらに、シール部材支持体は少なくとも1つの位置決め手段を有することが提案される。それにより、組立がさらに簡易化されるという利点がある。位置決め手段は案内部材として構成されるのが好ましく、これによってシール部材支持体がハウジングとの結合中に案内される。蓄電池パックのハウジングは、特にセルハウジングおよび/または別の外側ハウジング部分は、シール部材支持体の位置決め手段と形状接合式に結合するために構成された少なくとも1つの対応する位置決め手段を有する。それぞれの位置決め手段の間の形状接合は、特に、少なくとも2つの向かい合う方向で作用する。位置決め手段は、シール部材支持体ないしハウジングと一体的に構成されるのが好ましい。
さらに、セルハウジングは少なくとも1つの蓄電池セルとエレクトロニクスとの間に配置され、エレクトロニクスは少なくとも1つの径方向の開口部を通して蓄電池セルと接続されることが提案される。それにより、エレクトロニクスを少なくとも1つの蓄電池セルとたとえば個別セル監視のために接続できるという利点があり、それにより、蓄電池パックの制御を改善することができる。特に、セルハウジングは完全にではなく部分的にのみ、蓄電池セルとエレクトロニクスとの間に配置される。セルハウジングの収容領域の壁部が、蓄電池セルとエレクトロニクスとの間に配置されるのが好ましい。特に、エレクトロニクスは少なくとも1つの接触部材により、少なくとも1つの径方向の開口部を通して少なくとも1つの蓄電池セルと接続される。この接触部材は特に電気的な接触部材として構成されて、蓄電池セルと電気的に接続される。特に、接触部材は蓄電池セルの外套面に当接する。
さらに、エレクトロニクスは第1の配線板と第2の配線板とを有し、シール部材支持体が各配線板の間に配置されることが提案される。特に、第1の配線板はフレキシブル配線板として構成される。第2の配線板は、フレキシブルでない配線板として構成されるのが好ましい。
少なくとも1つの接触部材は第1の配線板と接続され、ないしはこれと一体的に構成されるのが好ましい。フレキシブル配線板は、たとえば貼り合わされた銅テープで少なくとも部分的に構成され、銅テープによって接触部材が形成される。
さらに、第1の配線板は差込接続を介して第2の配線板と互いに接続されることが提案される。特に、第1の配線板がプラグを有していて第2の配線板がブッシュを有し、またはこの逆である。その代替として、第1および第2の配線板がそれぞれブッシュを有し、これらのブッシュを、たとえばケーブルとして構成される別個のプラグを介して接続可能であることも同じく考えられる。フレキシブル配線板はシール部材支持体により実質的に全面的に覆われるのが好ましく、それにより、機械的な安定性が高くなるという利点がある。
さらに、エレクトロニクスは、特に第1および/または第2の配線板は、シール部材支持体の硬質プラスチック成分により外方に向かって被覆された表示ユニットを有することが提案される。特に、硬質プラスチック成分は透明に構成される。表示ユニットは、特に、情報を再現するために構成される。表示ユニットは、たとえばLEDとして構成される少なくとも1つの表示部材または発光部材を有するのが好ましい。表示ユニットは、たとえば蓄電池パックの充電状態を表示可能である充電状態表示器として構成されていてよい。「透明な」硬質プラスチック成分とは、特に、光透過性の硬質プラスチック成分を意味するものとする。硬質プラスチック成分は、硬質プラスチック成分を通過するときに光の色が実質的に変わらず保たれるように透明に構成されるのが好ましい。
さらに、エレクトロニクスは、特に第1および/または第2の配線板は、シール部材支持体の軟質プラスチック成分により外方に向かって被覆された操作部材を有することが提案される。それにより、蓄電池パックを操作部材の領域でダストの侵入から効果的に防護できるという利点がある。操作部材は、特にエレクトロニクスの手動式の制御のために、好ましくは充電状態表示器の制御のために構成される。操作部材は第1の配線板に配置されるのが好ましい。操作部材は、たとえばボタン、スイッチ、またはキーとして構成されていてよい。
さらに本発明は、少なくとも1つの蓄電池セルが中に配置されたハウジングと、蓄電池パックを電力消費部と接続するために構成された電気的なインターフェースとを有し、電気的なインターフェースが電気的な接触装置を介して少なくとも1つの蓄電池セルと接続される蓄電池パック、特に手動工作機械用蓄電池パックに関する。電気的な接触装置は管状導体を有することが提案される。管状導体の使用により、特別に良好な熱放出ないし熱分布が蓄電池パックで具体化されるという利点がある。管状導体は、特に金属製の管として構成される。管状導体は、実質的に円形または実質的に長方形の断面を有することができる。管状導体は、銅合金、銅、または無酸素銅からなるのが好ましい。管状導体は単独のコンポーネントとして構成されるのが好ましく、特に1つの素材から製作される。
さらに、電気的なインターフェースは電力消費部の対応する2つの電源接点との接続のために構成される少なくとも2つの電源接点を有し、これらの電源接点のうち少なくとも1つは電気的な接触装置を介して蓄電池セルと接続されることが提案される。電源接点を介して、電力消費部の作動中にエネルギーが蓄電池パックから提供され、ないしは、エネルギー供給のために電流が電力消費部に流れる。蓄電池パックの電源接点と電力消費部の電源接点は、差込接続を介して互いに接続可能であるように構成されるのが好ましい。
さらに管状導体は、管状導体がヒューズ部材と接続される第1の端部を有することが提案される。ヒューズ部材は蓄電池パックのエレクトロニクスを、たとえば短絡が生じたときに保護するという利点がある。ヒューズ部材は、特に電気的なヒューズ部材として構成される。ヒューズ部材は、特に、たとえば短絡が生じた場合などで作動時にヒューズ部材が破壊され、そのようにして交換が必要となるように構成される。ヒューズ部材は、たとえば溶融ヒューズとして構成されていてよい。ヒューズ部材は円筒状の形態を有するのが好ましい。ヒューズ部材は、ワイヤヒューズが中に配置されたセラミックスリーブを含むのが好ましい。
さらに、第1の端部における管状導体の直径はヒューズ部材に合わせて適合化され、特に、拡張した領域でヒューズ部材を収容可能であるように拡張されることが提案される。それにより、管状導体を簡易かつ確実にヒューズ部材と接続することができるという利点がある。ヒューズ部材と管状導体との接続は、摩擦接合式および/または形状接合式の結合を通じて行われるのが好ましく、ヒューズ部材への管状導体の第1の端部の押し嵌めを通じて行われるのが好ましい。特に、管状導体の第1の端部の内径は組立の前または後においてヒューズ部材の外径に実質的に相当する。
さらに管状導体は、管状導体が蓄電池セルと特にセルコネクタを介して結合される、好ましくは物質接合式に結合される、第2の端部を有することが提案される。物質接合は、たとえば溶接やはんだ付けを通じて行うことができる。特に、硬ろうを用いた抵抗溶接法が考えられる。セルコネクタとは、ここでの関連では特に、少なくとも1つの蓄電池セルのセル極のうちの1つと、好ましくは少なくとも2つの蓄電池セルのセル極のうちのそれぞれ1つと、好ましくは物質接合式に結合される金属のコンポーネントを意味するものとする。
さらに、管状導体はその第2の端部で屈曲および/または平坦化されることが提案される。それにより、管状導体の組付けないし蓄電池セルとの結合を改善または簡易化することができるという利点がある。特に管状導体は、管状導体の第2の端部と蓄電池セルないしセルコネクタとの間の間隔が縮小されるように、第2の端部で屈曲されて構成される。管状導体は第2の端部で蓄電池セルの方向に、および/または軸方向の開口部を有するセルハウジングの側の最寄りの方向に屈曲されるのが好ましい。「平坦化された」端部とは、ここでの関連では特に、管状導体の形状が第2の端部のところで変化して、第2の端部における管状導体の高さが、管状導体の第1の端部における直径よりも小さくなっていることを意味するものとする。特に管状導体は、2つの向かい合う管壁が互いに当接するように第2の端部で平坦化される。それにより、蓄電池セルないしセルコネクタと管状導体との物質接合式の結合を簡易化することができるという利点がある。特に、管状導体は第1の端部で第2の端部よりも広い中空スペースを包囲する。
さらに、管状導体は少なくとも8mm2、特に少なくとも10mm2、好ましくは少なくとも15mm2の最低断面積を有することが提案される。それにより、電力消費部へのエネルギー供給のために十分な電流を提供できることを保証できるという利点がある。特に、管状導体の断面積は管状導体の長さにわたって実質的に一定である。
さらに、管状導体の内部に蓄熱部材が配置されることが提案される。それにより、蓄電池パック内部での熱発生をより良くコントロールできるという利点がある。蓄熱部材は、特に、管状導体の中空スペースに配置される。蓄熱部材が管状導体の中空スペースを少なくとも部分的に、好ましくは全面的に充填するのが好ましい。蓄熱部材は固体および/または液体からなることができる。特に、蓄熱部材は少なくとも1.1J(g*K)、特に少なくとも1.5J/(g*K)、好ましくは少なくとも2.0J/(g*K)の高い熱容量を有する。可能な限り多くの熱を吸収するために、作動時に凝集状態を変化させる素材から蓄熱部材がなることも同じく考えられる。蓄熱部材は、たとえばHD PEなどのプラスチックから構成されていてよい。
