JP2015068561A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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【課題】ドレンパンの熱交換器の下流側壁面部の上端部で大きな剥離渦が発生するのを抑制し、送風機入力の増加、騒音の増加などの性能悪化を防ぐ。
【解決手段】室内から機内へ空気を吸込む送風機と、送風機の下流側に設けられ、送風機からの空気を冷却または加熱する熱交換器と、熱交換器の下流側に設けられ、熱交換器からの空気を吹出す吹出口と、熱交換器の下部に設けられ、熱交換器で生じる結露水を受けるためのドレンパンと、を備えた空気調和機の室内機において、ドレンパンは、熱交換器の下部に位置する底面部と、熱交換器の下流側で底面部から上方に立ち上がるように構成された下流側壁面部と、を備え、下流側壁面部は、吹出口に通ずる空気流路の一部を構成するとともに熱交換器との間に所定の間隔が形成され、さらに上部が該下流側壁面部の他の部分よりも厚くなるように形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は機内に備えられた送風機により、室内から機内に空気を吸込み、送風機の下流側に結露水を受け止めるドレンパンとともに設けられた熱交換器により空気を冷却または加熱した後、熱交換器の下流側に設けられた吹出口より室内へ空気を吹き出す空気調和機の室内機に関するものである。
空気調和機は、冷媒が封入された冷媒循環流路に、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器と、冷媒を減圧する膨張弁と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器とを順次配設してなる冷凍サイクルを備えている。このうち室内熱交換器は、室内熱交換器に室内の空気を送る送風機と共に室内機の筐体内に格納されている。このような室内機には様々な形態のものがあるが、近年、特に業務用の分野では、筐体を天井内に埋め込み、天井面に設置された化粧パネルを介して空気の吸込み、吹出しを行う、いわゆる天井埋込カセットタイプが主流となっている。
図5に従来の空気調和機の室内機の一例を示す断面図を示す。この室内機は、化粧パネル101と化粧パネル101に接続された筐体102から構成されている。ここで、化粧パネル101は中心に吸込みグリル103を備え、その周囲に風向板104を備えた吹出し口105が配設されている。筐体102内に設置されたモータ106を駆動させてモータ106の軸に接続された遠心送風機107を回転させることにより、図5の矢印115に示す様に、室内空気は吸込みグリル103、吸込みグリル103に設置されたフィルタ116、筐体102内に設置されたベルマウス110を通して遠心送風機107の吸込口112に吸い込まれ、矢印118で示されるように遠心送風機107の吐出口113より吐出される。
また、遠心送風機107の周囲を取り囲むように室内熱交換器108が配置され、遠心送風機107から吐出された空気は室内熱交換器108で熱交換されたあと、矢印117に示すように吹出口105より室内に吹出される。また室内熱交換器108の下部には冷房時に室内熱交換器108に生じる結露水を受けるためのドレンパン109が設置されている。吸込みグリル103はフィルタ116とともに化粧パネル101から着脱可能であり、フィルタ116の清掃が容易な構造となっている。ベルマウス110の下面には室内機の運転を制御するための図示しない制御基板を収納した電気品箱111が設置されており、吸込みグリル103を開けることにより、容易に電気品箱111のメンテナンスが可能な構造となっている。ベルマウス110はドレンパン109の内周部に下方から取付けられており、遠心送風機107やモータ106の交換などのメンテナンスも吸込みグリル103を開け、ベルマウス110を取り外すことで容易に行える構造となっている。
