JP2021195654A - 無機繊維用サイジング剤の水性液及び無機繊維の製造方法 - Google Patents

無機繊維用サイジング剤の水性液及び無機繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる無機繊維用サイジング剤の水性液を提供する。この水性液を用いた無機繊維の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の無機繊維用サイジング剤の水性液は、下記の構成単位A及び下記の構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、下記の含窒素化合物とを含有することを特徴とする。構成単位Aは、テトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであり、構成単位Bは、ジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであり、含窒素化合物は、3級アミン化合物、及び非プロトン性の含窒素複素環化合物から選ばれる少なくとも一つである。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる無機繊維用サイジング剤の水性液及びかかる水性液を用いた無機繊維の製造方法に関する。
例えば炭素繊維等の無機繊維は、エポキシ樹脂等のマトリクス樹脂を含浸させた複合材料として利用したり、コンクリートの補強用繊維として利用されている。例えば炭素繊維は、予め表面に炭素繊維用サイジング剤を付着させ、炭素繊維ストランドの集束性等を付与する処理が行われている。
従来、特許文献1,2に開示される無機繊維用サイジング剤が知られている。特許文献1の炭素繊維用サイジング剤は、所定構造のポリマレイミドとエポキシ樹脂とを含むサイズ剤組成物を付与したポリイミド系樹脂強化用炭素繊維について開示する。特許文献2は、所定のポリアミドアミック酸A単位、及びポリアミド・イミドB単位のコポリマーを含有するサイズ組成物で被覆した熱安定ファイバーについて開示する。
特開平1−38911号公報 特開昭61−75880号公報
ところが、これら従来の無機繊維用サイジング剤では、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与することができなかった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる無機繊維用サイジング剤の水性液を提供する処にある。また、この水性液を用いた無機繊維の製造方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、無機繊維用サイジング剤の水性液において、所定のポリアミド化合物と所定の含窒素化合物を併用することが正しく好適であることを見出した。
上記課題を解決するための無機繊維用サイジング剤の水性液は、下記の構成単位A及び下記の構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、下記の含窒素化合物とを含有することを特徴とする。
構成単位Aは、テトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。
構成単位Bは、ジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。
含窒素化合物は、3級アミン化合物、及び非プロトン性の含窒素複素環化合物から選ばれる少なくとも一つである。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記構成単位Aが、芳香族基を有するテトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記構成単位Bが、芳香族基を有するジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記構成単位Aと前記構成単位Bのモル比の割合が、構成単位A/構成単位B=1/1〜1/2のものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記ポリアミド化合物の含有量と前記含窒素化合物の含有量の質量比の割合が、ポリアミド化合物/含窒素化合物=95/5〜35/65のものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記含窒素化合物の沸点が80〜250℃であることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記含窒素化合物が、分子中にヒドロキシ基を有するものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、無機繊維が、炭素繊維であることが好ましい。
上記課題を解決するための無機繊維の製造方法は、前記無機繊維用サイジング剤の水性液を無機繊維に付着させる工程を含むことを特徴とする。
上記無機繊維の製造方法は、前記無機繊維が、炭素繊維ストランドであることが好ましい。
本発明によると、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる。
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る無機繊維用サイジング剤(以下、サイジング剤ともいう)の水性液(以下、水性液ともいう)を具体化した第1実施形態について説明する。サイジング剤は、所定の構成単位A及び所定の構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、所定の含窒素化合物とを含有する。
本実施形態に供されるポリアミド化合物は、後述する構成単位Aと構成単位Bとがアミド結合により重合したポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を示す。このポリアミド化合物は、水性液として無機繊維に付与された後、所定の加熱条件で処理された際に加熱脱水閉環(イミド化)することにより、耐熱性のポリイミドの被膜を形成する。
