JP2021191886A - 積層構造体 - Google Patents

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Tadanobu Ueda
元 村田
Hajime Murata
飛展 池田
Takahiro Ikeda
忠夫 小澤
Tadao Ozawa
勝治 奥田
Katsuji Okuda
由美江 鈴木
Yumie Suzuki
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Abstract

【課題】 積層構造体において、シール性を向上させる技術を提供する。【解決手段】 積層される一対の部材と、一対の部材の間に配置されるシール部材と、一対の部材のそれぞれが有する、シール部材と対向する面に形成される凹部と、を備え、一対の部材のそれぞれに形成される凹部は、シール部材を挟んで互いに対向する位置に配置されており、シール部材は、一対の部材に挟み込まれることによって変形し、凹部と接する表面の一部が凹部の内側に向かって突出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層構造体に関する。
従来、複数の部材が積層されて形成される積層構造体が知られている。この積層構造体において、積層された複数の部材によって内部空間が形成されているとき、部材間にガスケットを挟んで内部空間の密閉性を維持させる場合がある。例えば、特許文献1には、積層構造体としての固体高分子形燃料電池において、膜電極接合体(以下、「MEA」という)と、それぞれに酸素ガスと水素ガスとを流通させる流路が形成されている2つのスペーサと、を備え、スペーサは、MEAの外周部分を凹凸によって挟み込む技術が開示されている。また、特許文献2には、積層構造体としての固体酸化物形燃料電池において、一対の部材の間に配置されるシール部材を、一対の部材の外周部に配置されている、かみ合わせ部によって噛み合わせる技術が開示されている。
特開2016−131085号公報 特開2007−323984号公報
しかしながら、上記先行技術においても、積層構造体において、シール性を向上させるためには、なお改善の余地があった。例えば、特許文献1の技術では、MEAの外周部分を挟み込むスペーサの外周部は、外側に向かうにしたがって2つのスペーサの間隔が広がるように形成されている。このため、2つのスペーサの間にMEAを挟み込むときに、MEAの挟み込みの位置ずれや、引き攣れなどによって破損するおそれがあるため、シール性が低下する。また、特許文献2の技術では、一対の部材によってシール部材を挟み込むとき、一対の部材のそれぞれが有する、かみ合わせ部の凹凸部が互い違いに配置されている。このため、シール部材の変形量が大きくなり、破損しやすくなる。シール部材が破損すると、シール性が低下する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、積層構造体において、シール性を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、積層構造体が提供される。この積層構造体は、積層される一対の部材と、前記一対の部材の間に配置されるシール部材と、前記一対の部材のそれぞれが有する、前記シール部材と対向する面に形成される凹部と、を備え、前記一対の部材のそれぞれに形成される前記凹部は、前記シール部材を挟んで互いに対向する位置に配置されており、前記シール部材は、前記一対の部材に挟み込まれることによって変形し、前記凹部と接する表面の一部が前記凹部の内側に向かって突出する。
この構成によれば、シール部材の凹部と接する表面の一部は、一対の部材に挟み込まれることによって変形し、凹部の内側に向かって突出する。これより、変形したシール部材の表面の一部と凹部とによってラビリンスシールが形成されるため、積層される一対の部材の間からの流体の漏れを抑制することができる。したがって、一対の部材間のシール性を向上させることができる。また、例えば、Oリングを用いて一対の部材間のシール性を確保する場合、Oリングを収容するための凹部が、一対の部材のそれぞれのシール部材に対向する面に形成される。この場合、凹部は、Oリングを収容可能な大きさが必要となる。上述した構成によれば、凹部は、このようなOリングを収容可能な凹部に比べ小さくすることができる。これにより、積層構造体の積層方向の厚みを薄くすることができる。さらに、変形したシール部材の表面の一部と凹部とによってラビリンスシールを形成するため、Oリングが不要となる。これにより、積層構造体を製造するときに、Oリングの組付け不良の発生がなくなるとともに、Oリングを組み付ける工程が省略されるため、工数を低減することができる。
(2)上記形態の積層構造体において、前記一対の部材は、前記シール部材と対向する面に開口が形成されており、前記開口の外側には、前記開口を囲むように、前記凹部としての溝が形成されてもよい。この構成によれば、一対の部材は、シール部材と対向する面に開口が形成されており、凹部としての溝が開口の外側に開口を囲むように形成される。これにより、一対の部材に挟み込まれることによって凹部の内側に向かって突出するシール部材の表面は、開口を囲むように形成されるため、開口のシール性を向上させることができる。
(3)上記形態の積層構造体において、前記一対の部材は、前記開口の外側において、互いに平行となるように、複数の溝が形成されていてもよい。この構成によれば、一対の部材は、開口の外側において、互いに平行となるように複数の溝が形成されている。これにより、一対の部材に挟み込まれることによって凹部の内側に向かって突出するシール部材の表面は、開口の周囲に少なくとも二重以上に形成されるため、開口のシール性をさらに向上させることができる。
(4)上記形態の積層構造体において、前記一対の部材が有するシール部材と対向する面において、隣り合う溝を連接する連接面は、平面状に形成されており、前記隣り合う溝のうちの前記開口側の溝に、前記開口側で接続する内側接続面と、前記隣り合う溝のうちの前記開口とは反対側の溝に、前記開口とは反対側で接続する外側接続面と、前記連接面とは、同じ高さとなるように形成されてもよい。この構成によれば、一対の部材が有するシール部材と対向する面において、連接面と、内側接続面と、外側接続面とは、同じ高さとなるように形成されている。これにより、一対の部材によって挟み込まれるシール部材では、凹部の内側に向かって突出する表面の一部以外は大きく変形しないため、シール部材全体の変形量を比較的小さくすることができる。シール部材の変形量が小さくなると、例えば、連接面が平面状に形成されておらず、一対の部材の一方の凸部が他方の凹部に入り込むことでシール部材が挟み込まれる場合に比べ、シール部材の引き攣れなどによる破損を抑制することができる。したがって、開口のシール性をさらに向上させることができる。
