JP2021193061A - ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置 - Google Patents

ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コアスートのかさ密度を上げ、かつ、ガラス母材の屈折率分布を測定する際に測定異常が発生する恐れの少ない、ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置を提供する。【解決手段】コア用バーナ20からガラス原料をガス状態で噴出させ、コア用バーナが形成する火炎内で反応させてガラス微粒子を生成させ、生成したガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、コア用バーナの外周部21には、ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフード30が設けられており、堆積工程は、コア用バーナから噴出されたガラス原料を、フード内を通過させてフードの開口部34から噴出させ、ガラス微粒子を堆積させる堆積面へと堆積させるものであり、開口部の内径がコア用バーナの外径よりも大きい、ガラス微粒子堆積体の製造方法。【選択図】図3

Description

本開示は、ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置に関する。
VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法などにより、バーナの火炎中で生成されるガラス微粒子を出発ロッドに堆積させることで、光ファイバ用のガラス母材となるガラス微粒子堆積体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−178630号公報
ところで、1つのガラス母材から得られる光ファイバの量を増やすための方法として、ガラス微粒子堆積体におけるコアスートのかさ密度を上げることが考えられる。また、コアスートのかさ密度を上げるためには、バーナに供給されるガスの流量を変更(例えば、水素流量を上げる又は酸素流量を下げる等)して、ガラス微粒子堆積体のガラス微粒子堆積面の温度を上昇させることが考えられる。
しかし、ガラス微粒子堆積面の温度を上昇させるためにガスの流量を変更すると、バーナによって形成される火炎が拡大する。その結果、コアスートの側面が加熱され、例えば、当該側面におけるゲルマニウム等のドーパントの濃度が局所的に増加して、得られるガラス母材の屈折率分布を正常に測定することが難しくなる場合がある。
本開示の目的は、ガラス微粒子堆積体におけるコアスートのかさ密度を上げ、かつ、ガラス微粒子堆積体を焼結して得られるガラス母材の屈折率分布を測定する際に測定異常が発生する恐れの少ない、ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置を提供することである。
本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、
反応容器内に出発ロッドとコア用バーナを配置し、前記コア用バーナからガラス原料をガス状態で噴出させ、前記コア用バーナが形成する火炎内で前記ガラス原料を反応させてガラス微粒子を生成させ、生成した前記ガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記コア用バーナの外周部には、前記コア用バーナから前記ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフードが設けられており、
前記堆積工程は、前記コア用バーナから噴出された前記ガラス原料を、前記フード内を通過させて前記フードの開口部から噴出させ、前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面へと堆積させるものであり、
前記開口部の内径が前記コア用バーナの外径よりも大きい。
本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造装置は、
ガラス原料をガス状態で供給するガラス原料供給装置と、前記ガラス原料が供給され、供給された前記ガラス原料を噴出するコア用バーナとを備えたガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
前記コア用バーナの外周部には、前記コア用バーナから前記ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフードが設けられており、
前記フードにおける、前記コア用バーナとは反対側の端部に設けられた開口部の内径が、前記コア用バーナの外径よりも大きい。
