JP2021519381A - セリウム安定化ポリアミド及びその製造方法 - Google Patents

セリウム安定化ポリアミド及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021519381A
JP2021519381A JP2021502728A JP2021502728A JP2021519381A JP 2021519381 A JP2021519381 A JP 2021519381A JP 2021502728 A JP2021502728 A JP 2021502728A JP 2021502728 A JP2021502728 A JP 2021502728A JP 2021519381 A JP2021519381 A JP 2021519381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
cerium
less
polyamide
polyamide composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021502728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7222067B2 (ja
Inventor
スパークス,ブラッドリー・ジェイ
ヘンサーリング,ライアン・エム
ソーマシリ,ナナヤッカラ・エル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ascend Performance Materials Operations LLC
Original Assignee
Ascend Performance Materials Operations LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ascend Performance Materials Operations LLC filed Critical Ascend Performance Materials Operations LLC
Publication of JP2021519381A publication Critical patent/JP2021519381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7222067B2 publication Critical patent/JP7222067B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/09Carboxylic acids; Metal salts thereof; Anhydrides thereof
    • C08K5/098Metal salts of carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/06Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/16Halogen-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/56Organo-metallic compounds, i.e. organic compounds containing a metal-to-carbon bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/02Polyamides derived from omega-amino carboxylic acids or from lactams thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • C08K2003/221Oxides; Hydroxides of metals of rare earth metal
    • C08K2003/2213Oxides; Hydroxides of metals of rare earth metal of cerium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

25重量%〜90重量%のアミドポリマー、0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤、第2の熱安定化剤、ハロゲン化物添加剤、及び0.3重量%未満のステアレート添加剤を含む熱安定化組成物。ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は45.0未満である。【選択図】なし

