JP2021518380A - プログラム細胞死リガンド1(pd−l1)に対する高親和性中和モノクローナル抗体、及びその使用 - Google Patents

プログラム細胞死リガンド1(pd−l1)に対する高親和性中和モノクローナル抗体、及びその使用 Download PDF

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Abstract

新規のPD−L1結合分子、及びその使用方法を、本明細書にて開示する。開示されたPD−L1結合分子は、中和抗PD−L1抗体、二重特異性抗体、及び免疫毒素を含む。本明細書は、癌若しくは転移の治療、予防、阻害、若しくは低減における、又は、他の抗癌剤の使用を含む治療レジメンの一部としての、開示されたPD−L1結合分子の使用を提供する。【選択図】なし

Description

本出願は、2018年3月19日に出願された米国特許仮出願第62/644,832号の利益を主張し、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
I.背景
充実性腫瘍を治療するために現在利用可能な治療法は、大部分が、腫瘍増殖及び湿潤領域における、治療に効果的なレベルの化学療法剤を達成することの困難さに依るものである。一般に、治療は手術及び/又は放射線治療及び/又は化学療法をベースにするが、これらの方法では、著しい割合の症例において、満足のいかない結果がもたらされる。したがって、充実性腫瘍を伴う癌治療のために、現在利用可能な治療法を改善すること、及び/又は、上記充実性腫瘍を標的にする新規の治療法を開発することが必要とされていることがはっきりとしている。
II.発明の概要
本明細書においては、一態様において、PD−L1が媒介する疾患及び障害の治療に使用するのに好適な、PD−L1に向けられる結合分子を開示する。
本明細書においては、一態様において、表1に記載の1つ以上の相補性決定領域(CDR)(例えば、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び/又は配列番号10)を含む重鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子を開示する。例えば、前述の任意の態様における、単離されたPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子が挙げられるが、これに限定されない)であって、重鎖可変ドメインを含む結合分子が、配列番号3及び配列番号5;配列番号3及び配列番号6;配列番号3及び配列番号7;配列番号3及び配列番号8;配列番号3及び配列番号9;配列番号3及び配列番号10;配列番号4及び配列番号5;配列番号4及び配列番号6;配列番号4及び配列番号7;配列番号4及び配列番号8;配列番号4及び配列番号9;配列番号4及び配列番号10;配列番号3、配列番号5、及び配列番号9;配列番号3、配列番号6、及び配列番号9;配列番号3、配列番号7、及び配列番号9;配列番号3、配列番号8、及び配列番号9;配列番号3、配列番号5、及び配列番号10;配列番号3、配列番号6、及び配列番号10;配列番号3、配列番号7、及び配列番号10;配列番号3、配列番号8、及び配列番号10;配列番号4、配列番号5、及び配列番号9;配列番号4、配列番号6、及び配列番号9;配列番号4、配列番号7、及び配列番号9;配列番号4、配列番号8、及び配列番号9;配列番号4、配列番号5、及び配列番号10;配列番号4、配列番号6、及び配列番号10;配列番号4、配列番号7、及び配列番号10;又は配列番号4、配列番号8、及び配列番号10に記載のCDRを含む、単離されたPD−L1結合分子を本明細書にて開示する。
表1に説明する1つ以上のCDR(例えば配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、及び/又は配列番号15)を含む軽鎖可変ドメインを更に含む、前述の任意の態様の、単離されたPD−L1結合分子もまた、本明細書で開示する。例えば、前述の任意の態様における、単離されたPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子が挙げられるが、これに限定されない)であって、軽鎖可変ドメインを含む結合分子が、配列番号11及び配列番号13;配列番号11及び配列番号14;配列番号11及び配列番号15;配列番号12及び配列番号13;配列番号12及び配列番号14;配列番号12及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載のCDRを含む、単離されたPD−L1結合分子を本明細書にて開示する。
本明細書においては、一態様において、前述の任意の態様におけるPD−L1結合分子であって、PD−L1分子が、前述の態様のいずれかの、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン、又は相補性決定領域(CDR)の両方を含む、PD−L1結合分子、例えば、配列番号1に記載の重鎖可変領域、及び/又は配列番号2に記載の軽鎖可変領域を含むPD−L1結合分子などを開示する。一態様では、前述の任意の態様のPD−L1結合分子は、抗体(若しくはその断片)又は免疫毒素であることができる。本明細書においては、一態様において、前述の任意の態様の抗体(又はその断片)であって、中和抗体であり得る抗体(又はその断片)を開示する。
配列番号1に記載の重鎖可変領域、及び/又は配列番号2に記載の軽鎖可変領域を含む抗体及び/又は免疫毒素もまた、本明細書で開示する。本明細書においては、一態様において、前述の任意の態様の、任意の抗体又は免疫毒素のヒト化バージョンを開示する。
対象における、癌又は転移、好ましくはPD−L1陽性癌又は腫瘍の治療、予防、阻害、又は低減方法であって、上記患者に、治療有効量の抗PD−L1抗体(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれらに限定されない)、及び/又は、前述の任意の態様の抗PD−L1免疫毒素を投与する工程を含む方法もまた、本明細書で開示する。
III.詳細な説明
本化合物、組成物、物品、機器及び/又は方法が開示及び記述される前に、これらは、別段の明示がなければ、特定の合成方法若しくは特定の組み換えバイオテクノロジー法に、又は別段の明示がなければ、特定の試薬に限定されるものではなく、それ故、当然、変形し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
A.定義
明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数の指示対象を含む。このため、例えば、「薬学的担体(a pharmaceutical carrier)」という表記は、2つ以上のこのような担体の混合物などを含む。
本明細書において、範囲は、「約」を用いたある特定値から及び/又は「約」を用いた別の特定値までとして表現することができる。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、ある特定値から及び/又は他の特定値までを含む。同様に、先行詞「約(about)」を使用することによって、値が近似値として表される場合、特定値により別の実施形態が生じることが理解されるであろう。さらに、各範囲の端点は、他の端点に関連する場合も、他の端点とは独立している場合でも、重要であることは理解されよう。本明細書に開示したいくつかの値があり、各値はまた、本明細書において、その値自体に加えて、「約」を用いたその特定値、としても開示されていると理解される。例えば、値「10」が開示される場合、その結果「約10」もまた開示される。当業者によって適切に理解されるように、ある値が開示されているときには、その値「より少ない又は等しい」、「その値より多い又は等しい」及び値間の可能な範囲も開示されていることも理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「10より少ない又は等しい」及び「10より多い又は等しい」も開示されている。本出願全体を通じて、データは多数の異なる形式で提供されていること、このデータは終点と開始点及びデータ点のあらゆる組み合わせに対する範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータ点「10」と特定のデータ点15が開示されていれば、10及び15より多い、より多い又は等しい、より少ない、より少ない又は等しい及び等しい並びに10と15の間が開示されていると考えられることが理解される。2つの特定の単位間の各単位も開示されることも理解される。例えば、「10及び15」が開示されていれば、11、12、13及び14も開示されている。
「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むがこれらに限定されない哺乳動物などの動物を含むと本明細書で定義される。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
対象への「投与」は、薬剤を対象に導入又は送達するあらゆる経路を含む。投与は、経口、局所、静脈内、皮下、経皮的(transcutaneous)、経皮(transdermal)、筋肉内、関節内、非経口、細静脈内、皮内、脳室内(intraventricular)、頭蓋内、腹腔内、病巣内、鼻腔内、直腸、膣、吸入による、移植された貯蔵所(implanted reservoir)を介して、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、くも膜下腔内、腹腔内、肝臓内、病巣内及び頭蓋内注射又は注入技術)などを含むあらゆる適切な経路によって実施することができる。本明細書において使用される「同時的投与」、「組み合わせでの投与」、「同時投与」又は「同時に投与された」は、同じ時点で、又は本質的に互いの直後に化合物が投与されることを意味する。後者の場合には、観察される結果が、化合物が同時点で投与された場合に達成される結果と区別できないほど十分に近い時間で、2つの化合物が投与される。「全身投与」は、例えば、循環系又はリンパ系中への進入を通じて、対象の身体の広範な領域(例えば、身体の50%超)に薬剤を導入又は送達する経路を介して薬剤を対象に導入又は送達することを表す。これに対して、「局所投与」とは、投与の点の領域又は投与の点に直接隣接した領域に薬剤を導入又は送達し、治療的に著しい量で薬剤を全身的に導入しない経路を介して、薬剤を対象に導入し、又は送達することを表す。例えば、局所的に投与された薬剤は、投与の点の局所的近傍において容易に検出可能であるが、対象の身体の遠位の部分では検出不能であり、又は無視できる量で検出可能である。投与には、自己投与又及び他者による投与が含まれる。
「生体適合性」とは、レシピエントに対して一般的に無毒であり、かつ対象に対して重大な有害作用を引き起こさないような材料及びそのあらゆる代謝産物又は分解産物を一般的に指す。
「を含む(comprising)」は、組成物、方法などが列挙された要素を含むが、他の要素を除外しないことを意味するものとする。組成物及び方法を定義するために使用される場合における「から本質的になる(consisting essentially of)」は、列挙された要素を含むが、その組み合わせに対するあらゆる本質的な重要性をもつ他の要素を排除することを意味するものとする。したがって、本明細書で定義される要素から本質的になる組成物は、単離及び精製方法からの微量汚染物質、並びに薬学的に許容される担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、保存剤などを除外しない。「からなる(consisting of)」は、その他の微量を超える成分及び本発明の組成物を投与するための方法中における重要な工程を除外することを意味するものとする。これらの各移行句(Transition term)によって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
「対照」は、比較目的で実験に使用される、代替の対象又は試料である。対照は、「陽性」又は「陰性」であり得る。
薬剤の「有効量」は、所望の効果を与えるための薬剤の十分な量を表す。「有効」である薬剤の量は、対象の年齢及び全身状態、個別の1種類又は複数種類の薬剤などの多くの要因に応じて、対象ごとに異なるであろう。したがって、定量化された「有効量」を特定することは必ずしも可能ではない。しかしながら、あらゆる対象の場合における適切な「有効」量は、日常的な実験を用いて当業者が決定するものであってよい。また、本明細書で使用されるとき、別途具体的に述べられていない限り、薬剤の「有効量」はまた、治療有効量及び予防有効量の両方をカバーする量を指すことができる。治療効果を達成するために必要な薬剤の「有効量」は、対象の年齢、性別及び体重などの要因によって異なってもよい。投与方式は、最適な治療反応をもたらすように調整することができる。例えば、数回に分けた用量を毎日投与してもよいか又は治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例的に減らしてもよい。
「減少」は、より小さな、遺伝子発現、タンパク質発現、症状、疾患、組成物、状態又は活性の量をもたらすあらゆる変化を表すことができる。当該物質ありでの遺伝子産物の遺伝的出力が当該物質なしでの遺伝子産物の出力と比較してより少ないときにも、物質は遺伝子の遺伝的出力を減少させると理解される。また、減少は、例えば、症状が以前に観察されたより低いような、障害の症状の変化であり得る。減少は、統計的に有意な量での、状態、症状、活性、組成のあらゆる個別的、中央値の又は平均の減少であり得る。このため、減少が統計的に有意である限り、減少は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%の減少であり得る。
「阻害する」、「阻害すること」及び「阻害」は、活性、応答、状態、疾患又はその他の生物学的パラメータを減少することを意味する。これには、活性、応答、状態又は疾患の完全な消失が含まれ得るが、これに限定されない。これには、例えば、天然の又は対照レベルと比較して、活性、応答、状態又は疾患の10%の低減も含まれ得る。このため、低減は、天然の又は対照レベルと比較した、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%又はその間のあらゆる量の低減であり得る。
本明細書において使用される「予防する」、「予防すること」、「予防」という用語及び文法的なこれらの変形は、部分的に又は完全に、疾患の開始若しくは再発及び/若しくは疾患の付随するその症状の1種以上を遅延若しくは妨げる、又は対象が疾患を取得若しくは再取得しないようにする、又は疾患若しくは疾患の付随する症状の1種以上を取得若しくは再取得する対象のリスクを低減させる方法を表す。
「薬学的に許容される」コンポーネントは、生物学的に又は他の点で望ましくないものではないコンポーネントを指すものであり得る。すなわち、そのコンポーネントは、重大な望ましくない生物学的作用も引き起こすことなく、又はそれが含まれる製剤中のいずれの他のコンポーネントとも有害な形で相互作用することなく、本発明の医薬製剤に含有させ、本明細書に記述したように対象に投与することができる。ヒトへの投与を指すために使用される場合、本用語は、一般に、そのコンポーネントが毒性試験及び製造試験において要求される基準を満たしていること又はそのコンポーネントが米国食品医薬品局が作成する不活性成分ガイドに掲載されていることを、黙示的に意味する。
「薬学的に許容される担体」(時に「担体」と称される。)という用語は、一般に安全かつ無毒である、医薬組成物又は治療用組成物を調製するために有用な、獣医学的なかつ/又はヒト用の、薬学的な又は治療用の使用に許容される担体を含む、担体又は賦形剤を意味する。「担体」又は「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝食塩水溶液、水、エマルジョン(油/水エマルジョン又は水/油エマルジョンなど)及び/又は様々な種類の湿潤剤を含み得るが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、「担体」という用語は、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、脂質、安定剤又はその他の材料であって医薬製剤に使用するために当該技術分野で周知であり、かつ、ここで更に説明するものを包含するが、これらに限定されない。
「薬理学的に活性な」誘導体又は類似体という表現におけるような「薬理学的に活性な」(又は単に「活性な」)は、誘導体又は類似体(例えば、塩、エステル、アミド、コンジュゲート、代謝産物、異性体、断片など)であって、親化合物と同一の種類の薬理活性を有し、かつ、その程度において近似的に同等であるものを指すことができる。
「治療剤」は、有益な生物学的効果を有するあらゆる組成物を表す。有益な生物学的効果には、治療的効果、例えば、障害又は他の望ましくない生理的状態の処置、及び予防的効果、例えば、障害又は他の望ましくない生理的状態(例えば、非免疫原性癌)の予防の両方が含まれる。これらの用語は、塩、エステル、アミド、前駆薬剤(proagent)、活性代謝産物、異性体、断片、類似体などを含むがこれらに限定されない、本明細書に具体的に挙げられている有益な薬剤の薬学的に許容される、薬理学的に活性な誘導体も包含する。「治療剤」という用語が使用される場合、次いで、又は特定の薬剤が具体的に特定されている場合、その用語は、その薬剤自体の他に、薬学的に許容される、薬理学的に活性な、塩、エステル、アミド、前駆薬剤、コンジュゲート、活性な代謝産物、異性体、断片、類似体などを含むことが理解されるべきである。
組成物(例えば、薬剤を含む組成物)の「治療有効量」又は「治療有効用量」は、所望の治療結果を達成するために有効である量を表す。いくつかの実施形態において、所望の治療結果はI型糖尿病の抑制である。いくつかの実施形態において、所望の治療結果は肥満の抑制である。所与の治療剤の治療有効量は、通常、治療される障害又は疾患の種類及び重症度、並びに対象の年齢、性別及び体重などの要因に関して異なるであろう。この用語はまた、疼痛緩和などの所望の治療効果を促進するために有効な、治療剤の量又は治療薬の送達速度(例えば、経時的な量)を指すこともできる。正確な所望の治療効果は、治療されるべき状態、対象の耐性、投与されるべき薬剤及び/又は薬剤製剤(例えば、治療剤の効力、製剤中の薬剤の濃度など)、並びに当業者によって認識される様々なその他の要因に応じて異なるであろう。いくつかの例において、所望の生物学的又は医学的応答は、数日、数週間、又は数年の期間にわたって対象に、組成物の複数の投薬量を投与した後に達成される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、以下の意味を有するように定義されるいくつかの用語に言及する。
「場合に応じた(optional)」又は「場合に応じて(optionally)」は、続いて記載されたイベント又は状況が発生する場合と発生しない場合があり、当該記載は、前記イベント又は状況が発生する場合と発生しない場合を含むことを意味する。
本出願を通して、様々な刊行物が参照されている。本出願が属する技術分野の水準をより完全に記述するために、これらの刊行物の開示内容の全体が、参照により、本明細書に組み込まれる。開示された参考文献はまた、その参考文献が依拠している文章中で論じられている、それらに含まれる材料について、参照により個別的にかつ具体的に本明細書中に組み込まれる。
B.組成物
開示された組成物を作製するために使用されるコンポーネントは、本明細書に開示された方法の中で使用される組成物自体と同様に開示されている。これら及び他の材料は、本明細書に開示されており、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが開示されているとき、これらの合成物の、それぞれの様々な、個別の及び集合的な、組み合わせ及び並べ替えへの具体的な言及は、明示的に開示されていないことがあるが、それぞれが本明細書において具体的に企図され、記載されていることが理解される。例えば、具体的な抗PD−L1抗体が開示されて論じられ、抗PD−L1抗体を含む多数の分子を作製可能な多くの変更が論じられる場合、特に反対の指摘がされない限り、抗PD−L1抗体のあらゆる全ての可能な組み合わせ及び並べ替え、並びに変形例が具体的に想到される。したがって、分子D、E及びFのクラスのみならず分子A、B及びCのクラスが開示され、かつ、組み合わせ分子、A−Dの例が開示されている場合、それぞれが個別に記載されていないときであっても、それぞれが個別に、かつ集合的に考慮される。つまり、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E及びC−Fが開示されているものとみなされる。同様に、これらのあらゆるサブセット又は組み合わせもまた開示されている。したがって、例えば、A−E、B−F及びC−Eのサブグループは、開示されているものとみなされる。この考え方は、開示された組成物を生産かつ使用する方法中の工程を含むがこれらに限定されない、本出願の全ての態様に適用される。したがって、実行可能な様々な追加の工程が存在する場合、これらの追加の工程のそれぞれは、開示された方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組み合わせによって実行されることができることが理解される。
T細胞は、抗癌免疫応答において不可欠な役割を果たす。T細胞の活性化は、T細胞受容体に対して、抗原を有する主要組織適合複合体(MHC)を介して提示される初期抗原特異的シグナル、及び、CD80/86の結合による共刺激分子CD28の活性化に左右される。T細胞は、免疫応答を下方制御可能な共抑制分子もまた発現する。1つの主要な共抑制受容体は、プログラム細胞死1(PD−1)である。
