JP2021501571A - 抗cd3抗体およびそれを含む癌処置用医薬組成物 - Google Patents

抗cd3抗体およびそれを含む癌処置用医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗CD3抗体およびそれを含む癌処置用医薬組成物に関する。本発明の抗体は、CD3に対する高い親和性および特異性を有し、したがって癌の予防または治療に効果的に使用することができる。

Description

本発明は、抗CD3抗体およびそれを含む癌処置用医薬組成物に関する。
さまざまな死因のなかで、癌による死亡は高頻度で、2番目に多い。これまでに癌処置のためのさまざまな試みがなされてきた。現在の癌処置方法として、抗癌剤投与、照射、または外科手術が行われている。しかしながら、そのような処置方法は初期の癌には有効かもしれないが、末期癌においては、癌が他の組織に広がっているか、再発している場合、あまり有効でない。
近年、患者の末梢血から採取したリンパ球をインビトロ大量培養に付し、その後、該培養リンパ球を患者に再移植することによって癌を治療する、養子細胞免疫療法の研究が、注目されている。さらに、患者の末梢血から採取した免疫細胞をインビトロ大量増殖に付し、該増殖免疫細胞を活性化するために癌細胞溶解物のような抗原で処理し、その後、得られた免疫細胞を患者に再投与することによって癌細胞に特異的な傷害性T細胞に癌細胞を除去させる技術も開発されつつある。
本発明は、当分野における上記問題を解決するものである。本発明の課題は、CD3に対する高い結合親和性を有する抗体、およびそれを使用した癌処置効果に優れる医薬組成物を提供することである。
しかしながら本発明が解決しようとする課題は、上記の課題に限られるものではなく、言及していない他の課題は、以下の説明によって当業者に明確に理解されうる。
本発明の一側面において、配列番号7、8、15または16のアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%である配列からなる軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)、および配列番号18〜25のいずれかのアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%である配列からなる重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含む抗体が提供される。
本発明の他の一側面において、抗体の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)および重鎖可変ドメイン(VHドメイン)をコードするポリヌクレオチドが提供される。
本発明のさらなる一側面において、ポリヌクレオチドを含む発現ベクターが提供される。
本発明のさらなる一側面において、発現ベクターで形質転換された宿主細胞が提供される。
本発明のさらなる一側面において、宿主細胞を培養することを含む、CD3に特異的に結合する抗体を生産する方法が提供される。
本発明のさらなる一側面において、抗体またはそのフラグメントを含む、癌を予防または治療するための医薬組成物が提供される。
本発明の抗体は、CD3に対する親和性および特異性が高いので、癌の予防または治療のために効果的に使用することができる。
本発明の効果は上記の効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載される発明の構成から導き出されるいずれの効果をも包含することを理解すべきである。
図1は、本発明の態様の抗体のヒトT細胞に対する結合親和性を解析した結果を示す。 図2は、本発明の態様の抗体のサルT細胞に対する結合親和性を解析した結果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一側面において、配列番号7、8、15または16のアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%である配列からなる軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)、および配列番号18〜25のいずれかのアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%である配列からなる重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含む抗体が提供される。
軽鎖可変ドメインは、配列番号7、8、15または16のアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%であるアミノ酸配列からなりうる。
さらに、重鎖可変ドメインは、配列番号18〜25のいずれかのアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%であるアミノ酸配列からなりうる。
軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインを含む該抗体は、表面抗原クラスター分類3(CD3)に特異的に結合しうる。ここで、抗体は、ヒトおよびサルのCD3に対する交差反応性を有しうる。すなわち、CD3は、ヒト由来CD3およびサル由来CD3を包含しうるが、それに限定されない。
