以下、本発明に係る制動装置、アタッチメント及び、それを用いた遮蔽装置(一例としてプリーツスクリーン)の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
1.制動装置
1.1 パーツの概要
図1〜図9を用いて、制動装置1000(速度調整装置又はブレーキユニット)について説明する。本実施形態に係る制動装置1000は、コードの移動を制動する制動装置である。具体的には、本実施形態に係る制動装置1000では、運動変換部に係る機構と抵抗付与部に係る機構が略垂直に位置するように設けられる。ここで、本実施形態においては、図1に示されるように、スライダー220、コイルスプリングSP、軸芯41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、ローレット240、ピニオンギア50、軸芯31、ワッシャー241、内歯付キャリア260及び遊星歯車280が、運動変換部を構成し、ウェイト340、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びケース10Aが、抵抗付与部を構成する。
図1Aは、本発明の実施形態に係る制動装置1000の前方上側から見た分解斜視図であり、図1Bは後方上側から見た分解斜視図である。制動装置1000は、アタッチメント200、ケース10A、スライダー220、コイルスプリングSP、軸芯41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、ローレット240、ピニオンギア50、ローレット240及びピニオンギア50を挿通する軸芯31、ワッシャー241、内歯付キャリア260、遊星歯車280、太陽歯車付ウェイトホルダ320、ウェイト340及びベース70により構成される。アタッチメント200については、後述の第2節において改めて説明する。
本実施形態において、アイドルローラ40及びローレット240は、コードを挟着する挟着体として機能する。また、アイドルローラ40が支柱に、ローレット240がコードの長手方向の移動により回転するローラとして機能する。また、スライダー220は、アイドルローラ40及びローレット240を保持する。
図1に示されるように、本実施形態では、内歯付キャリア260に4つの遊星歯車280が設けられ、太陽歯車付ウェイトホルダ320に8つのウェイト340が保持される。
1.2 組立構成
続いて、これら各部材を組み立てた状態について、図2〜図6を用いて説明する。図2Aは制動装置1000の前方斜視図であってアタッチメント200を付けた態様、図2Bはアタッチメント200を外した態様を示す図である。図3Aは制動装置1000の後方斜視図であってアタッチメント200を付けた態様、図3Bはアタッチメント200を外した態様を示す図である。図4Aは制動装置1000の左側面図であってアタッチメント200を付けた態様、図4Bはアタッチメント200を外した態様を示す図である。図4Aに示されるように、制動装置1000は、側面視において、アタッチメント200、ベース70が視認されることとなる。また、支持溝114により突起230が支持されていることが伺える。
また、図2B、図3B及び図4Bに示されるように、3本のコードCDが制動装置1000に挿通されている。より詳細には、制動装置1000における外観においてスライダー220からコードCDが両端に導出されていることが示されている。特に本明細書において、制動装置1000の後方側に設けられたコードCDの導出口を一端口221(図3B、図4B参照)、制動装置1000の前方側に設けられたコードCDの導出口を他端口222(図2B、図4B参照)と称することに留意されたい。また、制動装置1000を挿通するコードCDの本数については第3節及び第4節において詳述する。
図5Aは制動装置1000の平面図であってアタッチメント200を付けた態様、図5Bはアタッチメント200を外した態様を示す図である。図6Aは制動装置1000の底面図であってアタッチメント200を付けた態様、図6Bはアタッチメント200を外した態様を示す図である。ここで、図5Bに示されるように、軸芯31の上端が、ケース10Aに設けられた第1天壁溝16を挿通し、ケース10Aの外部に露出している。同様に、軸芯41の上端が、ケース10Aに設けられた第2天壁溝17を挿通し、ケース10Aの外部に露出している。
そして、第1天壁溝16の縁に設けられた第1ガイド壁16Aが軸芯31と当接し、第2天壁溝17の縁に設けられた第2ガイド壁17Aが軸芯41と当接している。
また、図6に示されるように、ベース70は、その底面視において、第1ベース溝706に挿通された軸芯31の下端と、第2ベース溝707に挿通された軸芯41の下端を視認することができる。なお、取付筒702が設けられる面において、円柱部708の上を面で覆うことにより、軸芯31及び軸芯41の下端が外部から覆われる構成としてもよい。
1.3 内部構成
図7及び図8を用いて、組立状態における各部材間の相対位置について更に詳細に説明する。図7は、図2CのP−P線切断部断面図である。図7に示されるように、軸芯31を中心とするピニオンギア50と、内歯付キャリア260に設けられる内歯車261とが互いに歯合している。また、内歯車261の回転は、内歯付キャリア260の支持軸263を介して遊星歯車280に伝達されるように構成される。そして、遊星歯車280は、太陽歯車付ウェイトホルダ320に設けられた太陽歯車323及びケース10Aの内部に設けられた内周ギア115と互いに歯合する。したがって、ピニオンギア50に起因する回転が加えられることにより、遊星歯車280は太陽歯車323と内周ギア115の間に形成される空間内を、内歯車261の中心部を中心として公転することが可能となる。
図8は、図3AのQ−Q線切断部断面図である。図8に示されるように、本実施形態では、Q−Q線切断部断面図は取付筒702を中心として略左右対称となっている。そして、軸芯31及び軸芯41がケース10Aの上端及びベース70の下端から突出している。なお、ここでは、第1ガイド壁16A及び第2ガイド壁17Aの上端が、それぞれ軸芯31及び軸芯41の上端と略同じ高さとなっている。
そして、ローレット240及びローラ部42がスライダー220の内部に位置している。更に、ローレット240とともにスライダー220を挟んだ状態で、ピニオンギア50がスライダー220の外部に位置している。また、ピニオンギア50と内歯車261が互いに歯合している。
そして、ケース10Aの上側から鍔部13にかけて、アタッチメント200で覆われている。また、ケース10Aはその下端においてベース70と係合している。そして、ベース70の上部には、ウェイト340が保持されている。
1.4 動作
次に、図9を用いて本実施形態に係る制動装置1000の動作について説明する。図9AはコードCDに何ら張力が与えられない状態(定常状態)、図9BはコードCDに張力が与えられ、ローレット240及びローラ部42でコードCDが挟着された状態(挟着状態)、図9Cは図9Aから図9Bへ状態変化する際における各部材の回転方向をまとめた図である。なお、図9A、図9Bはともに、図7と同様に、図2CのP−P線切断部断面図である。ここで、説明の都合上、かかる断面図には現れないローラ部42の外周を軸芯41の周囲に、ローレット240の外周を軸芯31の周囲に重ねて表示した。なお、ローレット240の外周は厳密には円形ではないが、説明の簡略化のため、円形に近似して図示している。
図9Aに示されるように、定常状態において、上記のように、コイルスプリングSPは、ケース10Aの後方の内壁と当接し、スライダー220を前方に押圧する。したがって、スライダー220はケース10Aの前方に位置する。このため、スライダー220の第1天壁溝226及び第1底壁溝228により位置が規制されている軸芯31と、第2天壁溝227及び第2底壁溝229により位置が規制されている軸芯41と、がスライダー220とともに前方に移動する。更に、スライダー220の上部に保持されるケース10Aに設けられた第1天壁溝16と第2天壁溝17は、前方に向かうにつれて互いに距離が小さくなっている。同様に、ベース70に設けられた第1ベース溝706及び第2ベース溝707は、前方に向かうにつれて距離が小さくなっている。したがって、軸芯41に回転可能に支持されるローラ部42と、軸芯31に回転可能に支持されるローレット240との距離も小さくなる。つまり、第1天壁溝16及び第1ベース溝706は、ローレット240の軸芯31が移動可能に嵌合し、ローレット240が溝に沿わない動きをすることを規制する規制溝として機能する。同様に、第2天壁溝17及び第2ベース溝707は、ローラ部42の軸芯41が移動可能に嵌合し、ローラ部42が溝に沿わない動きをすることを規制する規制溝として機能する。また、第1天壁溝16及び第1ベース溝706は、内歯付キャリア260の内周面の中心点と平面視において同心円上に形成されるため、軸芯31がそれぞれの溝内を移動しても、ピニオンギア50は内歯付キャリア260に設けられた内歯車261に歯合し続けることができる。