さらに、本発明は電気的な接触装置を製造する方法に関し、次の各ステップを含む:
−金属管、特に銅管が製造され、
−金属管が裁断され、
−ヒューズ部材の上に金属管が圧着され、
−金属管が平坦化され、
−金属管の平坦化された領域が導体部材またはセルコネクタと溶接される。
さらに本発明は、少なくとも1つの蓄電池セルが中に収容されるハウジングを有する蓄電池パック、特に手動工作機械用蓄電池パックに関する。蓄電池パックは、ハウジングと結合された少なくとも1つの防護部材を有することが提案される。それにより、蓄電池パックを、特に蓄電池パックに配置される蓄電池セルを、落下が生じた場合に効果的に防護することができるという利点がある。防護部材は、特に、蓄電池パックのハウジングを、特に蓄電池パックのセルハウジングを、局所的に補強するために設計される。
さらに、防護部材はハウジングと摩擦接合式および/または形状接合式に結合されることが提案される。その代替として、防護部材がハウジングと物質接合式に結合され、たとえば接着されることも考えられる。特に防護部材は、これが結合されるハウジングないしハウジング部分よりも高い硬度および/または強度を有する。それにより、ハウジングの効果的な補強を実現できるという利点がある。防護部材はプラスチックおよび/または金属から構成されていてよい。特に、防護部材はハウジングを介して、たとえば電気的な接触部材などの蓄電池パックの通電されるコンポーネントから電気的に絶縁される。防護部材は薄板で構成されるのが好ましい。薄板は平坦に、または湾曲して構成されていてよい。特に、防護部材は周囲のハウジングよりも高い剛性を有し、特に、周囲のハウジングよりも少なくとも10倍高い剛性を有する。「硬度」とは、ここでは特に他の物体の機械的な侵入に対する、素材ないしコンポーネントの機械的な耐性を意味するものとする。「剛性」とは、特に、変形や分割に対する材料の抵抗力を意味するものとする。
さらに、蓄電池セルは特に金属のセル外套を有し、防護部材は蓄電池セルのセル外套よりも大きい壁厚を有することが提案される。それにより、落下が生じた場合に蓄電池セルを変形から効果的に防護することができるという利点がある。
さらに、少なくとも1つの蓄電池セルはセルハウジングの中に配置され、防護部材はセルハウジングの内部および/または外部に配置されることが提案される。特に、セルハウジングは少なくとも1つの蓄電池セルのための少なくとも1つの収容領域を有し、収容領域は壁部によって区切られ、該壁部の内側に蓄電池セルが当接するとともに、該壁部の外側に防護部材が当接する。その代替として、防護部材が壁部の内側に当接することも考えられる。壁部および/または防護部材の湾曲は、実質的に円形に構成されるのが好ましい。
さらに壁部は、特に壁部と防護部材は、少なくとも部分的に蓄電池セルの外側輪郭に合わせて適合化されることが提案される。それにより、蓄電池パックのいっそうコンパクトな構造を具体化できるという利点がある。特に、壁部および/または防護部材は、蓄電池セルないし蓄電池セルのセル外套の外側輪郭に合わせて適合化された湾曲を有する。特に壁部は、特に壁部と防護部材は、断面で見て少なくとも部分的に湾曲して、好ましくは円形に構成される。
さらに、防護部材は蓄電池セルの周囲の60°から180°の間の角度領域に配置されることが提案される。特に、単独の防護部材が単独の蓄電池セルの周囲の60°から180°の間の角度領域に配置される。このとき角度領域は、蓄電池セルの円周方向に延びる。その代替として、角度領域が80°から120°の間、または130°から160°の間であることも考えられる。
さらに、防護部材は金属の素材から、特に鋼材、チタン、またはアルミニウムから構成されることが提案される。それにより、蓄電池パックを効果的に防護するために十分な強度および/または硬度を具体化できるという利点がある。
さらに、防護部材は少なくとも部分的に、特に全面的に、ハウジングの内部に配置されることが提案される。特に、防護部材はセルハウジングの収容ポケットに配置され、特に、セルハウジングの収容ポケットで摩擦接合式にセルハウジングへ取り付けられる。防護部材のための収容ポケットは、蓄電池セルのための収容領域の外部に配置されるのが好ましい。
さらに、セルハウジングは少なくとも2つの向かい合う収容ポケットを有することが提案される。両方の向かい合う収容ポケットは、これらの収容ポケットの中に配置される防護部材が同一の蓄電池セルを防護するように配置されるのが好ましい。それにより、蓄電池セルの防護をいっそう改善できるという利点がある。
さらに、少なくとも1つの蓄電池セルは、好ましくは少なくとも2つの蓄電池セルは、蓄電池セルの長さの少なくとも50%に沿って、特に少なくとも75%に沿って、好ましくは少なくとも90%に沿って、少なくとも1つの防護部材により防護されることが提案される。特に防護部材は、少なくとも1つの蓄電池セルの長手方向に対して好ましくは平行に延びる蓄電池パックのエッジの領域に配置される。
さらに、防護部材は蓄電池パックの機械的なインターフェースに対して間隔をおいて、特に機械的なインターフェースと向かい合う蓄電池パックの側に配置されることが提案される。それにより、落下が生じた場合に蓄電池パックに対して最大の力が作用する領域で、蓄電池パックを防護することができるという利点がある。特に、蓄電池パックの機械的なインターフェースと防護部材との間の間隔は少なくとも蓄電池セルの直径ないし幅であり、特に、少なくとも蓄電池セルの直径の2倍ないし幅の2倍であり、好ましくは蓄電池セルの長さである。
さらに、防護部材はエネルギー吸収部材と連結され、エネルギー吸収部材は、エネルギー吸収部材が力作用のもとでハウジングの中へ、特にセルハウジングの中へ、少なくとも部分的に入るように構成されることが提案される。特に、防護部材とエネルギー吸収部材は一体的に構成される。エネルギー吸収部材によって蓄電池セルの防護をいっそう改善できるという利点がある。エネルギー吸収部材は、特に、ハウジングの変形、特にセルハウジングの変形を惹起することによって、自身に対して作用するエネルギーを吸収するために構成される。エネルギー吸収部材は、噛合部として構成されるのが好ましい。噛合部は、特に防護部材の縁部に配置される。噛合部は少なくとも1つの歯状部材を有し、歯状部材は少なくとも1つの鋭利なエッジを有するのが好ましい。
さらに本発明は、蓄電池パックと手動工作機械とからなるシステムに関し、蓄電池パックのハウジングは結合された状態のときシステムの外面を部分的に形成する。システムの外面を形成する蓄電池パックの領域と、少なくとも1つの蓄電池セルとの間に防護部材が配置されることが提案される。それにより、システムの落下が生じた場合に、蓄電池パックに配置されている蓄電池セルを効果的に防護することができるという利点がある。
さらに本発明は、ハウジングと、蓄電池パックを電力消費部と取外し可能に結合するための機械的なインターフェースとを有する蓄電池パック、特に手動工作機械用蓄電池パックに関する。機械的なインターフェースは、機械的なインターフェースの過負荷が生じた場合に予定破断個所の領域で破断が行われるように設計された少なくとも1つの予定破断個所を有することが提案される。それにより、過負荷によって引き起こされる蓄電池パックの損傷をコントロールすることができるという利点がある。機械的なインターフェースの過負荷は、たとえば力が強く衝撃的に作用したときに、たとえば蓄電池パックが落下したときや、蓄電池パックと電力消費部からなるシステムが落下したときなどに生じ得る。たとえば摩耗などによる、機械的なインターフェースの先行する脆弱化の後に過負荷が起こることも同様に考えられる。
さらに、機械的なインターフェースは少なくとも1つの保持部材を有し、該保持部材に対して作動時に蓄電池パックの重量が少なくとも部分的に、特に全面的に作用し、予定破断個所は保持部材の領域に配置されることが提案される。特に、保持部材は案内部材として、好ましくは案内レールとして構成される。それにより、特別に効果的な予定破断個所を具体化できるという利点がある。
さらに、蓄電池パックのハウジングは外面と内面とを有し、予定破断個所は、損傷発生時に内面が実質的に変化なく保たれるように構成されることが提案される。それにより、蓄電池パックに収容されているエレクトロニクスや、収容されている蓄電池セルが防護されることを保証できるという利点がある。
さらに予定破断個所は、損傷発生時に、ないしは予定破断個所が作動された場合に、蓄電池パックを電力消費部と接続可能でなくなるように、少なくとも1つの保持部材が、特に少なくとも1つの案内レールが、折れるように設計されることが提案される。それにより、損傷した蓄電池パックの使用を防止することができるという利点がある。特に、予定破断個所の作動後には、機械的なインターフェースの適正な機能が与えられなくなる。
