JP2021509406A - 分子の膜貫通送達のための化合物および方法 - Google Patents

分子の膜貫通送達のための化合物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体膜を横切る薬物の送達のための新規送達システムを提供する。それは、とりわけ、様々な医学的障害の治療のための、インビトロ、エクスビボ、およびインビボでの組織および細胞への遺伝子薬物の送達のための、当該送達システム、当該化合物の合成方法、および当該送達システムの利用方法を含む、新規化学的コンジュゲートを提供する。【選択図】図1A

Description

本発明は、インビトロおよびインビボでの生物学的目的のための利用に向けた、送達システム、カーゴ化合物、および高分子を含む化合物およびコンジュゲート、ならびに細胞への生体膜を横切る分子および高分子を送達のための方法に関する。
「オリゴヌクレオチド薬物」(OD)は、ヌクレオシドまたはヌクレオチドの配列を含む、高分子薬物である。ODは、多くの医学的障害のための革新的な治療の可能性を秘め得る。ODは、当該技術分野で知られるように、一本鎖もしくは二本鎖、天然もしくは修飾RNAもしくはDNA分子、またはそれらの組み合わせである。ODの例は、特に、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)の基質である、siRNA(小干渉RNA);Dicerエンドヌクレアーゼ(dsiRNA)の基質であるsiRNA配列、マイクロRNA(miRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)薬物、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)として機能するように設計されたDNA配列であり、これらの全ては、標的遺伝子の発現の下流調節において活性である。
ODの大きく、重く帯電した構造のため、細胞へ疎水性リン脂質膜を横切ってODを送達することができる送達システムの満たされていないニーズがある。臨床環境におけるODの利用の目的のために、送達システムに結合したODのコンジュゲートのいくつかの特徴は、血漿タンパク質の存在下または不在下の両方での活性など、有利であるか、または細胞外コンパートメントで安定であるが、細胞質において優勢である還元条件において効率的な切断を受け、よってODなどのカーゴ薬物がDicerもしくはRISCなどの細胞質標的に対してその活性を発揮することを可能にする、酸化還元感受性の切断可能な基を含み得る。
本発明は、式(II)に示される構造を有する化学的部分であり、高分子ODなどのカーゴ薬物へのコンジュゲーション、よって、式(I)によるコンジュゲートの作製後、細胞へのリン脂質膜を横切るODの送達を伴い、そこでそれぞれの生物学的活性、例えば、遺伝子サイレンシングを発揮する、新規分子送達システム(MDS)に基づく。本発明は、本発明者らによる新規化合物の発見および開発に基づいており、これは、親油性細胞膜を横切る、大きく、重く帯電した高分子薬物のための、巨大な送達障壁を克服することを可能にする。本発明は、とりわけ、様々な医学的障害の治療のための、インビトロ、エクスビボ、およびインビボでの組織および細胞への遺伝子薬物の送達のための、MDS、これを含むコンジュゲート、MDSおよびそのコンジュゲートの合成方法、ならびにMDSの利用方法を提供する。
本発明の一実施形態では、式(I)に示される構造を有するコンジュゲート、または、式(I)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物が提供される。
Figure 2021509406
式中、
Dは、生体膜を横切って送達される薬物(すなわち、カーゴ薬物)であり、小分子薬物、ペプチド、タンパク質、およびOD(すなわち、天然もしくは修飾、一本鎖もしくは二本鎖、DNAもしくはRNA、siRNA、dsiRNA、またはASO)からなる群から選択され、
y、z、およびwは、各々、0、1、2、3、または4からなる群から独立して選択される、整数であり、y、z、またはwのいずれかが0である場合、それは、それぞれのE部分(複数可)がヌルであることを意味し、y、z、またはwのうちの少なくとも1つは、0とは異なり、
E、E´、またはE´´は、同じまたは異なるものであり得、各々が独立して、一般式(II)に示される構造を有するか、または、式(II)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式中、
、M、M、Mは、互いに独立して、N´、N´´、ヌル、エーテル、アミド、エステル、チオエーテル、およびチオエステルからなる群から選択され、N´およびN´´は、各々−N(CH)−、−NH−、および−N(X)−からなる群から独立して選択され、式中、Xは、アミンの保護基であり、M、M、M、Mは、同じまたは異なるものであり得、N´、N´´は、同じまたは異なるものであり得る。
Lは、リンカーであり、ヌル、C、C、C、C、C、Cアルキレンまたはヘテロアルキレン;フッ素原子(複数可)によって任意に置換された、CもしくはCアリールもしくはヘテロアリール、またはヒドロキシル基(複数可);およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
、G、G、Gは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、G基は、同じまたは異なるものであり得、G、G、G、またはG基のうちの少なくとも2つは、水素原子であり、
a、b、c、d、eは、整数である、各々が独立して、0、1、2、3、4、5、または6からなる群から選択され、0=ヌルであり、a、b、c、d、eは、同じまたは異なるものであり得、
gは、整数を表し、0、1、2、3、4、または5から選択され、
Wは、ヌル、ヒドロキシル、ジヒドロキシル、アミド、天然または修飾ヌクレオシド、式(II)、(II)、および(II)に示される構造のいずれかの残基、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
Figure 2021509406
式中、
Jは、ヌル、−CH−、第二級または第三級アミン、および酸素からなる群から選択され、
E、E´、またはE´´は、D;本明細書で定義される、保護基(例えば、アルコールの保護基);水素、リン酸、硫酸、およびカルボキシル基からなる群から選択される、RまたはR´基;ならびに固体支持体からなる群の任意の部分に結合することができる。本発明の文脈において、E、E´、またはE´´部分は、1つ以上の点を介して1つのD部分に結合され得、Wは、DおよびRまたはR´の両方に同時に結合することができる。
本発明の実施形態の1つでは、gは、0、1、または2の整数である。
一実施形態では、cおよびdは、互いに独立して、1、2、または3の整数を表し、cおよびdは、同じまたは異なるものであり得る。
本発明の一実施形態では、G、G、G、Gは、全て水素原子である。
一実施形態では、Lは、ジフルオロベンジルアミンである。
別の実施形態では、Xは、アミンの保護基TEOC[カルバミン酸2−(トリメチルシリル)エチル]、またはFmocである。
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(V)に示される構造を有するか、または、式(V)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´およびN´´は、互いに独立して、式(II)で定義されるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VII)に示される構造を有するか、または、式(VII)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´およびN´´は、互いに独立して、式(II)で定義されるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII)に示される構造を有するか、または、式(VIII)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII−H)に示される構造を有するか、または、式(VIII−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
関連する実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII−M)に示される構造を有するか、または、式(VIII−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII−F)に示される構造を有するか、または、式(VIII−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV)に示される構造を有するか、または、式(XIV)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、pおよびqは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数であり、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV−H)に示される構造を有するか、または、式(XIV−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV−M)に示される構造を有するか、または、式(XIV−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV−F)に示される構造を有するか、または、式(XIV−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、L部分は、ジフルオロベンジルアミンであり、したがって、E、E´、またはE´´は、各々、式(XV)に示される構造を有するか、または、式(XV)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XV−H)に示される構造を有するか、または、式(XV−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XV−M)に示される構造を有するか、または、式(XV−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XV−F)に示される構造を有するか、または、式(XV−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、L部分は、テトラ−フルオロ−ベンジルアミンであり、したがって、E、E´、またはE´´は、各々、式(XVI)に示される構造を有するか、または、式(XVI)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XVI−H)に示される構造を有するか、または、式(XVI−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XVI−M)に示される構造を有するか、または、式(XVI−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XVI−F)に示される構造を有するか、または、式(XVI−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
本発明はまた、アルコールの保護基および/またはアミンの保護基に結合した、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかに示される構造を有する、本発明の任意のE、E´、またはE´´部分(複数可)である、前駆体分子を提供し、当該保護基は、分子の化学的処理中に、例えば、オリゴヌクレオチド鎖へのコンジュゲーション中に除去される運命にある。
本発明のいくつかの実施形態は、インビトロまたはインビボのいずれかで、細胞への生体膜を横切る薬物の送達のための方法に関し、当該方法は、細胞を本明細書に記載されるコンジュゲートと接触させることを含む。
本発明の別の実施形態は、必要とする患者において医学的障害を治療するための方法に関し、方法は、患者に、本発明のコンジュゲートを含み、当該患者の疾患の治療に有用である薬物D、および薬学的に許容される塩または担体を含む、治療有効量の薬学的組成物を投与することを含む。
どのように本発明の実施形態を実際に実施することができるかを示すために、非限定的に、本発明を例示する実施例も記載される。実施例は、本発明の様々な化合物およびコンジュゲートを記載する。全ての記載されるコンジュゲートは、式(Cn−1)または(Cn−2)に従い、各々が一般式(II)による構造を有するE、E´、またはE´´部分を含む。実施例は、式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)に示される構造を表す、様々なE、E´、またはE´´部分を提供する。全てのこれらのコンジュゲートは、上記化合物と構造的類似性を共有し得る、対照化合物とは対照的に、遺伝子サイレンシングにおいて生物学的性能を示すが、これは、式(II)による構造モチーフに完全には従わず、それぞれ所望の生物学的活性を示さない。式(I)および(II)による本発明のコンジュゲートによって実証される性能プロファイルは、したがって、インビトロおよびインビボの両方で、結果として生じる有用な生物学的活性の性能で、その関連化合物が細胞へのリン脂質膜を横切る高分子ODの送達において有用であることを可能にする、一般的かつ特有の構造フレームワークを表す。
加えて、実施例は、本発明のE部分、それらの前駆体、および有用なコンジュゲートへのそれらのアセンブリの化学合成のための方法を記載する。
式(III)による本発明のE部分のオリゴヌクレオチド鎖への結合様式、およびE部分のそれぞれの酸化還元媒介性切断を例示する。図1Aは、式(III)によるE部分が内部位置で結合している、RNA鎖を示す。 図1Bは、結果としてのRNA薬物の放出と共に、細胞質内で優勢なものなどの還元条件での式(III)によるこのE部分のジスルフィド基の酸化還元媒介性切断を例示する。 本発明のコンジュゲートの作用メカニズム(MOA)を例示し、コンジュゲートは、式[Cn−2−(III)]による。RNA二本鎖は、25/27ヌクレオチド長のDicer基質であり、各鎖の5´末端で結合したリン酸基を有し、内部に配置されたE部分のW基は、式(II)に従い、Jは、−CH−であり、図2Aは、インタクトなコンジュゲートを示す。 図2Bは、細胞質において優勢である還元条件でのE、E´、およびE´´部分の切断および除去を示し、各E、E´、またはE´´部分に短い残留断端を残す。 図2Cは、RNA二本鎖とDicerエンドヌクレアーゼとの相互作用を示し、21/21RNA二本鎖を残す、二本鎖切断、ならびに5´末端およびパッセンジャー鎖の内部位置で結合した、EおよびE´の残留断端を残す、E´´部分の断端の除去をもたらす。 図2Dは、パッセンジャー鎖に結合した、EおよびE´部分の残留断端の同時除去と共に、酵素ヘリカーゼ(すなわち、RNA鎖を分離することができる、細胞質酵素)によるセンス(パッセンジャー)鎖の除去を示す。 結果として、所望の遺伝子サイレンシングを誘導するために、インタクトなアンチセンス鎖が放出され、RNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)に入る[図2E]。 インビボでの、マウスモデルにおける静脈内投与後、ApoC3遺伝子の発現のサイレンシングにおける、本発明の式[Cn−1−(IX)]、すなわち、各々式(IX)による、EおよびE´部分を有する、コンジュゲートの性能を記載する(図3A)。 肝臓における遺伝子サイレンシング(図3B)。実験群は:(i).ビヒクル:注射用水中5%グルコース、(ii).ApoC3の「ネイキッド」dsiRNA(分子ナノモーター部分の結合なし)、(iii).[Cn−1−(IX)]−Kras dsiRNAコンジュゲート(Apo−Si分子ナノモーター送達システムにコンジュゲートされた、非関連RNA配列)、(iv).標的[Cn−1−(IX)]−ApoC3 dsiRNAコンジュゲートであった。 インビトロでのEGFP遺伝子の発現のサイレンシングにおける、[Cn−2−(VIII)]、すなわち、各々式(VIII)による、E、E´、およびE´´部分を有する。図4Aは、培養ヒーラ細胞である。 図4Bは、培養3T3細胞であり、0〜300nMの濃度範囲の、用量応答曲線を示す。 インビトロでの3T3細胞におけるEGFP遺伝子の発現のサイレンシングにおける、本発明の2つのコンジュゲート:コンジュゲート[Cn−1−(VIII−M)]およびコンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]の生物学的性能を記載する。非常に有意な対数減衰を有し、両方の細胞株についてR0.97の曲線適合を有する、明確な用量/応答が観察された。2つのE部分を有する、コンジュゲート[Cn−1−(VIII−M)](点線)について、IC50は、2.2nMであるのに対し、3つのE部分を有する、コンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)](実線)について、IC50は、0.8nMであることが判明した。
本発明は、細胞へリン脂質生体膜を横切ってカーゴ薬物を送達して、標的遺伝子の発現のサイレンシングなどの生物学的活性を発揮することができる新規薬物送達システム(MDS)に結合した、ODなどの高分子薬物を含む、コンジュゲートおよびその前駆体に関する。この送達システムは、遺伝子薬物、例えば、siRNAもしくはdsiRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、または治療タンパク質などの高分子薬物の膜貫通送達を可能にする。本発明は、リン脂質膜を横切る有効な膜貫通送達と、その後の細胞質へのカーゴODのロバストな還元に基づく遊離とを組み合わせ、その生物学的効果を発揮することによって、遺伝子サイレンシングにおいて有利な性能を示すという、本発明者らによる新規化合物の発見および開発に基づく。
本発明の一実施形態では、式(I)に示される構造を有するコンジュゲート、または、式(I)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物が提供される。
Figure 2021509406
式中、
Dは、生体膜にわたって送達される薬物(すなわち、カーゴ薬物)であり、小分子薬物、ペプチド、タンパク質、およびOD(すなわち、天然もしくは修飾、一本鎖もしくは二本鎖、DNAもしくはRNA、siRNA、dsiRNA、またはASO)からなる群から選択され、
y、z、wは、各々、0、1、2、3、または4から独立して選択される整数であり、y、z、またはwのいずれかが0である場合、それはそれぞれのE部分(複数可)がヌルであることを意味し、y、z、またはwのうちの少なくとも1つは、0とは異なり、
E、E´、またはE´´は、同じまたは異なるものであり得、各々が独立して、一般式(II)に示される構造を有するか、または、式(II)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式中、
、M、M、Mは、互いに独立して、N´、N´´、ヌル、エーテル、アミド、エステル、チオエーテル、およびチオエステルからなる群から選択され、N´およびN´´は、各々−N(CH)−、−NH−、および−N(X)−からなる群から独立して選択され、式中、Xは、アミンの保護基であり、M、M、M、Mは、同じまたは異なるものであり得、N´、N´´は、同じまたは異なるものであり得る。
Lは、リンカーであり、ヌル、C、C、C、C、C、Cアルキレンまたはヘテロアルキレン;フッ素原子(複数可)によって任意に置換された、CもしくはCアリールもしくはヘテロアリール、またはヒドロキシル基(複数可);およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
、G、G、Gは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、G基は、同じまたは異なるものであり得、G、G、G、またはG基のうちの少なくとも2つは、水素原子であり、
a、b、c、d、eは、整数である、各々が独立して、0、1、2、3、4、5、または6からなる群から選択され、0=ヌルであり、a、b、c、d、eは、同じまたは異なるものであり得、
gは、整数を表し、0、1、2、3、4、または5から選択され、
Wは、ヌル、ヒドロキシル、ジヒドロキシル、アミド、天然または修飾ヌクレオシド、ならびに式(II)、(II)、および(II)に示される構造のいずれかの残基、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
Figure 2021509406
式中、
Jは、ヌル、−CH−、第二級または第三級アミン、および酸素からなる群から選択され、
E、E´、またはE´´は、D;本明細書で定義される、保護基(例えば、アルコールの保護基);水素、リン酸、硫酸、およびカルボキシル基からなる群から選択される、RまたはR´基;ならびに固体支持体からなる群の任意の部分に結合することができる。本発明の文脈において、E、E´、またはE´´部分は、1つ以上の点を介して1つのD部分に結合され得、Wは、DおよびRまたはR´の両方に同時に結合することができる。
本発明の実施形態の1つでは、gは、0、1、または2の整数である。
一実施形態では、cおよびdは、互いに独立して、1、2、または3の整数を表し、cおよびdは、同じまたは異なるものであり得る。
本発明の一実施形態では、G、G、G、Gは、全て水素原子である。
一実施形態では、Lは、ジフルオロベンジルアミンである。
別の実施形態では、Xは、TEOC[カルバミン酸2−(トリメチルシリル)エチル]、またはFmocである。
したがって、一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(III)に示される構造を有するか、または、式(III)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)で定義されるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(IV)に示される構造を有するか、または、式(IV)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(V)に示される構造を有するか、または、式(V)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´およびN´´は、互いに独立して、式(II)で定義されるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VI)に示される構造を有するか、または、式(VI)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´およびN´´は、互いに独立して、式(II)で定義されるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VII)に示される構造を有するか、または、式(VII)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´およびN´´は、互いに独立して、式(II)で定義されるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII)に示される構造を有するか、または、式(VIII)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII−H)に示される構造を有するか、または、式(VIII−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
関連する実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII−M)に示される構造を有するか、または、式(VIII−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(VIII−F)に示される構造を有するか、または、式(VIII−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(IX)に示される構造を有するか、または、式(IX)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
また別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(X)に示される構造を有するか、または、式(X)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
また別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XI)に示される構造を有するか、または、式(XI)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XII)に示される構造を有するか、または、式(XII)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式中、pおよびqは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数を表し、0は、ヌルを意味し、pおよびqは、同じまたは異なるものであり得、kおよびgは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数を表し、0は、ヌルを意味し、kおよびgは、同じまたは異なるものであり得、Zは、ヌル、−O−、およびN´´からなる群から選択され、N´およびN´´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIIa)に示される構造を有するか、または、式(XIIa)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、qは、0〜1の整数であり、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
