JP2021197760A - モータ駆動制御装置、アクチュエータ、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents

モータ駆動制御装置、アクチュエータ、およびモータ駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ステッピングモータをより安定して駆動させる。【解決手段】モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の回転を制御するための駆動制御信号Sdを生成するモータ制御回路12と、駆動制御信号Sdに基づいてステッピングモータ20に通電する制御を行うモータ駆動回路14とを備え、モータ制御回路12は、ステッピングモータ20の駆動電流Irが目標電流値Ixに近づくように駆動制御信号Sdを生成し、ステッピングモータ20の複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧と脱調判定閾値Vxとの比較結果に基づいてステッピングモータ20に脱調が発生しているか否かを判定するとともに、目標電流値Ixと脱調判定閾値Vxの少なくとも一方を、ステッピングモータ20の脱調発生回数306に基づいて補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動制御装置、アクチュエータ、およびモータ駆動制御方法に関し、例えば、ステッピングモータを駆動するためのモータ駆動制御装置、当該モータ駆動制御装置を搭載したアクチュエータ、およびステッピングモータを駆動するためのモータ駆動制御方法に関する。
車載用途の空調ユニットとして、HVAC(Heating Ventilation and Air−Conditioning)が知られている。HVACは、空間内を快適に保つために、熱交換器で除湿、冷房、暖房等された空気をファンやモータで送風する空調ユニットである。一般に車載用途のHVACシステムは、1台のマスタとしてのECU(Electronic Control Unit)と複数のスレイブとがバスラインを介して互いに接続された通信ネットワークを構成している。
HVACシステムにおけるスレイブは、例えば、ダンパアクチュエータ等のHVACシステムで使用可能なアクチュエータである。アクチュエータは、例えばステッピングモータと、ステッピングモータの駆動を制御するモータ駆動制御装置と、ステッピングモータの回転力を駆動対象に伝達する動力伝達機構とを含む。動力伝達機構は、HVACシステムにおける空調装置の可動部に連結されており、ステッピングモータの回転力を空調装置の可動部に伝達することにより、当該可動部を駆動する。
一般に、ステッピングモータは、急激な速度変化時や過負荷時(トルク不足時)に脱調し易いことが知られている。ステッピングモータが脱調した場合、アクチュエータはHVACに駆動エネルギーを伝達できず、誤動作の原因となる。このため、HVACでは、ステッピングモータの脱調を検出および抑制することが求められている。
例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に、ステッピングモータの脱調検出および脱調抑制のための技術が開示されている。具体的に、特許文献1には、モータ制御装置への入力電圧と温度とを用いて、脱調判定のための閾値を決定する技術が開示されている。また、特許文献2には、モータ制御装置の温度に基づいて、脱調判定に関する閾値を決定することが開示されている。また、特許文献3には、モータの電源電圧、モータの回転数(回転速度)を用いて、ステッピングモータの駆動電流の目標値を補正することが開示されている。
特開2018−033203号公報 特開2013−183572号公報 特開2002−64991号公報
上述した特許文献1等に開示された従来技術は、ステッピングモータの脱調を検出および抑制するために、温度や入力電圧、回転速度等のステッピングモータの駆動環境に応じて、脱調判定のための閾値や駆動電流の目標値を設定する技術である。
しかしながら、上述した従来技術では、温度や入力電圧、回転速度等のステッピングモータの駆動環境の以外の条件、例えばステッピングモータの経年劣化やステッピングモータの個体差によっては、ステッピングモータの脱調を適切に検出し、脱調を抑制することができず、ステッピングモータの安定した駆動が困難な場合がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、ステッピングモータの安定した駆動を実現することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、ステッピングモータの回転を制御するための駆動制御信号を生成するモータ制御回路と、前記駆動制御信号に基づいて前記ステッピングモータに通電する制御を行うモータ駆動回路とを備え、前記モータ制御回路は、前記ステッピングモータの駆動電流を計測する電流計測部と、前記駆動電流が目標電流値に近づくように前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、前記ステッピングモータの複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧を計測する逆起電圧計測部と、前記ステッピングモータの脱調に関する判定を行うための脱調判定閾値と前記逆起電圧計測部の計測結果とに基づいて前記ステッピングモータに脱調が発生しているか否かを判定する脱調判定部と、前記ステッピングモータの脱調発生回数を計測する脱調発生回数計測部と、前記脱調発生回数に基づいて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方を補正する補正部と、を有することを特徴とする。
本発明に係るモータ駆動制御装置によれば、ステッピングモータの安定した駆動を実現することが可能となる。
本実施の形態に係るモータ駆動制御装置を搭載したアクチュエータの構造の一例を示す分解斜視図である。 本実施の形態に係るモータ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 制御回路の機能ブロック構成を示す図である。 目標電流値情報の一例を示す図である。 脱調判定閾値情報の一例を示す図である。 ステッピングモータの回路構成を模式的に示す図である。 基準電圧Vsの一例を示す図である。 基準温度Tsの一例を示す図である。 モータ駆動制御装置によるステッピングモータの駆動制御の流れを示すフローチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(10)は、ステッピングモータ(20)の回転を制御するための駆動制御信号(Sd)を生成するモータ制御回路(12)と、前記駆動制御信号に基づいて前記ステッピングモータに通電する制御を行うモータ駆動回路(14)とを備え、前記モータ制御回路は、前記ステッピングモータの駆動電流を計測する電流計測部(124)と、前記駆動電流が目標電流値(Ix)に近づくように前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部(137)と、前記ステッピングモータの複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧を計測する逆起電圧計測部(126)と、前記ステッピングモータの脱調に関する判定を行うための脱調判定閾値(Vx)と前記逆起電圧計測部の計測結果とに基づいて前記ステッピングモータに脱調が発生しているか否かを判定する脱調判定部(135)と、前記ステッピングモータの脱調発生回数(306)を計測する脱調発生回数計測部(136)と、前記脱調発生回数に基づいて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方を補正する補正部(134)と、を有することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記モータ制御回路は、前記モータ駆動回路に供給される電源電圧としての入力電圧(VIN)を計測する入力電圧計測部(125)と、温度を計測する温度計測部(128)と、を更に有し、前記補正部は、前記温度計測部による温度の計測結果もしくは前記入力電圧の少なくとも一方が変化した場合に、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方を補正してもよい。
