JP2021520339A - テトラフェニルフェノキシタングステンオキソアルキリデン複合体、その製造方法及びその使用 - Google Patents

テトラフェニルフェノキシタングステンオキソアルキリデン複合体、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、テトラフェニルフェノキシリガンド及び中性リガンド、例えばホスフィン又はピリジンと結合されたタングステンオキソアルキリデン複合体、並びに前記複合体を製造する方法に関する。前記複合体は、ジシクロペンタジエンのポリ(ジシクロペンタジエン)への開環メタセシス重合を実行するための触媒として有用である。

Description

本発明は、任意選択で置換された2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシリガンドと結合されたタングステンオキソアルキリデン複合体に関する。複合体は中性のリガンド、例えばホスフィン又はピリジンを有してよい。複合体は、ジシクロペンタジエン(DCPD)のポリ(ジシクロペンタジエン)(PDCPD)への開環メタセシス重合(ROMP)を実行するための触媒として有用である。
水素化されたポリ(ジシクロペンタジエン)(HPDCPD)は、透明性、低い複屈折性、成形可能性等の点の優れた特性のために、例えば光学用途及び様々な他の用途において使用することができる材料として関心を集めている。HPDCPDは、次に、適切な触媒を使用するエンド−DCPDのROMPによって製造することができるPDCPDの水素化によって、製造することができる。
国際公開第2015/127192号は、タングステンオキソテルフェノラート複合体を触媒として使用するDCPDのROMPを開示している。タングステンオキソテルフェノラート複合体:
Figure 2021520339
を有する触媒は、100%のシス配置及び100%のシンジオタクティシティーを有するPDCPDを結果としてもたらす。
Autenrieth,B.らの”Stereospecific Ring−Opening Metathesis Polymerization(ROMP) of endo−Dicyclopentadiene by Molybdenum and Tungsten Catalysts”、Macromolecules 2015、48、2480−2492、は様々な触媒を使用するDCPDのROMPを開示している。
イミドモリブデン及びタングステンアルキリデン複合体又はビスアリールオキシタングステンオキソアルキリデン複合体に加えて、2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシタングステンオキソアルキリデン複合体:
Figure 2021520339
は有効な触媒である、すなわち、等量触媒当たり50〜200等量のDCPDは、結果として98%より多いシス配位及び98%より高いシンジオタクティシティーを有するPDCPDをもたらすことが判明した。
DCPDのROMPの工業的応用のために、触媒は、容易に調製することができ、かつ反応条件の下で可能な限り長く安定であることが要求される。このような触媒の触媒活性を様々な反応条件に応じて調整することができ、例えば融点、分子量、分子量分布、立体選択性及び立体規則性の点で適したPDCPDを調製することができるように、それぞれ触媒活性を調整することができ、次に水素化の後に所望の応用特性を有するHPDCPDの形成を可能とする場合、そのことはさらに有利である。例えば触媒ライブラリの形態で、このような触媒を提供することが本発明の目的であった。
この目的は、請求項1で画定される、置換された2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシリガンドと結合されたタングステンオキソアルキリデン複合体を用いて達成された。
代替として、この目的は、請求項2で画定される、2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシリガンドと結合されたタングステンオキソアルキリデン複合体を用いて達成された。
その中で画定される触媒は反応条件の下で良好な安定性を有し、一般に触媒はエンド−DCPDのROMPのために使用される。
2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシリガンドは、4位において、若しくは2、3、5及び6位の1つ若しくは複数のフェニル置換基においてか、又は4位において、並びに2、3、5及び6位の1つ若しくは複数のフェニル置換基においてかのいずれかで、様々な電子吸引性又は電子供与性の置換基によって置換することができるため、有利には、適したPDCPD、及びそれによる適したHPDCPDの次ぐ形成を可能とするように、触媒の触媒活性を適合させることができる。
さらに、本発明の発明者らは、DCPDのROMPにおいて、特に請求項1で画定される化合物がPDCPDの分子量の優れた制御性を可能とすることを見出した。連鎖移動剤、例えば1−オレフィン、例えば1−ヘキセンの添加はまた、重合の立体特異性を減少させない。このことは特に有利である。
エンド−DCPDのROMPにおいて有用な、本発明による化合物
第一の態様において、本発明は式Iの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1及びR2のそれぞれは、独立に−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R又は−NRSO2Rであり;
ここで、それぞれのRは、独立に水素、又はC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成しており;
3は、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;
4は−OArであり;
ここで、Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであるか;又は
Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されており;
nは0、1若しくは2であり;並びに
それぞれのR5は、独立にリン含有リガンドであり、ここで、リン含有リガンドがリン原子を通してWと結合されている。)
に関する。
第二の態様において、本発明は式IIの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1及びR2のそれぞれは、独立に−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R又は−NRSO2Rであり;
ここで、それぞれのRは、独立に水素、又はC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成しており;
3は、窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;
4は−OArであり;
ここで、Arは、2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであるか;又は
Arは、2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されており;
nは0、1又は2であり;
それぞれのR5は、独立にリン含有リガンドであり、ここで、リン含有リガンドはリン原子を通してWと結合されていて;並びに
ここで、以下の式の化合物:
Figure 2021520339
は除外される。)
に関する。
第一の態様又は第二の態様の1つの実施態様において、R1及びR2の一方は水素であり、他方はC1-10脂肪族から選択される任意選択で置換された基である。
1つの実施態様において、R1及びR2の一方は水素であり、他方はC(CH33、C(CH3265又はフェニルから選択される。
1つの実施態様において、フェニルは2位に残基−O−R6(ここで、R6はC1-6アルキルから選択される。)を有する。
1つの実施態様において、R3は任意選択で置換されたピロール−1−イルから選択される。
1つの実施態様において、R3はピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル、2,5−ジフェニルピロール−1−イル又はインドール−1−イルから選択される。
第一の態様によれば、Arは水素とは異なる置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである。
1つの実施態様において、Arは、
−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2
(ここで、それぞれのRは、独立にC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成している。)
から選択される置換基を4位に有するか;又は
ハロゲン;ニトロ;シアノ若しくはエステル基C(O)OR7(ここで、R7はC1-10アルキルである。)から選択される置換基を4位に有する。
1つの実施態様において、水素とは異なる置換基は、水素に対して電子吸引性である置換基から選択される。
別の実施態様において、水素とは異なる置換基は、水素に対して電子供与性である置換基から選択される。
1つの実施態様において、Arは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブチルオキシ;NH2、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ及びジ(イソプロピル)アミノから選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである。
