JP2023531876A - 抗lag-3抗体とil-2とを含む融合タンパク質及びその使用 - Google Patents

抗lag-3抗体とil-2とを含む融合タンパク質及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗LAG-3抗体とIL-2又はそのバリアントとを含む融合タンパク質に関する。本発明による融合タンパク質では、抗LAG-3抗体部分はLAG-3に結合することができ、これによってLAG-3とMHCIIとの結合が制御される。さらに、IL-2タンパク質又はそのバリアントは、T細胞の活性を制御することができる。したがって、前記融合タンパク質を含む医薬組成物は、インビボにおいて免疫活性を高め、抗がん剤として効果的に使用されうるものであり、よって、産業的適用性が高いものである。【選択図】 図10

Description

本発明は、抗LAG-3抗体とIL-2とを含む融合タンパク質、及びその使用に関する。詳細には、本発明は、がんを治療又は予防する有効性を有する新規の融合タンパク質に関する。
がん免疫療法は、身体の免疫応答を使用してがんを治療する方法である。がん免疫療法は、免疫系を、がん細胞の表面タンパク質等の抗原を標的化することによってがん細胞を攻撃するように誘導することができる。特に、抗がん免疫は、免疫チェックポイント経路を遮断することによって活性化されうることが報告されている。免疫チェックポイントは、腫瘍細胞が免疫回避を起こす主要な機序の1つである。したがって、免疫チェックポイントを阻害又は遮断することによってT細胞の活性化を高めることができ、よって抗腫瘍免疫を増強させることができる。
一方、IL-2は主に、活性化されたT細胞、特にCD4+ヘルパーT細胞によって合成される。IL-2は、T細胞の増殖及び分化を刺激し、細胞傷害性T細胞(CTL)の産生並びに末梢血リンパ球の細胞傷害性細胞及びリンホカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)への分化を誘導する。
しかしながら、IL-2は、免疫細胞の数及び活性の上昇の媒介に重要であるだけでなく、免疫寛容の維持にも重要であるという、免疫応答における二面的な機能を有する。さらに、IL-2は、腫瘍成長の阻害に最適ではない可能性があると報告されている。IL-2の存在下では、生成した細胞傷害性T細胞の活性化誘導細胞死(AICD)が起こることがあり、免疫応答がIL-2依存性制御性T細胞(Treg)によって阻害されることがあるというのがその理由である(Imaiら、Cancer Sci 98、416~423頁、2007年)。
一方、LAG-3は、PD-1の機序と類似の機序を有することが知られている。LAG-3は、T細胞及びNK細胞で発現される免疫チェックポイント阻害物質であり、CD4の構造と類似の構造を有する。しかしながら、LAG-3は、D1ドメイン内にさらなる30個のアミノ酸を有し、よって、MHCクラスII(MHCII)との高い親和性を有することが知られている。
したがって、本発明者らは、免疫細胞の活性を増強する新規の組合せを有する融合タンパク質を開発するための研究を行った。結果として、本発明者らは、抗LAG-3抗体とIL-2バリアントとを含む融合タンパク質が免疫細胞を効果的に制御することを確認した。この結果に基づき、本発明者らは、該融合タンパク質が抗がん剤として有効であることを確認し、これによって本発明を完成させた。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、LAG-3に特異的に結合する抗体とIL-2タンパク質又はそのバリアントとを含む融合タンパク質が提供される。
本発明の別の態様では、該融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドと、該ポリヌクレオチドを含む発現ベクターと、該発現ベクターが導入された形質転換細胞とが提供される。
本発明のさらに別の態様では、該形質転換細胞を培養するステップと、融合タンパク質を収集するステップとを含む、融合タンパク質を調製する方法が提供される。
本発明のまた別の態様では、該融合タンパク質及びその医学的使用が提供される。
本発明のさらにまた別の態様では、がんを治療又は予防するための該融合タンパク質の使用が提供される。
本発明のさらにまた別の態様では、該融合タンパク質を対象に投与するステップを含む、がんを治療又は予防するための方法が提供される。
本発明のさらにまた別の態様では、がんの治療又は予防のための医薬の製造のための該融合タンパク質の使用が提供される。
本発明による抗LAG-3抗体とIL-2バリアントとを含む融合タンパク質は、LAG-3に関連した機序を制御するだけでなく、IL-2と同じか又は類似の機能を有しうる。すなわち、該融合タンパク質は、LAG-3とMHCIIとの結合を制御するだけでなく、免疫細胞を活性化することができる。したがって、該融合タンパク質は、抗がん剤として使用することができる。
一実施形態としての、抗hLAG-3抗体-hIgG4 Fc-hIL-2v2融合タンパク質(GI-104E1)の構造を示す図である。 一実施形態としての、抗hLAG-3抗体-hIgG4 Fc-hIL-2v3融合タンパク質(GI-104E2)の構造を示す図である。 GI-104E1を産生させ、次いでSDS-PAGEによって確認した図である。 GI-104E2を産生させ、次いでSDS-PAGEによって確認した図である。 GI-104E1を産生させ、次いでウェスタンブロットによって確認した図である。 GI-104E2を産生させ、次いでウェスタンブロットによって確認した図である。 融合タンパク質の作用の機序、及びGI-104E1又はGI-104E2の実験方法を示す図である。 GI-104E1が、LAG-3に結合し、LAG-3-MHCII介在シグナル伝達を阻害するかどうかを、LAG-3遮断アッセイによって検証するグラフである。 GI-104E2が、LAG-3に結合し、LAG-3-MHCII-介在シグナル伝達を阻害するかどうかを、LAG-3遮断アッセイによって検証するグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v2、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2との組合せ、及び抗LAG-3抗体とIL-2v2とを含む融合タンパク質(GI-104E1)をそれぞれ週1回3週間投与することによって観察された、腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v2、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2との組合せ、及び抗-LAG-3とIL-2v2とを含む融合タンパク質(GI-104E1)をそれぞれ投与した後の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、抗LAG-3抗体を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、Fc-IL-2v2を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2とを同時投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、抗LAG-3とIL-2v2とを含む融合タンパク質(GI-104E1)を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v2、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2との組合せ、及び抗LAG-3とIL-2v2とを含む融合タンパク質(GI-104E1)をそれぞれ週1回3週間及び初回投与の32日後に投与した後の、ビヒクル(PBS)投与群の平均腫瘍体積成長を基準として30%以上、50%以上、及び80%以上の腫瘍成長阻害を有する、各群の対象数を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v2、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2との組合せ、及び抗LAG-3とIL-2v2とを含む融合タンパク質(GI-104E1)をそれぞれ週1回3週間投与することによって観察された、生存率を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v3、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3との組