JP2021523569A - 磁気トンネル接合構造及びその製造方法 - Google Patents

磁気トンネル接合構造及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本明細書で説明される磁気トンネル接合(MTJ)構造の実施形態が、クロム(Cr)、NiCr、NiFeCr、RuCr、IrCr、若しくはCoCr、又はそれらの組み合わせのうちの1以上の層であるシード層を採用する。これらのシード層は、1以上のピンニング層と組み合わせて使用され、シード層と接触している第1のピンニング層は、コバルトの単一層を含んでよく、又はコバルトとプラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)との二重層に組み合わされたコバルトを含んでよい。第2のピンニング層は、第1のピンニング層と同じ組成及び構成であってよく、又は異なる組成若しくは構成であってよい。本明細書で説明されるMTJ積層体は、高温アニーリングの後で所望の磁気的特性を維持する。
【選択図】図2A

Description

[0001] 本開示の実施形態は、広くは、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)用途のための磁気トンネル接合構造を製造することに関する。
[0002] スピントランスファートルク磁気ランダムアクセスメモリ、すなわちSTT-MRAMは、そのメモリセルに磁気トンネル接合構造を採用し、2つの強磁性層が、薄い絶縁層又は「誘電体」層によって互いから離間されている。磁性層の一方は、固定された磁気極性を有し、他方は、2つの状態の間で選択的に変更可能な磁気極性を有する。磁性層が、垂直磁気異方性を有する場合、変更可能な極性層の極性は、磁気トンネル接合構造すなわち「MTJ」構造を含む膜層の積層体の深さ方向において、固定された極性層と同じ極性を有するか、又は固定された極性層とは逆の極性を有するかの間で切り替えることができる。MTJの両端間の電気抵抗は、固定された極性層に対して変更可能な極性層の極性の関数である。2つの層の極性が、MTJの深さ方向において同じである場合、MTJの両端間の電気抵抗は低く、MTJの深さ方向において互いに逆である場合、MTJの両端間の電気抵抗は高くなる。したがって、メモリセルの両端間の電気抵抗は、1又は0の値を示すために使用することができ、したがって、例えば、低抵抗状態を1のデータ値を有するものとして使用し、高抵抗状態を0のデータ値として使用することによって、データ値を記憶することができる。
[0003] MTJが、非磁性層によって分離された2つ以上の強磁性層を含む合成反強磁性(SAF)である場合、SAF結合は、その高温処理、例えば、摂氏約400度以上の温度での処理の後に失われ得る。
[0004] MTJ積層体を形成するために、プラチナ(Pt)又はルテニウム(Ru)を含むシード層を含む膜層の積層体を使用して、適切な結晶配向(ここでは、面立方中心<111>配向)を、上にあるピンニング層内に確保し、垂直磁気等方性又はPMAをその内部に確立する。MRAMセルを適切に形成するために、膜積層体を摂氏約400度で、約0.5から3時間だけアニールする。しかし、このアニーリング中に、ピンニング層内の結晶格子並びにその結果として生じる結晶及び磁極の配向が失われるか、又は少なくとも部分的に失われ、その結果、所望の(SAF)結合が失われる。
[0005] したがって、改善されたMTJ積層体が絶えず必要とされている。
[0006] 本開示は、広くは、メモリセルに使用される磁気トンネル接合(MTJ)積層体の設計及び製造に関する。一実施例では、デバイスが、磁気トンネル接合積層体を含む。磁気トンネル接合積層体は、緩衝層と接触しているシード層を含み、シード層は、クロム(Cr)を含み、第1のピンニング層が、シード層と接触している。第1のピンニング層は、複数の二重層から形成され、複数の二重層の各二重層は、コバルト(Co)から形成された第1の中間層、及び、プラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)から形成された第2の中間層を含む。MTJ積層体は、第1のピンニング層と接触している結合層、及び結合層と接触している第2のピンニング層を更に含む。
[0007] 別の一実施例では、磁気トンネル接合積層体が、緩衝層上に形成されたシード層を含み、シード層は、クロム(Cr)を含み、第1のピンニング層が、シード層上に形成され、第1のピンニング層は、第1の複数の二重層を含む。第1の複数の二重層の各二重層は、コバルト(Co)から形成された第1の中間層、及び、プラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つから形成された第2の中間層を含む。MTJ積層体は、第1のピンニング層上に形成された結合層、及び結合層上に形成された第2のピンニング層を更に含んでよく、第2のピンニング層は、コバルト(Co)を含む。
[0008] 別の一実施例では、磁気トンネル接合積層体が、緩衝層上に形成されたクロム(Cr)を含む厚さ1Åから100Åのシード層、並びにシード層上に形成された1Åから100Åの厚さを有する第1のピンニング層を含み、第1のピンニング層は、第1の複数の二重層、及び第1の複数の二重層の上に形成された第1のコバルト上層を含む。MTJ積層体は、第1のピンニング層と第1のコバルト上層との間に形成された結合層と、結合層上に形成された1Åから100Åの厚さを有する第2のピンニング層であって、第2の複数の二重層を含む第2のピンニング層と、第2のピンニング層上に形成された構造ブロッキング層とを更に含む。前記構造ブロッキング層は、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、又はタングステン(W)のうち少なくとも1つを含み、1Åから8Åの厚さを有する。MTJ積層体は、構造ブロッキング層上に形成された磁気基準層、磁気基準層上に形成されたトンネルバリア層、及びトンネルバリア層上に形成された磁気記憶層を更に含む。
[0009] 上述の本開示の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
[0010] 例示的な磁気トンネル接合(MTJ)積層体の概略図である。 [0011] 本開示の実施形態による、図1Aの磁気トンネル接合(MTJ)積層体を含むメモリデバイスを製造する方法のフロー図である。 [0012] 本開示の実施形態による、MTJ積層体の概略図である。 [0013] 本開示の実施形態による、MTJ積層体の緩衝層の拡大図である。 [0014] 本開示の実施形態による、MTJ積層体の第1のピンニング層の拡大図である。 [0015] 本開示の実施形態による、MTJ積層体の第2のピンニング層の拡大図である。 [0016] 本開示の実施形態による、MTJ積層体の例示的な磁気記憶層の拡大図である。 [0017] 本開示の実施形態による、MTJ積層体の例示的なキャッピング層の拡大図である。
[0018] 理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに、同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられている。
[0019] 本開示の実施形態は、磁気トンネル接合(MTJ)積層体、並びにSTT MRAMメモリセル及びメモリに関する。ここで、MTJ積層体は、上部及び下部電極を含む膜積層体内に組み込まれ、MTJ積層体は、それらの間に挟まれ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)内で使用される複数のメモリセルを形成するために使用され得る。MRAMの各MTJ積層体内には、2つの磁性層が存在し、一方の磁性層は固定された極性を有し、他方は、層の両端間に電圧を印加するか、又はその磁性層に電流を印加することによって切り替えることができる極性を有する。MRAMの両端間の電気抵抗は、第1の磁性層と第2の磁性層との間の相対的な極性に基づいて変化する。第1の磁性層と第2の磁性層は、本明細書では、磁気基準層と磁気記憶層と称される。MTJ積層体から形成されたメモリセルは、メモリセルの両端間に印加された電圧、又はメモリセルを通過する電流が存在するときに動作する。十分な強度の電圧の印加に応じて、切り替え可能な磁性層の極性が変更され得る。加えて、メモリセルの抵抗は、磁気記憶層の磁気極性を切り替えるために必要とされる閾値を下回る比較的低い電圧で、メモリセルの両端間の電流対電圧の関係性を測定することによって特定され得る。
[0020] 本明細書で説明される基本的なMTJ積層体は、基板上に薄膜層を堆積させ、究極的にはそれらの堆積した膜層をパターニングし、エッチングするために、複数の堆積チャンバを使用して形成される。本明細書で説明されるMTJ積層体を形成するために使用される堆積チャンバは、物理的気相堆積(PVD)チャンバを含む。ここで、PVDチャンバを使用して、MTJ積層体の複数の薄膜層を形成する。したがって、MTJ積層体は、緩衝層、緩衝層上のシード層、シード層上の第1のピンニング層、第1のピンニング層上の合成反強磁性(SAF)結合層、SAF層上の第2のピンニング層、及び第2のピンニング層上のブロッキング層を含む。本明細書で説明されるPVDの動作では、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、及び/又はキセノン(Xe)などの不活性ガス又は希ガスが、チャンバが減圧状態に維持されている間に、スパッタリングチャンバ内のプラズマとしてイオン化される。PVDプロセスチャンバは、少なくとも1つのスパッタリングターゲット、及びスパッタリングターゲットの概して平坦な表面に対向して配置された基板を更に含む。スパッタリングターゲットは、電気的に駆動されるように電源に接続されるか、又は、プラズマを介して電源の回路内の陰極状態を自己確立して、例えば、スパッタリングチャンバの接地部分を接地する。基板は、スパッタリングチャンバ内のペデスタル又は他の構造上に配置され、これは、浮遊電位であっても、接地に接続されても、又はバイアスされて、アノード若しくは接地回路にプラズマするために、カソードターゲット内にアノードを形成してもよい。スパッタリングチャンバ内の不活性ガス原子の正にイオン化された部分は、負にバイアスされたターゲットに電気的に引き付けられ、したがって、プラズマのイオンがターゲットに衝突し、それによって、ターゲット材料の原子を放出させ、基板上に堆積させて、(1以上の)ターゲット材料から成る薄膜を基板上に形成する。