本発明はまた、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIII)に示される構造を有するか、または、式(XIII)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式中、a、b、c、d、eは、互いに独立して、0、1、2、または3の整数を表し、0は、ヌルを意味し、a、b、c、d、およびeは、同じまたは異なるものであり得、Qは、ヌルおよび−O−からなる群から選択され、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(XIII)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIIIa)に示される構造を有するか、または、式(XIIIa)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、aは、1または2の整数であり、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV)に示される構造を有するか、または、式(XIV)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、pおよびqは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数であり、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV−H)に示される構造を有するか、または、式(XIV−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV−M)に示される構造を有するか、または、式(XIV−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XIV−F)に示される構造を有するか、または、式(XIV−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、L部分は、ジフルオロベンジルアミンであり、したがって、E、E´、またはE´´は、各々、式(XV)に示される構造を有するか、または、式(XV)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、pおよびqは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数であり、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XV−H)に示される構造を有するか、または、式(XV−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XV−M)に示される構造を有するか、または、式(XV−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XV−F)に示される構造を有するか、または、式(XV−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、L部分は、テトラ−フルオロ−ベンジルアミンであり、したがって、E、E´、またはE´´は、各々、式(XVI)に示される構造を有するか、または、式(XVI)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、N´は、式(II)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XVI−H)に示される構造を有するか、または、式(XVI−H)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XVI−M)に示される構造を有するか、または、式(XVI−M)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(I)および式(II)によるコンジュゲートを提供し、式中、E、E´、またはE´´は、式(XVI−F)に示される構造を有するか、または、式(XVI−F)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。式中、Xは、アミンの保護基である。
Figure 2021509406
E、E´、またはE´´が、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかに示される構造を有する場合、それはアルコールまたはアミンの保護基に結合することができ、アルコールの保護基は、多くの場合、限定なしに、ジメトキシトリチル[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル](DMT)およびホスホラミダイトである。これらの部分は、とりわけ、オリゴヌクレオチド薬物(OD)の構築プロセス中の、本発明のE、E´、またはE´´部分のオリゴヌクレオチド鎖へのコンジュゲーションプロセスに有用である。
加えて、アミンによく使用される保護基は、FmocおよびTEOC[カルバミン酸2−(トリメチルシリル)エチル]であり、これは、ODの合成中にE、E´、またはE´´に結合した様々な官能基を保護するために使用することができる。基本的な条件で除去されるため、そのような保護基は、したがって、OD合成の最後に、保護基の除去のステップ中に効果的に除去することができ、よって、以前は保護部分(複数可)によってマスクされていた、最終的なODコンジュゲート上の所望の官能基を露出する。
本発明の文脈における前駆体分子は、アルコールおよび/またはアミンの保護基に結合した、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかに示される構造を有する、任意のE、E´、またはE´´部分であり、当該保護基は、分子の化学処理中に、例えば、オリゴヌクレオチド鎖へのコンジュゲーション中に除去される運命にあり、それぞれの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、塩の溶媒和物および水和物を含む。
非限定的に提供される、本発明の前駆体分子の例は、式(VIII)の構造に基づいており、以下の式(VIII−F)−前駆体に示される構造を有するか、または、式(VIII−F)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式(VIII)の構造に依然として基づく、本発明の前駆体分子の別の例は、以下の式(VIII−M)−前駆体に示される構造を有するか、または、式(VIII−M)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
本発明の前駆体分子の別の例は、式(XIV)の構造に基づいており、以下の式(XIV−F)−前駆体を有するか、または、式(XIV−F)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式(XIV)の構造に依然として基づく本発明の前駆体分子の別の例は、以下の式(XIV−M)−前駆体を有するか、または、式(XIV−M)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
本発明の前駆体分子のまた別の例は、式(XV)の構造に基づいており、以下の式(XV−F)−前駆体を有するか、または、式(XV−F)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
本発明の前駆体分子の別の例は、式(XV)の構造に依然として基づいており、以下の式(XV−M)−前駆体を有するか、または、式(XV−M)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
本発明の前駆体分子の別の例は、式(XVI)の構造に基づいており、以下の式(XVI−F)−前駆体を有するか、または、式(XVI−F)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
本発明の前駆体分子の別の例は、式(XVI)の構造に依然として基づいており、以下の式(XVI−M)−前駆体を有するか、または、式(XVI−M)−前駆体に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかによる化合物(複数可)は、薬物、Dへの結合のための、E、E´、またはE´´部分として機能し、よって、細胞へのDの膜貫通送達における生物学的性能を目的とする、本発明の所望のコンジュゲートを形成することができる。
本発明の一実施形態では、コンジュゲートを提供し、Dは、各々が式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかによる、E、E´、またはE´´部分に結合した、siRNAまたはDicerの基質などのODであり、それぞれのコンジュゲートの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレートを含む。
事例では、そのDは、オリゴヌクレオチド薬物(OD)であり、コンジュゲートは、とりわけ、以下の選択肢のいずれか1つに従い得る。
(i).ODは、単一のE、E´、またはE´´部分に結合している。
(ii).ODは、同じまたは異なる、2つのE部分に結合し、各々は、任意に各オリゴヌクレオチド鎖の1つの末端(例えば、5´末端)で結合している。
(iii).ODは、同じまたは異なる、3つのE部分に結合し、EおよびE´部分は、各オリゴヌクレオチド鎖の末端(例えば、5´末端)で結合しているが、E´´は、オリゴヌクレオチド鎖内の内部位置で結合している。
(iv).ODは、同じまたは異なる、いくつかの(n>3)E部分に結合し、E部分は、各オリゴヌクレオチド鎖の末端(例えば、5´末端)で結合しているが、いくつかの他のE部分は、オリゴヌクレオチド鎖に沿ったいくつかの内部位置で結合している。
E部分がオリゴヌクレオチド鎖に沿った内部位置で挿入される場合、それは、所望のような、任意の点に配置され得る。Dが、siRNA RNA二本鎖である、ODである場合、パッセンジャー鎖上に内部E部分を挿入することが好ましい。遺伝子サイレンシングにおける構築物の活性に干渉しないパッセンジャー鎖に沿った潜在的に有益な位置は、12位または14位であり得る。E部分は、鎖に沿ってヌクレオチドを置き換えるか、または配列への付加であるかのいずれかであり、よって、siRNA二本鎖を生成するアニーリングプロセス後、RNA二本鎖の構造における「バルジ」を形成することができる。
各コンジュゲートについて、E、E´、またはE´´はまた、各々が式(II)で定義される通り(リン酸、硫酸、またはカルボキシル基)である、RまたはR´部分に結合することができる。E、E´、E´´部分は、同じまたは異なるものであり得、またRおよびR´部分は、同じまたは異なるものであり得る。
例えば、本発明のコンジュゲートは、以下の式(Cn−1)、(Cn−2)、(Cn−3)に示される構造を有し得、E、E´、またはE´´部分を含み、各々は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかによる構造を有し、RおよびR´は、各々式(II)で定義される通りであり、それぞれのコンジュゲートの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレートを含む。
Figure 2021509406
本発明の一実施形態では、15〜25ヌクレオチド長の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む、上記で定義されるアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であるDを含むコンジュゲートを提供する。このASOは、天然もしくは修飾DNA、RNA、ロックド核酸ヌクレオチド(LNA)(ヌクレオチドは、ホスホトリエステル基、ホスホロチオエート基、当該技術分野で知られる、他の核酸結合戦略を介して結合している)、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。このコンジュゲートは、式(Cn−3)に示される、E、E´部分への結合を含む。
Figure 2021509406
式中、TおよびT´は、各々、ヌル、および1´,2´−ジデオキシリボース、ヌクレオチド、またはそれらの組み合わせからなる群から独立して選択され、TおよびT´は、同じまたは異なるものであり得、RおよびR´部分は、式(II)で定義される通りであり、式(Cn−3)に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
その実施形態のうちの1つでは、本発明は、式(Cn−1)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(VIII−H)に従い、当該コンジュゲートは、したがって、以下の式[Cn−1−(VIII−H)]に示される構造を有し、
Figure 2021509406
式[Cn−1−(VIII−H)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−1)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(VIII−M)に従い、以下の式[Cn−1−(VIII−M)]に示される構造を有し、
Figure 2021509406
式[Cn−1−(VIII−M)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−2)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(VIII−H)に従い、以下の式[Cn−2−(VIII−H)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−2−(VIII−H)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
また別の実施形態では、本発明は、式(Cn−2)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(VIII−M)に従い、以下の式[Cn−2−(VIII−M)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−2−(VIII−M)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−1)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XV−H)に従い、以下の式[Cn−1−(XV−H)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−1−(XV−H)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−1)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XV−M)に従い、以下の式[Cn−1−(XV−M)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−1−(XV−M)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−2)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XV−H)に従い、以下の式[Cn−2−(XV−H)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−2−(XV−H)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−2)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XV−M)に従い、以下の式[Cn−2−(XV−M)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−2−(XIV−M)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
一実施形態では、本発明は、式(Cn−1)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XVI−H)に従い、以下の式[Cn−1−(XVI−H)]に示される構造を有し、
Figure 2021509406
式[Cn−1−(XVI−H)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−1)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XVI−M)に従い、以下の式[Cn−1−(XVI−M)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−1−(XVI−M)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−2)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XVI−H)に従い、以下の式[Cn−2−(XVI−H)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−2−(XVI−H)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
別の実施形態では、本発明は、式(Cn−2)によるコンジュゲートを提供し、式中、RおよびR´は、各々リン酸基であり、EおよびE´は、各々式(XVI−M)に従い、以下の式[Cn−2−(XVI−M)]に示される構造を有するか、または、式[Cn−2−(XVI−M)]に示される構造によって表される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレート、ならびに塩の溶媒和物および水和物を含む。
Figure 2021509406
本発明の文脈における「薬物」または「カーゴ薬物」(すなわち、部分D)は、本発明のコンジュゲートによってリン脂質膜を横切って細胞へ送達されることを目的とする分子を指し、Dは、小分子薬物、またはペプチド、タンパク質、もしくはオリゴヌクレオチド薬物(OD)などの高分子のいずれかである。
本発明の文脈における「薬物」または「医薬品」という用語は、疾患に罹患している患者に投与される場合、患者に対して有益な効果を発揮することができる化学物質に関する。有益な効果は、症状の改善から、疾患プロセスにおいて役割を果たす薬剤または物質(例えば、タンパク質)の効果を打ち消すことまでにわたることができる。薬物は、小分子を含んでもよく、または遺伝子発現を阻害するために投与される、タンパク質、または一本鎖もしくは二本鎖RNAもしくはDNAなどの高分子であってもよい。とりわけ、薬物は、siRNA、dsiRNA、またはASOを含み得る。いくつかの実施形態では、薬物は、変性障害、癌、虚血性、感染性、毒性、もしくは外傷性発作、遺伝性もしくは後天性代謝疾患、または免疫媒介性障害を治療することを目的とする。
以降「OD」とも呼ばれる、「オリゴヌクレオチド薬物」という用語は、本発明の文脈では、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含む薬物を指す。オリゴヌクレオチド薬物(OD)の例は、一本鎖または二本鎖、天然または修飾RNAまたはDNAである。ODは、siRNA(小干渉RNA)、Dicer酵素の基質(dsiRNA)、マイクロRNA(miRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)として機能するように設計された、DNA配列であり得る。ODのヌクレオチドビルディングブロック間の結合は、とりわけ、リン酸−トリエステル架橋を介し、ホスホロチオエート結合を介し、または当該技術分野で知られる任意の他の方法を介し得る。ODのビルディングブロックとして機能するヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)などの天然または修飾ヌクレオチドのいずれかであり得る。
本発明の実施形態である、より具体的なODは、RNA二本鎖である、「siRNA」であって、各RNA鎖は、19〜21ヌクレオチド長であり、RISC(RNA誘導サイレンシング複合体)細胞質タンパク質を介して遺伝子発現をサイレンシングすることを目的とし、RNA二本鎖である、DicerのsiRNA基質、(「dsiRNA」)であって、各RNA鎖は、24〜30ヌクレオチド長である。一実施形態では、dsiRNA二本鎖は、25ヌクレオチドの1つの鎖からなり、第2の鎖は、27ヌクレオチドからなる。別の実施形態では、dsiRNA二本鎖は、24ヌクレオチドの1つの鎖からなり、第2の鎖は、27ヌクレオチドからなる。さらに別の実施形態では、dsiRNA二本鎖は、各々27ヌクレオチドからなる、等しい長さのRNA鎖を含む。
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」(ASO)は、合成、一本鎖、天然または修飾DNAまたはRNAオリゴヌクレオチドであり、通常は15〜20ヌクレオチド長である。ASOの配列は、アンチセンスであり、すなわち、合成が阻害されることが求められる、タンパク質をコードする特定のmRNAのセンス配列に相補的である。当該相補的配列へのASOの結合は、リボソームがmRNAに沿って移動する能力をブロックし、よってタンパク質の合成を防止するか、またはあるいは、mRNAの分解速度を速める。
本発明の文脈における「ヌクレオシド」は、窒素塩基(核酸塩基)、および5個または6個の炭素原子の糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)を含む化学的部分として定義される。核酸塩基は、天然または修飾プリン(例えば、アデニン、グアニン)および天然または修飾ピリミジン(例えば、チミン、シトシン、ウラシル)から選択される。核酸塩基は、当該技術分野で知られる、様々な修飾(例えば、メチル化、アセチル化)によって修飾することができる。加えて、ヌクレオシドの糖部分はまた、当該技術分野で知られるように、修飾することができる[例えば、2´−デオキシ誘導体、リボースの2´位でのメチル化、2´−フルオロ原子もしくは2´−O−メトキシエチルの導入、または2´酸素と4´炭素原子とを接続する架橋を有し、ロックド核酸(LNA)を生成する]。したがって、本発明のE部分にコンジュゲートされた、そのような修飾ヌクレオシドの使用はまた、本発明の範囲内である。一実施形態では、ヌクレオシドは、天然または修飾シトシン、チミン、およびウラシルから選択される、ピリミジン誘導体を含み、糖部分は、リボースまたはデオキシリボースのいずれかである。
「ヌクレオチド」は、本発明の文脈において、リン酸基に結合した、上記で定義されるヌクレオシドである。ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドのビルディングブロックである。
本発明の文脈における「前駆体分子」は、以下に定義される、アルコールまたはアミンの保護基に結合した、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかに示される構造を有する、E、E´、またはE´´部分として定義される。
本発明の文脈における「保護基」は、本発明のコンジュゲートの合成中に除去または修飾される運命にある化学基として定義される。そのような除去または修飾は、合成の様々な段階、例えば、限定なく、Dがオリゴヌクレオチド薬物(OD)などの高分子薬物である場合、E、E´、またはE´´部分のDへの結合中に発生し得る。本発明の好ましい実施形態では、保護基は、以下に定義される、アルコールの保護基である。
本発明の文脈における「アルコールの保護基」は、特定の化学反応中にそれを「マスク」するために、ヒドロキシル基に結合し、当該技術分野で知られるように、その後潜在的に除去される、化学基を指す。そのような保護基の例は、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、β−メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ジメトキシトリチル[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル](DMT)、メトキシメチルエーテル(MOM)、メトキシトリチル[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル](MMT)、p−メトキシ−ベンジルエーテル(PMB)、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、トリチル(トリフェニルメチル、Tr)、シリルエーテル[例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)、およびトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル]、エトキシエチルエーテル(EE)、ホスホルアミダイト、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)である。ODなどの高分子薬物への部分のコンジュゲーションのためのアルコールのよく使用される保護基は、ジメトキシトリチル[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル](DMT)、およびホスホルアミダイトである。
本発明の文脈における「アミンの保護基」という用語[式(II)による、X部分]は、特定の化学反応中にそれを「マスク」するために、アミン基に結合し、当該技術分野で知られるように、その後潜在的に除去される、化学基を指す。非限定的に提供される、本発明の範囲内の、アミンの保護基の例は、カルボベンジルオキシ(Cbz)基、p−メトキシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)基、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)基、フェノキシアセチル(PAC)基、4−tertブチルフェノキシアセチル(t−PAC)基、アセチル(Ac)基、ベンゾイル(Bz)基、ベンジル(Bn)基、カルバメート基、p−メトキシベンジル(PMB)、3,4−ジメトキシベンジル(DMPM)、p−メトキシフェニル(PMP)基、トシル(Ts)基、Troc(クロロギ酸トリクロロエチル)基、カルバミン酸2−(トリメチルシリル)エチル(TEOC)である。
本発明の文脈における「固体支持体への結合点」という用語は、化学合成中のE、E´、またはE´´部分の固体支持体への結合点を意味する。例えば、制御された細孔ガラス(CPG)は、本発明のオリゴヌクレオチド鎖の合成中のオリゴヌクレオチドの3´末端の結合のために、固体支持体として使用され得る。
本発明による「生体膜」という用語は、生物学的システムに関する任意のリン脂質膜を指す。そのようなリン脂質膜の例は、血液脳関門(BBB)、血液眼関門(BOB)、または血液胎盤関門などの生物学的障壁に関連する細胞の形質膜、細胞内膜、またはリン脂質膜である。
本発明による「フリップフロップ」という用語は、両親媒性化合物(すなわち、疎水性要素および親水性要素の両方を有する分子)の、リン脂質膜二重層の一方の葉から他方の葉への移動を指す。
本発明による「エンドサイトーシス」という用語は、生きた細胞がその表面に結合した分子を取り込むプロセスを指し、当該プロセスは、形質膜を内側に折り畳み、よって当該分子を細胞にもたらすことを含む。
本発明の実施形態はさらに、それを必要とする対象における、医学的障害の治療のための、タンパク質またはOD(例えば、siRNA、dsiRNA、またはASO)などの治療的に有用な薬物を含む、本発明によるコンジュゲートの使用に関する。医学的障害は、限定なく、変性障害、癌、血管障害、代謝障害、外傷性、毒性、もしくは虚血性発作、感染(例えば、ウイルス性もしくは細菌性)、または免疫媒介性障害であり得、特定のタンパク質(複数可)は、疾患の病因学または発病学のいずれかにおいて役割(複数可)を果たす。そのような医学的障害について、siRNAもしくはアンチセンスメカニズムを通して、これらの疾患関連タンパク質をコードする遺伝子(複数可)の発現の調節、または治療タンパク質による、例えば、抗体による、もしくはシグナル伝達において機能するタンパク質による、もしくはタンパク質置換療法による、それぞれの疾患関連タンパク質の活性の調節は、疾患関連プロセスの阻害、または疾患の根本原因の治療に有益な効果を有し得る。
例えば、本発明の実施形態によるコンジュゲートは、一本鎖もしくは二本鎖核酸配列(DNA、RNA、もしくはその化学的類似体)を含み、特定のタンパク質をコードするDNA配列、またはタンパク質に翻訳されるメッセンジャーRNA(mRNA)のいずれかに結合する、治療の形態である、アンチセンス、siRNA、またはdsiRNA療法として使用され得る。この治療は、疾患関連遺伝子の発現を阻害するように作用し、それによって、疾患の病因学または発病学において役割を果たし得る、疾患関連タンパク質の産生を防止し得る。あるいは、本発明のコンジュゲートは、治療タンパク質、または遺伝子編集を行うことができる、Cas9−RNA複合体などのタンパク質/核酸複合体を含み得る。