合せ、及び抗LAG-3とIL-2v3とを含む融合タンパク質(GI-104E2)をそれぞれ週1回3週間投与することによって観察された、腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v3、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3との組合せ、抗LAG-3とIL-2v3とを含む融合タンパク質(GI-104E2)をそれぞれ投与した後の、各投与群の対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、抗LAG-3抗体を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、Fc-IL-2v3を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3とを同時投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、抗LAG-3とIL-2v3とを含む融合タンパク質(GI-104E2)を投与した群の、対象の腫瘍体積を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v3、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3との組合せ、及び抗LAG-3とIL-2v3とを含む融合タンパク質(GI-104E2)をそれぞれ週1回3週間及び初回投与の32日後に投与した後の、ビヒクル(PBS)投与群の平均腫瘍体積成長を基準として30%以上、50%以上、及び80%以上の腫瘍成長阻害を有する、各群の対象数を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに、ビヒクル(PBS)、抗LAG-3抗体、Fc-IL-2v3、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3との組合せ、及び抗LAG-3とIL-2v3とを含む融合タンパク質(GI-104E2)をそれぞれ週1回3週間投与することによって観察された、生存率を示すグラフである。
〔発明を実施するための最良の形態〕
抗LAG-3抗体とIL-2とを含む融合タンパク質
本発明の一態様では、LAG-3に特異的に結合する抗体とIL-2タンパク質とを含む融合タンパク質が提供される。
この場合、融合タンパク質は、少なくとも1つのIL-2タンパク質が抗LAG-3抗体に連結された形態であってもよい。一実施形態では、融合タンパク質は、1つ又は2つのIL-2タンパク質若しくはこれらのバリアントを含有していてもよい。この場合、抗LAG-3抗体とIL-2とは、リンカーを介して相互に結合されていてもよい。
本明細書において使用される場合、「LAG-3」という用語は、CD223又はリンパ球活性化遺伝子3を指す。このタンパク質は、LAG-3遺伝子によってコードされている。LAG-3は、PD-1の機序と類似の機序を有することが知られている。さらに、LAG-3は、T細胞及びNK細胞で発現される免疫チェックポイント阻害物質であり、CD4の構造と類似の構造を有する。しかしながら、LAG-3は、D1ドメイン内にさらなる30個のアミノ酸を有し、よってMHCクラスIIとの高い親和性を有する。そのような構造的特徴のため、LAG-3はT細胞活性化を阻害することも知られている。
本発明における抗LAG-3抗体は、LAG-3に特異的に結合する抗体であってもよい。さらに、抗体の断片が、LAG-3に特異的に結合することができる抗原結合ドメインを含有する限りは、抗体の断片をどんな形態で使用してもよい。この場合、抗LAG-3抗体の重鎖可変領域のHCDR1、HCDR2、及びHCDR3は、それぞれ、配列番号1、配列番号2、及び配列番号3のアミノ酸配列を含有していてもよい。さらに、抗LAG-3抗体の軽鎖可変領域のLCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、それぞれ、配列番号5、配列番号6、及び配列番号7のアミノ酸配列を含有していてもよい。
一実施形態では、LAG-3に特異的に結合する抗体は、配列番号4のアミノ酸配列を含有する重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列を含有する軽鎖可変領域とを含んでいてもよい。
本明細書において使用される場合、「IL-2」又は「インターロイキン-2」という用語は、別段の記載がない限り、例えば霊長類(ヒト等)及びげっ歯類(マウス及びラット等)等の哺乳動物を含む任意の脊椎動物供給源から得たあらゆる野生型IL-2を指す。IL-2は、動物細胞から得てもよく、IL-2を産生することができる組換え細胞から得たIL-2も含まれる。さらに、IL-2は、野生型IL-2又はそのバリアントであってもよい。
本明細書では、IL-2又はそのバリアントは、用語「IL-2タンパク質」又は「IL-2ポリペプチド」はひとまとめに表されてもよい。IL-2、IL-2タンパク質、IL-2ポリペプチド、及びIL-2バリアントは、例えばIL-2受容体に特異的に結合する。この特異的結合は、当業者に既知の方法によって同定することができる。
IL-2は、成熟型であってもよい。具体的には、成熟IL-2は、シグナル配列を含有することはなく、野生型IL-2のN末端又はC末端の一部分がトランケートされている野生型IL-2の断片を含有していてもよい。この場合、IL-2は、配列番号22のアミノ酸配列を有していてもよい。
本明細書において使用される場合、「IL-2バリアント」という用語は、全長IL-2又はIL-2の上記の断片の、アミノ酸の一部が置換されている形態を指す。すなわち、IL-2バリアントは、野生型IL-2又はその断片と異なるアミノ酸配列を有していてもよい。ただし、IL-2バリアントは、野生型IL-2と等しい又は類似の活性を有しうる。この場合、「IL-2活性」は、例えば、IL-2受容体への特異的結合を指していてもよく、特異的結合は、当業者に既知の方法によって測定することができるものである。
具体的には、IL-2バリアントは、野生型IL-2のアミノ酸の一部の置換によって得てもよい。アミノ酸置換によって得られるIL-2バリアントの実施形態は、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、42番目、45番目、61番目、及び72番目のアミノ酸のうちの少なくとも1つの置換によって得てもよい。
具体的には、IL-2バリアントは、別のアミノ酸での、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、42番目、45番目、61番目、又は72番目のアミノ酸のうちの少なくとも1つの置換によって得てもよい。一実施形態によれば、そのようなIL-2バリアントがIL-2活性を維持する限りは、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸が置換されていてもよい。
一実施形態では、IL-2バリアントは、2つのアミノ酸が置換された形態であってもよい。具体的には、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目及び42番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目及び45番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目及び61番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の42番目及び45番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の42番目及び61番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の42番目及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の45番目及び61番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の45番目及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列中の61番目及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。