(5)上記形態の積層構造体は、さらに、前記一対の部材と前記シール部材との間に配置され、前記一対の部材と前記シール部材との間を流れる流体の流れを整流する整流部材を備え、前記整流部材は、前記シール部材と対向する面を有する平面部と、前記一対の部材側に形成され、前記一対の部材と前記シール部材との間を流れる流体の流れを整流する複数の流路と、を有してもよい。この構成によれば、一対の部材とシール部材との間に配置される整流部材は、シール部材と対向する面を有する平面部と、一対の部材側に形成される流路を有する。これにより、流路がシール部材側に配置される整流部材では、流体の流れによってシール部材が流路に引き込まれるおそれがあるが、上述した構成では、シール部材には平面部が接触しているため、シール部材が流体の流れによって変形することを抑制ができる。したがって、シール部材が流体の流れによって変形し、シール性が低下することを抑制することができる。
(6)上記形態の積層構造体において、前記整流部材は、前記平面部の前記シール部材と対向する面に、凹部が形成されており、前記シール部材は、前記一対の部材に挟み込まれることによって変形し、前記整流部材に形成されている凹部と接する表面の一部が前記整流部材に形成されている凹部の内側に向かって突出してもよい。この構成によれば、シール部材の表面のうち、整流部材の凹部と接する表面の一部は、整流部材の凹部の内側に向かって突出する。これにより、整流部材がシール部材によって固定されるとともに、整流部材とシール部材との間のシール性を確保することができる。したがって、流体が、例えば、整流部材とシール部材との間を流れることを抑制できるため、一対の部材とシール部材との間における流体の流れを、整流部材によって整流することができる。
(7)上記形態の積層構造体において、前記整流部材は、前記一対の部材と同じ材料から形成されてもよい。この構成によれば、整流部材を一対の部材と同じ材料(同じ硬さ)とすることで、整流部材の凹部におけるシール部材の変形量を、一対の部材の凹部におけるシール部材の変形量と同じ程度とすることができる。これにより、シール部材が過度に変形することを抑制できるため、シール部材の破損を抑制することができる。したがって、シール性が低下することを抑制することができる。
(8)上記形態の積層構造体において、前記シール部材は、平面状に形成されており、前記平面部が有する前記シール部材と対向する面と、前記一対の部材が有する前記シール部材と対向する面とは、同じ高さに位置してもよい。この構成によれば、一対の部材が有するシール部材と対向する面と、整流部材が有する平面部のシール部材と対向する面とは、同じ高さに位置している。これにより、一対の部材のシール部材と対向する面と整流部材の平面部とのそれぞれに接触する、シール部材の凹部と整流部材の凹部とのそれぞれでの表面の変形量は、同じ程度とすることができる。したがって、シール部材が過度に変形することを抑制できるため、シール性が低下することを抑制することができる。
(9)上記形態の積層構造体において、前記積層構造体は、固体高分子形水電解セルであり、前記一対の部材は、電気分解用の水が流れるアノード側流路が形成されるアノード側スペーサと、水の電気分解によって生成される水素が流れるカソード側流路が形成されるカソード側スペーサと、であり、前記シール部材は、膜電極接合体を2つのガスケットで挟み込んだ積層体であってもよい。この構成によれば、膜電極接合体を2つのガスケットで挟み込んでいる積層体をアノード側スペーサとカソード側スペーサとによって挟み込むことで、固体高分子形電解槽を構成することができる。これにより、アノード側スペーサとカソード側スペーサとに接している2つのガスケットは、挟み込みによって変形し、アノード側スペーサとカソード側スペーサとのそれぞれに形成されている凹部の内側に突出する。したがって、固体高分子形水電解セルでの水の電気分解によって生成される水素ガスなどのガス成分の外部への漏れを抑制することができる。
(10)上記形態の積層構造体において、前記積層構造体は、複数の固体高分子形水電解セルを有する水電解槽に含まれており、前記一対の部材は、電気分解用の水が流れるアノード側流路が形成されるアノード側スペーサまたは水の電気分解によって生成される水素が流れるカソード側流路が形成されるカソード側スペーサと、バイポーラプレートと、であり、前記シール部材は、前記アノード側スペーサまたは前記カソード側スペーサと、前記バイポーラプレートとによって挟みこまれるガスケットであってもよい。この構成によれば、ガスケットは、アノード側スペーサまたはカソード側スペーサと、バイポーラプレートとの挟み込みによって、ノード側スペーサまたはカソード側スペーサおよびバイポーラプレートに形成されている凹部の内側に突出する。これにより、水電解槽において、アノード側スペーサまたはカソード側スペーサと、バイポーラプレートとの間における水や水素ガスなどのガス成分の外部への漏れを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、積層構造体を含む各種装置、積層構造体を製造する方法、積層構造体を含む装置の制御方法等の形態で実現することができる。
第1実施形態の水電解セルの模式図である。 複数の水電解セルを備える水電解装置の模式図である。 アノード側スペーサの斜視図である。 アノード側スペーサの部分断面図である。 整流部材の斜視図である。 図3のA部拡大図である。 アノード側スペーサの部分拡大図である。 水電解セルでの水の電気分解を説明する図である。 水電解セルの作用を説明する第1の模式図である。 水電解セルの作用を説明する第2の模式図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の水電解セル1の模式図である。図2は、複数の水電解セル1を備える水電解装置5の模式図である。図1に示す本実施形態の水電解セル1は、固体高分子形水電解セルであり、複数個が積層されることで固体高分子形水電解槽(以下、単に「水電解槽」という)2(図2参照)を構成する。水電解槽2は、いわゆる、水電解スタックであり、水電解槽2に直流電力を供給する電力供給部3や、貯留している水を水電解セル1に供給する水タンク4などを備えることで、図2に示す水電解装置5を構成する。水電解装置5は、固体高分子形水電解装置であり、水タンク4の水を電力供給部3の電力によって電気分解することで、酸素ガスと水素ガスを生成する。本実施形態では、水電解装置5が備える複数の水電解槽2のそれぞれは、4個の水電解セル1を積層することで形成される。しかしながら、1つの水電解槽2において積層される水電解セル1の数はこれに限定されない。なお、図1および図2において、水電解セル1が積層される方向をz軸方向とし、z軸に垂直な平面上において直交する2つの方向をx軸方向とy軸方向とする。また、図1に示す水電解セル1や図2に示す水電解槽2を構成する部材の厚みや大きさは、説明の便宜上、実際の厚みや大きさと異なっている。水電解セル1は、特許請求の範囲の「積層構造体」に相当する。
