JP2021503474A - 局所麻酔薬 - Google Patents
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Abstract
局所麻酔薬の調製における一般式1で表れる化合物の応用が提供される。上記の局所麻酔薬は、少なくとも分離している固形部と液体部を含み、上記の固形分は、治療的有效量の一般式1で表れる化合物を含み、上記の液体部は、薬学的に許容される溶媒である。上記の局所麻酔薬を使用する際に、上記の固形部と液体部を混合する。
Description
技術分野
本発明は、化学製薬分野、特に局所麻酔薬の調製における化合物の応用に関わる。
本発明は、化学製薬分野、特に局所麻酔薬の調製における化合物の応用に関わる。
背景技術
中国特許CN101484415Bは、アスピリンプロドラッグ(アセチルサリチル酸の誘導体)を開示し、治療では、このようなプロドラッグは経皮投与により体内に導入され、その原薬(アスピリン)である非ステロイド性抗炎症薬の役割を果たし、通常の非ステロイド性抗炎症薬によって引き起こされる消化管の有害反応を避けれる。
中国特許CN101484415Bは、アスピリンプロドラッグ(アセチルサリチル酸の誘導体)を開示し、治療では、このようなプロドラッグは経皮投与により体内に導入され、その原薬(アスピリン)である非ステロイド性抗炎症薬の役割を果たし、通常の非ステロイド性抗炎症薬によって引き起こされる消化管の有害反応を避けれる。
しかし、発明者らは、これらの非ステロイド性抗炎症薬のプロドラッグが、「プロドラッグ」として使用できるだけでなく、局所麻酔薬の効果もあり、かつその薬物効果は、典型的なアミド類局所麻酔薬としてのリドカインとブピバカインに似ていることを発見して驚いた。
局所麻酔薬は、感覚神経インパルスの発生と伝達を局所的に可逆的に遮断できる薬剤の一種であり、 local anestheticとも言われる。化学構造の種類に応じて、局所麻酔薬はパラアミノ安息香酸類(プロカイン、ベンゾカイン)、アミド類(リドカイン、ブピバカイン)、アミノエーテル類とアミノケトン類(ジクロニン)に分類できる。局所麻酔薬が神経細胞膜における電位依存性Na+チャネルを遮断し、伝導を遮断し、局所麻酔作用を発現することが現在よく認められる。局所麻酔薬の効果は、周波数と電圧に依存する。
発明の内容
本発明が、局所麻酔薬の調製における化合物の応用を提供する。具体的に、局所麻酔薬の調製における一般式1で表れる化合物の応用を提供し、
ただし、Ar−が、
を表示し、
R1が、H、C1のアルキル基、C2のアルキル基、C3のアルキル基、C4のアルキル基、C5のアルキル基又はC6のアルキル基を表示し、
R2が、H、C1のアルキル基、C2のアルキル基、C3のアルキル基、C4のアルキル基、C5のアルキル基又はC6のアルキル基を表示し、
X−が、陰イオンを表示し、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。
本発明が、局所麻酔薬の調製における化合物の応用を提供する。具体的に、局所麻酔薬の調製における一般式1で表れる化合物の応用を提供し、
R1が、H、C1のアルキル基、C2のアルキル基、C3のアルキル基、C4のアルキル基、C5のアルキル基又はC6のアルキル基を表示し、
R2が、H、C1のアルキル基、C2のアルキル基、C3のアルキル基、C4のアルキル基、C5のアルキル基又はC6のアルキル基を表示し、
X−が、陰イオンを表示し、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。
一つの好ましい実施の形態において、X−が、一価の陰イオンを表示し、より好ましくにCl−、Br−、F−、I−、AcO−、シュウ酸イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン、チオシアン酸イオンである。もう一つの好ましい実施の形態において、R1が、メチル又はエチルを表示し、R2が、メチル又はエチルを表示する。もう一つの好ましい実施の形態において、n=1又は2である。
本発明の一つの実施の形態としては、上記の一般式1で表れる化合物は、
から選べられ、ただし、X−が陰イオンを表示し、好ましくに一価の陰イオンであり、より好ましくにCl−、Br−、F−、I−、AcO−、シュウ酸イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン、チオシアン酸イオンである。一つの具体的な実施の形態において、上記の一般式1で表れる化合物は、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩、又はサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩である。
一つの好ましい実施の形態において、上記の局所麻酔薬の剤形は、経消化管投与剤形、経注射投与剤形、経気道投与剤形、経皮投与剤形、経粘膜投与剤形、経腔投与剤形から選べられる。
