JP2020002084A - マイクロニードルシートを使用する美容方法 - Google Patents

マイクロニードルシートを使用する美容方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロニードルが基材シート上にあるマイクロニードルシートを使用する美容方法であって、マイクロニードルが、ケラチン物質から押し出されることなく、皮膚又は唇等のケラチン物質内へ貫通することができ、且つ迅速に溶解又は崩壊することができる、美容方法を提供すること。【解決手段】皮膚又は唇等のケラチン物質のための美容方法であって、油/水(O/W)型エマルションの形態にある少なくとも1種の組成物をケラチン物質上に塗布する工程と、基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートを、組成物が塗布されたケラチン物質上に適用する工程であり、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、工程とを含む、美容方法を提供する。本発明によれば、マイクロニードルは、ケラチン物質から押し出されることなく、ケラチン物質内へ貫通することができ、且つ迅速に溶解又は崩壊することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚及び唇等のケラチン物質の美容トリートメントのために使用されうる複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートに関する。
角質層(SC)は、低分子量材料を含む外因性物質に対する主な障壁を構成する。一般に、皮膚に浸透する外因性物質は、角質層の、高度に組織された細胞間脂質二重層を通って拡散しなければならない。親油性であるこの細胞間の微細経路は、外因性物質が、送達ビヒクルとSCとの間の濃度勾配に従う受動拡散によりSC障壁を通過する主要な経路である。いくつかの外因性物質は、皮膚内へ貫通することが難しい。
外因性物質を皮膚内のより深くに供給するために、従来の針を使用する注射を実施することが可能である。しかしながら、こうした注射は、痛みを引き起こし、且つ医師等の専門家によって実施される必要がある。そのため、従来の針を使用する注射は、美容目的では一般的でない。
角質層(SC)障壁を破るために複数のマイクロニードルを有する微細構造装置を使用するという着想は、1970年代に初めて提案された。固体マイクロニードルアレイの製造が、当技術分野において、例えばWO2008/139786、WO2009/040548、WO2015/147040及びWO2016/076442で記載されてきた。マイクロニードルは、注射用の従来の針の使用により引き起こされる痛みなしにSCを潜在的に貫通するという利点、及び自己投与することができるという利点を有する。
一般に、マイクロニードルは、基材シート上に整列してマイクロニードルシートを形成する。マイクロニードルシートは、マイクロニードルがケラチン物質内でケラチン物質の内部の水分又は水によって溶解又は崩壊されうるように、皮膚等のケラチン物質上にしばらくの間適用される。
しかしながら、いくつかの事例では、マイクロニードルがケラチン物質内に長期間残留することは好ましくなく、その理由は、このことが、マイクロニードルにより提供される美容トリートメントに求められる時間を長くしてしまうためである。
加えて、いくつかの事例では、ケラチン物質からの背圧に起因して、マイクロニードルがケラチン物質内に挿入したままになることは難しい。背圧は、ケラチン物質からマイクロニードルを押し出すことがあり、したがって、マイクロニードルの少なくとも一部、特にマイクロニードルの底部又は根元の周辺部が、ケラチン物質内に存在しないことになる。マイクロニードルの、ケラチン物質内に存在しない部分は、ケラチン物質内で溶解又は崩壊することができない。
WO2008/139786 WO2009/040548 WO2015/147040 WO2016/076442 米国特許第6219574号 カナダ特許出願第2226718号 米国特許第6652478号 米国特許第2528378号 米国特許第2781354号 米国特許第4874554号 米国特許第4137180号
Walter Noll、「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Press Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmetics ASTM規格445 Appendix C CTFA辞典、第9版、2002年 CTFA辞典、第3版、1982年 CTFA辞典、第5版、1993年 CTFA 1997年 M.R.Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son出版(Glasgow及びLondon)、1991年、116〜178頁 「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.社刊行、1984年)
本発明の目的は、マイクロニードルが基材シート上にあるマイクロニードルシートを使用する美容方法であって、マイクロニードルが、ケラチン物質から押し出されることなく、皮膚又は唇等のケラチン物質内へ貫通することができ、且つ迅速に溶解又は崩壊することができる、美容方法を提供することである。
上記の目的は、皮膚又は唇等のケラチン物質のための美容方法であって、
油/水(O/W)型エマルションの形態にある少なくとも1種の組成物をケラチン物質上に塗布する工程と、
基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートであり、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートを、組成物が塗布されたケラチン物質上に適用する工程と
を含む、美容方法によって達成することができる。
マイクロニードルは、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンの高さを有してよい。
マイクロニードルは、円錐体の形状にあってよい。
マイクロニードルの円錐体の底面は、50〜350ミクロン、好ましくは100〜300ミクロン、より好ましくは150〜250ミクロンの直径を有してよい。
マイクロニードルの(円錐体の高さ)/(円錐体の底面の直径)の比は、1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であってよい。
水溶性又は水分散性ポリマーは、ヒアルロン酸、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、デキストリン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリビニルピロリドン、ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、ポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)、並びにこれらの混合物から選択することができる。
水溶性又は水分散性ポリマーは、10,000〜200,000ダルトン、好ましくは30,000〜150,000ダルトン、より好ましくは50,000〜100,000ダルトンの分子量を有してよい。
本発明のために使用される組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%〜95質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、より好ましくは60質量%〜85質量%であってよい。
組成物は、少なくとも1種のポリオールを含んでよい。
本発明のために使用される組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%〜20質量%、好ましくは3質量%〜15質量%、より好ましくは5質量%〜10質量%であってよい。
マイクロニードルシートが、ケラチン物質上で組成物を乾燥させる工程なしで、ケラチン物質上に適用されることが好ましい。
少なくとも1つのマイクロニードルは、少なくとも1種の美容有効成分を含んでよい。
本発明はまた、
基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートであって、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、マイクロニードルシートと、
O/W型エマルションの形態にある組成物と
を備えたキットにも関する。
本発明はまた、基材シート及び基材シート上のマイクロニードルを備えており、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解を促進させるための方法であって、
マイクロニードルシートの使用前に、マイクロニードルをO/W型エマルションの形態にある組成物と接触させる工程を含む、
方法に関する。
本発明はまた、基材シート及び基材シート上のマイクロニードルを備えており、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解を促進させるための、マイクロニードルシートの使用前のO/W型エマルションの形態にある組成物の使用に関する。
鋭意検討の結果、発明者らは、基材シート上にマイクロニードルを有するマイクロニードルシートを使用する美容方法であって、マイクロニードルが、ケラチン物質から押し出されることなく、皮膚又は唇等のケラチン物質内へ貫通することができ、且つ迅速に溶解又は崩壊することができる、美容方法を提供することが可能であることを発見した。
そのため、本発明の一態様は、皮膚又は唇等のケラチン物質のための美容方法であって、
O/W型エマルションの形態にある少なくとも1種の組成物をケラチン物質上に塗布する工程と、
基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートを、組成物が塗布されたケラチン物質上に適用する工程であり、マイクロニードルが、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、工程と
を含む、美容方法である。
本発明によれば、マイクロニードルは、ケラチン物質から押し出されることなく、ケラチン物質内へ貫通することができ、且つ迅速に溶解又は崩壊することができる。
したがって、本発明による美容方法は、比較的短期間で実施することができる。
更に、本発明によれば、マイクロニードルは、それらがケラチン物質内に挿入されている状態に維持されえ、したがって、マイクロニードルは、ケラチン物質内で、可能な限り溶解又は崩壊することができる。そのため、本発明は、美容トリートメントを効果的に実施することができる。
マイクロニードルが痛みを一切引き起こさないため、本発明による美容方法は、痛みなしで、美容トリートメントを提供することができる。
本発明は、美容トリートメント又は非治療的トリートメントのために好都合である。
以下に、本発明による美容方法、キット等を、詳細に説明する。
[美容方法]
皮膚又は唇等のケラチン物質のための本発明による美容方法は、
O/W型エマルションの形態にある少なくとも1種の組成物をケラチン物質上に塗布する工程と、
基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートを、組成物が塗布されたケラチン物質上に適用する工程であり、マイクロニードルが、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、工程と
を含む。
マイクロニードルシートが、ケラチン物質上で組成物を乾燥させる工程なしで、ケラチン物質上に適用されることが好ましい。換言すれば、マイクロニードルシートが、組成物が乾燥される前に、又はケラチン物質が濡れている間に、ケラチン物質上に適用されることが好ましい。
本発明による美容方法は、皮膚又は唇、好ましくは皮膚、より好ましくは顔の皮膚等のケラチン物質の美容トリートメント用であることが企図されてよい。
本発明による美容方法は、例えば、皺の外観を低減させることによって、又はケラチン物質に任意の美容有効成分(マイクロニードル中に存在する場合)を供給することによって、ケラチン物質の審美的外観を改善するために使用されうる。
皮膚内の、表皮等のマトリックスの量の低減は、皮膚の厚さの減少及び皮膚弾性の劣化をきたして皺の形成を引き起こす傾向がある。マイクロニードルは、皮膚内のマトリックスの量を増加させて皮膚弾性の増強を引き起こし、このことが皮膚上の皺の低減をもたらす。
マイクロニードルが、特にその遠位端部分において、膨潤性である場合、それは、皮膚内で膨潤して、例えば皮膚内の水分の、その吸収に伴ってマイクロニードルの体積を更に増加させることができる。皺部位の皮膚表面下におけるこのような体積膨張は、皺を皮膚の内部から効果的に押して、皺をより浅く、より幅広くすることができる。このようにして、皺は、低減されうる又は目立たなくなりうる。
そのため、本発明による美容方法が、マイクロニードルシートをケラチン物質上に押し付けて、マイクロニードルシートのマイクロニードルを皮膚等のケラチン物質内へ確実に挿入させる工程を含むことが好ましい。