Description

[0001]本出願は、2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,731号及び2019年1月23日出願の米国仮特許出願第62/795,798号(これらの全体を参照により本明細書に組み込む)に関連し、それらに対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、特に熱劣化に対するポリアミドの安定化、かかる安定化において使用する添加剤、及び得られる安定化ポリマー組成物に関する。
[0003]従来のポリアミドは一般に、例えばテキスタイル、自動車部品、カーペット、及びスポーツウェアなどの多くの用途における使用に関して公知である。
[0004]これらの用途の幾つかにおいては、問題のポリアミドは、例えば150℃〜250℃のオーダーの高い温度に曝されることがある。かかる高温に曝されると、幾つかの不可逆的な化学的及び物理的変化がポリアミドに影響を及ぼし、これらは幾つかの不利な特性によって現れることが公知である。ポリアミドは、例えば脆くなったり変色したりすることがある。更に、引張強さ及び反発弾性のようなポリアミドの望ましい機械特性は、通常は高温への曝露によって低下する。特に、熱可塑性ポリアミドは、建築材料においてガラス繊維強化成形化合物の形態でしばしば使用される。多くの場合、これらの材料は上昇した温度にかけられ、これによりポリアミドに損傷、例えば熱酸化損傷がもたらされる。
[0005]幾つかの場合においては、例えばより高い温度において性能を向上させるために、熱安定化剤又は熱安定化剤パッケージをポリアミド混合物に加えることができる。従来の熱安定化剤パッケージの添加は、多少の熱酸化損傷を遅延させることが示されているが、通常はこれらの熱安定化剤パッケージは、損傷を単に遅延させるに過ぎず、それを永久的に防止しない。上述したように、熱酸化損傷の例としては、引張強さ及び反発弾性の低下が挙げられる。
[0006]更に、従来の安定化剤パッケージは、より高い温度範囲、例えば180℃〜240℃又は190℃〜230℃のような特定の温度ギャップにわたって効果がないことが見出されている。特に、多くの公知の安定化剤パッケージを使用すると、広い温度範囲、例えば上述の温度ギャップにわたって安定性/性能ギャップを有するポリアミドを生成する。例えば、銅ベースの安定化剤を使用するポリアミドは、180℃より高い温度において性能ギャップを有するポリアミドを生成する。同様に、ポリオールベースの安定化剤を使用するポリアミドは、190℃より高い温度において性能ギャップを有するポリアミドを生成する。したがって、ポリアミドがこれらの温度に曝されると、ポリアミドは、例えば中でも引張強さ及び/又は反発弾性の点であまり機能しない。更に、これらの安定化剤の多くは幾つかの温度において性能を向上させることができるが、それぞれの安定化剤パッケージはしばしば、それ自体の一連の更なる欠点を示す。例えば、鉄ベースの安定化剤を使用する安定化剤パッケージは、鉄化合物の平均粒径において高度の正確さを必要とすることが知られており、これは製造における困難性をもたらす。更に、これらの鉄ベースの安定化剤パッケージは安定性の問題を示し、例えばポリアミドは種々の製造段階中に分解する可能性がある。その結果、製造プロセスの種々の段階中の滞留時間を注意深く監視しなければならない。亜鉛ベースの安定化剤を使用するポリアミドにおいても同様の問題が存在する。
[0007]従来の安定化剤パッケージの一例として、EP−2535365A1は、(A)(A1)255〜330℃の融点を有する少なくとも1種類の半芳香族半結晶質ポリアミド、及び(A2)少なくとも1種類の半芳香族半結晶質ポリアミド(A1)とは異なる、少なくとも50重量%のカプロラクタム含量を有する少なくとも1種類のカプロラクタム含有ポリアミドを含むポリアミド混合物(27〜84.99重量%);(B1)少なくとも1種類のフィラー及び強化剤(15〜65重量%);(C)少なくとも1種類の熱安定化剤(0.01〜3重量%);及び(D)少なくとも1種類の添加剤(0〜5重量%);を含むポリアミド成形化合物を開示している。ポリアミド成形化合物は、(A)(A1)255〜330℃の融点を有する少なくとも1種類の半芳香族半結晶質ポリアミド、及び(A2)少なくとも1種類の半芳香族半結晶質ポリアミド(A1)とは異なる、少なくとも50重量%のカプロラクタム含量を有する少なくとも1種類のカプロラクタム含有ポリアミドを含むポリアミド混合物(27〜84.99重量%)を含む。ポリアミド(A1)及びポリアミド(A2)中に含まれるカプロラクタムの合計量は、ポリアミド混合物に対して22〜30重量%である。ポリアミド混合物は、(B1)少なくとも1種類のフィラー及び強化剤(15〜65重量%);(C)少なくとも1種類の熱安定化剤(0.01〜3重量%);及び(D)少なくとも1種類の添加剤(0〜5重量%)を更に含む。周期律表のVB、VIB、VIIB、又はVIIIB族の遷移金属の金属塩及び/又は金属酸化物は、ポリアミド成形化合物中に存在しない。
[0008]GB−904,972は、安定化剤として0.5〜2重量%の次リン酸及び/又は次リン酸塩、並びに0.001〜1重量%の水溶性セリウム(III)塩及び/又は水溶性チタン(III)塩を含む安定化ポリアミドを開示している。特定のヒドロホスフェート(hydrophosphates)は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、セリウム、トリウム、銅、亜鉛、チタン、鉄、ニッケル、及びコバルトの次リン酸塩である。特定の水溶性セリウム(III)及びチタン(III)塩は、塩化物、臭化物、ハロゲン化物、スルホン酸塩、ギ酸塩、及び酢酸塩である。特定のポリアミドは、カプロラクタム、カプリルラクタム、o−アミノ−ウンデカン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、又はデカメチレンジカルボン酸のヘキサメチレン又はデカメチレンジアミンとの塩、ヘプタンジカルボン酸のビス−(4−アミノシクロヘキシル)−メタンとの塩、テトラメチレンジイソシアネートとアジピン酸の塩、及び脂肪族w−アミノアルコールと官能基間にそれぞれ4〜34個の炭素原子を有するジカルボン酸の塩から誘導されるものである。安定化剤は、重縮合反応の間又はその後にポリアミドに加えることができる。艶消し剤、例えば二酸化セリウム、二酸化チタン、二酸化トリウム、又は三酸化イットリウムをポリアミドに加えることもできる。実施例(1)及び(2)は、(1)次リン酸二水素二ナトリウム六水和物、並びに(a)塩化チタン(III)六水和物、(b)塩化セリウム(III)の存在下でのアジピン酸ヘキサメチレンジアンモニウム;(2)次リン酸トリウム及び塩化チタン(III)六水和物の存在下でのカプロラクタム;の重合を記載しており、一方、実施例(3)においては、ポリカプリルラクタムを次リン酸四ナトリウム、酢酸チタン(III)、及び二酸化チタンと混合している。
[0009]また、EP−1832624A1は、フリーラジカルによる、光化学的、熱的、物理的、及び/又は化学的に誘発された分解、好ましくはUV光曝露に対して有機ポリマーを安定化するためにラジカル捕捉剤を使用することを開示している。無機ラジカル捕捉剤として二酸化セリウムが使用される。(1)二酸化セリウム、UV吸収剤、及び/又は第2のラジカル捕捉剤を含むポリマー組成物;(2)二酸化セリウム、UV吸収剤、及び/又は少なくとも1種類の第2のラジカル捕捉剤の組み合わせを含む、有機ポリマーを安定化するための薬剤;並びに(3)無機ラジカル捕捉剤として二酸化セリウムを場合によってはUV吸収剤又は第2のラジカル捕捉剤と組み合わせて混合することを含む、フリーラジカルによる、光化学的、熱的、物理的、及び/又は化学的に誘発された分解に対して、好ましくはポリマーベースの配合物、ラッカー、着色物質、又は被覆物質の形態の有機ポリマーを安定化する手順;に関する独立請求項が含まれる。
[0010]また、US2004/0006168A1は難燃剤成形組成物を開示している。この組成物は、ポリマー成分、好ましくはポリアミド、赤リン、ホウ酸亜鉛、滑石、及びランタニド化合物を含む。この組成物は、その組み合わさった耐炎性及び良好な機械特性を有することを特徴とする。この組成物にはまた、フィラー又は強化物質、耐衝撃性改良剤、及び更なる従来の添加剤を含ませることができる。
EP−2535365A1 GB−904,972 EP−1832624A1 US2004/0006168A1
[0011]参考文献を考慮しても、広い温度範囲にわたって優れた性能を示し、特に、より高い温度範囲、例えば、190℃より高いか、又は190℃〜230℃(温度ギャップ)(これは、多くのポリアミド構造体が例えばエンジン熱を扱う自動車用途において使用される範囲である)において(性能特性の中でも特に)引張強さ及び反発弾性の有意な改良を示す、改良されたポリアミド化合物に対する必要性が存在する。
[0012]一実施形態においては、本発明は、25重量%〜90重量%のアミドポリマー(場合により第1のアミドポリマー及び第2のアミドポリマー)、0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤、第2の熱安定化剤、例えば銅ベースの化合物(0.01重量%〜5重量%又は350wppmより多い量で存在する)、0重量%〜60重量%のフィラー、ハロゲン化物添加剤、及び0.3重量%未満のステアレート添加剤を含む熱安定化ポリアミド組成物に関する。ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は、45.0未満、例えば10未満であり、及び/又は第2の熱安定化剤に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比は、0.1〜8.5の範囲である。本ポリアミド組成物は、180℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合、又は190℃〜230℃の温度範囲で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有することができる。セリウムベースの熱安定化剤は、セリウムハイドレート、酢酸セリウム、セリウムオキシハイドレート、リン酸セリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるセリウムリガンド化合物であってよく、セリウムベースの熱安定化剤の活性化温度は、第2の熱安定化剤の活性化温度より少なくとも10%高い。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤はセリウムベースのリガンド化合物であり、第2の熱安定化剤は銅ベースの熱安定化剤であり、本ポリアミド組成物は、少なくとも220℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも80MPaの引張強さを有する。
[0013]幾つかの実施形態においては、本発明は、25重量%〜99重量%のアミドポリマー、0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤、及び第2の熱安定化剤を含む熱安定化ポリアミド組成物に関する。アミドポリマーは、アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド;及びアミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は非低融点ポリアミドを含んでいてよい。低カプロラクタム含量ポリアミドは、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはそれらの組み合わせを含んでいてよく、50重量%未満のカプロラクタムを含んでいてよい。低融点ポリアミドは、210℃より低い融点を有していてよい。本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の温度範囲で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有することができる。
[0014]幾つかの実施形態においては、本発明は、25重量%〜99重量%のアミドポリマー、0.01重量%〜10重量%、例えば10ppm〜9000ppmの酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレート、第2の熱安定化剤、ハロゲン化物添加剤、及び0.3重量%未満のステアレート添加剤を含む熱安定化ポリアミド組成物に関する。ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は45.0未満であってよく、本ポリアミド組成物は、場合によって少なくとも180℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有することができる。本ポリアミド組成物はまた、30wppm〜5000wppmの範囲の量で存在するヨウ化物(イオン)を含んでいてよい。アミドポリマーは、アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド;及びアミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミド又は非低融点ポリアミドを含んでいてよい。本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の温度範囲で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有することができる。
[0015]本発明は、より高い温度における性能、例えば引張強さ及び/又は反発弾性の有意な改良を与える、独特で相乗的な熱安定化剤パッケージを含む熱安定化ポリアミド組成物に関する。従来の熱安定化剤パッケージは、広い温度範囲にわたる安定性/性能ギャップに悩まされており、これらの性能ギャップは、しばしば、例えば自動車部品用途のポリアミド構造体が使用される温度においてしばしば生じる。その結果、ポリアミド構造体は、性能及び/又は構造上の欠陥を示す。本発明のポリアミド組成物及びそれから製造される構造体は、より高い温度への曝露を必要とする用途における使用を可能にする。熱老化回復性(heat-aging resilience)の改良は、熱負荷ポリアミド成分に関するより長い使用寿命をもたらすことができるので、特に望ましい。更に、改良された熱老化回復性は、熱がかけられたポリアミド成分の破損リスクを減少させることができる。
[0016]相乗的な熱安定化剤(熱安定化剤パッケージ)を、好ましくは特定の量で使用すると、予期しなかったことに広い温度範囲にわたって優れた性能が得られることが見出された。より具体的には、本明細書に開示するポリアミド組成物は、驚くべきことに、190℃〜230℃、例えば190℃〜210℃の範囲の温度において、特にかかる温度に長時間曝露した場合に、有意な性能の改良を達成することが見出された。重要なことに、この温度範囲は、例えば自動車用途において多くのポリアミド構造体が使用される温度範囲である。代表的な自動車用途としては、内燃機関のための冷却システムのような、種々の「ボンネット内」の使用を挙げることができる。特に、多くのポリアミド構造体は、ポリアミドを高温に曝すターボチャージャー及び給気冷却器システムにおいて使用される。熱安定化ポリアミド組成物の予期しなかった優れた性能のために、それらはこれらの用途に特に良く適している。
[0017]更に、本発明者らは、特定の(より多い)量、例えば90重量%より多い量の低カプロラクタム含量ポリアミド、例えばPA−66/6コポリマー(したがって、より少ない量の、より高カプロラクタム含量のポリアミド、例えばPA−6)を使用すると、驚くべきことに、特に相乗的熱安定化剤パッケージと共に使用する場合に、前述の温度範囲にわたってより良好な熱安定性が与えられることを見出した。また、予期しなかったことに、特定の(より多い)量の、例えば210℃未満のより低い融点を有するポリアミド(したがって、より少ない量のより高融点のポリアミド、例えばPA−6)を使用すると、実際に熱安定性が改良されることが見出された。伝統的に、低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドの使用は、例えば、これらの低温ポリアミドが高カプロラクタム含量ポリアミドよりも低い融点を有するので、得られるポリマー組成物の最終的な高温性能に対して有害であると考えられてきた。本発明者らは、予期しなかったことに、ある量の低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを加えると、実際に高温熱性能が改良されることを見出した。理論によって縛られないが、より高い温度においては、これらのアミドポリマーは実際に「解重合(unzip)」してモノマー相に向かってシフトし、これによって驚くべきことに高温熱性能の改良がもたらされると推定される。更に、低い融点を有するポリアミドの使用は実際に、解重合が起こる温度の低下をもたらし、したがって予期しなかったことに改良された熱安定性に更に寄与すると考えられる。
[0018]幾つかのポリアミドは、低カプロラクタム含量ポリアミド、並びに低融点ポリアミド、例えばPA−66/6であってよい。他の場合においては、低融点ポリアミドは、幾つかの低カプロラクタム含量ポリアミドを含んでいなくてよく、逆もまた同様である。
[0019]幾つかの場合においては、本明細書に開示する熱安定化ポリアミド組成物は、アミドポリマー、並びに第1の熱安定化剤及び第2の熱安定化剤を含む特定の安定化剤パッケージを含む。これらの成分は、本明細書中で議論される特定の量、限界値、及び比で熱安定化ポリアミド組成物中に存在する。第1の熱安定化剤は、ランタノイドベースの化合物、例えばセリウムベースの化合物を含んでいてよい。第2の熱安定化剤は変化してよく、好ましい実施形態においては、銅ベースの化合物、例えばハロゲン化銅である。幾つかの実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤は特定の量又は濃度範囲で使用する。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤及び第2の熱安定化剤は、第2の熱安定化剤に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比が、本明細書において議論する特定の範囲又は限界内に入るような量で使用する。
[0020]幾つかの実施形態においては、熱安定化剤は、特定の酸化物/オキシハイドレート化合物、好ましくは酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレートを含む。幾つかの場合においては、セリウムオキシハイドレート及び酸化セリウムは1306−38−3のCAS番号を有し得;セリウムハイドレートは12014−56−1のCAS番号を有し得る。
・セリウムオキシハイドレート=CeO・HO;
・酸化セリウム=CeO;CAS-1306−38−3;
・セリウムハイドレート=水酸化セリウム=Ce(OH)
[0021]ポリアミドは、(セリウムベースの化合物及び第2の熱安定化剤に加えて)ハロゲン化物添加剤、例えば、塩化物、臭化物、及び/又はヨウ化物を更に含んでいてよい。幾つかの場合においては、ハロゲン化物添加剤の目的は、ポリアミド組成物の安定化を改良することである。驚くべきことに、本発明者らは、本明細書に記載されるように使用すると、ハロゲン化物添加剤は、ポリアミドのフリーラジカル酸化を軽減することによって、安定化剤パッケージと相乗的に作用することを見出した。代表的なハロゲン化物添加剤としては、塩化カリウム、臭化カリウム、及びヨウ化カリウムが挙げられる。幾つかの場合においては、これらの添加剤は本明細書中で議論する量で使用する。
[0022]幾つかの実施形態においては、熱安定化ポリアミドには、好ましくはステアレート添加剤、例えばステアリン酸カルシウム又はステアリン酸亜鉛を含ませることができるが、存在させる場合は少量である。一般に、ステアレートは安定化に寄与することは知られておらず、むしろ、ステアレート添加剤は、通常は潤滑のため、及び/又は離型を助けるために使用される。相乗的な少量を使用するので、本発明の熱安定化ポリアミド組成物は、従来のポリアミド中に通常存在する多い量のステアレート潤滑剤を必要とせずにポリアミド構造体を効果的に製造することができ、したがって製造効率性を与える。また、本発明者らは、少量のステアレート添加剤は有害なステアレート分解生成物の形成の可能性を減少させることを見出した。特に、ステアレート添加剤は、より高い温度において分解して、ポリアミド組成物において更なる安定性の問題を引き起こすことが見出された。
[0023]本発明者らはまた、ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比を特定の範囲及び/又は限界内に維持すると、安定化が相乗的に改良されることも見出した。幾つかの実施形態においては、ステアレート添加剤、例えばステアリン酸カルシウム又はステアリン酸亜鉛に対するハロゲン化物添加剤、例えば臭化物又はヨウ化物の重量比は、45.0未満、例えば40.0未満、35.0未満、30.0未満、25.0未満、20.0未満、15.0未満、10.0未満、5.0未満、4.1未満、4.0未満、又は3.0未満である。範囲に関しては、この重量比は、0.1〜45、例えば0.1〜35、0.5〜25、0.5〜20.0、1.0〜15.0、1.0〜10.0、1.5〜8、1.5〜6.0、2.0〜6.0、又は2.5〜5.5の範囲であってよい。下限に関しては、この比は、0.1より大きく、例えば0.5より大きく、1.0より大きく、1.5より大きく、2.0より大きく、2.5より大きく、5.0より大きく、又は10.0より大きくてよい。
[0024]幾つかの場合においては、ハロゲン化物添加剤に対する第2の熱安定化剤、例えば銅ベースの安定化剤の重量比は、0.175未満、例えば0.15未満、0.12未満、0.1未満、0.075未満、0.05未満、又は0.03未満である。範囲に関しては、ハロゲン化物に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比は、0.001〜0.174、例えば0.001〜0.15、0.005〜0.12、0.01〜0.1、又は0.5〜0.5の範囲であってよい。下限に関しては、ハロゲン化物に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比は、少なくとも0.001、例えば少なくとも0.005、少なくとも0.01、又は少なくとも0.5である。
