JP2021194561A - 冷却装置およびそれを備えた処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で臭気を冷却する。【解決手段】冷却装置は、処理装置から排出される臭気が流入する流入口、および脱臭装置に臭気を流出する流出口を有する筐体と、筐体の外側に設けられて筐体を冷却する冷却部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば処理装置(例えば発酵処理機)から排出される臭気に含まれる臭い成分を除去する処理システムに用いられる冷却装置と、その冷却装置を備えた上記処理システムとに関する。
従来から、生ごみなどの被処理物を発酵槽内で発酵させて堆肥化する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。被処理物の発酵には、微生物(例えば好気性菌)が利用される。
特開2008−126161号公報
ところで、微生物による被処理物の分解および発酵を促進するため、発酵槽内の温度は比較的高温(例えば40℃以上)に管理される。
一方、発酵槽内では、被処理物の発酵の過程で臭気が発生する。上記臭気は脱臭装置に送られ、そこで臭い成分がほとんど除去された後、外部に排出される。脱臭装置での脱臭方法としては、活性炭で臭い成分を吸着して除去する吸着法が一般的に知られている。
ところが、活性炭の使用温度が40℃以上である場合、活性炭の臭い成分の吸着性能が低下することが知られている。また、活性炭は濡れ状態になると吸着性能の発揮が阻害されることも知られている。したがって、脱臭装置での活性炭による脱臭効果を確実に得るためには、脱臭装置に供給する臭気を冷却して、臭気の温度を下げるとともに、臭気に含まれる水蒸気を取り除くことが必要である。しかし、特許文献1では、臭気の冷却については一切検討されていない。
なお、臭気を冷却する構成が複雑であると、発酵処理機などの処理装置および脱臭装置を含む処理システム自体が大型化し、処理システムの構築を困難にするおそれがある。このため、簡単な構成で臭気の冷却を実現することが望まれる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で臭気を冷却することができる冷却装置と、その冷却装置を備えた処理システムとを提供することにある。
本発明の一側面に係る冷却装置は、処理装置から排出される臭気が流入する流入口、および脱臭装置に前記臭気を流出する流出口を有する筐体と、前記筐体の外側に設けられて前記筐体を冷却する冷却部と、を備える。
簡単な構成で臭気を冷却することができる。
本発明の実施の一形態に係る処理システムの概略の構成を模式的に示す説明図である。 上記処理システムに含まれる冷却装置の主要部の斜視図である。 図2の冷却装置を分解して示す斜視図である。 上記冷却装置の外観を示す正面図である 断熱材の一部を取り外した状態での上記冷却装置の正面図である。 上記冷却装置が有する冷却部を拡大して示す正面図である。 上記冷却部の冷却ユニットの側面図である。 断熱部材を省略した状態での上記冷却ユニットの側面図である。 断熱部材を省略した状態での上記冷却ユニットの背面図である。 上記冷却部の分解斜視図である。 上記冷却ユニットを固定板に取り付けた後の上記冷却部の斜視図である。 上記冷却装置の垂直断面図である。 仕切板が上記固定板に固定された状態を模式的に示す平面図である。 上記仕切板の側面図である。 上記固定板の背面図である。 上記仕切板を上記固定板のスリットに挿入する前の状態を模式的に示す断面図である。 上記仕切板を上記固定板のスリットに挿入した後の状態を模式的に示す断面図である。 上記冷却装置が有する筐体の水平断面図である。 上記仕切板に取り付けた偏向板を模式的に示す平面図である。 上記仕切板に対して図19とは異なる位置に取り付けた偏向板を模式的に示す平面図である。 図19および図20の偏向板を有する冷却装置の垂直断面図である。 上記冷却装置の制御に関係する構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.処理システム〕
図1は、本実施形態の処理システム1の概略の構成を模式的に示す説明図である。処理システム1は、処理装置2と、フィルタ装置3と、冷却装置4と、脱臭装置5と、を備える。なお、図1において、破線で示す矢印は、臭気などの気体が流れる順路を示す。
(1−1.処理装置)
処理装置2は、例えば被処理物Gを発酵させる発酵処理機2aで構成される。上記の被処理物Gとしては、例えば家庭または店舗で発生する生ごみを想定することができる。この場合、発酵処理機2aは生ごみ処理機を構成する。発酵処理機2aは、発酵槽21と、設備配置部22と、を備える。
設備配置部22には、発酵槽21内の回転軸211を回転させる動力源となるモータ221、モータ221の回転駆動力を回転軸211に伝達するための動力伝達部222(ギア、シャフトなどを含む)、酸素を含む気体を給気管212に供給するためのブロアー223、などが設けられる。
発酵槽21は、被処理物Gを内部で発酵させる。詳しくは、発酵槽21は、処理槽と本体カバーとの二重構造であり、被処理物Gは処理槽内に投入されて発酵される。上記の処理槽は、図示しないヒータによって加熱される。これにより、処理槽の内部は所定の温度範囲(例えば40℃以上)に維持される。その結果、処理槽内で、被処理物Gに含まれる
微生物(例えば好気性菌)による発酵が良好に行われる。
被処理物Gは、発酵槽21の例えば上部に設けられる蓋部21aを開くことによって発酵槽21(処理槽)内に投入される。被処理物Gの投入後は、蓋部21aを閉めて、発酵槽21内の回転軸211を回転させる。これにより、回転軸211の外周面に取り付けられた複数の撹拌爪211aが回転し、発酵槽21内の被処理物Gが撹拌される。そして、発酵槽21内での発酵および乾燥により、被処理物Gが堆肥化される。堆肥化された被処理物Gは、蓋部21aを再度開くことにより、発酵槽21から取り出される。
なお、蓋部21aの位置は、発酵槽21の上部には限定されず、例えば発酵槽21の側面であってもよい。また、各撹拌爪211aの形状および回転軸211に沿った方向の取付位置は、任意に設定可能である。
発酵槽21の内部には、給気管212により、酸素を含む気体が導入される。これにより、発酵槽21内での微生物による被処理物Gの発酵が促進される。
発酵槽21には、排気口213が設けられる。発酵槽21内での被処理物Gの発酵によって発生した発酵臭(臭気)は、排気口213を介してフィルタ装置3に向かって排出される。なお、臭気とは、臭い成分を含む気体を指す。上記臭気には、臭い成分とは別の成分(例えば水蒸気、窒素、酸素、二酸化炭素)が含まれ得る。また、発酵槽21から排出される上記臭気には、被処理物Gの撹拌によって生じる粉塵が含まれ得る。