本発明の実施形態はまた、本明細書に記載されるコンジュゲート、および薬学的に許容される担体(複数可)または塩(複数可)を含む、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態によると、本発明のコンジュゲートおよび薬学的組成物は、臨床環境を含む、生きた対象において、インビトロ(例えば、細胞培養)、エクスビボ、またはインビボで使用され得る。
本発明の他の実施形態は、それを必要とする患者における、医学的障害の治療における使用のための、本発明のコンジュゲート、または本発明のコンジュゲートを含む薬学的組成物を含む。本発明のさらなる実施形態は、それを必要とする患者における、医学的障害の治療のための薬学的組成物の調製における、本発明のコンジュゲートの使用を含む。いくつかの実施形態では、医学的障害は、癌、代謝性疾患、感染性疾患、変性疾患、血管疾患、外傷、または免疫媒介性疾患である。当該薬学的組成物は、徐放、滞留時間の延長、分散、または安全性などの態様において、当該組成物に有益な特性を可能にするために含まれる、当該技術分野で知られる薬学的に許容される成分を含むことができる。
本発明の実施形態によるコンジュゲートは、本発明のE、E´、またはE´´部分を欠いた、同じ治療剤の送達の有効性と比較して、細胞膜を通した、または血液脳関門(BBB)などの追加の生物学的障壁を通した、siRNA、dsiRNA、ASO、または抗体などの治療タンパク質の送達の有効性を改善するのに有利であり得る。よって、本発明のコンジュゲートは、有効性、例えば、安全性または薬物動態に加えて、1つ以上の態様において高分子薬物の性能を改善し得る。本発明のコンジュゲートは、とりわけ、経口、静脈内、筋肉内、皮下、気管内、気管支内、腹腔内、または髄腔内を含む、当該技術分野で知られる任意の投与様式を介して投与され得る。
DがODである、本発明のコンジュゲートは、非限定的に、以下の方法に従って合成することができる:最初に、サイレンシングされる遺伝子が、疾患の病因学または発病学におけるその役割に基づいて選択される。次いで、当該技術分野で知られるバイオインフォマティック方法論に基づいて、コンジュゲートに組み込まれるヌクレオチド配列が設計および決定される[典型的には、RISC基質の19〜21塩基対二本鎖siRNA、またはDicer基質の24〜29塩基対二本鎖RNA(dsiRNA)]。合成は、オリゴヌクレオチドの3´から5´の方向で行われる。固相合成は、保護された2´−デオキシヌクレオシド(dA、dC、dG、およびdT)、リボヌクレオシド(A、C、G、およびU)、または化学的に修飾されたヌクレオシド、例えば、[LNA(ロックド核酸)、もしくはBNA(架橋核酸)]などの保護されたビルディングブロックを用いて適用される。ビルディングブロックは、ヌクレオシド前駆体として提供され、5´−および3´−ヒドロキシル基は、それぞれ、DMTおよびホスホルアミダイトによって保護される。これらの基は、合成中にヌクレオチドを成長するオリゴヌクレオチド鎖にカップリングする反応中に、所望のヌクレオチド配列によって決定される順序で順次除去される。
本発明のコンジュゲートの合成の目的のために、E基は、前駆体分子として提供され、各々、上記のような保護基(複数可)に結合した、本発明のE、E´、またはE´´部分である。保護基は、当該技術分野で知られるヒドロキシルの任意の保護基であり得るが、ホスホラミダイトおよびDMT[ジメトキシトリチルビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル]は、オリゴヌクレオチド合成において慣習的にしばしば使用される。本発明のコンジュゲートの主な利点は、上記のコンジュゲート(Cn−1)および(Cn−2)で例示されるように、E、E´、またはE´´部分を、オリゴヌクレオチド鎖の5´末端、オリゴヌクレオチド鎖の3´末端、またはオリゴヌクレオチド鎖に沿った内部位置(複数可)でも結合する選択肢を提供することである。それによって、本発明のE部分は、固有、天然オリゴヌクレオチドビルディングブロックと同様に、オリゴヌクレオチド鎖内に組み込まれることができる。ヌクレオチド間の結合は、標準的なホスホトリエステル結合を介するか、または血液中の安定性、もしくは血液タンパク質への好ましい結合などの利点を提供し得る、合成ホスホロチオエート結合を通すか、または当該技術分野で知られる任意の他のヌクレオチド結合戦略を介することができる。鎖のアセンブリの完了後、生成物は、固体支持体から溶液に放出され、脱保護され、収集される。本発明の所望のコンジュゲートを高純度で得るために、所望のコンジュゲートは次いで、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって単離される。siRNAまたはdsiRNAの場合、相補的RNA鎖の各々は、別々に合成され、次いで2つの鎖のアニーリングは、当該技術分野で知られるように行われて、所望の二本鎖siRNAまたはdsiRNAがもたらされ、これは次いで精製およびアリコーティングに供される。
本発明の一実施形態では、細胞膜および生物学的障壁からなる群から選択される、リン脂質生体膜を横切る薬物の送達方法を提供し、当該生物学的障壁は、血液脳関門、血液眼関門、または血液胎児関門から選択され、方法は、細胞またはそれぞれの生物学的障壁を本発明のコンジュゲートと接触させることを含む。
本発明の実施形態では、生体細胞への薬物の送達方法を提供し、当該細胞は、培養中、または生きた動物、もしくはヒト対象中にあり、方法は、細胞をコンジュゲートと、または本発明のコンジュゲートを含む薬学的組成物と接触させることを含む。インビボでの投与の場合、細胞との接触は、当該技術分野で知られる薬物投与の任意の経路、例えば、経口、静脈内、皮下、または筋肉内投与を通して達成することができる。
本発明の一実施形態では、本発明のコンジュゲート、または式(I)によるコンジュゲートを含む薬学的組成物を提供し、式中、E、E´、またはE´´の各々は、独立して、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかに示される構造を有する。本発明はまた、インビトロまたはインビボでの、遺伝子発現の特異的阻害方法を含む。本発明の一実施形態では、方法は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)、(Cn−1)、(Cn−2)、(Cn−3)のいずれかによるコンジュゲート、または当該コンジュゲートを含む薬学的組成物の利用を含み得、式中、Dは、特定の遺伝子の発現をサイレンシングするように設計された、siRNA、dsiRNA、またはASOである。いくつかの実施形態では、遺伝子は、疾患の病因学または発病学において役割を有する病原性タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、Dは、治療タンパク質である。
本発明のさらに別の実施形態では、非限定的に、生体膜内のエンドサイトーシスおよび/またはフリップフロップの誘導方法を提供し、当該方法は、生体膜を本発明のコンジュゲートと、または当該コンジュゲートを含む薬学的組成物と接触させることを含み、当該コンジュゲートは、ODおよび、各々が式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)のいずれかに示される構造を有する、E、E´、またはE´´部分を含み、よって生体膜で、当該コンジュゲートのエンドサイトーシスおよび/またはフリップフロップを達成する。
非限定的な仮説では、エンドサイトーシスまたはフリップフロップの当該誘導の根拠は、本発明のコンジュゲートの構造に関する。ODが、E部分に結合した、siRNAまたはdsiRNAである場合、コンジュゲートは、膜の外葉に近づき、その円筒状RNA二本鎖は、膜表面に平行であり、そのE部分は、膜表面に垂直な、膜コアへ配向される。この配向はよって、RNA二本鎖を膜の外葉に固定する。高度に負に帯電したRNAの外膜葉への結果として生じる強制的な近接は、エネルギー的に好ましくない焦点ひずみを、外リン脂質葉の表面積の拡大、リン脂質ヘッドグループの周りの水和シェルの乱れ、および膜の焦点曲げと共に引き起こす。この曲げエネルギーの緩和は、次いでエンドサイトーシスおよび/またはフリップフロップのいずれかを通して行うことができる。両方のプロセスは、その高分子カーゴ薬物を含む、細胞への本発明のコンジュゲートの膜貫通送達の開始および/または伝播を支持する。したがって、リン脂質膜におけるエンドサイトーシスまたはフリップフロップの誘導方法は、本発明の範囲内にあり、当該方法は、膜を本発明のコンジュゲートと接触させることを含む。
本発明の実施形態によるコンジュゲートは、医学的障害の治療に使用され得る。本発明の実施形態は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)、(Cn−1)、(Cn−2)、(Cn−3)のいずれかによるコンジュゲートを含む、治療有効量の薬学的組成物の、必要とする患者への投与を含む、医学的治療方法を含み、式中、Dは、それぞれの医学的障害の治療に有用な薬物である。
一実施形態では、方法は、治療剤としてのsiRNA、dsiRNA、またはASOでの遺伝子治療のためのものである。当該方法は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)、(Cn−1)、(Cn−2)、(Cn−3)のいずれかによる、本発明のコンジュゲートを含む、治療有効量の薬学的組成物の、必要とする患者への投与を含み、式中、Dは、遺伝子の発現の阻害において、または特定の患者における疾患の病因学または発病学で役割を果たす、それぞれのタンパク質の活性をブロックすることにおいて有用な、siRNA、dsiRNA、mRNA、miRNA、ASO、または治療タンパク質である。
当該治療は、インビトロ、エクスビボのいずれかでの培養における細胞(すなわち、任意に治療操作後に患者に戻されるために、生体組織から取り出された細胞)へ、またはインビボでの生きた動物もしくはヒト対象における細胞への、薬物の送達を含み得る。いくつかの実施形態では、細胞は、新生細胞である。いくつかの実施形態では、新生細胞は、腫瘍細胞である。いくつかの実施形態では、新生細胞は、転移内の細胞である。細胞は、真核細胞、発癌剤によってトランスフェクトされた真核細胞、ヒト細胞、細胞株、前癌細胞である細胞、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
本発明のさらに別の実施形態では、Dは、置換療法として、すなわち、突然変異機能不全タンパク質を置換し、よって生理学的必要性に対処するために投与される、タンパク質である。別の実施形態では、Dは、とりわけ、DNAまたはRNA編集(特定の遺伝子の配列の付加、破壊、または変更)において役割を有するタンパク質を含む、遺伝子調節において役割を有するタンパク質である。一実施形態では、当該タンパク質は、CRISPR(クラスター化された規則的に間隔を空けた短い回文反復)関連タンパク質のメンバーであり得る。具体的には、当該タンパク質は、潜在的にそのガイドオリゴヌクレオチド配列が装填された、Cas9タンパク質(CRISPR関連タンパク質9)、RNAガイドDNAヌクレアーゼ酵素、またはその類似体であり得る。
本発明の実施形態の1つでは、医学的障害の遺伝子治療のための方法を記載し、当該方法は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)、(Cn−1)、(Cn−2)、(Cn−3)のいずれかによるコンジュゲートを含む、治療有効量の薬学的組成物の、必要とする患者への投与を含み、式中、Dは、適切なガイドオリゴヌクレオチドと一緒に投与され、よって、細胞へのそれぞれのガイドオリゴヌクレオチドが装填されたタンパク質の送達を達成する、Cas9などのCRISPRタンパク質であり、CRISPRタンパク質は、そのゲノム編集活性を発揮することができる。この文脈におけるガイドオリゴヌクレオチドは、その部位での二本鎖DNA切断を誘導して、よってゲノムにおける局所欠陥の修復を可能にするために、Cas9タンパク質をゲノムDNA上の特定の遺伝子座(場所)にガイドするRNAまたはDNAの配列である。Cas9の場合、ガイドオリゴヌクレオチドは、RNAの短いセグメントであり、その配列は、標的DNA遺伝子座の配列に相補的である。
したがって、本発明の実施形態によるコンジュゲートおよびそれぞれの薬学的組成物、ならびにそれぞれの方法は、とりわけ、癌、毒性発作、代謝性疾患、虚血性疾患、感染性疾患、血管障害、タンパク質蓄積疾患、外傷、免疫媒介性疾患、変性疾患、遺伝性または後天性医学的障害から選択される、医学的障害の治療において有益であり得る。
したがって、本発明の実施形態では、医学的障害の治療方法を提供し、当該方法は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、(XVI−M)、(Cn−1)、(Cn−2)、(Cn−3)のいずれかによるコンジュゲートを含む、治療有効量の薬学的組成物の、必要とする患者への投与を含み、式中、Dは、この医学的障害の治療に有用な薬物である。
いくつかの実施形態によれば、医学的障害は、癌である。本明細書で使用される場合、「癌」という用語は、制御されない増殖、特殊な機能の喪失、不死、有意な転移能、抗アポトーシス活性の有意な増加、急速な成長および増殖速度、または癌に関連することが知られる特定の特徴的な形態および細胞マーカーなどの癌原因細胞に典型的である特徴を示す細胞の存在を指す。典型的には、癌細胞は、腫瘍の形態であり、動物内に局所的に存在するか、または、例えば、白血病細胞のような、独立細胞として血流中を循環するかのいずれかである。
神経障害の分野では、本発明の実施形態によるコンジュゲートは、とりわけ、アルツハイマー病、運動ニューロン病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、およびクロイツフェルト・ヤコブ病などの神経変性障害の治療において有用であり得る。
感染障害の分野では、本発明の実施形態によるコンジュゲートは、とりわけ、細菌、真菌、もしくは他の寄生虫感染と闘うための抗生物質の送達、またはウイルス感染と闘うための抗ウイルス剤の送達に有用であり得る。したがって、本発明のコンジュゲートのDは、抗感染特性を有し、したがって、細菌またはウイルス感染などの感染性疾患の治療に有用であり得る。本発明のコンジュゲートが有用であり得る、ウイルス感染の例は、限定なく、ヒト免疫不全ウイルス(HIV);C型肝炎ウイルス(HCV)またはB型肝炎ウイルス(HBV)などの肝指向性ウイルス;インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、またはパラインフルエンザウイルスなどのオルソミクソウイルス科による感染である。したがって、本発明の実施形態は、抗ウイルスまたは抗細菌薬に結合した、E、E´、またはE´´部分(複数可)のコンジュゲートである。そのような薬物は、とりわけ、ODであり得、その配列は、感染因子の遺伝子材料と相互作用し、よって当該病原体の複製、代謝、感染性、または生存において役割を有する遺伝的プロセスに干渉することを目的とする。そのような遺伝子配列は、感染因子(例えば、ウイルス)の遺伝子(複数可)の発現をサイレンシングするように特異的に設計された、siRNAまたはdsiRNAであり得る。
感染との闘いにおける本発明のコンジュゲートの有用性は、以下の利用:宿主(例えば、ヒト患者)の細胞への生体膜を横切る、または病原体(例えば、細菌またはウイルス)の細胞への生体膜を横切る治療的に有用な薬剤の送達のいずれかのうちの少なくとも1つにおけるものであり得る。
代謝障害の分野では、本発明の実施形態によるコンジュゲートは、とりわけ、当該代謝障害の原因である遺伝子(複数可)の発現を下方調節することを目的とした、遺伝子治療の送達、または疾患の病因学もしくは発病学において役割を果たす、欠陥突然変異タンパク質を置き換えるための、タンパク質の投与のために有用であり得る。
他の実施形態では、本発明は、植物の細胞へのリン脂質膜を横切る化合物の送達を増強し、よって農業における利用に潜在的に有益であるための、本発明の化合物の潜在的利用に関する。結合した化合物、および所望の適応症に応じて、そのような送達は、農業において様々な有用な利用を有することができる。例えば、植物におけるそのような送達は、とりわけ、植物の遺伝学を改善することによって、または様々な病原体:昆虫、細菌、もしくは真菌の根絶によって、作物の質および量の改善を助けることができる。
以下の実施例は、本発明の実施形態を実際にどのように実施することができるかを実証するために、非限定的に本発明を例示する。実施例は、本発明の様々な化合物およびコンジュゲートを記載する。全ての記載されるコンジュゲートは、式(Cn−1)または(Cn−2)に従い、各々が一般式(II)による構造を有するE、E´、またはE´´部分を含む。実施例は、式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、または(XIV−M)に示される構造から選択される、様々なE、E´、またはE´´部分を提供する。これらのコンジュゲートは、遺伝子サイレンシングにおける生物学的活性を示す。この性能は、式(I)および(II)を含むコンジュゲートが、結果としての有用な生物学的性能(この場合、遺伝子サイレンシング)と共に、細胞へのリン脂質膜を横切る高分子ODの有用な送達を可能にする、一般的かつ統一的な構造モチーフを表すという概念を支持する。加えて、実施例は、本発明のE部分、それらの前駆体、および有用なコンジュゲートへのそれらのアセンブリの化学合成のための方法を記載する。
実施例1:D部分がオリゴヌクレオチドである、本発明の実施形態によるコンジュゲートの一般的な合成方法:
最初に、サイレンシングされる遺伝子が、疾患の病因学または発病学におけるその役割に基づいて選択される。次いで、当該技術分野で知られるバイオインフォマティック方法論に基づいて、コンジュゲートに組み込まれるヌクレオチド配列が設計および決定される[典型的には、RISC基質の19〜21塩基対二本鎖siRNA、またはDicer基質の24〜29塩基対二本鎖RNA(dsiRNA)]。
合成は、オリゴヌクレオチドの3´から5´の方向で行われる。固相合成は、保護された2´−デオキシヌクレオシド(dA、dC、dG、およびdT)、リボヌクレオシド(A、C、G、およびU)、または化学的に修飾されたヌクレオシド、例えば、[LNA(ロックド核酸)、もしくはBNA(架橋核酸)]に由来する、保護されたビルディングブロックを用いて適用される。ビルディングブロックは、ヌクレオシド前駆体として提供され、5´−および3´−ヒドロキシル基は、それぞれ、DMTおよびホスホルアミダイトによって保護される。これらの基は、ヌクレオチドを成長するオリゴヌクレオチド鎖にカップリングする反応中に、所望のヌクレオチド配列によって決定される順序で順次除去される。
本発明のコンジュゲートの合成の目的のために、E基は、前駆体分子として提供され、各々、上記のような保護基に結合した、本発明のE、E´、またはE´´部分である。保護基は、当該技術分野で知られるヒドロキシルの任意の保護基であり得るが、ホスホラミダイトおよびDMT[ジメトキシトリチルビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル]は、オリゴヌクレオチド合成において慣習的にしばしば使用される。本発明のコンジュゲートの主な利点は、コンジュゲート(Cn−1)および(Cn−2)で例示されるように、E、E´、またはE´´部分を、オリゴヌクレオチド鎖の5´末端、オリゴヌクレオチド鎖の3´末端、またはオリゴヌクレオチド鎖に沿った内部位置でも結合する選択肢を提供することである。それによって、本発明のE部分は、固有、天然オリゴヌクレオチドビルディングブロックと同様に、オリゴヌクレオチド鎖内に組み込まれることができる。ヌクレオチド間の結合は、標準的なホスホトリエステル結合を介するか、または血液中の安定性、もしくは血液タンパク質への結合などの利点を提供し得る、合成ホスホロチオエート結合を通すか、または当該技術分野で知られる任意の他のヌクレオチド結合方法論を介することができる。鎖のアセンブリの完了後、生成物は、固体支持体から溶液に放出され、脱保護され、収集される。所望のコンジュゲートは次いで、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって単離され、本発明の所望のコンジュゲートが高純度で得られる。siRNAまたはdsiRNAの場合、各相補的RNA鎖は、別々に合成され、次いで2つの鎖のアニーリングは、当該技術分野で知られるように標準的な条件で行われて、所望の二本鎖siRNAまたはdsiRNAがもたらされ、これは次いで精製およびアリコーティングに供される。
実施例2:本発明のE、E´、またはE´´部分を含む、前駆体分子の化学合成方法:
実施例2A:主要な中間体フェノール1の合成:
Figure 2021509406
エストラジオールを過剰の水素化ナトリウムで処理し、続いて臭化アリルを加え、化合物3へのクリーンな変換をもたらした。1.5当量の9−BBNでのその後のヒドロホウ素化は、末端ヒドロキシ基のみをもたらしたが、BHでのヒドロホウ素化は、選択性がはるかに低く、付加物の混合物を提供した。アルコール5を光延反応条件に供して、過フッ素化tert−ブタノールと結合して、化合物6を得た。化合物8のベンジル基の水素化分解は、フェノール1を供給した。結論として、フェノール1は、エストラジオールから5つの合成ステップを介して45%全収率で調製した。
2bA1.(8R,9S,13S,14S,17S)−3−ベンジルオキシ−17−ヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン(2):
(8R,9S,13S,14S,17S)−3−ベンジルオキシ−17−ヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン(2)の合成は、本明細書で上記のセクション2aA1に開示されている。
2bA2.(8R,9S,13S,14S,17S)−17−アリルオキシ−3−ベンジルオキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン(3):
(8R,9S,13S,14S,17S)−17−アリルオキシ−3−ベンジルオキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン(3)の合成は、本明細書で上記のセクション2aA2に開示されている。
2bA3.(8R,9S,13S,14S,17S)−3−ベンジルオキシ−17−(3−ヒドロキシプロポキシ)エストラ−1,3,5(10)−トリエン(7):
9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(800mL、THF中の0.5M溶液、安定化、400mmol)を、0℃のTHF(1L)中の粗製アルケン3(101.2g、251mmol)の溶液に滴下し、完全な添加後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を0℃に冷却し、水性30%NaOH(150mL、1.3mol)および35%水性(120mL、1.3mol)をゆっくりと同時に滴下し、得られた不均一な混合物を室温で約1時間激しく撹拌した。反応混合物を次いでEtOAc(2L)とブライン(500mL)との間で分配した。有機相をさらに500mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。この手順を同様の方法で繰り返し、両方の部分を組み合わせた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の25%〜35%EtOAcの勾配)による濃縮物のさらなる精製は、アルコール5(130g、310mmol)を白色の固体として61%収率(3ステップ)でもたらした。
2bA4.(8R,9S,13S,14S,17S)−3−ベンジルオキシ−17−[3−(パーフルオロ−tert−ブチルオキシ)プロポキシ]エストラ−1,3,5(10)−トリエン(8):
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(80mL、407mmol)をアルコール7(130g、301mmol)、トリフェニルホスフィン(162g、618mmol)、パーフルオロ−tert−ブタノール(70mL、497mmol)、および乾燥THF(2L)の撹拌混合物に窒素雰囲気下で滴下した。混合物を室温で約18時間撹拌した。反応混合物を部分的に濃縮し、ヘプタン(1L)を加えた。THFの完全な除去後、沈殿が始まった。固体を濾過を用いて除去し、濾液を濃縮した。アセトニトリル(1.5L)を加え、沈殿が始まるまで混合物を30分間撹拌した。固体を濾過によって収集し、真空で乾燥させた。化合物8(160g、251mmol)を白色の固体として81%収率で単離した。
2bA5.(8R,9S,13S,14S,17S)−3−ヒドロキシ−17−[3−(パーフルオロ−tert−ブチルオキシ)プロポキシ]エストラ−1,3,5(10)−トリエン(フェノール1)
Parr容器にEtOAc(1L)中のベンジルエーテル8(160g、251mmol)を入れ、これに炭素上の10%パラジウム(4g)を加えた。混合物を水素圧(5バール)下、室温で撹拌した。反応をH NMRで監視した。約72時間後、反応混合物を(EtOAcで洗い流した)セライトのパッドを通して濾過し、新鮮な10%木炭担持パラジウム(4g)を水素雰囲気(5バール)に再送した。約16時間後、反応混合物を(EtOAcで洗い流した)セライトのパッドを通して濾過し、濃縮して、フェノール1(125g、228mmol)を灰色がかった固体として91%収率で提供した。
実施例2b:主要なビルディングブロックK−93−A−1の合成:
合成は、以下の合成スキームに従って行われる。
Figure 2021509406
実施例2c:式(III)−前駆体の合成:
Figure 2021509406
Figure 2021509406
中間体K−93−A−1は、上記のように合成されるが、中間体K−103−5の合成は、以下の合成スキームに従って行われる。
Figure 2021509406
実施例2d:式(IV)−前駆体の合成:
Figure 2021509406
式(IV)−前駆体の合成は、フェノール1の誘導体であるK−103A−2と主要なビルディングブロックK−93−A−1とのコンジュゲーションによって行われる。合成は、以下の合成スキームに従って行われる。
Figure 2021509406
実施例2e:式(V)−前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
チオアセテート11の合成:
Figure 2021509406
合成は、1,3−プロパンジオールでのケトンの保護によって開始して、化合物2を良好な純度で提供した。アセタールのLiAlHおよびAlCl開環は、約85:15の比の化合物3およびエストラジオールの混合物を与え、後者は反応性が低く、次のステップで除去される。
フェノールをブロモ酢酸メチルでアルキル化し、化合物4を得た。パーフルオロ−tert−ブタノール部分を光延条件を用いて導入した(化合物5)。化合物5をメチルアミンで処理して、アミド6を提供した。BH.DMSを用いるアミドの還元は、アミン7を提供した。アミンを臭化物8でアルキル化して、エステル9を提供した。エステルをLiAlHで対応するアルコール(10)に還元した。最後に、光延条件を用いてチオアセテートを導入して、所望のビルディングブロック11を提供した。