本書において、用語「CD3」は、動物、好ましくはヒトおよびサルに存在する、CD3そのもの、ならびにその任意のバリアント、アイソタイプおよびパラログを集合的にさす概念をさしうる。さらに、本書において、用語「ヒトCD3」とは、ヒト由来CD3をさす。本書において、用語「サルCD3」とは、サル由来CD3をさす。
本書において、用語「抗体」は、特定の抗原と免疫学的に反応性の免疫グロブリン(Ig)分子、すなわち、抗原を特異的に認識する受容体として働くタンパク質分子をさす。さらに、抗体は、完全な抗体または抗体フラグメントであってよい。
軽鎖および重鎖の可変ドメインにおいて、CD3に対する親和性および特異性といった、本発明の目的に合う性質が維持される限り、いくつかのアミノ酸が置換、挿入および/または欠失されてよい。例えば、軽鎖および/または重鎖可変ドメインにおいて、保存的アミノ酸置換があってよい。保存的置換とは、元のアミノ酸配列を、それと同様の性質を有する他のアミノ酸残基で置換することを意味する。
例えば、リジン、アルギニンおよびヒスチジンは、塩基性側鎖を有するという同様の性質を有し、アスパラギン酸およびグルタミン酸は、酸性側鎖を有するという同様の性質を有する。さらに、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システインおよびトリプトファンは、荷電していない極性側鎖を有するという同様の性質を有する。アラニン、バリン、ロイシン、スレオニン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニンおよびメチオニンは、非極性側鎖を有するという同様の性質を有する。チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびヒスチジンは、芳香族側鎖を有するという同様の性質を有する。
したがって、上記のような同様の性質を有するアミノ酸群内でのアミノ酸置換により、著しい性質の変化が生じないであろうことは、当業者には明らかである。この理由により、可変ドメイン内における保存的置換による改変がなされた抗体も、そのような抗体が本発明の抗体の性質を維持する限り、本発明の範囲に含まれる。
一方、抗体は、T細胞、特にT細胞表面に、CD3との特異的結合を介して、特異的に結合しうる。ここで、T細胞は、ヒト由来T細胞およびサル由来Tを包含するが、それに限定されない。
したがって、抗体が体内に存在するとき、抗体はCD3との特異的結合を介してT細胞を誘引しうる。したがって、誘引されたT細胞は、その付近で免疫応答を誘導し得、さらに腫瘍、例えば癌細胞等を攻撃しうる。
抗体の軽鎖および重鎖可変ドメインは、相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)からなりうる。典型的には、CDRは特定の抗原に対する結合特異性を提供し、FRは、抗体がその折り畳み構造を形成するため、CDRの結合を支援するため等の機能を果たす。
抗体は、従来のマウス抗CD3抗体SP34のCDRを維持し、SP34の定常ドメイン(Fc)および可変ドメインFRのアミノ酸配列が、部分的または完全に、対応するヒト配列で置換されている抗体でありうる。
抗体は、配列番号29のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;配列番号31のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;配列番号33のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含みうる。
したがって、抗体は、ヒトCD3に特異的に結合するヒト化抗体でありうる。本書において、用語「ヒト化抗体」とは、マウス抗体のような非ヒト抗体の免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含むキメラ抗体をさし、超可変領域に相当する配列を除くすべての部分が対応するヒト配列で置換されているような抗体を意味しうる。
さらに、用語「超可変領域(HVR)」とは、抗体の配列において超可変性を示すかまたは構造的に限定されたループを形成する可変ドメインの領域をさす。それを特定する定義のなかで、Kabatによる相補性決定領域(CDR)の定義が、配列可変性に基づく領域の分類のために最も一般的に用いられる。
抗体として、その抗体フラグメントも、それが抗体の機能を維持している限り、使用しうる。抗体または抗体フラグメントは、CD3に対する結合機能を維持する、一本鎖抗体、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fd’、scFv’、ドメイン抗体、ミニボディ、scAb’、IgD抗体、IgE抗体、IgM抗体、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、抗体の定常ドメインの誘導体、タンパク質足場に基づく人工抗体等を包含するが、それに限定されない。
また、抗体は、腫瘍細胞増殖抑制効果を有する抗癌剤に抗体を結合させることによって得られる抗体−薬物コンジュゲート(ADC)形態で使用することもできる。本書において、用語「抗癌」とは、癌に対する「予防」および「治療」効果を包含し、「予防」は、癌を抑制または遅延させる任意の作用を意味する。さらに、「治療」は、癌の症状を改善または有益に変化させる任意の作用を意味する。