もう一つの好ましい実施の形態において、上記の局所麻酔薬は、少なくとも分離している固形部と液体部を含み、ただし、上記の固形分は、治療的有效量の一般式1で表れる化合物を含み、上記の液体部は、薬学的に許容される溶媒である。好ましくに、上記の薬学的に許容される溶媒は、滅菌水、脱炭酸水、エタノール、ソルビトール水溶液、生理食塩水から選べられる。より好ましくに、上記の固形分は、気密の薬学的に許容される包装材料に保存される。薬学的に許容される包装材料は、低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンバッグ、高密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンボトル、ポリプロピレンボトル、ポリエチレンテレフタレートボトル、ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドフィルム、ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドバッグ、ガラスびん、又はそれらの組み合わせから選べられる。
もう一つの好ましい実施の形態において、上記の局所麻酔薬を使用する際に、上記の固形部と液体部を混合する。
具体的な実施形態
具体的に、本発明は、局所麻酔薬の調製における一般式1で表れる化合物の応用を提供し、
ただし、Ar−が、
を表示し、
R1は、H又はC1−C6のアルキル基を表示し、好ましくにC1−C5のアルキル基、より好ましくにC1−C4のアルキル基、さらに好ましくにC1−C3のアルキル基、最も好ましくにメチル基又はエチル基を表示し、
R2は、H又はC1−C6のアルキル基を表示し、好ましくにC1−C5のアルキル基、より好ましくにC1−C4のアルキル基、さらに好ましくにC1−C3のアルキル基、最も好ましくにメチル基又はエチル基を表示し、
X−が陰イオンを表示し、好ましくに一価の陰イオンであり、より好ましくにCl−、Br−、F−、I−、AcO−、シュウ酸イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン又はチオシアン酸イオンであり、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10を表示し、好ましくにn≦6の自然数、より好ましくにn≦4の自然数、最も好ましくにn≦3の自然数を表示する。
具体的に、本発明は、局所麻酔薬の調製における一般式1で表れる化合物の応用を提供し、
R1は、H又はC1−C6のアルキル基を表示し、好ましくにC1−C5のアルキル基、より好ましくにC1−C4のアルキル基、さらに好ましくにC1−C3のアルキル基、最も好ましくにメチル基又はエチル基を表示し、
R2は、H又はC1−C6のアルキル基を表示し、好ましくにC1−C5のアルキル基、より好ましくにC1−C4のアルキル基、さらに好ましくにC1−C3のアルキル基、最も好ましくにメチル基又はエチル基を表示し、
X−が陰イオンを表示し、好ましくに一価の陰イオンであり、より好ましくにCl−、Br−、F−、I−、AcO−、シュウ酸イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン又はチオシアン酸イオンであり、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10を表示し、好ましくにn≦6の自然数、より好ましくにn≦4の自然数、最も好ましくにn≦3の自然数を表示する。
用語「C1−C6のアルキル基」とは、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和単価炭化水素基を指す。C1−C6のアルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル又は1,2−ジメチルブチルであり、好ましくにメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、より好ましくにメチル又はエチルである。
本発明には、「C1のアルキル」は、好ましくにメチルである;「C2のアルキル」は、好ましくにエチルである;「C3のアルキル」は、好ましくにプロピル、イソプロピルである;「C4のアルキル」は、好ましくにブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
本発明の一つの実施の形態としては、上記の一般式1で表れる化合物は、
から選べられ、ただし、X−が陰イオンを表示し、好ましくに一価の陰イオンであり、より好ましくにCl−、Br−、F−、I−、AcO−、シュウ酸イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン、チオシアン酸イオンである。一つの具体的な実施の形態において、上記の一般式1で表れる化合物は、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩、又はサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩である。
本発明の上記の一般式1で表れる化合物の調製方法について、中国特許CN101484415B、米国特許3,365,483又はその他の参考文献を参照しても良い。
本発明の上記の局所麻酔薬の剤形は、経消化管投与剤形、経注射投与剤形、経気道投与剤形、経皮投与剤形、経粘膜投与剤形、経腔投与剤形から選べられる。
経消化管投与剤形とは、経口投与後に医薬品製剤が消化管に入り、局所的または吸収時に全身的な役割を果たす剤形(たとえば一般的な散剤、錠剤、顆粒、カプセル、溶液、乳剤、懸濁剤など)を指す。注射投与剤形は、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射および腔内注射などを含む。経気道投与剤形とは、スプレー、エアゾール、粉末エアゾールなどを含む。経皮投与剤形とは、外用液(スプレー、エアゾール、粉末エアゾール)、ローション、塗擦剤、軟膏、硬膏、ペースト、パッチなどを含む。経粘膜投与剤形は、点眼薬、点鼻薬、眼軟膏、うがい薬、舌下錠、貼付型の錠剤およびパッチなどを含む。経腔投与剤形は、坐剤、エアロゾル、発泡錠、ドロップ及び滴丸剤ばどを含み、直腸、膣、尿道、鼻腔、外耳道などに用いられる。