このように、ローレット240とローラ部42との距離が小さくなると、ローレット240はローラ部42に押圧され、ローレット240とローラ部42でコードCDが狭持される。つまり、本実施形態では、コイルスプリングSPは、ローレット240がローラ部42に押圧されるように、ローレット240を常時付勢する付勢部材としても機能する。
そして、定常状態の制動装置1000において、コードCDに矢印D1の向き(前方)に張力を与えたとする。すると、コードCDとの間に生じる摩擦力により、ローレット240が反時計回りに、ローラ部42が時計回りに回転する。そして、ローレット240の回転により、同じ軸芯31を共有して固定されているピニオンギア50もローレット240と同じ向き(反時計周り)に回転(自転)する。この際、図9Bに示されるように、軸芯31及び軸芯41は、平面視において前方に移動し、左右方向において互いに近接して、ローレット240とローラ部42によるコードCDの挟着力が強くなり、コードCDの移動に応じてローレット240が確実に回転するようになる。すると、ピニオンギア50は内歯車261と歯合しているので、ピニオンギア50の歯から与えられる力により、内歯車261が反時計周りに回転(自転)する。これにより、内歯車261とともに内歯付キャリア260も反時計周りに回転(自転)するので、内歯付キャリア260に設けられた遊星歯車280も同様に反時計周りに回転(公転)する。ここで、遊星歯車280は太陽歯車323及びケース10Aにより固定された内周ギア115と互いに歯合しているので、公転方向とは逆向き(時計回り)に自転しつつ、反時計周りに公転することとなる。したがって、遊星歯車280の内側で遊星歯車280と歯合する太陽歯車323は、遊星歯車280の自転と逆向き(反時計周り)に回転(自転)する。このとき、遊星歯車280により、太陽歯車323の回転は増速される。これにより、太陽歯車323とともに回転する太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持されるウェイト340も回転を開始する。なお、すでに述べた通り、遊星歯車280の外側で遊星歯車280と歯合する内周ギア115は、ケース10Aとベース70が固定されているため、遊星歯車280の回転時においても回転しない。
そして、図9Bに示されるように、ローレット240とローラ部42が限界まで近づく(挟着状態)と、ローレット240の自転は続くもののローレット240の内歯車261に沿った移動が停止する。このとき、ローレット240の自転に起因した他の部材の回転は継続される。すると、遠心力によりウェイト340がケース10Aの内周壁に当接することにより、回転に対して抵抗力が生じる。つまり、コードCDの移動速度が上昇することで回転速度が上昇し、これにより遠心力が上昇する。そして、遠心力が上昇することによりウェイト340がケース10Aの内周壁により強く当接することになり、抵抗力が上昇する。これにより、コードCDの移動速度(日射遮蔽部材の落下速度)を抑えることができる。ここで、コードCDに加えられる張力が略一定の場合(例えば、制動装置1000の前方側のコードCDに昇降可能に吊持される日射遮蔽部材が自由落下する場合)には、コードCDに加えられる張力とウェイト340とケース10Aの内周壁による抵抗力が釣り合うところで、コードCDの移動速度が略一定となる。したがって、制動装置1000は、コードCDの移動に対する回転ダンパとして機能し、日射遮蔽部材をゆっくりと降下させることが可能となる。
以上説明した、定常状態から挟着状態までの挟着状態の変化について、各部材の回転方向(ピニオンギア50については、更に平面視における前後方向及び締め付け方向も含む)をまとめたものが図9Cである。
一方、コードCDに矢印D1と逆向き(後方)に張力を与えた場合には、ローレット240及びローラ部42が上記と逆向きに回転する。その結果、軸芯31及び軸芯41が第1天壁溝16及び第2天壁溝17に沿って互いに離間するように移動する。すると、コードCDに対するローレット240の挟着力が弱まり、弱い力でコードCDを引っ張ることが可能となる。したがって、ヘッドボックス内に制動装置1000を設ける場合には、図9において前方にコードCDに張力が加わる向きを日射遮蔽部材の下降する向きとし、後方にコードCDに張力が加わる向きを日射遮蔽部材の上昇する向きとすると好適である。
以上説明したように、本実施形態に係る制動装置1000は、コードと挟着体が一方向に相対移動するときコードを挟着体が挟着し、他方向へ相対移動するときコードが非屈曲状態で解除されるよう挟着状態が変化するよう構成された制動装置と言うことができる。ここで、コードが解除されるとは、コードの移動を許容する状態のことであり、コードと挟着体の接触・非接触を問わない。
2.アタッチメント
続いて図10〜図19を用いて、制動装置1000に取り付け可能に構成されるアタッチメント200について説明する。なお、アタッチメント200として説明するが、後述のアタッチメント200に係る特徴を制動装置1000自体が含んでもよい(すなわちアタッチメント200と制動装置1000が別体でなく一体であってもよい)。図10は、アタッチメント200の斜視図である。図11Aは、本発明の実施形態に係るアタッチメント200の平面図であり、図11Bは、本発明の実施形態に係るアタッチメント200の底面図である。図12Aは、本発明の実施形態に係るアタッチメント200の正面図であり、図12Bは、本発明の実施形態に係るアタッチメント200の背面図である。図13Aは、本発明の実施形態に係るアタッチメント200の左側面図であり、図13Bは、本発明の実施形態に係るアタッチメント200の右側面図である。図14〜図19は、アタッチメント200の各種断面図である。
アタッチメント200は、図10等に示されるように、全体として略直方体状を有し且つその内側にある内部空間200sに上述の制動装置1000が収容される。本実施形態において、アタッチメント200は外観、内装ともに略左右対称である。外観に係る対称性については、例えば図11(アタッチメント200の平面図及び底面図)を参照されたい。内装に係る対称性については、例えば図17(アタッチメント200の断面図)を参照されたい。また、アタッチメント200は、天蓋部3t、底部3b、左側壁部4l、右側壁部4r、前面部5f、及び背面部5rに囲まれて構成される。
天蓋部3tには、滑車配置孔2ta〜2tgが設けられる。図10及び図11Aを参照すると、前方に滑車配置孔2ta〜2tf、後方に滑車配置孔2tg、2thがそれぞれ図示されている。更に、天蓋部3tには、係止部8fl、8fr、8rl、8rrが設けられ、これにより遮蔽装置におけるヘッドボックスに配置した際にアタッチメント200が係止される(詳細は、第4節において遮蔽装置として説明)。また、このように4つの係止部8fl、8fr、8rl、8rrを介してヘッドボックスに支持されることから、制動装置1000に過負荷がかかることを抑制することができる構成となっている。
図13に示されるように、底部3bは、前方から後方に向かって順に、底部3bf、3bc、3brから成る。底部3bf、3brは、遮蔽装置におけるヘッドボックスに配置した際に当該ヘッドボックスと接触する面である。底部3bcと底部3bf、3brには段差が設けられており、底部3bcは、底部3bf、3brよりも高い位置に位置する。また、底部3bfには、滑車配置孔2ba〜2bfが設けられ、底部3bcには滑車配置孔2bg、2bhがそれぞれ設けられる。
滑車配置孔2ta、2baは、天蓋部3t、底部3bにおいて互いに対向する位置に設けられる(以後、一対の滑車配置孔と称する)。同様に、一対の滑車配置孔2tb、2bbは、天蓋部3t、底部3bにおいて互いに対向する位置に設けられ、一対の滑車配置孔2tc、2bcは、天蓋部3t、底部3bにおいて互いに対向する位置に設けられる。その他の一対の滑車配置孔についても同様である。滑車配置孔2ta、2tc、2td、2tfは左右方向において一直線上に設けられる。滑車配置孔2tbは、滑車配置孔2ta、2tcの間の略中央から前方にずれた位置に位置する。滑車配置孔2teは、滑車配置孔2td、2tfの間の略中央から前方にずれた位置に位置する。すなわち、滑車配置孔2tb、2teは左右方向において一直線上に設けられる。また、滑車配置孔2tg、2thも左右方向において一直線上に設けられる。もちろん、底部3bに係る滑車配置孔2ba〜2bgについても同様である。
かかる一対の滑車配置孔に滑車軸を通すことにより、アタッチメント200の内部空間200sに転向滑車が設けられる。例えば、図17Aに示すB−B断面において、転向滑車90a、90d、90f、90g、90hを配置した態様が図18に示されている。コードCDは、これらの転向滑車を介することで、その延在方向を他の方向に転向される。すなわち、転向滑車は、コードCDの転向部材として機能するものであり、コードCDの延在方向を転向する部材であれば滑車に限定されるものではない。例えば、図19Aに示されるように、図18に示される転向滑車90d、90fに代えて島状に突起する1つの転向部材91を採用してもよい。或いは、図19Bに示されるように、図18に示される転向滑車90d、90fに代えて突起する第1及び第2転向部材92、93を採用してもよい。ここでは、転向滑車90d、90fを変更する形態を例に取っているが、他の転向滑車についても同様である。また、転向部材を着脱可能な構成ではなくアタッチメント200や制動装置1000と一体となった構成であってもよい。
