JP2021194357A - マイクロニードルシートを使用するキット及び美容方法 - Google Patents

マイクロニードルシートを使用するキット及び美容方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロニードルの繰り返しの使用を阻止することができ、化粧料を容易に衛生的に適用できるキットを提供する。【解決手段】基材層、及び基材層上の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードルを備えた、マイクロニードルシートと、適用面を備えた少なくとも1つのアプリケータ2−3、化粧用組成物を含む容器2−1、及びバルブ2−2を備えた、デバイスとを備えたキットであって、マイクロニードルシートが、マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、アプリケータに取り付けられることが可能であり、アプリケータ、容器及びバルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するようにされており、バルブがアプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、複数のマイクロニードルを備えた少なくとも1つのマイクロニードルシートを備えたキット、及びマイクロニードルシートを使用する、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の美容方法に関する。
角質層(SC)は、低分子量材料を含む外因性物質に対する主な障壁を構成する。一般に、皮膚を透過する外因性物質は、角質層の高度に組織された細胞間脂質二重層を通って拡散する必要がある。親油性であるこの細胞間の微細経路は、外因性物質が、送達ビヒクルとSCの間の濃度勾配に沿った受動拡散によりSC障壁を通過する主要な経路である。一部の外因性物質は、皮膚に浸透することが困難である。
外因性物質を皮膚内により深く供給するために、従来の針を使用して注射を行うことが可能である。但し、このような注射は痛みを引き起こすため、医師等の専門家が行う必要がある。そのため、従来の針を使用した注射は、美容目的では一般的でない。
角質層(SC)障壁を破るために複数のマイクロニードルを備えた微細構造デバイスを使用するという着想は、1970年代に初めて提案された。角質層を穿通して微視的な穴を残し、それに続く内部への薬物送達又は外部への間質液の移行を可能にするシステムをもたらすために、固体マイクロニードルを含む多様なデバイスが開発されてきた。例えばシリコーン又は不溶性ポリマーを使用した固体微細突起及びマイクロニードルアレイの製造は、当該技術において、例えば、国際公開第2009040548号及び米国特許出願公開第2015/0141910号に記載されている。
しかしながら、これらの不溶性マイクロニードルは、適用後に、依然として鋭く、無傷であり、これは、マイクロニードルの繰り返しの使用に起因する相互汚染の高いリスクを残している。
更に、化粧料が、当技術分野において現在既知のそのようなシステムの使用との組合せにおいて使用される場合、化粧料を手で皮膚上に適用する必要があり、これは容易でなく衛生的でないことがある。
国際公開第2009040548号 米国特許出願公開第2015/0141910号 米国特許第6219574号 カナダ特許出願第2226718号 米国特許第6652478号
Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968年)、Academic Press Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」 ASTM規格445付録C
本発明の目的は、マイクロニードルの繰り返しの使用を阻止することができ、化粧料を容易に衛生的に適用できるキット、及びキットを使用できる美容方法を提供することである。
上記の目的は、
基材層、及び
基材層上の、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードル
を備えた、少なくとも1つのマイクロニードルシートと、
少なくとも1つの適用面を備えた少なくとも1つのアプリケータ、
少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び
少なくとも1つのバルブ
を備えた、少なくとも1つのデバイスと
を備えた、キット、好ましくはケラチン物質のための化粧用キット、より好ましくは皮膚、唇又は頭皮のための化粧用キットであって、
マイクロニードルシートが、マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、アプリケータに取り付けられることが可能であり、
アプリケータ、容器及びバルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するようにされており、
バルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能である、
キットによって達成することができる。
マイクロニードルシートの基材層が、アプリケータの適用面に取り付けられた後にアプリケータの適用面から取り外し可能であることが好ましい。
マイクロニードルシートは、基材層上に固定されていてよい少なくとも1つの基底層を備えていてもよい。
マイクロニードルシートは、存在する場合に基材層上又は基底層上に固定されていてよい少なくとも1つの接着層を備えていてもよい。
マイクロニードルシートは、接着層上に配置されていてよい少なくとも1つの剥離層を備えていてもよい。
マイクロニードルは、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンの高さを有してもよい。
アプリケータの適用面は、湾曲していてもよい。アプリケータは、湾曲側面を有する少なくとも1つの円筒形ローラーを備えてもよく、円筒形ローラーの湾曲側面は、適用面を備えてもよい。
本発明によるキットは、少なくとも1つの収納部を更に含んでもよく、収納部は、マイクロニードルシートを保管することができる。
収納部は、スポンジ、織布、不織布、及びこれらの組合せから選択される、少なくとも1つの軟質の及び/又は多孔質の物品を備えてもよい。
バルブが、ゲートバルブであることが好ましい。
化粧用組成物が、少なくとも1種の美容有効成分を含むことが好ましい。
本発明はまた、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の美容方法であって、
マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、少なくとも1つのマイクロニードルシートを、少なくとも1つの適用面を有する少なくとも1つのアプリケータに取り付ける工程であって、
マイクロニードルシートが、基材層、及び基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードルを備え、
アプリケータが、少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び少なくとも1つのバルブを備えた、少なくとも1つのデバイス中に備えられている、
工程と、
マイクロニードルがケラチン物質と接触するように、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程であって、
アプリケータ、容器及びバルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するようにされており、
バルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能であり、
化粧用組成物が、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程の間にマイクロニードルシート上に供給される、
工程と
を含む、美容方法にも関する。
本発明による美容方法は、アプリケータの適用面上のマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給なしに、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程を更に含むことができる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの一例の断面図である。 少なくとも1つのアプリケータ、少なくとも1つの容器及び少なくとも1つのバルブを備えたデバイスの一例の透視図である。 バルブの「オン」(ON)位置及び「オフ」(OFF)位置にあるデバイスの模式図である。 マイクロニードルシートを有するデバイスの透視図である。 マイクロニードルシートを有するデバイスをどのように使用するかの透視図である。 本発明のために使用されうる収納部の一例の断面図である。
鋭意検討の結果、本発明者らは、マイクロニードルの繰り返しの使用を阻止することができ、且つ化粧料を容易に衛生的に適用することができる、キットを提供することが可能であることを発見した。
本発明は、不溶性マイクロニードルを有する再使用可能なマイクロニードルではなく、水溶性又は水分散性マイクロニードルを有する使い捨てのマイクロニードルシートを使用する。そのため、最初の使用において、マイクロニードルは、例えばケラチン物質中で及び/又はケラチン物質上の化粧料中で溶解される又は吸収されることによって、変形することができる。したがって、使用されたマイクロニードルシートは、1回の使用後に、新しいものと置き換えられる必要がある。したがって、マイクロニードルの繰り返しの使用を阻止することができる。
本発明はまた、制御された量の化粧用組成物をマイクロニードルシート上に供給できるデバイスを使用する。マイクロニードルシート上に供給される化粧用組成物は、マイクロニードルシートの表面を介してケラチン物質上に適用されうる。したがって、化粧用組成物は、ケラチン物質上に、容易に衛生的に適用されうる。
化粧用組成物が、マイクロニードルシートとの組合せにおいて、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質上に適用されうるため、化粧用組成物は、マイクロニードルシートのマイクロニードルによってその上に形成された孔/穴を介して、マイクロニードルシート不使用と比べて比較的容易にケラチン物質内に浸透することができる。したがって、本発明は、化粧用組成物をケラチン物質内にはるかに深く浸透させることができ、マイクロニードルシート不使用と比べて比較的多量の化粧用組成物をケラチン物質内に送達することができる。
そのため、本発明の一態様は、
基材層、及び
基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードル
を備えた、少なくとも1つのマイクロニードルシートと、
少なくとも1つの適用面を備えた少なくとも1つのアプリケータ、
少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び
少なくとも1つのバルブ
を備えた、少なくとも1つのデバイスと
を備えた、キットであって、
マイクロニードルシートが、マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、アプリケータに取り付けられることが可能であり
アプリケータ、容器及びバルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するように構成され、
バルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能である、
キットである。
本発明の別の態様は、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の美容方法であって、
マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、少なくとも1つのマイクロニードルシートを、少なくとも1つの適用面を有する少なくとも1つのアプリケータに取り付ける工程であって、
マイクロニードルシートが、基材層、及び基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードルを備え、
アプリケータが、少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び少なくとも1つのバルブを備えた、少なくとも1つのデバイス中に備えられている、
工程と、
マイクロニードルがケラチン物質と接触するように、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程であって、
アプリケータ、容器及びバルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するように構成され、
バルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能であり、