用語「PD1」、「PD−1」、及び「プログラム細胞死タンパク質1」とは、2つのリガンドであるPD−L1又はPD−L2との相互作用の際に、負のシグナルを送達するCD28スーパーファミリーのメンバーを意味する。PD−1とそのリガンドは幅広く発現し、他のCD28メンバーと比較して、T細胞の活性化及び耐性において、より広範な免疫制御の役割を果たす。PD−1は、アポトーシスを受けるT細胞ハイブリドーマにて上方制御された遺伝子として単離され、プログラム細胞死1という名前が付けられた。PD−1は2つのリガンド、すなわち、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)及びPD−L2を有し、PD−L1が最も広範に発現する。CD274、プログラム細胞死1リガンド1(PDCD1LG1若しくはPD−L1)又はB7−H1としても知られるPD−L1は、IgC及びIgV型細胞外ドメインからなるI型膜貫通糖タンパク質であり、PD1に結合する。
PD−L1がPD−1に結合差得ることにより、T細胞に阻害シグナルが伝達され、T細胞増殖の阻害、エフェクターサイトカインの分泌低下、及び場合により疲労が生じる。PD−L1の発現量を上方制御することにより、腫瘍細胞は、免疫認識及び攻撃を逃れることができる。PD−L1は、乳癌、胃癌、腎細胞癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、黒色腫、及び血液学的癌を含む様々な腫瘍にて発現する。一般に、多くの発現量が癌患者の不十分なアウトカムと関連しているため、PD−1及びPD−L1は、不十分な予後因子であることが示されている。抗PD−1及び抗PD−L1抗体を用いる前臨床試験は、有望な抗腫瘍効果を示しており、いくつかの臨床研究の開始をもたらしている。治療不応性の進行性黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌、及び卵巣癌を有する患者において、初期の臨床試験は、客観的かつ耐久性のある(1年を超える)応答を示した。これらの、印象の強い結果のために、フェーズII/IIIの研究により現在、これらの薬剤の治療効果を更に探求している。黒色腫患者における印象の強い有効性のために、FDAは最近、以前の治療法を進めた後で進行性又は切除不能な黒色腫を有する患者の治療に対して、ペムブロリズマブ(抗PD−1抗体)の促進された認可を付与した。にもかかわらず、約30%の患者においてのみ、現在利用可能な抗PD−1抗体を用いて、上手くいったアウトカムが見られるだけである。したがって、新規のより効果的、かつより普遍的な抗PD−1/PDL−1抗体、二重特異性抗体、及び免疫毒素が必要とされている。
したがって、本開示は、患者における、腫瘍、好ましくはPD−L1陽性腫瘍の治療方法にて使用するための、抗PD−L1抗体及び免疫毒素に関する。標識した抗PD−L1抗体が、PD−L1を発現する腫瘍に特異的に標的化されることを、本明細書にて示す。それ故、毒素に結合した抗PD−L1抗体を、腫瘍細胞を標的にして殺傷するために、治療法において使用することができる。
本明細書で使用する場合、用語「免疫毒素」は、当該技術分野における一般的な意味を有する。「免疫毒素」とは、毒素の断片に結合した、抗体又は修飾抗体又は抗体断片から作製したキメラタンパク質(本出願においては「抗体」とも呼ばれる)を意味する。免疫毒素の抗体は、毒素の断片に共有結合している。毒素の断片は、抗体又はその断片に、リンカーにより結合するのが好ましい。上記リンカーは、4−メルカプト吉草酸及び6−マレイミドカプロン酸から選択されるのが好ましい。
用語「抗PD−L1免疫毒素」とは、抗体部分が抗PD−L1抗体であり、上記抗PD−L1抗体が毒素に結合している抗体薬物コンジュゲート(ADC)を意味する。このような毒素は、内在性又は改変毒素であることができ、脱免疫化されて免疫原性が低下している場合がある。標的細胞にてPD−L1に結合する際、免疫毒素は細胞内に入り、標的細胞を殺傷する。本明細書で使用する場合、用語「抗体」は、当該技術分野における一般的な意味を有する。用語「抗PD−L1抗体」とは、PD−L1に特異的に結合する抗体を意味する。上記抗体はPD−L2に結合しないのが好ましい。
一態様において、開示する抗PD−L1抗体は、他の結合分子に融合して二重特異性抗体分子を作製することができる。このような分子は、PD−L1結合コンポーネントを利用してPD−L1陽性腫瘍を標的化することができ、抗原、LAG−3、TGF−β、OX40、ICOS、LIGHT、及び、様々なその他のT細胞表面抗原に結合することができる。
結合分子
本明細書で使用する場合、用語「結合分子」とは、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化又はヒト抗体を含むインタクトな免疫グロブリン、並びに、免疫グロブリンの結合パートナーに特異的に結合するためのインタクトな免疫グロブリンと競合する免疫グロブリンの断片を含む抗原結合及び/又は可変ドメインを含む抗体断片及び機能性多様体、例えばPD−L1を意味する。
一態様において、開示するPD−L1結合分子は、抗PD−L1抗体(例えば抗PD−L1抗体)を含むことができる。「抗体」という用語は、本明細書において、広義に使用され、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方を含む。本明細書で使用する場合、用語「抗体」とは、任意の部類の全免疫グロブリン(即ちインタクトな抗体)を包含するが、これに限定されない。インタクトな免疫グロブリン分子に加えて、用語「抗体」には、これらの免疫グロブリン分子の断片又はポリマー、及び、免疫グロブリン分子又はその断片のヒト又はヒト化バージョンもまた含まれる。PD−L1とPD−1との相互作用に関与する、PD−L1の開示した領域に結合する抗体もまた開示される。
開示したPD−L1結合分子(抗体又はその断片を含む結合分子を含む)はPD−L1に結合することが理解され、本明細書において想到される。しかし、いくつかのPD−L1結合分子(抗体又はその断片を含む結合分子を含む)は、PD−L1に結合するだけでなく、PD−L1の生物学的効果を中和する(即ち、それらは中和結合分子である)ことが更に認識される。本明細書においては、一態様において、PD−L1結合分子が、中和抗体である抗PD−L1抗体を含むPD−L1結合分子を開示する。
内在性抗体は通常、ヘテロ四量体糖タンパク質であり、2つの同一の軽(L)鎖、及び2つの同一の重(H)鎖で構成される。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化又はヒト抗体、並びに抗体断片及び機能性多様体に関係なく、開示したPD−L1結合分子は、軽鎖及び重鎖の全て、又は一部を含むことができる。
完全な抗体において、典型的には、各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合している一方で、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の間で変化する。各重鎖及び軽鎖は、規則的な間隔を有する鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一端に1つの可変ドメイン(V(H))、それに続いて多数の定常(C(H)))ドメインを有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V(L))、及び他端に定常(C(L))ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは重鎖の最初の定常ドメインと並んでおり、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと並んでいる。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間で界面を形成すると考えられている。任意の脊椎動物種由来の抗体の軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの一方に割り当てることができる。それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列により、免疫グロブリンは異なるクラスに割り当てられることができる。ヒト免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMが存在し、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG−1、IgG−2、IgG−3及びIgG−4;IgA−1及びIgA−2にさらに分けられ得る。当業者は、マウスに対する同等のクラスを認識するであろう。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ及びμと呼ばれる。
用語「可変」とは、本明細書において、抗体間の配列で異なり、特定の抗原に対しての、特定の各抗体の結合及び特異性において用いられる重鎖及び軽鎖の特定の領域を説明するために用いられる。しかし、可変性は通常、抗体の可変ドメインを通して均一に分布してはいない。可変ドメインの、より高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。内在性重鎖及び軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、大部分はβシート構成に適合し、βシート構造に接続し、場合によってはその一部を形成する、3つの相補性決定領域(CDR)により接続される4つのFR領域を含む。可変性は典型的には、軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方におけるCDR又は超可変領域にて、集中している。
各鎖のCDRは、FR領域により近接して共に折りたたまれ、他の鎖のCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat E.A.et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987)を参照のこと)。本明細書で使用する場合、「相補性決定領域」とは、形状及び電荷分布が、抗原上で認識されるエピトープに対して相補的である抗原結合部位を生成する、免疫グロブリンなどの、結合分子の可変領域内の配列を意味する。CDR領域は、内在性コンフォメーションでタンパク質に存在する、又は、場合によっては、例えばSDSでの可溶化により、変性してタンパク質に存在する、いずれかの、タンパク質又はタンパク質断片の直線状エピトープ、不連続なエピトープ、又は立体構造エピトープに対して特異的であることができる。エピトープは、タンパク質の翻訳後修飾からなることもまた可能である。
1つ以上のCDR残基の置換、又は1つ以上のCDRの省略もまた可能である。抗体は科学文献にて説明されており、ここにおいて、1つ又は2つのCDRは、結合のために省略可能である。Padlan et al.(1995 FASEB J.9:133−139)は、公開されている結晶構造に基づいて、抗体とその抗原との接触領域を分析し、CDR残基の5分の1から3分の1のみが、実際に抗原と接触している、という結論を出した。Padlanは、1つ又は2つのCDRが、抗原と接触しているアミノ酸を有していない多くの抗体も発見した(Vajdos et al.2002 J Mol Biol 320:415−428もまた参照のこと)。
抗原と接触していないCDR残基は、分子モデリングにより、及び/又は実験により、Chothia CDRの外にあるKabat CDRの領域から、以前の研究に基づいて識別可能である(例えば、CDRH2において、残基H60〜H65は多くの場合、必要とされない)。CDR又はその残基(複数可)が省略される場合、CDR又はその残基は通常、別のヒト抗体配列、又はそのような配列のコンセンサス内で、対応する位置を占めるアミノ酸により置換されている。CDR内での置換位置、及び置換するアミノ酸は、実験により選択することも可能である。
定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接関与はしないが、抗体依存性細胞傷害性における抗体の関与など、様々なエフェクター機能を示す。
一態様において、開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの、中和PD−L1結合分子が挙げられるがこれに限定されない)は、表1に示す可変ドメインCDRのうちの1つ以上を含む。
Figure 2021518380
本明細書においては、一態様において、表1に記載する1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの、中和PD−L1結合分子が挙げられるがこれに限定されない)を開示する。したがって、例えば、1つ以上の重鎖可変ドメインCDRは、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び/又は配列番号10を含むことができる。一態様において、本明細書にて開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、表1のCDRの一覧の、2つ又は3つの重鎖可変ドメインCDRのうちの任意の組み合わせを含む重鎖可変ドメインCDRを含むことができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、例えば、PD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、配列番号3及び配列番号5;配列番号3及び配列番号6;配列番号3及び配列番号7;配列番号3及び配列番号8;配列番号3及び配列番号9;配列番号3及び配列番号10;配列番号4及び配列番号5;配列番号4及び配列番号6;配列番号4及び配列番号7;配列番号4及び配列番号8;配列番号4及び配列番号9;配列番号4及び配列番号10;配列番号3、配列番号5、及び配列番号9;配列番号3、配列番号6、及び配列番号9;配列番号3、配列番号7、及び配列番号9;配列番号3、配列番号8、及び配列番号9;配列番号3、配列番号5、及び配列番号10;配列番号3、配列番号6、及び配列番号10;配列番号3、配列番号7、及び配列番号10;配列番号3、配列番号8、及び配列番号10;配列番号4、配列番号5、及び配列番号9;配列番号4、配列番号6、及び配列番号9;配列番号4、配列番号7、及び配列番号9;配列番号4、配列番号8、及び配列番号9;配列番号4、配列番号5、及び配列番号10;配列番号4、配列番号6、及び配列番号10;配列番号4、配列番号7、及び配列番号10;又は配列番号4、配列番号8、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDRを含むことができる。一態様において、PD−L1結合分子は、配列番号1に記載の可変重ドメインを含むことができる。
開示するPD−L1結合分子における重鎖可変ドメインの、開示される相補性決定領域は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40個のアミノ酸が連続する、又はこれらで分離されていることができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、最初のCDRが、10、11、12、13、14、15,16、17、18、19、又は20個のアミノ酸により2番目のCDRと分離されており、2番目のCDRと3番目のCDRが、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40個のアミノ酸により分離されている少なくとも2つのCDRを含む重鎖可変ドメインを含むPD−L1結合分子を本明細書にて開示する。
PD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、重鎖可変ドメインの代わりに、又はこれに加えて、軽鎖可変ドメインを含むことができることが理解され、本明細書において想到される。本明細書においては、一態様において、表1に記載する1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの、中和PD−L1結合分子が挙げられるがこれに限定されない)を開示する。したがって、例えば、1つ以上の軽鎖可変ドメインCDRは、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、及び/又は配列番号15を含むことができる。一態様において、本明細書にて開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、表1のCDRの一覧の、2つ又は3つの軽鎖可変ドメインCDRのうちの任意の組み合わせを含む軽鎖可変ドメインCDRを含むことができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、例えば、PD−L1結合分子は、配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDRを含むことができる。一態様において、PD−L1結合分子は、配列番号2に記載の可変軽鎖ドメインを含むことができる。
開示するPD−L1結合分子における軽鎖可変ドメインの、開示される相補性決定領域は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40個のアミノ酸が連続する、又はこれらで分離されていることができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、最初のCDRが、10、11、12、13、14、15,16、17、18、19、又は20個のアミノ酸により2番目のCDRと分離されており、2番目のCDRと3番目のCDRが、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40個のアミノ酸により分離されている少なくとも2つのCDRを含む軽鎖可変ドメインを含むPD−L1結合分子を本明細書にて開示する。
一態様において、本明細書にて開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、それぞれの領域が、表1に記載の1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含むことができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、例えば、PD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び/又は配列番号10にて記載の1つ以上の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、及び/又は配列番号15にて記載の1つ以上の軽鎖可変ドメインCDRの任意の組み合わせを含むことができる。したがって、例えば、PD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、配列番号3に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号4に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号5に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号6に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号7に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号8に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR、配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3及び配列番号5に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3及び配列番号6に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3及び配列番号7に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3及び配列番号8に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4及び配列番号5に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4及び配列番号6に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4及び配列番号7に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4及び配列番号8に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、
