JP2021196557A - 光学部材、及び、発光装置 - Google Patents

光学部材、及び、発光装置 Download PDF

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Akinori Hara
忠征 北島
Tadayuki Kitajima
伸介 上原
Shinsuke Uehara
大祐 佐藤
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Abstract

【課題】 発光装置または光学部材を安定した品質で製造する。【解決手段】 光学部材は、透光性の母材と、母材に部分的に設けられる1または複数の遮光性膜と、第1接合部と、を有する透光性部材と、波長変換部と、波長変換部の周りに設けられ、第1接合部と接合する第2接合部と、を有する波長変換部材と、を備え、平面視で、波長変換部が設けられる領域の一部あるいは全部が、1または複数の遮光性膜が設けられていない領域と重なり、1または複数の遮光性膜が設けられている領域が、第1接合部と第2接合部が接合する領域である接合領域の一部と重なり、かつ、1または複数の遮光性膜が設けられていない領域が、接合領域の他の一部と重なる。【選択図】 図14

Description

本発明は、光学部材、及び、光学部材を有する発光装置に関する。
特許文献1には、光の取出し面の下に、部分的に反射膜を設ける構造の発光装置が開示されている。この部分的な反射膜は、光の取出し面に向かって進む光の一部を遮っており、特許文献1では、反射膜によって反射された光が受光素子によって受光される。
特開2012−19038
発光装置などを安定した品質で製造するには、改善の余地がある。
実施形態に開示される光学部材は、透光性の母材と、前記母材に部分的に設けられる1または複数の遮光性膜と、第1接合部と、を有する透光性部材と、波長変換部と、前記波長変換部の周りに設けられ、前記第1接合部と接合する第2接合部と、を有する波長変換部材と、を備え、平面視で、前記波長変換部が設けられる領域の一部あるいは全部が、前記1または複数の遮光性膜が設けられていない領域と重なり、前記1または複数の遮光性膜が設けられている領域が、前記第1接合部と第2接合部が接合する領域である接合領域の一部と重なり、かつ、前記1または複数の遮光性膜が設けられていない領域が、前記接合領域の他の一部と重なる。
また、実施形態に開示される発光装置は、半導体レーザ素子と、透光性の母材と、前記母材に部分的に設けられる1または複数の遮光膜と、第1接合部と、を有する第1接合部材と、前記第1接合部と接合する第2接合部と、前記第2接合部の内側に設けられ前記半導体レーザ素子からの光が入射する入射領域と、を有する第2接合部材と、を備え、平面視で、前記入射領域の一部あるいは全部が、前記1または複数の遮光膜が設けられていない領域と重なり、前記1または複数の遮光膜が設けられている領域が、前記第1接合部と第2接合部が接合する領域である接合領域の一部と重なり、かつ、前記1または複数の遮光膜が設けられていない領域が、前記接合領域の他の一部と重なる。
発光装置または光学部材を安定した品質で製造することができる。
図1は、実施形態に係る発光装置の斜視図である。 図2は、図1に対応する上面図である。 図3は、図2のIII-III線における発光装置の断面図である。 図4は、実施形態に係る発光装置の内部構造を説明するための斜視図である。 図5は、図4に対応する上面図である。 図6は、実施形態に係る発光装置の内部構造を説明するための斜視図である。 図7は、図6に対応する上面図である。 図8は、実施形態に係る光学部材の斜視図である。 図9は、実施形態に係る光学部材の上面図である。 図10は、実施形態に係る透光性部材と波長変換部材との接合面を説明するために一部を透過した上面図である。 図11は、実施形態に係る透光性部材の上面図である。 図12は、実施形態に係る透光性部材の下面図である。 図13は、実施形態に係る波長変換部材の下面図である。 図14は、実施形態に係る光学部材の下面図である。 図15は、遮光性膜が無い場合に、実施形態に係る波長変換部材に照射される光のシミュレーション結果を示す画像である。 図16は、実施形態に係る透光性部材の他の例を説明する平面図である。 図17は、実施形態に係る透光性部材の他の例を説明する平面図である。
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれるものとする。
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
また、本明細書または特許請求の範囲において、上下、左右、表裏、前後、手前と奥などの表現は、相対的な位置、向き、方向などの関係を述べるに過ぎず、使用時における関係と一致していなくてもよい。
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素に関し、これに該当するものが複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象や観点が異なる場合、本明細書と特許請求の範囲との間で、同一の付記が、同一の対象を指さない場合がある。
例えば、本明細書において“第1”、“第2”、“第3”と付記されて区別される対象があり、本明細書の“第1”及び“第3”のみを対象として特許請求の範囲を記載する場合に、見易さの観点から特許請求の範囲においては“第1”、“第2”と付記して区別することがある。この場合、特許請求の範囲において“第1”、“第2”と付記された対象が、本明細書において“第1”“第3”と付記された対象を指すことになる。
以下に、図面を参照しながら、本明を実施するための形態を説明する。ただし、示される形態は、本発明の技術思想が具体化されたものではあるが、本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は適宜省略することがある。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