[0021] 化合物の薄膜を形成するために、この化合物を含むスパッタリングターゲットを、Arプラズマと共に、PVDチャンバ内で使用することができる。別の一実施例では、それぞれが基板上に膜として形成される化合物の1以上の元素を含む複数のスパッタリングターゲットが、PVDチャンバ内に存在し、Arプラズマと共に使用されて、所望の化合物を形成する。更に、MTJ積層体の層を形成するための本明細書で使用されるPVDの動作では、金属-酸化物又は金属-窒化物スパッタリングターゲットの何れかを使用して、金属-酸化物及び金属-窒化物を形成する。代替的な実施形態では、Arプラズマ及び酸素(O2)又は窒素(N2)の何れかがPVDチャンバ内に存在する間に、金属酸化物又は金属窒化物の金属から成る1以上の金属のスパッタリングターゲットをスパッタリングすることによって、金属-酸化物層又は金属-窒化物層が、PVDチャンバ内で形成される。一実施例では、PVDチャンバが、内部に配置された複数のスパッタリングターゲットを有し、PVDチャンバ内の各スパッタリングターゲットは、電源によってバイアスされて、負のDCバイアスを直接印加することによってか、又はターゲット上にカソード状態を電気的に駆動若しくは自己確立するための波形を使用することによって、或いはそれらの組み合わせの何れかで、その上に負のバイアスを確立する。この実施例では、PVDチャンバの内側のシールドが、複数のターゲットのうちの1以上を遮断するように構成され、チャンバ内の他のスパッタリングターゲットをプラズマから保護しながら、基板上に薄膜を形成するために、PVDチャンバ内に形成されたプラズマのイオンが、ターゲットのうちの少なくとも1つに衝突して、そこからターゲット材料原子を放出又はスパッタリングすることを可能にしている。この実施例では、1以上のターゲットが、Arプラズマに曝露され、それらのスパッタリングは、連続的に又は同時に基板上に所望の膜組成を形成する。O2又はN2が、それぞれ基板上での膜層生成のために、Arプラズマに加えて使用されるときには、別個のPVDチャンバが使用されて、金属-酸化物及び金属-窒化物層を形成する。
[0022] PVDシステムは、中央ロボット基板移送チャンバに結合された1以上のPVDスパッタリングチャンバを含んでよい。中央ロボット基板移送チャンバは、それに結合された装填ステーションと、それに連結されたスパッタリングチャンバとの間で、基板を移動させるように構成される。PVDシステムは、例えば、10×10−9Torrのベース減圧に維持される。それによって、その上にMTJ積層体が形成されている基板が、その上でのMTJ膜層積層体の製造中にPDVチャンバの間で及びPVD間で移動されるときに、外部の雰囲気に曝露されない。基板上にMTJ膜層積層体の最初の膜層を形成する前に、基板は、減圧チャンバ内でガス抜きされ、Arガスプラズマを使用して、又は中央ロボット移送チャンバに連結された専用の予洗浄チャンバ内のHe/Hガスプラズマ内で予洗浄される。1以上のPVDチャンバを使用してMTJ積層体を製造している間に、Ar、Kr、He、又はXeなどの1以上の希スパッタリングガス又は不活性スパッタリングガスを、PVDチャンバのそれぞれの中に配置することができる。ガスはイオン化されてチャンバ内にプラズマを生成し、プラズマのイオンは負にバイアスされた(1以上の)スパッタリングターゲットに衝突して、ターゲットから表面原子を放出させ、PVDスパッタリングチャンバ内に位置付けられた基板上に(1以上の)ターゲット材料の薄膜を堆積させる。一実施形態では、1以上のPVDチャンバ内の処理圧力が、約2mTorrから約3mTorrであってよい。実施形態に応じて、PVDプラットフォームのチャンバは、MTJ積層体の少なくともシード層、第1及び第2のピンニング層、SAF層、並びに緩衝層の製造中に、摂氏-200度から摂氏600度に保持される。
[0023] 図1Aは、磁気トンネル接合(MTJ)積層体の概略図である。図1Aは、タングステン(W)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(Ti)の導電層、又はそれらから形成された他の金属層を有する、基板102を含む従来のMTJ積層体100Aを示している。幾つかの実施例では、基板102が、1以上のトランジスタ、ビット若しくはソースライン、及び他のメモリライン(前もってその中又はその上に製造されている)を含み、又は、MRAMメモリで使用され、前もってその上に製造若しくは形成されている他の素子を含む。その上にMTJ積層体が形成される基板は、200mm未満の直径、200mmの直径、約300mmの直径、約450mmの直径、又は他の直径を含む寸法を有してよく、円形又は矩形若しくは正方形の板を有してよい。
[0024] 従来のMTJ積層体100Aの緩衝層104は、内部に基板を有するPVDチャンバ内で1以上のターゲットをスパッタリングすることによって基板102上に形成され、ここでは、CoxFeyBz、TaN、Ta、又はそれらの組み合わせのうちの1以上の層を含む。シード層106は、PVDチャンバ内でのスパッタリングを介して、緩衝層104の上に形成される。緩衝層104は、基板へのシード層106の接着を改善するために、従来のMTJ積層体100A内で使用される。ここで、シード層106は、プラチナ(Pt)又はルテニウム(Ru)を含み、内部に基板を有するPVDチャンバ内で、Pt若しくはRu又はそれらの合金のターゲットを、スパッタリングすることによって形成される。シード層106は、緩衝層104とシード層106との間の格子不整合を低減させ又は排除することによって、従来のMTJ積層体100A内で続いて堆積する層の接着及びシーディング(seeding)を改善するために使用され得る。
[0025] 第1のピンニング層108が、スパッタリングによってシード層106上に形成される。第1のピンニング層108は、ここで、コバルト(Co)層、1以上のCo含有二重層、又はコバルト層と1以上のCo含有二重層との組み合わせを含む。合成反強磁性(SAF)結合層110は、ここで、スパッタリングによって第1のピンニング層108の上に形成される。SAF結合層110は、そのターゲットからスパッタリングされたルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、Cr、又はイリジウム(Ir)から形成されてよい。第2のピンニング層112は、スパッタリングによってSAF結合層110の上に形成される。第2のピンニング層112は、ここで、それぞれ、Co、Pt、又はCo-Ptから成るターゲットをスパッタリングすることによって形成される、単一のコバルト(Co)層、少なくとも1つのコバルト-プラチナ二重層、又はコバルト層と1以上のCo含有二重層との組み合わせ、例えばCo-Pt二重層から形成される。SAF結合層110は、第1のピンニング層108と第2のピンニング層112との間に位置付けられ、第1のピンニング層108と第2のピンニング層112の表面原子を、磁場に曝露すると、SAF結合層110の表面原子と整列し、それによって、第1のピンニング層108と第2のピンニング層112の配向をピンニング(ピン止め)する。第1のピンニング層108と第2のピンニング層112は、それぞれ、同様な磁気モーメントを示し、したがって、外部磁場が従来のMTJ積層体100Aに印加されたときに、同様に反応することとなる。SAF結合層110は、第1のピンニング層108と第2のピンニング層112の磁気モーメントの逆平行(anti-parallel)位置合わせを維持する。
[0026] 第2のピンニング層112の上には、ここで、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、又はこれらの組み合わせを含む構造ブロッキング層114が形成される。構造ブロッキング層114は、第1のピンニング層108及び第2のピンニング層112の結晶構造とは異なるその結晶構造のために使用される。構造ブロッキング層114は、従来のMTJ積層体100Aと、MRAMメモリセルを形成するために従来のMTJ積層体100Aに結合され得る金属接点との間の短絡の形成を防止する。
[0027] 更に、従来のMTJ積層体100Aでは、磁気基準層116が、PVDチャンバ内でスパッタリングすることによって、構造ブロッキング層114の上に形成される。トンネルバリア層118が、磁気基準層116の上に形成され、磁気記憶層120が、トンネルバリア層118の上に形成される。トンネルバリア層118、磁気基準層116、及び磁気記憶層120のそれぞれは、それぞれ、1以上のPVDチャンバ内でArプラズマの存在下でスパッタリングすることによって形成される。磁気基準層116と磁気記憶層120は、それぞれ、組成が異なり得るCoxFeyBz合金を含む。更に、磁気記憶層120は、Ta、Mo、W、若しくはHf、又はそれらの組み合わせのうちの1以上の層を含んでよい。トンネルバリア層118は、絶縁材料を含み、MgOのような誘電体材料から製造されてよい。従来のMTJ積層体100Aのトンネルバリア層118内で大きなトンネル磁気抵抗比(TMR)を生成するように、トンネルバリア層118の組成及び厚さが選択される。TMRは、従来のMTJ積層体100A内の抵抗の逆平行状態(Rap)から平行状態(Rp)への変化を測定したものであり、式((Rap-Rp)/Rp)を用いてパーセントで表すことができる。従来のMTJ積層体100Aにバイアスを印加すると、トンネルバリア層118は、スピン偏極電子によって横断され、このトンネルバリア層118を通る電子の透過は、磁気基準層116と磁気記憶層120との間の導電性をもたらす。
