JP2021511081A - Il−2タンパク質およびcd80タンパク質を含む融合タンパク質およびその使用 - Google Patents

Il−2タンパク質およびcd80タンパク質を含む融合タンパク質およびその使用 Download PDF

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Abstract

IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質が提供される。CD80フラグメント、免疫グロブリンFcおよびIL−2変種を含む融合タンパク質は、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を活性化することができ、同時に制御性T細胞の免疫細胞調節活性を制御しうる。従って、活性成分として融合タンパク質を含む医薬組成物は、かかる医薬組成物が体内にて免疫活性を増大させ、かくして炎症疾患ならびにがんに対して効果的に使用され得るという点において工業的に極めて有用である。

Description

本発明は、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質およびその使用に関する。具体的には、本発明は、がん治療効果および免疫増強効果を有する新規な融合タンパク質に関する。
インターロイキン2(IL−2)(T細胞成長因子(TCGF)とも称される)は、リンパ球の産生、生存およびホメオスタシスにおいて中心的役割を果たす、グロブラー糖タンパク質である。IL−2はタンパク質の大きさが15.5kDa〜16kDaであって、133個のアミノ酸からなる。IL−2は3つの異なるサブユニットからなるIL−2受容体と結合することにより様々な免疫作用を媒介する。
加えて、IL−2は、活性化T細胞によって、特にCD4+ヘルパーT細胞によって主に合成される。IL−2は、T細胞の増殖および分化を刺激し、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の産生、および末梢血液リンパ球の細胞傷害性細胞およびリンホカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)への分化を誘発する。
さらには、IL−2はB細胞の増殖および分化とも関係しており、B細胞による免疫グロブリン合成を促進し、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の産生、増殖および活性化を刺激する。したがって、IL−2は、リンパ球集団を大きくし、生体での免疫細胞の機能を亢進させることができるため、抗がん剤として使用される。現在、IL−2を用いる療法が承認されており、代謝性腎細胞腫瘍および悪性メラノーマの患者に使用されている。
しかしながら、IL−2は、それが免疫細胞の数を増やし、その活性を増大させるのに介在するだけでなく、免疫耐性を維持するのにも重要であるという点で、二元的な免疫応答の機能を有する。加えて、IL−2は腫瘍増殖を阻害するのに最適ではない可能性があると報告されている。その理由は、IL−2の存在下で、活性化誘発の細胞死(AICD)がその得られた細胞傷害性Tリンパ球で生じている可能性があり、免疫応答がIL−2依存の制御性T細胞(Treg細胞)によって阻害されるかもしれないというものである(Imaiら、Cancer Sci 98, 416-423, 2007)。
加えて、重度の心血管性、肺性、腎臓性、肝臓性、胃腸性、神経性、皮膚性、血液性、および全身性副作用が、IL−2を用いる免疫療法を受けた患者で発生している。したがって、IL−2の治療効能を改善し、その副作用を最小限とするために種々のIL−2変異が研究されてきた(US5,229,109B)。しかしながら、IL−2を薬理目的に利用するためには今なお解決すべき多くの課題がある。
一方で、CD80(B7−1としても知られる)は、共刺激応答および共阻害応答を送達する方法でそのリガンドと結合することにより免疫制御に関与する、膜結合タンパク質のB7ファミリーの一の構成員である。CD80は、T細胞、B細胞、樹状細胞、および単球の表面上で発現される膜貫通タンパク質である。CD80は、CD28、CTLA4(CD152)、およびPD−L1と結合することが知られている。CD80、CD86、CTLA4、およびCD28は、共刺激−共阻害システムにおいて関連付けられる。例えば、それらはT細胞の活性を制御し、その増殖、分化および生存にて関連付けられる。
例えば、CD80およびCD86がCD28と相互作用すると、共刺激シグナルが発せられ、T細胞を活性化する。最終的には、CD80はCTLA4と結合し、CTLA4を刺激してアップレギュレートされるようにする。結果として、CD80は、CD80/CD28の相互作用によって惹起される免疫応答の活性化の前に、T細胞応答を阻害する。このフィードバックループにより免疫応答の微調整が可能となる。
加えて、CD80は、B7ファミリーのもう一つ別の構成員である、PD−L1と、CD28がPD−L1と結合する親和性と同様の力で、結合することが知られている。PD−L1は、プログラムされた細胞死−1(PD−1)タンパク質を標的とする2つのリガンドのうちの1つとして公知であり、PD−L1はT細胞制御に関与することが知られている。CD80のPD−L1との結合は、PD−1/PD−L1の相互作用を遮断し得るもう一つ別の作用機構であり、そのことは腫瘍におけるT細胞応答の阻害を妨げるかもしれない。しかしながら、同時に、CD80レベルの増加は、CTLA4が誘発されるようにCD80をCD28と結合させものであり、それによってT細胞応答を誘発または阻害することとなる。
本発明は安全で効果的なIL−2を開発することを研究してきた。その結果、本発明者らは、1つの分子にて、IL−2タンパク質とCD80タンパク質とを含む新規な融合タンパク質が免疫細胞を活性化し、Treg細胞を効果的に制御し得ることを見出し、それによって本発明を完成した。
上記した目的を達成するために、本発明の態様において、IL−2タンパク質とCD80タンパク質とを含む融合タンパク質が提供される。
本発明のもう一つ別の態様において、2つの融合タンパク質を相互に結合させることによって得られる融合タンパク質二量体が提供される。
本発明のさらにもう一つ別の態様において、該融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、該ポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、該ベクターがその中に導入されている形質転換細胞が提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、活性成分として、該融合タンパク質または該融合タンパク質二量体を含む、がんまたは感染症を予防または治療するための医薬組成物が提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症を治療するための該融合タンパク質の使用が提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症の治療用の医薬を製造するための該融合タンパク質の使用が提供される。
IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質は、IL−2によって免疫細胞を活性化するだけでなく、CD80によってTreg細胞を効果的に制御することができる。従って、該融合タンパク質はがん細胞を効率的な方法で攻撃することができ、かくしてがんまたは感染症の治療に役立つように利用され得る。
融合タンパク質の図解による実施態様を示す。 融合タンパク質が異なる2種の免疫細胞を制御する機構を示す。しかしながら、融合タンパク質の作用を表す機構がそれに限定されないことを理解すべきである。 融合タンパク質が抗がん作用を示す機構を示す。 融合タンパク質の構造を斜視図で示す。ここで、GI101およびmGI101の各々は、本明細書に記載の融合タンパク質の実施態様であり、GI101C1、GI101C2、およびmGI101C1は該融合タンパク質の活性と比べるための比較例である。 本明細書に記載の融合タンパク質の種々の実施態様を示す。ヒトおよびマウス由来のタンパク質を合わせて融合タンパク質を製造することができる。CD80タンパク質とIL−2タンパク質とを、Fc以外の種々のリンカーを介して相互に結合させてもよい。 得られた融合タンパク質(GI101)をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 融合タンパク質(GI101)の量が吸光度に依存することを示す。 得られた融合タンパク質(GI101)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で分析することによって得られた結果を示す。 得られたmGI101の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することによって得られた結果を示す。 得られたGI101C1の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 得られたGI101C2の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 得られたmGI101C1の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 得られたGI102−M45の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 得られたGI102−M61の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 得られたGI102−M72の融合タンパク質をSDS−PAGEで同定することで得られた結果を示す。 hCTLA4とGI101との間の結合親和性を示す。 hPD−L1とGI101との間の結合親和性を示す。 hPD−L1とhPD−1との間の結合親和性を示す。 mCTLA4とmGI101との間の結合親和性を示す。 mPD−L1とmGI101との間の結合親和性を示す。 GI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)とCTLA−4との間、およびGI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)とPD−L1との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。GI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)がCTLA−4およびPD−L1に対して高い結合能を有することが同定された。 GI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)とCTLA−4との間、およびGI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)とPD−L1との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。GI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)がCTLA−4およびPD−L1に対して高い結合能を有することが同定された。 GI101のPD−1/PD−L1結合についての効果を示す。GI101はPD−1/PD−L1結合を効果的に阻害した。 GI101とIL−2RαまたはIL−2Rβとの間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 GI101とIL−2Rαとの間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 GI101とIL−2Rβとの間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 IL−2RαとGI102−M45との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 IL−2RαとGI102−M61との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 IL−2RαとGI102−M72との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 IL−2RβとGI102−M45との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 IL−2RβとGI102−M61との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 IL−2RβとGI102−M72との間の結合親和性を同定することによって得られた結果を示す。 細胞をGI101、GI101C1、GI101C2、またはIL−2の各濃度での処理に付し、インキュベーションを行う場合に、細胞より分泌されるIFN−γの量を測定することによって得られた結果を示す。 細胞をGI101、GI101C1、GI101C2、またはIL−2の各濃度での処理に付し、インキュベーションを行う場合に、細胞より分泌されるIFN−γの量を測定することによって得られた結果を示す。 GI101、GI101C1、GI101C2、およびIL−2(プロロイキン(Proleukin))のCD8+T細胞の増殖についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101、GI101C1、GI101C2、およびIL−2(プロロイキン(Proleukin))のCD8+T細胞の増殖についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101およびGI102のCD8+T細胞およびCD4+T細胞の増殖についての効果を同定することによって得られた結果を示す。ここで、図37AはCD8+T細胞およびCD4+T細胞の割合を示し、図37BはCD8+T細胞の増殖能を示し、図37CはCD4+/FoxP3+Treg細胞の割合を示す。 GI101およびGI101wのCD8+T細胞およびNK細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101およびGI101wのCD8+T細胞およびNK細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101のエフェクターT細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101のエフェクターT細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 mGI101およびmGI102−M61のマウス免疫細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101のPD−L1を過剰発現するがん細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101のPD−L1を過剰発現するがん細胞についての効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 GI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 mGI101のマウス由来の黒色腫を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 mGI101のマウス由来の黒色腫を移植したマウスにおける腫瘍阻害を示す。 mGI101の、その用量に依存した、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 mGI101を受容したマウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスの生存率を分析することによって得られた結果を示す。 GI101のマウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、腫瘍組織中のCD8+T細胞、IFN−γT細胞、CD4+T細胞、およびTreg細胞を分析することによって得られる結果を示す。 マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中のCD8+T細胞、IFN−γT細胞、CD4+T細胞、およびTreg細胞を分析することによって得られる結果を示す。 マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中のマクロファージを分析することによって得られる結果を示す。 マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中のマクロファージを分析することによって得られる結果をグラフで示す。 マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中の樹状細胞を分析することによって得られる結果を示す。 マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中の樹状細胞を分析することによって得られる結果をグラフで示す。 マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスにおいてGI101の腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中のCD8+T細胞、IFN−γT細胞、CD4+T細胞、およびTreg細胞を分析することによって得られる結果をグラフで示す。 マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中のマクロファージを分析することによって得られる結果をグラフで示す。 マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスをhIgG4、抗−PD−1抗体、またはGI101での処理に付し、次にFACSで、がん組織中の樹状細胞を分析することによって得られる結果をグラフで示す。 