(1−2.フィルタ装置)
フィルタ装置3は、フィルタ部31と、フィルタ部31を収容する収容部32と、を有する。収容部32の下部には、処理装置2(発酵処理機2a)の排気口213とつながる配管6aが接続される。フィルタ部31は、例えば円筒状であり、収容部32の内部上方に位置する。
発酵処理機2aから配管6aを介して収容部32内に臭気が流入すると、上記臭気に含まれる粉塵はフィルタ部31を通過することができず、フィルタ部31の外側面に滞留する。一方、粉塵以外の臭気は、フィルタ部31を径方向外側から内側に通過する。フィルタ部31を通過した臭気は、フィルタ部31の内側上方に位置する排出口33を介して、冷却装置4に向かって排出される。
本実施形態では、フィルタ装置3は、発酵処理機2aの外部に設けられているが、発酵処理機2aの内部に設けられてもよい。
(1−3.冷却装置)
冷却装置4は、処理装置2(発酵処理機2a)からフィルタ装置3を介して流入する臭気を冷却し、冷却した臭気を脱臭装置5bに向けて排出する。したがって、冷却装置4は、処理装置2から排出される臭気が流入する流入口4aと、脱臭装置5に臭気を流出する流出口4bと、を有する。流入口4aは、フィルタ装置3の排出口33と配管6bを介して接続される。流出口4bは、脱臭装置5と配管6cを介して接続される。
本実施形態では、冷却装置4は、発酵処理機2aの外部に設けられるが、フィルタ装置3とともに発酵処理機2aの内部に設けられてもよい。なお、冷却装置4の詳細については後述する。
(1−4.脱臭装置)
脱臭装置5は、冷却装置4から流出する臭気に含まれる臭い成分を除去する消臭装置で
ある。脱臭装置5は、本実施形態では、活性炭吸着塔5aで構成される。活性炭吸着塔5aは、臭気を吸着する活性炭を含む活性炭吸着部51を有する。
上記した冷却装置4および脱臭装置5は、例えば共通の取付台(パレット)7に取り付けられるが、これらは別々の取付台に取り付けられてもよい。
上記構成の処理システム1の動作は、以下の通りである。処理システム1の処理装置2(発酵処理機2a)は、被処理物Gを発酵させて堆肥化する。発酵処理機2aで発生した発酵臭などの臭気(例えば40℃以上)は、配管6aを介してフィルタ装置3に供給される。フィルタ装置3では、臭気に含まれる粉塵が内部のフィルタ31部によって除去される。粉塵が除去された臭気は、フィルタ装置3から配管6bを介して冷却装置4に送られる。上記臭気は、冷却装置4で冷却された後、配管6cを介して脱臭装置5に送られる。脱臭装置5では、臭気に含まれる臭い成分のほとんどが、活性炭吸着部51の活性炭に吸着されて除去される。臭い成分が除去された気体は、脱臭装置5から外部に排出される。
このように、本実施形態の処理システム1は、冷却装置4と、冷却装置4に臭気を排出する処理装置2と、冷却装置4から流出する臭気に含まれる臭い成分を、活性炭で吸着して除去する脱臭装置5と、を備える。
処理装置2から排出される臭気が冷却装置4で冷却されることにより、臭気の温度が低下するだけでなく、臭気に含まれる水蒸気が凝縮する。これにより、上記水蒸気を凝縮水として臭気から分離することができる。したがって、冷却装置4からは、活性炭の機能(臭い成分を吸着して除去する機能)の発揮に適した温度および湿度の臭気を脱臭装置5に供給することができる。よって、脱臭装置5では、活性炭に臭い成分の除去機能を確実に発揮させて、脱臭効果を確実に得ることができる。
また、本実施形態の処理システム1は、臭気に含まれる粉塵を除去するフィルタ装置3をさらに備える。そして、上記のフィルタ装置3は、処理装置2と冷却装置4との間に位置する。つまり、処理装置2から冷却装置4への臭気の流れ方向において、フィルタ装置3は、冷却装置4の上流側に位置する。
臭気に粉塵が含まれると、冷却装置4の内部で上記粉塵が腐食を発生させる要因となり得る。また、冷却装置4から脱臭装置5に臭気が送られたときに、臭気に含まれる粉塵が活性炭の微細な孔を閉塞し、これによって活性炭の脱臭機能が低下するおそれがある。冷却装置4の上流側にフィルタ装置3が位置することにより、冷却装置4の内部に臭気が入り込む前に、臭気中の粉塵をフィルタ装置3によって予め除去することができる。これにより、上記粉塵に起因する冷却装置4の内部での腐食の発生を抑制することができる。加えて、冷却装置4の後段の脱臭装置5における活性炭の脱臭機能の低下を抑制することができる。
また、上記の処理装置2は、被処理物Gを発酵させる発酵処理機2aを含む。この場合、発酵処理機2aでの被処理物Gの発酵によって生じた臭気(発酵臭)に含まれる臭い成分を、脱臭装置5によって確実に除去することができる。
〔2.冷却装置の詳細〕
次に、上記した冷却装置4の詳細について説明する。ここで、説明の便宜上、方向を以下のように定義する。まず、重力方向をZ方向とする。そして、重力方向の上流側を「上」とし、下流側を「下」とする。したがって、「上」から「下」に向かう方向がZ方向の正の方向(+Z方向)となり、逆に「下」から「上」に向かう方向がZ方向の負の方向(−Z方向)となる。なお、Z方向は、図3に示す筐体41内で、流入口4aから流出口4
bに向かう臭気の流路に沿う方向に対応する。
また、Z方向に垂直な面内で、互いに垂直な2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。そして、X方向を左右方向に対応付け、Y方向を前後方向に対応付ける。このとき、X方向の上流側を「左」とし、下流側を「右」とする。したがって、「左」から「右」に向かう方向がX方向の正の方向(+X方向)となり、逆に「右」から「左」に向かう方向がX方向の負の方向(−X方向)となる。また、Y方向の上流側を「後」とし、下流側を「前」とする。したがって、「後」から「前」に向かう方向がY方向の正の方向(+Y方向)となり、逆に「前」から「後」に向かう方向がY方向の負の方向(−Y方向)となる。また、対象物の+Y方向側を正面とし、−Y方向側を背面とする。そして、対象物の+X方向側および−X方向側を側面とする。なお、上記方向の定義は、あくまでも説明の便宜のためであり、実際の各部材の配置および位置関係を表す方向が上記方向に限定されるわけではない。
図2は、冷却装置4の主要部の斜視図である。図3は、図2の冷却装置4を分解して示す斜視図である。冷却装置4は、筐体41と、断熱材42と、冷却部43と、を有する。なお、図3では、冷却部43の図示を省略している。また、冷却装置4は、後述する排水部44(図4参照)を有するが、図2および図3では排水部44の図示を省略している。