水電解セル1は、バイポーラプレート10と、アノード側スペーサ20と、膜電極接合部40と、カソード側スペーサ50と、ガスケット31、36、61、66と、を備える。水電解セル1では、z軸方向のマイナス側から、バイポーラプレート10、ガスケット31、アノード側スペーサ20、ガスケット36、膜電極接合部40、ガスケット61、カソード側スペーサ50、ガスケット66の順に積層されている。本実施形態では、水電解セル1は、直方体形状をなしており、4個の水電解セル1と1枚のバイポーラプレート10が積層されている水電解槽2には、水電解槽2をz軸方向に貫通する貫通孔1a、1b、1c、1dのそれぞれが四隅に形成されている(図2(a)に示す水電解槽2をz軸方向から見た図2(b)参照)。貫通孔1a、1b、1c、1dは、水電解槽2が有する複数の水電解セル1のそれぞれでの水の電気分解に関与する流体が流れる流路となる。なお、図1に示す水電解セル1の模式図では、説明の便宜上、1つの水電解セル1での水の電気分解に関与する流体が流れる流路を実線で示し、他の水電解セルでの水の電気分解に関与する流体が流れる流路は点線で示している。
バイポーラプレート10は、略長方形の板状部材であって、隣り合う水電解セル1との間に配置されるセパレータである。バイポーラプレート10には、アノード側スペーサ20に供給される水が流れる流路11が形成されている。流路11は、バイポーラプレート10において、x軸方向のマイナス側であって、y軸方向のマイナス側の角に形成されており、貫通孔1a(図2(b)参照)の一部となる。バイポーラプレート10のz軸方向のプラス側の表面における流路11の開口の周囲には、流路11の開口を囲むように配置される環状の溝11a、11bが形成される。また、バイポーラプレート10のz軸方向のマイナス側の表面における流路11の開口の周囲には、流路11の開口を囲むように配置される環状の溝11c、11dが形成される。バイポーラプレート10には、流路11の他に、図1に示す流路12を含む流路が長方形状の四隅のそれぞれに形成されている(図2(b)参照)。これらの流路は、水電解セル1の貫通孔1b、1c、1dの一部となる。これらの流路においても、バイポーラプレート10のz軸方向のプラス側の表面と、マイナス側の表面とのそれぞれには、これらの流路の開口を囲むように配置される環状の溝(例えば、図1に示す流路12における溝12a、12b、12c、12d)が二重に形成される。
アノード側スペーサ20は、内側に開口が形成される樹脂製の板状部材であって、バイポーラプレート10のz軸方向のプラス側に配置される。アノード側スペーサ20に形成される開口は、流路11を流れる水を水電解セル1における貫通孔1aが形成される角部の対角まで流す。アノード側スペーサ20の構造の詳細は、後述する。
ガスケット31は、バイポーラプレート10のz軸方向のプラス側と、アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側との間に配置されるテフロン(登録商標)製のシートである。ガスケット31は、バイポーラプレート10とアノード側スペーサ20との間をシールする。なお、ガスケット31は、EPDMであってもよい。ガスケット31は、特許請求の範囲の「シール部材」に相当する。
膜電極接合部40は、略長方形の板状部材であって、樹脂製の枠部41と、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、「MEA」という)42と、を有する。枠部41の外形は、長方形であって、内側にMEA42が配置される開口が形成されている。MEA42は、図示しない電解質膜の両面に、図示しない触媒を含む電極が接合されている。電解質膜には、例えば、ポリパーフルオロカーボンスルホン酸膜が用いられており、水素イオンや水を透過可能である。電解質膜のz軸方向のマイナス側に接合されるアノード側電極は、酸化イリジウム(Ir2O)を含むアノード側触媒層と、チタン(Ti)から形成されるメッシュであるアノード側拡散層と、を有する。アノード側電極では、電気的に接続する電力供給部3が供給する電力を用いて水を電気分解し、酸素ガスと水素イオンとを生成する。アノード側電極で生成された水素イオンと水の一部は、電解質膜を通って、電解質膜のz軸方向のプラス側に接合されるカソード側電極に移動する。カソード側電極は、白金(Pt)を含むカソード側触媒層と、カーボンペーパであるカソード側拡散層と、を有する。カソード側電極では、電気的に接続する電力供給部3が供給する電力を用いて、電解質膜を通過した水素イオンを水素ガスにする。
ガスケット36は、アノード側スペーサ20のz軸方向のプラス側と、膜電極接合部40のz軸方向のマイナス側との間に配置されるテフロン(登録商標)製のシートである。ガスケット36は、アノード側スペーサ20と膜電極接合部40との間をシールする。なお、ガスケット36は、EPDMであってもよい。ガスケット36は、特許請求の範囲の「シール部材」に相当する。
カソード側スペーサ50は、内側に開口が形成されている樹脂製の板状部材であって、膜電極接合部40のz軸方向のプラス側に配置されている。本実施形態では、カソード側スペーサ50は、アノード側スペーサ20と同じ構成の部材を用いており、具体的には、アノード側スペーサ20の状態で配置されているものを、z軸方向のプラス側とマイナス側とが入れ替わるようにひっくり返したものである。カソード側スペーサ50の構造の詳細は、後述するアノード側スペーサ20の構造の説明と合わせて説明する。
ガスケット61は、膜電極接合部40のz軸方向のプラス側と、カソード側スペーサ50のz軸方向のマイナス側との間に配置されているテフロン(登録商標)製のシートである。ガスケット61は、膜電極接合部40とカソード側スペーサ50との間をシールする。なお、ガスケット61は、EPDMであってもよい。ガスケット61は、特許請求の範囲の「シール部材」に相当する。
ガスケット66は、カソード側スペーサ50のz軸方向のプラス側に配置されているテフロン(登録商標)製のシートである。ガスケット66は、水電解セル1に隣り合う別の水電解セルが備えるバイポーラプレート(図1に示す二点鎖線10)と、カソード側スペーサ50との間をシールする。なお、ガスケット66は、EPDMであってもよい。ガスケット66は、特許請求の範囲の「シール部材」に相当する。
