JP2021528662A - マグネシウムイオン選択性pvc膜 - Google Patents

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Abstract

イオン選択性膜およびその調製、例えば、マグネシウムイオン選択性膜およびその調製。特に、本発明は、イオン選択性膜における使用のための改善されたPVCポリマーブレンドを記載する。本発明はさらに、このような膜を含む電極および電位差測定センサー、ならびに試料中のイオン濃度を決定するためのこれらの使用に関する。
【選択図】図1C、図1D

Description

本発明は、イオン選択性膜およびその調製、特に、マグネシウムイオン選択性膜およびその調製に関する。本発明はさらに、このような膜を含む電極および電位差測定センサー、ならびに試料中のイオン濃度を決定するためのこれらの使用に関する。
イオン選択性電極は、電位差測定センサーで使用した場合、他の干渉イオンの存在下での検体イオンの活性の決定を可能にする電極である。各種アニオンおよびカチオンに対して選択性のある広範な電極およびセンサーが利用できる。しかし、十分な膜完全性、安定性、感度、バイアスの欠如および干渉などを含む多くの要件を満たす必要があるため、イオン選択性電極で用いられる膜に対して好適な組成を見出すことは困難である。
マグネシウムは、人体内の普通金属であり、化学および生化学プロセスで重要な役割を果たす。体内のマグネシウムは、タンパク質と結合し、アニオンと錯体を形成するか、または遊離イオン化分画(iMg)として存在するかのいずれかである。iMg分画は、例えば、神経伝導または骨格筋、心筋もしくは子宮筋の収縮におけるイオンチャネル調節剤として、いくつかの生理学的役割を果たす。入院患者における研究では、低マグネシウム血症(11%)および高マグネシウム血症(9.3%)の有病率が高いことが見出された(Wongら(1983)Am J Clin Pathol 79:348)。
iMgの特異的な測定は困難であり、歴史的に、臨床検査は、マグネシウム全体のアッセイに依存する場合が多かった。マグネシウムイオン選択性センサーは、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されており、これはポリ塩化ビニル(PVC)を含むマトリックス中マグネシウムイオン選択性化合物として1,10−フェナントロリンを含むマグネシウム選択性膜を開示する。PVCを含むさらなるセンサー膜は、WO2016/126593(Siemens)、WO2018/208742(Siemens)およびWO2019/055622(Siemens)に記載されている。WO2015/160755(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.)は、三脚型立体化学構造を有するイオノフォア、親油性ホウ酸塩およびポリマーマトリックスを含む、イオン化マグネシウムを検出するための膜を記載する。
iMgに対する高い選択性を膜に付与すること、特に、カルシウムイオンなどの他のカチオンと比べてマグネシウムイオンに対する選択性を得ることは、課題の一つである。さらに選択性が限定的であることに加えて、当技術分野において記載されたイオン選択性膜、特に、マグネシウムイオン選択性膜は、可塑剤が膜から排出されること(「ブリーディング」)などにより機械的安定性に関しては最適以下の場合が多い。
したがって、ブリーディングせず、参照からの偏差(バイアス)がほとんどまたはまったくないが、依然として検体に対する選択性が高く、依然として干渉およびドリフトに対して耐性があり、迅速な立ち上がり時間を有する改善されたイオン選択性膜が必要とされている。これらの必要性は、本発明によって対処される。
第1の態様において、本発明は、イオノフォアおよびポリマーブレンドを含むイオン選択性膜であって、前記ポリマーブレンドが、
a.カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)またはポリ(塩化ビニル)である第1のポリマーであり、分子量が100,000〜500,000である、第1のポリマーと、
b.塩化ビニルと、親水性基を有する少なくとも1つのさらなるモノマー基とのコポリマーである第2のポリマーであり、分子量が100,000未満である、第2のポリマーと
を含み、
前記第1のポリマーがカルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である場合、前記第2のポリマーが前記第1のポリマーより多くの親水性基を有する、
膜に関する。
ポリマーに関連して本明細書で使用する分子量という用語は、
=ΣW(式中、Wは、分子量Mを有するポリマーの重量分率である)
によって算出される、重量平均分子量を指す。
さらなる態様において、本発明は、本発明のイオン選択性膜を調製する方法であって、成分を溶媒中で混合し、得られた溶液を所望の支持体上に分配し、溶媒を蒸発させることによる、方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定するための電極であって、本明細書に定義される本発明の膜を含む電極を提供する。
さらにさらなる態様において、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、本発明の膜または本発明の電極を含む、電位差測定センサーを提供する。
さらに、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と本発明の電極または本発明の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極または電位差測定センサーから得られる信号に基づきイオン濃度を決定するステップとを含む、方法に関する。本発明はまた、疾患または障害を診断する方法であって、イオン濃度を本発明に従って対象の試料について決定する方法を行うステップを含む、方法に関する。
本発明のこれらおよび他の態様および実施形態を以下にさらに詳細に記載する。
光学顕微鏡で分析したセンサー膜ブリーディングを示す画像である。パネルAおよびB:ポリマー内容物が100%のポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)である膜(各々Mg616およびMg626)。 光学顕微鏡で分析したセンサー膜ブリーディングを示す画像である。パネルAおよびB:ポリマー内容物が100%のポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)である膜(各々Mg616およびMg626)。 光学顕微鏡で分析したセンサー膜ブリーディングを示す画像である。パネルC:4:1の比でポリ(塩化ビニル)とポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)とを含む膜(Mg652)。 光学顕微鏡で分析したセンサー膜ブリーディングを示す画像である。パネルD:1:2の比でカルボキシル化PVCとポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)とを含む膜(Mg654)。
定義
膜の文脈において本明細書で使用する「選択性」という用語は、特定のイオンに対する選好を指す。本明細書で使用する「選択性」は、絶対的または排他的選択性を意味しない。すなわち、膜は、複数のイオン、例えば、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンに対して選択性であってよい。
本明細書で使用する「イオノフォア」という用語は、イオンを可逆的に結合する化合物、例えば、イオンを膜全体に輸送できる化合物を指す。
特に、「親油性化合物」の文脈において、本明細書で使用する「親油性」という用語は、脂肪、油、脂質または非極性溶媒に溶解する化学化合物の能力を指す。
「酸性基」という用語は、水素イオンを塩基に供与してイオン化することができる基を指す。
本明細書で使用する「塩」という用語は、その負電荷を平衡させるカチオン種と共にある、酸が脱プロトン化された形態を指す。
本明細書で使用する1,10−フェナントロリンの「置換形態」という用語は、それに対する1つまたは複数の置換を含む1,10−フェナントロリン骨格を含む物質を指す。「置換」という用語は、R基またはR残基での1,10−フェナントロリン上の水素の置き換えを指す。同様に、「置換アリール」は、水素が異なる残基または基で置き換えられているアリール基を指す。
化学基の文脈において「Cxx〜yy」という用語は、該基が、XX〜YY個の炭素原子、すなわちXXから出発して、YYを含むYYまでの任意の数を含有することを示し、例えば、C1〜18アルキル基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18個の炭素原子を含有する。別段の記載がない限り、このような基は直鎖または分岐であり得る。
化学基を指す場合、「アルキル」、「アリール」、「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、当技術分野でのその通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、このような基は、18個以下の炭素原子を含む。「分岐アルキル」という用語は、完全な直鎖ではない、すなわち、少なくとも1つの側鎖を有するアルキル基を指す。
本発明で使用する「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上の異なるポリマーの混合物を指す。
用語「LogP」は、平衡状態の2つの不混和性相(例えば、水と1−オクタノール)の混合物中の化合物の濃度比の尺度を指す。