上記開示の構成によれば、ガラス微粒子堆積体におけるコアスートのかさ密度を上げ、かつ、ガラス微粒子堆積体を焼結して得られるガラス母材の屈折率分布を測定する際に測定異常が発生する恐れの少ない、ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置を提供できる。
本開示の一実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造装置を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係るコア用バーナとフードを示す模式図である。 図2に示すコア用バーナ及びフードを組み合わせた状態を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を示す模式図である。 製造例1から製造例3における、ガラス微粒子堆積体の堆積面の温度を示すグラフである。 製造例2における、ガラス母材の屈折率分布の測定結果である。 製造例3における、ガラス母材の屈折率分布の測定結果である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、
反応容器内に出発ロッドとコア用バーナを配置し、前記コア用バーナからガラス原料をガス状態で噴出させ、前記コア用バーナが形成する火炎内で前記ガラス原料を反応させてガラス微粒子を生成させ、生成した前記ガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記コア用バーナの外周部には、前記コア用バーナから前記ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフードが設けられており、
前記堆積工程は、前記コア用バーナから噴出された前記ガラス原料を、前記フード内を通過させて前記フードの開口部から噴出させ、前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面へと堆積させるものであり、
前記開口部の内径が前記コア用バーナの外径よりも大きい。
上記構成によれば、反応容器内に供給されるクリーン・エア等により生じる気流が堆積面に当たることを防止でき、また、開口部近傍の気圧差によって生じる火炎の乱れを抑制できる。すなわち、堆積面の温度を下げる要因を減らすことになるので、コア用バーナに供給される水素等のガスの流量を変えて火炎を拡大させずとも、堆積面の温度が上昇することになる。その結果、ガラス微粒子堆積体におけるコアスートのかさ密度を上げ、かつ、ガラス微粒子堆積体を焼結して得られるガラス母材の屈折率分布を測定する際に測定異常が発生する恐れを少なくできる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造方法は、
前記フードが、
前記外周部から前記噴出方向へ延びる円筒部と、
前記円筒部より前記噴出方向側にあって、前記噴出方向側にいくにつれて内径が拡大するテーパ部と、を含むことが好ましい。
上記構成によれば、堆積面に当たる火炎の範囲を適度に拡げ、ガラス微粒子堆積体のかさ密度を更に上げることができる。また、開口部と開口部から噴出される火炎との距離を遠くできるため、フードの開口部近傍が火炎によって劣化することを抑制できる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造方法は、
前記ガラス原料が、ドーパントとして四塩化ゲルマニウムを含むことが好ましい。
上記構成によれば、ガラス微粒子堆積体から得られるガラス母材の屈折率分布を制御することが容易になる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造方法は、
前記堆積工程において、前記開口部から前記堆積面までの距離を10mm以上50mm以下にして前記ガラス微粒子を堆積させることが好ましい。
上記構成によれば、開口部から噴出される火炎が気流等の影響により堆積面に適切に当たらなくなることを防止できる。また、フードの開口部近傍が過度に加熱されて劣化することを抑制できる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造方法は、
前記堆積工程において、前記ガラス微粒子堆積体のかさ密度を0.16g/cm3以上0.35g/cm3以下にして前記ガラス微粒子を堆積させることが好ましい。
上記構成によれば、ガラス微粒子堆積体を焼結してガラス母材を作製し、そのガラス母材から光ファイバを製造する際に、得られる光ファイバの量を増加させることができる。すなわち、1つのガラス母材から得られる光ファイバの量が増加するので、光ファイバの製造効率を向上させることが可能になる。
本開示の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造装置は、