図3は、アノード側スペーサ20の斜視図である。図3(a)は、アノード側スペーサ20をz軸方向のプラス側から見た斜視図である。図3(b)は、アノード側スペーサ20をz軸方向のマイナス側から見た斜視図である。ここでは、アノード側スペーサ20の構造について説明する。アノード側スペーサ20は、枠部21と、2つのマニホールド部22、23と、を備える。
枠部21は、外形が長方形であり、内側には、流路構造体24が配置される開口が形成されている。流路構造体24は、白金(Pt)がコーティングされているチタン(Ti)からなる多孔質体であり、電気伝導性を有する。枠部21の開口において、アノード側スペーサ20のz軸方向のプラス側の表面には、開口を囲むように配置される環状の溝21a、21bが形成される(図3(a)参照)。本実施形態では、溝21aと溝21bとは、図3(a)に示すように、平行となるように形成されている。アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側の表面には、開口を囲むように配置される環状の溝21c、21dが形成される(図3(b)参照)。本実施形態では、溝21cと溝21dとは、図3(b)に示すように、平行となるように形成されている。流路構造体24は、特許請求の範囲の「アノード側流路」に相当する。
図4は、アノード側スペーサ20の部分断面図である。アノード側スペーサ20は、ガスケット36と対向する面において、溝21aと溝21bとを連接する連接面21eを有する。連接面21eは、平面状に形成されている。また、アノード側スペーサ20には、ガスケット36と対向する面において、溝21aに開口側で接続する内側接続面21fと、溝21bに開口とは反対側で接続する外側接続面21gと、を有する。本実施形態では、連接面21eと、内側接続面21fと、外側接続面21gとは、同じ高さとなるように形成される。
図3に戻り、枠部21には、貫通孔1bの一部である流路25と、貫通孔1cの一部である流路26が形成されている。アノード側スペーサ20のz軸方向のプラス側の表面における流路25の開口の周囲には、流路25の開口を囲むように配置される環状の溝25a、25bが形成される(図3(a)参照)。また、アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側の表面における流路25の開口の周囲には、流路25の開口を囲むように配置される管状の溝25c、25dが形成される(図3(b)参照)。アノード側スペーサ20のz軸方向のプラス側の表面における流路26の開口の周囲には、流路26の開口を囲むように配置される環状の溝26a、26bが形成される(図3(a)参照)。また、アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側の表面における流路26の開口の周囲には、流路26の開口を囲むように配置される環状の溝26c、26dが形成される(図3(b)参照)。
マニホールド部22は、厚みが枠部21の厚みに比べ薄い略三角形状の部材であって、枠部21の内側において、x軸のマイナス側であって、y軸のマイナス側の角に配置される。マニホールド部22は、図4に示すように、枠部21の厚み方向、すなわち、z軸方向において、枠部21におけるz軸方向のマイナス側に配置されている。マニホールド部22には、流路11に連通する流路27が形成されている。アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側の表面における流路27の開口の周囲には、流路27の開口を囲むように配置される環状の溝27c、27dが形成される(図3(b)参照)。マニホールド部22のz軸方向のプラス側には、マニホールド部22とガスケット36との間に配置され、マニホールド部22とガスケット36との間を流れる流体を整流する整流部材70が設けられている。
図5は、水電解セル1が備える整流部材70の斜視図である。図6は、図3のA部拡大図である。図7は、アノード側スペーサ20の部分拡大図である。整流部材70は、円弧状に形成されている樹脂製の部材であって、流路形成部71と、平面部72と、を有する。本実施形態では、整流部材70は、アノード側スペーサ20と同じ材料から形成される。
流路形成部71は、アノード側スペーサ20に配置されている整流部材70において、z軸方向のマイナス側に位置する。流路形成部71には、流路27に連通する流路73が複数形成される。流路73は、図7に示すように、流路27の中心C27から見て略放射状に伸びるように形成されている。すなわち、流路形成部71は、隣り合う流路73を区画する複数のリブから構成されている。流路形成部71のz軸方向のマイナス側の端面74は、アノード側スペーサ20のマニホールド部22のz軸方向のプラス側の端面29に接触している(図4参照)。
平面部72は、アノード側スペーサ20に配置されている整流部材70において、z軸方向のプラス側に位置し、隣り合う流路73を区画する流路形成部71(複数のリブ)を支持する板状の部位である。平面部72は、整流部材70に形成されている複数の流路73の面積の合計より大きい面積を有している。本実施形態では、平面部72のガスケット36側の端面75は、枠部21のガスケット36側の連接面21eなどと同一平面となるように形成されており、同じ高さに位置している。平面部72の端面75には、円弧状の2つの溝70a、70bが形成されている。溝70aは、溝70bに比べ流路27側に形成されている。2つの溝70a、70bは、特許請求の範囲の「整流部材に形成されている凹部」に相当する。
図3に戻り、マニホールド部23は、厚みが枠部21の厚みに比べ薄い略三角形状の部材であって、枠部21の内側において、x軸のプラス側であって、y軸のプラス側に配置されている。マニホールド部23は、枠部21の厚み方向、すなわち、z軸方向においては、枠部21のz軸方向のマイナス側に配置されている。マニホールド部23には、流路構造体24を流れた流体が流れる流路28が形成される。アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側の表面における流路28の開口の周囲には、流路28の開口を囲むように配置される環状の溝28c、28dが形成される(図3(b)参照)。マニホールド部23のz軸方向のプラス側には、マニホールド部23とガスケット36との間に配置され、マニホールド部23とガスケット36との間を流れる流体を整流する整流部材80が設けられている。
整流部材80は、整流部材70と同じ構成を有しており、円弧状に形成されている樹脂製の部材である。整流部材80は、整流部材70の流路形成部71に対応する流路形成部81と、平面部72に対応する平面部82と、を有する。流路形成部81には、流路28に連通する流路83を複数形成される。流路形成部81のz軸方向のマイナス側の端面は、アノード側スペーサ20のマニホールド部23に接触している。平面部82は、アノード側スペーサ20に配置されている整流部材80において、z軸方向のプラス側に位置し、流路形成部81を支持する板状の部位である。平面部82は、整流部材80に形成されている複数の流路83の面積の合計より大きい面積を有している。平面部82のガスケット36側の端面には、円弧状の2つの溝80a、80bが形成されている。溝80aは、溝80bに比べ流路28側に形成されている。2つの溝80a、80bは、特許請求の範囲の「整流部材に形成されている凹部」に相当する。