さらに予定破断個所は、保持部材の長さの少なくとも25%、特に保持部材の長さの少なくとも50%、好ましくは保持部材の長さの少なくとも75%に相当する長さを有することが提案される。それにより、機械的なインターフェースに予定破断個所によって裂け目をつけ、過負荷によって自動的にさらに引き裂くことができるという利点がある。その代替として、予定破断個所の長さが保持部材の長さに実質的に相当することも考えられる。
さらに、予定破断個所は直線状に、特に蓄電池パックの結合方向に対して平行に延びることが提案される。結合方向とは、特に、蓄電池パックが電力消費部に差し込まれる方向、または電力消費部に外嵌される方向を意味するものとする。
さらに、ハウジングは、中空スペースとして構成された、および/または特にプラスチックや金属などのハウジングとは異なる材料で構成された、予定破断個所部材を有することが提案される。それによりハウジングの、特に機械的なインターフェースの、脆弱性を予定破断個所部材によって的確に導入することができるという利点がある。予定破断個所部材の材料は、ハウジングの材料に対して、特にハウジングの機械的なインターフェースの材料に対して、低い付着性を有するように構成されるのが好ましい。特に、予定破断個所部材はエルボとして、特に金属エルボとして構成される。その代替として、予定破断個所部材がプレート状または棒状に構成されることも考えられる。
さらに、予定破断個所部材は少なくとも部分的に、特に全面的に、保持部材の内部に、特に案内レールの内部に配置されることが提案される。予定破断個所部材は少なくとも2つの側で、好ましくは少なくとも2つの向かい合う側で、特別に好ましくは少なくとも3つの側で、保持部材により取り囲まれるのが好ましい。その代替として、予定破断個所部材が全面的に、または1つの側を除いて全面的に、保持部材により取り囲まれることも考えられる。特に、予定破断個所部材はハウジングに組み込まれて構成される。特に、ハウジングは予定破断個所部材と摩擦接合式および/または形状接合式に結合される。ハウジングは予定破断個所部材とともに多成分射出成形法で製作されるのが好ましい。
さらに、予定破断個所は予定破断個所部材と蓄電池パックの外面との間の領域で、案内レールの上側または下側に対して最短の間隔をおくように配置されることが提案される。
さらに、蓄電池パックは摩耗防止部材を有することが提案される。特に、予定破断個所部材と摩耗防止部材は一体的に構成される。このようにして、予定破断個所部材によって2つの異なる機能を果たすことができるという利点がある。その代替として、摩耗防止部材が予定破断個所部材とは別個のコンポーネントとして構成されることも考えられる。特に、摩耗防止部材と保持部材ないし案内レールは2成分射出成形法によって製作され、ないしは互いに結合される。摩耗防止部材は、特に、蓄電池パックの案内レールの摺動面を形成し、これに沿って手動工作機械のハウジングが、ないしは手動工作機械の対応する案内レールが、手動工作機械との結合プロセスのときに摺動する。摩耗防止部材は、保持部材ないし蓄電池パックのハウジングよりも高い硬度および/または剛性を有するのが好ましい。摩耗防止部材は金属から、特に鋼材から構成されるのが好ましい。
その他の利点は以下の図面の説明から明らかとなる。図面、発明の詳細な説明、および特許請求の範囲は、数多くの構成要件を組合せの形で含んでいる。当業者はこれらの構成要件に目的に即して個別に着目し、別の有意義な組合わせにまとめる。本発明の異なる実施形態の、互いに実質的に対応する構成要件の符号は、同一の数字と、これらの実施形態を特徴づけるアルファベットとが付与されている。
手動工作機械と本発明による蓄電池パックとで構成されるシステムを示す側面図である。
蓄電池パックを示す斜視図である。
蓄電池パックを示す分解図である。
蓄電池セルが収容されたセルハウジングを示す斜視図である。
図4のセルハウジングを結合された第2の配線板とともに示す斜視図である。
シール部材支持体を示す斜視図である。
図5のセルハウジングを図6のシール部材支持体とともに示す斜視図である。
蓄電池パックを示す横断面図である。
ハウジングが部分的に取り外された蓄電池パックを示す斜視図である。
蓄電池パックを示す縦断面図である。
蓄電池パックの電気的な接触装置を示す第1の横断面図である。
蓄電池パックの電気的な接触装置を示す第2の横断面図である。
防護部材が挿入されたセルハウジングを示す下面図である。
防護部材を示す斜視図である。
蓄電池パックの案内レールを示す横断面図である。
蓄電池パックのインターフェースハウジングを示す斜視図である。
ハウジングが部分的に取り外された蓄電池パックの別案の実施形態を示す斜視図である。
図17の蓄電池パックの電気的な接触装置を示す横断面図である。
防護部材の別案の実施形態を示す斜視図である。
図19の防護部材とともに蓄電池パックを示す正面図である。
機械的なインターフェースの別案の実施形態を示す横断面図である。
機械的なインターフェースの他の別案の実施形態を示す横断面図である。
機械的なインターフェースの第3の別案の実施形態を示す横断面図である。
機械的なインターフェースの第4の別案の実施形態を示す横断面図である。
図1には、手動工作機械12として構成された電力消費部14と、手動工作機械用蓄電池パック16として構成された蓄電池パック18とからなるシステム10の側面図が示されている。このように、手動工作機械は蓄電池式手動工作機械として構成され、作動時に蓄電池パック18を通じてエネルギーの供給を受ける。手動工作機械12と蓄電池パック18はそれぞれ機械的なインターフェース20,22を有していて、これらを介してシステム10の両方のコンポーネントが互いに取外し可能に結合される。このように蓄電池パック18は交換用蓄電池パックとして構成され、同一または類似の蓄電池パックと取り換えることができる。手動工作機械12は、一例としてドリルハンマー24として構成されている。手動工作機械12はハウジング26を有していて、その後側の端部に、手動工作機械12のオンとオフをするための動作スイッチ30を備えるハンドグリップ28が配置されている。手動工作機械12のハウジング26の前側の端部には、インサート工具32を収容するために設けられた工具収容部31が配置されている。ハンドグリップ28と工具収容部31の間に、電気モータ34と伝動装置36とを有する駆動ユニット38が配置されている。伝動装置36は打撃機構ユニット40を含んでおり、電気モータ34の上方に配置されている。打撃機構ユニット40は空気圧式の打撃機構を含む。打撃機構は、たとえば偏心打撃機構または揺動打撃機構であってよい。電気モータ34の下方にエレクトロニクス42が配置されていて、これを通じて手動工作機械12を調節可能または制御可能である。蓄電池パック18はハンドグリップ28の下方で、エレクトロニクス42に隣接して配置されている。ハンドグリップ28は、振動減衰ユニット29を介して、駆動ユニット38を含んでいるハウジング26の領域と結合されており、それにより、打撃機構ユニット40から発せられる振動が減衰されてハンドグリップ28へ伝達され、また、手動工作機械12と蓄電池パック18の機械的なインターフェース20,22へも減衰されて伝達される。このように、ハンドグリップ28は振動減結合型のハンドグリップとして構成される。蓄電池パック18と電力消費部14は、互いに対応する電気的なインターフェース44,46をそれぞれ有していて、これらを介して蓄電池パック18を電力消費部14と、特に電力消費部14のエレクトロニクス42と、電気的に接続可能である。互いに結合された状態にあるとき、蓄電池パック18は電力消費部14のためのエネルギー供給を担う。蓄電池パック18は、システム10の総重量のおよそ1/4に相当する重量を有する。蓄電池パック18の重量と配置により、システム10の作動時に、機械的なインターフェース20,22の領域でいっそう高い負荷が生じる。
図2には、蓄電池パック18が機械的なインターフェース22とともに斜視図で示されている。蓄電池パック18は、機械的なインターフェース22を介して、電力消費部14と取外し可能なように機械的に結合される。蓄電池パック18は、一例として多部分で構成されるハウジング48を有している。ハウジング48は、プラスチック含有のハウジング材料からなる。ハウジング48は、ポリカーボネートまたは高密度ポリエチレン(HD PE)から構成されるのが好ましい。ハウジング48は、特に外側ハウジングとして構成される。ハウジング48は、セルハウジング50と、インターフェースハウジング部分52と、2つの側方ハウジング部分54とを有する。これらのハウジング部分50,52,54は、一例としてねじとして構成された取付部材56を介して相互に結合される。ハウジング部分50,52,54はすべて少なくとも部分的に外側ハウジング部分として構成される。
蓄電池パック18の前側に充電状態表示器58が配置されていて、これを通じて蓄電池パック18の充電状態を表示可能である。蓄電池パック18のハウジング48は、特に
インターフェースハウジング部分52は、機械的なインターフェース22と電気的なインターフェース46とを含んでいる。
この蓄電池パック18は、一例としてスライド式蓄電池パックとして構成されている。蓄電池パック18は手動工作機械12との結合のために、結合方向23に沿って手動工作機械12へと向かってスライドする。
