JP2021195396A - 改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents

改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法 Download PDF

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Hiroshi Yamashita
和之 松村
Kazuyuki Matsumura
充弘 宝田
Mitsuhiro Takarada
功晃 坂詰
Katsuaki Sakazume
行生 森本
Yukio Morimoto
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂との親和性及び接着性に優れる改質炭素繊維を含み、その成形体が機械的強度に優れる改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物及びその成形体の製造方法の提供。【解決手段】(A1)4官能性シラン化合物等を加水分解縮合してなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、(A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(R1は1価炭化水素基である)を導入する工程と、(A3)R23SiO1/2単位(各R2は同一又は異なる1価炭化水素基である)を導入する工程とを含む方法により、疎水性球状シリカ微粒子を製造する工程、該疎水性球状シリカ微粒子を炭素繊維に添加し、混合することで改質炭素繊維を製造する工程、及び該改質炭素繊維を熱可塑性樹脂に添加し、混合する工程を有する改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、疎水性球状シリカ微粒子により表面改質された炭素繊維および熱可塑性樹脂とからなる改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
炭素繊維で強化された樹脂成形品は軽量で強度が高いことから、家電製品筐体、スポーツ用品、航空機用途、自動車用途などの広い分野で使用されている。従来の炭素繊維強化樹脂成形品はエポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂で製造されていたが、製造の煩雑さやリサイル性が考慮され、熱可塑性樹脂に代替化されつつある。更にはチョップ化された炭素繊維と熱可塑性樹脂を混合する際に、炭素繊維の分散性が悪く結果的に樹脂の流れが悪くなり、成形性に問題があった。
そこで、炭素繊維表面を各種のサイジング剤(集束剤)で処理して、分散性を向上させる提案がされている(特許文献1、2参照)。また、シート状の製品を製造する場合には、プリプレグを作製し、層状に加熱圧着するのが一般的であり、その際の界面密着性が問題となる。界面密着性を向上させる目的で、板状粒子を添加する提案もされている(特許文献3、4参照)。しかしながら、いずれの場合でも、熱硬化性樹脂と比較し、熱可塑性樹脂では界面接着性や機械的強度に劣っている。
更には、熱可塑性樹脂とサイジング剤で処理して成る炭素繊維との相溶化剤として、ポリオレフィンとポリメタクリル酸ブロック共重合体(特許文献5参照)や、テルペン系樹脂(特許文献6参照)等が提案されているが、機械的な強度向上は満足いくものではなかった。
更にカチオン性界面活性剤でシリコーンゴム微粒子を水中に分散させた分散液で炭素繊維を処理する方法や、アニオン性界面活性剤でエチレン・酢酸ビニール共重合体微粒子を水中に分散させた分散液で炭素繊維を処理する方法も提案されている(特許文献7、8参照)が、事前に炭素繊維の電解酸化処理が必要であったり、分散液処理後の後乾燥など工程が煩雑であり、まだ機械的強度や接着性が不十分であった。
特許第4094546号公報 特開2017−14628号公報 特開2016−97558号公報 特開2011−213991号公報 特開2018−145245号公報 特開2019−182940号公報 特許第3193534号公報 特許第3232169号公報
したがって、本発明の課題は、熱可塑性樹脂マトリックスとの親和性及び接着性を改良した改質炭素繊維を用いた改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物及びその成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、上記課題は炭素繊維に特定の疎水性球状シリカ微粒子を添加することにより解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
<1>
(A1)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはこれらの混合物を、加水分解および縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、
(A3)(A2)工程で得られた球状シリカ微粒子の表面に、R2 3SiO1/2単位(式中、各R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程
とを含む方法により、粒子径が0.005〜0.3μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1かつ疎水化度が50以上である疎水性球状シリカ微粒子を製造する工程A、
該疎水性球状シリカ微粒子を長さ0.3〜10mmの炭素繊維に、該炭素繊維の質量に対して少なくとも0.01質量%の量で添加し、混合することで改質炭素繊維を製造する工程B、及び
熱可塑性樹脂100質量部に対して該改質炭素繊維を0.5〜40質量部添加し、混合する工程C
を有する改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
<2>
前記疎水性球状シリカ微粒子の製造方法が、
(A1)一般式(I):
Si(OR34 (I)
(式中、各R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物またはこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(A2)得られた該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、各R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を添加して、該親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、該親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(A3)得られた該第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基または加水分解性基である)で示される1官能性シラン化合物、またはこれらの混合物を添加して、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理して、該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義した通りである)を導入することにより第二の疎水性球状シリカ微粒子を得る方法である、<1>に記載の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