水電解セル1が備えるカソード側スペーサ50は、上述したように、アノード側スペーサ20と同じ構成を有しており、枠部51と、2つのマニホールド部52、53と、を備える。枠部51に形成されている開口には、流路構造体24と同様の構成を有する流路構造体54が配置されている。枠部51には、枠部21の溝21a、21b、21c、21dと同様の溝51a、51b、51c、51dが形成されている(図1参照)。マニホールド部52とガスケット66との間には、整流部材70が配置されている。マニホールド部52には、図1に示すように、貫通孔1bの一部である流路57が形成されている。流路57について、カソード側スペーサ50のz軸方向のプラス側の表面には、流路57の開口を囲むように配置される環状の溝57c、57dが形成される(図1参照)。マニホールド部53とガスケット66との間には、整流部材80が配置されている。マニホールド部53には、図1に示すように、貫通孔1cの一部である流路58が形成されている。流路58について、カソード側スペーサ50のz軸方向のプラス側の表面には、流路58の開口を囲むように配置される環状の溝58c、58dが形成される(図1参照)。流路構造体54は、特許請求の範囲の「カソード側流路」に相当する。
図8は、水電解セル1の作用を説明する図である。次に、水電解セル1の作用について説明する。水タンク4によって供給される水(図8の二点鎖線矢印F11)がバイポーラプレート10の流路11を介して流路27を流れると、その水の一部(図8の二点鎖線矢印F12)は、整流部材70の流路73を通って流路構造体24に流入する。このとき、整流部材70の流路73は、流路27から流路構造体24に向かって流れる水を流路構造体24の全体に流れるように整流する。流路27を流れる水のうち、整流部材70の流路73に流入しない水(図8の二点鎖線矢印F13)は、水電解セル1に積層されている他の水電解セルに供給される。
整流部材70によって整流された水は、流路構造体24を流れる(図8の二点鎖線矢印F14)うちに、膜電極接合部40のアノード側拡散層を通り、アノード側触媒層に到達する。アノード側触媒層は、電力供給部3によって供給されている電力を用いて、アノード側触媒層に到達した水から、電気分解されて酸素ガスと水素イオンとを生成する。生成した酸素ガスは、電気分解されなかった水とともに、整流部材80の流路83と流路28とを通って、貫通孔1dを流れ、水電解セル1の外部に排出される(図8の二点鎖線矢印F15)。
アノード側触媒層において生成される水素イオンは、水の一部(随伴水)とともに電解質膜を通り(図8の二点鎖線矢印F16)、カソード側電極に到達する。カソード側電極は、電力供給部3によって供給される電力を用いて、水素イオンから水素ガスを生成する。生成した水素ガスは、流路構造体54を通って(図8の二点鎖線矢印F17)、整流部材70に流入する。整流部材70に流入した酸素ガスと随伴水は、流路57を通って貫通孔1bを流れ、水電解セル1の外部に排出される(図8の二点鎖線矢印F18)。
次に、本実施形態の水電解セル1の特徴について説明する。水電解セル1が備えるバイポーラプレート10と、アノード側スペーサ20と、カソード側スペーサ50とのそれぞれには、アノード側スペーサ20やカソード側スペーサ50に形成されている流路や開口を囲むように、複数の溝が形成されている。
図9は、水電解セルの作用を説明する第1の模式図である。バイポーラプレート10のガスケット31側には、溝11a、11b、12a、12bが形成されている。アノード側スペーサ20のガスケット31側には、溝21c、21d、27c、27d、28c、28dが形成されている。水電解セル1では、バイポーラプレート10とアノード側スペーサ20とによってガスケット31を挟み込むことで、ガスケット31の表面の一部を変形し、これらの溝の内側に突出させる(図9に示す突出部32、33)。
アノード側スペーサ20のガスケット36側には、溝21a、21b、25a、25b、26a、26bが形成されている。また、アノード側スペーサ20に配置される整流部材70のガスケット36側には、溝70a、70bが形成されている。さらに、アノード側スペーサ20に配置される整流部材80のガスケット36側には、溝80a、80bが形成されている。
一方、図1に示すように、カソード側スペーサ50のガスケット61側には、溝51a、51bが形成されている。また、カソード側スペーサ50に配置される整流部材70のガスケット61側には、溝70a、70bが形成されている。さらに、アノード側スペーサ20に配置される整流部材80のガスケット61側には、溝80a、80bが形成されている。
水電解セル1では、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とによって、膜電極接合部40を介してガスケット36とガスケット61とを挟み込むことで、ガスケット36の表面の一部が変形し、溝21a、21b、25a、25b、26a、26b、70a、70b、80a、80bの内側に突出する(図9に示す突出部37)。また、ガスケット61の表面の一部が変形し、溝51a、51b、70a、70b、80a、80bの内側に突出させる(図1参照)。
ガスケット66を、別の水電解セルが備えるバイポーラプレート10とによって挟み込むカソード側スペーサ50のガスケット66側には、溝51c、51d、57c、57d、58c、58dなどが形成されている。水電解セル1では、別の水電解セルが備えるバイポーラプレート10とカソード側スペーサ50とによってガスケット66を挟み込むことで、ガスケット66の表面の一部が変形し、これらの溝の内側に突出させる(図1参照)。
図10は、水電解セル1の作用を説明する模式図である。図10には、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とによって、膜電極接合部40を介してガスケット36とガスケット61とを挟み込むときのガスケット36とガスケット61の変形を模式的に示している。図10(a)には、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とを締結する前の状態を示しており、図10(b)には、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とが締結された後の状態を示している。