mGI102−M61の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 mGI102−M61を受容したマウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスの生存率を分析することによって得られる結果を示す。 mGI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害効果を同定することによって得られた結果を示す。 mGI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける腫瘍阻害を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて15日間の臨床観察を行うことによって得られた結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に体重を測定することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に体重を測定することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについての15日間の摂餌費を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に血液を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に血液を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に血液を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に臨床および化学分析を行うことによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目にサイトカインを分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目にサイトカインを分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に免疫細胞を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に免疫細胞を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に免疫細胞を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に免疫細胞を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に免疫細胞を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルについて、−1、1、8、および15日目に免疫細胞を分析することによって得られる結果を示す。 PBSまたはGI101を受容したサルを16日目に殺し、脾臓細胞を摘出し、その脾臓細胞を病理学的に分析することによって得られる結果を示す。 CD80タンパク質およびIL−2タンパク質の各々がキャリアタンパク質に結合している融合タンパク質を示す。具体的には、図89AはCD80タンパク質およびIL−2タンパク質が、各々、キャリアタンパク質のN−末端およびC−末端に結合している、融合タンパク質を示す。加えて、図89BはCD80タンパク質およびIL−2タンパク質が、各々、キャリアタンパク質のC−末端およびN−末端に結合している、融合タンパク質を示す。
IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質
本発明の態様において、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質が提供される。
本明細書において使用される場合の、「IL−2」または「インターロイキン−2」なる語は、特記されない限り、哺乳類、例えば霊長類(ヒトなど)およびげっ歯類(マウスおよびラットなど)を含む、任意の脊椎動物源より得られる任意の野生型IL−2をいう。IL−2は動物細胞より得られてもよく、IL−2の産生能を有する組換え細胞より得られるものをも包含する。加えて、IL−2は野生型IL−2またはその変種であってもよい。
本明細書において、IL−2またはその変種は、「IL−2タンパク質」または「IL−2ポリペプチド」なる語によって包括的に表されてもよい。IL−2、IL−2タンパク質、IL−2ポリペプチド、およびIL−2変種は、例えば、IL−2受容体と特異的に結合する。この特異的結合は当業者に知られている方法により同定され得る。
IL−2の実施態様は配列番号:35または配列番号:36のアミノ酸配列を有してもよい。ここで、IL−2はまた、成熟した形態であってもよい。具体的には、該成熟IL−2はシグナル配列を含有しなくてもよく、配列番号:10のアミノ酸配列を有してもよい。ここで、IL−2は、その野生型IL−2のN−末端またはC−末端部分が切断されているところの野生型IL−2のフラグメントを包含する概念の下で使用され得る。
加えて、IL−2のフラグメントは、配列番号:35または配列番号:36のアミノ酸配列のタンパク質のN−末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したアミノ酸が切断されているところの形態であってもよい。加えて、IL−2のフラグメントは、配列番号:35または配列番号:36のアミノ酸配列のタンパク質のC−末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したアミノ酸が切断されているところの形態であってもよい。
本明細書にて使用される場合の「IL−2変種」なる語は、全長IL−2でのアミノ酸の一部が、またはIL−2の上記したフラグメントが置換されている、形態をいう。すなわち、IL−2変種は野生型IL−2またはそのフラグメントと異なるアミノ酸配列を有してもよい。しかしながら、IL−2変種は野生型IL−2と等価または類似する活性を有する。ここで、「IL−2活性」は、例えば、IL−2受容体との特異結合をいい、その特異結合は当業者に公知の方法により測定され得る。
具体的には、IL−2変種は、野生型IL−2におけるアミノ酸の一部を置換することにより得られてもよい。アミノ酸置換によって得られるIL−2変種の実施態様は、配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、45番、61番、および72番目にあるアミノ酸の少なくとも1つの置換によって得られてもよい。
具体的には、IL−2変種は、配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、45番、61番、または72番目にあるアミノ酸の少なくとも1つがもう一つ別のアミノ酸で置換されることで得られてもよい。加えて、IL−2が、配列番号:35のアミノ酸配列のN−末端の部分が切断されている形態である場合、配列番号:10のアミノ酸配列のその部分に相当する補完性の位置にあるアミノ酸がもう一つ別のアミノ酸で置換されていてもよい。例えば、IL−2が配列番号:35のアミノ酸配列である場合、そのIL−2変種は配列番号:35のアミノ酸配列の58番、62番、65番、81番、または92番目にあるアミノ酸の少なくとも1つがもう一つ別のアミノ酸で置換されることで得られてもよい。これらのアミノ酸残基は、各々、配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、45番、61番、および72番目のアミノ酸残基に相当する。実施態様によれば、かかるIL−2変種がIL−2活性を維持する限り、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸が置換されてもよい。もう一つ別の実施態様によれば、1〜5個のアミノ酸が置換されてもよい。
実施態様において、IL−2変種はその中の2個のアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番および42番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番および45番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の42番および45番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の42番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の42番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の45番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の45番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の61番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。
さらには、IL−2変種は、その中の3個のアミノ酸が置換される形態であってもよい。具体的には、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番および45番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、45番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、45番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、61番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の42番、45番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の42番、45番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の45番、61番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。
加えて、IL−2変種は、その中の4個のアミノ酸が置換される形態であってもよい。具体的には、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、45番および61番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、45番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、45番、61番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、61番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の42番、45番、61番および72番目のアミノ酸が置換されることで得られてもよい。
さらには、IL−2変種は、その中の5個のアミノ酸が置換される形態であってもよい。具体的には、IL−2変種は配列番号:10のアミノ酸配列の38番、42番、45番、61番、および72番目のアミノ酸がもう一つ別のアミノ酸で置換されることで得られてもよい。
ここで、置換で導入される「もう一つ別のアミノ酸」は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群より選択されるいずれのアミノ酸であってもよい。ただし、配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、38番目のアミノ酸はアルギニンと置換できず、42番目のアミノ酸はフェニルアラニンと置換できず、45番目のアミノ酸はチロシンと置換できず、61番目のアミノ酸はグルタミン酸と置換できず、72番目のアミノ酸はロイシンと置換できない。
配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、38番目のアミノ酸のアルギニンは、アルギニン以外のアミノ酸と置換されてもよい。好ましくは、配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、38番目のアミノ酸のアルギニンは、アラニンと置換されてもよい(R38A)。
配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、42番目のアミノ酸のフェニルアラニンは、フェニルアラニン以外のアミノ酸と置換されてもよい。好ましくは、配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、42番目のアミノ酸のフェニルアラニンは、アラニンと置換されてもよい(F42A)。
配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、45番目のアミノ酸のチロシンは、チロシン以外のアミノ酸と置換されてもよい。好ましくは、配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、45番目のアミノ酸のチロシンは、アラニンと置換されてもよい(Y45A)。
配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、61番目のアミノ酸のグルタミン酸は、グルタミン酸以外のアミノ酸と置換されてもよい。好ましくは、配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、61番目のアミノ酸のグルタミン酸は、アルギニンと置換されてもよい(E61R)。
配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、72番目のアミノ酸のロイシンは、ロイシン以外のアミノ酸と置換されてもよい。好ましくは、配列番号:10のアミノ酸配列における、IL−2変種のアミノ酸置換に関して、72番目のアミノ酸のロイシンは、グリシンと置換されてもよい(L72G)。
具体的には、IL−2変種は、配列番号:10のアミノ酸配列における、R38A、F42A、Y45A、E61R、およびL72Gからなる群より選択される、少なくとも1つの置換によって得られてもよい。
具体的には、IL−2変種は、R38A、F42A、Y45A、E61R、およびL72Gからなる群より選択される位置の中から2、3、4または5箇所でアミノ酸置換されることで得られてもよい。
加えて、IL−2変種は2個のアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL−2変種は、R38AおよびF42Aの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種は、R38AおよびY45Aの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38AおよびE61Rの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38AおよびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42AおよびY45Aの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42AおよびE61Rの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42AおよびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はE61RおよびL72Gの置換で得られてもよい。
さらには、IL−2変種は3個のアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL−2変種はR38A、F42A、およびY45Aの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、F42A、およびE61Rの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、F42A、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、Y45A、およびE61Rの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、Y45A、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42A、Y45A、およびE61Rの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42A、Y45A、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42A、E61R、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はY45A、E61R、およびL72Gの置換で得られてもよい。
さらには、IL−2変種は4個のアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL−2変種はR38A、F42A、Y45A、およびE61Rの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、F42A、Y45A、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、F42A、E61R、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はR38A、Y45A、E61R、およびL72Gの置換で得られてもよい。加えて、実施態様において、IL−2変種はF42A、Y45A、E61R、およびL72Gの置換で得られてもよい。
さらには、IL−2変種は、R38A、F42A、Y45A、E61R、およびL72Gの置換によって得られてもよい。