[0028] PVDチャンバ内でのスパッタリングで、キャッピング層122が、磁気記憶層120上に形成され、ここで、複数の中間層を含む。キャッピング層122の複数の中間層は、MgOなどの誘電体材料から製造された第1のキャッピング中間層122Aを含む。Ru、Ir、Ta、又はそれらの組み合わせなどの金属材料を含む第2のキャッピング中間層122Bが、第1のキャッピング中間層122Aの上に形成される。第1のキャッピング中間層122Aは、ハードマスクエッチングのためのエッチング停止層として作用し、MTJ積層体100Aを腐食から保護する。第2のキャッピング中間層122Bは、図1Bで示され、以下で説明されるように、従来のMTJ積層体100Aが後でパターニングされるときに、トランジスタ又は接点と電気的に通じるように構成されている。ハードマスク層124は、スパッタリングによってPVDチャンバ内で形成され、第2のキャッピング中間層122Bの上に形成されて、従来のMTJ積層体100Aを保護し、その後の動作中にパターニングされてよい。
[0029] 図1Bは、MTJ積層体100A、及び、本開示の実施形態に従って製造され図2A〜図2Fで示されるMTJ積層体を含む、メモリデバイスを製造する方法100Bのフロー図である。方法100Bは、スパッタリングによって薄膜層を堆積させるように構成されたPVDシステムの複数のPVDチャンバにおいて部分的に実行される。基板102は、PVDシステムの中央ロボット移送チャンバを介して、スパッタリングチャンバの間及びスパッタリングチャンバ間で移動されて、図1Aのもの及び本開示の実施形態に従って製造される以下で図示され説明されるものを含む、様々な薄膜層を形成することができる。別の一実施例では、上述のように、複数のスパッタリングターゲットが、PVDチャンバ内に配置され、PVDチャンバの内側のシールドが、複数のスパッタリングターゲットを、プラズマへの曝露から選択的に保護し、又はあるターゲットをプラズマに曝露するように構成されている。シールドは、方法100Bの種々の動作で回転されて、連続的に又は同時に、2以上のターゲットをPVDチャンバ内のプラズマに曝露する。
[0030] したがって、図1Aの層は、方法100Bに関して本明細書で参照される。方法100Bの動作は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、酸素(O2)、又は窒素(N2)を含む1以上のガスを使用して、1以上のPVDチャンバ内で実行される。PVDチャンバ内の処理圧力は、方法100B中に、約2mTorrから約3mTorrであってよい。実施形態に応じて、PVDチャンバは、MTJ積層体のピンニング層及びシード層の製造中に、摂氏−200度から摂氏600度に保持されてよい。
[0031] 基板102は、MTJ積層体100Aの各層に使用される(1以上の)スパッタリングターゲットの組成に応じて、PVDチャンバの間及びPVDチャンバ間で移動することができ、又は本明細書で説明されるように、複数のターゲットが電源に接続され、シールドがターゲットの一部を選択的に保護するように構成され、それによって、1以上のターゲットが、連続的に若しくは同時に露出され、所望の膜組成を形成するか、又は両方の技法を実行することができる。PVDチャンバ内でのスパッタリング中に、プラズマのArイオンが、1以上の露出したスパッタリングターゲットに衝突し、スパッタリングターゲットの表面原子を放出させ、基板上に薄膜として堆積させる。方法100Bでは、動作128Aで、図1Aの基板102などの基板が、ガス抜きを含む動作を受け、Arガスプラズマ内又はHe/Hプラズマ内で予洗浄され、中央ロボット基板移送チャンバを通して又はそれを介して処理チャンバ間で移動される。動作128Bでは、基板102が、中央ロボット基板移送チャンバから複数のPVDチャンバのうちのPVDチャンバに移送される。続いて、動作130では、緩衝層104が、PVDチャンバのターゲットにおけるスパッタリングによって、基板102上に堆積される。1kWから100kWの電力が、本明細書で説明される1以上のPVDチャンバに印加されて、Arの一部分をイオン化し、動作130で使用されるプラズマを生成する。ターゲットの放出された表面原子は、基板102上に堆積して、緩衝層104を形成する。動作130で緩衝層104を形成する間、CoxFeyBz、TaN、及び/又はTaを含む1以上のスパッタリングターゲットが、Arプラズマと共にPVDチャンバ内で使用されて、緩衝層104を形成する。緩衝層104がTaであるか又はTaを含む一実施形態では、緩衝層104が、Taターゲット及びArプラズマを使用して、PVDチャンバ内でスパッタリングされる。緩衝層104がTaNであるか又はTaNを含む一実施例では、窒素ガス(N2)が、Arプラズマ及びTaスパッタリングターゲットと共にPVDチャンバ中に存在するときに、動作130が実行されて、TaN緩衝層104を形成する。緩衝層104がTaNであるか又はTaNを含む別の一実施例では、動作130が、TaNスパッタリングターゲット及びArプラズマを使用して、PVDチャンバ内で実行されて、TaN緩衝層104を形成する。緩衝層104及びそれに続く層の形成中に、使用される1以上のPVDチャンバは、減圧に維持される。
[0032] 続いて、動作132では、シード層106が、PVDチャンバ内でターゲットをスパッタリングすることによって緩衝層104上に堆積される。動作132の一実施形態では、シード層106が、緩衝層104を形成するために使用されるスパッタリングターゲットとは異なるスパッタリングターゲットを使用して、緩衝層104を形成するために使用されるPVDチャンバと同じPVDチャンバ内で形成される。本開示の実施形態による方法100Bの一実施例では、以下の図2Aで示されるシード層206が、動作132において、Arプラズマ及び1以上のスパッタリングターゲットを使用して、PVDチャンバ内で製造されてよい。図2Aは、y軸228に垂直なx軸226を有する座標系を示している。本明細書で説明される厚さは、y軸228の方向において測定され得る。シード層206の形成の一実施例では、シード層を形成するために使用されるPVDチャンバ内のスパッタリングターゲットが、Cr、又はCrとNi、Fe、Ru、Ir、Coのうちの1以上のとの組み合わせから成る。別の一実施例では、動作132でPVDチャンバ内で使用される(1以上の)スパッタリングターゲットが、NiCr、NiCrFe、RuCr、IrCr、CoCr、又はこれらの組み合わせを含む1以上の合金ターゲットから成る。シード層206は、100Å以下の厚さに形成することができる。一実施例では、シード層206が、NiCrを含み、NiCrターゲットを使用してPVDチャンバ内で製造される。この実施例では、Arが、約5sccmから60sccmの流量でPVDチャンバの中に導入され、幾つかの実施例では、チャンバの中へのArの流量が、約25sccmである。別の一実施例では、Arが、10sccmから40sccmの流量で、幾つかの実施例では、25sccmの流量で、PVDチャンバの中に導入される。スパッタリングに使用されるプラズマを形成するために、Arが存在するとき、負電圧で約50W〜1200Wの電力が、スパッタリングターゲットに印加される。幾つかの実施例では、負電圧でスパッタリングターゲットに印加される電力が、100Wから800Wであり、別の一実施例では、スパッタリングターゲットに印加される電力が、約500Wである。
[0033] 第1のピンニング層108は、動作134において、PVDチャンバ内でターゲットをスパッタリングすることによって、シード層106上に堆積される。第1のピンニング層108は、従来のMTJ積層体100Aにおける一実施例として示されており、動作134において、Arプラズマの存在下で1以上のターゲットをスパッタリングすることによって、PVDチャンバ内で形成することができる。第1のピンニング層108がCoである一実施例では、PVDチャンバ内にArプラズマが存在する場合に、Coスパッタリングターゲットが使用される。第1のピンニング層108がコバルトと別の元素との1以上の二重層を含む一実施例では、動作134が、Coスパッタリングターゲットと二重層の別の元素から成る別のスパッタリングターゲットとを使用する。実施形態に応じて、Coスパッタリングターゲットと他の金属のスパッタリングターゲットは、同じPVDチャンバ内でArプラズマの存在下でスパッタリングされてよく、又は二重層の各層が個別のPVDチャンバ内で形成されてよい。