発明者らが、Nav1.7を安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(Chinese Hamster Ovary cell、CHO)及びNav1.8を安定に発現するヒト胚性腎細胞(Human Embryonic Kidney cell、HEK)を採用し、それぞれに2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩とサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩の、Nav1.7及びNav1.8チャネル電流に対する抑制作用を考察した。上記の2つの化合物のNav1.7に対する抑制作用のIC50は、それぞれに17.67μM及び24.72μMであり、上記の2つの化合物のNav1.8に対する抑制作用のIC50は、それぞれに74.64μM及び73.07μMである。文献に報告されたリドカインのNav1.7に対する抑制作用のIC50は、450μMであり、Nav1.8に対する抑制作用のIC50は、104μMである。本発明の上記の一般式1で表れる化合物が、Nav1.7とNav1.8チャネル電流に対する抑制作用を有し、かつこれらの抑制作用は、リドカインより強いであることを証明した。
なお、発明者らが、急性単離されたラット後根神経節ニューロン細胞(Dorsal Rot Ganglion、DRG)を実験対象として、パッチクランプ法を採用し、本発明の上記の一般式1で表れる化合物の、後根神経節ニューロンの興奮性に対する影響を調査した。実験結果より、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩とサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩が、DRGニューロンの活動電位発火を効果的に抑制でき、それらのIC50は、それぞれに34.55μM、35.02μMであることを表明した。ポジティブコントロールであるリドカインのIC50は、37.08μMである。したがって、本発明の上記の一般式1で表れる化合物の、DRG細胞のニューロンの電気活動に対する抑制作用が、リドカインに匹敵することを証明した。
しかしながら、発明者らが、一般式1で表れる化合物は、溶媒に安定に存在できない(溶液の状態は不安定)ことを見出した。そして、医薬品の固形部と溶媒とを別に保存し、より好ましに、医薬品の固形部を、気密の薬用包装材料に貯蔵することで、医薬品の安定性を著しくに向上できる。
したがって、もう一つの好ましい実施の形態において、上記の医薬品は、少なくとも分離している固形部と液体部を含み、ただし、上記の固形分は、治療的有效量の一般式1で表れる化合物を含み、上記の液体部は、薬学的に許容される溶媒である。
ここで、用語「少なくとも……を含む」とは、当該医薬品には、任意なその他の組分を含んでも良く、この含有量で存在する組分は、人体に許容可能であり、かつ本発明の医薬品における活性成分(一般式1の化合物)の活性に実質的な影響を及ぼさない限り、これらの組分は、任意な含有量で存在しても良い。
一つのより好ましい実施の形態において、医薬品の固形分は、上記の一般式1化合物と薬学的に許容される結合剤が形成する顆粒である。
用語「薬学的に許容される結合剤」とは、粘性のない、または粘性の低い材料を凝集させて顆粒にするまたは圧縮成形することを可能にする粘性の固体粉末または粘性の液体で、かつ本発明の医薬品における有効成分(一般式1の化合物)と相容性がある(即、これとブレンドしても、一般的な情况に大幅に医薬品の効能を低下させない)ものを指す。
一つの好ましい実施の形態において、上記の結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチレンセルロース、澱粉(より好ましくにアルファ化澱粉)、ポリビニルピロリドンから選べられる。上記の医薬品組成物の固形部は、上記の一般式1で表れる化合物と薬学的に許容される結合剤で形成される顆粒である場合、顆粒が、薬学的に許容される溶媒(たとえば滅菌水)と混合し、溶解し、塗布・乾燥後、フィルム化し、脱落しにくいから、患者の皮膚への医薬品の付着と吸収を促進する。
発明者らが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチレンセルロース、澱粉、ポリビニルピロリドンにような一般的な結合剤を、それぞれに本発明の上記の一般式1で表れる化合物と混合し、湿式造粒で医薬品顆粒を形成し、その後、顆粒を、薬学的に許容される溶媒(たとえば滅菌水)とそれぞれに混合し、溶解する。結果としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、一般式1で表れる化合物とからなる顆粒の溶解性は最も優れて、透明な溶液を形成することができ、かつ塗布・乾燥後に透明なフィルムを形成し、脱落しにくいから、患者の皮膚への医薬品の付着と吸収を促進する。したがって、最も好ましい実施の形態において、上記の薬学的に許容される結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