アミン7のアルキル化は、予想されるよりも簡単ではないようである。室温では変換は達成されず、塩基(EtNまたはKCOなど)の存在が必要であると考えられる。しかしながら、得られた収率は、通常、40%の範囲であった。LiAlHでのエステルのアルコール10へのその後の還元は、良好な変換および簡単なワークアップをもたらした。アルミナ塩は、通常、水性20%KOH(1モルあたり160mL)を加えることによって破壊され、これは、簡単な濾過後、THF中の所望の材料を与える。アルコールのチオアセテートへの変換は、光延条件を介して達成される。添加の順序について、チオ酢酸が最後の成分として添加されるべきであることに留意しなければならない。ワークアップおよび注意深い精製後、チオエステル11を得ることができた。
チオトシレート18の合成:
Figure 2021509406
以前の化合物の合成中に、チオトシレートビルディングブロック中のアミンの存在が非常に低い収率の原因であることが観察された。したがって、Boc保護チオトシレート18が必要であった。Boc基は、ジスルフィド形成後に除去され、アミンは、次いでアルキル化される。アミノプロパノールをBoc基で保護し、これをその後LiAlHによって対応するメチルアミン13に還元した。ここで第二級アミンを次いで新たなBoc基で保護して、化合物14を提供した。アルコールをエチルジアゾアセテートと反応させて、エーテル官能基を導入した(15)。LiAlHを使用してエステルを還元して、アルコール16を提供した。NBSでの臭素化は、臭化物17を提供した。チオトシル酸カリウムでの臭化物の置換は、所望のチオトシレートビルディングブロック18をもたらした。
ヨウ化物22の合成:
Figure 2021509406
マロン酸ジエチルを4−ブロモ酪酸メチルでアルキル化して、トリエステル19を提供した。全ての3つのエステルをLiAlHでの処理によって同時に還元して、トリオール20を提供した。アセトニド保護基がジメトキシプロパンとの反応によって導入され、アルコール21をもたらした。アルコールをヨウ化物に変換して、所望のビルディングブロック22を提供した。
式(V)−前駆体の合成の統合:
Figure 2021509406
Figure 2021509406
チオアセテート11とチオトシレート18との間のジスルフィド形成は、ジスルフィド23を良好な収率で提供した。Boc基を除去するTFAでの処理は、アミン24を提供した。アミンをヨウ化物22でアルキル化して、25を40%収率で提供した。アセトニドを酸での処理によって除去して、ジオール26を提供した。DMT基を導入して、化合物27をもたらした。最終的なホスホラミダイト形成は、式(V)−前駆体を提供した。
実験セクション:
チオアセテート11の合成:
(8R,9S,13S,14S)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン−17,2´−[1,3]ジオキサン]−3−オール(2)
トルエン(1.5L)中のエストロン(252グラム、0.93mol)の懸濁液に、トリメトキシメタン(297g、350mL、2.80mol)、プロパン−1,3−ジオール(213g、250mL、2.80mol)、およびpTsOH(2g、10mmol)を加えた。60℃に温め、16時間撹拌した。トリエチルアミン(6mL)および水(600mL)を加え、さらに1時間撹拌を続けた。相を分離し、有機層を水(3×400ml)およびブラインで洗浄した。NaSOで乾燥させ、部分的に約1Lに濃縮した。ヘプタン(4L)に注ぎ、白色の固体を濾別した。ヘプタンで洗浄し、真空乾燥させた。化合物2(271グラム、825mmol)を白色の固体として88.5%収率で単離した。
(8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−ヒドロキシプロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール(3)
0℃のTHF中の(13S)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン−17,2´−[1,3]ジオキサン]−3−オール(2、60.7g、185mmol)の溶液に、注意深く水素化リチウムアルミニウム(8.42g、222mmol)を加え、続いて塩化アルミニウム(98.6g、739mmol)(非常に発熱性!)を少量ずつ加えた。0℃で15分撹拌し、次いで50℃に温めた。(ロータリーエバポレーターの目詰まりのため)50℃で2時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、NHCl(水性)(500mL)の滴下でクエンチを始めた。室温で1時間撹拌した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、濃縮した。エストラジオール(約15%)で汚染された、白色の固体(65グラム)を得た。
2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−ヒドロキシプロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)酢酸メチル(4)
粗製材料3(89.4グラム)をアセトン(1.25L)およびMeOH(0.2L)に溶解し、炭酸カリウム(60グラム、435mmol)およびブロモ酢酸メチル(50mL、435mmol)で処理した。懸濁液を60℃に温め、撹拌を16時間続けた。TLCに基づいて、全てのフェノール部分はアルキル化されていた。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(全ての不純物を除去する、ヘプタン中の20%〜30%EtOAc、所望の材料を得るための100%のEtOAcの溶離液)を使用してさらに精製した。
化合物4(56.7グラム、140.3mmol)を黄色の油として65%収率で単離した。
2−((((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ))プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)酢酸メチル(5)
THF(1L)中の化合物4(56.7グラム、140.3mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(55.4グラム、211mmol)、ノナフルオロ−tert−ブチルアルコール(30mL)、およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(38.5グラム、167mmol)を加えた。TLCが完全な変換を示した場合、混合物を30分間撹拌した。ヘプタン(500mL)を加え、混合物を部分的に約500mLに濃縮した。さらにヘプタン(1L)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。沈殿物が形成され、これを濾別し、濾液を濃縮して、微量のDBADおよびトリフェニルホスフィンで汚染されているが、化合物5を黄色のシロップとして提供した。
2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−N−メチルアセトアミド(6)
化合物5の粗製シロップをMeOH(250mL)で希釈し、40%水性メチルアミン(350mL)を加えた。TLCが完全な変換を示した場合、白色の沈殿物を1時間撹拌した。水(1L)を加え、固体を濾別した。残渣を水で洗浄し、ジクロロメタン(1L)に吸収した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。約7cmのシリカおよびヘプタン中の15%EtOAcでの最初の溶出を使用して、さらなる精製を行った。全ての不純物がカラムから除去されたとき、化合物6を100%EtOAcで溶出した。微量のトリフェニルホスホキシドが存在したままであるが、化合物6(82.0グラム、132mmol)を白色の固体として94%収率で単離した。
2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−N−メチルエタン−1−アミン(7)
65℃のTHF(500mL)中の化合物6(56.0グラム、90.5mmol)の溶液に、BH.DMS(56mL、590mmol)を滴下した。還流をさらに5時間続け、次いで混合物を室温に冷却した。混合物をMeOH(300mL)に注意深く溶解し、HCl(50mL)中の4Mジオキサンを加えた。溶液を30分間還流し、次いで室温に冷却し、濃縮した。混合物をMeOH(300mL)に溶解し、30分間還流した。冷却および濃縮後、シロップをCHCl(1L)に吸収し、水性飽和重炭酸ナトリウム(2x)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。化合物7(50.0グラム、82.6mmol)を、91%収率でゆっくり固化した透明な油として単離した。微量のトリフェニルホスホキシドでの不純物プロファイルを化合物6と同様であった。
2−(3−ブロモプロポキシ)酢酸エチル(8)
DCM(100mL)中の2−ジアゾ酢酸エチル(100g、0.74mol)および3−ブロモプロパン−1−オール(0.10kg、74mL、0.74mol)の溶液に、0°CでBF.OEt(1.1g、0.94mL、7.4mmol)を加えた。反応を0℃で15分間および室温で3時間、ガス発生が観察されなくなるまで撹拌した。混合物をDCM(500mL)で希釈し、混合物をHO(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去して、2−(3−ブロモプロポキシ)酢酸エチル(8、180g、0.80mol、110%)を透明な黄色の油として提供した。
2−(3−((2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(フルオロ−メチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカ−ヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)(メチル)アミノ)プロポキシ)酢酸エチル(9)
アセトニトリル(300mL)中の2−(3−ブロモプロポキシ)酢酸エチル(11g、50mmol)、化合物7(25g、41mmol)、炭酸カリウム(11g、83mmol)、およびヨウ化カリウム(0.69g、4.1mmol)の懸濁液を70℃に16時間温めた。混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の20%〜30%アセトン+1%EtNの勾配)を使用したさらなる精製は、化合物8(12.0グラム、16mmol)を39%で、ゆっくりと固化した透明な油として提供した。
2−((3−((2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン)−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナンスレン−3−イル)オキシ)エチル)(メチル)アミノ)プロポキシ)エタン−1−オール(10)
0℃のTHF(200mL)中の化合物9(12g、16mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.91g、24mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、1時間30分撹拌した。TLCは、完全な消費を与えた。反応混合物を20%KOH(160mL/mol、V=4.2mL)でクエンチし、1時間撹拌し、濾過し、真空中で濃縮した。化合物10(10.2グラム、14.4mmol)を透明として単離した。
S−(2−(3−((2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)(メチル)アミノ)プロポキシ)エチル)エタンチオエート(11)
THF中の化合物10(20.2g、28.5mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(9.73g、37.1mmol)、およびDIAD(6.93g、6.66mL、34.3mmol)を加え、次いで5分後にチオ酢酸(3.26g、3.07mL、42.8mmol)を加えた。撹拌を3時間続け、ヘプタン(20mL)を加え、濃縮した。
フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の10%アセトン+1%EtN)を使用して精製した。化合物11(15.4グラム、20.1mmol)を透明な粘性油として71%収率で単離した。
チオトシレート18の合成:
(3−ヒドロキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(12)
DCM(500mL)中の3−アミノプロパン−1−オール(28.5g、379mmol)およびトリエチルアミン(38.4g、53mL、379mmol)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(91.1g、417mmol)をゆっくりと加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をイミダゾール(スクープ)でクエンチし、5分間撹拌した。混合物を1M HCl(300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、化合物12(55g、0.31mol、83%)を透明な油として提供した。
3−(メチルアミノ)プロパン−1−オール(13)
THF(500mL)中の水素化リチウムアルミニウム(26g、0.67mol)の氷冷懸濁液に、0℃でTHF(250mL)中のtert−ブチル(3−ヒドロキシプロピル)カルバミン酸エチル(12、88g、0.34mol)の溶液を滴下した。完全添加後、混合物を室温で30分間および70℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで0℃でのKOH(20%、107mL)の滴下によってクエンチした。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液をNaSOで乾燥させ、濃縮した。NMRは、依然として一部のBocがインタクトであることを示した。材料をTHF(500mL)に溶解し、LiAlH(13g、0.341eq.)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却した。0℃で、KOH(20%、54mL)をゆっくりと加えて反応をクエンチし、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液をNaSOで乾燥させ、濃縮して、Boc−メチルアミノプロパノール(22.6g、170mmol、50%)を透明な油として提供した。
(3−ヒドロキシプロピル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(14)
DCM(500mL)中の3−(メチルアミノ)プロパン−1−オール(13、22.6g、254mmol)およびトリエチルアミン(25.7g、35mL、254mmol)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(55.3g、254mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を、ガス発生が観察されなくなるまで、室温で1時間撹拌した。混合物を1M HClで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、Boc保護アミン14(43g、230mmol、90%)を透明な油として提供した。
2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロポキシ)酢酸エチル(15)
DCM(500mL)中のアルコール14(36g、0.19mol)の溶液に、2−ジアゾ酢酸エチル(25g、23mL、0.19mol)および三フッ化ホウ素エーテラート(2.7g、2.4mL、19mmol)を加え、得られた混合物を16時間撹拌した。混合物を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の20%EtOAc)を使用して精製して、エステル15(11g、40mmol、21%)を透明な油として提供した。
(3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(16)
THF中の水素化リチウムアルミニウム(2.7g、71mmol)の氷冷懸濁液に、THF(50mL)中のエステル15(13g、47mmol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。KOH(20%、11mL)を0℃で滴下することによって反応をクエンチした。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、アルコール16(8.5g、36mmol、77%)を透明な油として提供した。
(3−(2−ブロモエトキシ)プロピル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(17)
DCM(300mL)中のアルコール16(8.5g、36mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(13g、51mmol)およびNBS(7.8g、44mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。ヘプタンを加え、DCMを蒸発によって除去した。形成された固体を濾別し、濾液を濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘプタン)を使用して精製して、臭化tert−ブチル17(7.6g、26mmol、70%)を透明な油として提供した。
S−(2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロポキシ)エチル)4−メチルベンゼンスルホノチオエート(18)
DMF(200mL)中の臭化物17(7.6g、26mmol)およびカリウム4−メチルベンゼンスルホノチオエート(8.7g、38mmol)の溶液を50℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水(1L)で希釈した。混合物をEtOAc/ヘプタン(3x200mL 1:1)で抽出し、組み合わされた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、チオトシレート18(9.1g、23mmol、88%)を透明な油として提供した。
ヨウ化物22の合成:
ブタン−1,1,4−トリカルボン酸1,1−ジエチル4−メチル(19)
DMF(500mL)中の水素化ナトリウム(10g、0.26mol)の氷冷懸濁液に、マロン酸ジエチル(42g、40mL、0.26mol)をゆっくりと加え、混合物が浄化するまで反応混合物を室温で1時間撹拌した。4−ブロモブタン酸メチル(47g、0.26mol)を0℃で加え、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を部分的に濃縮し、残渣を1N HCl(300mL)および水(1.3L)でクエンチした。混合物をHept/EtOAc(1/1、2x250mL)で抽出した。組み合わされた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、トリエステル19(63g、0.24mol、92%)を透明な油として提供した。
2−(ヒドロキシメチル)ヘキサン−1,6−ジオール(20)
THF(500mL)中の水素化リチウムアルミニウム(25g、0.66mol)の氷冷懸濁液に、THF(100mL)中のトリエステル19(63g、0.24mol)の溶液をゆっくりと0℃で加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。KOH(20%水性106mL)を0℃でゆっくりと加えることによって反応をクエンチした。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、トリオール20(16g、0.11mol、45%)を透明な黄色の油として提供した。
4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブタン−1−オール(21)
THF(200mL)中のトリオール20(16g、0.11mol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(5.1g、27mmol)および2,2−ジメトキシプロパン(34g、40mL、0.32mol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をDCM(200mL)に溶解した。混合物をNaHCO(水性飽和200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、褐色の油としてのアセトニド21(9.0g、48mmol、44%)に濃縮した。
5−(4−ヨードブチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン(22)
DCM(250mL)中のアルコール21(3.7g、20mmol)、トリフェニルホスフィン(6.2g、24mmol)、およびイミダゾール(1.6g、24mmol)の溶液に、ヨウ素(5.5g、22mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をチオ硫酸ナトリウム(飽和水性2×100mL)およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の15%EtOAc)を使用して精製して、ヨウ化物22(3.7g、12mmol、63%)を透明な黄色の油として提供した。
式(V)−前駆体の合成:
(1−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−3−メチル−7,14−ジオキサ−10,11−ジチア−3−アザヘプタデカン−17−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(23)
DCM(200mL)およびMeOH(20mL)中のチオトシレート18(3.4g、8.5mmol)およびチオアセテート11(5.0g、6.5mmol)の溶液に、MeOH(5.4M)中のナトリウムメトキシド(1.1g、3.6mL、20mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を200mLのDCMで希釈し、NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の10%アセトン+1%NEt)によって精製して、ジスルフィド23(6.5g、6.7mmol、定量的)を透明な油として提供した。
N−(2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)−N−メチル−3−(2−((2−(3−(メチルアミノ)プロポキシ)エチル)ジスルファニル)エトキシ)プロパン−1−アミン(24)
DCM(200mL)中のtert−ブチルジスルフィド23(6.5g、6.7mmol)の溶液に、TFA(15g、10mL、0.13mol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。追加のTFA(5mL)を加え、30分間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をDCM(250mL)に溶解した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、アミン24(5.3g、6.1mmol、91%)をわずかに黄色の透明な油として提供した。
4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−N−(1−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−3−メチル−7,14−ジオキサ−10,11−ジチア−3−アザヘプタデカン−17−イル)−N−メチルブタン−1−アミン(25)
アセトニトリル(200mL)中のアミン24(5.3g、6.1mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.84g、6.1mmol)およびヨウ化物22(1.8g、6.1mmol)を加え、得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をDCM(300mL)に溶解した。混合物をNaHCO(半飽和水性250mL)およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の25%アセトン+1%NEt)を使用して精製して、アセトニド25(2.5g、39%)を透明な油として提供した。
2−(1−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−3,18−ジメチル−7,14−ジオキサ−10,11−ジチア−3,18−ジアザドコサン−22−イル)プロパン−1,3−ジオール(26)
MeOH(100mL)中のアセトニド25の溶液に、p−トルエンスルホン酸(1.1g、6.0mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をDCM(200mL)に溶解した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、ジオール26(2.1g、2.1mmol、87%)を透明な油として提供した。
23−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−1−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−3,18−ジメチル−7,14−ジオキサ−10,11−ジチア−3,18−ジアザテトラコサン−24−オール(27)
DCM(200mL)中のジオール26(2.1g、2.1mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.42g、0.58mL、4.2mmol)、DMAP(26mg、0.21mmol)、および4,4´−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(0.71g、2.1mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の25〜40%アセトン+1%NEt、NEtで前処理されたシリカ)を用いて精製して、DMT保護化合物27(2.3g、1.8mmol、84%)を黄色がかった油として提供した。
23−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−1−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−3,18−ジメチル−7,14−ジオキサ−10,11−ジチア−3,18−ジアザテトラコサン−24−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホラミダイト(Apo−Si−K−105−B)