〔3〕上記〔2〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記モータ制御回路は、前記温度計測部による温度の計測結果と、前記入力電圧計測部による前記入力電圧の計測結果とに基づいて、前記脱調判定閾値を設定する脱調判定閾値設定部(132)と、前記温度計測部による温度の計測結果と、前記入力電圧計測部による前記入力電圧の計測結果とに基づいて、前記目標電流値(Ix)を設定する目標電流値設定部(131)とを更に有し、前記補正部は、前記入力電圧の基準となる基準電圧(Vs)と前記入力電圧計測部による前記入力電圧の計測値とのずれに基づく電圧補正量(av)と、温度の基準となる基準温度(Ts)と前記温度計測部による温度の計測値とのずれに基づく温度補正量(at)と、前記脱調発生回数(306)とに基づいて、前記脱調判定閾値(Vx)と前記目標電流値(Ix)の少なくとも一方を補正してもよい。
〔4〕上記〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置において、前記脱調発生回数計測部は、前記ステッピングモータに発生した脱調の累積回数を計測してもよい。
〔5〕上記〔1〕乃至〔4〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置において、前記補正部は、所定の周期で前記脱調判定閾値および前記目標電流値の補正を行ってもよい。
〔6〕上記〔1〕乃至〔5〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置において、前記補正部は、前記ステッピングモータの回転量に応じて、前記脱調判定閾値および前記目標電流値の補正を行ってもよい。
〔7〕上記〔3〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記脱調判定閾値設定部は、前記ステッピングモータの駆動を開始するときの前記温度の計測結果および前記入力電圧の計測結果に基づいて、前記基準電圧および前記基準温度を設定してもよい。
〔8〕本発明の代表的な実施の形態に係るアクチュエータ(1)は、前記ステッピングモータ(20)と、上記〔1〕乃至〔7〕の何れか一項に記載されたモータ駆動制御装置(10)と、前記ステッピングモータの回転力を駆動対象に伝達する動力伝達機構(31,32,33)とを備えることを特徴とする。
〔9〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御方法は、ステッピングモータの駆動電流を計測する電流計測ステップ(S4)と、前記駆動電流が目標電流値に近づくように、前記ステッピングモータの回転を制御するための駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成ステップ(S4)と、前記ステッピングモータの複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧を計測する逆起電圧計測ステップ(S4)と、前記ステッピングモータの脱調に関する判定を行うための脱調判定閾値と前記逆起電圧計測ステップの計測結果とに基づいて前記ステッピングモータに脱調が発生しているか否かを判定する脱調判定ステップ(S4)と、前記ステッピングモータの脱調発生回数を計測する脱調発生回数計測ステップ(S4,S6)と、前記脱調発生回数に基づいて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方を補正する補正ステップ(S7)とを含むことを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
図1は、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置を搭載したアクチュエータの構造の一例を示す分解斜視図である。
アクチュエータ1は、例えば、車載用途のHVACシステムにおける空調装置を駆動するための装置である。アクチュエータ1としては、ダンパアクチュエータ、弁アクチュエータ、ファンアクチュエータ、ポンプアクチュエータ等のHVACシステムで使用可能な各種のアクチュエータを例示することができる。
HVACシステムにおいて、アクチュエータ1は、例えば、他のアクチュエータとともに、上位装置としてのECU(不図示)とバスを介して互いに接続され、LIN(Local Interconnect Network)通信ネットワークを構成している。
図1に示されるように、アクチュエータ1は、ケース51とカバー52とで覆われている。アクチュエータ1の内部には、モータ20と、モータ20の駆動を制御するモータ駆動制御装置10と、モータ20の回転力を駆動対象に伝達する動力伝達機構としての2次ギヤ31、3次ギヤ32、および出力ギヤ33とが収納されている。
モータ20は、アクチュエータ1の駆動力を発生させる。モータ20は、例えばステッピングモータである。以下、モータ20をステッピングモータ20とも表記する。ステッピングモータ20は、例えば、A相及びB相の2相励磁で駆動する。ステッピングモータ20は、A相のコイル(不図示)及びB相のコイル(不図示)を有する。ステッピングモータ20は、モータ駆動制御装置10から各相のコイルに駆動電力が供給されて動作する。
ステッピングモータ20の出力軸25には、1次ギヤ26が取り付けられている。ステッピングモータ20の1次ギヤ26は、2次ギヤ31と噛み合う。2次ギヤ31は、3次ギヤ32と噛み合う。3次ギヤ32は、出力ギヤ33と噛み合う。ケース51の底面には、出力ギヤ33に設けられている外部出力ギヤ(不図示)が露出し、この外部出力ギヤが駆動対象に連結されている。
モータ駆動制御装置10は、例えばバスを介して上位装置(ECU)との間で通信を行い、上位装置から受信した制御フレーム(指令)に基づいてステッピングモータ20の駆動を制御することにより、アクチュエータ全体の動作を制御する。モータ駆動制御装置10が上位装置からの指令に基づいてステッピングモータ20を駆動すると、ステッピングモータ20の出力軸25に接続された1次ギヤ26が回転する。1次ギヤ26の回転による駆動力が2次ギヤ31、3次ギヤ32、出力ギヤ33、外部出力ギヤと順に伝達され、外部出力ギヤが駆動対象である空調装置の可動部を駆動する。
モータ駆動制御装置10は、ハードウェア資源として、プリント基板42や、プリント基板42とステッピングモータ20のモータ端子29とを接続するフレキシブルプリント基板43等を有している。プリント基板42には、後述するモータ制御回路12およびモータ駆動回路14、および複数の外部接続端子41が設けられている。
なお、ケース51及びカバー52の内部に収納される回路は、例えばモータ駆動回路14だけであってもよい。例えば、モータ駆動制御装置10は、ケース51およびカバー52の内部に設けられたモータ駆動回路14と、ケース51およびカバー52の外部に設けられたモータ制御回路12とによって構成されるようにしてもよい。
図2は、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、モータ駆動制御装置10は、モータ制御回路12およびモータ駆動回路14を備えている。