(2−1.筐体)
筐体41は、XY面内での断面形状が矩形の筒状体である。本実施形態では、矩形の長辺41aがX方向に沿って位置し、矩形の短辺41bがY方向に沿って位置する。なお、筐体41の断面形状は、上記の矩形には限定されず、正方形や他の多角形の形状であってもよいし、円形、楕円形等の曲線を有する形状であってもよい。
筐体41は金属からなる。筐体41を構成する金属としては、銅またはアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属、ステンレス鋼(SUS)などの耐腐食性の高い合金などを用いることができる。本実施形態では、筐体41はSUSで構成されるが、これに限定されるわけではない。
筐体41は、図3に示すように、薄板状の4つの側壁41−1〜41−4を有する。側壁41−1および41−3は、それぞれ上述した長辺41aを有し、Y方向に対向して位置する。側壁41−2および41−4は、それぞれ上述した短辺41bを有し、X方向に対向して位置する。側壁41−1〜41−4は、上から見てこの順で時計回りに連結される。
筐体41は、図1で示した流入口4aおよび流出口4bを有する。すなわち、冷却装置1は、処理装置2から排出される臭気が流入する流入口4a、および脱臭装置5に臭気を流出する流出口4bを有する筐体41を有する。流入口4aおよび流出口4bは、筐体41の側壁41−4に設けられる。なお、流入口4aおよび流出口4bは、筐体41において、他の側壁41−1〜41−3のいずれかに設けられてもよい。筐体41において、流入口4aは流出口4bよりも上方に位置する。
筐体41の側壁41−1は、矩形状の開口部4cを有する。開口部4cは、冷却部43と同じ数だけ、Z方向に間隔をあけて設けられる。本実施形態では、開口部4cは、側壁41−1に6つ設けられているが、この数には限定されない。開口部4cは、冷却部43の後述する固定板431(例えば図5参照)が側壁41−1の外表面41−1aに固定されたときに、その固定板431によって覆われて封鎖される。したがって、固定板431の一部は開口部4cを介して筐体41内に露出する。つまり、筐体41の側壁41−1は、固定板431が側壁41−1に固定されたときに、固定板431の一部を筐体41内に
露出させる開口部4cを有する。
(2−2.断熱材)
断熱材42は、筐体41の一部を外側(内部の空洞(臭気の流路)とは反対側)から覆う。なお、断熱材42は、筐体41の全体を外側から覆ってもよい。すなわち、冷却装置4は、筐体41の少なくとも一部を覆う断熱材42を備える。断熱材42は、例えば発砲プラスチック系材料で構成される。発砲プラスチック系材料としては、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ウレタンなどを挙げることができ、その中から適宜選択して使用することができる。
冷却装置4が断熱材42を備えることにより、例えば、筐体41の周囲の温度が高い夏場でも、筐体41の周囲の熱が筐体41に伝達されることを断熱材42で抑制することができる。これにより、冷却部43によって筐体41を冷却する効率が、環境温度に起因して低下することを抑制することができる。
上記の断熱材42は、個片42−1〜42−5で構成される。個片42−1〜42−5の厚みは、全て同じであるが、異なってもよい。また、個片42−1は、例えば1枚の断熱材で構成されるが、タイル状に敷き詰められる複数枚の断熱材で構成されてもよい。個片42−2〜42−5についても同様に、1枚の断熱材で構成されてもよく、複数枚の断熱材で構成されてもよい。
個片42−1〜42−4は、筐体41の側壁41−1〜41−4の外表面にそれぞれ貼り合されて、側壁41−1〜41−4の少なくとも一部をそれぞれ外側から覆う。個片42−1および42−3は同じ大きさで構成されるとともに、筐体41の長辺41aよりもX方向に長く形成される。個片42−2および42−4は同じ大きさで構成されるとともに、筐体41の短辺41bとY方向に同じ長さで形成される。個片42−1〜42−4のZ方向の長さは、筐体41のZ方向の長さよりも短いが、同じであってもよい。個片42−5は、筐体41に貼り合された個片42−1〜42−4を上方から覆うように貼り合される。これにより、筐体41の上部の開口が個片42−5によって塞がれる。
個片42−1には、筐体41の開口部4cと対応する位置(重なる位置)に、+Y方向側から見て矩形状の開口部42aが形成される。本実施形態では、冷却部43の数および開口部4cの数に対応して、開口部42aがZ方向に間隔をあけて6つ形成される。開口部42aの形状および大きさは特に限定されず、冷却部43の後述する冷却ユニット432(図5参照)が嵌る形状および大きさで形成されればよい。
個片42−4には、筐体41の側壁41−4に形成された流入口4aおよび流出口4bと対応する位置(重なる位置)に、+X方向側から見て円形状の開口部42bおよび42cがそれぞれ形成される。すなわち、個片42−4において、開口部42bおよび42cは、Z方向に間隔をあけて形成され、開口部42bは開口部42cよりも上方に位置する。図1で示した配管6bは、個片42−4の開口部42bに入り込んで筐体41の流入口4aと接続される。一方、図1で示した配管6cは、個片42−4の開口部42cに入り込んで筐体41の流出口4bと接続される。
(2−3.冷却部)
冷却部43は、金属からなる上記の筐体41を冷却する。冷却部43は、筐体41に対して+Y方向側に位置する。すなわち、冷却装置4は、筐体41の外側に設けられて筐体41を冷却する冷却部43を備える。
冷却部43が筐体41を冷却することにより、筐体41の温度が低下する。これにより
、筐体41内の臭気、つまり、処理装置2(図1参照)から筐体41内に流入する臭気を冷却することができる。また、例えば熱交換器などを筐体内に配置して筐体内の臭気を冷却する構成では、熱交換機の他に、冷媒を循環させる配管やポンプも必要となる。その結果、筐体が大型化するだけでなく、冷却装置の構成も複雑化する。本実施形態のように、冷却部43が筐体41の外側に設けられる構成では、筐体41に対して冷却部43を外側から取り付けて、筐体41内の臭気を冷却する冷却装置4を簡単に実現することができる。また、熱交換機を用いる場合に必要となる配管やポンプも不要であるため、冷却装置4の大型化および構成の複雑化も回避される。つまり、冷却装置4の簡単な構成で、筐体41内の臭気を冷却することができる。
