JP2021195384A - 接着剤組成物、光学部品、電子部品、及び、電子モジュール - Google Patents

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晋治 河田
Shinji Kawada
秀幸 林
Hideyuki Hayashi
奈未 中島
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Abstract

【課題】光熱硬化時の接着性、深部硬化性、及び、光硬化時の仮固定性に優れる接着剤組成物を提供する。また、該接着剤組成物を用いてなる光学部品、電子部品、及び、電子モジュールを提供する。【解決手段】重合性化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する接着剤組成物であって、厚さ800μmの前記接着剤組成物に200mJ/cm2以上の紫外線を照射した後、80℃以上で30分以上加熱することにより得られる硬化物Aについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られる1Hのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、緩和時間の短い順にハードセグメント(S成分)、中間セグメント(M成分)、ソフトセグメント(L成分)の3成分に由来する3つの曲線に波形分離したとき、前記S成分の緩和時間が0.015ms以下であり、かつ、前記M成分の成分比が16%以上、及び、L成分の成分比が50%以下である接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光熱硬化時の接着性、深部硬化性、及び、光硬化時の仮固定性に優れる接着剤組成物に関する。また、本発明は、該接着剤組成物を用いてなる光学部品、電子部品、及び、電子モジュールに関する。
CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)等を撮像素子としたカメラモジュール等における可動部品の固定には、光照射及び/又は加熱により硬化する接着剤組成物が用いられている。
このような接着剤組成物として、例えば、特許文献1には、特定のシリコーン系化合物を組み合わせたシリコーン組成物が開示されており、特許文献2には、アミノグリシジルエーテル、アルケニル基を有するフェノール系硬化剤及びトリアジン骨格を有するチオール化合物を組み合わせた液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。しかしながら、従来の接着剤組成物は、衝撃や振動等により剥離したり、可動部品の位置ずれを生じさせたりすることがあるという問題があった。特に、ラジカル重合性化合物を用いた接着剤組成物では、硬化収縮により被着体の反りや接着部分の剥離が生じやすかったり、可動部品の位置ずれを生じやすかったり、保存安定性に劣ったりするという問題があった。
特開2011−057755号公報 特開2014−031461号公報
本発明は、光熱硬化時の接着性、深部硬化性、及び、光硬化時の仮固定性に優れる接着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該接着剤組成物を用いてなる光学部品、電子部品、及び、電子モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する接着剤組成物であって、厚さ800μmの上記接着剤組成物に200mJ/cm以上の紫外線を照射した後、80℃以上で30分以上加熱することにより得られる硬化物Aについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られるHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、緩和時間の短い順にハードセグメント(S成分)、中間セグメント(M成分)、ソフトセグメント(L成分)の3成分に由来する3つの曲線に波形分離したとき、上記S成分の緩和時間が0.015ms以下であり、かつ、上記M成分の成分比が16%以上、及び、L成分の成分比が50%以下である接着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、接着剤組成物の硬化物について、パルスNMRを用いて特定の方法で得られるHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を緩和時間の短い順に3成分に波形分離した際に、硬い成分(S成分)と中間成分(M成分)と柔らかい成分(L成分)とがそれぞれ特定の条件を満たすものとなるように接着剤組成物を調製することを検討した。その結果、光熱硬化時の接着性、深部硬化性、及び、光硬化時の仮固定性に優れる接着剤組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の接着剤組成物は、厚さ800μmの上記接着剤組成物に200mJ/cm以上の紫外線を照射した後、80℃以上で30分以上加熱することにより得られる硬化物Aについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られるHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、緩和時間の短い順にハードセグメント(S成分)、中間セグメント(M成分)、ソフトセグメント(L成分)の3成分に由来する3つの曲線に波形分離したとき、上記S成分の緩和時間が0.015ms以下である。上記硬化物AにおけるS成分の緩和時間が0.015ms以下であることにより、本発明の接着剤組成物は、光熱硬化時の接着力に優れるものとなる。上記硬化物AにおけるS成分の緩和時間の好ましい上限は0.012ms、より好ましい上限は0.011msである。
上記硬化物AにおけるS成分の緩和時間の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は0.009msである。
なお、上記パルスNMRを用いたSolid Echo法による測定は、例えば以下のように行うことができる。
上記硬化物A又は後述する硬化物Bを直径10mmのガラス製のサンプル管(BRUKER製、品番1824511、10mm径、長さ180mm、フラットボトム)に500mg導入する。次いで、サンプル管をパルスNMR装置(BRUKER製「the minispec mq20」)に設置し、30℃で10分間保持した後、30℃でSolid Echo法を行い、得られたHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、S成分、M成分、L成分の3成分に由来する3つの曲線に波形分離する。波形分離は、ガウシアン型とエクスポーネンシャル型の両方を用いて、フィッティングさせることで行う。なお、BRUKER社製の解析ソフトウェア「TD−NMRA(Version 4.3 Rev 0.8)」を用い製品マニュアルに従って、S成分はガウシアン型、M成分及びL成分はエクスポーネンシャル型でフィッティングを行う。解析には緩和曲線の0.5msecまでのポイントを用いてフィッティングを行う。