構成単位Aは、テトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。構成単位Aは、含窒素化合物の存在下において水溶液中で構成単位Bとのアミド結合により重合したポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を形成できる化合物であれば特に限定されない。
テトラカルボン酸としては、芳香族基を有するテトラカルボン酸であっても、脂肪族テトラカルボン酸であってもよい。テトラカルボン酸の誘導体としては、例えばテトラカルボン酸の二無水物、テトラカルボン酸のメチルエステル等のアルキルエステル体等が挙げられる。
芳香族基を有するテトラカルボン酸の二無水物の具体例としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)、メチルハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)−3,3'−ジメチルビフェニル、4,4''−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)−3−メチル−p−ターフェニル、4,4'''−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)−3,3'''−ジメチル−p−クォーターフェニル等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸の二無水物の具体例としては、例えばビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
構成単位Aは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中で耐熱性に優れるポリイミドの被膜を形成できる芳香族基を有するテトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位であることが好ましく、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸又はその誘導体であることがより好ましい。
構成単位Bは、ジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。構成単位Bは、含窒素化合物の存在下において水溶液中で構成単位Aとのアミド結合により重合したポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を形成できる化合物であれば特に限定されない。ジアミン又はその誘導体としては、芳香族基を有するジアミンであっても脂肪族ジアミンであってもいずれでもよい。
芳香族基を有するジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4'−オキシジアニリン、3,4'−オキシジアニリン、3,3'−オキシジアニリン、2,4'−オキシジアニリン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンズアニリド、4−アミノフェニル−4'−アミノベンゾエート、ベンジジン、3,3'−ジヒドロキシベンジジン、3,3'−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、例えば4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。
構成単位Bは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中で耐熱性に優れるポリイミドの被膜を形成できる芳香族基を有するジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであることが好ましく、p−フェニレンジアミン又はその誘導体であることがより好ましい。
上記構成単位Aと構成単位Bの配合原料中におけるモル比の割合は、適宜設定されるが、構成単位A/構成単位B=1/1〜1/2のものであることが好ましい。かかる範囲に規定されて合成されたポリアミド化合物を含む水性液は、特に安定性を向上させる。
本実施形態の含窒素化合物は、構成単位Aと構成単位Bを水に溶解させ、アミド結合による重合反応を促進させる相溶剤としての役割を有する。そのため、本実施形態において供される含窒素化合物としては、3級アミン化合物、非プロトン性の含窒素複素環化合物であって水溶性のものが適用される。
3級アミン化合物の具体例としては、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルアミノエタノール、ジイソプロピルアミノエタノール、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,N”N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等が挙げられる。
非プロトン性の含窒素複素環化合物としては、ピコリン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール等が挙げられる。なお、非プロトン性の含窒素化合物の中には同時に3級アミン化合物であるものも含まれる。
これらの含窒素化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
含窒素化合物の沸点は、80〜250℃であることが好ましく、120℃〜230℃であることがより好ましい。かかる含窒素化合物を使用することにより、本発明の効果をより向上させる。
含窒素化合物は、分子中にヒドロキシ基を有するものであることが好ましい。かかる含窒素化合物を使用することにより水性液の安定性をより向上させる。上述した具体例の中でも構成単位A及び構成単位Bとの反応促進性等に優れる観点からジメチルアミノエタノール、ジブチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミノエタノール、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましい。
上記ポリアミド化合物の含有量と含窒素化合物の含有量との質量比の割合は、適宜設定されるが、ポリアミド化合物/含窒素化合物=95/5〜35/65のものであることが好ましく、90/10〜40/60であることがより好ましい。かかる範囲に規定されることにより、本発明の効果をより向上させる。