粉体や顆粒が積み重なる際に、形成される「安息角」は、その流動性を反映している。用語「安息角」とは、一般に、粉末または顆粒の蓄積層の自由勾配と水平面によって形成される最大角度を指す。安息角が小さいほど、粉末または顆粒間の摩擦が小さくなり、流動性がよく、溶解・使用もしやすくなる。一つの好ましい実施の形態において、上記の医薬品粉末又は顆粒のは、40°以下である;一つのより好ましい実施の形態において、上記の医薬品粉末又は顆粒の安息角は、35°以下である;一つの更に好ましい実施の形態において、上記の医薬品粉末又は顆粒の安息角は、30°以下である。
一つの好ましい実施の形態において、本発明の上記の医薬品の固形部は、気密の薬学的に許容される包装材料に保存される。
用語「薬学的に許容される包装材料」とは、容器の密封材料と内容物との間に重大な相互作用がなく、製品の活性および安定性に変化がなく、または毒性のリスクが生じないと共に、通常の保管/使用条件下では、包装材料の成分と製品との間に影響があっても、製品の品質または包装に許容できない変化が生じることがない包装材料を指す。低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンバッグ、高密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンボトル、ポリプロピレンボトル、ポリエチレンテレフタレートボトル、ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドフィルム、ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドバッグ、又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。本発明の一つの実施の形態において、高密度ポリエチレンボトル与ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドバッグの組み合わせを採用する。
もう一つの好ましい実施の形態において、本発明の上記の医薬品の液体部としては、薬学的に許容される溶媒を採用する。滅菌水、脱炭酸水、エタノール、ソルビトール水溶液、生理食塩水などを含むが、それらに限定されない。
一つの好ましい実施の形態において、本発明の上記の医薬品は、さらに薬用スプレー装置、薬用スポイト、薬用ソフトブラシ又はそれらの組み合わせを含む。使用する際に、医薬品の固形部と液体部を混合し、スプレー、ドロップ、又は塗布剤を形成する。
一つの具体的な実施の形態において、上記の医薬品の固形部(顆粒)が、高密度ポリエチレンボトルで包装され、ポリエステル/アルミ/ポリエチレン医薬品包装用コンパウンドバッグに設置される;液体部は、溶媒として(薬用ガラスびん又は薬用ポリエチレンプラスチックボトルに保存される)滅菌水を採用し、薬用スプレー装置(たとえば薬用スプレーポンプ)と一緒にプラスチックトレーに設置され、白いカートンに箱詰められる。注意すべきなのは、患者の使用を容易にするために、あらかじめ医薬品の顆粒と溶媒とは、特定の比で包装されても良く、たとえば5gの顆粒と50mLの滅菌水を包装しても良い。患者が使用する際に、全ての5gの医薬品の顆粒を滅菌水50mLに溶解し、10%の水溶液を調製し、さらに薬用スプレーポンプでスプレーを形成して使用する(所定の時間、たとえば1−2週間など内に使用する)。
注意すべきなのは、本発明で記載された技術的解決策は、任意に組み合わせることができる。
以下、具体的な実施例を参照して、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の単なる例示であることが理解されるべく。以下の実施例に具体的な条件を示しない実験方法は、一般的に、通常の条件またはメーカーの推奨条件に従う。特に明記しない限り、すべてのパーセンテージ、比率、比、または部は重量によるものである。
本発明における重量−体積百分率の単位は、当業者に公知されたものであり、例えば、100mlの溶液中の溶質の重量を指す。
別途に定義しない限り、本明細書で使用される全ての専門的および科学的用語は当業者に公知された意味と一致する。さらに、記載された内容と類似または同等の任意の方法および材料を本発明の方法に適用することができる。本明細書に記載される好ましい実施の形態および材料は、例示のみのためである。
実施例1.2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の調製
トルエンを溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミドを触媒として、反応温度50℃の条件で、アスピリンと塩化チオニルとを、当量比1:1.1で2時間反応させ、当該反応により、o−アセチルサリチル酸クロリドを生成した;次に、ジエチルアミノエタノールとアシル化製品o−アセチルサリチル酸クロリドとを当量比1:1で、反応温度25℃で4時間反応させ、当該反応により、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチルを生成した;メチルtert−ブチルエーテルで水相を抽出し、水相を氷浴し、炭酸水素ナトリウムの添加でpH値を7−8まで調整した後に、抽出剤として酢酸イソプロピルを使用し、水相を抽出し、酢酸イソプロピル相を得た;塩形成過程において酢酸イソプロピルを溶剤とし、注入された塩化水素ガス量を厳密に制御することで、反応液のpHを3.5前後にした。反応を終了し、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)エチル塩酸塩の粗製品原料を得た。