フィッティングには以下の式を用いる。
Y=A1×exp(−1÷w1×(t÷T2A)w1)+B1×exp(−1÷w2×(t÷T2B)w2)+C1×exp(−1÷w3×(t÷T2C)w3
ここで、w1〜w3はワイブル係数であり、w1は2、w2及びw3は1の値を取る。A1はS成分の、B1はM成分の、C1はL成分のそれぞれ成分比であり、T2AはS成分の、T2BはM成分の、T2CはL成分のそれぞれ緩和時間を示す。tは時間である。
更に、Solid Echo法では下記の設定を行う。
Scans:128times(硬化物A又はBの量に応じ、フィッティング可能な緩和曲線を得られる積算回数を設定する)
Recycle Deray:1sec(又はT1の5倍値)
Acquisition scale:1ms
上記硬化物Aは、PETフィルムに接着剤組成物を厚さが800μmとなるように塗布した後、別のPETフィルムを重ね、得られた積層体に200mJ/cm以上の紫外線を照射した後、80℃以上で30分以上加熱することにより得ることができる。紫外線量の好ましい下限は800mJ/cmである。紫外線量の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は10万mJ/cmである。
一般的にパルスNMRにより測定すると、Hのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線が得られる。得られた自由誘導減衰曲線は、緩和時間の短い順にS成分、M成分、L成分の3成分に由来する3つの曲線に波形分離することができる。即ち、実測された自由誘導減衰曲線は、S成分、M成分、L成分の3成分に由来する自由誘導減衰曲線を重畳したものである。このようなパルスNMRを用いて3成分に分離して解析する手法は、公知であり、当該手法が記載された文献の例としては、特開2018−2983号公報等が挙げられる。
S成分は、パルスNMR測定における緩和時間の短い成分であり、分子運動性が低く、硬い成分を意味する。一方、L成分は、パルスNMR測定における緩和時間の長い成分であり、分子運動性が高く、柔らかい成分を意味する。M成分は、S成分とL成分の間のパルスNMR測定における緩和時間を有し、そのため分子運動性もS成分及びL成分の間となる。
本発明の接着剤組成物は、上記硬化物AにおけるM成分の緩和時間の好ましい下限が0.018ms、好ましい上限が0.050msである。上記硬化物AにおけるM成分の緩和時間がこの範囲であることにより、程よい柔軟性となることで硬化物が容易に割れないものとなる。上記硬化物AにおけるM成分の緩和時間のより好ましい下限は0.020ms、より好ましい上限は0.048msである。
本発明の接着剤組成物は、上記硬化物AにおけるM成分の成分比が16%以上である。上記硬化物AにおけるM成分の成分比が16%以上であることにより、本発明の接着剤組成物は、ある一定量の柔軟成分があることで強固な接着力とすることができる。上記硬化物AにおけるM成分の成分比の好ましい下限は17%であり、より好ましい下限は18%である。
上記硬化物AにおけるM成分の成分比の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は40%である。
本発明の接着剤組成物は、上記硬化物AにおけるL成分の成分比が50%以下である。上記硬化物AにおけるL成分の成分比が50%以下であることにより、本発明の接着剤組成物の硬化物は深部硬化性を高くすることができ、被着体を強固に保持することができる。
上記硬化物AにおけるL成分の成分比の好ましい上限は46%であり、より好ましい上限は43%である。
上記硬化物AにおけるL成分の成分比の実質的な下限は0.3%であり、好ましい下限は1%である。
本発明の接着剤組成物は、上記硬化物Aにおける上記S成分の成分比の好ましい下限が25%、好ましい上限が82%である。上記硬化物Aにおける上記S成分の成分比が25%以上であることにより、本発明の接着剤組成物は、被着体を強固に固定するための接着力を適切に調整できる。上記硬化物Aにおける上記S成分の成分比が82%以下であることにより、本発明の接着剤組成物は、硬化物が容易に割れなくできる柔軟性を適切に調整できる。上記硬化物Aにおける上記S成分の成分比のより好ましい下限は30%、より好ましい上限は80%である。
本発明の接着剤組成物は、厚さ800μmの上記接着剤組成物に1000mJ/cmの紫外線を照射することにより得られる硬化物Bについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られるHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線における上記S成分の成分比の好ましい下限が7%、好ましい上限が43%である。上記硬化物BにおけるS成分の成分比が7%以上であることにより、得られる硬化物の被着体への保持力を充分なものとすることができる。上記硬化物BにおけるS成分の成分比が43%以下であることにより、本発明の接着剤組成物は、仮固定後の被着体を位置補正するために必要な仮保持力により優れるものとなる。上記硬化物BにおけるS成分の成分比のより好ましい下限は10%、より好ましい上限は41%である。
上記硬化物Bは、PETフィルムに接着剤組成物を厚さが800μmとなるように塗布した後、別のPETフィルムを重ね、得られた積層体に1000mJ/cmの紫外線を照射することにより得ることができる。
上記硬化物AにおけるS成分及びM成分の緩和時間、上記硬化物AにおけるS成分、M成分、及び、L成分の成分比、並びに、上記硬化物BにおけるS成分の成分比は、接着剤組成物を構成する各成分の種類及び含有割合を調整することにより上述した範囲とすることができる。
本発明の接着剤組成物は、重合性化合物を含有する。
上記重合性化合物は、エポキシ基を有さないラジカル重合性化合物と、エポキシ基を有する化合物とを含むことが好ましい。
上記エポキシ基を有さないラジカル重合性化合物は、(メタ)アクリル化合物とビニル基を有する環状アミド化合物とを含むことが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