機械的なインターフェース22は1組の保持部材60を有していて、蓄電池パック18が手動工作機械12と結合された状態のときこれらに保持される。保持部材60は一例として案内レール62として構成されている。保持部材60は、蓄電池パック18の結合方向23と実質的に平行に延びる。保持部材60ないし案内レール62はそれぞれ摺動面64を有していて、これらに沿って蓄電池パック18のハウジング48が手動工作機械12のハウジング26との結合時に摺動する。手動工作機械12と結合された状態のとき、手動工作機械12の機械的なインターフェース20の図示しない案内レールが、案内レール62の摺動面64に当接する。このように、手動工作機械12と結合された状態のとき、特に、手動工作機械12が蓄電池パック18の重量の力の作用方向と平行にではなく案内される作業のとき、蓄電池パック18の実質的に重量の力全体が摺動面64を介して、機械的なインターフェース22の保持部材60ないし案内レール62に対して作用する。さらに、蓄電池パック18の機械的なインターフェース22は1組の案内溝66を有している。手動工作機械12と結合された状態のとき、案内溝66の中に手動工作機械12の案内レールが配置される。案内溝66は、保持部材60ないし案内レール62に隣接して配置されている。案内溝66は、上側の壁面68と、側壁70と、下側の壁面72とを通って広がる。特に、案内溝66の上側の壁面68は、保持部材60の摺動面64に相当する。案内溝66の壁面68,70,72は、1つの方向へ蓄電池パック18の結合方向23と平行に延びるとともに、別の方向へ互いに垂直または平行に延びている。さらに、蓄電池パック18の機械的なインターフェース22はロック部材74を有している。ロック部材74は可動に、特に回転式に可動に、蓄電池パック18のハウジング48で支承されている。ロック部材74は、結合状態のときに手動工作機械12と蓄電池パック18をロックするために構成される。ロック部材74は、一例として、手動工作機械12のハウジング26にある図示しない切欠きに係止される係止部材として構成されている。この摩擦接合式および形状接合式の結合を外すために、蓄電池パック18は、ロック部材74と機械的に連結された操作部材76を有し、この操作部材を介して、結合状態のときにロック部材74を切欠きから出るように動かすことができる。操作部材76は一例としてキー部材として構成されており、結合方向23と平行に操作可能である。
さらに電気的なインターフェース46は、5つの電気的な接触部材80を有している(図3参照)。電気的な接触部材80は、それぞれの保持部材60の間に配置されている。電気的な接触部材80は、少なくとも部分的に、手動工作機械12の電気的なインターフェース44の図示しない電気的な接触部材との接続のために構成される。電気的な接触部材80のうちの2つは電源接点82として構成され、これらを介して、手動工作機械12へエネルギーを供給するための電流が作動時に流れる。電気的な接触部材80のうちの3つは、追加接点として構成されている。
さらに、システム10は機械的なコーディング11を有していて、これを通じて、製造者により意図される、蓄電池パック18と電力消費部14との組合せだけを互いに機械的に結合可能であることを保証することができる。機械的なコーディング11は、蓄電池パック側のコーディング部材78と、少なくとも1つの電力消費部側のコーディング部材(図示せず)とを含む。蓄電池パック18のコーティング部材78は、ハウジング48の外面に配置される。特に、コーディング部材78は機械的なインターフェース22の領域で、それぞれの保持部材60の間に配置される。コーディング部材78は一体成形部として、インターフェースハウジング部分52と一体的に構成される。コーディング部材78は、両方の保持部材60に対して横向きに延びる長尺状のウェブとして構成されている。
図3には、蓄電池パック18が分解図で示されている。蓄電池パック18のハウジング48の中に、エレクトロニクス81と、一例として10個の蓄電池セル83とが配置されている。蓄電池パック18は、18V蓄電池パックとして構成されている。エレクトロニクス81は、差込接続88を介して互いに接続された2つの配線板85,86を含んでいる。第1の配線板85は、フレキシブル配線板として構成されている。蓄電池セル83はセルハウジング50に収容されている。蓄電池パック18は、一例として2層の蓄電池パック18として構成されている。2層の蓄電池パック18とは、ここでは特に、蓄電池セル83が2つの層に配置され、1つの層の内部に蓄電池セル83が相並んで1つの平面上に配置され、1つの層の内部で蓄電池セル83の個数が各層の個数を下回らないことを意味するものとする。1つの層が一例として5つの蓄電池セル83を含んでいる。蓄電池パック18が3層または4層の蓄電池パックとして構成されることも同じく考えられ、それにより、蓄電池パック18の重量およびそれに応じて蓄電池パック18の機械的なインターフェース22に対する負荷も増大する。
セルハウジング50は、それぞれただ1つの蓄電池セル83が配置される収容領域88を有している。収容領域88は、蓄電池セル83の形状に合わせて適合化された壁部89によってそれぞれ区切られる。壁部89は少なくとも部分的に中空円筒状の形状を有する。セルハウジング50は、軸方向の開口部90と径方向の開口部92とを有している。図4には、蓄電池セル83が収容領域88に配置されているセルハウジング50の図面が、拡大した斜視図で示されている。
軸方向の開口部90は、それぞれの収容領域88に配置された蓄電池セル83の長軸93に対して実質的に垂直に延びている。軸方向の開口部90は、縁部側での接触のために構成され、および/または収容領域88での蓄電池セル83の収容のために構成される。軸方向の開口部90は、実質的に円形に構成されている。セルハウジング50は、1つの収容領域88ごとに、セルハウジング50の向かい合う側に配置された2つの軸方向の開口部90を含むのが好ましい。軸方向の開口部90のうちの少なくとも1つを通して、蓄電池セル83を収容領域88に収容し、ないしは差し込むことができるという利点がある。特に、互いに向かい合う軸方向の開口部90は、両方の向かい合う軸方向の開口部90のうちの一方だけを通して蓄電池セル83を収容領域88へ差し込むことができるように、それぞれ相違して構成される。セルハウジング50の幅は、蓄電池セル83の長さに実質的に相当する。蓄電池セル83は丸形セルとして構成されており、それぞれの端部に1つのセル極94を有している。収容領域88に配置された状態にあるとき、それぞれ1つのセル極94が軸方向の開口部90の領域に配置され、それによって電気的に接触可能である。蓄電池セル83はセルコネクタ96を介して互いに電気接続される。セルコネクタ96は、蓄電池セル83と側方ハウジング部分54との間に配置される。特に、軸方向の開口部90はセルコネクタ96によって少なくとも部分的に、好ましくは全面的に覆われ、ないしは閉止される。セルコネクタ96は、蓄電池セル83と、特に蓄電池セル83のセル極94と物質接合式に結合された金属の小板でできている。この結合は、たとえば抵抗溶接法やレーザ溶接法で行うことができる。蓄電池パック18は、たとえば2つまたは4つの蓄電池セル83と物質接合式に結合された複数のセルコネクタ96を有する。セルハウジング50に収容された蓄電池セル83は、エレクトロニクス81と、特に第2の配線板86と接続される。特に、セルハウジング50に収容された蓄電池セル83は、セルコネクタ96および2つの電気的な接触装置98を介して、第2の配線板86に取り付けられた両方の電源接点82と接続される。
径方向の開口部92は、蓄電池セル83の側方での接触のために意図される。蓄電池セル83の側方での接触を通じて個別セル監視を、特に個別セル電圧監視を具体化することができるという利点がある。ここでの関連において側方での接触とは、特に、蓄電池セル83のセル極94の脇での接触を意味するものとする。セルハウジング50は、外壁面100と内壁面102とを有する。外壁面100は、蓄電池パック18が組み立てられた状態のときに蓄電池パック18の外面を部分的に構成し、内壁面102は、蓄電池パック18が組み立てられた状態のときに蓄電池パック18の外面で全面的に取り囲まれる。径方向の開口部92は内壁面102(内)にまたは内壁面102上に配置される。径方向の開口部92は一例として長方形に構成されており、蓄電池セル83の周りで円周方向に延びている。セルハウジング50の10個の収容領域88のうち4つが径方向の開口部92を有している。特に、径方向の開口部92を有する収容領域88はそれぞれ2つの径方向の開口部92を有する。