<3>
疎水性球状シリカ微粒子を炭素繊維に対して0.01〜20.0質量%の範囲で添加し混合する、<1>又は<2>に記載の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
<4>
熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリフェニレンスルフィド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
<5>
<1>〜<4>のいずれか1項に記載の方法により改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物を得、得られた改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物を加熱成形することを特徴とする成形体の製造方法。
本発明の製造方法により得られる改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、炭素繊維が疎水性球状シリカ微粒子で表面改質されることにより、炭素繊維が熱可塑性樹脂マトリックスへの均一な分散性を有するため、優れた界面接着性、成形性を有し、該改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物を加熱成形して得られる成形体は機械的強度に優れる。
また、本発明の製造方法は、電解酸化処理等の工程を有さず、工程が煩雑ではなく、経済的である。
製造例2で得られた改質炭素繊維の電子顕微鏡写真である。 成形シートの作製方法を示す模式図である。 フラグメンテーション試験片の作製方法を示す模式図である。 引張強度の測定結果から臨界破断長および界面せん断強度を求める方法を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<炭素繊維成分>
本発明で使用される炭素繊維は、特に限定されないが、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油タールや石油ピッチを原料とするピッチ系、ビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とするセルロース系炭素繊維が挙げられる。このうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましい。
また、炭素繊維の繊維長は特に限定されないが、熱可塑性樹脂マトリックス中における分散性および強度の面から、繊維長が0.3〜10mmであるものが好ましく、繊維長の異なるものを混合して使用してもよい。
炭素繊維は、表面処理されていないものでもよく、分散性を向上する目的で、サイジング剤で表面処理されたものを用いてもよい。サイジング剤の具体例としては、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、および界面活性基含有樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
<疎水性球状シリカ微粒子>(工程A)
上記炭素繊維に混合する疎水性球状シリカ微粒子の特徴について、詳細に説明する。
本発明で使用される疎水性球状シリカ微粒子は、
(A1)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはそれらの組み合わせを加水分解および縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、
(A3)R2 3SiO1/2単位(式中、各R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程とを含む方法により製造され、
粒子径が0.005〜0.3μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下で、平均円形度が0.8〜1かつ疎水化度が50以上である疎水性球状シリカ微粒子である。
疎水性球状シリカ微粒子は粒子径が0.005〜0.3μmであり、好ましくは0.01〜0.25μm、特に好ましくは0.03〜0.20μmである。この粒子径が0.005μmよりも小さいと、粒子が小さすぎるため、炭素繊維のマトリックス樹脂への流動性が上がらず、うまく分散できない場合がある。また0.3μmよりも大きいと、炭素繊維に付着しても脱落する粒子が多くなり、良好な流動性や樹脂への分散性を付与できない場合があり、好ましくない。なお、本発明において、微粒子の粒度分布は、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(マイクロトラックベル会社製、商品名:NanotracWaveII−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
該疎水性球状シリカ微粒子の粒度分布の指標であるD90/D10の値は、3以下である。ここで、D10及びD90はそれぞれ、粒子径の分布を測定することによって得られる値である。粉体の粒子径の分布を測定した場合に、小さい側から累積10%となる粒子径をD10、小さい側から累積90%となる粒子径をD90という。このD90/D10が3以下であることから、本発明における疎水性球状シリカ微粒子の粒度分布はシャープであることを特徴とする。このように粒度分布がシャープな粒子であると、炭素繊維の分散性を制御することが容易になる点で好ましい。上記D90/D10は、2.9以下であることがより好ましい。
また、疎水性球状シリカ微粒子の平均円形度は0.8〜1であり、0.92〜1であることが好ましい。ここで「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。このような「球状」の形状とは、粒子を二次元に投影したときの円形度で評価し、円形度が0.8〜1の範囲にあるものを云う。ここで円形度とは、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。この円形度は電子顕微鏡等で得られる粒子像を画像解析することにより測定することができる。
更に、疎水性球状シリカ微粒子の疎水化度は50以上であり、58以上であることが好ましい。ここで疎水化度とは、メタノール滴定試験により求められるものであり、水に添加されたシリカ微粒子が湿潤されたときの、メタノールと水との混合物中におけるメタノールの体積百分率により表わされる値で、この数値が大きいほど疎水性が高く、数値が小さいほど親水性が高いことを示すものである。