<実施形態>
図1は、実施形態に係る発光装置1の斜視図である。図2は、発光装置1の上面図である。図3は、図2のIII-III線における発光装置1の断面図である。図4は、内部構造を説明するために発光装置1から樹脂部材100を除いた状態の斜視図である。図5は、図4と同様の状態における上面図である。図6は、内部構造を説明するために図4の状態からさらに光学部材80を除いた状態の斜視図である。図7は、図6と同様の状態における上面図である。
図8は、実施形態に係る光学部材80の斜視図である。図9は、光学部材80の上面図である。図10は、光学部材80における、透光性部材81と波長変換部材91との接合面を説明するための上面図である。なお、図10では、透光性部材81の接合部84と、波長変換部材91の導電膜95をハッチングで記している。目の細かいハッチングが導電膜95である。図11は、実施形態に係る透光性部材81の上面図である。なお、図11では、透光性部材81の下面側は描いていない。図12は、実施形態に係る透光性部材81の下面図である。なお、図12では、透光性部材81の上面側は描いていない。図13は、実施形態に係る波長変換部材91の下面図である。図14は、透光性部材81の下面側からみた光学部材80の様子を示す平面図である。なお、図14では、図10と同様のハッチングを記している。図15は、波長変換部材91の下面に照射される光のシミュレーション結果を示す画像である。
発光装置1の構成要素には、基部10、1または複数の半導体レーザ素子20、1または複数のサブマウント30、1または複数の光反射部材40、保護素子50、温度測定素子60、複数の配線70、光学部材80、及び、樹脂部材100が含まれる。なお、発光装置1は、さらに他の構成要素を有していてもよい。
また、光学部材80の構成要素には、透光性部材81、及び、波長変換部材91が含まれる。なお、光学部材80は、さらに他の構成要素を有していてもよい。
次に、各構成要素について説明する。
(基部10)
基部10は、複数の上面11、下面13、1または複数の内側面14、及び、1または複数の外側面15を有している。基部10は、上方から下方に向かって窪んだ凹形状を有する。また、基部10は、上面視における外形が矩形である。
複数の上面11には、底面111と、最上面112と、が含まれる。底面111は、他の構成要素が配置される実装面である。また、底面111は、複数の上面11のうち最も下方にある上面である。一方で、最上面112は、複数の上面11のうち最も上方にある上面である。底面111は、上面視で最上面112に囲まれる。
基部10は、底面111からの高さが異なる複数の段差部16を有する。そのため、複数の上面11には、最上面112と底面111の間に位置する1または複数の上面11(中間上面)が含まれる。ここで、段差部16は、上面11、及び、この上面11と交わり下方に進む内側面14のみから構成される部分をいう。複数の段差部16には、その上面が最上面112となる段差部16と、その上面が中間上面11となる段差部16が含まれる。
ここでは、複数の中間上面11、あるいは、複数の段差部16を区別する場合に、底面111からの高さが低い方に若い順番を付けて区別するものとする。例えば、第1段差部16と第2段差部16とでは、底面111から段差部16の上面までの高さは、第1段差部16の方が低いということになる。なお、第1上面11は、底面に最も近い上面である必要はない。高さの大小関係は、あくまで、番号を付されて区別された上面11間での関係である。
図示される基部10の例では、最上面112と底面111との間に、1つの第1上面11と、2つの第2上面11と、を有し、第1上面を含む第1段差部16と、それぞれ第2上面11を含む2つの第2段差部16と、最上面112を含む第3段差部16と、を有する。
基部10は、セラミックを主材料として形成することができる。例えば、セラミックとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素を用いることができる。なお、セラミックに限らず、絶縁性を有する他の材料を主材料に用いて形成してもよい。
また、基部10の底面111には、1または複数の金属膜が設けられる。また、基部10の段差部16の上面11には、1または複数の金属膜が設けられる。また、基部10の最上面112には、底面111および段差部16に設けられた金属膜と電気的に接続している複数の金属膜が設けられる。
(半導体レーザ素子20)
半導体レーザ素子20は、上面、下面、及び、1または複数の側面を有する。また、半導体レーザ素子20は、上面視で長方形の外形を有する。また、長方形の2つの短辺のうちの一辺と交わる側面が、半導体レーザ素子20から放射される光の出射端面となる。また、半導体レーザ素子20の上面及び下面は、出射端面よりも面積が大きい。
なお、半導体レーザ素子20から放射される光(レーザ光)は拡がりを有し、光の出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。ここで、FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布を示す。
FFPの楕円形状の中心を通る光、言い換えると、FFPの光強度分布においてピーク強度の光を、光軸を進む光、と呼ぶものとする。また、光軸を進む光の光路を、その光の光軸、と呼ぶものとする。また、FFPの光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e(eはネイピア数)以上の強度を有する光を、「主要部分」の光と呼ぶものとする。