ガラス原料をガス状態で供給するガラス原料供給装置と、前記ガラス原料が供給され、供給された前記ガラス原料を噴出するコア用バーナとを備えたガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
前記コア用バーナの外周部には、前記コア用バーナから前記ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフードが設けられており、
前記フードにおける、前記コア用バーナとは反対側の端部に設けられた開口部の内径が、前記コア用バーナの外径よりも大きい。
上記構成によれば、クリーン・エア等により生じる気流がガラス微粒子を堆積させる堆積面に当たることを防止でき、また、開口部近傍の気圧差によって生じる火炎の乱れを抑制できる。すなわち、堆積面の温度を下げる要因を減らすことになるので、コア用バーナに供給される水素等のガスの流量を変えて火炎を拡大させずとも、堆積面の温度が上昇することになる。その結果、ガラス微粒子堆積体におけるコアスートのかさ密度を上げ、かつ、ガラス微粒子堆積体を焼結して得られるガラス母材の屈折率分布を測定する際に測定異常が発生する恐れを少なくできる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造装置は、
前記フードが、
前記外周部から前記噴出方向へ延びる円筒部と、
前記円筒部より前記噴出方向側にあって、前記噴出方向側にいくにつれて内径が拡大するテーパ部と、を含むことが好ましい。
上記構成によれば、堆積面に当たる火炎の範囲を適度に拡げ、ガラス微粒子堆積体のかさ密度を更に上げることができる。また、開口部と開口部から噴出される火炎との距離を遠くできるため、フードの開口部近傍が火炎によって劣化することを抑制できる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造装置は、
前記テーパ部の最大内径が、前記円筒部の内径の1.2倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
上記構成によれば、堆積面に当たる火炎の範囲を更に適度なものにでき、ガラス微粒子堆積体のかさ密度を更に上げることができる。また、コアスートの側面部にまで火炎が届いてしまい、当該側面部においてドーパントの濃度が局所的に増加するような事態を防止できる。また、フードの開口部近傍が火炎によって劣化することを適切に抑制できる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造装置は、
前記ガラス原料供給装置が、ドーパントとして四塩化ゲルマニウムを含む前記ガラス原料を供給するものであることが好ましい。
上記構成によれば、ガラス微粒子堆積体から得られるガラス母材の屈折率分布を制御することが容易になる。
前記ガラス微粒子堆積体の製造装置は、
前記フードが、前記コア用バーナに対して着脱自在であることが好ましい。
上記構成によれば、火炎等の影響でフードが劣化した場合に、劣化したフードを取り外して新たなフードと交換することができる。すなわち、フードが劣化した場合、コア用バーナは交換せず、フードのみを交換すればよいため、コスト削減が可能になる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示に係るガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置の実施の形態の例を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、異なる図面であっても同一又は相当の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(ガラス微粒子堆積体の製造装置)
図1は、本開示の一実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造装置10を示す模式図である。図1に示すように、製造装置10は、反応容器11と、昇降装置15と、クラッド用バーナ17と、ガス供給装置18と、制御装置19と、コア用バーナ20と、フード30と、を備えている。
反応容器11は、ガラス微粒子堆積体14を形成するための反応を行う容器である。反応容器11の側壁部には、排気管16が備えられている。排気管16は、例えば、出発ロッド13およびガラス微粒子堆積体14に付着しなかったガラス微粒子や、反応容器11内に供給されるクリーン・エア等を、反応容器11の外部へ排出するための管である。なお、図示はしないが、反応容器11の下方には、クリーン・エアを反応容器11内に導入する空気導入孔が備えられている。