さらに、IL-2バリアントは、3つのアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、42番目、及び45番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、42番目、及び61番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、42番目、及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、45番目、及び61番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、45番目、及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の38番目、61番目、及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の42番目、45番目、及び61番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の42番目、45番目、及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列の45番目、61番目、及び72番目のアミノ酸の置換によって得てもよい。
この場合、置換によって導入される「別のアミノ酸」は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンからなる群から選択されるいずれのアミノ酸であってもよい。ただし、IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、38番目のアミノ酸はアルギニンで置換することができず、42番目のアミノ酸はフェニルアラニンで置換することができず、45番目のアミノ酸はチロシンで置換することができず、61番目のアミノ酸はグルタミン酸で置換することができず、72番目のアミノ酸はロイシンで置換することができない。
IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、38番目のアミノ酸アルギニンは、アルギニン以外のアミノ酸で置換されていてもよい。好ましくは、IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、38番目のアミノ酸アルギニンは、アラニンで置換されうる(R38A)。
IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、42番目のアミノ酸フェニルアラニンは、フェニルアラニン以外のアミノ酸で置換されていてもよい。好ましくは、IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、42番目のアミノ酸フェニルアラニンは、アラニンで置換されうる(F42A)。
IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、45番目のアミノ酸チロシンは、チロシン以外のアミノ酸で置換されていてもよい。好ましくは、IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、45番目のアミノ酸チロシンは、アラニンで置換されうる(Y45A)。
IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、61番目のアミノ酸グルタミン酸は、グルタミン酸以外のアミノ酸で置換されていてもよい。好ましくは、IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、61番目のアミノ酸グルタミン酸は、アルギニンで置換されうる(E61R)。
IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、72番目のアミノ酸ロイシンは、ロイシン以外のアミノ酸で置換されていてもよい。好ましくは、IL-2バリアントのアミノ酸置換に関して、配列番号22のアミノ酸配列では、72番目のアミノ酸ロイシンは、グリシンで置換されうる(L72G)。
具体的には、IL-2バリアントは、配列番号22のアミノ酸配列では、R38A、F42A、Y45A、E61R、及びL72Gからなる群から選択される少なくとも1つの置換によって得てもよい。好ましくは、IL-2バリアントは、R38A、F42A、Y45A、E61R、及びL72Gからなる群から選択される位置のうち2つ又は3つの位置においてアミノ酸置換を有しうる。
IL-2バリアントは、2つのアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL-2バリアントは、置換R38A及びF42Aによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A及びY45Aによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A及びE61Rによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A及びL72Gによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換F42A及びY45Aによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換F42A及びE61Rによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換F42A及びL72Gによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換E61R及びL72Gによって得てもよい。
さらに、IL-2バリアントは、3つのアミノ酸が置換されている形態であってもよい。具体的には、IL-2バリアントは、置換R38A、F42A、及びY45Aによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A、F42A、及びE61Rによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A、F42A、及びL72Gによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A、Y45A、及びE61Rによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換R38A、Y45A、及びL72Gによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換F42A、Y45A、及びE61Rによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換F42A、Y45A、及びL72Gによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換F42A、E61R、及びL72Gによって得てもよい。さらに、一実施形態では、IL-2バリアントは、置換Y45A、E61R、及びL72Gによって得てもよい。
一実施形態では、IL-2バリアントは、配列番号20又は配列番号21のアミノ酸配列を有していてもよい。
さらに、IL-2バリアントは、インビボでの低い毒性を有することを特徴としていてもよい。この場合、インビボでの低い毒性とは、IL-2がIL-2受容体α鎖(IL-2Rα)に結合することによって引き起こされる副作用でありうる。IL-2がIL-2Rαに結合することによって引き起こされる副作用を改善するための様々なIL-2バリアントが開発されており、そのようなIL-2バリアントは、米国特許第5,229,109号及び韓国特許第10-1667096号で開示されているものであってもよい。特に、本出願に記載したIL-2バリアントは、IL-2受容体アルファ鎖(IL-2Rα)に対する結合能が低く、よって野生型IL-2と比べてより低いインビボでの毒性を有する。
融合タンパク質は、免疫グロブリンFc領域を含んでいてもよい。この場合、免疫グロブリンのFcドメインは、免疫グロブリンの重鎖定常領域2(CH2)及び重鎖定常領域3(CH3)を含む。免疫グロブリンは、IgG、IgA、IgE、IgD、又はIgMであってもよく、好ましくはIgG4でありうる。
さらに、免疫グロブリンのFcドメインは、野生型Fcドメインのみならず、Fcドメインバリアントであってもよい。さらに、本明細書において使用される場合、「Fcドメインバリアント」という用語は、グリコシル化パターンに関して、野生型Fcドメインと比べて高いグリコシル化を有するか若しくは野生型Fcドメインと比べて低いグリコシル化を有する野生型Fドメインと異なる形態、又は脱グリコシル化させた形態を指していてもよい。さらに、グリコシル化されていないFcドメインが、Fcドメインバリアントに包含される。Fcドメイン又はそのバリアントは、宿主の培養条件又は遺伝子操作によって調整した数のシアル酸、フコシル化、又はグリコシル化を有するように構成されていてもよい。