試料中のマグネシウムイオンなどのイオンの濃度の決定の文脈において本明細書で使用する「濃度」という用語は、測定された試料のものと等しいイオン活性を有する、標準化された溶液マトリックス中のイオンの化学量論濃度(参照スケール)を指す。IFCCガイドラインを参照のこと(Ben Rayanaら、(2008)Clin Chem Lab Med 46(1):21)。
本発明のさらなる態様および実施形態
本発明者らは、当技術分野において以前に記載された膜と比較して、改善された性能を有するイオン選択性膜を開発した。特に、本発明の膜は、滑らかな表面を有し、使用中の安定性が高く、可塑剤のブリーディングおよび亜鉛イオンの干渉が少ないことを示し、界面活性剤に対して良好な耐性を示す。さらに、膜は乾燥中の急速な粘度上昇を有する。
上記のように、第1の主要な態様において、本発明は、イオノフォアおよびポリマーブレンドを含むイオン選択性膜であって、前記ポリマーブレンドが、
a.カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)またはポリ(塩化ビニル)である第1のポリマーであり、分子量が、100,000〜500,000である、第1のポリマーと、
b.塩化ビニルと、親水性基を有する少なくとも1つのさらなるモノマー基とのコポリマーである第2のポリマーであり、分子量が100,000未満である、第2のポリマーと
を含み、
前記第1のポリマーがカルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である場合、前記第2のポリマーが前記第1のポリマーより多くの親水性基を有する、
膜に関する。
一実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である。さらなる実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの少なくとも1.5倍の親水性基、前記第1のポリマーの、例えば、少なくとも2倍、例えば、少なくとも4倍、例えば、少なくとも5倍、例えば、少なくとも10倍の親水性基を有する。さらにさらなる実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、前記カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)は、0.1%〜10%カルボキシル化されている、例えば、0.5%〜5%カルボキシル化されている、例えば、1%〜3%カルボキシル化されている、例えば、1.8%カルボキシル化されている。
別の実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)である。
一実施形態において、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、130,000〜400,000、例えば、130,000〜300,000、例えば、130,000〜250,000である。
一実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、130,000〜400,000、例えば、200,000〜300,000、例えば、200,000〜250,000、例えば、220,000である。
別の実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)であり、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、120,000〜200,000、例えば、130,000〜160,000、例えば、140,000である。
本発明の膜の一実施形態において、第2のポリマー中の前記さらなるモノマーは、ビニルアルコール、ビニルエステルまたはヒドロキシ官能性アクリレートである。さらなる実施形態において、前記第2のポリマーは、塩化ビニル、ビニルアセテート、ビニルアルコールと、任意でアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸などの親水性基を含むさらなるモノマーとのコポリマーである。
さらにさらなる実施形態において、前記第2のポリマーは、ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)である。一実施形態において、前記ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)は、75%〜98%の塩化ビニル、例えば、85%〜95%の塩化ビニル、例えば、89%〜93%の塩化ビニル、例えば、91%の塩化ビニルを含む。別の実施形態において、前記ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)は、1%〜20%のビニルアセテート、例えば、1%〜10%のビニルアセテート、例えば、1%〜5%のビニルアセテート、例えば、3%のビニルアセテートを含む。さらなる実施形態において、前記ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)は、1%〜15%のビニルアルコール、例えば、1%〜10%のビニルアルコール、例えば、4%〜8%のビニルアルコール、例えば、6%のビニルアルコールを含む。
一実施形態において、第2のポリマーの分子量は、100,000未満、例えば、30,000〜90,000、好ましくは60,000〜80,000、例えば、70,000である。
一実施形態において、膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比は、10:1〜1:5、例えば、4:1〜1:4、例えば、2:1〜1:3、例えば、2:3〜3:7、例えば、1:2である。
一実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比は、4:1〜1:4、例えば、2:1〜1:3、例えば、3:2〜3:7、または2:3〜3:7、例えば、1:2である。
別の実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)であり、膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比は、10:1〜1:5、例えば、7:1〜1:2、例えば、5:1〜1:2、例えば、5:1〜2:3、例えば、5:1〜2:1、例えば、4:1である。
一実施形態において、ポリマーブレンドは、乾燥膜質量(すなわち、溶媒中で混合される前の成分の質量)の約10%〜50%、例えば、乾燥膜質量の20%〜40%、例えば、乾燥膜質量の25%〜35%、例えば、乾燥膜質量の25%〜30%を構成する。
イオノフォア
上記のように、本発明の膜は、イオノフォアまたはイオノフォアの混合物を含む。一実施形態において、イオノフォアは、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンに対して選択性である。好ましい実施形態において、イオノフォアはマグネシウムイオン選択性イオノフォアである。
本発明の膜で用いられるイオノフォアは、荷電している場合も、または荷電していない場合(中性)もある。いくつかの実施形態において、イオノフォアは親油性である。
好ましい実施形態において、イオノフォアは、1,10−フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である。このような化合物は、例えば、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されている。1,10−フェナントロリンは以下の構造
Figure 2021528662
を有する。
一実施形態において、フェナントロリン化合物の2および9位の炭素原子は、水素に結合している。
一実施形態において、イオノフォアは、式II
Figure 2021528662
[式中、
〜Rは各々、
H、
F、Cl、Br、I、NO、CNもしくはCFのいずれか、
1〜18アルキル、
1〜18アリール、
1〜18アルケニル、
(CHY(式中、mは0または1〜4の整数であり、Yは−OR、−NR、−OCOR、−NRCOR、−COR、−COOR、−SO、−OSiR、−PO、−POのいずれかであり、R、RおよびRは各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、または
−R1011(式中、nは0、または1および17を含む1〜17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH−Z−CHであり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11は式III
Figure 2021528662
の化合物であり、R11はR11の3、4、5、6、7または8位のいずれかでR10に結合しており、R12〜R17はH、C1〜18アルキル、C1〜18アリールのいずれかであるか、または除去され、但し、R11がR11の3位でR10に結合している場合、R12が除去され、R11がR11の4位でR10に結合している場合、R13が除去され、R11がR11の5位でR10に結合している場合、R14が除去され、R11がR11の6位でR10に結合している場合、R15が除去され、R11がR11の7位でR10に結合している場合、R16が除去され、R11がR11の8位でR10に結合している場合、R17が除去される)
のいずれかである、但し、R〜Rのうちの1つが、H以外であり、かつ1,10−フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合している]
の化合物である。