図10に示すように、ガスケット36とガスケット61とが間に配置されているアノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とを締結すると、ガスケット36の表面36aの一部が変形し、溝21a、21bの内側に突出する(図10(b)に示す突出部37)。これより、アノード側スペーサ20とガスケット36との間にラビリンスシールが形成されるため、アノード側スペーサ20とガスケット36との間からのガスの漏れが抑制される。また、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とを締結すると、ガスケット61の表面61bの一部が変形し、溝51a、51bの内側に突出する(図10(b)に示す突出部63)。これより、カソード側スペーサ50とガスケット61との間にラビリンスシールが形成されるため、カソード側スペーサ50とガスケット61との間からのガスの漏れが抑制される。
以上説明した、本実施形態の水電解セル1によれば、ガスケット36の表面の一部は、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とに挟み込まれることによって変形し、アノード側スペーサ20の溝21a、21b、25a、25b、26a、26bの内側に向かって突出する。また、ガスケット61の表面の一部は、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とに挟み込まれることによって変形し、カソード側スペーサ50の溝51a、51b、整流部材70の溝70a、70bや整流部材80の溝80a、80bの内側に向かって突出する。これより、変形したガスケット36、61の表面の一部と溝21aなどとによってラビリンスシールが形成されるため、アノード側スペーサ20とガスケット36との間、および、カソード側スペーサ50とガスケット36との間における流体の漏れを抑制することができる。したがって、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50の間のシール性を向上させることができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、例えば、Oリングを用いて一対の部材間のシール性を確保する場合、Oリングを収容するための凹部が、一対の部材のそれぞれのガスケットに対向する面に形成される。この場合、凹部は、Oリングを収容可能な大きさが必要となる。水電解セル1によれば、溝21aなどは、このようなOリングを収容可能な凹部に比べ小さくすることができる。これにより、水電解セル1の積層方向の厚みを薄くすることができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、変形したガスケット36、61の表面の一部と溝21aなどとによってラビリンスシールを形成するため、Oリングが不要となる。これにより、水電解セル1を製造するときに、Oリングの組付け不良の発生がなくなるとともに、Oリングを組み付ける工程が省略されるため、工数を低減することができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、アノード側スペーサ20には、ガスケット36と対向する面に、流路構造体24が配置される開口や流路25、26が形成されている。アノード側スペーサ20では、流路構造体24が配置される開口の周囲に溝21a、21bが形成されており、流路25、26の開口の周囲に溝25a、25b、26a、26bが形成されている。また、カソード側スペーサ50には、ガスケット61と対向する面に、流路構造体54が配置される開口が形成されている。カソード側スペーサ50では、流路構造体54が配置される開口の周囲に溝51a、51bが形成されている。これにより、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50に挟み込まれることによって変形し溝21aなどの内側に向かって突出するガスケット36、61の表面の一部は、開口を囲むように形成される。したがって、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50に挟み込まれることによって溝21aなどの内側に向かって突出するガスケット36、61の表面は、開口を囲むように形成されるため、開口のシール性を向上させることができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、アノード側スペーサ20には、流路構造体24が配置される開口の外側において、互いに平行となるように形成される溝21aと溝21bが形成されている。これにより、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50に挟み込まれることによって溝21a、21bの内側に向かって突出するガスケット36の表面は、開口の周囲に二重に形成されるため、開口のシール性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、アノード側スペーサ20が有するガスケット36と対向する面において、連接面21eと、内側接続面21fと、外側接続面21gとが同じ高さとなるように形成されている。これにより、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50によって挟み込まれるガスケット36は、溝21a、21b、25a、25b、26a、26bの内側に向かって突出すると突出部37以外は大きく変形しないため、ガスケット36全体の変形量を比較的小さくすることができる。ガスケット36の変形量が小さくなると、例えば、隣り合う凹部どうしを連接する連接面が平面状に形成されておらず、一対の部材の一方の凸部が他方の凹部に入り込むことでガスケットが挟み込まれる場合に比べ、ガスケット36の引き攣れなどによる破損を抑制することができる。したがって、開口のシール性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、アノード側スペーサ20に配置される整流部材70、80のそれぞれは、ガスケット36と対向する端面を有する平面部72、82と、マニホールド部22、23側に形成される流路73、83を有する。これにより、流路がガスケット側に配置される整流部材では、流体の流れによってガスケットが流路に引き込まれるおそれがあるが、水電解セル1では、ガスケット36には比較的面積が大きい平面部72、82が接触しているため、ガスケット36が流体の流れによって変形することを抑制できる。