及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号5、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号6、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号7、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号8、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号5、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号6、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号7、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号3、配列番号8、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号5、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号6、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号7、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号8、及び配列番号9に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号5、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号6、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;配列番号4、配列番号7、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDR;又は、配列番号4、配列番号8、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDR、並びに、配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、
及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDRを含むことができる。一態様において、PD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、配列番号1に記載の可変重鎖ドメイン、及び配列番号2に記載の可変軽鎖ドメインを含むことができる。
上記のとおり、開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、抗体の断片であることもできる。本明細書で使用する場合、用語「抗体又はその断片」とは、二重又は多重抗原又はエピトープ特異性を有する、キメラ抗体及びハイブリッド抗体、並びに、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFv、dAb、相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(scFv)、二価の一本鎖抗体、ダイアボディ又は他の二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、(ポリ)ペプチドであって、ハイブリッド断片を含む、当該(ポリ)ペプチドに結合する特異的抗原を付与するのに十分な免疫グロブリンの断片を少なくとも含有する(ポリ)ペプチドを包含する。このように、特異的な抗原を結合する能力を保持する抗体の断片が提供される。例えば、PD−L1結合活性を維持する抗体の断片が、用語「抗体又はその断片」の意味に含まれる。このような抗体及び断片は、本分野において既知の技術によって作製することができ、実施例に記載されている方法に従って、並びに抗体を生産し、特異性及び活性について抗体をスクリーニングするための一般的な方法において、特異性及び活性に関してスクリーニングすることができる(Harlow and Lane.Antibodies,A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)参照)。
抗体断片及び抗原結合タンパク質(一本鎖抗体)のコンジュゲートも、「抗体又はその断片」という意味に含まれる。コンジュゲートされた抗体又は断片とは、エフェクター部分又はタグに作用可能に結合した、又は別様において、これらに物理的若しくは機能的に会合した抗体又は断片、とりわけ、例えば米国特許第4,704,692号(その内容が本明細書に参照により組み込まれる)に記載の、有害物質、放射性物質、蛍光物質、リポソーム、又は酵素などを意味する。
構造に関係なく、本明細書にて開示した抗原結合断片は、インタクトな免疫グロブリンにより認識される同一の抗原と結合することができる。抗原結合断片は、結合分子のアミノ酸配列の少なくとも2個の連続したアミノ酸残基、少なくとも5個の連続したアミノ酸残基、少なくとも10個の連続したアミノ酸残基、少なくとも15個の連続したアミノ酸残基、少なくとも20個の連続したアミノ酸残基、少なくとも25個の連続したアミノ酸残基、少なくとも30個の連続したアミノ酸残基、少なくとも35個の連続したアミノ酸残基、少なくとも40個の連続したアミノ酸残基、少なくとも50個の連続したアミノ酸残基、少なくとも60個の連続したアミノ残基、少なくとも70個の連続したアミノ酸残基、少なくとも連続した80個のアミノ酸残基、少なくとも連続した90個のアミノ酸残基、少なくとも連続した100個のアミノ酸残基、少なくとも連続した125個のアミノ酸残基、少なくとも150個の連続したアミノ酸残基、少なくとも連続した175個のアミノ酸残基、少なくとも200個の連続したアミノ酸残基、又は少なくとも連続した250個のアミノ酸残基のアミノ酸配列を含むペプチド又はポリペプチドを含むことができる。
抗体又は抗体断片の活性が修飾されていない抗体又は抗体断片と比較して、著しく変化され又は損なわれていなければ、断片は、他の配列に付着されているか否かを問わず、特定の領域又は特異的なアミノ酸残基の挿入、欠失、置換又はその他の選択された修飾も含むことができる。これらの修飾は、ジスルフィド結合することができるアミノ酸を除去/追加すること、その生体寿命を増加させること、その分泌特性を変化させることなど、なんらかの追加の特性を与えることができる。いずれの事例でも、抗体又は抗体断片は、そのコグネイト抗原への特異的結合など、生理活性特性を保有しなければならない。抗体又は抗体断片の機能的な又は活性な領域は、タンパク質の特異的領域の変異誘発に続く、発現されたポリペプチドの発現及び検査によって特定され得る。このような方法は当業者にとって自明であり、抗体又は抗体断片をコードする核酸の部位特異的変異誘発を含むことができる。(Zoller,M.J.Curr.Opin.Biotechnol.3:348−354,1992)。
本明細書で使用する場合、用語「機能性多様体」とは、親結合分子のヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列と比較して、1つ以上のヌクレオチド及び/又はアミノ酸が変化しており、かつ依然として、親結合分子と共に、結合パートナー(例えば、PD−L1(PD−L1を含む))への結合に競合可能であるヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列を含む結合分子を意味する。すなわち、親結合分子のアミノ酸及び/又はヌクレオチド配列における改変は、アミノ酸配列を含有するヌクレオチド配列によりコードされる結合分子の結合特性に、著しく影響を及ぼさない、又は変更しない。即ち、結合分子は依然として標的を認識し、標的に結合可能である。機能性多様体は、ヌクレオチド及びアミノ酸置換を含む保存的配列改変、付加、並びに欠失を有することができる。これらの改変は、部位特異的突然変異誘発及びランダムPCR媒介突然変異誘発などの、当該技術分野において既知の技術により導入することができ、天然及び非天然ヌクレオチド及びアミノ酸を含むことができる。
本明細書にて開示するとおり、結合分子、抗体、断片、及び多様体は、例えばPD−L1などの抗原標的に特異的に結合可能である。
本明細書で使用する場合、結合分子(例えば抗体)、及びその結合パートナー(例えば抗原)の相互作用に関する、用語「特異的に結合する」とは、その相互作用が、結合パートナー上に特定の構造(例えば抗原決定基又はエピトープ)が存在することに左右されることを意味する。すなわち、結合パートナーが他の分子との混合物で存在する場合でも、抗体はその結合パートナーに優先的に結合する、又はその結合パートナーを優先的に認識する。結合は、共有若しくは非共有相互作用、又は両方の組み合わせにより媒介されることができる。更に他の言葉では、用語「特異的に結合する」とは、抗原又はその断片に免疫特異的に結合すること、及び、他の抗原に免疫特異的に結合しないことを意味する。抗原に免疫特異的に結合する結合分子は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、BIAcore、又は当該技術分野において公知の他のアッセイにより測定すると、低い親和性にて、他のペプチド又はポリペプチドに結合する場合がある。抗原に免疫特異的に結合する結合分子又はその断片は、関連する抗原と交差反応性であることができる。抗原に免疫特異的に結合する結合分子又はその断片は、他の抗原と交差反応しないのが好ましい。
一態様において、開示した抗体、又は本明細書にて開示した結合分子は、ヒト抗体又はヒト結合分子であることができる。本明細書に定義する結合分子に適用される場合、用語「ヒト」とは、ヒトに直接由来するか、ヒト配列に基づくかのいずれかの分子を意味する。結合分子がヒト配列に由来する、又はヒト配列に基づき、かつ後で改変される場合、その配列は、本明細書を通して用いられるヒトであると、依然として考えられるべきである。すなわち、結合分子に適用される場合、用語「ヒト」とは、ヒト若しくはヒトリンパ球にて、又は改変形態のいずれかにおける、又はこれらでは生じない、可変又は定常領域に基づくヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する結合分子を含むことが意図される。したがって、ヒト結合分子は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基を含むことができ、置換及び/又は欠失(例えば、インビトロで例えばランダム若しくは部位特異的突然変異誘発により、又はインビボで体細胞突然変異により導入される変異)を含むことができる。本明細書で使用する場合、「に基づく」とは、核酸配列が、例えばエラープローンPCR法による、テンプレートから正確に、若しくはわずかな変異を有してコピーされることができる、又は、テンプレートに正確に、若しくはわずかな改変を有して一致するように、合成により作製されるという状況を意味する。ヒト配列に基づく半合成分子もまた、本明細書で使用するヒトであると考えられる。
場合に応じて、抗体は他の種から生成され、ヒトへの投与のために「ヒト化」される。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又はその断片(例えば、抗体のFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、又は他の抗原結合配列)である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)に由来する残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有する、マウス、ラット、又はウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRに由来する残基により置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。ヒト化抗体は、レシピエント抗体中にも、移入されるCDR又はフレームワーク配列中にも見出されない残基も含有し得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、また典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、この場合、CDR領域の全て若しくは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンの領域に相当し、FR領域の全て若しくは実質的に全てが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列である。ヒト化抗体は任意に、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分を含む(Jones et al.,Nature,321:522−525(1986);Riechmann et al.,Nature,332:323−327(1988);and Presta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(1992))。
非ヒト抗体をヒト化する方法は当該技術分野において周知である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである源からヒト化抗体中に導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は多くの場合、「インポート」残基と呼ばれ、典型的には「インポート」可変ドメインから取得される。ヒト化は、Winter及び共同作業者の方法(Jones et al.,Nature,321:522−525(1986);Riechmann et al.,Nature,332:323−327(1988);Verhoeyen et al.,Science,239:1534−1536(1988))に従い、ヒト抗体の対応する配列に対して、げっ歯類CDR又はCDR配列を置換することにより、本質的に実施することができる。したがって、このような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基が、及び場合によりいくつかのFR残基がげっ歯類抗体中の類似の部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
抗原性を低減するためには、ヒト化抗体を生成する際に使用するヒトの軽重両方の可変ドメインの選択が非常に重要である。「ベストフィット」法に従うと、げっ歯類抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。げっ歯類の配列に最も近いヒト配列が次いで、ヒト化抗体用のヒトフレームワーク(FR)として認められる(Sims et al.,J.Immunol.,151:2296(1993)and Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196:901(1987))。他の方法では、軽鎖又は重鎖の特定のサブグループのヒト抗体全てのコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークを、いくつかの異なるヒト化抗体に対して使用することができる(Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Presta et al.,J.Immunol.,151:2623(1993))。
いくつかの態様において、抗原に対する高親和性や他の好ましい生物学的性質を保持したまま、抗体をヒト化することが重要であり得る。この目標を達成するために、好ましい方法に従って、親及びヒト化配列の3次元モデルを使用する、親配列及び種々の概念的なヒト化生成物の分析プロセスにより、ヒト化抗体を調製する。3次元免疫グロブリンモデルは一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。選択した候補免疫グロブリン配列の、可能性のある3次元コンフォメーション構造を図示し表示することができるコンピュータプログラムが、利用可能である。これらの表示を観察することで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の想定され得る役割の分析、すなわち候補免疫グロブリンの抗原との結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、FR残基、コンセンサス及びインポート配列から選択して合わせることができ、所望の抗体特性、例えば、標的抗原(複数可)に対する親和性の増加が、達成される。一般に、CDR残基は、抗原結合への影響に、直接、かつ最も実質的に関与している(1994年3月3日に公開された、国際公開第94/04679号を参照のこと)。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞が開示される。用語「モノクローナル抗体」は本発明で使用する場合、実質的に、抗体の均質な母集団に由来する抗体を意味する、即ち、母集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る、可能性のある、天然に存在する変異を除いて同一である。
本明細書におけるモノクローナル抗体は、具体的には、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種に由来する又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一若しくは相同であるが、鎖の残りは、所望の拮抗的活性を示す限り、別の種に由来する又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一若しくは相同である「キメラ」抗体、並びにこのような抗体の断片を含む(例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984)を参照のこと)。
モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,Nature,256:495(1975)or Harlow and Lane.Antibodies,A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)に記載されているものなどの、ハイブリドーマ法を使用して調製することができる。ハイブリドーマ法では、免疫化剤に特異的に結合する抗体を産生する、又は産生することができるリンパ球を誘発するために、通例、マウス又はその他の適切な宿主動物が免疫化剤で免疫化される。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫化され得る。免疫化剤はPD−L1を含むのが好ましい。従来、モノクローナル抗体の産生は、免疫原として使用するための精製タンパク質又はペプチドの入手可能性に左右されてきた。より近年では、DNAベースの免疫化が、強力な免疫応答を誘発し、モノクローナル抗体を産生するための方法として有望であることが示されている。このアプローチにおいて、ヒトIgG1との融合タンパク質として発現するPD−L1の一部をコードするDNAを、当該技術分野において既知の方法に従い、かつ実施例に記載のとおりに宿主動物に注入する、DNAベースの免疫化(例えば、Kilpatrick KE,et al.Gene gun delivered DNA−based immunizations mediate rapid production of murine monoclonal antibodies to the Flt−3 receptor.Hybridoma.1998 Dec;17(6):569−76;Kilpatrick KE et al.High−affinity monoclonal antibodies to PED/PEA−15 generated using 5 microg of DNA.Hybridoma.2000 Aug;19(4):297−302;抗体産生の方法については、全てが参照により本明細書に組み込まれている)を使用することができる。
精製タンパク質又はDNAのいずれかを用いる、免疫化のための代替アプローチは、バキュロウイルスにて発現する抗原を使用することである。この系の利点としては、産生の容易さ、高レベルの発現、及び、哺乳類系で見られるものに非常に類似する翻訳後修飾が挙げられる。この系の使用には、融合タンパク質としての抗PD−L1抗体のドメインの発現が伴う。抗原は、シグナル配列と、抗PD−L1抗体ヌクレオチド配列の成熟タンパク質ドメインとの間に遺伝子断片をインフレームで挿入することにより、産生される。これにより、ヴィリオンの表面に外来タンパク質が表示される。この方法により、全ウイルスを用いる免疫化が可能となり、標的抗原の精製の必要がなくなる。