[0025]重要なことに、セリウムベースの熱安定化剤と第2の熱安定化剤、例えば銅ベースの熱安定化剤との重量比は、8.5:1未満であってよい。この重量比は、本明細書においては「セリウム比」と呼ぶことができる。好ましくは、第2の熱安定化剤は、ステアレート化合物、例えばステアリン酸カルシウムを含まず、比はそのように計算される。他の実施形態においては、セリウム比は14.5より大きい。セリウム比に関する更なる限界及び範囲は、本明細書中に与える。理論によって縛られないが、(本明細書で言及する)特定量のセリウムベースの熱安定化剤の使用は、安定化剤パッケージの活性化に影響を及ぼすと考えられる。また、前述の安定化剤パッケージによって与えられる活性化は、特により広い(より高い)温度範囲にわたって、安定化のプロファイルにおける改良に相乗的に寄与する。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤は特定の活性化温度を有し得、第2の熱安定化剤はセリウムベースの熱安定化剤とは異なる特定の活性化温度を有し得る。例えば、セリウムベースの熱安定化剤は、第2の熱安定化剤、例えば銅ベースの化合物よりも高い活性化温度を有し得る。(前述のセリウム比での)2種類の熱安定化剤の相乗的組合せは、セリウムベースの熱安定化剤が特により高い温度におけるポリアミド組成物への熱損傷を防止することを可能にし、一方、第2の熱安定化剤は、(わずかに)より低い温度における熱損傷の防止を補う。而して、第2の熱安定化剤に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比は、得られるポリアミドの性能特性、例えば引張強さ及び反発弾性に影響を及ぼすことが見出された。
[0026]対照的に、幾つかの従来の熱安定化剤パッケージはセリウム及び他の安定化剤を使用するが、本明細書において開示するように、第2の(非ステアレート)熱安定化剤に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比の重要性については、少ししか、又は全く教示されていない。更に、幾つかの従来の安定化剤パッケージは、第2の熱安定化剤の組み合わせ、例えば銅ベースの化合物とステアリン酸カルシウムのようなステアレートとの組み合わせに依存し得る。しかしながら、これらのパッケージの多くは、はるかに少量の銅ベースの化合物、並びに大量のステアレート及び/又は次リン酸及び/又は次リン酸塩を使用しており、その結果、安定化のプロファイルの改良、例えば、本明細書において議論される広い温度範囲にわたる熱損傷の安定した遅延を与えない。リンベースの化合物は、1つのクラスの酸化防止安定化剤として当該技術において一般に知られている。しかしながら、これらのリン安定化剤は短期間の安定性のみしか提供せず、したがって望ましくないことが見出された。本発明の安定化剤パッケージは、次リン酸及び/又は次リン酸塩のような追加のリンベースの安定化剤を必要とせずに効果的に機能することが見出された。その結果、熱安定化ポリアミドにおけるこれらの添加剤の使用を有益に排除することができ、安定化パッケージを簡単にすることができる。
[0027]これらの成分を、好ましくは特定の範囲、限界、及び/又は比で使用する結果として、本熱安定化ポリアミド組成物は、高温に曝露した後に予期しない高い引張強さを示す。而して、本発明者らは、本明細書に開示する熱安定化剤パッケージを導入することによって、例えばより高い温度におけるポリアミド組成物の性能を改良することができ、より高い温度においてポリアミド組成物が通常受ける損傷(例えば熱酸化損傷)が軽減されることを見出した。1つの例として、本ポリアミド組成物は、少なくとも180℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、(引張強さについてはISO−527−1(2018)、熱老化についてはISO−180(2018)を用いて測定して)少なくとも75MPaの引張強さを有益に有する。而して、これらの熱安定化剤パッケージは、より高温の環境、例えば自動車用途におけるポリアミド組成物の改良された使用及び機能性を可能にする。当該技術において既に知られているポリアミド組成物は、かかる高温に曝された後は非常により脆性になるが、本明細書に開示する組成物は、実質的により高い引張強さを維持することができる。
熱安定化剤パッケージ:
[0028]本明細書に開示する熱安定化剤パッケージは、ポリアミドの熱への曝露から生じる損傷、例えば熱酸化損傷の効果を軽減、遅延、又は防止することによって、ポリアミド組成物の有用性及び機能性を改良する。一実施形態においては、本熱安定化剤パッケージは、ランタノイドベースの熱安定化剤、例えばセリウムベースの熱安定化剤、及び第2の熱安定化剤を含む。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤の量は、第2の熱安定化剤よりも多い量で存在する。幾つかの場合においては、本ポリアミド組成物は、有益にはステアレート、例えばステアリン酸カルシウム又はステアリン酸亜鉛を少ししか、又は全く含まない。幾つかの場合においては、ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比及び/又はハロゲン化物添加剤に対する第2の熱安定化剤の重量比は、特定の範囲及び/又は限界内に維持される。
[0029]ランタノイドベースの熱安定化剤、例えばセリウムベースの熱安定化剤は、広範に変化し得る。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤はセリウムを含む化合物である。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤は、一般に構造:CeX(式中、Xはリガンドであり、nはゼロでない整数である)のものである。即ち、幾つかの実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤は、セリウムベースのリガンド化合物である。本発明者らは、特定のセリウムリガンドは、特に前述の量、限界、及び/又は比で利用すると、ポリイミドを特に良好に安定化させることができることを見出した。幾つかの場合においては、リガンドは、酸化物及び/又はオキシハイドレートであってよい。
[0030]幾つかの実施形態においては、1種類又は複数のリガンドは、アセテート、ハイドレート、オキシハイドレート、ホスフェート、臭化物、塩化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、カーボネート、硝酸アンモニウム、フッ化物、ニトレート、ポリオール、アミン、フェノール類、水酸化物、オキサレート、スルフェート、アルミネート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。幾つかの好ましい実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤は、セリウムハイドレート、又は酢酸セリウム、或いはそれらの組合せを含んでいてよい。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤は、セリウムハイドレート、酢酸セリウム、セリウムオキシハイドレート、又はリン酸セリウム、或いはそれらの組み合わせを含んでいてよい。本発明者らは、驚くべきことに、これらの特定のセリウムベースの熱安定化剤を使用することにより、本明細書において議論する利益を与える熱安定化剤パッケージが得られることを見出した。複数のセリウムベースの熱安定化剤を選択することによって、個々の熱安定化剤の熱安定化効果を相乗的に改良することができる。更に、複数のセリウムベースの熱安定化剤を含むポリアミド組成物は、より広い温度範囲にわたって、又はより高い温度において改良された熱安定性を与えることができる。幾つかの場合においては、本ポリアミド組成物はリン酸セリウムを使用していなくてよい。
[0031]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、0.01重量%〜10.0重量%、例えば0.01重量%〜8.0重量%、0.01重量%〜7.0重量%、0.02重量%〜5.0重量%、0.03重量%〜4.5重量%、0.05重量%〜4.5重量%、0.07重量%〜4.0重量%、0.07重量%〜3.0重量%、0.1重量%〜3.0重量%、0.1重量%〜2.0重量%、0.2重量%〜1.5重量%、0.1重量%〜1.0重量%、又は0.3重量%〜1.2重量%の範囲の量のランタノイドベースの熱安定化剤、例えばセリウムベースの熱安定化剤を含む。下限に関しては、本ポリアミド組成物には、0.01重量%より多く、例えば、0.02重量%より多く、0.03重量%より多く、0.05重量%より多く、0.07重量%より多く、0.1重量%より多く、0.2重量%より多く、又は0.3重量%より多いセリウムベースの熱安定化剤を含ませることができる。上限に関しては、本ポリアミド組成物に、10.0重量%未満、例えば8.0重量%未満、7.0重量%未満、5.0重量%未満、4.5重量%未満、4.0重量%未満、3.0重量%未満、2.0重量%未満、1.5重量%未満、1.2重量%未満、1.0重量%未満、又は0.7重量%未満のセリウムベースの熱安定化剤を含ませることができる。
[0032]幾つかの場合においては、本ポリアミド組成物は、セリウムハイドレートを少ししか、又は全く含まず、例えば10.0重量%未満、例えば8.0重量%未満、7.0重量%未満、5.0重量%未満、4.5重量%未満、4.0重量%未満、3.0重量%未満、2.0重量%未満、1.5重量%未満、1.2重量%未満、1.0重量%未満、0.7重量%未満、0.5重量%未満、0.3重量%未満、又は0.1重量%未満のセリウムハイドレートを含む。幾つかの場合においては、本ポリアミド組成物は、セリウムハイドレートを実質的に含まず、例えばセリウムハイドレートを含まない。
[0033]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、10ppm〜1重量%、例えば、10ppm〜9000ppm、20ppm〜8000ppm、50ppm〜7500ppm、500ppm〜7500ppm、1000ppm〜7500ppm、2000ppm〜8000ppm、1000ppm〜9000ppm、1000ppm〜8000ppm、2000ppm〜8000ppm、2000ppm〜7000ppm、2000ppm〜6000ppm、2500ppm〜7500ppm、3000ppm〜7000ppm、3500ppm〜6500ppm、4000ppm〜6000ppm、又は4500ppm〜5500ppmの範囲の量の、(場合により唯一のセリウムベースの熱安定化剤として)酸化セリウム、又は(場合により唯一のセリウムベースの熱安定化剤として)セリウムオキシハイドレート、或いは酸化セリウムとセリウムオキシハイドレートの組み合わせを含む。
[0034]下限に関しては、本ポリアミド組成物には、10ppmより多く、例えば20ppmより多く、50ppmより多く、100ppmより多く、200ppmより多く、500ppmより多く、1000ppmより多く、2000ppmより多く、2500ppmより多く、3000ppmより多く、3200ppmより多く、3300ppmより多く、3500ppmより多く、4000ppmより多く、又は4500ppmより多い酸化セリウム、又はセリウムオキシハイドレート、或いはそれらの組み合わせを含ませることができる。上限に関しては、本ポリアミド組成物には、1重量%未満、例えば9000ppm未満、8000ppm未満、7500ppm未満、7000ppm未満、6500ppm未満、6000ppm未満、又は5500ppm未満の酸化セリウム、又はセリウムオキシハイドレート、或いはそれらの組み合わせを含ませることができる。
[0035]酸化セリウム、又はセリウムオキシハイドレート、或いは酸化セリウムとセリウムオキシハイドレートの組み合わせを使用する幾つかの実施形態においては、本ポリアミドは、10ppm〜9000ppm、例えば20ppm〜7000ppm、50ppm〜7000ppm、50ppm〜6000ppm、50ppm〜5000ppm、100ppm〜6000ppm、100ppm〜5000ppm、200ppm〜4500ppm、500ppm〜5000ppm、1000ppm〜5000ppm、1000ppm〜4000ppm、1500ppm〜4500ppm、2000ppm〜5000ppm、2000ppm〜4500ppm、2000ppm〜4000ppm、2500ppm〜3500ppm、2700ppm〜3300ppm、又は2800ppm〜3200ppmの範囲の量のセリウム(リガンドを含まない)を含む。
[0036]下限に関しては、本ポリアミド組成物は、10ppmより多く、例えば20wppmより多く、50wppmより多く、100wppmより多く、200wppmより多く、500wppmより多く、1000wppmより多く、1500wppmより多く、2000wppmより多く、2500wppmより多く、2700wppmより多く、又は2800wppmより多い量のセリウム(リガンドを含まない)を含む。上限に関しては、本ポリアミド組成物は、9000ppm未満、例えば7000ppm未満、6000ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3300ppm未満、又は3200ppm未満の量のセリウム(リガンドを含まない)を含む。
[0037]第2の熱安定化剤は広範囲に変化させることができる。本発明者らは、特定の第2の熱安定化剤は、特に前述の量、限界、及び/又は比で、並びにセリウムベースの安定化剤、ステアレート添加剤、及びハロゲン化物添加剤と共に使用すると、予期しなかったことに相乗効果を与えることを見出した。
[0038]幾つかの実施形態においては、第2の熱安定化剤は、フェノール類、アミン、ポリオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。幾つかの場合においては、第2の熱安定化剤は、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオンアミド、ビス−(3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)−ブタン酸)−グリコールエステル、2,1’−チオエチルビス−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、又はトリエチレングリコール−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオネート、或いはそれらの組み合わせのようなフェノール類を含んでいてよい。
[0039]好ましい実施形態においては、第2の熱安定化剤は銅ベースの安定化剤を含む。本発明者らは、驚くべきことに、本明細書において議論する量で銅ベースの安定化剤及びセリウムベースの安定化剤を使用すると相乗効果を与えることを見出した。理論に縛られないが、セリウムベースの熱安定化剤及び銅ベースの安定化剤の活性化温度の組み合わせは、予期しなかったことに、特に有用な範囲、例えば190℃〜230℃又は190℃〜210℃における熱酸化安定化を与えると考えられる。この特定の範囲は、従来の安定化剤パッケージを使用する場合に性能ギャップを与えることが示されている。本明細書において議論する量の銅ベースの安定化剤とセリウムベースの安定化剤の組み合わせを使用することによって、予期しなかったことに熱安定化が達成される。
[0040]非限定的な例として、第2の熱安定化剤の銅ベースの化合物は、一価又は二価の銅の化合物、例えば、一価又は二価の銅と無機又は有機酸或いは一価又は二価のフェノールとの塩、一価又は二価の銅の酸化物、或いは銅塩とアンモニア、アミン、アミド、ラクタム、シアン化物、又はホスフィンとの錯化合物、及びそれらの組み合わせを含み得る。幾つかの好ましい実施形態においては、銅ベースの化合物は、一価又は二価の銅と、ハロゲン化水素酸、シアン化水素酸、又は脂肪族カルボン酸との塩、例えば塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)、酸化銅(II)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、酢酸銅(II)、又はリン酸銅(II)を含み得る。好ましくは、銅ベースの化合物は、ヨウ化銅及び/又は臭化銅である。第2の熱安定化剤は、以下に議論するハロゲン化物添加剤と共に使用することができる。また、第2の熱安定化剤として(ステアレート添加剤としてではなく)ステアリン酸銅も意図される。
[0041]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、0.001重量%〜5.0重量%、例えば0.005重量%〜5.0重量%、0.01重量%〜5.0重量%、0.01重量%〜4.0重量%、0.02重量%〜3.0重量%、0.03重量%〜2.0重量%、0.03重量%〜1.0重量%、0.04重量%〜1.0重量%、0.05重量%〜0.5重量%、0.05重量%〜0.2重量%、又は0.07重量%〜0.1重量%の範囲の量の第2の熱安定化剤を含む。下限に関しては、本ポリアミド組成物には、0.001重量%より多く、例えば0.005重量%より多く、0.01重量%より多く、0.02重量%より多く、0.03重量%より多く、0.035重量%より多く、0.04重量%より多く、0.05重量%より多く、0.07重量%より多く、又は0.1重量%より多い第2の熱安定化剤を含ませることができる。上限に関しては、本ポリアミド組成物には、5.0重量%未満、例えば4.0重量%未満、3.0重量%未満、2.0重量%未満、1.0重量%未満、0.5重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、又は0.035重量%未満の第2の熱安定化剤を含ませることができる。
[0042]第2の熱安定化剤が銅ベースの安定化剤である場合には、銅ベースの安定化剤は、熱安定化剤パッケージ中(及びポリアミド組成物中)に、概して第2の熱安定化剤に関して本明細書において議論した量で存在させることができる。
[0043]上述のように、セリウム比は、予期しなかったことに、得られるポリアミド組成物の全体的な熱安定性に大きく影響することが見出された。幾つかの実施形態においては、セリウム比は、8.5未満、例えば8.0未満、7.5未満、7.0未満、6.5未満、6.0未満、5.5未満、5.0未満、4.5未満、4.0未満、3.5未満、3.0未満、3.5未満、3.0未満、2.5未満、2.0未満、1.5未満、1.0未満、又は0.5未満である。範囲に関しては、セリウム比は、0.1〜8.5、例えば0.2〜8.0、0.3〜8.0、0.4〜7.0、0.5〜6.5、0.5〜6、0.7〜5.0、1.0〜4.0、1.2〜3.0、又は1.5〜2.5の範囲であってよい。下限に関しては、セリウム比は、0.1より大きく、例えば0.2より大きく、0.3より大きく、0.5より大きく、0.5より大きく、0.7より大きく、1.0より大きく、1.2より大きく、1.5より大きく、2.0より大きく、3.0より大きく、又は4.0より大きくてよい。
[0044]幾つかの実施形態においては、セリウム比は、14.5より大きく、例えば15.0より大きく、16.0より大きく、18.0より大きく、20.0より大きく、25.0より大きく、30.0より大きく、又は35.0より大きい。範囲に関しては、セリウム比は、14.5〜50.0、例えば14.5〜40.0;15.0〜35.0、16.0〜30.0、18.0〜30.0、18.0〜25.0、又は18.0〜23.0の範囲であってよい。上限に関しては、セリウム比は、50.0未満、例えば40.0未満、35.0未満、30.0未満、25.0未満、又は23.0未満であってよい。
[0045]幾つかの実施形態においては、セリウム比は、5より大きく、例えば6.0より大きく、7.0より大きく、8.0より大きく、又は9.0より大きい。範囲に関しては、セリウム比は、5.0〜50.0、例えば5〜40.0;5.0〜30.0、5.0〜20.0、5.0〜15.0、7.0〜15.0、又は8.0〜13.0の範囲であってよい。上限に関しては、セリウム比は、50.0未満、例えば40.0未満、30.0未満、20.0未満、15.0未満、又は13.0未満であってよい。
[0046]ハロゲン化物添加剤は、広範囲に変化させることができる。幾つかの場合においては、ハロゲン化物添加剤は第2の熱安定化剤と共に使用することができる。幾つかの場合においては、ハロゲン化物添加剤は、第2の熱安定化剤と同じ成分ではなく、例えば第2の熱安定化剤であるハロゲン化銅はハロゲン化物添加剤とはみなされない。ハロゲン化物添加剤は、一般に知られており、商業的に入手できる。代表的なハロゲン化物添加剤としては、ヨウ化物及び臭化物が挙げられる。好ましくは、ハロゲン化物添加剤は、塩化物、ヨウ化物、及び/又は臭化物を含む。
[0047]幾つかの実施形態においては、ハロゲン化物添加剤は、0.001重量%〜5重量%、例えば0.001重量%〜2重量%、0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜0.75重量%、0.01重量%〜0.75重量%、0.05重量%〜0.75重量%、0.05重量%〜0.5重量%、0.075重量%〜0.75重量%、又は0.1重量%〜0.5重量%の範囲の量でポリアミド組成物中に存在する。上限に関しては、ハロゲン化物添加剤は、5重量%未満、例えば1重量%未満、2重量%未満、0.75重量%未満、又は0.5重量%未満の量で存在させることができる。下限に関しては、ハロゲン化物添加剤は、0.001重量%より多く、例えば0.01重量%より多く、0.05重量%より多く、0.075重量%より多く、又は0.1重量%より多い量で存在させることができる。
[0048]幾つかの場合において、例えば、酸化セリウム/セリウムオキシハイドレートを第1の熱安定化剤として使用する場合には、酸化セリウム/セリウムオキシハイドレートとヨウ化物との重量比によって予期しなかった熱性能を示すことが示された。理論には縛られないが、ヨウ化物はセリウムの再生にとって重要であり、おそらくは一部のセリウムイオンが元の状態に戻る能力を与え、これは改良されて長時間にわたってより安定した熱性能をもたらすと推測される。幾つかの場合においては、酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレートを使用する場合、特定の(より多い)量のヨウ化物をそれと共に使用する。有益には、これらの量のヨウ化物及び酸化セリウム/セリウムオキシハイドレート及び/又はそれらの重量比を使用する場合には、臭素含有成分の使用を有利に排除することができる。更に、ヨウ化物イオンはセリウムのより高い酸化状態を安定化する役割を果たすことができ、これは酸化セリウム/セリウムオキシハイドレート系の熱安定性に更に寄与し得る。
[0049]幾つかの実施形態においては、ヨウ化物(全ヨウ化物イオン、例えば塩化物及び/又は臭化物)は、30wppm〜10000wppm、例えば100wppm〜8000wppm、500wppm〜8000wppm、500wppm〜6000wppm、1000wppm〜6000wppm、1000wppm〜5000wppm、2000wppm〜4000wppm、又は2500wppm〜3500wppmの範囲の量で存在する。下限に関しては、ヨウ化物は、少なくとも30wppm、例えば少なくとも50wppm、少なくとも75wppm、少なくとも100wppm、少なくとも500wppm、少なくとも1000wppm、少なくとも2000wppm、又は少なくとも2500wppmの量で存在させることができる。上限に関しては、ヨウ化物は、10000wppm未満、例えば8000wppm未満、6000wppm未満、5000wppm未満、4000wppm未満、3500wppm未満、又は3000wppm未満の量で存在させることができる。