工程(A1)において、親水性球状シリカ微粒子が「実質的にSiO2単位からなる」とは、該微粒子は基本的にはSiO2単位から構成されているが、該単位のみから構成されている訳ではなく、少なくとも表面に通常知られているようにシラノール基を多数個有することを意味する。また、場合によっては、原料である4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物に由来する加水分解性基(ヒドロカルビルオキシ基)が一部シラノール基に転化されずに若干量そのまま微粒子表面や内部に残存していてもよいことを意味する。
本発明に用いる疎水性球状シリカ微粒子は、テトラアルコキシシランの加水分解によって得られる小粒径ゾルゲル法シリカをシリカ原体(親水性球状シリカ微粒子)として、これに特定の表面処理を行なうことにより、粉体として得たときに表面処理後の粒子径がシリカ原体の一次粒子径を維持しており、凝集しておらず、小粒径であり、炭素繊維に良好な流動性および分散性を付与できる。
小粒径のシリカ原体は、アルコキシ基の炭素原子数が小さいテトラアルコキシシランを用いること、溶媒として炭素原子数の小さいアルコールを用いること、加水分解温度を高めること、テトラアルコキシシランの加水分解時の濃度を低くすること、加水分解触媒の濃度を低くすることなど、反応条件を変更することにより、任意の粒径のものを得ることができる。
この小粒径のシリカ原体に、前述の通り、そして更に詳しく以下に述べるように、特定の表面処理を行なうことにより、所望の疎水性球状シリカ微粒子が得られる。
疎水性球状シリカ微粒子の製造方法の一つについて、以下に詳細に説明する。
<疎水性球状シリカ微粒子の製造方法>
本発明に用いる疎水性球状シリカ微粒子は、
工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程、
工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程、
工程(A3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
によって得られる。以下、各工程を順次説明する。
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
工程(A1)は、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはこれらの混合物を、加水分解および縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程であり、具体的には、次のようにすることが好ましい。

まず、一般式(I):
Si(OR34 (I)
(式中、各R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって、親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る。
上記一般式(I)中、R3は、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であるが、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは炭素原子数1〜2の1価炭化水素基である。R3で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のようなアルキル基;フェニル基のようなアリール基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基、特に好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
上記一般式(I)で示される4官能性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;及びテトラフェノキシシランが挙げられ、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン、特に好ましくは、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが挙げられる。また、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物の部分加水分解縮合生成物としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート等のアルキルシリケートが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物と、この部分加水分解縮合生成物と、水とを溶解するものであれば特に制限されず、例えば、アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、アルコール類、セロソルブ類であり、特に好ましくはアルコール類が挙げられる。該アルコール類としては、一般式(V):
5OH (V)
(式中、R5は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)で示されるアルコールが挙げられる。
上記一般式(V)中、R5は、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R5で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基、より好ましくはメチル基及びエチル基が挙げられる。一般式(V)で示されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノール、エタノールが挙げられる。アルコールの炭素原子数が増えると、生成する球状シリカ微粒子の粒子径が大きくなる。従って、目的とする小粒径のシリカ微粒子を得るためには、メタノールが好ましい。
また、上記塩基性物質としてはアンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミン等、好ましくは、アンモニア、ジエチルアミン、特に好ましくはアンモニアが挙げられる。これらの塩基性物質は、所要量を水に溶解した後、得られた水溶液(塩基性)を前記親水性有機溶媒と混合すればよい。
該塩基性物質の使用量は、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.01〜2モルであることが好ましく、0.02〜0.5モルであることがより好ましく、0.04〜0.12モルであることが特に好ましい。このとき、塩基性物質の量が少ないほど所望の小粒径シリカ微粒子となる。
上記加水分解及び縮合で使用される水の量は、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.5〜5モルであることが好ましく、0.6〜2モルであることがより好ましく、0.7〜1モルであることが特に好ましい。水に対する上記親水性有機溶媒の比率(親水性有機溶媒/水)は、質量比で0.5〜10であることが好ましく、3〜9であることがより好ましく、5〜8であることが特に好ましい。親水性有機溶媒の量が多いほど所望の小粒径のシリカ微粒子が得られる。