半導体レーザ素子20から出射される光のFFPの楕円形状において、楕円の短径方向をFFPの平行方向、長径方向をFFPの垂直方向というものとする。半導体レーザ素子20を構成する、活性層を含んだ複数の層は、FFPの垂直方向に積層される。
半導体レーザ素子20のFFPの光強度分布に基づき、ピーク強度の1/eに相当する強度での角度幅を、その半導体レーザ素子20の光の拡がり角と呼ぶものとする。FFPの垂直方向における光の拡がり角を垂直方向の拡がり角と呼び、FFPの平行方向における光の拡がり角を平行方向の拡がり角と呼ぶものとする。
半導体レーザ素子20には、発光ピーク波長が、320nm〜530nmの範囲、典型的には、430nm〜480nmの範囲にある半導体レーザ素子を採用することができる。このような半導体レーザ素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。なお、半導体レーザ素子20から出射される光は、このような波長範囲に限らなくてよい。
(サブマウント30)
サブマウント30は、下面、上面、及び、1または複数の側面を有する。また、サブマウント30は上下方向の幅が最も小さい。また、サブマウント30は、直方体の形状で構成される。なお、形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント30は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成される。なお、他の材料を用いてもよい。
(光反射部材40)
光反射部材40は、下面と、下面に対して傾く1または複数の光反射面41とを有する。光反射面41は、例えば、照射された光のピーク波長に対して90%以上の反射率を有する。ここでの光反射率は100%以下あるいは100%未満とすることができる。
光反射部材40は、下面に対し互いに異なる角度で傾斜する複数の光反射面41を連続させて形成した反射領域を有することができる。1または複数の光反射面41はいずれも、下面に対する傾斜角が10度以上80度以下の範囲にある。
1または複数の光反射面41には、平面で構成される光反射面41が含まれる。また、全ての光反射面41が平面で構成されてもよい。なお、1または複数の光反射面41には、曲面で構成される光反射面41が含まれてもよい。
ここで、光反射面41上を通る直線であって光反射部材40の下面に平行な直線が通る方向を光反射面41の平行方向というものとする。光反射面41が曲面の場合、曲面の光反射面41の外縁上の3点を結ぶ平面上を通る直線であって光反射部材40の下面に平行な直線が通る方向を光反射面41の平行方向というものとする。
光反射部材40は、その外形を形成する主材料に、ガラスや金属などを用いることができる。主材料は熱に強い材料がよく、例えば、石英若しくはBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSiを用いることができる。また、光反射面は、例えば、Ag、Al等の金属やTa/SiO、TiO/SiO、Nb/SiO等の誘電体多層膜を用いて形成することができる。
(保護素子50)
保護素子50は、半導体レーザ素子などの特定の素子に過剰な電流が流れて破壊されてしまうことを防ぐための回路要素である。保護素子50の典型例は、ツェナーダイオードなどの定電圧ダイオードである。ツェナーダイオードとしては、例えば、Siダイオードを用いることができる。
(温度測定素子60)
温度測定素子60は、周辺の温度を測定するための温度センサとして利用される素子である。温度測定素子60としては、例えば、サーミスタを用いることができる。
(配線70)
配線70は、両端を接合部とする線状の形状を有する導電体から構成される。言い換えると、配線70は、線状部分の両端に、他の構成要素と接合する接合部を有する。配線70は、2つの構成要素間の電気的な接続に用いられる。配線70としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。金属の例は、金、アルミニウム、銀、銅などを含む。
(透光性部材81)
透光性部材81は、下面と、上面と、1または複数の側面とを有する。また、透光性部材81は、直方体の平板形状で構成される。また、透光性部材81は、光を透過する透光性を有する。ここで、透光性とは、光に対する透過率が80%以上であることとする。なお、透光性部材81の形状は直方体に限らない。
透光性部材81は、その概形を形成する透光性の母材82を有する。母材82は、ガラスを主材料に用いて形成することができる。なお、主材料には、ガラスの他、例えば、石英、サファイア、又は、炭化ケイ素等を用いることもできる。
また、透光性部材81は、1または複数の接合部84を有する。1または複数の接合部84は、透光性部材81の上面に設けられている。また、1または複数の接合部84は、母材82の上面に配される。
透光性部材81は、それぞれが異なる配線パターン83と繋がる2つの接合部84を有することができる。2つの配線パターン83及び2つの接合部84は、透光性部材81の上面に設けられ、それぞれの配線パターン83は、2つの接合部の外側に設けられる。
図示される発光装置1の例では、線状のC字型で形成される部分が、接合部84に含まれる。C字の開口の向きが異なる大小2つのC字型が、2つの接合部84に含まれる。また、2つの接合部84はいずれも、同じ線幅で形成されている。つまり、幅が太くなっている部分は、配線パターン83に含まれる。
接合部84は、例えば、AuSnを用いて形成することができる。また、配線パターン83は、例えば、Ti/Pt/Au(サブマウント30の上面からTi、Pt、Auの順で積層したもの)を用いて形成することができる。
また、透光性部材81は、1または複数の遮光性膜85を有する。遮光性膜85は、遮光性を有する材料を用いて成膜されて形成される。ここでの遮光性を有するとは、照射される光のピーク波長に対する透過率が10%以下であることをいうものとする。なお、遮光性膜85は、特性として遮光性を有していればよく、実際に遮光に利用されることまでは特定されない。つまり、遮光が可能な成膜部材といえる。一方で、実際に遮光に利用されることを特定する場合は、遮光膜と呼ぶものとする。