昇降装置15は、支持棒12を着脱可能に支持する。支持棒12は、反応容器11の上方から反応容器11の内部に向けて挿入された状態で、吊り下げられている。支持棒12の下端部には、出発ロッド13(例えば、ダミーガラスロッド)が取り付けられている。この出発ロッド13にガラス微粒子を堆積させることで、ガラス微粒子堆積体14が形成される。支持棒12の上端部は、昇降装置15によって把持されている。
昇降装置15は、支持棒12を回転させながら、支持棒12を上昇および下降させることが可能である。支持棒12の動きに連動して、出発ロッド13及びガラス微粒子堆積体14も、回転しながら上昇または下降する。昇降装置15は、制御装置19によって制御される。
反応容器11の内部下方には、クラッド用バーナ17と、フード30を有するコア用バーナ20と、が設けられている。クラッド用バーナ17及びコア用バーナ20には、ガラス原料ガスと、可燃性ガス及び助燃性ガスを含む火炎形成ガスと、がガス供給装置18から供給される。ガス供給装置18は、ガラス微粒子を生成可能なガスを供給可能なものであれば特に制限はされないが、例えば、コア用バーナ20に対してはドーパントとして四塩化ゲルマニウムを含むガラス原料ガスを供給するものであることが好ましい。
制御装置19は、ガラス微粒子堆積体14の引き上げ速度や、ガラス原料ガスや火炎形成ガスの供給量を制御する。例えば、制御装置19は、昇降装置15に制御信号を送信する。昇降装置15は、当該制御信号に基づいて、ガラス微粒子堆積体14の引き上げ速度の調整を行う。また、制御装置19は、ガス供給装置18に制御信号を送信する。ガス供給装置18は、当該制御信号に基づいて、クラッド用バーナ17及びコア用バーナ20にそれぞれ供給されるガラス原料ガスや火炎形成ガスの流量の調整を行う。なお、クラッド用バーナ17及びコア用バーナ20の位置を移動可能な構成とし、制御装置19からの制御信号に基づいて、ガラス微粒子堆積体14に対するクラッド用バーナ17及びコア用バーナ20の位置調整を行っても良い。
以下、コア用バーナ20及びフード30について、図2及び図3を用いて詳述する。図2は、本開示の一実施形態に係るコア用バーナ20及びフード30を示す模式図である。図3は、図2に示すコア用バーナ20及びフード30を互いに組み合わせた状態を示す模式図である。なお、以下の例において、フード30は、コア用バーナ20に対して着脱自在に構成されているが、フード30とコア用バーナ20とを一体的に構成してもよい。
コア用バーナ20は、ガス導入部(図示せず)と、パイプ23と、を備えている。パイプ23は、管状の部材であり、例えば、円管状である。パイプ23の内部には、例えば、導入されるガスの種類毎に流路が形成されている。ガス導入部からコア用バーナ20内に導入されたガラス原料ガス等は、パイプ23の一端部であるパイプ端部22が有する開口から、コア用バーナ20の外へと噴出される。ガラス原料ガス等が噴出される方向は、パイプ端部22から出発ロッド13又はガラス微粒子堆積体14の堆積面に向かう方向(以下、「噴出方向」とも称する)である。噴出方向は、言い換えると、パイプ23の軸方向であって、パイプ端部22からコア用バーナ20の外へと向かう方向である。
フード30は、円筒部32と、テーパ部33と、を備えている。フード30をコア用バーナ20に装着する場合、例えば、図3に示すように、パイプ23の少なくとも一部を円筒部32の内部へ挿入した状態で、円筒部32とパイプ23の外周側面である外周部21とを固定部35によって固定すればよい。固定部35は、円筒部32を外周部21に固定可能なものであれば特に制限はされず、例えば、粘着テープやねじ等の締結具であってもよいし、円筒部32及び外周部21を互いに嵌合または係止させるために円筒部32及び外周部21に形成された所定の構造(例えば、溝と突起)であってもよい。
円筒部32は、フード30をコア用バーナ20に装着した状態において、外周部21から噴出方向へと延びるように形成されている。円筒部32は、中空円筒状の部材である。円筒部32におけるコア用バーナ20側の端部には、第1開口部31が設けられている。第1開口部31の内径の大きさは、パイプ23の外径D1より大きいことが好ましく、パイプ23の外径D1と略等しいことが好ましい。このような構成により、外周部21を円筒部32の内部へ挿入した状態で両者を固定することが容易になる。なお、パイプ23の外径D1の大きさは、所望するガラス微粒子堆積体のサイズ等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、30〜50mm程度である。
テーパ部33は、円筒部32の噴出方向側の端部から噴出方向側へと延びるように形成されている。テーパ部33における噴出方向側の端部には、第2開口部34が形成されている。パイプ端部22から噴出されたガラス原料ガス等は、円筒部32及びフード33の内部を通って、第2開口部34からフード30の外部へと噴出される。