さらに、免疫グロブリンのFcドメインのグリコシル化は、化学的方法、酵素的方法、及び微生物を使用する遺伝子操作方法等の定法によって改変してもよい。さらに、Fcドメインバリアントは、免疫グロブリン、IgG、IgA、IgE、IgD、又はIgMのそれぞれのFc領域の混合形態であってもよい。さらに、Fcドメインバリアントは、Fcドメインの幾つかのアミノ酸が他のアミノ酸で置換された形態であってもよい。
一実施形態では、Fcドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を有していてもよい。
本発明による融合タンパク質は、抗LAG-3抗体の軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域(CL1)を包含する融合タンパク質と、抗LAG-3抗体の重鎖可変領域及び重鎖定常領域(CH1)と、Fcドメインと、並びにIL-2タンパク質とを含有していてもよい。この場合、少なくとも1つのIL-2タンパク質が、抗LAG-3抗体に含有されていてもよい。一実施形態では、融合タンパク質は、2つのIL-2タンパク質を含有する。さらに、一実施形態では、IL-2タンパク質は、抗LAG-3抗体のC末端に連結された形態であってもよい。
具体的には、FcドメインとIL-2タンパク質とを含有する融合タンパク質は、構造式(1)によって表される2つの融合タンパク質が連結した二量体であってもよい。
N’-X-[リンカー(1)]o-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(2)]p-Y-C’(1)
この場合、構造式(1)中、
N’は、融合タンパク質のN末端であり、
C’は、融合タンパク質のC末端であり、
Xは、抗LAG-3抗体又はその断片であり、
Yは、IL-2タンパク質であり、
リンカー(1)及びリンカー(2)は、ペプチドリンカーであり、
o及びpは、それぞれ独立的に0又は1である。
この場合、抗LAG-3抗体及びIL-2タンパク質は、上記の通りである。さらに、融合タンパク質では、IL-2又はそのバリアントは、抗LAG-3抗体のC末端に連結されたFc領域に連結されていてもよい。この場合、IL-2又はそのバリアントとFc領域とは、リンカーによって連結されていてもよい。
ペプチドリンカー(1)は、1~50個の連続するアミノ酸、3~30個の連続するアミノ酸、又は5~15個のアミノ酸からなっていてもよい。一実施形態では、ペプチドリンカー(1)は、12個のアミノ酸からなっていてもよい。さらに、ペプチドリンカー(1)は、少なくとも1つのシステインを含有していてもよい。具体的には、ペプチドリンカー(1)は、1つ、2つ、又は3つのシステインを含有しうる。さらに、ペプチドリンカー(1)は、免疫グロブリンのヒンジ由来であってもよい。一実施形態では、ペプチドリンカー(1)は、配列番号13のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーであってもよい。
ペプチドリンカー(2)は、1~30個の連続するアミノ酸、2~20個の連続するアミノ酸、又は2~10個のアミノ酸からなっていてもよい。一実施形態では、ペプチドリンカー(2)は、(G4S)n(式中、nは1~10の整数である)であってもよい。この場合、(G4S)では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10でありうる。一実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号19のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーであってもよい。
さらに、構造式(1)によって表される融合タンパク質は、構造式(1-1)及び構造式(1-2)によって表されるタンパク質を包含していてもよい。
N’-X’-[リンカー(1)]o-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(2)]p-Y-C’(1-1)
N’-X’’-C’(1-2)
この場合、構造式(1-1)及び(1-2)中、
N’は、融合タンパク質のN末端であり、
C’は、融合タンパク質のC末端であり、
X’は、抗LAG-3抗体の重鎖領域であり、重鎖可変領域及びCH1を包含しており、
X’’は、抗LAG-3抗体の軽鎖領域であり、軽鎖可変領域及びCLを包含しており、
Yは、IL-2タンパク質であり、
リンカー(1)及びリンカー(2)は、ペプチドリンカーであり、
o及びpは、それぞれ独立的に0又は1である。
さらに、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、上記の通りである。
融合タンパク質を構成する領域の各々のアミノ酸配列は、下記の表1及び2に示した通りである。具体的には、表1に、抗hLAG-3(1E09)VL-カッパ+CLのアミノ酸配列を示す。表2には、抗hLAG-3(1E09)VH+CH1、hIgG4Fc、及びhIL-2v2/hIL-2v3のアミノ酸配列を示す。
Figure 2023531876000002
Figure 2023531876000003

Figure 2023531876000004
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド
本発明の別の態様では、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが提供される。
この場合、ポリヌクレオチドは、構造式(1-1)及び構造式(1-2)によって表される融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含有していてもよい。
具体的には、ポリヌクレオチドのうち重鎖領域をコードするポリヌクレオチドは、配列番号17又は配列番号23のヌクレオチド配列を含有していてもよい。さらに、軽鎖領域をコードするポリヌクレオチドは、配列番号18を含有していてもよい。
ポリヌクレオチドが同じポリペプチドをコードするのであれば、1つ又は複数のヌクレオチドが、置換、欠失、挿入、又はこれらの組合せによって変更されていてもよい。ヌクレオチド配列を化学合成によって調製する場合、Engels及びUhlmann(Angew Chem Int Ed Engl.、37:73~127頁、1988年)に記載の合成法等の当技術分野で公知の合成法を使用してもよい。そのような方法には、トリエステル法、ホスフィット法、ホスホラミダイト法、及びH-ホスホネート法、PCR及びその他のオートプライマー法、固体支持体上でのオリゴヌクレオチド合成法等が挙げられる。
一実施形態によれば、ポリヌクレオチドは、配列番号17、18、又は23に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%の同一性を有する核酸配列を含有していてもよい。
ポリヌクレオチドは、シグナル配列又はリーダー配列をコードする核酸をさらに含有していてもよい。本明細書において使用される場合、「シグナル配列」という用語は、目的タンパク質の分泌を誘導するシグナルペプチドを指す。シグナルペプチドは、宿主細胞において翻訳され、次いで切断される。具体的には、シグナル配列は、小胞体(ER)膜を横切るタンパク質の移動を開始するアミノ酸配列である。
シグナル配列の特徴は、当技術分野において公知である。そのようなシグナル配列は、典型的には、16~30個のアミノ酸残基を含有し、そのようなアミノ酸残基より多数又は少数のアミノ酸残基を含有していてもよい。典型的なシグナルペプチドは、3つの領域、すなわち、塩基性のN末端領域、中央の疎水性領域、及びより極性の大きいC末端領域から構成されている。中央の疎水性領域は、未成熟ポリペプチドが膜脂質二重層を移動する間シグナル配列を固定化させる、4~12個の疎水性残基を含む。