さらなる実施形態において、R〜Rは、合計で少なくとも6個の炭素原子、例えば、6、7、8、9、10または11個の炭素原子、例えば、合計で少なくとも11個の炭素原子、例えば、11〜18個の炭素原子を含む。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり、他の基は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1〜18個の炭素原子を有するアルキルであり、他のR基は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つのみが、1〜18個の炭素原子、例えば、6〜18個の炭素原子、例えば、11〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他のR基は水素である。
別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1〜18個の炭素原子、例えば6〜18個の炭素原子、例えば、11〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他のR基は水素である。別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1〜18個の炭素原子を有するアリール基である。
好ましい実施形態において、イオノフォアは、4−ウンデシル−1、10−フェナントロリンまたは4,7−ジウンデシル−1,10−フェナントロリンである。
置換1,10−フェナントロリン化合物は、当業者に公知の標準的な技術によって合成され得る。例えば、4−および4,7−置換1,10−フェナントロリンの合成は、参照により本明細書に組み込まれる、Lundら、J.Chem.Eng.Data、26:227−29(1981)に記載される。メチル基は、他の1,10−フェナントロリン誘導体の合成において所望の側鎖の付着のためのハンドルを提供し得、メチル置換1,10−フェナントロリンは市販されている。例えば、4−メチル、5−メチル、6−メチル、7−メチル、3,6−ジメチル、5,7−ジメチル、4,7−ジメチルおよび5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリンはすべてAldrich Chemical Co.から入手できる。4−ウンデシル−1、10−フェナントロリンおよび4,7−ジウンデシル−1,10−フェナントロリンは、例えば、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されるように合成され得る。
別の実施形態において、マグネシウムイオン選択性膜は、三脚型立体化学構造、例えば、三脚型構造、例えば、WO2015/160755(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.)に記載されるものを有するイオノフォアを含む。
したがって、一実施形態において、イオノフォアは、式IV
Figure 2021528662
の化合物である(当技術分野においてETH5506とも称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは式V
Figure 2021528662
の化合物である(当技術分野においてETH5504とも称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは式VI
Figure 2021528662
の化合物である(当技術分野においてETH3832とも称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは式VII
Figure 2021528662
(式中、nは6〜8の整数である)
の化合物である(nが6である場合、当技術分野においてETH5282と称され、nが8である場合、当技術分野においてETH7025と称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは、IUPAC 2000 Part I Inorganic cations Pure Appl Chem 72:1851の表8に記載されるイオノフォアのうちの1つ、例えば、Mg2+−1、Mg2+−2、Mg2+−3、Mg2+−4、Mg2+−5、Mg2+−6、Mg2+−7、Mg2+−8、Mg2+−9、Mg2+−10、Mg2+−11、Mg2+−12、Mg2+−13、Mg2+−14、Mg2+−15、Mg2+−16、Mg2+−17、Mg2+−18、Mg2+−19、Mg2+−20、Mg2+−21、Mg2+−22、Mg2+−23、Mg2+−24、Mg2+−25、Mg2+−26、Mg2+−27、Mg2+−28、Mg2+−29、Mg2+−30、Mg2+−31、Mg2+−32、Mg2+−33、Mg2+−34、Mg2+−35、Mg2+−36、Mg2+−37、Mg2+−38、Mg2+−39、Mg2+−40、Mg2+−41、Mg2+−42、Mg2+−43、Mg2+−44、Mg2+−45、Mg2+−46、Mg2+−47、Mg2+−48、Mg2+−49、Mg2+−50、Mg2+−51、Mg2+−52、Mg2+−53、Mg2+−54、Mg2+−55またはMg2+−56である。
別の実施形態において、イオノフォアは、Buhlmannら(1998)Chem.Rev.98:1593に記載されるイオノフォアのうちの1つ、例えば、Mg2+−1、Mg2+−2、Mg2+−3、Mg2+−4、Mg2+−5、Mg2+−6、Mg2+−7、Mg2+−8、Mg2+−9、Mg2+−10、Mg2+−11、Mg2+−12、Mg2+−13、Mg2+−14、Mg2+−15またはMg2+−16である。
別の実施形態において、イオノフォアは、ETH5220(Zhangら(2011)Am.J.Biomed.Sci.3:301)またはETH2001、ETH2002、ETH2003またはETH2022(Zhangら(2000)Anal.Sci.16:11)である。
別の実施形態において、イオノフォアは、すべてSpichiger(1993)Electroanalysis 5:739に記載されるETH1001、DBM、ETH1117、cyclo(LPro−DLeu)、ETH1224、ETH2220、ETH4030、ETH5214、ETH5282またはETH7025である。
別の実施形態において、イオノフォアは、Suzukiら(1995)Anal.Chem.67:324(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるイオノフォアのうちの1つ、好ましくは、アダマンチル基を有する2つのマロンアミド側鎖を有する18員のジアザクラウンであるK22B5、またはその変異体、例えば、K22B1B5である(Siswantaら(1997)Anal.Sci.13:429)。
好ましい実施形態において、イオノフォアは、1,2−ビス(ジアリールホスフィンオキシド)ベンゼン(Saleh(1994)J.Electroanalytical Chem.373:89)またはメチルフェニルセミカルバゾン(Chandraら(2013)J.Chem.、http://dx.doi.org/10.1155/2013/189464)である。
親油性化合物
一実施形態において、本発明の膜はさらに、親油性塩などの酸性基を含む親油性化合物を含む。
好ましい実施形態において、親油性化合物は、式I
Figure 2021528662
(式中、
Aは酸性基を含み、
18、R19およびR20のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C4〜18アルキル基、C4〜18アルケニル基、C4〜18アルキニル基またはアミド含有C4〜18基であるC4〜18基であり、前記C4〜18基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
他のR18、R19およびR20は、独立に、水素または直鎖C1〜18アルキル基である)
の化合物または前記親油性化合物の塩を含む。
疑念を回避するために、本明細書において、表現「または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有する」は、各C4〜18基が前記1、2、3位に合計で側鎖を1つのみ有することを意味する。したがって、R18、R19およびR20のうちの2つ以上がC4〜18基である実施形態において、これらのC4〜18基のうちの2つ以上が、1、2または3位に1つの側鎖を有し得る。
例示のために、以下の式は、R18およびR20が水素であり、R19が側鎖を含まない直鎖Cアルキル基である一実施形態を示す。1、2および3位は
Figure 2021528662
で示される。
一実施形態において、式IのA基に含まれる酸性基は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸モノエステル、スルホンアミド、ホスホン酸、リン酸、ヒ酸、スルフィン酸またはチオカルボン酸である。
一実施形態において、式IのA基に含まれる酸性基は、カルボン酸である。例えば、A基は、式IXのカルボン酸基、式Xの炭酸基、式XIのシュウ酸モノエステル基または式XIIのジカルボン酸モノエステル基であり得る:
式IX
Figure 2021528662
式X
Figure 2021528662
式XI
Figure 2021528662
式XII
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得るか、またはR23は不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式IXの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はカルボン酸基からなる。式IXのR24は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得る。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、スルホン酸である。例えば、A基は、式XIIIのスルホン酸基であり得る:
式XIII
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XIIIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はスルホン酸基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、硫酸モノエステルである。例えば、A基は、式XIVの硫酸モノエステル基であり得る:
式XIV
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XIVの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基は硫酸モノエステル基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、スルホンアミドである。例えば、A基は、式XVのスルホンアミド基であり得る:
式XV
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XVの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はスルホンアミド基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、ホスホン酸である。例えば、A基は、式XVIのホスホン酸基または式XVIIのホスホン酸モノエステル基であり得る:
式XVI
Figure 2021528662
式XVII
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XVIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はホスホン酸基からなる。R24は、C1〜18基、例えば、C1〜18アルキル基、C1〜18アルケニル基、C1〜18アルキニル基、アミド含有C1〜18基またはアリール基であり得る。特に、アリール基はフェニル基であり得、例えば、R24は、式Iに定義されるように置換基R18、R19およびR20を有するフェニル基であり得る。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、リン酸である。例えば、A基は、式XVIIIのリン酸モノエステル基、または式XIXのリン酸ジエステル基、または式XXのポリリン酸基であり得る:
式XVIII
Figure 2021528662
式XIX
Figure 2021528662
式XX
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XVIIIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はリン酸モノエステル基からなる。式XIXの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はリン酸ジエステル基からなる。R24は、C1〜18基、例えば、C1〜18アルキル基、C1〜18アルケニル基、C1〜18アルキニル基、アミド含有C1〜18基またはアリール基であり得る。特に、アリール基はフェニル基であり得、例えば、R24は、式Iに定義されるように置換基R18、R19およびR20を有するフェニル基であり得る。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、ヒ酸である。例えば、A基は、式XVI、XVII、XIII、XIXまたはXXの基であり得、そこでリン原子は、ヒ素原子(As)で置き換えられている。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、スルフィン酸である。例えば、A基は、式XXIのスルフィン酸基であり得る:
式XXI
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基あり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XXIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はスルフィン酸基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、チオカルボン酸である。例えば、A基は、式XXIIまたは式XXIIIのチオカルボン酸基であり得る:
式XXII
Figure 2021528662
式XXIII
Figure 2021528662
23は、C1〜5基、例えば、C1〜5アルキル基、C1〜5アルケニル基、C1〜5アルキニル基またはアミド含有C1〜5基あり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XXIIまたは式XXIIIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はチオカルボン酸基からなる。
一実施形態において、式IのA基は、リン酸モノエステルまたはジエステル基、例えば、式XIXの−R23−(HPO)−R24基(式中、R23は不在であるか、またはアルキル(例えば、C1〜18アルキル)、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールであり、R24は水素またはアルキル(例えば、C1〜18アルキル)、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールである)である。
さらなる実施形態において、親油性塩(複数可)は、式VIII
Figure 2021528662
(式中、R18、R19およびR20は式Iについて定義される通りである)
の化合物を含む。好ましくは、膜は、式VIIIの親油性化合物の塩を含む。
一実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つは、上に定義されるC4〜18アルキル基(すなわち、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有するC4〜18アルキル基)であり、他は、独立に、水素または直鎖C1〜18アルキル基である。
さらなる実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つは、上に定義されるC4〜18アルキル基であり、他は水素である。さらなる実施形態において、R19は、上に定義されるC4〜18アルキル基であり、R18およびR20は水素である。
一実施形態において、前記C4〜18アルキル基(複数可)は直鎖である。別の実施形態において、前記C4〜18アルキル基(複数可)は、少なくとも6個、例えば、少なくとも8個の炭素原子、例えば、8、9、10、11または12個の炭素原子を含む。
さらなる実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つのみが、C4〜18アルキル基であり、前記C4〜18アルキル基は、少なくとも6個、例えば、少なくとも8個の炭素原子、例えば、8、9、10、11または12個の炭素原子を含む。
好ましい実施形態において、親油性塩(複数可)は、式VIIIの化合物を含み、R18およびR20は水素であり、R19はオクチル基である。
好ましい塩はマグネシウム塩およびカルシウム塩である。
好ましい実施形態において、b)に定義される親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩は、ヘミカルシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートである。
別の好ましい実施形態において、b)に定義される親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩は、ヘミカルシウムビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ホスフェートである。
親油性塩、例えば、ヘミカルシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートおよびヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートは、当技術分野で公知の標準的な方法によって調製され得る。
好ましい実施形態において、親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート(b)およびヘミカルシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート(c)であり、混合物は、少なくとも50%のヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート、例えば、少なくとも80%のヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート、例えば、80%〜90%のヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートを含有する。
本発明のイオン選択性膜のさらに好ましい実施形態において、イオノフォアは、4,7−ジウンデシル−1,10−フェナントロリンであり、親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートおよびヘミカルシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートである。