好ましくは、IL−2変種の実施態様は、配列番号:10のアミノ酸配列において以下の(a)〜(d)の組み合わせから選択されるいずれのものを含有してもよい。
(a)R38A/F42A
(b)R38A/F42A/Y45A
(c)R38A/F42A/E61R
(d)R38A/F42A/L72G
ここで、IL−2が配列番号:35のアミノ酸配列を有する場合、配列番号:10のアミノ酸配列の位置に相補的に対応するところにアミノ酸置換があってもよい。加えて、IL−2が配列番号:35のアミノ酸配列のフラグメントである場合であっても、配列番号:10のアミノ酸配列の位置に相補的に対応するところにアミノ酸置換があってもよい。
具体的には、IL−2変種は、配列番号:6、22、23、または24のアミノ酸配列を有してもよい。
加えて、IL−2変種はインビボにおける毒性が低いことで特徴付けられ得る。ここで、インビボにおける毒性の低さは、IL−2がIL−2受容体アルファ鎖(IL−2Rα)と結合することによって惹起される副作用とすることができる。IL−2のIL−2Rαとの結合によって惹起される副作用を改善するために、種々のIL−2変種が開発されており、かかるIL−2変種が米国特許第5,229,109号および韓国特許第1667096号に開示されている変種である。特に、本願において開示されるIL−2変種はIL−2受容体アルファ鎖(IL−2Rα)に対する結合能が低く、かくして野生型IL−2よりもインビボにおける毒性が低い。
本明細書にて使用される時の「CD80」なる語(「B7−1」とも称される)は、樹状細胞、活性化B細胞、および単球細胞において存在する膜タンパク質である。CD80はT細胞の活性化および生存に不可欠な共刺激シグナルを提供する。CD80は、T細胞の表面に存在する、2種類の異なるタンパク質、CD28およびCTLA−4を標的とするリガンドとして知られている。CD80は288個のアミノ酸で構成され、具体的には配列番号:11のアミノ酸配列を有してもよい。加えて、本明細書にて使用場合の「CD80タンパク質」なる語は、全長CD80またはCD80フラグメントをいう。
本明細書にて使用される時の「CD80フラグメント」なる語は、CD80の切断された形態をいう。加えて、CD80フラグメントはCD80の細胞外ドメインであってもよい。CD80フラグメントの実施態様は、CD80のシグナル配列である、N末端から1番〜34番目のアミノ酸を除去することによって得られてもよい。具体的には、CD80フラグメントの実施態様は、配列番号:11の35番〜288番目のアミノ酸で構成されるタンパク質であってもよい。加えて、CD80フラグメントの実施態様は、配列番号:11の35番〜242番目のアミノ酸で構成されるタンパク質であってもよい。加えて、CD80フラグメントの実施態様は、配列番号:11の35番〜232番目のアミノ酸で構成されるタンパク質であってもよい。加えて、CD80フラグメントの実施態様は、配列番号:11の35番〜139番目のアミノ酸で構成されるタンパク質であってもよい。加えて、CD80フラグメントの実施態様は、配列番号:11の142番〜242番目のアミノ酸で構成されるタンパク質であってもよい。加えて、CD80フラグメントの実施態様は、配列番号:2のアミノ酸配列を有してもよい。
加えて、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質は、リンカーまたは担体を通して相互に結合してもよい。具体的には、IL−2またはその変種と、CD80(B7−1)またはそのフラグメントとは、リンカーまたは担体を通して相互に結合してもよい。本記載において、リンカーと担体とは互換的に使用され得る。
リンカーは2つのタンパク質を連結する。リンカーの実施態様として、1〜50個のアミノ酸、アルブミンまたはそのフラグメント、免疫グロブリンのFcドメイン等が挙げられてもよい。ここで、免疫グロブリンのFcドメインは、免疫グロブリンの重鎖定常領域2(CH2)および重鎖定常領域3(CH3)を含有し、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖可変領域および軽鎖定常領域1(CH1)を含有しない、タンパク質をいう
。免疫グロブリンはIgG、IgA、IgE、IgD、またはIgMであってもよく、好ましくはIgG4であってもよい。ここで、野生型免疫グロブリンG4のFcドメインは配列番号:4のアミノ酸配列を有してもよい。
加えて、免疫グロブリンのFcドメインは、Fcドメイン変種ならびに野生型Fcドメインであり得る。加えて、本明細書にて使用される場合の「Fcドメイン変種」なる語は、グリコシル化パターンに関して野生型Fcドメインと異なり、野生型Fcドメインと比べてグリコシル化が高いか、野生型Fcドメインと比べてグリコシル化が低い形態をいうか、あるいは脱グリコシル化された形態をいう。加えて、非グリコシル化Fcドメインは本明細書にて包含される。Fcドメインまたはその変種は、宿主の培養条件または遺伝的操作を介して、調整数のシアル酸、フコシル化、またはグリコシル化を有するように適合されてもよい。
加えて、免疫グロブリンのFcドメインのグリコシル化は、化学的方法、酵素的方法、および微生物を用いる遺伝子工学的方法などの慣用的方法によって修飾されてもよい。加えて、Fcドメイン変種は、イムノグロブリン、IgG、IgA、IgE、IgD、およびIgMの個々のFcドメインの混合した形態であってもよい。加えて、Fcドメイン変種はFcドメインの数個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されている形態であってもよい。Fcドメインのドメイン変種の実施態様は、配列番号:12のアミノ酸配列を有してもよい。
融合タンパク質は、リンカー(または担体)としてFcドメインを用い、CD80タンパク質とIL−2タンパク質とを、またはIL−2タンパク質とCD80タンパク質とを、各々、リンカーまたは担体のN−末端およびC−末端に連結する、構造を有する(図89)。FcドメインのN−末端またはC−末端と、CD−80またはIL−2との連結は、所望により、リンカーペプチドによってなされてもよい。
具体的には、融合タンパク質は、次の構造式(I)または(II):
Figure 2021511081
[ここで、構造式(I)および(II)中、
N’は融合タンパク質のN−末端であり、
XはCD80タンパク質であり、
YはIL−2タンパク質であり、
リンカー(1)および(2)はペプチドリンカーであり、および
nおよびmは、各々独立して、0または1である]
で構成されてもよい。
好ましくは、該融合タンパク質は構造式(I)からなってもよい。IL−2タンパク質は上記されるとおりである。加えて、CD80タンパク質は上記されるとおりである。実施態様によれば、IL−2タンパク質は、野生型IL−2と比べた時に、1〜5個のアミノ酸置換のあるIL−2変種であってもよい。CD80タンパク質は、野生型CD80のN−末端またはC−末端から約34個までの連続したアミノ酸残基を切断することで得られるフラグメントであってもよい。あるいはまた、CDタンパク質は、T細胞表面の受容体、CTLA−4およびCD28との結合能を有する、細胞外イムノグロブリン様ドメインであってもよい。
具体的には、融合タンパク質は、配列番号:9、26、28、または30のアミノ酸配列を有してもよい。もう一つ別の実施態様によれば、融合タンパク質は、配列番号:9、26、28、または30のアミノ酸配列に対して85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するポリペプチドを包含する。ここで、同一性は、例えば、パーセント相同性であり、アメリカ国立生物工学情報センター(National Center of Biotechnology Information、NCBI)のBlastNソフトウェアなどの相同性比較ソフトウェアを用いて決定されてもよい。
ペプチドリンカー(1)はCD80タンパク質とFcドメインとの間に含まれてもよい。ペプチドリンカー(1)は、5〜80個の連続したアミノ酸、20〜60個の連続したアミノ酸、25〜50個の連続したアミノ酸、または30〜40個の連続したアミノ酸からなってもよい。1の実施態様において、ペプチドリンカー(1)は30個のアミノ酸からなってもよい。加えて、該ペプチドリンカー(1)は少なくとも1個のシステインを含有してもよい。具体的には、該ペプチドリンカー(1)は1個、2個、または3個のシステインを含有してもよい。加えて、該ペプチドリンカー(1)は免疫グロブリンのヒンジより誘導されてもよい。1の実施態様において、該ペプチドリンカー(1)は配列番号:3のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーであってもよい。
ペプチドリンカー(2)は1〜50個の連続したアミノ酸、3〜30個の連続したアミノ酸、または5〜15個の連続したアミノ酸からなってもよい。1の実施態様において、該ペプチドリンカー(2)は(G4S)(ここで、nは1〜10の整数である)であってもよい。ここで、(G4S)において、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。1の実施態様において、該ペプチドリンカー(2)は配列番号:5のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーであってもよい。
本発明のもう一つ別の態様において、2個の融合タンパク質の結合によって得られる二量体であって、その各々がIL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む、二量体が提供される。IL−2またはその変種およびCD80またはそのフラグメントを含む融合タンパク質は上記されるとおりである。
ここで、二量体を構成する融合タンパク質の間の結合は、限定されないが、リンカーにあるシステインによって形成されるジスルフィド結合によって達成される。二量体を構成する融合タンパク質は、相互に同じであっても異なる融合タンパク質であってもよい。好ましくは、二量体はホモ二量体である。二量体を構成する融合タンパク質の実施態様は配列番号:9のアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド
本発明のさらにもう一つ別の態様において、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが提供される。具体的には、該ポリヌクレオチドは、配列番号:8、25、27、または29のヌクレオチド配列を含有してもよい。IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質は上記されるとおりである。ポリヌクレオチドにおいて、1または複数のヌクレオチドが、置換、欠失、挿入またはその組み合わせにより改変されてもよい。ヌクレオチド配列が化学合成によって製造される場合、EngelsおよびUhlmann(Angew Chem IntEd Eng.、37:73-127, 1988)に記載される方法などの当該分野にて周知の合成方法が使用され得る。かかる方法はトリエステル、ホスファイト、ホスホルアミダイトおよびH−ホスフェート方法、PCRおよび他のオートプライマー方法、固体支持体でのオリゴヌクレオチド合成等を含んでもよい。
実施態様によれば、該ポリペプチドは、配列番号:8、25、27、または29に対して、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%の同一性を有する、核酸配列を含有し得る。
ポリヌクレオチドは、シグナル配列またはリーダー配列をコードする、核酸をさらに含有してもよい。本明細書にて使用される場合の「シグナル配列」なる語は、標的タンパク質の分泌を方向付けるシグナルペプチドをいう。シグナルペプチドは宿主細胞中で翻訳され、次に切断される。具体的には、シグナル配列はタンパク質の小胞体(ER)膜を横切る移動を生じさせるアミノ酸配列である。1の実施態様において、該シグナル配列は配列番号:1のアミノ酸配列を有してもよい。
シグナル配列はその特徴について当該分野にて周知である。かかるシグナル配列は、典型的には、16〜30個のアミノ酸残基を含有し、かかるアミノ酸残基よりも多くのまたは少ないアミノ酸残基を含有してもよい。典型的なシグナルペプチドは、3つの領域、すなわち、塩基性N−末端領域、中央の疎水性領域、およびより極性のC−末端領域からなる。中央の疎水性領域は、未成熟なポリペプチドが脂質二重層膜を介して移動する間にシグナル配列が固定化されるようにする、4〜12個の疎水性残基を含有する。
移動が起こった後、シグナル配列は、シグナルペプチダーゼとして周知の細胞酵素によってERの内腔中で切断される。ここで、シグナル配列は、tPa(組織プラスミノーゲンアクチベーター)、HSVgDs(単純ヘルペスウイルスの糖タンパク質Dのシグナル配列)、または成長ホルモンの分泌性シグナル配列とすることができる。哺乳類等を含む高等真核生物の細胞にて使用される分泌性シグナル配列が使用されるのが好ましい。加えて、野生型IL−2および/またはCD−80に含まれるシグナル配列が使用されてもよく、あるいは宿主細胞にて高い頻度で発現されるコドンで置換されているシグナル配列が用いられてもよい。
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するベクター
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、該ポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。
該ベクターは、宿主細胞のゲノムと組換えられ、その中に挿入されるようにその宿主細胞に導入され得る。あるいは、該ベクターは、エピソームとして自立的に複製可能である、ポリヌクレオチド配列を含有する核酸手段として理解される。該ベクターは、線状核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウイルスベクター、およびそのアナログを包含する。ウイルスベクターの例として、レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
具体的には、該ベクターは、プラスミドDNA、ファージDNA等;商業的に開発されたプラスミド(pUC18、pBAD、pIDTSAMRT−AMP等)、イー・コリ(E. coli)由来のプラスミド(pYG601BR322、pBR325、pUC118、pUC119等)、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)由来のプラスミド(pUB110、pTP5等)、酵母由来のプラスミド(YEp13、YEp24、YCp50等)、ファージDNA(カロン(Charon)4A、カロン21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP等)、動物ウイルスベクター(レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス等)、昆虫ウイルスベクター(バキュロウイルス等)を包含しうる。ベクターは、宿主細胞に応じて、異なる発現レベルおよびタンパク質の修飾を示すため、その目的に最適な宿主細胞を選択し、使用するのが好ましい。
本明細書にて使用される時の標的タンパク質の「遺伝子発現」または「発現」なる語は、DNA配列の転写、mRNA転写物の翻訳、および融合タンパク質の産生物またはそのフラグメントの分泌を意味するものと理解される。有用な発現ベクターはRcCMV(Invitrogen、Carlsbad)またはその変種であってもよい。発現ベクターは、さらに、哺乳類細胞にて標的遺伝子の連続的転写を促進するためのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、および転写後にRNAの安定性レベルを増大させるためのウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列を含有してもよい。
融合タンパク質を発現する形質転換細胞
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、ベクターが導入されている形質転換細胞が提供される。
細胞を形質転換させるための宿主細胞として、原核細胞、真核細胞、および哺乳類、植物、昆虫、真菌または細菌起源の細胞を挙げることができるが、これらに限定されない。原核細胞の例として、イー・コリが使用されてもよい。加えて、真核生物の例として、酵母が使用されてもよい。加えて、哺乳類細胞では、CHO細胞、F2N細胞、CSO細胞、BHK細胞、ボウズ(Bowes)メラノーマ細胞、HeLa細胞、911細胞、AT1080細胞、A549細胞、HEK293細胞、HEK293T細胞等が使用されてもよい。しかしながら、哺乳類細胞はこれらに限定されず、哺乳類細胞として使用可能であると当業者に公知のいずれの細胞も使用されてもよい。
加えて、発現ベクターを宿主細胞に導入するために、CaCl沈降、CaClの沈降においてジメチルスルホキシド(DMSO)などの還元剤を用いることによってその効率を増大させるハナハン(Hanahan)方法、電気穿孔、リン酸カルシウム沈降、原形質融合、炭化ケイ素ファイバーを用いる撹拌、アグロバクテリウム介在性形質転換、PEGを用いる形質転換、デキストラン硫酸塩−、リポフェクタミン−、または乾燥/阻害−介在性形質転換等を用いてもよい。
上記されるように、融合タンパク質の治療剤としての特性を最適化するために、あるいは他の目的として、融合タンパク質のグリコシル化パターン(例えば、シアル酸、フコシル化、グリコシル化)は、当業者に既知の方法を介して、宿主細胞が有するグリコシル化関連遺伝子を操作することにより調整されてもよい。
融合タンパク質の産生方法
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質を産生する方法であって、形質転換細胞の培養を含む、方法が提供される。具体的には、該産生方法は、i)該形質転換細胞を培養して培養体を得;ii)融合タンパク質を該培養体より集める、ことを含んでもよい。
形質転換細胞の培養は、当該分野にて周知の方法を用いて実施されてもよい。具体的には、該培養はバッチ工程で実施されてもよく、あるいはフェドバッチまたは反復フェドバッチ工程にて連続的に行われてもよい。