別の実施態様において、Arは、ニトロ;フッ素、塩素、臭素又はヨウ素;任意選択で置換されたフェニル;シアノ;C(O)OCH3、C(O)OC25及びC(O)OC37から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである。
第一の態様による好ましい実施態様において、4位の置換基はBr、NO2及びCNから選択される電子吸引性の基である。
第一の態様による別の好ましい実施態様において、4位の置換基はNH2、N(CH32及びCH3から選択される電子供与性の基である。
第一の態様及び第二の態様の別の実施態様において、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数は、1つ若しくは複数の置換基によって置換され、
前記1つ若しくは複数の置換基は−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2R;
ここで、前記1つ若しくは複数の置換基が−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2
(ここで、それぞれのRは、独立にC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成している。)
から選択されるか;又は
置換基はハロゲン;NO2;CN若しくはエステル基C(O)OR7(ここで、R7はC1-10アルキルである。)から選択される。
第一の又は第二の態様の1つの実施態様において、n=1である。
第一の又は第二の態様の1つの実施態様において、R5はホスフィンから選択される。好ましくは、R5はP(CH33、P(CH3)(C652、P(CH32(C65)及びP(シクロヘキシル)3から選択される。
第一の又は第二の態様の1つの実施態様において、R5は、P(CH33、P(CH3)(C652、P(CH32(C65)及びP(シクロヘキシル)3から選択され、n=1である。
第一の態様の1つの実施態様において、式Iの化合物は以下の構造:
Figure 2021520339
(式中、XはBr、NO2、CN、NH2、N(CH32又はCH3である。)
である。
Br、NO2及びCNは電子吸引性の基を代表する。
NH2、N(CH32及びCH3は電子供与性の基を代表する。
第二の態様の好ましい実施態様において、化合物は
Figure 2021520339
(式中、X=H)である。
好ましい実施態様において、2、3、5、6位のフェニル置換基は、上で画定される1つ又は複数の置換基によって置換されている。
1つの実施態様において、化合物は
Figure 2021520339
である。
第一の又は第二の態様で画定される化合物を含む組成物
第一の又は第二の態様で画定される化合物は、エンド−DCPDのROMPにおいて使用することができる。
第三の態様において、本明細書は、第一の又は第二の態様で画定される実施態様のいずれか1つで画定される化合物;及びエンド−ジシクロペンタジエン又はポリ(ジシクロペンタジエン)を含む組成物を開示する。
開環メタセシス反応を実行する方法
第四の態様において、本明細書は、第一の態様又は第二の態様で画定される化合物をジシクロペンタジエンと接触させることを含む、開環メタセシス重合(ROMP)を実行する方法を開示する。
エンド−DCPDの開環メタセシス重合をもたらすために十分な条件は、例えば背景技術のセクションに記載される先行技術から公知である。
1つの実施態様において、ルイス酸によって触媒を活性化することができ、すなわち、ルイス酸の存在の下で接触が実行され、触媒の活性を向上又は改質することができる。
1つの実施態様において、ボロンを含有するルイス酸の存在の下で接触が実行される。
さらに別の実施態様において、B(C653の存在の下で接触が実行される。
第一の又は第二の態様で画定される化合物を製造する方法
第一の態様及び第二の態様で画定される化合物は、例えばForrest,William P.らの”Tungsten Oxo Alkylidene Complexes as Initiators for the Stereoregular Polymerization of 2,3−Dicarboxymethoxynorbornadiene”、Organometallics 2014、33、2313−2325、において開示されている公知の方法によって調製することができる。
この刊行物は、背景技術のセクションで画定される化合物を得るための、2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシリガンドとクロロリガンドとに結合したタングステンオキソアルキリデン複合体の、リチウムピロリドとの、ピロリドによるクロロリガンドの交換による反応を開示している。
本発明の発明者らは、先行技術の方法によるリガンド交換を実行するとき、普通は、分解又は望ましくない副反応が観察される場合があることを見出した。特に、このことは、反応を工業的規模にスケールアップするよう試みる際に当てはまる。
先行技術(Peryshkov,V.及びSchrock,R.R.の”Synthesis of Tungsten Oxo Alkylidene Complexes”、Organometallics 31、20、7278〜7286)から公知であるジクロロタングステンオキソ複合体が、最初にリチウム2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシドを用いて、次いでリチウムピロリドを用いてか、又は逆の順序で用いて処理されたとき、同様の副反応が観察される場合がある。
発明者らは、第一の態様及び第二の態様による化合物のそれぞれのビス(N含有ヘテロアリール)複合体、例えばビスピロリド複合体が、2,3,5,6−テトラフェニルフェノール又はそのフェノラートと反応するとき、有利には、第一の態様及び第二の態様による化合物を、取り上げられた欠点を伴わずに調製することができることを見出した。
従って、第五の態様において、本発明は、式IIIの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1、R2、R5及びnは上で画定される意味を有し、好ましくは式中、n=2であり;
3=R4=窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;好ましくはピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル、2.5−ジフェニルピロール−1−イル又はインドール−1−イルである。)
を、適した2,3,5,6−テトラフェニルフェノールと反応させることを含む、式I又は式IIの化合物を製造する方法に関する。
2,3,5,6−テトラフェニルフェノラートの形で、好ましくはLiフェノラートとして、フェノールもまた提供することができる。しかし、それぞれのフェノールを使用することが好ましい。
1つの実施態様において、方法は、上の反応の前に、式IVの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1、R2、R5及びnは上で画定された意味を有し;
3=R4=ハロゲン、好ましくはClである。)
を、窒素、酸素又は硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールの塩;
(ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は負に帯電した窒素であり;好ましくはピロリド、2,5−ジメチルピロリド又は2,5−ジフェニルピロリドであり;ここで、対イオンは好ましくはリチウムである。)
との反応を含み、式IIIの化合物を得ることに関する。
式IVの化合物は公知であるか、又は公知の方法(上で言及されるPeryshkov,V.及びSchrock,R.R.を参照)によって調製することができる。
例示的には、反応は以下のスキーム:
Figure 2021520339
に示され、式中、W(O)(CHCMe2Ph)(Cl)2(PPhMe22をLi 2,5−ジメチルピロリド(Li 2,5−(CH3242N)と反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(2,5−(CH3242N)2(PPhMe2)を得る。
以下のスキーム:
Figure 2021520339
において示される通り、W(O)(CHCMe2Ph)(2,5−(CH3242N)2(PPhMe2)の、例えば4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノールとの次ぐ反応は、第一の態様で画定されるそれぞれの目標化合物をもたらす。
類似して、W(O)(CHCMe2Ph)(2,5−(CH3242N)2(PPhMe2)の、2,3,5,6−テトラフェニルフェノールとの反応は、第二の態様で画定されるそれぞれの目標化合物:
Figure 2021520339
をもたらす。
1つの実施態様において、方法は、先行技術から公知である化合物:
Figure 2021520339
の改善された合成を可能とし、方法は取り上げられた欠点を克服する。
方法は、化合物W(O)(CHCMe2Ph)(2,5−(CH3242N)2(PPh2Me)の、2,3,5,6−テトラフェニルフェノールとの反応を必要とする。
反応の前に、W(O)(CHCMe2Ph)(Cl)2(PPh2Me)2をLi 2,5−ジメチルピロリド(Li 2,5−(CH3242N)と交換してW(O)(CHCMe2Ph)(2,5−(CH3242N)2(PPh2Me)が製造され、必要とされる出発材料を得る。
従って、本発明はまた、式Vの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はC(CH3265であり;