開始後、シグナル配列は、シグナルペプチダーゼとして公知の細胞酵素によってERの内腔において切断される。この場合、シグナル配列は、tPa(組織プラスミノーゲン活性化)、HSV gD(単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D)、IgGシグナル配列、又は成長ホルモンの分泌シグナル配列であってもよい。好ましくは、哺乳動物等を含む高等真核細胞において使用される分泌シグナル配列が使用されうる。さらに、野生型IL-2に含有されるシグナル配列を使用してもよく、又は宿主細胞において発現頻度の高いコドンで置換されたシグナル配列を使用してもよい。その一実施形態としては、14.18抗体の軽鎖シグナル配列(Gilliesら、J. Immunol. Meth 1989. 125:191~202頁)、MOPC141抗体の重鎖シグナル配列(Sakanoら、Nature、1980. 286:676~683頁)、及び当技術分野において既知のその他のシグナル配列(例えば、Watsonら、Nucleic Acid Research、1984. 12:5145~5164頁を参照されたい)が挙げられる。
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを保有するベクター
本発明のさらに別の態様では、ポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。
この場合、重鎖領域をコードするポリヌクレオチドと軽鎖領域をコードするポリヌクレオチドとは、異なるベクターに含有されていてもよい。別法として、重鎖領域をコードするポリヌクレオチドと軽鎖領域をコードするポリヌクレオチドとは、1つのベクターに含有されていてもよい。
ポリヌクレオチドは、上記の通りである。この場合、重鎖領域をコードするポリヌクレオチドは、配列番号17又は23のヌクレオチド配列を含有していてもよく、軽鎖領域をコードするポリヌクレオチドは、配列番号18のヌクレオチド配列を含有していてもよい。一実施形態では、重鎖領域をコードするポリヌクレオチド及び軽鎖領域をコードするポリヌクレオチドは、それぞれ、配列番号17及び配列番号18のヌクレオチド配列を含有していてもよい。一実施形態では、重鎖領域をコードするポリヌクレオチド及び軽鎖領域をコードするポリヌクレオチドは、それぞれ、配列番号23及び配列番号18のヌクレオチド配列を含有していてもよい。この場合、ベクターは、重鎖及び軽鎖のポリヌクレオチドの組合せのそれぞれのポリヌクレオチドを含有する2つのベクターであってもよく、又は重鎖及び軽鎖のポリヌクレオチドの組合せの両方のポリヌクレオチドを含有するバイシストロニックなベクターであってもよい。
ベクターは、宿主細胞に導入されて、宿主細胞のゲノムと組み換えられ、宿主細胞のゲノムに挿入されていてもよい。別法として、ベクターは、エピソームとして自律的に複製されるポリヌクレオチド配列を含有する核酸手段として理解される。この場合、ベクターは、ポリヌクレオチドが宿主細胞において発現されうるように適切なプロモーターに作動可能に連結されうる。ベクターとしては、線状核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウイルスベクター、ミニ染色体、及びこれらのアナログが挙げられる。ウイルスベクターの例としては、レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
具体的には、ベクターとしては、プラスミドDNA、ファージDNA等、及び商業的に開発されたプラスミド(pUC18、pBAD、pIDTSAMRT-AMP等)、大腸菌(Escherichia coli)由来プラスミド(pYG601BR322、pBR325、pUC118、pUC119等)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)由来プラスミド(pUB110、pTP5等)、酵母由来プラスミド(YEp13、YEp24、YCp50等)、ファージDNA(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP等)、動物ウイルスベクター(レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス等)、昆虫ウイルスベクター(バキュロウイルス等)が挙げられる。ベクターは宿主細胞によってタンパク質の異なる発現レベル及び改変を示すため、目的に最も適した宿主細胞を選択し、使用することが好ましい。
本明細書において使用される場合、目的タンパク質の「遺伝子発現」又は「発現」という用語は、DNA配列の転写、mRNA転写物の翻訳、及び融合タンパク質産物又はこれらの断片の分泌を意味すると理解される。有用な発現ベクターの1つは、RcCMV(Invitrogen、Carlsbad)又はそのバリアントでありうる。発現ベクターは、哺乳動物細胞中の標的遺伝子の連続的な転写を促進するためのヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、及び転写後のRNAの定常状態レベルを高めるためのウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列をさらに含有していてもよい。
融合タンパク質を発現する形質転換細胞
本発明のまた別の態様では、ベクターが導入される形質転換細胞が提供される。
形質転換細胞用の宿主細胞としては、原核細胞、真核細胞、及び哺乳動物、植物、昆虫、真菌、又は細菌起源の細胞を挙げることができるが、これらに限定されない。原核細胞の一例としては、大腸菌が使用されうる。さらに、真核細胞の一例としては、酵母が使用されうる。さらに、哺乳動物細胞では、CHO細胞、F2N細胞、COS細胞、BHK細胞、Bowes黒色腫細胞、Hela細胞、911細胞、AT1080細胞、A549細胞、SP2/0細胞、ヒトリンパ芽球腫、NSO細胞、HT-1080細胞、PERC.6細胞、HEK293細胞、HEK293T細胞等が使用されうる。ただし、哺乳動物細胞はこれらに限定されず、哺乳動物宿主細胞として使用可能であることが当業者に知られているあらゆる細胞が使用されうる。
さらに、宿主細胞への発現ベクターの導入には、CaCl沈殿、CaCl沈殿においてジメチルスルホキシド(DMSO)等の還元剤を使用することによって効率を高めたHanahan法、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム沈殿、原形質体融合、炭化ケイ素繊維を使用した撹拌、アグロバクテリウム形質転換法、PEG、デキストラン硫酸、リポフェクタミンを使用した形質転換、及び乾燥/阻害による形質転換(dry/inhibition-mediated transformation)等を使用してもよい。さらに、手段としての感染を使用して、ウイルス粒子を使用して、目的物を細胞内に送達してもよい。さらに、ベクターを宿主細胞に導入し、遺伝子銃(gene bombardment)等を使用してもよい。
上記のように、治療薬として融合タンパク質の特性を最適化するために、又はその他の目的のために、当業者に既知の方法によって、宿主細胞が持つグリコシル化関連遺伝子を操作することによって、融合タンパク質のグリコシル化パターン(例えば、シアル酸、フコシル化、及びグリコシル化)を調整してもよい。
融合タンパク質を調製する方法
本発明のさらにまた別の態様では、抗LAG-3抗体とIL-2又はそのバリアントとを含む融合タンパク質を調製する方法であって、形質転換細胞を培養するステップと、培養培地から前記融合タンパク質を収集するステップとを含む方法が提供される。
本明細書において使用される場合、「培養する」という用語は、適切に制御された環境条件下で微生物を人為的に増殖させる方法を指す。
形質転換細胞の培養は、当技術分野で公知の方法を使用して行ってもよい。具体的には、本発明の融合タンパク質が発現によって産生されうる限りは、培養は特に限定されない。具体的には、培養は、バッチプロセスにおいて行ってもよく、又は流加若しくは反復流加プロセスにおいて連続的に行ってもよい。
さらに、培養質から融合タンパク質の収集は、当技術分野で既知の方法によって実施してもよい。具体的には、収集方法は、本発明によって産生された融合タンパク質を収集できる限りは特に制限されない。好ましくは、収集方法は、遠心分離、濾過、抽出、噴霧、乾燥、蒸発、沈殿、結晶化、電気泳動、分別溶解(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、又はクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティ、疎水性、及びサイズ排除)等の方法でありうる。
融合タンパク質の使用
本発明のさらにまた別の態様では、融合タンパク質を含むがんを治療又は予防するための医薬組成物が提供される。