ポリアミド化合物としてのポリアミド酸(ポリイミド前駆体)は、上記構成単位Aと構成単位Bを含窒素化合物の存在下で水に溶解又は懸濁させた後、例えば50〜80℃、好ましくは60〜70℃の加熱条件下で、例えば1〜10時間、好ましくは5〜7時間、アミド結合による重合反応を促進させることにより合成される。重合反応により得られたポリアミド化合物、反応時に添加した含窒素化合物及び水を含む水性液は、そのまま本実施形態の水性液として適用してもよく、必要により水分量を調整してもよい。
水性液中において、前記サイジング剤及び水の含有割合は、特に限定されない。サイジング剤の含有割合を100質量部とすると、水が100〜2000質量部の割合で含有するものが好ましく、150〜1000質量部の割合で含有するものがより好ましい。かかる配合割合に規定することにより、水性液のハンドリング性を向上させるとともに、経時安定性を向上させる。
(第2実施形態)
次に本発明に係る無機繊維の製造方法を具体化した第2実施形態について説明する。本実施形態の無機繊維の製造方法は、第1実施形態の水性液を炭素繊維に付着させる工程を含んでいる。付着量(溶媒を含まない)については特に制限はないが、無機繊維にサイジング剤として0.01〜10質量%となるよう付着させたものが好ましい。かかる数値範囲に規定することにより、無機繊維の集束性等の効果をより向上させる。本実施形態において適用される無機繊維の種類としては、特に限定されず、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維、スラッグ繊維等が挙げられる。これらの中でも本発明の効果をより有効に発現できる観点から炭素繊維ストランドが好ましい。炭素繊維の種類としては、例えばアクリル繊維を原料として得られたPAN系炭素繊維、ピッチを原料として得られたピッチ系炭素繊維、リサイクル炭素繊維、ポリエステル繊維を原料として得られる炭素繊維等が挙げられる。
第1実施形態の水性液を無機繊維に付着させて無機繊維を得るには、一般に工業的に用いられている方法を適用できる。例えば、ローラー浸漬法、ローラー接触法、スプレー法、抄紙法等が挙げられる。第1実施形態の水性液を付着させた無機繊維は、続いて乾燥処理し、水性液に含まれていた水、含窒素化合物等の除去を行なうことにより無機繊維を得ることができる。ここでの乾燥処理は、例えば熱風、熱板、ローラー、各種赤外線ヒーター等を熱媒として利用した方法を採用できる。乾燥処理の処理温度は、好ましくは130〜220℃である。かかる温度範囲により、ポリアミド酸が加熱脱水閉環(イミド化)し、耐熱性のポリイミド被膜が形成される。
次に、上記のように構成された本実施形態の水性液及び炭素繊維の製造方法の作用を以下に説明する。
上記実施形態では、上述した構成単位A及び構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、上述した含窒素化合物とを含有する水性液を採用した。
例えば、構成単位Aとして3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、構成単位Bとしてパラフェニレンジアミン、含窒素化合物として1,2−ジメチルイミダゾールが用いられる場合、以下の方法でポリアミド化合物(ポリアミド酸(ポリイミド前駆体))が合成される。まず、パラフェニレンジアミンと1,2−ジメチルイミダゾールを水に溶解する。次に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物を懸濁させ、50〜80℃で1〜10時間、アミド結合による重合反応を促進させる。それにより、下記化1に示される反応によりポリアミド化合物としてポリアミド酸(ポリイミド前駆体)が合成される。
Figure 2021195654
ポリアミド化合物を含む水性液は、無機繊維に付着された後、所定の温度(例えば130〜220℃)下で乾燥処理される。その時、下記化2に示されるように加熱脱水閉環(イミド化)することにより、耐熱性のポリイミドの被膜が形成される。
Figure 2021195654
上記実施形態の水性液及び炭素繊維の製造方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、上述した構成単位A及び構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、上述した含窒素化合物とを含有する水性液を採用した。したがって、水性液の形態でサイジング剤を無機繊維に付与できる。よって、有機溶媒の使用を必須としないため、作業環境、取り扱い性の向上を図ることができる。また、上記実施形態の水性液は、安定性に優れ、特に長期保存においても成分の分離、沈殿を抑制できる。
また、最終的に耐熱性に優れるサイジング剤の被膜を形成できる。特に耐熱性が要求されるスーパーエンジニアリングプラスチック向けのサイジング剤に適用される場合、高温時の使用においても性能を維持できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の水性液は、本発明の効果を阻害しない範囲内において又は水性液の性能を維持する観点から、その他の成分として、上述した界面活性剤、微量の有機溶媒、平滑剤、酸化防止剤、防腐剤等を配合することを妨げるものではない。
・上記実施形態の無機繊維が適用される分野は、特に限定されない。例えばポリイミド樹脂等のマトリクス樹脂を含浸させた炭素繊維複合材料(CFRP)、コンクリートの補強用繊維等に適用してもよい。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(無機繊維用サイジング剤の水性液の調製)
・実施例1の水性液の調製
内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒として水360gを加え、これに構成単位Aとして3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物13.8gと含窒素化合物としてジメチルアミノエタノール16gとを、25℃で1時間撹拌し、溶解させた。この溶液に構成単位Bとしてパラフェニレンジアミンを10.2g加え、70℃で6時間撹拌して、ポリアミド化合物(ポリイミド前駆体としてのポリアミド酸)(P−1)を合成すると同時に実施例1の水性液を得た。
・実施例2〜22の水性液の調製