DCM(100mL)中の化合物27(2.3g、1.8mmol)の溶液に、3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)オキシ)プロパンニトリル(0.69g、0.72mL、2.3mmol)、ならびにDCM中のNMMおよびTFA(4.6mL、0.5M NMMおよび0.25M TFA、1.3eq.NMM)の溶液を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の30%アセトン+1%NEt、不活性化するためにヘプタン/NEtで前処理されたシリカ)を使用して精製して、式(V)−前駆体(2.2g、83%)を透明な油として提供した。
実施例2f:式(VII)−前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
式(VII)−前駆体の合成は、以下の合成スキームに従って行われる。合成は、3つの主要なビルディングブロックに焦点を当てる。
ビルディングブロックK−105−6:
Figure 2021509406
ビルディングブロックK−109B−1:
Figure 2021509406
ビルディングブロックK−53−2:
Figure 2021509406
次いで、全てのビルディングブロックを最終化合物式(VII)−前駆体に統合する。
Figure 2021509406
実施例2g:式(VIII−F)−前駆体の合成方法:
エストロンから出発して、既知の化学物質を使用して、既知の中間体であるメチルエステル5を作製することができる。窒素を次いでアミノプロパノールとの反応によって導入することができる。これは、以前にメチルアミンについて行われたように直接可能であり得る。そうでなければ、メチルエステルを加水分解し、標準ペプチドカップリングプロトコルを使用して窒素を導入することができる。アミドを次いで還元して、所望の第二級アミンK−93−F−2をもたらすことができる。その後のBoc基の導入および光延によるチオアセテート官能基の導入は、所望のビルディングブロックK−93−F−4を提供するであろう。
Figure 2021509406
Figure 2021509406
最終式(VIII−F)−前駆体へのフラグメントの統合:
式(VIII−F)−前駆体のアセンブリは、ビルディングブロックK−93−F−4とチオトシレート6との間のジスルフィド形成で始まる。次いで、アセトニド部分およびBoc基を酸での処理によって同時に除去する。遊離第二級アミンを次いでFmoc基で保護する。その後のDMT結合およびホスホルアミダイト形成は、式(VIII−F)−前駆体を提供する(スキーム16)。
Figure 2021509406
実施例2h:式(XIIa)−前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
この合成を以下のスキームに示す。合成は、ジスルフィド部分の両側を収束し、これについて左部分はチオアセテートとして、ステロイド含有右部分はチオトシレートとして官能化される。これらはマージされ、最終化合物を提供するために小さな修飾を必要する。
チオトシレート8の合成:
Figure 2021509406
この合成は、1,3−プロパンジオールでのケトンの保護によって開始して、化合物2を良好な純度で提供した。アセタールのLiAlHおよびAlCl開環は、約85:15の比の化合物3およびエストラジオールの混合物を与え、後者は反応性が低く、次のステップで除去される。フェノールをブロモ酢酸メチルでアルキル化して、メチルエステル4を提供した。パーフルオロブタノール部分が次いで光延条件を用いて導入され、化合物5を提供した。メチルエステルを水素化リチウムアルミニウムによって還元し、形成されたアルコール6を臭素化して、臭化物7を提供した。チオトシル酸カリウムでの処理は、所望のビルディングブロックチオトシレート8をもたらした。
チオアセテート16の合成:
Figure 2021509406
ビルディングブロック16の合成は、4−アミノブタン−1−オールから開始した。アミンをBoc基で保護した。アルコールをその後、対応する臭化物(10)に変換し、これを次いでマロン酸ジエチルにアルキル化して、ビスエステル11を提供することができた。化合物11が室温でLiAlHで処理される場合、エステルは還元されるが、Boc基はそのままである。ジオール12をその後、触媒量の酸の存在下でジメトキシプロパンでの処理によって保護して、アセトニド13を提供した。高温でのLiAlHでの処理は、Boc部分を所望のメチルアミン(14)に還元した。最後に、アルデヒド15での還元的アミノ化は、チオアセテート16を提供した。アルデヒド15は、一段階反応、すなわち、アクロレインへのチオ酢酸のマイケル付加を通して、容易に入手可能であった。
式(XIIa)−前駆体の統合:
Figure 2021509406
チオトシレート8とチオアセテート16との間のジスルフィド形成は、アセテートがNaOMeによってインサイチュで除去され、得られるチオールがチオトシレートを攻撃する、既知の反応条件で行われた。アセトニドの除去およびその後のDMT−Clの結合は、18を提供した。最終的なホスホラミダイト形成は、式(XIIa)−前駆体をもたらした。
実験セクション:
チオトシレート8の合成:
(8R,9S,13S,14S)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン−17,2´−[1,3]ジオキサン]−3−オール(2)
トルエン(1.5L)中のエストロン(252グラム、0.93mol)の懸濁液に、トリメトキシメタン(297g、350mL、2.80mol)、プロパン−1,3−ジオール(213g、250mL、2.80mol)、およびpTsOH(2g、10mmol)を加えた。60℃に温め、16時間撹拌した。トリエチルアミン(6mL)および水(600mL)を加え、さらに1時間撹拌を続けた。相を分離し、有機層を水(3x400mL)およびブラインで洗浄した。NaSOで乾燥させ、部分的に約1Lに濃縮した。ヘプタン(4L)に注ぎ、白色の固体を濾別した。ヘプタンで洗浄し、真空乾燥させた。化合物2(271グラム、825mmol)を白色の固体として88.5%収率で単離した。
(8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−ヒドロキシプロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール(3)
0℃のTHF中の(13S)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン−17,2´−[1,3]ジオキサン]−3−オール(2、60.7g、185mmol)の溶液に、注意深く水素化リチウムアルミニウム(8.42g、222mmol)を加え、続いて塩化アルミニウム(98.6g、739mmol)(非常に発熱性!)を少量ずつ加えた。0℃で15分撹拌し、次いで50℃に温めた。(ロータリーエバポレーターの目詰まりのため)50℃で2時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、NHCl(水性)(500mL)の滴下でクエンチを始めた。室温で1時間撹拌した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、濃縮した。エストラジオール(約15%)で汚染された、白色の固体(65グラム)を得た。
2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−ヒドロキシプロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)酢酸メチル(4)
粗製材料3(89.4グラム)をアセトン(1.25L)およびMeOH(0.2L)に溶解し、炭酸カリウム(60グラム、435mmol)およびブロモ酢酸メチル(50mL、435mmol)で処理した。懸濁液を60℃に温め、撹拌を16時間続けた。TLCに基づいて、全てのフェノール部分はアルキル化されていた。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(全ての不純物を除去する、ヘプタン中の20%〜30%EtOAc、所望の材料を得るための100%のEtOAcの溶離液)を使用してさらに精製した。化合物4(56.7グラム、140.3mmol)を黄色の油として65%収率で単離した。
2−((((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ))プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)酢酸メチル(5)
THF(1L)中の化合物4(56.7グラム、140.3mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(55.4グラム、211mmol)、ノナフルオロ−tert−ブチルアルコール(30mL)、およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(38.5グラム、167mmol)を加えた。TLCが完全な変換を示した場合、混合物を30分間撹拌した。ヘプタン(500mL)を加え、混合物を部分的に約500mLに濃縮した。さらにヘプタン(1L)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾別し、濾液を濃縮して、化合物5を黄色のシロップとして提供した。
2−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エタン−1−オール(6)
THF(300mL)中の水素化リチウムアルミニウム(2.0g、53mmol)の氷冷懸濁液に、THF(100mL)中のメチルエステル5(17g、27mmol)の溶液をゆっくりと加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。KOH(8.5mL、20%水性160mL/mol LiAlH)を0℃でゆっくりと加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、アルコール6(15g、94%)をゆっくりと結晶化する透明な油として提供した。
(13S,17S)−3−(2−ブロモエトキシ)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン(7)
DCM(300mL)中の化合物6(15g、25mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(9.8g、38mmol)およびNBS(5.3g、30mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCOで洗浄し、NaSO4で乾燥させ、濃縮した。濃緑色の残渣にヘプタン(500mL)を加え、得られた混合物を30分間撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮した。混合物をヘプタン(250mL)に吸収し、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、臭化物7(15.4g、94.1%)を透明なわずかに黄色の油として提供した。残留PPhを除去するために、材料をEtO(300mL)に溶解し、水性KMnO溶液、水、およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。P(O)Phを次いでカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の5%EtOAc)によって除去して、生成物を透明な油として提供した。
S−(2−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)4−メチルベンゼンスルホノチオエート(8)
DMF(150mL)中の臭化物7(2.9g、4.4mmol)の溶液に、カリウム4−メチルベンゼンスルホノチオエート(2.0g、8.8mmol)を加え、得られた混合物を50℃で16時間および室温で128時間撹拌した。水(500mL)を加え、混合物をEtOAc/ヘプタン(1/1、2×250mL)で抽出した。組み合わされた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、チオトシレート8(2.2g、65%)を提供した。
チオアセテート14の合成:
(4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(9)
DCM(50mL)中の4−アミノブタン−1−オール(25g、0.28mol)の溶液に、DCM(150mL)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(61g、0.28mol)の溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を90分間撹拌し、その後ガス発生はもはや観察されなかった。混合物をDCM(200mL)で希釈し、1M HCl(400mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、(4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(43g、230mmol、82%)を透明な油として提供した。
(4−ブロモブチル)カルバミン酸tert−ブチル(10)
(4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(7、43g、230mmol)をDCM(500mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(90g、340mmol)およびNBS(45g、250mmol)を水によって冷却しながらゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で90分間撹拌した。NMRは、完全な変換を示した。混合物を水性飽和重炭酸ナトリウム(飽和300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、体積の3分の1まで濃縮した。ヘプタン(500mL)を加え、残ったDCMを真空で除去した。追加のヘプタン(200mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して、粗製(4−ブロモブチル)カルバミン酸tert−ブチル(10、75g、74%)を黄色の油として提供した。NMRは、43%のPPhおよび57%の正しい生成物を示した。
2−(4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)マロン酸ジエチル(11)
DMF(500mL)中の水素化ナトリウム(6.8g、0.17mol)の氷冷懸濁液に、マロン酸ジエチル(27g、26mL、0.17mol)をゆっくりと加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、(4−ブロモブチル)カルバミン酸tert−ブチル(10、75g、0.17mol)を加えた。反応混合物を室温に到達させ、18時間撹拌した。反応混合物を1N HCl(300mL)および水(1.3L)でクエンチした。混合物をHept/EtOAc(1/1)(2x250mL)で抽出した。組み合わされた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、化合物11(48g、85%)を透明な油として提供した。NMRは、少量のマロン酸ジエチルが依然として存在することを示した。材料をそのまま還元に使用した。
(6−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(12)
THF(750mL)中のLiAlH(25g、0.66mol)の氷冷溶液に、THF(100mL)中の2−(4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)マロン酸ジエチル(11、48g、0.14mol)を滴下した。反応混合物を0℃で2.5時間撹拌した。20%KOH(106mL)を0℃をゆっくりと加えることによって反応をクエンチした。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、その後それをセライトで濾過した。濾液をNaSOで乾燥させ、濃縮して、(6−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(12、22.3g、62%)を透明な油として提供した。
(4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(13)
THF(300mL)中の(6−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(12、22.3g、90.2mmol)の溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(28.2g、34mL、270mmol)および4−メチルベンゼンスルホン酸水和物(3.43g、18.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後NMRは完全な変換を示した。混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(300mL)で洗浄した。水層をEtOAcでもう一度抽出した。組み合わされた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、カルバミン酸tert−ブチル(4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)(13、21.6g、83.4%)を透明な油として提供した。
4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−N−メチルブタン−1−アミン(14)
THF(300mL)中のLiAlH(4.28g、113mmol)の懸濁液に、THF(100mL)中の(4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(13、21.6g、75.2mmol)の溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を70℃で16時間還流した。混合物を0℃に冷却し、その後KOH(20%水性、18mL)をゆっくりと加えることによって反応をクエンチした。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液を真空で濃縮する前にNaSOで乾燥させ、化合物14(13g、86%)をわずかに黄色がかった透明な油として得た。
S−(3−オキソプロピル)エタンチオエート(15)
DCM(200mL)中のアクリルアルデヒド(15g、18mL、0.27mol)の溶液に、トリエチルアミン(6.8g、9.3mL、67mmol)およびゆっくりとチオ酢酸(20g、19mL、0.27mol)を加えた。得られた混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗製材料をカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、S−(3−オキソプロピル)エタンチオエート(15、26.3g、74%)を濃黄色/オレンジ色の油として提供した。
S−(3−((4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)(メチル)アミノ)プロピル)エタンチオエート(16)
1,2−ジクロロエタン(400mL)中の4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−N−メチルブタン−1−アミン(14、9.2g、46mmol)の溶液および酢酸(11g、10mL、0.18mol)に、S−(3−オキソプロピル)エタンチオエート(15 7.2g、55mmol)を加え、得られた混合物を5分間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(39g、180mmol)を加え、得られた混合物を室温で90分間撹拌した。水性飽和重炭酸ナトリウム(100mL)を加えて、反応をクエンチし、混合物を15分間撹拌した。混合物を水性飽和重炭酸ナトリウム(300mL)で希釈し、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出し、組み合わされた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の40−50%EtOAc+1%NEt)を使用して精製して、S−(3−((4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)(メチル)アミノ)プロピル)エタンチオエート(16、11.5g、79%)をオレンジ色の油として提供した。
式(XIIa)−前駆体の合成:
4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−N−(3−((2−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)ジスルファネイル)プロピル)−N−メチルブタン−1−アミン(17)
DCM(200mL)およびMeOH(20mL)中のチオトシレート8(3.3g、4.3mmol)およびチオアセテート16(2.3g、7.4mmol)の溶液に、MeOH中のナトリウムメトキシド(0.47g、1.6mL、8.7mmol)を加えた。得られた混合物を2時間撹拌した。NMRは、チオトシレートの完全な消費を示した。混合物をDCM(200mL)で希釈し、NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の10%アセトン+1%NEt)によって精製して、ジスルフィド17(0.85g、22%)を透明な油として提供した。
2−(4−((3−((2−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)ジスルファネイル)プロピル)(メチル)アミノ)ブチル)プロパン−1,3−ジオール
MeOH(100mL)中のアセトニド17(2.1g、2.3mmol)の溶液に、トシル酸(530mg、2.8mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、その後TLCが完全な変換を示した。揮発物を真空で除去した。粗製材料をDCM(100mL)に溶解し、NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、生成物(1.7g、2.0mmol、87%)を白色の固体として提供した。
2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−6−((3−((2−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)エチル)ジスルファネイル)プロピル)(メチル)アミノ)ヘキサン−1−オール(18)
DCM(100mL)中のジオール(1.7g、2.0mmol)、トリエチルアミン(0.25g、0.34mL、2.4mmol)、およびDMAP(25mg、0.20mmol)の溶液に、4,4´−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(0.68g、2.0mmol)を加え、得られた黄色の混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(25%アセトン/ヘプタン+1%NEt)によって精製して、生成物18(1.3g、1.1mmol、56%)を透明な油として提供した。
2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−6−((3−((2−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−l)オキシ)エチル)ジスルファネイル)プロピル)(メチル)アミノ)ヘキシル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホルアミダイト(Apo−Si−K−113)
DCM(100mL)中の化合物18(1.3g、1.1mmol)の溶液に、DCM(0.5 M NMM、0.25M TFA)中のN−メチルモルホリン(0.15g、3.0mL、1.5mmol)およびTFA(84mg、3.0mL、0.74mmol)の溶液を加えた。次いで、3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)オキシ)プロパンニトリル(0.45g、0.47mL、1.5mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌し、反応をTLCによって監視した。完全な変換後、混合物をNaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の15%アセトン+1%NEt)を使用して精製して、Apo−Si−K−113(1.5g、1.1mmol、98%)を透明な油として提供した。
実施例2i:式(XIIb)−前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
式(XIIb)−前駆体の合成は、以下の合成スキームに従って行われる。
Figure 2021509406
Figure 2021509406
実施例2j:式(XIIIa)−前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
式(XIIIa)−前駆体の合成は、以下の合成スキームに従って行われる。
Figure 2021509406
Figure 2021509406
実施例2k:式(XIIIb)−前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
式(XIIIb)−前駆体の主要な特徴は、ジスルフィドとステロイド部分との間のエーテル基である。ジスルフィドの他の側には、別のエーテルおよび第三級アミンが存在する。
チオトシレート10の合成:
Figure 2021509406
合成は、1,3−プロパンジオールでのケトンの保護によって開始して、化合物2を良好な純度で提供した。アセタールのLiAlHおよびAlCl開環は、約85:15の比の化合物3およびエストラジオールの混合物を与え、後者は反応性が低く、次のステップで除去される。臭化アリルを反応性求電子剤として使用した。フェノールの選択的アルキル化は、光延条件を使用して脂肪族アルコールへのパーフルオロ化tert−ブタノールのその後の結合を可能にし、化合物5を提供した。9−BBN処理によるアリルのさらなる官能基化およびその後の還元は、アルコール6を提供した。このアルコールをジアゾ酢酸エチルで伸長して、化合物7を提供することができた。アルコールへの還元、対応するヨウ化物への変換、およびその後のチオトシル化は、化合物10を提供した。
チオアセテート18の合成:
Figure 2021509406
ビルディングブロック18の合成の第1のステップは、アミノブタノールのアミンを保護して、アルコール11を提供することであった。アルコールをその後NBSおよびPPhでの処理によって臭化物12に変換した。臭化物を次いでマロン酸ジエチルにアルキル化して、ジエステル13を提供した。室温でのLiAlHでの処理は、エステルを還元するが、Boc基を還元せず、よってジオール14をもたらした。ジオールを次いでアセトニド(15)として保護した。Boc基を高温でのLiAlHでの処理によって還元して、アミン16を提供した。適切な塩化物でのアミンのアルキル化は、化合物17を提供した。光延条件を用いてヒドロキシ部分をチオアセテートに変換して、ビルディングブロック18を提供した。