なお、図36A及び図36Bに示されるように、前方に設けられた一対の滑車配置孔間の距離(例えば、一対の滑車配置孔2ta、2ba)と、後方に設けられた一対の滑車配置孔間の距離(例えば、一対の滑車配置孔2tg、2bg)が異なるため、前方に設けられる転向滑車(例えば図36Aでは、転向滑車90a、90d、90f)の高さh1は、後方に設けられる転向滑車(例えば図36Bでは、転向滑車90g、90h)の高さh2よりも大きいことに留意されたい。アタッチメント200を小型化したい場合には、前方に設けられる転向滑車の高さh1を後方に設けられる転向滑車の高さh2と同じように小さくすることが想定される。しかしながら、図36Bに示されるように、後方に設けられる転向滑車が短いために、制動装置1000を挿通する3本のうち最も下側に位置するコードCDは、転向滑車よりも下方に位置することとなる。このため、前方については、h1>h2として3本のコードCDが転向滑車と接触するように構成されている。
底部3bには、遮蔽装置のヘッドボックス内にアタッチメント200を配置するときに利用する取付筒8bが設けられる。例えば、ヘッドボックス内に設けられた軸等の部材に取付筒8bをはめ込むことにより、アタッチメント200をヘッドボックス内にて安定して配置させることが可能となる。
左側壁部4l及び右側壁部4rは、図13に示されるように、平面視において長方形から一部(長方形)を切り取ったような形状として構成される。また、図11に示されるように、左側壁部4l及び右側壁部4rは、それぞれアタッチメント200の内側に位置する左側内壁4il及び右側内壁4irとそれぞれ対向している。左側壁部4lと左側内壁4ilとに挟まれる空間は、左側コード迂回路7lである。右側壁部4rと右側内壁4irとに挟まれる空間は、右側コード迂回路7rである。左側コード迂回路7l及び右側コード迂回路7r(コード迂回路7l、7rとも称する)を用いることで、複数あるうちの少なくとも1つのコードCDを制動装置1000に挿通せずに迂回させることができる。つまり、かかる非挿通のコードCDをコード迂回路7l、7rに沿って延在(制動装置1000を迂回)させることで、コードCDにかかる制動力を適切に調節することができる。なお例えば、図18では、2本のコードCDがコード迂回路7l、7rに挿通されている(すなわち迂回している)態様が示されている。なお、コード迂回路7l、7rは、制動装置1000におけるローラ部42及びローレット240(コード捕捉部)の両脇に設けられることに留意されたい。
また、図11に示されるように、左側内壁4il及び右側内壁4irには、爪部8al、8arがそれぞれ設けられる。制動装置1000を内部空間200sに設置して一体化する際に使用されるもので、設置時には、爪部8al、8arがケース10Aの係合孔19(図3B、図4B参照)と係合する。これにより、左側内壁4il及び右側内壁4irが外方向に弾性変形しながらケース10Aが入り、アタッチメント200に設けられた爪部8al、8arとケース10Aの左右に設けられた2つの係合孔19とが弾性的に係合することが可能となる(いわゆるスナップフィット機構)。
前面部5fは、図12Aに示されるように平面視において中空な長方形状に構成されている。背面部5rは、図12Bに示されるように平面視において中空な長方形状に構成されている。また、略中央において左右に横断するように仕切り部5raが設けられ、その上方においてコの字状に仕切り部5rbが設けられる。仕切り部5ra、5rbにより、背面部5bに係る開口(コード入り口)がそれぞれ開口6a、6b、6cと分けられ、それぞれに3本のコードCDがこれらを通過して、ブレーキユニットに向かうこととなる。コードCDが3本以上である場合は、コードCDの一部を迂回させるか否かに関係なく、アタッチメント200によって3本のコードCDが上下に整列された状態で制動装置1000に導入されることとなる。
3.ヘッドボックス内への配置
ここでは、上述の制動装置1000及びアタッチメント200を所定の遮蔽装置におけるヘッドボックス内に設置する際の配置について考察する。ここでは、遮蔽装置としてプリーツスクリーンを例示する。プリーツスクリーンは、様々な大きさの製品が想定されるため、製品によっては昇降コード(コードCD)の本数が異なる。特に好ましくは、2〜5本のコードCDを有する製品が想定される。そこで、上述の制動装置1000及びアタッチメント200のヘッドボックス101への配置について、コードCDの本数ごとに分けて説明するものとする。
3.1 第1実施形態<コード本数:2本>
図20は、本発明の第1実施形態に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図であり、図21はその部分拡大図である。図20に示されるように、第1実施形態に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76、ストッパ77(自重降下防止装置)、制動装置1000及びアタッチメント200、第1サポート部材71、第2サポート部材72が配置される。また、2本のコードCDがヘッドボックス101内に延在する。
第1及び第2サポート部材71、72は2本のコードCD(ここでは昇降コードCD1、CD2)に対応して配設されている。また、ヘッドボックス101の各サポート部材に対応する位置には、コードCDの他端(ボトムレールを支持する側の端部)をヘッドボックス101から導出されるためのコード他端出口85が設けられている。第1及び第2サポート部材71、72に係る昇降コードCD1、CD2の一端は、制動装置1000(「他端口222」から「一端口221」)を経てストッパ77に案内される。第1サポート部材71から案内される昇降コードCD1は、アタッチメント200の前方に設けられた転向滑車90bによって、その延在方向がわずかに転向されてから制動装置1000を経てストッパ77に案内される。
ここで、昇降コードCD1の向きを逆にとらえると、第1サポート部材71におけるコード他端出口85は、制動装置1000の他端口222よりもヘッドボックス101の短手方向の中央から離れた位置に設けられているので、他端口222から導出された昇降コードCD1は、転向滑車79b(転向部材)によってヘッドボックス101の短手方向の中央から離れる方向に転向されることを特徴としている。
また、第2サポート部材72から案内される昇降コードCD2は、第1サポート部材71を通過後、制動装置1000を経てストッパ77に案内される。なお、転向滑車90bは、アタッチメント200における一対の滑車配置孔2tb、2bb(図17A及び図21参照)に軸が挿通されることにより配設されている。もちろん、実施形態における転向滑車90bの採用はあくまでも一例であり、例えば、一対の滑車配置孔2ta、2baに軸が挿通されることにより配設される転向滑車90aを採用してもよい。
その後、ストッパ77からギヤボックス76を経て、コード一端出口86からヘッドボックス101の外に出て、昇降コードCD1、CD2は操作コード(不図示)として垂下される。
一方、第1及び第2サポート部材71、72に係る昇降コードCD1、CD2の他端は、それぞれ、第1及び第2サポート部材71、72を通じて、それぞれのコード他端出口85からヘッドボックス101から導出され、ヘッドボックス101の直下方向に位置する不図示のボトムレールに取着される。第1及び第2サポート部材71、72には転向滑車81、82が軸支され、ヘッドボックス101の長手方向(前後方向)に沿って延在するコードCDをヘッドボックス101の前後方向から天地方向(紙面方向)に転向案内可能となっている。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1、CD2)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1、CD2は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って反時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1、CD2は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って時計周りに回転する。
3.2 第2実施形態<コード本数:3本>
図22は、本発明の第2実施形態に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図であり、図23はその部分拡大図である。図22に示されるように、第2実施形態に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第1サポート部材71、第2サポート部材72、第3サポート部材73が配置される。また、3本の昇降コードCD1〜CD3がヘッドボックス101内に延在する。