3=R4=2,5−ジメチルピロール−1−イルであり;
5=P(CH3)(C652であり;
n=1である。)
を、2,3,5,6−テトラフェニルフェノール又はそのフェノラートと反応させることを含む、
Figure 2021520339
を製造する方法に関する。
さらに、発明者らは、開示される、第一の態様で画定されるリン含有化合物の製造方法において、中性リガンドとしてのP(CH3265の使用は、PCH3(C652の使用より有利であることを見出した。発明者らは、R5=P(CH3265である出発複合体を用いて得られる収率は、R5=CH3(C652である出発複合体を用いて得られる収率より、一般に非常に良好であることを見出した。
さらに、発明者らはまた、R5=P(CH3265である最終複合体は、R5=CH3(C652である最終複合体より、高い安定性を一般に有することを見出した。このことは、次ぐROMP反応の観点で、例えば高いターンオーバー数の点で有利である場合がある。
従って、最終複合体の製造のための出発材料、並びに第一の態様で画定される最終複合体の両方におけるP(CH3265の使用は、PCH3(C652の使用より好ましい。
従って、特に好ましい、リン含有中性リガンドR5はP(CH3265である。
前駆体としての式IIIの化合物
上で記載される通り、式IIIの複合体は、公知の方法によって、それぞれのジクロロ化合物(式IV:R3=R4=Cl)から、適したNを含有する複素環、例えばピロール又はピロリドとの反応によって、調製することができる。
従って、第六の態様において、本発明は式IIIの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1、R2、R5及びnは上で画定される意味を有し;
3=R4=窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;好ましくはピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル又は2,6−ジフェニルピロール−1−イルである。)
に関する。
2,3,5,6−テトラフェニルフェノール及びその調製
2,3,5,6−テトラフェニルフェノールは公知であるか、又は公知の方法によって調製することができる。
例えば、4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノールは公知の化合物(CAS no.1974−42−1)である。それは、4位において置換された他の2,3,5,6−テトラフェニルフェノールを合成するための出発材料として使用することができる。例示的な反応は実施例のセクションに示されている。
触媒ライブラリ
第七の態様によれば、本発明は第一の及び第二の態様で画定される触媒からなる触媒ライブラリに関するものであり、ここで、好ましくは、ライブラリは
Figure 2021520339
をさらに含む。
触媒ライブラリはハイスループットスクリーニングの方法において使用することができる。
第八の態様
第八の態様において、本発明は、式Iの化合物のリン含有リガンドが窒素含有リガンドに置き換えられた複合体に関するものであり、ここで、窒素含有リガンドはピリジンである。
これらの複合体において、2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシリガンドは置換されているか、又は置換されていなくてもよい。
従って、本発明は以下の項目に拡張することができる。
項目1.式Iの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1及びR2のそれぞれは、独立に−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2Rであり;
ここで、それぞれのRは、独立に水素、又はC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成しており;
3は、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;
4は−OArであり、
ここで、Arは、2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであるか;
Arは、2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位の、1つ若しくは複数のフェニル置換基が置換されているか;
Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであるか;又は
Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されており;
nは0、1若しくは2であり;並びに
それぞれのR5は、独立に、窒素含有リガンドであり、ここで、窒素含有リガンドは窒素原子を通してWと結合されていて、ここで、窒素含有リガンドはピリジンである。)。
項目2.R1及びR2の一方が水素であり、他方がC1-10脂肪族から選択される任意選択で置換された基である、項目1に記載の化合物。
項目3.R1及びR2の一方が水素であり、他方がC(CH33、C(CH3265又はフェニル若しくは残基−O−R6(ここで、R6はC1-6アルキルから選択される。)を2位に有するフェニルから選択される、項目1又は2に記載の化合物。
項目4.R3が任意選択で置換されたピロール−1−イル、例えば2,5−ジメチルピロール−1−イル若しくは2,5−ジフェニルピロール又はインドール−1−イルから選択される、項目1〜3のいずれか1項目に記載の化合物。
項目5.R3がピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル又は2,5−ジフェニルピロール−1−イルから選択される、項目1〜4のいずれか1項目に記載の化合物。
項目6.Arが、
−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2
(ここで、それぞれのRは、独立にC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成している。)
から選択される置換基を4位に有するか;又は
ハロゲン;ニトロ;シアノ若しくはエステル基C(O)OR7(ここで、R7はC1-10アルキルである。)から選択される置換基を4位に有する
2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、項目1〜5のいずれか1項目に記載の化合物。
項目7.Arが、水素である置換基に対して電子吸引性であるか又は電子供与性である置換基から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、項目1〜6のいずれか1項目に記載の化合物。
項目8.Arが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブチルオキシ;NH2、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ;ニトロ;フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素;任意選択で置換されたフェニル;シアノ;C(O)OCH3、C(O)OC25又はC(O)OC37から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、項目1〜7のいずれか1項目に記載の化合物。
項目9.Arが、Br、ニトロ、シアノ、NH2、N(CH32又はCH3から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、項目1〜8のいずれか1項目に記載の化合物。
項目10.2、3、5若しくは6位の1つ若しくは複数のフェニル置換基が、1つ若しくは複数の置換基によって置換され、
ここで、前記1つ若しくは複数の置換基が−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2
(ここで、それぞれのRは、独立にC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成している。)
から選択されるか;又は
置換基がハロゲン;ニトロ;シアノ若しくはエステル基C(O)OR6(ここで、R6はC1-10アルキルである。)から選択される、
項目1〜9のいずれか1項目に記載の化合物。
項目11.窒素含有リガンドR5が、ピリジン、又はC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、CN若しくはフェニルから選択される1つ若しくは複数の置換基によって置換されたピリジンから選択される、項目1〜10のいずれか1項目に記載の化合物。
項目12.n=1である、項目1〜11のいずれか1項目に記載の化合物。
項目13.化合物が
Figure 2021520339
(式中、XはBr、NO2、若しくはCNから選択される電子吸引性の置換基であるか;又は
式中、XはNH2、N(CH32若しくはCH3から選択される電子供与性の置換基であり;
Py=ピリジンである。)
から選択される、項目1に記載の化合物。
項目14.化合物が
Figure 2021520339
(式中、X=H)であるか;又は
化合物が
Figure 2021520339
であり、Py=ピリジンである、
項目1に記載の化合物。
項目15.式IIIの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R3=R4=窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;好ましくはピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル又は2.5−ジフェニルピロール−1−イルである。)