本明細書において使用される場合、「がん」という用語は、正常組織細胞が、生物体の生命事象又は周囲の組織状態にかかわらず、何らかの理由で無限に増殖し、急速に発達し続ける疾患として分類される。本発明におけるがんは、胃がん、肝臓がん、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮頸がん、甲状腺がん、喉頭がん、急性骨髄性白血病、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、頭頸部がん、唾液腺がん、及びリンパ腫等の人体の多様ながんからなる群から選択されるいずれか1つのがんであってもよいが、上記の種類だけに限定されない。さらに、本発明では、がんは、放射線に耐性のあるがんであってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「予防」という用語は、医薬組成物の投与によってがんの発現を阻害するか又はがんの発症を遅らせる何らかの作用を指す。本明細書において使用される場合、「治療」という用語は、医薬組成物の投与によってがんの症状を改善するか又は有益に変える何らかの作用を指す。
医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含んでいてもよい。薬学的に許容される担体は、患者への送達に好適な非毒性物質である限りは、いかなる担体であってもよい。蒸留水、アルコール、脂肪、ワックス、及び不活性固形物を、担体として含有されていてもよい。薬学的に許容されるアジュバント(緩衝剤又は分散剤)もまた、医薬組成物中に含有されていてもよい。
具体的には、薬学的に許容される担体を含むことによって、当技術分野で既知の定法を使用して、医薬組成物は、投与経路に応じた非経口製剤として調製されうる。この場合、「薬学的に許容される」という用語は、担体の毒性が、活性成分の活性を阻害することなく、適用(処方)される予定の対象が適応できる程度以下であることを意味する。
医薬組成物は、非経口製剤として調製される場合、当技術分野において公知の方法に従って、好適な担体とともに、注射剤、経皮吸収型貼付剤、経鼻吸入剤、又は座薬の製剤として作製されてもよい。注射剤として作製される場合、無菌水、エタノール、グリセロール若しくはプロピレングリコール等のポリオール、又はこれらの混合物が、好適な担体として使用でき、好ましくは、リンガー溶液、又はトリエタノールアミン若しくは注射用無菌水及び5%デキストロースを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)等の、等張液が使用されうる。医薬組成物の製剤化は、当技術分野では既知であり、詳細にはRemington’s Pharmaceutical Sciences(第19版、1995年)等を参照にすることができる。本文書は、本明細書の一部とみなす。
一方、本発明の医薬組成物は、医薬として有効な量で投与される。本明細書において使用される場合、「投与」という用語は、適切な方法によって所定の物質を対象に導入することを指し、医薬組成物の投与経路は、医薬組成物が標的組織に到達することができる限りは、いかなる一般的経路によるものであってもよい。投与は、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、局所投与、鼻腔内投与、又は直腸内投与であってもよいが、これらに限定されない。
「対象」という用語は、ヒト、ラット、マウス、家畜等を含むすべての動物を指す。好ましくは、対象は、ヒトを含む哺乳動物でありうる。
「薬学的に有効な量」という用語は、医学的処置に適用可能な妥当なベネフィット・リスク比によって疾患を治療するのに十分であり、且つ副作用を引き起こさない量を指し、薬学的に有効な量のレベルは、患者の性別、年齢、体重、及び健康状態、疾患の種類及び重症度、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与方法、投与時間、投与経路、排出速度、治療期間、組み合わせて又は同時に使用される薬物を包含する因子、並びに医療分野において公知であるその他の因子に応じて、当業者が容易に決定することができる。1日量は、0.01μg/kg~10g/kgの範囲、又は0.01mg/kg~1g/kgの範囲であってもよい。投与は、1日1回又は1日数回実施してもよい。そのような用量は、いかなる態様でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではない。
本発明のさらにまた別の態様では、がんを治療又は予防するための融合タンパク質の使用が提供される。この場合、融合タンパク質、がん、治療、及び予防とは、上記の通りである。
本発明のさらにまた別の態様では、対象に融合タンパク質を投与するステップを含む、がんを治療又は予防するための方法が提供される。この場合、融合タンパク質、投与、がん、治療、及び予防は、上記の通りである。対象は、哺乳動物、好ましくはヒトでありうる。さらに、対象は、がんを患う患者、又はがんにかかりうる対象であってもよい。
融合タンパク質又は融合タンパク質二量体の投与経路、用量、及び投与頻度は、患者の状態及び副作用の有無に応じて様々であってもよく、よって、融合タンパク質又は融合タンパク質二量体は、様々な方法及び量で対象に投与してもよい。最適な投与方法、用量、及び投与頻度は、当業者が適切な範囲内で選択することができる。さらに、融合タンパク質又は融合タンパク質二量体は、治療される予定の疾患に対して治療効果が既知であるその他の薬物又は生理学的に活性のある物質と組み合わせて投与されてもよく、又はその他の薬物との混合製剤の形態で製剤化されてもよい。
〔本発明を実施するための形態〕
以下では、本発明を下記の実施例によってさらに詳しく説明する。これらの実施例は、本発明を例証するためだけのものであり、当業者には、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されると解釈されるものではないことが明らかとなろう。
I. 融合タンパク質の調製
調製例1. 抗hLAG-3抗体-hIgG4 Fc-hIL-2v2融合タンパク質:GI-104E1の調製
抗hLAG-3抗体とhIL-2v2とを含む融合タンパク質を作製するために、GenScriptのExpression and Optimizationサービスによって、ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクター(Invitrogen)に挿入した。具体的には、ポリヌクレオチド(配列番号18)は、N末端から抗hLAG-3VL(抗hLAG-3(1E09)VL-カッパ+CL)をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を含有し、ポリヌクレオチド(配列番号17)は、N末端から抗hLAG-3VH(抗hLAG-3(1E09)VH+CH1)、Fcドメイン(F02(hIgG4Fc))、リンカー(G4Sリンカー)、及びヒトIL-2v2をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号27)を含有する。このベクターをCHO細胞(HD CHO-S)に導入した。ベクターを導入した後、37℃及び8%CO濃度において、無血清HD CHO-S(商標)発現培地で14日間培養を行った。次いで、培養液を採取し、マブセレクトシュア(MabSelect SuRe)(商標)LXを含むアフィニティクロマトグラフィー(アフィニティ精製カラム)を使用して融合タンパク質を精製した。
単離、精製した融合タンパク質を、還元(R)又は非還元(NR)条件下でSDS-PAGE及びウェスタンブロットにかけ、HPLC解析によってその分子量及び純度の確認を行った(図3及び5)。その濃度をBradfordアッセイによって測定し、融合タンパク質が0.69mg/mlの濃度で含有されていることが確認された。
調製例2. 対照抗体(抗hLAG-3抗体及びα-LAG-3)の調製
対照としての抗hLAG-3抗体を作製するために、GenScriptのExpression and Optimizationサービスによって、ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクター(Invitrogen)に挿入した。具体的には、ポリヌクレオチド(配列番号18)は、N末端から抗hLAG-3VL(抗hLAG-3(1E09)VL-カッパ+CL)をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を含有し、ポリヌクレオチド(配列番号29)は、N末端から抗hLAG-3VH(抗hLAG-3(1E09)VH+CH1)及びFcドメイン(F02(hIgG4Fc))をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号15)を含有する。このベクターをCHO細胞(HD CHO-S)に導入した。ベクターを導入した後、37℃及び8%CO濃度において、無血清HD CHO-S(商標)発現培地で14日間培養を行った。次いで、培養液を採取し、マブセレクトシュア(商標)LXを含むアフィニティクロマトグラフィー(アフィニティ精製カラム)を使用して融合タンパク質を精製した。