融合タンパク質またはその二量体の使用
本発明のさらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症を治療または予防するための、および/またはがんまたは感染症を治療するのに効能を増大させるための医薬組成物であって、活性成分として、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質、あるいは2個の融合タンパク質が結合している融合タンパク質二量体を含む、組成物が提供される。
IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質、または2個の融合タンパク質が結合している融合タンパク質二量体は上記されるとおりである。
がんは、胃がん、肝臓がん、肺がん、大腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮頸がん、甲状腺がん、咽頭がん、急性骨髄性白血病、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽腫、頭頚部がん、唾液腺がん、およびリンパ腫からなる群より選択されてもよい。加えて、感染症は、B型肝炎、C型肝炎、ヒト・パピローマウイルス(HPV)感染、サイトメガロウイルス感染、ウイルス性呼吸器疾患、およびインフルエンザからなる群より選択されるいずれの疾患であってもよい。
医薬組成物の好ましい用量は、患者の状態および体重、疾患の重度、薬物の形態、投与の経路および期間に応じて変化し、当業者が適宜選択することができる。がんまたは感染症を治療または予防するための本発明の医薬組成物において、活性成分は、用途、剤形、ブレンドの目的等に応じて、活性成分が抗がん活性または感染症に対して治療効果を示し得る限り、どのような量(有効量)で含まれてもよい。その通常の有効量は、組成物の全量に基づいて、0.001重量%〜20.0重量%の範囲内で決定されるであろう。ここで、「有効量」なる語は、抗がん作用または感染症の治療効果の誘発能を有する活性成分の量をいう。かかる有効量は当業者の一般常識の範囲内で実験で決定され得る。
本明細書にて使用される時の「治療」なる語は、療法的または予防的治療の両方を意味するのに使用されてもよい。ここで、予防は、個体の病的状態または疾患が緩和または軽減されることを意味するのに使用され得る。実施態様において、「治療」なる語は、ヒトを含む哺乳類において疾患を治療するための両方の用途またはいずれの投与形態も包含する。加えて、該用語は疾患または疾患の進行を阻害すること、または遅らせることを包含し;疾患が部分的または完全に緩和されるように、損傷または喪失した機能を回復または修復する手段;非効率な工程を刺激する手段;または重篤な疾患を緩和する手段を包含する。
本明細書にて使用される時の「効能」なる語は、1または複数のパラメータ、例えば、1年、5年または10年などの特定の期間にわたる生存率または無病生存率によって決定され得る能力をいう。加えて、該パラメータとして、個体において少なくとも1つの腫瘍の大きさを抑制することが挙げられてもよい。
生物学的利用能などの薬物動態パラメータおよびクリアランス速度などの基本的なパラメータもまた効能に影響を及ぼすかもしれない。かくして、「効能の強化」(例えば、効能における改善)は薬物動態パラメータの強化および効能の改善によるものであってもよく、それは試験動物またはヒト対象におけるクリアランス速度および腫瘍の成長と比べることで、あるいは生存率、再発率、または無病生存率などのパラメータと比べることで測定することができる。
本明細書にて使用される時の「治療的に効果的な量」または「医薬的に効果的な量」は、問題となる疾患を予防または治療するのに効果的な化合物または組成物の量をいい、医療に適用可能な合理的な利益/危険の割合で該疾患を治療するのに十分であり、副作用を生じさせない量をいう。効果的な量のレベルは、患者の健康状態、疾患の型および重篤度、薬物の活性、患者の薬物に対する感受性、投与方法、投与期間、投与経路および排出率、治療期間、処方または同時に使用される薬物を含む因子、および医薬の分野において周知の他の因子に応じて決定され得る。実施態様において、治療的に効果的な量はがんを治療するのに効果的な薬物の量を意味する。
ここで、該医薬組成物は、医薬的に許容される担体をさらに含んでもよい。該医薬的に許容される担体は、該担体が患者に送達するのに適する非毒性の物質である限り、いずれの担体であってもよい。蒸留水、アルコール、脂肪、ワックス、および不活性固体が担体として含有されてもよい。医薬的に許容されるアジュバント(緩衝剤、分散剤)も医薬組成物中に配合されてもよい。
具体的には、活性成分に加えて医薬的に許容される担体を含めることにより、医薬組成物は、その投与経路に応じて、当該分野にて既知の通常の方法を用いて非経口製剤に製造され得る。ここで、「医薬的に許容される」なる語は、該担体が活性成分の活性を阻害しないと同時に、適用される(処方される)対象が適応し得る毒性よりも毒性が低いことを意味する。
医薬組成物が非経口用処方に調製される場合、該組成物は、当該分野にて公知の方法に従って、適切な担体を用いた、注射液、経皮パッチ、鼻腔用吸入剤または坐剤の形態の製剤に製造され得る。注射液が製造される場合には、滅菌水、エタノール、グリセロールまたはプロピレングリコールなどのポリオール、またはその混合液が適切な担体として使用されてもよく;リンガー溶液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(トリエタノールアミンまたは注射用滅菌水、および5%デキストロースを含有する)等などの等張溶液が用いられるのが好ましい。医薬組成物の製剤は当該分野にて知られており、具体的にはRemington Pharmaceutical Sciences(第19版、1995)等に言及し得る。この刊行物は本明細書の記載の一部であると考えられる。
医薬組成物の好ましい用量は、患者の状態、体重、性別、年齢、患者の重篤度、および投与経路に応じて、一日当たり0.01μg/kg〜10g/kg、または0.01mg/kg〜1g/kgの範囲であってもよい。該用量は一日1回で投与されてもよく、あるいは一日数回に分けてもよい。かかる用量はどの態様であっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
医薬組成物が適用(処方)され得る対象は哺乳類およびヒトであり、特にヒトが好ましい。活性成分に加えて、本願の医薬組成物は、安全性について既に認証されており、抗がん活性のあることが知られており、抗がん活性を促進または強化するために、感染症に対して治療効果のあることが分かっている、いずれの化合物または天然抽出剤をさらに含有してもよい。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症を治療するためにIL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質の使用が提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症に対する治療効果を高めるためにIL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質の使用が提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症の治療用の医薬を製造するためにIL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質の使用が提供される。
本発明のその上さらにもう一つ別の態様において、がんまたは感染症を治療する方法、および/またはがんまたは感染症に対する治療効果を強化する方法であって、対象に、IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質、または2つの融合タンパク質が結合している融合タンパク質二量体を投与することを含む、方法が提供される。
対象はがんまたは感染症を患っている個体であってもよい。加えて、対象は哺乳類、好ましくはヒトであってもよい。IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む融合タンパク質、または2つの融合タンパク質が結合している融合タンパク質二量体は上記されるとおりである。
融合タンパク質または融合タンパク質二量体の投与経路、用量、および投与頻度は、患者の状態、および副作用の有無に応じて変化してもよく、かくして該融合タンパク質または融合タンパク質二量体は様々な方法および量で対象に投与されてもよい。最適な投与方法、用量、および投与頻度は、適切な範囲にて、当業者によって選択され得る。
加えて、融合タンパク質または融合タンパク質の二量体は、治療されるべき疾患に関してその治療効果が知られている、他の薬物または生理的に活性な物質と組み合わせて投与されてもよく、あるいは他の薬物との併用製剤の形態にて処方されてもよい。
IL−2活性に起因して、該融合タンパク質は、本発明の実施態様において、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を活性化しうる。かくして、該融合タンパク質はがんおよび感染症に効果的に使用され得る。特に、野生型と比べて、2ないし5個のアミノ酸置換があるIL−2変種は、とりわけ、R38A、F42A、Y45A、E61R、およびL72Gからなる群より選択される位置のうちで、2、3、4または5個の位置でアミノ酸置換を有するIL−2変種が、IL−2受容体アルファ鎖に対して結合能が小さく、かくして従来のIL−2の薬理的副作用に関して改善された特性を示すことが確認された。かくして、かかるIL−2変種は、単独で、または融合タンパク質の形態にて使用される場合、血管(または毛細管)漏出症候群(VLS、vascular leakage syndrome)、通常知られているIL−2での問題の発生率を下げることができる。
発明の形態
本発明を次の実施例を用いてさらに詳細に記載する。しかしながら、次の実施例は本発明を説明するに過ぎず、本発明の範囲がそれに限定されるものではない。
I. 融合タンパク質の製造
製造例1. hCD80−Fc−IL−2変種(2M):GI101の製造
ヒトCD80フラグメント、Fcドメイン、およびIL−2変種を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社(Thermo Fisher Scientific)のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシス(Invitrogen GeneArt Gene Synthesis)サービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、CD80フラグメント(配列番号:2)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、および2個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(2M)(R38A、F42A)(配列番号:6)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:8)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:9の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI101」と称した。
マブセレクト・スレ(MabSelect SuRe)タンパク質A樹脂を含むクロマトグラフィーを用いて精製を行った。該融合タンパク質を25mMトリス(Tris)、25mM NaCl、pH7.4の条件下でそれと結合させた。次に、100mM NaCl、100mM酢酸、pH3で溶出を行った。20% 1M Tris−HCl(pH9)を捕集管に入れ、ついで該融合タンパク質を集めた。融合タンパク質を集めるのに、緩衝液を16時間にわたって透析してPBS緩衝液と交換した。
その後で、TSKgel G3000SWXLカラム(TOSOH Bioscience)を用いてサイズ排除クロマトグラフィーに付し、280nm波長での吸光度を経時的に測定し、高度に濃縮された融合タンパク質を得た。ここで、単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルー(Coomassie Blue)で染色し、その純度をチェックした(図6)。ナノドロップ(NanoDrop)で検出すると、該融合タンパク質が2.78mg/mlの濃度で含まれていることが同定された(図7)。加えて、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて分析することによって得られた結果を図8にて提供する。
製造例2. mCD80−Fc−IL−2変種(2M):mGI101の製造
マウスCD80、Fcドメイン、およびIL−2変種を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、mCD80(配列番号:13)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、および2個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(2M)(R38A、F42A)(配列番号:6)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:14)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:15の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「mGI101」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は、製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図9)。ナノドロップを用い、280nmでの吸光度で検出すると、該融合タンパク質が1.95mg/mlの濃度で含まれていることが判明した。
製造例3. hCD80−Fc:GI101C1の製造
ヒトCD80フラグメント、およびFcドメインを含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、CD80フラグメント(配列番号:2)、Igヒンジ(配列番号:3)、およびFcドメイン(配列番号:4)を含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:16)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:17の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI101C1」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は、製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図10)。ナノドロップを用い、280nmでの吸光度で検出すると、該融合タンパク質が3.61mg/mlの濃度で含まれていることが観察された。
製造例4. Fc−IL−2変種(2M):GI101C2の製造
FcドメインおよびIL−2変種を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、および2個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(2M)(R38A、F42A)(配列番号:6)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:18)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:19の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI101C2」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は、製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図11)。ナノドロップを用い、280nmでの吸光度で検出すると、該融合タンパク質が4.79mg/mlの濃度で含まれていることが判明した。
製造例5. mCD80−Fc:mGI101C1の製造
マウスCD80およびFcドメインを含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、mCD80(配列番号:13)、Igヒンジ(配列番号:3)、およびFcドメイン(配列番号:4)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:20)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:21の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「mGI101C1」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は、製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図12)。ナノドロップを用い、280nmでの吸光度で検出すると、該融合タンパク質が2.49mg/mlの濃度で含まれていることが観察された。
製造例1〜5において製造される融合タンパク質を以下の表1において要約する。
表1
Figure 2021511081
製造例6. CD80−Fc−IL−2:GI101wの製造