化粧用組成物が、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程の間にマイクロニードルシート上に供給される、
工程と
を含む、
美容方法である。
本発明によるキット及び美容方法は、マイクロニードルの繰り返しの使用を阻止することができ、化粧料を容易に衛生的に適用することができる。
アプリケータが円筒形ローラーの形態にある場合、化粧用組成物は、アプリケータをケラチン物質上で回転させることによって、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質上に連続的に且つ定量的に適用されうる。加えて、アプリケータをケラチン物質上で回転させることによって、化粧用組成物によって、均一の化粧膜が皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質上で形成されやすい。
本発明によれば、マイクロニードルシートは、使用中でないとき、アプリケータから離されている。マイクロニードルシートは、使用中のとき、アプリケータに取り付けられうる。したがって、ユーザは、マイクロニードルを壊すことなくアプリケータを保存しやすい。
マイクロニードルシートの基材層が、アプリケータの適用面に取り付けられた後に、アプリケータの適用面から取り外し可能であることが好ましい。この事例では、アプリケータは、アプリケータ上のマイクロニードルシートを交換することによって繰り返し使用されうる。マイクロニードルシートの交換は、ユーザによって実施されうる。
本発明によるキットが、この中で収納部がマイクロニードルシートを保管することができる少なくとも1つの収納部を更に含む場合、マイクロニードルを壊すことなくマイクロニードルシートを保管することが、より実施されやすい。
マイクロニードルが痛みを一切引き起こさないため、本発明は、痛みなしで、美容トリートメントを提供することができる。そのため、本発明によるキットは、美容トリートメント又は非治療的トリートメントに好都合である。
これ以降、本発明によるキット及び美容方法を、より詳細に説明する。
[キット]
本発明による、キット、好ましくはケラチン物質のための化粧用キット、より好ましくは皮膚、唇又は頭皮のための化粧用キットは、
基材層、及び
基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードル
を備えた、少なくとも1つのマイクロニードルシートと、
少なくとも1つの適用面を備えた少なくとも1つのアプリケータ、及び
少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び
少なくとも1つのバルブ
を備えた、少なくとも1つのデバイスと
を備え、
マイクロニードルシートは、マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、アプリケータに取り付けられることが可能であり、
アプリケータ、容器及びバルブは、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するように構成され、
バルブは、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能である。
本発明によるキットは、ケラチン物質の美容トリートメントのために使用することができる。
{マイクロニードルシート}
本発明によるキットのために使用されるマイクロニードルシートは、基材層、及び基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードルを備える。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、後で説明されるデバイスのアプリケータに取り付けられうる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、使い捨てである。1回の使用後に、マイクロニードルシートは、新しいものに置き換えられる。
(マイクロニードル)
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、複数のマイクロニードルを備える。
マイクロニードルは、基材層の表面上に存在する。マイクロニードルは、基材層の表面の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上の上に存在してよい。
マイクロニードルが基材層の表面の一方の上に存在することが好ましい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルが、皮膚の、特定すると顔面の皮膚の、並びに唇又は頭皮の、角質層内に浸透する又は入るように設計されることが好ましい。
マイクロニードルは、角質層を穿通するのに適した任意のサイズ及び形状とすることができる。マイクロニードルが、角質層を貫いて横断するように設計されることが好ましい場合がある。マイクロニードルは、角質層内に開口部を創製することが可能でありうる。
必要な場合、マイクロニードルの高さは、皮膚の表皮及び/又は真皮内への、好ましくは真皮上層内への、より好ましくは真皮下層内への浸透を可能にするように変更されてよい。
マイクロニードルの形状は、その形状が「針」である限り限定されない。本発明のためのマイクロニードルが、円錐状、棒状及び/又は柱状が含まれるがこれらに限定されない任意の合理的な形状をとりうることが、当業者には明らかである。そういうものとして、マイクロニードルは、先端部が底部と同一の直径を有していてもよく、又は底部から先端部の方向に直径が先細りしていてもよい。
例えば、マイクロニードルの形状は、三角錐、四角錐又は五角錐の形態であってよい。或いは、マイクロニードルは、好ましくは円筒を斜め切りして形成し得る先端部を有する円筒の形態であってもよい。
マイクロニードルの断面は、円形、三角形、正方形、長方形、多角形、規則的又は不規則的な形態等を含む任意の幾何学的形状をとることができる。一実施形態では、マイクロニードルの群は、中空のミクロキャピラリーの形態をとってよい。
そのため、「マイクロニードル」を、利用されている一種の微細突起又は微細突出として言及する。多くの事例において、同一の発明原理が、皮膚に浸透するための他の微細突起又は微細突出の使用に当てはまることが当業者には理解されよう。他の微細突起又は微細突出には、例えば、米国特許第6219574号及びカナダ特許出願第2226718号に記載されているマイクロブレード、並びに米国特許第6652478号に記載されているエッジ付きマイクロニードルが挙げられる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの高さ又は長さは、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンであってよい。
本発明の一実施形態によれば、マイクロニードルは円錐体の形態である。
円錐体は、先端部及び底部等の遠位端を備えてよい。底部の形状は、円形であっても楕円形であってもよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの円錐体の高さ又は長さは、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンであってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの円錐体の底面は、50〜350ミクロン、好ましくは100〜300ミクロン、より好ましくは150〜250ミクロンの直径又は幅を有してよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの円錐体の底面が楕円形又は長円形の形状にある場合、楕円形の主軸の長さ又は幅は、50〜350ミクロン、好ましくは100〜300ミクロン、より好ましくは150〜250ミクロンであってよい。
マイクロニードルは、少なくとも約3:1、少なくとも約2:1、又は少なくとも約1:1のアスペクト比(底部における長さ/幅)を有しうる。マイクロニードルの(円錐体の高さ)/(円錐体の底部の直径)の比は、1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であってよい。
好ましくは、マイクロニードルは、50.0N/cm2未満、例えば20.0N/cm2未満、例えば10N/cm2未満等の挿入圧力がマイクロニードルの長さに沿ってかけられるとき、その力で破損しない。
本発明のために使用されるマイクロニードルシート、特定するとマイクロニードルシートのマイクロニードルが、50N/mm以上、好ましくは55N/mm以上、より好ましくは60N/mm以上のヤング率を有することもまた好ましい。
マイクロニードルが、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質内へ、200ミクロン以下、好ましくは180ミクロン以下、より好ましくは160ミクロン以下の深さまで穿通することが可能であることが好ましい場合がある。
マイクロニードルは溶解性である。「溶解性」によって、マイクロニードルが、水を好ましくは含みうる化粧用組成物中に溶解されうる(破壊される若しくは崩壊される)こと、及び/又は例えば天然の保湿因子又は内部の/外部の水分によって、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質中に溶解されうることが意味される。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルは、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含んでよい。ここで、用語「水溶性」及び「水分散性」は、それが水と接触したときに、それぞれ可溶性である及び分散性であることを意味する。単一の水溶性又は水分散性ポリマーが使用されてもよい。2種以上の水溶性又は水分散性ポリマーを組み合わせて使用することができる。
水溶性又は水分散性ポリマーが、皮膚、唇又は頭皮中に、可溶性又は分散性であることが好ましい。そのため、本発明の一実施形態では、水溶性又は水分散性ポリマーは、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質内へ挿入された後に、溶解される又は分散されることが可能である。ポリマーの可溶性又は分散性に起因して、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルは、マイクロニードル中に存在する場合に作用剤を効果的に放出することができる。マイクロニードルシートの適用と組み合わされた任意選択の外部の水が、マイクロニードルの溶解又は分散を促進するのに使用されうる。
水溶性又は水分散性ポリマーが、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の表面層中で溶解性であることが好ましい。
水溶性又は水分散性ポリマーは、ヒアルロン酸(具体的には低分子量ヒアルロン酸)、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖(その誘導体、例えばヒドロキシメチルセルロースを含む)、デキストリン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリビニルピロリドン、ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、ポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)、それらの塩、並びにこれらの混合物から選択することができる。
水溶性又は水分散性ポリマーは、10,000〜200,000ダルトン、好ましくは30,000〜150,000ダルトン、より好ましくは50,000〜100,000ダルトンの分子量を有してよい。
低分子量ヒアルロン酸は、100kDa以下、好ましくは70kDa以下、より好ましくは50kDa以下の分子量を有してよい。
ポリビニルピロリドンは、1kDaから300kDaの間、好ましくは5kDaから200kDaの間、より好ましくは7kDaから100kDaの間の分子量を有してよい。
ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、並びにポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)は、Gantrez型ポリマーとして知られる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、100質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であってよい。そのため、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、50質量%〜100質量%、好ましくは60質量%〜90質量%、より好ましくは70質量%〜80質量%であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルが、膨潤性である、より好ましくは水膨潤性である、更により好ましくは皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質内で膨潤性である、少なくとも1種の材料を含むことが可能でありうる。上記の材料は、膨潤性である、より好ましくは水膨潤性である、更により好ましくはケラチン物質内で膨潤性である、ポリマーであってよい。ここで、用語「水膨潤性」は、水と接触したときに膨潤性であることを意味する。上記の膨潤性材料又はポリマーは、それが、生理食塩水溶液又はリン酸緩衝生理食塩水中での1時間のインビトロインキュベーションにおいて少なくとも10倍超に、好ましくは1時間のインキュベーションにおいて少なくとも20倍に、より好ましくは1時間のインキュベーションにおいて少なくとも30倍に、更により好ましくは1時間のインキュベーションにおいて少なくとも40倍に、最も好ましくは1時間のインキュベーションにおいて約45〜55倍に膨潤することができるように、高い膨潤性を有しうる。
マイクロニードルの少なくとも遠位端部分が、ケラチン物質への挿入時に、より好ましくはケラチン物質への挿入後の1時間未満以内に、更により好ましくは24時間以内に、少なくとも2倍に膨潤することが好ましい場合がある。
上記の膨潤性材料、好ましくは上記の膨潤性ポリマーは、それが、生理食塩水溶液又はリン酸緩衝生理食塩水中でのインビトロインキュベーションの後にゲルを形成することができるように、高い粘弾性を有しうる。ゲルは、レオメータを用いる動的周波数掃引試験において、低周波数(0.01Hz)であっても、高弾性係数G'、高粘性係数G"、1未満のタンジェント(δ)(タンジェント(δ)=G"/G')及び高稠度G*(G*2=G'2+G"2)を示す。
一実施形態では、上記の膨潤性材料、好ましくは膨潤性ポリマーは、水溶性でない又は水分散性でない。
別の実施形態では、上記の膨潤性材料、好ましくは膨潤性ポリマーは、ヒドロゲル形成性ポリマーでありうる。
上記の膨潤性ポリマーは、高分子量ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、架橋ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール架橋ポリ乳酸又はポリグルコール酸又はポリ-乳酸-co-グリコール酸又はポリジオキサノン、ポリ(スチレン)-ブロック-ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール架橋PMVE/MA、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム;セルロース;天然及び合成ガム;アルギネート;ポリアクリル酸ナトリウムPEG架橋ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、PEG架橋ポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)及びそのエスエル、それらの塩、並びにこれらの混合物から選択することができる。
高分子量ヒアルロン酸は、500kDa超、好ましくは1000kDa超、より好ましくは2100kDa超の分子量を、好ましくは10000kDa未満の分子量を有しうる。
別段の定義がなされていない限り、本明細書における分子量は、数平均分子量を意味する。
ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、並びにポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)は、Gantrez型ポリマーとして知られる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の膨潤性材料の量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であってよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の膨潤性材料の量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であってよい。そのため、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の膨潤性材料の量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%、より好ましくは10質量%〜20質量%であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルが少なくとも1種の膨潤性材料、好ましくは少なくとも1種の膨潤性ポリマーを含む場合、マイクロニードルは、それがケラチン物質、好ましくは皮膚、より好ましくは顔面の皮膚の審美的外観を、しわの出現を低減させることによって改善することができるように、膨潤性でありうる。
換言すれば、マイクロニードルが膨潤性である場合、それは、皮膚内で膨潤して、例えば皮膚内の水のその吸収と共に、マイクロニードルの体積を更に増加させることができる。しわ部位の皮膚表面下におけるそのような体積膨張は、しわを皮膚内部から効果的に押して、しわをより浅く、より幅広くなるようにさせることができる。そのため、しわは、低減されうる又は目立たなくされうる。
基材層上の個々のマイクロニードルのそれぞれの間の尖端分離距離は、マイクロニードルによる皮膚、唇又は頭皮への穿通を確保し、同時に高い経皮輸送速度を提供するのに十分短い分離距離を有するよう変更することができる。
一実施形態では、マイクロニードルの間の尖端分離距離の範囲は、10〜1000μm、例えば30〜800μm又は50〜600μm等の範囲内でありうる。これにより、可能な限り多くのマイクロニードルによる角質層への効果的な穿通と、マイクロニードルが膨潤性である場合に、マイクロニードルの可能な膨潤に必要な余地との間に、達成されるべき妥協点を可能としうる。
一実施形態では、マイクロニードルの密度は、100〜2000マイクロニードル/cm2、好ましくは200〜1000マイクロニードル/cm2、更により好ましくは200〜500マイクロニードル/cm2であってよい。
(ポリオール)
一実施形態によれば、マイクロニードルシートのマイクロニードルのうちの少なくとも1つは、少なくとも1種のポリオールを含んでもよい。単一の種類のポリオールが使用されうる。2種以上のポリオールを組み合わせて使用することができる。
ポリオールが、大気圧(760mmHg又は105Pa)下、25℃等の室温にて液体の形態にあることが好ましい。
用語「ポリオール」は、本明細書では、2つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖又はその誘導体を包含しない。糖の誘導体には、糖の1つ又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、並びに1つ又は複数のそれらのヒドロキシ基中の1個以上の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられている糖又は糖アルコールが挙げられる。
本発明において使用されるポリオールは、大気圧(760mmHg又は105Pa)下、25℃等の室温にて液体である。
ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2〜5つのヒドロキシ基を含む、C2〜C24ポリオール、好ましくはC2〜C9ポリオールであってよい。
ポリオールは、天然の又は合成のポリオールであってよい。ポリオールは、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有していてよい。
ポリオールは、グリセリン及びその誘導体、並びにグリコール及びその誘導体から選択することができる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、C6〜C24ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,5-ペンタンジオールからなる群から選択することができる。
マイクロニードルシートのマイクロニードルがポリオールを含む場合、マイクロニードルの脆性は低減されうる又は制御されうる。
(糖)
一実施形態によれば、マイクロニードルシートのマイクロニードルのうちの少なくとも1つは、少なくとも1種の糖又はその誘導体を含んでもよい。単一の種類の糖又はその誘導体が使用されうる。2種以上の糖、それらの誘導体、又は糖とそれらの誘導体との組合せを使用することができる。
用語「糖」は、本明細書では、1つ又は複数の糖質単位を含み、少なくとも1つのカルボニル基を有しうるポリアルコールを意味する。糖の誘導体には、糖の1つ又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、並びに1つ又は複数のそれらのヒドロキシ基中の1個以上の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられている糖又は糖アルコールが挙げられる。
糖は、単糖、オリゴ糖、多糖、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
単糖は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、タロース、ソルボース、キシロース、リキソース、フコース、アラビノース、ラムノース、リボース、リブロース、キシルロース、ソルビトール、トリオース、ペントース、ヘキソース、ケトース、グルコサミン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
オリゴ糖は、マルトース、ラクトース、サッカロース、セロビオース、トレハロース、スクロース、フルクト-オリゴ糖、デキストリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。好ましいオリゴ糖は、2〜10種の単糖からなっていてもよい。
多糖は、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カラゲナン、寒天、カラヤガム、トラガカントガム、タラガム、ペクチン、ローカストビーンガム、カードラン、ジェランガム、デキストラン、プルラン、ヒアルロン酸、セルロース及びその誘導体、並びにこれらの混合物から選択することができる。
糖の誘導体は、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールからなる群から選択することができ、そこで、それらのヒドロキシル基中の少なくとも1個の水素は、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられていてもよい。
上記の糖は、L又はD異性体の形態で存在することができる。
(美容有効成分)
一実施形態によれば、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルのうちの少なくとも1つは、少なくとも1種の美容有効成分を含んでよい。単一の美容有効成分が使用されうる。2種以上の美容有効成分を組み合わせて使用することができる。
美容有効成分の種類は限定されない。美容有効成分は、抗老化剤、美白剤、抗しわ剤、制汗剤、冷却剤、洗浄剤、皮膚テクスチャトリートメント剤、及びこれらの組合せからなる群から選択することができる。
例えば、抗老化剤を、美容有効成分として使用することができる。
抗老化剤の例として、抗酸化剤、保湿剤、フリーラジカル捕捉剤、角質溶解剤、例えばα又はβ-ヒドロキシ酸、ビタミン、例えばビタミンC及びその誘導体並びにビタミンE及びその誘導体、抗エラスターゼ剤及び抗コラゲナーゼ剤、プロチド、脂肪酸誘導体、ステロイド、微量元素、漂白剤、植物油、例えばアーモンド油、藻類及びプランクトンの抽出物、ヒアルロン酸又はその塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム、酵素及び補酵素、フラボノイド、セラミド、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の美容有効成分の量は限定されず、マイクロニードルの総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の美容有効成分の量が、マイクロニードルの総質量に対して0.01質量%未満であることもまた可能である。一実施形態では、本発明によるマイクロニードルシートのマイクロニードルは、美容有効成分を全く含まなくてもよい。
(基材層)