調製例3. hIgG4 Fc-hIL-2v2:Fc-IL-2v2の調製
FcドメインとIL-2バリアントとを含む融合タンパク質二量体を作製するために、ThermoFisher ScientificのInvitrogen GeneArt Gene Synthesisサービスによってポリヌクレオチドを合成した。具体的には、ポリヌクレオチド(配列番号25)は、N末端からFcドメイン(配列番号14)、リンカー(配列番号19)、及び2つのアミノ酸置換を有するIL-2バリアント(2M)(R38A及びF42A)(配列番号20)をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号11)を含有する。このポリヌクレオチドを、pcDNA3_4ベクター(Invitrogen)に挿入した。さらに、配列番号11の融合タンパク質を発現させるように、ベクターをCHO細胞(EXPI-CHO(商標))に導入した。ベクターを導入した後、37℃、125RPM、及び8%CO濃度の環境において、7日間、培養を行った。次いで、培養液を採取し、培養液から融合タンパク質を精製した。
調製例4. hIgG4 Fc-hIL-2v3:Fc-IL-2v3の調製
FcドメインとIL-2バリアントとを含む融合タンパク質を作製するために、ThermoFisher ScientificのInvitrogen GeneArt Gene Synthesisサービスによってポリヌクレオチドを合成した。具体的には、ポリヌクレオチド(配列番号26)は、N末端からFcドメイン(配列番号14)、リンカー(配列番号19)、及び3つのアミノ酸置換を有するIL-2バリアント(3M)(R38A、F42A、及びE61R)(配列番号21)をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号24)を含有する。このポリヌクレオチドを、pcDNA3_4ベクター(Invitrogen)に挿入した。さらに、配列番号24の融合タンパク質を発現させるように、ベクターをCHO細胞(Expi-CHO(商標))に導入した。ベクターを導入した後、37℃、125RPM、及び8%CO濃度の環境において、7日間培養を行った。次いで、培養液を採取し、培養液から融合タンパク質を精製した。
調製例5. 抗hLAG-3抗体-hIgG4 Fc-hIL-2v3融合タンパク質:GI-104E2の調製
抗LAG-3抗体とhIL-2v3とを含む融合タンパク質を作製するために、GenScriptのExpression and Optimizationサービスによって、ポリヌクレオチドをpcDNA3_4ベクター(Invitrogen)に挿入した。具体的には、ポリヌクレオチド(配列番号18)は、N末端から抗hLAG-3VL(抗hLAG-3(1E09)VL-カッパ+CL)をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を含有し;ポリヌクレオチド(配列番号23)は、N末端から抗hLAG-3VH(抗hLAG-3(1E09)VH+CH1)、Fcドメイン(F02(hIgG4Fc))、リンカー(G4Sリンカー)、及びヒトIL-2v3をこの順序で含有する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号28)を含有する。このベクターをCHO細胞(HD CHO-S)に導入した。ベクターを導入した後、37℃及び8%CO濃度において、無血清HD CHO-S(商標)発現培地で14日間培養を行った。次いで、培養液を採取し、マブセレクトシュア(商標)LXを含むアフィニティクロマトグラフィー(アフィニティ精製カラム)を使用して、融合タンパク質を精製した。
単離、精製した融合タンパク質を、還元(R)又は非還元(NR)条件下でSDS-PAGE及びウェスタンブロットにかけ、HPLC解析によってその分子量及び純度の確認を行った(図4及び6)。その濃度をBradfordアッセイによって測定し、融合タンパク質が0.51mg/mlの濃度で含有されていることが確認された。
II. 融合タンパク質の免疫活性の同定
実験例1. LAG-3遮断アッセイによる融合タンパク質のT細胞活性化の機能の同定
実験例1.1. T細胞の機能に対するGI-104E1の効果の同定
LAG-3は、T細胞及びNK細胞において発現される免疫チェックポイント阻害物質であり、CD4の構造と類似の構造を有する。しかしながら、LAG-3は、D1ドメイン内にさらなる30個のアミノ酸を有し、よって、MHCクラスIIとの高い親和性を有する。そのような構造的特徴のため、LAG-3は、T細胞活性化を阻害することが知られている。
本実験では、LAG-3遮断バイオアッセイシステム(Promega、JA1115)を使用して、融合タンパク質のT細胞活性化機能の評価を試みた。具体的には、液体窒素中で保存していたMHCII APC細胞の1つのバイアルを、37℃の恒温槽で2分間解凍し、次いで、TCR活性化抗原を含む14.5mlの細胞回復培地(90%DMEM+10%FBS)に加え、これを十分に混合した。MHCII APC懸濁液を、96ウェル白色細胞培養プレート(Corningカタログ番号3917)の各ウェルにウェルあたり100μlを加え、37℃及び5%COのインキュベーター内で24時間培養した。
24時間培養したMHCII APC細胞を含有する96ウェル白色細胞培養プレートを取り出し、プレート中の培養培地を除去した。次いで、40μlのGI-104E1及び陽性対照としての1E09(レラトリマブ(Relatlimab)サロゲート)を、ウェルごとに様々な濃度で処理し、陰性対照として40μlのアッセイ緩衝液を加えた。次いで、白色細胞培養プレートにふたをし、LAG-3エフェクター細胞が用意できるまで室温に置いた。
液体窒素中で保存していたLAG-3エフェクター細胞の1つのバイアルを、37℃の恒温槽で2分間解凍し、次いで、7mlのアッセイ緩衝液(90%RPMI+10%FBS)に加え、これを十分に混合した。この混合懸濁液40μlを、室温で保管していた96ウェル白色細胞培養プレートの各ウェルに加え、37℃及び5%COのインキュベーター内で5時間反応させた。反応が完了した後、この反応物を、室温に10分間静置し、次いで、気泡ができないように注意しながら、80μlのBio-Glo試薬を各ウェルに加えた。Bio-Glo試薬はまた、最外のウェルのうちの2つにも加え、これらのウェルを、バックグラウンドシグナルを補正するためのブランクとして使用した。室温で10分間、反応を進行させ、次いで、グロマックス(GIoMax)(登録商標)Discover System(Promega、USA)を使用して発光を測定した。
結果として、GI-104E1が、エフェクターT細胞内で発現されたLAG-3に結合しLAG-3の機能を阻害することによってT細胞機能を活性化することができたことが確認された(図8)。
実験例1.2. T細胞機能に対するGI-104E2の効果の同定
実験例1.1と同じ方法でGI-104E2に対するLAG-3遮断アッセイを実施した結果、GI-104E2が、エフェクターT細胞において発現されたLAG-3に結合しLAG-3の機能を阻害することによってT細胞機能を活性化することができたことが確認された(図9)。
実験例2. 融合タンパク質の抗がん効果の同定
実験例2.1. マウス由来結腸直腸がん細胞移植マウスにおけるGI-104E1の抗がん効果の同定
Orient Bio Inc.から得たBALB/cマウス(雌、7週齢)は、7日間の順化期間をとった。次いで、5×10個細胞のCT26がん細胞株(ATCC、U.S.A.)を1mlのPBSで希釈し、この希釈物をマウスの右背側部に対象あたり100μl皮下投与することによって、同種移植を実施した。がん細胞移植後、一定期間、腫瘍体積を測定し、約50mm~120mmに達した対象を選択し、次いで、選択したマウスを、腫瘍の大きさ及び体重に基づき各々8匹のマウスを含む群に均等に分けた。その後、試験群を表3に示したように構成し、試験物質を腹腔内投与した。初回投与後、週1回、合計3回の投与を行った。移植した腫瘍の大きさについて、全例の腫瘍体積を、週2回、4週間測定した。
Figure 2023531876000005
測定結果を、各群の平均及び標準偏差(SD)値を使用したグラフとして示した。さらに、ビヒクルと比較した腫瘍体積の減少の統計的有意性(#p≦0.05、####p≦0.0001)、及びGI-104E1投与群と比較した腫瘍体積の差異の統計的有意性(*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001)を、二元配置分散分析及びDunnett T3検定を使用して解析した。