一般式(I)で示される4官能性シラン化合物等の加水分解および縮合は、周知の方法、即ち、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水との混合物中に、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物等を添加することにより行われる。
この工程(A1)で得られる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液中のシリカ微粒子の濃度は一般に、3〜15質量%であり、好ましくは5〜10質量%である。
・工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(A2)は、工程(A1)で得られた親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程であり、具体的には、次のようにすることが好ましい。

工程(A1)において得られた親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、各R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される3官能性シラン化合物、またはその部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を添加して、該親水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通り)を導入して、第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る。
本工程(A2)は、次の工程である濃縮工程においてシリカ微粒子の凝集を抑制するために不可欠である。凝集を抑制できないと、得られるシリカ微粒子の個々の粒子は一次粒子径を維持できないため、流動性付与能が悪くなる。
上記一般式(II)中、R1は、置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であるが、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは炭素原子数1〜2の1価炭化水素基である。R1で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基、特に好ましくは、メチル基又はエチル基が挙げられる。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されていてもよい。
上記一般式(II)中、R4は、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であるが、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは炭素原子数1〜2の1価炭化水素基である。R4で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基又はプロピル基、特に好ましくは、メチル基又はエチル基が挙げられる。
一般式(II)で示される3官能性シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等の非置換若しくはハロゲン置換のトリアルコキシシラン等、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びエチルトリエトキシシラン、より好ましくは、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン、または、これらの部分加水分解縮合生成物が挙げられる。
一般式(II)で示される3官能性シラン化合物の添加量は、使用された親水性球状シリカ微粒子のSi原子1モル当り0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モル、特に好ましくは0.01〜0.05モルである。添加量が0.001モルより少ないと、得られる疎水性球状シリカ微粒子の分散性が悪くなるため、炭素繊維への流動性化付与効果が現れず、1モルより多いとシリカ微粒子の凝集が生じ得る。
ここで得られる第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液中の該シリカ微粒子の濃度は通常3質量%以上15質量%未満が好ましく、特に5〜10質量%が好ましい。かかる濃度が低すぎると生産性が低下してしまうという不都合があり、高すぎるとシリカ微粒子の凝集が生じてしまうおそれがある。
・濃縮工程
このようにして得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し、濃縮することにより、第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得てもよい。この際、疎水性有機溶媒をあらかじめ(濃縮工程前)、或いは濃縮工程中に加えてもよい。この際、使用する疎水性溶媒としては、炭化水素系又はケトン系溶媒が好ましい。具体的には該溶媒として、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、メチルイソブチルケトンが好ましい。前記親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去などが挙げられる。得られる濃縮分散液はシリカ微粒子濃度が15〜40質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることがより好ましく、25〜30質量%であることが特に好ましい。シリカ微粒子濃度が15質量%より低いと後工程の表面処理が円滑に進まないことがあり、40質量%より高いとシリカ微粒子の凝集が生じてしまうことがある。
濃縮工程は、次の工程(A3)において表面処理剤として使用される一般式(III)で表されるシラザン化合物および一般式(IV)で表される一官能性シラン化合物がアルコールや水と反応して表面処理が不十分となり、その後に乾燥を行った時に凝集を生じ、得られるシリカ粉体は一次粒子径を維持できず、流動性付与能が悪くなる、といった不具合を抑制するという意義もある。
・工程(A3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(A3)は(A2)工程で得られた球状シリカ微粒子の表面に、R2 3SiO1/2単位(式中、各R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程であり、具体的には、次のようにすることが好ましい。

工程(A2)で得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、
一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、