第2実施形態に係るヘッドボックス101への配置態様は、第1実施形態と比べると第1及び第2サポート部材71、72に続いて第3サポート部材73を追加して3本の昇降コードCDを挿通する点が異なるが、アタッチメント200の滑車配置については同一の配置が採用される。すなわち、第2実施形態においてもアタッチメント200には、一対の滑車配置孔2tb、2bb(図17A、図23参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90bが配設される。もちろん、実施形態における転向滑車90bの採用はあくまでも一例であり、例えば、一対の滑車配置孔2ta、2baに軸が挿通されることにより配設される転向滑車90aを採用してもよい。また、第3サポート部材73から案内される昇降コードCD3は、第2サポート部材72及び第1サポート部材71を通過後、制動装置1000を経てストッパ77に案内される。
その後、ストッパ77からギヤボックス76を経て、コード一端出口86からヘッドボックス101の外に出て、昇降コードCD1〜CD3は操作コード(不図示)として垂下される。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1〜CD3)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1〜CD3は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って反時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1〜CD3は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って時計周りに回転する。
3.3 第3実施形態<コード本数:4本>
図24は、本発明の第3実施形態に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図であり、図25はその部分拡大図である。図24に示されるように、第3実施形態に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第1サポート部材71、第2サポート部材72、第3サポート部材73、第4サポート部材74が配置される。また、4本の昇降コードCD1〜CD4がヘッドボックス101内に延在する。
第1〜第4サポート部材71〜74は4本の昇降コードCD1〜CD4に対応して配設されている。また、ヘッドボックス101の各サポート部材に対応する位置には、コードCDの他端(ボトムレールを支持する側の端部)をヘッドボックス101から導出されるためのコード他端出口85が設けられている。第1及び第4サポート部材71、74に係る昇降コードCD1、CD4の一端は、制動装置1000(「他端口222」から「一端口221」)を経てストッパ77に案内される。具体的には、昇降コードCD1は、アタッチメント200の前方に設けられた転向滑車90cによって、その延在方向がわずかに転向されてから制動装置1000を経てストッパ77に案内される。また、昇降コードCD4は、第3サポート部材73、第2サポート部材72、及び第1サポート部材71を通過後、制動装置1000を経てストッパ77に案内される。
一方、第2及び第3サポート部材72、73に係る昇降コードCD2、CD3の一端は、制動装置1000を介さずアタッチメント200における左側コード迂回路7l及び右側コード迂回路7rをそれぞれ挿通し、最終的にストッパ77に案内される。具体的には、昇降コードCD2は、アタッチメント200の前方に設けられた転向滑車90aによって、その延在方向がわずかに転向されてから左側コード迂回路7lを通過後、アタッチメント200の後方に設けられた転向滑車90gによってその延在方向が更に転向され、最後にストッパ77の端部に設けられる転向滑車97を経てストッパ77に案内される。より詳細には、制動装置1000に挿通される昇降コードCD1、CD4と、制動装置1000に非挿通である昇降コードCD2、CD3とが、何れもストッパ77の手前で整流されてストッパ77に案内される。なお、転向滑車97は滑車に限定されるものではなく、例えば案内壁等の転向部材を採用してもよい。昇降コードCD3は、アタッチメント200の前方に設けられた転向滑車90fによって、その延在方向がわずかに転向されてから右側コード迂回路7rを通過後、アタッチメント200の後方に設けられた転向滑車90hによってその延在方向が更に転向され、最後にストッパ77の端部に設けられる転向滑車98を経てストッパ77に案内される。
その後、ストッパ77からギヤボックス76を経て、コード一端出口86からヘッドボックス101の外に出て、昇降コードCD1〜CD4は操作コード(不図示)として垂下される。
ここで、昇降コードCD2、CD3の向きを逆にとらえると、昇降コードCD2、CD3は、制動装置1000の他端口222よりもヘッドボックス101の短手方向の中央から離れた位置を通って迂回した後に、転向滑車90a、90f(転向部材)によってヘッドボックス101の短手方向の中央に向かって転向されることを特徴としている。更に、第3サポート部材73におけるコード他端出口85は、制動装置1000の他端口222よりもヘッドボックス101の短手方向の中央から離れた位置に設けられており、他端口222から導出された昇降コードCD3は、第1サポート部材72によってヘッドボックス101の短手方向の中央から離れる方向に転向されることを特徴としている。
なお、転向滑車90aは、アタッチメント200の後方において一対の滑車配置孔2ta、2ba(図17A、図25参照)に軸が挿通されることにより配置される。転向滑車90cは、アタッチメント200の後方において一対の滑車配置孔2tc、2bc(図17A、図25参照)に軸が挿通されることにより配置される。転向滑車90fは、アタッチメント200の後方において一対の滑車配置孔2tf、2bf(図17A、図25参照)に軸が挿通されることにより配置される。転向滑車90gは、アタッチメント200の前方において一対の滑車配置孔2tg、2bg(図17A、図25参照)に軸が挿通されることにより配置される。転向滑車90hは、アタッチメント200の前方において一対の滑車配置孔2th、2bh(図17A、図25参照)に軸が挿通されることにより配置される。
ここでは特に、制動装置1000に挿通される昇降コードCDは、ヘッドボックス101の両端側に位置するサポート部材(ここでは第1及び第4サポート部材71、74)より案内される昇降コードCD(ここでは昇降コードCD1、CD4)であることに留意されたい。このように両端側の昇降コードCDだけを制動装置1000に挿通することで、左右均等にコードCDに対する制動力が付加され、遮蔽装置におけるヘッドボックスが傾斜することが抑制されうる。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1〜CD4)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1〜CD4は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する(ただし昇降コードCD2、CD3は制動装置1000を非挿通)。このとき、転向滑車90aは昇降コードCD2の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90cは昇降コードCD1、CD4の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90fは昇降コードCD3の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90gは昇降コードCD2の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90hは昇降コードCD3の移動に伴って反時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1〜CD4は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90aは昇降コードCD2の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90cは昇降コードCD1、CD4の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90fは昇降コードCD3の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90gは昇降コードCD2の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90hは昇降コードCD3の移動に伴って時計周りに回転する。つまり、転向滑車90a、90gが所定方向に回転し、転向滑車90c、90f、90が当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