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、その上にマイクロニードルが存在する又は配置されている基材層を備える。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材層は、溶解性であっても非溶解性であってもよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材層が、水中で溶解性である又は水中で崩壊性であることが好ましい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材層は、上で説明した少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含んでよい。換言すれば、マイクロニードルシートのマイクロニードル中に含まれうる水溶性又は水分散性ポリマーについての上記の説明は、基材層中に含まれうる水溶性又は水分散性ポリマーに当てはめることができる。
例えば、本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材層中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、基材層の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材層中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、基材層の総質量に対して、100質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であってよい。そのため、本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材層中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、基材層の総質量に対して、50質量%〜100質量%、好ましくは60質量%〜90質量%、より好ましくは70質量%〜80質量%であってよい。
基材層とマイクロニードルとは、統合されていても統合されていなくてもよい。
基材層とマイクロニードルとが統合されている場合、基材層とマイクロニードルとは、少なくとも1種の共通の水溶性又は水分散性ポリマーを含むことができる。
そのため、一実施形態では、基材層とマイクロニードルとは、少なくとも1種の共通の水溶性又は水分散性ポリマーを含む単一の要素とすることができる。好ましくは、この単一の要素は、同じ水溶性又は水分散性ポリマーを使用することによって調製することができる。
他方、基材層とマイクロニードルとが統合されていない場合、即ち基材層がマイクロニードルとは異なる又は別個である場合、基材層とマイクロニードルとは異なる材料から作製することができる。
そのため、別の実施形態では、基材層とマイクロニードルとは、2つの異なる又は別個の要素のアセンブリとすることができる。
後者の実施形態では、基材層は、例えば、繊維又はポリマーフィルムから作製することができる。
繊維は、綿等の天然繊維、ビスコース等の半天然繊維、ポリエステル及びポリプロピレン繊維等の合成繊維、並びにこれらの組合せから作製することができる。多孔質の基底層は、織布又は不織布から選択することができる。
ポリマーフィルムは、合成樹脂、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びこれらの組合せから作製することができる。
基材層は、パッチ、ディスク、マスク、タオル、グローブ、プレカットロールの形態、又は美容上の使用に好適な任意の他の形態にあるように切断することができる。
(付加的な層)
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、少なくとも1つの付加的な層を備えてよい。
一実施形態では、マイクロニードルシートは、付加的な層として少なくとも1つの基底層を備え、基底層は、基材層上に固定されている。固定するために、基底層を基材層上にしっかりと取り付ける任意の手段を使用することができる。例えば、任意の接着剤を、基底層を基材層上に固定するために使用することができる。
基底層の形態及び材料は限定されない。
基底層は、多孔質の基底層であっても非多孔質の基底層であってもよい。
多孔質の基底層は、繊維からなっていてもよい。繊維は、綿等の天然繊維、ビスコース等の半天然繊維、ポリエステル及びポリプロピレン繊維等の合成繊維、並びにこれらの組合せから作製することができる。多孔質の基底層は、織布又は不織布から選択することができる。
非多孔質の基底層は、ポリマーフィルムからなっていてもよい。ポリマーフィルムは、合成樹脂、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びこれらの組合せから作製することができる。
マイクロニードルシートの、マイクロニードルと基材層とが、異なる又は別個の要素である場合、基材層は基底層として機能することができる。したがって、この事例では、基底層が必要ないことがある。
一実施形態では、マイクロニードルシートは、付加的な層として少なくとも1つの接着層を備え、接着層は、存在する場合、基材層上に又は基底層上に固定されている。
接着層の材料は限定されない。アプリケータの適用面から取り外されうる接着層を使用することが好ましい。例えば、アプリケータの適用面から剥がしうる又は外しうる接着層を使用することが好ましい。
接着層を形成するために、感圧性接着剤を使用することが好ましい場合がある。感圧性接着剤として、任意の従来の感圧性接着剤を使用することができる。感圧性接着剤は、少なくとも1種の接着ポリマーを含むことができる。接着ポリマーは、(メタ)アクリレートポリマー、酢酸-アクリル酸ビニルコポリマー、ポリイソブチレン、ポリスチレン又はポリブタジエンを含むコポリマー、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノール樹脂、シリコーン樹脂、天然又は合成ゴム、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
一実施形態では、マイクロニードルシートは、付加的な層として少なくとも1つの剥離層を備え、剥離層は接着層上に配置されている。
剥離層は、接着層を保護することができる。
剥離層の材料は限定されない。少なくとも1つの剥離剤でコーティングされた、紙等の薄いフィルム又はシートを使用することが好ましい。剥離剤として、任意の従来の剥離剤を使用することができる。接着層から剥離層を剥がしやすいことが好ましい。
剥離層のために少なくとも1つのタブを形成することが好ましく、その理由は、ユーザがタブを掴んで接着層から剥離層を剥がしやすいためである。タブは、例えば、剥離層の先端又は縁をわずかに折ることによって、形成することができる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの例は、図1で例示されている。
図1は、多層マイクロニードルシート1の例を示す。多層マイクロニードルシート1は、マイクロニードル1-1、基材層1-2、基底層1-3、接着層1-4及び剥離層1-5を備える。これらの層は、図1に示す順序で重ねられている。
この例では、基材層1-2は、基底層1-3とは異なる。しかしながら、基材層1-2の材料が基底層1-3の材料と同一である場合、基底層1-3を使用しないことが可能である。この事例では、接着層1-4は、基材層1-3の上に形成されうる。
この例では、剥離層1-5は、タブ1-5-1を有する。ユーザは、タブ1-5-1を掴んで接着層1-4から剥離層1-5を剥がすことができる。したがって、多層マイクロニードルシート1が使用されるとき、ユーザは、接着層1-4から剥離層1-5を剥がしやすい。
(調製)
本発明のために使用されるマイクロニードルシートをどのように調製するかに関して制限はない。本発明のために使用されるマイクロニードルシートを、成型、3Dプリンティング及びDroplet-born Air Blowing等の従来の技術に基づいて調製することが可能である。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、例えば、上で説明した少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む組成物を成型する工程を含んだ方法によって調製することができる。
一実施形態では、本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、
(a)マイクロニードルのネガに対応する空洞を有する型を用意する工程と、
(b)上で説明した少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む組成物を空洞内に充填する工程と、
(c)組成物を、例えば、数時間等の期間にわたり室温にて乾燥させて(且つ任意選択で加熱して)固化し、マイクロニードルシートを形成する工程と、
(d)型からマイクロニードルシートを外す工程と
を含む方法によって調製することができる。
型は、ポリアミド及びシリコーン等の有機材料から、並びに/又はアルミニウム及び鉄等の無機材料から作製することができる。
少なくとも1種の蒸発性液体成分を、必要な場合、組成物の流動性を増強するために上記組成物中に含ませてもよい。蒸発性液体成分の例は限定されないが、好ましくは、水、及びエタノール等のアルコールであってよい。
蒸発性液体成分の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であってよい。蒸発性液体成分の量は、組成物の総質量に対して、98質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であってよい。そのため、蒸発性液体成分の量は、組成物の総質量に対して、10質量%〜98質量%、好ましくは20質量%〜95質量%、より好ましくは30質量%〜90質量%であってよい。
好ましくは流動可能であり、より好ましくは液体の形態である、上記組成物中の水溶性又は水分散性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、2質量%〜90質量%、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜30質量%であってよい。
必要な場合、上記組成物は、上で説明した膨潤性ポリマー等の少なくとも1種の付加的なポリマー、並びに/又は上で説明した少なくとも1種のポリオール及び/若しくは少なくとも1種の美容有効成分を含んでよい。
マイクロニードルと基材層とは、上記の成型方法によって同時に調製することができる。この事例では、型はまた、基材層のための空洞も有し、型中のマイクロニードルのための空洞が、基材層のための空洞に連結されることが好ましい。そのため、基材層とマイクロニードルとは、単一の要素として調製することができる。
マイクロニードルシートの、マイクロニードルと基材層とが、異なる又は別個の要素である場合、マイクロニードルは、上記の成型方法によって調製されて、別々に付与される基材層上に固定されていてよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの形状は限定されず、それは、マイクロニードルシートの適用標的に応じて、唇の形状、又は顔面若しくは頭の上への適用に好適な形状等の任意の形状であってよい。
{デバイス}
本発明によるキットは、少なくとも1種のデバイスを備える。デバイスは、美容デバイス、好ましくはケラチン物質のための美容デバイス、より好ましくは皮膚、特定すると顔面の皮膚、及び唇又は頭皮のための美容デバイスである。
デバイスは、少なくとも1つの適用面を備えた少なくとも1つのアプリケータ、少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び少なくとも1つのバルブを備える。
アプリケータ、容器及びバルブは、バルブを介してアプリケータの適用面に化粧用組成物を供給するように構成される。マイクロニードルシートは、マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、アプリケータに取り付けることができる。そのため、アプリケータ、容器及びバルブは、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上に化粧用組成物を供給するように構成される。
バルブは、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することができる。
したがって、デバイスは、マイクロニードルがケラチン物質と接触するように、マイクロニードルシートをケラチン物質上に適用することができ、更にまた、化粧用組成物を、マイクロニードルシートの表面を介してケラチン物質上に供給することもできる。
(アプリケータ)
本発明によるキットのデバイス中のアプリケータは、マイクロニードルシートを、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質上に適用するためである。
アプリケータは、少なくとも1つの適用面を備える。アプリケータの適用面は、皮膚、特定すると顔面の皮膚、及び唇又は頭皮等のケラチン物質に適用することができる。アプリケータの適用面は、ケラチン物質と接触することができる。
マイクロニードルシートの基材層は、アプリケータの適用面に取り付けられることが可能である。したがって、マイクロニードルシートは、適用面に取り付けられることが可能である。