[0050]幾つかの実施形態において、酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレートを使用する場合には、ヨウ化物は、30wppm〜5000wppm、例えば30wppm〜3000wppm、50wppm〜2000wppm、50wppm〜1000wppm、75wppm〜750wppm、100wppm〜500wppm、150wppm〜450wppm、又は200wppm〜400wppmの範囲の量で存在する。下限に関しては、ヨウ化物は、少なくとも30wppm、例えば少なくとも50wppm、少なくとも75wppm、少なくとも100wppm、少なくとも150wppm、又は少なくとも200wppmの量で存在させることができる。上限に関しては、ヨウ化物は、5000wppm未満、例えば3500wppm未満、3000wppm未満、2000wppm未満、1000wppm未満、750wppm未満、500wppm未満、450wppm未満、又は400wppm未満の量で存在させることができる。
[0051]全ヨウ化物含量は、全てのヨウ化物源、例えば第1及び第2の熱安定化剤、例えばヨウ化銅、及び添加剤、例えばヨウ化カリウムからのヨウ化物を含む。
[0052]ステアレート添加剤は、広範囲に変化させることができる。ステアレート添加剤は一般に知られており、商業的に入手できる。ステアレート添加剤の例としては、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムが挙げられる。好ましくは、ハロゲン化物添加剤はヨウ化物及び/又は臭化物を含む。
[0053]ステアレート添加剤は、相乗的に少量で存在させることができる。例えば、本ポリアミド組成物には、1.0重量%未満、例えば0.5重量%未満、0.3重量%未満、0.25重量%未満、0.2重量%未満、0.15重量%未満、0.10重量%未満、0.05重量%未満、0.03重量%未満、0.01重量%未満、又は0.005重量%未満のステアレート添加剤を含ませることができる。範囲に関しては、本ポリアミド組成物には、1wppm〜1.0重量%、例えば1wppm〜0.5重量%、1wppm〜0.3重量%、1wppm〜0.25重量%、5wppm〜0.1重量%、5wppm〜0.05重量%、又は10wppm〜0.005重量%のステアレート添加剤を含ませることができる。下限に関しては、本ポリアミド組成物には、1wppmより多く、例えば5wppmより多く、10wppmより多く、又は25wppmより多いステアレート添加剤を含ませることができる。幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、ステアレート添加剤を実質的に含まず、例えばステアレート添加剤を含まない。
[0054]幾つかの場合においては、本ポリアミド組成物は、酸化防止添加剤、例えばフェノール系酸化防止剤を少ししか、又は全く含まない。上述したように、酸化防止剤は、本発明のポリアミド組成物において不必要である公知のポリアミド安定化剤である。好ましくは、本ポリアミド組成物は酸化防止剤を含まない。その結果、有利なことに酸化防止剤添加剤の必要性が少ししかなく、製造効率性が達成される。例えば、本ポリアミド組成物は、5重量%未満、例えば4.5重量%未満、4.0重量%未満、3.5重量%未満、3.0重量%未満、2.5重量%未満、2.0重量%未満、1.5重量%未満、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満の酸化防止剤添加剤を含み得る。範囲に関しては、本ポリアミド組成物は、0.0001重量%〜5重量%、例えば0.001重量%〜4重量%、0.01重量%〜3重量%、0.01重量%〜2重量%、0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜0.5重量%、又は0.05重量%〜0.5重量%の酸化防止剤を含み得る。下限に関しては、本ポリアミド組成物は、0.0001重量%より多く、例えば0.001重量%より多く、0.01重量%より多く、0.05重量%より多く、又は0.1重量%より多い酸化防止添加剤を含み得る。
[0055]本明細書において開示する熱安定化ポリアミド組成物を製造する場合、セリウムベースの熱安定化剤は、その活性化温度に基づいて有益に選択することができることが見出された。また、セリウムベースの熱安定化剤の安定化能力は、より低い温度においては完全には活性化しないことも見出された。幾つかの場合においては、セリウムベースの熱安定化剤は、180℃より高く、例えば183℃より高く、185℃より高く、187℃より高く、190℃より高く、192℃より高く、195℃より高く、197℃より高く、200℃より高く、202℃より高く、205℃より高く、207℃より高く、210℃より高く、212℃より高く、又は215℃より高い活性化温度を有し得る。範囲に関しては、セリウムベースの熱安定化剤は、180℃〜230℃、例えば180℃〜220℃、185℃〜230℃、185℃〜220℃、190℃〜220℃、190℃〜210℃、195℃〜205℃、又は200℃〜205℃の範囲の活性化温度を有し得る。上限に関しては、セリウムベースの熱安定化剤は、230℃未満、例えば220℃未満、210℃未満、又は205℃未満の活性化温度を有し得る。好ましい実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤は、約230℃の活性化温度を有する。
[0056]ポリアミド熱安定化剤の活性化温度は、「有効活性化温度」であってよい。有効活性化温度とは、添加剤の安定化機能がポリアミド組成物の熱酸化分解よりもより活性になる温度を指す。有効活性化温度は、安定化速度と分解速度との間のバランスを反映する。
[0057]幾つかの場合において、熱安定化の目標が既知である場合には、セリウムベースの熱安定化剤、又は複数のセリウムベースの熱安定化剤の組合せは、熱安定化の目標に基づいて選択することができる。例えば、幾つかの実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤は、好ましくは、セリウムベースの熱安定化剤が本明細書において言及される範囲及び限界内に入る活性化温度を有するように選択される。
[0058]幾つかの実施形態においては、第2の熱安定化剤は、200℃未満、例えば190℃未満、180℃未満、170℃未満、160℃未満、150℃未満、又は148℃未満の活性化温度を有し得る。下限に関しては、第2の熱安定化剤は、100℃より高く、例えば110℃より高く、120℃より高く、130℃より高く、140℃より高く、又は142℃より高い活性化温度を有し得る。範囲に関しては、第2の熱安定化剤は、100℃〜200℃、例えば120℃〜160℃、110℃〜190℃、110℃〜180℃、120℃〜170℃、130℃〜160℃、140℃〜150℃、又は142℃〜148℃の範囲の活性化温度を有し得る。有効活性化温度も同様に、これらの範囲及び限界内であり得る。
[0059]好ましい実施形態においては、第2の熱安定化剤は、セリウムベースの熱安定化剤の活性化温度よりも低い活性化温度を有するように選択される。セリウムベースの熱安定化剤の活性化温度よりも低い活性化温度を有する第2の熱安定化剤を使用することによって、得られるポリアミド組成物は、増加した熱安定性及び/又はより広い温度範囲にわたる熱安定性を示すことができる。幾つかの実施形態においては、摂氏温度で測定されるセリウムベースの熱安定化剤の活性化温度は、摂氏温度で測定される第2の熱安定化剤、例えば銅ベースの安定化剤の活性化温度よりも高く、例えば少なくとも10%高く、少なくとも12%高く、少なくとも15%高く、少なくとも17%高く、少なくとも20%高く、少なくとも25%高く、少なくとも30%高く、少なくとも40%高く、又は少なくとも50%高い。
[0060]幾つかの場合においては、摂氏温度で測定されるセリウムベースの熱安定化剤の活性化温度は、摂氏温度で測定される第2の熱安定化剤、例えば銅ベースの安定化剤の活性化温度よりも高く、例えば少なくとも10℃高く、少なくとも15℃高く、少なくとも20℃高く、少なくとも25℃高く、少なくとも35℃高く、又は少なくとも50℃高い。
[0061]上述のように、幾つかの従来の安定化剤パッケージは、複数の第2の熱安定化剤、例えばステアレート(例えばステアリン酸カルシウム又はステアリン酸亜鉛)、次リン酸、及び/又は次リン酸塩の組み合わせに依存し得る。前述のセリウムベースの熱安定化剤、及び存在させる場合にはより少量のこれらの化合物を使用することによって、驚くべきことに得られるポリアミド組成物の安定化プロファイルが改良されることが見出されたことが発見された。幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、0.5重量%未満、例えば0.3重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、又は0.01重量%未満の次リン酸及び/又は次リン酸塩を含む。範囲に関しては、本ポリアミド組成物は、1wppm〜0.5重量%、例えば1wppm〜0.3重量%、1wppm〜0.1重量%、5wppm〜0.05重量%、又は5wppm〜0.01重量%の次リン酸及び/又は次リン酸塩を含み得る。好ましい実施形態においては、本ポリアミド組成物は次リン酸及び/又は次リン酸塩を含まない。
[0062]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、1.0重量%未満、例えば0.7重量%未満、0.5重量%未満、0.3重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、又は0.01重量%未満の二酸化セリウムを含む。範囲に関しては、本ポリアミド組成物は、1wppm〜1重量%、例えば1wppm〜0.5重量%、1wppm〜0.1重量%、5wppm〜0.05重量%、又は5wppm〜0.01重量%の二酸化セリウムを含み得る。好ましい実施形態においては、本ポリアミド組成物は二酸化セリウムを含まない。
[0063]特定の実施形態においては、第2の熱安定化剤は銅ベースの化合物であり、ポリアミドは少なくとも50%の反発弾性を有する。
[0064]別の特定の実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤はセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤は銅ベースの熱安定化剤であり、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも80MPaの引張強さを有し、場合によっては、セリウム比は0.2〜8.0の範囲である。
[0065]別の特定の実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤はセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤は銅ベースの熱安定化剤であり、本ポリアミド組成物は3〜80の範囲の相対粘度を有し、本ポリアミド組成物は、190℃〜210℃の範囲の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に50MPa〜150MPaの引張強さを有する。
[0066]別の特定の実施形態においては、セリウムベースの熱安定化剤はセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤は銅ベースの熱安定化剤であり、本ポリアミド組成物は5〜75の範囲の相対粘度を有し、本ポリアミド組成物は、190℃〜210℃の範囲の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に95MPa〜200MPaの引張強さを有する。
[0067]熱安定化ポリアミド組成物の幾つかの実施形態は、フィラー、例えばガラスを含む。これらの場合においては、フィラーは、0重量%〜60重量%、例えば20重量%〜60重量%、25重量%〜55重量%、又は30重量%〜50重量%の範囲の量で存在させることができる。下限に関しては、本ポリアミド組成物には、少なくとも20重量%、例えば少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%のフィラーを含ませることができる。上限に関しては、本ポリアミド組成物には、60重量%未満、例えば55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、又は40重量%未満のフィラーを含ませることができる。他の成分に関する範囲及び限界は、「充填された」組成物を基準とする。ニートの組成物については、これらの範囲及び限界は、フィラーの欠落を補うために調整する必要があり得る。フィラーの材料は、特に限定されず、当該技術において公知のポリアミドフィラーから選択することができる。非限定的な例として、フィラーは、ガラス及び/又は炭素繊維、粒状フィラー、例えば天然及び/又は合成の層状シリケート、タルク、マイカ、シリケート、石英、二酸化チタン、珪灰石、カオリン、アモルファスケイ酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チョーク、石灰、長石、硫酸バリウム、中実又は中空のガラスボール又は粉末ガラス、永久磁性又は磁化可能な金属化合物及び/又は合金及び/又はそれらの組合せをベースとする鉱物フィラー、並びにこれらの組み合わせを含み得る。
[0068]他の場合において、熱安定化ポリアミド組成物は「ニート」の組成物であり、例えば、本ポリアミド組成物はフィラーを少ししか含まないか又は全く含まない。例えば、本ポリアミド組成物は、20重量%未満、例えば17重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、又は5重量%未満のフィラーを含み得る。範囲に関しては、本ポリアミド組成物は、0.01重量%〜20重量%、例えば0.1重量%〜15重量%、又は0.1重量%〜5重量%のフィラーを含み得る。かかる場合においては、他の成分の量は、前述の成分の範囲及び限界に基づいて適宜調整することができる。当業者であれば、ガラスフィラーを含ませるか又は排除するかを考慮して、ポリアミド組成物の他の成分の濃度を調節することができると意図される。
[0069]充填された実施形態及びニートの実施形態の両方とも、それぞれ、驚くほど改良された機械特性を示す。しかしながら、ポリアミドの未充填樹脂については、熱安定性は、通常はポリアミド組成物の引張強さを参照することによっては測定されず、むしろ、熱安定性は、しばしば相対温度指数(RTI)を用いて測定される。RTIとは、材料の性能を既知の材料又は参照材料の性能と比較することによる材料の熱分類を指す。しばしば、RTIは、設定時間の間、種々の温度に曝露した際に、その材料がその引張強さの少なくとも50%を維持する能力を測定することによって、高温への曝露に耐える材料の能力を評価する。熱安定化ポリアミド組成物の非ガラス充填実施形態は、改良されたRTIを示す。
性能特性:
[0070]前述の熱安定化ポリアミド組成物は、驚くべき性能結果を示す。例えば、本ポリアミド組成物は、広い温度範囲にわたって、更には公知の性能ギャップ、例えば温度ギャップ(例えば190℃〜230℃)にわたっても、優れた引張強さを示す。これらの性能パラメータは代表的なものであり、実施例は、本発明によって意図される他の性能パラメータをサポートする。例えば、他の熱老化温度において(特に、例えば190℃〜230℃の熱老化温度の範囲にわたって)及び熱老化時間において得られる他の性能特性が意図され、これらを本発明のポリアミド組成物を特徴付けるために使用することができる。
[0071]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも180℃、例えば180℃又は190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPa、例えば少なくとも80MPa、少なくとも90MPa、少なくとも100MPa、少なくとも110MPa、少なくとも120MPa、少なくとも130MPa、又は少なくとも140MPaの引張強さを示す。範囲に関しては、引張強さは、80MPa〜200MPa、例えば90MPa〜180MPa、100MPa〜180MPa、又は120MPa〜175MPaの範囲であり得る。
[0072]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも210℃、例えば210℃又は220℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも6.5MPa、例えば少なくとも50MPa、少なくとも80MPa、少なくとも90MPa、少なくとも100MPa、少なくとも105MPa、又は少なくとも110MPaの引張強さを示す。範囲に関しては、引張強さは、6.5MPa〜200MPa、例えば50MPa〜200MPa、80MPa〜180MPa、又は100MPa〜160MPaの範囲であり得る。
[0073]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の全温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPa、例えば少なくとも80MPa、少なくとも90MPa、少なくとも100MPa、少なくとも110MPa、少なくとも120MPa、少なくとも130MPa、又は少なくとも140MPaの引張強さを示す。
[0074](このセクション全体で示される)190℃〜230℃の範囲にわたるかかる熱老化性能は、特に温度ギャップにおける本発明のポリアミド組成物の予期しなかった性能を示す。これは、同様に、性能特性、例えば引張保持性又は反発弾性にも適用可能である。他の温度範囲、例えば190℃〜220℃又は210℃〜230℃もまた、実施例によってサポートされ、意図されるが、これらの特定の性能特性の全ては、(簡潔さ及び簡明さのために)具体的に列挙しない。
[0075]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃、例えば180℃又は190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも38%、例えば少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも43%、又は少なくとも45%の引張強さ保持率を示す。範囲に関しては、引張強さ保持率は、38%〜80%、例えば40%〜75%、42%〜75%の範囲であり得る。
[0076]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも210℃、例えば210℃又は220℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも3%、例えば少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、又は少なくとも50%の引張強さ保持率を示す。範囲に関しては、引張強さ保持率は、3%〜95%、例えば30%〜80%、40%〜70%の範囲であり得る。
[0077]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の全温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも38%、例えば少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、又は少なくとも45%の引張強さ保持率を示す。
[0078]引張強さは、高温への曝露を受けるポリアミドの唯一の機械特性ではない。熱によって引き起こされるポリアミドへの損傷は、多くの形で現れる。熱安定化ポリアミド組成物はまた、他の形態の損傷に対して改良された回復力も示すことが見出された。即ち、本ポリアミド組成物は、高温に曝された後に他の望ましい機械特性を示す。
[0079]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃、例えば180℃又は190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも0.78%、例えば少なくとも0.80%、少なくとも0.85%、少なくとも0.90%、又は少なくとも1.0%の引張伸びを示す。範囲に関しては、引張伸びは、0.78%〜2.0%、例えば0.80%〜1.75%、0.85%〜1.5%、又は0.90%〜1.46%の範囲であり得る。
[0080]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも210℃、例えば210℃又は220℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも0.29%、例えば少なくとも0.50%、少なくとも0.75%、少なくとも0.85%、少なくとも0.90%、又は少なくとも1.0%の引張伸びを示す。範囲に関しては、引張伸びは、0.29%〜2.0%、例えば0.50%〜1.75%、0.75%〜1.65%、又は0.9%〜1.6%の範囲であり得る。
[0081]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の全温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも0.78%、例えば少なくとも0.80%、少なくとも0.85%、少なくとも0.90%、又は少なくとも1.0%の引張伸びを示す。
[0082]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃、例えば180℃又は190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも10600MPa、例えば少なくとも10900MPa、少なくとも11000MPa、又は少なくとも11750MPaの引張弾性率を示す。範囲に関しては、引張弾性率は、10600MPa〜14000MPa、例えば10900MPa〜13000MPa、11000MPa〜12850MPa、又は11750MPa〜12750MPaの範囲であり得る。
[0083]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも210℃、例えば210℃又は220℃の温度で3000時間熱老化させた場合に、少なくとも2175MPa、例えば少なくとも7500MPa、少なくとも11000MPa、少なくとも11750MPa、又は少なくとも12000MPaの引張弾性率を示す。範囲に関しては、引張弾性率は、2175MPa〜14000MPa、例えば7500MPa〜13000MPa、11000MPa〜12850MPa、又は11750MPa〜12850MPaの範囲であり得る。