抗体−薬物コンジュゲートにおいて使用することのできる薬物は、細胞傷害または細胞抑制作用を有する任意の化合物、および化合物の一部または官能基を包含する。薬物の例は、マイクロチューブリン構造形成阻害剤、減数分裂阻害剤、RNAポリメラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、DNAインターカレーター、DNAアルキレーター、リボソーム阻害剤、miRNA、shRNA、siRNA、放射性同位体、および毒素を包含し、それらのうちの少なくとも1つの化合物を使用しうる。
薬物は、メイタンシノイド、アウリスタチン、ドラスタチン、トリコテセン、CC1065(NSC298223)、カリケアミシン、タキサン、アントラサイクリン、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンデシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン、ダウノマイシン、エトポシド、テニポシド、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、エスペラミシン、他のエンジイン抗生物質、5−フルオロウラシル、他のナイトロジェンマスタードおよびその立体異性体、アイソスター、ホモログまたは誘導体、シスプラチナムおよびシスプラチナムホモログ、他のインターカレーター酵素およびそのフラグメント、例えばヌクレアーゼ、抗生物質、毒素(酵素的に活性な毒素、または細菌、真菌、植物もしくは動物由来の小分子毒素)、ならびにさまざまな抗腫瘍または抗癌剤、例えばシスプラチン、CPT−11、パクリタキセルおよびドセタキセルを包含しうるが、それに限定されない。
さらに、放射性同位体(放射性核種)は、3H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、90Y、125I、131I、186Re等を包含する。ある種の癌遺伝子の発現を阻害することのできるマイクロRNA(miRNA)、siRNA、shRNA等も使用しうる。
抗CD3抗体と薬物との結合は、好ましくは、抗体中のリジンまたはシステインといったアミノ酸残基のチオール基といった官能基を用いるコンジュゲート化によって達成される。要すれば、コンジュゲート化を、通常用いられるリンカーを介する形態で行うことも可能である。マレイミドまたはヨウ素アセトアミドに基づくリンカーを用いることもできる。
抗体または抗体フラグメントに薬物をコンジュゲート化させる際、抗体またはフラグメントのCD3結合能およびCD3特異性等に対する影響を少なくする観点から、薬物を抗原結合部位とは反対側のC末端部位にコンジュゲート化しうる。フラグメントではなく完全な抗体を使用する場合、薬物をFc領域にコンジュゲート化しうる。
さらに、抗体は、それを含むキメラ抗原受容体(CAR)に基づく処置剤として使用することもできる。そのような処置剤の例は、好ましくはキメラ抗原受容体T細胞(CAR−T細胞)またはキメラ抗原受容体ナチュラルキラー細胞(CAR−NK細胞)療法剤を包含するが、それに限定されない。
抗体は、抗CD3抗体を含む二重特異性抗体の形態で使用することもできる。二重特異性抗体は、同時に2つの抗原に結合する能力を有する抗体であり、典型的には、異なる抗原に結合する複数の軽鎖・重鎖対が連結された形態で存在する。
さらに、二重特異性抗体は、例えば、VLおよびVHが短いリンカーペプチドを介して連結された一本鎖抗体フラグメント(scFV)がscFV1−scFV2(−Fc)の形態に連結された二重特異性一本鎖抗体、VHを用いるシングルドメイン抗体(sdAb)に基づく二重抗体、ならびにドイツのMicrometのBiTE技術(http://www.micromet.de参照)を用いて作製される二重特異性抗体のような形態で利用可能である。
二重特異性抗体は、免疫賦活細胞特異的標的分子に対する結合能を有する抗体またはそのフラグメントに抗CD3抗体が結合された形態で存在しうる。免疫賦活細胞特異的標的分子は、好ましくは、TCR/CD3、CD16(FcγRIIIa)、CD44、CD56、CD69、CD64(FcγRI)、CD89、およびCD11b/CD18(CR3)から選択しうるが、それに限定されない。
本発明の他の一側面において、本発明の抗体の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)および重鎖可変ドメイン(VHドメイン)をコードするポリヌクレオチド、ならびにそれを含む発現ベクターが提供される。
抗体または抗体フラグメントの重鎖可変ドメインをコードするポリヌクレオチド、すなわち、遺伝子は、抗CD3抗体のアミノ酸配列から当業者が容易に誘導しうる。
本書において、用語「発現ベクター」は、宿主細胞中で標的タンパク質を発現することのできる組換えベクターをさし、挿入された遺伝子が発現されるように作動可能に連結された必須調節配列を含む遺伝子コンストラクトを意味する。抗CD3抗体をコードする遺伝子は、別のベクターに挿入されてよく、または同じベクターに挿入された形態で使用されてよい。
特に、抗CD3抗体のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドは、別の、または同じベクターに挿入された形態で使用されてよく、重鎖またはその可変ドメインをコードするポリヌクレオチドは、別の、または同じベクターに挿入された形態で使用されてよい。
本書において、用語「作動可能に連結される」とは、核酸発現調節配列と、所望のタンパク質をコードする核酸配列とが、所望の機能を果たすように機能的に連結されることを意味する。組換えベクターにおける作動可能な連結は、当分野において知られる遺伝子組換え技術を用いて達成され得、部位特異的DNA切断およびライゲーションは、当分野で一般に知られる酵素等を用いて容易に達成されうる。