実施例1の水性液と同様にして、表1のポリアミド化合物(P−1)〜(P−10)を構成する構成単位A及び構成単位B、並びに表2に示される含窒素化合物の組み合わせによりポリアミド化合物(P−1)〜(P−10)を合成した。それと同時に実施例2〜22の水性液を調製した。
・比較例1,2,4の水性液の調製
表1のポリアミド化合物(P−1)、(rp−1)、(rp−2)を構成する構成単位A及び構成単位B、並びに表2に示される含窒素化合物の組み合わせを適用した。実施例1の水性液と同様の方法にて反応を行うことにより比較例1,2,4の水性液を調製した。
・比較例3の水性液の調製
内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒として水360gを加え、これに構成単位Aとして3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物23.1gと構成単位Bとしてパラフェニレンジアミン16.9gを加え、70℃で6時間撹拌して、比較例3の水性液を得た。
・比較例5
比較例5は、以下のエポキシ樹脂水分散体(rp−3)を合成して使用した。
固状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量450〜500)/液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194)/エチレンオキサイド150モル付加硬化ヒマシ油エーテル=45/35/20(質量比)よりなる組成物を乳化装置に仕込み、撹拌下水を序々に加え転相乳化させ、不揮発分30%のエポキシ樹脂水分散体(rp−3)を得た。
・比較例6
比較例6は、以下のビニルエステル樹脂水分散体(rp−4)を合成して使用した。
ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物/エチレンオキサイド150モル付加硬化ヒマシ油エーテル=75/25(質量比)よりなる組成物を乳化装置に仕込み、撹拌下水を序々に加え転相乳化させ、不揮発分25%のビニルエステル樹脂水分散体(rp−4)を得た。
なお、上述したポリアミド化合物(P−1)〜(P−10)、(rp−1)、(rp−2)について、構成単位A、構成単位B、及び使用した原料の比率(モル比)を下記表1の「構成単位A」欄、「構成単位B」欄、及び「構成単位A/構成単位B(モル比)」欄に示す。
各例の水性液中におけるポリアミド化合物の種類と含有量、含窒素化合物の種類と含有量、その他成分の種類と含有量は、表2の「ポリアミド化合物」欄、「含窒素化合物」欄、「その他成分」欄にそれぞれ示すとおりである。また、サイジング剤の含有量を100質量部とした場合の水の含有量(部)を、表2の「水」欄に示す。
Figure 2021195654
Figure 2021195654
表2の記号欄に記載するC−1〜C−4、rc−1、rp−3,4の各成分の詳細は以下のとおりである。
C−1:ジメチルアミノエタノール(沸点133℃)
C−2:ジブチルエタノールアミン(沸点226℃)
C−3:ジイソプロピルアミノエタノール(沸点191℃)
C−4:1,2−ジメチルイミダゾール(沸点205℃)
rc−1:2−エチルアミノエタノール(沸点169℃)
rp−3:エポキシ樹脂水分散体
rp−4:ビニルエステル樹脂水分散体
試験区分2(無機繊維ストランドのサイジング)
上述したように調製した各例の水性液を更に水希釈し、サイジング剤3%の処理浴に入れた。ポリアクリロニトリル系繊維から得た未サイジングの無機繊維ストランドを連続的に上記処理浴に浸漬し、サイジング剤の付着量(溶媒を含まない)が炭素繊維に対して1%一定となるようにローラーの絞り条件を調整して、無機繊維ストランドに水性液を付着させた。引き続き連続的に200℃のオーブンに1分間通して乾燥してボビンに巻き取った。
試験区分3(水性液の評価)
・サイジング剤の水性液の安定性
調製した各例の水性液を25℃で1週間静置して、以下の基準で安定性を評価した。その結果を表2の「安定性」欄に示す。
◎(良好):ほとんど分離、沈殿が見られない場合
○(可):わずかに沈殿が見られるが、分離が見られない場合
×(不良): 沈殿、分離が生じ、撹拌してもすぐに沈殿、分離が生じる場合
・耐熱性評価
調製した各例の水性液を200℃で1時間乾燥して、固形分を得た。直径50mmのアルミカップ上に上記固形分を1gサンプリングし、電気炉にて400℃×30分処理して、下記式により残存率(%)を計算した。
残存率(%)=(処理後の質量)/(処理前の質量)×100
下記の基準で耐熱性を評価した。その結果を表2の「耐熱性」欄に示す。
◎(良好):残存率が85%以上の場合
○(可):残存率が75%以上且つ85%未満の場合
×(不良):残存率が75%未満の場合
以上表2の結果からも明らかなように、本発明によれば、耐熱性に優れるポリイミド被膜を付与できる水性液を得ることができる。また、水性液を長期間保管しても高い安定性を維持できる。なお、比較例3,4の耐熱性は、水性液が不均一で安定性が不良であり、均一なサンプリングが困難であるため測定不可であった。比較例3,4は、アミド結合が重合したポリアミド酸の形成が進まなかったものと思われる。
本発明は、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる無機繊維用サイジング剤の水性液及びかかる水性液を用いた無機繊維の製造方法に関する。
例えば炭素繊維等の無機繊維は、エポキシ樹脂等のマトリクス樹脂を含浸させた複合材料として利用したり、コンクリートの補強用繊維として利用されている。例えば炭素繊維は、予め表面に炭素繊維用サイジング剤を付着させ、炭素繊維ストランドの集束性等を付与する処理が行われている。
従来、特許文献1,2に開示される無機繊維用サイジング剤が知られている。特許文献1の炭素繊維用サイジング剤は、所定構造のポリマレイミドとエポキシ樹脂とを含むサイズ剤組成物を付与したポリイミド系樹脂強化用炭素繊維について開示する。特許文献2は、所定のポリアミドアミック酸A単位、及びポリアミド・イミドB単位のコポリマーを含有するサイズ組成物で被覆した熱安定ファイバーについて開示する。
特公平1−38911号公報 特開昭61−75880号公報