一般に、ヒト起源の細胞が所望される場合、末梢血リンパ球(「PBL」)が、モノクローナル抗体の産生方法にて用いられるか、又は、非ヒト哺乳類源が消耗される場合、脾臓細胞若しくはリンパ節細胞が用いられるかの、いずれかである。次に、ポリエチレングリコールなどの好適な融合剤を使用して、リンパ球を不死化細胞株と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,“Monoclonal Antibodies:Principles and Practice”Academic Press,(1986)pp.59−103)。不死化細胞株は一般に、げっ歯類、ウシ、ウマ、及びヒト由来の骨髄腫細胞を含む、形質転換哺乳類細胞である。通常、ラット又はマウス骨髄腫細胞株が用いられる。ハイブリドーマ細胞は、未融合の不死化細胞の増殖又は生残を阻害する、1つ以上の物質を好ましくは含有する、好適な培地で培養することができる。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマ用の培地は典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含み(「HAT培地」)、これらの物質は、HGPRT欠損細胞の増殖を防止する。好ましい不死化細胞株は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞により、抗体の安定した高レベルの発現を支え、HAT培地などの培地に対して感度が高いものである。より好ましい不死化細胞株は、例えば、the Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,Calif.and the American Type Culture Collection,Rockville,Md.から入手可能な、マウス骨髄腫株である。ヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生に関して記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,“Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications”Marcel Dekker,Inc.,New York,(1987)pp.51−63)。ハイブリドーマ細胞が培養される培地を次に、PD−L1に対して向けられるモノクローナル抗体の存在についてアッセイすることができる。ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降により、又は、ラジオイムノアッセイ(RIA)若しくは酵素免疫測定法(ELISA)などのインビトロ結合アッセイにより測定されるのが好ましい。このような技術及びアッセイは当技術分野において既知であり、以下の実施例、又は、Harlow and Lane Antibodies,A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)にて更に記載されている。
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、限界希釈又はFACSソート手順により、クローンをサブクローニングして、標準的な方法で増殖させることができる。この目的のための好適な培地としては例えば、ダルベッコ改変イーグル培地及びRPMI−1640培地が挙げられる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳類にて、腹水としてインビボで増殖することができる。
サブクローンにより分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース、プロテインG、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又は親和性クロマトグラフィーなどの、従来の免疫グロブリン精製手順によち、培地又は腹水流体から単離又は精製することができる。
本明細書に定義する結合分子に適用される場合、用語「単離された」とは、他のタンパク質又はポリペプチドを実質的に非含有の、特に、異なる抗原特異性を有する他の結合分子を非含有の、かつ、他の細胞若しくは組織材料、及び/又は化学物質前駆体若しくは他の化学物質もまた実質的に非含有の、結合分子を意味する。例えば、結合分子が組み換えにより生成される場合、その結合分子は、培地を実質的に非含有であるのが好ましく、結合分子が化学合成により生成される場合、その結合分子は、化学物質前駆体又は他の化学物質を実質的に非含有である、即ち、結合分子は、タンパク質の合成に関与する化学物質前駆体又は他の化学物質から分離されるのが好ましい。「実質的に非含有」とは、結合分子が典型的には、サンプルの約50%、60%、70%、80%、又は90%W/W、より一般的には約95%、そして好ましくは99%を超えて純粋であることを意味するのが好ましい。
モノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に記載されているものなどの組み換えDNA法によってもまた、産生することができる。モノクローナル抗体をコードするDNAは、慣用の手法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離し、配列決定することができる。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい源として機能する。単離されると、DNAは発現ベクター内に配置されることができ、これを次に、他では免疫グロブリンタンパク質を産生しない、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、形質細胞腫細胞、又は骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクションして組み換え宿主細胞にて、モノクローナル抗体の合成が得られる。DNAはまた、例えば、相同マウス配列の代わりに、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより(米国特許第4,816,567号)、又は、非免疫グロブリンポリペプチドに対するコード配列の全て又は一部を、免疫グロブリンコード配列に共有結合させることにより、改変することができる。場合に応じて、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインが置換される、又は、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインを置換することにより、PD−L1(PD−L1を含む)に対する特異性を有する第1の抗原結合部位、及び、異なる抗原に対する特異性を有する第2の抗原結合部位を含む、キメラ二価抗体が作製される。
インビトロ法も、一価抗体を調製するのに適している。抗体の断片、特にFab断片を作製するための抗体の消化は、本分野において既知の日常的技術を用いて達成することができる。例えば、消化は、パパインを用いて実施することができる。パパイン分解の例は、1994年12月22日に公開の国際公開第94/29348号、米国特許第4,342,566号、及び、Harlow and Lane,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)に記載されている。抗体のパパイン消化は、典型的には、各々が単一の抗原結合部位を有するFab断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片と残りのFc断片を生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有しながら、依然として抗原を架橋可能な、F(ab’)2断片と呼ばれる断片が得られる。
抗体の分解で作製されるFab断片は、軽鎖の定常ドメイン、及び重鎖の最初の定常ドメインもまた含有する。抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む重鎖領域のカルボキシ末端にて、いくつかの残基を付加することにより、Fab’断片は、Fab断片とは異なる。F(ab’)2断片は、ヒンジ領域にてジスルフィド架橋により結合された2つのFab’断片を含む、二価の断片である。Fab’−SHは、本明細書においては、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を持つFab’の名称である。抗体断片は、通常はFab’断片の対として作製され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
あるいは、開示する抗体は、免疫化の際に、使用可能な内因性免疫グロブリン産生物の不存在下にて、ヒト抗体の完全レパートリーを作製可能なトランスジェニック動物(例えばマウス)を利用して作製することができる。例えば、キメラ及び生殖細胞系変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(J(H))遺伝子のホモ接合欠損により、内因性抗体産生の完全な阻害がもたらされることが記載されている。ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイを、このような生殖細胞系変異体マウスに移すことにより、抗原投与時にヒト抗体が産生される(例えば、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551−255(1993);Jakobovits et al.,Nature,362:255−258(1993);Bruggemann et al.,Year in Immuno.,7:33(1993)を参照のこと)。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーにおいてもまた産生することができる(Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991))。Cote et al.及びBoerner et al.の技術もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用可能である(Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86−95(1991))。
単離された、抗体の免疫原性特異的パラトープ又は断片もまた提供される。分子の化学的又は機械的破壊により、抗体の特異的免疫原性エピトープを全抗体から単離することができる。このようにして得られた精製断片を、本明細書にて教示する方法により試験して、その免疫原性及び特異性を測定する。抗体の免疫反応性パラトープが、場合に応じて、直接合成される。免疫反応性断片は、抗体アミノ酸配列に由来する、少なくとも約2〜5個の連続するアミノ酸のアミノ酸配列として定義される。
抗体を含むタンパク質を作製する1つの方法は、タンパク質化学技術により、2つ以上のペプチド又はポリペプチドを結合することである。例えば、ペプチド又はポリペプチドは、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)又はBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)化学作用のいずれかを使用する、現在利用可能な実験室用装置を使用して化学合成することができる。(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)。例えば、抗体に対応するペプチド又はポリペプチドを、標準的な化学反応により合成することができることを、当業者は速やかに理解することができる。例えば、ペプチド又はポリペプチドは合成することができるが合成樹脂から切断されない一方で、抗体の他の断片は、合成した後、樹脂から切断することができることで、別の断片上で機能的に遮断された末端基が曝露される。ペプチド縮合反応により、これら2つの断片を、カルボキシル及びアミノ末端にて、それぞれ、ペプチド結合を介して共有結合させて、抗体又はその断片を形成することができる。(Grant GA(1992)Synthetic Peptides:A User Guide.W.H.Freeman and Co.,N.Y.(1992);Bodansky M and Trost B.,Ed.(1993)Principles of Peptide Synthesis.Springer−Verlag Inc.,NY.あるいは、ペプチド又はポリペプチドを独立して、上述のとおりにインビボで合成することができる。単離されると、これらの独立したペプチド又はポリペプチドは結合して、同様のペプチド縮合反応により、抗体又はその断片を形成することができる。
例えば、クローンペプチドセグメント又は合成ペプチドセグメントの酵素ライゲーションにより、相対的に短いペプチド断片が結合して、より大きなペプチド断片、ポリペプチド、又は全タンパク質ドメインを作製することができる(Abrahmsen L et al.,Biochemistry,30:4151(1991))。あるいは、合成ペプチドの内在性化学ライゲーションを利用して、短いペプチド断片から、大きなペプチド又はポリペプチドを合成により構築することができる。この方法は、2工程の化学反応からなる(Dawson et al.Synthesis of Proteins by Native Chemical Ligation.Science,266:776−779(1994))。最初の工程は、初期の共有生成物として、チオエステル結合中間体を得るための、未保護合成ペプチド−α−チオエステルの、アミノ末端Cys残差を含有する未保護ペプチドセグメントとの、化学選択的反応である。反応条件を変化させることなく、この中間体は自然に急速な分子内反応を受けて、ライゲーション部位にて内在性ペプチド結合を形成する。この内在性化学ライゲーションを、タンパク質分子の全ての合成に適用することは、ヒトインターロイキン8(IL−8)の調製により図示されている(Baggiolini M et al.(1992)FEBS Lett.307:97−101;Clark−Lewis I et al.,J.Biol.Chem.,269:16075(1994);Clark−Lewis I et al.,Biochemistry,30:3128(1991);Rajarathnam K et al.,Biochemistry 33:6623−30(1994))。
あるいは、未保護のペプチドセグメントを、化学ライゲーションの結果としての、ペプチドセグメント間で形成される結合が非自然(非ペプチド)結合である箇所にて化学結合させる(Schnolzer,M et al.Science,256:221(1992))。本技術は、タンパク質ドメインの類似体、及び、完全な生物活性を有する、相対的に純粋な多量のタンパク質を合成するために使用されている(deLisle Milton RC et al.,Techniques in Protein Chemistry IV.Academic Press,New York,pp.257−267(1992))。
生物活性を有する抗体の断片もまた、開示されている。ポリペプチド断片は、ポリペプチドを、そのポリペプチド断片を作製可能な発現系、例えば、アデノウイルス又はバキュロウイルス発現系にて、コードする核酸をクローニングすることにより入手される組み換えタンパク質であることができる。例えば、抗体のPD−L1との相互作用に関連する生物学的効果を引き起こすことができる特異的ハイブリドーマ由来の抗体の、活性ドメインを測定することができる。例えば、抗体の活性、又は結合特異性若しくは親和性のいずれかに寄与しないことが発見されたアミノ酸を、対応する活性を喪失させることなく欠失することができる。例えば、様々な実施形態において、アミノ又はカルボキシ末端アミノ酸は、内在性又は改変非免疫グロブリン分子又は免疫グロブリン分子のいずれかから連続して取り除き、多くの利用可能なアッセイの1つにて、対応する活性をアッセイする。別の例において、抗体の断片は、改変抗体であって、少なくとも1つのアミノ酸が、特定の位置において天然に存在するアミノ酸で置換されており、アミノ末端若しくはカルボキシ末端アミノ酸のいずれか、又は更に、抗体の内部領域の一部が、改変抗体の精製を容易にすることができる、ポリペプチド断片、又は、ビオチンなどの他の部分で置き換えられている改変抗体を含む。例えば、改変抗体は、コード領域の発現がハイブリッドポリペプチドをもたらすように、ペプチド化学、又は、発現ベクターに2つのポリペプチド断片をコードする、それぞれの核酸のクローニングのいずれかにより、マルトース結合タンパク質に融合することができる。ハイブリッドポリペプチドは、アミロース親和性カラムに通すことで親和性精製することができ、その後、改変抗体の受容体を、ハイブリッドポリペプチドを特異的プロテアーゼ因子Xaにより切断することにより、麦芽糖結合領域から分離することができる。(例えば、New England Biolabs Product Catalog,1996,pg.164を参照のこと)。同様の精製手順は、真核細胞からハイブリッドタンパク質を単離するのにも同様に利用可能である。
断片の活性が、未改変の抗体又は抗体断片と比較して、著しく変化され又は損なわれていなければ、断片は、他の配列に付着されているか否かを問わず、特定の領域又は特異的なアミノ酸残基の挿入、欠失、置換又はその他の選択された修飾を含む。これらの改変は、いくつかの追加の性質、例えば、ジスルフィド結合可能なアミノ酸の除去又は付加、生物的寿命の増加、分泌特性の変化を付与することができる。いずれの場合も、断片は、結合活性、結合領域における結合の制御などの、生物活性特性を有しなければならない。抗体の機能的又は活性領域は、タンパク質の特定の領域の突然変異誘発、それに続く発現、及び発現したポリペプチドの試験により同定することができる。このような方法は、当業者にとっては速やかに明らかとなり、抗原をコードする核酸の部位特異的突然変異誘発を含むことができる。(Zoller MJ et al.Nucl.Acids Res.10:6487−500(1982))。
様々なイムノアッセイフォーマットを使用して、特定のタンパク質、多様体、又は断片に選択的に結合する抗体を選択することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイを日常的に使用して、タンパク質、タンパク質多様体、又はその断片に対して選択的に免疫反応性である抗体を選択する。選択的結合を測定するために使用可能な、イムノアッセイフォーマット及び条件の説明については、Harlow and Lane.Antibodies,A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)を参照のこと。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Scatchard analysis of Munson et al.,Anal.Biochem.,107:220(1980)により測定することができる。
モノクローナル抗体又はその断片、及び、抗PD−L1抗体又はその断片の、PD−L1分子への結合を測定するための1つ以上の試薬の容器を含む抗体試薬キットもまた提供する。試薬としては例えば、蛍光タグ、酵素タグ、又はその他のタグを挙げることができる。試薬としては、また、可視化可能な生成物を精製する酵素反応用の、第2又は第3の抗体又は試薬を挙げることができる。
1.相同性/同一性
本明細書にて開示した遺伝子及びタンパク質の、任意の既知の多様体及び誘導体、又は生じ得る多様体及び誘導体を定義する1つの方法は、特定の既知の配列に対する相同性の観点から、多様体及び誘導体を定義することによるものであると理解されている。例えば、表4は、PD−L1重鎖可変ドメインの具体的な配列について記載している。記載する配列に対して、少なくとも70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の相同性を有する、本明細書で開示したこれらの多様体、並びに他の遺伝子及びタンパク質を具体的に開示する。当業者は、2つのタンパク質又は核酸、例えば遺伝子の相同性の測定方法を速やかに理解する。例えば、相同性が最も高いレベルになるように2つの配列をアラインメントした後に、相同性を計算することができる。
相同性を計算する別の方法は、公開されたアルゴリズムにより実施することができる。比較用の配列の最適アラインメントは、Smith and Waterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムにより、Needleman and Wunsch,J.MoL Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムにより、Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444(1988)の類似性方法用の調査により、これらのアルゴリズムの、コンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIにおける、GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)により、又は検査により、実施することができる。
いずれかの方法を典型的に使用可能であり、特定の場合において、これらの各種方法の結果は異なり得ると理解されているが、これらの方法のうち少なくとも1つを用いて同一性が発見された場合、その配列は、記載した同一性を有するということができ、本明細書にて開示されることができるということを、当業者は理解している。
例えば、本明細書で使用する場合、別の配列に対して特定の相同性を有すると述べられる配列とは、上記計算方法のいずれか1つ以上により計算した、記載の相同性を有する配列を意味する。例えば、第1配列が、Zukerの計算法を使用すると、第2配列に対して80%の相同性を有すると計算される場合、第1配列が、別の計算方法のいずれかにより計算すると、第2配列に対して80%の相同性を有しない場合であっても、第1配列は、第2配列に対して、本明細書に定義するように、80%の相同性を有する。別の例として、第1配列が、Zukerの計算法、並びにPearson及びLipmanの計算法の両方を使用すると、第2配列に対して80%の相同性を有すると計算される場合、第1配列が、Smith及びWatermanの計算法、Needleman及びWunschの計算法、Jaegerの計算法、又は、他の計算法のいずれかにより計算すると、第2配列に対して80%の相同性を有しない場合であっても、第1配列は、第2配列に対して、本明細書に定義するように、80%の相同性を有する。更に別の例としては、第1配列が、計算法のそれぞれを使用すると、第2配列に対して80%の相同性を有すると計算される場合、第1配列は、第2配列に対して、本明細書に定義するように、80%の相同性を有する(しかし実際には、異なる計算方法によって多くの場合、異なる相同性の割合が計算されることとなる)。
2.ペプチド
a)タンパク質多様体