好ましい実施形態において、イオノフォアと親油性化合物または親油性塩(複数可)のアニオン(複数可)とのモル比sは2:1〜1:1、例えば、1.8:1〜1.2:1のモル比である。
上記の親油性化合物および親油性塩に加えて、さらなる塩が本発明の膜中に存在し得る。したがって、実施形態において、本発明の膜は、さらなる塩、例えば、テトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸塩を含む。
共有結合している酸性基を含むイオノフォア
さらなる実施形態において、イオノフォアおよび酸性基は、別々の化合物の一部ではなく共有結合している。
したがって、一実施形態において、本発明は、スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアであって、前記スペーサーが少なくとも1個の炭素原子を含む、前記イオノフォア、またはその塩、すなわち、スペーサーを介して酸性基に共有結合している前記イオノフォアの塩を含む、マグネシウムイオン選択性膜に関する。好ましい実施形態において、イオノフォアは、親油性である。
一実施形態において、前記スペーサーは、アルキル基、例えば、合計で1〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基であり、アルキル基は、任意で置換されている。別の実施形態において、前記スペーサーは、直鎖アルキル基、例えば、−(CH−基(式中、nは少なくとも1、例えば、1、2、3、4もしくは5、または少なくとも2である)である。
一実施形態において、前記イオノフォアは、1,10−フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である。本明細書の一実施形態において、スペーサーは、1,10−フェナントロリンの2、3、4、5、6、7、8または9位の炭素原子でフェナントロリン化合物に共有結合している。
さらなる実施形態において、スペーサー(前記スペーサーは、少なくとも1個の炭素原子を含む)を介して酸性基に共有結合しているイオノフォアは、式II
Figure 2021528662
[式中、
〜Rは各々、
H、
F、Cl、Br、I、NO、CNもしくはCFのいずれか、
1〜18アルキル、
1〜18アリール、
1〜18アルケニル、
(CHY(式中、mは0または1〜4の整数であり、Yは−OR、−NR、−OCOR、−NRCOR、−COR、−COOR、−SO、−OSiR、−PO、−POのいずれかであり、R、RおよびRは各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、
−R1011(式中、nは0、または1および17を含む1〜17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH−Z−CHであり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11
Figure 2021528662
であり、R11はR11の3、4、5、6、7または8位のいずれかでR10に結合しており、R12〜R17はH、C1〜18アルキル、C1〜18アリールのいずれかであるか、または除去され、但し、R11がR11の3位でR10に結合している場合、R12が除去され、R11がR11の4位でR10に結合している場合、R13が除去され、R11がR11の5位でR10に結合している場合、R14が除去され、R11がR11の6位でR10に結合している場合、R15が除去され、R11がR11の7位でR10に結合している場合、R16が除去され、R11がR11の8位でR10に結合している場合、R17が除去される)
のいずれかである、
但し、R〜Rのうちの1つが、H以外であり、かつ1,10−フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合しており、
〜Rのうちの1つがスペーサーおよび酸性基を含み、好ましくは、RまたはRはスペーサーおよび酸性基を含む]
のフェナントロリン化合物である。
本明細書のさらなる実施形態において、R〜Rは、合計で少なくとも6個の炭素原子、例えば、6、7、8、9、10または11個の炭素原子、例えば、合計で少なくとも11個の炭素原子、例えば、11〜18個の炭素原子を含む。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、6〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つが、1〜18個の炭素原子、例えば、6〜18個の炭素原子、例えば、11〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。
別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1〜18個の炭素原子、例えば、6〜18個の炭素原子、例えば、11〜18個の炭素原子を有するアルキル基である。
別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1〜18個の炭素原子を有するアリール基である。
好ましい実施形態において、フェナントロリン化合物は、スペーサーを介して酸性基に共有結合している4−ウンデシル−1、10−フェナントロリンであり、前記スペーサーは、少なくとも1個の炭素原子、例えば、2または3個の炭素原子を含む。
別の好ましい実施形態において、フェナントロリン化合物は、スペーサーを介して酸性基に共有結合している4,7−ジウンデシル−1、10−フェナントロリンであり、前記スペーサーは、少なくとも1個の炭素原子を含む。
好ましくは、スペーサーは1〜18個の炭素原子を含む。一実施形態において、スペーサーは、少なくとも2個、例えば、少なくとも3個の炭素原子を含み、スペーサーは、1,10−フェナントロリン化合物の2、3、4、5、6、7、8または9位に共有結合している。
一実施形態において、酸性基は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸モノエステル、スルホンアミド、ホスホン酸、リン酸、ヒ酸、スルフィン酸またはチオカルボン酸からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、酸性基は、−(HPO)R、−(HPO)R(式中、RはH、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールである)、例えば、4−オクチルフェニルである。
別の実施形態において、イオノフォアは、三脚型立体化学構造、例えば、式IV、V、VIおよびVIIに示される構造のうちの1つを有する。本明細書の一つのさらなる実施形態において、酸性基は、式IV、V、VIまたはVIIに示される構造の1、2または3つのアーム上のマロンジアミド基の遠位に位置する。この文脈において「遠位」は、三脚型構造の中心に対して遠位を意味する。好ましくは、分子の1つのアームのみが、共有結合している酸性基を有する。別の実施形態において、式IV、V、VIまたはVIIに示される構造の3つのアームのうちの1つにおいて、マロンジアミド基は、酸性基で部分的または完全に置き換えられている。
可塑剤−本発明の膜は、典型的にはさらに可塑剤を含む。可塑剤の役割は、他の成分、例えば、イオノフォアを溶媒和したままにすることである。多くの好適な可塑剤、例えば、エステル、ホスホン酸塩およびエーテルは、当技術分野において記載されている。一実施形態において、可塑剤は、少なくとも5のLogP値を有する。一実施形態において、可塑剤は4−ヘキシルフェニル2−ニトロフェニルエーテル(NHPE)、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、2−ニトロフェニルデシルエーテル(NPDE)、2−ニトロフェニルウンデシルエーテル(NPUDE)、2−ニトロフェニルドデシルエーテル(ETH217)、2−ニトロフェニルテトラデシルエーテル(NPTDE)または[12−(4−エチルフェニル)ドデシル]2−ニトロフェニルエーテル(ETH8045)またはこれらのいずれかの混合物である。好ましい実施形態において、可塑剤は4−ヘキシルフェニル2−ニトロフェニルエーテル(NHPE)である。
一実施形態において、可塑剤質量とポリマーの全質量との比は、1:1.5〜4:1、例えば、1:1〜3:1、例えば、1.5:1〜7:3、例えば、2.1:1〜2:1である。
別の実施形態において、可塑剤質量と膜の他の成分の全質量との比は、2:1〜1:1、例えば、1.8:1〜1.2:1、例えば、1.6:1〜1.2:1、例えば、1.5:1〜1.3:1である。
一実施形態において、可塑剤、例えば、NHPEは、乾燥膜質量の約40%〜80%、例えば、乾燥膜質量の50%〜70%、例えば、乾燥膜質量の55%〜65%を構成する。
好ましい実施形態において、膜は、以下の表1に特定される組成を有する。
Figure 2021528662
本発明の膜を調製する方法
さらなる態様において、本発明は、成分を溶媒中で混合し、得られた溶液を所望の支持体上に分配し、溶媒を蒸発させることによって、本発明のイオン選択性膜を調製する方法に関する。任意の好適な溶媒が用いられ得る。一実施形態において、溶媒はシクロヘキサノンである。支持体は柔軟性または剛性であり得る。支持体は、好ましくは非導電性材料、例えば、ケイ素、ポリマー、プリント回路基板(PCB)、フレックスPCB、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、セラミック、アルミナ、ガラス、木材製品、フリットなどでできている。
電極および電位差測定センサー