一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基または加水分解性基である)で示される1官能性シラン化合物
またはこれらの混合物を添加し、これにより前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面を処理し、該微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義の通り)を導入することにより、第二の疎水性球状シリカ微粒子を得る。この工程の処理により、第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面に残存するシラノール基をトリオルガノシリル化する形でR2 3SiO1/2単位が該表面に導入される。
上記一般式(III)および(IV)中、R2は炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは炭素原子数1〜2の1価炭化水素基である。R2で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基又はプロピル基、特に好ましくは、メチル基又はエチル基が挙げられる。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子、で置換されていてもよい。
上記一般式(IV)中、Xで表される加水分解性基としては、例えば、塩素原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルオキシ基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基又はアミノ基、特に好ましくはアルコキシ基が挙げられる。
一般式(III)で示されるシラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等、好ましくはヘキサメチルジシラザンが挙げられる。一般式(IV)で示される1官能性シラン化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン;トリメチルアセトキシシラン等のモノアシルオキシシランが挙げられ、好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン又はトリメチルシリルジエチルアミン、特に好ましくは、トリメチルシラノール又はトリメチルメトキシシランが挙げられる。
前記シラザン化合物又は/及び官能性シラン化合物の使用量は、使用した親水性球状シリカ微粒子のSi原子1モルに対して0.1〜0.5モル、好ましくは0.2〜0.4モル、特に好ましくは0.25〜0.35モルである。使用量が0.1モルより少ないと、得られる疎水性球状シリカ微粒子の分散性が悪くなるため、炭素繊維への流動性付与効果が現れないことがある。使用量が0.5モルより多いと、経済的に不利である。
上記第二の疎水性球状シリカ微粒子は、常圧乾燥、減圧乾燥等の常法によって粉体として得られ、本発明に使用する疎水性球状シリカ微粒子とすることができる。
<改質炭素繊維>(工程B)
本発明の改質炭素繊維は、炭素繊維と前記疎水性球状シリカ微粒子を混合し、炭素繊維の繊維表面及び繊維と繊維間に該疎水性球状シリカ微粒子を介在させて付着させたものである。疎水性シリカ球状微粒子の使用量は、該炭素繊維の質量の0.01〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15.0質量%、特に0.5〜10.0質量%である。この量が0.01質量%より少ないと、該炭素繊維の流動性、分散性が変化しない場合があり、好ましくない。またこの添加量が20.0質量%を超えると、コスト的に好ましくない場合がある。該改質炭素繊維は、通常は炭素繊維と該疎水性球状シリカ微粒子とから成るが、任意に着色剤、導電性付与剤、カップリング剤等の添加剤を含んでもよい。
炭素繊維と前記の疎水性球状シリカ微粒子を混合するには公知の方法によればよく、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、リボンブレンダー、らいかい機、ニーダーミキサー、バタフライミキサー、通常のプロペラ攪拌子による混合機や振とう機を用いて、各成分の所定量を均一に混合すればよい。
このような混合方法により、簡単に、炭素繊維に疎水性球状シリカ微粒子が入り込み、該繊維の絡まりを解いたり、炭素繊維表面上に疎水性球状シリカ微粒子をうまく付着させたりすることが可能となる。本発明の製造方法において、該疎水性球状シリカ微粒子表面が上記一般式(III)及び/又は(IV)で示される化合物により高度にトリアルキルシリル基で疎水化されていることで、疎水性球状シリカ微粒子同士は微弱な静電力で反発しながら炭素繊維表面に付着する。それにより疎水性球状シリカ微粒子同士が凝集することなく炭素繊維表面に広がりながら付着すると推定される。
<改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物>(工程C)
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12、ナイロン6,T、ナイロン9,T、芳香族ナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アイオノマー樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチレンアクリル酸エチル共重合体、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリスチレン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・EPDM・スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、メタクリル樹脂、エチレン・メチルメタクリレートコポリマー樹脂、エチレン・エチルアクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂、4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、生分解樹脂、バイオマス樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂の2種以上を共重合又は混合したものであってもよい。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリフェニレンスルフィド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好ましい。