アプリケータに取り付けられたマイクロニードルのシートのマイクロニードルは、皮膚、及び唇及び頭皮等のケラチン物質と接触することができる。そのため、マイクロニードルは、ケラチン物質内に穿通することができる。
マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付ける手段は限定されない。例えば、アプリケータの適用面は偏心を有してもよく、マイクロニードルの基材層はその偏心に挿入されてもよい。
マイクロニードルシートの基材層が、接着剤で、より好ましくは適用面から剥がしうる又は外しうる接着剤で、更により好ましくは感圧性接着剤で、アプリケータの適用面に取り付け可能であることが好ましい。
マイクロニードルシートが、基材層上に、上に説明したように少なくとも1つの基底層を備える場合、基底層は、アプリケータの適用面に取り付けられうる。
マイクロニードルシートが、基材層上に又は基底層上に、上に説明した少なくとも1つの接着層を備えていること、及びマイクロニードルシートの接着層が、アプリケータの適用面に取り付けられることが好ましい。
例えば、図1に示すマイクロニードルシートの例に関して、マイクロニードルシート1が使用されるとき、剥離層1-5は接着層1-4の表面から剥がされ、接着層1-4がアプリケータの適用面に取り付けられる。
適用面は平坦であっても湾曲して(非平坦)いてもよい。
アプリケータの種類は、アプリケータが少なくとも1つの適用面を備えている限り、限定されない。
適用面が湾曲している場合、例えば、湾曲側面を有する少なくとも1つの円筒形ローラーであって、円筒形ローラーの湾曲側面は適用面を備える、円筒形ローラーを備えたアプリケータを、アプリケータとして使用することができる。
(容器)
本発明によるキットのデバイス中の容器は、化粧用組成物を保管するためである。
容器の形状は限定されず、それが化粧用組成物を保管できる限り、任意の形態にあってよい。例えば、容器は、円筒形又はチューブの形態にあってよい。容器が、片手で取り扱いやすい円筒形等の形態にあることが好ましい。
容器の材料は限定されず、軟質であっても硬質であってもよい。容器の材料の非限定的な例には、プラスチック、金属、異なる材料の複合体等が挙げられる。
容器の体積は限定されず、本発明によるキットの企図された使用に依存することができる。例えば、単回使用(容器中の化粧用組成物は1回使用されるべきである)のために、容器の体積は10ml以下でありうる。他方、複数回使用(容器中の化粧用組成物は何回か使用することができる)のために、容器の体積は50ml以上でありうる。
容器は、そこを通して容器中の化粧用組成物が容器から放出される少なくとも1つの開口部を有することができる。
容器は、開口部から、容器中の化粧用組成物の放出を促進できるポンプシステムを有してよい。ポンプシステムは、例えば、手で操作可能であり、容器中の化粧用組成物を開口部に向けて押し出すことができる、容器中のプランジャであってよい。他方、容器の本体の材料が軟質である場合、ポンプシステムは必要でないことがあり、その理由は、ユーザが容器を絞って容器の開口部から化粧用組成物を放出させられるからである。
(バルブ)
本発明によるキットのデバイス中のバルブは、容器から、アプリケータの適用面に取り付けられたマイクロニードルシートへの化粧用組成物の供給を制御するためである。
バルブは、本明細書では、容器中の化粧用組成物等の流体の流れを、流れの経路を開く、閉じる又は部分的に塞ぐことによって調整できる又は制御できる要素を意味する。
バルブの種類は、それが、容器からアプリケータの適用面への化粧用組成物の供給、又は容器からアプリケータの適用面に取り付けられたマイクロニードルシート上への供給を制御できる限り、限定されない。
「制御する」は、化粧用組成物の供給を止める又は開始することを含み、更には供給される化粧用組成物の量を調整することもまた含むことができる。
任意のバルブを、本発明によるキットのデバイス中のバルブとして使用することができる。バルブは、従来のバルブ、例えばゲートバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ及びダイアフラムバルブから選択することができる。バルブが、ゲートバルブであることが好ましい場合がある。ゲートバルブは、流体の流れを止めることができる。そのため、ゲートバルブは、容器からアプリケータへの化粧用組成物の流れを閉止することができる。バルブが、容器の開口部を連結させることができる少なくとも1つの偏心貫通穴を有する回転ディスクを備えていることがより好ましい場合がある。
マイクロニードルシートがアプリケータの適用面に取り付けられた後に、バルブは、化粧用組成物をマイクロニードルシート上に供給することができる。
(実施形態)
図2は、本発明によるキットのデバイスの一実施形態を示す。デバイスは、その「オン」(ON)位置において化粧用組成物を供給することができるが、それは、その「オフ」(OFF)位置において化粧用組成物を供給することができない。図3は、その「オン」(ON)位置及び「オフ」(OFF)位置におけるデバイスの模式図を示す。
図2に示すデバイス2は、容器2-1、バルブ2-2、及び円筒形ローラーの形態にあるアプリケータ2-3を備える。
図2に示す容器2-1は、中空の円筒の形態にあり、その中に化粧用組成物を含む。容器2-1は、図3に示す開口部2-1-1を有する。開口部2-1-1から、容器2-1中の化粧用組成物は容器2-1から放出されうる。開口部2-1-1は、容器2-1の頂部面上の偏心位置にて形成される。
図2に示すバルブ2-2は、図3に示す偏心貫通穴2-2-1を有する回転ディスク2-2-2を備える。偏心貫通穴2-2-1は、アプリケータ2-3に面しうる。バルブ2-2は、容器2-1により、オン-オフ機構を構成することができる。
図3(a)に示すように、「オフ」位置にて、バルブ2-2の偏心貫通穴2-2-1は、容器2-1の開口部2-1-1と連結せず、開口部2-1-1は、回転ディスク2-2-2によって閉じられており、したがって、容器2-1中の化粧用組成物は、開口部2-1-1及び偏心貫通穴2-2-1から放出され得ない。
他方、図3(b)に示すようにユーザが回転ディスク2-2-2を「オン」位置に回した場合、偏心貫通穴2-2-1は、開口部2-1-1に連結することができ、したがって、容器2-1中の化粧用組成物は、開口部2-1-1及び偏心貫通穴2-2-1から放出されうる。
図2に示すアプリケータ2-3は、湾曲側面2-3-1を有し、アプリケータ2-3の湾曲側面2-3-1は、そこにマイクロニードルシートの基材層が取り付けられうる適用面を備えている。適用面は、バルブ2-2の偏心貫通穴2-2-1に面することができる。
図3(a)に示す「オフ」位置にて、容器2-1中の化粧用組成物はアプリケータ2-3の湾曲側面2-3-1、即ちアプリケータ2-3の適用面に供給され得ない。したがって、化粧用組成物は、マイクロニードルシートがアプリケータ2-3に取り付けられても、マイクロニードルシート上に供給され得ない。
他方、図3(b)に示す「オン」位置にて、容器2-1中の化粧用組成物はアプリケータ2-3の湾曲側面2-3-1の適用面、即ちアプリケータ2-3の適用面に供給されうる。したがって、化粧用組成物は、マイクロニードルシートがアプリケータ2-3に取り付けられると、マイクロニードルシート上に供給されうる。
図2及び図3に示す実施形態では、容器2-1は、円筒の形態にあり、ユーザは、デバイス2のハンドルとして容器2-1を使用することができる。そのため、デバイス2のユーザは、容器2-1を掴んでデバイス2を使用することができる。
マイクロニードルシートが使用されるとき、マイクロニードルシートは、マイクロニードルシートの基材層を、円筒形ローラーの形態にあるアプリケータ2-3の湾曲側面2-3-1上の適用面に取り付けることによって、アプリケータ2-3に取り付けられる。
図4は、そこにマイクロニードルシート1がアプリケータ2-3に取り付けられたデバイス2を示す。マイクロニードルシート1は、マイクロニードルシート1の基材層が適用面に接触するように、アプリケータ2-3の湾曲側面上で適用面に取り付けられる。そのため、マイクロニードルシート1のマイクロニードルは、アプリケータ2-3の湾曲側面上に立つことができる。
アプリケータ2-3の湾曲側面の少なくとも一部は、マイクロニードルシート1によって覆われている。アプリケータ2-3の湾曲側面の全体が、マイクロニードルシート1によって覆われていることが好ましい。
図5は、マイクロニードルシート1を有するデバイス2をどのように使用するかを示す。
マイクロニードルシート1が使用されるとき、マイクロニードルシートは、図4に示すように、アプリケータ2-3の湾曲側面の適用面にマイクロニードルシート1の基材層を取り付けることによって、アプリケータ2-3に取り付けられ、マイクロニードルシート1を有するデバイス2は、アプリケータ2-3が、図5に示すようにケラチン物質3上で回転できるように、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質3上に適用される。デバイス2におけるマイクロニードルシート1のマイクロニードルはケラチン物質3と接触してケラチン物質3内に穿通し、ケラチン物質に、マイクロニードル由来の美容効果をもたらすことができる。
更に、バルブ2-2がその「オン」位置に回された場合、容器2-1中の化粧用組成物は、アプリケータ2-3の適用面上のマイクロニードルシート1上に供給される。したがって、マイクロニードルシート1はまた、ケラチン物質3に、マイクロニードル由来の美容効果だけでなく、化粧用組成物からの美容効果も、もたらすことができる。化粧用組成物は、ケラチン物質3内に、マイクロニードルの作用に起因する深さで浸透することができる。
バルブ2-2がその「オフ」位置に回された場合、マイクロニードルシートへの化粧用組成物の供給は停止されうる。
{収納部}
本発明によるキットは、少なくとも1つの収納部を備えてよい。
収納部は、マイクロニードルシート、特定するとマイクロニードルシートのマイクロニードルを保護するために、マイクロニードルシートを備えることができる。したがって、マイクロニードルを壊すことなく、マイクロニードルシートの安全な保管を実施することが可能である。
収納部が少なくとも1つの軟質の及び/又は多孔質の物品を備えていることが好ましい。マイクロニードルシートのマイクロニードルは、軟質の物品中に安全に穿通することができ、又は使用中でないときに多孔質物品の孔の中に配置されうる。
軟質の及び/又は多孔質の物品は、マイクロニードルへの損傷を低減する又は除去することができる。したがって、軟質の及び/又は多孔質の物品の使用は、マイクロニードルをより安全に保護することができる。
軟質の物品は、少なくとも1種の軟質の合成樹脂からなっていてもよい。軟質の合成樹脂は、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びこれらの組合せから選択することができ、これらは、少なくとも1種の軟質化剤を含みうる。
多孔質の物品は、繊維からなっていてもよい。繊維は、綿等の天然繊維、ビスコース等の半天然繊維、ポリエステル及びポリプロピレン繊維等の合成繊維、並びにこれらの組合せから作製することができる。多孔質の物品は、織布又は不織布から選択することができる。
軟質の多孔質の物品は、スポンジからなっていてもよい。スポンジは、発泡可撓性ポリウレタン等の発泡合成樹脂からなることができる。
軟質の及び/又は多孔質の物品がシートの形態にあることが好ましい。軟質の及び/又は多孔質のシートは、マイクロニードルの高さよりも大きい厚さを有するべきである。例えば、マイクロニードルが100〜400ミクロンの高さを有する場合、軟質の又は多孔質のシートの厚さは200〜500ミクロンであるべきである。
図6は、収納部の例を示す。図6では、収納部4は、開口部を有するトレーの形状にある。収納部4の材料は限定されない。例えば、金属及び合成樹脂から選択される少なくとも1種を、収納部4の材料として使用することができる。
図6に示す例では、収納部4は、多孔質シート5を含む。多孔質シート5は、スポンジ又は織布若しくは不織布から作製される。
図6に示すように、マイクロニードルシート1が使用中でないとき、マイクロニードルシート1は収納部4中に保管され、マイクロニードルシート1のマイクロニードルは、保護された多孔質シート5中に穿通してもよい。そのため、マイクロニードルシート1は、マイクロニードルの保護を伴って保管することができる。
収納部中のマイクロニードルシートが、収納部4の開口部を、又は収納部4の開口部と収納部4それ自体との両方を、例えば薄い透明の樹脂フィルム等の薄いフィルムで覆うことによって、包装されることが好ましい場合がある。
{化粧用組成物}
本発明によるキット中に含有されるものは、少なくとも1種の化粧用組成物を含む。
化粧用組成物は、ケラチン物質のための前処理又は後処理組成物として使用することができる。
化粧用組成物が水を含むことが好ましい。そのため、化粧用組成物は、例えば水溶液の形態にあってよい。
他方、化粧用組成物は、少なくとも1種の油及び水を含んでよく、好ましくはO/Wエマルションの形態にある。
(油)