特定の実施形態では、本発明による美容方法は、半永久的又は永久的な美容トリートメントを、皮膚等のケラチン物質に適用するために使用することができる。
以下に、本発明による美容方法のために使用されるマイクロニードルシート及び多孔性シートを、詳細に説明する。
{マイクロニードルシート}
本発明による方法のために使用されるマイクロニードルシートは、基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えており、マイクロニードルは少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、美容装置、好ましくはケラチン物質用の美容装置、より好ましくは皮膚、特に顔の皮膚並びに唇用の美容装置であってよい。
(マイクロニードル)
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、複数のマイクロニードルを備える。
マイクロニードルは、基材シートの表面上に存在する。マイクロニードルは、基材シートの表面の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上の上に存在してよい。
マイクロニードルが基材シートの表面の一方の上に存在することが好ましい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルが、皮膚、特に顔の皮膚並びに唇の、角質層内へ貫通する又は角質層内へ入るように設計されることが好ましい。
マイクロニードルは、角質層を穿刺するのに好適な任意のサイズ及び形状でありうる。マイクロニードルが角質層を突き通して横断するように設計されることが好ましい場合がある。マイクロニードルは、角質層中に開口部を創製することが可能でありうる。
必要な場合、マイクロニードルの高さは、皮膚の表皮及び/又は真皮内への、好ましくは真皮上層内への、より好ましくは真皮下層内への貫通を可能にするように変更されてよい。
マイクロニードルの形状は、その形状が「針」である限り制限されない。本発明のためのマイクロニードルが、円錐体、棒状体及び/又は柱状体が含まれるがこれらに限定されない任意の合理的な形状をとりうることが、当業者には明らかとなる。このように、マイクロニードルは、先端部が底面と同一の直径を有していてもよく、又は直径が底面から先端部の方向に先細りしていてもよい。
例えば、マイクロニードルの形状は、三角錐、四角錐又は五角錐の形態であってよい。或いは、マイクロニードルは、好ましくは、円柱を対角線で切断して形成されうる先端部を有する円柱の形態であってよい。マイクロニードルの横断面は、円形、三角形、四角形、長方形、多角形、定形又は非定形の各形態等を含む任意の幾何学形態をとってよい。一実施形態では、一群のマイクロニードルは、中空ミクロキャピラリーの形態をとってよい。
このように、利用されている微細突出部又は微細突起の種類として「マイクロニードル」が参照されている。多くの事例において、同じ発明原理が、皮膚を貫通するための他の微細突出部又は微細突起の使用に当てはまることが、当業者には理解されるであろう。他の微細突出部又は微細突起には、例えば、米国特許第6219574号及びカナダ特許出願第2226718号に記載されているマイクロブレード、並びに米国特許第6652478号に記載されているエッジ付き(edged)マイクロニードルが含まれうる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの高さ又は長さは、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンであってよい。
本発明の一実施形態によれば、マイクロニードルは、円錐体の形態である。
円錐体は、先端部及び底面等の遠心端を含んでよい。底面の形状は、円形又は楕円形であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの円錐体の高さ又は長さは、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンであってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの円錐体の底面は、50〜350ミクロン、好ましくは100〜300ミクロン、より好ましくは150〜250ミクロンの直径又は幅を有してよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの円錐体の底面が楕円又は長円の形状にある場合、楕円の主軸の長さ又は幅は、50〜350ミクロン、好ましくは100〜300ミクロン、より好ましくは150〜250ミクロンであってよい。
マイクロニードルは、少なくとも約3:1、少なくとも約2:1、又は少なくとも約1:1のアスペクト比(底面の長さ/幅)を有してよい。マイクロニードルの(円錐体の高さ)/(円錐体の底面の直径)の比は、1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であってよい。
好ましくは、マイクロニードルは、50.0N/cm2未満、例えば、20.0N/cm2未満、例えば10N/cm2未満の挿入圧力がマイクロニードルの長さに沿ってマイクロニードルにかけられるとき、その力で破砕しない。
本発明のために使用されるマイクロニードルシート、特にマイクロニードルシートのマイクロニードルが、50N/mm以上、好ましくは55N/mm以上、より好ましくは60N/mm以上のヤング率を有することもまた好ましい。
マイクロニードルが、200ミクロン以下、好ましくは180ミクロン以下、より好ましくは160ミクロン以下の深さまで、皮膚又は唇等のケラチン物質内へ貫通することができることが好ましい場合がある。
マイクロニードルは、溶解性である。
「溶解性マイクロニードル」は、マイクロニードルが、例えば自然の湿潤性因子又は外部水分によって、皮膚又は唇等のケラチン物質の内部で破壊されうる又は崩壊されうることを意味する。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルは、少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む。ここで、用語「水溶性」及び「水分散性」は、水と接触したときに、それぞれ可溶性である及び分散性であることを意味する。単一の水溶性又は水分散性ポリマーが使用されてよい。2種以上の水溶性又は水分散性ポリマーを組み合わせて使用することができる。
水溶性又は水分散性ポリマーが、皮膚又は唇内で可溶性又は分散性であることが好ましい。そのため、本発明の一実施形態では、水溶性又は水分散性ポリマーは、皮膚又は唇等のケラチン物質内へ挿入された後に、溶解又は分散されうる。ポリマーの可溶性又は分散性に起因して、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルは、マイクロニードル中の作用剤(存在する場合)を効果的に放出することができる。
水溶性又は水分散性ポリマーが、皮膚又は唇等のケラチン物質の表面層内で溶解性であることが好ましい。
水溶性又は水分散性ポリマーは、ヒアルロン酸(特に低分子量ヒアルロン酸)、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖(その誘導体、例えばヒドロキシメチルセルロースを含む)、デキストリン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリビニルピロリドン、ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、ポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)、並びにこれらの混合物から選択することができる。
水溶性又は水分散性ポリマーは、10,000〜200,000ダルトン、好ましくは30,000〜150,000ダルトン、より好ましくは50,000〜100,000ダルトンの分子量を有してよい。
低分子量ヒアルロン酸は、100kDa以下、好ましくは70kDa以下、より好ましくは50kDa以下の分子量を有してよい。
ポリビニルピロリドンは、1kDaから300kDaの間、好ましくは5kDaから200kDaの間、より好ましくは7kDaから100kDaの間の分子量を有してよい。
ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、並びにポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)は、Gantrez型ポリマーとして知られている。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、100質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であってよい。そのため、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、50質量%〜100質量%、好ましくは60質量%〜90質量%、より好ましくは70質量%〜80質量%であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルが、膨潤性である、より好ましくは水膨潤性である、更により好ましくは皮膚又は唇等のケラチン物質内で膨潤性である、少なくとも1種の材料を含むことが可能である場合がある。上記の材料は、膨潤性である、より好ましくは水膨潤性である、更により好ましくはケラチン物質内で膨潤性であるポリマーであってよい。ここで、用語「水膨潤性」は、水と接触したときに膨潤性であることを意味する。上記の膨潤性材料又はポリマーは、それが、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水中での1時間のインビトロインキュベーションにおいて少なくとも10倍超に、好ましくは1時間のインキュベーションにおいて少なくとも20倍に、より好ましくは1時間のインキュベーションにおいて少なくとも30倍に、更により好ましくは1時間のインキュベーションにおいて少なくとも約40倍に、最も好ましくは1時間のインキュベーションにおいて約45〜55倍に膨潤することができるように、高い膨潤性を有しうる。
マイクロニードルの少なくとも遠位端部分が、ケラチン物質内への挿入時に、より好ましくはケラチン物質内への挿入後の1時間未満以内に、更により好ましくは24時間以内に、少なくとも2倍に膨潤することが好ましい場合がある。
上記の膨潤性材料、好ましくは上記の膨潤性ポリマーは、それが、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水中でのインビトロインキュベーション後にゲルを形成することができるように、高い粘弾性を有しうる。ゲルは、レオメータを用いる動的周波数掃引試験において、低周波数(0.01Hz)であってさえ、高弾性係数G'、高粘性係数G''、1未満のタンジェント(δ)(タンジェント(δ)=G''/G')及び高稠度G*(G*2=G'2+G''2)を呈する。
一実施形態では、上記の膨潤性材料、好ましくは膨潤性ポリマーは、水溶性ではなく、又は水分散性ではない。
別の実施形態では、上記の膨潤性材料、好ましくは膨潤性ポリマーは、ヒドロゲル形成性ポリマーであってよい。
上記の膨潤性ポリマーは、高分子量ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、架橋ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール架橋ポリ乳酸又はポリグルコール酸又はポリ-乳酸-co-グリコール酸又はポリジオキサノン、ポリ(スチレン)ブロックポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール架橋PMVE/MA、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム;セルロース;天然及び合成ガム;アルギネート;ポリアクリル酸ナトリウムPEG架橋ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、PEG架橋ポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)及びそのエスエル、並びにこれらの混合物から選択することができる。
高分子量ヒアルロン酸は、500kDa超、好ましくは1000kDa超、より好ましくは2100kDa超の分子量を有してよく、且つ好ましくは10000kDa未満の分子量を有してよい。
別段の指定がない限り、本明細書における分子量は、数平均分子量を意味する。
ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、並びにポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)は、Gantrez型ポリマーとして知られている。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の膨潤性材料の量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であってよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の膨潤性材料の量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であってよい。そのため、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の膨潤性材料の量(固体ベース)は、マイクロニードルの総質量に対して、1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%、より好ましくは10質量%〜20質量%であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルが少なくとも1種の膨潤性材料、好ましくは少なくとも1種の膨潤性ポリマーを含む場合、マイクロニードルは、それがケラチン物質、好ましくは皮膚、より好ましくは顔の皮膚の審美的外観を、皺の外観を低減させることによって改善することができるように、膨潤性でありうる。
換言すれば、マイクロニードルが膨潤性である場合、それは、皮膚内で膨潤して、例えば皮膚内の水分の、その吸収に伴ってマイクロニードルの体積を更に増加させることができる。皺部位の皮膚表面下におけるこのような体積膨張は、皺を皮膚内部から効果的に押して、皺をより浅く、より幅広くすることができる。このようにして、皺は、低減されうる又は目立たなくなりうる。
基材シート上の個々のマイクロニードルのそれぞれの間の尖端分離距離は、マイクロニードルによる皮膚又は唇への貫通を確保し、同時に高い経皮輸送速度を提供するのに十分短い分離距離を有するように変更することができる。
一実施形態では、マイクロニードル間の尖端分離距離の範囲は、10〜1000μm、例えば30〜800μm又は50〜600μmの範囲であってよい。このことは、可能な限り多くのマイクロニードルによる角質層の効率的な貫通と、マイクロニードルの可能な膨潤(それらが膨潤する場合)に必要な余地との間に達成されるべき妥協点を可能としうる。
一実施形態では、マイクロニードルの密度は、100〜2000マイクロニードル/cm2、好ましくは200〜1000マイクロニードル/cm2、更により好ましくは200〜500マイクロニードル/cm2であってよい。
(美容有効成分)
一実施形態によれば、本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードルの少なくとも1つは、少なくとも1種の美容有効成分を含んでよい。単一の美容有効成分が使用されてよい。2種以上の美容有効成分を組み合わせて使用することができる。
美容有効成分の種類は限定されない。例えば、抗老化剤が、美容有効成分として使用されてよい。
抗老化剤の例として、抗酸化剤、保湿剤、フリーラジカル捕捉剤、角質溶解剤、ビタミン、抗エラスターゼ剤及び抗コラゲナーゼ剤、プロチド、脂肪酸誘導体、ステロイド、微量元素、漂白剤、藻及びプランクトンの抽出物、酵素及び補酵素、フラボノイド及びセラミド、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の美容有効成分の量は限定されず、マイクロニードルの総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%であってよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートのマイクロニードル中の美容有効成分の量が、マイクロニードルの総質量に対して0.01質量%未満であることもまた可能である。一実施形態では、本発明によるマイクロニードルシートのマイクロニードルは、美容有効成分を全く含まなくてよい。
(基材シート)
本発明によるマイクロニードルシートは、その上にマイクロニードルが存在する又は置かれる基材シートを備える。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材シートは、溶解性であっても非溶解性であってもよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材シートが水中で溶解性であること又は水中で崩壊性であることが好ましい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材シートは、上で説明した少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含んでよい。換言すれば、マイクロニードルシートのマイクロニードル中に含まれている水溶性又は水分散性ポリマーについての上記説明は、基材シート中に含まれうる水溶性又は水分散性ポリマーに当てはめることができる。
例えば、本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材シート中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、基材シートの総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってよい。本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材シート中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、基材シートの総質量に対して、100質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であってよい。そのため、本発明のために使用されるマイクロニードルシートの基材シート中の水溶性又は水分散性ポリマーの量(固体ベース)は、基材シートの総質量に対して、50質量%〜100質量%、好ましくは60質量%〜90質量%、より好ましくは70質量%〜80質量%であってよい。
基材シートとマイクロニードルとは、別々であっても統合されていてもよい。
例えば、基材シートとマイクロニードルとは、少なくとも1種の共通の水溶性又は水分散性ポリマーを含みうる。そのため、一実施形態では、基材シートとマイクロニードルとは、少なくとも1種の共通の水溶性又は水分散性ポリマーを含む単一の要素でありうる。好ましくは、単一の要素は、同じ水溶性又は水分散性ポリマーを使用して調製されうる。
他方、基材シートは、マイクロニードルと異なっていても別個であってもよい。例えば、基材シートとマイクロニードルとは、異なる材料から作製されてよい。この事例において、基材シートは、例えば、マスク、ワイプ、パッチ、及び一般に全ての種類の多孔質基材シートから選ばれてよい。好ましくは、これらの基材シートは長円構造を有し、即ち、それらが画定されている平面の寸法より小さい厚さを有する。
基材シートは、パッチ、ディスク、マスク、タオル、グローブ、プレカットロールの形態、又は美容上の使用に好適な任意の他の形態にするように切断されてもよい。
(調製)
本発明のために使用されるマイクロニードルシートをどのように調製するかに関して、制限はない。本発明のために使用されるマイクロニードルシートを、成型、3Dプリンティング及びDroplet-born Air Blowing等の従来の技術に基づいて調製することが可能である。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、例えば、上で説明した少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含んだ組成物を成形する工程を含む方法によって、調製することができる。
一実施形態では、本発明のために使用されるマイクロニードルシートは、
(a)マイクロニードルのネガに対応するキャビティを有する型を用意する工程と、
(b)上で説明した少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む組成物をキャビティ内に充填する工程と、
(c)組成物を、例えば、室温で(任意選択で加熱して)、数時間等の期間にわたり乾燥させることによって固化してマイクロニードルを形成する工程と、
(d)マイクロニードルを型から外す工程と
を含む方法によって調製することができる。
型は、ポリアミド及びシリコーン等の有機材料、並びにアルミニウム及び鉄等の無機材料から作製されうる。
少なくとも1種の蒸発性液状成分が、必要な場合、組成物の流動性を強化するために、上記の組成物中に含まれてよい。蒸発性液体成分の例は限定されないが、好ましくは水、及びエタノール等のアルコールであってよい。
蒸発性液体成分の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であってよい。蒸発性液体成分の量は、組成物の総質量に対して、98質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であってよい。そのため、蒸発性液体成分の量は、組成物の総質量に対して、10質量%〜98質量%、好ましくは20質量%〜95質量%、より好ましくは30質量〜90質量%であってよい。
好ましくは流動することが可能である、より好ましくは液体の形態にある、上記の組成物中の水溶性又は水分散性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、2質量%〜90質量%、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜30質量%であってよい。
必要な場合、上記の組成物は、少なくとも1種の追加のポリマー、例えば上で説明した膨潤性ポリマー及び/又は少なくとも1種の上で説明した美容有効成分を含んでよい。
本発明のために使用されるマイクロニードルシートの形状は限定されず、それは、マイクロニードルシートを適用する標的に応じて、唇の形状、又は目の下への適用に好適な形状等の任意の形状であってよい。
{組成物}
本発明による美容方法のために使用される組成物は、O/W型エマルションの形態にあり、且つ少なくとも1種の油及び水を含む。
組成物は、ケラチン物質のための予備トリートメント組成物として使用されてよい。
(油)
本発明のために使用される組成物は、少なくとも1種の油を含む。2種以上の油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ここで、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体又はペースト(非固体)の形態にある脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧料中に一般に使用されるものを、単独で又はそれらを組み合わせて使用することができる。これらの油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
油は、炭化水素油、シリコーン油等の非極性油;植物性油若しくは動物性油、及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油;又はこれらの混合物であってよい。
油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油及び脂肪アルコールからなる群から選択することができる。
植物油の例として、例えば、亜麻仁油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、菜種油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、イソドデカン及びイソヘキサデカン等のアルカン油、エステル油、エーテル油及び人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノアルコール又はポリアルコールとの液状エステルであり、これらのエステルの合計炭素原子数は10以上である。
好ましくは、モノアルコールのエステルでは、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸の中からの少なくとも1種は分枝状である。
一酸とモノアルコールとのモノエステルの中では、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1〜C22アルコールとのエステル、並びにモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、非糖C4〜C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用されてよい。
特に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