本明細書で論ずるとおり、既知であり、本明細書にて想到される、本明細書にて開示したPD−L1結合分子及びPD−L1結合CDR、並びに重鎖及び軽鎖可変領域の様々な多様体が存在する。加えて、既知の機能性株の多様体に対しては、開示した方法及び組成物にても機能する、PD−L1結合分子及びPD−L1結合CDR、並びに重鎖及び軽鎖可変領域の誘導体が存在する。タンパク質多様体及び誘導体は、当業者には十分に理解されており、アミノ酸配列修飾を伴うことができる。例えば、アミノ酸配列修飾は通常、3分類:置換多様体、挿入多様体、又は欠失多様体の1つ以上に分類される。本明細書で使用する場合、「挿入」とは、親(多くの場合、天然に存在する)分子と比較して、それぞれ、1つ以上のアミノ酸又はヌクレオチド残基の付加をもたらす、アミノ酸又はヌクレオチド配列における変化を意味する。挿入としては、アミノ及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。挿入は通常、アミノ又はカルボキシル末端融合の挿入よりも小さく、例えば、1〜4個の残基のオーダーである。実施例に記載されるものなどの免疫原性融合タンパク質誘導体は、インビトロでの架橋により、又は、融合体をコードするDNAにより形質転換した組み換え細胞培養物により、標的配列に対して免疫原性を付与するのに十分大きなポリペプチドを融合することにより作製される。欠失は、タンパク質配列からの1つ以上のアミノ酸残基の除去を特徴とする。典型的には、約2〜6個以下の残基が、タンパク質分子内の任意の1つの部位にて欠失される。これらの多様体は通常、タンパク質をコードするDNA内のヌクレオチドの、部位特異的突然変異誘発により調製されることにより、多様体をコードするDNAが作製され、その後、組み換え細胞培養物内でDNAを発現する。既知の配列を有するDNAの所定の部位において、置換変異を作製する技術(例えばM13プライマー突然変異誘発及びPCR突然変異誘発)が周知である。アミノ酸置換基は典型的には単一の残基であるが、一度に多数の異なる位置で発生することができる。挿入は通常、約1〜10個のアミノ酸残基のオーダーであり、欠失は約1〜30個の残基の範囲である。欠失又は挿入は、好ましくは隣接する対で行われる、すなわち、2個の残基の欠失、又は2個の残基の挿入である。置換、欠失、挿入、又はこれらの任意の組み合わせにより、最終の構成物にたどり着くことができる。変異は、リーディングフレームの外の配列を置き換えてはならず、二次mRNA構造体を作製し得る相補領域を作製しないのが好ましい。置換多様体は、少なくとも1つの残基が除去され、その位置に異なる残基が挿入されている多様体である。このような置換は通常、以下の表5に従い行われ、保存的置換と称される。
Figure 2021518380
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機能又は免疫学的同一性の大きな変化は、表5のものほど保存されていない置換を選択すること、すなわち、(a)置換領域において、例えばシート若しくはヘリックス構造として、ポリペプチド骨格の構造、(b)標的部位において、分子の電荷若しくは疎水性、又は(c)側鎖のバルク、を維持する効果が、より著しく異なる残基を選択することにより行われる。保存的アミノ酸置換としては、アミノ酸残基が、類似の構造的又は化学的特性を有するアミノ酸残基で置き換えられる置換が挙げられる。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。
通常、タンパク質の性質を最も変更すると予想される置換は、(a)親水性残基(例えばセリル若しくはスレオニル)が疎水性残基(例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル若しくはアラニル)で(により)置換される;(b)システイン若しくはプロリンが任意の他の残基で(により)置換される;(c)正電荷の側鎖を有する残基(例えばリジル、アルギニル若しくはヒスチジル)が、負電荷残基(例えばグルタミル若しくはアスパルチル)で(により)置換される;又は(d)嵩高い側鎖を有する残基(例えばフェニルアラニン)が、側鎖を有しない残基(例えばグリシン)で(により)(この場合(e)部位の数を硫酸化及び/若しくはグリコシル化のために増加することで)置換される、ものである。
アミノ酸残基の、生物学的及び/又は化学的に類似の別のアミノ酸残基との置き換えは、当業者には保存的置換として知られている。例えば、保存的置換はある疎水性残基を別の疎水性残基で、又はある極性残基を別の極性残基で置き換えることである。置換は、例えば、Gly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;及びPhe、Tyrなどの組み合わせを含む。それぞれの明示的に開示された配列の、そのような保存的置換バリエーションは、本明細書において提供するモザイクポリペプチドに含まれる。
置換又は欠失突然変異誘発を用いて、Nグリコシル化(Asn−X−Thr/Ser)又はOグリコシル化(Ser若しくはThr)用の部位を挿入することができる。システイン又は他の不安定な残基の欠失もまた、望ましい場合がある。潜在的なタンパク質分解部位、例えばArgの欠失又は置換は、例えば塩基性残基の1つを欠失すること、又は、1つをグルタミニル若しくはヒスチジル残基で置換することにより、達成することができる。
特定の翻訳後誘導体化は、発現するポリペプチド上での組み換え宿主細胞の作用の結果である。グルタミニル及びアスパラギニル残基は、頻繁に翻訳後脱アミド化され、対応するグルタミル及びアスパリル残基になる。あるいは、これらの残基は、穏やかな酸性条件下にて脱アミド化される。その他の翻訳後修飾としては、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリル又はスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のo−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman&Co.,San Francisco pp 79−86[1983])、N末端アミンのアセチル化、並びに、場合によってはC末端カルボキシルのアミド化が挙げられる。
本明細書で開示するタンパク質の多様体及び誘導体を確定する1つの方法は、具体的な既知の配列に対する相同性/同一性の観点から、その多様体及び誘導体を確定することであると理解されている。例えば、配列番号1及び2。記載した配列に対して少なくとも70%、又は75%、又は80%、又は85%、又は90%、又は95%の相同性を有する、本明細書に開示したもの及び他のタンパク質の多様体が特に開示されている。当業者は速やかに、2つのタンパク質の相同性の測定方法を理解するであろう。例えば、相同性が最も高いレベルになるように2つの配列をアラインメントした後に、相同性を計算することができる。
相同性を計算する別の方法は、公開されたアルゴリズムにより実施することができる。比較窓をアラインするための配列の最適アラインメントは、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム(Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981))により、Needleman及びWunschの相同性アラインメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol..48:443(1970))により、Pearson及びLipmanの、類似性方法に関する調査(Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.)85:2444(1988))により、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)により、又は検査により実施することができる。
同じ種類の相同性は例えば、Zuker,M.Science 244:48−52,1989,Jaeger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710,1989,Jaeger et al.Methods Enzymol.183:281−306,1989に開示されているアルゴリズムにより、核酸に対して得ることができる。
保存的変異及び相同性の説明は、任意の組み合わせで、共に組み合わせることができると理解されている(例えば、多様体が保存的変異である特定の配列に対して、少なくとも70%の相同性を有する実施形態)。
本明細書は、様々なタンパク質及びタンパク質配列について論じているため、これらのタンパク質配列をコードすることができる核酸もまた開示されている、と理解することができる。これには、特定のタンパク質配列に関連する全ての変質配列、即ち、ある特定のタンパク質配列をコードする配列を有する全ての核酸、並びに、タンパク質配列の開示された多様体及び誘導体をコードする変質核酸を含む全ての核酸が含まれる。したがって、それぞれの具体的な核酸配列は本明細書で記載しないであろうものの、開示されたタンパク質配列を通して、あらゆる配列が実際には本明細書にて開示されて記載されていることと理解される。更に、例えば、イソロイシン(I)のバリン(V)での置換などの、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14の、開示された保存的誘導体。この変異に関しては、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14の、この特定の誘導体をコードする核酸配列の全てもまた、開示されていると理解されている。
開示された組成物に組み込むことができる様々なアミノ酸及びペプチド類似体が存在すると理解されている。例えば、表4及び表5に示すアミノ酸とは異なる機能性置換基を有する、様々なDアミノ酸又はアミノ酸が存在する。天然に存在するペプチドの逆の立体異性体、及び、ペプチド類似体の立体異性体が開示される。これらのアミノ酸は、tRNA分子の選択したアミノ酸での変化、及び、例えば、アンバーコドンを利用する、遺伝子構造の改変により、類似体アミノ酸を部位特異的な方法でペプチド鎖に挿入することにより、ポリペプチド鎖に速やかに組み込むことができる。
ペプチドに似ているが、天然のペプチド結合を介して接続していない分子を作製することができる。例えば、アミノ酸又はアミノ酸類似体用の結合として、CHNH−−、−−CHS−−、−−CH−−CH−−、−−CH=CH−−(cis及びtrans)、−−COCH−−、−−CH(OH)CH−−、並びに−−CHHSO−−を挙げることができる(これら及び他のものは、Spatola,A.F.in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins,B.Weinstein,eds.,Marcel Dekker,New York,p.267(1983);Spatola,A.F.,Vega Data(March 1983),Vol.1,Issue 3,Peptide Backbone Modifications(概要);Morley,Trends Pharm Sci(1980)pp.463−468;Hudson,D.et al.,Int J Pept Prot Res 14:177−185(1979)(−−CHNH−−、CHCH−−);Spatola et al.Life Sci 38:1243−1249(1986)(−−CH H−−S);Hann J.Chem.Soc Perkin Trans.I 307−314(1982)(−−CH−−CH−−、cis及びtrans);Almquist et al.J.Med.Chem.23:1392−1398(1980)(−−COCH−−);Jennings−White et al.Tetrahedron Lett 23:2533(1982)(−−COCH−−);Szelke et al.European Appln,EP 45665 CA(1982):97:39405(1982)(−−CH(OH)CH−−);Holladay et al.Tetrahedron.Lett 24:4401−4404(1983)(−−C(OH)CH−−);並びにHruby Life Sci 31:189−199(1982)(−−CH−−S−−)に見出すことができ、これらそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている)。特に好ましい非ペプチド結合は、−−CHNH−−である。ペプチド類似体は、β−アラニン、γ−アミノ酪酸などの結合原子間に2つ以上の原子を有することができると理解されている。
アミノ酸類似体及び類似体及びペプチド類似体は多くの場合、例えば、より経済的な製造、高い化学的安定性、増強された薬理学的特性(半減期、吸収、潜在能、有効性など)、変化した特異性(例えば、生物活性のより広いスペクトル)、低下した抗原性などの、増強された、又は望ましい特性を有する。
D−アミノ酸はペプチダーゼなどにより認識されないため、D−アミノ酸を使用して、より安定したペプチドを作製することができる。同じ種類のD−アミノ酸を有するコンセンサス配列の、1個以上のアミノ酸のシステム置換(例えばL−リジンの代わりにD−リジン)を使用して、より安定したペプチドを作製することができる。システイン残基を使用して、2つ以上のペプチドを合わせて環化する、又は結合することができる。これは、ペプチドを特定のコンフォメーションに制限するのに有益であり得る。
一態様において、開示されたPD−L1結合分子は標識を更に含むことができる。本明細書で使用する場合、標識は、蛍光染料、ビオチン/ストレプトアビジンなどの結合ペアの要素、金属(例えば金)、放射性置換基、又は、着色基質若しくは蛍光を生み出すことにより検出可能な分子と特異的に相互作用可能なエピトープタグを含むことができる。タンパク質を検出可能に標識するのに好適な物質としては、蛍光染料(本明細書では、蛍光色素及びフルオロフォアとしても知られている)、並びに比色物質(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ)と反応する酵素が挙げられる。蛍光染料の使用は一般に、これらが非常に少量で検出可能であるために、本発明の実施に際して好まれる。
フルオロフォアは、発光する化合物又は分子である。典型的には、フルオロフォアはある波長にて電磁エネルギーを吸収し、別の波長にて電磁エネルギーを放出する。例示的なフルオロフォアとしては、1,5 IAEDANS;1,8−ANS;4−メチルウンベリフェロン;5−カルボキシ−2,7−ジクロロフルオレセイン;5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM);5−カルボキシナフトフルオレセイン;5−カルボキシテトラメチルローダミン(5−TAMRA);5−ヒドロキシトリプタミン(5−HAT);5−ROX(カルボキシ−X−ローダミン);6−カルボキシローダミン6G;6−CR 6G;6−JOE;7−アミノ−4−メチルクマリン;7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD);7−ヒドロキシ−4−Iメチルクマリン;9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン(ACMA);ABQ;酸性フクシン;アクリジンオレンジ;アクリジンレッド;アクリジンイエロー;アクリフラビン;アクリフラビンFeulgen SITSA;エクオリン(フォトプロテイン);TMAFP−自家蛍光タンパク質−(Quantum Biotechnologies)(sgGFP、sgBFPを参照のこと);Alexa Fluor 350TM;Alexa Fluor 430TM;Alexa Fluor 488TM;Alexa Fluor 532TM;Alexa Fluor 546TM;Alexa Fluor 568TM;Alexa Fluor 594TM;Alexa Fluor 633TM;Alexa Fluor 647TM;Alexa Fluor 660TM;Alexa Fluor 680TM;アリザリンコンプレキソン;アリザリンレッド;アロフィコシアニン(APC);AMC、AMCA−S;アミノメチルクマリン(AMCA);AMCA−X;アミノアクチノマイシンD;アミノクマリン;アニリンブルー;アントロシルステアレート;APC−Cy7;APTRA−BTC;APTS;Astrazon Brilliant Red 4G;Astrazon Orange R;Astrazon Red 6B;Astrazon Yellow 7 GLL;アタブリン;ATTO−TAGTMCBQCA;ATTO−TAGTMFQ;オーラミン;オーロホスフィンG;オーロホスフィン;BAO 9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール);BCECF(高pH);BCECF(低pH);ベルベリンサルフェート;βラクタマーゼ;BFP青色移動GFP(Y66H);青色蛍光タンパク質;BFP/GFP FRET;ビマン;ビスベンゼミド;ビスベンジミド(Hoechst);ビス−BTC;Blancophor FFG;Blancophor SV;BOBOTM−1;BOBOTM−3;Bodipy492/515;Bodipy493/503;Bodipy500/510;Bodipy;505/515;Bodipy530/550;Bodipy542/563;Bodipy558/568;Bodipy564/570;Bodipy576/589;Bodipy 581/591;Bodipy 630/650−X;Bodipy 650/665−X;Bodipy 665/676;Bodipy Fl;Bodipy FL ATP;Bodipy Fl−セラミド;Bodipy R6G SE;Bodipy TMR;Bodipy TMR−X コンジュゲート;Bodipy TMR−X,SE;Bodipy TR;Bodipy TR ATP;Bodipy TR−X SE;BO−PROTM−1;BO−PROTM−3;Brilliant Sulphoflavin FF;BTC;BTC−5N;Calcein;Calcein Blue;Calcium Crimson−;Calcium Green;Calcium Green−1 Ca2+Dye;Calcium Green−2 Ca2+;Calcium Green−5N Ca2+;Calcium Green−C18 Ca2+;Calcium Orange;Calcofluor White;カルボキシ−X−ローダミン(5−ROX);Cascade BlueTM;Cascade Yellow;カテコールアミン;CCF2(GeneBlazer);CFDA;CFP(シアン蛍光タンパク質);CFP/YFP FRET;クロロフィル;クロロマイシンA;クロロマイシンA;CL−NERF;CMFDA;Coelenterazine;セレンテラジンcp;セレンテラジンf;セレンテラジンfcp;セレンテラジンh;セレンテラジンhcp;セレンテラジンip;セレンテラジンn;セレンテラジンO;クマリンファロイジン;C−サイコシアニン;CPM Iメチルクマリン;CTC;CTCホルマザン;Cy2TM;Cy3.1 8;Cy3.5TM;Cy3TM;Cy5.1 8;Cy5.5TM;Cy5TM;Cy7TM;CyanGFP;環式AMPフルオロセンサ(FiCRhR);ダブシル;ダンシル;ダンシルアミン;ダンシルカダベリン;ダンシルクロリド;ダンシルDHPE;ダンシルフルオライド;DAPI;ダポキシル;ダポキシル2;ダポキシル3’DCFDA;DCFH(ジクロロジヒドロフルオロセインジアセテート);DDAO;DHR(ジヒドロローダミン123);Di−4−ANEPPS;Di−8−ANEPPS(ノンレイシオ);DiA(4−Di 16−ASP);ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(DCFH);DiD−親油性トレーサ;DiD(DilC18(5));DIDS;ジヒドロローダミン123(DHR);Dil(DilC18(3));Iジニトロフェノール;DiO(DiOC18(3));DiR;DiR(DilC18(7));DM−NERF(高pH);DNP;ドーパミン;DsRed;DTAF;DY−630−NHS;DY−635−NHS;EBFP;ECFP;EGFP;ELF 97;エオシン;エリスロシン;エリスロシンITC;エチジウムブロマイド;エチジウムホモ二量体1(EthD−1);Euchrysin;EukoLight;ユーロピウム(111)クロリド;EYFP;Fast Blue;FDA;Feulgen(パラロサニリン);FIF(ホルムアルデヒド誘発蛍光);FITC;Flazo Orange;Fluo−3;Fluo−4;フルオレセイン(FITC);フルオレセインジアセテート;Fluoro−Emerald;Fluoro−Gold(ヒドロキシスチルバミジン);Fluor−Ruby;FluorX;FM 1−43TM;FM 4−46;Fura RedTM(高pH);Fura RedTM/Fluo−3;Fura−2;Fura−2/BCECF;Genacryl Brilliant Red B;Genacryl Brilliant Yellow 10GF;Genacryl Pink 3G;Genacryl Yellow 5GF;GeneBlazer;(CCF2);GFP(S65T);赤色移動GFP(rsGFP);GFP野生型非UV励起(wtGFP);GFP野生型UV励起(wtGFP);GFPuv;Gloxalic Acid;Granular blue;ヘマトポルフィリン;Hoechst 33258;Hoechst 33342;Hoechst 34580;HPTS;ヒドロキシクマリン;ヒドロキシスチルバミジン(FluoroGold);ヒドロキシトリプタミン;Indo−1高カルシウム;Indo−1低カルシウム;インドジカルボキシアミン(DiD);インドトリカルボキシアミン(DiR);Intrawhite Cf;JC−1;JO JO−1;JO−PRO−1;LaserPro;Laurodan;LDS 751(DNA);LDS 