化粧用組成物は、少なくとも1種の油を含んでよい。2種以上の油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ここで、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)にて液状又はペースト状(非固体)の形態である脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧料中で一般に使用されるものを、単独で又はそれらの組合せで使用することができる。油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
油は、炭化水素油、シリコーン油等の非極性油、植物油若しくは動物油、及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油、又はこれらの混合物であってよい。
油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油及び脂肪アルコールからなる群から選択することができる。
植物油の例として、例えば、亜麻仁油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、菜種油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、アルカン油、例えばイソドデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、及び人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノアルコール又は多価アルコールとの液状エステルであり、これらのエステルの合計炭素原子数は10以上である。
好ましくは、一価アルコールのエステルの場合、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸の中からの少なくとも1つは分枝状である。
一酸及び一価アルコールのモノエステルの中で、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1〜C22アルコールとのエステル、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、非糖C4〜C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用することができる。
特に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
エステル油として、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。用語「糖」が、アルデヒド又はケトン官能基を含む又は含まない、且つ少なくとも4個の炭素原子を含む、いくつかのアルコール官能基を含有する、酸素を保持する炭化水素系化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖でありうる。
挙げることができる好適な糖の例としては、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、特にアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてはメチルグルコースがある。
脂肪酸の糖エステルは、前述の糖と、直鎖状若しくは分枝状の、飽和若しくは不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22の脂肪酸とのエステル又はエステル混合物からなる群から特に選ばれうる。これらの化合物は、不飽和である場合、1〜3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有することができる。
この変形形態によるエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル及びポリエステル、並びにこれらの混合物からも選択することができる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はこれらの混合物、例えば、特にオレオパルミチン酸、オレオステアリン酸及びパルミトステアリン酸の混合エステル、並びにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルでありうる。
より詳細には、モノエステル及びジエステル、特にスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノオレイン酸エステル又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルが使用される。
挙げることができる例は、Amerchol社により名称Glucate(登録商標)DOで販売されている製品であり、これは、ジオレイン酸メチルグルコースである。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、(カプリル酸/カプリン酸)2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等、環状オルガノポリシロキサン、例えばシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等、及びこれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液状ポリジアルキルシロキサン、特に液状ポリジメチルシロキサン(PDMS)、及び少なくとも1つのアリール基を含む液状ポリオルガノシロキサンから選ばれる。
これらのシリコーン油はまた、有機変性されていてもよい。本発明により使用されうる有機変性シリコーンは、上に定義しているシリコーン油であり、それらの構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1個又は複数の有機官能基を含むシリコーン油である。
有機ポリシロキサンは、Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968年)、Academic Pressにおいて非常に詳細に定義されている。それらは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
それらが揮発性である場合、シリコーンは、より詳細には、沸点が60℃から260℃の間であるものから選ばれ、より更に詳細には、以下から選ばれる:
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にUnion Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7207で、又はRhodia社により名称Silbione(登録商標)70045 V2で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7158で、Rhodia社によりSilbione(登録商標)70045 V5で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社により名称Silsoft 1217で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。式:
Figure 2021194357
の、Union Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ 3109等のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン等の種類のシクロコポリマーもまた挙げることができる。環状ポリジアルキルシロキサンの、有機ケイ素化合物との混合物もまた挙げることができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物である、並びに
(ii)2〜9個のケイ素原子を含有し、25℃にて5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状の揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社により名称SH 200で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この部類に属するシリコーン類は、Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」において公表されている論文にも記載されている。シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って25℃にて測定されている。
不揮発性ポリジアルキルシロキサンもまた使用することができる。これらの不揮発性シリコーンは、より詳細にはポリジアルキルシロキサンから選ばれ、その中では、主としてトリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、以下の市販製品を非限定的に挙げることができる:
- Rhodia社により販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例としては70 047 V 500 000油、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば粘度60000mm2/sのDC200、並びに
- General Electric社製のViscasil(登録商標)油及びGeneral Electric社製のSFシリーズの一定の油(SF 96、SF 18)。
名称ジメチコノール(CTFA)で知られる、ジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製の48シリーズの油もまた挙げることができる。
アリール基を有するシリコーンの中で、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーン油を挙げることができる。
フェニルシリコーン油は、以下の式:
Figure 2021194357
(式中、
R1〜R10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1〜C30炭化水素系基、好ましくはC1〜C12炭化水素系基、より好ましくはC1〜C6炭化水素系基、詳細にはメチル、エチル、プロピル又はブチル基であり、
m、n、p及びqは、互いに独立に、両端を含む0〜900、好ましくは両端を含む0〜500、より好ましくは両端を含む0〜100の整数であり、
但し、和n+m+qは0以外である)
のフェニルシリコーンから選ぶことができる。
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品がある:
- Rhodia社製のSilbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社製のRhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製のDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid油、
- Bayer社製のPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20、
- General Electric社製のSFシリーズの一定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
フェニルシリコーン油として、フェニルトリメチコン(上の式中、R1〜R10はメチルであり、p、q及びn=0、m=1である)が好ましい。
有機変性液状シリコーンは、特にポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基を有してよい。そのため、信越化学工業株式会社によって提案されているシリコーンKF-6017、及びUnion Carbide社製のSilwet(登録商標)L722油及びL77油を挙げることができる。
炭化水素油は、以下から選ぶことができる:
- 直鎖状又は分枝状、任意選択で環状のC6〜C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例としてはイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカン、並びに
- 16個超の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン、液状ワセリン(petroleum jelly)、ポリデセン及び水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、並びにスクアラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン(vaseline)又はペトロラタム、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