ヒトCD80フラグメント、Fcドメイン、およびヒトIL−2を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、CD80フラグメント(配列番号:2)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、および成熟ヒトIL−2(配列番号:10)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:31)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:32の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI101w」と称した。融合タンパク質の精製および収集は製造例1での操作と同じ操作で実施された。
製造例7. hCD80−Fc−IL−2変種(3M):GI102−M45の製造
ヒトCD80フラグメント、Fcドメイン、および3個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(3M)(R38A、F42A、Y45A)(GI102−M45)を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、CD80フラグメント(配列番号:2)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、およびIL−2変種(配列番号:22)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:25)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:26の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI102−M45」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図13)。
製造例8. hCD80−Fc−IL−2変種(3M):GI102−M61の製造
ヒトCD80フラグメント、Fcドメイン、および3個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(3M)(R38A、F42A、E61R)(GI102−M61)を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、CD80フラグメント(配列番号:2)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、およびIL−2変種(配列番号:23)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:27)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:28の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI102−M61」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図14)。
製造例9. hCD80−Fc−IL−3M:GI102−M72の製造
ヒトCD80フラグメント、Fcドメイン、および3個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(3M)(R38A、F42A、L72G)(GI102−M72)を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、CD80フラグメント(配列番号:2)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、およびIL−2変種(配列番号:24)を、N−末端からこの順序で含有する、融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:29)を含有を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:30の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「GI102−M72」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は製造例1での操作と同じ操作で実施された。単離かつ精製された融合タンパク質を還元(R)または非還元(NR)条件下でSDS−PAGEに供し、クマシーブルーで染色し、その純度をチェックした(図15)。
製造例10. mCD80−Fc−IL−3M:mGI102−M61の製造
マウスCD80フラグメント、Fcドメイン、および3個のアミノ酸置換を有するIL−2変種(3M)(R38A、F42A、E61R)(GI102−M61)を含む融合タンパク質を産生するために、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のインビトロゲン・ジンアート・ジン・シンセシスサービスを通してポリヌクレオチドを合成した。具体的には、該ポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(配列番号:1)、mCD80フラグメント(配列番号:13)、Igヒンジ(配列番号:3)、Fcドメイン(配列番号:4)、リンカー(配列番号:5)、およびIL−2変種(配列番号:23)を、N−末端からこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号:33)を含有する。該ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクターに挿入した。加えて、該ベクターをCHO細胞(Expi−CHOTM)に導入し、配列番号:34の融合タンパク質を発現させた。該ベクターを導入した後、37℃、125RPM、および8%CO濃度の環境下で7日間にわたって培養を行った。次に、該培養物を収穫し、そこから融合タンパク質を精製した。その精製した融合タンパク質を「mGI102−M61」と称した。
融合タンパク質の精製および収集は製造例1での操作と同じ操作で実施された。
II. 融合タンパク質と、そのリガンドとの間の結合親和性の同定
融合タンパク質と、そのリガンドとの間の結合親和性を同定するために、その結合親和性をOctet RED 384を用いて測定した。
実験例1. hCTLA−4と、GI101との間の結合親和性の同定
AR2G(Amine Reactive 2nd gen)バイオセンサー(ForteBio、カタログ番号:18−5092)を、96ウェルのマイクロプレート(Greiner Bio-one、カタログ番号:655209)において、200μlの蒸留水で予め水和させた。該AR2Gバイオセンサーと結合させるリガンド(CTLA−4、ヒトCTLA−4/CD152、Hisタグ、Sino Biological、カタログ番号:11159−H08H)を10mM酢酸緩衝液(pH5、AR2G試薬キット(AR2G reagent Kit)、ForteBio、カタログ番号:18−5095)で5μg/mlの濃度に希釈した。加えて、該リガンドと結合させるGI101を1xAR2G カイネティック緩衝液(AR2G試薬キット、ForteBio、カタログ番号:18−5095)で1,000nM、500nM、250nM、125nM、または62.5nMの濃度に希釈した。20mM EDCと10mM s−NHS(AR2G試薬キット、ForteBio、カタログ番号:18−5095)とを蒸留水中で混合することによって活性化緩衝液を製造した。80μlの各試薬を384ウェルのマイクロプレート(Greiner Bio-one、カタログ番号:781209)に置き、プログラムをセットアップした。
その結果、hCTLA−4およびGI101の間の結合親和性が、図16に示されるように、測定された。
実験例2. hPD−L1/GI101と、hPD−L1/PD−1との間の結合親和性の同定
Ni−NTA(ニッケルをチャージしたトリス−NTA、Ni−NTAバイオセンサー、ForteBio、18−5101)を、96ウェルのマイクロプレート(Greiner Bio-one、カタログ番号:655209)において、200μlの1xNi−NTAカイネティック緩衝液(10xカイネティック緩衝液、ForteBio、カタログ番号:18−1042)で予め水和させた。Ni−NTAバイオセンサーと結合させるリガンド(ヒトPD−L1/B7−H1タンパク質、His−タグ、Sino biological、カタログ番号:10084−H08H)を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で5μg/mlの濃度に希釈した。該リガンドと結合させるGI101を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で1,000nM、500nM、250nM、125nM、または62.5nMに希釈した。加えて、該リガンドと結合させるヒトPD−1/PDCD1(ヒトPD−1/PDCD1、Fc Tag、Sino Biological、カタログ番号:10377−H02H)を、1xNi−NTAカイネティック緩衝液で2,000nM、1,000nM、500nM、250nM、または125nMの濃度に希釈した。ついで、80μlの各試薬を384ウェルのマイクロプレートに置き、プログラムをセットアップした。
結果として、hPD−L1とGI101との間の結合親和性が、図17に示されるように、測定された。加えて、hPD−L1とhPD−1との間の結合親和性が、図18に示されるように、測定された。
実験例3. mCTLA−4とmGI101との間の結合親和性の同定
mCTLA−4とmGI101との間の結合親和性を実験例1と同様にして試験した。ここで、使用される用品は次のとおりである:バイオセンサー:AR2G、リガンド:mCTLA−4(組換えマウスCTLA−4 Fcキメラ、R&D Systems、カタログ番号:434−CT−200)、分析物:mGI101(500nM、250nM、125nM、62.5nM、31.3nM)
結果として、mCTLA−4とmGI101との間の結合親和性が、図19に示されるように、測定された。
実験例4. mPD−L1とmGI101との間の結合親和性の同定
mPD−L1とmGI101との間の結合親和性を実験例1と同様にして同定した。ここで、使用の用品は次のとおりである。バイオセンサー:AR2G、リガンド:mPD−L1(組換えマウスB7−H1/PD−L1 Fcキメラ、R&D Systems、カタログ番号:434−CT−200)、分析物:mGI101(500nM、250nM、125nM、62.5nM、31.3nM)
結果として、mPD−L1とmGI101との間の結合親和性が、図20に示されるように、測定された。
実験例5. GI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)のCTLA−4およびPD−L1に対する結合親和性の同定
結合キネティクスの測定は、オクテットRED384装置(ForteBio、Pall Life Science)を用い、30℃および1,000rpmでかき混ぜることでなされた。CTLA−4に対する結合能はアミン反応性第2世代(AR2G)バイオセンサーチップを用いて測定され、PD−L1に対する結合能はニッケルチャージのトリス−NTA(Ni−NTA)バイオセンサーチップを用いて測定された。AR2Gバイオセンサーチップは400mMのEDCを100mMのスルホ−NHSと合わせることで活性化された。次に、ヒトCTLA−4−His Tag(Sino Biological、カタログ番号:11159−H08H)を10mM 酢酸緩衝液(pH5)で5μg/mlに希釈し、AR2Gバイオセンサーチップ上に300秒間ローディングさせて固定した。
次に、CTLA−4の、種々の濃度でのGI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)、GI−101C1(hCD80−Fc)、イピリムマブ(Ipilimumab)(Bristol-Myers Squibb)、およびGI−101C2(Fc−hIL−2v)に対する結合を300秒間測定し、その解離も300秒間測定した。他方で、ヒトPD−L1−His Tag(Sino biological、カタログ番号:10084−H08H)を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で5μg/mlの濃度に希釈し、Ni−NTAバイオセンサーチップ上に600秒間ローディングさせて固定した。次に、PD−L1の、種々の濃度でのGI−101、GI−101C1、hPD−1−Fc(Sino biological、カタログ番号:10377−H02H)、およびGI101C2に対する結合を300秒間測定し、その解離も300秒間測定した。結合キネティクス分析は、Pall Corporationより提供されるオクテットデータアナライシスHTソフトウェア バージョン10を用いてなされた。結果を図21および22において示す。
実験例6. GI−101(hCD80−Fc−hIL−2v)のPD−1/PD−L1結合に対する作用の同定
遮断実験は、オクテットRED384装置(ForteBio、Pall Life Science)を用い、30℃および1,000rpmでかき混ぜて行われた。ヒトPD−L1−His Tag(Sino biological、カタログ番号:10084−H08H)を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で5μg/mlの濃度に希釈し、Ni−NTAバイオセンサーチップ上に600秒間ローディングさせて固定した。遮断実験を進行させるために、バイオセンサーチップに固定したhPD−L1を種々の濃度(300nM、100nM、50nM、25nM、12.5nM、および0nM)のGI−101と600秒間にわたって結合させ、次にさらなるhPD−1がそれとどの程度結合し得るかを測定するために、コンペチタ−のヒトPD−1(100nM)と600秒間にわたって再び結合させた。対照的に、hPD−L1はhPD−1と種々の濃度(300nM、100nM、50nM、25nM、12.5nM、および0nM)で600秒間にわたって結合させ、次にさらなるGI−101がそれとどの程度結合し得るかを測定するために、コンペチタ−のGI−101(100nM)と600秒間にわたって再び結合させた。遮断実験は、Pall Corporationより提供されるオクテットデータアナライシスHTソフトウェア バージョン10のエピトープビニングメニュー(epitope bining menu)を用いて分析された。結果を図23において示す。
実験例7. IL−2RαまたはIL−2RβとGI101との間の結合親和性の同定
IL−2Rαを標的とする結合親和性は、AR2Gバイオセンサーを用いて測定され、IL−2Rβを標的とする結合親和性はNi−NTAバイオセンサー(ニッケルをチャージしたトリス−NTA、Ni−NTAバイオセンサー、ForteBio、18−5101)を用いて測定された。
AR2Gバイオセンサーと結合させるリガンド(IL−2Rα−His Tag、Acro、カタログ番号:ILA−H52H9)を10mM酢酸緩衝液(pH5、AR2G試薬キット、ForteBio、カタログ番号:18−5095)で5μg/mlの濃度に希釈した。該AR2Gバイオセンサーを、400mM EDCと100mM スルホ−NHSとを混合することによって製造された緩衝液で活性化させ、次にその希釈したリガンドをAR2Gバイオセンサー上に300秒間にわたってローディングさせて固定した。
一方で、Ni−NTAバイオセンサーと結合させるリガンド(IL−2Rβ−His Tag、Acro、カタログ番号:CD2−H5221)を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で5μg/mlの濃度に希釈した。その希釈したリガンドをNi−NTAバイオセンサー上に600秒間にわたってローディングさせて固定した。
その後で、種々の濃度でリガンドと結合させるGI101、GI101w、またはプロロイキン(Proleukin)(Novartis、hIL−2)を300秒間にわたってその上にローディングさせた。次にその結合を測定し、その解離も300秒間測定した。結合キネティクス分析は、Pall Corporationより提供されるオクテットデータアナライシスHTソフトウェア バージョン10を用いてなされた。結果を図24〜26において示す。
その結果、GI101wおよびプロロイキンと比較した場合、GI101は、IL−2受容体アルファ鎖、IL−2Rαを標的とする結合親和性は低く、IL−2Rβを標的とする結合親和性は高いことが同定された。
実験例8. 融合タンパク質とリガンドとの間の結合親和性の測定
融合タンパク質とそのリガンドとの間の結合親和性を同定するために、オクテットRED384を用いて結合親和性を測定した。
実験例8.1. IL2アルファ受容体と、GI101−M45、GI101−M61、またはGI101−M72との間の結合親和性の同定
AR2Gバイオセンサー(アミン反応性第2世代、ForteBio、カタログ番号:18−5092)を200μlの蒸留水(DW)を用いて96ウェルマイクロプレート(GreinerBio-one、カタログ番号:655209)において予め水和させた。該バイオセンサーと結合させるリガンド(ヒトIL−2Rアルファタンパク質、His Tag、Acro、ILA−H52H9)を10mM酢酸緩衝液(pH5)(AR2G試薬キット、ForteBio、カタログ番号:18−5095)で5μg/mlの濃度に希釈した。該リガンドと結合させる分析物(GI101−M45、GI101−M61、GI101−M72)を1xAR2Gカイネティック緩衝液(AR2G試薬キット、ForteBio、カタログ番号:18−5095)で、各々、500nM、250nM、125nM、および62.5nMに希釈した。20mM EDCおよび10mM s−NHS(AR2G試薬キット、ForteBio、カタログ番号:18−5095)をDW中で混合することによって活性化緩衝液を製造した。80μlの各試薬を384ウェルのマイクロプレート(Greiner Bio-one、カタログ番号:781209)に配置し、プログラムをセットアップした。
結果として、IL2アルファ受容体とGI101−M45との間の結合親和性を図27にて示す。加えて、IL2アルファ受容体とGI101−M61との間の結合親和性を図28にて示し、IL2アルファ受容体とGI101−M72との間の結合親和性を図29にて示す。