トルエンを溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミドを触媒として、反応温度50℃の条件で、アスピリンと塩化チオニルとを、当量比1:1.1で2時間反応させ、当該反応により、o−アセチルサリチル酸クロリドを生成した;次に、ジエチルアミノエタノールとアシル化製品o−アセチルサリチル酸クロリドとを当量比1:1で、反応温度25℃で4時間反応させ、当該反応により、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチルを生成した;メチルtert−ブチルエーテルで水相を抽出し、水相を氷浴し、炭酸水素ナトリウムの添加でpH値を7−8まで調整した後に、抽出剤として酢酸イソプロピルを使用し、水相を抽出し、酢酸イソプロピル相を得た;塩形成過程において酢酸イソプロピルを溶剤とし、注入された塩化水素ガス量を厳密に制御することで、反応液のpHを3.5前後にした。反応を終了し、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)エチル塩酸塩の粗製品原料を得た。
加熱還流の条件で、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)エチル塩酸塩の粗製品原料に、連続に無水アセトニトリルを添加し、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)エチル塩酸塩を完全に溶解するまで攪拌・混合した。ただし、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)エチル塩酸塩の粗製品原料と無水アセトニトリルとの最終質量体積比は、1:4であった。25℃までゆっくり冷却し、白色結晶体を析出し、吸引ろ過した後に、固体真空回転乾燥を行った。
合成された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の結晶体の物理的および化学的特性を表1に示す。
合成で得られた2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の結晶体を、核磁気共鳴で表徴し、器械としてBruker AV−500超伝導核磁気共鳴装置を使用し、測定温度300.0Kで、溶剤としてCDCl3を使用し、得られた特徴データは、以下に示された;結果として、製品の構造は、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩と一致することを証明した。
13C NMR(400 MHz,CDCl3):δ8.49,20.92,47.17,49.74,58.80,122.03,123.73,126.05,131.15,134.45,150.73,163.52,169.45。1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ1.42(t,6H,J= 7.5 Hz),2.35(s,3H),3.23(m,4H),3.42(m,2H),4.85(t,2H,J = 5.5 Hz),7.14(d,1H,J = 8.0 Hz),7.34(dd,1H,J = 8.0 Hz),7.61(dd,1H,J = 7.5 Hz),8.00(d,1H,J = 8.0 Hz),12.54(s,1H)。
実施例2.2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩水溶液の安定性
実施例1で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩5gを、滅菌水50mLに溶解し、2〜8℃の条件で置き、それぞれに0日目、0.5か月目、1か月目、2か月目と3か月目にサンプリングし、主薬の含有量、特定の不純物(サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩、アセチルサリチル酸、サリチル酸)および関連物質を個別に検出し、ただし、主薬の含有量と特定の不純物は、高速液体クロマトグラフィー(外部標準法)で検測され、関連物質は、高速液体クロマトグラフィー(補正係数なしの主成分自己対比法)で検測された。高速液体クロマトグラフィーの条件は、
カラム:Inertsil ODS−3(250×4.6mm,5μm)又は類似するカラム
流速:1.0ml/min
カラム温度:33℃
波長:276nm、303nm
サンプル量:10μl
移動相:水(15mlトリエチルアミン+3.5ml10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、1,000mlまで水を添加する):メタノール:氷酢酸(63:27:10)。
実施例1で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩5gを、滅菌水50mLに溶解し、2〜8℃の条件で置き、それぞれに0日目、0.5か月目、1か月目、2か月目と3か月目にサンプリングし、主薬の含有量、特定の不純物(サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩、アセチルサリチル酸、サリチル酸)および関連物質を個別に検出し、ただし、主薬の含有量と特定の不純物は、高速液体クロマトグラフィー(外部標準法)で検測され、関連物質は、高速液体クロマトグラフィー(補正係数なしの主成分自己対比法)で検測された。高速液体クロマトグラフィーの条件は、