抗CD3抗体の生産のために適当な発現ベクターは、発現調節配列、例えばプロモーター、開始コドン、終止コドン、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーに加えて、膜標的化または分泌のためのシグナル配列を含みうる。開始コドンおよび終止コドンは一般に、免疫原標的タンパク質をコードするヌクレオチド配列の一部であると考えられる。そのようなコドンは、遺伝子コンストラクトが投与されたとき、対象において機能的でなければならず、コーディング配列とインフレームでなければならない。一般に、プロモーターは構成型または誘導型でありうる。プロモーターは、原核生物プロモーター、例えばlac、tac、T3およびT7、シミアンウイルス40(SV40)プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、例えばHIVの長末端反復配列(LTR)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ならびにβ−アクチンプロモーター、ヒトヘモグロビン−、ヒト筋肉クレアチン−、ヒトメタロチオネイン−由来真核生物プロモーター等を包含しうるが、それに限定されない。
発現ベクターは、それを含む宿主細胞の選択を可能にする選択マーカーをさらに含みうる。選択マーカーは、ベクターで形質転換された細胞の選択のために用いられる。選択マーカーとして、選択可能な表現型、例えば薬剤耐性、栄養要求性、細胞傷害物質抵抗性または表面タンパク質発現を付与するマーカーを使用しうる。選択剤で処理される環境において、選択マーカーを発現する細胞のみが生き延びるので、形質転換された細胞の選択が可能である。さらに、ベクターが複製可能な発現ベクターである場合、該ベクターは、そこから複製が開始される特定の核酸配列である複製起点を含みうる。
異種遺伝子の挿入のための組換え発現ベクターとして、プラスミド、ウイルスおよびコスミドといったさまざまな形態のベクターを使用しうる。ベクターが原核生物および/または真核生物細胞を包含するさまざまな宿主細胞中で所望の遺伝子を発現し所望のタンパク質を産生するよう機能する限り、組換えベクターの種類には特に制限はない。ベクターは好ましくは、高活性のプロモーターおよび高発現能力を有し、天然の状態と同様の形態の異種タンパク質を大量に産生することのできるベクターでありうる。
抗CD3抗体の発現のために、さまざまな発現宿主/ベクター組み合わせを使用しうる。真核生物宿主に適当な発現ベクターは、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、およびレトロウイルスに由来する発現調節配列を包含するが、それに限定されない。
細菌宿主において使用しうる発現ベクターは、大腸菌由来の細菌プラスミド、例えばpET、pRSET、pBluescript、pGEX2T、pUCベクター、colE1、pCR1、pBR322、pMB9およびそれらの誘導体;広宿主範囲のプラスミド、例えばRP4;ファージDNA、例えば広範なファージλ誘導体、例えばλgt10、λgt11、およびNM989;ならびに他のDNAファージ、例えばM13および繊維状一本鎖DNAファージを包含する。酵母細胞に有用な発現ベクターは、2ミクロンプラスミドおよびその誘導体を包含しうる。昆虫細胞に有用なベクターは、pVL941でありうる。
本発明のさらなる一側面において、本発明の発現ベクターで形質転換された宿主細胞が提供される。発現ベクターは、形質転換体の形成のために宿主細胞に導入されうる。ベクターに適当な宿主細胞は、原核細胞、例えば大腸菌、枯草菌、ストレプトミセス属、シュードモナス属、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、またはスタフィロコッカス属を包含しうる。さらに、宿主細胞は、真核生物細胞を包含し得、これには、例えばアスペルギルス属のような真菌、ピキア酵母(Pichia pastoris)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス属のような酵母、およびアカパンカビ(Neurospora crassa)、および他の低級真核生物に由来する低級真核生物細胞、ならびに昆虫細胞のような高級真核生物細胞が包含される。さらに、宿主細胞は、植物または哺乳動物に由来してもよい。好ましくは、使用しうる宿主細胞は、サル腎細胞(COS7細胞)、NSO細胞(マウス由来のミエローマ細胞)、SP2/0細胞(マウス由来のミエローマ細胞)、他のミエローマ細胞株、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、W138細胞(2倍体ヒト細胞培養)、ベビーハムスター腎(BHK)細胞、MDCK、HuT78細胞、HEK293細胞等を包含するが、それに限定されない。CHO細胞が好ましい。
本書において、用語「宿主細胞の形質転換」とは、生体、細胞、組織または器官に核酸を導入するための任意の方法を包含することが意図され、そのような形質転換は、宿主細胞の種類に応じて選択される、当分野において知られる標準的な技術を用いて行われうる。特に、エレクトロポレーション、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム(CaPO)沈殿、塩化カルシウム(CaCl)沈殿、シリコンカーバイドファイバーを用いる撹拌、アグロバクテリウム仲介導入、PEG−、デキストランスルフェート−、リポフェクタミン−またはデシケーション/インヒビション−仲介形質転換等を用いうる。しかしながら、本発明はそれに限定されない。