3.4 第4実施形態<コード本数:5本>
図26は、本発明の第4実施形態に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図であり、図27はその部分拡大図である。図26に示されるように、第4実施形態に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第1サポート部材71、第2サポート部材72、第3サポート部材73、第4サポート部材74、第5サポート部材75が配置される。また、5本の昇降コードCD1〜CD5がヘッドボックス101内に延在する。
第4実施形態に係るヘッドボックス101への配置態様は、第3実施形態と比べると第1〜第4サポート部材71〜74に続いて第5サポート部材75を追加して5本の昇降コードCDを挿通する点が異なるが、アタッチメント200の滑車配置については同一の配置が採用される。すなわち、第4実施形態においてもアタッチメント200には、その後方において一対の滑車配置孔2ta、2ba(図17A、図27参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90aと一対の滑車配置孔2tc、2bc(図17A、図27参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90cと、一対の滑車配置孔2tf、2bf(図17A、図27参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90fとが配設される。更にその前方において一対の滑車配置孔2tg、2bg(図17A、図27参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90gと、一対の滑車配置孔2th、2bh(図17A、図27参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90hとが配設される。
一方、第4実施形態においては制動装置1000へ非挿通であったコードCD3を、制動装置1000へ挿通させる点が異なる。すなわち、第3サポート部材73から案内される昇降コードCD3は、第2サポート部材72、及び第1サポート部材71を通過後、制動装置1000を経てストッパ77に案内される。また、第5サポート部材75から案内される昇降コードCD5は、第4サポート部材74、第3サポート部材73、第2サポート部材72、及び第1サポート部材71を通過後、制動装置1000を経てストッパ77に案内される。
その後、ストッパ77からギヤボックス76を経て、コード一端出口86からヘッドボックス101の外に出て、昇降コードCD1〜CD5は操作コード(不図示)として垂下される。
ここでは特に、5本の昇降コードCDのうち制動装置1000を挿通する昇降コードCD(ここでは昇降コードCD1、CD3、CD5)と、コード迂回路7l、7rを挿通する昇降コードCD(ここでは昇降コードCD2、CD4)は、ヘッドボックス101の長手方向において交互に配列されていることに留意されたい。このように制動装置1000へ挿通する昇降コードCDと、非挿通とする昇降コードCDとを交互に配置することで、コードCD全体として均等に制動力が付加され、遮蔽装置におけるヘッドボックスが傾斜することが抑制されうる。
ここで、昇降コードCD1〜CD5の位置関係について図27、図28及び図36を参照しながら説明する。図28に示されるように、コード他端口222からは、下方から上方の順に昇降コードCD1、CD3、CD5が導出されている。しかしながら当該例に限定されるものではなく、制動装置1000を挿通するコードがこれらのコードであれば、順番は問わない。また、右側コード迂回路7rを挿通する昇降コードCD2と左側コード迂回路7lを挿通する昇降コードCD4とが導出される態様が示されている。ところで、図27及び図28に示されるように、昇降コードCD1、CD2はアタッチメント200の前方において、互いに交差していることに留意されたい。ここでは、制動装置1000に挿通される昇降コードCD2が制動装置1000に非挿通である昇降コードCD1の上方において延在しているが、当該例に限定されるものではなく、昇降コードCD1が昇降コードCD2の上方に延在してもよい。また、交差に際して昇降コードCD1、CD2は互いに接触していてもよいが、好ましくは、図28に示される通り非接触であるとよい。非接触であることにより、接触による摩擦抵抗が抑えられ、遮蔽装置(プリーツスクリーン)の操作性がより向上するという効果を奏する。また、図36Bに示されるように、コード一端口221では、下方から上方の順に、開口6aから昇降コードCD1、開口6bからCD3、開口6cからCD5が導出されている。しかしながら当該例に限定されるものではなく、制動装置1000を挿通するコードがこれらのコードであれば、順番は問わない。また、右側コード迂回路7rを挿通する昇降コードCD2と左側コード迂回路7lを挿通する昇降コードCD4とが導出される態様が示されている。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1〜CD5)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1〜CD5は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する(ただし昇降コードCD2、CD4は制動装置1000を非挿通)。このとき、転向滑車90aは昇降コードCD2の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90cは昇降コードCD1、CD3、CD5の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90fは昇降コードCD4の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90gは昇降コードCD2の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90hは昇降コードCD4の移動に伴って反時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1〜CD5は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90aは昇降コードCD2の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90cは昇降コードCD1、CD3、CD5の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90fは昇降コードCD4の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90gは昇降コードCD2の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90hは昇降コードCD4の移動に伴って時計周りに回転する。つまり、転向滑車90a、90gが所定方向に回転し、転向滑車90c、90f、90が当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
4.変形例
続いて、前節において記載したヘッドボックス101への配置態様に関して変形例を以下に示す。
4.1 第1実施形態の変形例
4.1.1 第1実施形態の変形例1
図29は、本発明の第1実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図である。図29に示されるように、第1実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76(コード一端出口86含む)、第1サポート部材71、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第2サポート部材72が配置される。また、2本のコードCDがヘッドボックス101内に延在する。
第1実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101への配置態様は、第1実施形態と比べると各種部材の配置位置(特に第1サポート部材71がギヤボックス76(コード一端出口86)と制動装置1000の間に位置する)が異なるが、アタッチメント200の滑車配置については同一の配置が採用される。すなわち、第1実施形態の変形例1においてもアタッチメント200には、一対の滑車配置孔2tb、2bb(図17A、図29参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90bが配設される。