[0084]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の全温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも2175MPa、例えば少なくとも6800MPa、少なくとも7500MPa、少なくとも10600MPa、少なくとも11000MPa、少なくとも11750MPa、又は少なくとも12000MPaの引張弾性率を示す。
[0085]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃、例えば180℃又は190℃で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも12.2kJ/m、例えば少なくとも14.0kJ/m、少なくとも15.0kJ/m、少なくとも17.0kJ/m、又は少なくとも20.0kJ/mの(ノッチ無し)反発弾性を示す。範囲に関しては、反発弾性は、12.5kJ/m〜50.0kJ/m、例えば14.0kJ/m〜40.0kJ/m、15.0kJ/m〜35.0kJ/m、17.0kJ/m〜30.0kJ/m、又は20.0kJ/m〜30.0kJ/mの範囲であり得る。
[0086]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも210℃、例えば210℃又は220℃の温度で3000時間加熱して23℃で測定した場合に、少なくとも0.9kJ/m、例えば2.7kJ/m、少なくとも5.0kJ/m、少なくとも10.0kJ/m、少なくとも15.0kJ/m、少なくとも20.0kJ/m、又は少なくとも25.0kJ/mの(ノッチ無し)反発弾性を示す。範囲に関しては、反発弾性は、0.9kJ/m〜50.0kJ/m、例えば2.7kJ/m〜40.0kJ/m、5.0kJ/m〜40.0kJ/m、10.0kJ/m〜35.0kJ/m、又は17.0kJ/m〜35.0kJ/mの範囲でであり得る。
[0087]幾つかの実施形態においては、本ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の全温度域にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも12.2kJ/m、例えば少なくとも12.9kJ/m、少なくとも14.0kJ/m、少なくとも15.0kJ/m、少なくとも17.0kJ/m、又は少なくとも20.0kJ/mの(ノッチ無し)反発弾性を示す。
[0088]熱安定化ポリアミド組成物の幾つかの実施形態は、ISO−179(2018)によって測定して、25kJ/mより高く、例えば30kJ/mより高く、35kJ/mより高く、40kJ/mより高く、45kJ/mより高く、50kJ/mより高く、70kJ/mより高く、80kJ/mより高く、又は100kJ/mより高い反発弾性を示す。範囲に関しては、熱安定化ポリアミド組成物は、25kJ/m〜500kJ/m、30kJ/m〜250kJ/m、35kJ/m〜150kJ/m、35kJ/m〜100kJ/m、25kJ/m〜75kJ/m、又は35kJ/m〜750kJ/mの範囲の反発弾性を示す。
[0089]一般に、引張強さ、引張伸び、及び引張弾性率の測定は、ISO−527−1(2018又は2019)にしたがって行うことができ、熱老化の測定は、ISO−188(2018又は2019)にしたがって行うことができる。
[0090]引張強さ保持率は、処理前後の引張強さを測定し、測定値の比を算出することによって測定することができる。
[0091]反発弾性は、ISO−179/1eU(2018又は2019)にしたがって測定することができる。
[0092]更に、熱安定化剤パッケージは、より高い温度に曝された場合においてもポリアミドへの損傷を遅延させることが示された。引張強さをより高い温度で測定した場合には、熱安定化ポリアミド組成物の引張強さは驚くほど高いままである。通常は、ポリアミド組成物の引張強さは、より高い温度で測定した場合には遙かに低い。この傾向は本明細書に開示される熱安定化ポリアミド組成物にも当てはまるが、実際の引張強さは、幾つかの温度において測定した場合においても驚くほど高いままである。幾つかの場合においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて190℃で測定した場合に、少なくとも25MPa、例えば少なくとも15MPa、少なくとも25MPa、少なくとも35MPa、少なくとも40MPa、少なくとも50MPa、少なくとも60MPa、又は少なくとも80MPaの引張強さを示す。範囲に関しては、引張強さは、15MPa〜100MPa、例えば25MPa〜100MPa、35MPa〜90MPa、40MPa〜90MPa、40MPa〜75MPa、又は40MPa〜65MPaの範囲であり得る。これらのような温度に曝露された後にかかる高い引張強さを示すポリアミド組成物は、当該技術において公知のポリアミドを熱安定化する他の方法を凌ぐ顕著な改良を構成する。
[0093]一実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも230℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも1MPa、例えば少なくとも5MPa、少なくとも10MPa、少なくとも12MPa、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、又は少なくとも30MPaの引張強さを示す。範囲に関しては、引張強さは、1MPa〜100MPa、例えば5MPa〜100MPa、5MPa〜50MPa、5MPa〜40MPa、又は10MPa〜30MPaの範囲であり得る。これらの引張強さは減少するが、これらの値は、従来の安定化剤パッケージを使用する従来のポリアミド組成物のものよりも依然として驚くほど高い。
[0094]一実施形態においては、本ポリアミド組成物は、190℃〜210℃の範囲の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも50MPa、例えば少なくとも55MPa、少なくとも60MPa、少なくとも70MPa、少なくとも80MPa、少なくとも100MPa、少なくとも125MPa、又は少なくとも200MPaの引張強さを示す。範囲に関しては、引張強さは、50MPa〜150MPa、例えば60MPa〜125MPa、70MPa〜100MPa、75MPa〜95MPa、又は80MPa〜95MPaの範囲であり得る。
[0095]一実施形態においては、本ポリアミド組成物は、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて190℃で測定した場合に、少なくとも1MPa、例えば少なくとも5MPa、少なくとも10MPa、少なくとも12MPa、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、又は少なくとも30MPaの引張強さを示す。範囲に関しては、引張強さは、1MPa〜100MPa、例えば5MPa〜100MPa、5MPa〜50MPa、5MPa〜40MPa、又は80MPa〜90MPaの範囲であり得る。これらの引張強さは減少するが、これらの値は、従来の安定化剤パッケージを使用する従来のポリアミド組成物のものよりも依然として驚くほど高い。
ポリアミド:
[0096]上述のように、本発明は、ポリアミドのための熱安定化添加剤に関する。それらの高い耐久性及び強度のために、多くの種類の天然及び人工ポリアミドが種々の用途において既に利用されている。一般的なポリアミドとしては、ナイロン及びアラミドが挙げられる。例えば、ポリアミドは、PA−4T/4I;PA−4T/6I;PA−5T/5I;PA−6;PA−6,6;PA−6,6/6;PA−6,6/6T;PA−6,6/6T(35)/6(7);PA−6,6/6T(35)/6(5);PA−6T/6I;PA−6T/6I/6;PA−6T/6;PA−6T/6I/66;PA−6T/MPDMT(ここで、MPDMTは、ジアミン成分としてヘキサメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジアミンの混合物、並びに二酸成分としてテレフタル酸に基づくポリアミドである);PA−6T/66;PA−6T/610;PA−10T/612;PA−10T/106;PA−6T/612;PA−6T/10T;PA−6T/10I;PA−9T;PA−10T;PA−12T;PA−10T/10I;PA−10,12;PA−10T/12;PA−10T/11;PA−6T/9T;PA−6T/12T;PA−6T/10T/6I;PA−6T/6I/6;又はPA−6T/61/12;或いはそれらの組み合わせを含み得る。
[0097]熱安定化ポリアミド組成物は、複数のポリアミドの組み合わせを含んでいてよい。種々のポリアミドを組み合わせることにより、最終組成物は、それぞれの構成成分のポリアミドの所望の特性、例えば機械特性を導入することができる。
[0098]熱安定化ポリアミド組成物には、熱安定化ポリアミド組成物の総重量を基準として(全体として)25重量%〜99重量%のアミドポリマーを含ませることができる。幾つかの場合においては、熱安定化ポリアミド組成物に、25重量%〜99重量%、30重量%〜95重量%、30重量%〜85重量%、50重量%〜95重量%、50重量%〜90重量%、70重量%〜95重量%、70重量%〜90重量%、及び80重量%〜95重量%、又は80重量%〜90重量%の量のアミドポリマーを含ませることができる。下限に関しては、熱安定化ポリアミド組成物に、99重量%未満、例えば95重量%未満、90重量%未満、又は85重量%未満の量のアミドポリマーを含ませることができる。下限に関しては、熱安定化ポリアミド組成物に、25重量%より多く、例えば30重量%より多く、50重量%より多く、70重量%より多く、80重量%より多く、85重量%より多く、又は90重量%より多い量のアミドポリマーを含ませることができる。
[0099]理論には縛られないが、複数のポリアミドの組み合わせは任意の数の既知のポリアミドを含み得る。例えば、幾つかの実施形態においては、ポリアミドは、PA−6とPA−6,6及び/又はPA−6,6/6Tの組み合わせを含む。これらの実施形態においては、ポリアミドは、1重量%〜99重量%のPA−6、1重量%〜99重量%のPA−6,6、及び/又は1重量%〜99重量%のPA−6,6/6Tを含み得る。特に、PA−6は、1重量%〜80重量%、5重量%〜70重量%、10重量%〜50重量%、10重量%〜30重量%、及び10重量%〜20重量%の量で存在し得る。上限に関しては、PA−6は、99重量%以下、例えば90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、50重量%以下、30重量%以下、及び20重量%以下の量で存在し得る。PA−6,6及び/又はPA−6,6/6Tは、20重量%〜99重量%、30重量%〜85重量%、50重量%〜90重量%、70重量%〜90重量%、及び80重量%〜90重量%の量で存在し得る。下限に関しては、PA−6,6及び/又はPA−6,6/6Tは、1重量%より多く、例えば10重量%より多く、20重量%より多く、30重量%より多く、50重量%より多く、70重量%より多く、及び80重量%より多い量で存在し得る。幾つかの実施形態においては、ポリアミドは、PA−6、PA−6,6、及びPA−6,6/6Tの1以上を含む。
[0100]熱安定化ポリアミド組成物にはまた、ラクタムの開環重合又は重縮合(共重合及び/又は共重縮合を含む)によって製造されるポリアミドを含ませることができる。理論には縛られないが、これらのポリアミドとしては、例えば、プロピオラクタム、ブチロラクタム、バレロラクタム、及びカプロラクタムから製造されるものを挙げることができる。例えば、幾つかの実施形態においては、ポリアミドはカプロラクタムの重合から誘導されるポリマーである。これらの実施形態においては、カプロラクタムは、好ましくはポリマーの少なくとも2重量%、例えば少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、及び少なくとも25重量%である。範囲に関しては、ポリマーは、2重量%〜50重量%、例えば10重量%〜50重量%、15重量%〜47重量%、20重量%〜47重量%、25重量%〜45重量%、又は30重量%〜45重量%のカプロラクタムを含む。上限に関しては、ポリマーは、50重量%未満、例えば47重量%未満、45重量%未満、42重量%未満、40重量%未満、35重量%未満、又は30重量%未満のカプロラクタムを含む。
[0101]幾つかの実施形態においては、本明細書に示されるるように、低カプロラクタム含量ポリアミド、例えば、50重量%未満、例えば49重量%未満、48重量%未満、47重量%未満、46重量%未満、45重量%未満、44重量%未満、42重量%未満、40重量%未満、37重量%未満、35重量%未満、33重量%未満、30重量%未満、28重量%未満、25重量%未満、23重量%未満、又は20重量%未満のカプロラクタムを含むポリアミドを使用する。範囲に関しては、低カプロラクタム含量ポリアミドは、5重量%〜50重量%、例えば10重量%〜49.9重量%、15重量%〜49.5重量%、20重量%〜49.5重量%、25重量%〜48重量%、30重量%〜48重量%、35重量%〜48重量%、37重量%〜47重量%、39重量%〜46重量%、40重量%〜45重量%、41重量%〜45重量%、41重量%〜44重量%、又は41重量%〜43重量%のカプロラクタムを含み得る。下限に関しては、低カプロラクタム含量ポリアミドは、2重量%より多く、例えば5重量%より多く、10重量%より多く、15重量%より多く、20重量%より多く、25重量%より多く、30重量%より多く、35重量%より多く、37重量%より多く、39重量%より多く、40重量%より多く、又は41重量%より多いカプロラクタムを含み得る。
[0102]幾つかの実施形態においては、低融点ポリアミド、例えば、210℃より低く、例えば208℃より低く、205℃より低く、203℃より低く、200℃より低く、198℃より低く、195℃より低く、193℃より低く、190℃より低く、188℃より低く、185℃より低く、183℃より低く、180℃より低く、178℃より低く、又は175℃より低い融点を有するポリアミドを使用する。
[0103]幾つかの実施形態においては、低カプロラクタム含量ポリアミドは、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはこれらの組み合わせを含む。幾つかの場合においては、低カプロラクタム含量ポリアミドは、PA−6,6/6及び/又はPA−6,6/6T/6を含む。幾つかの実施形態においては、低カプロラクタム含量ポリアミドは、PA−6,6/6を含む。
[0104]幾つかの実施形態においては、低融点ポリアミドは、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはそれらの組み合わせを含む。幾つかの場合においては、低カプロラクタム含量ポリアミドはPA−6,6/6を含む。幾つかの場合においては、低融点ポリアミドの融点は、モノマー成分を操作することによって制御することができる。
[0105]幾つかの場合においては、ポリアミドは、特定の(高)濃度の低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを含む。例えば、ポリアミドは、90重量%より多く、例えば91重量%より多く、92重量%より多く、93重量%より多く、94重量%より多く、95重量%より多く、96重量%より多く、97重量%より多く、98重量%より多く、99重量%より多く、又は99.5重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを含み得る。範囲に関しては、ポリアミドは、90重量%〜100重量%、例えば90重量%〜99重量%、90重量%〜98重量%、90重量%〜96重量%、91重量%〜99重量%、91重量%〜98重量%、91重量%〜97重量%、91重量%〜96重量%、92重量%〜98重量%、92重量%〜97重量%、又は92重量%〜96重量%の低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを含み得る。上限に関しては、ポリアミドは、100重量%未満、例えば99重量%未満、98重量%未満、97重量%未満、96重量%未満、95重量%未満、94重量%未満、93重量%未満、92重量%未満、又は91重量%未満の低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを含み得る。
[0106]幾つかの場合においては、ポリアミドは、特定の(低)濃度の他の非低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は高融点ポリアミド、例えばPA−6を含む。例えば、ポリアミドは、10重量%未満、例えば9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを含み得る。範囲に関しては、ポリアミドは、0.5重量%〜10重量%、例えば1重量%〜9重量%、1重量%〜8重量%、2重量%〜8重量%、3重量%〜8重量%、3重量%〜7重量%、4重量%〜9重量%、4重量%〜8重量%、5重量%〜9重量%、5重量%〜8重量%、又は6重量%〜8重量%の他の非低カプロラクタム含量及び/又は高融点ポリアミドを含み得る。下限に関しては、ポリアミドは、0.5重量%より多く、例えば1重量%より多く、2重量%より多く、3重量%より多く、4重量%より多く、5重量%より多く、6重量%より多く、7重量%より多く、8重量%より多く、又は9重量%より多い非低カプロラクタム含量ポリアミド及び/又は低融点ポリアミドを含み得る。
[0107]更に、熱安定化ポリアミド組成物には、ラクタムとナイロンとの共重合によって製造されるポリアミド、例えば、カプロラクタムとPA−6,6との共重合の生成物を含ませることができる。
[0108]ポリアミド組成物の組成構成に加えて、安定化剤パッケージと組み合わせるアミドポリマーの相対粘度は、性能及び加工性の両方において多くの驚くべき利益を与えることも見出された。例えば、アミドポリマーの相対粘度が特定の範囲及び/又は限界内である場合には、製造速度及び引張強さ(及び場合によって反発弾性)が改良される。
[0109]熱安定化ポリアミド組成物において、ポリアミドは、3〜100、例えば10〜80、20〜75、30〜60、35〜55、40〜50、又は42〜48の範囲の相対粘度を有し得る。下限に関しては、ポリアミドの相対粘度は、3より高く、例えば10より高く、20より高く、30より高く、35より高く、36より高く、40より高く、又は42より高くてよい。上限に関しては、ポリアミドの相対粘度は、100未満、例えば80未満、75未満、60未満、55未満、50未満、又は48未満であってよい。相対粘度はギ酸法によって求めることができる。
更なる成分:
[0110]熱安定化ポリアミド組成物の幾つかの実施形態は、(セリウムベースの熱安定化剤及び第2の熱安定化剤に加えて)補助熱安定化剤を更に含む。補助熱安定化剤を加えると、熱安定化ポリアミド組成物の能力を相乗的に向上させて、高温への曝露後に望ましい機械特性を維持することができる。特に、補助熱安定化剤を加えると、高温に曝露した後により高い引張強さを有するポリアミド組成物を与えることができる。幾つかの実施形態においては、補助熱安定化剤には、当該技術において公知の任意の熱安定化剤、又はそれらの組合せを含ませることができる。例えば、補助熱安定化剤は、フェノール類、アミン、ポリオール、銅ベースの安定化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
製造方法:
[0111]本発明はまた、熱安定化ポリアミド組成物の製造方法にも関する。好ましい方法は、ポリアミドを用意すること、所望の熱安定化目標を定めること、所望の熱安定化目標に基づいてセリウムベースの安定化剤を選択すること、及びセリウムベースの安定化剤をポリアミドに加えて熱安定化ポリアミド組成物を形成することを含む。例えば、180℃〜220℃又は190℃〜230℃の範囲の温度で3000時間熱老化させ(23℃で測定し)た場合に少なくとも75MPaの引張強さが所望される場合には、アセテート及び/又はハイドレートリガンドを有するセリウムベースの熱安定化剤、例えば酢酸セリウム及び/又はセリウムハイドレートを使用して、特定の熱老化温度範囲で所望の性能を達成することができる(本明細書で議論した他の熱老化温度範囲及び限界、並びに本明細書で議論した他のリガンドは、この方法で同様に使用することができる)。そのようにすることによって、選択されたセリウムベースの安定化剤及び第2の熱安定化剤を有する熱安定化剤パッケージを使用して、所望の温度において熱安定性を示すポリアミド組成物を製造することができる。
[0112]本方法にはまた、所望の熱安定化目標及びセリウムベースの安定化剤に基づいて第2の熱安定化剤を選択する更なる工程を含ませることができる。セリウムベースの熱安定化剤は、その活性化温度に基づいて選択することができる。同様に、第2の熱安定化剤も、所望の熱安定化レベル及び/又は選択されたセリウムベースの熱安定化剤に基づいて選択することができる。得られるポリアミド組成物は、本明細書において議論する有益な性能特性を有する。
[0113]このプロセスの好ましい実施形態においては、セリウムベースの安定化剤はセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤は銅ベースの熱安定化剤である。これらの実施形態においては、セリウムベースのリガンドを選択することに、所望の熱安定化レベルに基づいてセリウムベースのリガンドのリガンド成分を選択することを更に含ませることができる。
[0114]好ましくは、この方法の結果物は、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPa、例えば少なくとも200MPaの引張強さを有する熱安定化ポリアミド組成物である。
[0115]更に、本発明はまた、熱安定化ポリアミド組成物を製造する方法にも関する。この方法には、アミドポリマーを用意する工程、本明細書で議論したセリウムベースの熱安定化剤及び第2の熱安定化剤をポリマーに加えて中間体ポリアミド組成物を形成する工程、中間体ポリアミド組成物を所定の温度、例えば少なくとも180℃に加熱する工程、及び加熱された中間体ポリアミド組成物を冷却して熱安定化ポリアミド組成物を形成する工程を含ませることができる。有益には、ポリアミドの加熱は、安定化剤パッケージを活性化して、次に中間体ポリアミド組成物を熱安定化するのに役立つ。その結果、(冷却された)熱安定化ポリアミド組成物は、本明細書において議論したように改良された性能特性を有する。