また、(メタ)アクリロイル基と環状構造とを有するアミド化合物については、上記ビニル基を有する環状アミド化合物ではなく、上記(メタ)アクリル化合物として扱う。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールアクリル酸多量体エステル、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(((ブチルアミノ)カルボニル)オキシ)エチル(メタ)アクリレート、(3−プロピルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−ブチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)エチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)プロピル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)ブチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)ペンチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)ヘキシル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールE型エポキシ(メタ)アクリレート、及び、これらのカプロラクトン変性体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記重合性化合物100重量部中における上記(メタ)アクリル化合物の含有量の好ましい下限は15重量部、好ましい上限は60重量部である。上記(メタ)アクリル化合物の含有量が15重量部以上であることにより、得られる接着剤組成物の紫外線による硬化が良好となり、仮固定性により優れるものとなる。上記(メタ)アクリル化合物の含有量が60重量部以下であることにより、得られる接着剤組成物の紫外線硬化後の硬さをある程度柔軟とすることができ、仮固定後の位置補正の容易性により優れるものとなる。上記(メタ)アクリル化合物の含有量のより好ましい下限は25重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記ビニル基を有する環状アミド化合物としては、例えば、下記式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2021195384
式(1)中、nは、2〜6の整数を表す。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等が挙げられる。なかでも、N−ビニル−ε−カプロラクタムが好ましい。
上記重合性化合物100重量部中における上記ビニル基を有する環状アミド化合物の含有量の好ましい下限は15重量部、好ましい上限は50重量部である。上記ビニル基を有する環状アミド化合物の含有量を上記の間とすることにより、得られる接着剤組成物が深部硬化性により優れるものとなる。上記ビニル基を有する環状アミド化合物の含有量のより好ましい下限は25重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記エポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノールO型エポキシ化合物、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、スルフィド型エポキシ化合物、ジフェニルエーテル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、アルキルポリオール型エポキシ化合物、ゴム変性型エポキシ化合物、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基とラジカル重合性基とを有する化合物を含むことが好ましい。
上記エポキシ基とラジカル重合性基とを有する化合物としては、例えば、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物」は、1分子中に2以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる、1分子中に1以上のエポキシ基と1以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を意味する。
上記グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物としては、例えば、部分(メタ)アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ化合物、部分(メタ)アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ化合物、部分(メタ)アクリル変性ビスフェノールE型エポキシ化合物等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物を位置合わせ工程が必要になる部位に用いる場合、本発明の接着剤組成物は、上記エポキシ基とラジカル重合性基とを有する化合物としてエポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有することが好ましい。上記「位置合わせ工程」としては、例えば、カメラモジュールにおいては、アクティブアライメント工程等が挙げられる。
上記重合性化合物100重量部中における上記エポキシ基を有する化合物の含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は50重量部である。上記エポキシ基を有する化合物の含有量が10重量部以上であることにより、得られる接着剤組成物が熱硬化後の接着力により優れるものとなる。上記エポキシ基を有する化合物の含有量が50重量部以下であることにより、得られる接着剤組成物が光硬化性を阻害することなく、熱硬化後の接着力により優れるものとなる。上記エポキシ基を有する化合物の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記重合性化合物100重量部中におけるラジカル重合性基を有する化合物の合計の含有量の好ましい下限は45重量部、好ましい上限は90重量部である。上記ラジカル重合性基を有する化合物の合計の含有量が45重量部以上であることにより、得られる接着剤組成物の紫外線による硬化が良好となり、仮固定性により優れるものとなる。上記ラジカル重合性基を有する化合物の合計の含有量が90重量部以下であることにより、得られる接着剤組成物の紫外線硬化後の硬さをある程度柔軟とすることができ、仮固定後の位置補正の容易性により優れるものとなる。上記ラジカル重合性基を有する化合物の合計の含有量のより好ましい下限は55重量部、より好ましい上限は70重量部である。