751(RNA);Leucophor PAF;Leucophor SF;Leucophor WS;Lissamine Rhodamine;Lissamine Rhodamine B;Calcein/Ethidiumホモ二量体;LOLO−1;LO−PRO−1;Lucifer Yellow;Lyso Tracker Blue;Lyso Tracker Blue−White;Lyso Tracker Green;Lyso Tracker Red;Lyso Tracker Yellow;LysoSensor Blue;LysoSensor Green;LysoSensor Yellow/Blue;Mag Green;Magdala Red(Phloxin B);Mag−Fura Red;Mag−Fura−2;Mag−Fura−5;Mag−lndo−1;Magnesium Green;Magnesium Orange;Malachite Green;Marina Blue;I Maxilon Brilliant Flavin 10 GFF;Maxilon Brilliant Flavin 8 GFF;Merocyanin;Methoxycoumarin;Mitotracker Green FM;Mitotracker Orange;Mitotracker Red;Mitramycin;Monobromobimane;Monobromobimane(mBBr−GSH);Monochlorobimane;MPS(Methyl Green Pyronine Stilbene);NBD;NBD Amine;Nile Red;Nitrobenzoxedidole;Noradrenaline;Nuclear Fast Red;i Nuclear Yellow;Nylosan Brilliant lavin E8G;Oregon GreenTM;Oregon GreenTM488;Oregon GreenTM500;Oregon GreenTM514;Pacific Blue;Pararosaniline(Feulgen);PBFI;PE−Cy5;PE−Cy7;PerCP;PerCP−Cy5.5;PE−TexasRed(Red 613);Phloxin B(Magdala Red);Phorwite AR;Phorwite BKL;Phorwite Rev;Phorwite RPA;Phosphine 3R;PhotoResist;Phycoerythrin B[PE];Phycoerythrin R[PE];PKH26(Sigma);PKH67;PMIA;Pontochrome Blue Black;POPO−1;POPO−3;PO−PRO−1;PO−I PRO−3;Primuline;Procion Yellow;Propidium lodid(Pl);PyMPO;Pyrene;Pyronine;Pyronine B;Pyrozal Brilliant Flavin 7GF;QSY 7;Quinacrine Mustard;Resorufin;RH 414;Rhod−2;Rhodamine;Rhodamine 110;Rhodamine 123;Rhodamine 5 GLD;Rhodamine 6G;Rhodamine B;Rhodamine B 200;Rhodamine B extra;Rhodamine BB;Rhodamine BG;Rhodamine Green;Rhodamine Phallicidine;Rhodamine:Phalloidine;Rhodamine Red;Rhodamine WT;Rose Bengal;R−フィコシアニン;R−フィコエリトリン(PE);
rsGFP;S65A;S65C;S65L;S65T;Sapphire GFP;SBFI;Serotonin;Sevron Brilliant Red 2B;Sevron Brilliant Red 4G;Sevron I Brilliant Red B;Sevron Orange;Sevron Yellow L;sgBFPTM(超成長BFP);sgGFPTM(超成長GFP);SITS(プリムリン;スチルベンイソチオスルホン酸);SNAFLカルセリン;SNAFL−1;SNAFL−2;SNARF calcein;SNARF1;Sodium Green;SpectrumAqua;SpectrumGreen;SpectrumOrange;Spectrum Red;SPQ(6−メトキシ−N−(3スルホプロピル)キノリニウム);スチルベン;スルホローダミンB及びC;スルホローダミンエクストラ;SYTO 11;SYTO 12;SYTO 13;SYTO 14;SYTO 15;SYTO 16;SYTO 17;SYTO 18;SYTO 20;SYTO 21;SYTO 22;SYTO 23;SYTO 24;SYTO 25;SYTO 40;SYTO 41;SYTO 42;SYTO 43;SYTO 44;SYTO 45;SYTO 59;SYTO 60;SYTO 61;SYTO 62;SYTO 63;SYTO 64;SYTO 80;SYTO 81;SYTO 82;SYTO 83;SYTO 84;SYTO 85;SYTOX Blue;SYTOX Green;SYTOX Orange;テトラサイクリン;テトラメチルローダミン(TRITC);Texas RedTM;Texas Red−XTMコンジュゲート;チアジカルボシアニン(DiSC3);Thiazine Red R;Thiazole Orange;Thioflavin 5;Thioflavin S;Thioflavin TON;Thiolyte;Thiozole Orange;Tinopol CBS(Calcofluor White);TIER;TO−PRO−1;TO−PRO−3;TO−PRO−5;TOTO−1;TOTO−3;TriColor(PE−Cy5);TRITCテトラメチルローダミンイソチオシアネート;True Blue;Tru Red;Ultralite;Uranine B;Uvitex SFC;wtGFP;WW 781;X−ローダミン;XRITC;Xylene Orange;Y66F;Y66H;Y66W;YellowGFP;YFP;YO−PRO−1;YO−PRO3;YOYO−1;YOYO−3;Sybr Green;チアゾールオレンジ(インターキレート染料);量子ドットなどの半導体ナノ粒子;若しくはケージ状フルオロフォア(光若しくは他の電磁エネルギー源により活性化可能である)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
放射性核種などの改変剤単位を、本明細書で記載される化合物のいずれかに、ハロゲン化により組み込む、又は直接結合させることができる。本実施形態で有用な放射性核種の例としては、三重水素、ヨウ素−125、ヨウ素−131、ヨウ素−123、ヨウ素−124、アスタチン−210、炭素−11、炭素−14、窒素−13、フッ素−18が挙げられるが、これらに限定されない。別の態様において、放射性核種を、連結基に結合する、又はキレート化剤により結合することができ、これが次いで、化合物に直接、又はリンカーにより結合される。本態様にて有用な放射性核種の例としては、Tc−99m、Re−186、Ga−68、Re−188、Y−90、Sm−153、Bi−212、Cu−67、Cu−64、及びCu−62が挙げられるが、これらに限定されない。これらのような放射線標識技術は、放射性医薬品業界にて日常的に用いられている。
放射性標識化合物は、神経系疾患(例えば神経変性病)若しくは精神状態を診断するための、又は、哺乳類(例えばヒト)におけるそのような疾患若しくは状態の進行若しくは治療に従うための造影剤として有用である。本明細書で記載される放射性標識化合物は従来的に、ポジトロン放出型断層撮影法(PET)又は単一光子放射断層撮影(SPECT)などの造影技術と組み合わせて使用することができる。
標識は、直接であっても間接であってもよい。直接標識において、検出抗体(対象分子に対する抗体)、又は検出分子(抗体により対象分子に結合可能な分子)は、標識を含む。標識の検出は、検出抗体又は検出分子の存在を表し、転じて、それぞれ、対象分子の存在、又は対象分子に対する抗体の存在を表す。間接標識において、追加の分子又は部分を、免疫複合体と接触させる、又は免疫複合体の部位にて生成する。例えば、酵素などのシグナル生成分子又は部分は、検出抗体又は検出分子に結合することができる、又はこれと会合することができる。シグナル生成分子は次に、免疫複合体の部位にて検出可能なシグナルを生成することができる。例えば、酵素は、好適な基質と共に供給されるとき、免疫複合体の部位にて、目視可能又は検出可能な生成物を生成することができる。ELISAでは、この種類の間接標識を用いる。
間接標識の別の例として、対象分子、又は、対象分子に対する抗体(一次抗体)のいずれかに結合可能な追加の分子(結合剤と呼ぶことができる)、例えば一次抗体に対する第2の抗体は、免疫複合体と接触することができる。追加の分子は、標識、又はシグナル生成分子若しくは部位を有することができる。追加の分子は抗体であることができる。故に、これは二次抗体と呼ぶことができる。一次抗体に二次抗体が結合することにより、第1の(又は一次)抗体及び対象分子との、いわゆるサンドイッチが形成される。免疫複合体は、二次免疫複合体を形成するのに有効な条件下にて、かつそれに十分な時間、標識された二次抗体と接触することができる。次に、二次免疫複合体を全体的に洗浄して、非特異的に結合した、標識された二次抗体を全て取り除くことができる。そして、二次免疫複合体に残る標識を、検出することができる。追加の分子は、ビオチン/アビジンペアなどの、互いに結合可能な一対の分子又は部分のうちの1つであることもできる、又はこれを含むこともできる。この様式において、検出抗体又は検出分子は、対の他方の要素を含まなければならない。
間接標識の他の様式は、二工程アプローチによる、一次免疫複合体の検出を含む。例えば、対象分子又は対応する抗体に対する結合親和性を有する、抗体などの分子(第1の結合剤と呼ぶことができる)を使用して、上述のとおり、二次免疫複合体を形成することができる。洗浄後、二次免疫複合体は、再び、免疫複合体を形成するのに効果的な条件下にて、かつそれに十分な時間、第1の結合剤に対する結合親和性を有する別の分子(第2の結合剤と呼ぶことができる)と接触することができる(これにより、三次免疫複合体を形成する)。第2の結合剤は、検出可能な標識又はシグナル生成分子若しくは部位に結合可能であり、これにより、形成される三次免疫複合体の検出が可能となる。このシステムでは、シグナル増幅をもたらすことができる。
3.薬学的担体/薬学的生成物の送達
上述のとおり、組成物を、薬学的に許容される担体(薬学的に許容される賦形剤とも、本明細書では呼ばれる)中で、インビボ投与することもできる。「薬学的に許容される」によって、生物学的に又はその他不活性な材料が意味され、すなわち、材料は、いかなる望ましくない生物学的作用も引き起こすことなく、又は材料がその中に含まれている薬学的組成物のいずれの他のコンポーネントとも有害な形で相互作用することなく、核酸又はベクターとともに、対象に投与され得る。担体は、当業者に周知であるとおり、当然、活性成分のいずれの分解をも最小化するように、及び対象中のいずれの有害な副作用をも最小化するように選択されるであろう。したがって、一態様では、本明細書にて開示したPD−L1結合分子のいずれかを含む薬学的組成物を、本明細書にて開示する。
組成物は、局所鼻腔内投与又は吸入剤による投与を含む、例えば経口的に、非経口的に(例えば、静脈内に)、筋肉内注射によって、腹腔内注射によって、経皮的に、体外式に、局所的に投与され得る。本明細書において使用される「局所鼻腔内投与」は、鼻孔の一方又は両方を通じた鼻及び鼻腔中への組成物の送達を意味し、噴霧機構若しくは液滴機構による、又は核酸若しくはベクターのエアロゾル化を通じた送達を含むことができる。吸入剤による組成物の投与は、噴霧又は液滴機構による送達を介した鼻又は口を通じたものであり得る。送達は、挿管を介して、呼吸器系のいずれかの領域(例えば、肺)への直接的なものでもあり得る。必要とされる組成物の正確な量は、対象の種、年齢、体重及び全身状態、処置されているアレルギー性障害の重度、使用されている具体的な核酸又はベクター、その投与の様式などに応じて、対象ごとに変動し得る。したがって、全ての組成物に対して正確な量を特定することは可能でない。しかしながら、適切な量は、本明細書中の教示が与えられれば、日常的な実験のみを用いて、当業者が決定することができる。
組成物の非経口投与は、使用される場合、一般的には注射によって特徴付けられる。注射剤は、液体溶液若しくは懸濁液として、注射前に液体中での懸濁液の溶解に適した固体形態、又はエマルジョンとして、慣用の形態で調製することができる。非経口投与のための、より最近に改変されたアプローチは、一定した投薬量が維持されるように、徐放又は持続放出系の使用を伴う。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,610,795号を参照されたい。
材料は、溶液、懸濁液中であり得る(例えば、微粒子、リポソーム又は細胞中に取り込まれる)。これらは、抗体、受容体又は受容体リガンドを介して、特定の細胞種を標的とし得る。以下の参照文献は、腫瘍組織を標的として特定のタンパク質を誘導するためのこの技術の使用の例である(Senter,et al.,Bioconjugate Chem.,2:447−451,(1991);Bagshawe,K.D.,Br.J.Cancer,60:275−281,(1989);Bagshawe,et al.,Br.J.Cancer,58:700−703,(1988);Senter,et al.,Bioconjugate Chem.,4:3−9,(1993);Battelli,et al.,Cancer Immunol.Immunother.,35:421−425,(1992);Pietersz and McKenzie,Immunolog.Reviews,129:57−80,(1992);及びRoffler,et al.,Biochem.Pharmacol,42:2062−2065,(1991))。「ステルス」及びその他の、抗体がコンジュゲートされたリポソーム(脂質によって媒介される結腸癌腫への薬物標的化を含む。)などのビヒクル、細胞特異的なリガンドを通じたDNAの受容体媒介性標的化、リンパ球介在性の腫瘍標的化及びインビボでのマウス神経膠腫細胞の高度に特異的な治療用レトロウイルス標的化。以下の参照文献は、腫瘍組織を標的として特定のタンパク質を誘導するためのこの技術の使用の例である(Hughes et al.,Cancer Research,49:6214−6220,(1989);及びLitzinger and Huang,Biochimica et Biophysica Acta,1104:179−187,(1992))。一般に、受容体は、恒常的又はリガンド誘導性のいずれかで、エンドサイトーシスの経路に関与している。これらの受容体は、クラスリンで被覆された窪み中で群を形成し、クラスリンで被覆された小胞を介して細胞の中に入り、酸性化されたエンドソームを通過し、その中で、受容体は選別され、次いで、細胞表面にリサイクルされ、細胞内に保存されるか、又はリソゾーム中で分解される。内部移行経路は、栄養素取り込み、活性化されたタンパク質の除去、活性タンパク質の排除、ウイルス及び毒素の日和見的進入、リガンドの解離及び分解並びに受容体レベル制御など様々な機能を果たす。多くの受容体は、細胞の種類、受容体濃度、リガンドの種類、リガンドの価数及びリガンド濃度に応じて、1より多い細胞内経路をたどる。受容体依存性エンドサイトーシスの分子的及び細胞的機序は概説されている(Brown and Greene,DNA and Cell Biology 10:6,399−409(1991))。
a)薬学的に許容される担体
抗体を含む組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わせて治療的に使用することができる。
適切な担体及びその製剤化は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995中に記載されている。典型的には、製剤を等張にするために、適切な量の薬学的に許容される塩が製剤中で使用される。薬学的に許容される担体の例には、食塩水、リンゲル溶液及びデキストロース溶液が含まれるが、これらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは約5〜約8、より好ましくは約7〜約7.5である。さらなる担体には、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスであって、成形された物品、例えば、フィルム、リポソーム又は微粒子の形態である半透性マトリックスなどの持続放出調製物が含まれる。例えば、投与の経路及び投与されている組成物の濃度に応じて、ある種の担体がより好ましいことがあり得ることは、当業者に自明であろう。
薬学的担体は、当業者に既知である。これらは、最も典型的には、無菌水、食塩水及び生理的pHの緩衝化された溶液などの溶液を含む、ヒトに薬物を投与するための標準的な担体であろう。組成物は、筋肉内に又は皮下に投与することができる。他の化合物は、当業者によって使用される標準的な手法に従って投与されるであろう。
薬学的組成物は、選択した分子に加えて、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、防腐剤、界面活性剤などを含み得る。薬学的組成物は、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔剤などの1種以上の活性成分も含み得る。
薬学的組成物は、局所又は全身的処置が所望されるかどうか、及び処置されるべき領域に応じて、多数の方法で投与され得る。投与は、局所的(眼内、膣内、直腸内、鼻腔内など)、経口的に、吸入によって、又は非経口的に、例えば、点滴、皮下、腹腔内又は筋肉内注射により得る。開示されている抗体は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、又は経皮投与することができる。
非経口投与のための調製物には、無菌の水性又は非水性溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体には、食塩水及び緩衝化された溶媒を含む、水、アルコール性/水性溶液、エマルジョン又は懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、デキストロースリンゲル液、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液又は不揮発性油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体及び栄養素補充液、電解質補充液(デキストロースリンゲル液をベースとするものなど)などが含まれる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤及び不活性ガスなど、防腐剤及びその他の添加物も存在し得る。
局所投与用の製剤には、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体及び粉末が含まれ得る。慣用の薬学的担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などが必要であり得、又は望ましいことがあり得る。
経口投与用の組成物には、粉末若しくは顆粒、水若しくは非水性溶媒中の懸濁液若しくは溶液、カプセル、小袋又は錠剤が含まれる。増粘剤、着香剤、希釈剤、乳化剤、分散補助剤又は結合剤が望ましいことがあり得る。
組成物のいくつかは、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸及びリン酸などの無機酸、並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸及びフマル酸などの有機酸との反応によって、又は水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウムなどの無機塩基並びにモノ、ジ、トリアルキル及びアリールアミン及び置換されたエタノールアミンなどの有機塩基との反応によって形成される薬学的に許容される酸又は塩基付加塩として潜在的に投与され得る。
4.治療上の使用及び治療方法
組成物を投与するための有効用量及びスケジュールは実験により決定され得、このような決定を行うことは本分野における技術の範疇である。組成物の投与のための用量範囲は、障害の症状がもたらされる所望の効果を生じるのに十分大きな投与量範囲である。用量は、例えば不必要な交差反応、アナフィラキシー型反応等の副作用を引き起こす程多いものであってはならない。一般的に、用量は、年齢、状態、性別、患者中の疾患の程度、投与経路、又は、他の薬物がそのレジメンに含まれているか否かと共に変化し、当業者により決定することができる。用量は、任意の禁忌(counterindicatons)の場合には、個別の医師により調整することができる。用量は変えることができ、1日又は数日間で毎日、1回以上の用量投与で投与されることができる。手引きは、所与の部類の医薬製品に対する適切な用量に関する文献に見出すことができる。例えば、抗体に対する適切な用量を選択する上での手引きは、抗体の治療的使用に関する文献、例えば、Handbook of Monoclonal Antibodies,,Ferrone et al.,eds.,Noges Publications,Park Ridge,N.J.,(1985)ch.22 and pp.303−357;Smith et al.,Antibodies in Human Diagnosis and Therapy,Haber et al.,eds.,Raven Press,New York(1977)pp.365−389中に見出すことができる。単独で使用される抗体の典型的な一日投与量は、上に挙げられている要素に応じて、1日当たり約1μg/kg〜最大100mg/kg体重又はそれを超える範囲であり得る。