モータ制御回路12は、入力電圧VINを電源電圧として動作する。モータ制御回路12は、上位装置からの指令Scに基づいて、ステッピングモータ20の回転を制御するための駆動制御信号Sdを生成してモータ駆動回路14を制御することにより、ステッピングモータ20の回転を制御する。駆動制御信号Sdは、例えばPWM信号である。モータ制御回路12の詳細については後述する。上位装置からの指令Scには、例えば、ステッピングモータ20の回転速度を指定する情報や、ステッピングモータ20の回転量(回転角度)を指定する情報等が含まれる。
モータ駆動回路14は、入力電圧VINを電源電圧として動作する。モータ駆動回路14は、モータ制御回路12から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、ステッピングモータ20に通電する制御を行う。モータ駆動回路14は、モータ駆動部142と電流センサ144とを有する。
モータ駆動部142は、駆動制御信号Sdに基づいて、ステッピングモータ20の各相のコイルに電圧を印加する。本実施の形態では、モータ駆動回路14とステッピングモータ20とは、A相の正極(+)、A相の負極(−)、B相の正極(+)、B相の負極(−)の4つのラインで接続されている。モータ駆動部142は、例えば、複数のトランジスタを含むインバータ回路である。モータ駆動部142は、駆動制御信号Sdに応じて、入力電圧VINから、これらの各ラインを介してステッピングモータ20に駆動電力を供給する。ステッピングモータ20の駆動電力は、駆動制御信号SdとしてのPWM信号のデューティ比に応じて変化する。
電流センサ144は、ステッピングモータ20の各相のコイルに流れる電流(コイル電流)をセンシングする。電流センサ144は、例えばシャント抵抗である。電流センサ144は、コイル電流のセンシング結果を、電流計測部124に出力する。
図2に示すように、モータ制御回路12は、例えば、制御回路122、温度計測部128、電流計測部124、入力電圧計測部125、および逆起電圧計測部126を含む。
温度計測部128は、例えば、モータ制御回路12の内部温度を検知する温度センサと、温度センサからの検知信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路を含んで構成されている。温度計測部128は、モータ制御回路12の温度の計測結果を制御回路122に出力する。
電流計測部124は、ステッピングモータ20のコイル電流(以下、「駆動電流」とも称する。)を計測する。電流計測部124は、電流センサ144から出力されたコイル電流のセンシング結果を受け付ける。電流計測部124は、入力されたセンシング結果に基づいて駆動電流を計測する。電流計測部124は、計測結果を駆動電流の計測値Irとして、制御回路122に出力する。電流計測部124は、例えばA/D変換回路を含んで構成されている。
入力電圧計測部125は、モータ駆動制御装置10の入力される電源電圧としての入力電圧VINを計測する。ここで、入力電圧VINは、ステッピングモータ20の駆動電力の供給源となる電源電圧である。入力電圧VINは、例えば、バッテリから供給される直流電圧である。入力電圧計測部125は、入力電圧の計測結果を制御回路122に出力する。入力電圧計測部125は、例えばA/D変換回路を含んで構成されている。
逆起電圧計測部126は、ステッピングモータ20の複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧を計測する。本実施の形態において、逆起電圧計測部126は、モータ駆動回路14とステッピングモータ20とを接続する4つのラインの夫々に接続されている。逆起電圧計測部126は、逆起電圧の計測結果を、制御回路122に出力する。逆起電圧計測部126は、例えばA/D変換回路を含んで構成されている。
制御回路122は、モータ制御回路12の統括的な制御を行うための回路である。
制御回路122は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の各種メモリ、タイマ、カウンタ、A/D変換回路、入出力I/F回路、およびクロック生成回路等のハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU(Micro Control Unit))である。メモリとしては、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性の記憶装置を有している。
なお、上述した温度計測部128、電流計測部124、入力電圧計測部125、および逆起電圧計測部126の一部または全部は、制御回路122を構成するMCU内のA/D変換回路を用いて実現されていてもよいし、MCUとは別に設けられたA/D変換回路を含む別個のIC(Integrated Circuit)によって実現されていてもよい。
制御回路122は、所定の回転速度でステッピングモータ20が回転し、且つステッピングモータ20に適切なトルクを発生させるように、駆動制御信号Sdを生成する。
具体的に、制御回路122は、ステッピングモータ20の逆起電圧の計測結果と、ステッピングモータ20の脱調に関する判定を行うための逆起電圧の判定閾値(以下、「脱調判定閾値」とも称する。)とに基づいてステッピングモータ20の脱調の発生を検出するとともに、入力電圧VIN、温度、および脱調の発生回数に基づいて、目標電流値および脱調判定閾値を動的に調整した上で、ステッピングモータ20の駆動電流が目標電流値に一致するように駆動制御信号Sdを生成する機能を有している。
制御回路122は、上記機能を実現するために、以下に示す機能ブロックを有している。
図3は、制御回路122の機能ブロック構成を示す図である。
図3に示すように、制御回路122は、上述した機能を実現するための機能ブロックとして、目標回転速度設定部130、目標電流値設定部131、脱調判定閾値設定部132、記憶部133、補正部134、脱調判定部135、脱調発生回数計測部136、および駆動制御信号生成部137を有している。これらの機能ブロックは、上述したMCU内のCPUが、メモリに記憶されているプログラムに従って各種演算を実行するとともに、タイマおよびカウンタ、A/D変換回路および入出力I/F回路等のMCU内部およびMCU外部の周辺回路を制御することによって、実現される。
目標回転速度設定部130は、ステッピングモータ20の目標回転速度を設定するための機能部である。目標回転速度設定部130は、例えば上位装置からの指令Scによって指定された回転速度をステッピングモータ20の目標回転速度として設定し、設定した目標回転速度の情報を、目標電流値設定部131、脱調判定閾値設定部132、および駆動制御信号生成部137に供給する。
目標電流値設定部131は、ステッピングモータ20の駆動電流の目標値である目標電流値を設定するための機能部である。目標電流値設定部131は、目標回転速度設定部130から供給された目標回転速度の情報と、入力電圧計測部125によって計測された入力電圧VINの計測結果と、温度計測部128による温度の計測結果とに基づいて、目標電流値Ixを設定する。例えば、目標電流値設定部131は、入力電圧VINと、温度と、目標電流値Ixとの対応関係を示す目標電流値情報301を用いて、目標電流値Ixを設定する。
図4は、目標電流値情報301の一例を示す図である。
目標電流値情報301は、例えば、入力電圧VINと温度との組み合わせ毎に一つの目標電流値Ixが割り当てられているルックアップテーブル(以下、単に「テーブル」とも称する。)311を含む。目標電流値情報301は、例えば、記憶部133に予め記憶されている。