式(XIIIb)−前駆体の合成:
Figure 2021509406
チオトシレート10およびチオアセテート18の混合物をNaOMeで処理して、ジスルフィド19を提供した。アセトニド基を酸での処理によって除去して、ジオール20を提供した。DMT基をアルコールのうちの1つに結合して、化合物21をもたらした。最後に、ホスホラミダイト形成は、式(XIIIb)−前駆体を提供した。
実験セクション:
チオトシレート10の合成:
(8R,9S,13S,14S)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン−17,2´−[1,3]ジオキサン]−3−オール(2)
トルエン(1.5L)中のエストロン(252グラム、0.93mol)の懸濁液に、トリメトキシメタン(297g、350mL、2.80mol)、プロパン−1,3−ジオール(213g、250mL、2.80mol)、およびpTsOH(2g、10mmol)を加えた。混合物を60℃に温め、16時間撹拌した。トリエチルアミン(6mL)および水(600mL)を加え、さらに1時間撹拌を続けた。相を分離し、有機層を水(3×400mL)およびブラインで洗浄した。混合物をNaSOで乾燥させ、部分的に約1Lに濃縮した。混合物をヘプタン(4L)に注ぎ、白色の固体を濾別し、ヘプタンで洗浄し、真空で乾燥させた。化合物2(271グラム、825mmol)を白色の固体として88.5%収率で単離した。
(8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−ヒドロキシプロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール(3)
0℃のTHF中の(13S)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロスピロ[シクロペンタ[a]フェナントレン−17,2´−[1,3]ジオキサン]−3−オール(2、60.7g、185mmol)の溶液に、注意深く水素化リチウムアルミニウム(8.42g、222mmol)を加え、続いて塩化アルミニウム(98.6g、739mmol)(非常に発熱性!)を少量ずつ加えた。0℃で15分撹拌し、次いで50℃に温めた。(ロータリーエバポレーターの目詰まりのため)50℃で2時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、NHCl(水性)(500mL)の滴下でクエンチを始めた。室温で1時間撹拌した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、濃縮した。エストラジオール(約15%)で汚染された、白色の固体(65グラム)を得た。
3−(((8R,9S,13S,14S,17S)−3−(アリルオキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)オキシ)プロパン−1−オール(4)
MeOH/アセトン中の化合物3(10.1g、30.6mmol)および炭酸カリウム(8.45g、61.1mmol)の懸濁液を臭化アリル(7.39g、5.28mL、61.1mmol)で処理した。4時間加熱して還流し、次いで完全な変換が観察された。室温に冷却し、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン(250mL)を加え、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。
粗製材料(12.8グラム、34.5mmol)をそのまま追跡化学で使用した。
(8R,9S,13S,14S,17S)−3−(アリルオキシ)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン(5)
THF(300mL)中の化合物4(12.78g、34.49mmol)およびトリフェニルホスフィン(13.57g、51.74mmol)の溶液に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−オール(12.21g、7.23mL、51.74mmol)および(E)−ジアゼン−1,2−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(10.32g、44.84mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで濃縮した。
フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の5%〜10%EtOAcの勾配)を使用した精製後、化合物5(16.7グラム、28.4mmol)を黄色がかった油として82%収率で単離した。
3−(((8R,9S,13S,14S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)プロパン−1−オール(6)
9−BBN(5.54g、90mL、45.4mmol)を0℃のTHF(250mL)中の粗製化合物5(16.7g、28.4mmol)の溶液に滴下し、完全な添加後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を0℃に冷却し、ゆっくりと水酸化ナトリウム(20g、16mL、148mmol)および過酸化水素(14g、13mL、148mmol)を同時に滴下し、得られた不均一な混合物を室温で約1時間激しく撹拌した。反応混合物をデカントし、EtOAc(700mL)とブライン(100mL)との間で分配した。有機相を追加量のブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の25%〜35%EtOAcの勾配)による濃縮物のさらなる精製は、化合物6(13.6g、22.4mmol)を79.0%収率でもたらした。
2−(3−(((8R,9S,13S,14S,17S)17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)プロポキシ)酢酸エチル(7)
化合物6(13.6g、22.4mmol)および2−ジアゾ酢酸エチル(3.0g、2.8mL、22.4mmol)をDCM(250mL)に溶解し、0℃でBF.OEt(31.8mg、28.4μL、224μmol)を加えた。反応を0℃で15分間および室温で3時間、ガス発生が観察されなくなるまで撹拌した。TLCに基づいて、完全な変換は観察されなかった。さらなる2−ジアゾ酢酸エチル(5mL)およびBF.OEtを加え、2時間撹拌を続けた。混合物をDCM(200mL)で希釈し、トリエチルアミン(1mL)を加え、混合物を水(100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の5%〜10%EtOAcの勾配)を使用したさらなる精製は、化合物7(5.5グラム、7.9mmol)を透明な黄色がかった油として35%収率で提供した。
2−((3−(((8R,9S,13S,14S,17S))−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)プロポキシ)エタン−1−オール(8)0℃のTHF(100mL)中のLiAlH(0.36g、9.5mmol)の懸濁液に、化合物7(5.5g、7.9mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(1.7mL)中の20%KOHの添加によってクエンチした。懸濁液をさらに1時間撹拌し、次いでセライトの短経路で濾過した。濃縮した。化合物8(4.81グラム、7.4mmol)を93%収率で単離し、そのまま追跡化学で使用した。
(8R,9S,13S,14S,17S)−3−(3−(2−ブロモエトキシ)プロポキシ)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン(9)
ジクロロメタン(250mL)中の化合物8(4.81g、7.39mmol)、イミダゾール(604mg、8.87mmol)、およびトリフェニルホスフィン(2.33g、8.87mmol)の溶液に、0℃でヨウ素(2.06g、8.13mmol)を加えた。混合物を16時間撹拌し、次いで水性飽和チオ硫酸ナトリウムを加え、相を分離した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘプタンに溶解し、沈殿のために静置し、固体を濾別した。濃縮した。
フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の5%EtOAc)を使用したさらなる精製は、化合物9(3.90g、5.13mmol)を透明な油として69%収率で与えた。
S−(2−(3−(((8R,9S,13S,14S,17S)17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)プロポキシ)エチル)4−メチルベンゼンスルホノチオエート(10)
化合物9(3.90g、5.13mmol)をDMFに溶解し、カリウム4−メチルベンゼンスルホノチオエート(1.72g、7.6mmol)を加えた。懸濁液を室温で16時間撹拌した。TLCは、部分的な変換のみを示した。混合物を4時間50℃に温め、次いで室温に冷却した。EtOAc(50mL)、続いてヘプタン(100mL)を加え、水で3回、次いでブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の5%〜15%EtOAc)を使用したさらなる精製。化合物10(3.45g、4.2mmol)をクリーンな油として83%収率で単離した。
チオアセテート18の合成:
(4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(11)
DCM(50mL)中の4−アミノブタン−1−オール(25g、0.28mol)の溶液に、DCM(150mL)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(61g、0.28mol)の溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を90分間撹拌し、その後ガス発生はもはや観察されなかった。混合物をDCM(200mL)で希釈し、1M HCl(400mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、(4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(11、43g、82%)を透明な油として提供した。
(4−ブロモブチル)カルバミン酸tert−ブチル(12)
DCM(500mL)中の(4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(11、23g、120mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(44g、170mmol)およびゆっくりとNBS(25g、143mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をNaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。ヘプタン(500mL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。形成された固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮して、(4−ブロモブチル)カルバミン酸tert−ブチル(12、32.8g、130mmol、定量的)を透明な油として提供した。
2−(4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)マロン酸ジエチル(13)
DMF(500mL)中の水素化ナトリウム(6.8g、0.17mol)の氷冷懸濁液に、マロン酸ジエチル(27g、26mL、0.17mol)をゆっくりと加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、(4−ブロモブチル)カルバミン酸tert−ブチル(12、75g、0.17mol)を加えた。反応混合物を室温に到達させ、18時間撹拌した。反応混合物を1N HCl(300mL)および水(1.3L)でクエンチした。混合物をヘプタン/EtOAc(1/1、2x250mL)で抽出した。組み合わされた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、ジエステル13(48g、0.14mol、85%)を透明な油として提供した。
(6−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(14)
THF(750mL)中のLiAlH(8.7g、0.23mol)の氷冷溶液に、THF(100mL)中のジエステル13(19g、57mmol)を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。20%KOH(水性37mL)を0℃でゆっくりと加えることによって反応をクエンチした。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、その後それをセライトで濾過した。濾液をNaSOで乾燥させ、濃縮して、ジオール14(12g、50mmol、86%)を透明な油として提供した。
(4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)カルバミン酸tert−ブチル(15)
THF(300mL)中のジオール14(22g、90mmol)の溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(28g、34mL、270mmol)および4−メチルベンゼンスルホン酸水和物(3.4g、18mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(300mL)で洗浄した。水層をEtOAcでもう一度抽出した。組み合わされた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、アセトニド15(21.6g、83.4%)を透明な油として提供した。
4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−N−メチルブタン−1−アミン(16)
THF(300mL)中のLiAlH(2.2g、58mmol)の懸濁液に、アセトニド15(11g、39mmol)を加え、得られた混合物を70℃で16時間撹拌した。混合物を室温まで放冷した。次いで、混合物を0℃に冷却し、0℃でKOH(20%、9.3mL)をゆっくりと加えることによって反応をクエンチした。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、メチルアミン16(7.8g、39mmol、定量的)を透明な油として提供した。
2−(2−((4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)(メチル)アミノ)エトキシ)エタン−1−オール(17)
MeCN(150mL)中のアミン16(4.1g、20mmol)の溶液に、2−(2−クロロエトキシ)エタン−1−オール(2.5g、2.1mL、20mmol)、ヨウ化カリウム(0.34g、2.0mmol)、および炭酸カリウム(5.6g、41mmol)を加え、得られた混合物を80℃で40時間撹拌した。混合物を水(100mL)およびNaHCO(100mL)で希釈し、DCM(2×200mL)で抽出した。組み合わされた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(MeOH中3%7M NH3:97%DCM)を使用して精製して、アルコール17(2.9g、10mmol、49%)を黄色がかった油として提供した。
S−(2−(2−((4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)ブチル)(メチル)アミノ)エトキシ)エチル)エタンチオエート(18)
THF(100mL)中のアルコール17(2.9g、10mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(4.2g、16mmol)および(E)−ジアゼン−1,2−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(3.0g、13mmol)を加え、得られた混合物を5分間撹拌した。次いで、チオ酢酸(0.99g、0.94mL、13mmol)を加え、混合物の大部分を脱色した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗製材料をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の20%アセトン+1%NEt)によって精製して、チオアセテート18(3.5g、10mmol、定量的)を黄色の油として提供した。
式(XIIIb)−前駆体の統合:
4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−N−(2−(2−((2−(3−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)プロポキシ)エチル)ジスルファネイル)エトキシ)エチル)−N−メチルブタン−1−アミン(19)
DCM(100mL)およびMeOH(10mL)中のチオトシレート10(1.1g、1.3mmol)およびチオアセテート18(0.70g、2.0mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(5.4M、0.50mL、2.7mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を1時間撹拌した。混合物をDCM(100mL)で希釈し、NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(10〜20%アセトン/ヘプタン+1%NEt)によって精製して、ジスルフィド19(0.58g、0.6mmol、45%)を透明な油として提供した。
2−(1−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−14−メチル−4,11−ジオキサ−7,8−ジチア−14−アザオクタデカン−18−イル)プロパン−1,3−ジオール(20)
(溶解性のために追加のDCMを加えた)MeOH(50mL)中のジスルフィド20(0.58g、0.60mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(0.14g、0.72mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をDCM(100mL)に溶解した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、ジオール20(0.53g、0.57mmol、95%)を透明な油として提供した。
19−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−1−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−14−メチル−4,11−ジオキサ−7,8−ジチア−14−アザイコサン−20−オール(21)
DCM(50mL)中のジオール20(1.0g、1.1mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.22g、0.30mL、2.2mmol)、DMAP(13mg、0.11mmol)、および最後に4,4´−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(0.36g、1.1mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(NEtで前処理されたシリカを使用する、ヘプタン中の20〜25%アセトン+1%NEt)によって精製して、化合物21(0.96g、0.78mmol、72%)を透明な黄色がかった油として提供した。
19−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−1−(((13S,17S)−17−(3−((1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−イル)オキシ)プロポキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル)オキシ)−14−メチル−4,11−ジオキサ−7,8−ジチア−14−アザイコサン−20−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホラミダイト[式(XIIIb)−前駆体]
DCM(50mL)中のアルコール21(0.96g、0.78mmol)の溶液に、3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)オキシ)プロパンニトリル(0.31g、0.32mL、1.0mmol)、ならびにDCM中のNMMおよびTFA(2.0mL、0.5M NMMおよび0.25M TFA、1.3eq.NMM)の溶液を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、その後、TLCは、部分的な変換を示した。追加のホスファネイル(0.5eq.)およびNMM/TFA溶液(0.5eq.NMM)を加え、混合物を1時間撹拌した。TLCは、完全な変換を示した。混合物をNaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(NEtで前処理されたシリカを使用する、ヘプタン中の20%アセトン+1%NEt)を使用して精製して、式(XIIIb)−前駆体(0.96g、0.67mmol、86%)を透明な油として提供した。
実施例2L:式(XIV−F)前駆体の合成:
Figure 2021509406
化合物3から出発して、臭化物K−105−F−1を使用してフェノールをアルキル化することができる(下記参照)。パーフルオロ部分を次いで、光延条件を用いて導入することができる(K−150−F−3)。アミドおよびエステルは同時に還元され、形成された第三級アミンは次いでBoc基で保護することができる。光延条件を用いるチオアセテート基の最終的な導入は、ビルディングブロックK−150−F−6を提供する。
Figure 2021509406
所望のビルディングブロックK−150−Fへの最短ルートは、1,5−ジオキセパン−2−オンのベータ−アラニンでの開環である。ベータ−アラニンでの開環は、アミドK−150−F−7を提供する。EtOHでのエステル化は、カルボン酸を保護する。その後のアルコールの臭化物mへの変換は、ビルディングブロックK−105−F−1を提供し、これを次いでフェノールにアルキル化する。
Figure 2021509406
式(XIV−F)前駆体の統合
アセンブリは、ビルディングブロックK−150−F−6とチオトシレート6との間のジスルフィド形成で始まる。次いで、アセトニド部分およびBoc基は、酸での処理によって同時に除去されるであろう。遊離第三級アミンを次いでFmoc基で保護することができる。その後のDMT結合およびホスホルアミダイト形成は、式(XIV−F)−前駆体を提供するであろう。
実施例2m:式(XV−F)前駆体の合成:
Figure 2021509406
式(XV−F)前駆体は、チオトシレート13(スキーム22)およびビルディングブロック7(スキーム23)から調製される。
Figure 2021509406
第2のビルディングブロック、化合物7は、スキーム23に示されるように合成される。
Figure 2021509406
式(XV−F)−前駆体の合成の統合および完了:
Figure 2021509406
実施例2n:式(VIII−F)前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
合成は、以下のスキーム25に従って行われる、主要なビルディングブロックであるチオトシレート16の合成によって始まる。
Figure 2021509406
合成は、以下の合成スキーム26に従って行われる、チオアセテートK−93−F−4の合成を進む。
Figure 2021509406
化合物F−2をTeoc保護して、化合物F−3を95%収率で提供した。チオアセテートF−4の合成は、約60%収率で行われた。1.76グラムを単離した。主要なフラグメントであるチオトシレート16およびチオアセテートK−93−F−4を有して、合成は、次いで以下のスキーム27に従って進んだ。
Figure 2021509406
最初に、フラグメントであるチオトシレート16およびチオアセテートK−93−F−4をジスルフィド結合の生成と組み合わせて、中間体K−95−F−5を提供した。F−5をMeOH中のpTsOHで処理して、ジオールを遊離し、よってF−6(93%収率、1.3グラム)を生成した。F−6を次いでDMT−Clでモノ保護して、化合物F−8を提供した。ホスホラミダイトを次いで結合し、式(VIII−F)−前駆体(Teoc)による化合物を1.004グラムで単離し、出荷のためにバイアルに保存した。保護基としてのTeocが、酸、塩基、ならびに還元剤および酸化剤に対して比較的安定であるが、フッ化物の添加によって容易に除去することができ、よってオリゴヌクレオチドの合成中、アミンの保護基として有用となることは、注目に値する。本発明のE部分の合成において、この保護基は、したがって、式(VIII−H)、(XIV−H)、および(XV−H)による化合物に導入される、第三級アミンの生成において役割を有することができる。
実施例2p:式(XVI−F)前駆体の合成方法:
Figure 2021509406
合成は、実施例2mに記載される、2つの例外を除き、式(XV−F)前駆体の合成と同一である:(i).L部分の出発材料は、ペンタフルオロベンゾエート(A)であり、ジフルオロベンゾエート(B)ではない。(ii)、アミンの保護基は、実施例2nに記載されるように導入された、TEOCである。
Figure 2021509406
実施例3:膜貫通送達における、Dicer基質である、本発明のコンジュゲートの潜在的な作用メカニズム(MOA):
ODを含む本発明のコンジュゲートの潜在的な作用メカニズムは、本明細書において非限定的に記載される。当該MOAは、4つのステップを含む。
1.コンジュゲートと外膜葉との相互作用:
本発明のコンジュゲートが、2〜3つのE部分に結合した、siRNAまたはdsiRNAである場合、コンジュゲートは、円筒状RNA二本鎖が、膜表面に平行であり、E、E´、またはE´´部分が、膜表面に垂直な、膜コアへ配向される位置において、膜の外葉に近接する。このアプローチは、ODを膜表面に固定するように作用する。高度に負に帯電したRNAの外膜葉への結果として生じる強制的な近接は、エネルギー的に好ましくない焦点膜ひずみ、外リン脂質葉の表面積の拡大、およびリン脂質ヘッドグループの水和シェルの乱れをもたらし、これらは全て膜の焦点曲げを引き起こす。
2.曲げエネルギーの緩和:
不利な膜の曲げの緩和は、エンドサイトーシス、フリップフロップ、または両方のいずれかを通して行うことができる。両方のプロセスは、本発明のコンジュゲートの膜貫通送達の開始および/または伝播を支持し、直接、またはエンドソームコンパートメントを通してのいずれかでの、細胞質への高分子薬物を含む。
3.カーゴ薬物の放出を伴う、酸化還元媒介性プロセスにおける細胞質内のE、E´、またはE´´部分の分離。