第1及び第2サポート部材71、72は2本のコードCD(ここでは昇降コードCD1、CD2)に対応して配設されている。また、ヘッドボックス101の各サポート部材に対応する位置には、コードCDの他端(ボトムレールを支持する側の端部)をヘッドボックス101から導出されるためのコード他端出口85が設けられている。第1及び第2サポート部材71、72に係る昇降コードCD1、CD2の一端は、制動装置1000(「他端口222」から「一端口221」)を経てストッパ77に案内される。特に、制動装置1000の他端口222が第2サポート部材72の方向に向いているため、第1サポート部材71から案内される昇降コードCD1は、昇降コードCD2とは異なり、アタッチメント200の前方に設けられた転向滑車90bによって、その延在方向が転向されてから制動装置1000を経てストッパ77に案内される。
その後、ストッパ77からギヤボックス76を経て、コード一端出口86からヘッドボックス101の外に出て、昇降コードCD1、CD2は操作コード(不図示)として垂下される。
昇降コードCDの向きを逆にとらえると、制動装置1000が第1及び第2サポート部材71、72の間(好ましくは中間)に配置されているため、制動装置1000から第1及び第2サポート部材71、72に向かって延在する昇降コードCD1、CD2は、互いに異なる(相反する)方向にあることを特徴とする。かかる異なる方向とは、制動装置1000に作用する力を打ち消すような方向(力のベクトル和が理想的には0になる)である。なお、昇降コードCD1、CD2の位置関係については、図30を参照されたい。図30に示されるように、コード他端口222からは、下方から上方の順に昇降コードCD1、CD2が導出されている。しかしながら当該例に限定されるものではなく、制動装置1000を挿通するコードがこれらのコードであれば、順番は問わない。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1、CD2)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1、CD2は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1、CD2の移動に伴って反時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1、CD2は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1、CD2の移動に伴って時計周りに回転する。
4.1.2 第1実施形態の変形例2
図31は、本発明の第1実施形態の変形例2に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図である。ところで上述の第1実施形態の変形例1は、制動装置1000から第1及び第2サポート部材71、72に向かって延在する昇降コードCD1、CD2は、互いに相反する方向にあることを特徴とする。第1実施形態の変形例2においてもその特徴を有しているが、制動装置1000が第1実施形態に係る制動装置の向きから90度転回されて配置されていることに留意されたい。
すなわち、第1実施形態の変形例1における制動装置1000に対する昇降コードCD1、CD2の挿通方向が、ヘッドボックス101の長手方向であったのに対し、第1実施形態の変形例2では、制動装置1000に対する昇降コードCD1、CD2の挿通方向が、ヘッドボックス101の短手方向にあることを特徴とする。換言すると制動装置1000の他端口222がヘッドボックス101の短手方向に向いている。制動装置1000から導出された昇降コードCD1、CD2は、転向滑車90b、90eを経てその延在方向がヘッドボックス101の長手方向に転向された後、互いに相反する方向にある第1及び第2サポート部材71、72に向かって延在する。一方、制動装置1000の他端口222から導出された昇降コードCD1、CD2は、他端口222の先に少なくとも1つ設けられる案内滑車96(ここでは案内滑車96a〜96c)によってヘッドボックス101の長手方向に転向されてストッパ77に案内される。なお、転向滑車90bは、アタッチメント200における一対の滑車配置孔2tb、2bb(図17A及び図31参照)に軸が挿通されることにより配設されており、転向滑車90eは、アタッチメント200における一対の滑車配置孔2te、2be(図17A及び図31参照)に軸が挿通されることにより配設されている。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1、CD2)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1、CD2は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90eは昇降コードCD2の移動に伴って時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1、CD2は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90eは昇降コードCD2の移動に伴って反時計周りに回転する。つまり、転向滑車90bが所定方向に回転し、転向滑車90eが当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
4.2 第2実施形態の変形例
4.2.1 第2実施形態の変形例1
図32は、本発明の第2実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図である。図32に示されるように、第2実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76、第1サポート部材71、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第2サポート部材72、第3サポート部材73が配置される。また、3本のコードCDがヘッドボックス101内に延在する。
第2実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101への配置態様は、第2実施形態と比べると各種部材の配置位置(特に第1サポート部材71の位置)が異なるが、アタッチメント200の滑車配置については同一の配置が採用される。すなわち、第2実施形態の変形例1においてもアタッチメント200には、一対の滑車配置孔2tb、2bb(図17A、図32参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90bが配設される。また、第1実施形態の変形例2に類似しており、制動装置1000に対する3本のコードCD(昇降コードCD1〜CD3)の挿通方向が、ヘッドボックス101の短手方向にあることを特徴とする。
第1〜第3サポート部材71〜73は昇降コードCD1〜CD3に対応して配設されている。また、ヘッドボックス101の各サポート部材に対応する位置には、コードCDの他端(ボトムレールを支持する側の端部)をヘッドボックス101から導出されるためのコード他端出口85が設けられている。制動装置1000から導出された昇降コードCD1と、昇降コードCD2、CD3とは、転向滑車90b、90eを経てその延在方向がヘッドボックス101の長手方向に転向された後、互いに相反する方向にある第1サポート部材71と、第2及び第3サポート部材72、73とに向かって延在する。一方、制動装置1000の他端口222から導出された昇降コードCD1〜CD3は、他端口222の先に少なくとも1つ設けられる案内滑車96(ここでは案内滑車96a〜96c)によってヘッドボックス101の長手方向に転向されてストッパ77に案内される。なお、転向滑車90bは、アタッチメント200における一対の滑車配置孔2tb、2bb(図17A及び図32参照)に軸が挿通されることにより配設されており、転向滑車90eは、アタッチメント200における一対の滑車配置孔2te、2be(図17A及び図32参照)に軸が挿通されることにより配設されている。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1〜CD3)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1〜CD3は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90eは昇降コードCD2、CD3の移動に伴って時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1〜CD3は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90bは昇降コードCD1の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90eは昇降コードCD2、CD3の移動に伴って反時計周りに回転する。つまり、転向滑車90bが所定方向に回転し、転向滑車90eが当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
4.2.2 第2実施形態の変形例2
