JP2010071500A - 空気調和機 - Google Patents

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Takeshi Matsumoto
剛 松本
Terukazu Sunaga
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Abstract

【課題】
本発明ではドレンパンに回収された凝縮水の温度を変化させることで、細菌が活発に活動する温度帯を回避し、細菌のよるスライムの生成,成長を抑制することができる手段を有する天井埋込型空気調和機を提供する。
【解決手段】
熱交換器1を構成するサイクルパイプ1aの一部の外周に、一体構造となるようにコードヒータ1bを巻き付け配置したものをドレンパン排水口4aの近傍に設置し、該サイクルパイプ1aによる冷却作用および該コードヒータ1bによる加熱作用を交互、もしくは同時作用によって、ドレンパン4に回収された凝縮水6の温度を任意に変化させることにより、細菌のよるスライムの生成,成長を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井埋込形空気調和機において、低コストで、且つ効率的な手法で、細菌によるスライムの生成,成長を抑制することができるドレンパン構造に関するものである。
一般的な天井埋込形空気調和機におけるドレンパン構造としては、室内熱交換器の下方に設置することで熱交換器より排出,滴下された凝縮水を回収し、ドレン配管及びポンプ類を介して外部へと導くものが主である。
ここで現状の課題となっている細菌によるスライムの生成,成長に関しては、まず機外より浸入および凝縮水等の水分中に含まれた細菌がドレンパン表面に付着し、周囲の栄養源を吸収することで繁殖するとともに、スライム(多糖類粘性物質)を生成する。
近年の住宅構造においては、高機密,高断熱仕様であることから、特に屋根裏等に熱がこもり易く、天井内部に設置された空気調和機本体の周囲温度は上昇する傾向となり、ドレンパン内に停滞している凝縮水においては細菌の活動,繁殖に適した条件となることから、スライムの生成,成長を助長している環境となっている。これらスライムが大量に生成されると、異臭およびドレン経路の閉塞等による水漏れ等の要因となるため、スライムの発生,成長を抑制するための様々な技術が紹介されている。
特開2007−91666号公報 特開2007−085625号公報 特開2008−116083号公報
ここで従来の技術においては、細菌によるスライムの生成,成長を抑制するために、ドレンパン表面に抗菌剤をコーティングする案件や、抗菌剤が収納された専用容器を配置することにより、回収された凝縮水の水質を変化させることで、細菌の繁殖を抑制する手法や、凝縮水に対して、定期的に攪拌する装置等を配置することで、ドレンパン表面に細菌やスライムが定着しにくい状態を維持するような措置がなされていた。しかしながら、それらの追加部品に係るコスト面を考慮しなければならず、特に天井内に設置される天井埋込形空気調和機においては、それらのメンテナンスおよびサービスの面においても不便を強いられることになる。
本発明の目的は、前記課題を解決するためになされたものであり、効果的に細菌によるスライムの生成,成長を抑制する手段を有する天井埋込形空気調和機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、熱交換器を構成するサイクルパイプの一部をドレンパン排水口近傍に設置し、該サイクルパイプ内を循環する冷媒の熱交換による冷却作用により、ドレンパンに回収された凝縮水の温度を低温状態に変化,維持させることで、細菌によるスライムの生成,成長を抑制することができる。また、サイクルパイプに一体構造となるように巻き付け配置されたコードヒータの加熱作用により、凝縮水の温度を高温状態に変化、もしくは蒸発を促進させることで、細菌によるスライムの生成,成長を抑制することを要旨とする。
本発明によれば、効果的に細菌によるスライムの生成,成長を抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施例について説明する。本実施形態では天井埋込形空気調和機のドレンパン構造及び細菌によるスライムの生成,成長を抑制する方法について説明する。
図2は一般的な天井埋込形空気調和機のドレンパン周辺構造例を示すものであり、熱交換器1の背面に配置された送風用貫流ファン2は駆動用ファンモータ3と連結されており、送風用貫流ファン2が回転することで化粧パネル5に有する吸込みグリル5aより吸込まれた室内空気は熱交換器1を通過し、熱交換される際に空気中の水分を凝縮水6に変えて、ドレンパン4に滴下して集められ、ドレンパン排水口4aより機外へ排出される。
ここでスライムは水分中および外部から浸入した細菌等の微生物により生成され、成長する。また細菌は周囲の栄養状態および温度環境が整っている場合、活発に増殖する一方、栄養状態および温度環境が悪くなると増殖活動が低下し、ドレンパン4等の固体表面への接着性が増加する。更に細菌には増殖活動に適した温度帯があり、参考文献によると細菌が最も活動し易い温度帯は25℃前後であり、一般的な空気調和機における冷房運転中のドレンパン4内の温度は低温であることから、細菌が増殖、もしくはスライムを生成するために必要な栄養分も乏しく、また凝縮水6も流動していることから、細菌が活動しにくい環境条件である。しかしながら、天井埋込形空気調和機は天井内に製品本体を設置する仕様であり、特に屋根裏等に設置された場合、外部からの熱影響は大きく、更に運転停止状態時のドレンパン4内の温度は中,高温となり、凝縮水6も停滞している状況であるため、細菌が増殖することでスライムを生成,成長するのに適した環境条件になり得る。
そこで本発明では図1に示すように、熱交換器1を構成するサイクルパイプ1aの一部をドレンパン4に回収された凝縮水6に満遍なく接触、若しくは埋没する様に配設することで、冷房運転中においてはサイクルパイプ1a内を循環する冷媒の熱交換作用によって、凝縮水6を更に冷却することで、10℃前後の低温状態に変化,維持することができ、細菌の活動を抑制し、結果としてスライムの生成,成長を抑制することができる。またサイクルパイプ1aの材質は銅(Cu)である点から、銅イオン(Cu2+)による抗菌作用も細菌の活動を抑制する相乗効果として期待ができる。
また、運転停止状態においては、サイクルパイプ1aの一部の外周に一体構造となるように巻き付け配置したコードヒータ1bにて、ドレンパン4に回収された凝縮水6を加熱することで、一時的に細菌が増殖する傾向となるが、細菌の活動に必要な栄養分が枯渇してしまうため、さらに栄養分が供給されるまでの期間は増殖活動ができない環境条件となる。
さらに凝縮水6の温度を上昇させることにより、凝縮水6の蒸発を促進させることで、ドレンパン4内を乾燥し易い状態にすることができ、乾燥したスライムはドレンパン4の表面より剥離し易い状態と変化するため、次回の冷房運転時に発生する凝縮水6の流動とともに、ドレンパン排水口4aより機外へ排出される。
以上、本実施形態によれば、ドレンパン4に回収された凝縮水6に対して、熱交換器1を構成するサイクルパイプ1aの一部の外周に、一体構造となるようにコードヒータ1bを巻き付け配置することで、冷房運転中はサイクルパイプ1aにより冷却作用をおこない、低温状態に変化,維持できる。同様にコードヒータ1bにより加熱することで、それぞれ細菌が活発に活動する温度帯を回避し、スライムの生成,成長を抑制することができる。なお、コードヒータ1bによる加熱作用のタイミングについては冷房運転中であっても、その限りではない。
本発明の一実施形態におけるドレンパンの構造。 一般的な天井埋込形空気調和機のドレンパン周辺構造例。
符号の説明
1 熱交換器
1a サイクルパイプ
1b コードヒータ
2 送風用貫流ファン
3 駆動用ファンモータ
4 ドレンパン
4a ドレンパン排水口
5 化粧パネル
5a 吸込みグリル
6 凝縮水