さらなる主要な態様において、本発明は、本明細書に記載される本発明のイオン選択性膜を含む、イオン選択性電極に関する。電極は、厚膜方式、例えば、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、パッド印刷、ステンシル印刷の導電性材料、例えば、炭素、Cu、Pt、Pd、Auおよび/もしくはナノチューブなどを使用することによって、または、薄膜方式、例えば、スパッタリング、サーマルスプレーおよび/もしくはコールドスプレーの導電性材料を使用することによって支持体上に作られ得る。支持体は柔軟性または剛性であり得る。支持体は、好ましくは、非導電性材料、例えば、ケイ素、ポリマー、プリント回路基板(PCB)、フレックスPCB、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、セラミック、アルミナ、ガラス、木材製品、フリットなどでできている。
さらにさらなる主要な態様において、本発明は、2つ以上の検体電極が、参照電極を含むまたは含まない単一の支持体上に存在する、センサーアセンブリに関する(参照電極を含むセンサーアセンブリについては米国特許第5916425号を参照のこと)。いくつかの実施形態において、センサーアセンブリは、参照電極を含むまたは含まない、各々2つ以上の検体電極を含む2つの支持体でできている。支持体は、電極を有する前記支持体の表面が互いに面するように、互いの上に層状構造で配置され得る(例えば、WO2008/131767)。別の好適なセンサーアセンブリはWO2018/112017、WO2018/112012、WO2018/112008、WO2017/120464、WO2017/019609、WO2016/106320、WO2016/011308、WO2016/007716およびWO2013/163120に記載されている。
一実施形態において、システムは、生理学的濃度の、干渉する可能性のある化合物(Ca2+、KおよびNa)を含有するキャリブレーターで較正される。
いくつかの実施形態において、システムは、カルシウムイオンなどの他のカチオンの測定のための1つまたは複数の電極を含有し、したがって干渉は、カチオン活性の測定に基づく検体信号のケモメトリクス補正によって最小限に抑えられ得る。
使用および使用方法
上記のように、さらなる主要な態様において、本発明は、試料中のイオン濃度を決定するための本発明の電位差測定センサーまたは電極の使用に関する。
同様に、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と本発明の電極または本発明の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極または電位差測定センサーから得られる信号に基づきイオン濃度を決定するステップを含む、方法に関する。
検体の存在について試験される生体試料は、生理液、例えば、希釈または無希釈の全血、血清、血漿、唾液、尿、糞便、胸膜液、脳脊髄液、滑液、乳、腹水液、腹腔液または羊水であり得る。他の生体試料の例としては、発酵ブロス、培養微生物、廃水、食品などが挙げられる。
好ましい実施形態において、試料は、血液試料または血清試料である。試料、例えば、血液試料、血清試料、血漿試料または胸膜試料は、例えば、ヒト対象からの試料であり得る。
上記のように、好ましい実施形態において、膜はマグネシウムイオン選択性膜である。マグネシウムイオンレベルを決定する目的は、例えば、ヒト患者などの患者の疾患もしくは障害を診断すること、または医学療法もしくは手術などの治療を受けるか、もしくはこれらに登録される患者のマグネシウムレベルをモニターすることであり得る。一実施形態において、疾患または障害は、心血管疾患または障害である。別の実施形態において、試料は、新生児、すなわち生後28日未満の乳児からの試料である。
Zhang(2011)Am J Biomed Sci 3:301は、マグネシウムレベル、特に、低マグネシウム血症と臨床成績との関連を実証するいくつかの試験を要約する。例えば、試験は、低マグネシウム血症と、血液透析、2型糖尿病、心血管疾患または医療外科集中治療を経験するICU患者の死亡率との関連を実証した。さらに、心疾患患者において、マグネシウムの欠乏は、冠動脈攣縮、不整脈、細動、梗塞および突然死に寄与することが見出された。心肺バイパス術中のマグネシウム介入試験は、iMgの術中の補正が、術後の心室性不整脈の減少および連続した洞調律の維持に関連していることを示した。臨床治験結果はまた、卒中症状の発症後2時間以内の救急車または救急部における急性卒中患者に対するマグネシウム療法の利点を示唆する。マグネシウムのモニタリングは、低マグネシウム血症と関連づけられることが報告された状態であり、ヨーロッパおよびUSAにおける妊娠の5〜7%で発生する子癇前症においても提唱される。他の知見は、iCa:iMgの比が、子癇前症−子癇発作患者における血管系および神経系合併症の予防に極めて重要な診断パラメーターであることを示唆した。Solimanら(2003)Crit.Care Med.31:1082は、ICU滞在中のイオン化低マグネシウム血症の発症と高い罹患率および死亡率との間の相関を報告した。
したがって、さらなる実施形態において、マグネシウムイオンレベルが本発明の方法または使用で決定される試料は、例えば、急性入院患者、または医学療法もしくは手術、例えば、心臓手術、例えば、心肺バイパス術を受けるか、もしくはこれらに登録された患者からの試料であり得る。さらなる実施形態において、試料は、食物摂取不良、吸収不良障害、低カリウム血症、低カルシウム血症、アルコール依存症を有する患者から、または低マグネシウム血症に関連する利尿薬もしくは他の薬物を摂取する患者からのものである。さらなる実施形態において、試料は、腎疾患、高血圧、子癇前症、真性糖尿病、糖尿病ケトアシドーシス、不整脈、敗血症、胸痛、急性卒中、外傷性ショック(chock)、熱傷/煙吸入、急性肺疾患または心疾患、例えば、心停止を有する患者からのものである。別の実施形態において、患者は、産科病棟患者または血液透析を受けている患者である。さらに、試料は、血液透析、2型糖尿病、心血管疾患または医療外科集中治療を経験するICU患者からのものであり得る。
本発明は、以下の実施例によりさらに例示され、これは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
イオン選択性膜の調製
ヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート(MgOPP)の貯蔵液を、MgOPP 1g当たりシクロヘキサノン48.28gの比でMgOPPとシクロヘキサノン(>99.8%)とを混合して調製した。化合物を室温で混合した後、室温において暗所で最低8時間撹拌するか、または37℃で最低4時間撹拌した。
膜を分配する溶液を、以下の成分を混合して調製した。
Figure 2021528662
化合物を、アルゴンまたは窒素ガスを充填したバイアル内で室温において混合した後、室温において暗所で最低40時間撹拌するか、または37℃で最低16時間撹拌した。得られた溶液を使用して、膜を、セラミック支持体上のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT)で覆われた金電極上に分配した。その後、溶媒を蒸発させて、可塑化したイオン選択性膜を得た。
実施例2
膜完全性(ブリーディング)に対するポリマーの組成の影響
各々異なるポリマーの組成を有する4つのマグネシウムイオン選択性膜を以下の表に示すように調製した。膜Mg616およびMg626は、3%のビニルアセテートおよび6%のビニルアルコールを含有する100%のポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)を含有していた(CAS番号25086−48−0)。膜Mg616は、SP2からの製品SPP064を含有していた。膜Mg626は製品Fluka 27828(Sigma−Aldrich Selectophore(商標)グレード)を含有していた。膜Mg652は、乾燥質量比4:1でポリ(塩化ビニル)(PVC)(MW140,000)とポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)(Fluka 27827)とのポリマーブレンドを用いて調製した。膜Mg654は、乾燥質量比1:2でカルボキシル化ポリ(塩化ビニル)(cPVC)(カルボキシル化PVC−1.8%カルボキシルベース)とポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)(Fluka 27827)とを用いて調製した。
Figure 2021528662
一晩インキュベートした後、膜完全性を、微分干渉コントラスト、5倍対物レンズを用いた光学顕微鏡で調査した。結果を図1に示す。100%のポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)を含有する膜は、膜質量がセンサーキャビティ全体にわたって不均一に分布し、キャビティ上に小さな液滴が観察されたように、膜ブリーディングの徴候を示した(図1、パネルAおよびパネルB)。一方、高分子量PVCまたはカルボキシル化PVCとポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)との組み合わせを含む膜は、膜質量が均一に分布し、液滴が膜表面で観察されなかったように、ブリーディングしていなかった(図1、パネルCおよびD)。
実施例3
血液試料中のiMg濃度の決定