テーブル311は、例えば、目標回転速度毎に用意されている。例えば、ステッピングモータ20の目標回転速度として“Speed0”〜“Speed3”までの4段階の速度が選択可能である場合には、図4に示すように、4段階の目標回転速度毎に、テーブル311_0〜311_3が用意される。
テーブル311は、複数の温度範囲と複数の入力電圧範囲によってマトリックス状に区分される部分領域毎に予め設定された目標電流値の情報を含んでいる。例えば、図4に示すように、温度範囲が、低温度、中温度、高温度の3個の範囲に分けられ、入力電圧範囲が、低電圧、中電圧、高電圧の3個の範囲に分けられた場合、3個の温度範囲と3個の入力電圧範囲との組み合わせによって特定される9個の部分領域毎に目標電流値が設定されている。
ここで、低温度は、温度がT1からT2までの範囲を表し、中温度は、温度がT2からT3までの範囲を表し、高温度は、温度がT3からT4までの範囲を表している。また、低電圧は、入力電圧VINがV1からV2までの範囲を表し、中電圧は、入力電圧VINがV2からV3までの範囲を表し、高電圧は、入力電圧VINがV3からV4までの範囲を表している。
目標電流値設定部131は、目標回転速度設定部130から供給された目標回転速度の情報と、入力電圧計測部125による入力電圧VINの計測結果と、温度計測部128による温度の計測結果と、記憶部133に記憶された目標電流値情報301とに基づいて、目標電流値Ixを設定する。
例えば、目標回転速度が“Speed0”、計測された入力電圧VINが“低電圧”の範囲内であり、計測された温度が“中温度”の範囲内である場合には、図4に示すように、目標電流値設定部131は、“Speed0”に対応するテーブル311_0を参照し、テーブル311_0の“低電圧”および“中温度”の組み合わせよって特定される区分領域に設定されている“I1b”を目標電流値Ixとして設定する。
脱調判定閾値設定部132は、脱調判定閾値Vxを設定するための機能部である。脱調判定閾値設定部132は、目標回転速度設定部130から供給された目標回転速度の情報と、入力電圧計測部125による入力電圧VINの計測結果と、温度計測部128による温度の計測結果とに基づいて、脱調判定閾値Vxを設定する。例えば、脱調判定閾値設定部132は、入力電圧VINと、温度と、脱調判定閾値Vxとの対応関係を示す脱調判定閾値情報302を用いて、脱調判定閾値Vxを設定する。
図5は、脱調判定閾値情報302の一例を示す図である。
脱調判定閾値情報302は、例えば、目標電流値情報301と同様に、入力電圧VINと温度との組み合わせ毎に一つの脱調判定閾値を規定するテーブル(ルックアップテーブル)321を含む。例えば、脱調判定閾値情報302は、目標電流値Ixに係るテーブル311と同様に、4段階の目標回転速度毎に設定されたテーブル321_0〜321_3を含む。テーブル321_0〜321_3を含む脱調判定閾値情報302は、例えば、記憶部133に予め記憶されている。
テーブル321は、複数の温度範囲と複数の入力電圧範囲によってマトリックス状に区分される部分領域毎に予め設定された脱調判定閾値の情報を含んでいる。テーブル321は、上述した目標電流値情報301に係るテーブル311と同様に、例えば、3個の温度範囲と3個の入力電圧範囲との組み合わせによって特定される9個の部分領域毎に目標電流値が設定されている。
脱調判定閾値設定部132は、目標回転速度設定部130から供給された目標回転速度の情報と、入力電圧計測部125による入力電圧VINの計測結果と、温度計測部128による温度の計測結果と、記憶部133に記憶された脱調判定閾値情報302とに基づいて、脱調判定閾値Vxを設定する。
例えば、目標回転速度が“Speed0”、計測された入力電圧VINが“中電圧”の範囲内であり、計測された温度が“高温度”の範囲内である場合には、図5に示すように、脱調判定閾値設定部132は、“Speed0”に対応するテーブル311_0を参照し、テーブル311_0の“中電圧”および“高温度”の組み合わせよって特定される区分領域に設定されている“VT2c”を脱調判定閾値Vxとして設定する。
目標電流値設定部131による目標電流値Ixの設定と脱調判定閾値設定部132による脱調判定閾値Vxの設定は、アクチュエータ1(モータ駆動制御装置10)の起動後に、上位装置からの指令に応じて実行される。例えば、目標電流値設定部131および脱調判定閾値設定部132は、上位装置によって目標回転速度が最初に指定されたとき、および目標回転速度が変更されたときに、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの設定を行う。
記憶部133は、ステッピングモータ20の駆動制御に用いられる各種パラメータを記憶するための機能部である。例えば、記憶部133には、目標電流値および脱調判定閾値の設定等のための演算に用いられるパラメータや後述する脱調発生回数等が記憶される。記憶部133の少なくとも一部は、例えば、制御回路122の電源供給が停止してもデータを保持する不揮発性の記憶装置の記憶領域を利用して実現されている。
補正部134は、目標電流値設定部131によって設定された目標電流値Ixと脱調判定閾値設定部132によって設定された脱調判定閾値Vxとを補正するための機能部である。補正部134は、入力電圧VIN、温度、および脱調発生回数に基づいて、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを補正して、補正後の目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaを出力する。補正部134の詳細については後述する。
駆動制御信号生成部137は、駆動制御信号Sdを生成するための機能部である。駆動制御信号生成部137は、電流計測部124によって計測された駆動電流の計測値Irと、目標回転速度設定部130から供給された目標回転速度の情報と、補正部134によって補正された補正後の目標電流値Ixaと、脱調判定部135による判定結果とに基づいて、駆動制御信号Sd(PWM信号)を生成する。
例えば、駆動制御信号生成部137は、ステッピングモータ20が目標回転速度で回転し、且つ駆動電流の計測値Irと補正後の目標電流値Ixaとが一致するように、駆動制御信号Sdを生成する。また、駆動制御信号生成部137は、脱調判定部135による脱調判定の結果に応じて、駆動制御信号Sdを生成する。例えば、駆動制御信号生成部137は、ステッピングモータ20で脱調が発生したと判定された場合には、駆動制御信号Sdによって、モータ駆動部142に対してステッピングモータ20の駆動信号の出力を停止させる。
脱調判定部135は、補正部134によって補正後の脱調判定閾値Vxaと逆起電圧計測部126の計測結果とに基づいて、ステッピングモータ20で脱調が発生したか否かを判定する(脱調判定)ための機能部である。
ここで、脱調判定部135による脱調判定に用いるステッピングモータ20の逆起電圧の計測方法について説明する。
図6は、ステッピングモータ20の回路構成を模式的に示す図である。
図6に示されるように、ステッピングモータ20は、例えば、2つのコイル21a,21bと、ロータ22と、複数のステータヨーク(図示せず)とを有している。
コイル21a,21bは、それぞれ、ステータヨークを励磁するコイルである。コイル21a,21bは、それぞれ、モータ駆動回路14に接続されている。コイル21aは、A相のコイルである。コイル21bは、B相のコイルである。コイル21a,21bには、それぞれ異なる位相のコイル電流が流れる。
ロータ22は、円周方向に沿って、S極22sとN極22nとが交互に反転するように多極着磁された永久磁石を備える。なお、図6においては、ロータ22は、S極22sとN極22nとが1つずつ設けられているように簡略化されて示されている。ステータヨークは、ロータ22の周囲に、ロータ22の外周部に接近して配置されている。ロータ22は、コイル21a,21bのそれぞれに流れるコイル電流の位相が周期的に切り替えられることで回転する。