なお、本明細書において上記「ラジカル重合性基を有する化合物の合計の含有量」は、上記重合性化合物が、上記エポキシ基を有さないラジカル重合性化合物と、上記エポキシ基とラジカル重合性基とを有する化合物とを含む場合は、その合計の含有量を意味する。
本発明の接着剤組成物は、光重合開始剤を含有する。
上記光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤が好適に用いられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、オキシムエステル化合物、ベンゾインエーテル化合物、チオキサントン化合物等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、具体的には例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−(モルホリノ)フェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−((4−メチルフェニル)メチル)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量は、上記重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。上記光重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が優れた保存安定性を維持しつつ、光硬化性により優れるものとなる。上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は3重量部、更に好ましい下限は0.3重量部、更に好ましい上限は2.5重量部、特に好ましい下限は0.5重量部、特に好ましい上限は2重量部である。
本発明の接着剤組成物は、上記光重合開始剤に加えて、熱重合開始剤を含有してもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤が好適に用いられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等で構成されるものが挙げられる。なかでも、アゾ化合物で構成される開始剤(以下、「アゾ開始剤」ともいう)が好ましい。
上記アゾ化合物としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
上記アゾ化合物としては、具体的には例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記熱重合開始剤の含有量は、上記重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記熱重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が優れた保存安定性を維持しつつ、熱硬化性により優れるものとなる。上記熱重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は7重量部、更に好ましい下限は0.3重量部、更に好ましい上限は5重量部、特に好ましい下限は0.5重量部、特に好ましい上限は1重量部である。
本発明の接着剤組成物は、熱硬化剤を含有する。
上記熱硬化剤は、融点が100℃以下であることが好ましい。上記熱硬化剤の融点が100℃以下であることにより、本発明の接着剤組成物は、低温での加熱による硬化性により優れるものとなる。上記熱硬化剤の融点は、80℃以下であることがより好ましい。
上記熱硬化剤は、開始領域温度の最も低い値が80℃以下である熱硬化剤を含むことが好ましい。上記開始領域温度の最も低い値が80℃以下の熱硬化剤を用いることにより、本発明の接着剤組成物は、低温硬化性により優れるものとなる。上記熱硬化剤は、開始領域温度の最も低い値が79℃以下であることがより好ましく、78℃以下であることが更に好ましい。
また、保存安定性の観点から、上記熱硬化剤は、開始領域温度の最も低い値が70℃以上であることが好ましい。
なお、上記「開始領域温度の最も低い値」は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と上記熱硬化剤を5重量部とを混ぜ、5℃/分で昇温した時の反応開始温度として測定することができる。
上記熱硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤等が挙げられる。なかでも、上記開始領域温度の最も低い値が80℃以下のイミダゾール系硬化剤を含むことが好ましい。
上記イミダゾール系硬化剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
上記開始領域温度の最も低い値が80℃以下のイミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール(開始領域温度76℃〜92℃)、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(開始領域温度79℃〜106℃)等が挙げられる。
上記アミン系硬化剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4.0)−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3.0)−ノネン−5等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が7重量部である。上記熱硬化剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が優れた保存安定性を維持しつつ、熱硬化性により優れるものとなる。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は5重量部、更に好ましい下限は0.3重量部、更に好ましい上限は4重量部、特に好ましい下限は0.5重量部、特に好ましい上限は3重量部である。
本発明の接着剤組成物は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の更なる向上、線膨張率の改善等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、無機充填剤や有機充填剤を用いることができる。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