図33は、本発明の第2実施形態の変形例2に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図である。図33に示されるように、第2実施形態の変形例2に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、ギヤボックス76、第1サポート部材71、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第2サポート部材72、第3サポート部材73が配置される。また、3本のコードCDがヘッドボックス101内に延在する。
図32及び図33を比較することからも明らかなように、第2実施形態の変形例2は、第2実施形態の変形例1と類似しているが、第2サポート部材72が第2実施形態の変形例1に係る向きから180度転回されて配置されていることに留意されたい。すなわち、図33に示されるように、ヘッドボックス101の内部領域を長手方向に沿って二等分した際の一方を前面側領域F、当該他方を背面側領域Rとすると、第1及び第3サポート部材71、73における各コード他端出口85が背面側領域Rに位置し、第2サポート部材72における各コード他端出口85が前面側領域Fに位置する。このような構成により、第1及び第3サポート部材71、73に係る昇降コードCD1、CD3は、遮蔽装置におけるボトムレールの背面側を支え、第2サポート部材72に係る昇降コードCD2は、遮蔽装置におけるボトムレールの前面側を支えることとなる。その結果、ボトムレールをより水平に保つ効果を奏する。また、第2サポート部材72から転向滑車90eの間に延在する昇降コードCD2は、転向滑車90eの位置においてヘッドボックス101の長手方向から所定の角度αを有している。αは、例えば、5〜85度であり、好ましくは、15〜75度であり、更に好ましくは30〜60度あり、具体的には例えば、α=30、32.5、35、37.5、40、42.5、45、47.5、50、52.5、55、57.5、60度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2実施形態の変形例2は、第2実施形態の変形例1の各転向滑車と略同様に動作する。つまり、転向滑車90bが所定方向に回転し、転向滑車90eが当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
4.3 第3実施形態の変形例
4.3.1 第3実施形態の変形例1
図34は、本発明の第3実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図である。図34に示されるように、第3実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、第1サポート部材71、ギヤボックス76、第2サポート部材72、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第3サポート部材73、第4サポート部材74が配置される。また、4本のコードCDがヘッドボックス101内に延在する。
第3実施形態の変形例1に係るヘッドボックス101への配置態様は、第3実施形態と比べると各種部材の配置位置(特に第1及び第2サポート部材71、72の位置)が異なる。また、アタッチメント200の滑車配置については、第3実施形態に係るアタッチメント200の転向滑車に加え、転向滑車90dが設けられている。すなわち、第3実施形態の変形例1におけるアタッチメント200には、一対の滑車配置孔2ta、2ba(図17A、図34参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90aと、一対の滑車配置孔2tc、2bc(図17A、図34参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90cと、一対の滑車配置孔2td、2bd(図17A、図34参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90dと、一対の滑車配置孔2tf、2bf(図17A、図34参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90fと、一対の滑車配置孔2tg、2bg(図17A、図34参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90gと、一対の滑車配置孔2th、2bh(図17A、図34参照)に軸が挿通されてなる転向滑車90hと、が配設されている。また、第1実施形態の変形例2や第2実施形態の変形例1、2に類似しており、制動装置1000に対する2本のコードCD(昇降コードCD1、CD4)の挿通方向が、ヘッドボックス101の短手方向にあることを特徴とする。
第1〜第4サポート部材71〜74は昇降コードCD1〜CD4に対応して配設されている。また、ヘッドボックス101の各サポート部材に対応する位置には、コードCDの他端(ボトムレールを支持する側の端部)をヘッドボックス101から導出されるためのコード他端出口85が設けられている。ここでは、第3実施形態同様、昇降コードCD1、CD4が制動装置1000に挿通され、昇降コードCD2、CD3がコード迂回路7l、7rを挿通する。そして、昇降コードCD1、CD2と昇降コードCD3、CD4とが、互いに相反する方向に向かって各固有の第1〜第4サポート部材71〜74まで延在することを特徴とする。
具体的には、制動装置1000から導出された昇降コードCD1は、転向滑車90a、90cを経てその延在方向がヘッドボックス101の長手方向に転向された後、第2サポート部材72を経て第1サポート部材71に向かって延在する。制動装置1000から導出された昇降コードCD4は、転向滑車90d、90fを経てその延在方向がヘッドボックス101の長手方向に転向された後、第3サポート部材73を経て第1サポート部材71に向かって延在する。つまり、図34に示されるように、制動装置1000に挿通された昇降コードCD1、CD4は互いに相反する方向に延在している。左側コード迂回路7lの端部からは昇降コードCD2が導出され、転向滑車90f、90d、90c、90aを経てその延在方向がヘッドボックス101の長手方向に転向された後、第2サポート部材72に向かって延在する。右側コード迂回路7rの端部からは昇降コードCD3が導出され、転向滑車90a、90c、90d、90fを経てその延在方向がヘッドボックス101の長手方向に転向された後、第3サポート部材73に向かって延在する。つまり、図34に示されるように、制動装置1000に非挿通の昇降コードCD2、CD3は互いに相反する方向に延在している。
一方、制動装置1000の他端口222から導出された昇降コードCD1〜CD4は、他端口222の先に少なくとも1つ設けられる案内滑車96(ここでは案内滑車96a〜96c)によってヘッドボックス101の長手方向に転向されてストッパ77に案内される。
その後、ストッパ77からギヤボックス76を経て、コード一端出口86からヘッドボックス101の外に出て、昇降コードCD1〜CD4は操作コード(不図示)として垂下される。
ところで、操作者が操作コード(昇降コードCD1〜CD4)を引っ張るとき(つまり、後述のスクリーンを上昇させるとき)は、昇降コードCD1〜CD4は制動装置1000の他端口222から一端口221に向かって移動する(ただし昇降コードCD2、CD3は制動装置1000を非挿通)。このとき、転向滑車90aは昇降コードCD1の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90cは昇降コードCD1、CD2の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90dは昇降コードCD3、CD4の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90fは昇降コードCD4の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90hは昇降コードCD2の移動に伴って反時計周りに回転する。一方、その逆向きに移動するとき(つまり、後述のスクリーンを降下させるとき)は、昇降コードCD1〜CD3は制動装置1000の一端口221から他端口222に向かって移動する。このとき、転向滑車90aは昇降コードCD1の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90cは昇降コードCD1、CD2の移動に伴って反時計周りに回転する。転向滑車90dは昇降コードCD3、CD4の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90fは昇降コードCD4の移動に伴って時計周りに回転する。転向滑車90hは昇降コードCD2の移動に伴って時計周りに回転する。つまり、転向滑車90a、90cが所定方向に回転し、転向滑車90d、90d、90fが当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
4.3.2 第3実施形態の変形例2