[0116]本方法の幾つかの実施形態は、アミドポリマーを摩砕し、摩砕されたアミドポリマーにセリウムベースの熱安定化剤を加える中間工程を含む。次に、得られた摩砕アミドポリマー及びセリウムベースの熱安定化剤の混合物に残りの成分を加える。本発明者らは、この方法によって最終的な熱安定化ポリアミド組成物全体にわたるセリウムベースの熱安定化剤のより均一な分散が有利にもたらされることを見出した。
実施形態:
[0117]以下の実施形態が意図される。特徴及び実施形態の全ての組み合わせが意図される。
[0118]実施形態1:熱安定化ポリアミド組成物であって、25重量%〜90重量%のアミドポリマー、0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤、第2の熱安定化剤、0重量%〜60重量%のフィラー、ハロゲン化物添加剤、及び0.3重量%未満のステアレート添加剤を含み、ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は45.0未満であり、場合によって、ポリアミド組成物は、少なくとも180℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも75MPaの引張強さを有するか、又は場合によって、ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
[0119]実施形態2:ポリアミド組成物が5重量%未満の酸化防止添加剤を含む、実施形態1の実施形態。
[0120]実施形態3:ポリアミド組成物が0.5重量%未満の次リン酸及び/又は次リン酸塩を含む、実施形態1及び2のいずれかの実施形態。
[0121]実施形態4:セリウムベースの熱安定化剤が第2の熱安定化剤よりも多い量で存在する、実施形態1〜3のいずれかの実施形態。
[0122]実施形態5:第2の熱安定化剤が0.01重量%〜5重量%の範囲の量で存在する、実施形態1〜4のいずれかの実施形態。
[0123]実施形態6:第2の熱安定化剤に対するセリウムベースの熱安定化剤の重量比が0.1〜8.5の範囲である、実施形態1〜5のいずれかの実施形態。
[0124]実施形態7:第2の熱安定化剤が銅ベースの化合物を含む、実施形態1〜6のいずれかの実施形態。
[0125]実施形態8:ポリアミド組成物が350wppmより多い銅ベースの化合物を含む、実施形態1〜7のいずれかの実施形態。
[0126]実施形態9:アミドポリマーの相対粘度が3〜100の範囲である、実施形態1〜8のいずれかの実施形態。
[0127]実施形態10:ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比が10未満である、実施形態1〜9のいずれかの実施形態。
[0128]実施形態11:セリウムベースの熱安定化剤が、アセテート、ハイドレート、オキシハイドレート、ホスフェート、臭化物、塩化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、カーボネート、硝酸アンモニウム、フッ化物、ニトレート、ポリオール、アミン、フェノール類、水酸化物、オキサレート、スルフェート、アルミネート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるセリウムリガンドである、実施形態1〜11のいずれかの実施形態。
[0129]実施形態12:セリウムベースの熱安定化剤が、セリウムハイドレート、酢酸セリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるセリウムリガンドである、実施形態1〜11のいずれかの実施形態。
[0130]実施形態13:セリウムベースの熱安定化剤が酢酸セリウムである、実施形態1〜12のいずれかの実施形態。
[0131]実施形態14:セリウムベースの熱安定化剤が180℃〜230℃の範囲の活性化温度を有する、実施形態1〜13のいずれかの実施形態。
[0132]実施形態15:ポリアミド組成物が1重量%未満の二酸化セリウムを含む、実施形態1〜14のいずれかの実施形態。
[0133]実施形態16:ポリアミド組成物が二酸化セリウムを含まない、実施形態1〜15のいずれかの実施形態。
[0134]実施形態17:ポリアミド組成物が、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも200MPaの引張強さを有する、実施形態1〜16のいずれかの実施形態。
[0135]実施形態18:ポリアミド組成物が、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて190℃で測定した場合に少なくとも25MPaの引張強さを有する、実施形態1〜17のいずれかの実施形態。
[0136]実施形態19:ポリアミド組成物が、190℃〜210℃の範囲の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に75MPa〜175MPaの範囲の引張強さを有する、実施形態1〜18のいずれかの実施形態。
[0137]実施形態20:ポリアミド組成物が、少なくとも230℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に5MPa〜100MPaの範囲の引張強さを有する、実施形態1〜19のいずれかの実施形態。
[0138]実施形態21:ISO−179(2018)によって測定して少なくとも25kJ/mの反発弾性を有する、実施形態1〜20のいずれかの実施形態。
[0139]実施形態22:ISO−179(2018)によって測定して少なくとも75kJ/mの反発弾性を有する、実施形態1〜21のいずれかの実施形態。
[0140]実施形態23:第2の熱安定化剤が銅ベースの化合物であり、ポリアミドが少なくとも50%の反発弾性を有する、実施形態1〜22のいずれかの実施形態。
[0141]実施形態24:摂氏温度で測定されるセリウムベースの熱安定化剤の活性化温度が、摂氏温度で測定される第2の熱安定化剤の活性化温度よりも少なくとも10%高い、実施形態1〜23のいずれかの実施形態。
[0142]実施形態25:セリウムベースの熱安定化剤がセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤が銅ベースの熱安定化剤であり、ポリアミド組成物が、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも200MPaの引張強さを有する、実施形態1〜24のいずれかの実施形態。
[0143]実施形態26:セリウムベースの熱安定化剤がセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤が銅ベースの熱安定化剤であり、ポリアミド組成物が3〜80の範囲の相対粘度を有し、ポリアミド組成物が、190℃〜210℃の範囲の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に50MPa〜150MPaの引張強さを有する、実施形態1〜25のいずれかの実施形態。
[0144]実施形態27:セリウムベースの熱安定化剤がセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤が銅ベースの熱安定化剤であり、ポリアミド組成物が5〜75の範囲の相対粘度を有し、ポリアミド組成物が、190℃〜210℃の範囲の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に95MPa〜200MPAの引張強さを有する、実施形態1〜26のいずれかの実施形態。
[0145]実施形態28:第2の熱安定化剤が、フェノール類、アミン、ポリオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1〜27のいずれかの実施形態。
[0146]実施形態29:アミドポリマーが、0重量%〜99重量%のPA−6,6;0重量%〜99重量%のPA−6,6/6T;及び0重量%〜30重量%のPA−6を含む、実施形態1〜28のいずれかの実施形態。
[0147]実施形態30:アミドポリマーが、第1のアミドポリマー及び第2のアミドポリマーを含む、実施形態1〜29のいずれかの実施形態。
[0148]実施形態31:アミドポリマーが少なくとも10重量%のカプロラクタム含量を有する、実施形態1〜30のいずれかの実施形態。
[0149]実施形態32:好ましくは20重量%〜60重量%の範囲の量で存在するフィラーを更に含む、実施形態1〜31のいずれかの実施形態。
[0150]実施形態33:ポリアミド組成物が、20重量%未満、好ましくは1重量%未満のフィラーを含む、実施形態1〜32のいずれかの実施形態。
[0151]実施形態34:熱安定化ポリアミド組成物の製造方法であって、アミドポリマーを用意すること;所望の熱安定化目標を定めること;所望の熱安定化レベルに基づいてセリウムベースの熱安定化剤を選択すること;及びセリウム化合物をアミドポリマーに加えて熱安定化ポリアミド組成物を形成すること;を含む上記方法。
[0152]実施形態35:熱安定化ポリアミド組成物が、少なくとも190℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも200MPaの引張強さを有する、実施形態34の実施形態。
[0153]実施形態36:所望の熱安定化レベル及び選択されたセリウムベースの熱安定化剤に基づいて第2の熱安定化剤を選択することを更に含む、実施形態34及び35のいずれかの実施形態。
[0154]実施形態37:セリウムベースの安定化剤がセリウムベースのリガンドであり、第2の熱安定化剤が銅ベースの熱安定化剤である、実施形態34〜36のいずれかの実施形態。
[0155]実施形態38:選択することが、所望の熱安定化レベルに基づいてリガンド成分を選択することを含む、実施形態34〜37のいずれかの実施形態。
[0156]実施形態39:選択されたセリウムベースの熱安定化剤、選択された第2の熱安定化剤、及び選択された熱安定化レベルに基づいてセリウム比を選択することを更に含む、実施形態34〜38のいずれかの実施形態。
[0157]実施形態40:選択されたセリウムベースの熱安定化剤及び第2の熱安定化剤を選択されたセリウム比で使用することを更に含む、実施形態34〜39のいずれかの実施形態。
[0158]実施形態50:アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド;及びアミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミドを含むアミドポリマー25重量%〜99重量%;0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤;及び第2の熱安定化剤を含む熱安定化ポリアミド組成物であって、ポリアミド組成物は、場合によって190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
[0159]実施形態51:低カプロラクタム含量ポリアミドが、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはそれらの組み合わせを含む、実施形態50記載の実施形態。
[0160]実施形態52:低カプロラクタム含量ポリアミドが、PA−6,6/6及び/又はPA−6,6/6T/6を含む、実施形態50及び51のいずれかの実施形態。
[0161]実施形態53:低カプロラクタム含量ポリアミドが50重量%未満のカプロラクタムを含む、実施形態1〜3のいずれかの実施形態。
[0162]実施形態54:セリウムベースの熱安定化剤が、アセテート、ハイドレート、オキシハイドレート、ホスフェート、臭化物、塩化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、カーボネート、硝酸アンモニウム、フッ化物、ニトレート、ポリオール、アミン、フェノール類、水酸化物、オキサレート、スルフェート、アルミネート、及びそれらの組み合わせを含む、実施形態51〜53のいずれかに記載の実施形態。
[0163]実施形態55:アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低融点ポリアミド;及びアミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低融点ポリアミド;を含むアミドポリマー25重量%〜99重量%;0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤;及び第2の熱安定化剤;を含む熱安定化ポリアミド組成物であって、ポリアミド組成物は、場合によって190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも75MPaの引張強さを有する、熱安定化ポリアミド組成物。
[0164]実施形態56:低融点ポリアミドが、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはそれらの組み合わせを含む、実施形態55の実施形態。
[0165]実施形態57:低融点ポリアミドがPA−6,6/6を含む、実施形態55及び56のいずれかの実施形態。
[0166]実施形態58:低融点ポリアミドが210℃より低い融点を有する、実施形態55〜57のいずれかの実施形態。
[0167]実施形態59:セリウムベースの熱安定化剤が、アセテート、ハイドレート、オキシハイドレート、ホスフェート、臭化物、塩化物、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、カーボネート、硝酸アンモニウム、フッ化物、ニトレート、ポリオール、アミン、フェノール類、水酸化物、オキサレート、スルフェート、アルミネート、及びそれらの組み合わせを含む、実施形態55〜58のいずれかに記載の実施形態。
[0168]実施形態60:25重量%〜9重量%のアミドポリマー、0.01重量%〜10重量%の酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレート、第2の熱安定化剤、ハロゲン化物添加剤、及び0.3重量%未満のステアレート添加剤を含む熱安定化ポリアミド組成物であって、ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は45.0未満であり、ポリアミド組成物は、場合によって190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
[0169]実施形態61:ポリアミド組成物が、30wppm〜5000wppmの範囲の量で存在するヨウ化物を含む、実施形態60の実施形態。
[0170]実施形態62:ポリアミド組成物が、10ppm〜9000ppmの範囲の量の酸化セリウムを含む、実施形態60及び61のいずれかの実施形態。
[0171]実施形態63:ポリアミド組成物が、10ppm〜9000ppmの範囲の量のセリウムオキシハイドレートを含む、実施形態60〜62のいずれかの実施形態
[0172]実施形態64:ポリアミド組成物が酸化セリウムを含み、ポリアミド組成物が10ppm〜9000ppmの範囲のセリウム含量を有する実施形態60〜63のいずれかの実施形態。
[0173]実施形態65:ポリアミド組成物がセリウムオキシハイドレートを含み、ポリアミド組成物が10ppm〜9000ppmの範囲のセリウム含量を有する、実施形態60〜64のいずれかの実施形態。
[0174]実施形態66:アミドポリマーが、アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド;及びアミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミド;を含む、実施形態60〜65のいずれかに記載の実施形態。
[0175]実施形態67:アミドポリマーが、アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低融点ポリアミド;及びアミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低融点ポリアミド;を含む、実施形態60〜66のいずれかの実施形態。
[0176]実施形態68:第2の熱安定化剤に対する酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレートの重量比が5.0〜50.0の範囲である、実施形態60〜67のいずれかの実施形態。
[0177]実施例1〜13及び比較例A〜Dは、表1に示す成分を混合し、二軸押出機内でで化合させることによって調製した。ポリマーを溶融し、添加剤を溶融物に加え、得られた混合物を押出し、ペレット化した。パーセントは重量パーセントとして表される。
[0178]第2の熱安定化剤パッケージは、CuI(7.67%)、KBr(67.33%)、ステアリン酸亜鉛(16.67%)、及びエチレンビス(ステアラミド)(8.33%)のブレンドを含んでいた。
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
[0179]試料を熱老化させて、引張強さについて試験した。結果を表2a〜2eにまとめる。
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
[0180]試料を熱老化させて、引張強さ保持率について試験した。結果を表3a〜3eにまとめる。
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
[0181]試料を熱老化させて、引張伸びについて試験した。結果を表4a〜4eにまとめる。
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
[0182]試料を熱老化させて、引張弾性率について試験した。結果を表5a〜5eにまとめる。
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
[0183]試料を熱老化させて、反発弾性について試験した。結果を表6a〜6eにまとめる。
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
Figure 2021519381
[0184]表において示されるように、実施例1〜13は、概して、測定された性能特性−引張強さ、引張強さ保持率、引張伸び、引張弾性率、及び反発弾性−の全てについて、予期しなかった相乗効果を示した。
[0185]重要なことに、本発明のポリアミド組成物は、190℃〜230℃の(全)温度範囲(温度ギャップ)にわたって有意な改良を示す。また、熱老化時間が1000時間より長く、例えば2000時間より長く、又は2500時間より長くなるにつれて、性能の改良は更により顕著である。温度ギャップ及びこれらの長い熱老化時間は、ポリアミド組成物が通常使用される条件、例えば自動車のボンネット内での用途に相当するので、重要かつ意義深い。
[0186]実施例に関する平均値及び範囲は、特に温度ギャップ及びより長い熱老化時間において、それぞれの比較例に関する値よりも高い。例えば、190℃及び3000時間の熱老化において測定した引張強さについては、実施例については引張強さ範囲に関する範囲は51〜149MPaであり、比較例についてはこの範囲は有意により低く、27〜77MPaであった。比較は、210℃及び3000時間の熱老化において更により明白である。実施例についての引張強さ範囲に関する範囲は(実施例11を排除すると)82〜156MPaであったが、比較例についてはこの範囲は1〜6MPaのより小さい桁数であった。ここでも、これは、温度ギャップ及びより高い熱老化時間における性能の改良を示している。
[0187]別の例として、190℃及び3000時間の熱老化において測定した耐衝撃性については、実施例についての範囲は11.1〜29.0kJ/mであり、一方で比較例についての範囲は有意により低く、4.4〜12.1kJ/mであった。比較は、210℃及び3000時間の熱老化において更により明白である。実施例についての耐衝撃性の範囲は(実施例11を排除すると)13.0〜34.8kJ/mであり、比較例についての範囲は0.5〜2.6kJ/mMPaであった。
[0188]また、ポリアミド組成物は、190℃〜230℃の全温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、(実施例11を排除すると)少なくとも80MPaの引張強さを示す。190℃〜230℃の範囲にわたるかかる熱老化性能は、温度ギャップ全体にわたる本発明のポリアミド組成物の予期しなかった性能を示す。
[0189]個々の比較はまた、本発明の配合物の相乗効果を示すことをサポートする。一例として、実施例1と比較例Aとの比較は、本発明の安定化剤パッケージの驚くべき相乗効果を示す。比較例Aは銅安定化剤のみを使用し、一方で実施例1は銅安定化剤及びランタノイドベースの安定化剤を使用する。210℃において、比較例Aについての引張強さは、2000時間及び3000時間に関してそれぞれ25.8MPa及び1.4MPaであった。驚くべきことに、実施例1は、同じ試験条件下で125.1MPa(385%の増加)及び81.6MPa(5700%の増加)の引張強さを示した。これらの改良の大きさは予期しなかったことである。
[0190]別の例として、210℃において、比較例Aについての耐衝撃性は、2000時間及び3000時間に関してそれぞれ6.3kJ/m及び0.5kJ/mであった。驚くべきことに、実施例1は、同じ試験条件下で、22.6kJ/m(260%の増加)及び13.0kJ/m(2600%の増加)の耐衝撃性を示した。
[0191]重要なことに、多くの場合において、性能は、温度が上昇するにつれて驚くほど向上する。例えば、表2cにおいて、実施例についての210℃及び3000時間における引張強さは3〜156MPaの範囲であったが、230℃においては(表2e)、実施例についての引張強さは147〜215MPaの範囲であった。より高温における熱老化性能の向上は、非常に予期しなかったことである。
[0192]これらの表には、数多くの同様の比較が示されている。また、他の性能特性についても同様の分析を適用することができる。
[0193]本発明を詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内の修正は当業者に容易に明らかであろう。上述の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景技術及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(これらの開示事項は全て、参照により本明細書中に組み込まれる)を考慮すると。更に、本発明の複数の態様及び種々の実施形態の複数の部分、並びに下記及び/又は添付の特許請求の範囲に示される種々の特徴は、全体的又は部分的に組み合わせるか又は交換することができることを理解すべきである。種々の施形態の上記の説明においては、当業者に理解されるように、別の実施形態を参照する実施形態は、他の実施形態と適切に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は単に例としてであり、限定することは意図しないことを理解する。