なかでも、上記充填剤は、表面がメチル処理されたシリカを含むことが好ましい。上記充填剤として上記表面がメチル処理されたシリカを用いることにより、得られる接着剤組成物が接着性に優れ、かつ、後述するチクソトロピックインデックスを容易に調整できるものとなる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記充填剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は70重量部である。上記充填剤の含有量がこの範囲であることにより、塗布性等の悪化を抑制しつつ、接着性の向上等の効果をより発揮することができる。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は5.0重量部、より好ましい上限は50重量部である。
また、上記充填剤の含有量は、上記重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記充填剤の含有量がこの範囲であることにより、塗布性等の悪化を抑制しつつ、接着性の向上等の効果をより発揮することができる。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は40重量部である。
本発明の接着剤組成物は、上記遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の接着剤組成物は、遮光接着剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記遮光剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記チタンブラックは、波長300nm以上800nm以下の光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370nm以上450nm以下の光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の接着剤組成物に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。上記遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、三菱マテリアル社製のチタンブラック、赤穂化成社製のチタンブラック等が挙げられる。
上記三菱マテリアル社製のチタンブラックとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、14M−C等が挙げられる。
上記赤穂化成社製のチタンブラックとしては、例えば、ティラックD等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m/g、好ましい上限は30m/gであり、より好ましい下限は15m/g、より好ましい上限は25m/gである。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記遮光剤の一次粒子径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は5000nmである。上記遮光剤の一次粒子径がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物を遮光性により優れるものとすることができる。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は0.2重量部、好ましい上限は5重量部である。上記遮光剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物の接着性、硬化後の強度、及び、描画性の悪化を抑制しつつ、遮光性を向上させる効果により優れるものとなる。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の接着剤組成物は、接着性を更に向上させること等を目的として、シランカップリング剤を含有してもよい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記シランカップリング剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5.0重量部である。上記シランカップリング剤の含有量がこの範囲であることにより、ブリードアウト等を抑制しつつ、接着性を向上させる効果をより発揮することができる。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は3.0重量部である。
本発明の接着剤組成物は、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の目的で粘度調整剤を含有してもよい。
上記粘度調整剤としては、例えば、ヒュームドシリカや層状ケイ酸塩等が挙げられる。
上記粘度調整剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記粘度調整剤の含有量の好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は20重量部である。上記粘度調整剤の含有量がこの範囲であることにより、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の効果により優れるものとなる。上記粘度調整剤の含有量のより好ましい下限は1.0重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の接着剤組成物は、導電性粒子を含有することが好ましい。上記導電性粒子を含有することにより、本発明の接着剤組成物は、導電ペースト等に好適に用いることができる。
上記導電性粒子としては、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記導電性粒子の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は20重量部である。上記導電性粒子の含有量がこの範囲であることにより、塗布性等の悪化を抑制しつつ、導電性の向上等の効果をより発揮することができる。上記導電性粒子の含有量のより好ましい下限は1.0重量部、より好ましい上限は15.0重量部である。
本発明の接着剤組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、更に、架橋剤、有機溶剤、可塑剤、分散剤、顔料等を含んでいてもよい。
上記架橋剤としては、例えば、ハロヒドリン化合物、ハロゲン化合物、イソシアネート化合物、ビスアクリルアミド化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ジカルボン酸化合物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