エステル油として、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。用語「糖」が、アルデヒド又はケトン官能基の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能基を含有し、少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素含有炭化水素系化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、とりわけアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてはメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、前述の糖と、直鎖状若しくは分枝状の、飽和若しくは不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸とのエステル又はエステル混合物からなる群から特に選ぶことができる。これらの化合物は、それらが不飽和である場合、1〜3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有しうる。
この変形形態によるエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル及びポリエステル、並びにこれらの混合物から選択することができる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はこれらの混合物、例えば、とりわけ、オレオパルミチン酸とオレオステアリン酸とパルミトステアリン酸との混合エステル、並びにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルであってよい。
より特定すると、モノエステル及びジエステル、とりわけスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノオレイン酸エステル又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルが使用される。
挙げることができる一例は、Amerchol社により名称Glucate(登録商標)DOで販売されている製品であり、これはジオレイン酸メチルグルコースである。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、(カプリル酸/カプリン酸)2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えばシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液状ポリジアルキルシロキサン、とりわけ、少なくとも1つのアリール基を含む液状ポリジメチルシロキサン(PDMS)及び液状ポリオルガノシロキサンから選ばれる。
これらのシリコーン油はまた、有機変性されてよい。本発明により使用されうる有機変性シリコーンは、上に定義しているシリコーン油であり、それらの構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1つ又は複数の有機官能基を含むシリコーン油である。
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressで更に詳しく定義されている。オルガノポリシロキサンは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
それらが揮発性である場合、シリコーンは、より特定すると、沸点が60℃から260℃の間であるものから選ばれ、更により特定すると、以下のものから選ばれる:
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にUnion Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7207で、又はRhodia社により名称Silbione(登録商標)70045 V2で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7158で、Rhodia社により名称Silbione(登録商標)70045 V5で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社により名称Silsoft 1217で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。Union Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ 3109等の、式:
Figure 2020002084
の、ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン等の型のシクロコポリマーを挙げることもできる。
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物も挙げることができる;並びに
(ii) 2〜9個のケイ素原子を含有し、25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社により名称SH 200で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この分類に属するシリコーンはまた、Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsにおいて公表されている論文にも記載されている。シリコーンの粘度は、25℃でASTM規格445 Appendix Cに従って測定される。
不揮発性ポリジアルキルシロキサンもまた使用されてよい。これらの不揮発性シリコーンは、より特定すると、ポリジアルキルシロキサンから選ばれ、その中では、トリメチルシリル末端基を含有するポリジメチルシロキサンを主に挙げることができる。
これらのポリジアルキルシロキサンの中では、非限定的に、以下の市販製品を挙げることができる:
- Rhodia社により販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例としては70 047 V 500 000油、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば粘度が60 000mm2/秒であるDC200、並びに
- General Electric社製のViscasil(登録商標)油、及びGeneral Electric社製のSFシリーズの一定の油(SF 96、SF 18)。
ジメチコノールという名称(CTFA)で知られるジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製の48シリーズの油もまた挙げることができる。
アリール基を含有するシリコーンの中では、ポリジアリールシロキサン、とりわけポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーンオイルを挙げることができる。
フェニルシリコーンオイルは、次式:
Figure 2020002084
(式中、
R1〜R10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1〜C30炭化水素系基、好ましくはC1〜C12炭化水素系基、より好ましくはC1〜C6炭化水素系基、特にメチル、エチル、プロピル又はブチルの各基であり、
m、n、p及びqは、互いに独立に、両端を含んで0〜900、好ましくは両端を含んで0〜500、より好ましくは両端を含んで0〜100の整数であり、
但し、和n+m+qは0以外である)
のフェニルシリコーンから選ぶことができる。
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Rhodia社製のSilbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社製のRhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製のDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidの油、
- Bayer社製のPKシリーズのシリコーン、例えばPK20製品、
- General Electric社製のSFシリーズの一定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
フェニルシリコーンオイルとして、フェニルトリメチコン(上記の式中のR1〜R10はメチルであり、p、q、及びn=0であり、m=1である)が好ましい。
有機変性液状シリコーンは、とりわけ、ポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基を含有してよい。そのため、信越化学工業株式会社によって提案されているシリコーンKF-6017、及びUnion Carbide社製のSilwet(登録商標)L722油及びL77油を挙げることができる。
炭化水素油は、以下から選ぶことができる:
- 直鎖状又は分枝状の、任意選択で環状のC6〜C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン及びイソパラフィン、例としてはイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカン、並びに
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン、液状ワセリン、ポリデセン及び水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、並びにスクアラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱物油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又は石油、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールにおける用語「脂肪」は、比較的多数の炭素原子が含まれるものを意味する。そのため、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールが、脂肪アルコールの範囲内に包含される。脂肪アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪アルコールは、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
脂肪アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、4〜40個の炭素原子、好ましくは6〜30個の炭素原子、より好ましくは12〜20個の炭素原子を含有する、飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の基から選ばれる)を有してよい。少なくとも1つの実施形態では、Rは、C12〜C20アルキル基及びC12〜C20アルケニル基から選ぶことができる。Rは、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよく置換されていなくてもよい。
脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールが飽和脂肪アルコールであることが好ましい。
そのため、脂肪アルコールは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6〜C30アルコール、好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和のC6〜C30アルコール、より好ましくは、直鎖状又は分枝状の、飽和のC12〜C20アルコールから選択することができる。
本明細書での用語「飽和脂肪アルコール」は、長鎖の脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪アルコールが、任意の直鎖状又は分枝状の、飽和のC6〜C30脂肪アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分枝状の、飽和のC6〜C30脂肪アルコールの中では、直鎖状又は分枝状の、飽和のC12〜C20脂肪アルコールを、好ましくは使用することができる。任意の直鎖状又は分枝状の、飽和のC16〜C20脂肪アルコールを、より好ましくは使用することができる。分枝状のC16〜C20脂肪アルコールを、更により好ましくは使用することができる。
飽和脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、飽和脂肪アルコールとして、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、又はこれらの混合物(例えば、セテアリルアルコール)及びベヘニルアルコールを使用することができる。
少なくとも1つの実施形態によれば、本発明のために使用される組成物中で使用される脂肪アルコールは、好ましくは、セチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物から選ばれる。
油が、エステル油、炭化水素油、シリコーン油、脂肪アルコール、及びこれらの混合物から選ばれることが好ましい場合がある。