ここで、本実施の形態において、逆起電圧は、例えば次のようにして計測される。制御回路122の駆動制御信号生成部137は、駆動制御信号Sdによって、A相及びB相のうちいずれか1つの相のコイル21a,21bに流れるコイル電流Ia,Ibの向きが切り替わる際に、一時的に、そのコイル21a,21bへのパルス電圧の印加を停止させる(停止期間)。そして、逆起電圧計測部126は、この停止期間中に、パルス電圧の印加が停止されている相のコイル21a,21bに誘起される逆起電圧を、個別に(相毎に、又はコイル毎に)計測する。
例えば、コイル電流Iaの極性が変わるときには、コイル電流Iaがゼロになるように、コイル21aへのパルス電圧の印加が停止される。この停止期間においては、コイル21aに逆起電圧が誘起される。また、コイル電流Ibの極性が変わるときには、コイル電流Ibがゼロになるように、コイル21bへのパルス電圧の印加が停止される。この停止期間においては、コイル21bに逆起電圧が誘起される。逆起電圧計測部126は、これらの逆起電圧を計測する。
より具体的には、ステッピングモータ20の駆動時において、駆動制御信号生成部137の制御により、コイル21a,21bにパルス電圧が印加される(PWM制御)。これにより、コイル21a,21bにそれぞれコイル電流Ia,Ibが流れる。
PWM制御が行われると、その後、通電停止処理及び定電圧制御が実行される。例えばコイル21aの通電停止処理が行われる場合には、所定の停止期間だけコイル21aへのパルス電圧の印加が停止される。これにより、コイル電流Iaがゼロになる。停止期間は、CPU122により任意に設定される。例えば、駆動制御信号生成部137は、予め決められた停止期間を設定してもよいし、モータ駆動制御装置10の外部から停止期間の設定を受け付けてもよい。このような停止期間中に、逆起電圧計測部126は、コイル21aに誘起される逆起電圧を計測し、脱調判定部135に供給する。
脱調判定部135は、逆起電圧計測部126によって計測された逆起電圧と、補正部134によって補正された脱調判定閾値Vxaとを比較する。例えば、脱調判定部135は、逆起電圧の計測値が脱調判定閾値Vxaより低い場合に、ステッピングモータ20で脱調が発生していると判定し、逆起電圧の計測値が脱調判定閾値Vxa以上である場合に、ステッピングモータ20で脱調が発生していないと判定する。
脱調発生回数計測部136は、ステッピングモータ20の脱調の発生回数を計測する機能部である。脱調発生回数計測部136は、例えば、MCUに内蔵されているカウンタによって実現される。脱調発生回数計測部136は、脱調判定部135によって脱調の発生が検出される毎に、カウンタの値をカウントアップ(+1)し、脱調発生回数306として記憶部133に記憶する。
脱調発生回数計測部136は、例えば、ステッピングモータ20の駆動を開始してから駆動を停止するまでに発生した脱調の累積回数を、脱調発生回数306として記憶部133に記憶する。例えば、脱調発生回数計測部136は、アクチュエータ1(モータ駆動制御装置10)が起動される毎に、記憶部133に記憶されている脱調発生回数306の値をリセットしてから、脱調発生回数の計測を始める。
次に、補正部134について詳細に説明する。
上述したように、補正部134は、目標電流値設定部131によって設定された目標電流値Ixと脱調判定閾値設定部132によって設定された脱調判定閾値Vxとを、入力電圧VIN、温度、および脱調発生回数に基づいて補正する。具体的に、補正部134は、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの設定時からの入力電圧VINおよび温度の変化と、脱調発生回数とに基づいて、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを補正する。
より具体的には、補正部134は、先ず、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの補正の基準となる入力電圧VINの基準値(以下、「基準電圧Vs」と称する。)と温度の基準値(以下、「基準温度Ts」と称する。)を設定する。
例えば、補正部134は、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの設定時の入力電圧VINの計測値と基準電圧Vsとの対応関係を示す基準電圧情報303に基づいて、基準電圧Vsを設定する。
図7は、基準電圧Vsの一例を示す図である。
図7に示すように、基準電圧情報303は、入力電圧範囲毎に一つの基準脱調判定閾値を規定するテーブル(ルックアップテーブル)である。例えば、図7に示すように、基準電圧情報303としてのテーブルにおいて、低電圧(V1〜V2)には基準電圧Vsとして“VL”が、中電圧(V2〜V3)には基準電圧Vsとして“VM”が、高電圧(V3〜V4)には基準電圧Vsとして“VH”が夫々設定されている。
ここで、各入力電圧範囲における基準電圧Vsの値(VL、VM、VH)は、例えば、各入力電圧範囲V1〜V2、V2〜V3、およびV3〜V4におけるそれぞれの中間の電圧であってもよい。例えばVM=(V3+V2)/2であってもよい。
例えば、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの設定時の入力電圧VINの計測値が“高電圧”の範囲内であった場合には、補正部134は、基準電圧情報303としてのテーブルから“高電圧”に対応する“VH”を読み出し、基準電圧Vsとして設定する。
また、補正部134は、例えば、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの設定時の温度の計測値と基準温度Tsとの対応関係を示す基準温度情報304に基づいて、基準温度Tsを設定する。
図8は、基準温度Tsの一例を示す図である。
図8に示すように、基準温度情報304は、入力電圧範囲毎に一つの基準温度Tsを規定するテーブル(ルックアップテーブル)である。例えば、図8に示すように、基準温度情報304としてのテーブルにおいて、低温度(T1〜T2)には基準温度Tsとして“TL”が、中温度(T2〜T3)には基準温度Tsとして“TM”が、高温度(T3〜T4)には基準温度Tsとして“TH”が夫々設定されている。
ここで、各温度範囲における基準温度Tsの値(TL、TM、TH)は、例えば、各温度範囲T1〜T2、T2〜T3、およびT3〜T4におけるそれぞれの中間の温度であってもよい。例えば、TM=(T3+T2)/2であってもよい。
例えば、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの設定時の入力電圧VINの計測値が“中温度”の範囲内であった場合には、補正部134は、基準温度情報304としてのテーブルから“中電圧”に対応する“TM”を読み出し、基準温度Tsとして設定する。
次に、補正部134は、補正を行う時点での入力電圧VINの計測値と基準電圧Vsとのずれに基づく電圧補正量avと、補正を行う時点での温度の計測値と基準温度Tsとのずれに基づく温度補正量atとをそれぞれ算出する。
補正部134は、例えば、下記式(1)および式(2)に基づいて、電圧補正量avおよび温度補正量atを算出する。
Figure 2021197760
Figure 2021197760
上記式(1)および式(2)において、Vsは基準電圧、VINは入力電圧の計測値、Tsは基準温度、Tmは温度の計測値を夫々表している。
次に、補正部134は、算出した電圧補正量avおよび温度補正量atと、記憶部133に記憶されている脱調発生回数306とに基づいて、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxをそれぞれ補正する。例えば、補正部134は、下記式(3)に基づいて目標電流値Ixを補正し、下記式(4)に基づいて脱調判定閾値Vxを補正する。