特に、本実施形態では、冷却部43は、図2に示すように、筐体41の側壁41−1に、Z方向に沿って6個設けられる。つまり、冷却部43は、筐体41の側壁41−1に、流入口4aから流出口4bに向かう臭気の流路に沿って複数設けられる。複数の冷却部43により、筐体41を一度に冷却する範囲が広がるため、筐体41の冷却効果を高めて、筐体41内の臭気の冷却効果を高めることができる。また、複数の冷却部43のいずれかのみを制御して、筐体31内の臭気の冷却温度を微調整することも可能となる。
なお、冷却部43の冷却制御の詳細については後述する。なお、冷却部43の数は1つであっても勿論構わないが、臭気の冷却効果を高める点では、冷却部43は複数であることが望ましい。また、本実施形態では、複数の冷却部43が全て同一の側壁41−1に設けられるが、互いに異なる側壁に設けられてもよい。
図4は、冷却装置4のY方向からの外観を示す正面図である。同図に示すように、冷却装置4は、排水部44を有する。上述のように筐体41が冷却部43によって冷却されると、筐体41内の臭気に含まれる水蒸気は凝縮して凝縮水となり、筐体41の底部41Lに溜まる。排水部44は、底部41Lに溜まった凝縮水を排水タンク44aに排水する。すなわち、冷却装置4は、筐体41の冷却によって筐体41内で発生し、筐体41の底部41Lに溜められた凝縮水を排出する排水部44を備える。
排水タンク44aは、凝縮水の排出に適した場所(例えば下水処理の整った排水場所)に人手によって運ばれ、そこで排水タンク44a内の凝縮水が捨てられる。なお、冷却装置4自体が排水設備の整っている場所に設置される場合、排水部44は、筐体41の底部41Lに溜まった凝縮水を直接排水場所に排水してもよい。
排水部44は、水封構造44bを有する。水封構造44bは、筐体41の底部41Lと接続されて上方(−Z方向)に向かって屈曲し、基準h0から所定高さh1の位置で水平を保った後、下方(+Z方向)に屈曲する配管44b1で構成される。
筐体41内で発生して底部41Lに集まる凝縮水は、底部41Lから水封構造44bの配管44b1に流出する。ここで、筐体41内で基準h0から所定高さh1に到達するまでは、水封構造44bの配管44b1内でも凝縮水が同じ高さに保たれるため、上記凝縮水は排水タンク44aに排水されない(凝縮水は配管44b1内に溜まる)。一方、筐体41の底部41Lに溜まった凝縮水が基準h0から所定高さh1を超えると、水封構造44bの配管44b1内でも凝縮水が所定高さh1を超えるため、超える分だけ配管44b1を通って排水タンク44aに排水される。
このように、排水部44は、凝縮水が筐体41内で所定高さh1に到達するまでは凝縮水を溜め、所定高さh1を超えたときに凝縮水を排出する水封構造44bを有する。これにより、筐体41内で発生した凝縮水は、所定高さh1を超えたときに筐体41外に自動的に排出される。したがって、凝縮水の排出管理を不要とすることができる。また、例え
ばバルブの開閉によって凝縮水を排出する構成に比べて、煩わしいバルブの開閉作業を無くすこともできる。さらに、排水部44は水封構造44bを有することにより、凝縮水だけを排水部44から排出し、凝縮水と分離された臭気のみを流出口4bから流出させることができる。つまり、凝縮水と臭気とを確実に分離してそれぞれ排出することができる。
次に、上述した冷却部43の詳細について説明する。図5は、断熱材42の個片42−1を取り外した状態での冷却装置4の+Y方向側からの正面図である。これらの図に示すように、冷却部43は、固定板431と、冷却ユニット432と、を有する。
〈2−3−1.固定板〉
固定板431は金属製であり、例えばSUSで構成される。なお、固定板431は、アルミニウムまたは銅などの熱伝導性の高い金属板であってもよい。+Y方向側から見たときの固定板431の外形は、冷却ユニット432の外形よりも大きく、例えば矩形であるが、他の形状(例えば正方形状)であってもよい。固定板431は、筐体41の側壁41−1の外表面41−1aに、ビスV1によってネジ留めされる。つまり、冷却部43は、筐体41の側壁41−1の外表面41−1aに固定される固定板431を有する。
具体的には、固体板431は、以下のようにして筐体41の側壁41−1に固定される。図6は、冷却部43を拡大して示す正面図である。矩形の固定板431の4つの角部には、貫通孔431aが形成される。また、固定板431において、隣り合う2つの角部の間にも、貫通孔431aが形成される。つまり、上記の貫通孔431aは、固定板431の周縁部に合計8か所形成される。なお、貫通孔431aの数は上記の8個に限定されず、任意の数に設定されればよい。
一方、図3に示すように、筐体41の側壁41−1において、固定板431の貫通孔431aと対応する位置には、貫通孔431aとほぼ同じ大きさの取付穴4dが形成される。ビスV1(図5参照)を、固定板431の貫通孔431aおよび筐体41の取付穴4dに+Y方向側からそれぞれ挿通し、筐体41の内側(固定板431とは反対側)でナット(図示せず)と螺合させて締め付けることにより、固定板431を側壁41−1の外表面41−1aに固定することができる。なお、固定板431には、後述の手法で冷却ユニット432が固定されるため、固定板431を筐体41の側壁41−1に固定することにより、固定板431および冷却ユニット432を含む冷却部43を側壁41−1に固定することができる。
なお、上記した断熱材42を構成する個片42−1は、冷却部43を筐体41に固定した後、筐体41の側壁41−1に貼り合わされる。このとき、図2に示すように、冷却ユニット432は、個片42−1の開口部42aを貫通して+Y方向に突出するが、固定板431の周縁部は個片42−1で覆われるため筐体41の外側(+Y方向側)には露出しない。
〈2−3−2.冷却ユニット〉
冷却ユニット432は、固定板431と接触して固定板431を冷却する。すなわち、冷却部43は、固定板431を冷却する冷却ユニット432を有する。冷却ユニット432が固定板431を冷却することにより、固定板431が側壁41−1に固定される筐体41を冷却することができる。これにより、筐体41内の臭気を確実に冷却することができる。
図7は、冷却ユニット432を+X方向側から見たときの側面図である。図8および図9はそれぞれ、後述する断熱部材432−1eの図示を省略した状態での冷却ユニット432の+X方向側からの側面図および−Y方向側からの背面図である。冷却ユニット43
2は、本体部432−1と、放熱フィン432−2と、空冷部432−3と、を有する。
放熱フィン432−2は、複数の薄い金属板を平行に並べて構成される。放熱フィン432−2は、本体部432−1に対して+Y方向側、つまり、本体部432−1の後述するペルチェ素子432−1bの放熱側に位置する。これにより、ペルチェ素子432−1bで発生した熱は放熱フィン432−2に伝達され、そこで外部に放出される。