を、2,3,5,6−テトラフェニルフェノール若しくは置換された2,3,5,6−テトラフェニルフェノール又はそれぞれのフェノラート;
(ここで、R1、R2、R5、n及び置換された2,3,5,6−テトラフェニルフェノールは、請求項1〜14のいずれか1項で画定される意味を有する。)
と反応させることを含む、項目1〜14のいずれか1項目で画定される式Iの化合物を製造する方法。
項目16.式VIの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1、R2及びnは請求項15で画定される意味を有し;
3=R4=はハロゲン、好ましくはClであり;
5は、独立に、リン含有リガンドであり、ここで、リン含有リガンドはリン原子を通してWと結合されていて、好ましくはここで、リン含有リガンドはP(CH33、P(CH3)(C652、P(CH32(C65)又はP(シクロヘキシル)3から選択され、nは1又は2である。)
を、窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールの塩;
(ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は負に帯電した窒素であり、好ましくはピロリド、2,5−ジメチルピロリド又は2,5−ジフェニルピロリドであり;ここで、対イオンは好ましくはリチウムである。)
と、及び項目1又は11で画定される窒素含有リガンドと反応させて、式VIの化合物を得ることをさらに含む、項目15に記載の方法。
項目17.式IIIの化合物:
Figure 2021520339
(式中、R1、R2、R5及びnは項目1〜14のいずれか1項目で画定される意味を有し、好ましくは式中、n=1であり;
3=R4=窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;好ましくはピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル又は2,5−ジフェニルピロール−1−イルである。)。
項目18.項目1〜14のいずれか1項目で画定される化合物からなる触媒ライブラリ。
第八の態様で画定される化合物はまた、エンド−DCPDのROMPにおいて採用することができる。
1つの実施態様において、触媒ライブラリはまた、第一の又は第二の態様で画定される化合物を含有することができる。
新規化合物の合成は、例示的に以下のように示される。
以下のスキーム:
Figure 2021520339
に示される通り、本発明による、ピリジンを含有するW−オキソ−ビスピロリド複合体を、2,3,5,6−Ph46OH(TPPOH)及び4−Br−2,3,5,6−Ph46OH(4−Br−TPPOH)と反応させた。
ベンゼン中で、室温において、1等量のフェノールとの反応を実行して、予期されるピリジン付加物の排他的形成を、1H−NMRによって観察することができた。W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(TPPO)(ピリジン)(TPPO=2,3,5,6−Ph46-)及びW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−Br−TPPO)(ピリジン)(4−Br−TPPO=4−Br−2,3,5,6−Ph46-)を良好な収率で単離することができた。
第八の態様で画定される窒素含有リガンド、例えばピリジンは、第一の態様で画定されるリン含有リガンド、例えばホスフィンより、かなり安価で入手可能であるため、それぞれの窒素含有複合体、例えば化合物W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(TPPO)(ピリジン)及びW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−Br−TPPO)(ピリジン)は、DCPDのROMPにおいて使用される、ホスフィンを含有する複合体に対してかなり安価な代替物である可能性がある。このことは、工業的応用の観点で有利である可能性がある。
2,3,5,6−テトラフェニルフェノールリガンドの調製
4−NO2−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール
4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール(6.27mmol、2993mg、1.0等量)をアセトニトリル(45mL)中で、スラリーとして撹拌した。次いで、AgNO2(9.4mmol、1447mg、1.5等量)を添加した。混合物を80℃で20hの間加熱した。沈殿物をろ過して除去した。有機層を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲルに被覆、ジクロロメタン(DCM):へプタン 1:1(グラジエント)で溶離)によって、濃縮して精製した。1309mg、収率47%。
13C{1H}−NMR(CD2Cl2、δref 13C 溶媒=53.8ppm、δ(ppm)):128.2(C3−Ph Cpara)、128.2(C3−Ph Cmeta)、128.3(C2−Ph Cpara)、128.7(C2)、128.8(C2−Ph Cmeta)、130.1(C3−Ph Cortho)、131.1(C2−Ph Cortho)、134.1(C3)、134.5(C2−Ph Cipso)、135.2(C3−Ph Cipso)、146.1(C4−NO2)、150.0(C1−O)。
4−CN−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール
4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール(4.18mmol、1996mg、1.0等量)をジメチルホルムアミド(DMF、20mL)及びCuCN(8.36mmol、744mg、2.0等量)に添加した。結果として生じた混合物を、120℃で、蓋をしたバイアル中で一晩加熱した。反応混合物を100mLの水に添加した。沈殿物をろ過して除去して、水で洗浄して、空気乾燥した。粗製の、(DCMに対して)乏しい溶解性の生成物をシリカゲル(100mL)に被覆して、最初にヘプタン中の33%DCMの混合物で、次いでヘプタン中の66%DCMで溶離した。980mg、収率55%。
13C{1H}−NMR(CD2Cl2、δref 13C 溶媒=53.8ppm、δ(ppm)):106.6(C4)、118.4(CN)、128.16(C3−Ph Cpara)、128.16(C3−Ph Cmeta)、128.21(C2−Ph Cpara)、128.7(C2)、128.9(C2−Ph Cmeta)、130.4(C3−Ph Cortho)、131.2(C2−Ph Cortho)、134.6(C2−Ph Cipso)、138.1(C3−Ph Cipso)、146.5(C3)、154.1(C1−O)。
4−NH2−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール
4−NO2−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール(1.74mmol、770mg)をテトラヒドロフラン(THF、100mL)に添加した。結果として生じた混合物を、PtO2(0.17mmol、39mg、0.1等量)の存在する中で、50℃、20barのH2圧力で接触水素化させた。粗製生成物を、シリカゲルに被覆して、カラムクロマトグラフィー(DCM:ヘプタン グラジエント1:1から純粋なDCMまで)によって精製した。240mg、収率33%。
4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルアニソール
4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール(19.096g、40.0mmol)及び炭酸カリウム(11.057g、80mmol、2.0等量)を、アセトン(600mL)中でスラリー化した。ヨードメタン(8.516g、3.74mL、1.5等量)を添加して、48hの間撹拌を維持した。固形分をろ過によって除去して、ウェットケークをアセトン(3・50mL)で洗浄した。ろ過液を濃縮して、残留物をDCM(2・20mL)とともに粉末にして、標題の化合物(16.125g、収率82%)を得た。
4−Me−2,3,5,6−テトラフェニルアニソール
4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルアニソール(983mg、2.0mmol)をTHF(30mL)中に懸濁させて、BuLi溶液(0.8mL、2.5M、2.0mmol、1.0等量)を−78℃で滴下して添加し、次いでヨードメタン(426mg、3.0mmol、0.187mL、1.5等量)を添加した。結果として生じた溶液を、室温にして、カラムクロマトグラフィー(cc)(重炭酸塩水溶液(50mL))で抽出を行って、湿潤相をDCM(50mL)で逆抽出した。結びついた有機層を濃縮して、残留物にカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/DCM 1:1 グラジエント)を行って、標題の化合物(450mg、収率53%)を得た。
4−Me−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール
4−Me−2,3,5,6−テトラフェニルアニソール(1.00mmol、427mg)をDCM(50mL)に、次いでBBr3(2.00mmol、501mg、193mL)に、室温で1hの間に添加した。反応混合物を、DCM(50mL)で希釈して、H2Oを用いて、NaHCO3の水溶液のカラムクロマトグラフィーを用いて、及び最後にH2Oを用いて抽出した。DCM相をNa2SO4で乾燥して、濃縮した(401mg、97%)。生成物を、さらなる精製をせずに、次の工程で使用した。