カラム:Inertsil ODS−3(250×4.6mm,5μm)又は類似するカラム
流速:1.0ml/min
カラム温度:33℃
波長:276nm、303nm
サンプル量:10μl
移動相:水(15mlトリエチルアミン+3.5ml10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、1,000mlまで水を添加する):メタノール:氷酢酸(63:27:10)。
安定性研究の結果としては、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の水溶液を、2〜8℃の条件で3か月放置した場合、主薬の含有量が、約86%まで低下し、不純物であるサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩が、13%超えまであがた。このような結果は、化学薬品の安定性に関する一般的な要望を満たしていない。具体的なデータを表2に示す。
実施例3.2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩顆粒の調製
(1)実施例1で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩を80メッシュのふるいで篩過した。
(2)濃度1.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を調製し、1.5gのヒドロキシプロピルメチルセルロースを、100gのお湯に溶解し、均一まで攪拌し、室温下に一晩放置して用意した。
(3)ステップ(1)で前処理された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩100gと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの乾燥粉末1.5gと混合し、さらにステップ(2)で調製されたヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液9−10gを添加し、均一まで混合し、軟質材を製造した。押すことで、14メッシュのふるいに通過させた。
(4)60℃条件で、軟質材を4−6時間乾燥した。
(5)整粒し、10メッシュのふるいを通過できるが、60メッシュのふるいを通過できない顆粒を選択した。
(1)実施例1で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩を80メッシュのふるいで篩過した。
(2)濃度1.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を調製し、1.5gのヒドロキシプロピルメチルセルロースを、100gのお湯に溶解し、均一まで攪拌し、室温下に一晩放置して用意した。
(3)ステップ(1)で前処理された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩100gと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの乾燥粉末1.5gと混合し、さらにステップ(2)で調製されたヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液9−10gを添加し、均一まで混合し、軟質材を製造した。押すことで、14メッシュのふるいに通過させた。
(4)60℃条件で、軟質材を4−6時間乾燥した。
(5)整粒し、10メッシュのふるいを通過できるが、60メッシュのふるいを通過できない顆粒を選択した。
得られた2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の顆粒は、ほとんど白色であり、その安息角は28ーで、その水溶液の25±0.5℃でのpH値は4.3−4.4である。
実施例4.2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の顆粒剤の安定性の研究
実施例3で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の顆粒5gを取り、高密度ポリエチレンボトルで包装し、密封した後に、ポリエステル/アルミ/ポリエチレン医薬品包装用コンパウンドバッグに置いた。(薬用ガラスびん又は薬用ポリエチレンプラスチックボトルに保存される)溶媒である滅菌水50mLを、包装された顆粒と一緒にプラスチックトレーに設置され、白いカートンに箱詰められ、患者はそれを使用する直前に、2者を混合し、たとえば点眼薬とし使用することができる。
実施例3で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の顆粒5gを取り、高密度ポリエチレンボトルで包装し、密封した後に、ポリエステル/アルミ/ポリエチレン医薬品包装用コンパウンドバッグに置いた。(薬用ガラスびん又は薬用ポリエチレンプラスチックボトルに保存される)溶媒である滅菌水50mLを、包装された顆粒と一緒にプラスチックトレーに設置され、白いカートンに箱詰められ、患者はそれを使用する直前に、2者を混合し、たとえば点眼薬とし使用することができる。