本発明のために使用される組成物中の油の量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であってよい。本発明のために使用される組成物中の油の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であってよい。本発明のために使用される組成物中の油の量は、組成物の総質量に対して、1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%、より好ましくは10質量%〜20質量%であってよい。
油は、本発明のために使用される組成物の脂肪相を形成することができる。
本発明のために使用される組成物がO/W型エマルションの形態にあるので、油は、O/W型エマルション中に分散された脂肪相を形成することができる。
(水)
本発明による美容方法のために使用される組成物は、水を含む。
水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上であってよい。水の量は、組成物の総質量に対して、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下であってよい。本発明のために使用される組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%〜95質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、より好ましくは60質量%〜85質量%の範囲であってよい。
水は、本発明のために使用される組成物の水性相を形成することができる。
本発明のために使用される組成物がO/W型エマルションの形態にあるので、水は、O/W型エマルション中に連続水性相を形成することができる。
(界面活性剤)
本発明のために使用される組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を含む。2種以上の界面活性剤が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
任意の界面活性剤が、本発明のために使用されてよい。本発明において使用される界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用することができる。そのため、単一の種類の界面活性剤、又は異なる種類の界面活性剤の組合せを使用することができる。
アニオン性界面活性剤
本発明によれば、アニオン性界面活性剤の種類は限定されない。アニオン性界面活性剤が、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩及びモノグリセリド硫酸塩;(C6〜C30)アルキルスルホン酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドスルホン酸塩、(C6〜C30)アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩及びパラフィンスルホン酸塩;(C6〜C30)アルキルリン酸塩;(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテルスルホコハク酸塩及び(C6〜C30)アルキルアミドスルホコハク酸塩;(C6〜C30)アルキルスルホ酢酸塩;(C6〜C24)アシルサルコシン酸塩;(C6〜C24)アシルグルタミン酸塩;(C6〜C30)アルキルポリグリコシドカルボキシルエーテル;(C6〜C30)アルキルポリグリコシドスルホコハク酸塩;(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸塩;(C6〜C24)アシルイセチオン酸塩;N-(C6〜C24)アシル酒石酸塩;C6〜C30脂肪酸塩;ココナツ油酸塩又は水添ココナツ油酸塩;(C8〜C20)アシル乳酸塩;(C6〜C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸塩;及びポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸塩からなる群から選択されることが好ましい。
アニオン性界面活性剤が、(C6〜C30)アルキル硫酸塩又はポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩の塩から選択されることが、より好ましい。
少なくとも1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤は、塩、例えばアルカリ金属の塩、例としてはナトリウムの塩;アルカリ土類金属の塩、例としてはマグネシウムの塩;アンモニウム塩;アミン塩;及びアミノアルコール塩の形態にある。条件に応じて、それらはまた、酸の形態にあってもよい。
両性界面活性剤
本発明によれば、両性界面活性剤の種類は限定されない。両性又は双性イオン性界面活性剤は、例えば(非限定的一覧)、脂肪族の第二級又は第三級アミン等のアミン誘導体、及び任意選択で四級化されたアミン誘導体であり、ここで、脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含んで少なくとも1つの、水に可溶化させるアニオン性基(例えば、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン又はホスホン酸イオン)を含有する直鎖状又は分枝状の鎖である。
両性界面活性剤は、好ましくはベタイン及びアミドアミンカルボキシル化誘導体からなる群から選択することができる。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン及びアルキルアミドアルキルスルホベタイン、特に(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタイン、スルホベタイン及び(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタインからなる群から選択される。一実施形態では、ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタイン、スルホベタイン及びホスホベタインから選ばれる。
挙げることができる非限定的な例には、CTFA辞典、第9版、2002年において、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン及びココスルタインの名称で分類されている化合物が、単独で又は混合物として含まれる。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくはアルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタインであり、特にココベタイン及びコカミドプロピルベタインである。
アミドアミンカルボキシル化誘導体の中では、米国特許第2528378号及び第2781354号に記載されている、名称Miranolで販売されている製品であって、CTFA辞典、第3版、1982年(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)においてアンホカルボキシグリシネート及びアンホカルボキシプロピオネートの名称で分類されている製品を挙げることができ、それぞれの構造は、
R1-CONHCH2CH2-N+(R2)(R3)(CH2COO-)
[式中、
R1は、加水分解ココナツ油中に存在する酸R1-COOHのアルキル基、ヘプチル、ノニル又はウンデシルの各基を示し、
R2は、β-ヒドロキシエチル基を示し、
R3は、カルボキシメチル基を示す]
及び
R1'-CONHCH2CH2-N(B)(C)
[式中、
Bは、-CH2CH2OX'を表し、
Cは、-(CH2)z-Y'を表し、z=1又は2であり、
X'は、-CH2CH2-COOH基、-CH2-COOZ'、-CH2CH2-COOH、-CH2CH2-COOZ'、又は水素原子を示し、
Y'は、-COOH、-COOZ'、-CH2-CHOH-SO3Z'、又はCH2-CHOH-SO3H基を示し、
Z'は、ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のイオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンに由来するイオンを表し、
R1'は、ココナツ油中、若しくは加水分解亜麻仁油中に存在する酸R1'-COOHのアルキル基、C7、C9、C11若しくはC13アルキル基等のアルキル基、C17アルキル基及びそのイソ型、又は不飽和のC17基を示す]
である。
両性界面活性剤が、(C8〜C24)アルキルアンホモノアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホジアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホモノプロピオネート及び(C8〜C24)アルキルアンホジプロピオネートから選択されることが好ましい。
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993年において、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸の名称で分類されている。
例として、Rhodia Chimie社により商品名Miranol(登録商標)C2M concentrateで販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
カチオン性界面活性剤
本発明によれば、カチオン性界面活性剤の種類は限定されない。カチオン性界面活性剤は、任意選択でポリオキシアルキレン化された、第一級、第二級又は第三級脂肪アミン塩、第四級アンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
挙げることができる第四級アンモニウム塩の例には以下が含まれるがこれらに限定されない:
以下の一般式(I)のもの
Figure 2020002084
[式中、
R1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含んで酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を任意選択で含む、直鎖状及び分枝状の脂肪族基から選ばれる。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、C2〜C6ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテート及びヒドロキシアルキルの各基;並びにアリール及びアルキルアリール等の芳香族基から選ぶことができ、X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C2〜C6)アルキル硫酸イオン、及びアルキルスルホン酸イオン又はアルキルアリールスルホン酸イオンから選ばれる];
イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例としては下式(II)のもの
Figure 2020002084
[式中、
R5は、8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基、例えば獣脂又はココナツの脂肪酸誘導体から選ばれ、
R6は、水素、C1〜C4アルキル基、並びに8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選ばれ、
R7は、C1〜C4アルキル基から選ばれ、
R8は、水素、及びC1〜C4アルキル基から選ばれ、
X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルアリールスルホン酸イオンから選ばれる]
一実施形態では、R5及びR6は、例えば、獣脂の脂肪酸誘導体等の、12〜21個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選ばれる基の混合物であり、R7はメチルであり、R8は水素である。このような製品の例には、Witco社により名称「Rewoquat(登録商標)」W75、W90、W75PG及びW75HPGで販売されているクオタニウム-27(CTFA 1997年)及びクオタニウム-83(CTFA 1997年)が挙げられるがこれらに限定されない;
式(III)のジ四級アンモニウム塩
Figure 2020002084
[式中、
R9は、16〜30個の炭素原子を含む脂肪族基から選ばれ、
R10は、水素、又は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、若しくは(R16a)(R17a)(R18a)N+(CH2)3基から選ばれ、
R11、R12、R13、R14、R16a、R17a及びR18aは、同一であっても異なっていてもよく、水素、及び1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選ばれ、
X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、エチル硫酸イオン及びメチル硫酸イオンから選ばれる]
こうしたジ四級アンモニウム塩の一例は、FINETEX社のFINQUAT CT-P(クオタニウム-89)、又はFINETEX社のFINQUAT CT(クオタニウム-75)である;並びに