したがって、ガスケット36が流体の流れによって変形し、シール性が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、ガスケット36の表面のうち、整流部材70、80に形成されている溝70a、70b、80a、80bと接する表面の一部は、溝70a、70b、80a、80bの内側に向かって突出する。これにより、整流部材70、80がガスケット36によって固定されるとともに、整流部材70、80とガスケット36との間のシール性を確保することができる。したがって、例えば、整流部材70において、電気分解用の水が、整流部材70とガスケット36との間を流れることを抑制できるため、流路構造体24における水の流れを、整流部材70によって整流することができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、整流部材70、80をアノード側スペーサ20と同じ材料とすることで、溝70a、70b、80a、80bにおけるガスケット36の変形量を、アノード側スペーサ20の溝21a、21bにおけるガスケット36の変形量と同じ程度とすることができる。これにより、ガスケット36が過度に変形することを抑制できるため、ガスケット36の破損を抑制することができる。したがって、シール性が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、ガスケット36は、シート状に形成されており、整流部材70のガスケット36側の端面75と、枠部21のガスケット36側の連接面21eなどとは同一平面となるように形成されており、同じ高さに位置している。これにより、整流部材70の端面75と枠部21の連接面21eとのそれぞれに接触する、ガスケット36における溝21a、21b、70a、70bのそれぞれでの表面の変形量は、同じ程度とすることができる。したがって、ガスケット36が過度に変形することを抑制できるため、シール性が低下することを抑制することができる。
水電解セル1では、上述した効果は、膜電極接合部40を介してガスケット36とガスケット61とを挟み込むアノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50のみに限定されるものではない。水電解セル1では、ガスケット31を挟み込むバイポーラプレート10とアノード側スペーサ20との組み合わせと、ガスケット66を挟み込むカソード側スペーサ50と別の水電解セルが備えるバイポーラプレート10との組み合わせにおいても、上述した効果を奏する。
また、本実施形態の水電解セル1によれば、膜電極接合部40を2つのガスケット36、61で挟み込んでいる積層体をアノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とによって挟み込むことで、固体高分子形水電解装置である水電解装置5を構成している。一般的に、水電解槽では、生成される水素ガスの分子径が小さいため、従来の面シールでは、水素の漏れを抑制することが困難であり、また、一対の部材が有するシール部材に対向する面の面粗度を高精度に研磨する必要がある。本実施形態の水電解セル1では、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とに接している2つのガスケット36、61が挟み込みによって変形し、アノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とのそれぞれに形成されている溝21a、21b、51a、51b、70a、70b、80a、80bの内側に突出する。これにより、分子径が小さい水素ガスの漏れを抑制することができる。
また、本実施形態の水電解槽2によれば、1つの水電解セル1におけるアノード側スペーサ20とバイポーラプレート10との間に、ガスケット31が配置されている。ガスケット31は、アノード側スペーサ20とバイポーラプレート10との挟み込みによって変形し、アノード側スペーサ20の溝21c、21d、25c、25d、26c、26d、27c、27d、28c、28dの内側に突出し、バイポーラプレート10の溝11a、11bの内側に突出する。また、隣り合う水電解セル1におけるカソード側スペーサ50とバイポーラプレート10との間に、ガスケット66が配置されている。ガスケット66は、カソード側スペーサ50とバイポーラプレート10との挟み込みによって変形し、カソード側スペーサ50の溝51c、51d、57c、57d、58c、58dの内側に突出し、バイポーラプレート10の溝11c、11dの内側に突出する。これにより、水電解槽2において、アノード側スペーサ20またはカソード側スペーサ50と、バイポーラプレート10との間における、分子径が小さい水素ガスなどのガス成分の外部への漏れを抑制することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上述の実施形態では、積層構造体としての水電解セルは、固体高分子形水電解槽に適用されるとした。しかしながら、積層構造体が適用される分野はこれに限定されない。水素と酸素との化学反応によって発電する固体高分子形燃料電池が備えるセルに適用されてもよい。
[変形例2]
上述の実施形態では、アノード側スペーサ20のz軸方向のプラス側の表面において、流路構造体24が配置される開口の周囲に形成される溝21aと溝21bとは、平行に形成されるとした。また、同様に、アノード側スペーサ20のz軸方向のマイナス側の表面において形成される、溝21cと溝21dとは、平行に形成されるとした。これらの溝は平行に形成されていなくてもよい。また、カソード側スペーサ50に形成される溝51aと溝51bとの関係、および、溝51cと溝51dとの関係についても同様に、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。
[変形例3]
上述の実施形態では、アノード側スペーサ20の枠部21において、連接面21eと、内側接続面21fと、外側接続面21gとは、同じ高さとなるように形成されるとした。しかしながら、これらの面は同じ高さでなくてもよい。同じ高さとすることで、ガスケット36の変形量が少なくなるため、ガスケット36が過度に変形することを抑制できるため、シール性が低下することを抑制することができる。なお、隣り合う溝における、連接面と、内側接続面と、外側接続面との関係は、水電解セル1において、二重に溝が形成されている部位のそれぞれに適用可能である。
[変形例4]
上述の実施形態では、水電解セル1で電気分解される水の流れを整える整流部材70を備えるとした。しかしながら、整流部材はなくてもよい。また、整流部材70が有する平面部72は、整流部材70に形成されている複数の流路73の面積の合計より大きい面積を有しているとした。しかしながら、整流部材70の形状はこれに限定されず、平面部72の面積も複数の流路73の面積の合計よりも小さい面積であってもよい。ガスケット36に接触する部分に流路が形成することなく面積を大きくすることで、流路へのガスケット36の落ち込みによるガスケット36の変形を抑制することができるため、シール性が低下することを抑制することができる。