ところが、これら従来の無機繊維用サイジング剤では、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与することができなかった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる無機繊維用サイジング剤の水性液を提供する処にある。また、この水性液を用いた無機繊維の製造方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、無機繊維用サイジング剤の水性液において、所定のポリアミド化合物と所定の含窒素化合物を併用することが正しく好適であることを見出した。
上記課題を解決するための無機繊維用サイジング剤の水性液(還元酸化グラフェン−磁性粒子を含有するものを除く)は、下記の構成単位A及び下記の構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、下記の含窒素化合物とを含有し、前記構成単位Aと前記構成単位Bのモル比の割合が、構成単位A/構成単位B=1/1〜1/2のものであり、前記ポリアミド化合物の含有量と前記含窒素化合物の含有量の質量比の割合が、ポリアミド化合物/含窒素化合物=95/5〜55/45のものであることを特徴とする。
構成単位Aは、テトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであり、前記テトラカルボン酸が、ピロメリット酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、又は1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸である。
構成単位Bは、ジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。
含窒素化合物は、3級アミン化合物、及び非プロトン性の含窒素複素環化合物から選ばれる少なくとも一つである。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記構成単位Aが、芳香族基を有するテトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記構成単位Bが、芳香族基を有するジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであることが好ましい
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記含窒素化合物の沸点が80〜250℃であることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、前記含窒素化合物が、分子中にヒドロキシ基を有するものであることが好ましい。
上記無機繊維用サイジング剤の水性液は、無機繊維が、炭素繊維であることが好ましい。
上記課題を解決するための無機繊維の製造方法は、前記無機繊維用サイジング剤の水性液を無機繊維に付着させる工程を含むことを特徴とする。
上記無機繊維の製造方法は、前記無機繊維が、炭素繊維ストランドであることが好ましい。
本発明によると、耐熱性に優れた無機繊維用サイジング剤を水性液の形態で付与できる。
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る無機繊維用サイジング剤(以下、サイジング剤ともいう)の水性液(以下、水性液ともいう)を具体化した第1実施形態について説明する。サイジング剤は、所定の構成単位A及び所定の構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、所定の含窒素化合物とを含有する。本発明の水性液においては、還元酸化グラフェン−磁性粒子を含有するものを除くものとする。
本実施形態に供されるポリアミド化合物は、後述する構成単位Aと構成単位Bとがアミド結合により重合したポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を示す。このポリアミド化合物は、水性液として無機繊維に付与された後、所定の加熱条件で処理された際に加熱脱水閉環(イミド化)することにより、耐熱性のポリイミドの被膜を形成する。
構成単位Aは、テトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。構成単位Aは、含窒素化合物の存在下において水溶液中で構成単位Bとのアミド結合により重合したポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を形成できる化合物であれば特に限定されない。
なお、本発明においては、前記テトラカルボン酸として、ピロメリット酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、又は1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸を適用するものとし、それ以外は参考例とする。
テトラカルボン酸としては、芳香族基を有するテトラカルボン酸であっても、脂肪族テトラカルボン酸であってもよい。テトラカルボン酸の誘導体としては、例えばテトラカルボン酸の二無水物、テトラカルボン酸のメチルエステル等のアルキルエステル体等が挙げられる。
芳香族基を有するテトラカルボン酸の二無水物の具体例としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)、メチルハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)−3,3'−ジメチルビフェニル、4,4''−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)−3−メチル−p−ターフェニル、4,4'''−ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)−3,3'''−ジメチル−p−クォーターフェニル等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸の二無水物の具体例としては、例えばビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