透光性部材81において、1または複数の遮光性膜85は、1または複数の接合部84が設けられる面とは反対側の面に設けられる。ここで、接合部84が設けられる面を接合面、遮光性膜85が設けられる面を成膜面と呼ぶものとする。母材82の上面が接合面となる場合に、母材82の下面が成膜面となる。
なお、1または複数の遮光性膜85と1または複数の接合部84とは、同じ面に設けられてもよい。つまり、接合面と成膜面が同じ面であってもよい。この場合、1または複数の遮光性膜85は、1または複数の接合部84の下に設けられる。
成膜面において、1または複数の遮光性膜85は部分的に設けられる。つまり、成膜面には、1または複数の遮光性膜85が設けられる領域と、1または複数の遮光性膜85が設けられていない領域と、がある。
また、上面または下面からみた平面視(以下、単に平面視というものとする。)で、1または複数の遮光性膜85と、1または複数の接合部84とは、互いに部分的に重なる。つまり、1または複数の遮光性膜85は、1または複数の接合部84と重ならない領域を有し、かつ、1または複数の接合部84は、1または複数の遮光性膜85と重ならない領域を有する。
平面視で、1または複数の遮光性膜85の一部の領域は、1または複数の接合部84よりも内側に設けられる。また、図示される透光性部材81では、平面視で、1または複数の遮光性膜85は、1または複数の接合部84が設けられる領域よりも外側には設けられない。なお、外側に設けられてもよい。
遮光性膜85は、例えば、金属で形成された金属膜によって実現することができる。また、金属膜を形成する金属材料としては、例えば、Al、Au、Ti、Pt、Ni、W、Ru、AuSnなどを用いることが出来る。なお、金属以外の材料であってもよい。例えば、誘電体多層膜、セラミック、樹脂、AlN、Siなどを用いて遮光性膜85を形成してもよい。
(波長変換部材91)
波長変換部材91は、上面と、下面と、1または複数の側面とを有する。また、波長変換部材91は、波長変換部92を有する。また、波長変換部材91は、波長変換部92を囲う包囲部93を有する。また、波長変換部材91は、導電膜95を有する。また、波長変換部材91は、1または複数の接合部94を有する。以下では、区別のため、接合部84を第1接合部84、接合部94を第2接合部94、と呼ぶものとする。
波長変換部材91において、波長変換部92と包囲部93とは、一体的に形成されている。また、波長変換部92の1または複数の側面が包囲部93によって囲われる。波長変換部92の上面及び下面は露出する。波長変換部92及び包囲部93は、光の照射により分解されにくい無機材料を主材料に用いて形成することができる。なお、無機材料でなくてもよい。
また、波長変換部材91は、波長変換部92と包囲部93とが一体的に焼結された一体焼結体で形成されている。このような一体焼結体は、例えば、焼結体等の成形品からなる波長変換部92と、包囲部93を形成する粉粒の材料と、を一体的に成形して焼結して形成することができる。焼結には、例えば、常圧焼結法、放電プラズマ焼結法(SPS法)やホットプレス焼結法(HP法)等を用いることができる。
波長変換部92は直方体の形状である。なお、波長変換部92の形状は、直方体に限らなくてもよい。下面視で、波長変換部92の外形は、一方の方向における最大長さが、これに垂直な方向における最大長さよりも大きい形状である。このような形状には、例えば、楕円形や、長方形などが挙げられるが、これに限らない。以下、一方の方向における最大長さとこれに垂直な方向における最大長さの差が最も大きくなるときの、長い方の最大長さを第1長さ、短い方の最大長さを第2長さ、と呼ぶものとする。例えば、楕円形の場合、楕円の長径の長さが第1長さとなり短径の長さが第2長さとなる。長方形の場合、長辺の長さが第1長さとなり短辺の長さが第2長さとなる。
図示される波長変換部材91の例では、下面視で、波長変換部92の外形は長方形である。また、上面視で、波長変換部92の外形は長方形である。また、上面視でみた波長変換部92の外形と、下面視でみた波長変換部92の外形は、同じである。
また、波長変換部92は、入射した光を異なる波長の光に変換して出射する。また、入射した光の一部は、波長変換部92によって変換されずに波長変換部92から出射される。
波長変換部92は、セラミックを主材料とし、蛍光体を含有させて形成することができる。これに限らず、ガラスを主材料としてもよい。またあるいは、蛍光体単体の多結晶や、蛍光体の単結晶で形成するなどしてもよい。例えば、波長変換部92の主材料にセラミックを用いる場合、蛍光体と酸化アルミニウム等の透光性材料とを焼結させて形成することができる。蛍光体の含有量は、セラミックの総体積に対して0.05体積%〜50体積%とすることができる。また例えば、蛍光体の紛体を焼結させた、実質的に蛍光体のみからなるセラミックを用いてもよい。
蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO4)蛍光体、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、耐熱性が良好であり、青色の励起光と組み合わせて白色光の発光が可能となる蛍光体であるYAG蛍光体を用いることが好ましい。
包囲部93は、直方体の平板の中央部分に貫通孔を有する形状である。波長変換部92は、この貫通孔を塞ぐようにして設けられる。包囲部93は、セラミックを主材料に用いて形成することができる。また、これに限らず、金属や、セラミックと金属の複合体などを用いてもよい。