本発明のさらなる一側面において、宿主細胞を培養することを含む、CD3に特異的に結合する抗体を生産する方法が提供される。特に、抗体を生産する方法は、下記のステップを含みうる:抗CD3抗体をコードするヌクレオチド配列をベクターに挿入して、組換えベクターを作製するステップ;組換えベクターで宿主細胞を形質転換し、培養を行うステップ;および培養された形質転換体からヒト化抗体を分離し精製するステップ。
ヒト化抗体は、組換えベクターが発現される形質転換体を栄養培地中で培養することによって大量生産し得、培地および培養条件は、宿主細胞の種類に応じて、当分野において知られるものから適当に選択しうる。培養中に、温度、培地pHおよび培養時間といった条件を、細胞増殖およびタンパク質大量生産に適するように適当に調節しうる。
前記のように組換え生産された抗CD3抗体は、培地または細胞溶解物から回収しうる。抗体が膜結合した形態にある場合、適当な界面活性剤溶液(例えばTriton-X 100)を用いて、または酵素的切断によって、抗体を膜から解離させうる。ヒト化抗体の発現のために使用した細胞は、凍結−解凍の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤のようなさまざまな物理的および化学的手段によって破壊し得、従来の生化学的分離技術を用いて分離および精製を行いうる。使用しうる生化学的分離技術は、電気泳動、遠心分離、ゲル濾過、沈殿、透析、クロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、免疫吸着クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等)、等電点電気泳動等を包含するが、それに限定されない。
本発明のさらなる一側面において、本発明の抗体またはそのフラグメントを含む、癌を予防または治療するための医薬組成物が提供される。
医薬組成物で処置することのできる癌の種類は、固形癌および血液癌の両方を包含し得、好ましくは、CD3を発現する任意の癌を包含しうる。ここで、抗体は、CD3との特異的結合を介してT細胞を誘引し、それによって癌細胞の死滅を誘導しうる。
特に、癌は、膵臓癌、肝臓癌、胃癌、肺癌、結腸直腸癌、直腸癌、甲状腺癌、食道癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌、乳癌、血液癌、皮膚癌、上皮癌、脳腫瘍、中枢神経系癌、または卵巣癌でありうるが、それに限定されない。
医薬組成物は、薬学的に許容しうる担体をさらに含みうる。薬学的に許容しうる担体として、経口投与用には、結合剤、滑剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定剤、懸濁剤、着色剤、香料等を使用し得;注射用には、緩衝剤、保存剤、鎮痛剤、可溶化剤、等張化剤、安定剤等を組み合わせて使用し得;局所投与のためには、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤等を使用しうる。
本発明の医薬組成物の製剤は、さまざまな方法による、前記のような薬学的に許容しうる担体との混合によって調製しうる。例えば、経口投与用には、医薬組成物を、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェハ剤等の形態に調製しうる。注射用には、医薬組成物を、単位用量アンプル剤の形態または多回用量形態に調製しうる。
さらに、医薬組成物は、膜透過性を改善することのできる界面活性剤を含みうる。そのような界面活性剤は、ステロイドから誘導されるものでありうるか、またはカチオン性脂質、例えばN−[1−(2,3−ジオレイル)プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、もしくはコレステロールヘミスクシネートおよびホスファチジルグリセロールといったさまざまな化合物を包含しうる。しかしながら、界面活性剤はそれに限定されない。
本発明の他の一側面において、医薬組成物を対象に投与することを含む、癌処置または癌増殖抑制方法が提供される。抗CD3抗体を含む医薬組成物を、癌細胞またはその転移を処置するかまたは癌増殖を抑制するために薬学的に有効な量で投与しうる。有効量は、例えば癌の種類、患者の年齢、体重、性質および症状重篤度、現行の治療の種類、処置回数、投与形態、ならびに投与経路といったさまざまな因子によって異なり得、当該分野の専門家によって容易に決定されうる。
医薬組成物は、前記の薬理学的または生理学的成分と一緒にまたは前後して投与し得、さらなる従来の処置剤と組み合わせて投与することもでき、その場合、医薬組成物は、従来の処置剤と前後して、または同時に投与しうる。そのような投与は、単回または多回投与でありうる。前記因子をすべて考慮して、最大の効果を副作用を伴わずにもたらす最小量を投与することが重要であり、そのような量は当業者が容易に決定しうる。
本書において、用語「対象」とは、医薬組成物の投与によって軽減、抑制または処置することのできる状態または疾患を有するかまたは有するリスクのある哺乳動物、好ましくはヒトをさす。