Figure 2021197760
Figure 2021197760
上記式(3)および式(4)において、Ixaは補正後の目標電流値、Ixは補正前の目標電流値、avは電圧補正量、atは温度補正量、Cは脱調発生回数、Vxaは補正後の脱調判定閾値、Vxは補正前の脱調判定閾値をそれぞれ表している。
上述した式(1)〜(4)の情報は、例えば、補正式情報305として予め記憶部133に記憶されており、補正部134は、記憶部133から読み出した上記(1)〜(4)と、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxと、補正を行う時点での入力電圧VINおよび温度の計測結果と、脱調発生回数306とに基づいて、補正後の目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaを算出して、出力する。
補正部134による目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正は、周期的に行われてもよい。例えば、ステッピングモータ20の駆動を開始してから(あるいは、モータ駆動制御装置10が起動してから)計時を開始し、所定の時間が経過する毎に、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を実行してもよい。
また、補正部134は、ステッピングモータ20の回転量に応じて、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を行ってもよい。例えば、ステッピングモータ20のロータの回転角度が所定値になる毎に、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を実行してもよいし、アクチュエータ1の2次ギヤ31、3次ギヤ32、または出力ギヤ33等のステッピングモータ20の駆動エネルギーによって回転する部品の回転量が所定値になる毎に、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を実行してもよい。
また、補正部134は、脱調が発生した場合(例えば、脱調判定部135が脱調を検出した場合)に、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を実行してもよい。
また、補正部134は、上位装置からの指令によって目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を実行してもよい。
また、補正部134は、温度および入力電圧VINの計測値の少なくとも一方が変化した場合に、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を実行してもよい。例えば、目標電流値設定部131および脱調判定閾値設定部132が温度および入力電圧VINの計測値を監視し、温度または入力電圧の属する範囲(図4及び図5参照)が切り替わった場合に、目標電流値設定部131が目標電流値Ixを変更するとともに、脱調判定閾値設定部132が脱調判定閾値Vxを変更する。例えば、温度の計測値が“中温度”から“高温度”に変化した場合に、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxが変更される。そして、補正部134が、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの変更に応じて、補正を実行してもよい。
駆動制御信号生成部137は、上述した手法によって補正された目標電流値Ixaを用いて駆動制御信号Sdを生成する。また、脱調判定部135は、上述した手法によって補正された脱調判定閾値Vxaを用いて脱調判定を行う。
次に、モータ駆動制御装置10によるステッピングモータ20の駆動制御の流れを説明する。
図9は、モータ駆動制御装置10によるステッピングモータ20の駆動制御の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、入力電圧VINが供給されてモータ駆動制御装置10が起動すると、モータ駆動制御装置10は、先ず、入力電圧VINおよび温度を計測する(ステップS1)。具体的には、モータ制御回路12において、制御回路122からの指示に応じて、入力電圧計測部125が入力電圧VINを計測するとともに温度計測部128が温度を計測する。
次に、モータ駆動制御装置10は、目標回転速度を設定する(ステップS2)。具体的には、制御回路122における目標回転速度設定部130が、例えば上位装置からの指令Scによって指定された回転速度を目標回転速度として設定し、設定した目標回転速度の情報を、目標電流値設定部131、脱調判定閾値設定部132、および駆動制御信号生成部137に供給する。
次に、モータ駆動制御装置10は、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを設定する(ステップS3)。具体的には、モータ制御回路12において、目標電流値設定部131および脱調判定閾値設定部132が、上述した手法により、記憶部133に記憶されている目標電流値情報301および脱調判定閾値情報302と、ステップS1で取得した入力電圧VINおよび温度の計測結果と、ステップS2で取得した目標回転速度とに基づいて、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxをそれぞれ設定する。
次に、モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の駆動を制御する(ステップS4)。具体的には、モータ制御回路12が、ステップS2で取得した目標回転速度と、ステップS3で設定した目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxとに基づいて、駆動制御信号SdとしてのPWM信号を生成し、モータ駆動回路14が駆動制御信号Sdに基づいてステッピングモータ20を駆動する。
より具体的には、駆動制御信号生成部137が、電流計測部124によって計測された駆動電流の計測値Irが目標電流値Ixと一致するように駆動制御信号Sdを生成する。このとき、脱調判定部135が、脱調判定閾値Vxを用いてステッピングモータ20の脱調の有無を監視する。ステッピングモータ20において脱調が発生した場合には、脱調発生回数計測部136が、記憶部133に記憶されている脱調発生回数306の値を更新するとともに、駆動制御信号生成部137が、駆動制御信号Sdによってステッピングモータ20の回転を停止させる。
次に、モータ駆動制御装置10は、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの補正の実行条件を満足しているか否かを判定する(ステップS5)。例えば、制御回路122における補正部134が、ステップS4においてステッピングモータ20の駆動を開始してから所定の時間が経過した場合、または直前に行われた目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの補正から所定の時間が経過したか否かを判定する。
所定の時間が経過していない場合には、モータ駆動制御装置10は、ステップS3で設定した目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを用いたステッピングモータ20の駆動制御を継続する(ステップS4)。
一方、所定の時間が経過した場合には、モータ駆動制御装置10は、脱調発生回数306の情報を取得する(ステップS6)。具体的には、制御回路122において、補正部134が記憶部133から脱調発生回数306を読み出す。