上記ハロヒドリン化合物としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。
上記ハロゲン化合物としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン等が挙げられる。
上記イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記ビスアクリルアミド化合物としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
上記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素等が挙げられる。
上記グアニジン化合物としては、例えば、グアニジン、ジグアニド等が挙げられる。
上記ジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、アジピン酸等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸エステル化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
上記アルデヒド化合物としては、例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。
これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。また、これらの架橋剤は、必要であれば、水やアルコールなどの有機溶媒に溶かして使用することもできる。
上記有機溶剤としては、例えば、ケトン類、アルコール類、芳香族炭化水素類、エステル類、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。
上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記エステル類としては、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は上記有機溶剤を含有しないことが好ましいが、上記有機溶剤を含有する場合、上記有機溶剤の含有量の好ましい上限は10.0重量%である。上記有機溶剤の含有量が10.0重量%以下であることにより、硬化阻害を起こし難くすることができる。
本発明の接着剤組成物を製造する方法としては、例えば、混合機を用いて、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤と、必要に応じて添加する充填剤等とを混合する方法等が挙げられる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物のチクソトロピックインデックスの好ましい下限は3.0、好ましい上限は7.0である。上記チクソトロピックインデックスがこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物を塗布した際に好適な塗布高さを確保することができ、可動部品の位置ずれを防止する効果により優れるものとなる。上記チクソトロピックインデックスのより好ましい下限は4.0、より好ましい上限は6.0である。
なお、本明細書において上記「チクソトロピックインデックス」は、E型粘度計を用いて25℃、0.5rpmの条件で測定した粘度を、25℃、5.0rpmの条件で測定した粘度で除した値を意味する。
本発明の接着剤組成物は、硬化収縮率が3%以下であることが好ましい。上記硬化収縮率が3%以下であることにより、本発明の接着剤組成物は、被着体の反りや接着部分の剥離を抑制する効果や可動部品の位置ずれを防止する効果により優れるものとなり、可動部品の固定に好適に用いられるものとなる。上記硬化収縮率は、2.7%以下であることがより好ましい。
また、上記硬化収縮率の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は1%である。
なお、本明細書において上記「硬化収縮率」は、硬化前の接着剤組成物の25℃における比重をG、接着剤組成物の硬化物の25℃における比重をGとしたとき、下記式により算出される値である。
硬化収縮率(%)=((G−G)/G)×100
また、上記比重の測定に用いる硬化物は、接着剤組成物に波長365nmの紫外線を1000mJ/cm照射した後、80℃で1時間加熱することにより得ることができる。
本発明の接着剤組成物は、可動部品の固定に好適に用いられ、可動部品の金属部の固定に用いられてもよいし、可動部品の非金属部の固定に用いられてもよい。
上記金属部を構成する金属としては、例えば、銅、ニッケル等が挙げられる。
上記非金属部を構成する非金属としては、例えば、ポリアミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリカーボネート、LCP(液晶ポリマー)、セラミックス等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、光照射により硬化させることができる。
上記光照射の方法は特に限定されず、例えば、メタルハライドランプやLED、高圧水銀灯、ケミカルランプ等の紫外線照射装置を用いて、光を照射する方法が挙げられる。
上記光照射における光照射量は、200mJ/cm以上とすることが好ましい。上記光照射量を200mJ/cm以上とすることにより、光照射によって本発明の接着剤組成物を充分に硬化させることができる。上記光照射量の上限は特に限定されないが好ましい上限は1万mJ/cmである。
上記光照射の照射照度は特に限定されないが、好ましい下限は10mW/cmであり、好ましい上限は2000mW/cmである。上記光照射の照射照度を10mW/cm以上とすることにより、紫外線をより深部まで届かせることができ、深部硬化性を良好とすることができる。また、上記光照射の照射照度を2000mW/cm以下とすることにより、光重合物の分子量を下げることなく硬化できることで、接着力をより向上させることができる。
本発明の接着剤組成物は、光照射により仮固定を行う位置合わせ工程が必要となる可動部品の固定に好適に用いることができる。
上記「位置合わせ工程」としては、例えば、カメラモジュールにおいては、アクティブアライメント工程等が挙げられる。
また、本発明の接着剤組成物の硬化物を有する光学部品、及び、本発明の接着剤組成物の硬化物を有する電子部品もまた、それぞれ本発明の1つである。
更に、本発明の光学部品又は本発明の電子部品を有する電子モジュールもまた、本発明の1つである。