本発明の製造方法により得られる改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて適当な添加剤、例えば、耐酸化安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明における改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造は特に限定されるものではない。例えば、上記熱可塑性樹脂と、上記改質炭素繊維と、更に必要に応じて各種添加剤や着色剤等とを加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合し、ニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライター、バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等で混合及び溶融混練分散すれば、ペレット状、粉体状、顆粒状あるいはビーズ状等の形状の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、改質炭素繊維を比較的高濃度に含有させ、成形時に被成形樹脂(ベース樹脂)で希釈されるマスターバッチであってもよいし、改質炭素繊維の濃度が比較的低く、被成形樹脂を希釈せずにほぼそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであってもよい。
該改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物中の該改質炭素繊維の添加量は、樹脂中における該改質炭素繊維の流動性及び得られる樹脂組成物の機械的強度の点から、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5〜40質量部であり、好ましくは2.0〜30質量部である。
本発明の製造方法により得られる改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、押出成形、射出成形、ブロー成形などの加熱成形方法により成形品を得ることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例は、本発明を何ら制限するものではない。
[疎水性球状シリカ微粒子の合成]
<合成例1>
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール989.5gと、水135.5gと、28%アンモニア水66.5gとを入れて混合した。この溶液を38℃となるように調製し、攪拌しながらテトラメトキシシラン436.5g(2.87モル)を6時間かけて滴下した。この滴下が終了した後も、さらに0.5時間攪拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。
・工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
上記で得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン4.4g(0.03モル)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間攪拌を継続し、シリカ微粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性球状シリカ微粒子の分散液を得た。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前工程で得られた分散液を60〜70℃に加熱してメタノールと水の混合物1021gを留去し、疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得た。このとき、濃縮分散液中の疎水性球状シリカ微粒子の含有量は28質量%であった。
・工程(A3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
前工程で得られた濃縮分散液に、室温において、ヘキサメチルジシラザン138.4g(0.86モル)を添加した後、この分散液を50〜60℃に加熱し、9時間反応させることにより、該分散液中のシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。次いで、この分散液中の溶媒を130℃、減圧下(6650Pa)で留去することにより、疎水性球状シリカ微粒子(1)185gを得た。
工程(A1)で得られた親水性球状シリカ微粒子について、下記の測定方法1に従って測定を行った。また、上記の工程(A1)〜(A3)の各段階を経て得られた疎水性球状シリカ微粒子について、下記の測定方法1〜4に従って測定を行った。得られた結果を表1に示す。
[測定方法1〜4]
1.工程(A1)で得られた親水性球状シリカ微粒子の粒子径測定
メタノールにシリカ微粒子懸濁液を、シリカ微粒子が0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(マイクロトラックベル会社製、商品名:NanotracWaveII−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
2.工程(A3)において得られた疎水性球状シリカ微粒子の粒子径測定及び粒度分布D90/D10の測定
メタノールにシリカ微粒子を、0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(マイクロトラックベル会社製、商品名:NanotracWaveII−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。粒度分布D90/D10の測定は、上記粒子径測定した際の分布において小さい側から累積が10%となる粒子径をD10、小さい側から累積が90%となる粒子径をD90とし測定された値からD90/D10を計算した。
3.疎水性球状シリカ微粒子の形状測定
電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S−4700型、倍率:10万倍)によって観察を行い、形状を確認した。「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。なおこのような粒子の形状は、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、円形度が0.8〜1の範囲にあるものとする。ここで円形度とは、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。
4.疎水性球状シリカ微粒子の疎水化度測定
疎水化度の測定は、メタノール滴定試験により行った。具体的には、水50ml中に添加されたシリカ微粒子0.2gの全量が湿潤されるまで、シリカ微粒子混合液を攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下して滴定し、その終点でのメタノールと水との混合物中におけるメタノールの体積百分率により表される値を疎水化度とした。
<合成例2>
合成例1において、工程(A1)でメタノール、水、及び28%アンモニア水の量を、メタノール1045.7g、水112.6g、28%アンモニア水33.2gに、また反応温度を35℃に変えたこと以外は同様にして、疎水性球状シリカ微粒子(2)185gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子を用いて合成例1における測定と同様に測定した。この結果を表1に示す。