なお、ペルチェ素子432−1bの吸熱側(冷却側)には、後述する取付板432−1cが取り付けられる。このことから、放熱フィン432−2は、本体部432−1に対して取付板432−1cとは反対側に位置するとも言える。すなわち、冷却ユニット432は、本体部432−1に対して取付板432−1cとは反対側に連結される放熱フィン432−2を有する。
空冷部432−3は、放熱フィン432−2に対して+Y方向側に位置し、放熱フィン432−2を冷却する。すなわち、冷却ユニット432は、放熱フィン432−2を冷却する空冷部432−3を有する。空冷部432−3は、冷却ファン432−3aと、ハウジング432−3bと、モータ(図示せず)と、を有する。
冷却ファン432−3aは、モータによって回転駆動され、放熱フィン432−2に向かって送風する。これにより、放熱フィン432−2を冷却することができる。上記のモータは、2本の導線432−3cを介して制御装置48(図22参照)と接続される。
ハウジング432−3bは、冷却ファン432−3aおよびモータを収容する。ハウジング432−3bにおいて、冷却ファン432−3aの+Y方向側には、網部432−3b1が設けられる。この網部432−3b1により、冷却ファン432−3aの回転時の通気性が確保されるとともに、冷却ファン432−3aが外部と接触する事態が回避される。ハウジング432−3bは、+Y方向側から見て四隅の位置にビスV2が挿通されて、放熱フィン432−2と締結される。
本体部432−1は、ペルチェ素子432−1bを収容する本体ハウジング432−1aを有する。すなわち、冷却ユニット432は、ペルチェ素子432−1bを有する。本体ハウジング432−1aは、−Y方向側から見て四隅の位置にビスV3が挿通されて、放熱フィン432−2と締結される。
上記のペルチェ素子432−1bは、2種類の金属の接合部に電流を流したときに、一方の金属から他方の金属に熱が移動するペルチェ効果を利用して、対象物を冷却する半導体素子である。具体的には、ペルチェ素子432−1bは、一対の金属板の間に、N型半導体、金属、P型半導体を交互につなげて構成される。ペルチェ素子432−1bに電流を流すと、N型半導体とP型半導体との接合部では吸熱現象が発生し、P型半導体とN型半導体との接合部では放熱現象が発生する。このため、N型半導体とP型半導体とを接合する金属を一方の金属板と接触させ、P型半導体とN型半導体とを接合する金属を他方の金属板と接触させることにより、一方の金属板で吸熱現象が発生し、他方の金属板で放熱現象が発生する。したがって、ペルチェ素子432−1bに電流を流すことにより、上記一方の金属板を冷却することができる。このようなペルチェ素子432−1bは、2本の導線432−1dを介して制御装置48(図22参照)と接続される。
本実施形態では、ペルチェ素子432−1bの冷却側となる上記一方の金属板は、金属(例えばアルミニウム)からなる取付板432−1cに連結される。取付板432−1cは、後述の手法で固定板431に取り付けられる。すなわち、本実施形態の冷却ユニット432は、ペルチェ素子432−1bを収容するとともに、ペルチェ素子432−1bと
連結されて固定板431に取り付けられる取付板432−1cを有する本体部432−1を備える。
上記の本体ハウジング432−1aは、断熱部材432−1eによって覆われる。これにより、本体ハウジング432−1aと外部との間での熱の移動を抑制することができ、ペルチェ素子432−1bによる冷却効果の損失を抑制することができる。なお、断熱部材432−1eは、上記した断熱材42(図2、図3参照)と同様の断熱材料からなる。断熱部材432−1eを+Y方向側から見たときの外形形状は、放熱フィン432−2の外形形状とほぼ同じである。
断熱部材432−1eは、ZX面内で、本体ハウジング432−1aを囲んで設けられる。これにより、本体ハウジング432−1aの上記した取付板432−1cの外表面、つまり、Y方向においてペルチェ素子432−1bとの接触側とは反対側の面432−1cSを露出させて、冷却ユニット432を上述した固定板431と固定することができる。より詳しくは、以下の通りである。
図10は、冷却部43の分解斜視図である。図11は、冷却ユニット432を固定板431に取り付けた後の冷却部43の斜視図である。なお、図10および図11では、便宜的に、固定板431に設けられる後述の仕切板45(図12参照)およびスリット431c(図15参照)の図示を省略する。
図9および図10に示すように、取付板432−1cの面432−1cSの4つの角部には、取付穴432−1cHがそれぞれ設けられる。取付穴432−1cHは、雌螺子構造を有する。一方、固定板431の中央付近において、取付板432−1cの取付穴432−1cHと対応する位置には、4つの貫通孔431bが設けられる。図11に示すように、−Y方向側から、固定板431の貫通孔431bおよび取付板432−1cの取付穴432−1cHにそれぞれビスV4を挿入して、取付穴432−1cHと螺合させることにより、取付板432−1cと固定板431とを固定することができる。したがって、取付板432−1cを有する冷却ユニット432を、固定板431と固定することができる。そして、冷却ユニット432と固定板431とを一体化した冷却部43を実現することができる。
以上のように、冷却ユニット432は、ペルチェ素子432−1bを有して構成される。ペルチェ素子432−1bは小型であるため、(チラーなどの熱交換機を用いる場合に比べて)冷却部43を小型に構成することができる。また、上述したように、冷却部43は筐体41の外側に設けられることから、冷却ユニット432が有するペルチェ素子432−1bも筐体41の外側に設けられると言える。このような筐体41とペルチェ素子432−1bとの位置関係により、筐体41内の臭気に含まれる腐食性物質(例えば水蒸気)からペルチェ素子432−1bを保護することができる。これにより、臭気を冷却する手段としてペルチェ素子432−1bを用いることが容易となり、ペルチェ素子432−1bによって臭気を冷却する構成を容易に実現することができる。
また、冷却ユニット432は、上述した本体部432−1と、放熱フィン432−2と、空冷部432−3と、を有する。本体部432−1が有するペルチェ素子432−1bによって取付板432−1cを冷却することにより、取付板432−1cが取り付けられる固定板431を冷却することができる。これにより、固定板431が固定される筐体41を冷却して、筐体41内の臭気を冷却することができる。また、取付板432−1cを固定板431に取り付けることにより、取付板432−1cを含む冷却ユニット432を固定板431に固定することができる。さらに、本体部432−1に対して取付板432−1cとは反対側に放熱フィン432−2が連結されるため、ペルチェ素子432−1b