Claims (6)

  1. 室内天井の内部に埋め込まれた空気調和機本体を形成するキャビネット内に、熱交換器と該熱交換器より排出される凝縮水を回収するドレンパン,熱交換用貫流ファン,該熱交換用貫流ファンを駆動させるファンモータ,運転制御用電気品を有する空気調和機において、熱交換器を構成するサイクルパイプの一部を該ドレンパンへ導いたことを特徴とする天井埋込形空気調和機。
  2. 前記ドレンパンに導かれたサイクルパイプの一部を該ドレンパン排水口近傍に設置し、該ドレンパンに回収された凝縮水に満遍なく接触、もしくは埋没する様に配設されたことを特徴とする請求項1の天井埋込形空気調和機。
  3. 請求項1及び2に記載のサイクルパイプ内を循環する冷媒の熱交換による冷却作用により、ドレンパンに回収された凝縮水を冷却し、該凝縮水を低温状態に変化,維持させることを特徴とした天井埋込形空気調和機。
  4. 前記サイクルパイプの外周にコードヒータを一体構造となるように巻き付け配置し、電気品の制御指令に従い、オン/オフ通電の切替え制御を備えたことを特徴とした天井埋込形空気調和機。
  5. 請求項4に記載したコードヒータの加熱作用により、ドレンパンに回収された凝縮水の温度を高温状態に変化させ、残留する凝縮水の蒸発を促進させることを特徴とした天井埋込形空気調和機。
  6. 請求項3及び5に記載の冷却、もしくは加熱手段により、ドレンパンに回収された凝縮水の温度を任意に変化させることで、細菌の活動およびスライムの生成,成長を抑制することを特徴とした天井埋込形空気調和機。
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