<合成例3>
・工程(A1):
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7g、水41.4g、28%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この溶液を35℃に調製し、撹拌しながら該溶液にテトラメトキシシラン1163.7gおよび5.4%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、そして後者は4時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間撹拌を続けて加水分解を行い、シリカ微粒子の懸濁液を得た。
・工程(A2):
こうして得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.01相当量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌して、シリカ微粒子表面の処理を行った。
該ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、上記の表面処理を施したシリカ微粒子を含む分散液にメチルイソブチルケトン1440gを添加した後、80〜110℃に加熱して、メタノール水を7時間かけて留去した。
・工程(A3):
こうして得られた分散液に、室温でヘキサメチルジシラザン357.6gを添加し、120℃に加熱し、3時間反応させて、シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して疎水性球状シリカ微粒子(3)473gを得た。
こうして得られたシリカ微粒子(3)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
<合成例4>
シリカ微粒子の合成の際に、テトラメトキシシランの加水分解温度を35℃の代りに20℃とした以外は、合成例3と同様にして各工程を行ったところ、疎水性球状シリカ微粒子(4)464gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子(4)を用いて合成例1と同様の測定を行った。この結果を表1に示す。
<比較合成例1>
攪拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、ヘキサメチルジシラザン2gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料および生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(5)100gを得た。
得られたシリカ微粒子(5)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
<比較合成例2>
攪拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、メチルトリメトキシシラン1gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。次にヘキサメチルジシラザン2gを攪拌下で添加し、密閉後、さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料および生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(6)101gを得た。得られたシリカ微粒子(6)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021195396
<注>
1)工程(A1)で得られた分散液の親水性球状シリカ微粒子の粒子径
2)最終的に得られた疎水性球状シリカ微粒子の粒子径
[改質炭素繊維の製造]
<製造例1〜5、比較製造例1〜5>
上記の各疎水性球状シリカ微粒子(1)〜(6)及び裁断した炭素繊維束(東レ株式会社製 トレカT−700SC−12000、繊度tex:800g/1,000m、引張強度:4,900MPa、引張弾性率:230GPa)を、表2に示す量でポリ容器に添加し、TAITEC社製ストロングシェイカーSR−2DS振とう機により振とうスピード250r/minで10分撹拌混合を行った。その後50℃で30分加熱、更に150℃、50kN、3分プレスして、改質炭素繊維を得た。
<製造例6〜10、比較製造例6〜10>
上記製造例1〜5、比較製造例1〜5において、炭素繊維束として下記のサイジング剤を除去した炭素繊維束を用いた以外は同様に改質炭素繊維の製造を行った。添加した各疎水性球状シリカ微粒子および炭素繊維の量を表3に示す。
[サイジング剤を除去した炭素繊維束の準備]
温度計を備えた2リットルのガラス製反応器に炭素繊維束トレカT−700SC−12000を96質量部とメチルエチルケトン500質量部を加え、加熱還流状態で1時間処理後、デカンテーション、更に冷メチルエチルケトンで洗浄して、加熱減圧乾燥させることにより、サイジング剤を除去した炭素繊維束を得た。
Figure 2021195396
Figure 2021195396
上記製造例2で得られた改質炭素繊維束を液体窒素で冷却したものについて、電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S−4700型)を用いて表面の観察を行った結果を図1に示す。炭素繊維表面に均一に疎水性球状シリカ微粒子が存在していることがわかった。
[改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造]
<実施例1>
ポリプロピレン(PP)樹脂(サンアロマー株式会社 PY−6)を約100μm厚にシート化し、図2に示すようにして、製造例1で得られた改質炭素繊維を挟んだ。このときの量比は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対し、改質炭素繊維が10質量部になるようにした。180℃で2分予熱後、更に180℃、40kNで、3分プレス成型した。この成形シートを図3のようにカットして、フラグメンテーション試験片を作製し、オートグラフで強度を測定した。測定結果に基づいて繊維の臨界破断長および界面せん断強度を図4に従って計算した結果を表4に示す。
<実施例2〜10、比較例1〜10>
実施例1において、製造例1で得られた改質炭素繊維を製造例2〜10、比較製造例1〜10で得られたものにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にフラグメンテーション試験片を作製し、測定を行った結果を表4に示す。
<実施例11>
ナイロン6(PA6)樹脂(東レ株式会社製 アミランCM−1006)を約100μm厚にシート化し、図2に示すようにして、製造例1で得られた改質炭素繊維を挟み、240℃で2分予熱後、更に240℃、40kNで、3分プレス成型した。このシートを図3のようにカットして、フラグメンテーション試験片を作製し、オートグラフで強度を測定した。測定結果に基づいて繊維の臨界破断長および界面せん断強度を図4に従って計算した結果を表5に示す。