以上のように調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩の顆粒(高密度ポリエチレンボトルで包装し、密封した後に、ポリエステル/アルミ/ポリエチレン医薬品包装用コンパウンドバッグに置いたもの)を、25℃±2℃の温度と60%±10%の相対湿度の条件で置き、それぞれに0か月目、3か月目、6か月目、9か月目、12か月目にサンプリングし、その性状、乾燥減量、水分、特定の不純物(サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩、アセチルサリチル酸、サリチル酸)、関連物質、主薬含有量を検測した。ただし、性状には目測法を採用し、水分には、容量滴定による検測(《中国薬局方》フィッシャー法の容量滴定法)を採用し、特定の不純物と主薬の含有量には高速液体クロマトグラフィー(外部標準法)を採用し、関連物質には、高速液体クロマトグラフィー(補正係数なしの主成分自己対比法)を採用した。高速液体クロマトグラフィーの条件は、実施例2と同じである。
安定性研究の結果としては、当該顆粒は、25℃±2℃条件で12か月にわたって置いた場合、その安定性が非常に優れ、各物理的および化学的なパラメーターは、ほぼ変わらなかった。具体的なデータを表3に示す。
実施例5.サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩の合成
実施例1で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩(31.5g)を、アセトニトリル(30mL)に溶解し、濃塩酸(10mL)を添加し、室温で48時間を攪拌し、濃縮し、蒸発乾燥し、50mLの水を添加し、溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、攪拌し、酢酸イソプロピルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、HClガスを注入し、白色固体を析出し、エタノールで重結晶し、サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩を得た(17.7g、収率:65%)。
実施例1で調製された2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩(31.5g)を、アセトニトリル(30mL)に溶解し、濃塩酸(10mL)を添加し、室温で48時間を攪拌し、濃縮し、蒸発乾燥し、50mLの水を添加し、溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、攪拌し、酢酸イソプロピルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、HClガスを注入し、白色固体を析出し、エタノールで重結晶し、サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩を得た(17.7g、収率:65%)。
HNMR (CDCl3)δ(ppm):11.31(br,1H),10.47 (s,1H),7.87(dd,J = 8.0,1.5 Hz,1H),7.52-7.49(m,1H),7.03(d,J = 8.0 Hz,1H),6.95-6.92(m,1H),4.69(t,J = 5.0 Hz,2H),3.52(q,J = 4.5 Hz,2H),3.24-3.17(m,4H),1.30-1.25(m,6H)。
実施例6化合物のニュージーランド白ウサギの角膜表面に対する麻酔効果
ニュージーランド白ウサギの体重を量り、体重に応じて、ウサギをランダムに5つの群に分けた:2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩群、サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩群、アスピリン群、サリチル酸ナトリウム群、ポジティブコントロールとするリドカイン群。単回には、眼球の表面に3mg/匹(100μL)を投与し、薬物濃度は全て3%(m/V)で(溶解を助けるためにアスピリンにトリス溶液を添加した)、1群ごとウサギ12匹である。
ニュージーランド白ウサギの体重を量り、体重に応じて、ウサギをランダムに5つの群に分けた:2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩群、サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩群、アスピリン群、サリチル酸ナトリウム群、ポジティブコントロールとするリドカイン群。単回には、眼球の表面に3mg/匹(100μL)を投与し、薬物濃度は全て3%(m/V)で(溶解を助けるためにアスピリンにトリス溶液を添加した)、1群ごとウサギ12匹である。
投与前に、ウサギに角膜反射を誘発するために、1gのフォンフレイフィラメントを使用し、10回の刺激によって引き起こされたウサギの瞬き回数を記録した。次に、ウサギの各群の左眼球に、100μLの試験液を垂らした:3%の2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩、3%のサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩、3%のアスピリン群、3%のサリチル酸ナトリウム群、3%のリドカイン;右眼球には、自己ネガティブコントロールとして生理食塩水を同等体積で垂らした。投与後30分以内に、5分毎に検査を行い、各時点での10回の刺激によって引き起こされたウサギの瞬きの回数を記録した。投与30分後、15分ごとに検査した。角膜反射が投与前のレベルに戻った後、検査を中止した。