テーパ部33は、その少なくとも一部において、噴出方向側にいくにつれて内径が拡大していくように形成されていることが好ましい。また、テーパ部33の最大内径は、好ましくは円筒部32の内径の1.2倍以上であり、より好ましくは1.5倍以上である。また、テーパ部33の最大内径は、好ましくは円筒部32の内径の3.0倍以下であり、より好ましくは2.0倍以下である。なお、図2及び図3の例では、テーパ部33は、その全体において、噴出方向側にいくにつれて内径が拡大していくように形成されており、第2開口部34の内径D2が最大内径となっている。
第2開口部34の内径D2の長さは、パイプ23の外径D1よりも長ければ特に制限はされないが、例えば、35mm以上が好ましく、45mm以上がより好ましい。また、内径D2の長さは、例えば、150mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましい。
テーパ部33のテーパ角度θは、特に制限はされないが、例えば、10°以上が好ましく、20°以上がより好ましい。また、テーパ角度θは、例えば、60°以下が好ましく、45°以下がより好ましい。内径D2及びテーパ角度θのいずれか1以上が上記の範囲にあることにより、クリーン・エア等により生じる気流が堆積面に当たることや、第2開口部34近傍における火炎の乱れを、さらに効果的に抑制することができる。なお、テーパ部33の噴出方向における長さL1は、特に制限されないが、例えば、内径D2及びテーパ角度θ等に応じて定まりうる。
円筒部32及びテーパ部33を構成する材料は、耐熱性が高いという観点から、透明石英を用いることが好ましい。円筒部32及びテーパ部33を構成する材料は、透明石英と同等以上の耐熱性を有するその他の材料を用いてもよい。
(ガラス微粒子堆積体の製造方法)
本開示に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、製造装置10を用いてガラス微粒子堆積体14を製造する方法である。本開示の製造方法は、反応容器11内に出発ロッド13とコア用バーナ20を配置し、コア用バーナ20からガラス原料をガス状態で噴出させ、コア用バーナ20が形成する火炎内でガラス原料を反応させてガラス微粒子を生成させ、生成したガラス微粒子を出発ロッド13に堆積させてガラス微粒子堆積体14を作製する堆積工程を有する。なお、本開示の製造方法において、堆積工程を除く他の工程は、従来のガラス微粒子堆積体の製造方法を適宜採用することができる。
以下、図4を用いて、本開示の製造方法における堆積工程を詳述する。図4は、本開示の一実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を示す模式図である。図4は、具体的には、製造装置10を用いて堆積工程を実施している場面における、フード30を装着したコア用バーナ20とガラス微粒子堆積体14とを示す模式図である。
コア用バーナ20には、ガラス原料ガス及び火炎形成ガスが供給される。ガラス原料ガスには、例えば、四塩化ケイ素(SiCl4)又はシロキサンが含まれる。また、ガラス原料ガスは、例えば、ドーパントとして四塩化ゲルマニウムを含むものであることが好ましい。ガラス原料ガスとして四塩化ケイ素と四塩化ゲルマニウムを用いた場合、シリカ(SiO2)及び二酸化ゲルマニウム(GeO2)を主成分とするガラス微粒子がコア用バーナ20の火炎中で生成される。火炎形成ガスは、例えば、酸水素ガスであり、可燃性ガスである水素と助燃性ガスである酸素とを含むものである。
コア用バーナ20に供給されたガラス原料ガスは、パイプ端部22からコア用バーナ20の外へと噴出され、火炎形成ガスによって形成される火炎とともに、円筒部32及びテーパ部33を通って、第2開口部34からフード30の外へと噴出される。この過程で生成されたガラス微粒子は、噴出方向にある堆積面に堆積していく。
なお、堆積面とは、堆積工程の初期においては出発ロッド13上の面であり、出発ロッド13上にガラス微粒子堆積体14が堆積した後は、ガラス微粒子堆積体14上の面である。図4の例では、堆積面は、コアスート先端領域14aにある。コアスート側面領域14bは、コアとなるガラス微粒子が十分に堆積した領域である。コアスート側面領域14aには、後に、クラッド用バーナ17によってクラッドとなるガラス微粒子が堆積される。
堆積工程において、第2開口部34から堆積面までの距離L2は、例えば、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましい。また、距離L2は、例えば、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましい。
堆積工程において、パイプ端部22から堆積面までの距離L3は、例えば、30mm以上であることが好ましく、50mm以上であることがより好ましい。また、距離L3は、例えば、200mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましい。距離L3が上記の範囲にあることにより、ガラス微粒子堆積体の収率を向上させることができる。