以下のスキーム:
Figure 2021520339
は、上で説明された、4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノールを出発材料として使用するリガンドの合成の概要を示す。
本発明による式IIIの前駆体の調製
W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)2(PPhMe2)の合成
W(O)(CHCMe2Ph)(Cl)2(PPhMe22(11.30g、16.6mmol)と2,5−Me2PyrrLi(3.53g、34.9mmol)とを、ベンゼン(300mL)中で、室温で、112hの間撹拌した。反応混合物は濃い赤色に変わり、LiClが溶液から沈殿した。撹拌を止めて、LiClを沈ませて、溶液の透明部分からアリコートを取り出して、NMRで分析した。1H−NMRスペクトルは、完全な変換を示唆した。溶液をセライトのパッドを通してろ過して、LiClを除去した。透明な溶液から、真空中でベンゼンを除去して、残留物をペンタン(30mL)中で粉末にして、濃いオレンジ色の固体である生成物を作り出した。生成物をろ過によって単離した。オレンジ色の固体。収量:8.70g(79%)。
1H−NMR(C66):δ1.07(d、6H、2PH=7.6Hz、CH3PPhMe2)、1.60(s、6H、CH3 ネオフィリデン(neophilidene))、2.27(s br、12H、CH3Me2Pyrr)、6.15(s、4H、CH Me2Pyrr)、6.83(m、2H、Cmeta−H PPhMe2)、6.95(m、3H、Cortho−H、Cpara−H PPhMe2)、7.02(m、1H、Cpara−H ネオフィリデン)、7.12(m、2H、Cmeta−H ネオフィリデン)、7.20(m、2H、Cortho−H ネオフィリデン)、9.83ppm(s、2WH=11.4Hz、1H、W=CH)。
本発明による式I又は式IIの化合物の調製
実施例1
第二の態様による化合物としての
Figure 2021520339
の合成。
W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)2(PPhMe2)(400mg、0.607mmol)をベンゼン(3mL)中に溶解した。2,3,5,6−テトラフェニルフェノール(TPPOH)(242mg、0.607mmol)を固形分として添加した。そのバイアルからの残留物を、反応混合物中に、ベンゼン(2mL)ですすいで入れた。反応混合物を、室温で3hの間撹拌した。反応混合物の1H−NMR分析は、完全な変換を示唆した。溶媒を真空中で除去した。残留物、すなわち黄色がかった明るい茶色の固形発泡体(solid foam)を、ペンタン(8mL)とともに粉末にして、黄色の固体として生成物を作り出した。生成物をろ過によって単離して、ペンタン(合計で約5mL)で洗浄して、N2流中で乾燥した。黄色の固体。収量:497mg(85%)。
1H−NMR(C66、300MHz):1.01(d、6H、2PH=7.4Hz、PPhMe2)、1.42(s、3H、CH3 ネオフィリデン)、1.50(s、3H、CH3 ネオフィリデン)、2.36(s br、6H、Me2Pyrr)、6.38(s、芳香族Me2Pyrr)、6.85−7.19(m、30H、芳香族)、7.21(s、1H、Cpara-H テトラフェニルフェノラート)、10.76(br、1H、W=CH)ppm。
実施例2
第一の態様によるW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−Br−TPPO)(PPhMe2)の合成。
実施例1と同様に、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)2(PPhMe2)を4−Br−2,3,5,6−テトラフェニルフェノール(4−Br−TPPOH)と反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−Br−TPPO)(PPhMe2)(ここで、Me2Pyrr=2,5−ジメチルピロール−1−イル)を得た。
W(O)(CH=CMe2Ph)(2,5−Me2Pyrr)2(PPhMe2)(3225mg、4.9mmol)をベンゼン(50mL)中に溶解した。4−Br−2,3,5,6−Ph46OH(2339mg、4.9mmol)を固形分として添加した。そのバイアルからの残留物を、反応混合物中に、ベンゼン(20mL)ですすいで入れた。反応混合物を、室温で6hの間撹拌した。1H−NMRは、生成物及び少量の残留フェノール(3mol%)の存在を示唆した。ビスピロリド前駆体のベンゼン溶液を、残留フェノールの割合が1%より小さくなるまで、徐々に添加した。ベンゼンを真空中で除去した。残留物をペンタン(35mL)中で粉末にした。結果として生じた黄色の固体を、ろ過によって単離した。それをペンタン(合計で20mL)で洗浄して、最初にN2流で、次いで高真空中で乾燥した。黄色の固体。収量:5044mg(99%)。
1H−NMR(C66、300MHz、δref 1H 溶媒=7.16ppm):1.06(d、2PH=8.3Hz、6H、CH3 ホスフィン)、1、39(s、3H、CH3 ネオフィリデン)、1.43(s、3H、CH3 ネオフィリデン)、2.34(s、6H、CH3 Me2Pyr)、6.38(s、2H、CH Me2Pyrr)、6.46〜7.60(m、30H、芳香族)、10.51(br、1H、W=CH)。
実施例3〜7
第一の態様によるさらなる化合物の合成。
実施例2と同様に、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)2(PPhMe2)を、
4−NO2−TPPOHと反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−NO2−TPPO)(PPhMe2)を得て(実施例3);
4−CN−TPPOHと反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−CN−TPPO)(PPhMe2)を得て(実施例4);
4−NH2−TPPOHと反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−NH2−TPPO)(PPhMe2)を得て(実施例5);
4−N(CH32−TPPOHと反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−N(CH32−TPPO)(PPhMe2)を得て(実施例6);
4−CH3−TPPOHと反応させて、W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−CH3−TPPO)(PPhMe2)を得た(実施例7)。
以下は、実施例に基づくDCPDのROMPの観点で、本開示のより具体的な説明を提供する。以下の説明において、他に明示されない限り、「%」及び「部」は、量が質量を単位とすることを表現するために使用される。
実施例における測定及び評価を以下の方法を用いて実行した。
開環ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を、テトラヒドロフランを溶媒として用いて40℃でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を実行することによって、ポリスチレンに関する値として決定した。測定装置はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システム「HLC−8320」(Tosoh Corporation製)、カラムは「H type column」(Tosoh Corporation製)であった。
HDCPDポリマーの融点
HDCPDポリマーの融点を、示差走査熱量計(DSC)を使用して、10℃/minの加熱速度で実行した示差走査熱量測定によって測定した。
HDCPDポリマーの水素化率
HDCPDポリマー中の不飽和結合の水素化率を、1H−NMR測定に基づいて決定した。
HDCPDポリマーのシンジオタクティシティー
水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマー中のラセモダイアドの割合を、オルトジクロロベンゼン−d4/1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)−d3(混合比(質量基準):1/2)を溶媒として使用した、200℃における、逆ゲートデカップリング法による13C−NMRを通して測定した。具体的には、127.5ppmのオルトジクロロベンゼン−d4についてのピークを標準シフトとみなして、ラセモダイアドの割合(%)を、メソダイアドに起因する43.35ppmのシグナルとラセモダイアドに起因する43.43ppmのシグナルとの強度比に基づいて決定した。
本明細書において使用される用語「ダイアド(diad)」は、ポリマー分子中の2つの隣接する構造ユニットを定義する。ダイアドが等しい方向を向いている2つのユニットからなる場合、メソ化合物と類似の特徴を反映して、ダイアドはメソダイアドと呼ばれる。ダイアドが、反対の方向を向いているユニットからなる場合、ラセミ化合物のように、ダイアドはラセモダイアドと呼ばれる。ビニルポリマー分子の場合、メソダイアドは、ブック炭素鎖(book carbon chains)がポリマー骨格の同一の側に向いているものである。
実施例8
ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーの製造