本書において、用語「投与」とは、予め決定された物質を対象に任意の適当な方法で導入することを意味し、医薬組成物は、医薬組成物を標的組織に到達せしめる任意の経路で投与しうる。そのような投与方法は、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与、肺投与、または直腸投与を包含しうるが、それに限定されない。ここで、経口投与の場合、タンパク質は消化されるという観点から、経口投与用の組成物は、活性成分をコーティングするように、または組成物を胃での消化から保護するように調製することが望ましいことがある。さらに、医薬組成物は、活性成分を標的細胞に到達させることのできる任意の手段を用いて投与しうる。
本発明の他の一側面において、癌を予防または治療するための、本発明の抗体の使用が提供される。
本発明の他の一側面において、癌の予防または治療用医薬の製造のための、本発明の抗体の使用が提供される。
本発明の他の一側面において、本発明の抗体を対象に投与することを含む、癌を予防または治療するための方法が提供される。
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。下記実施例は、本発明の説明ためのものであって、本発明の範囲はそれに限定されない。
実施例1.ヒト化抗CD3抗体候補の作製
実施例1.1.ヒト化用候補抗体の選択
抗CD3抗体として知られるマウスSP34の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)および重鎖可変ドメイン(VHドメイン)のアミノ酸配列をウェブのデータベース(IgBLAST)に入力し、最も類似するヒト胚抗体配列を検索した。その結果、マウスSP34の軽鎖可変領域とHomo sapiens IGLV7-46*01(IMGT遺伝子名)との間、およびマウスSP34の重鎖可変領域とHomo sapiens IGHV3-73*02(IMGT遺伝子名)との間に、最も高いアミノ酸配列同一性が示された。
実施例1.2.軽鎖可変ドメインのヒト化
SP34軽鎖可変ドメインとの同一性が最も高い配列を有するヒト胚抗体であるHomo sapiens IGLV7-46*01(IMGT遺伝子名)のCDRアミノ酸配列を、マウスSP34のCDR配列に置き替えて、部分的にヒト化されたSP34軽鎖可変ドメインを作製した。
部分的にヒト化されたSP34軽鎖可変ドメインの抗原結合性を高めるために、抗原結合性において重要な役割を担うと考えられるフレームワーク領域(FR)配列中のアミノ酸残基を、マウスSP34と同じアミノ酸残基で置換した。そのように作製したヒト化SP34軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列を表1に示す。
表1に関し、マウスSP34軽鎖可変ドメインのアミノ酸残基38、48、51および71にランダムな修飾を行って、全部で16のヒト化SP34軽鎖可変ドメインを作製した。CD3抗原に対する親和性比較のための対照として、マウスSP34軽鎖可変ドメインを用いた。
Figure 2021501571
Figure 2021501571
実施例1.3.重鎖可変ドメインのヒト化
SP34重鎖可変ドメインとの同一性が最も高い配列を有するヒト胚抗体であるHomo sapiens IGLV3-73*02(IMGT遺伝子名)のCDRアミノ酸配列を、マウスSP34のCDR配列に置き替えて、部分的にヒト化されたSP34重鎖可変ドメインを作製した。
部分的にヒト化されたSP34重鎖可変ドメインの抗原結合性を高めるために、抗原結合性において重要な役割を担うと考えられるフレームワーク領域(FR)配列中のアミノ酸残基を、マウスSP34と同じアミノ酸残基で置換した。そのように作製したヒト化SP34重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を表2に示す。
表2に関し、マウスSP34重鎖可変ドメインのアミノ酸残基49、78、79および81にランダムな修飾を行って、全部で8のヒト化SP34重鎖可変ドメインを作製した。CD3抗原に対する親和性比較のための対照として、マウスSP34重鎖可変ドメインを用いた。
Figure 2021501571
実施例1.4.ヒト化抗CD3抗体候補のクローニング
前記のように作製した16の軽鎖可変ドメインの各遺伝子を、λ軽鎖定常ドメイン(λ−CL)を含むpcDNA3.4動物細胞発現ベクターに挿入し、8の重鎖可変ドメインの各遺伝子を、IgG1定常ドメイン(CH1、ヒンジ、CH2、CH3)を含むpcDNA3.4動物細胞発現ベクターに挿入した。
λ軽鎖定常ドメインおよびIgG1重鎖定常ドメインの各アミノ酸配列を、表3に示す。
Figure 2021501571
実施例1.5.ヒト化抗CD3抗体候補のトランスフェクション
トランスフェクションの24時間前に、密度2.0×10細胞/mlのExpi293F細胞を、37℃、8%COの条件の振盪インキュベーター内で125±10rpmで、Expi293培地を用いて継代した。トランスフェクションを行ったら、細胞数および細胞生存性を調べて、95%またはそれ以上の細胞生存性が示されたかを確認した。
細胞を、125ml培養フラスコ中に細胞数7.5×10で入れ、Expi293培地を加えて最終体積25mlに調節した(30mlに基づく)。Opti-MEM I培地を使用し、そこに30μgの抗体発現ベクターを混合して総量1.5mlとし、室温で5分間インキュベートした。抗体ベクターとして、8の重鎖可変ドメインの発現ベクターと16の軽鎖可変ドメインの発現ベクターの組み合わせによって得た、全部で128のヒト化SP34 IgG1抗体を用いた。対照抗体ベクターとして、マウス/ヒトキメラSP34 IgG1抗体を使用した。抗体組み合わせを表4に示す。
Figure 2021501571