の放熱側で発生する熱を放熱フィン432−2で外部に放出することができる。このとき、空冷部432−3によって放熱フィン432−2が冷却されるため、放熱フィン432−2での放熱を促進することができる。
(2−4.仕切板)
図12は、冷却装置4の任意のYZ面における断面図である。本実施形態の冷却装置4は、仕切板45をさらに備える。仕切板45は、例えばSUSなどの薄い金属板で構成され、筐体41内でZ方向と平行に位置する。これにより、筐体41内で流入口4aから流出口4b(ともに図3参照)に向かう臭気の流路の一部が、仕切板45によってX方向に分割される。すなわち、冷却装置4は、筐体41内で、流入口4aから流出口4bに向かう臭気の流路に沿って位置する仕切板45をさらに備える。なお、仕切板45はSUS以外の金属(例えばアルミニウム、銅など)で構成されてもよい。
仕切板45は、筐体41の側壁41−1に取り付けられる冷却部43の固定板431と連結される。側壁41−1には、前述のように固定板431の一部を筐体41内に露出させる開口部4cが形成されている。したがって、筐体41内に位置する仕切板45は、側壁41−1の開口部4cを介して露出する固定板431に固定される。すなわち、仕切板45は、開口部4cを介して固定板431と連結される。なお、固定板431は平らな板状部材であるため(図10参照)、開口部4cを介して筐体41内には突出していない。
この構成では、冷却部43の冷却ユニット432が、固定板431を介して筐体41を冷却すると同時に、固定板431と開口部4cを介して連結される仕切板45を冷却することができる。仕切板45の冷却により、筐体41内で仕切板45と接触して流れる臭気、および仕切板45の近傍を流れる臭気を冷却することができる。したがって、筐体41自体の冷却および仕切板45の冷却の両方によって、筐体41内の臭気の冷却効率を上げることができる。特に、筐体41内に仕切板45を位置させることにより、筐体41内で臭気が接触する領域の接触面積が(仕切板45を設けない構成に比べて)確実に増大するため、筐体41内の臭気の冷却効率を向上させる効果が得られやすくなる。また、仕切板41は筐体41の内面に連結されてもよいが、固定板431に連結されることにより、冷却部43と仕切板45とを1つのユニット(図13参照)として構成することができ、仕切板45の扱いが容易となる。
図13は、仕切板45が固定板431に固定された状態を模式的に示す平面図である。上記の仕切板45は、固定板431に複数固定される。複数の仕切板45は、互いに平行で、かつ、X方向に所定の間隔をあけて固定板431に固定される。これにより、固定板431を筐体41の側壁41−1に固定したときに、複数の仕切板45は、筐体41内で互いに平行に位置する。すなわち、仕切板45は、固定板431の複数箇所に連結されて、筐体41内で互いに平行に位置する。この構成では、筐体41内で隣り合う2枚の仕切板45の間を通過する臭気を、隣り合う2枚の仕切板45で効率よく冷却することができる。これにより、筐体41内の臭気の冷却効率を確実に上げることができる。
なお、固定板431に固定される仕切板45の枚数は1枚であってもよい。この場合でも、仕切板45を設けることによって筐体41内の臭気の冷却効率を向上させる効果は得られる。
各仕切板45のZ方向の長さは、上記した開口部4cのZ方向の幅よりも短い。また、X方向の両端に位置する仕切板45のX方向の最大距離は、開口部4cのX方向の幅よりも短い。これにより、固定板431を筐体41の側壁41−1に固定するときに、複数の仕切板45を開口部4cに差し込むようにして冷却部43を+Y方向側から−Y方向側に移動させて、固定板431を側壁41−1に固定することができる。したがって、複数の
仕切板45を(筐体41の内面ではなく)固定板431に固定した構成であっても、上記のように冷却部43を移動させて、複数の仕切板45を筐体41内に位置させることができる。
図14は、仕切板45の+X方向側からの側面図である。仕切板45は、ベース部451と、突出部452と、を有する。ベース部451は薄い板状で構成される。突出部452は、ベース部451と同じ厚みで構成される。突出部452は、ベース部451から、ベース部451の厚み方向(例えばX方向)と垂直な方向(例えばY方向)に突出する。つまり、仕切板45は、板状のベース部451と、ベース部451から厚み方向に垂直な方向に突出する突出部452と、を有する。突出部452の突出方向(Y方向)の長さは、固定板431のY方向の厚みとほぼ等しい。なお、本実施形態では、1つのベース部451に対して突出部452の数が1つであるが、1つのベース部451に複数の突出部452が設けられてもよい。
図15は、固定板431の−Y方向側からの背面図である。固定板431は、仕切板45の突出部452を受け入れるスリット431cを有する。スリット431cは、1つの固定板431に固定する仕切板45の数だけ設けられる。本実施形態では、例えば7つのスリット431cが固定板431に設けられるが、スリット431cの数は上記の7つには限定されない。
固定板431において、各スリット431cは、X方向に所定間隔ごとに形成され、互いに平行に位置する。各スリット431cのX方向の幅は、仕切板45のX方向の厚みと等しいか、上記厚みよりも若干大きい。一方、各スリット431cのZ方向の幅は、仕切板45の突出部452のZ方向の長さと等しいか、上記長さよりも若干長い。
図16および図17は、仕切板45を固定板431のスリット431cに挿入する前後の状態を模式的に示す断面図である。図17に示すように、仕切板45の突出部452を固定板431のスリット431cに挿入することにより、仕切板45自体が薄くても、仕切板45を固定板431に連結して安定して支持することができる。なお、仕切板45と固定板431とをより強固に連結するために、仕切板45と固定板431との接触部分(例えば仕切板45の突出部452とスリット431cとの接触部分)を溶接によって接合してもよい。
図18は、筐体41をZ方向に垂直な任意の断面(XY面)で切断したときの断面図である。同図に示すように、筐体41のXY断面内での外形は矩形である。すなわち、筐体41内で、流入口4aから流出口4b(ともに図3参照)に向かう臭気の流路方向を上下方向(Z方向)としたとき、上下方向に垂直な断面内で、筐体41の外形は矩形である。そして、固定板431は、筐体41において、矩形の長辺41aを含む側壁41−1に固定される。また、仕切板45は、筐体41内で、矩形の短辺41bに平行に位置する。