図35は、本発明の第3実施形態の変形例2に係るヘッドボックス101への配置を示す平面図である。図35に示されるように、第3実施形態の変形例2に係るヘッドボックス101には、長手方向に沿って後方(右)から前方(左)に向かって、第1サポート部材71、ギヤボックス76、第2サポート部材72、ストッパ77、制動装置1000及びアタッチメント200、第3サポート部材73、第4サポート部材74が配置される。また、4本のコードCDがヘッドボックス101内に延在する。
図34及び図35を比較することからも明らかなように、第3実施形態の変形例2は、第3実施形態の変形例1と類似しているが、第1及び第4サポート部材71、74が第3実施形態の変形例1に係る向きから180度転回されて配置されていることに留意されたい。すなわち、図35に示されるように、ヘッドボックス101の内部領域を長手方向に沿って二等分した際の一方を前面側領域F、当該他方を背面側領域Rとすると、第1及び第3サポート部材71、73における各コード他端出口85が前面側領域Fに位置し、第2及び第4サポート部材72、74における各コード他端出口85が背面側領域Rに位置する。このような構成により、第1及び第4サポート部材71、74に係る昇降コードCD1、CD4は、遮蔽装置におけるボトムレールの前面側を支え、第2及び第3サポート部材72、73に係る昇降コードCD2、CD3は、遮蔽装置におけるボトムレールの背面側を支えることとなる。その結果、ボトムレールをより水平に保つ効果を奏する。また、第1サポート部材71から転向滑車90aの間に延在する昇降コードCD1は、転向滑車90aの位置においてヘッドボックス101の長手方向から所定の角度βを有している。βは、例えば、5〜85度であり、好ましくは、15〜75度であり、更に好ましくは30〜60度あり、具体的には例えば、β=30、32.5、35、37.5、40、42.5、45、47.5、50、52.5、55、57.5、60度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。同様に、第4サポート部材73から転向滑車90fの間に延在する昇降コードCD4は、転向滑車90fの位置においてヘッドボックス101の長手方向から所定の角度γを有して配置されている。γは、例えば、5〜85度であり、好ましくは、15〜75度であり、更に好ましくは30〜60度あり、具体的には例えば、β=30、32.5、35、37.5、40、42.5、45、47.5、50、52.5、55、57.5、60度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第3実施形態の変形例2は、第3実施形態の変形例1の各転向滑車と略同様に動作する。つまり、転向滑車90a、90cが所定方向に回転し、転向滑車90d、90d、90fが当該所定方向と逆向きに回転するように構成されている。
5.遮蔽装置
最後に、本発明に係る制動装置1000及びアタッチメント200を採用した遮蔽装置(ここではプリーツスクリーン100a)について説明する。図37は、本発明の実施形態に係るプリーツスクリーン100a(右側操作)の正面図である。図38及び図39は、本発明の実施形態に係るプリーツスクリーン100aのヘッドボックス101にアタッチメント200及び制動装置1000を配設した態様を示す断面図である。図40Aは、本発明の実施形態に係るプリーツスクリーン100aの平面図であり、図40Bは、図40Aの部分拡大図である。図41は、本発明の実施形態に係るプリーツスクリーン100aの側面図である。
本実施形態に係るプリーツスクリーン100aは、図37に示されるようにヘッドボックス101から上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能としたスクリーン102が吊下支持され、そのスクリーン102の下端にボトムレール103が取着されている。スクリーン102は、1枚の生地をジグザク状に折り曲げて形成される。
ヘッドボックス101の長手方向には複数の昇降コードCDが垂下される。なお、昇降コードCDの本数は上述の通り様々に実施することができるため、図37においてはその図示を敢えて省略している。また、図41に示されるように、本実施形態においてはスクリーン102を構成するプリーツ片102bには折り目102cができるように構成されている。そして、折り目102cに挿通孔102aが設けられ、ここに昇降コードCDが挿通されている。昇降コードCDの下端にはボトムレール103が取着されている。
また、垂下される昇降コードCDの他端は、ヘッドボックス101内において上述の制動装置1000等を介して、ヘッドボックス101の一側に案内され且つその一端部(コード一端出口86)から操作コード104として垂下されて操作者の手元付近に位置する。図37では、プリーツスクリーン100aの右側に操作コード104が垂下される形態が採用されている。操作者が操作コード104(昇降コードCD)を操作することにより、ボトムレール103とともにスクリーン102を昇降することができる。例えば、操作者が操作コード104を引き出すと、ボトムレール103が引き上げられることにより、スクリーン102が上方に畳み込まれる。なお、ストッパ77により、ボトムレール103を任意の位置に位置させることが可能である。つまり、操作者が操作コード104(昇降コードCD)の引き出し操作を停止して手放せば、ストッパ77が作動してボトムレール103の自重降下が防止され、ストッパ77が作動している状態から操作コード104(昇降コードCD)を下方へ僅かに引くと、ストッパ77の作動が解除されボトムレール103をその自重により下降操作可能となる。
特に上述の制動装置1000によって、ボトムレール103の下降操作時に適切な制動力がかかることで適切な降下速度を持ってボトムレール103を下降させることができる。また、アタッチメント200を採用することによって、昇降コードCDの本数が4本以上であっても一部の昇降コードCDを非挿通とすることで、本来3本までの昇降コードCDに対応している制動装置1000を採用することが可能となっている。
また、図38に示されるように、ヘッドボックス101には、突起部101al、101arが設けられている。突起部101alがアタッチメント200における上述の係止部8fl、8rl(ただし係止部8rlについては図38において不図示)の動きを規制するように設けられることにより、アタッチメント200が係止される。同様に、突起部101arがアタッチメント200における上述の係止部8fr、8rr(ただし係止部8rrについては図38において不図示)の動きを規制するように設けられることにより、アタッチメント200が係止される。また、図39に示されるように、制動装置1000及びアタッチメント200は、ともに取付筒702、8bがヘッドボックス101を貫通することによっても係止されている。
スクリーン102の背面側には、ヘッドボックス101からピッチ保持コード106が垂下されている。ピッチ保持コード106は、その上端がヘッドボックス101に取着され、下端がボトムレール103に取着されている。そして、ピッチ保持コード106は、ボトムレール103が下限まで下降したとき、ほぼ緊張される長さに設定されている。
ピッチ保持コード106には、環状の保持部107が等間隔に多数設けられており、昇降コードCDがこれに挿通されている。つまり、保持部107は、昇降コードCDの側周を囲うように構成されている。このような構成により、図37に示されるようにボトムレール103を下限まで下降させたとき、各保持部107の先端部が昇降コードCDに係合して、各保持部107で各折り目を下方から支持する状態となり、スクリーン102の折り目が等間隔となるように保持される。
つまり、ボトムレール103を下限まで下降させると、スクリーン102が下方へ引き伸ばされ、ボトムレール103はその前後両縁が昇降コードCDとピッチ保持コード106に支持されて、その上面がほぼ水平方向となるように吊下支持されている。そして、このときピッチ保持コード106の保持部107が等間隔を持って昇降コードCDに張力をかけることにより、スクリーン102の各折り目がほぼ等間隔となるように保持される。この状態から、操作者が操作コード104(昇降コードCD)を引き出すと、ボトムレール103が引き上げられてスクリーン102が上方に畳み込まれる。
なお上記においては、図37〜図41を用いてプリーツスクリーン100aの右側に操作コード104が垂下される形態(右側操作)を説明したが、図43に示されるようにヘッドボックス101への配置を長手方向に沿って逆にすることで、図42に示されるようにプリーツスクリーン100aの左側に操作コード104が垂下される形態(左側操作)を採用することもできる。つまり、本実施形態に係るアタッチメント200は、ヘッドボックス101内に配設する向きによって、操作に係る左右転換が可能であることを特徴とする。
6.結言
以上のように、本実施形態によれば制動装置を備えつつ且つより操作性の高い遮蔽装置を提供することができる。
本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。