一態様において、本明細書で開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)のいずれかを使用して、癌及び転移などの、制御できない細胞増殖が生じるあらゆる疾患を治療、予防、阻害、又は低減することができることが理解され、本明細書において想到される。開示された組成物を使用して治療可能な癌の、例示的かつ非限定的な一覧は、以下のとおりである:リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉症、ホジキン病、骨髄性白血病、膀胱癌、脳腫瘍、神経系癌、頭頸癌、頭頸部の扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌などの肺癌、神経芽細胞腫/グリア芽腫、卵巣癌、皮膚癌、肝癌、黒色腫、口、喉、喉頭、及び肺の扁平上皮細胞癌、子宮頸癌、子宮頚癌、乳癌、及び上皮癌、腎癌、泌尿生殖器癌、肺癌、食道癌、頭頸癌腫、大腸癌、造血性癌;精巣癌;大腸癌、直腸癌、前立腺癌、又は膵癌。
本明細書においては、一態様において、本明細書にて開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)のいずれかを対象に投与することを含む、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法を開示する。例えば、一態様において、表1に記載する1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの、中和PD−L1結合分子が挙げられるがこれに限定されない)を対象に投与することを含む、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法を開示する。したがって、例えば、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法は、対象に、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、及び/又は配列番号10を含むことができる1つ以上の重鎖可変ドメインを含むPD−L1結合分子(例えば、抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)を、対象に投与することを含むことができる。一態様において、開示された、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法にて使用されるPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、表1のCDRの一覧の、2つ又は3つの重鎖可変ドメインCDRのうちの任意の組み合わせを含む重鎖可変ドメインCDRを含むことができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、例えば、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法は、配列番号3及び配列番号5;配列番号3及び配列番号6;配列番号3及び配列番号7;配列番号3及び配列番号8;配列番号3及び配列番号9;配列番号3及び配列番号10;配列番号4及び配列番号5;配列番号4及び配列番号6;配列番号4及び配列番号7;配列番号4及び配列番号8;配列番号4及び配列番号9;配列番号4及び配列番号10;配列番号3、配列番号5、及び配列番号9;配列番号3、配列番号6、及び配列番号9;配列番号3、配列番号7、及び配列番号9;配列番号3、配列番号8、及び配列番号9;配列番号3、配列番号5、及び配列番号10;配列番号3、配列番号6、及び配列番号10;配列番号3、配列番号7、及び配列番号10;配列番号3、配列番号8、及び配列番号10;配列番号4、配列番号5、及び配列番号9;配列番号4、配列番号6、及び配列番号9;配列番号4、配列番号7、及び配列番号9;配列番号4、配列番号8、及び配列番号9;配列番号4、配列番号5、及び配列番号10;配列番号4、配列番号6、及び配列番号10;配列番号4、配列番号7、及び配列番号10;又は配列番号4、配列番号8、及び配列番号10に記載の重鎖可変ドメインCDRを含むPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)を投与することを含むことができる。一態様において、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法は、対象に、配列番号1に記載の可変重ドメインを含むPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)を投与することを含むことができる。
本明細書においては、一態様において、表1に記載する1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの、中和PD−L1結合分子が挙げられるがこれに限定されない)を対象に投与することを含む、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法を開示する。したがって、例えば、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法は、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、及び/又は配列番号15を含むことができる1つ以上の軽鎖可変ドメインCDRを含むPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)を、対象に投与することを含むことができる。一態様において、開示された、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法にて使用されるPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)は、表1のCDRの一覧の、2つ又は3つの軽鎖可変ドメインCDRのうちの任意の組み合わせを含む軽鎖可変ドメインCDRを含むことができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、例えば、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法は、配列番号11、及び配列番号13;配列番号11、及び配列番号14;配列番号11、及び配列番号15;配列番号12、及び配列番号13;配列番号12、及び配列番号14;配列番号12、及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載の軽鎖可変ドメインCDRを含むPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)を投与することを含むことができる。一態様において、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、及び/又は低減方法は、対象に、配列番号2に記載の可変軽鎖ドメインを含むPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)を投与することを含むことができる。
一態様において、PD−L1結合分子は、配列番号1に記載の可変重鎖ドメイン、及び配列番号2に記載の可変軽鎖ドメインを含む。
本明細書で使用する場合、用語「治療」、「治療する」、又は「治療すること」とは、対象における疾患又は状態(例えば、炎症性の状態又は癌など)の1つ以上の影響を低減させる方法を意味する。したがって、開示した方法において、「治療」とは、確立された感染症、又は感染症の症状の重症度の、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の低減を意味することができる。例えば、炎症性の状態又は癌の治療方法は、対照と比較して、対象における状態又は癌の1つ以上の症状の10%の低減が存在する場合、治療であるとみなされる。したがって、低減とは、生来のレベル、又は対照レベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は10%〜100%の間の、任意の割合での低減であることができる。「治療」とは、必ずしも状態若しくは疾患、又は状態若しくは疾患の症状の、治癒又は完全な消失を意味しないと理解されている。本明細書で論じる「治療」は、予防的又は治療的であることができることが理解され、本明細書において想到される。したがって、一態様は、対象にPD−L1結合分子を投与することを含む、対象における炎症性の疾患又は状態の重症度の治療又は低減方法である。対象にPD−L1結合分子を投与することを含む、対象における炎症性の疾患又は状態の開始の予防又は低減方法もまた開示されている。
本明細書で使用する場合、用語「感染を予防する」、「感染を予防すること」、及び「感染の予防」とは、対象が感染症の1つ以上の症状を示す前、又は示し始めるのとほぼ同時に生じる、治療剤(例えば本明細書にて開示した組成物)の、感染症の1つ以上の症状の、開始若しくは悪化を阻害若しくは遅延させる、又は、その症状の再発を遅延させる作用、例えば投与を意味する。本明細書で使用する場合、「減少」、「低減」、又は「阻害」への言及とは、対照レベルに対して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上の変化を含む。例えば、炎症性の状態又は疾患を低減するために、PD−L1結合分子を受けなかった対照の対象と比較したときに、対象における、炎症性の状態若しくは疾患の開始、悪化、若しくは再発、又は、炎症性の状態若しくは疾患の症状の開始、悪化、若しくは再発の、約10%の低減が存在する場合、開示した方法は予防であると考えられる。
本明細書にて開示したPD−L1結合分子(例えば、中和抗PD−L1抗体などの中和PD−L1結合分子を含むがこれに限定されない)のいずれかを投与することを含む、開示された、対象における癌又は転移の治療、予防、阻害、又は低減方法は、癌又は転移の低減、阻害、治療、及び/又は除去を更に補助する、任意の抗癌剤(例えばゲムシタビンなど)の投与を更に含むことができることが理解され、本明細書において想到される。本明細書にて開示した対象における、癌又は転移の低減、阻害、治療、及び/又は除去方法用の、開示した薬学的組成物、及び/又は生体応答性ヒドロゲルマトリックスに加えて、開示した生体応答性ヒドロゲルにて、又は追加の治療剤として使用可能な抗癌剤は、Abemaciclib,Abiraterone Acetate,Abitrexate(Methotrexate),Abraxane(Paclitaxel Albumin−stabilized Nanoparticle Formulation),ABVD,ABVE,ABVE−PC,AC,AC−T,Adcetris(Brentuximab Vedotin),ADE,Ado−Trastuzumab Emtansine,Adriamycin(Doxorubicin Hydrochloride),Afatinib Dimaleate,Afinitor(Everolimus),Akynzeo(Netupitant and Palonosetron Hydrochloride),Aldara(Imiquimod),Aldesleukin,Alecensa(Alectinib),Alectinib,Alemtuzumab,Alimta(Pemetrexed Disodium),Aliqopa(Copanlisib Hydrochloride),Alkeran for Injection(Melphalan Hydrochloride),Alkeran Tablets(Melphalan),Aloxi(Palonosetron Hydrochloride),Alunbrig(Brigatinib),Ambochlorin(Chlorambucil),Amboclorin Chlorambucil),Amifostine,Aminolevulinic Acid,Anastrozole,Aprepitant,Aredia(Pamidronate Disodium),Arimidex(Anastrozole),Aromasin(Exemestane),アラノン(ネララビン),Arsenic Trioxide,Arzerra(Ofatumumab),Asparaginase Erwinia chrysanthemi,Atezolizumab,Avastin(Bevacizumab),Avelumab,Axitinib,Azacitidine,Bavencio(Avelumab),BEACOPP,Becenum(Carmustine),Beleodaq(Belinostat),Belinostat,Bendamustine Hydrochloride,BEP,Besponsa(Inotuzumab Ozogamicin),Bevacizumab,Bexarotene,Bexxar(Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab),Bicalutamide,BiCNU(Carmustine),Bleomycin,Blinatumomab,Blincyto(Blinatumomab),Bortezomib,Bosulif(Bosutinib),Bosutinib,Brentuximab Vedotin,Brigatinib,BuMel,Busulfan,Busulfex(Busulfan),Cabazitaxel,Cabometyx(Cabozantinib−S−Malate),Cabozantinib−S−Malate,CAF,Campath(Alemtuzumab),Camptosar,(Irinotecan Hydrochloride),Capecitabine,CAPOX,Carac(Fluorouracil−−Topical),Carboplatin,CARBOPLATIN−TAXOL,Carfilzomib,Carmubris(Carmustine),Carmustine,Carmustine Implant,Casodex(Bicalutamide),CEM,Ceritinib,Cerubidine(Daunorubicin Hydrochloride),Cervarix(Recombinant HPV Bivalent Vaccine),Cetuximab,CEV,Chlorambucil,CHLORAMBUCIL−PREDNISONE,CHOP,Cisplatin,Cladribine,Clafen(Cyclophosphamide),Clofarabine,Clofarex(Clofarabine),Clolar(Clofarabine),CMF,Cobimetinib,Cometriq(Cabozantinib−S−Malate),Copanlisib Hydrochloride,COPDAC,COPP,COPP−ABV,Cosmegen(Dactinomycin),Cotellic(Cobimetinib),Crizotinib,CVP,Cyclophosphamide,Cyfos(Ifosfamide),Cyramza(Ramucirumab),Cytarabine,Cytarabine Liposome,Cytosar−U(Cytarabine),Cytoxan(Cyclophosphamide),Dabrafenib,Dacarbazine,Dacogen(Decitabine),Dactinomycin,Daratumumab,Darzalex(Daratumumab),Dasatinib,Daunorubicin Hydrochloride,Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome,Decitabine,Defibrotide Sodium,Defitelio(Defibrotide Sodium),Degarelix,Denileukin Diftitox,Denosumab,DepoCyt(Cytarabine Liposome),Dexamethasone,Dexrazoxane Hydrochloride,Dinutuximab,Docetaxel,Doxil(Doxorubicin Hydrochloride Liposome),Doxorubicin Hydrochloride,Doxorubicin Hydrochloride Liposome,Dox−SL(Doxorubicin Hydrochloride Liposome),DTIC−Dome(Dacarbazine),Durvalumab,Efudex(Fluorouracil−−Topical),Elitek(Rasburicase),Ellence(Epirubicin Hydrochloride),Elotuzumab,Eloxatin(Oxaliplatin),Eltrombopag Olamine,Emend(Aprepitant),Empliciti(Elotuzumab),Enasidenib Mesylate,Enzalutamide,Epirubicin Hydrochloride,EPOCH,Erbitux(Cetuximab),Eribulin Mesylate,Erivedge(Vismodegib),Erlotinib Hydrochloride,Erwinaze(Asparaginase Erwinia chrysanthemi),Ethyol(Amifostine),Etopophos(Etoposide Phosphate),Etoposide,Etoposide Phosphate,Evacet(Doxorubicin Hydrochloride Liposome),Everolimus,Evista,(Raloxifene Hydrochloride),Evomela(Melphalan Hydrochloride),Exemestane,5−FU(Fluorouracil Injection),5−FU(Fluorouracil−−Topical),Fareston(Toremifene),Farydak(Panobinostat),Faslodex(Fulvestrant),FEC,Femara(Letrozole),Filgrastim,Fludara(Fludarabine Phosphate),Fludarabine Phosphate,Fluoroplex(Fluorouracil−−Topical),Fluorouracil Injection,Fluorouracil−−Topical,Flutamide,Folex(Methotrexate),Folex PFS(Methotrexate),FOLFIRI,FOLFIRI−BEVACIZUMAB,FOLFIRI−CETUXIMAB,FOLFIRINOX,FOLFOX,Folotyn(Pralatrexate),FU−LV,Fulvestrant,Gardasil(Recombinant HPV Quadrivalent Vaccine),Gardasil 9(Recombinant HPV Nonavalent Vaccine),Gazyva(Obinutuzumab),Gefitinib,Gemcitabine Hydrochloride,GEMCITABINE−CISPLATIN,GEMCITABINE−OXALIPLATIN,Gemtuzumab Ozogamicin,Gemzar(Gemcitabine Hydrochloride),Gilotrif(Afatinib Dimaleate),Gleevec(Imatinib Mesylate),Gliadel(Carmustine Implant),Gliadel wafer(Carmustine Implant),Glucarpidase,Goserelin Acetate,Halaven(Eribulin Mesylate),Hemangeol(Propranolol Hydrochloride),Herceptin(Trastuzumab),HPV Bivalent Vaccine,Recombinant,HPV Nonavalent Vaccine,Recombinant,HPV Quadrivalent Vaccine,Recombinant,Hycamtin(Topotecan Hydrochloride),Hydrea(Hydroxyurea),Hydroxyurea,Hyper−CVAD,Ibrance(Palbociclib),Ibritumomab Tiuxetan,Ibrutinib,ICE,Iclusig(Ponatinib Hydrochloride),Idamycin(Idarubicin Hydrochloride),Idarubicin Hydrochloride,Idelalisib,Idhifa(Enasidenib Mesylate),Ifex(Ifosfamide),Ifosfamide,Ifosfamidum(Ifosfamide),IL−2(Aldesleukin),Imatinib Mesylate,Imbruvica(Ibrutinib),Imfinzi(Durvalumab),Imiquimod,Imlygic(Talimogene Laherparepvec),Inlyta(Axitinib),