本発明の電子モジュールとしては、カメラモジュールや表示モジュール等が挙げられる。なかでも、カメラモジュールが好適である。即ち、本発明の接着剤組成物は、カメラモジュール用接着剤として好適に用いられる。
上記カメラモジュールとしては、具体的には例えば、基板とCCDやCMOS等の撮像素子との間や、基板とカットフィルターとの間や、基板と筐体との間や、カットフィルターと筐体との間や、筐体とレンズユニットとの間等に本発明の接着剤組成物の硬化物を有するものが挙げられる。
本発明によれば、光熱硬化時の接着性、深部硬化性、及び、光硬化時の仮固定性に優れる接着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該接着剤組成物を用いてなる光学部品、電子部品、及び、電子モジュールを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1、2)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、混合機にて混合して実施例1〜7、比較例1、2の接着剤組成物を得た。混合機としては、ARE−310(シンキー社製)を用いた。
なお、表1、2中の各材料としては、以下のものを用いた。
2−(((ブチルアミノ)カルボニル)オキシ)エチル(メタ)アクリレート:H−ABEI(大阪有機化学工業社製)
2−フェノキシエチルアクリレート:ビスコート#192(大阪有機化学工業社製)
イソデシルアクリレート:IDAA(大阪有機化学工業社製)
(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート:OXE−10(大阪有機化学工業社製)
N−アクリロイルモルホリン:ACMO(KJケミカルズ社製)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート:IRR 214−K(ダイセル・オルネクス社製)
イソボルニルアクリレート:ライトアクリレート IB−XA(共栄社化学社製)
N−ビニル−ε−カプロラクタム:NVC(東京化成工業社製)
プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂:EP−4003S(ADEKA社製)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂:EXA−830CRP(DIC社製」)
部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂:UVACURE 1561(ダイセル・オルネクス社製)
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド:Omnirad 819(iGM resins社製)
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド:Omnirad TPO(iGM resins社製)
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:Omnirad 907(iGM resins社製)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:Omnirad 184(iGM resins社製)
2−(ジメチルアミノ)−2−((4−メチルフェニル)メチル)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン:Omnirad 379(iGM resins社製)
2−メチルイミダゾール:キュアゾール 2MZ−H(四国化成工業社製)
ポリアミン系硬化剤:アデカハードナー EH−5057PK(ADEKA社製)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:サイラエース S−510(チッソ社製)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:KBM−503(信越化学工業社製)
溶融シリカ:サンシール SSP−07M(トクヤマ社製)
ヒュームドシリカ1:AEROSIL RY200S(日本アエロジル社製)
ヒュームドシリカ2:AEROSIL RX200(日本アエロジル社製)
チタンブラック:13M−C(三菱マテリアル社製)
(パルスNMR測定)
PETフィルムに、実施例、比較例で得られた各接着剤組成物を、厚さが800μmとなるように塗布した後、別のPETフィルムを重ね、得られた積層体に1000mJ/cmの紫外線を照射した後、80℃以上で30分以上加熱することにより硬化物Aを得た。
また、PETフィルムに接着剤組成物を厚さが800μmとなるように塗布した後、別のPETフィルムを重ね、得られた積層体に1000mJ/cmの紫外線を照射することにより硬化物Bを得た。
得られた硬化物A、Bについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られたHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、緩和時間の短い順にハードセグメント(S成分)、中間セグメント(M成分)、ソフトセグメント(L成分)の3成分に由来する3つの曲線に波形分離した。
上記硬化物AにおけるS成分及びM成分の緩和時間、上記硬化物AにおけるS成分、M成分及びL成分の成分比、並びに、上記硬化物BにおけるS成分の成分比を導出した。結果を表1、2に示した。
上記パルスNMRを用いたSolid Echo法による測定は、以下の方法により行った。
上記硬化物A又は硬化物Bを直径10mmのガラス製のサンプル管(BRUKER製、品番1824511、10mm径、長さ180mm、フラットボトム)に500mg導入した。サンプル管をパルスNMR装置(BRUKER製「the minispec mq20」)に設置し、30℃で10分間保持した後、30℃でSolid Echo法を行い、得られたHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、S成分、M成分、L成分の3成分に由来する3つの曲線に波形分離した。波形分離は、ガウシアン型とエクスポーネンシャル型の両方を用いて、フィッティングさせることで行った。なお、BRUKER社製の解析ソフトウェア「TD−NMRA(Version 4.3 Rev 0.8)」を用い製品マニュアルに従って、S成分はガウシアン型、M成分及びL成分はエクスポーネンシャル型でフィッティングを行った。また、解析には緩和曲線の0.5msecまでのポイントを用いてフィッティングを行った。
また、フィッティングには以下の式を用いた。
Y=A1×exp(−1÷w1×(t÷T2A)w1)+B1×exp(−1÷w2×(t÷T2B)w2)+C1×exp(−1÷w3×(t÷T2C)w3