この構成では、例えば、固定板431を、筐体41における矩形の短辺41bを含む側壁41−2または41−4(図3参照)に固定して、仕切板45を筐体41内で矩形の長辺41aに平行に位置させる構成に比べて、固定板431に対する仕切板45の突出長さを短くすることができる。これにより、固定板431での仕切板45の支持を安定させることができる。
(2−5.偏向板)
図19および図20はそれぞれ、冷却装置4が有する偏向板46を模式的に示す平面図である。また、図21は、図19および図20の偏向板46を有する冷却装置4の任意のYZ面における断面図である。これらの図に示すように、冷却装置4は、偏向板46をさ
らに備えてもよい。なお、図19および図20では、偏向板46と他の部材との区別を容易にする目的で、偏向板46にハッチングを付して示す。
偏向板46は、例えばSUSなどの薄い金属板で構成され、筐体41内で臭気の流路の一部に設けられる。なお、偏向板46は、SUS以外の金属(例えばアルミニウム、銅など)で構成されてもよい。また、偏向板46は、筐体41内でZ方向に垂直に設けられるが、Z方向に対して傾いて設けられてもよい。
偏向板46は、上述した仕切板45の下端(+Z方向側)に連結される。これにより、仕切板45を連結した固定板431を筐体41に固定したときに、筐体41内では、偏向板46が、Z方向と交差するように配置される。すなわち、図21に示す冷却装置4は、筐体41内で、流入口4aから流出口4b(ともに図3参照)に向かう臭気の流路方向を上下方向(Z方向)としたとき、筐体41内で、臭気の流路の一部に上下方向と交差して設けられる偏向板46をさらに備える。偏向板46は、仕切板45と連結される。
なお、偏向板46と仕切板45との連結方法としては、仕切板45と固定板431との連結方法と同様の方法を採用することができる。つまり、仕切板にZ方向に突出する突出部を設けておき、偏向板46に上記突出部を受け入れるスリットを設ける。上記突出部を上記スリットに挿入することにより、偏向板46と仕切板45とを垂直に連結することができる。なお、偏向板46のY方向の幅は、仕切板45のY方向の長さよりも短く、例えば半分程度であるが、この幅に限定されるわけではない。
仕切板45に対する偏向板46の取付位置は、特に限定されないが、ここでは、図19および図20に示すように、偏向板46の取付位置をY方向で異ならせる。つまり、図19に示すように、仕切板45の+Z方向側において、Y方向の中央に対して+Y方向側に位置をずらして仕切板45と連結した偏向板46と、図20に示すように、仕切板45の+Z方向側において、Y方向の中央に対して−Y方向側に位置をずらして仕切板45と連結した偏向板46とを用意する。なお、図19の偏向板46と、図20の偏向板46とを互いに区別するときは、図19の偏向板46を偏向板46aとも称し、図20の偏向板46を偏向板46bとも称する。
偏向板46aを連結した仕切板45を固定板431に連結し、その固定板431を筐体41に固定することにより、偏向板46aを筐体41内に配置する。また、偏向板46bを連結した仕切板45を固定板431に連結し、その固定板431を筐体41に固定することにより、偏向板46bを筐体41内に配置する。仕切板45に対して取付位置の異なる2種の偏向板46aおよび46bを用いることにより、図21に示すように、筐体41内で、偏向板46aおよび46bをZ方向に複数配置するとともに、Z方向に隣り合う2つの偏向板46aおよび46bをY方向にずらして配置することができる。つまり、この場合、偏向板46は、筐体41内で、上下方向に複数設けられ、上下方向に隣接する2つの偏向板46aおよび46bは、(上下方向に)垂直な方向に互いにずれて位置する。
冷却装置4が偏向板46を有する構成では、流入口4aから筐体41内に流入した臭気の一部は偏向板46に当たり、その進行方向が変化する。言い換えれば、筐体41内を進行する臭気は偏向板46に当たることによって偏向される。これにより、筐体41内に臭気の乱流が生じ、筐体41の内面、固定板431、仕切板45などに臭気が接触する回数が増大する。このため、筐体41内の臭気の冷却効率をさらに向上させることができる。また、偏向板46は、仕切板45と連結されるため、筐体41内で臭気の流路の一部に偏向板46を位置させる構成を容易に実現することができる。
特に、図21に示すように、Z方向に隣り合う2つの偏向板46aおよび46bが、Y
方向に互いにずれて位置する構成では、筐体41内をZ方向に流れる臭気が、その進行途中で複数の偏向板46と衝突する機会を容易に増大させることができる。これにより、筐体41内に臭気の乱流を確実に生じさせることができ、筐体41内の臭気の冷却効率を向上させる上記の効果を確実に得ることができる。
(2−6.冷却制御)
図22は、冷却装置4の制御に関係する構成を示すブロック図である。冷却装置4は、温度センサ47と、制御装置48と、を備える。
温度センサ47は、例えば筐体41の流出口4bと接続される配管6c(図1参照)内に設けられ、筐体41の流出口4bから流出する臭気の温度を検知する。すなわち、冷却装置4は、筐体41から流出する臭気の温度を検知する温度センサ47を備える。このような温度センサ47は、例えばサーミスタで構成されるが、他の温度センサ(熱電対など)で構成されても構わない。
制御装置48は、主制御部48aと、記憶部48bと、を有して構成される。記憶部48bは、主制御部48aの動作プログラムなどの各種の情報を記憶するメモリである。このような記憶部48bは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。
主制御部48aは、例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)で構成され、冷却装置4の各部の動作を制御する。特に、主制御部48aは、温度センサ47によって検知された臭気の温度に基づいて、複数(例えば6個の)冷却部43のうちの少なくとも1つの駆動を制御する。例えば、主制御部48aは、いずれか1つの冷却部43に含まれるペルチェ素子432−1bに流す電流を制御する駆動回路を含む。そして、主制御部48aは、温度センサ47によって検知された臭気の温度が目標温度(例えば37℃)に近づくように、いずれか1つのペルチェ素子432−1bに流す電流をPID制御する。なお、制御装置48は、不図示の電源と接続され、上記電源から供給される電圧を、冷却部43の駆動に適した所定の電圧に変換する電圧変換回路などの他の回路や素子を含んで構成される。