窒素で内部にパージした金属製の圧力反応器を、344部のトルエン、286部(100部のジシクロペンタジエン)の、ジシクロペンタジエン(エンド異性体の含有率:99%以上)のトルエン溶液(濃度:35%)、及び連鎖移動剤としての1部の1−ヘキサンで満たして、圧力反応器の内容物を35℃に加熱した。実施例2からの0.100部のW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−Br−TPPO)(PPhMe2)を、29部のトルエン中に、開環重合触媒として溶解することによって、触媒溶液を別々に提供した。この触媒溶液を反応器中に添加して、開環重合反応を35℃で1hの間行って、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを含有する溶液を作り出した。ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを含有する結果として生じた667部の溶液に、停止剤(terminator)として1.1部の2−プロパノールを添加することによって、重合反応を停止した。結果として生じた溶液の一部を使用して、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーの分子量を測定した。結果として、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーが、24300の重量平均分子量(Mw)、8200の数平均分子量(Mn)及び2.96の分子量分布(Mw/Mn)を有していたことが決定された。得られた溶液を2000部の2−プロパノールと混合して再沈殿を実行して、次いでろか及び乾燥を実行して、99部のジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。
開環ポリマーの水素化
ガラスフラスコ中で、30.0部のジシクロペンタジエンベースの開環ポリマー、170部のp−トルエンスルホニルヒドラジド(水素化剤)及び600部のp−キシレンを混合して、次いで乾燥窒素雰囲気中で120℃に加熱して、4hの間反応を実行した。反応液体は、固形分が沈殿したスラリーであった。次いで、反応液体の遠心分離によって、固形分と溶液を分離した。減圧下で、24hの間、60℃で固形分を乾燥させて、27.0部の水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを作り出した。結果として生じた水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、99.4%の水素化率、284℃の融点、及び100%のラセモダイアドの割合(シンジオタクティシティー)を有していた。結果として生じた水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を使用して、少なくとも90℃であり、かつ120℃より高くはないことを確認した。
実施例9
実施例3からの0.100部のW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−NO2−TPPO)(PPhMe2)を開環重合反応において使用したことを除いては実施例8においてと同一の手法で、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを含有する溶液を得た。この溶液の一部を使用して、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーの分子量を測定した。結果として、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、25000の重量平均分子量(Mw)、8500の数平均分子量(Mn)及び2.94の分子量分布(Mw/Mn)を有していたことが決定された。得られた溶液を2000部の2−プロパノールと混合して再沈殿を実行して、次いでろ過及び乾燥を実行して、99部のジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。同一の手法で次ぐ工程を実行して、26.9部の水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、99.6%の水素化率、286℃の融点、及び99%のラセモダイアドの割合(シンジオタクティシティー)を有していた。結果として生じた水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量計を使用して、少なくとも90℃であり、かつ120℃より高くはないことを確認した。
実施例10
実施例4からの0.100部のW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−CN−TPPO)(PPhMe2)を開環重合反応において使用したことを除いては実施例8においてと同一の手法で、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを含有する溶液を得た。この溶液の一部を使用して、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーの分子量を測定した。結果として、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、25300の重量平均分子量(Mw)、8400の数平均分子量(Mn)及び3.01の分子量分布(Mw/Mn)を有していたことが決定された。得られた溶液を2000部の2−プロパノールと混合して再沈殿を実行して、次いでろ過及び乾燥を実行して、99部のジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。同一の手法で次ぐ工程を実行して、26.9部の水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、99.2%の水素化率、287℃の融点、及び100%のラセモダイアドの割合(シンジオタクティシティー)を有していた。結果として生じた水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を使用して、少なくとも90℃であり、かつ120℃より高くはないことを確認した。
実施例11
0.086部のW(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(TPPO)(PPhMe2)を開環重合反応において使用することを除いては実施例8においてと同一の手法で、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを含有する溶液を得た。この溶液の一部を使用して、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーの分子量を測定した。結果として、ジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、150000の重量平均分子量(Mw)、52000の数平均分子量(Mn)及び2.86の分子量分布(Mw/Mn)を有していたことが決定された。得られた溶液を2000部の2−プロパノールと混合して再沈殿を実行して、次いでろ過及び乾燥を実行して、99部のジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。同一の手法で次ぐ工程を実行して、26.9部の水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーを得た。水素化されたジシクロペンタジエンベースの開環ポリマーは、99%のラセモダイアドの割合(シンジオタクティシティー)を有していた。水素化率は95%より低く、融点は250℃より低かった。
一方で、前期実施例は、形成されたPDCPDの分子量及び高融点の良好な制御性を可能とする少量の連鎖移動剤を使用するとき、フェニルオキシ部分の4位における置換がDCPDのROMPを有効に改善することができることを示す。本発明の、分子量及び融点の良好な制御性は、PDCPDをさらなる水素化に適したものにして、その耐熱性を改善する。
他方で、フェニルオキシ部分の水素での4位における置換は、他の特定用途のために有利である場合がある高い分子量を有する水素化されたPDCPDを提供することを可能とする。
パラ位におけるテトラフェニルフェノキシ部分の、水素又は水素とは異なる置換基のいずれかでの置換によって、ROMP反応が、比較的低い分子量であるが高い融点を有するポリマー、又は比較的高い分子量であるが低い融点を有するポリマーに指向することができることは、予期することができなかった。発明者らは、この予期されなかった発見が、応用の観点で特に有益である可能性があると考えている。
窒素含有リガンドを含有する前駆体IIIの調製
W(O)(CHMe2Ph)(Me2Pyrr)Py(pyrr=ピロリド;Py=ピリジン)の合成
W(O)(CHCMe2Ph)Cl2(PPh2Me)2とW(O)(CHCMe2Ph)Cl2(PPh2Me)の3:1の混合物(884mg、1.175mmol)を30mLのバイアル中に移した。それをベンゼン(10mL)中に溶解した。LiMe2Pyrr(249mg、1.173mmol)を固体として添加した。ピロリド残留物を、ベンゼン(合計で2mL)とともに、ピロリドのバイアルから反応混合物中に、すすいで入れた。ピリジン(104μL、1.29mmol)を添加した。反応混合物を3hの間撹拌して、次いで、それを1H−NMRによって分析した。所望の生成物への完全な変換が観察された。反応混合物を、セライトを通してろ過して、全ての揮発性物質を除去して、残留物をペンタン中で粉末にして、結果として生成物の沈殿物を得た。それを冷凍室中で行ったろ過によって単離した。単離した固体を、冷却したペンタンで洗浄して、次いで、それをN2流中で乾燥した。暗い黄色の固体。収量:432mg(61%)。