構成単位Aは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中で耐熱性に優れるポリイミドの被膜を形成できる芳香族基を有するテトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位であることが好ましく、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸又はその誘導体であることがより好ましい。
構成単位Bは、ジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである。構成単位Bは、含窒素化合物の存在下において水溶液中で構成単位Aとのアミド結合により重合したポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を形成できる化合物であれば特に限定されない。ジアミン又はその誘導体としては、芳香族基を有するジアミンであっても脂肪族ジアミンであってもいずれでもよい。
芳香族基を有するジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4'−オキシジアニリン、3,4'−オキシジアニリン、3,3'−オキシジアニリン、2,4'−オキシジアニリン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンズアニリド、4−アミノフェニル−4'−アミノベンゾエート、ベンジジン、3,3'−ジヒドロキシベンジジン、3,3'−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、例えば4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。
構成単位Bは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中で耐熱性に優れるポリイミドの被膜を形成できる芳香族基を有するジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものであることが好ましく、p−フェニレンジアミン又はその誘導体であることがより好ましい。
上記構成単位Aと構成単位Bの配合原料中におけるモル比の割合は、適宜設定されるが、構成単位A/構成単位B=1/1〜1/2のものであることが好ましい。かかる範囲に規定されて合成されたポリアミド化合物を含む水性液は、特に安定性を向上させる。
なお、本発明においては、前記構成単位Aと前記構成単位Bのモル比の割合が、構成単位A/構成単位B=1/1〜1/2のものを適用するものとする。
本実施形態の含窒素化合物は、構成単位Aと構成単位Bを水に溶解させ、アミド結合による重合反応を促進させる相溶剤としての役割を有する。そのため、本実施形態において供される含窒素化合物としては、3級アミン化合物、非プロトン性の含窒素複素環化合物であって水溶性のものが適用される。
3級アミン化合物の具体例としては、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルアミノエタノール、ジイソプロピルアミノエタノール、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,N”N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等が挙げられる。
非プロトン性の含窒素複素環化合物としては、ピコリン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール等が挙げられる。なお、非プロトン性の含窒素化合物の中には同時に3級アミン化合物であるものも含まれる。
これらの含窒素化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
含窒素化合物の沸点は、80〜250℃であることが好ましく、120℃〜230℃であることがより好ましい。かかる含窒素化合物を使用することにより、本発明の効果をより向上させる。
含窒素化合物は、分子中にヒドロキシ基を有するものであることが好ましい。かかる含窒素化合物を使用することにより水性液の安定性をより向上させる。上述した具体例の中でも構成単位A及び構成単位Bとの反応促進性等に優れる観点からジメチルアミノエタノール、ジブチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミノエタノール、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましい。
上記ポリアミド化合物の含有量と含窒素化合物の含有量との質量比の割合は、適宜設定されるが、ポリアミド化合物/含窒素化合物=95/5〜35/65のものであることが好ましく、90/10〜40/60であることがより好ましい。かかる範囲に規定されることにより、本発明の効果をより向上させる。
なお、本発明においては、前記ポリアミド化合物の含有量と前記含窒素化合物の含有量の質量比の割合が、ポリアミド化合物/含窒素化合物=95/5〜55/45のものを適用するものとする。
ポリアミド化合物としてのポリアミド酸(ポリイミド前駆体)は、上記構成単位Aと構成単位Bを含窒素化合物の存在下で水に溶解又は懸濁させた後、例えば50〜80℃、好ましくは60〜70℃の加熱条件下で、例えば1〜10時間、好ましくは5〜7時間、アミド結合による重合反応を促進させることにより合成される。重合反応により得られたポリアミド化合物、反応時に添加した含窒素化合物及び水を含む水性液は、そのまま本実施形態の水性液として適用してもよく、必要により水分量を調整してもよい。
水性液中において、前記サイジング剤及び水の含有割合は、特に限定されない。サイジング剤の含有割合を100質量部とすると、水が100〜2000質量部の割合で含有するものが好ましく、150〜1000質量部の割合で含有するものがより好ましい。かかる配合割合に規定することにより、水性液のハンドリング性を向上させるとともに、経時安定性を向上させる。
(第2実施形態)
次に本発明に係る無機繊維の製造方法を具体化した第2実施形態について説明する。本実施形態の無機繊維の製造方法は、第1実施形態の水性液を炭素繊維に付着させる工程を含んでいる。付着量(溶媒を含まない)については特に制限はないが、無機繊維にサイジング剤として0.01〜10質量%となるよう付着させたものが好ましい。かかる数値範囲に規定することにより、無機繊維の集束性等の効果をより向上させる。本実施形態において適用される無機繊維の種類としては、特に限定されず、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維、スラッグ繊維等が挙げられる。これらの中でも本発明の効果をより有効に発現できる観点から炭素繊維ストランドが好ましい。炭素繊維の種類としては、例えばアクリル繊維を原料として得られたPAN系炭素繊維、ピッチを原料として得られたピッチ系炭素繊維、リサイクル炭素繊維、ポリエステル繊維を原料として得られる炭素繊維等が挙げられる。