実施例2に記載のマグネシウムイオン選択性膜Mg652およびMg654を試験して、血液試料中のマグネシウムイオン濃度を測定するその能力について比較した。各膜を、電極アレイの3つの個々の電極上に分配した。これはCa2+イオン選択性電極も含有していた。PEDOTの代わりに、バナジウムブロンズをトランスデューサ材料として使用したことを除き、膜を実施例1に記載されるように分配した。各電極アレイを、テストアナライザ内の測定チャンバに配置した。測定チャンバは、参照電極と流体接触させた。テストアナライザには、較正液およびリンス液の液体輸送、試料の吸引、各電極位置の電位差信号のサンプリング、およびこれらのデータ取得の自動制御をプログラムした。
Mg2+イオン選択性電極を、3つの異なる比でMg2+およびCa2+イオンを含有する3種の較正液を用いて較正した。ニコルスキー−アイゼンマン(NE)の式を、IFCCガイドラインに従ってセンサー応答モデルとして使用した(Ben Rayanaら(2008)Clin Chem Lab Med46(1):21)。状態値(E0)、感度(S)およびCa2+イオンに対するMg2+イオンの選択係数(K)を、較正液で得られた電極信号に基づき決定した。Ca2+イオン選択性電極も較正した。3種の血液試料:さらなる添加なしの1種の血液試料、ならびに1mM Mg2+および2mM Mg2+が各々添加された2種の血液試料を調製した。各試料を5回アッセイした。各Mg2+イオン選択性電極について、試料中のMg2+イオンの濃度(cMg)を、試料測定前に電極について決定した較正パラメーター(E0、SおよびK)の値およびCa2+イオン選択性電極で決定したCa2+イオンの濃度を利用して、特定の試料で得られた信号から算出した。その後、得られたcMg値に対する血液補正は行われなかった。以下の結果は、NOVA−CCXアナライザでの参照cMg測定値と比較したこれらの未補正のcMg値の偏差を示す。
結果
膜Mg652(PVC:コポリマー4:1)
Figure 2021528662
膜Mg654(cPVC:コポリマー1:2)
Figure 2021528662
結果からは、両方の膜が血液試料の良好な再現性および直線性を有していたが、膜Mg654は、膜Mg652より参照からの平均偏差(AVG)(バイアス)が小さかった(17.6%/31.6%/39.05%対49.9%/61.1%/66.2%)ことが分かる。
さらに、3つの膜間の偏差(標準偏差、STDEV)は、膜Mg652よりも膜Mg654でより小さかった(0.4%/0.9%/0.8%対3.5%/3.6%/2.7%)。
実施例4
単一のポリマーまたはポリマーブレンドを含む膜の性能
8つの膜を調製して、膜の性能に対するポリマー種およびそのブレンドの影響を試験した。4種のポリマー種:PVC、cPVC、SPP911およびF27827が試験に含まれた。
組成が以下の通りであることを除き、8つの膜を実施例1に記載されるように調製した。ポリマー(複数可)の全質量と共通する膜成分の全乾燥質量との間で確実に一定の比になるような組成にした。
Figure 2021528662
Figure 2021528662
各膜を、同一の電極アレイ上に各々配置された4つの同一の電極上に分配した。これは、Ca2+イオン選択性電極も含有していた。膜を実施例1に記載されるように分配した。各電極アレイを実施例3に記載されるようにテストアナライザ内の測定チャンバに配置した。
Mg2+イオン選択性電極を、実施例3に記載されるように較正したが、他のセンサー、例えば、Na、K、Ca、Cl、pH、pO、pCO、グルコースおよび乳酸センサーの同時較正に好適なより複雑な溶液マトリックスで較正した。Ca2+イオン選択性電極も較正した。次いで、較正したセンサーを、以下での測定に供した:
・ SSM(単独液法)溶液:一方の試料が100mM Mg2+イオンを含有し、他方の試料が100mM Ca2+イオンを含有する、2種の水性試料。試料はいずれも、37℃でpH=7.4に滴定した5mM HEPESバッファーおよび160mMのイオン強度(NaClの添加により調整)の一定のバックグラウンドを有していた。
・ FIM(固定干渉法)溶液:1.25mM Ca2+イオン、37℃でpH=7.4に滴定した5mM HEPESバッファーおよび160mMのイオン強度(NaClの添加により調整)の一定のバックグラウンドで、様々な濃度のMg2+イオン{0.01;0.05;0.10;0.50;1.00;5.00;10.00;50.00}を有する8種の水性試料。
・ 標準溶液:1.25mM Ca2+イオン、37℃でpH=7.4に滴定した5mM HEPESバッファーおよび160mMのイオン強度(NaClの添加により調整)の一定のバックグラウンドにおける、0.2mM〜2.5mMのMg2+イオンの生理学的に適切な濃度範囲に及ぶ5種の水性試料。
・ pH溶液:37℃で各々6.8、7.4および7.8の「低」、「正常」および「高」pH値を有する3種の水性試料。すべて、0.50mM Mg2+イオン、1.25mM Ca2+イオン、5mM HEPESバッファーおよび160mMのイオン強度(NaClの添加により調整)の一定のバックグラウンドを有する。
・ Zn溶液:ヒト血漿中の「正常」、「高」および「超高」濃度の潜在的干渉Zn2+イオン。2種の後者の試料を、わずかな量の10mM ZnCl貯蔵液を添加し、それにより、試料Mg2+イオンの何らかの有意な希釈なしに、添加されたZn2+イオン濃度を各々27μMおよび156μMにすることにより、「正常」試料と同じ血漿プールから調製した。
SSMおよび/またはFIM溶液での測定から決定した選択係数
Figure 2021528662
および感度は、Umezawaら(2000)Pure Appl Chem 72:1851に記載される単独液法(SSM)および固定干渉法(FIM)に従って電極信号に基づき直接算出した。
Figure 2021528662
Figure 2021528662
Figure 2021528662
Figure 2021528662
結論
試験された膜はすべてFIM溶液で広がる上位のcMg範囲において直線的な応答勾配になり、応答勾配は、二価イオンに対する理論上予想されるNernstの感度(約30mV/decade)に近い(表2)。1種のポリマー種のみを含有する4つの膜のうち、低分子量コポリマー(「SPP911」および「F27827」)に基づく2つの膜は、高分子量ポリマー(「PVC」および「cPVC」)に基づく2つの膜と比較して、Ca2+イオンよりMg2+イオンに選択的に応答する。すなわち、膜「SPP911」および「F27827」は、より低い選択係数
Figure 2021528662
を有する。しかし、低分子量コポリマーの使用による欠点は、膜完全性に関する問題(実施例2を参照のこと)に加えて、得られた膜がpHおよびZn2+イオンからの干渉の増加を示すことである。表3および4を参照のこと。
代わりに、低分子量コポリマー(SPP911およびF27827)と高分子量ポリマー(PVCまたはcPVC)とのブレンドを使用した場合、膜完全性に対する要件、Ca2+と比べて高いMg2+選択性およびpHおよびZn2+からの干渉のバランスが取れた膜(「PVC+SPP911」、「PVC+F27827」、「cPVC+SPP911」および「cPVC+F27827」)が得られ得る。
他のセンサー、例えば、Na、K、Ca、Cl、pH、pO、pCO、グルコースおよび乳酸センサーの同時較正に好適である、複雑な溶液バックグラウンドで膜を較正すると、較正された感度および選択係数と、FIMおよびSSM溶液に基づくこれらとの間で良好な一致が、感度および/または選択係数に対して最大の偏差を示す「PVC」および「PVC+SPP911」を除き、すべての膜で得られる(表2)。これは、これらの2つの膜が、他の膜よりも、複雑な溶液バックグラウンドの較正溶液中の物質、すなわち、血液中にも存在する物質による影響を受けることを示す。これは、cPVCに基づく膜が、PVCに基づく膜より低い血液バイアスを有する実施例3に提示される結果と一致する。したがって、PVCに基づく膜は、標準溶液での測定がより不正確である(表5)。例えば、cPVCに基づく膜と比較して、その勾配値は、1から大きく外れ、その切片値は、0から大きく外れる。

Claims (27)

  1. イオノフォアおよびポリマーブレンドを含むイオン選択性膜であって、前記ポリマーブレンドが、
    a.カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)またはポリ(塩化ビニル)である第1のポリマーであり、分子量が、100,000〜500,000である、第1のポリマーと、
    b.塩化ビニルと、親水性基を有する少なくとも1つのさらなるモノマー基とのコポリマーである第2のポリマーであり、分子量が100,000未満である、第2のポリマーと
    を含み、
    前記第1のポリマーがカルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である場合、前記第2のポリマーが前記第1のポリマーより多くの親水性基を有する、
    膜。
  2. 前記第1のポリマーが、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である、請求項1に記載の膜。
  3. 前記第2のポリマーが、前記第1のポリマーの少なくとも1.5倍の親水性基、前記第1のポリマーの、例えば、少なくとも2倍、例えば、少なくとも4倍、例えば、少なくとも5倍、例えば、少なくとも10倍の親水性基を有する、請求項2に記載の膜。
  4. 前記カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)が、0.1%〜10%カルボキシル化されている、例えば、0.5%〜5%カルボキシル化されている、例えば、1%〜3%カルボキシル化されている、例えば、1.8%カルボキシル化されている、請求項2または3に記載の膜。
  5. 前記第1のポリマーがポリ(塩化ビニル)である、請求項1に記載の膜。