図6に図5の空気調和機の熱交換器108下流側の拡大図を示す。ドレンパン109は熱交換器108で生じた結露水を保持するため、熱交換器108下部に設置される底面部109aとその両側から上方に向けて立ち上がった上流側壁面部109bおよび下流側壁面部109cから構成されている。上流側壁面部109bの上部には図示しないベルマウス110を取り付けるための鍔部109dが設けられている。また、下流側壁面部109cは筐体102の側面部119との間で吹出口105に向かう空気の流路を成している。ここで、熱交換器108に流入した空気の大部分は矢印117aに示すように、筐体102の側面部119により下方に曲げられ、吹出口105より吹出すが、熱交換器108の下部を通った空気は、矢印117bに示すように、ドレンパン109の下流側壁面部109cにより、一旦上向きに曲げられた後、吹出口105へ向かうことになる。このとき、下流側壁面部109cの上端部では空気の流れ方向が急激に変わるため、流れが下流側壁面部109cの吹出口側側面に沿うことができず、大きな剥離渦120が生じることになる。この剥離渦は、吹出流路の幅を実質的に狭くすることになり、吹出流路の通風抵抗を増加させ、送風機入力の増加、騒音の増加などの性能悪化につながる。
このような剥離渦の発生を防ぐため、例えば特開2007−57182号公報では、下流側壁面部の上部に突起状の剥離抑制手段を設けている。
特開2007−57182号
しかしながら、特許文献1のように下流側壁面部の上部に突起を設けると、下流側壁面部の高さを実質的に高くすることになってしまい、熱交換器下部から流れる空気がより上に向けられ、結果として通風抵抗を増やしてしまう恐れがあった。
そこで本発明は、熱交換器の下部に前記熱交換器で生じる結露水を受けるためのドレンパンを備え、ドレンパンは熱交換器の下流側で前記底面部から上方に立ち上がるように構成された下流側壁面部が形成されるとともに、その下流側壁面部が前記吹出口に通じる空気流路の一部を構成している空気調和機の室内機において、ドレンパンの熱交換器の下流側壁面部の上端部で大きな剥離渦が発生するのを抑制し、送風機入力の増加、騒音の増加などの性能悪化を防ぐことを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
「室内から機内へ空気を吸込む送風機と、
前記送風機の下流側に設けられ、前記送風機からの空気を冷却または加熱する熱交換器と、
前記熱交換器の下流側に設けられ、前記熱交換器からの空気を吹出す吹出口と、
前記熱交換器の下部に設けられ、前記熱交換器で生じる結露水を受けるためのドレンパンと、を備えた空気調和機の室内機において、
前記ドレンパンは、
前記熱交換器の下部に位置する底面部と、
前記熱交換器の下流側で前記底面部から上方に立ち上がるように構成された下流側壁面部と、を備え、
前記下流側壁面部は、前記吹出口に通ずる空気流路の一部を構成するとともに前記熱交換器との間に所定の間隔が形成され、さらに上部が該下流側壁面部の他の部分よりも厚くなるように形成されたこと」を特徴とする。
本発明によれば、ドレンパンの下流側壁面部の上端部で生じる剥離渦を小さくすることができ、送風機入力、騒音を低減することができる。
本発明のその他の構成、作用、効果については以下の実施例において詳細に説明する。
空気調和機の室内機の断面図である。(実施例1) 空気調和機の室内機の熱交換器下流側の断面図である。(実施例1) 空気調和機の室内機の熱交換器下流側の断面図である。(実施例2) 空気調和機の室内機の熱交換器下流側の断面図である。(実施例3) 空気調和機の室内機の断面図である。(従来例) 空気調和機の室内機の熱交換器下流側の断面図である。(従来例)
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施例における空気調和機の室内機の断面図である。この室内機は、化粧パネル1と化粧パネル1に接続された筐体2から構成されている。ここで、化粧パネル1は中心に吸込みグリル3を備え、その周囲に風向板4を備えた吹出し口5が配設されている。筐体内の中央部にはモータ6の軸に接続された遠心送風機7が設置され、室内から吸込みグリル3を介して機内へ空気を吸込む。遠心送風機7の周囲には該遠心送風機7の下流側に、該遠心送風機7からの空気を冷却または加熱する室内熱交換器8が配置され、室内熱交換器8の下部には室内熱交換器8で生じる結露水を受けるためのドレンパン9が設置される。
遠心送風機7の下方には、中央部に徐々に径を小さくしながら遠心送風機7の吸込み口21に向けて立ち上がった開口部をもつベルマウス10が取り付けられているとともに、ベルマウス10の下面には室内機の運転を制御するための図示しない制御基板を収納した電気品箱11が設置されている。
図2は図1の空気調和機の室内熱交換器8の下流側の断面拡大図である。ドレンパン9は室内熱交換器8で生じた結露水を保持するため、室内熱交換器8の下部に位置する底面部9aとその両側から上方に向けて立ち上がった上流側壁面部9bおよび下流側壁面部9cから構成されている。下流側壁面部9cは室内熱交換器8の下流側で底面部9aから上方に立ち上がるように構成されている。上流側壁面部9bの上部には図示しないベルマウス10を取り付けるための鍔部9dが設けられている。