第1実施形態の水性液を無機繊維に付着させて無機繊維を得るには、一般に工業的に用いられている方法を適用できる。例えば、ローラー浸漬法、ローラー接触法、スプレー法、抄紙法等が挙げられる。第1実施形態の水性液を付着させた無機繊維は、続いて乾燥処理し、水性液に含まれていた水、含窒素化合物等の除去を行なうことにより無機繊維を得ることができる。ここでの乾燥処理は、例えば熱風、熱板、ローラー、各種赤外線ヒーター等を熱媒として利用した方法を採用できる。乾燥処理の処理温度は、好ましくは130〜220℃である。かかる温度範囲により、ポリアミド酸が加熱脱水閉環(イミド化)し、耐熱性のポリイミド被膜が形成される。
次に、上記のように構成された本実施形態の水性液及び炭素繊維の製造方法の作用を以下に説明する。
上記実施形態では、上述した構成単位A及び構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、上述した含窒素化合物とを含有する水性液を採用した。
例えば、構成単位Aとして3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、構成単位Bとしてパラフェニレンジアミン、含窒素化合物として1,2−ジメチルイミダゾールが用いられる場合、以下の方法でポリアミド化合物(ポリアミド酸(ポリイミド前駆体))が合成される。まず、パラフェニレンジアミンと1,2−ジメチルイミダゾールを水に溶解する。次に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物を懸濁させ、50〜80℃で1〜10時間、アミド結合による重合反応を促進させる。それにより、下記化1に示される反応によりポリアミド化合物としてポリアミド酸(ポリイミド前駆体)が合成される。
Figure 2021195654
ポリアミド化合物を含む水性液は、無機繊維に付着された後、所定の温度(例えば130〜220℃)下で乾燥処理される。その時、下記化2に示されるように加熱脱水閉環(イミド化)することにより、耐熱性のポリイミドの被膜が形成される。
Figure 2021195654
上記実施形態の水性液及び炭素繊維の製造方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、上述した構成単位A及び構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、上述した含窒素化合物とを含有する水性液を採用した。したがって、水性液の形態でサイジング剤を無機繊維に付与できる。よって、有機溶媒の使用を必須としないため、作業環境、取り扱い性の向上を図ることができる。また、上記実施形態の水性液は、安定性に優れ、特に長期保存においても成分の分離、沈殿を抑制できる。
また、最終的に耐熱性に優れるサイジング剤の被膜を形成できる。特に耐熱性が要求されるスーパーエンジニアリングプラスチック向けのサイジング剤に適用される場合、高温時の使用においても性能を維持できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の水性液は、本発明の効果を阻害しない範囲内において又は水性液の性能を維持する観点から、その他の成分として、上述した界面活性剤、微量の有機溶媒、平滑剤、酸化防止剤、防腐剤等を配合することを妨げるものではない。
・上記実施形態の無機繊維が適用される分野は、特に限定されない。例えばポリイミド樹脂等のマトリクス樹脂を含浸させた炭素繊維複合材料(CFRP)、コンクリートの補強用繊維等に適用してもよい。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(無機繊維用サイジング剤の水性液の調製)
・実施例1の水性液の調製
内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒として水360gを加え、これに構成単位Aとして3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物13.8gと含窒素化合物としてジメチルアミノエタノール16gとを、25℃で1時間撹拌し、溶解させた。この溶液に構成単位Bとしてパラフェニレンジアミンを10.2g加え、70℃で6時間撹拌して、ポリアミド化合物(ポリイミド前駆体としてのポリアミド酸)(P−1)を合成すると同時に実施例1の水性液を得た。
・実施例2〜19,参考例20〜22の水性液の調製
実施例1の水性液と同様にして、表1のポリアミド化合物(P−1)〜(P−10)を構成する構成単位A及び構成単位B、並びに表2に示される含窒素化合物の組み合わせによりポリアミド化合物(P−1)〜(P−10)を合成した。それと同時に実施例2〜19,参考例20〜22の水性液を調製した。
・比較例1,2,4の水性液の調製
表1のポリアミド化合物(P−1)、(rp−1)、(rp−2)を構成する構成単位A及び構成単位B、並びに表2に示される含窒素化合物の組み合わせを適用した。実施例1の水性液と同様の方法にて反応を行うことにより比較例1,2,4の水性液を調製した。
・比較例3の水性液の調製
内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒として水360gを加え、これに構成単位Aとして3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸無水物23.1gと構成単位Bとしてパラフェニレンジアミン16.9gを加え、70℃で6時間撹拌して、比較例3の水性液を得た。
・比較例5
比較例5は、以下のエポキシ樹脂水分散体(rp−3)を合成して使用した。