脂肪族アルコールにおける用語「脂肪」は、比較的多数の炭素原子が含まれるものを意味する。そのため、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールが、脂肪アルコールの範囲内に包含される。脂肪アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪アルコールは、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
脂肪アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、4〜40個の炭素原子、好ましくは6〜30個の炭素原子、より好ましくは12〜20個の炭素原子を有する、飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の基から選ばれる)を有してよい。少なくとも1つの実施形態では、Rは、C12〜C20アルキル基及びC12〜C20アルケニル基から選ぶことができる。Rは、少なくとも1つのヒドロキシ基により置換されていてもいなくてもよい。
脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールが飽和脂肪アルコールであることが好ましい。
そのため、脂肪アルコールは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6〜C30アルコール、好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和のC6〜C30アルコール、より好ましくは、直鎖状又は分枝状の、飽和のC12〜C20アルコールから選択することができる。
用語「飽和脂肪アルコール」は、本明細書では、長鎖の脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪アルコールが、任意の直鎖状又は分枝状の、飽和のC6〜C30脂肪アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分枝状の、飽和のC6〜C30脂肪アルコールの中で、直鎖状又は分枝状の、飽和のC12〜C20脂肪アルコールが好ましくは使用されうる。任意の直鎖状又は分枝状の、飽和のC16〜C20脂肪アルコールが、より好ましくは使用されうる。分枝状のC16〜C20脂肪アルコールが、更により好ましくは使用されうる。
飽和脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、又はこれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)及びベヘニルアルコールを、飽和脂肪アルコールとして使用することができる。
少なくとも1つの実施形態によれば、化粧用組成物中で使用される脂肪族アルコールは、好ましくは、セチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物から選ばれる。
油が、エステル油、炭化水素油、シリコーン油、脂肪アルコール、及びこれらの混合物から選ばれることが好ましい場合がある。
化粧用組成物中の油の量は、化粧用組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であってよい。化粧用組成物中の油の量は、化粧用組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であってよい。化粧用組成物中の油の量は、化粧用組成物の総質量に対して、1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%、より好ましくは10質量%〜20質量%であってよい。
油は、化粧用組成物の脂肪相を形成することができる。
化粧用組成物がO/Wエマルションの形態にある場合、油は、O/Wエマルション中で、分散した脂肪相を形成することができる。
(水)
化粧用組成物は、水を含んでよい。
水の量は、化粧用組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上であってよい。水の量は、化粧用組成物の総質量に対して、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下であってよい。化粧用組成物中の水の量は、化粧用組成物の総質量に対して、50質量%〜95質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、より好ましくは60〜85質量%の範囲であってよい。
水は、化粧用組成物の水性相を形成することができる。
化粧用組成物がO/Wエマルションの形態にある場合、水は、O/Wエマルション中で、連続水性相を形成することができる。
(他の成分)
化粧用組成物は、少なくとも1種の構造化剤又はゲル化剤を含んでよい。構造化剤又はゲル化剤の例には、セルロース誘導体(メチルセルロース、メチルエチルセルロース)、植物由来のヒドロコロイド(アルギネート、カラゲナン、ペクチン等)、デンプン誘導体、及びキサンタンガム等のガムが挙げられるがこれらに限定されない。
化粧用組成物は、上に説明したポリオール等の湿潤剤を含んでよい。
化粧用組成物は、上記で説明した少なくとも1種の美容有効成分を含んでよい。
化粧用組成物はまた、化粧用組成物中に従来使用されてきた多様なアジュバント、例えばアニオン性、非イオン性、カチオン性及び両性又は双性界面活性剤、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び両性又は双性ポリマー、pH調整剤、皮膚色調変更剤、抗座瘡剤、並びにこれらの組合せも含んでよい。
(形態)
化粧用組成物が実質的な量の水を含むことが好ましく、その理由は、マイクロニードルが溶解しやすくなるからである。したがって、化粧用組成物が水溶液又はO/Wエマルションの形態にあることが好ましい場合がある。
一実施形態では、化粧用組成物は、水性ゲル(又はヒドロゲル)の形態にあってよく、これは、約50質量%〜約99.9質量%(好ましくは約60質量%〜95質量%、より好ましくは約70質量%〜約90質量%)の水、好ましくは約50質量%〜約99.9質量%(好ましくは約5質量%〜約40質量%、より好ましくは約10質量%〜約30質量%)の他の美容成分を含んでよい。
(調製)
本発明のために使用されうる化粧用組成物は、上に説明したように、例えば、油と、水と、必要な場合は他の成分とを混合することによって調製することができる。
上記の成分を混合する方法及び手段は限定されない。任意の従来の方法及び手段を、上記の成分を混合して、本発明のために使用されうる化粧用組成物を調製するのに用いることができる。
[美容方法]
本発明による、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の美容方法は、
マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、少なくとも1つのマイクロニードルシートを、少なくとも1つの適用面を有する少なくとも1つのアプリケータに取り付ける工程であって、
マイクロニードルシートが、基材層、及び基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードルを備え、
アプリケータが、少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び少なくとも1つのバルブを備えた、少なくとも1つのデバイス中に備えられている、
工程と、
マイクロニードルがケラチン物質と接触するように、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程であって、
アプリケータ、容器及びバルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上にバルブを介して化粧用組成物を供給するように構成され、
バルブが、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能であり、
化粧用組成物が、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程の間にマイクロニードルシート上に供給される、
工程と
を含む。
本発明による美容方法は、本発明によるキットを用いて実施することができる。
本発明による美容方法は、皮膚、唇及び頭皮、好ましくは皮膚、より好ましくは顔面の皮膚等のケラチン物質の美容トリートメントのために企図することができる。
マイクロニードルシートをアプリケータに取り付ける前に、アプリケータ、容器及びバルブは、バルブを介してアプリケータの適用面に化粧用組成物を供給するように構成される。
本発明による美容方法を実施するとき、マイクロニードルシートは、マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けて、マイクロニードルシートをアプリケータに固定することによって、アプリケータに取り付けられる。
マイクロニードルシートが、上に説明したように収納部中に保管されて、マイクロニードルシートが使用されるときに収納部から取り出されることが好ましい。
マイクロニードルシートが、基材層上に少なくとも1つの基底層を備え、基底層がアプリケータの適用面に取り付けられることが好ましい場合がある。
マイクロニードルシートが、基材層及び基底層上に少なくとも1つの接着層を備え、接着層がアプリケータの適用面に取り付けられることが好ましい場合がある。
マイクロニードルシートが接着層上に少なくとも1つの剥離層を備えること、及び剥離層がマイクロニードルシートの使用中に接着層の表面から外されることが、更に好ましい。
マイクロニードルシートをアプリケータに取り付けた後に、容器及びバルブは、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上に、バルブを介して化粧用組成物を供給するように構成される。バルブは、アプリケータに取り付けられたマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を制御することが可能である。
次に、アプリケータは、マイクロニードルがケラチン物質と接触するようにケラチン物質上に適用される。換言すれば、マイクロニードルシートは、ケラチン物質上に適用される。
上記の適用は、ユーザによって、アプリケータを用いてデバイスを操作することによって実施されうる。
アプリケータがローラーの形態にある場合、マイクロニードルシートを有するアプリケータは、アプリケータをケラチン物質上で回転させることによって、ケラチン物質上に適用されうる。例えば、アプリケータは、ケラチン物質上で、前後に回転させることができる。前後させる動作のサイクル数は、ケラチン物質の感受性、及びマイクロニードルシートとの組合せにおいて使用される化粧用組成物等の、多様な要因に依存することになる。一実施形態では、前後させる動作は、4回又は5回のサイクルとすることができ、これは、ケラチン物質が皮膚顔面である場合、約1分かかり得た。
そのため、マイクロニードルシートのマイクロニードルは、ケラチン物質中に穿通して美容効果をもたらすことができる。
本発明による美容方法は、例えばしわの出現を低減させることによって、又はマイクロニードル中に存在する場合に任意の美容有効成分をケラチン物質に供給することによって、ケラチン物質の審美的外観を改善するのに使用することができる。
皮膚内の表皮等のマトリックスの量が減少すると、皮膚の厚さの減少及び皮膚弾性の劣化へと至らせて、しわの形成を引き起こす傾向がある。マイクロニードルは、皮膚内のマトリックスの量を増加させて、そのようにして皮膚弾性の増加を引き起こすことができ、これが皮膚上のしわの低減をもたらす。
マイクロニードルが、特にその遠位端部分が膨潤性である場合、マイクロニードルは皮膚内で膨潤して、例えば皮膚内の水のその吸収と共に、マイクロニードルの体積を更に増加させることができる。しわ部位の皮膚表面下におけるそのような体積膨張は、しわを皮膚内部から効果的に押して、しわがより浅く、より幅広くなるようにさせることができる。このようにして、しわは、低減されうる又は目立たなくされうる。
そのため、本発明による美容方法が、マイクロニードルシートをケラチン物質上に押し付けて、マイクロニードルシートのマイクロニードルを、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質内へ確実に挿入させる工程を含むことが好ましい。
特定の実施形態において、本発明による美容方法を、半永久的又は永久的な美容トリートメントを皮膚等のケラチン物質に適用するために使用することができる。
本発明による美容方法によれば、化粧用組成物は、マイクロニードルシートとの組合せにおいて使用することができる。