上記のような、1つ以上のE、E´、またはE´´部分は、siRNAまたはdsiRNAコンジュゲートの膜貫通透過に必要であるが、コンジュゲートが細胞質に到達すると、これらの送達部分を除去し、体から排泄し、よってカーゴ薬を遊離して、その細胞質作用部位に接近させることが望ましい。カーゴ薬物がsiRNAまたはdsiRNAである場合、この切断は、siRNAまたはdsiRNAと遺伝子サイレンシングタンパク質複合体(DicerおよびRISC)との相互作用における立体障害を回避することを可能にする。加えて、E部分からのカーゴ薬物のそのような分離は、細胞リン脂質膜に対するコンジュゲートの負担を最小限に抑え、これは、安全性の観点から有利な手段である。この目的のために、本発明のE部分は、ジスルフィド部分を含む。細胞外環境において優勢であるような、酸化条件下では、ジスルフィドは、高い安定性を示し、したがって、本発明のコンジュゲートを、その全身投与後、体内に広く分布させ、巨大な細胞膜プールに接触させることを可能にする。
対照的に、細胞質は、主に、任意の生きた細胞の細胞質内で継続的に生成され、細胞質では、細胞外空間との比較:1〜5mM対3〜5μMにおいて、約3〜4桁高い、還元型グルタチオン(GSH)のその高濃度のため、高度に還元的な環境である。
細胞質内のこれらの著しい還元条件のため、E部分のジスルフィド基は、細胞質環境においてロバストな還元を受ける。結果として、細胞質におけるその標的部位で(例えば、遺伝子サイレンシングのためのDicerおよび/またはRISCタンパク質複合体で)その薬理作用を発揮するために、カーゴ薬物(例えば、dsiRNA)が放出される。ジスルフィド切断後、本発明のE部分は、他のステロール系分子(例えば、エストロゲン)と同様に、直接または代謝(例えば、肝臓におけるシトクロム−P−450媒介性ヒドロキシル化またはグルクロン酸化)後のいずれかで、胆汁および/または尿を介して体から排泄される。
4.遺伝子サイレンシングのための遊離されたODと細胞質部位との相互作用
本発明のコンジュゲートの上記MOAは、限定なく、図2A、2B、2C、2D、および2Eに例示される。各々式(III)による構造を有する、EおよびE´を有する、[Cn−1−(III)]によるコンジュゲートが例示される。Wは、式(II)に従う。例示されるRNA二本鎖は、各鎖の5´末端に結合したリン酸基を有する、25/27ヌクレオチド長のDicer基質である。膜貫通送達後、細胞質に到達すると、著しく還元的な周囲条件のために、E、E´、およびE´´部分の切断および除去が行われ、各E部分毎に短い断端が残り、短い炭化水素鎖に結合した、チオール基を含むRNA二本鎖に依然として結合している(図2B)。RNA二本鎖は、次いでDicerエンドヌクレアーゼと相互作用する。この相互作用は、2ヌクレオチドオーバーハングを有する、ガイド(アンチセンス)鎖二本鎖の3´末端の、Dicerタンパク質の疎水性ポケットへの結合、およびパッセンジャー(センス)鎖のリン酸基と、タンパク質表面のそれぞれの正に帯電したポケットとの相互作用によって開始される。この固定は、RNA二本鎖をタンパク質表面に配置し、酵素がRNA二本鎖の正確な二本鎖切断を行うことを可能にし、パッセンジャー(センス)鎖上に残る2つのE断端を有する、21/21−ヌクレオチド二重らせんを残す(図2C)。図2Dは、酵素ヘリカーゼ(RNA鎖を分離することができる、細胞質酵素)によるセンス鎖のその後の除去を示す。この作用は、所望の遺伝子サイレンシングを誘導するために、E部分の残留断端を除去し、よってインタクトなアンチセンス鎖を放出して、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に入る(図2E)。
実施例4:インビボでのマウスモデルにおける静脈内投与後の遺伝子サイレンシングの誘導における本発明のコンジュゲートの生物学的性能:
目的:
本発明の2つのE部分に結合した、dsiRNAを含む、本発明のコンジュゲートの、静脈内投与後に遺伝子サイレンシングを誘導する能力の実証。
方法:
(1).本発明のE部分にコンジュゲートされた、dsi−RNA二本鎖:
APOC3遺伝子をサイレンシングするように設計された、25/27ヌクレオチド長dsiRNA二本鎖を使用した。このRNA二本鎖は、各鎖の5´末端で、以下に記載される構造を有する、式(IX)による、本発明のE部分に結合した。APOC3遺伝子は、肝臓によって合成され、トリグリセリドの分布および代謝において極めて重要な役割を有するタンパク質である、APOC3タンパク質をコードする。APOC3の発現は、主に肝臓および腎臓に限定される。
実験に利用されたE部分は、式(IX)に従った。それは、前駆体分子としてSyncom BV(オランダ)によって合成され、DMTおよびホスホルアミダイトを保護基として有する。Apo−Si−APOC3−dsiRNAコンジュゲートは、上記の実施例1に記載されるように、Integrated DNA Technologies(IDT、Leuven、ベルギー)によって合成した。それは、[Cn−1−(IX)]−APOC3−dsiRNAコンジュゲートであり、すなわち、各々が、APOC3遺伝子をサイレンシングするために、dsiRNAにコンジュゲートされた、式(IX)に示される構造を有する、2つのE部分を含んだ。したがって、コンジュゲートは、以下の構造を有した。
Figure 2021509406
この研究で使用された遺伝子配列は以下であった。
標的ApoC3−dsiRNA−コンジュゲート:
センス鎖の配列:
/5´−(IX)/mGmGrAmUrGmGrArCrArArUmCrAmCrUmUrCmArGrArUrCr CCT
アンチセンス鎖の配列:
/5´(IX)/rArGmGrGrArUrCrUmGrAmArGmUrGrArUrUrGrUrCrCrAmUrCmCmAmG
mは、メチル化を意味し、rは、リボヌクレオチドを意味する。
対照#1:ネイキッドApoC3−dsiRNAコンジュゲート(ApoC3遺伝子のサイレンシングに特異的であるが、Apo−Si分子ナノモーター送達システムを欠いた配列を有する、RNA二本鎖)。
センス鎖の配列:
mGmGrAmUrGmGrArCrA rArUmCrAmCrUmUrCmA rGrArU rCrCCT
アンチセンス鎖の配列:
rArGmG rGrArU rCrUmG rAmArG mUrGrA rUrUrG rUrCrCrAmUrCmCmAmG
対照#2:[Cn−1−(IX)]−KRAS−dsiRNAコンジュゲート、(Apo−Si分子ナノモーター送達システムにコンジュゲートされた、非関連RNA配列)。
センス鎖の配列:
/5´−(IX)/mAmArGmGrUmGrUrArCrArGmUrUmArU mGrUmGrArArUrArCTT
アンチセンス鎖の配列:
/5´−(IX)/rArAmGrUrArUrUrCmArCmArUmArArCrUrGrUrArCrArCmCrUmU mGmU
対照#3:ビヒクル、注射用水中の、5%グルコース溶液。
(2).製剤:
全ての試験および対照物品(複数可)は、5%グルコースを含有したRNaseフリーの注射用滅菌水に溶解した。5mg/mlのストック溶液を投与前に新たに調製した。
(3).動物飼育および収容:
BALB/cマウス(雄、22〜29gr)は、Envigo(Israel Ltd.)から入手した。マウスを12時間の昼/夜サイクル条件で保ち、自由に飼料を与え、実験を行う前に少なくとも3日間順応させた。各実験群は、7匹の動物を含んだ。
(4).研究設計:
研究は、以下の4つの処理群を含んだ。ビヒクル:(i).注射用水中5%グルコース、(ii).ApoC3の「ネイキッド」dsiRNA(分子ナノモーター部分の結合なし)、(iii).[Cn−1−(IX)]−KRAS−dsiRNAコンジュゲート(Apo−Si分子ナノモーター送達システムにコンジュゲートされた、非関連RNA配列)、(iv).標的[Cn−1−(IX)]−ApoC3 dsiRNAコンジュゲートであった。
研究群の各々は、5〜7匹のマウスを含んだ。マウスに静脈内(i.v.)注射した各用量が50mg/Kgである、3回の連続した1日1回用量を、尾静脈を通して、10ml/Kgの用量体積で注射した。プロトコルは、変更なしに、Wolfram,C,et al.,(Nat Biotechnol.25:1149−57,2007)から採用した。4日目、最後の用量から24時間後、マウスの体重を測定し、COナルコーシスを使用して屠殺し、肝臓を採取し、直ちにRNA抽出に供した。
(5).RNA抽出およびqRT−PCR:
10〜100mgの肝臓試料を抽出し、TRIzol試薬に浸漬した。次いで、ステンレス鋼ビーズ(0.9〜2.0mm)の存在下で、ブレットブレンダーホモジナイザー(Next Advance)によって組織を均質化した。混合物を短時間遠心分離して、デブリおよびブレットを除去した。製造元の指示に従って、PureLink RNAミニキット(Invitrogen)を使用してトータルRNAを抽出した。RNAを無限M200−Pro Multimode Reader(Tecan)で定量化した。RNAをHigh−Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(ABI)で逆転写し、ApoC3 mRNA発現をベータ−アクチン(Step−one−Plus、ABI)に正規化された、Taqman qRT−PCR手順で測定した。
(6).データ分析
データ分析は、Microsoft Excelソフトウェアを使用して行った。群間の統計的有意性は、対応のないスチューデントt検定(両側)を使用して評価し、有意性は、p<0.05として決定した。データは、平均±SDとして示す。
結果:
図3Aに示されるように、[Cn−1−(IX)]−ApoC3 dsiRNAコンジュゲートは、ApoC3遺伝子の発現の顕著なノックダウンを誘導した(40%)。この遺伝子発現の低減は、全ての他の実験群と比較して、非常に統計的に有意であった。
図3Bに示されるように、ApoC3遺伝子の発現の統計的に有意なノックダウンはまた、腎臓において観察された(21%)。重要なことに、腎臓においても、この差は、全ての3つの対照群と比較して統計的に有意であった。
結論:
ApoC3遺伝子の発現をサイレンシングするように設計されたdsiRNAに結合した、2つのE部分を含む、本発明のコンジュゲートは、肝臓および腎臓の両方における、標的遺伝子の発現の選択的ノックダウンの誘導において、インビボでの全身静脈内投与時に有意な活性を示した。これらの結果は、Apo−si薬物送達システムが、全身活性様式を有し、静脈内投与後、dsiRNAにコンジュゲートされた、Apo−Siシステムは、遺伝子薬物の全身分布、ならびにそれぞれの多臓器および特定の遺伝子のサイレンシングを可能にするという概念を支持する。
実施例5:インビトロでの遺伝子サイレンシングにおける、EおよびE´が各々式(IV)による、本発明のコンジュゲートの生物学的性能:
研究目的:
インビトロでのEGFP遺伝子の発現のサイレンシングにおける、本発明のコンジュゲート、各々が式(IV)に示される構造を有し、EGFP特異的dsiRNAに結合した、EおよびE´部分を含む、[Cn−1−(IV)]−EGFP−dsiRNAの性能の評価。
方法:
dsiRNA二本鎖:
siRNA二本鎖は、EGFP遺伝子をサイレンシングするように設計された、Dicerの基質であった。式(IV)に示される構造のE部分は、その5´末端で、各RNA鎖に結合していた。したがって、この研究で使用されたコンジュゲートは、以下の構造を有する、[Cn−1−(IV)]−EGFP−dsiRNAであった。
Figure 2021509406
ヌクレオチド配列は、次の通りであった。
センス:5´−phos/iApo−Si−K103A/mAmCrCmCrUmGrArArGrUrUmCrAmUrCmUrGmCrArCrCrArCmCGrUrCrA
アンチセンス:5´−phos/iApo−Si−K103A/rCrGmGrUrGrGrUrGmCrAmGrAmUrGrArArCrUrGmGrGmUmCmA
インビトロでの研究:ヒーラ−GFP細胞株は、Cell Biolabsから入手した。細胞を、10%FBS(Gibco)、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン(Biological Industries、イスラエル)、およびブラストサイジン10μg/mlが補足された、ダルベッコの改変イーグル培地(Gibco)で成長させた。細胞を、5%CO2加湿空気を有する、37℃インキュベーターに維持した。トランスフェクションの1日前、細胞を24ウェルブラックガラス底プレートに播種した(40,000細胞/ウェル)。翌日、細胞を10%血清の存在下でコンジュゲート[Cn−1−(IV)]−EGFP−dsiRNAに曝露した。無血清トランスフェクションについて、培地を吸引し、細胞をハンクス平衡塩溶液(HBSS)で洗浄し、培地を24時間無血清Opti−MEM(Thermo Fisher Scientific)で置き換え、続いてさらに48時間インキュベーションのために血清を加えた。タンパク質発現の下方調節を、トランスフェクションの72時間後に測定した。この目的のために、培地を吸引し、細胞をHBSSで洗浄した。EGFP蛍光強度は、Infinite M200−Pro Multimode Reader(Tecan)、励起波長488nm、発光波長535nmによって定量化した。未処理細胞を対照として使用した。実験は、三重に行い、結果は、平均±SDとして示し、群間の差異は、両側t検定によって評価し、統計的有意性は、p<0.05として定義した。
結果:
[Cn−1−(IV)]−EGFP−dsiRNAコンジュゲートは、EGFPの発現の有効なノックダウンを次のように誘導した。
血清の存在下で、600nMのコンジュゲートは、EGFP発現を対照の73.7%±1.3(平均±SD)に低減した。無血清条件では、ロバストなEGFPノックダウンは、コンジュゲートによって用量依存的に誘導され、細胞がそれぞれ10、40、および150nMのコンジュゲートによって処理された場合(全て群間比較においてp<0.001)、EGFP発現は、対照の55.0%±2.6%、29.9%±0.5%、および7.4%±0.6%に低減した。
結論:
本発明のコンジュゲート[Cn−1−(IV)]−EGFP−dsiRNAは、細胞へのリン脂質膜を横切る高分子dsiRNA構築物の送達のため、およびそれぞれの有意な遺伝子サイレンシングの誘導のための強力な部分である。
実施例6:インビトロでの遺伝子サイレンシングにおける、各々式(VIII−M)によるE、E´、およびE´´を含む、本発明のコンジュゲートの生物学的性能、用量/応答研究:
研究目的:
本発明のコンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]、すなわち、各々が式(VIII−M)に従い、EGFP遺伝子をサイレンシングするように設計された、25/27ヌクレオチドDicerの基質二本鎖に結合した、E、E´、およびE´´部分を有する、dsiRNAの、インビトロでの生物学的性能の評価。
方法:
コンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]の構造は、次の通りである。
Figure 2021509406
細胞培養:
ヒーラ−GFPおよび3T3細胞株は、Cell Biolabsから入手した。各細胞タイプの細胞を、10%FBS(Gibco)、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン(Biological Industries、イスラエル)、およびブラストサイジン10μg/mlが補足された、ダルベッコの改変イーグル培地(Gibco)で成長させた。細胞を5%CO2加湿空気を有する37℃インキュベーターに維持した。トランスフェクションの前日、細胞を24ウェルブラックプレートガラス底に播種した(40,000細胞/ウェル)。翌日、細胞は、コンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]との、2nM、10nM、20nM、40nM、80nM、150nM、および300nMの濃度での、72時間のインキュベーションを開始し、その最初の24時間は、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher Scientific)中であり、続いて10%血清を含む培地におけるインキュベーションをさらに48時間行った。タンパク質発現の下方調節を、トランスフェクションの72時間後に測定した。この目的のために、培地を吸引し、細胞をHBSSで洗浄した。EGFP蛍光強度は、Infinite M200−Pro Multimode Reader(Tecan)、励起波長488nm、発光波長535nmによって定量化した。未処理細胞を対照として使用した。実験は、三重に行い、結果は、平均±SDとして示した。遺伝子発現対コンジュゲート濃度の曲線を描き、GraphPad、Prism−5ソフトウェアを使用して曲線適合を計算した。
結果:
図4Aおよび4Bに示されるように、ヒーラ細胞および3T3細胞両方について、非常に有意な対数減衰を有し、両方の細胞株についてR0.95の曲線適合を有する、明確な用量/応答が観察された。ヒーラ細胞について、IC50は、13.54nMであり、19.25nMのIC50を示した、3T3細胞と同様であることが判明した。
結論:
2つの細胞株においてインビトロで調査されるように、コンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]−EGFPは、タンパク質レベルの評価を通して評価されるように、培養中の細胞へのロバストな送達、および遺伝子サイレンシングの強力な誘導を示す。観察された低いナノモルEC50値は、二本鎖あたり3つのE部分の結合を有する、コンジュゲートの設計が、遺伝子サイレンシングにおける有効な生物学的性能を可能にするのに有用であるという概念を支持する。
実施例7:インビトロでの遺伝子サイレンシングにおける、各々式(X)による、EおよびE´を含む、本発明のコンジュゲートの生物学的性能
研究目的:
本発明のコンジュゲート[Cn−1−(X)]、すなわち、各々が式(X)に従い、EGFP遺伝子をサイレンシングするように設計された、25/27ヌクレオチドDicerの基質二本鎖に結合した、EおよびE´部分を有する、dsiRNAの、インビトロでの生物学的性能の評価。
方法:
コンジュゲート[Cn−1−(X)]−EGFP−dsiRNAの構造は、次の通りである。
Figure 2021509406
EGFP−dsiRNAの配列、ヒーラおよび3T3細胞両方の細胞培養、ならびに処理プロトコルは、全て実施例5に記載される通りであった。EGFP蛍光強度の定量化は、Infinite M200−Pro Multimode Reader(Tecan)、励起波長488nm、発光波長535nmを使用して行った。未処理細胞を対照として使用した。実験は、三重に行い、結果は、平均±SDとして示し、群間の差異は、両側t検定によって評価し、統計的有意性は、p<0.05として定義した。
結果:
[Cn−1−(X)]−EGFP−dsiRNAコンジュゲートは、EGFPの発現の有効なノックダウンを次のように誘導した。
ヒーラ細胞において:血清の存在下で、600nMのコンジュゲートは、EGFP発現を対照の76%±2(平均±SD)に低減した。無血清条件では、EGFP発現のロバストなノックダウンは、コンジュゲートによって用量依存的に誘導され、細胞がそれぞれ10、40、および150nMのコンジュゲートによって処理された場合(全て群間比較においてp<0.001)、EGFP発現は、対照の57.4%±4.8%、32.1%±5.0%、および15.9%±4.2%に低減した。
3T3細胞において:無血清条件では、EGFP発現の顕著なノックダウンは、コンジュゲートによって用量依存的に誘導され、細胞がそれぞれ10、40、および150nMのコンジュゲートによって処理された場合(全て群間比較においてp<0.001)、EGFP発現は、対照の91%±2.0%、50.0%±5.0%、および27%±4.0%に低減した。
結論:
本発明のコンジュゲート[Cn−1−(X)]−EGFP−dsiRNAは、細胞へのリン脂質膜を横切る高分子dsiRNA構築物の送達のため、および結果としてのそれぞれの有意な遺伝子サイレンシングの誘導のための強力な部分である。
実施例8:インビトロでの遺伝子サイレンシングにおける、各々式(XI)による、EおよびE´を含む、本発明のコンジュゲートの生物学的性能
研究目的:
本発明のコンジュゲート[Cn−1−(XI)]、すなわち、各々が式(XI)に従い、EGFP遺伝子をサイレンシングするように設計された、25/27ヌクレオチドDicerの基質二本鎖に結合した、EおよびE´部分を有する、dsiRNAの、インビトロでの生物学的性能の評価。
方法:
コンジュゲート[Cn−1−(XI)]−EGFP−dsiRNAの構造は、次の通りである。
Figure 2021509406
研究は、ヒーラ細胞において行った。EGFP−dsiRNAの配列、細胞培養、および処理プロトコルは、全て実施例5に記載される通りであった。EGFP蛍光強度の定量化は、Infinite M200−Pro Multimode Reader(Tecan)、励起波長488nm、発光波長535nmを使用して行った。未処理細胞を対照として使用した。実験は、三重に行い、結果は、平均±SDとして示し、群間の差異は、両側t検定によって評価し、統計的有意性は、p<0.05として定義した。
結果:
[Cn−1−(XI)]−EGFP−dsiRNAコンジュゲートは、EGFPの発現の有効なノックダウンを次のように誘導した。血清の存在下で、600nMのコンジュゲートは、EGFP発現を対照の83%±4(平均±SD)に低減した。無血清条件では、EGFP発現の顕著なノックダウンは、コンジュゲートによって用量依存的に誘導され、細胞がそれぞれ10、40、および150nMのコンジュゲートによって処理された場合(全て群間比較においてp<0.01)、EGFP発現は、対照の55.2%±10%、34.5%±8%、および15.9%±4.2%に低減した。
結論:
本発明のコンジュゲート[Cn−1−(XI)]−EGFP−dsiRNAは、細胞へのリン脂質膜を横切る高分子dsiRNA構築物の送達のため、および結果としてのそれぞれの有意な遺伝子サイレンシングの誘導のための強力な部分である。
実施例9:インビトロでのEGFP遺伝子の発現のサイレンシングにおける、様々なE、E´、およびE´´部分を有する、本発明の(Cn−1)および(Cn−2)コンジュゲートの生物学的性能。
研究目的:
全て一般式(I)および(II)に関し、よって式(I)および(II)を、細胞へのリン脂質膜を横切るdsiRNAの膜貫通送達を可能にし、結果として生物学的活性を発揮する、一般的な統一された構造モチーフとして例示する、様々なE、E´、またはE´´部分を有する、本発明の様々なコンジュゲートによってインビトロで発揮される遺伝子サイレンシングの評価。
方法:
研究は、培養された3T3細胞で行い、EFGP遺伝子のサイレンシングは、本発明の様々なコンジュゲートとのインキュベーション後に評価した。研究の方法論は、上記の実施例5〜8に記載される通りであった。インキュベーションを72時間行い、その最初の24時間のインキュベーションは、無血清であり、その後に10%血清が添加された。全ての評価において、コンジュゲートの濃度は、40nMまたは150nMのいずれかであった。EGFP発現は、上記の実施例に記載されるように、ELISAを介してタンパク質の蛍光を測定することによって評価した。EGFP発現はまた、対照として機能した未処理細胞において測定した。評価された本発明のE部分は、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII−M)、(IX)であった。上記で特定されるように、全てのこれらの部分は、一般式(II)に関する。加えて、6つの対照E部分を合成し、EGFP遺伝子のサイレンシングのためにdsiRNAにコンジュゲートした。対照部分(表3)の構造的特徴は、一般式(II)に従って構築されたE部分と同様であった。しかしながら、それらは、主要な構造式(II)との完全なアラインメントを欠いた。
結果:
結果を以下の表1、2、および3に示す。
Figure 2021509406
Figure 2021509406
Figure 2021509406
結果の要約:
表1および表2に示されるように、構造が一般式(I)および(II)に従う全てのコンジュゲートは、様々なコンジュゲートバックボーンおよびE部分を有するが、調査されたナノモル濃度(40および150nM)で、調査された遺伝子EGFPのロバストなサイレンシングを示した。対照的に、全ての対照コンジュゲート(表3)は、比較的高濃度(最大400nM)で試験された場合でも、遺伝子サイレンシングを示さなかった。
結論:
この性能プロファイルは、よって、式(I)および(II)によるコンジュゲートが、結果としての有用な生物学的性能(この場合、遺伝子サイレンシング)と共に、細胞へのリン脂質膜を横切る高分子ODの有用な送達を可能にする、一般的かつ特徴的な構造モチーフを有するという概念を支持する。
実施例10:インビトロでの遺伝子サイレンシングにおける、各々式(VIII−M)によるE部分を含む、本発明のコンジュゲートの生物学的性能、(Cn−1)および(Cn−2)コンジュゲートの用量/応答研究、および比較分析:
研究目的:
本発明のコンジュゲート[Cn−1−(VIII−M)]および[Cn−2−(VIII−M)]、すなわち、それぞれ、各E部分が式(VIII−M)に従い、EGFP遺伝子をサイレンシングするように設計された、25/27ヌクレオチドDicerの基質二本鎖に結合した、2つまたは3つのE部分のいずれかを有する、dsiRNAの、インビトロでの生物学的性能の評価。
方法:
細胞培養:
3T3細胞株は、Cell Biolabsから入手した。各細胞タイプの細胞を、10%FBS(Gibco)、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン(Biological Industries、イスラエル)、およびブラストサイジン10μg/mlが補足された、ダルベッコの改変イーグル培地(Gibco)で成長させた。細胞を5%CO2加湿空気を有する37℃インキュベーターに維持した。トランスフェクションの前日、細胞を24ウェルブラックプレートガラス底に播種した(40,000細胞/ウェル)。翌日、細胞は、コンジュゲート[Cn−1−(VIII−M)]、またはコンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]との、1nM、2nM、5nM、10nM、および40nMの濃度での、48時間のインキュベーションを開始し、その最初の24時間は、無血清Opti−MEM培地(Thermo Fisher Scientific)中であり、続いて10%血清を含む培地におけるインキュベーションをさらに24時間行った。タンパク質発現の下方調節を、トランスフェクションの48時間後に測定した。この目的のために、培地を吸引し、細胞をHBSSで洗浄した。
RNA抽出およびqRT−PCR:
製造元の指示に従って、PureLink RNAミニキット(Invitrogen)を使用してトータルRNAを抽出した。RNAを無限M200−Pro Multimode Reader(Tecan)で定量化した。RNAをHigh−Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(ABI)で逆転写し、ApoC3 mRNA発現をベータ−アクチン(Step−one−Plus、ABI)に正規化された、Syber qRT−PCR手順で測定した。
結果:
図5に示されるように、コンジュゲート[Cn−1−(VIII−M)]およびコンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]の両方は、3T3細胞をインビトロで評価されるように、EGFP遺伝子の発現のロバストなサイレンシングを誘導した。非常に有意な対数減衰を有し、両方の細胞株についてR0.97の曲線適合を有する、明確な用量/応答が観察された。2つのE部分を有する、コンジュゲート[Cn−1−(VIII−M)](点線)について、IC50は、2.2nMであるのに対し、3つのE部分を有する、コンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)](実線)について、IC50は、0.8nMであることが判明した(図5)。
結論:
2つのコンジュゲート:コンジュゲート[Cn−1−(VIII)]−EGFP、およびコンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]について調査されるように、本発明のコンジュゲートは、RNAレベルの測定を介して評価されるように、非常に低いIC50値で、ロバストな遺伝子サイレンシングを発揮する。興味深いことに、3つのE部分を含むコンジュゲート[Cn−2−(VIII−M)]は、2つのE部分を含むコンジュゲートと比較して、遺伝子サイレンシングにおいてより高い効力を示し、より低いIC50値(0.8対2.2nM)を反映した。この観察は、本発明の送達システムが、ポジティブな協同作用効果を示し、各E部分が遺伝子サイレンシングにおけるコンジュゲートの全体的な性能に寄与し、これを増強するという概念を支持する。

Claims (68)

  1. 下記の式(I)に示す構造を有するコンジュゲート、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物。
    Figure 2021509406
    式中、
    Dは、生体膜を横切って送達される薬物(すなわち、カーゴ薬物)であり、小分子薬物、ペプチド、タンパク質、およびOD(すなわち、天然の若しくは修飾された、一本鎖若しくは二本鎖のDNA若しくはRNA、siRNA、dsiRNA、またはASO)からなる群から選択され;
    y、z、およびwは、互いに独立して、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数であり、y、z、またはwのいずれかが0である場合は、そのE部分がヌルであることを意味し;y、z、およびwの少なくとも1つは0ではなく;
    E、E´、またはE´´は、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに独立して、下記の式(II)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である。
    Figure 2021509406
    式中、
    、M、M、Mは、互いに独立して、N´、N´´、ヌル、エーテル、アミド、エステル、チオエーテル、およびチオエステルからなる群から選択され;N´およびN´´は、互いに独立して、−N(CH)−、−NH−、および−N(X)−からなる群から選択され;Xは、アミンの保護基であり;M、M、M、Mは、互いに同一であっても異なっていてもよく;N´、N´´は、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    L部分は、リンカーであり、ヌル、C、C、C、C、C、Cアルキレンもしくはヘテロアルキレン、任意選択でフッ素原子で置換されたCもしくはCアリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシル基、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され;
    、G、G、Gは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し;G基は、互いに同一であっても異なっていてもよく;G、G、G、またはG基のうちの少なくとも2つは水素原子であり;
    a、b、c、d、eは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、および6からなる群から選択される整数であり、0=ヌルであり;a、b、c、d、eは、互いに同一であっても異なっていてもよく;gは、0、1、2、3、4、または5から選択される整数を表し;
    Wは、ヌル、ヒドロキシル、ジヒドロキシル、アミド、天然ヌクレオシド、または修飾ヌクレオシドのいずれかの残基、下記の式(II)、(II)、または(II)に示す構造体、および、それらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
    Figure 2021509406
    式中、
    Jは、ヌル、−CH−、第二級または第三級アミン、および酸素からなる群から選択され、
    E、E´、またはE´´部分は、D;本明細書で定義される保護基(例えば、アルコールの保護基);水素、リン酸、硫酸、およびカルボキシル基からなる群から選択されるRまたはR´基;および固体支持体からなる群から選択されるいずれかの部分と結合することができる。本発明の文脈において、E、E´、またはE´´部分は、1以上の結合点を介して1つのD部分に結合され、Wは、DおよびRまたはR´の両方に同時に結合することができる。
  2. gが、0、1、または2の整数である、請求項1に記載のコンジュゲート。
  3. cおよびdが、互いに独立して、1、2、または3の整数を表し、
    cおよびdが、互いに同一であっても異なっていてもよい、請求項1に記載のコンジュゲート。
  4. Lが、ジフルオロベンジルアミンである、請求項1に記載のコンジュゲート。
  5. 、G、G、Gが全て水素原子である、請求項1に記載のコンジュゲート。
  6. Xが、TEOC[カルバミン酸2−(トリメチルシリル)エチル]、またはFmocである、請求項1に記載のコンジュゲート。
  7. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(III)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  8. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(IV)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  9. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(V)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´およびN´´は、互いに独立して、請求項1において定義したとおりである。
  10. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(VI)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´およびN´´は、互いに独立して、請求項1において定義したとおりである。
  11. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(VII)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´およびN´´は、互いに独立して、請求項1において定義したとおりである。
  12. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(VIII)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  13. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(VIII−H)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項12に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  14. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(VIII−M)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項12に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  15. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(VIII−F)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項12に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、Xは、アミンの保護基である。
  16. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(IX)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  17. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(X)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  18. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XI)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  19. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XII)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、
    p、q、k、gは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数を表し、
    0は、ヌルを意味し、
    p、q、k、gは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    Zは、ヌル、−O−、およびN´´からなる群から選択され、
    N´およびN´´は、請求項1において定義したとおりである。
  20. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIIa)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項19に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、
    qは、0または1の整数であり、
    N´は、請求項1において定義したとおりである。
  21. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIII)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、
    a、b、c、d、eは、互いに独立して、0、1、2、または3の整数を表し、
    0は、ヌルを意味し、
    a、b、c、d、およびeは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    Qは、ヌルおよび−O−からなる群から選択され、
    N´は、請求項1において定義したとおりである。
  22. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIIIa)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項21に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、
    aは、1または2の整数であり、
    N´は、請求項1において定義したとおりである。
  23. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIV)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、
    pおよびqは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、または6の整数であり、
    pおよびqは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    N´は、請求項1において定義したとおりである。
  24. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIV−H)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項23に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  25. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIV−M)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項23に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  26. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XIV−F)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項23に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、Xは、アミンの保護基である。
  27. 前記L部分が、ジフルオロベンジルアミンであり、
    前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XV)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  28. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XV−H)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項27に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  29. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XV−M)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項27に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  30. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XV−F)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項27に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、Xは、アミンの保護基である。
  31. 前記L部分が、テトラフルオロベンジルアミンであり、
    前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XVI)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、N´は、請求項1において定義したとおりである。
  32. 前記L部分が、テトラフルオロベンジルアミンであり、
    前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XVI−H)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項31に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  33. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XVI−M)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項31に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  34. 前記E、E´、またはE´´部分が、下記の式(XVI−F)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項31に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、Xは、アミンの保護基である。
  35. アルコールおよび/またはアミンの保護基に結合した、請求項1に記載の前記E、E´、またはE´´、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物を含む前駆体分子。
  36. ジメトキシトリチル[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル](DMT)およびホスホルアミダイトに結合した、請求項1〜34のいずれかに記載の前記E、E´、またはE´´部分を含む、請求項35に記載の前駆体分子。
  37. 下記の式(VIII−F)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  38. 下記の式(VIII−M)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  39. 下記の式(VIV−F)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  40. 下記の式(XIV−M)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  41. 下記の式(XV−F)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  42. 下記の式(XV−M)−前駆体に示す構造を有する、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  43. 下記の式(XVI−F)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  44. 下記の式(XVI−M)−前駆体に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項35に記載の前駆体分子。
    Figure 2021509406
  45. 前記E、E´、またはE´´部分が、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、または(XVI−M)に示す構造を有し、かつ、薬物に結合されている、請求項1に記載のコンジュゲート。
  46. 薬学的組成物であって、
    請求項45に記載のコンジュゲートと、
    薬学的に許容される塩または担体とを含む、薬学的組成物。
  47. Dが、オリゴヌクレオチド薬物(OD)であり、
    各コンジュゲートの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレートを含む、請求項45に記載のコンジュゲート。
  48. 前記ODが、24および27ヌクレオチドのRNA二本鎖、25および27ヌクレオチドのRNA二本鎖、または27および27ヌクレオチドのRNA二本鎖である、Dicer基質である、請求項47に記載のコンジュゲート。
  49. 組成が、
    (i).前記ODが、前記E、E´、またはE´´部分のうちの1つのE部分に結合している、
    (ii).前記ODが、互いに同一であっても異なっていてもよい、前記E、E´、またはE´´部分のうちの2つのE部分に結合している、
    (iii).前記ODは、互いに同一であっても異なっていてもよい、前記E、E´、またはE´´部分のうちの3つのE部分に結合している、および、
    (iv).前記ODは、互いに同一であっても異なっていてもよい、前記E、E´、またはE´´部分のうちのいくつかの(n>3)E部分に結合している、からなる群から選択され、
    各コンジュゲートについて、
    前記E、E´、またはE´´部分は、RまたはR´部分にも結合してもよく、
    前記RまたはR´部分は、請求項1において定義したとおりである、請求項47に記載のコンジュゲート。
  50. 前記ODが、そのオリゴヌクレオチド鎖に沿った内部位置に少なくとも1つのE部分を含む、siRNAまたはdsiRNAであり、
    前記内部位置が、前記オリゴヌクレオチド鎖の12位または14位であり、それぞれのヌクレオチドを置換するか、またはヌクレオチド配列に付加される、請求項47に記載のコンジュゲート。
  51. 下記の式(Cn−1)または(Cn−2)に示す構造を有し、
    前記E、E´、またはE´´部分が、各々、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、または(XVI−H)、(XVI−M)に示す構造を有し、
    各コンジュゲートの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および金属キレートを含む、請求項47に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、RおよびR´は、各々、請求項1において定義したとおりである。
  52. 前記ODが、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であり、下記の式(Cn−3)に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項47に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
    式中、
    TおよびT´は、互いに独立して、ヌル、1´,2´−ジデオキシリボース、ヌクレオチド、および、それらの組み合わせからなる群から選択され、
    TおよびT´は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    RおよびR´部分は、請求項1において定義したとおりである。
  53. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−1−(VIII−H)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  54. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−1−(VIII−M)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  55. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−2−(VIII−H)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  56. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−2−(VIII−M)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  57. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−1−(XV−H)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  58. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−1−(XV−M)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  59. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−2−(XV−H)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  60. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−2−(XV−M)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  61. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−1−(XVI−H)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  62. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−1−(XVI−M)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  63. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−2−(XVI−H)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  64. 前記RおよびR´が、各々、リン酸基であり、
    前記EおよびE´が、下記の式[Cn−2−(XVI−M)]に示す構造を有する化合物であるか、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくは金属キレート、あるいは前記塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項51に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021509406
  65. 薬物を、培養物中の生体細胞、または生きている動物若しくはヒト対象中の生体細胞に送達するための方法であって、
    前記生体細胞を、請求項45に記載のコンジュゲート、または請求項46に記載の薬学的組成物と接触させるステップを含む、方法。
  66. 薬物を、リン脂質膜を横切って送達する方法であって、
    前記薬物を、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIII−H)、(VIII−M)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIII)、(XIIIa)、(XIV)、(XIV−H)、(XIV−M)、(XV)、(XV−H)、(XV−M)、(XVI)、(XVI−H)、または(XVI−M)のいずれかに示す構造を有するE、E´、またはE´´部分に結合させてコンジュゲートを作成するステップと、
    前記コンジュゲートを、前記リン脂質膜に接触させるステップと、を含む、方法。
  67. 医学的障害を治療する方法であって、
    治療有効量の請求項46に記載の薬学的組成物を、治療を必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
  68. リン脂質膜におけるエンドサイトーシスおよび/またはフリップフロップを誘導する方法であって、
    前記リン脂質膜を、本発明のコンジュゲートのいずれかと接触させるステップを含む、方法。
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