Opti-MEM I培地を使用し、そこに80μlのトランスフェクション試薬を混合して総量1.5mlとし、室温で5分間インキュベートした。ベクターおよびトランスフェクション試薬をそれぞれ含むOpti-MEM I培地を穏やかに混合し、室温で20分間反応させた。その後、反応させたものを、Expi293F細胞の入ったフラスコに入れた。37℃、8%COの条件の振盪インキュベーター内で、125±10rpmで16〜20時間インキュベートした。次いで、1.5mlのトランスフェクションエンハンサーI、および150μlのトランスフェクションエンハンサーIIを加え、6日間インキュベートして、候補抗体を得た。
実施例1.6.抗体の精製
インキュベートしたものを4000rpmで30分間遠心分離し、0.22μmフィルターで濾過し、細胞デブリを除去して上清を得た。0.2mlのMabselect Xtra樹脂をカラムに入れ、樹脂体積の10倍相当の体積のプロテインA結合バッファーを用いて平衡化した。
その後、上清をカラムに重力を利用してロードした。ローディング完了後、カラムを樹脂体積の10倍相当の体積のプロテインA結合バッファーで洗った。
その後、IgG溶出バッファーをカラムに入れて溶出を行った。溶出液を、溶出液1ml当たり25μlの1.5M Tris−Clの添加により中和した。次いで、溶出液濃度を280nmにおけるODで測定した。濃度測定した溶出液を、透析によるPBSとのバッファー交換に付した。
実施例2.ヒト化抗CD3抗体の選択
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて、全部で128の抗CD3抗体(SP34)組み合わせの中からヒトCD3およびサルCD3に親和性を示す抗体を選択した。
具体的には、組換えヒトまたはカニクイザルCD3ε/δヘテロ二量体をコーティングバッファーで希釈し、それを用いて96ウェルプレートを処理した。プレートを4℃で12時間またはより長時間保存した。その後、バッファーを除去し、1%ウシ血清アルブミン(BSA)/PBS溶液による処理を、室温で1時間行った。その後、溶液を除去した。その後、組換えCD3がコートされたウェルを、抗体発現培養液で約1時間処理した。
ウェルを0.05% Tween 20/PBS溶液で洗い、次いで、西洋ワサビぺペルオキシダーゼを結合したヒトIgG抗体を1%BSA/PBS溶液で希釈したもので、室温で1時間処理した。その後、溶液を除去し、ウェルを0.05% Tween 20/PBS溶液で洗った。
96ウェルプレートをTMB(3,3,5’,5’−テトラメチルベンジジン)溶液で処理し、室温で30分間放置した。その後、停止液による処理を行い、直ちに吸光波長450nmで発色度の測定を行った。ヒト化SP34抗体候補の中で、発色を示すサンプルは、マウスSP34のCD3親和性を維持するクローンだけである。親和性測定によって得られた結果を表5に示す。
Figure 2021501571
Figure 2021501571
表5の結果からわかるように、A7、A8、A15、A16、B7、B8、B15、B16、C7、C8、C15、C16、D7、D8、D15、D16、E15、E16、F15、F16、G15、G16、H15およびH16の24のクローンが、ヒトCD3およびサルCD3に対する親和性を維持することが示された。したがって、これら24のクローンを、ヒト化抗CD3抗体(SP34)として選択した。
実施例3.組換えCD3に対するヒト化抗CD3抗体の親和性の測定
実施例2にしたがって選択したヒト化抗CD3抗体(SP34)の、組換えCD3に対する親和性を、Octetシステムを用いて測定した。
具体的には、組換えヒトまたはサルCD3ε/δを、1×カイネティックバッファー中で5μg/mlの濃度で調製し、それを用いて200μl/ウェルで96ウェルプレートを処理した。処理後、CD3ε/δを抗Penta His(HIS1K, Cat # 18-5121, Fortebio)センサーに固定した。
ELISAの結果において組換えヒトまたはサルCD3ε/δに結合親和性を示すクローンを、1×カイネティックバッファー中で50nMの濃度に調製し、それにより200μl/ウェルで処理した。1×カイネティックバッファーは、10×カイネティックバッファー(ForteBio, Cat # 18-1092)をPBSで10倍希釈することによって得て使用した。
センサーに固定したCD3ε/δと50nMの濃度の抗体との間の相互作用を分析し、抗原−抗体親和性を計算した。結果を表6に示す。
Figure 2021501571
表6の結果からわかるように、いずれのクローンもヒトおよびサルのCD3ε/δ両方に親和性を示し、なかでもクローンA15、B15、C15、D15、A16、B16、C16およびD16が最も高い親和性を示すことが確認された。
実施例4.ヒト化抗CD3抗体のヒトT細胞に対する親和性の測定
実施例2にしたがって選択されたヒト化抗CD3抗体(SP34)のヒトT細胞に対する親和性を、フローサイトメトリーによって測定した。
具体的には、H9(ATCC(登録商標)HTB-176TM)細胞を抗体サンプル毎に100μlのFACSバッファー(1%FBS/FACSシース)中、2×10細胞で調製し、次いで、1μgの抗体を用いて細胞を処理した。得られたものを4℃の暗所に25分間置いた。その後、3mlのFACSバッファーによる処理を行い、2000rpmで3分間、遠心分離を行った。その後、上清を廃棄した。