また、包囲部93には、波長変換部92による熱を排熱する高熱伝導率の材料を用いるのが好ましい。高熱伝導率の材料が主材料に用いられた包囲部93は、波長変換部92における熱を排熱する放熱部材として機能する。また、包囲部93には、半導体レーザ素子20が出射した光及び蛍光体が発する蛍光を高反射率で反射する材料を用いるのが好ましい。高反射率の材料が主材料に用いられた包囲部93は、波長変換部92の1または複数の側面と接する領域において光を反射する光反射部材として機能する。なお、高反射率及び高熱伝導率を有する材料としては、例えば、アルミナ(Al)が挙げられる。
導電膜95は、波長変換部92の周りに設けられる。また、導電膜95は、波長変換部材91の下面に設けられる。また、導電膜95は、包囲部93に設けられる。また、導電膜95は、波長変換部92の外側に設けられる。言い換えれば、導電膜95は、波長変換部92には設けられない。これにより、効率的に波長変換部92に光を入射させることができる。
また、導電膜95は、波長変換部92に近い位置に設けられる。例えば、波長変換部92と導電膜95との距離は、最も近い位置で500μm以下であり、好ましくは、300μm以下である。また、導電膜95は、波長変換部92を囲うように設けられる。
導電膜95は細い線状で波長変換部92を囲うのが好ましい。細い線状とは、例えば、下面視で、線幅が、波長変換部92の幅よりも小さく、線の長さが、波長変換部92の外周よりも長い線状を示す。また例えば、さらに線幅が、波長変換部92の幅の1/2以下であることとしてもよい。ここでの波長変換部92の幅は、例えば外形が矩形の場合は短辺の幅であり、例えば外形が楕円形の場合は短径の幅である。また、これ以外の形状の場合は、これらの例示に基づき、実質的に幅が特定される。
導電膜95は、酸化インジウムスズ(ITO)を用いて形成することができる。また、例えば、酸化ルテニウム(RuO)などの酸化物を用いてもよい。酸化物は、金、銀、アルミニウム等の金属材料と比べて脆く、割れやすい性質を有する。
1または複数の第2接合部94は、波長変換部92の周りに設けられる。また、1または複数の第2接合部94は、波長変換部材91の下面に設けられる。また、第2接合部94が設けられる面を、波長変換部材91の接合面と呼ぶものとする。また、1または複数の第2接合部94は、包囲部93に設けられる。また、1または複数の第2接合部94は、波長変換部92の外側に設けられる。言い換えれば、1または複数の第2接合部94は、波長変換部92には設けられない。
1または複数の第2接合部94は、波長変換部92を囲うように設けられる。また、1または複数の第2接合部94は、導電膜95を囲うように設けられる。また、1または複数の第2接合部94は、導電膜95の先端と接続する。1または複数の第2接合部94は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
波長変換部材91は、光が入射する入射領域を有する。光の入射領域は、波長変換部材91の接合面において、1または複数の第2接合部94よりも内側に設けられる。図示される波長変換部材91の例では、波長変換部92は、光の入射領域を有する。また、波長変換部92において、光の入射領域が設けられる面の反対側の面は、光の取出し面となる。
(樹脂部材100)
樹脂部材100は、樹脂を固めて形成される。樹脂部材100を形成する樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、BTレジン等が挙げられる。また、光吸収性のフィラーとしては、カーボンブラック等の暗色系の顔料等が挙げられる。
(光学部材80)
次に、光学部材80について説明する。
光学部材80は、透光性部材81と、透光性部材81に接合する波長変換部材91と、を有する。また、光学部材80の1または複数の第1接合部84と、波長変換部材91の1または複数の第2接合部94とが接合する。また、1または複数の第1接合部84と1または複数の第2接合部94とが接合することで、2つの配線パターン83が、導電膜95を通って電気的に接続する。
第2接合部94は、第1接合部84が設けられる領域の僅かな一部を除き、およそ全体と接合するように配置されている。また、第2接合部94は、第1接合部84よりも幅広に形成されている。そのため、第1接合部84が幅広の第2接合部94に収まるようにして、透光性部材81と波長変換部材91を接合させればよい。このとき、透光性部材81側から見れば、1または複数の第1接合部84と1または複数の第2接合部94とが接合している領域である接合領域を視認することができる。但し、1または複数の遮光性膜85が設けられている部分は遮られている。
1または複数の遮光性膜85は、第1接合部84と第2接合部94の接合の様子を確認可能なように、部分的に設けられる。また、1または複数の遮光性膜85は、波長変換部92に適切に光が入射するように設けられる。また、1または複数の遮光性膜85は、波長変換部材91の不要な領域に光が照射されないように設けられる。
そのため、平面視で、1または複数の遮光性膜85が設けられている領域が、1または複数の第1接合部84と1または複数の第2接合部94とが接合する接合領域の一部と重なる。さらに、平面視で、1または複数の遮光性膜85が設けられていない領域が、接合領域の他の一部と重なる。区別のため、この2つの重なる領域(重畳領域)をそれぞれ、第1重畳領域、第2重畳領域と呼ぶものとする。平面視でみた光学部材80は、第1重畳領域及び第2重畳領域を有するといえる。なお、接合領域とは、第1接合部84と第2接合部94が実際に接合している領域である。
また、平面視で、波長変換部92が設けられる領域の一部あるいは全部が、1または複数の遮光性膜85が設けられていない領域と重なる。また、図示される発光装置1の例が示すように、平面視で、波長変換部92が設けられる領域の他の一部が、1または複数の遮光性膜85が設けられている領域と重なっていてもよい。