[0034] 本開示の一実施例によれば、図2A及び図2Cで示されているような第1のピンニング層208が、動作134において、PDVチャンバを使用して形成される。この実施例では、第1のピンニング層208が、動作134において、キセノン(Xe)又はアルゴン(Ar)を使用してPVDチャンバ内で形成される。それらが、約2sccm〜40sccmの流量でPVDチャンバの中に導入されると共に、50Wから10000Wの電力が、負電圧でターゲットに印加されて、プラズマを生成する。別の一実施例では、Xe又はArが、5sccmから20sccmの流量で、幾つかの実施例では、10sccmの流量で、PVDチャンバに導入される。別の一実施例では、スパッタリングターゲットに印加される電力が、100Wから800Wであり、別の一実施例では、スパッタリングターゲットに印加される電力が、400Wであってよい。第1のピンニング層208の組成に応じて、動作134では、Xeが、PVDチャンバ内のスパッタリング動作において使用されてよい。というのも、Xeは、Arよりも重いガスであり、したがって、Ar又は他のより軽いガスを使用して形成されたイオンよりも高い原子量を有するイオンを生成し、したがって、より多くのエネルギーでターゲットに衝突するからである。本開示における第1のピンニング層208の一実施例では、Xe、Ar、又はそれらの混合物が、約10sccmからの流量でPVDチャンバの中に導入され、400Wの電力が、負電圧でターゲットに印加されて、Arプラズマを生成する。一実施例では、第1のピンニング層208が、Coターゲットをスパッタリングすることによって、約1Åから約18Åの厚さの単一層としてコバルト(Co)から製造される。別の一実施例では、第1のピンニング層208が、図2Cで示されているように、様々な材料のうちの1以上の二重層から製造される。様々な実施形態では、第1のピンニング層208を形成するために使用される二重層が、Coの第1の中間層と別の元素の第2の中間層とを含む。第1のピンニング層208の二重層は、動作134において、Coターゲットと他の元素から形成されたターゲットとを含む複数のターゲットを含むPVDチャンバ内、又は個別のPVDチャンバ内で形成されてよい。個別のPVDチャンバでは、1つのPVDチャンバが、Coターゲットを含み、別のPVDチャンバが、他の元素のターゲットを含む。Arプラズマ及び/又はXeプラズマの存在下で単一のPVDチャンバ内に複数のターゲットが配置される一実施例では、Coターゲットと他の金属のターゲットのそれぞれが、本明細書で説明されるシールドを使用して選択的に露出されてよく、二重層のCo中間層を形成し、他の元素の中間層を形成して、結果として得られる二重層を形成することができる。これらの堆積は、第1のピンニング層208の複数の二重層を形成するために、複数の反復で、動作134で繰り返されてよい。
[0035] PVDチャンバ内のArプラズマの存在下で、Ru、Cr、Rh、又はIrのターゲットをスパッタリングすることによって、動作136において、第1のピンニング層108上にSAF結合層110が堆積される。第2のピンニング層112が、動作138において、PVDチャンバ内でSAF結合層上に堆積される。一実施例では、第2のピンニング層112が、PVDチャンバ内でCoターゲット及びArプラズマを使用してCoから形成される。別の一実施例では、第2のピンニング層112が、二重層を含み、二重層と接触するように形成されたCo層を含んでも含まなくてもよい。この実施例では、第2のピンニング層112が、Coスパッタリングターゲット及び第2の金属のスパッタリングターゲットを使用して、PVDチャンバ内で形成され、シールドが調整されて、Coスパッタリングターゲットと第2の金属のスパッタリングターゲットとのそれぞれを、少なくとも1回の反復において別々に露出させて、第2のピンニング層112の1以上の二重層を形成する。他の実施例では、第2のピンニング層112の二重層の各層が、異なるPVDチャンバ内で形成されてよい。その場合、1つのPVDチャンバは、Coスパッタリングターゲットを含み、別のPVDチャンバは、第2の金属のスパッタリングターゲットを含む。
[0036] 図2A及び図2Dで示されているような本開示の実施形態による第2のピンニング層212の一実施例では、第2のピンニング層212が、スパッタリングされる材料に応じて、動作138において、Ar及び/又はXeガスを使用して、PVDチャンバ内で堆積される。本開示の一実施形態では、第2のピンニング層212が、動作138で、Arプラズマ又はAr及びXeから成るプラズマの存在下でCoスパッタリングターゲットを使用して、コバルト(Co)から単一層として製造される。別の一実施例では、第2のピンニング層212が、Coから形成された第1の中間層と、Pt、Ir、Ni、又はPdなどの1以上の第2の金属の第2の中間層とを含む二重層を含む。本明細書の他の実施例と組み合わされ得る別の一実施例では、第2のピンニング層212が、単一のCo層のみから、又は、Coの第1の中間層と少なくとも1つの異なる金属の第2の中間層との少なくとも1つの二重層に組み合わされた単一のCo層から形成されてよい。この実施例では、第2のピンニング層212が、Coスパッタリングターゲット及び第2の金属のスパッタリングターゲットを使用して、PVDチャンバ内で形成され、シールドが調整されて、Coスパッタリングターゲットと第2の金属のスパッタリングターゲットとのそれぞれを、少なくとも1回の反復において別々に露出させて、第2のピンニング層212の1以上の二重層を形成する。Xeは、Arより重い気体であり、したがって、PVDチャンバ内でのスパッタリングプロセス中に、Ptを含むより重い金属とより効果的に相互作用することができるので、Ptのような金属が第2のピンニング層212を形成するために使用される場合、キセノンを第2のピンニング層212の堆積に使用することができる。Xeが使用される一実施形態では、Xeガスが、約2sccmから約40sccm、又は5sccmから20sccmの流量でPVDチャンバの中に導入され、幾つかの実施形態では、Xeガスが、約10sccmの流量でPVDチャンバの中に導入される。第2のピンニング層212の形成中に、50Wから約1000Wの電力が、負電圧でターゲットに印加され、Ar及び/又はXeプラズマを生成し維持する。幾つかの実施例では、100Wから600Wの電力が、負電圧でターゲットに印加されて、Ar及び/又はXeプラズマを生成し維持し、幾つかの実施形態では、約200Wの電力が使用される。
[0037] 構造ブロッキング層114が、動作140において、PDVチャンバ内で形成される。そのチャンバは、構造ブロッキング層114の意図された組成に応じて、Ta、Mo、及び/又はWを含むスパッタリングターゲットを含む。Ta、Mo、及びWのうちの2つ以上のスパッタリングターゲットが使用されるときに、各ターゲットは、個別のPVDチャンバ内で使用されてもよく、又は、2つ以上のスパッタリングターゲットが、構造ブロッキング層114の意図される組成に応じて、上述のシールド調整を使用して、PVDチャンバ内で連続的に又は同時にスパッタリングされてもよい。続いて、磁気基準層116が、動作142において、構造ブロッキング層114上に堆積され、MTJ積層体100Aの他の層も形成され得るPVDチャンバ内で形成され得る。これは、例えば、緩衝層104と磁気基準層116の両方が、CoxFeyBzベースである場合、緩衝層104などの他の層の組成に依存し得る。磁気基準層116は、CoxFeyBzの合金であるスパッタリングターゲットを使用して、又はCo、Fe、若しくはBの個々のスパッタリングターゲットを使用して、或いは、例えばCoFeターゲット及びBターゲットなどの合金スパッタリングターゲット及び単一元素スパッタリングターゲットの組み合わせによって、PVDチャンバ内で形成することができる。
[0038] トンネルバリア層118が、動作144において、磁気基準層116上に堆積される。動作144の一実施例では、トンネルバリア層118が、Arプラズマの存在下で、MgOなどの金属-酸化物ターゲットを使用して、PVDチャンバ内で形成される。代替的な一実施形態では、トンネルバリア層118が、動作144において、Arプラズマ及びO2の存在下で、Mg、Ti、Hf、Ta、又はAlなどの金属ターゲットを使用して、PVDチャンバ内で形成されて、トンネルバリア層118の金属-酸化物を形成する。動作146では、磁気記憶層120が、PVDチャンバ内で形成される。磁気記憶層120の形成は、意図された組成に応じて様々なやり方で行われ得る。更に、磁気記憶層120は、CoxFeyBzの1以上の層を含んでよい。他の実施例と組み合わされ得る幾つかの実施例では、磁気記憶層120が、Ta、Mo、W、又はHfのうちの1以上の層を含んでよい。したがって、PVDチャンバ内の磁気記憶層120の堆積は、Arプラズマ、CoxFeyBz合金ターゲット、Co、Fe、及びBの個々のターゲット、又はCoFeターゲット及びBターゲットなどの合金ターゲット及び元素ターゲットの組み合わせを含んでよい。磁気記憶層120がTa、Mo、W、又はHfを含む実施例では、Ta、Mo、W、又はHfのスパッタリングターゲットが、Arから形成されたプラズマと共にチャンバ内で使用される。
[0039] 一実施例では、磁気記憶層120が、CoxFeyBz及びTa、Mo、W、又はHfの層を形成するために使用される上述のものなどの1以上のターゲットを露出又は保護するようにシールドを調整することによって、Arを使用して生成されたプラズマの存在下で、単一のPVDチャンバ内で形成されてよい。別の一実施例では、磁気記憶層120のCoxFeyBz層が、Arプラズマの存在下で、CoxFeyBz合金ターゲットを使用してPVDチャンバ内でスパッタリングされる。別の一実施形態では、CoxFeyBz層が、Arプラズマの存在下で、個々のCo、Fe、及びBターゲットを使用して、PVDチャンバ中で形成される。更に別の一実施形態では、CoxFeyBz層が、Arプラズマの存在下で、合金ターゲット及び元素ターゲット、例えばCoFeターゲット及びBターゲットを使用して、PVDチャンバ内で形成される。Ta、Mo、W、又はHf層は、Taターゲット、Moターゲット、Wターゲット、又はHfターゲットを使用して、PVDチャンバ内でスパッタリングされてよい。