固状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量450〜500)/液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194)/エチレンオキサイド150モル付加硬化ヒマシ油エーテル=45/35/20(質量比)よりなる組成物を乳化装置に仕込み、撹拌下水を序々に加え転相乳化させ、不揮発分30%のエポキシ樹脂水分散体(rp−3)を得た。
・比較例6
比較例6は、以下のビニルエステル樹脂水分散体(rp−4)を合成して使用した。
ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物/エチレンオキサイド150モル付加硬化ヒマシ油エーテル=75/25(質量比)よりなる組成物を乳化装置に仕込み、撹拌下水を序々に加え転相乳化させ、不揮発分25%のビニルエステル樹脂水分散体(rp−4)を得た。
なお、上述したポリアミド化合物(P−1)〜(P−10)、(rp−1)、(rp−2)について、構成単位A、構成単位B、及び使用した原料の比率(モル比)を下記表1の「構成単位A」欄、「構成単位B」欄、及び「構成単位A/構成単位B(モル比)」欄に示す。
各例の水性液中におけるポリアミド化合物の種類と含有量、含窒素化合物の種類と含有量、その他成分の種類と含有量は、表2の「ポリアミド化合物」欄、「含窒素化合物」欄、「その他成分」欄にそれぞれ示すとおりである。また、サイジング剤の含有量を100質量部とした場合の水の含有量(部)を、表2の「水」欄に示す。
Figure 2021195654
Figure 2021195654
表2の記号欄に記載するC−1〜C−4、rc−1、rp−3,4の各成分の詳細は以下のとおりである。
C−1:ジメチルアミノエタノール(沸点133℃)
C−2:ジブチルエタノールアミン(沸点226℃)
C−3:ジイソプロピルアミノエタノール(沸点191℃)
C−4:1,2−ジメチルイミダゾール(沸点205℃)
rc−1:2−エチルアミノエタノール(沸点169℃)
rp−3:エポキシ樹脂水分散体
rp−4:ビニルエステル樹脂水分散体
試験区分2(無機繊維ストランドのサイジング)
上述したように調製した各例の水性液を更に水希釈し、サイジング剤3%の処理浴に入れた。ポリアクリロニトリル系繊維から得た未サイジングの無機繊維ストランドを連続的に上記処理浴に浸漬し、サイジング剤の付着量(溶媒を含まない)が炭素繊維に対して1%一定となるようにローラーの絞り条件を調整して、無機繊維ストランドに水性液を付着させた。引き続き連続的に200℃のオーブンに1分間通して乾燥してボビンに巻き取った。
試験区分3(水性液の評価)
・サイジング剤の水性液の安定性
調製した各例の水性液を25℃で1週間静置して、以下の基準で安定性を評価した。その結果を表2の「安定性」欄に示す。
◎(良好):ほとんど分離、沈殿が見られない場合
○(可):わずかに沈殿が見られるが、分離が見られない場合
×(不良): 沈殿、分離が生じ、撹拌してもすぐに沈殿、分離が生じる場合
・耐熱性評価
調製した各例の水性液を200℃で1時間乾燥して、固形分を得た。直径50mmのアルミカップ上に上記固形分を1gサンプリングし、電気炉にて400℃×30分処理して、下記式により残存率(%)を計算した。
残存率(%)=(処理後の質量)/(処理前の質量)×100
下記の基準で耐熱性を評価した。その結果を表2の「耐熱性」欄に示す。
◎(良好):残存率が85%以上の場合
○(可):残存率が75%以上且つ85%未満の場合
×(不良):残存率が75%未満の場合
以上表2の結果からも明らかなように、本発明によれば、耐熱性に優れるポリイミド被膜を付与できる水性液を得ることができる。また、水性液を長期間保管しても高い安定性を維持できる。なお、比較例3,4の耐熱性は、水性液が不均一で安定性が不良であり、均一なサンプリングが困難であるため測定不可であった。比較例3,4は、アミド結合が重合したポリアミド酸の形成が進まなかったものと思われる。

Claims (10)

  1. 下記の構成単位A及び下記の構成単位Bから構成されたポリアミド化合物と、下記の含窒素化合物とを含有することを特徴とする無機繊維用サイジング剤の水性液。
    構成単位A:テトラカルボン酸又はその誘導体により形成された構成単位を含むもの。
    構成単位B:ジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むもの。
    含窒素化合物:3級アミン化合物、及び非プロトン性の含窒素複素環化合物から選ばれる少なくとも一つ。
  2. 前記構成単位Aが、芳香族基を有するテトラカルボン酸又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである請求項1に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  3. 前記構成単位Bが、芳香族基を有するジアミン又はその誘導体から形成された構成単位を含むものである請求項1又は2に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  4. 前記構成単位Aと前記構成単位Bのモル比の割合が、構成単位A/構成単位B=1/1〜1/2のものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  5. 前記ポリアミド化合物の含有量と前記含窒素化合物の含有量の質量比の割合が、ポリアミド化合物/含窒素化合物=95/5〜35/65のものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  6. 前記含窒素化合物の沸点が80〜250℃である請求項1〜5のいずれか一項に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  7. 前記含窒素化合物が、分子中にヒドロキシ基を有するものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  8. 無機繊維が、炭素繊維である請求項1〜7のいずれか一項に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の無機繊維用サイジング剤の水性液を無機繊維に付着させる工程を含むことを特徴とする無機繊維の製造方法。
  10. 前記無機繊維が、炭素繊維ストランドである請求項9に記載の無機繊維の製造方法。
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