  6. 前記第1のポリマーの分子量が、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、130,000〜400,000、例えば、130,000〜300,000、例えば、130,000〜250,000である、請求項1から5のいずれか一項に記載の膜。
  7. 前記さらなるモノマーが、ビニルアルコール、ビニルエステルまたはヒドロキシ官能性アクリレート、例えば、ヒドロキシルプロピルアクリレートまたはヒドロキシプロピルメタクリレートである、請求項1から6のいずれか一項に記載の膜。
  8. 前記第2のポリマーが、塩化ビニル、ビニルアセテート、ビニルアルコールと、任意で、アクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸などの親水性基を含むさらなるモノマーとのコポリマーである、請求項1から7のいずれか一項に記載の膜。
  9. 前記第2のポリマーが、ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)である、請求項1から8のいずれか一項に記載の膜。
  10. 前記ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)が、75%〜98%の塩化ビニル、例えば、85%〜95%の塩化ビニル、例えば、89%〜93%の塩化ビニル、例えば、91%の塩化ビニルを含む、請求項9に記載の膜。
  11. 前記ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)が、1%〜20%のビニルアセテート、例えば、1%〜10%のビニルアセテート、例えば、1%〜5%のビニルアセテート、例えば、3%のビニルアセテートを含む、請求項9または10に記載の膜。
  12. 前記ポリ(塩化ビニル−co−ビニルアセテート−co−ビニルアルコール)が、1%〜15%のビニルアルコール、例えば、1%〜10%のビニルアルコール、例えば、4%〜8%のビニルアルコール、例えば、6%のビニルアルコールを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の膜。
  13. 第2のポリマーの分子量が、100,000未満、例えば、30,000〜90,000、好ましくは60,000〜80,000、例えば、70,000である、請求項1から12のいずれか一項に記載の膜。
  14. 膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比が、10:1〜1:5、例えば、4:1〜1:4、例えば、2:1〜1:3、例えば、2:3〜3:7、例えば、1:2である、請求項1から13のいずれか一項に記載の膜。
  15. 膜が、可塑剤、例えば、少なくとも5のLogP値を有する可塑剤をさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の膜。
  16. 可塑剤が4−ヘキシルフェニル2−ニトロフェニルエーテル(NHPE)、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、2−ニトロフェニルデシルエーテル(NPDE)、2−ニトロフェニルウンデシルエーテル(NPUDE)、2−ニトロフェニルドデシルエーテル(ETH217)、2−ニトロフェニルテトラデシルエーテル(NPTDE)または[12−(4−エチルフェニル)ドデシル]2−ニトロフェニルエーテル(ETH8045)またはこれらのいずれかの混合物であり、好ましくは、可塑剤が4−ヘキシルフェニル2−ニトロフェニルエーテル(NHPE)である、請求項15に記載の膜。
  17. イオノフォアが、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンに対して選択性である、請求項1から16のいずれか一項に記載の膜。
  18. イオノフォアが、式II
    Figure 2021528662
    [式中、
    〜Rは各々、
    H、
    F、Cl、Br、I、NO、CNもしくはCFのいずれか、
    1〜18アルキル、
    1〜18アリール、
    1〜18アルケニル、
    (CHY(式中、mは0または1〜4の整数であり、Yは−OR、−NR、−OCOR、−NRCOR、−COR、−COOR、−SO、−OSiR、−PO、−POのいずれかであり、R、RおよびRは各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、または
    −R1011(式中、nは0、または1および17を含む1〜17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH−Z−CHであり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11
    Figure 2021528662
    であり、R11はR11の3、4、5、6、7または8位のいずれかでR10に結合しており、R12〜R17はH、C1〜18アルキル、C1〜18アリールのいずれかであるか、または除去され、但し、R11がR11の3位でR10に結合している場合、R12が除去され、R11がR11の4位でR10に結合している場合、R13が除去され、R11がR11の5位でR10に結合している場合、R14が除去され、R11がR11の6位でR10に結合している場合、R15が除去され、R11がR11の7位でR10に結合している場合、R16が除去され、R11がR11の8位でR10に結合している場合、R17が除去される)
    のいずれかである、
    但し、R〜Rのうちの1つが、H以外であり、かつ1,10−フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合している]
    のフェナントロリン化合物である、請求項1から17のいずれか一項に記載の膜。
  19. イオノフォアが4−ウンデシル−1,10−フェナントロリンまたは4,7−ジウンデシル−1,10−フェナントロリンである、請求項1から18のいずれか一項に記載の膜。
  20. 膜が、酸性基を含む親油性化合物を含み、前記親油性化合物が、式I
    Figure 2021528662
    (式中、
    Aは酸性基であり、
    18、R19およびR20のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C4〜18アルキル基、C4〜18アルケニル基、C4〜18アルキニル基またはアミド含有C4〜18基であるC4〜18基であり、前記C4〜18基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
    他のR18、R19およびR20は、独立に、水素または直鎖C1〜18アルキル基である)
    の化合物であり、または、
    前記膜が、前記親油性化合物の塩をさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の膜。
  21. 化合物が親油性塩であり、前記塩が、ヘミカルシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート、ヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェート、ヘミカルシウムビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ホスフェート、ヘミマグネシウムビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ホスフェート、またはヘミカルシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートとヘミマグネシウムビス[4−オクチルフェニル]ホスフェートとの混合物である、請求項20に記載の膜。
  22. 膜がスペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアであって、前記スペーサーが少なくとも1つの炭素原子を含む、イオノフォア、またはその塩を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の膜。
  23. マグネシウムイオン選択性膜を調製する方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の成分を溶媒中で混合するステップと、得られた溶液を所望の支持体上に分配するステップと、前記溶媒を蒸発させるステップとを含む、方法。
  24. 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電極であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の膜を含む、電極。
  25. 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、請求項24に記載の電極および参照電極を含む、電位差測定センサー。
  26. 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と請求項24に記載の電極または請求項25に記載の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極または電位差測定センサーから得られる信号に基づき前記マグネシウムイオン濃度を決定するステップとを含む、方法。
  27. 疾患または障害を診断する方法であって、請求項26に記載の方法を対象の試料について行うステップを含む、方法。
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