少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば下式(IV)のもの
Figure 2020002084
[式中、
R22は、C1〜C6アルキル基及びC1〜C6ヒドロキシアルキル基及びジヒドロキシアルキル基から選ばれ、
R23は、
以下の基:
Figure 2020002084
直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1〜C22炭化水素系基R27、並びに水素から選ばれ、
R25は、
以下の基:
Figure 2020002084
直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1〜C6炭化水素系基R29、並びに水素から選ばれ、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC7〜C21炭化水素系基から選ばれ、
r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2〜6の範囲の整数から選ばれ、
r1及びt1のそれぞれは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1であり、r2+r1=2r且つt1+t2=2tであり、
yは1〜10の範囲の整数から選ばれ、
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0〜10の範囲の整数から選ばれ、
X-は、単体及び錯体の、有機及び無機のアニオンから選ばれ、但し、和x+y+zは1〜15の範囲であり、xが0である場合にはR23はR27を示し、zが0である場合にはR25はR29を示す。R22は、直鎖状及び分枝状アルキル基から選ぶことができる]
一実施形態では、R22は、直鎖状アルキル基から選ばれる。別の実施形態では、R22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル及びジヒドロキシプロピルの各基から選ばれ、例えばメチル基及びエチル基から選ばれる。一実施形態では、和x+y+zは、1〜10の範囲である。R23が炭化水素系基R27である場合、これは長鎖であって12〜22個の炭素原子を含んでもよく、又は短鎖であって1〜3個の炭素原子を含んでもよい。R25が炭化水素系基R29である場合、それは、例えば1〜3個の炭素原子を含んでもよい。非限定的な例として、一実施形態では、R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11〜C21炭化水素系基から選ばれ、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11〜C21アルキル基及びアルケニル基から選ばれる。別の実施形態では、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1である。一実施形態では、yは1に等しい。別の実施形態では、r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、例えば2に等しい。アニオンX-は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン;並びにC1〜C4アルキル硫酸イオン、例えばメチル硫酸イオンから選ぶことができる。しかしながら、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル化物イオン、有機酸に由来するアニオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオン、並びにエステル官能基を含むアンモニウムに適合する任意の他のアニオンが、本発明に従って使用されうるアニオンの他の非限定的な例である。一実施形態では、アニオンX-は、塩化物イオン及びメチル硫酸イオンから選ばれる。
別の実施形態では、式(IV)[式中、
R22は、メチル基及びエチル基から選ばれ、
x及びyは、1に等しく、
zは、0又は1に等しく、
r、s及びtは、2に等しく、
R23は、
以下の基:
Figure 2020002084
メチル基、エチル基、及びC14〜C22炭化水素系基、並びに水素から選ばれ、
R25は、
以下の基:
Figure 2020002084
及び水素から選ばれ、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13〜C17炭化水素系基から選ばれ、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13〜C17アルキル基及びアルケニル基から選ばれる]
のアンモニウム塩が使用されてよい。
一実施形態では、炭化水素系基は直鎖状である。
挙げることができる式(IV)の化合物の非限定的な例には、塩、例えば、ジアシルオキシエチル-ジメチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、ジアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ジヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-ジメチル-アンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、並びにこれらの混合物が含まれる。一実施形態では、アシル基は、14〜18個の炭素原子を含んでよく、且つ、例えば、植物油、例としてはパーム油及びヒマワリ油に由来するものであってよい。化合物がいくつかのアシル基を含む場合、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
これらの生成物は、例えば、任意選択でオキシアルキレン化されているトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン若しくはアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸に、若しくは植物若しくは動物起源の脂肪酸混合物に直接エステル化することによって、又はそれらのメチルエステルをエステル交換することによって得ることができる。このエステル化の後に、アルキル化剤を使用して四級化してもよく、アルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、例えば、ハロゲン化メチル及びハロゲン化エチル;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;メタンスルホン酸メチル;パラ-トルエンスルホン酸メチル;グリコールクロロヒドリン;並びにグリセロールクロロヒドリンから選ばれる。
こうした化合物は、例えば、Cognis社により名称Dehyquart(登録商標)で、Stepan社により名称Stepanquat(登録商標)で、Ceca社により名称Noxamium(登録商標)で、且つRewo-Goldschmidt社により名称「Rewoquat(登録商標)WE 18」で販売されている。
本発明による組成物中で使用されうるアンモニウム塩の他の非限定的な例には、米国特許第4874554号及び第4137180号に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含むアンモニウム塩が挙げられる。
本発明による組成物中で使用されうる上記の第四級アンモニウム塩の中には、式(I)に相当するものが挙げられるがこれらに限定されず、例えば、テトラアルキルアンモニウムクロリド、例としては、アルキル基が約12〜22個の炭素原子を含む、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド;パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;並びにVan Dyk社により名称「Ceraphyl(登録商標)70」で販売されているステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムクロリドが挙げられる。
一実施形態によれば、本発明の組成物中で使用されうるカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩から、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、クオタニウム-83、クオタニウム-87、クオタニウム-22、ベヘニルアミドプロピル-2,3-ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びステアラミドプロピルジメチルアミンクロリドから選ばれる。
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤は、それ自体周知の化合物である(例えば、この点に関して、M.R.Porterによる「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son出版(Glasgow及びLondon)、1991年、116〜178頁を参照されたい)。そのため、非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコール、α-ジオール、アルキルフェノールと脂肪酸のエステルから選択することができ、これらの化合物は、エトキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化されており、例えば8〜30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有し、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の数が2〜50個の範囲であり、グリセロール基の数が1〜30個の範囲であることが可能である。マルトース誘導体もまた挙げることができる。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの、脂肪アルコールとの縮合物;例えば2〜30モルのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1.5〜5つ、例えば1.5〜4つのグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2〜30モルのエチレンオキシドを含むソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物起源のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C6〜C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノエステル又はジエステル;N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体;(C10〜C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド等のアミンオキシド;並びにこれらの混合物もまた非限定的に挙げることができる。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、モノオキシアルキレン化、ポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤から選ぶことができる。オキシアルキレン単位は、より特定すると、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はこれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることができるモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例には、
モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸とポリアルキレングリコールとのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸とソルビトールとのモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化植物油、
とりわけ単独又は混合物としてのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物
が含まれる。
界面活性剤は、好ましくは、1から100の間、最も好ましくは2から50の間のモル数のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含有する。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を一切含まない。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、ポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール(脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル)、ポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(脂肪酸のポリエチレングリコールエステル)、及びポリオキシエチレン化脂肪アルコールとポリオキシエチレン化脂肪酸エステルとの混合物から選ばれる。