図5には、組み付けられた第1の配線板85が追加的に示されている。第1の配線板85は一例として貼り合わされた銅テープでできており、銅テープによって、電気的な接触部材104と電気的な導体とが形成される。第1の配線板85はセルハウジング50に当接し、特にセルハウジング50の内壁面102に当接する。特に、第1の配線板85は、径方向の開口部92が配置されているセルハウジング50の側に当接する。第1の配線板85は、その長さにわたってセルハウジング50の外側輪郭に追随するようにフレキシブルに構成されている。第1の配線板85の電気的な接触部材104は、可撓の接触舌部106として構成されている。可撓の接触舌部106は、径方向の開口部92を通して収容領域88のうちの1つの中に入り、収容領域88に配置された蓄電池セル83と電気的に接触するために構成される。接続された状態のとき、電気的な接触部材104は蓄電池セル83に当接し、特に蓄電池セル83に側方で当接し、それによって個々の蓄電池セル83の電圧を判定可能である。電気的な接触部材104は、蓄電池セル83と収容領域88の壁部89との間で、たとえばクランプによって固定されるのが好ましい。
径方向の開口部92を通して、特に、エレクトロニクス81のほうを向く上側の層の蓄電池セル83に電気的に接触可能である。一例として、上側の層の5つの蓄電池セル83のうち4つが、径方向の開口部92を有する収容領域88に配置されている。その代替として、上側の層の蓄電池セル83の各々が、および/または下側の層の蓄電池セル83も、個別セル監視のために電気的に接触可能であることも考えられる。径方向の開口部92を有する収容領域88はそれぞれ2つの径方向の開口部92を有していて、これらを通してそれぞれ2つの電気的な接触部材104が蓄電池セル83と接続されている。このように、蓄電池セル83は側方でそれぞれ4つの電気的な接触部材104を介して第1の配線板85と接続され、それにより冗長性によって、1つの電気的な接触部材104が故障した場合に引き続き蓄電池セル83の電圧監視を行えることを保証することができる。
さらに第1の配線板85には、一例として充電状態表示器として構成された表示ユニット108が配置されている。表示ユニット108は、セルハウジング50と反対を向くほうの第1の配線板85の側に配置された、発光部材として構成された5つの表示部材110を有している。表示部材110と並んで操作部材112が配置されていて、これを通じて第1の配線板85を制御可能である。たとえば操作部材112を通じて、表示ユニット108を作動化および/または不作動化させることができる。
径方向の開口部92は、第1の配線板85によって、ないしは第1の配線板85の電気的な接触部材104によって、部分的にのみ覆われており、それにより蓄電池セル83への自由なアクセス部を部分的に形成する。径方向の開口部92を通して空いている蓄電池セル83の側方の面を防護するために、蓄電池パック18はシール部材114を有している。シール部材114は、硬質プラスチック成分120をさらに有するシール部材支持体118の軟質プラスチック成分116として構成されている。シール部材支持体118の硬質プラスチック成分120は、図6では破線で図示されている。シール部材支持体118は、図6では斜視図として示されている。シール部材支持体118は、2成分射出成形法で製作される。シール部材支持体118はそれぞれの径方向の開口部92ごとに、結合された状態のときに径方向の開口部92を封止するシール部材114を有している。特に、シール部材114の面は径方向の開口部92の面よりも広い。特に、シール部材支持体118は、第1の硬質プラスチック成分122と第2の硬質プラスチック成分124とを有し、これらが軟質プラスチック成分116を介して可動に互いに結合される。軟質プラスチック成分116は、第1および第2の硬質プラスチック成分122,124の間の領域でジョイント126を構成するのが好ましい。第1および第2の硬質プラスチック成分124は同一の材料で構成される。特に、硬質プラスチック成分120は透明なプラスチックで構成される。軟質プラスチック成分はゴムでできている。
図7には、シール部材支持体118がフレキシブルな第1の配線板85の上に組み付けられた状態で、斜視図として示されている。フレキシブル配線板85はシール部材支持体118で覆われ、特に実質的に全面的に覆われる。シール部材支持体118の組付けを容易にするために、シール部材支持体118は、一例として円形の切欠きとして構成された位置決め手段128を硬質プラスチック成分120に有している。セルハウジング50は、一例として円筒状のピンとして構成された対応する位置決め手段130を有している。切欠きとして構成される位置決め手段128を通してダストが蓄電池セル83へ到達し得ないことを保証するために、切欠きの中には、軟質プラスチック成分116によって構成される別のシール部材132が配置されている。結合された状態のとき、シール部材支持体118の位置決め手段128とセルハウジング50の位置決め手段130とが係合して、径方向の開口部92の上方にシール部材114が配置され、これを封止するようになっている。
第1の硬質プラスチック成分122と第2の硬質プラスチック成分124は、組み付けられた状態にあるとき、セルハウジング50のそれぞれ異なる側に配置され、特に、セルハウジング50の内壁面102のそれぞれ異なる側に配置される。第1の硬質プラスチック成分122は、エレクトロニクス81のほうを向いているセルハウジング50の側に配置される。第1の硬質プラスチック成分122にはシール部材114と位置決め手段128が配置され、ないしは射出成形される。第2の硬質プラスチック成分124は表示ユニット108の表示部材110を覆い、それによってこれが防護される。硬質プラスチック成分120は透明に構成されているので、表示部材110から発せられる光がさらに外へと出ることができる。さらに第2の硬質プラスチック成分124には、表示ユニット108の操作部材112の上方に配置されてこれを封止する、軟質プラスチック成分116からなる追加の弾性的なシール部材136が配置されている。両方の硬質プラスチック成分122,124の間の軟質プラスチック成分116からなるジョイント126は、セルハウジング50の両方の異なる側の間の移行領域に配置されて、簡易なダストシール式の組付けを可能にする。
図8には、組み付けられた蓄電池パック18の横断面Aが示されている。この横断面は、特に、2つの径方向の開口部92と、これらの間に配置された位置決め手段128,130とを通って延びている。この横断面図には、シール部材支持体118が、エレクトロニクス81の第1の配線板85と第2の配線板86との間に配置されることが示されている。特に、第1および第2の配線板85,86はシール部材支持体118に当接する。径方向の開口部92を通して、第1の配線板85の電気的な接触部材104が蓄電池セル83の収容領域88の中に入り、これと電気的に接触する。径方向の開口部92はシール部材支持体118のシール部材114で全面的に取り囲まれ、それにより、ダストなどの異物粒子が収容領域88に侵入することがあり得ない。蓄電池セル83は径方向の開口部92を有する側で、セルハウジング50だけでなくインターフェースハウジング部分52によっても取り囲まれるのが好ましい。
図9には、組み付けられた蓄電池パック18がインターフェースハウジング部分52と側壁54を省いて斜視図で示されている。蓄電池セル83は径方向の開口部92を通して個別に接触されて第1の配線板85と接続される一方で、蓄電池セル83は軸方向の開口部90を通して互いに接続されるとともに、電気的な接触装置98を介して第2の配線板86の電源接点82と接続される。第1の配線板85の接触領域134が、シール部材支持体118にある切欠き137を通ってシール部材支持体118を貫通し、差込接続138を介して第2の配線板86と接続される。第2の配線板86は、計算ユニットと、記憶ユニットと、蓄電池パック18を制御または調節するための制御ユニットとを含んでいる。
蓄電池パック18は2つの電気的な接触装置98を含んでいる。電気的な接触装置98のうちの一方は、銅からなる平型コネクタ140を介して、電源接点82のうちの1つと蓄電池セル83を接続する。他方の電気的な接触装置98は、管状導体142を介して、およびヒューズ部材144を介して、他方の電源接点82と蓄電池セル83を接続する。ヒューズ部材144は溶融ヒューズとして構成されている。ヒューズ部材144は円筒状の設計方式を有する。ヒューズ部材144はセラミックスリーブ145を有し、その中に金属ワイヤ147が収容されている(図10参照)。金属ワイヤ147は、たとえば銀ワイヤとして構成されている。金属ワイヤ147はセラミックスリーブ145の長軸に対して同軸に延びて、セラミックスリーブ145の両方の端部でこれから外に出る。さらに、ヒューズ部材144は2つの金属のエンドキャップ149を含んでいて、これらを介してヒューズ部材144を電気的および機械的に結合可能である。これらのエンドキャップ149は、第1の領域151でセラミックスリーブ145をそれぞれ取り囲むとともに、第2の領域153で、セラミックスリーブ145で取り囲まれていない金属ワイヤ147をそれぞれ取り囲むように成形されている。特に、エンドキャップは第1の領域151でセラミックスリーブ145に当接するとともに、第2の領域で金属ワイヤ147に当接する。