1H−NMR(C66)δ(ppm):1.60(s br、6H、CH3 ネオフィリデン)、2.31(s br、12H、CH3 Me2Pyr)、6.12(br、2H、Cmeta−H Py)、6.12(s br、4H、CH Me2Pyr)、6.57(br、1H、Cpara−H Py)、6.73(m、3H、ネオフィリデン Ph Cmeta−H、Cpara−H)、6.81(m、2H、ネオフィリデン Ph Cortho−H)、7.68(br、2H、Cortho−H Py)、10.26(s br、1H、2WH=9.2Hz、W=CH)。
13C−NMR(C66)δ(ppm):18.1(CH3 Me2Pyr)、31.5(CH3 ネオフィリデン)、50.0(C ネオフィリデン)、110.3(CH Me2Pyr)、124.4(Cmeta Py)、135.2(NC Me2Pyr)、137.5(Cpara Py)、148.7(ネオフィリデン Ph Cipso)、150.2(Cortho Py)、295.2(W=CH)。
実施例11
W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(TPPO)(ピリジン)の合成
W−オキソ−ビスピロリドのピリジン付加物(99mg、0.165mmol)をベンゼン(3mL)中に溶解した。2,3,5,6−Ph46OH(66mg、0.165mmol)を固体として添加した。フェノールの残留物を、反応混合物中にベンゼン(合計で2mL)ですすいで入れた。反応混合物を、室温で4hの間撹拌した。反応混合物の1H−NMR分析は、所望の生成物への完全な変換を示唆した。真空中で溶媒を除去した。固体残留物をペンタン中で粉末にして、黄色の固体として生成物を生み出した。それをろ過によって単離して、N2流を導入した真空中で乾燥した。淡い黄色の固体。収量:119mg(80%)。
1H−NMR(C66)δ(ppm):1.43(s、3H、CH3 ネオフィリデン)、1.69(s br、3H、CH3 ネオフィリデン)、2.41(s br、6H、CH3 Me2Pyr)、6.24(br、2H、Cmeta−H Py)、6.44(s br、2H、CH Me2Pyr)、6.64(br、1H、Cpara−H Py)、6.70−7.45(m、25H、ネオフィリデン Ph、テトラフェニルフェノラート Ph)、7.13(s、1H、C4−H)、8.14(br、2H、Cortho−H Py)、10.48(s br、1H、W=CH)。
13C{1H}−NMR(C66)δ(ppm):19.1(CH3 Me2Pyr)、30.2(CH3 ネオフィリデン)、31.3(CH3 ネオフィリデン)、48.6(C ネオフィリデン)、108.4(CH Me2Pyr)、123.8(Cmeta Py)、125.2(C4)、130.3(C2)、135.4(NC Me2Pyr)、137.4(Cpara Py)、141.7(C3)、150.0(ネオフィリデン Ph Cipso)、150.5(Cortho Py)、158.0(C1)、280.4(W=CH)。
実施例12
W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyrr)(4−Br−TPPO)(ピリジン)の合成
W−オキソ−ビスピロリドのピリジン付加物(150mg、0.25mmol)をベンゼン(3mL)中に溶解した。4−Br−2,3,5,6−Ph46OH(113mg、0.237mmol)を固体として添加した。フェノールの残留物を、反応混合物中に、ベンゼン(合計で2mL)ですすいで入れた。反応混合物を、室温で6hの間撹拌した。1H−NMR分析は、所望の生成物への完全な変換を示唆した。真空中で溶媒を除去した。固体残留物をペンタン中で粉末にして、黄色の固体として生成物を生み出した。それをろ過によって単離して、N2流を導入した真空中で乾燥した。淡い黄色の固体。収量:205mg(88%)。
1H−NMR(C66)δ(ppm):1.36(s、3H、CH3 ネオフィリデン)、1.67(s br、3H、CH3 ネオフィリデン)、2.37(s br、6H、CH3 Me2Pyr)、6.37(br、2H、Cmeta−H Py)、6.43(s br、2H、CH Me2Pyr)、6.76(br、1H、Cpara−H Py)、6.79−7.25(m、25H、ネオフィリデン Ph、テトラフェニルフェノラート Ph)、8.18(br、2H、Cortho−H Py)、10.26(s br、1H、2WH=6.5Hz、W=CH)。
13C{1H}−NMR(C66)δ(ppm):19.8(CH3 Me2Pyr)、30.5(CH3 ネオフィリデン)、31.8(CH3 ネオフィリデン)、49.2(C ネオフィリデン)、108.9(CH Me2Pyr)、124.5(Cmeta Py)、135.6(NC Me2Pyr)、138.1(Cpara Py)、150.1(ネオフィリデン Ph Cipso)、151.2(Cortho Py)、282.0(W=CH)。

Claims (19)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2021520339
    (式中、R1及びR2のそれぞれは、独立に−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R又は−NRSO2Rであり;
    ここで、それぞれのRは、独立に水素、又はC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
    2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成しており;
    3は、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;
    4は−OArであり;
    ここで、Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであるか;又は
    Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されており;
    nは0、1若しくは2であり;並びに
    それぞれのR5は、独立にリン含有リガンドであり、ここで、リン含有リガンドがリン原子を通してWと結合されているか;又は
    それぞれのR5は、窒素含有リガンドであり、ここで、窒素含有リガンドは窒素原子を通してWと結合されていて、ここで、窒素含有リガンドがピリジンであり;
    4は−OArであり;
    ここで、Arは、2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであるか;
    Arは、2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されているか;
    Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであるか;又は
    Arは、水素とは異なる置換基を4位に有する2、3、5、6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されており;並びに
    nは0、1若しくは2である。)。
  2. 式IIの化合物:
    Figure 2021520339
    (式中、R1及びR2のそれぞれは、独立に−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R又は−NRSO2Rであり;
    ここで、それぞれのRは、独立に水素、又はC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
    2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成しており;
    3は、窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;
    4は−OArであり;
    ここで、Arは、2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであるか;又は
    Arは、2,3,5,6−テトラフェニルフェニルであり、ここで、2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が置換されており;
    nは0、1又は2であり;
    それぞれのR5は、独立にリン含有リガンドであり、ここで、リン含有リガンドはリン原子を通してWと結合されていて;並びに
    ここで、以下の式の化合物:
    Figure 2021520339
    は除外される。)。
  3. 1及びR2の一方が水素であり、他方がC1-10脂肪族から選択される任意選択で置換された基である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 1及びR2の一方が水素であり、他方がC(CH33、C(CH3265又はフェニル若しくは2位に残基−O−R6(ここで、R6はC1-6アルキルから選択される。)を有するフェニルから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 3が任意選択で置換されたピロール−1−イルから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 3がピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル、2,5−ジフェニルピロール−1−イル及びインドール−1−イルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. Arが、