また、1または複数の遮光性膜85は、平面視で、第1長さが定義される線分の中点を通り第2長さに平行な方向の仮想直線に対して線対称に設けられる。図示される発光装置1の例では、この仮想直線に対して線対称な2つの矩形領域に、1または複数の遮光性膜85が設けられている。また、それぞれがこの2つの矩形領域に対応する2つの遮光性膜85が設けられている。
また、平面視で、波長変換部92の外縁の一部は、1または複数の遮光性膜85が設けられている領域と重なる。また、平面視で、波長変換部92の外縁の他の一部は、1または複数の遮光性膜85が設けられていない領域と重なる。また、1または複数の遮光性膜85は、平面視で、波長変換部92の外縁のうち対向する両端部と重なる。図示される発光装置1の例では、1または複数の遮光性膜85は、平面視で、長方形の外縁の波長変換部92の対向する2つの短辺と重なっている。
また、1または複数の遮光性膜85は、平面視で、導電膜95と重なる。また、1または複数の遮光性膜85は、平面視で、導電膜95の一部と重なる。また、光学部材80は、平面視で、導電膜95の一部、第1接合部84の一部、及び、第2接合部94の一部を含む1つの閉じた領域を包含する遮光性膜85を有する。
また、第1重畳領域は、接合領域の30%以下に収まっている。また、第2重畳領域は、接合領域の50%以上となる。また、1または複数の遮光性膜85は、平面視で、1または複数の第1接合部84よりも外側には設けられていない。なお、1または複数の遮光性膜85をどのように配置するかの形態は、後述される他の形態に示されるように、これに限定されない。
このように、波長変換部92、及び、第1接合部84と第2接合部94の接合領域、が配される位置関係を考慮し、1または複数の遮光性膜85を部分的に設けることで、一部の接合領域における接合の様子を視認可能としながら、適切な領域を遮光させることができる。接合の様子を確認できることで、光学部材80の不良を判断することが可能となり、安定した品質で光学部材80を製造することができる。
(発光装置1)
次に、発光装置1について説明する。
まず、基部10の底面111に1または複数の光反射部材40が配置される。図示される発光装置1の例では、2つの光反射部材40が底面111に配置される。また、2つの光反射部材40は、点SPに対して点対称に配置される(図7参照)。
次に、底面111に、保護素子50と温度測定素子60とが配置される。保護素子50は、1または複数の光反射部材40の光反射面41が向く方向を前方としたときに、1または複数の光反射部材40の側方に配置される。
次に、底面111に1または複数のサブマウント30が配置される。図示される発光装置1の例では、2つのサブマウント30が底面111に接合される。
次に、1または複数の半導体レーザ素子20が底面111に配置される。また、1または複数の半導体レーザ素子20は、1または複数のサブマウント30を介して底面111に配置される。図示される発光装置1の例では、2つの半導体レーザ素子20が配置されている。また、2つの半導体レーザ素子20は、点SPに対して点対称に配置される。つまり、2つの半導体レーザ素子20が対称となる点と、2つの光反射部材40が対称となる点と、は同じ位置にある。以降の説明では、この点SPを、対称点と呼ぶものとする。
1または複数の半導体レーザ素子20と、1または複数の光反射部材40とは、一対一に対応して配置される。また、上面視で、半導体レーザ素子20の出射端面と、この半導体レーザ素子20に対応する光反射部材40の光反射面41の平行方向と、は互いに平行でも垂直でもない。言い換えれば、1または複数の半導体レーザ素子20はそれぞれ、上面視で、その出射端面が対応する光反射部材40の光反射面41の平行方向に対して斜めになるように配置される。
1または複数の半導体レーザ素子20はそれぞれ、少なくとも主要部分の光の80%以上が、対応する光反射部材40の光反射面41に照射されるように配置される。また、互いに対応する半導体レーザ素子20と光反射部材40との間では、光反射部材40よりも半導体レーザ素子20の方が対称点から遠い位置にある。従って、半導体レーザ素子20から出射された光は、対称点に近付く方向に進む。
次に、半導体レーザ素子20、保護素子50、及び、温度測定素子60を電気的に接続するため、複数の配線70が接合される。
次に、光学部材80が基部10の上面11に配置される。また、透光性部材81の下面が基部10の上面11と接合する。また、透光性部材81は、段差部16の上面11と接合する。また、透光性部材81は、基部10の中間上面11と接合する。透光性部材81の下面には、基部10との接合のための封止接着部86が設けられている(図12参照)。
封止接着部86は、1または複数の遮光性膜85と繋がっていない。下面視で、1または複数の遮光性膜85は、封止接着部86の内側に設けられる。遮光性膜85が封止接着部86から離れていることで、封止接着部86と基部10との接合に利用される接着剤が、接着の際の圧力によって遮光性膜85にまで浸食することを防ぐことができる。
透光性部材81が基部10に接合されることで、半導体レーザ素子20が配された閉空間が形成される。発光装置1では、透光性部材81は蓋部材としての役割を果たすことができる。また、この閉空間は気密封止された状態で形成される。気密封止されることで、半導体レーザ素子20の光の出射端面に有機物等が集塵することを抑制できる。
1または複数の半導体レーザ素子20より出射された光は、それぞれに対応する光反射部材40の光反射面41によって反射され、透光性部材81を透過して、波長変換部材91に入射する。また、透光性部材81を透過した光は、波長変換部92に入射する。
波長変換部92に入射した光の一部あるいは全部は、波長変換部92によって異なる波長の光に変換される。レーザ光または波長変換された光が、波長変換部92の上面から発光装置1の外部に出射される。つまり、波長変換部92の上面が、発光装置1の光取出面となる。