挙げることができるポリオキシエチレン化脂肪アルコール(又はC8〜C30アルコール)の例には、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より特定すると2〜20個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではラウレス-2からラウレス-20);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より特定すると2〜20個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-2からベヘネス-20);セテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテアレス-2からセテアレス-30);セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテス-2からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より特定すると2〜20個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではステアレス-2からステアレス-20);イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではイソステアレス-2からイソステアレス-50);及びこれらの混合物が含まれる。
挙げることができるポリオキシエチレン化脂肪酸エステルの例には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステルのエチレンオキシド付加物及びこれらの混合物、とりわけ9〜100個のオキシエチレン単位を含有するもの、例えばPEG-9からPEG-50ラウレート(CTFA名ではPEG-9ラウレートからPEG-50ラウレート)、PEG-9からPEG-50パルミテート(CTFA名ではPEG-9パルミテートからPEG-50パルミテート)、PEG-9からPEG-50ステアレート(CTFA名ではPEG-9ステアレートからPEG-50ステアレート)、PEG-9からPEG-50パルミトステアレート、PEG-9からPEG-50ベヘネート(CTFA名ではPEG-9ベヘネートからPEG-50ベヘネート)、ポリエチレングリコール100 EOモノステアレート(CTFA名: EG-100ステアレート)、及びこれらの混合物が含まれる。
本発明の好ましい一実施形態によれば、本発明のために使用される組成物は、少なくとも1種のポリオキシエチレン化脂肪アルコールを含む。
より好ましい実施形態によれば、本発明のために使用される組成物は、2〜9個のエチレンオキシド単位を含む少なくとも1種の脂肪アルコール、及び10〜30個のエチレンオキシド単位を含む少なくとも1種の脂肪アルコールを含有する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールが好ましくは使用される。
特に、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールは、次式:
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H、又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
(式中、Rは、直鎖状又は分枝状の、C8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)
に相当する。
本発明との関連で好適である化合物の例として、4モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名: ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名: ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名: ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール及び6モルのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
アルコールは、mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールの混合物を表す場合があり、これは、市販製品において、いくつかの種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存しうることを意味する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化アルコールの中では、1モルのグリセロールを含有するC8/C10アルコール、1モルのグリセロールを含有するC10/C12アルコール及び1.5モルのグリセロールを含有するC12アルコールを使用することが好ましい。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40脂肪酸エステルは、次式
R'O-[CH2-CH(CH2OR''')-O]m-R"、又はR'O-[CH(CH2OR''')-CH2O]m-R"
(式中、R'、R"及びR'''のそれぞれは、独立に、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル-CO-又はアルケニル-CO-基を表し、但し、R'、R"及びR'''のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)
に相当することができる。
挙げることができるポリオキシエチレン化脂肪酸エステルの例には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステルのエチレンオキシド付加物及びこれらの混合物、とりわけ9〜100個のオキシエチレン単位を含有するもの、例えばPEG-9からPEG-50ラウレート(CTFA名ではPEG-9ラウレートからPEG-50ラウレート)、PEG-9からPEG-50パルミテート(CTFA名ではPEG-9パルミテートからPEG-50パルミテート)、PEG-9からPEG-50ステアレート(CTFA名ではPEG-9ステアレートからPEG-50ステアレート)、PEG-9からPEG-50パルミトステアレート、PEG-9からPEG-50ベヘネート(CTFA名ではPEG-9ベヘネートからPEG-50ベヘネート)、ポリエチレングリコール100 EOモノステアレート(CTFA名: EG-100ステアレート)、及びこれらの混合物が含まれる。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、HLBが8〜18の非イオン性界面活性剤でありうる。HLBは、分子中の親水性部分と親油性部分との間の比である。この用語HLBは、当業者に周知であり、「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.社により刊行、1984年)に記載されている。
本発明のために使用される組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってよい。本発明のために使用される組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってよい。本発明のために使用される組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜8質量%、より好ましくは0.1質量%〜5質量%であってよい。
(ポリオール)
本発明のために使用される組成物は、少なくとも1種のポリオールを含んだ少なくとも1つのポリオール相を含む。2種以上のポリオールを組み合わせて使用することができる。そのため、単一の種類のポリオール、又は異なる種類のポリオールの組合せを使用することができる。
ポリオールが、大気圧(760mmHg又は105Pa)下、25℃等の室温で液体の形態にあることが好ましい。
用語「ポリオール」は、本明細書において、2つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖又はその誘導体を包含しない。糖の誘導体には、糖の1つ以上のカルボニル基を還元することにより得られる糖アルコール、及びその1つ以上のヒドロキシ基中の1個以上の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられている糖又は糖アルコールが挙げられる。
本発明において使用されるポリオールは、大気圧(760mmHg又は105Pa)下、25℃等の室温で液体である。
ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2〜5つのヒドロキシ基を含む、C2〜C24ポリオール、好ましくはC2〜C9ポリオールであってよい。
ポリオールは、天然のポリオールであっても合成のポリオールであってもよい。ポリオールは、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有してよい。
ポリオールは、グリセリン及びその誘導体、並びにグリコール及びその誘導体から選択することができる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、C6〜C24ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び1,5-ペンタンジオールからなる群から選択することができる。
本発明のために使用される組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってよい。本発明のために使用される組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってよい。本発明のために使用される組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜8質量%、より好ましくは0.1質量%〜5質量%であってよい。
一実施形態では、ポリオールと水との総(質)量中のポリオールの(質)量は、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であってよい。
別の実施形態では、ポリオールと水との総(質)量中のポリオールの(質)量は、40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下であってよい。
そのため、ポリオールと水との総(質)量中のポリオールの(質)量は、10質量%〜40質量%、好ましくは15質量%〜35質量%、より好ましくは20質量%〜30質量%であってよい。
(任意選択の成分)
本発明のために使用される組成物のpHは、化粧用組成物中で通常使用される酸性化剤又は塩基性化剤を使用して所望の値へ調整されうる。
本発明のために使用される組成物の水相は、好ましくは中性又は酸性でありうる。したがって、組成物の水相のpHが、1〜7、より好ましくは2〜6、更により好ましくは3〜5であることが好ましい。
酸性化剤の中では、例として、鉱酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルト-リン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、並びにスルホン酸を挙げることができる。
塩基性化剤の中では、例として、水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリエタノールアミン、更にはそれらの誘導体、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、並びに下式:
Figure 2020002084
(式中、
Wは、ヒドロキシル基又はC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを示し、Ra、Rb、Rc及びRdは、独立に、水素原子、アルキル基又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を示す)
の化合物を挙げることができ、これは、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体により例示されうる。
酸性化剤又は塩基性化剤は、組成物の総質量に対して、0.001質量%〜15質量%、好ましくは0.01質量%〜10質量%、より好ましくは0.1質量%〜5質量%の範囲の量で使用されてよい。
本発明のために使用される組成物はまた、化粧用組成物中で従来使用されている様々な補助剤、例えばアニオン性、非イオン性、カチオン性及び両性若しくは双性イオン性ポリマー、抗酸化剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド、保存剤並びに乳白剤も含有してよい。