Claims (15)

  1. 熱安定化ポリアミド組成物であって、
    場合によって第1のアミドポリマー及び第2のアミドポリマーを含む、25重量%〜90重量%のアミドポリマー;
    0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤;
    場合によって0.01重量%〜5重量%の範囲の量で存在する、第2の熱安定化剤;
    ハロゲン化物添加剤;及び
    0.3重量%未満のステアレート添加剤;
    を含み;
    ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は45.0未満であり;
    前記ポリアミド組成物は、場合によって180℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有し、又は
    前記ポリアミド組成物は、場合によって190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
  2. 前記第2の熱安定化剤に対する前記セリウムベースの熱安定化剤の重量比が0.1〜8.5の範囲であり、及び/又は前記ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比が10未満である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
  3. 前記第2の熱安定化剤が、350wppmより多い銅ベースの化合物を含む、請求項1〜2のいずれかに記載のポリアミド組成物。
  4. 前記セリウムベースの熱安定化剤が、セリウムハイドレート、酢酸セリウム、セリウムオキシハイドレート、リン酸セリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるセリウムリガンド化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド組成物。
  5. 摂氏温度で測定される前記セリウムベースの熱安定化剤の活性化温度が、摂氏温度で測定される前記第2の熱安定化剤の活性化温度よりも少なくとも10%高い、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド組成物。
  6. 前記セリウムベースの熱安定化剤がセリウムベースのリガンド化合物であり;前記第2の熱安定化剤が銅ベースの熱安定化剤であり;前記ポリアミド組成物が、少なくとも220℃の温度で3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも80MPaの引張強さを有する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド組成物。
  7. 熱安定化ポリアミド組成物であって、
    25重量%〜99重量%のアミドポリマー、ここで、アミドポリマーは、前記アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド、及び前記アミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミドを含む;
    0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤;及び
    第2の熱安定化剤;
    を含み;
    前記ポリアミド組成物は、場合によって190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
  8. 前記低カプロラクタム含量ポリアミドが、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載のポリアミド組成物。
  9. 前記低カプロラクタム含量ポリアミドが、50重量%未満のカプロラクタムを含む、請求項7又は8に記載のポリアミド組成物。
  10. 熱安定化ポリアミド組成物であって、
    25重量%〜99重量%のアミドポリマー、ここで、アミドポリマーは、前記アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低融点ポリアミド、及び前記アミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低融点ポリアミドを含む;
    0.01重量%〜10重量%のセリウムベースの熱安定化剤;及び
    第2の熱安定化剤;
    を含み;
    前記ポリアミド組成物は、場合によって190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
  11. 前記低融点ポリアミドが、PA−6,6/6;PA−6T/6;PA−6,6/6I/6;PA−6I/6;又は6T/6I/6;或いはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載のポリアミド組成物。
  12. 前記低融点ポリアミドが、210℃未満の融点を有する、請求項10又は11に記載のポリアミド組成物。
  13. 熱安定化ポリアミド組成物であって、
    25重量%〜99重量%のアミドポリマー;
    場合によって10ppm〜9000ppmの範囲の量で存在する、0.01重量%〜10重量%の酸化セリウム及び/又はセリウムオキシハイドレート;
    第2の熱安定化剤;
    ハロゲン化物添加剤;及び
    0.3重量%未満のステアレート添加剤;
    を含み;
    ステアレート添加剤に対するハロゲン化物添加剤の重量比は45.0未満であり;
    前記ポリアミド組成物が、190℃〜230℃の温度範囲にわたって3000時間熱老化させて23℃で測定した場合に、少なくとも75MPaの引張強さを有する上記ポリアミド組成物。
  14. 前記ポリアミド組成物が、30wppm〜5000wppmの範囲の量で存在するヨウ化物を含む、請求項13に記載のポリアミド組成物。
  15. 前記アミドポリマーが、
    前記アミドポリマーの総重量を基準として90重量%より多い低カプロラクタム含量ポリアミド;及び
    前記アミドポリマーの総重量を基準として10重量%未満の非低カプロラクタム含量ポリアミド又は非低融点ポリアミド;
    を含む、請求項13〜14のいずれかに記載のポリアミド組成物。
JP2021502728A 2018-03-30 2019-03-29 セリウム安定化ポリアミド及びその製造方法 Active JP7222067B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862650731P 2018-03-30 2018-03-30
US62/650,731 2018-03-30
US201962795798P 2019-01-23 2019-01-23
US62/795,798 2019-01-23
PCT/US2019/024815 WO2019191574A1 (en) 2018-03-30 2019-03-29 Cerium-stabilized polyamides and processes for making same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021519381A true JP2021519381A (ja) 2021-08-10
JP7222067B2 JP7222067B2 (ja) 2023-02-14