投与側と自己ネガティブコントロール側の角膜反射を比較することにより、投与後の角膜反射に対する化合物の効果を判断した。角膜反射抑制率(Corneal reflex inhibition、CRI)で、角膜反射に対する薬物の効果を評価した。計算式は次のとおり:
実験結果を表4に示す。ポジティブコントロールとするリドカイン、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩、サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩の結果は、以下のことを表明した:その右眼球の自己コントロール(CRI(%)は、0.0±0.0)と比較し、左眼球に相応の試験液を垂らした後に、3群の化合物には、一番早い検査時刻(投与5分後に)に、それらのCRI(%)が著しくに向上することが現れた(p<0.001);投与45分又は30分後に、角膜反射に対する抑制作用は、相変わらず顕著であった(p<0.001又はp<0.01)。これで判明するように、眼部投与する場合、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩、サリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩が、局所麻酔効果を有しつつ、効き早いである。これに対し、アスピリン、サリチル酸ナトリウムは、局所麻酔効果を完全に有しなく、それらのCRI(%)と自己コントロールは、いずれも0.0±0.0である。
以上に記載されたのは本発明の好ましい実施例だけであり、本発明の本質的な技術的内容の範囲を限定することを意図するものではない;本発明の本質的な技術的内容は、本願の請求の範囲内で広く定義される;本願の請求の範囲で定義されたものとまったく同じであるか、同等の変更である場合、他の人が完成した技術実体たは方法は、請求の範囲に含まれると見なされる。
Claims (10)
- 局所麻酔薬の調製における一般式1で表れる化合物の応用、
R1が、H、C1のアルキル基、C2のアルキル基、C3のアルキル基、C4のアルキル基、C5のアルキル基又はC6のアルキル基を表示し、
R2が、H、C1のアルキル基、C2のアルキル基、C3のアルキル基、C4のアルキル基、C5のアルキル基又はC6のアルキル基を表示し、
X−が、陰イオンを表示し、
n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。 - X−が、一価の陰イオンを表示し、より好ましくにCl−、Br−、F−、I−、AcO−、シュウ酸イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン、チオシアン酸イオンであることを特徴とする請求項1に記載の応用。
- R1が、メチル又はエチルを表示し、R2が、メチル又はエチルを表示することを特徴とする請求項1に記載の応用。
- n=1又は2であることを特徴とする請求項1に記載の応用。
- 上記の一般式1で表れる化合物は、
より好ましくに、上記の一般式1で表れる化合物は、2−アセトキシ安息香酸2−(ジエチルアミノ)−エチル塩酸塩、又はサリチル酸−(2−ジエチルアミノエチル)塩酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の応用。 - 上記の局所麻酔薬的剤形は、経消化管投与剤形、経注射投与剤形、経気道投与剤形、経皮投与剤形、経粘膜投与剤形、経腔投与剤形から選べられることを特徴とする請求項1に記載の応用。
- 上記の局所麻酔薬は、少なくとも分離している固形部と液体部を含み、ただし、上記の固形分は、治療的有效量の一般式1で表れる化合物を含み、上記の液体部は、薬学的に許容される溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の応用。
- 上記の薬学的に許容される溶媒は、滅菌水、脱炭酸水、エタノール、ソルビトール水溶液、生理食塩水から選べられることを特徴とする請求項7に記載の応用。
- 上記の固形部は、気密の薬学的に許容される包装材料に保存される;上記の薬学的に許容される包装材料は、好ましくに低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンバッグ、高密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンボトル、ポリプロピレンボトル、ポリエチレンテレフタレートボトル、ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドフィルム、ポリエステル/アルミ/ポリエチレンコンパウンドバッグ、ガラスびん、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項7に記載の応用。
- 上記の局所麻酔薬を使用する際に、上記の固形部と液体部を混合することを特徴とする請求項7に記載の応用。
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