(調製)
本発明のために使用される組成物は、必須成分としての油及び水と、上で説明した任意選択の成分(必要な場合)とを混合することによって調製することができる。
上記の必須成分と任意選択の成分とを混合する方法及び手段は限定されない。上記の必須成分と任意選択の成分とを混合して本発明のために使用される組成物を調製するために、任意の従来の方法及び手段を使用することができる。
[キット、方法及び使用]
本発明はまた、
基材シート及び基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートであって、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、マイクロニードルシートと、
O/W型エマルションの形態にある組成物と
を備えたキットにも関する。
O/W型エマルションの形態にある組成物は、美容目的のために通常使用される容れ物等の任意の容器中に含有されてよい。
キットは、本発明による美容方法を実施するために、好ましくは使用されうる。
本発明はまた、基材シート及び基材シート上のマイクロニードルを備えており、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解を促進させるための方法であって、マイクロニードルシートの使用前に、マイクロニードルをO/W型エマルションの形態にある組成物と接触させる工程を含む、方法に関する。
本発明はまた、基材シート及び基材シート上のマイクロニードルを備えており、マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解を促進させるための、マイクロニードルシートの使用前のO/W型エマルションの形態にある組成物の使用に関する。
本発明による上記の方法及び使用によれば、マイクロニードルシートのマイクロニードルは迅速に溶解又は崩壊することができる。換言すれば、マイクロニードルシートのマイクロニードルは、短期間で溶解又は崩壊することができる。そのため、マイクロニードルシートのマイクロニードルは、マイクロニードルシートが使用されるときに直ぐに消失することができ、且つケラチン物質内に長期間にわたっては残留しない。
したがって、本発明による上記の方法又は使用は、マイクロニードルシートを使用する美容方法に求められる時間を低減することができる。
本発明による美容方法のためのマイクロニードルシート及び組成物についての上記の説明はまた、本発明によるキット、方法及び使用における説明にも当てはめることができる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。以下の実施例は、本発明の技術分野における非限定的な例示として提示するものである。
[マイクロニードルパッチ]
マイクロニードルシートを、70,000ダルトンの平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムを使用して調製した。マイクロニードルシートは、基材シート上に複数のマイクロニードルを324ニードル/cm2の密度で有した。各マイクロニードルは、円錐体の形状を有し、長さ又は高さは200μm、底面の直径は200μmとした。マイクロニードルのピッチは60μmとした。
マイクロニードルシートを標準の型鋳造方法によって調製した。ヒアルロン酸ナトリウムを水中に溶解し、こうして得たヒアルロン酸ナトリウム水性溶液を、マイクロニードルの形状に対応している型のキャビティ内へ注入した。水を除去するために室温にて乾燥させた後、基材シート上に複数のマイクロニードルを有するマイクロニードルシートとして、キャビティ内のマイクロニードルを型から外した。
マイクロニードルシートを、目の下へ適用されるパッチの形状を有するように切断した。
[組成物]
(組成物1)
O/W型エマルションを、表1に示す成分を混合して調製した。成分の量についての数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2020002084
(組成物2)
O/W型エマルションを、表2に示す成分を混合して調製した。成分の量についての数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2020002084
(組成物3)
W/O型エマルションを、表3に示す成分を混合して調製した。成分の量についての数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2020002084
(組成物4)
水性ゲルを、表4に示す成分を混合して調製した。成分の量についての数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
Figure 2020002084
[評価]
(実施例1)
組成物1によるO/W型エマルションをブタの皮膚へ2mg/cm2の量で塗布した。
O/W型エマルションを塗布した直後に、上記のこうして調製したマイクロニードルパッチを皮膚上に適用した。マイクロニードルパッチのマイクロニードルの挙動を、光干渉断層撮影により観察した。
マイクロニードルパッチを適用した直後に、マイクロニードルの、皮膚内への貫通を観察した。14分後、皮膚内のマイクロニードルが溶解し消失したことを観察した。
(実施例2)
組成物2によるO/W型エマルションをブタの皮膚へ2mg/cm2の量で塗布した。
O/W型エマルションを塗布した直後に、上記のこうして調製したマイクロニードルパッチを皮膚上に適用した。マイクロニードルパッチのマイクロニードルの挙動を、光干渉断層撮影により観察した。
マイクロニードルパッチを適用した直後に、マイクロニードルの、皮膚内への貫通を観察した。6分後、皮膚内のマイクロニードルが溶解し消失したことを観察した。
(比較例1)
組成物3によるW/O型エマルションをブタの皮膚へ2mg/cm2の量で塗布した。
W/O型エマルションを塗布した直後に、上記のこうして調製したマイクロニードルパッチを皮膚上に適用した。マイクロニードルパッチのマイクロニードルの挙動を、光干渉断層撮影により観察した。
マイクロニードルパッチを適用した直後に、マイクロニードルの、皮膚内への貫通を観察した。しかしながら、1分後に、マイクロニードルが皮膚から押し戻されたことを観察した。20分後でさえ、マイクロニードルが存在していることを観察した。このように、マイクロニードルは、溶解せず、消失しなかった。
(比較例2)
組成物4による水性ゲルをブタの皮膚へ2mg/cm2の量で塗布した。
水性ゲルを塗布した直後に、上記のこうして調製したマイクロニードルパッチを皮膚上に適用した。マイクロニードルパッチのマイクロニードルの挙動を、光干渉断層撮影により観察した。
マイクロニードルパッチを皮膚上に適用した直後にマイクロニードルが溶解し消失したことを観察した。マイクロニードルが皮膚内へ入ることは不可能であった。
(結果)
実施例1及び2は、マイクロニードルが皮膚内へ貫通できたことを明示している。マイクロニードルは、それらが皮膚内に挿入された状態を維持した。換言すれば、マイクロニードルは、皮膚から押し出されなかった。
実施例1及び2はまた、マイクロニードルシートを皮膚上に適用する前にO/W型エマルションを皮膚上に塗布することにより、マイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解が促進されたことを明示している。マイクロニードルの促進された溶解により、マイクロニードルシートを使用する美容方法に求められる時間を低減させることができる。
比較例1は、マイクロニードルシートを皮膚上に適用する前にW/O型エマルションを皮膚上に塗布することにより、マイクロニードルの溶解が促進されえなかったことを明示している。マイクロニードルシートを皮膚上に適用する前にW/O型エマルションを皮膚上に塗布したとき、マイクロニードルの挿入さえ維持することができなかった。
比較例2は、マイクロニードルシートを皮膚上に適用する前に水性ゲルを皮膚上に塗布することにより、マイクロニードルの迅速すぎる溶解が引き起こされたことを明示している。マイクロニードルが、皮膚内へ挿入される前に溶解し消失したため、マイクロニードルの挿入さえ不可能であった。

Claims (15)

  1. 皮膚又は唇等のケラチン物質のための美容方法であって、
    油/水型エマルションの形態にある少なくとも1種の組成物をケラチン物質上に塗布する工程と、
    基材シート及び前記基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートを、前記組成物が塗布された前記ケラチン物質上に適用する工程であり、前記マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、工程と
    を含む、美容方法。
  2. 前記マイクロニードルが、50〜1000ミクロン、好ましくは100〜750ミクロン、より好ましくは150〜500ミクロンの高さを有する、請求項1に記載の美容方法。
  3. 前記マイクロニードルが、円錐体の形態である、請求項1又は2に記載の美容方法。
  4. 前記マイクロニードルの前記円錐体の底面が、50〜350ミクロン、好ましくは100〜300ミクロン、より好ましくは150〜250ミクロンの直径を有する、請求項3に記載の美容方法。
  5. 前記マイクロニードルの(前記円錐体の高さ)/(前記円錐体の前記底面の直径)の比が、1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上である、請求項3又は4に記載の美容方法。
  6. 前記水溶性又は水分散性ポリマーが、ヒアルロン酸、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、デキストリン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリビニルピロリドン、ポリ(メチル/ビニルエーテル/マレイン酸)(PMVE/MA)及びそのエステル、ポリ(メチル/ビニルエーテル/無水マレイン酸)(PMVE/MAH)、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の美容方法。
  7. 前記水溶性又は水分散性ポリマーが、10,000〜200,000ダルトン、好ましくは30,000〜150,000ダルトン、より好ましくは50,000〜100,000ダルトンの分子量を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の美容方法。
  8. 前記組成物が、水を、組成物の総質量に対して、50質量%〜95質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、より好ましくは60質量%〜85質量%の量で含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の美容方法。
  9. 前記組成物が、少なくとも1種のポリオールを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の美容方法。
  10. 前記ポリオールの量が、組成物の総質量に対して、1質量%〜20質量%、好ましくは3質量%〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である、請求項9に記載の美容方法。
  11. 前記マイクロニードルシートが、前記ケラチン物質上で前記組成物を乾燥させる工程なしで、ケラチン物質上に適用される、請求項1から10のいずれか一項に記載の美容方法。
  12. 少なくとも1つの前記マイクロニードルが、少なくとも1種の美容有効成分を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の美容方法。
  13. 基材シート及び前記基材シート上の複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルシートであって、前記マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含む、マイクロニードルシートと、
    油/水型エマルションの形態にある組成物と
    を備えたキット。
  14. 基材シート及び前記基材シート上のマイクロニードルを備えており、前記マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解を促進させるための方法であって、
    前記マイクロニードルシートの使用前に、前記マイクロニードルを油/水型エマルションの形態にある組成物と接触させる工程を含む、方法。
  15. 基材シート及び前記基材シート上のマイクロニードルを備えており、前記マイクロニードルが少なくとも1種の水溶性又は水分散性ポリマーを含むマイクロニードルシートのマイクロニードルの溶解を促進させるための、前記マイクロニードルシートの使用前の油/水型エマルションの形態にある組成物の使用。
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