また、下流側壁面部9cは、筐体2の側面14との間で吹出口5に向かう空気流路の一部を構成しているとともに、室内熱交換器8との間に所定の間隔が形成されることで室内熱交換器8から流れる空気の一部が流れるように構成されている。このような構成では、室内熱交換器8に流入した空気の大部分は矢印17aに示すように、筐体2の側面14により下方に曲げられ、吹出口5より吹出すが、室内熱交換器8の下部を通った空気は、矢印17bに示すように、ドレンパン9の下流側壁面部9cにより、一旦上向きに曲げられた後、吹出口5へ向かうことになる。
ここで本実施例のドレンパン9の下流側壁面部9cは上部9eが該下流側壁面部9cの他の部分よりも厚くなるように形成されたことを特徴とするものである。そして、その上部の角部が丸められていることが望ましい。より具体的には下流側壁面部9cの室内熱交換器8側側面は上端に向かって室内熱交換器8側に凸となる丸みをもつように形成され、該上端から吹出口5側に室内熱交換器8と反対側に凸となる丸みをもつように形成されるものである。
この構成により、矢印19に示すように空気は剥離することなく表面に付着し、下流側壁面部9cの上部9eに沿って流れる。空気が下流側壁面部9cの厚さが薄くなる部分に達すると空気は壁面から剥離するが、下流側壁面部9cの上部9eにおいて空気の流れ方向が急激に変化することを抑制しているため、剥離渦20は従来の空気調和機に比べて小さく、吹出流路の幅を従来の空気調和機よりも実質的に広くすることができ、吹出流路の通風抵抗を減少し、送風機入力や騒音を低減することができる。
図3に本発明の第2の実施例における空気調和機の室内機の室内熱交換器21の下流側の断面図を示す。本実施例が上記第1の実施例と異なるのは、ドレンパン22の下流側壁面部22cの上部22eの側面に、その上面が曲面となった別部材22fを取り付けることで下流側壁面部22cの上部を厚くしていることである。ドレンパンの下流側壁面部には加湿器などのオプション部品を取り付ける場合があるが、上部を厚くすることで、これらのオプション部品を取り付けられなくなる恐れがある。そこで、上部22eに別部材22fを取り付けることで下流側壁面部22cの上部を厚くし、オプション部品を取り付ける際にはこの別部材22fを取り外すようにすれば、オプション部品を大幅に変更することなく取り付け可能となる。
図4に本発明の第3の実施例における空気調和機の室内機の室内熱交換器33下流側の断面図を示す。本実施例が上記第1および第2の実施例と異なるのは、ドレンパン31の下流側壁面部31cの上部31eの厚い部分としたところのうち吹出口36側の側面の下部を、略鉛直下向きから空気流路を広げる方向に向けた点である。つまり、下流側壁面部31cの上部31eの下部側面が吹出流路を拡大する方向に傾いているところが第1の実施例および第2の実施例と異なる。
このようにすることで、矢印40に示すように下流側壁面部31cの上部31eに沿って流れる空気の方向を吹出流路を広げる方向に変えることができるため、空気が下流側壁面部31cから剥離した後も吹出流路を広げる方向に流れることになり、剥離渦32をさらに小さくすることができる。なお、図4では下流側壁面部31cの上部31eの下部側面は平面となっているが、吹出流路を広げる方向に徐々に傾くような曲面としてもよい。
なお、以上の実施例において、ドレンパンの下流側壁面部の上部の角部は丸めた形状としているが、これは角部を面取りしたものでもよい。
また、実際の空気調和機の室内機の流路は3次元構造となっており、剥離渦の大きさも機内の位置によって変わってくる。そこで、機内の位置により、ドレンパンの下流側壁面部の上部の厚さや角部の曲率等を変えることで、各位置で最も適切な形状とすることができる。
また、以上の実施例では4方向に吹出す構造の空気調和機の室内機について例示しているが、本発明は室内機の形式を問わず、熱交換器が送風機の下流側に配置され、その下部に設置されるドレンパンの下流側壁面が筐体の側面との間で吹出口に向かう空気の流路を成している構造となっている室内機では共通して適用できるものである。
7 遠心送風機
8 室内熱交換器
9 ドレンパン
9a ドレンパン9の底面部
9b ドレンパン9の上流側壁面部
9c ドレンパン9の下流側壁面部
9d ドレンパン9の鍔部
9e ドレンパン9の下流側壁面部9cの上部
13 遠心送風機7の吐出口
15 室内から吸い込む空気を示す矢印
16 電気品箱
17、17c 室内機から吹出す空気を示す矢印