次に、モータ駆動制御装置10は、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxの補正を行う(ステップS7)。具体的には、補正部134が、ステップS6で取得した脱調発生回数306と、温度計測部128による温度の計測結果と、入力電圧計測部125による入力電圧VINの計測結果とに基づいて、上述した手法により、目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを補正し、補正後の目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaを出力する。
次に、モータ駆動制御装置10は、ステップS7で補正した目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaを用いて、ステッピングモータ20の駆動を制御する(ステップS4)。具体的には、モータ制御回路12が、ステップS2で取得した目標回転速度と、ステップS7で補正した目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaとに基づいて、駆動制御信号SdとしてのPWM信号を生成するとともに、モータ駆動回路14が駆動制御信号Sdに基づいてステッピングモータ20を駆動する。
より具体的には、ステップS7の補正処理後のステップS4において、駆動制御信号生成部137が、電流計測部124によって計測された駆動電流の計測値Irが補正後の目標電流値Ixaと一致するように駆動制御信号Sdを生成する。このとき、脱調判定部135が、補正後の脱調判定閾値Vxaを用いてステッピングモータ20の脱調の有無を監視する。ステッピングモータ20の脱調が発生した場合には、脱調発生回数計測部136が、記憶部133に記憶されている脱調発生回数306の値を更新するとともに、駆動制御信号生成部137が、駆動制御信号Sdによってステッピングモータ20の回転を停止させる。
次に、モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の目標回転速度を変更するか否かを判定する(ステップS8)。例えば、上位装置から指令Scによって回転速度の変更が指示された場合には、ステップS2に移行し、指令Scによって指定された新たな回転速度を目標回転速度として設定した上で、上述したステップS3からステップS8までの処理を再度実行する。
一方、目標回転速度の変更指令を受信していない場合には、モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の回転を停止させるか否かを判定する(ステップS9)。例えば、ステッピングモータ20の回転角度が上位装置からの指令Scによって指定された回転角度に到達していない場合や、上位装置からの指令Scによってステッピングモータ20の駆動の停止が指示されていない場合には、モータ駆動制御装置10は、ステップS4にもどり、補正後の目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaを用いたステッピングモータ20の駆動制御を継続する(ステップS4〜S9)。
一方、例えば、アクチュエータ1の外部出力ギヤが上位装置からの指令Scによって指定された回転角度に到達した場合や、上位装置からの指令Scによってステッピングモータ20の駆動の停止が指示された場合には、モータ駆動制御装置10は、駆動制御信号Sdによって、ステッピングモータ20の駆動を停止する。
以上、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10によれば、例えばステッピングモータ20の駆動開始時に設定した目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを、ステッピングモータ20の脱調発生回数に基づいて補正するので、ステッピングモータの経年劣化やステッピングモータの個体差を考慮した適切な脱調検出と効果的な脱調抑制を実現することができる。
例えば、ステッピングモータ20は、経年劣化により、脱調が発生し易くなる傾向がある。また、ステッピングモータ20には個体差があり、脱調が発生し易いものや脱調が発生し難いものがある。本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10によれば、脱調発生回数に応じて脱調判定閾値Vxを適切に補正することができるので、経年劣化や個体差により脱調が発生し易いステッピングモータ20に対する脱調の検出精度を向上させることができる。また、モータ駆動制御装置10によれば、脱調発生回数に応じて目標電流値Ixを適切に補正することができるので、経年劣化や個体差により脱調が発生し易いステッピングモータ20に対しても適切なトルクが得られるように駆動することができ、脱調の効果的な抑制が可能となる。
このように、モータ駆動制御装置10によれば、ステッピングモータの経年劣化や個体差に対応した、ステッピングモータのより安定した駆動制御を実現することが可能となる。
また、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の駆動開始時に計測した入力電圧VINおよび温度に基づいて目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを設定した上で、入力電圧VINおよび温度が変化した場合に、それらの変化に応じて目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを動的に補正する。
これによれば、例えば、ステッピングモータ20の駆動を開始してから入力電圧VINや温度が変化した場合であっても、そのときのステッピングモータ20の駆動環境に応じた適切な目標電流値Ixおよび脱調判定閾値Vxを設定することができる。すなわち、モータ駆動制御装置10によれば、温度や入力電圧、回転速度等のステッピングモータの駆動環境の変化に対応した、ステッピングモータ20のより安定した駆動制御を実現することが可能となる。
また、モータ駆動制御装置10において、補正部134による目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正を周期的に行うことにより、脱調回数の変化に応じて目標電流値及び脱調判定閾値を動的に補正することができる。また、印可される電圧も動的に変化するため、電圧変動にも対応することができる。
また、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正のために基準温度Tsおよび基準電圧Vsを設けることにより、目標電流値Ixaおよび脱調判定閾値Vxaの補正量を適切に設定することが容易となる。例えば、基準値(基準温度Txまたは基準電圧Vs)を設けることにより、基準値に対する温度または入力電圧の計測値との差に応じた適切な補正量を設定することができるので、モータ制御の安定性を高めることが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、目標電流値情報301がルックアップテーブルである場合を例示したが、これに限られず、目標電流値情報301は、入力電圧VIN、温度、および目標電流値Ixとの間の関係を示す関数(数式)であってもよい。この場合、目標電流値設定部131は、目標電流値情報301としての関数(数式)を用いて、目標電流値Ixを算出する。脱調判定閾値情報302および脱調判定閾値設定部132についても同様である。また、目標回転速度についても、入力電圧VIN、温度、および目標回転速度との間の関係を示す関数(数式)やルックアップテーブルによって設定されてもよい。