Family

ID=66175488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021502728A Active JP7222067B2 (ja) 2018-03-30 2019-03-29 セリウム安定化ポリアミド及びその製造方法

Country Status (9)

Country Link
EP (1) EP3775012A1 (ja)
JP (1) JP7222067B2 (ja)
KR (1) KR102458030B1 (ja)
CN (1) CN111918912A (ja)
BR (1) BR112020019728A2 (ja)
CA (1) CA3095329C (ja)
MX (1) MX2020010298A (ja)
TW (2) TWI792098B (ja)
WO (1) WO2019191574A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021014818A1 (ja) * 2019-07-24 2021-01-28

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114585671B (zh) * 2019-10-15 2024-03-12 特莱巴赫工业有限公司 用于聚酯的热稳定剂
EP4357399A1 (en) 2022-10-17 2024-04-24 Treibacher Industrie AG Stabilized polyether-ether-ketone (peek) composition

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60208357A (ja) * 1984-03-08 1985-10-19 ローヌ‐プーラン・スペシアリテ・シミーク ポリアミドの安定化法、この方法を使用するのに用いられる安定化用組成物及び得られた安定化ポリアミド
JPH10292056A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂フィルム
JPH11172040A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Unitika Ltd 耐候性樹脂組成物
WO2000032693A1 (fr) * 1998-11-27 2000-06-08 Unitika Ltd. Composition de resine de polyamide et partie de support de retroviseur comprenant ladite composition
JP2016514751A (ja) * 2013-03-25 2016-05-23 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 耐熱性ポリアミド組成物
JP2016529364A (ja) * 2013-08-29 2016-09-23 エーエムエス−パテント アクチェンゲゼルシャフト ポリアミド成形材料及びそれから製造された成形品

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL260852A (ja) 1960-02-03 1900-01-01
DE10224887A1 (de) 2002-06-05 2003-12-18 Bayer Ag Flammwidrig ausgerüstete Kunststoff-Formmassen
EP1832624B1 (de) 2006-03-09 2009-05-13 Byk-Chemie GmbH Verwendung von Cerdioxid zur Stabilisierung von organischen Polymeren gegenüber freien Radikalen
SI2535365T1 (sl) 2011-06-17 2014-02-28 Ems-Patent Ag Delno aromatične oblikovalne mase in njihova uporaba
US9312047B2 (en) * 2012-06-22 2016-04-12 Honeywell International Inc. Method and compositions for producing polymer blends
EP3006506B9 (de) * 2014-10-08 2017-07-19 Ems-Patent Ag Fliessfähige Polyamide
US10301469B2 (en) * 2014-12-12 2019-05-28 Rhodia Operations Polyamide compositions comprising a polyamide 6,6 and a blend of high chain-length polyamides, use thereof, and articles obtained therefrom
US10934433B2 (en) * 2014-12-12 2021-03-02 Performance Polyamides, Sas Polyamide compositions comprising a blend of polyamide 6,6 and at least one high chain-length polyamide, and A1 stearate, use thereof, and articles obtained therefrom
CN105778493B (zh) * 2014-12-18 2018-10-12 旭化成株式会社 聚酰胺树脂组合物及成型体
JP2017190405A (ja) * 2016-04-14 2017-10-19 旭化成株式会社 ポリアミド樹脂組成物及び成形体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60208357A (ja) * 1984-03-08 1985-10-19 ローヌ‐プーラン・スペシアリテ・シミーク ポリアミドの安定化法、この方法を使用するのに用いられる安定化用組成物及び得られた安定化ポリアミド
JPH10292056A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂フィルム
JPH11172040A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Unitika Ltd 耐候性樹脂組成物
WO2000032693A1 (fr) * 1998-11-27 2000-06-08 Unitika Ltd. Composition de resine de polyamide et partie de support de retroviseur comprenant ladite composition
JP2016514751A (ja) * 2013-03-25 2016-05-23 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 耐熱性ポリアミド組成物
JP2016529364A (ja) * 2013-08-29 2016-09-23 エーエムエス−パテント アクチェンゲゼルシャフト ポリアミド成形材料及びそれから製造された成形品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021014818A1 (ja) * 2019-07-24 2021-01-28
JP7459107B2 (ja) 2019-07-24 2024-04-01 グローバルポリアセタール株式会社 樹脂組成物、成形品および樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20200132956A (ko) 2020-11-25
CA3095329A1 (en) 2019-10-03
CN111918912A (zh) 2020-11-10
JP7222067B2 (ja) 2023-02-14
TW202000790A (zh) 2020-01-01
MX2020010298A (es) 2021-01-08
TWI714043B (zh) 2020-12-21
BR112020019728A2 (pt) 2021-02-17
KR102458030B1 (ko) 2022-10-21
EP3775012A1 (en) 2021-02-17
TW202124581A (zh) 2021-07-01
WO2019191574A1 (en) 2019-10-03
TWI792098B (zh) 2023-02-11
CA3095329C (en) 2024-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7234388B2 (ja) 高レベルのアミン末端基を有するポリアミド
JP6416870B2 (ja) 耐熱性ポリアミド組成物
JP7222067B2 (ja) セリウム安定化ポリアミド及びその製造方法
JP5247152B2 (ja) 熱安定化成形組成物
JP7150717B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド(pps)およびポリアミド6(pa6)を含有する充填組成物
US20190300709A1 (en) Cerium-stabilized polyamides and processes for making same
JP2022519055A (ja) 耐衝撃性改良射出成形ポリアミド
US6197855B1 (en) Nucleation of Polyamides in the presence of hypophosphite
JPH05209123A (ja) 未強化ポリアミド成形材料
JP2022519760A (ja) 加水分解抵抗性ポリアミド
CA2333404A1 (en) Nucleation of polyamides in the presence of hypophosphite
KR20150013501A (ko) 열가소성 중합체 조성물 및 이로 제조된 성형품
JP2023538301A (ja) ダイマー酸およびダイマーアミンを含む脂肪族および半芳香族ポリアミド
TW202330787A (zh) 具有高熱性能的聚醯胺組成物
US20240199877A1 (en) Polyamide compositions with dual copper stabilizers
MXPA00011758A (en) Nucleation of polyamides in the presence of hypophosphite

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7222067

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150