19 遠心送風機から吐き出される空気を示す矢印
22 ドレンパン
22a ドレンパン22の底面部
22b ドレンパン22の上流側壁面部
22c ドレンパン22の下流側壁面部
22d 上流側壁面部22bの鍔部
22e ドレンパン22の下流側壁面部22cの上部
23 化粧パネル
24 筐体
25 風向板
26 吹出口
27 筐体24の側面部
28a 熱交換器21から流出する空気の主流を示す矢印
28b 熱交換器21の下部を通って流出する空気の流れを示す矢印
28c 室内機から吹出す空気を示す矢印
29 上流側壁面部の上端に取り付けた部材に沿って流れる空気を示す矢印
30 剥離渦を示す矢印
31a ドレンパン31の底面
31b ドレンパン31の上流側壁面
31d 上流側壁面31bの鍔部
31 ドレンパン
31a ドレンパン31の底面部
31b ドレンパン31の上流側壁面部
31c ドレンパン31の下流側壁面部
31d 上流側壁面部31bの鍔部
31e ドレンパン31の下流側壁面部31cの上部
34 化粧パネル
35 風向板
36 吹出口
37 筐体
38 筐体37の側面部
39a 熱交換器33から流出する空気の主流を示す矢印
39b 熱交換器33の下部を通って流出する空気の流れを示す矢印
39c 室内機から吹出す空気を示す矢印
117c 室内機から吹出す空気を示す矢印

Claims (7)

  1. 室内から機内へ空気を吸込む送風機と、
    前記送風機の下流側に設けられ、前記送風機からの空気を冷却または加熱する熱交換器と、
    前記熱交換器の下流側に設けられ、前記熱交換器からの空気を吹出す吹出口と、
    前記熱交換器の下部に設けられ、前記熱交換器で生じる結露水を受けるためのドレンパンと、を備えた空気調和機の室内機において、
    前記ドレンパンは、
    前記熱交換器の下部に位置する底面部と、
    前記熱交換器の下流側で前記底面部から上方に立ち上がるように構成された下流側壁面部と、を備え、
    前記下流側壁面部は、前記吹出口に通ずる空気流路の一部を構成するとともに前記熱交換器との間に所定の間隔が形成され、さらに上部が該下流側壁面部の他の部分よりも厚くなるように形成されたことを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
    前記下流側壁面部の上部の角部を丸めたことを特徴とする空気調和機の室内機。
  3. 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
    前記下流側壁面部の上部の角部を面取りしたことを特徴とする空気調和機の室内機。
  4. 請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
    前記下流側壁面部の前記熱交換器側側面は上端に向かって前記熱交換器側に凸となる丸みをもつように形成され、前記上端から前記吹出口側に前記熱交換器と反対側に凸となる丸みをもつように形成されることを特徴とする空気調和機の室内機。
  5. 請求項1乃至4に記載の空気調和機の室内機において、
    前記下流側壁面部の上部に、角部が円弧状の曲面あるいは面取りされた部材を取付けることで、該上部が該下流側壁面部の他の部分よりも厚くなるように形成されたことを特徴とする空気調和機の室内機。
  6. 請求項1乃至4に記載の空気調和機の室内機において、
    前記下流側壁面部の厚い部分の前記吹出口側の側面の下部を、略鉛直下向きから空気流路を広げる方向に向けたことを特徴とする空気調和機の室内機。
  7. 請求項1乃至5に記載の空気調和機の室内機において、
    前記下流側壁面部の前記上部の厚さ、あるいは角部の曲面の曲率や面取りの大きさを、前記ドレンパンの水平方向の位置により変えたことを特徴とする空気調和機の室内機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106556127A (zh) * 2015-09-25 2017-04-05 松下知识产权经营株式会社 空气调节装置
JP2017075723A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 空気調和機の室内ユニット
CN111351149A (zh) * 2020-02-27 2020-06-30 江苏易诺威建筑科技有限公司 一种格栅式地铁屏蔽门气候转换装置

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