[0040] 動作148では、キャッピング層122が、磁気記憶層120上に堆積される。一実施形態において、キャッピング層222の第1のキャッピング中間層122Aは、動作148中に、酸化物層が形成されるとき、ArプラズマとO2の両方がPVDチャンバ内に存在するため、非酸化物層が形成されるPVDチャンバとは異なり得るPVDチャンバ内で形成される。第1のキャッピング中間層122Aは、MgターゲットをスパッタリングすることによってPVDチャンバ内で堆積され、イオン化されたAr、O2から形成されるプラズマもPVDチャンバ内に存在する。動作148における別の一実施例では、第1のキャッピング中間層122Aが、MgOスパッタリングターゲット及びArプラズマを使用して、PVDチャンバ内で形成される。第1のキャッピング中間層122Aが、トンネルバリア層118と同じ材料(例えば、Mg)から形成される一実施例では、動作144に使用されるPVDチャンバが、第1のキャッピング中間層122Aを形成するために動作148で使用されるのと同じPVDチャンバであってよい。第2のキャッピング中間層122Bが、動作150において、第1のキャッピング中間層122A上に堆積される。動作150は、第1のキャッピング中間層122Aを形成するためにPVDチャンバ内で使用されるO2が存在しないため、動作148でO2が使用される場合、第1のキャッピング中間層122Aをスパッタリングするために使用されるものとは別の異なったPVDチャンバ内で行われてよい。第2のキャッピング中間層122Bは、Arプラズマと、Ru、Ir、及び/又はTaから成る1以上のスパッタリングターゲットとを使用して、PVDチャンバ内で形成される。第2のキャッピング中間層122Bの組成に応じて、動作150は、例えば、動作136でSAF結合層110を形成するためにも使用されるPVDチャンバ内で行われてよい。
[0041] 更に、方法100Bでは、動作152において、ハードマスク層124が、PVDチャンバ内で、第2のキャッピング中間層122Bの上に堆積される。MTJ積層体100Aで使用されるハードマスク層124の種類に応じて、動作152は、O2の存在下で行われても、O2の存在なしに行われてもよい。例えば、ハードマスク層124が、金属-酸化物ハードマスクである場合、動作152中に、金属-酸化物層を形成するために1以上の金属ターゲットと共にO2を使用することができ、或いは、ハードマスク層124を堆積させるために金属-酸化物スパッタリングターゲットを使用することができ、この場合は、動作150でハードマスク層124を形成するためにO2を使用しない。幾つかの実施形態では、ハードマスク層124が、アモルファスカーボン又はスピンオンカーボンであるときに、動作152がCVDチャンバ内で行われる。
[0042] 更に、方法100Bでは、動作128A〜152で形成されたMTJ積層体100A(又は図2Aにおいて以下で示されるMTJ積層体200)が、方法100Bの動作154によって集合的に示されている1以上のプロセスを受けてよい。これらの動作には、高温(摂氏400度のオーダー)動作を含めることができる。一実施例では、動作154におけるプロセスが、予パターニングアニール動作(pre-patterning anneal operation)を含んでよく、それに続いて、MTJパターニング動作が行われる。代替的な一実施形態では、動作154におけるMTJパターニングが、ハードマスク層124をパターニングするなどの複数のプロセスを含んでよく、ハードマスク層124がパターニングされた後に、MTJ積層体100Aをエッチングして、MTJ積層体から複数の個々のピラーを形成する動作を更に含んでよい。
[0043] 動作154における代替的な一実施形態では、MTJ積層体100A内の(1以上の)磁気記憶層及び(1以上の)磁気基準層を含む、膜積層体の格子構造を、修復、圧縮、及び強化するために、熱アニーリング動作が実行される。動作154で実行される熱アニーリングは、少なくとも(1以上の)磁気基準層116及び(1以上の)磁気記憶層120の材料を更に結晶化させるように作用することができる。これらの層の堆積時の(1以上の)磁気基準層及び(1以上の)磁気記憶層の結晶化は、所望の電気的及び機械的特性を維持しながら、MTJ積層体100Aの垂直異方性を確立する。方法100Bの動作に続いて製造されるMTJ積層体の実施形態を示し、以下で説明する。実施形態は、動作154で実行される熱アニーリング動作の後、及び/又は、摂氏400度のオーダーの高温で生じる追加の又は代替的なバックエンド処理動作の間、ピンニング層の堆積したままのfcc<111>結晶構造を維持するように構成されている。
[0044] 本開示の実施形態に従って製造されるMTJ積層体は、シード層のためのRu又はIrの従来の使用とは対照的に、クロム(Cr)、ニッケルクロム(NiCr)、鉄ニッケルクロム(NiFeCr)、ルテニウムクロム(RuCr)、イリジウムクロム(IrCr)、又はコバルトクロム(CoCr)のうちの少なくとも1つを含むシード層を含むクロムベースのシード層を採用する。シード層は、そこからメモリセルが第1のピンニング層と緩衝層との間に画成されるところの膜積層体内に配置される。本明細書で説明されるCr含有シード層は、第1のピンニング層の接着を改善する。それは、第1のピンニング層や第1のピンニング層の頂部上に形成される層の安定化を助ける、シード層と第1のピンニング層との間の格子整合によるものである。一実施例では、シード層が、第1のピンニング層と緩衝層の両方に直接接触し、他の実施例では、シート層と第1のピンニング層との間又はシード層と緩衝層との間に遷移層が存在する。本明細書で説明されるピンニング層は、コバルトから製造されてよく、或いは、それぞれがコバルトを含む1以上の二重層として製造されてもよく、或いは、以下で説明されるように、二重層構造とコバルトの上層との組み合わせとして製造されてもよい。本明細書で説明される際に、「上層」は、二重層を含む1以上の層を含み得る別の構造の上に形成される層である。実施形態に応じて、第1のピンニング層と第2のピンニング層は、同じ層構造、材料、及び/又は厚さを含んでよく、或いは、層構造、材料、及び/又は厚さを変えることもできる。本明細書で説明されるMTJ積層体を使用すると、複数の層を摂氏約400度で0.5時間から少なくとも3時間の期間だけアニーリングした後でも、SAF層の結晶構造及び磁気基準層と磁気記憶層との磁気的結合は、実質的に一定の結晶状態に維持される。更に、本明細書の実施形態では、MTJ積層体が、摂氏約400度で0.5時間から少なくとも3時間だけアニーリングした後でも、100%から175%のトンネル磁気抵抗(TMR)を示し続ける。
[0045] 図2Aは、本開示の一実施形態による、MTJ積層体200の概略図である。図示されている実施形態では、緩衝層204が、PVDチャンバ内でのスパッタリングを介して、基板202の導電性部分上又は基板202の導電性薄膜上に形成される。基板202は、タングステン(W)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(Tin)、又は他の金属層を含んでよい。緩衝層204は、基板202へのシード層206の接着を改善し、これは、MTJ積層体200の続いて堆積される層の形成及び性能において助けとなる。緩衝層204は、CoxFeyBz、Ta、及び/又はTaNを含み、PVDチャンバ内で、Arプラズマの存在下で、1以上のPVD堆積動作で形成される。様々な実施例では、緩衝層104が、ArプラズマとCoxFeyBz合金であるスパッタリングターゲットとを使用して、又はCo、Fe、若しくはBの個々のスパッタリングターゲットを使用することによって、或いは、例えばCoFeターゲット及びBターゲットなどの合金スパッタリングターゲット及び単一元素スパッタリングターゲットの組み合わせによって、PVDチャンバ内で形成される。Ta層が緩衝層204内に含まれる一実施例では、Ta層が、Taターゲット及びArプラズマを使用してPVDチャンバ内で形成されてよい。
[0046] 一実施例では、緩衝層204が、TaNを含み、ArプラズマとN2の両方の存在下でTaターゲットを使用して、PVDチャンバ内で基板202上にスパッタリングされ、N2は、TaターゲットからスパッタリングされたTa材料と反応して、TaN層を形成する。別の一実施例では、緩衝層204を形成するために、Arプラズマを有するPVDチャンバ内で、TaNスパッタリングターゲットが使用される。一実施例では、緩衝層204が、基板202上の導電層上に直接的に且つそれと接触するようにスパッタリングされる。他の実施例では、基板202上の導電層と緩衝層204との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない導電性遷移層が存在する。緩衝層204は、図示されている実施形態では任意選択的に採用され、本明細書で説明される幾つかの実施形態では使用されないかもしれない。緩衝層204の全体の厚さは、0Å(緩衝層を使用しない)から約60Åである。一実施例では、緩衝層204が、基板202上の導電層上に直接的に且つそれと接触するように10Åの厚さまでスパッタリングされた、Ta、TaN、又はCoxFeyBzの単一層である。別の一実施形態では、緩衝層204が、複数の層の組み合わせであり、緩衝層204の各層は、Ta、TaN、又はCoxFeyBzであり、1Åから60Åの厚さを有する。Ta又はCoxFeyBzの代わりにTaNを緩衝層204に採用する一実施例では、厚さが20Åであってよい。CoxFeyBzを単独で使用して緩衝層204を形成する一実施例では、層の厚さが10Åである。緩衝層204の別の一実施例では、Ta又はTaNがCoxFeyBzと併せて採用され、緩衝層204の厚さは、20Åである。
[0047] シード層206は、1以上のターゲットをスパッタリングすることによって、PVDチャンバ内で堆積される。シード層206は、緩衝層204上に堆積される。シード層206は、Cr、NiCr、NiCrFe、RuCr、IrCr、CoCr、又はこれらの組み合わせを含む。シード層206は、Cr、NiCr、NiCrFe、RuCr、IrCr、又はCoCrのうちの1以上の層として形成されてよく、これらの元素の組み合わせ又は合金の組み合わせを単一層で含むことができる。PVDチャンバ内のシード層206の形成は、動作132において詳細に上述されている。一実施形態では、シード層206が、100Å以下の厚さを有し、一実施例では、シード層206が、約30Åから約60Åの厚さを有する。一実施例では、シード層206が、緩衝層204上に直接的に且つそれと接触するように形成される。他の実施例では、シード層206と緩衝層204との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。