そのため、化粧用組成物は、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程の間に、マイクロニードルシート上に供給されうる。化粧用組成物は、マイクロニードルシート上に、詳細にはマイクロニードルシートのマイクロニードルの間に、存在することができる。化粧用組成物は、マイクロニードルシートから、皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の表面へと移されうる。そのため、化粧用組成物は、マイクロニードルシートからケラチン物質上に適用されうる。
化粧用組成物がマイクロニードルシートとの組合せにおいてケラチン物質上に適用されうるため、化粧用組成物は、マイクロニードルシートのマイクロニードルによってその上に形成された孔/穴を介して、マイクロニードルシート不使用と比べて比較的容易にケラチン物質内に浸透されうる。したがって、化粧用組成物は、ケラチン物質内に、はるかに深く浸透することができ、マイクロニードルシート不使用と比べて比較的多量の化粧用組成物がケラチン物質内に送達されうる。
更に、マイクロニードルは、ケラチン物質内、及び/又は水を好ましくは含みうる化粧用組成物内に溶解され得、又は分散され得、したがってマイクロニードルの繰り返しの使用は不可能である。
より更に、本発明による美容方法は、化粧用組成物をケラチン物質に容易に衛生的に適用することができる。
本発明による美容方法が、アプリケータの適用面上のマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給なしに、アプリケータをケラチン物質上に適用する工程を更に含むことが好ましい。
アプリケータがローラーの形態にある場合、マイクロニードルシートを有するアプリケータは、アプリケータをケラチン物質上で回転させることによって、ケラチン物質上に適用されうる。例えば、アプリケータは、ケラチン物質上で、前後に回転させることができる。前後させる動作のサイクル数は、ケラチン物質の感受性、及びマイクロニードルシートとの組合せにおいて使用される化粧用組成物等の、多様な要因に依存することになる。一実施形態では、前後させる動作は、4回又は5回のサイクルとすることができ、これは、ケラチン物質が皮膚顔面である場合、約1分かかり得た。
上記の動作は、ユーザにより、アプリケータでデバイスを操作することによって実施されうる。
そのため、マイクロニードルシートのマイクロニードルは、ケラチン物質内に穿通して美容効果をもたらす。
アプリケータの適用面上のマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給なしに、アプリケータをケラチン物質上に適用する上記の付加的な工程が、アプリケータの適用面上のマイクロニードルシート上への化粧用組成物の供給を伴うケラチン物質上へのアプリケータの適用の工程の前に実施されることが好ましく、その理由は、ケラチン物質の表面構造が変更され(例えば、より多くの孔/穴が形成されうる)、より多くの化粧用組成物を受けられるためである。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。以下の実施例は、本発明の分野における非限定的な例示として提示される。
[マイクロニードルパッチ]
マイクロニードルシートを、ヒアルロン酸及びトレハロースから調製した。マイクロニードルシートは、基材層上に、複数のマイクロニードルを有した。各マイクロニードルは、250μmの長さ又は高さを有する円錐体の形状を有した。マイクロニードルシートを、それが、8cm×2cmのサイズを有するパッチの形状を有するように切断した。
[デバイス]
適用面を有するアプリケータ、蛍光染料で標識した1質量%のヒアルロン酸(MW:20〜50kDa)の水溶液を含む容器、及び回転バルブを有するデバイスであって、図3に示すアプリケータ、容器及びバルブが、バルブを介して溶液をアプリケータの適用面に供給するように設定し、バルブが、アプリケータの適用面への溶液の供給を制御することができる、デバイスを準備した。アプリケータは、円筒形ローラーの形態とした。そのため、円筒形ローラーの側面を適用面として用いた。適用面のサイズは8cm×2cmとした。
[マイクロニードルアセンブリ]
マイクロニードルパッチを、円筒形ローラーの形態にあるアプリケータの適用面上に取り付けて、マイクロニードルアセンブリを調製した。アプリケータ、容器及び回転バルブを、バルブがマイクロニードルパッチ上への溶液の供給を制御できるように、マイクロニードルパッチ上に蛍光ヒアルロン酸水溶液を供給するように設定した。
[評価]
(表面再形成効果)
同一のドナーからのヒトの死体の皮膚を、各切片が8cm×2cmのサイズを有するように切片へと切断した。それらを、2つの群、即ち処置群と対照群とに分けた。
処置群について、円筒形ローラーの形態にあるアプリケータを皮膚上で一方向において前後に動かすことによって、マイクロニードルシートが皮膚に10回接触するように、皮膚をマイクロニードルアセンブリで処置した。バルブはその「オフ」位置とした。したがって、蛍光ヒアルロン酸水溶液は、マイクロニードルパッチ上へ付与されなかった。
対照群について、皮膚はマイクロニードルアセンブリで処置しなかった。
次いで、0.5cm×0.5cmの面積を皮膚切片のそれぞれから切断して試料を調製し、各試料の表面を顕微鏡(SEM)で観察した。
試料を比較すると、処置群における皮膚が、皮膚上のマイクロニードルの通過による皮膚形態上に、対照群における皮膚よりも多くのアレイパターンを示したことを発見した。このことは、本発明による処置による、好結果で効率的な表面再形成効果を示している。
(浸透増強効果)
同一のドナーからのヒトの死体の皮膚を、各切片が8cm×2cmのサイズを有するように切片へと切断した。それらを、2つの群、即ち処置群と対照群とに分けた。
処置群について、円筒形ローラーの形態にあるアプリケータを皮膚上で一方向において前後に動かすことによって、マイクロニードルシートが皮膚に10回接触するように、皮膚をマイクロニードルアセンブリで処置した。バルブはその「オフ」位置とした。したがって、蛍光ヒアルロン酸水溶液は、マイクロニードルパッチ上へ付与されなかった。
次いで、同一の工程を繰り返したが、但し、蛍光ヒアルロン酸水溶液がマイクロニードルパッチ上に付与されるように、バルブをその「オン」位置にした。
対照群について、マイクロニードルアセンブリを皮膚上に適用することなしに、皮膚上への蛍光ヒアルロン酸水溶液の単純な適用のみによって皮膚を処置した。
15分後、0.5cm×1cmの面積を、皮膚切片のそれぞれから切断して、ブロックを調製した。ブロックをO.C.T.化合物で処置して、液体窒素で凍結した。ブロックをCryostatを用いて15μmの厚さを有する試料へとスライスした。各試料の断面を顕微鏡 (共焦点レーザー蛍光顕微鏡)で観察した。
試料を比較すると、処置群では、蛍光ヒアルロン酸が、皮膚内に、対照群よりもはるかに深く浸透したことを発見した。対照群では、蛍光ヒアルロン酸は、皮膚のきわめて表面のみに浸透した。このことは、本発明による処置が、ヒアルロン酸の皮膚内への浸透を増強できたことを示す。
(マイクロニードルの形状の変化)
浸透増強効果を評価するための上記処置における、処置群についての、蛍光ヒアルロン酸水溶液を有するマイクロニードルパッチの適用前及び適用後に、マイクロニードルの形状を顕微鏡で観察した。
マイクロニードルの形状は、蛍光ヒアルロン酸水溶液の共使用後に、より短く、先がより鈍くなった。これは、蛍光ヒアルロン酸水溶液が、容器からマイクロニードルパッチ上へと確実に付与されて、マイクロニードルを溶解させたことを示す。
マイクロニードルの形状が変化したため、マイクロニードルパッチの再使用は不可能であった。
1 多層マイクロニードルシート
1-1 マイクロニードル
1-2 基材層
1-3 基底層
1-4 接着層
1-5 剥離層
1-5-1 タブ
2 デバイス
2-1 容器
2-1-1 開口部
2-2 バルブ
2-2-1 偏心貫通穴
2-2-2 回転ディスク
2-3 アプリケータ
2-3-1 湾曲側面
3 ケラチン物質
4 収納部
5 多孔質シート

Claims (15)

  1. 基材層、及び
    前記基材層上の、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードル
    を備えた、少なくとも1つのマイクロニードルシートと、
    少なくとも1つの適用面を備えた少なくとも1つのアプリケータ、
    少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び
    少なくとも1つのバルブ
    を備えた、少なくとも1つのデバイスと
    を備えた、キット、好ましくはケラチン物質のための化粧用キット、より好ましくは皮膚、唇又は頭皮のための化粧用キットであって、
    前記マイクロニードルシートが、前記マイクロニードルシートの前記基材層を前記アプリケータの前記適用面に取り付けることによって、前記アプリケータに取り付けられることが可能であり、
    前記アプリケータ、前記容器及び前記バルブが、前記アプリケータに取り付けられた前記マイクロニードルシート上に前記バルブを介して前記化粧用組成物を供給するようにされており、
    前記バルブが、前記アプリケータに取り付けられた前記マイクロニードルシート上への前記化粧用組成物の供給を制御することが可能である、
    キット。
  2. 前記マイクロニードルシートの前記基材層が、前記アプリケータの前記適用面に取り付けられた後に、前記アプリケータの前記適用面から取り外し可能である、請求項1に記載のキット。
  3. 前記マイクロニードルシートが少なくとも1つの基底層を備え、
    前記基底層が、基材層上に固定されている、請求項1又は2に記載のキット。
  4. 前記マイクロニードルシートが少なくとも1つの接着層を備え、
    前記接着層が、基材層上に固定されている、請求項1又は2に記載のキット。
  5. マイクロニードルシートが少なくとも1つの接着層を備え、
    前記接着層が、基底層上に固定されている、請求項3に記載のキット。
  6. マイクロニードルシートが少なくとも1つの剥離層を備え、
    前記剥離層が、接着層上に配置されている、請求項4又は5に記載のキット。
  7. 前記マイクロニードルが50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンの高さを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のキット。
  8. 前記アプリケータの前記適用面が湾曲している、請求項1から7のいずれか一項に記載のキット。
  9. 前記アプリケータが、湾曲側面を有する少なくとも1つの円筒形ローラーを備え、
    前記円筒形ローラーの前記湾曲側面が前記適用面を備える、請求項8に記載のキット。
  10. 少なくとも1つの収納部を更に備え、
    前記収納部が前記マイクロニードルシートを保管することができる、請求項1から9のいずれか一項に記載のキット。
  11. 前記収納部がスポンジ、織布又は不織布、及びこれらの組合せから好ましくは選択される少なくとも1つの軟質の及び/又は多孔質の物品を備えている、請求項10に記載のキット。
  12. 前記バルブがゲートバルブである、請求項1から11のいずれか一項に記載のキット。
  13. 前記化粧用組成物が少なくとも1種の美容有効成分を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のキット。
  14. 皮膚、唇及び頭皮等のケラチン物質の美容方法であって、
    マイクロニードルシートの基材層をアプリケータの適用面に取り付けることによって、少なくとも1つのマイクロニードルシートを、少なくとも1つの適用面を有する少なくとも1つのアプリケータに取り付ける工程であって、
    前記マイクロニードルシートが、前記基材層、及び前記基材層上に、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む複数のマイクロニードルを備え、
    前記アプリケータが、少なくとも1種の化粧用組成物を含む少なくとも1つの容器、及び少なくとも1つのバルブを備えた、少なくとも1つのデバイス中に備えられている、
    工程と、
    前記マイクロニードルが前記ケラチン物質と接触するように、前記アプリケータを前記ケラチン物質上に適用する工程であって、
    前記アプリケータ、前記容器及び前記バルブが、前記アプリケータに取り付けられた前記マイクロニードルシート上に前記バルブを介して前記化粧用組成物を供給するようにされており、
    前記バルブが前記アプリケータに取り付けられた前記マイクロニードルシート上への前記化粧用組成物の供給を制御することが可能であり、
    前記化粧用組成物が、前記アプリケータを前記ケラチン物質上に適用する工程の間に、前記マイクロニードルシート上に供給される、
    工程と
    を含む、美容方法。
  15. 前記アプリケータの前記適用面上の前記マイクロニードルシート上への前記化粧用組成物の供給なしに、前記アプリケータを前記ケラチン物質上に適用する工程を更に含む、請求項14に記載の美容方法。
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