また、ガラス微粒子堆積体14から光ファイバを製造する際の製造効率を向上させるという観点から、堆積工程は、ガラス微粒子堆積体のかさ密度を0.16g/cm3以上0.35g/cm3以下にしてガラス微粒子を堆積させることが好ましい。上記のかさ密度は、堆積工程においてフード30を用いることで実現でき、さらに距離L2及び距離L3を上記の範囲内にすることで、より容易に実現することができる。
本開示に係る堆積工程において、クリーン・エア等により生じる気流は、テーパ部33に衝突してその流れを逸らされる。そのため、堆積面(コアスート先端領域14aにおける第2開口部34と対向する面近傍)に気流が当たりにくくなる。また、テーパ部33によって、第2開口部34近傍における火炎の乱れも抑制できる。よって、コア用バーナ20に供給される水素ガス等の流量を変えて火炎を拡大させずとも、堆積面の温度を上昇させることができる。その結果、ガラス微粒子堆積体14におけるコアスートのかさ密度を上げることができる。また、火炎を拡大させなくともよいので、本来は火炎が当たるべきではない部分(例えば、コアスート側面領域14b)に多くの火炎が当たるような事態が起こる可能性を低減できる。その結果、ガラス微粒子堆積体14を焼結して得られるガラス母材の屈折率分布を測定する際に測定異常が発生する恐れを少なくできる。
以下、本開示に係る実施例及び比較例を示して、本開示をさらに詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
製造例1として、従来の方法によってガラス微粒子堆積体を製造した。ガラス原料ガスは、四塩化ケイ素と四塩化ゲルマニウムを含むガスを用いた。火炎形成ガスは、水素ガスと酸素ガスを用いた。コア用バーナ20には、テーパ部33がない円筒部32のみのフード30を装着した。パイプ端部22から堆積面までの距離を100mmとした。コアスート先端領域14a及びコアスート側面領域14bの温度をセンサによって測定しながら、ガラス微粒子堆積体を製造した。得られたガラス微粒子堆積体のかさ密度は、0.25g/cm3であった。
(製造例2)
製造例2として、製造例1における水素ガスの供給量を増加させたこと以外は、製造例1と同様の方法を用いて、ガラス微粒子堆積体を製造した。得られたガラス微粒子堆積体のかさ密度は、0.28g/cm3であった。その後、得られたガラス微粒子堆積体を焼結してガラス母材を得た。得られたガラス母材について、プリフォームアナライザを用いて屈折率分布を測定した。屈折率分布の測定結果を図6に示す。なお、図6の屈折率分布の測定結果において、横軸はガラス母材の径方向位置を示し、横軸の中心位置がガラス母材の中心位置に対応する。また、縦軸は屈折率を示し、上方向が屈折率が大きい方向に対応する。
(製造例3)
製造例2として、コア用バーナ20に円筒部32とテーパ部33とを備えたフード30を装着させたこと以外は、製造例1と同様の方法を用いて、ガラス微粒子堆積体を製造した。第2開口部34の内径は、円筒部32の内径の2倍とした。第2開口部34から堆積面までの距離は10mmとした。得られたガラス微粒子堆積体のかさ密度は、0.30g/cm3であった。その後、得られたガラス微粒子堆積体を製造例2と同様の方法を用いてガラス母材とし、屈折率分布を測定した。屈折率分布の測定結果を図7に示す。なお、図7の屈折率分布の測定結果において、横軸はガラス母材の径方向位置を示し、横軸の中心位置がガラス母材の中心位置に対応する。また、縦軸は屈折率を示し、上方向が屈折率が大きい方向に対応する。
(評価)
製造例1〜製造例3において、ガラス微粒子堆積体を製造中におけるコアスート先端領域14a及びコアスート側面領域14bの温度分布の平均を図5に示す。図5に示すように、製造例1は、各製造例のうちでコアスート先端領域14aにおける温度が最も低かった。そのため、得られたガラス微粒子堆積体のかさ密度は、製造例3よりも低くなっている。
製造例2では、コアスート先端領域14aにおける温度が製造例1より高くなっているが、コアスート側面領域14bにおける温度も製造例1より高くなっている。製造例2は、製造中のコアスート側面領域14bの温度が高い、すなわち、製造例1よりも火炎が拡大してコアスート側面領域14bにも多くの火炎が当たった状態でガラス微粒子堆積体が製造された例である。その結果、図6に示すように、屈折率分布が、局所的に屈折率がツノ状に大きくなる形状になってしまっている。このように局所的に屈折率がツノ状に大きくなると、屈折率分布を正確に測定することが困難になる。この屈折率分布の局所的なツノ状の形状は、コアスート側面領域14bにも多くの火炎が当たった結果、ゲルマニウムの偏析が生じたものと推察される。