[0048] 更に、MTJ積層体200において、第1のピンニング層208が、PVDチャンバ内でシード層206上に形成される。第1のピンニング層208の形成は、図1Bの方法100Bの動作134で詳細に上述され、イオン化されたArのプラズマと1以上のスパッタリングターゲットとを使用して、PVDチャンバ内で行われる。一実施例では、第1のピンニング層208が、約1Åから約18Åの厚さを有するコバルト(Co)の単一層として製造される。別の一実施例では、第1のピンニング層208が、様々な材料の1以上の二重層から製造され、各二重層は、2つの中間層を含んでよい。第1のピンニング層208は、図2Cで示されているように、単独で又はCo層と組み合わされた1以上の二重層を含んでよい。1以上の二重層が第1のピンニング層208内に含まれる一実施例では、各二重層が、Coの第1の中間層及び別の元素の第2の中間層を含む。第1のピンニング層208は、Arプラズマを使用してCoターゲットをスパッタリングし、続いて、Arプラズマを使用してPt、Ir、Ni、又はPdの第2ターゲットをスパッタリングすることによって形成される。二重層を形成するためにPtをCoと共に使用する一実施例では、Arプラズマの代わりに又はArプラズマに加えて、Xeプラズマを使用することができる。第1のピンニング層を形成するために1以上の二重層が使用される一実施形態では、Coを含まないターゲットを遮蔽することによって、二重層の第1の中間層(第1の中間層はCoを含む)を形成することによって、PVDチャンバ内で繰り返される堆積サイクルが実行されてよい。続いて、Coターゲット及び他のターゲットを遮蔽して、二重層の第2の中間層に使用される第2の元素を含む第2のターゲットを露出させる。これは、第1のピンニング層208の1以上の二重層を形成するために、反復する様式で繰り返されてよい。一実施例では、第1のピンニング層208が、シード層206上に直接的に且つそれと接触するように、PVDチャンバ内で形成される。他の実施例では、シード層206と第1のピンニング層208との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。
[0049] 合成反強磁性体(SAF)結合層210は、PVDチャンバ内で第1のピンニング層208上にスパッタリング堆積され、第2のピンニング層212は、SAF結合層210上にスパッタリング堆積される。SAF結合層210は、Ruスパッタリングターゲット、Rhスパッタリングターゲット、Crスパッタリングターゲット、又はIrスパッタリングターゲットを使用して、イオン化されたArガスから生成されるプラズマの存在下で、PVDチャンバ内で形成される。SAF結合層210は、約3Åから約10Åの厚さを有する。一実施形態では、第2のピンニング層212が、イオン化されたArガスから生成されたプラズマの存在下で、PVDチャンバ内でコバルト(Co)ターゲットをスパッタリングすることによって製造される。一実施例では、SAF結合層210が、第1のピンニング層208及び第2のピンニング層212上に直接的に且つそれらと接触するように形成される。他の実施例では、SAF結合層210と第1のピンニング層208又は第2のピンニング層212のうちの一方又は両方との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。
[0050] 第2のピンニング層212の形成は、上述の図1Bの方法100Bの動作138で示されている。第2のピンニング層212内にCo及び別の元素の1以上の二重層が含まれる一実施例では、第2のピンニング層212が、Arプラズマを使用してCoターゲットをスパッタリングし、続いて、Arプラズマを使用してPt、Ir、Ni、又はPdの第2ターゲットをスパッタリングすることによって形成される。Arプラズマの存在下でCoターゲット及び第2のターゲットを使用するPVDチャンバ内での繰り返し堆積サイクルを使用して、第2のピンニング層212の1以上の二重層を形成することができる。一実施例では、第2のピンニング層212が、約1Åから約10Åの厚さを有する単一のCo層としてスパッタリングされる。別の一実施例では、第2のピンニング層212の厚さが、約5Åである。第2のピンニング層212の代替的な構成が、図2Dにおいて示されている。
[0051] 更に、MTJ積層体200において、構造ブロッキング層214が、任意選択的に、PVDチャンバ内でのスパッタリングによって第2のピンニング層212上に形成される。構造ブロッキング層214は、MTJ積層体200と、MRAMメモリセルを形成するためにMTJ積層体200に接続され得る金属接点と、の間の短絡の形成を防止する。構造ブロッキング層214のスパッタリング中に、層の意図される組成に応じて、1以上の個々のTa、Mo、又はWスパッタリングターゲットが、Arプラズマと共にPVDチャンバ内で使用されてよい。他の実施例では、構造ブロッキング層214の形成中に、Ta、Mo、及び/又はWの合金を含む1以上の合金ターゲットが、Arプラズマと共にPVDチャンバ内で使用されてよい。構造ブロッキング層214は、<100>方向に配向された体心立方(bcc)構造であり、それぞれが面心立方<111>方向に配向され得るシード層206及び第1のピンニング層208及び第2のピンニング層212とは対照的である。構造ブロッキング層214は、0(層なし)Åから約8Åの厚さを有し、一実施例では、4Åの厚さがスパッタリング堆積される。一実施例では、構造ブロッキング層214が、スパッタリング堆積中に、第2のピンニング層212上に直接的に且つそれと接触するように形成される。他の実施例では、構造ブロッキング層214と第2のピンニング層212との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。
[0052] 磁気基準層216は、PVDチャンバ内で、Arプラズマの存在下で、スパッタリング堆積することによって、構造ブロッキング層214上に形成される。磁気基準層216は、単一のCo-Fe-B合金スパッタリングターゲットを使用して、又は、Coスパッタリングターゲット、Feスパッタリングターゲット、若しくはBスパッタリングターゲットのうちの2以上を使用することによって、PVDチャンバ内で形成されてよい。別の一実施例では、磁気的基準層216が、CoFeターゲット及びBターゲットなどの合金ターゲット及び元素ターゲットを使用して、PVDチャンバ内でArプラズマの存在下で形成されてよい。磁気基準層216は、1Åから15Åの厚さにスパッタリングされてよく、一実施例では、10Åの厚さに形成されてよい。磁気基準層216は、CoxFeyBzを含む。一実施例では、zが、約10重量%から約40重量%であり、yが、約20重量%から約60重量%であり、xが、70重量%以下である。本明細書の他の実施例と組み合わされ得る別の一実施例では、zが、少なくとも20重量%である。一実施例では、磁気基準層216が、構造ブロッキング層214上に直接的に且つそれと接触するように形成される。他の実施例では、磁気基準層216と構造ブロッキング層214との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。
[0053] トンネルバリア層218が、PVDチャンバ内で、Arプラズマ内で、ターゲットのスパッタリングを使用して、磁気基準層216上に形成される。トンネルバリア層218は、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(TaOx)、酸化アルミニウム(Al2O3:アルミナ)、又は様々な用途に適した他の材料などの金属-酸化物を含む。したがって、トンネルバリア層218は、金属-酸化物のスパッタターゲットを使用して、PVDチャンバ内でArの存在下で形成されてよい。代替的に、トンネルバリア層218は、所望の金属-酸化物の金属のスパッタリングターゲットを使用して、PVDチャンバ内でAr及びO2の存在下で形成されてよい。ここで、金属のスパッタリングターゲットからスパッタリングされた金属層がO2に曝露されると、金属酸化物層が形成される。トンネルバリア層218は、1Åから15Åの厚さを有し、幾つかの実施形態では、10Åの厚さを有する。一実施例では、トンネルバリア層218が、磁気基準層216上に直接的に且つそれと接触するように形成される。他の実施例では、トンネルバリア層218と磁気基準層216との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。
[0054] 一実施形態では、MTJ積層体200が、本明細書で説明されるように、PVDチャンバ内でのスパッタリング動作を使用して、トンネルバリア層218上に形成された磁気記憶層220を更に含む。磁気記憶層220は、CoxFeyBzの1以上の層を含んでよい。幾つかの実施例では、磁気記憶層220が、代替的に又は更に、Ta、Mo、W、又はHfのうちの1以上の層を含んでよい。したがって、PVDチャンバ内での磁気記憶層220の堆積は、Arプラズマ、CoxFeyBz合金ターゲット、又はCo、Fe、及びBの個々のターゲット、或いは、CoFeターゲット及びBターゲットなどの合金ターゲット及び元素ターゲットの組み合わせを使用することを含んでよい。磁気記憶層220が、Ta、Mo、W、又はHfを含む実施例では、Ta、Mo、W、又はHfのスパッタリングターゲットが、Arから生成されたプラズマと共にチャンバ内で使用される。