次いで、1μgのフィコエリスリン(PE)結合ヒトIgG抗体を含む100μlのFACSバッファーを用いて細胞を処理し、得られたものを4℃の暗所に25分間置いた。その後、3mlのFACSバッファーによる処理を行い、2000rpmで3分間、遠心分離を行った。その後、上清を廃棄した。
細胞を4%ホルムアルデヒド溶液で処理し、4℃の暗所に30分間置き、その後、3mlのFACSバッファーで処理した。2000rpmで3分間、遠心分離を行った後、上清を廃棄した。350μlのFACSバッファーで処理し、フローサイトメーターを用いてヒトT細胞に対する抗体の親和性の分析を行った。分析結果を図1に示す。
図1に見られるように、組換えヒトCD3ε/δに結合する抗体すべてが、ヒトT細胞にも特異的に結合することがわかった。
実施例5.ヒト化抗CD3抗体のサルT細胞に対する親和性の測定
実施例2にしたがって選択されたヒト化抗CD3抗体(SP34)のサルT細胞に対する親和性を、フローサイトメトリーによって測定した。
具体的には、サル脾細胞を抗体サンプル毎に100μlのFACS液中、10細胞で調製し、次いで、1μgの抗体を用いて細胞を処理した。得られたものを4℃の暗所に25分間置いた。その後、3mlのFACSバッファーによる処理を行い、2000rpmで3分間、遠心分離を行った。その後、上清を廃棄した。
次いで、1μgのPE結合ヒトIgG抗体を含む100μlのFACSバッファーを用いて細胞を処理し、得られたものを4℃の暗所に25分間置いた。その後、3mlのFACSバッファーによる処理を行い、2000rpmで3分間、遠心分離を行った。その後、上清を廃棄した。
細胞を、FITC結合抗CD20抗体、PE−Cy5結合抗CD14,7−AAD抗体、APC−Cy7結合抗CD16抗体、またはV450結合抗CD45抗体で処理し、得られたものを4℃の暗所に25分間置いた。その後、3mlのFACSバッファーによる処理を行い、2000rpmで3分間、遠心分離を行った。その後、上清を廃棄した。
細胞を4%ホルムアルデヒド溶液で処理し、4℃の暗所に30分間置き、その後、3mlのFACSバッファーで処理した。2000rpmで3分間、遠心分離を行い、その後、上清を廃棄した。350μlのFACSバッファーで処理し、フローサイトメーターを用いてヒトT細胞に対する抗体の親和性の分析を行った。分析結果を図2に示す。
図2に見られるように、組換えサルCD3ε/δに結合する抗体すべてが、サルT細胞にも特異的に結合することがわかった。
限られた数の実施例および図面によって態様を説明したが、本発明の精神および範囲を外れることなくさまざまな変更および改変がなされうることは、当業者には明らかであろう。例えば、上記の技術が記載の方法とは異なる順序で実施された、および/または上記の成分が、記載の方法とは異なる形態に組み立てられ、もしくは組み合わされ、または他の成分もしくは等価物で置き替えられた場合でも、所望の結果を達成することが可能である。
したがって、他の実装、他の実施形態、および特許請求の範囲の等価物は、特許請求の範囲に含まれる。

Claims (15)

  1. 配列番号7、8、15または16のアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%である配列からなる軽鎖可変ドメイン(VLドメイン);および
    配列番号18〜25のいずれかのアミノ酸配列との同一性が少なくとも80%である配列からなる重鎖可変ドメイン(VHドメイン)
    を含む抗体。
  2. 表面抗原クラスター分類3(CD3)に特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
  3. CD3が、ヒト由来CD3およびサル由来CD3を包含する、請求項2に記載の抗体。
  4. T細胞に特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
  5. T細胞が、ヒト由来T細胞およびサル由来T細胞を包含する、請求項4に記載の抗体。
  6. ヒト化抗体である、請求項1に記載の抗体。
  7. 請求項1に記載される抗体の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)および重鎖可変ドメイン(VHドメイン)をコードするポリヌクレオチド。
  8. 請求項7に記載されるポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  9. 請求項8に記載される発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
  10. 請求項9に記載される宿主細胞を培養することを含む、CD3に特異的に結合する抗体を生産する方法。
  11. 請求項1に記載される抗体またはそのフラグメントを含む、癌を予防または治療するための医薬組成物。
  12. 癌が、膵臓癌、肝臓癌、胃癌、肺癌、結腸直腸癌、直腸癌、甲状腺癌、食道癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌、乳癌、血液癌、皮膚癌、上皮癌、脳腫瘍、中枢神経系癌、または卵巣癌である、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 癌を予防または治療するための、請求項1に記載の抗体の使用。
  14. 癌の予防または治療用医薬を製造するための、請求項1に記載の抗体の使用。
  15. 請求項1に記載される抗体を対象に投与することを含む、癌を予防または治療する方法。
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