    −R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2
    (ここで、それぞれのRは、独立にC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
    2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成している。)
    から選択される置換基を4位に有するか;又は
    ハロゲン;ニトロ;シアノ若しくはエステル基C(O)OR7(ここで、R7はC1-10アルキルである。)から選択される置換基を4位に有する
    2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、請求項1、又は請求項1に従属する範囲で請求項3〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. Arが、水素である置換基に対して電子吸引性であるか又は電子供与性である置換基から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、請求項1、又は請求項1に従属する範囲で請求項3〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. Arが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブチルオキシ;NH2、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ;ニトロ;フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素;任意選択で置換されたフェニル;シアノ;C(O)OCH3、C(O)OC25又はC(O)OC37から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、請求項1、又は請求項1に従属する範囲で請求項3〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. Arが、Br、ニトロ、シアノ、NH2、N(CH32又はCH3から選択される置換基を4位に有する2,3,5,6−テトラフェニルフェニルである、請求項1、又は請求項1に従属する範囲で請求項3〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 2、3、5若しくは6位のフェニル置換基のうち1つ若しくは複数が、1つ若しくは複数の置換基によって置換され、
    ここで、前記1つ若しくは複数の置換基が−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R若しくは−NRSO2
    (ここで、それぞれのRは、独立にC1-10脂肪族、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1-10ヘテロアルキル、フェニル、3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の炭素環、6〜10員の二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式のヘテロアリール環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員の飽和若しくは部分不飽和の複素環、窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和若しくは部分不飽和の複素環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式のヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であるか;又は
    2つのR基は、介在する原子によって任意選択で一緒にされて、介在する原子に加えて窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された3〜10員の単環式若しくは二環式の飽和、部分不飽和若しくはアリールの環を形成している。)
    から選択されるか;又は
    置換基がハロゲン;ニトロ;シアノ若しくはエステル基C(O)OR6(ここで、R6はC1-10アルキルである。)から選択される、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 5が、P(CH33、P(CH3)(C652、P(CH32(C65)若しくはP(シクロヘキシル)3から選択され、好ましくはP(CH32(C65)であるか;
    5が、P(CH33、P(CH3)(C652、P(CH32(C65)若しくはP(シクロヘキシル)3から選択され、好ましくはP(CH32(C65)であり、nが1であるか;
    5が、ピリジン、又はC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、CN若しくはフェニルから選択される1つ若しくは複数の置換基によって置換されたピリジンから選択されるか;又は
    5が、ピリジン、又はC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、CN若しくはフェニルから選択される1つ若しくは複数の置換基によって置換されたピリジンから選択され、nが1である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 化合物が
    Figure 2021520339
    (式中、XはBr、NO2、若しくはCNから選択される電子吸引性の置換基であるか;又は
    式中、XはNH2、N(CH32若しくはCH3から選択される電子供与性の置換基である。)
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  14. 化合物が
    Figure 2021520339
    (式中、X=H)であるか;又は
    化合物が
    Figure 2021520339
    である、
    請求項2に記載の化合物。
  15. 式IIIの化合物:
    Figure 2021520339
    (式中、R3=R4=窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;好ましくはピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル又は2.5−ジフェニルピロール−1−イルである。)
    を、2,3,5,6−テトラフェニルフェノール又は置換された2,3,5,6−テトラフェニルフェノール又はそれぞれのフェノラート
    (ここで、R1、R2、R5、n及び置換された2,3,5,6−テトラフェニルフェノールは、請求項1〜14のいずれか1項で画定される意味を有する。)
    と反応させることを含む、請求項1〜14のいずれか1項で画定される式I又は式IIの化合物を製造する方法。
  16. 式IVの化合物:
    Figure 2021520339
    (式中、R1、R2、R5及びnは請求項15で画定される意味を有し;
    3=R4=ハロゲン、好ましくはClである。)
    を、窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールの塩
    (ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は負に帯電した窒素であり;好ましくはピロリド、2,5−ジメチルピロリド又は2,5−ジフェニルピロリドであり;ここで、対イオンは好ましくはリチウムである。)
    と反応させて、式IIIの化合物を得ることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 式Vの化合物:
    Figure 2021520339
    (式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はC(CH3265であり;
    3=R4=2,5−ジメチルピロール−1−イルであり;
    5=P(CH3)(C652であり;
    n=1である。)
    を、2,3,5,6−テトラフェニルフェノール又はリチウム2,3,5,6−テトラフェニルフェノラートと反応させることを含む、
    Figure 2021520339
    を製造する方法。
  18. 式IIIの化合物:
    Figure 2021520339
    (式中、R1、R2、R5及びnは請求項1〜14のいずれか1項で画定される意味を有し、好ましくは式中、n=1であり;
    3=R4=窒素、酸素又は硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された5〜14員のヘテロアリールであり、ここで、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素であり;ここで、ヘテロアリール環は窒素原子によってWに配位され;好ましくはピロール−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イル又は2,5−ジフェニルピロール−1−イルである。)。
  19. 請求項1〜13のいずれか1項で画定される化合物からなり、好ましくは
    Figure 2021520339
    をさらに含む、触媒ライブラリ。
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