[0055] 磁気記憶層220は、磁気記憶層220を形成するために使用される1以上の材料を含む要因に応じて、約5Åから約20Åの厚さを有する。一実施例では、磁気記憶層が、CoxFeyBzから製造されており、ここで、zは、約10重量%から約40重量%であり、yは、約20重量%から約60重量%であり、xは、70重量%以下である。この実施例では、磁気記憶層220の厚さが、5Åから40Åであり、幾つかの実施例では、ターゲット層の厚さが、20Åである。一実施例では、磁気記憶層220が、トンネルバリア層218上に直接的に且つそれと接触するように形成される。他の実施例では、磁気記憶層220とトンネルバリア層218との間に、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。磁気記憶層が、以下の図2Eで示されている。
[0056] 更に、MTJ積層体200の一実施形態では、キャッピング層222が、磁気記憶層220上に形成され、鉄(Fe)を含有する酸化物を含む、キャッピング層222を形成する複数の中間層を含む。加えて、幾つかの実施形態では、ハードマスク層224が、キャッピング層222上に直接的に且つそれと接触するように形成される。別の一実施例では、ハードマスク層224が、キャッピング層222上に形成され、キャッピング層222とハードマスク層224との間に遷移層を有し、そのような遷移層は、MTJ積層体200の性能に影響を及ぼさない。ハードマスク層224は、金属-酸化物、アモルファスカーボン、セラミック、金属材料、又はそれらの組み合わせから形成されてよい。一実施例では、磁気記憶層220が、キャッピング層222上に直接的に且つそれと接触するように形成される。他の実施例では、磁気記憶層220とキャッピング層222との間に、MTJ積層体200の性能に影響を及ぼさない遷移層が存在する。キャッピング層222が、以下の図2Fで示されている。
[0057] MTJ積層体200の一実施例では、MTJ積層体200が、NiCrから製造されたシード層206、Co/Ptの二重層積層体から製造された第1のピンニング層208、及びCoから製造された第2のピンニング層212を含む。この実施例では、MTJ積層体200が、例えば、摂氏約400度で0.5時間だけアニールされると175%のTMRを示す。MTJ積層体200が、摂氏約400度で3時間だけアニールされると、MTJ積層体200のTMRは約175%に維持される。
[0058] 図2Bは、本開示の実施形態による、緩衝層204の拡大図である。緩衝層204は、タンタル(Ta)若しくはTaN、又はTaとTaNの層状積層体を含み、幾つかの実施例では、CoxFeyBzを、単独で又はTa、TaN、若しくはTa/TaN層状積層体と組み合わせで含む。緩衝層204の一実施例では、緩衝層204が、少なくとも1つの二重層204Dを含む。少なくとも1つの二重層204Dは、少なくとも1つの二重層204Dの少なくとも1回の反復のために、基板202上に交互様式で形成された第1の緩衝中間層204A及び第2の緩衝中間層204Bを含む。この実施例では、第1の緩衝中間層204AがTaを含み、第2の緩衝中間層204BがTaNを含み、第1の緩衝中間層204Aが基板202と接触している。別の一実施例では、第1の緩衝中間層204AがTaNを含み、第2の緩衝中間層204BがTaを含み、したがって、TaNが基板202と直接接触している。
[0059] 緩衝層204の他の実施例では、図2Aで示されているように、CoxFeyBzが、緩衝層204向けに単独で使用され、したがって、基板202と直接接触する。別の一実施例では、図2Bで示されているように、第3の緩衝層204Cが、少なくとも1つの二重層204Dの上に形成される。この実施例では、第3の緩衝層204Cが、CoxFeyBzから製造され、10Åまでの厚さを有するように形成される。したがって、緩衝層204の構成に応じて、緩衝層204の厚さは、1Åから60Åの範囲内である。第3の緩衝層204C(CoxFeyBz)が採用される一実施例では、zが、約10重量%から約40重量%であり、yが、約20重量%から約60重量%であり、xが、70重量%以下である。
[0060] 図2Cは、本開示の一実施形態による、第1のピンニング層208の拡大図である。一実施形態では、第1のピンニング層208が、少なくとも1つの二重層230から製造され、2つ以上の二重層が採用されるときに、それらの二重層は、二重層積層体234を形成すると言うことができる。各二重層230は、第1の中間層208A及び第2の中間層208Bから製造される。第1のピンニング層208の二重層は、(X/Y)n、(208A/208B)nとして表され、ここで、各二重層は、X及びY材料の組み合わせであり、nは、第1のピンニング層208内の二重層の数である。一実施形態では、XがCoであり、YがPt、Ir、Ni、又はPdのうちの1つである。図2Cでは、n=4であるが、代替的な実施形態では、nは1から10である。一実施形態では、少なくとも1つの二重層230が、約2Åから約15Åの厚さを有する。一実施例では、第1の中間層208Aが、Coを含み、約1Åから約7Åの厚さを有し、第2の中間層208Bが、約1Åから約8Åの厚さを有する。別の一実施例では、第1の中間層208Aと第2の中間層208Bのそれぞれの所望の層の厚さが、約2.4Åから約5Åである。更に別の一実施形態では、第1のピンニング層208が、シード層206上に直接的に且つそれと接触するように形成された少なくとも1つの二重層230、更には、少なくとも1つの二重層230の頂部の上に形成されたCoの上層208Cを含む。この実施例では、上層208Cが、約1Åから約10Åの厚さを有する。実施形態に応じて、本明細書で説明されるような少なくとも1つの二重層230を含む1以上の層を含み得る第1のピンニング層208の全体的な厚さは、0.3nmから約18nmである。他の実施例では、第1のピンニング層208とシード層206との間に、MTJ積層体の特性に悪影響を及ぼさない1以上の遷移層が存在する。
[0061] 図2Dは、本開示の実施形態による、第2のピンニング層212の拡大図である。一実施形態では、第2のピンニング層212が、図2Aで示されているように、単一のコバルト層から製造される。代替的な実施形態では、第2のピンニング層212が、少なくとも1つの二重層232から製造される。少なくとも1つの二重層232は、Coから形成された第1の中間層212A、及びPt、Ir、Ni、又はPdのうちの1以上から形成された第2の中間層212Bを含む。二重層232などの2つ以上の二重層が第2のピンニング層212内に採用されたときに、複数の二重層は、二重層積層体236と称され得る。したがって、図1Bの動作138では、1以上の二重層が使用されるときに、個別のスパッタリングターゲットを使用して、二重層の各層を形成することができる。第2のピンニング層212の少なくとも1つの二重層232は、(X/Y)n、(212A/212B)nとして表され、ここで、nは二重層の数である。図2Dでは、n=4であるが、代替的な実施形態では、nは1から10である。一実施形態では、少なくとも1つの二重層232が、約2Åから約15Åの全体的な厚さを有する。一実施例では、第1の中間層212Aが、約1Åから約7Åの厚さを有するCo層であり、第2の中間層212Bが、約1Åから約8Åの厚さを有する。別の一実施例では、第1の中間層212Aと第2の中間層212Bのそれぞれの厚さが、約2.4Åから約5Åである。
[0062] 更に別の一実施形態では、第2のピンニング層212が、SAF結合層210上に直接的に且つそれと接触して形成された少なくとも1つの二重層232、更には、少なくとも1つの二重層232の頂部の上のCoの上層212Cを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの二重層232と第2のピンニング層212との間、若しくは少なくとも1つの二重層232とSAF結合層210との間、又はそれらの両方に、遷移層が採用されてよく、そのような(1以上の)遷移層は、MTJ積層体の性能に影響を及ぼさない。この実施例では、上層212Cが、約1Åから約10Åの厚さを有する。実施形態に応じて、第2のピンニング層212の全体的な厚さは、0.3nmから約18nmである。第2のピンニング層212は、本明細書で説明されるように、少なくとも1つの二重層232を含む1以上の層を含んでよい。
[0063] 一実施形態では、第1のピンニング層208と第2のピンニング層212が、それぞれ、同じ組成又は同じ厚さのうちの少なくとも一方を含む。代替的な一実施形態では、第1のピンニング層208と第2のピンニング層212は、それぞれ、異なる組成及び/又は厚さを含む。一実施形態では、第1のピンニング層208がCoであり、第2のピンニング層212が1以上の二重層から形成される。第2のピンニング層212の各二重層は、Coの第1の中間層、及びPtの第2の中間層を含む。別の一実施形態では、第1のピンニング層208がCoであり、第2のピンニング層212が、1以上のCo/Ni二重層から形成される。更に別の一実施形態では、第1のピンニング層208が、1以上の二重層を含み、各二重層は、Coの第1の中間層及びNiの第2の中間層を含み、第2のピンニング層212が、1以上の二重層を含み、各二重層は、Coの第1の中間層及びPtの第2の中間層を含む。更に別の一実施形態では、第1のピンニング層208が、1以上の二重層を含み、各二重層は、Coの第1の中間層及びPtの第2の中間層を含み、第2のピンニング層212が、1以上の二重層を含み、各二重層は、Coの第1の中間層及びNiの第2の中間層を含む。
[0064] 図2Eは、本開示の実施形態による、例示的な磁気記憶層220の拡大図である。図2Eで示されているように、磁気記憶層220の第1の磁性層220Aと磁気記憶層220の第2の磁性層220Bは、それぞれ、CoxFeyBzから製造される。Ta、Mo、W、Hf、又はそれらの組み合わせから製造された第3の層220Cが、それらの間に配置され、ホウ素、酸素、又は他のドーパントなどのドーパントを含む。したがって、磁気記憶層220は、3つの層、すなわち、第1の磁性層220A及び第2の磁性層220B、並びに第1の磁性層220Aと第2の磁性層220Bとの間に配置された第3の層220Cから製造される。第3の層220Cは、基板平面(例えば、基板202に垂直な平面)に垂直なピンニング(ピン止め)モーメントを強め、これは、磁気異方性、すなわち構造の磁気的特性の方向依存性を促進する。