[変形例5]
上述の実施形態では、整流部材70には、ガスケット36の表面の一部が変形し、内側に突出する溝70a、70bが形成されているとした。しかしながら、溝70a、70bはなくてもよい。また、整流部材70をアノード側スペーサ20と同じ材料で形成しなくてもよい。同程度の硬さであればよい。また、整流部材70では、平面部72のガスケット36側の端面75は、枠部21の連接面21eなどと同一平面となるように形成されており、同じ高さに位置しているとした。しかしながら、これらの面は同じ高さでなくてもよい。同じ高さとすることで、ガスケット36の変形量が少なくなるため、ガスケット36が過度に変形することを抑制できるため、シール性が低下することを抑制することができる。
[変形例6]
上述の実施形態では、水電解装置5は、膜電極接合部40を2つのガスケット36、61で挟み込んでいる積層体をアノード側スペーサ20とカソード側スペーサ50とによって挟み込む構成と、ガスケット31をアノード側スペーサ20とバイポーラプレート10とで挟み込む構成と、ガスケット66をカソード側スペーサ50とバイポーラプレート10とで挟み込む構成と、を備えるとした。しかしながら、水電解装置5は、これらの構成を全て備えていなくてもよい。いずれか1つを備えていればよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…水電解セル
2…水電解槽
5…水電解装置
10…バイポーラプレート
11a、11b、12a、12b、21a、21b、21c、21d、25a、25b、25c、25d、26a、26b、26c、26d、27c、27d、28c、28d、51a,51b,51c,51d,57c,57d,58c,58d,70a,70b,80a,80b…溝
20…アノード側スペーサ
21e…連接面
21f…内側接続面
21g…外側接続面
31、36、61、66…ガスケット
32、33、37、63…突出部
36a、61b…表面
40…膜電極接合部
50…カソード側スペーサ
70、80…整流部材
72、82…平面部
73、83…流路

Claims (10)

  1. 積層構造体であって、
    積層される一対の部材と、
    前記一対の部材の間に配置されるシール部材と、
    前記一対の部材のそれぞれが有する、前記シール部材と対向する面に形成される凹部と、を備え、
    前記一対の部材のそれぞれに形成される前記凹部は、前記シール部材を挟んで互いに対向する位置に配置されており、
    前記シール部材は、前記一対の部材に挟み込まれることによって変形し、前記凹部と接する表面の一部が前記凹部の内側に向かって突出する、
    積層構造体。
  2. 請求項1に記載の積層構造体であって、
    前記一対の部材は、
    前記シール部材と対向する面に開口が形成されており、
    前記開口の外側には、前記開口を囲むように、前記凹部としての溝が形成される、
    積層構造体。
  3. 請求項2に記載の積層構造体であって、
    前記一対の部材は、前記開口の外側において、互いに平行となるように、複数の溝が形成される、
    積層構造体。
  4. 請求項3に記載の積層構造体であって、
    前記一対の部材が有するシール部材と対向する面において、
    隣り合う溝を連接する連接面は、平面状に形成されており、
    前記隣り合う溝のうちの前記開口側の溝に、前記開口側で接続する内側接続面と、前記隣り合う溝のうちの前記開口とは反対側の溝に、前記開口とは反対側で接続する外側接続面と、前記連接面とは、同じ高さとなるように形成される、
    積層構造体。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の積層構造体は、さらに、
    前記一対の部材と前記シール部材との間に配置され、前記一対の部材と前記シール部材との間を流れる流体の流れを整流する整流部材を備え、
    前記整流部材は、
    前記シール部材と対向する面を有する平面部と、
    前記一対の部材側に形成され、前記一対の部材と前記シール部材との間を流れる流体の流れを整流する複数の流路と、を有する、
    積層構造体。
  6. 請求項5に記載の積層構造体であって、
    前記整流部材は、前記平面部の前記シール部材と対向する面に、凹部が形成されており、
    前記シール部材は、前記一対の部材に挟み込まれることによって変形し、前記整流部材に形成されている凹部と接する表面の一部が、前記整流部材に形成されている凹部の内側に向かって突出する、
    積層構造体。
  7. 請求項6に記載の積層構造体であって、
    前記整流部材は、前記一対の部材と同じ材料から形成される、
    積層構造体。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の積層構造体であって、
    前記シール部材は、平面状に形成されており、
    前記平面部が有する前記シール部材と対向する面と、前記一対の部材が有する前記シール部材と対向する面とは、同じ高さに位置する、
    積層構造体。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積層構造体であって、
    前記積層構造体は、固体高分子形水電解セルであり、
    前記一対の部材は、電気分解用の水が流れるアノード側流路が形成されるアノード側スペーサと、水の電気分解によって生成される水素が流れるカソード側流路が形成されるカソード側スペーサと、であり、
    前記シール部材は、膜電極接合体を2つのガスケットで挟み込んだ積層体である、
    積層構造体。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積層構造体であって、
    前記積層構造体は、複数の固体高分子形水電解セルを有する水電解槽に含まれており、
    前記一対の部材は、電気分解用の水が流れるアノード側流路が形成されるアノード側スペーサまたは水の電気分解によって生成される水素が流れるカソード側流路が形成されるカソード側スペーサと、バイポーラプレートと、であり、
    前記シール部材は、前記アノード側スペーサまたは前記カソード側スペーサと、前記バイポーラプレートとによって挟みこまれるガスケットである、
    積層構造体。
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