製造例3では、コアスート先端領域14aにおける温度が各製造例のうちで最も高くなっている。そのため、得られたガラス微粒子堆積体のかさ密度は、製造例1よりも高くなっている。一方で、製造例3は、コアスート側面領域14bにおける温度は、製造例1と同程度になっている。すなわち、コアスート側面領域14bに多くの火炎が当たることなく、ガラス微粒子堆積体が製造された例といえる。その結果、図7に示すように、屈折率分布の測定結果には局所的に屈折率がツノ状に大きくなる形状がなく、正常なものになっている。
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
10:製造装置
11:反応容器
12:支持棒
13:出発ロッド(ダミーガラスロッド)
14:ガラス微粒子堆積体
14a:コアスート先端領域
14b:コアスート側面領域
15:昇降装置
16:排気管
17:クラッド用バーナ
18:ガス供給装置
19:制御装置
20:コア用バーナ
21:外周部
22:パイプ端部
23:パイプ
30:フード
31:第1開口部
32:円筒部
33:テーパ部
34:第2開口部
35:固定部

Claims (10)

  1. 反応容器内に出発ロッドとコア用バーナを配置し、前記コア用バーナからガラス原料をガス状態で噴出させ、前記コア用バーナが形成する火炎内で前記ガラス原料を反応させてガラス微粒子を生成させ、生成した前記ガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記コア用バーナの外周部には、前記コア用バーナから前記ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフードが設けられており、
    前記堆積工程は、前記コア用バーナから噴出された前記ガラス原料を、前記フード内を通過させて前記フードの開口部から噴出させ、前記ガラス微粒子を堆積させる堆積面へと堆積させるものであり、
    前記開口部の内径が前記コア用バーナの外径よりも大きい、
    ガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 前記フードは、
    前記外周部から前記噴出方向へ延びる円筒部と、
    前記円筒部より前記噴出方向側にあって、前記噴出方向側にいくにつれて内径が拡大するテーパ部と、を含む、
    請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 前記ガラス原料が、ドーパントとして四塩化ゲルマニウムを含む、
    請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 前記堆積工程は、前記開口部から前記堆積面までの距離を10mm以上50mm以下にして前記ガラス微粒子を堆積させる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  5. 前記堆積工程は、前記ガラス微粒子堆積体のかさ密度を0.16g/cm3以上0.35g/cm3以下にして前記ガラス微粒子を堆積させる、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  6. ガラス原料をガス状態で供給するガラス原料供給装置と、前記ガラス原料が供給され、供給された前記ガラス原料を噴出するコア用バーナとを備えたガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
    前記コア用バーナの外周部には、前記コア用バーナから前記ガラス原料が噴出する方向である噴出方向へと延びるフードが設けられており、
    前記フードにおける、前記コア用バーナとは反対側の端部に設けられた開口部の内径が、前記コア用バーナの外径よりも大きい、
    ガラス微粒子堆積体の製造装置。
  7. 前記フードは、
    前記外周部から前記噴出方向へ延びる円筒部と、
    前記円筒部より前記噴出方向側にあって、前記噴出方向側にいくにつれて内径が拡大するテーパ部と、を含む、
    請求項6に記載のガラス微粒子堆積体の製造装置。
  8. 前記テーパ部の最大内径は、前記円筒部の内径の1.2倍以上2.0倍以下である、
    請求項7に記載のガラス微粒子堆積体の製造装置。
  9. 前記ガラス原料供給装置が、ドーパントとして四塩化ゲルマニウムを含む前記ガラス原料を供給するものである、
    請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造装置。
  10. 前記フードが、前記コア用バーナに対して着脱自在である、
    請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造装置。
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