ここで、w1〜w3はワイブル係数であり、w1は2、w2及びw3は1の値を取る。A1はS成分の、B1はM成分の、C1はL成分のそれぞれ成分比であり、T2AはS成分の、T2BはM成分の、T2CはL成分のそれぞれ緩和時間を示す。tは時間である。
<Solid Echo法の設定条件>
Scans:128times
Recycle Deray:1sec(又はT1の5倍値)
Acquisition scale:1ms
<評価>
実施例、比較例で得られた各接着剤組成物について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(光熱硬化時の接着性)
基材として、長さ100mm、幅25mm、厚さ2.0mmの液晶ポリマー(日本テストパネル社製、「スミカスーパーLCP E4008」)に、実施例、比較例で得られた各接着剤組成物を塗布し、シリコンウェハー基板(長さ2mm、幅2mm、厚さ0.7mm)を重ねた。次いで、1000mJ/cmの紫外線(波長365nm)を照射して接着剤組成物を光硬化させた後、80℃で1時間加熱して試験片を得た。得られた試験片について、ダイシェアテスターを用いて、300μm/sの速度で25℃におけるダイシェア強度を測定した。ダイシェアテスターとしては、ボンドテスターDAGE4000(NORDSON DAGE社製)を用いた。
ダイシェア強度が65N以上であった場合を「◎」、60N以上65N未満であった場合を「○」、50N以上60N未満であった場合を「△」、50N未満であった場合を「×」として光熱硬化時の接着性を評価した。
(深部硬化性)
実施例、比較例で得られた各接着剤組成物を、直径3mmの穴を有する黒色のポリカーボネート製の容器に充填した後、穴の方向に1000mJ/cmの紫外線(波長365nm)を照射した。接着剤組成物の表面からの硬化深度を、ノギスを用いて測定した。
硬化深度が1.5mm以上であった場合を「◎」、600μm以上1.5mm未満であった場合を「○」、300μm以上600μm未満であった場合を「△」、300μm未満であった場合を「×」として、深部硬化性を評価した。
(光硬化時の仮固定性)
基材として、長さ100mm、幅25mm、厚さ2.0mmの液晶ポリマー(日本テストパネル社製、「スミカスーパーLCP E4008」)に、実施例、比較例で得られた各接着剤組成物を長さ10mm、幅1mmとなるように塗布し、SUS基板(長さ10mm、幅1.5mm、厚さ10mm)を重ねた。次いで、長手の一方面から1000mJ/cmの紫外線(波長365nm)を照射することにより接着剤組成物を硬化させ、試験片を得た。得られた試験片について、ダイシェアテスターを用いて、300μm/sの速度で25℃におけるダイシェア強度を測定した。ダイシェアテスターとしては、ボンドテスターDAGE4000(NORDSON DAGE社製)を用いた。
ダイシェア強度が2N以上5N未満であった場合を「◎」、0.8N以上2N未満であった場合を「○」、5N以上であった場合を「△」、0.8N未満であった場合を「×」として光硬化時の仮固定性を評価した。
Figure 2021195384
Figure 2021195384
本発明によれば、光熱硬化時の接着性、深部硬化性、及び、光硬化時の仮固定性に優れる接着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該接着剤組成物を用いてなる光学部品、電子部品、及び、電子モジュールを提供することができる。

Claims (11)

  1. 重合性化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する接着剤組成物であって、
    厚さ800μmの前記接着剤組成物に200mJ/cm以上の紫外線を照射した後、80℃以上で30分以上加熱することにより得られる硬化物Aについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られるHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、緩和時間の短い順にハードセグメント(S成分)、中間セグメント(M成分)、ソフトセグメント(L成分)の3成分に由来する3つの曲線に波形分離したとき、前記S成分の緩和時間が0.015ms以下であり、かつ、前記M成分の成分比が16%以上、及び、L成分の成分比が50%以下である
    ことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記硬化物Aにおける前記S成分の成分比が25%以上82%以下であり、かつ、厚さ800μmの前記接着剤組成物に1000mJ/cmの紫外線を照射することにより得られる硬化物Bについて、パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法により測定することによって得られるHのスピン−スピン緩和の自由誘導減衰曲線における前記S成分の成分比が7%以上43%以下である請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 前記重合性化合物は、エポキシ基を有さないラジカル重合性化合物と、エポキシ基を有する化合物とを含む請求項1又は2記載の接着剤組成物。
  4. 前記エポキシ基を有さないラジカル重合性化合物は、(メタ)アクリル化合物とビニル基を有する環状アミド化合物とを含む請求項3記載の接着剤組成物。
  5. 前記ビニル基を有する環状アミド化合物は、N−ビニル−ε−カプロラクタムである請求項4記載の接着剤組成物。
  6. 前記エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基とラジカル重合性基とを有する化合物を含む請求項3、4又は5記載の接着剤組成物。
  7. 前記重合性化合物100重量部中におけるラジカル重合性基を有する化合物の合計の含有量が45重量部以上90重量部以下である請求項3、4、5又は6記載の接着剤組成物。
  8. 可動部品の固定に用いられる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の接着剤組成物。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の接着剤組成物の硬化物を有する光学部品。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の接着剤組成物の硬化物を有する電子部品。
  11. 請求項9記載の光学部品又は請求項10記載の電子部品を有する電子モジュール。
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