特に、蓄電池セル83は、上側および下側の層の2つの縁部側の蓄電池セル83がセルコネクタ96を介して接続される領域で、金属のセルコネクタ96と物質接合式に結合される。セルコネクタ96と蓄電池セル83との物質接合式の結合は、セルハウジング50の軸方向の開口部90の側で行われる。セルコネクタ96はその上側で、電気的な接触装置98の方向に向かって折り曲げられて構成されており、その領域に、軸方向の開口部90に対して実質的に垂直に延びる結合面146を有している。この結合面146を介して、セルコネクタ96が金属導体148と物質接合式に、たとえば溶接接合により結合される。金属導体148はプレート状に構成されており、蓄電池セル83の長軸に対して平行に延びる。
管状導体142は、溶接接合によって金属導体148と結合されている。管状導体142と金属導体148は銅でできている。管状導体142と金属導体148との間の結合は、管状導体142の第1の端部150で行われる。管状導体142の第1の端部150の領域で、管状導体142は下方に向かって、ないしは金属導体148の方向に曲がっている。さらに管状導体142は、溶接法による金属導体148との物質接合式の結合を可能にするために、第1の端部150で平坦化されて構成されている。
管状導体142の第2の端部152で、管状導体142はヒューズ部材144と、特にヒューズ部材144のエンドキャップ149のうちの1つと、ないしはエンドキャップ149の第2の領域153と、機械的および電気的に結合されている。管状導体142の第2の端部152に、管状導体142は横断面変化部154を有している。この横断面変化部154は、ヒューズ部材144ないしヒューズ部材144のエンドキャップ145が管状導体142の内部に収容され、そのようにしてこれと機械的および電気的に結合することができるように設計される。特に、管状導体142は横断面変化部154の領域でプレス嵌めによりヒューズ部材144と結合される。たとえば管状導体142は横断面変化部154の領域でクリンプされて構成され、それにより、管状導体154の第2の端部152の領域で内径が縮小される。
ヒューズ部材144の他方のエンドキャップ149は、たとえば平型コネクタ156として構成される電気導体155を介して、電源接点と接続されている82。このとき平型コネクタ156は、一方の端部をもってヒューズ部材144のエンドキャップ149に当接するとともに、他方の端部をもって電源接点82に当接する。ヒューズ部材144と平型コネクタ156の結合は、平型コネクタの中空円筒状の一体成形部を通じて行われ、この一体成形部がエンドキャップ149と、特にエンドキャップ149の第1の領域151と、結合される。
図10には、電気的な接触装置98の縦断面が示されている。管状導体142は、中空管から転造法によって成形されている。導体横断面は、管状導体142の長さにわたって実質的に一定である。管状導体142の形状が適合化されることで、管状導体142の内径が第1の端部150と第2の端部152の間で変化している。ここでの関連において「内径」とは、特に、管状導体142の内部の中空スペースの直径を意味するものとする。特に、管状導体142は第2の端部152の領域で第1の端部150の領域よりも大きい内径を有しており、管状導体142は両方の端部150,152の間に最大の内径を有している。第2の端部152の領域に、ヒューズ部材144の隣接するエンドキャップ149の外側輪郭に実質的に対応する円形の横断面を有する横断面変化部154が配置されている。図11には、内径がもっとも大きくなっている、両方の端部150,152の間の中空円筒状の領域の横断面が示されている。中空の導体横断面を具体化するために、管状導体142はこの領域で、内径に実質的に相当する壁厚を有している。第1の端部150の領域では、内径が最小ないしゼロになるように、管状導体142が平坦化されて構成されている。管状導体142の2つの向かい合う側が、互いに当接しているからである。
蓄電池パック18が落下した場合に蓄電池セル83を防護するために、蓄電池パック18は防護部材158を有している。防護部材158は図9に斜視図として示され、図10に蓄電池パック18の縦断面図で示されている。図13には、蓄電池パック18の下面図が側壁54を省いて示されている。蓄電池パック18は4つの防護部材158を有しており、それぞれ2つの防護部材158が蓄電池セル83に隣接して配置されており、そのようにしてこれらを防護する。防護部材158は、たとえば鋼板などの金属板からなる。図14には、防護部材158が斜視図として示されている。防護部材158は蓄電池セル83に隣接して、蓄電池パック18のハウジング48のエッジ160の領域に配置されるのが好ましい。蓄電池パック18がエッジ160のうちの1つを下にして落下した場合、衝突の力全体が小さい面積に作用し、そのため、ハウジング48ないし蓄電池パック18の損傷や変形の危険が特別に大きいからである。ここでのエッジ160は、特に、蓄電池パック18の下側ないし設置面162から前面164または裏面166への移行領域に配置されているエッジ160である。設置面162は、特に、蓄電池パックの機械的なインターフェース22を有している蓄電池パック18の側に向かい合う側に配置される。前面164は表示ユニット108を有しており、設置面162に対して実質的に垂直に延びる。裏面166は前面164に対して向かい合うように配置される。特に、蓄電池パック18の縁部側の蓄電池セル168が、好ましくは蓄電池パック18の下側の層の蓄電池セル83の縁部側の蓄電池セル168が、防護部材158により部分的に取り囲まれる。縁部側の蓄電池セル168とは、ここでの関連においては特に、1つの層の蓄電池セル83の最初と最後の蓄電池セルを意味するものとする。
収容領域88に収容された蓄電池セル83は、セルハウジング50の壁部89によって円周を取り囲まれる。このように、たとえばHD PEなどのプラスチックからなるセルハウジング50が、落下が生じた場合に蓄電池セル83をすでに部分的に力作用から防護する。この防護は、縁部側の蓄電池セル168が防護部材158により追加的に部分的に円周で取り囲まれることによって増強される。特に、縁部側の蓄電池セル168は約170°の角度領域αで防護部材158により円周を取り囲まれる。セルハウジング50は、それぞれの防護部材158ごとに、防護部材158との摩擦接合式および形状接合式の結合のために構成される収容ポケット170を有している。セルハウジング50の収容ポケット170の中で、防護部材158が2つの向かい合う側面でセルハウジング50により取り囲まれて、摩擦接合式に保持される。セルハウジング50と防護部材158が結合されるとき、防護部材158がストッパに当接するまで、防護部材158が収容ポケット170の中に押し込まれる。それにより、金属の防護部材158が蓄電池パック18の蓄電池セル83ないしエレクトロニクス81に対して電気絶縁されるのが好ましい。収容領域88を区切るセルハウジング50の壁部89と、これに当接する防護部材158とはいずれもその形状に関して、蓄電池セル83の円筒状の輪郭に合わせて適合化され、特に湾曲して構成される。
セルハウジング50は、防護部材158が反対向きの運動によって側方から中に収容されるように隣接して配置された2組の収容ポケット170をそれぞれ有している(図13参照)。防護部材158の長さは蓄電池セル83の長さの約45%に相当し、ないしは、セルハウジング50の幅の約45%に相当する。それぞれ2つの防護部材158は、縁部側の蓄電池セル168がそれぞれの長さに関して約90%だけ防護部材158で取り囲まれるように、収容ポケット170の中に相前後して配置される。その代替として、縁部側の蓄電池セル168をそれぞれ単独の連続する防護部材によって防護することも考えられよう。
図15には、案内レール62として構成された保持部材60の横断面が示されている。保持部材60に隣接して、ないしはその下方に、案内溝66が配置されている。案内レール62ないし保持部材60はプラスチックで構成されている。案内レール62ないし保持部材60は、特に、インターフェースハウジング部分52と一体的に構成される。機械的なインターフェース22ないし保持部材60に過負荷が生じた場合に定義された破断が生じ、それに伴ってランダムな破断が生じないことを保証するために、機械的なインターフェース22は予定破断個所182を有している。予定破断個所182は保持部材60の領域に配置される。特に、予定破断個所182は、機械的なインターフェース22の摺動面64と、摺動面64に向かい合う保持部材60の上側184との間に配置される。予定破断個所182は、特に、プラスチックの的確な材料脆弱部として構成される。予定破断個所182の領域で、保持部材60の材料厚み186が飛躍的および/または有意に変化する。材料厚み186は、たとえば保持部材60の厚みとして構成され、ないしは、保持部材60の上側184から摺動面64までの最大の間隔として構成される。「飛躍的な」変化とは、ここでは特に材料厚み186の不連続な変化を意味するものとする。「有意な」変化とは、特に、材料厚み186が当初の材料厚みの少なくとも50%に減少し、特に当初の材料厚みの少なくとも30%に減少し、好ましくは当初の材料厚みの少なくとも15%に減少することを意味するものとする。たとえば予定破断個所182の材料厚み186は、図示している横断面では、2つの隣接する領域に関して当初の材料厚み186の約15%に減少している。