結果として、CT26がん細胞株移植マウスでは、GI-104E1を3mg/kgの用量で投与した群は、陰性対照と比較して、観察の中間時及び実験の終了時において、腫瘍成長の有意な阻害を示した(#p≦0.05、####p≦0.0001、二元配置分散分析(ANOVA))。さらに、GI-104E1のモル数と等しいモル数の抗LAG-3抗体又はFc-IL-2v2の投与と比較しても、GI-104E1投与は、有意に腫瘍の成長を阻害した。特に、GI-104E1は、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2とを同時投与した実験群と比較しても、観察の中間時及び実験の終了時において、有意な腫瘍阻害効果を示した(*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001、二元配置分散分析(ANOVA))(図10~16)。
試験の終了時に腫瘍成長率の変化を観察した際、50%以上の腫瘍成長率の低下を示していた対象数は、陰性対照では1匹であり、抗LAG-3抗体を投与した群では1匹であり、Fc-IL-2v2を投与した群では0匹であり、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v2とを同時投与した群では0匹であった。一方、GI-104E1を投与した実験群の場合、50%以上の腫瘍成長率の低下は7匹の対象で観察され、80%以上の腫瘍成長率の低下を示していた対象数は5匹であったことが確認された(図17)。
さらに、GI-104E1を投与した実験群並びにその他の実験対照及び陰性対照を投与した実験群の生存率を、実験対象の死亡又は対象における2,000mmの腫瘍体積の発生に基づいて解析し、実験群間の生存率の差異の統計的有意性をMantel-Cox検定によって解析した。結果として、GI-104E1を投与した実験群は、その他の実験対照及び陰性対照を投与した実験群と比較して高い生存率を示し、実験群間の生存率のそのような差異は統計的に有意であったことが確認された(****p≦0.0001)(図18)。
実験例2.2. マウス由来結腸直腸がん細胞移植マウスにおけるGI-104E2の抗がん効果の同定
Orient Bio Inc.から得たBALB/cマウス(雌、7週齢)は、7日間の順化期間をとった。5×10個細胞のCT26がん細胞株(ATCC、U.S.A.)を1mlのPBSで希釈し、この希釈物をマウスの右背側部に対象あたり100μl皮下投与することによって、同種移植を実施した。がん細胞移植後、一定期間、腫瘍体積を測定し、約50mm~120mmに達した対象を選択し、次いで、選択したマウスを、腫瘍の大きさ及び体重に基づき各々3匹のマウスを含む群に均等に分けた。その後、試験群を表4に示したように構成し、試験物質を腹腔内投与した。初回投与後、週1回、合計3回の投与を行った。移植した腫瘍の大きさについて、全例の腫瘍体積を、週2回、4週間測定した。
Figure 2023531876000006
結果として、CT26がん細胞株移植マウスでは、GI-104E2を6mg/kgの用量で投与した群は、陰性対照と比較して、観察の中間時及び実験の終了時において、腫瘍成長の阻害を示した。さらに、6mg/kgのGI-104E2のモル数と等しいモル数の抗LAG-3抗体又はFc-IL-2v3の投与と比較しても、GI-104E2投与群は、優れた腫瘍成長阻害効果を示した。特に、GI-104E2は、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3とを同時投与した実験群と比較しても、観察の中間時及び実験の終了時において優れた腫瘍阻害効果を示した(図19~25)。
さらに、試験の終了時に腫瘍成長率の変化を観察した際、50%以上の腫瘍成長率の低下を示していた対象数は、陰性対照では1匹であり、抗LAG-3抗体を投与した群では0匹であり、Fc-IL-2v3を投与した群では1匹であり、抗LAG-3抗体とFc-IL-2v3とを同時投与した群では1匹であった。一方、GI-104E2を投与した実験群の場合、50%以上の腫瘍成長率の低下は全対象で観察され、80%以上の腫瘍成長率の低下を示していた対象数は1匹であったことが確認された(図26)。
GI-104E2を投与した実験群並びにその他の実験対照及び陰性対照を投与した実験群の生存率を、実験対象の死亡又は対象における2,000mmの腫瘍体積の発生に基づいて解析した。結果として、GI-104E2を投与した実験群が、その他の実験対照及び陰性対照を投与した実験群と比較して高い生存率を示したことが確認された(図27)。

Claims (18)

  1. LAG-3に特異的に結合する抗体と、
    IL-2タンパク質と
    を含む融合タンパク質。
  2. 前記LAG-3に特異的に結合する抗体が、
    配列番号1のHCDR1、配列番号2のHCDR2、及び配列番号3のHCDR3を含む重鎖可変領域と、
    配列番号5のLCDR1、配列番号6のLCDR2、及び配列番号7のLCDR3を含む軽鎖可変領域と
    を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. LAG-3に特異的に結合する前記抗体が、
    配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、
    配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と
    を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  4. 前記融合タンパク質が、2つのIL-2タンパク質を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  5. 前記IL-2タンパク質が、IL-2バリアントである、請求項1に記載の融合タンパク質。
  6. 前記IL-2バリアントが、R38A、F42A、Y45A、E61R、L72G、及びこれらの組合せからなる群から選択された位置において置換されている、請求項5に記載の融合タンパク質。
  7. 前記IL-2バリアントが、配列番号20又は配列番号21のアミノ酸配列を有する、請求項5に記載の融合タンパク質。
  8. LAG-3に特異的に結合する前記抗体と前記IL-2タンパク質とが、リンカーを介して相互に結合している、請求項1に記載の融合タンパク質。
  9. 前記リンカーが、ペプチドリンカーである、請求項8に記載の融合タンパク質。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
  11. 請求項10に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  12. 請求項11に記載の発現ベクターが導入された、形質転換細胞。
  13. 請求項12に記載の形質転換細胞を培養するステップと、
    培養培地から融合タンパク質を収集するステップと
    を含む、融合タンパク質を調製する方法。
  14. 請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、がんを治療又は予防するための医薬組成物。
  15. 前記がんが、胃がん、肝臓がん、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、膵臓がん、子宮頸がん、甲状腺がん、喉頭がん、急性骨髄性白血病、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、頭頸部がん、唾液腺がん、及びリンパ腫からなる群から選択されたがんである、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. がんを治療又は予防するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質の使用。
  17. がんの治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質の使用。
  18. 請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質を対象に投与するステップを含む、がんを治療又は予防するための方法。
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