実験例8.2. GI102−M45、GI102−M61、およびGI102−M72のIL−2Rβに対する結合親和性の同定
Ni−NTAバイオセンサーを、200μlの1xNi−NTAカイネティック緩衝液(10xカイネティック緩衝液、ForteBio、18−1042)で96ウェルのマイクロプレートにおいて予め水和させた。該バイオセンサーと結合させるリガンド(ヒトIL−2Rベータタンパク質、His−Tag、Acro、CD2−H5221)を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で2μg/mlの濃度に希釈した。該リガンドと結合させるGI102−M45、GI102−M61、またはGI102−M72を1xNi−NTAカイネティック緩衝液で500nM、250nM、125nM、または62.5nMの濃度に希釈した。80μlの各試薬を384ウェルのマイクロプレートに配置し、プログラムをセットアップした。
結果として、IL−2RβおよびGI102−M45の間の結合親和性を測定し、図30にて示し、IL−2RβおよびGI102−M61の間の結合親和性を測定し、図31にて示す。加えて、IL−2RβおよびGI102−M72の間の結合親和性を測定し、図32にて示す。
III. 融合タンパク質の免疫活性の同定
実験例9. 融合タンパク質によって惹起されるIFN−γ産生の同定
実験例9.1. CFSE標識を付したPBMCの培養
ヒトから単離された末梢血単核細胞(PBMC)を、1μMセルトレース(CellTrace)CFSE色素と37℃で20分間にわたって反応させることにより、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)での標識に付した。細胞と結合していないCFSEは、5倍容量の染色反応溶液を含む培地で5分間反応させ、ついで1,300rpmで5分間遠心分離に付すことによって除去された。CFB標識を付したPBMCを培地(10%FBS、10mM HEPES、100U/mlのペニシリン/ストレプトマイシン、1mMピルビン酸ナトリウム、55μMの2−メルカプトエタノール、1mMの非必須アミノ酸、および2mMのL−グルタミンを含有するRPMI1640培地)に再び懸濁させ、次にウェルに付き1x10個の細胞で96ウェルのプレートに加えた。5μg/mlのPHA(インゲンマメ、アカインゲンマメから由来のラクチン、Sigma-Aldrich、St. Louis、MO、USA、カタログ番号L1668−5MG)、およびGI101、GI101C1、GI101C2、またはIL−2(アルデスロイキン;ヒト組換えIL−2、Novartis)を用いる処理を行い、インキュベーションを5%COのインキュベーター中、37℃で6日間にわたって行った。
ここで、GI101、GI101C1、GI101C2、およびIL−2での処理を1nM、10nM、または100nMの濃度で行った。細胞をFACSで分析し、培地中に含まれるヒトIFN−γをELISAキット(Biolegend、San Diego、CA、USA、カタログ番号430103)を用いて測定した。
実験例9.2. FACS分析
上澄みを除去することによって得られた細胞ペレットをFACS緩衝液(3%FBS、10mM EDTA、1M HEPES、100単位/mLのペニシリン ストレプトマイシン、10μg/ml、1mMピルビン酸ナトリウム)で洗浄し、次にFcブロッカー(Biolegend、カタログ番号422302)と4℃で5分間反応させた。次に、APC抗−CD3Ab(Biolegend、カタログ番号300412)およびPE抗−CD8aAb(Biolegend、カタログ番号300908)での処理を行い、反応を4℃で20分間にわたって進行させた。ついで、得られた反応物をFACS緩衝液で洗浄した。細胞ペレットをFACS緩衝液に再び懸濁させ、次にBD LSR Fortessa(BD Biosciences、San Diego、CA、USA)およびFlowJoソフトウェアを用いて分析した。
実験例9.3. ヒトIFN−γELISA
細胞を培養した、各サンプルの上澄みに分泌されるヒトIFN−γの量を、ヒトIFN−γELISAキット(Biolegend、カタログ番号430103)を用いて測定した。簡単に言えば、抗−ヒト−IFN−γ抗体をELISAプレートに加え、これらの抗体がその上で被覆されるように、反応を4℃で一夜進行させた。次に、1%BSAを添加したPBS溶液を用いて遮断を室温で1時間行った。洗浄緩衝液(PBS中0.05%ツィーン20)での洗浄を行い、次に標準溶液および各サンプルを適切に希釈し、そこに添加した。ついで、室温で2時間にわたって反応を進行させた。
反応の終了した後、該プレートを洗浄し、第2抗体(検出抗体)をそこに加えた。室温で1時間にわたって反応を進行させた。洗浄緩衝液での洗浄を行い、次にアビジン−HRP溶液をそこに加えた。室温で30分間にわたって反応を進行させた。そこに基質溶液を添加し、発色現像反応を暗所にて室温で20分間にわたって誘発させた。最後に、HSOをそこに添加し、発色現像反応を停止させ、450nmでの吸光度をエポック・マイクロプレート・スペクトロフォトメータ(Epoch Microplate Spectrophotometer)(BioTek Instruments, Inc.、Winooski、VT、USA)を用いて測定した。
結果として、GI101で処理した細胞が、GI101C1、GI101C2、またはIL−2で処理した細胞と比べて、IFN−γの分泌において著しい増加を示すことが判明した(図33および34)。
実験例10. GI101のCD8+T細胞の増殖についての効果の同定
ヒトから単離された末梢血単核細胞(PBMC)を、1μMセルトレースCFSE色素と37℃で20分間にわたって反応させることにより、CFSEでの標識に付した。細胞と結合していないCFSEは、5倍容量の染色反応溶液を含む培地で5分間反応させ、ついで1,300rpmで5分間遠心分離に付すことによって除去された。CFB標識を付したPBMCを培地(10%FBS、10mM HEPES、100U/mlのペニシリン/ストレプトマイシン、1mMピルビン酸ナトリウム、55μMの2−メルカプトエタノール、1mMの非必須アミノ酸、および2mMのL−グルタミンを含有するRPMI1640培地)に再び懸濁させ、次にウェルに付き1x10個の細胞で96ウェルのプレートに加えた。
その後で、1μg/mlの抗−CD3ε抗体(Biolegend、カタログ番号L1668−5MG)、およびGI101、GI101C1、GI101C2、またはプロロイキン(Novartis)での処理を行い、5%COのインキュベーター中、37℃で6日間にわたってインキュベーションを行った。ここで、該細胞をGI101、GI101C1、GI101C2、およびIL−2と100nMの濃度で処理した。インキュベートした細胞を、APC−TCRαβおよびPE−CD8α抗体を用いるFACS分析で、CFSEで標識されていないCD8+T細胞の割合を測定することにより、その増殖の程度について試験した。
結果として、GI101は、CD8+T細胞のインビトロにおける増殖を野生型IL−2プロロイキンと同様の程度まで活性化させることが判明した(図35および36)。
実験例11. GI101およびGI102のCD8+T細胞の増殖についての効果の同定
ヒトPBMCをAllcells(ロット番号3014928、USA)より購入した。1MのセルトレースのCFSE色素を用い、それをヒトPBMCと光遮断条件下にて室温で20分間反応させた。1MセルトレースのCFSE色素と37℃で20分間反応させることにより該細胞をCFSEでの標識に付した。細胞と結合していないCFSEは、5倍容量の染色反応溶液を含む培地で5分間反応させ、ついで1,300rpmで5分間遠心分離に付すことによって除去された。CFB標識を付したPBMCを培地(10%FBS、10mM HEPES、100U/mlのペニシリン/ストレプトマイシン、1mMピルビン酸ナトリウム、55μMの2−メルカプトエタノール、1mMの非必須アミノ酸、および2mMのL−グルタミンを含有するRPMI1640培地)に再び懸濁させ、次にウェルに付き1x10個の細胞で96ウェルのプレートに加えた。
その後で、CFB標識を付したPBMCを、1μg/mlの抗−CD3ε抗体(OKT3、eBioscience、USA)で、およびGI101、GI101C1、GI101C2、またはプロロイキン(Novartis)で処理し、5%COのインキュベーター中、37℃で7日間にわたってインキュベーションを行った。ここで、該細胞をGI101、GI101C1、GI101C2、およびIL−2と10μMの濃度での処理に供された。
インキュベートした細胞を、抗−ヒトCD4−PE抗体(BioLegend、USA)、抗−ヒトCD8−PE/Cy7抗体(BioLegend、USA)、および抗−ヒトFoxP3−APC抗体(BioLegend、USA)を用いるFACS分析で、CFSEで標識されていないCD8+T細胞の割合を測定することにより、その増殖の程度について試験した。
結果として、GI101、GI102_M61、GI101C2、およびプロロイキンの処理群は、対照群(刺激なし)、抗−CD3抗体単独の処理群、およびGI101C1の処理群と比べて、CD8+T細胞の割合において有意な増加を示した。加えて、負対照群(刺激なし)および抗−CD3単独の処理群と比べて、GI101、GI101C2、およびプロロイキンの処理群はCD4+/FoxP3+Treg細胞の増殖にて有意な増加を示すのに対して、GI102およびGI101C1の処理群はCD4+/FoxP3+Treg細胞の増殖にて有意な増加を示さなかった(図37)。
実験例12. GI101またはGI101wのCD8+T細胞およびNK細胞の増殖についての効果の同定
Orient Bio(Busan、Korea)より購入した7週齢のC57BL/6マウスを、一群に付き3匹のマウスを有する3群に分け、それらにPBS、GI101、またはGI101wを腹腔内に注射した。ここで、GI101およびGI101wは、各々、200μlのPBS中に40.5μgを含むように製造され、それらの腹腔内に注射された。注射して5日経過した後、各群のマウスから脾臓を摘出した。そこから細胞を単離し、血球計数器を用いて細胞の全数を測定した。脾細胞を、APC−CD3ε抗体(Biolegend;145−2C11)、PE−NK1.1抗体(Biolegend;PK136)、およびパシフィック・ブルー(Pacific blue)−CD8α抗体(BD;53−6.7)を用いるFACSで、その中のCD8+T細胞とNK細胞の割合について試験した。それで、脾臓にあるCD8+T細胞およびNK細胞の数を算定した。
結果として、GI101は、GI101wと比べて、CD8+T細胞およびNK細胞のインビボでの増殖を活性化することが同定された(図38および39)。
実験例13. GI101の、T細胞の機能に関する効果の同定
実験は、CTLA−4遮断バイオアッセイキット(Promega、カタログ番号JA4005)を用いて行われた。該実験は、簡単には、次のように記載される。液体窒素中に保持されたCTLA−4エフェクター細胞を37℃の恒温水浴にて3分間にわたって解凍し、0.8mlのCTLA−4エフェクター細胞を3.2mlの予め加温に供したアッセイ緩衝液(90%RPMI+10%FBS)とよく混合した。次に、該混合物を96ウェルの白色の細胞培養プレート(SPL、カタログ番号30196)にウェル当たり25μlで添加した。次に、25μlのGI101を種々の濃度でそれに添加した。負の対照として、25μlのアッセイ緩衝液をそこに添加した。次に、該白色プレートの細胞培養プレート(white plat cell culture plate)にカバーをかけ、aAPC/Raji細胞が製造されるまで、室温に置いた。
液体窒素中に保持されたaAPC/Raji細胞を37℃の恒温水浴にて3分間にわたって解凍し、0.8mlのaAPC/Raji細胞を3.2mlの予め加温に供したアッセイ緩衝液とよく混合した。次に、ウェル当たり25μlの該混合物を該プレートに添加し、5%COのインキュベーター中、37℃で16時間にわたって反応を進行させた。反応の終了した後、得られた反応物を室温で15分間にわたって放置し、次に気泡の発生を回避することに注意しながらBio−Glo試薬をそこに添加した。一番外側の3つのウェルにもBio−Glo試薬を添加し、該ウェルをブランクとして用い、バックグラウンドシグナルを修正した。室温で10分間にわたって反応を進行させ、次にサイテーション(Cytation)(登録商標)3(BioTek Instruments, Inc.、Winooski、VT、USA)で発光を測定した。最終のデータ分析はRLU(GI101−バックグラウンド)/RLU(未処理−バックグラウンド)を算定することによりなされた。
結果として、CTLA−4と結合したGI101はエフェクターT細胞上で発現され、T細胞の機能を阻害するよりもむしろそれを活性化することが判明した(図40および41)。
実験例14. mGI101およびmGI102の免疫細胞を標的とする効果の同定
Orient Bio(Korea)より購入した7週齢のC57BL/6マウスを、一群に付き3匹のマウスを有する3群に分け、それらにPBSを、3mg/kg、6mg/kg、または12mg/kgのGI101を、あるいは3mg/kg、6mg/kg、または12mg/kgのmGI102(mGI102−M61)を静脈内に投与した。注射後の1、3、5、7、および14日目に、各群のマウスから脾臓を摘出した。その後で、脾臓組織について、エフェクターCD8+T細胞、NK細胞、およびTreg細胞の数を個々の抗体を用いるFACS分析で算定し、エフェクターCD8+T細胞およびNK細胞のTreg細胞に対する割合を個々に算定した。各細胞アッセイにおいて使用された抗体の情報は次のとおりである:
エフェクターCD8+T細胞:PB抗−マウスCD3ε抗体(Biolegend、#155612;KT3.1.1)、FITC抗−マウスCD8α抗体(BD、#553031、53−6.7)、PE/Cy7抗−マウスCD44抗体(Biolegend、#103030;IM7)、APC抗−マウスCD122抗体(Biolegend、#123214;TM−β1)
NK細胞:PB抗−マウスCD3ε抗体(Biolegend、#155612;KT3.1.1)、PE抗−マウスNK−1.1(Biolegend、#108708;PK136)
Treg細胞:FITC抗−マウスCD3抗体(Biolegend、#100204;17A2)、PB抗−マウスCD4抗体(Biolegend、#100531;RM4−5)、PE抗−マウスCD25抗体(Biolegend、#102008;PC61)、APC抗−マウスFoxp3抗体(Invitrogen、#FJK−16s、17−5773−82)
結果として、mGI101またはmGI102(mGI102−M61)を投与された群は、PBSの投与群と比べて、投与から3日目ないし14日目の時点で、CD8+T細胞およびNK細胞の数において有意な増加を示した。加えて、mGI102を投与された群は、PBSの投与群と比べて、投与から3日目ないし14日目の時点で、活性化CD8+T細胞/Treg細胞、およびNK細胞/Treg細胞の割合において有意な増加を示すことが判明した(図42)。
IV. 融合タンパク質の抗がん効果の同定
実験例15. GI101の、PD−L1を過剰発現するがん細胞に対する効果の同定
PD−L1を過剰発現するNCl−H292がん細胞株を、10μg/mlのミトマイシン(Mitomycin)C(Sigma)を含有する培地中で3時間にわたって培養し、次にミトマイシンCを該培地で洗浄することで除去した。その後で、ミトマイシンC処理のNCl−H292がん細胞の5x10個の細胞を96ウェルプレートにて1x10個のヒトPBMCの細胞と一緒にインキュベートした。ここで、5μg/mlのPHA(Sigma)での処理をT細胞の活性のために行った。加えて、GI101C1およびGI101を50nMの濃度でIgG1−Fc(Biolegend)またはアバタセプト(abatacept)(=オレンシア(Orencia);Bristol-Myers Squibb)と50nMの濃度で4℃にて30分間反応させ、ついで得られた反応物を用いてNCl−H292がん細胞を処理した。3日後、細胞培養物の上澄みを集め、IFN−γの数をELISAキット(Biolegend)を用いて定量した。
ミトマイシンC処理のNCl−H292がん細胞株の不在下で、PHAで刺激したヒトPBMCを正の対照として用い、ミトマイシンC処理のNCl−H292がん細胞株の存在下で、PHAで刺激したヒトPBMCを負の対照として用いた。IFN−γ ELISAキットを用いる実験方法を実験例9.3における操作と同様の操作にて実施した。
結果として、GI101は、PD−L1を過剰発現するがん細胞株によって阻害された免疫応答を効率的に活性化した。加えて、GI101はエフェクターT細胞上で発現されるCTLA−4のシグナル伝達を阻害することも見いだされた(図43および44)。
実験例16. GI101のマウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
5x10個の細胞/0.05mlのマウス由来のCT−26がん細胞株を、0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(Matrigel matrix phenol red-free)(BD)と混合し、該混合物(0.1ml)の移植は6週齢の雌BALB/cマウス(Orient Bio)の右背部に皮下投与されることでなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約80mm〜120mmに達した対象を分離した。次に、対象に、GI101(0.1ml)を静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行い、負の対照群にはPBSを投与した。腫瘍の大きさを毎日測定し、抗がん効果を同定した。
その結果、GI101で処理したCT−26がん細胞株移植のマウスが、負の対照群と比べて、腫瘍の大きさにて著しい減少を示すことが観察された(図45および46)。
実験例17. mGI101の、マウス由来のメラノーマ移植したマウスにおける抗がん作用の同定