Inotuzumab Ozogamicin,Interferon Alfa−2b,Recombinant,Interleukin−2(Aldesleukin),Intron A(Recombinant Interferon Alfa−2b),Iodine I 131 Tositumomab and Tositumomab,Ipilimumab,Iressa(Gefitinib),Irinotecan Hydrochloride,Irinotecan Hydrochloride Liposome,Istodax(Romidepsin),Ixabepilone,Ixazomib Citrate,Ixempra(Ixabepilone),Jakafi(Ruxolitinib Phosphate),JEB,Jevtana(Cabazitaxel),Kadcyla(Ado−Trastuzumab Emtansine),Keoxifene(Raloxifene Hydrochloride),Kepivance(Palifermin),Keytruda(Pembrolizumab),Kisqali(Ribociclib),Kymriah(Tisagenlecleucel),Kyprolis(Carfilzomib),Lanreotide Acetate,Lapatinib Ditosylate,Lartruvo(Olaratumab),Lenalidomide,Lenvatinib Mesylate,Lenvima(Lenvatinib Mesylate),Letrozole,Leucovorin Calcium,Leukeran(Chlorambucil),Leuprolide Acetate,Leustatin(Cladribine),Levulan(Aminolevulinic Acid),Linfolizin(Chlorambucil),LipoDox(Doxorubicin Hydrochloride Liposome),Lomustine,Lonsurf(Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride),Lupron(Leuprolide Acetate),Lupron Depot(Leuprolide Acetate),Lupron Depot−Ped(Leuprolide Acetate),Lynparza(Olaparib),Marqibo(Vincristine Sulfate Liposome),Matulane(Procarbazine Hydrochloride),Mechlorethamine Hydrochloride,Megestrol Acetate,Mekinist(Trametinib),Melphalan,Melphalan Hydrochloride,Mercaptopurine,Mesna,Mesnex(Mesna),Methazolastone(Temozolomide),Methotrexate,Methotrexate LPF(Methotrexate),Methylnaltrexone Bromide,Mexate(Methotrexate),Mexate−AQ(Methotrexate),Midostaurin,Mitomycin C,Mitoxantrone Hydrochloride,Mitozytrex(Mitomycin C),MOPP,Mozobil(Plerixafor),Mustargen(Mechlorethamine Hydrochloride),Mutamycin(Mitomycin C),Myleran(Busulfan),Mylosar(Azacitidine),Mylotarg(Gemtuzumab Ozogamicin),Nanoparticle Paclitaxel(Paclitaxel Albumin−stabilized Nanoparticle Formulation),Navelbine(Vinorelbine Tartrate),Necitumumab,Nelarabine,Neosar(Cyclophosphamide),Neratinib Maleate,Nerlynx(Neratinib Maleate),Netupitant and Palonosetron Hydrochloride,Neulasta(Pegfilgrastim),Neupogen(Filgrastim),Nexavar(Sorafenib Tosylate),Nilandron(Nilutamide),Nilotinib,Nilutamide,Ninlaro(Ixazomib Citrate),Niraparib Tosylate Monohydrate,Nivolumab,Nolvadex(Tamoxifen Citrate),Nplate(Romiplostim),Obinutuzumab,Odomzo(Sonidegib),OEPA,Ofatumumab,OFF,Olaparib,Olaratumab,Omacetaxine Mepesuccinate,Oncaspar(Pegaspargase),Ondansetron Hydrochloride,Onivyde(Irinotecan Hydrochloride Liposome),Ontak(Denileukin Diftitox),Opdivo(Nivolumab),OPPA,Osimertinib,Oxaliplatin,Paclitaxel,Paclitaxel Albumin−stabilized Nanoparticle Formulation,PAD,Palbociclib,Palifermin,Palonosetron Hydrochloride,Palonosetron Hydrochloride and Netupitant,Pamidronate Disodium,Panitumumab,Panobinostat,Paraplat(Carboplatin),Paraplatin(Carboplatin),Pazopanib Hydrochloride,PCV,PEB,Pegaspargase,Pegfilgrastim,Peginterferon Alfa−2b,PEG−Intron(Peginterferon Alfa−2b),Pembrolizumab,Pemetrexed Disodium,Perjeta(Pertuzumab),Pertuzumab,Platinol(Cisplatin),Platinol−AQ(Cisplatin),Plerixafor,Pomalidomide,Pomalyst(Pomalidomide),Ponatinib Hydrochloride,Portrazza(Necitumumab),Pralatrexate,Prednisone,Procarbazine Hydrochloride,Proleukin(Aldesleukin),Prolia(Denosumab),Promacta(Eltrombopag Olamine),Propranolol Hydrochloride,Provenge(Sipuleucel−T),Purinethol(Mercaptopurine),Purixan(Mercaptopurine),Radium 223 Dichloride,Raloxifene Hydrochloride,Ramucirumab,Rasburicase,R−CHOP,R−CVP,Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Bivalent Vaccine,Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Nonavalent Vaccine,Recombinant Human Papillomavirus(HPV)Quadrivalent Vaccine,Recombinant Interferon Alfa−2b,Regorafenib,Relistor(Methylnaltrexone Bromide),R−EPOCH,Revlimid(Lenalidomide),Rheumatrex(Methotrexate),Ribociclib,R−ICE,Rituxan(Rituximab),Rituxan Hycela(Rituximab and Hyaluronidase Human),Rituximab,Rituximab and,Hyaluronidase Human,,ロラピタント塩酸塩,Romidepsin,Romiplostim,Rubidomycin(Daunorubicin Hydrochloride),Rubraca(Rucaparib Camsylate),Rucaparib Camsylate,Ruxolitinib Phosphate,Rydapt(Midostaurin),Sclerosol Intrapleural Aerosol(Talc),Siltuximab,Sipuleucel−T,Somatuline Depot(Lanreotide Acetate),Sonidegib,Sorafenib Tosylate,Sprycel(Dasatinib),STANFORD V,Sterile Talc Powder(Talc),Steritalc(Talc),Stivarga(Regorafenib),Sunitinib Malate,Sutent(Sunitinib Malate),Sylatron(Peginterferon Alfa−2b),Sylvant(Siltuximab),Synribo(Omacetaxine Mepesuccinate),Tabloid(Thioguanine),TAC,Tafinlar(Dabrafenib),Tagrisso(Osimertinib),Talc,Talimogene Laherparepvec,Tamoxifen Citrate,Tarabine PFS(Cytarabine),Tarceva(Erlotinib Hydrochloride),Targretin(Bexarotene),Tasigna(Nilotinib),Taxol(Paclitaxel),Taxotere(Docetaxel),Tecentriq,(Atezolizumab),Temodar(Temozolomide),Temozolomide,Temsirolimus,Thalidomide,Thalomid(Thalidomide),Thioguanine,Thiotepa,Tisagenlecleucel,Tolak(Fluorouracil−−Topical),Topotecan Hydrochloride,Toremifene,Torisel(Temsirolimus),Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab,Totect(Dexrazoxane Hydrochloride),TPF,Trabectedin,Trametinib,Trastuzumab,Treanda(Bendamustine Hydrochloride),Trifluridine and Tipiracil Hydrochloride,Trisenox(Arsenic Trioxide),Tykerb(Lapatinib Ditosylate),Unituxin(Dinutuximab),Uridine Triacetate,VAC,Vandetanib,VAMP,Varubi(Rolapitant Hydrochloride),Vectibix(Panitumumab),VeIP,Velban(Vinblastine Sulfate),Velcade(Bortezomib),
Velsar(Vinblastine Sulfate),Vemurafenib,
Venclexta(Venetoclax),Venetoclax,Verzenio(Abemaciclib),Viadur(Leuprolide Acetate),Vidaza(Azacitidine),Vinblastine Sulfate,Vincasar PFS(Vincristine Sulfate),Vincristine Sulfate,Vincristine Sulfate Liposome,Vinorelbine Tartrate,VIP,Vismodegib,Vistogard(Uridine Triacetate),Voraxaze(Glucarpidase),Vorinostat,Votrient(Pazopanib Hydrochloride),Vyxeos(Daunorubicin Hydrochloride and Cytarabine Liposome),Wellcovorin(Leucovorin Calcium),Xalkori(Crizotinib),Xeloda(Capecitabine),XELIRI,XELOX,Xgeva(Denosumab),Xofigo(Radium 223 Dichloride),Xtandi(Enzalutamide),Yervoy(Ipilimumab),Yondelis(Trabectedin),Zaltrap(Ziv−Aflibercept),Zarxio(Filgrastim),Zejula(Niraparib Tosylate Monohydrate),Zelboraf(Vemurafenib),Zevalin(Ibritumomab Tiuxetan),Zinecard(Dexrazoxane Hydrochloride),Ziv−Aflibercept,Zofran(Ondansetron Hydrochloride),Zoladex(Goserelin Acetate),Zoledronic Acid,Zolinza(Vorinostat),Zometa(Zoledronic Acid),Zydelig(Idelalisib),Zykadia(Ceritinib),及び/又はZytiga(Abiraterone Acetate)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において公知の任意の抗癌剤を含むことができる。
C.実施例
以下の実施例は、本明細書の特許請求の範囲に記載された化合物、組成物、物品、装置及び/又は方法がどのように作製され及び評価されるかの完全な開示及び記述を当業者に提供するために提示されており、純粋に例示的であることが意図されており、本開示を限定することは意図されていない。数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するための努力がなされてきたが、いくつかの誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に明記しない限り、部は、重量部であり、温度は、℃単位又は周囲温度であり、圧力は、大気圧又は大気圧に近い。
1.実施例1
マウスIg−α、マウスIg−β、及びヒトインターロイキン6を過剰発現するトランスジェニックマウスに、組み換えヒトPD−L1(R&D Systems)を2週間の間隔で腹腔内投与した。血清ELISAにより測定した、大きな免疫応答をマウントした後で、リンパ節、脾臓、及び骨髄細胞を回収し、B細胞表面を発現するIgMアイソタイプ抗体を磁気ビーズで取り出し、残った細胞を、MoFlo Fluorescence−Activated Cell Sorterを使用して、PD−L1への結合能でソートした。
PD−L1結合に対して陽性の細胞を96ウェルプレートにソートし、単一細胞RT−PCRに通して可変領域を増幅し、可変領域を、重鎖ヒトIgG1、又はIgG4定常領域、又は軽鎖ヒトIgK定常領域のいずれかを含有する発現ベクターにクローニングした。得られた重鎖及び軽鎖クローン対をCHO細胞にトランスフェクションし、得られた抗体タンパク質をプロテインA樹脂で精製した。
抗体が内在性細胞表面PD−L1に結合する能力を、フローサイトメトリーを使用して測定した。簡単に言うと、精製した抗体を細胞と個別に混合し、蛍光標識した二次抗体を、細胞−抗体混合物に添加した。細胞がフローサイトメーターを通過したときに、PD−L1に結合する特異的な抗体は、細胞の蛍光を著しく増加させた。
膜結合PD−L1を表面に示す細胞の、膜結合PD−1を表面に示す別の細胞への相互作用を乱す、抗体の能力を、インビトロ細胞レポーターアッセイにて評価し、IC50濃度を計算した(表2)。
Figure 2021518380
ABM101は、PD−1/PD−L1レポーターアッセイで最良の潜在能を有し、ヒト化のために選択した。CDRを、様々なヒトフレームワークにグラフトした。ABM101.11は、最良の発現レベルを有する、最も強力なヒト化抗体であった(表3)。
Figure 2021518380
配列
配列番号1:ABM101.11重鎖
QVQLVQSGpEVKKPGASVKVSCKaSGYTFTENSMHWVrQSHGKsLEWmGGINPNNGGTSYNQKFKGkvTmTTDKSTSTAYMELRSLTSDDTAVYYCARPYYYGYREDYFDYWGQGTTLTVSS
配列番号2:ABM101.11軽鎖
EIVMTQSPGTLSLSPGERATLSCRASSSVSYMYWYQQKPGQAPRPLIYLTSNLASGIPDRFSGSGSGTDYTLTISRLEPEDFAVYYCQQWSSYPPTFGQGTKVEIKR
II.

Claims (16)

  1. 配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、又は配列番号10に記載の少なくとも1つのCDRを含む重鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子。
  2. 前記重鎖可変ドメインを含む結合分子が、配列番号3及び配列番号5;配列番号3及び配列番号6;配列番号3及び配列番号7;配列番号3及び配列番号8;配列番号3及び配列番号9;配列番号3及び配列番号10;配列番号4及び配列番号5;配列番号4及び配列番号6;配列番号4及び配列番号7;配列番号4及び配列番号8;配列番号4及び配列番号9;配列番号4及び配列番号10;配列番号3、配列番号5、及び配列番号9;配列番号3、配列番号6、及び配列番号9;配列番号3、配列番号7、及び配列番号9;配列番号3、配列番号8、及び配列番号9;配列番号3、配列番号5、及び配列番号10;配列番号3、配列番号6、及び配列番号10;配列番号3、配列番号7、及び配列番号10;配列番号3、配列番号8、及び配列番号10;配列番号4、配列番号5、及び配列番号9;配列番号4、配列番号6、及び配列番号9;配列番号4、配列番号7、及び配列番号9;配列番号4、配列番号8、及び配列番号9;配列番号4、配列番号5、及び配列番号10;配列番号4、配列番号6、及び配列番号10;配列番号4、配列番号7、及び配列番号10;又は配列番号4、配列番号8、及び配列番号10に記載のCDRを含む、請求項1に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  3. 配列番号1に記載の可変重ドメインを含む、請求項2に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  4. 配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、又は配列番号15に記載の少なくとも1つのCDRを含む軽鎖可変ドメインを更に含む、請求項1に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  5. 前記軽鎖可変ドメインを含む結合分子が、配列番号11及び配列番号13;配列番号11及び配列番号14;配列番号11及び配列番号15;配列番号12及び配列番号13;配列番号12及び配列番号14;配列番号12及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載のCDRを含む、請求項4に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  6. 配列番号2に記載の可変軽ドメインを含む、請求項5に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  7. 前記結合分子が、配列番号1に記載の可変重ドメインを含む、請求項6に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  8. 配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、又は配列番号15に記載の少なくとも1つのCDRを含む軽鎖可変ドメインを含む、単離されたPD−L1結合分子。
  9. 前記重鎖可変ドメインを含む結合分子が、配列番号11及び配列番号13;配列番号11及び配列番号14;配列番号11及び配列番号15;配列番号12及び配列番号13;配列番号12及び配列番号14;配列番号12及び配列番号15;配列番号11、配列番号13、及び配列番号14;配列番号11、配列番号13、及び配列番号15;配列番号12、配列番号13、及び配列番号14;又は配列番号12、配列番号13、及び配列番号15に記載のCDRを含む、請求項8に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  10. 前記結合分子が抗体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  11. 前記結合分子が免疫毒素である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の単離されたPD−L1結合分子。
  12. 配列番号1に記載の重鎖可変領域を含有する、又は含む、抗体。
  13. 配列番号2に記載の軽鎖可変領域を含有する、又は含む、抗体。
  14. 配列番号1に記載の重鎖可変領域及び配列番号2に記載の軽鎖可変領域の両方を含有する、又は含む、抗体。
  15. 前記抗体が中和抗体である、請求項10に記載の単離されたPD−L1結合分子、又は請求項12〜14のいずれか一項に記載の抗体。
  16. ある量の、請求項1〜11若しくは15に記載のPD−L1結合分子又は請求項12〜15に記載の抗体のいずれかを投与することによる、癌、又は細胞増殖の癌関連病の治療方法又は予防方法。
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