<実施例12〜20、比較例11〜20>
実施例11において、製造例1で得られた改質炭素繊維を製造例2〜10、比較製造例1〜10で得られたものにそれぞれ変更した以外は実施例11と同様にフラグメンテーション試験片を作製し、測定を行った結果を表5に示す。
Figure 2021195396
Figure 2021195396
表4及び表5に示されるように、実施例1〜10及び実施例11〜20の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物は、比較例1〜10及び比較例11〜20のものに比べて界面せん断強度に優れる結果となり、改質炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面接着性に優れることが示された。
<実施例21〜24、比較例21〜22>
表6に示す配合割合にて、二軸押し出し機(L/D=45、スクリュー径20mm、同方向回転、射出部温度220℃、混合温度250℃、回転数150rpm)を用いて、各成分を混合、溶解、分散して混練ストランドを作製した。このストランドはペレタイザーにて、ペレット状に加工し、射出成型機(射出時間2秒、背圧5MPa、保圧力20MPa、保圧時間10秒、シリンダー温度250℃、金型温度60℃)にて、ISO型ダンベルを成形し、該ダンベルの曲げ強度、伸び、IZOD衝撃強度を測定した結果を表7に示す。
Figure 2021195396
熱可塑性樹脂:東レ株式会社製 アミランCM−1006
炭素繊維A:東レ株式会社製 トレカT008−006(サイジング剤含有、繊維長6mm)
炭素繊維B:SGLカーボン社製 SIGRAFIL C T50−4.4/255−UN(サイジング剤非含有、繊維長6mm)
Figure 2021195396
表7に示されるように、実施例21〜24の成形体は、比較例21及び22のものに比べて機械的強度に優れる結果となった。
1 成形シート
2 フラグメンテーション試験片
10 改質炭素繊維
20 熱可塑性樹脂シート

Claims (5)

  1. (A1)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物またはこれらの混合物を、加水分解および縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子を得る工程と、
    (A2)該親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、
    (A3)(A2)工程で得られた球状シリカ微粒子の表面に、R2 3SiO1/2単位(式中、各R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程と
    を含む方法により、粒子径が0.005〜0.3μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、平均円形度が0.8〜1かつ疎水化度が50以上である疎水性球状シリカ微粒子を製造する工程A、
    該疎水性球状シリカ微粒子を長さ0.3〜10mmの炭素繊維に、該炭素繊維の質量に対して少なくとも0.01質量%の量で添加し、混合することで改質炭素繊維を製造する工程B、及び
    該改質炭素繊維を熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5〜40質量部添加し、混合する工程C
    を有する改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記疎水性球状シリカ微粒子の製造方法が、
    (A1)一般式(I):
    Si(OR34 (I)
    (式中、各R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物またはこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
    (A2)得られた該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
    1Si(OR43 (II)
    (式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、各R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、またはこれらの混合物を添加して、該親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、該親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
    (A3)得られた該第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、
    一般式(III):
    2 3SiNHSiR2 3 (III)
    (式中、各R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)
    で示されるシラザン化合物、
    一般式(IV):
    2 3SiX (IV)
    (式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基または加水分解性基である)で示される1官能性シラン化合物、
    またはこれらの混合物を添加して、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理して、該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義した通りである)を導入することにより第二の疎水性球状シリカ微粒子を得る方法である、
    請求項1に記載の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 疎水性球状シリカ微粒子を炭素繊維に対して0.01〜20.0質量%の範囲で添加し混合する、請求項1又は2に記載の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリフェニレンスルフィド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物を得、得られた改質炭素繊維含有熱可塑性樹脂組成物を加熱成形することを特徴とする成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116514620A (zh) * 2023-04-27 2023-08-01 山东工业陶瓷研究设计院有限公司 一种基于碳纤维陶瓷化的烟幕干扰材料及其制备方法

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