Orient Bioより購入したC57BL/6マウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、B16F10がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を、0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約50mm〜120mmに達した対象を選択し、選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分した。
その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、hIgG4を4mg/kgの用量で負の対照群に投与し、抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で正の対照群に投与した。実験群には、mGI101を1mg/kgまたは4mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。さらには、mGI101を4mg/kgの用量で、抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で受容している群も実験群として設定した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。
結果として、すべての群で腫瘍の最初の体積は90mmであり、各群の標準偏差(S.E.)は5mm〜6mmであった。負の対照群において、腫瘍の体積の変化が実験期間の間に観察され、その間に腫瘍の体積は投与から15日経過するまでに90mmから1,434mmまで増大した。
mGI101を1mg/kgの用量で受容した群において、腫瘍の体積は、負の対照群と同じ期間である、実験期間の間に90mmから885mmまで増加するのが観察され、腫瘍増殖の統計学的に有意な阻害が測定したいくつかの時点で観察された(11日目でp−値:0.5、7日目でp−値<0.01、3日目でp−値<0.001)。mGI101を4mg/kgの用量で受容した群において、腫瘍の体積は、負の対照群と同じ期間である、実験期間の間に90mmから748mmまで増加するのが観察され、腫瘍増殖の統計学的に有意な阻害が測定したいくつかの時点で観察された(9日目でp−値:0.5、7日および11日目でp−値<0.01)。
加えて、腫瘍増殖阻害率は、mIgGを4mg/kgで受容している群を標準として用い、この群を他の各々の群と比較することにより分析された。mGI101を1mg/kgの用量で受容した群において、36.5%の増殖阻害率が負の対照群と比較した場合に観察され、統計的に有意な差(p−値:0.5)は観察されなかった。mGI101を4mg/kgの用量で受容した群において、負の対照群と比べて統計学的に有意な腫瘍増殖阻害率(p−値:0.5)が観察された。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて2回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。
この測定を通して、B16F10についての腫瘍増殖阻害効能試験において、メラノーマをC57BL/6マウスに同種間移植に付し、mGI101が用量依存的に腫瘍増殖の阻害において効果のあることが判明した(図47および48)。
実験例18. mGI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
Orient Bioより購入したBALB/cマウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、CT−26がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約28mmに到達した対象を選択し、次に選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、hIgG4を6mg/kgの用量で負の対照群に投与した。実験群には、mGI101を3mg/kg、6mg/kg、または12mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。
結果として、mGI101を6mg/kgまたは12mg/kg mGI101の用量で受容した実験群は、負の対照群と比較して、試験の測定したいくつかの時点および最終点で有意な腫瘍増殖の阻害を示すことが判明した(図49)。加えて、生存率を測定した結果として、mGI101を6mg/kgの用量で受容した実験群は、負の対照群と比較して、試験の測定したいくつかの時点および最終点で有意な改善を示すことが判明した(図50)。
実験例19. GI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
実験例19.1. 腫瘍阻害作用の同定
Orient Bioより購入したBALB/cマウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、CT−26がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を0.1mlのPBSに懸濁させ、該懸濁液の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約50mmないし200mmに到達した対象を選択し、次に選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、負の対照群には薬物を投与せず、正の対照群には抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、または抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、および抗−CTLA−4抗体を5mg/kgの用量で静脈内に投与した。実験群には、GI101を0.1mg/kgまたは1mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。
結果として、CT−26がん細胞株を移植したマウスにおいて、抗−PD−1抗体、抗−PD−1抗体および抗−CTLA−4抗体、あるいはGI101を0.1mg/kgまたは1mg/kgの用量で受容した群は、すべて、負の対照と比較して、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。特に、GI101を0.1mg/kgの用量で受容した実験群は、抗−PD−1抗体処理群と比べて、有意な腫瘍阻害作用を示した(* p<0.05)(図51)。
実験例19.2. がん組織における免疫細胞分析
実験例19.1における各群のマウスにて、腫瘍の体積が平均200mmに達したならば、それらのマウスを殺し、がん組織を集めた。その後で、該がん組織を単一細胞レベルに分離し、その中の免疫細胞を分析し、次に以下の抗体を用いてがん組織における免疫細胞についてFACS分析を行った:抗−マウス−CD3(Biolegend、カタログ番号100320)、抗−マウス−CD4(Biolegend、カタログ番号100526)、抗−マウス−CD8(Biolegend、カタログ番号100750)、抗−マウス−FoxP3(eBioscience、カタログ番号12−5773−82)、抗−マウス−CD25(Biolegend、カタログ番号102049)、抗−マウス−CD44(eBioscience、カタログ番号61−0441−82)、抗−マウス−PD−1(Biolegend、カタログ番号135218)、抗−マウス−IFN−ガンマ(Biolegend、カタログ番号505832)、抗−マウス−CD49b(Biolegend、カタログ番号108906)、抗−マウス−H2(Invitrogen、カタログ番号A15443)、抗−マウス−CD11c(Biolegend、カタログ番号117343)、抗−マウス−CD80(eBioscience、カタログ番号47−4801−82)、抗−マウス−CD86(Biolegend、カタログ番号104729)、抗−マウス−F4/80(eBioscience、カタログ番号47−4801−82)、および抗−マウス−CD206(eBioscience、カタログ番号17−2061−80)。
結果として、GI101を0.1mg/kgの用量で受容した実験群は、抗−PD−1抗体を単独で5mg/kgの用量にて受容した正の対照群と比べて、CD8+T細胞の有意な増加を示した(* p<0.05、図52および53)。さらには、GI101を受容した実験群はすべて、負の対照群と比較して、T細胞においてIFN−γの有意に増加した発現レベルを示した(* p<0.05、図52および53)。加えて、GI101を0.1mg/kgの用量で受容した実験群は、負の対照群と、および抗−PD−1抗体を単独で受容した正の対照群と比べて、M1マクロファージの増加を示した(図54および55)。加えて、GI101を受容したすべての実験群は、CD86の発現がマクロファージおよび樹状細胞において高レベルにあることを示した(* p<0.05、図54ないし57)。
実験例20. GI101の、マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
実験例20.1. 腫瘍阻害作用の同定
Orient Bioより購入したC57BL/6マウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、LLC2がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を0.1ml PBSに懸濁させ、該懸濁液の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約50mmないし200mmに到達した対象を選択し、次に選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、負の対照群には薬物を投与せず、正の対照群には抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、または抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、および抗−CTLA−4抗体を5mg/kgの用量で静脈内に投与した。実験群には、GI101を0.1mg/kgまたは1mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。
結果として、全ての実験群は、負の対照群と比べて、有意な腫瘍阻害作用を示した(* p<0.05)(図58)。
実験例20.2. がん組織における免疫細胞分析
実験例20.1における各群のマウスは、腫瘍の体積が平均で200mmに達した時に殺され、がん組織を集めた。その後で、実験例19.2と同じ方法にてFACS分析を行い、がん組織中の免疫細胞を分析した。
結果として、GI101を0.1mg/kgの用量で受容した実験群は、抗−PD−1抗体を単独で受容した正の対照群と比べて、CD8+T細胞における有意な増加を示した(* p<0.05、図59)。さらには、GI101を受容した実験群はすべて、負の対照群と比較して、IFN−γの有意に増加した発現レベルを示した(* p<0.05、図59)。加えて、GI101を受容したすべての実験群は、CD86の発現がマクロファージおよび樹状細胞において高レベルにあることを示した(* p<0.05、図59ないし61)。
実験例21. mGI102−M61の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
Orient Bioより購入したBALB/cマウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、CT−26がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を、0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約28mmに到達した対象を選択し、次に該選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、hIgG4を6mg/kgの用量で負の対照群に投与した。実験群には、mGI102−M61を3mg/kg、6mg/kg、または12mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。
結果として、mGI102−M61を12mg/kgの用量で受容した実験群は、負の対照群と比較して、試験の測定したいくつかの時点および最終点で有意な腫瘍増殖の阻害を示すことが判明した(図62)。加えて、生存率を測定した結果として、mGI102−M61を12mg/kgの用量で受容した実験群は、負の対照群と比較して、試験の測定したいくつかの時点および最終点で有意な改善を示すことが同定された(図63)。
実験例22. mGI101の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
Orient Bioより購入したBALB/cマウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、CT−26がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を、0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約200mm〜250mmに到達した対象を選択し、ついで選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。
その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、hIgG4を4mg/kgの用量で負の対照群に投与した。実験群には、mGI101を1mg/kg、4mg/kg、または6mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。さらには、mCD80を4.9mg/kgで、またはFc−IL−2v(GI101C2)を2.8mg/kgで受容した群を対照群として設定した。加えて、mCD80を4.9mg/kgで、そしてFc−IL−2v(GI101C2)を2.8mg/kgで同時に受容した群を対照群として設定した。
腫瘍体積を測定するにおいて、mGI101を6mg/kgの用量で受容した群は、負の対照群と比較して、試験の測定したいくつかの時点および最終点で有意な阻害を示すことが同定された。mCD80およびFc−IL−2v(GI101C2)の組み合わせを受容した群と比べて、極めて高い腫瘍増殖阻害率が観察された(図64および65)。
結論として、CT−26、BALB/cマウス由来の大腸がん細胞株を同種間移植したBALB/cマウスでの腫瘍増殖阻害能試験において、試験物質のmGI101が、mCD80およびIL−2vの単一製剤と比べて、この試験条件下で腫瘍阻害効能のあることが証明され;mGI101が、mCD80およびIL−2vの組み合わせを受容した群と比較して、極めて高い抗がん効能を示すことが同定された(図64および65)。特に、mGI101を6mg/kgの用量で受容した群は、負の対照群およびCD80とFc−IL2vの組み合わせ(GI101C2)を受容した群と比べて、腫瘍の大きさについて有意な阻害を示した。
V. 融合タンパク質の毒性評価
実験例23. サルを用いてのGI101の毒性評価
実験例23.1. サルの飼育および薬物投与
この実験において、2ないし3歳の9匹の雄フィリピンザル(Philippine monkeys)(カニクイザル(Cynomolgus monkeys))を用いた。該実験は、日本における「動物の愛護および管理に関する法律(Act on Welfare and Management of Animals)」およびIna Research Incの「動物の管理と使用に関する指針(Guidance for Animal Care and Use)」に従って実施された。該実験プロトコルは、Ina Research IncのIACUC(Institutional Animal Care and Use Committee)によってチェックされ、AAALACインターナショナルによって認証された(認証ユニット第001107号)。
実験は薬物投与の1日前から薬物投与の15日後まで行われた。各サルはケージの周囲を回るのが観察され、ついでに便の状態もチェックした。薬物投与の1日前に、薬物投与の1日、8日および15日後に、デジタル式体重計(LDS−150H、Shimadzu Corporation)を用いて体重を測定した。加えて、残した食べ物の量を薬物投与の1日前からサルを殺すまで測定した。
ここで、使い捨てシリンジ(24G)を薬物GI101で満たし、静脈内経路を介して合計2回投与を行い、各投与は0.17ml/秒の速度でなされた。GI101を1週間の間隔で、5mg/kg/日または10mg/kg/日の用量で2回投与された。対照群にはPBS(pH7.4)を同じ方法で投与した。
実験例23.2. 臨床観察、体重および食物摂取の変化の同定
臨床観察、および体重および食物摂取の変化の測定は、薬物投与の1日前に、薬物投与の1日、8日および15日後に行われた。結果として、毒性はGI101によって生じなかった(図66ないし69)。
実験例23.3. 血液分析
薬物を投与する1日前に、そして薬物を投与した後の1日、8日および15日目に、実験例23.1のサルから採血を行った。ここで、血液は使い捨てシリンジ(22G)を用いて大腿静脈を通して集められた。採取血液を自動血球計数システム(Automated Hematology System)XN−2000(Sysmex Corporation)および自動血液凝固分析装置(Automated Blood Coagulation Analyzer)CA−510(Sysmex Corporation) を用いて以下の表2に列挙される項目について血液分析に供した。
表2
Figure 2021511081
結果として、GI101を5mg/kg/日または10mg/kg/日の用量で受容した群は、15日目に、網状白血球、白血球およびリンパ球の数の増加を示した(図70ないし72)。