図15は、図示される発光装置1に基づき、波長変換部材91の光の入射面において、波長変換部92及びその周辺に照射される光のシミュレーション結果である。なお、このシミュレーション結果は、透光性部材81が1または複数の遮光性膜85を有さない場合の結果である。また、破線の枠は、波長変換部92の外形を示している。
図15に示されるように、2つの半導体レーザ素子20から出射された光の大部分は、波長変換部92に照射されている。また、長方形の波長変換部92の短辺から長辺方向に離れた位置において、光が照射されている。この光は、半導体レーザ素子20から出射された光であって、かつ、光反射面41に照射されなかった光である。
図示される発光装置1における1または複数の遮光性膜85は、図15において大部分の光から離れた位置に照射されている光を遮光する。つまり、発光装置1において、1または複数の遮光性膜85は、遮光膜として機能している。従って、発光装置1において、1または複数の遮光性膜85は、1または複数の遮光膜ということができる。
透光性部材81は、半導体レーザ素子20から出射された光のうち、包囲部93へと進む光を1または複数の遮光性膜85によって遮光する。また、透光性部材81は、半導体レーザ素子20から出射された光のうち、波長変換部92へと進む光については遮光しない。つまり、波長変換部92へと進む光は、透光性部材81を透過する。これにより、必要な光は遮光せずに、透過させることができる。
また、透光性部材81は、半導体レーザ素子20から出射された光のうち、対応する光反射部材40の光反射面41によって反射されなかった光を、1または複数の遮光性膜85によって遮光する。
ここで、導電膜95の役割について説明する。導電膜95は、波長変換部92の近傍においてその周りを細い線状の膜で囲っている。そのため、波長変換部92に割れなどの異常が発生すると、その衝撃に対応して導電膜95にも亀裂が入るなどして電気的な接続状態に変化を与える。これにより、電気的な特性の変化(例えば、抵抗値の大幅な上昇)を検知することで波長変換部92の異常を検知することができる。
このことから、導電膜95は、波長変換部92の異常を検知するセンサである異常検知素子といえる。また、波長変換部92は、異常検知素子によって異常が検知される対象である検知対象部材といえる。
また、導電膜95は、波長変換部92の下、つまり、波長変換部92の下面の直下を通らないようにして、その周りを囲う。このようにすることで、半導体レーザ素子20から出射された光が導電膜95を通らずに波長変換部92に入射するため、効率的に光を入射させることができる。
次に、異常検知素子を電気的に接続するための複数の配線70が接合される。複数の配線70は、透光性部材81の配線パターン83と、基部10の上面11と、に接続する。また、複数の配線70は、基部10の中間上面11に接続する。
次に、樹脂部材100が、基部10の上面11による枠の内側に形成される。樹脂部材100は、基部10と波長変換部材91との隙間を埋めるようにして形成される。樹脂部材100は、例えば、熱硬化性の樹脂を流し込み、これを熱で硬化させることで形成できる。
また、樹脂部材100は、配線70を内包する。つまり、樹脂部材100が形成された時点で、発光装置1において配線70は露出しない。これにより、配線70を水滴等の付着から保護することができる。
発光装置1では、1または複数の第1接合部84と、1または複数の第2接合部94と、が接合することで、導電膜95を異常検知素子として機能させることができる。そのため、製造工程において、適切に接合されていることを確認することは重要である。そして、接合状態の確認を可能とする構造を有する発光装置1は、安定した品質で発光装置を製造することができる。
なお、実施形態に係る発光装置1では、透光性部材81と波長変換部材91と、を有する光学部材80を例に挙げて説明したが、光学部材80は、この例に限らなくてよい。例えば、波長変換機能を有する波長変換部材91ではなく、光を入射させる特定の入射領域を有する構成要素に代えた発光装置であっても、1または複数の遮光性膜85によって同等の効果が得られ得る。
つまり、透光性部材81は、透光性の母材82と、母材82に部分的に設けられる1または複数の遮光性膜85と、第1接合部84と、を有する第1接合部材とすることができる。また、波長変換部材91は、第1接合部84に接合する第2接合部94と、第2接合部94の内側に設けられ半導体レーザ素子20からの光が入射する入射領域と、を有する第2接合部材とすることができる。
次に、実施形態の発光装置1に適用される透光性部材の他の例をいくつか挙げる。これらの例は、1または複数の遮光性膜85が設けられる領域が、既に図示された透光性部材81と異なっている。図16及び図17はそれぞれ、透光性部材281の下面側からみた光学部材80及び透光性部材481の下面側からみた光学部材80の平面図である。なお、図16及び図17では、図14と同様のハッチングを記している。
<変形例1>
透光性部材281は、透光性部材81と比べて、1又は複数の遮光性膜85が設けられる領域の割合が大きい。透光性部材281では、第1重畳領域は、接合領域の70%以上となる。また、第2重畳領域は、接合領域の30%以下に収まる。第1重畳領域の割合が大きいことで遮光性は向上し得る。なお、1又は複数の遮光性膜85が、波長変換部92へと進む光を遮光しないように設けられる点では、透光性部材81と共通している。
また、透光性部材281では、1又は複数の遮光性膜85が設けられない領域であって、接合領域と重なる領域が複数形成される。また、この複数の領域は、平面視で、第1長さが定義される線分の中点を通り第2長さに平行な方向の仮想直線を境にして分けられる2つの領域に、均等に設けられる。また、この複数の領域は、平面視で、第2長さが定義される線分の中点を通り第1長さに平行な方向の仮想直線を境にして分けられる2つの領域に、均等に設けられる。これにより、接合領域の接合状態をバランスよく確認することができる。
<変形例3>