予定破断個所182は、たとえば鋼材からなる金属板で構成される予定破断個所部材188によって具体化される。予定破断個所部材188は保持部材60と結合されている。特に、予定破断個所部材188は保持部材により少なくとも部分的に取り囲まれる。図示した実施形態では、予定破断個所部材188はエルボ部材192の、特に金属エルボの脚部190として構成されている。エルボ部材192は、一例として互いに直角に延びる2つの脚部190,194を有している。両方の脚部190,194は、一例として横断面で見てそれぞれ異なる長さを有している。ただしその代替として、脚部190,194の間のこれ以外の角度も考えられよう。エルボ部材192は一体的に構成されている。予定破断個所部材188として構成されているエルボ部材192の脚部190は、保持部材60の摺動面64に対して実質的に垂直に延びている。特に、材料厚み186と、予定破断個所部材188の高さとの差は、予定破断個所182の高さに実質的に相当する。
手動工作機械12と結合された状態にあるとき、蓄電池パック18の重量の力は主として、案内溝66の中に配置される手動工作機械12の案内レールを介して、機械的なインターフェース22の摺動面64に対して作用する。できる限り効果的な予定破断個所182を具体化するために、予定破断個所182は、案内溝66の側壁70と実質的に合同に延びる平面196に隣接するように、または直接的に隣接するように配置される。図示した実施形態では予定破断個所部材188は、平面196に対して実質的に平行に延びるように配置されている。特に予定破断個所部材188は、予定破断個所部材188の外面198が平面196上に延びることによって、平面196に隣接するように配置される。
さらに蓄電池パック18は、特に機械的なインターフェース22は、摩耗防止部材200を有している。摩耗防止部材200は一例としてエルボ部材192の第2の脚部194として、それに伴って予定破断個所部材188と一体的に構成されている。摩耗防止部材200は摺動面64と平行に延びる。特に、摩耗防止部材200は保持部材60の摺動面64を少なくとも部分的に構成する。摩耗防止部材200は、保持部材60ないし案内レール62で部分的に取り囲まれる。蓄電池パック18の案内レール62と手動工作機械12の案内レールとの間で手動工作機械12の作動時に発生する摩耗を、摩耗防止部材200によって明らかに低減することができるという利点がある。摩耗防止部材200はたとえば金属で構成される。
図16には、インターフェースハウジング部分52の斜視図が示されている。予定破断個所部材188と摩耗防止部材200を含む、保持部材60ないし案内レール62に射出成形されたエルボ部材192が破線で示されている。できる限り定義された破断を予定破断個所182によって可能にするために、エルボ部材192ないし予定破断個所部材188の長さは、保持部材60ないし保持部材60の摺動面64の長さ202の約80%に相当する。
図17には、管状導体142aを含む電気的な接触装置98aの代替的な実施形態を有する蓄電池パック18aの斜視図が示されている。ここでは蓄電池パック18aは管状導体142aを除いて、前述の蓄電池パック18と実質的に同一に構成されている。管状導体142aは第1の端部150aと第2の端部152aとを有しており、管状導体142aはその第2の端部152で横断面変化部154aを介して、溶融ヒューズとして構成されたヒューズ部材144aと接続されている。管状導体142aはその第2の端部152aで、セルコネクタ96aと直接的に物質接合式に結合されている。このことは、管状導体142aがその第2の平坦化された端部152aで2つの方向に曲げられることによって具体化される。一方では、管状導体142aはその第2の端部152aで下方に向かって、ないしは径方向の開口部92aを有しているセルハウジング50aの側の方向に曲げられ、他方では外方に向かって、ないしは軸方向の開口部90aを有しているセルハウジング50aの側の方向に曲げられる。
図18には管状導体142aの横断面が示されている。管状導体142aの内部に、蓄熱部材157aが配置されている。蓄熱部材157aはたとえばプラスチック、特にHD PE(高密度ポリエチレン)でできている。通電によって管状導体142aの内部で発生する熱を蓄熱部材157aに吸収し、一時的に蓄えることができるという利点がある。吸収されたエネルギーは蓄熱部材157aにより遅延されたうえで再び周囲に放出され、それにより、温度変動の振幅を明らかに縮小することができる。蓄熱部材157aは、平坦化された端部152aと横断面変化部154aとの間で管状導体142aを実質的に全面的に充填するのが好ましい。
図19には、防護部材158bの代替的な実施形態の斜視図が示されている。図20には、蓄電池パック18の代替的な実施形態が防護部材158bとともに正面図で示されている。より良い視認性のために、図20ではセルハウジング50bが透明に描かれており、側壁は図示していない。蓄電池パック18bは、下側の層の蓄電池セル83bの縁部側の蓄電池セル168bごとに、ただ1つの防護部材158bを有している。防護部材158bは、蓄電池セル83bの長さに実質的に相当する長さを有している。セルハウジング50bは、防護部材158bが中に収容された収容ポケット170bを有している。収容ポケット170bはストッパを有しておらず、それにより、防護部材158bをセルハウジング50bとの結合のために部分的に収容ポケット170bを貫いて差し入れることができる。防護部材158bは、前述した実施例に準じて約170°の角度領域で縁部側の蓄電池セル168bを円周で取り囲む。
さらに、防護部材158bはエネルギー吸収部材172bを有している。エネルギー吸収部材172bは、防護部材158bの2つの向かい合う長手方向エッジ174bに配置されている。長手方向エッジ174bは、蓄電池セル83bの長軸に対して平行に延びる。エネルギー吸収部材172bは一例として歯状部材176bを有する噛合部として構成されており、歯状部材176bはそれぞれ先端部178bを有する。歯状部材176bの先端部178bは、組み付けられた状態のときセルハウジング50bに当接し、特に、収容ポケット170bの内部で壁部180bに当接する。特に、防護部材158bは長手方向エッジ174bに沿って、歯状部材176bないし先端部178bを介してのみ、セルハウジング50bの平坦な壁部に当接する。しかしながら、防護部材158bが長手方向エッジ174bに沿って、形状適合化された、特に防護部材158bの噛合部に対して適合化された、噛合部を有する収容ポケット170bの内部の壁部に当接することも考えられる。その代替または補足として、エネルギー吸収部材172bが長手方向エッジ174bの領域で、収容ポケット170bの内部のストッパに対して間隔をおいて構成されることも考えられ、この間隔は歯状部材176bの高さよりも短いのが好ましい。
蓄電池パック18bがエッジ160bを下にして落下した場合、防護部材158bに対して力が作用し、このことは、防護部材158bが変形し、および/またはその位置を変えて、エネルギー吸収部材172bが、特に噛合部の先端部178bが、セルハウジング50bの中に入り、そのようにして変形することを帰結する。セルハウジング50bが変形することでエネルギーが吸収され、蓄電池セル83bに対しては作用しないという利点があり、これが好ましく防護される。
図21には、予定破断個所182cを有する蓄電池パック18cの代替的な実施形態が、案内レール62cとして構成された保持部材60cの横断面で示されている。予定破断個所部材188cは、蓄電池パック18cの結合方向に対して、ないしは蓄電池パック18cの摺動面64の長手方向に対して、平行に延びる金属板として構成されている。横断面で見て、予定破断個所部材188cは、保持部材60cの材料厚み186cよりも大きい長さないし高さを有している。予定破断個所部材188cはインターフェースハウジング52cで取り囲まれる。予定破断個所部材188cは、案内溝66cの側壁70cを形成し、保持部材60cの上側184cの方向へ直線状に延びるように配置されている。このように予定破断個所部材188cは、摺動面64cに対して垂直に延びている。予定破断個所部材188cと上面184cとの間の領域が、予定破断個所182cを構成する。
図22には、予定破断個所182dを有する蓄電池パック18dの別の代替的な実施形態が、案内レール62dとして構成された保持部材60dの横断面で示されている。予定破断個所部材188dは、インターフェースハウジング部分52dないし保持部材60cが構成されているプラスチックに対して低い付着性を有するプラスチックでできている。予定破断個所部材188dは棒状に構成され、横断面で見て直方形の形状を有し、蓄電池パック18dの結合方向に対して平行に、ないしは蓄電池パック18dの摺動面64dの長手方向に対して平行に延びている。予定破断個所部材188dは、全面的に保持部材60dの内部に配置されている。特に、予定破断個所部材188dは、摺動面64dと保持部材60dの上側184dとの間に全面的に配置される。このように、保持部材60dは2つの予定破断個所182dを有しており、一方の予定破断個所182dは予定破断個所部材188dと保持部材60dの上側184dとの間に配置され、他方の予定破断個所182dは予定破断個所部材188dと摺動面64dとの間に配置される。横断面で見て、予定破断個所部材188dは摺動面64dに対して斜めに延びている。このように、それぞれの予定破断個所182dは互いにオフセットされて配置されている。その代替として、予定破断個所部材188dが摺動面64dに対して実質的に垂直に延びることも考えられ、それにより、相上下して位置する2つの予定破断個所182dが形成されることになる。