[0065] 図2Fは、本開示の一実施形態による、例示的なキャッピング層222の拡大図である。キャッピング層222の全体的な厚さは、2Åから120Åであり、幾つかの実施形態では、キャッピング層の全体的な所望の厚さ(例えば、図2Fで示されているような中間層の全てを含む)は、約60Åである。一実施形態では、キャッピング層222が、複数の中間層を含む。第1のキャッピング中間層222Aは、磁気記憶層220上に直接的に形成されたMgO又は別の鉄含有酸化物から製造されて、約2Åから約10Åの厚さを有する。第1のキャッピング中間層222Aの頂部の上に、Ru、Ir、又はそれらの組み合わせの第2のキャッピング中間層222Bが、1Åから約30Åの厚さで形成される。一実施形態では、任意選択的に、第3のキャッピング中間層222Cが、第2のキャッピング中間層222B上に、1Åから約30Åの厚さで、Taから形成される。したがって、キャッピング層222の幾つかの実施形態は、第3のキャッピング中間層222Cを含まない。一実施形態では、任意選択的に、第2のキャッピング中間層222Dが、第3のキャッピング中間層222C上に形成され、Ru、Ir、又はそれらの組み合わせから、50Åまでの厚さで形成される。様々な実施形態では、キャッピング層222が、第1のキャッピング中間層222Aのみ、若しくは第1のキャッピング中間層222A及び第2のキャッピング中間層222B、又は第1のキャッピング中間層222A、第2のキャッピング中間層222B、及び第3のキャッピング中間層222C、すなわち、第1、第2、及び第3のキャッピング層222A〜222Cを含む。幾つかの実施形態では、MTJ積層体の性能が(1以上の)遷移層によって悪影響を受けないように、遷移層が、第1のキャッピング中間層222A、第2のキャッピング中間層222B、及び第3のキャッピング中間層222Cのうちの幾つか又は全部の間で使用されてよく、或いは、キャッピング層222と磁気記憶層220との間にあってもよい。
[0066] 本明細書で説明されるMTJ積層体は、摂氏400度以上の温度での処理を受けた後で改善された性能を有し、その改善された性能は、Crシード層やCr含有シード層をこれもまたCrを含む第1のピンニング層と組み合わせて使用した結果としての、シード層の構造と第1のピンニング層の構造との間の格子整合によって促進される。シード層の構造と第1のピンニング層の構造との間の格子整合は、シード層と第1のピンニング層との接触部分における粗さの形成を防止する。このような粗さの形成は、1以上の層での平坦性の欠如をもたらす。したがって、MTJ積層体は、構造的完全性並びに所望の磁気的及び電気的特性を維持することが可能である。更に、本明細書で説明される実施形態では、第1のピンニング層及び第2のピンニング層の組成とシード層との組み合わせが、高温処理後であっても所望の磁気的特性を高め得る。
[0067] 上記は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他の及び更なる実施形態が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。

Claims (15)

  1. 磁気トンネル接合積層体を備えるデバイスであって、前記磁気トンネル接合積層体が、
    緩衝層と接触し、クロム(Cr)を含むシード層、
    前記シード層と接触している第1のピンニング層であって、複数の二重層を含み、前記複数の二重層の各二重層が、コバルト(Co)から形成された第1の中間層、及びプラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)から形成された第2の中間層を含む、第1のピンニング層、
    前記第1のピンニング層と接触している結合層、並びに
    前記結合層と接触している第2のピンニング層を備える、デバイス。
  2. 前記第1のピンニング層と前記第2のピンニング層が、それぞれ、1個から10個の二重層を含み、前記第1のピンニング層の全体的な厚さが、0.3nmから18nmであり、前記第2のピンニング層の全体的な厚さが、0.3nmから18nmである、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記第1のピンニング層が、第1の前記複数の二重層と接触し且つ前記結合層と接触しているコバルト層を更に含み、前記コバルト層が、1Åから10Åの厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記第1のピンニング層が、1Åから100Åの厚さ有し、前記シード層が、1Åから100Åの厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記第2のピンニング層が、単一のCo層として形成され、1Åから10Åの厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記第2のピンニング層が、複数の二重層から形成され、前記複数の二重層の各二重層が、コバルト(Co)から形成された第1の中間層、及びプラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つから形成された第2の中間層を含み、前記第2のピンニング層が、0.3nmから18nmの厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記第2のピンニング層と接触している構造ブロッキング層、
    前記構造ブロッキング層と接触している磁気基準層、
    前記磁気基準層と接触しているトンネルバリア層、
    前記トンネルバリア層と接触している磁気記憶層、及び
    前記磁気記憶層上に形成されたキャッピング層であって、鉄(Fe)を含む酸化物から形成され、2Åから10Åの厚さを有するキャッピング層を更に含む。請求項1に記載のデバイス。
  8. 磁気トンネル接合積層体であって、
    緩衝層上に形成され、クロム(Cr)を含むシード層、
    前記シード層上に形成された第1のピンニング層であって、第1の複数の二重層を含み、前記第1の複数の二重層の各二重層が、コバルト(Co)から形成された第1の中間層、及びプラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つから形成された第2の中間層を含む、第1のピンニング層、
    前記第1のピンニング層上に形成された結合層、及び
    前記結合層上に形成され、コバルト(Co)を含む第2のピンニング層を含む、積層体。
  9. 前記第1のピンニング層が、前記第1の複数の二重層上に且つ前記結合層と接触するように形成された1Åから10Åの厚さを有するコバルト層を更に含み、前記第1のピンニング層の厚さが、1Åから100Åであり、前記第2のピンニング層が、1Åから100Åの厚さを有する、請求項8に記載の積層体。
  10. 前記第2のピンニング層上の構造ブロッキング層であって、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、又はタングステン(W)のうちの少なくとも1つを含み、1Åから8Åの厚さを有する、構造ブロッキング層、
    前記構造ブロッキング層上の磁気基準層、
    前記磁気基準層上のトンネルバリア層、及び
    前記トンネルバリア層上の磁気記憶層を更に含む、請求項8に記載の積層体。
  11. 前記シード層が、30Åから60Åの厚さを有し、2つ以上の層を含む、請求項8に記載の積層体。
  12. 磁気トンネル接合積層体であって、
    緩衝層上に形成され、クロム(Cr)を含むシード層であって、1Åから100Åの厚さを有するシード層、
    前記シード層上に形成され、1Åから100Åの厚さを有する第1のピンニング層であって、第1の複数の二重層、及び前記第1の複数の二重層の上に形成された第1のコバルト上層を含む第1のピンニング層、
    前記第1のピンニング層と前記第1のコバルト上層との間に形成された結合層、
    前記結合層上に形成され、1Åから100Åの厚さを有する第2のピンニング層であって、第2の複数の二重層を含む第2のピンニング層、
    前記第2のピンニング層上に形成された構造ブロッキング層であって、タンタル(Ta)、モリブデン(Mio)、又はタングステン(W)のうちの少なくとも1つを含み、1Åから8Åの厚さを有する構造ブロッキング層、
    前記構造ブロッキング層上に形成された磁気基準層、
    前記磁気基準層上に形成されたトンネルバリア層、並びに
    前記トンネルバリア層上に形成された磁気記憶層を含む、積層体。
  13. 前記第1の複数の二重層の各二重層が、コバルト(Co)から形成された第1の中間層、及びプラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、又はパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つから形成された第2の中間層を含み、前記第1の複数の二重層内の二重層の数が、2から10である、請求項12に記載の積層体。
  14. 前記シード層が、30Åから60Åの厚さを有し、前記第1のコバルト上層が、1Åから10Åの厚さを有する、請求項12に記載の積層体。
  15. 前記第2のピンニング層が、前記第2の複数の二重層の頂部の上に形成された第2のコバルト上層を含み、前記第2のコバルト上層が、前記構造ブロッキング層と接触している、請求項12に記載の積層体。
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