また、上記実施の形態では、目標電流値情報301および脱調判定閾値情報302において、温度および入力電圧をそれぞれ3つの範囲(低、中、高)に分ける場合を例示したが、これに限られず、温度および入力電圧の範囲の分割数は2つまたは4つ以上であってもよい。また、温度と入力電圧とで互いの範囲の分割数が相違していてもよい。
また、上記実施の形態では、脱調発生回数計測部136は、アクチュエータ1(モータ駆動制御装置10)が起動する毎に、記憶部133に記憶されている脱調発生回数306の値をリセットしてから、脱調発生回数の計測を始める場合を例示したがこれに限られない。例えば、脱調発生回数計測部136は、アクチュエータ1(モータ駆動制御装置10)が起動時に脱調発生回数をリセットせずに、脱調発生回数の計測を行ってもよい。
また、上述のフローチャートは、動作を説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、フローチャートの各図に示したステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部の処理の順番が変更されてもよいし、各処理間に他の処理が挿入されてもよいし、一部の処理が並列に行われてもよい。
1…アクチュエータ、10…モータ駆動制御装置、12…モータ制御回路、14…モータ駆動回路、20…モータ(ステッピングモータ)、21a,21b…コイル、22…ロータ、22n…N極、22s…S極、25…出力軸、29…モータ端子、31…動力伝達機構、32…動力伝達機構、33…動力伝達機構、33…出力ギヤ、42…プリント基板、43…フレキシブルプリント基板、51…ケース、52…カバー、122…制御回路、124…電流計測部、125…入力電圧計測部、126…逆起電圧計測部、128…温度計測部、130…目標回転速度設定部、131…目標電流値設定部、132…脱調判定閾値設定部、133…記憶部、134…補正部、135…脱調判定部、136…脱調発生回数計測部、137…駆動制御信号生成部、142…モータ駆動部、144…電流センサ、301…目標電流値情報、302…脱調判定閾値情報、303…基準電圧情報、304…基準温度情報、305…補正式情報、306…脱調発生回数、311,311_0〜311_3,321、321_0〜321_3…テーブル、at…温度補正量、av…電圧補正量、Ix…目標電流値、Ixa…補正後の目標電流値、Vx…脱調判定閾値、Vxa…補正後の脱調判定閾値、Vs…基準電圧、Ts…基準温度。

Claims (9)

  1. ステッピングモータの回転を制御するための駆動制御信号を生成するモータ制御回路と、
    前記駆動制御信号に基づいて前記ステッピングモータに通電する制御を行うモータ駆動回路と、を備え、
    前記モータ制御回路は、
    前記ステッピングモータの駆動電流を計測する電流計測部と、
    前記駆動電流が目標電流値に近づくように前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、
    前記ステッピングモータの複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧を計測する逆起電圧計測部と、
    前記ステッピングモータの脱調に関する判定を行うための脱調判定閾値と前記逆起電圧計測部の計測結果とに基づいて前記ステッピングモータに脱調が発生しているか否かを判定する脱調判定部と、
    前記ステッピングモータの脱調発生回数を計測する脱調発生回数計測部と、
    前記脱調発生回数に基づいて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値と少なくとも一方を補正する補正部と、を有する
    モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記モータ制御回路は、
    前記モータ駆動回路に供給される電源電圧としての入力電圧を計測する入力電圧計測部と、
    温度を計測する温度計測部と、を更に有し、
    前記補正部は、前記温度計測部による温度の計測結果もしくは前記入力電圧の少なくとも一方が変化した場合に、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方を補正する、
    モータ駆動制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記モータ制御回路は、
    前記温度計測部による温度の計測結果と、前記入力電圧計測部による前記入力電圧の計測結果とに基づいて、前記脱調判定閾値を設定する脱調判定閾値設定部と、
    前記温度計測部による温度の計測結果と、前記入力電圧計測部による前記入力電圧の計測結果とに基づいて、前記目標電流値を設定する目標電流値設定部と、を更に有し、
    前記補正部は、前記入力電圧の基準となる基準電圧と前記入力電圧計測部による前記入力電圧の計測値とのずれに基づく電圧補正量と、温度の基準となる基準温度と前記温度計測部による温度の計測値とのずれに基づく温度補正量と、前記脱調発生回数とに基づいて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値との少なくとも一方を補正する
    モータ駆動制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記脱調発生回数計測部は、前記ステッピングモータに発生した脱調の累積回数を計測する
    モータ駆動制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記補正部は、所定の周期で前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方の補正を行う
    モータ駆動制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記補正部は、前記ステッピングモータの回転量に応じて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方の補正を行う
    モータ駆動制御装置。
  7. 請求項3に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記脱調判定閾値設定部は、前記ステッピングモータの駆動を開始するときの前記温度の計測結果および前記入力電圧の計測結果に基づいて、前記基準電圧と前記基準温度の少なくとも一方を設定する
    モータ駆動制御装置。
  8. 前記ステッピングモータと、
    請求項1乃至7の何れか一項に記載されたモータ駆動制御装置と、
    前記ステッピングモータの回転力を駆動対象に伝達する動力伝達機構と、を備えるアクチュエータ。
  9. ステッピングモータの駆動電流を計測する電流計測ステップと、
    前記駆動電流が目標電流値に近づくように、前記ステッピングモータの回転を制御するための駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成ステップと、
    前記ステッピングモータの複数相のコイルのうち、通電が停止しているコイルに誘起される逆起電圧を計測する逆起電圧計測ステップと、
    前記ステッピングモータの脱調に関する判定を行うための脱調判定閾値と前記逆起電圧計測ステップの計測結果とに基づいて前記ステッピングモータに脱調が発生しているか否かを判定する脱調判定ステップと、
    前記ステッピングモータの脱調発生回数を計測する脱調発生回数計測ステップと、
    前記脱調発生回数に基づいて、前記脱調判定閾値と前記目標電流値の少なくとも一方を補正する補正ステップと、を含む
    モータ駆動制御方法。
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