このように、冷却装置4は、温度センサ47によって検知された温度に基づいて、複数の冷却部43のうち少なくとも1つを、上記温度が目標温度に近づくように制御する制御装置48を備える。これにより、筐体41から排出される臭気の温度を、脱臭装置5(図1参照)での脱臭に適した温度に高精度で制御することができる。特に、制御装置48が複数の冷却部43のうちのいずれか1つのみを制御することにより、制御装置48として高性能で高額なものを用いなくても済む。その結果、冷却装置4を低コストで実現することができる。
コストよりも、筐体41から排出される臭気の温度をより高精度に制御することを望む場合には、制御装置48は、温度センサ47で検知された臭気の温度に基づいて、2つ以上の冷却部43の駆動を制御することが望ましい。
〔3.その他〕
本実施形態では、処理装置2として、被処理物Gを発酵させる発酵処理機2aを用いた例について説明したが、処理装置2は発酵処理機2aには限定されない。例えば、下水を浄化する処理装置、工場から排出される廃棄物の処理装置など、処理によって臭気が発生する装置を、処理装置2として用いることができる。そして、このような処理装置2から発生する臭気を活性炭によって脱臭するシステムにおいて、本実施形態の冷却装置4を適用することにより、本実施形態で述べた効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で拡張または変更して実施することができる。
本発明は、例えば処理装置から排出される臭気に含まれる臭い成分を除去する処理システムに利用可能である。
1 処理システム
2 処理装置
2a 発酵処理機
3 フィルタ装置
4 冷却装置
4a 流入口
4b 流出口
4c 開口部
5 脱臭装置
41 筐体
41a 長辺
41b 短辺
41−1 側壁
41−1a 外表面
42 断熱材
43 冷却部
431 固定板
431c スリット
432 冷却ユニット
432−1 本体部
432−1b ペルチェ素子
432−1c 取付板
432−2 放熱フィン
432−3 空冷部
44 排水部
44b 水封構造
45 仕切板
451 ベース部
452 突出部
46、46a、46b 偏向板
47 温度センサ
48 制御装置

Claims (17)

  1. 処理装置から排出される臭気が流入する流入口、および脱臭装置に前記臭気を流出する流出口を有する筐体と、
    前記筐体の外側に設けられて前記筐体を冷却する冷却部と、を備える冷却装置。
  2. 前記冷却部は、
    前記筐体の側壁の外表面に固定される固定板と、
    前記固定板を冷却する冷却ユニットと、を有する、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記筐体内で、前記流入口から前記流出口に向かう前記臭気の流路に沿って位置する仕切板をさらに備え、
    前記筐体の前記側壁は、前記固定板が前記側壁に固定されたときに、前記固定板の一部を前記筐体内に露出させる開口部を有し、
    前記仕切板は、前記開口部を介して前記固定板と連結される、請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記仕切板は、前記固定板の複数箇所に連結されて、前記筐体内で互いに平行に位置する、請求項3に記載の冷却装置。
  5. 前記仕切板は、
    板状のベース部と、
    前記ベース部から厚み方向に垂直な方向に突出する突出部と、を有し、
    前記固定板は、前記仕切板の前記突出部を受け入れるスリットを有する、請求項3または4に記載の冷却装置。
  6. 前記筐体内で、前記流入口から前記流出口に向かう前記臭気の流路方向を上下方向としたとき、
    前記筐体において、前記流入口は前記流出口よりも上方に位置し、
    前記上下方向に垂直な断面内で、前記筐体の外形は矩形であり、
    前記固定板は、前記筐体において、前記矩形の長辺を含む前記側壁に固定されており、
    前記仕切板は、前記筐体内で、前記矩形の短辺に平行に位置する、請求項3から5のいずれかに記載の冷却装置。
  7. 前記筐体内で、前記流入口から前記流出口に向かう前記臭気の流路方向を上下方向としたとき、
    前記筐体内で、前記臭気の流路の一部に前記上下方向と交差して設けられる偏向板をさらに備え、
    前記偏向板は、前記仕切板と連結される、請求項3から6のいずれかに記載の冷却装置。
  8. 前記偏向板は、前記筐体内で、前記上下方向に複数設けられ、
    前記上下方向に隣接する2つの前記偏向板は、垂直な方向に互いにずれて位置する、請求項7に記載の冷却装置。
  9. 前記冷却ユニットは、ペルチェ素子を有する、請求項2から8のいずれかに記載の冷却装置。
  10. 前記冷却ユニットは、
    前記ペルチェ素子を収容するとともに、前記ペルチェ素子と連結されて前記固定板に取
    り付けられる取付板を有する本体部と、
    前記本体部に対して前記取付板とは反対側に連結される放熱フィンと、
    前記放熱フィンを冷却する空冷部と、を有する、請求項9に記載の冷却装置。
  11. 前記冷却部は、前記筐体の前記側壁に、前記流入口から前記流出口に向かう前記臭気の流路に沿って複数設けられる、請求項1から10のいずれかに記載の冷却装置。
  12. 前記筐体から流出する前記臭気の温度を検知する温度センサと、
    前記温度センサによって検知された前記温度に基づいて、複数の前記冷却部のうち少なくとも1つを、前記温度が目標温度に近づくように制御する制御装置と、をさらに備える、請求項11に記載の冷却装置。
  13. 前記筐体の少なくとも一部を覆う断熱材をさらに備える、請求項1から12のいずれかに記載の冷却装置。
  14. 前記筐体の冷却によって前記筐体内で発生し、前記筐体の底部に溜められた凝縮水を排出する排水部をさらに備え、
    前記排水部は、前記凝縮水が前記筐体内で所定高さに到達するまでは前記凝縮水を溜め、前記所定高さを超えたときに前記凝縮水を排出する水封構造を有する、請求項1から13のいずれかに記載の冷却装置。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の冷却装置と、
    前記冷却装置に前記臭気を排出する前記処理装置と、
    前記冷却装置から流出する前記臭気に含まれる臭い成分を、活性炭で吸着して除去する前記脱臭装置と、を備える処理システム。
  16. 前記臭気に含まれる粉塵を除去するフィルタ装置をさらに備え、
    前記フィルタ装置は、前記冷却装置の上流側に位置する、請求項15に記載の処理システム。
  17. 前記処理装置は、被処理物を発酵させる発酵処理機を含む、請求項15または16に記載の処理システム。
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