透光性部材481は、平面視で、波長変換部92を囲む1の遮光性膜85を有する。また、透光性部材481では、平面視で、2つの第2接合部94のそれぞれが有するC字型の部分のうち、より内側のC字型の部分を覆い波長変換部92へと進む光を遮光しないようにした1の遮光性膜85が設けられる。一方で、より外側のC字側の部分は覆わないことで、接合状態を確認できるようにしている。
以上、説明してきたが、明細書により開示された技術的特徴を有した本発明は、明細書の実施形態で説明した構造に限られるわけではない。例えば、実施形態に開示のない構成要素を有する発光装置においても本発明は適用され得るものであり、開示された構造と違いがあることは本発明を適用できないことの根拠とはならない。また、発明を完成させるための最小の構成要素という観点でみれば、実施形態により開示された発光装置が有する構成要素の中には、必須でない構成要素も含まれ得るといえる。
このことはつまり、本明細書の実施形態により開示される発光装置には、発明の完成という観点の他、一つの利用形態を想定した合理的構成の開示という観点も含まれるということである。発明の適用はその例示的な利用形態に限られるものではない一方で、その利用形態に適用することで効果的に作用する側面もある。
このような点から、本発明(特許請求の範囲)において、一実施形態において開示された全ての構成要素を備えることは必須ではないこともあり得る。例えば、特許請求の範囲に、実施形態により開示された発光装置の一部の構成要素が記載されていなかった場合、その構成要素については、本実施形態に開示されたものに限らず、代替、省略、形状の変形、材料の変更などといった当業者による設計の自由度を認め、その上で特許請求の範囲に記載された発明が適用されることを請求するものである。
実施形態に記載の発光装置及び光学部材は、車載ヘッドライトに利用することができる。つまり、車載ヘッドライトは、本発明が適用される一つの利用形態といえる。なお、本発明は、これに限らず、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用することができる。
1 発光装置
10 基部
11 上面
111 底面
112 最上面
13 下面
14 内側面
15 外側面
16 段差部
20 半導体レーザ素子
30 サブマウント
40 光反射部材
41 光反射面
50 保護素子
60 温度測定素子
70 配線
80 光学部材
81、281、481 透光性部材
82 母材
83 配線パターン
84 第1接合部
85 遮光性膜
86 封止接着部
91 波長変換部材
92 波長変換部
93 包囲部
94 第2接合部
95 導電膜
100 樹脂部材

Claims (9)

  1. 透光性の母材と、前記母材に部分的に設けられる1または複数の遮光性膜と、第1接合部と、を有する透光性部材と、
    波長変換部と、前記波長変換部の周りに設けられ、前記第1接合部と接合する第2接合部と、を有する波長変換部材と、を備え、
    平面視で、
    前記波長変換部が設けられる領域の一部あるいは全部が、前記1または複数の遮光性膜が設けられていない領域と重なり、
    前記1または複数の遮光性膜が設けられている領域が、前記第1接合部と第2接合部が接合する領域である接合領域の一部と重なり、かつ、
    前記1または複数の遮光性膜が設けられていない領域が、前記接合領域の他の一部と重なる光学部材。
  2. 前記1または複数の遮光性膜は、金属膜である請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記透光性の母材は、照射される光のピーク波長に対する透過率が〜%以下である請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記透光性部材は、前記1または複数の遮光性膜を前記母材の第1面に設け、前記第1接合部を前記第1面とは反対側にある前記母材の第2面に設ける請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 平面視で、前記波長変換部の外縁の一部は、前記1または複数の遮光性膜が設けられている領域と重なり、他の一部は、前記遮光性膜が設けられていない領域と重なる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記第1接合部よりも幅広の前記第2接合部に、前記第1接合部が接合される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 半導体レーザ素子と、
    透光性の母材と、前記母材に部分的に設けられる1または複数の遮光膜と、第1接合部と、を有する第1接合部材と、
    前記第1接合部と接合する第2接合部と、前記第2接合部の内側に設けられ前記半導体レーザ素子からの光が入射する入射領域と、を有する第2接合部材と、を備え、
    平面視で、
    前記入射領域の一部あるいは全部が、前記1または複数の遮光膜が設けられていない領域と重なり、
    前記1または複数の遮光膜が設けられている領域が、前記第1接合部と第2接合部が接合する領域である接合領域の一部と重なり、かつ、
    前記1または複数の遮光膜が設けられていない領域が、前記接合領域の他の一部と重なる発光装置。
  8. 光反射部材をさらに有し、
    前記入射領域には、前記半導体レーザ素子から出射され、かつ、前記光反射部材により反射されて進む光が入射し、
    前記遮光膜には、前記半導体レーザ素子から出射され、かつ、前記光反射部材によって反射されずに進む光が入射する、請求項7に記載の発光装置。
  9. 前記第1接合部材は、前記入射領域の一部または全部が含まれる波長変換部を有する請求項7または8に記載の発光装置。
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