図23には、予定破断個所182eを有する蓄電池パック18eの別の代替的な実施形態が、案内レール62eとして構成された保持部材60eの横断面で示されている。予定破断個所部材188eは棒状に構成されており、断面で見て摺動面64eと平行に配置されている。予定破断個所部材188eはインターフェースハウジング部分52eにより、特に保持部材60eにより、全面的に取り囲まれている。予定破断個所部材188eは、保持部材60eの上側184eに対してよりも短い間隔を摺動面64eに対して有している。予定破断個所部材188eは一例として中空スペースとして構成されており、それにより、保持部材60eが局所的に脆弱化される。このように、予定破断個所182eは予定破断個所部材188eと摺動面64eとの間に配置される。
図24には、予定破断個所182fを有する蓄電池パック18fの別の代替的な実施形態が、案内レール62fとして構成された保持部材60fの横断面で示されている。予定破断個所部材188fは、エルボ部材192fの脚部190fとして構成されている。エルボ部材192fは金属エルボとして構成される。さらにエルボ部材192fは、摩耗防止部材200fとして構成された第2の脚部194fを有している。エルボの両方の脚部190f、194fは、一例として横断面で見て等しい長さで構成されている。予定破断個所部材188fは保持部材60fの摺動面64fに対して垂直に延びており、それに対して摩耗防止部材200fは摺動面64に対して平行に延びている。エルボは保持部材60fの内部に全面的に配置され、特に、摺動面64fと保持部材60fの上側184fとの間に全面的に配置される。予定破断個所182fは、予定破断個所部材188fと保持部材60fの上側184fとの間に配置される。摩耗防止部材200fがさしあたり保持部材60fにより、特に保持部材60fのプラスチックにより、全面的に取り囲まれているので、摩耗防止部材200fが機能を果たすのは、ある程度の摩耗が生じて、摺動面64fと摩耗防止部材200fとの間でプラスチックが少なくとも部分的に剥離した後である。
12 手動工作機械
18 蓄電池パック
22 機械的なインターフェース
48 ハウジング
50 セルハウジング
83 蓄電池セル
88 収容領域
89 壁部
93 長手方向
158 防護部材
160 エッジ
170 収容ポケット
172b エネルギー吸収部材
管状導体142の第2の端部152で、管状導体142はヒューズ部材144と、特にヒューズ部材144のエンドキャップ149のうちの1つと、ないしはエンドキャップ149の第2の領域153と、機械的および電気的に結合されている。管状導体142の第2の端部152に、管状導体142は横断面変化部154を有している。この横断面変化部154は、ヒューズ部材144ないしヒューズ部材144のエンドキャップ145が管状導体142の内部に収容され、そのようにしてこれと機械的および電気的に結合することができるように設計される。特に、管状導体142は横断面変化部154の領域でプレス嵌めによりヒューズ部材144と結合される。たとえば管状導体142は横断面変化部154の領域でクリンプされて構成され、それにより、管状導体142の第2の端部152の領域で内径が縮小される。
ヒューズ部材144の他方のエンドキャップ149は、たとえば平型コネクタ156として構成される電気導体155を介して、電源接点82と接続されている。このとき平型コネクタ156は、一方の端部をもってヒューズ部材144のエンドキャップ149に当接するとともに、他方の端部をもって電源接点82に当接する。ヒューズ部材144と平型コネクタ156の結合は、平型コネクタの中空円筒状の一体成形部を通じて行われ、この一体成形部がエンドキャップ149と、特にエンドキャップ149の第1の領域151と、結合される。
図17には、管状導体142aを含む電気的な接触装置98aの代替的な実施形態を有する蓄電池パック18aの斜視図が示されている。ここでは蓄電池パック18aは管状導体142aを除いて、前述の蓄電池パック18と実質的に同一に構成されている。管状導体142aは第1の端部150aと第2の端部152aとを有しており、管状導体142aはその第2の端部152aで横断面変化部154aを介して、溶融ヒューズとして構成されたヒューズ部材144aと接続されている。管状導体142aはその第2の端部152aで、セルコネクタ96aと直接的に物質接合式に結合されている。このことは、管状導体142aがその第2の平坦化された端部152aで2つの方向に曲げられることによって具体化される。一方では、管状導体142aはその第2の端部152aで下方に向かって、ないしは径方向の開口部92aを有しているセルハウジング50aの側の方向に曲げられ、他方では外方に向かって、ないしは軸方向の開口部90aを有しているセルハウジング50aの側の方向に曲げられる。
図21には、予定破断個所182cを有する蓄電池パック18cの代替的な実施形態が、案内レール62cとして構成された保持部材60cの横断面で示されている。予定破断個所部材188cは、蓄電池パック18cの結合方向に対して、ないしは蓄電池パック18cの摺動面64cの長手方向に対して、平行に延びる金属板として構成されている。横断面で見て、予定破断個所部材188cは、保持部材60cの材料厚み186cよりも大きい長さないし高さを有している。予定破断個所部材188cはインターフェースハウジング52cで取り囲まれる。予定破断個所部材188cは、案内溝66cの側壁70cを形成し、保持部材60cの上側184cの方向へ直線状に延びるように配置されている。このように予定破断個所部材188cは、摺動面64cに対して垂直に延びている。予定破断個所部材188cと上面184cとの間の領域が、予定破断個所182cを構成する。
図22には、予定破断個所182dを有する蓄電池パック18dの別の代替的な実施形態が、案内レール62dとして構成された保持部材60dの横断面で示されている。予定破断個所部材188dは、インターフェースハウジング部分52dないし保持部材60dが構成されているプラスチックに対して低い付着性を有するプラスチックでできている。予定破断個所部材188dは棒状に構成され、横断面で見て直方形の形状を有し、蓄電池パック18dの結合方向に対して平行に、ないしは蓄電池パック18dの摺動面64dの長手方向に対して平行に延びている。予定破断個所部材188dは、全面的に保持部材60dの内部に配置されている。特に、予定破断個所部材188dは、摺動面64dと保持部材60dの上側184dとの間に全面的に配置される。このように、保持部材60dは2つの予定破断個所182dを有しており、一方の予定破断個所182dは予定破断個所部材188dと保持部材60dの上側184dとの間に配置され、他方の予定破断個所182dは予定破断個所部材188dと摺動面64dとの間に配置される。横断面で見て、予定破断個所部材188dは摺動面64dに対して斜めに延びている。このように、それぞれの予定破断個所182dは互いにオフセットされて配置されている。その代替として、予定破断個所部材188dが摺動面64dに対して実質的に垂直に延びることも考えられ、それにより、相上下して位置する2つの予定破断個所182dが形成されることになる。
図24には、予定破断個所182fを有する蓄電池パック18fの別の代替的な実施形態が、案内レール62fとして構成された保持部材60fの横断面で示されている。予定破断個所部材188fは、エルボ部材192fの脚部190fとして構成されている。エルボ部材192fは金属エルボとして構成される。さらにエルボ部材192fは、摩耗防止部材200fとして構成された第2の脚部194fを有している。エルボの両方の脚部190f、194fは、一例として横断面で見て等しい長さで構成されている。予定破断個所部材188fは保持部材60fの摺動面64fに対して垂直に延びており、それに対して摩耗防止部材200fは摺動面64fに対して平行に延びている。エルボは保持部材60fの内部に全面的に配置され、特に、摺動面64fと保持部材60fの上側184fとの間に全面的に配置される。予定破断個所182fは、予定破断個所部材188fと保持部材60fの上側184fとの間に配置される。摩耗防止部材200fがさしあたり保持部材60fにより、特に保持部材60fのプラスチックにより、全面的に取り囲まれているので、摩耗防止部材200fが機能を果たすのは、ある程度の摩耗が生じて、摺動面64fと摩耗防止部材200fとの間でプラスチックが少なくとも部分的に剥離した後である。