実験例23.4. 臨床および化学分析
薬物を投与する1日前に、そして薬物を投与した後の1日、8日および15日目に、実験例23.1のサルから採血を行った。ここで、血液は実験例23.3における方法と同じ方法で集められた。採取血液を臨床分析装置モデル7180(Hitachi High-Technologies Corporation)を用いて以下の表3に列挙される項目について臨床および化学分析に供した。
表3
Figure 2021511081
結果として、GI101により惹起される毒性は臨床および化学分析にて検出されなかった(図73ないし79)。
実験例23.5. サイトカイン分析
薬物を投与する1日前に、そして薬物を投与した後の1日、8日および15日目に、実験例23.1のサルから採血を行った。ここで、血液は実験例23.3における方法と同じ方法で集められた。バイオ−プレックス(Bio-Plex)200(Bio-Rad Laboratories, Inc.)装置およびヒト以外の霊長類サイトカイン磁性ビーズパネル(Non-Human Primate Cytokine Magnetic Bead Panel)(EMD Millipore)アッセイキット(Assay Kit)を用い、採取血液をTNF−α、IFN−γ、IL−1β、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、およびIL−12について分析した。結果として、GI101によって惹起される毒性はサイトカイン分析に関して検出されなかった(図80および81)。
実験例23.6. 免疫細胞分析
薬物を投与する1日前に、そして薬物を投与した後の1日、8日および15日目に、実験例23.1のサルから採血を行った。ここで、血液は実験例23.3における方法と同じ方法で集められた。フローサイトメーター(LSRFortessa X−20、Becton、Dickinson and Company)を用い、採取血液を以下の項目について分析した:
1)Ki67+CD4:CD45+/CD3+/CD4+/Ki67+
2)Ki67+CD8:CD45+/CD3+/CD8+/Ki67+
3)Ki67+Treg:CD45+/CD3+/FoxP3+/Ki67+
4)Ki67+ICOS+Treg:CD45+/CD3+/FoxP3+/Ki67+/CD278+
5)ICOS+Treg:CD45+/CD3+/FoxP3+/CD278+
6)Ki67+NK細胞:CD45+/CD16+およびCD56+/Ki67+
結果として、免疫細胞分析において、GI101を受容したすべての群は、15日目に、T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、制御性T細胞、NK細胞およびKi67+T細胞、Ki67+CD4+T細胞、Ki67+CD8+T細胞、Ki67+制御性T細胞、Ki67+ICOS+制御性T細胞、Ki67+NK細胞、ICOS+制御性T細胞の数の増加を示した。
具体的には、リンパ球中で、T細胞、CD4+T細胞、制御性T細胞の割合は増加し、NK細胞の割合は減少したが、CD8+T細胞の割合は変化しなかった。制御性T細胞の割合は3日目で増加し、8日および15日目で減少した。それでも、その割合は対照群よりもまだ高かった。
加えて、個々の免疫細胞中の、Ki67+である免疫細胞の割合について、Ki67+T細胞、Ki67+CD4+T細胞、Ki67+CD8+T細胞、Ki67+制御性T細胞、Ki67+ICOS+制御性T細胞、Ki67+NK細胞、およびICOS+制御性T細胞の割合が増加した。
さらには、Ki67+T細胞、Ki67+CD8+T細胞、およびKi67+NK細胞の割合は、3日、8日、および15日目に増加し;Ki67+CD4+T細胞、およびKi67+制御性T細胞の割合は、3日および8日目に増加し;ならびにKi67+ICOS+制御性T細胞、およびICOS+制御性T細胞の割合は、8日目だけが増加した(図82ないし87)。
実験例23.7. 病理学的分析
16日目に、実験例23.1にあるサルを殺し、すべての器官および組織を10%ホルマリンを用いて固定した。しかしながら、睾丸はホルマリン−シュークロース−酢酸(FSA)溶液を用いて固定し、眼および視神経はリン酸緩衝液中の1%ホルムアルデヒド−2.5%グルタルアルデヒドを用いて固定した。以下の表4にて列挙される項目にある器官および組織に対してはヘマトキシリン−エオシン染色を行い、観察を光学顕微鏡の下で行った。
表4
Figure 2021511081
Figure 2021511081
Figure 2021511081
結果として、GI101を5mg/kg/日または10mg/kg/日の用量で用いて処理した群は脾臓の重量の増加を示した(図88)。他の組織では有意な変化は観察されなかった。結論として、GI101を受容した群では、何らかの変化は観察されたが、毒性は観察されなかった。
VI. GI102の抗がん作用の同定
実験例24. GI102−M45の抗がん作用の同定
実験例24.1. GI102−M45の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
マウス由来のCT−26がん細胞株(0.05ml)中の5x10個の細胞を0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の移植は6週齢の雌BALB/cマウス(Orient Bio)の右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約80mmないし120mmに到達した対象を分離した。次に該対象に0.1mlのGI102−M45を静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行い、負の対照にはPBSを投与した。腫瘍の大きさを毎日測定し、抗がん作用を同定した。GI102−M45の活性を実験例16にあるのと同じ方法で同定した。
実験例24.2. GI102−M45の、マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用を同定
Orient Bioより購入したC57BL/6マウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、LLC2がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を0.1ml PBSに懸濁させ、該懸濁液の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約50mmないし200mmに到達した対象を選択し、次にその選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、負の対照群には薬物を投与せず、正の対照群には抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、または抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、および抗−CTLA−4抗体を5mg/kgの用量で静脈内に投与した。実験群には、GI102−M45を0.1mg/kgまたは1mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。GI102−M45の活性を実験例20.1と同じ方法にて同定した。
実験例25. GI102−M61の抗がん作用の同定
実験例25.1. GI102−M61の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
マウス由来のCT−26がん細胞株(0.05ml)中の5x10個の細胞を、0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の移植は6週齢の雌BALB/cマウス(Orient Bio)の右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約80mmないし120mmに到達した対象を分離した。次に、該対象に0.1mlのGI102−M61を静脈内に投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行い、負の対照にPBSを投与した。腫瘍の大きさを毎日測定し、抗がん作用を同定した。GI102−M61の活性を実験例16と同じ方法にて同定した。
実験例25.2. GI102−M61の、マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
Orient Bioより購入したC57BL/6マウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、LLC2がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を0.1ml PBSに懸濁させ、該懸濁液の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約50mmないし200mmに到達した対象を選択し、次にその選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、負の対照群には薬物を投与せず、正の対照群には抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、または抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、および抗−CTLA−4抗体を5mg/kgの用量で静脈内に投与した。実験群には、GI102−M61を0.1mg/kgまたは1mg/kgでそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。GI102−M61の活性を実験例20.1と同じ方法にて同定した。
実験例26. GI102−M72の抗がん作用の同定
実験例26.1. GI102−M72の、マウス由来の大腸がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
マウス由来のCT−26がん細胞株(0.05ml)中の5x10個の細胞を0.05mlのマトリゲルマトリックスフェノールレッドフリー(BD)と混合し、該混合物の移植は6週齢の雌BALB/cマウス(Orient Bio)の右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約80mmないし120mmに到達した対象を分離した。ついで、該対象に0.1mlのGI102−M72を静脈内に投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行い、負の対照にPBSを投与した。腫瘍の大きさを毎日測定し、抗がん作用を同定した。GI102−M72の活性を実験例16と同じ方法にて同定した。
実験例26.2. GI102−M72の、マウス由来の肺がん細胞を移植したマウスにおける抗がん作用の同定
Orient Bioより購入したC57BL/6マウス(雌、7週齢)を7日間の順化期間に供した。次に、LLC2がん細胞株(ATCC、USA)の5x10個の細胞を0.1ml PBSに懸濁させ、該懸濁液の同種間移植はマウスの右背部に0.1mlを皮下投与することによってなされた。がん細胞を移植して特定期間経過した後に、腫瘍体積を測定し、約50mmないし200mmに到達した対象を選択し、次にその選択したマウスを腫瘍の大きさおよび体重に基づいて均等に、各群が10匹のマウスを有するようにグループ分けした。その後で、使い捨てシリンジ(31G、1mL)を用い、負の対照群には薬物を投与せず、正の対照群には抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、または抗−PD−1抗体を5mg/kgの用量で、および抗−CTLA−4抗体を5mg/kgの用量で静脈内に投与した。実験群には、GI102−M72を0.1mg/kgまたは1mg/kgの用量でそれらに静脈内投与した。最初の投与から3日毎に1回の割合で合計にて3回の投与を行った。腫瘍の大きさを毎日測定した。GI102−M72の活性を実験例20.1と同じ方法にて同定した。

Claims (33)

  1. IL−2タンパク質およびCD80タンパク質を含む、融合タンパク質。
  2. IL−2タンパク質およびCD80タンパク質が相互にリンカーを介して結合する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. IL−2タンパク質が配列番号:10のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  4. IL−2タンパク質がIL−2変種である、請求項1に記載の融合タンパク質。
  5. IL−2変種が、配列番号:10のアミノ酸配列において38番、42番、45番、61番および72番目のアミノ酸より選択される少なくとも1つの置換によって得られる、請求項4に記載の融合タンパク質。
  6. IL−2変種が、配列番号:10のアミノ酸配列においてR38A、F42A、Y45A、E61R、およびL72Gからなる群より選択される少なくとも1つの置換によって得られる、請求項4に記載の融合タンパク質。
  7. IL−2変種が、配列番号:10のアミノ酸配列において次の置換の組み合わせ:
    (a)R38A/F42A
    (b)R38A/F42A/Y45A
    (c)R38A/F42A/E61R
    (d)R38A/F42A/L72G
    より選択される、いずれか1つを含有する、請求項4に記載の融合タンパク質。
  8. IL−2変種が、配列番号:6、22、23、または24のアミノ酸配列を有する、請求項4に記載の融合タンパク質。
  9. CD80タンパク質が配列番号:11のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  10. CD80タンパク質がCD80フラグメントである、請求項1に記載の融合タンパク質。
  11. CD80フラグメントが、配列番号:11のアミノ酸配列において35番目のアミノ酸〜242番目のアミノ酸からなる、請求項10に記載の融合タンパク質。
  12. リンカーが、アルブミンまたは免疫グロブリンのFcドメインである、請求項2に記載の融合タンパク質。
  13. Fcドメインが野生型または変種である、請求項12に記載の融合タンパク質。
  14. Fcドメインが配列番号:4のアミノ酸配列を有する、請求項12に記載の融合タンパク質。
  15. Fcドメインの変種が配列番号:12のアミノ酸配列を有する、請求項13に記載の融合タンパク質。
  16. 次の構造式(I)または(II):
    Figure 2021511081
    [構造式(I)および(II)中:
    N’が融合タンパク質のN−末端であり、
    C’が融合タンパク質のC−末端であり、
    XがCD80タンパク質であり、
    YがIL−2タンパク質であり、
    リンカー(1)および(2)がペプチドリンカーであり、および
    nおよびmが、各々独立して、0または1である]
    で示される融合タンパク質からなる、請求項1に記載の融合タンパク質。
  17. リンカー(1)が配列番号:3のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーである、請求項16に記載の融合タンパク質。
  18. リンカー(2)が配列番号:5のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーである、請求項16に記載の融合タンパク質。
  19. 融合タンパク質が構造式(I)からなる、請求項16に記載の融合タンパク質。
  20. 融合タンパク質が、配列番号:9、26、28、または30のアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の2つの融合タンパク質が相互に結合している、融合タンパク質二量体。
  22. 融合タンパク質二量体がホモ二量体である、請求項21に記載の融合タンパク質二量体。
  23. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
  24. ポリヌクレオチドが、配列番号:8、25、27または29のヌクレオチド配列と85%以上の配列同一性を有する、請求項23に記載のポリヌクレオチド。
  25. 請求項23に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  26. 請求項25に記載のベクターが導入されている形質転換細胞。
  27. 活性成分として:
    請求項1〜20のいずれか一項に記載の融合タンパク質;または
    請求項21または22に記載の融合タンパク質二量体
    を含む、がんまたは感染症を予防または治療するための医薬組成物。
  28. 医薬的に許容される担体をさらに含む、請求項27に記載の医薬組成物。
  29. がんが、胃がん、肝臓がん、肺がん、大腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮頸がん、甲状腺がん、咽頭がん、急性骨髄性白血病、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽腫、頭頚部がん、唾液腺がん、およびリンパ腫からなる群より選択されるいずれかである、請求項27に記載の医薬組成物。
  30. 感染症が、B型肝炎、C型肝炎、ヒト・パピローマウイルス感染、サイトメガロウイルス感染、ウイルス性呼吸器疾患、およびインフルエンザからなる群より選択されるいずれかである、請求項27に記載の医薬組成物。
  31. がんまたは感染症を治療するための、請求項1に記載の融合タンパク質の使用。
  32. がんまたは感染症を治療するための医薬の製造のための、請求項1に記載の融合タンパク質の使用。
  33. がんまたは感染症を治療するための方法であって、
    対象に、請求項1〜20のいずれか一項に記載の融合タンパク質を、または請求項21もしくは22に記載の融合タンパク質二量体を投与することを含む、方法。
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