要旨
従来の生物学的製剤および化学療法薬とは異なり、本開示の改変T細胞は、抗原が認識されると急速に再生する能力を有し、それにより、処置を繰り返す必要性が潜在的になくなる。これを実現するために、本開示の改変T細胞は、最初に腫瘍破壊を駆動するだけでなく、潜在的ながん再発を予防するために患者において生存可能なメモリーT細胞の安定な集団として持続される。したがって、抗原非依存性(トニック)シグナル伝達を通じたT細胞疲弊を引き起こさない抗原受容体分子、ならびに、初期メモリー細胞、特に、幹細胞メモリー(stem cell memory)(TSCM)を含有する改変T細胞製品の開発に集中的な試みの焦点が当てられている。本開示の幹細胞様改変T細胞(stem cell−like modified−T cell)は、自己再生の最大能力ならびにセントラルメモリーT細胞(TCM)、エフェクターメモリーT細胞(TEM)およびエフェクターT細胞(TE)を引き出す多分化能を示し、それにより、より良好な腫瘍の根絶および長期間にわたる改変T細胞の生着が生じる。本開示の改変T細胞としては、これだけに限定されないが、本開示のタンパク質足場を含む抗原受容体を発現する細胞が挙げられる。本開示の改変T細胞としては、これだけに限定されないが、キメラ抗原受容体(CAR)(すなわち、本開示のCAR−T細胞)を発現する細胞が挙げられる。本開示のキメラ抗原受容体(CAR)は、これだけに限定されないが、単鎖抗体(例えば、scFv)、抗体の1つまたは複数の断片を含む配列(例えば、VHH、CARに関してはVCARと称される)、抗体模倣物、およびセンチリン(Centyrin)(CARに関してはCARTyrinと称される)を含めた、それぞれが抗原に特異的に結合する1つまたは複数の配列を含み得る。
本開示の改変細胞をさらにゲノム編集に供することができる。例えば、ゲノム編集構築物を本開示の改変細胞中に、トランスポゾンまたは電気穿孔もしくはヌクレオフェクションによる他の送達手段で導入し、続くインキュベーション段階の間に細胞のゲノム内に組み込ませることができる。得られる細胞は、幹様(stem−like)表現型を保持する、編集されたゲノムを有する改変T細胞である。幹様表現型を保持する編集されたゲノムを有するこの改変T細胞を細胞療法として使用することができる。その代わりに、またはそれに加えて、本開示の改変細胞を、第1の電気穿孔またはヌクレオフェクションおよびその後の電気穿孔またはヌクレオフェクションに供して、ゲノム編集構築物を導入することができる。
具体的には、本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、改変T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、プラスミドDNAトランスポゾンであり、抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列は、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、プラスミドDNAトランスポゾンであり、抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列は、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。ある特定の実施形態、特に、トランスポザーゼがSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである実施形態ではトランスポザーゼをコードする配列は、mRNA配列である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、piggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。piggyBac(PB)トランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含んでもよいし、からなってもよい。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素
は、配列
の30位、165位、282位、または538位の1つまたは複数にアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。
ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列の30位、165位、282位、または538位のうちの2またはそれより多くにアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列の30位、165位、282位、または538位のうちの3またはそれより多くにアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列の以下の30位、165位、282位、および538位のうちのそれぞれにアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の30位のアミノ酸置換は、バリン(V)のイソロイシン(I)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の165位のアミノ酸置換は、セリン(S)のグリシン(G)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の282位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の538位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアスパラギン(N)による置換である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、本開示のSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列のアミノ酸配列を含んでもよいし、これからなってもよく、ここで30位のアミノ酸置換は、バリン(V)のイソロイシン(I)による置換であり、165位のアミノ酸置換は、セリン(S)のグリシン(G)による置換であり、282位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換であり、538位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアスパラギン(N)による置換である。ある特定の実施形態では、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配を含んでもよいし、からなってもよい。
トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の3位、46位、82位、103位、119位、125位、177位、180位、185位、187位、200位、207位、209位、226位、235位、240位、241位、243位、258位、296位、298位、311位、315位、319位、327位、328位、340位、421位、436位、456位、470位、486位、503位、552位、570位および591位の1つまたは複数におけるアミノ酸置換をさらに含み得る。トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、46位、119位、125位、177位、180位、185位、187位、200位、207位、209位、226位、235位、240位、241位、243位、296位、298位、311位、315位、319位、327位、328位、340位、421位、436位、456位、470位、485位、503位、552位および570位の1つまたは複数におけるアミノ酸置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の3位のアミノ酸置換は、アスパラギン(N)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の46位のアミノ酸置換は、セリン(S)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の46位のアミノ酸置換は、トレオニン(T)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の82位のアミノ酸置換は、トリプトファン(W)のイソロイシン(I)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の103位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の119位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のアルギニン(R)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の125位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の125位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の177位のアミノ酸置換は、リシン(K)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の177位のアミノ酸置換は、ヒスチジン(H)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の180位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の180位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の180位のアミノ酸置換は、バリン(V)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の185位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の187位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の200位のアミノ酸置換は、トリプトファン(W)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の207位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の209位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の226位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の235位のアミノ酸置換は、アルギニン(R)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の240位のアミノ酸置換は、リシン(K)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の241位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の243位のアミノ酸置換は、リシン(K)のプロリン(P)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の258位のアミノ酸置換は、セリン(S)のアスパラギン(N)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の296位のアミノ酸置換は、トリプトファン(W)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の296位のアミノ酸置換は、チロシン(Y)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の296位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の298位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の298位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の298位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の311位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のプロリン(P)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の311位のアミノ酸置換は、バリンのプロリン(P)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の315位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアルギニン(R)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の319位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のトレオニン(T)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の327位のアミノ酸置換は、アルギニン(R)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の328位のアミノ酸置換は、バリン(V)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の340位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の340位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の421位のアミノ酸置換は、ヒスチジン(H)のアスパラギン酸(D)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の436位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の456位のアミノ酸置換は、チロシン(Y)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の470位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の485位のアミノ酸置換は、リシン(K)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の503位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の503位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の552位のアミノ酸置換は、リシン(K)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の570位のアミノ酸置換は、トレオニン(T)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の591位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のグルタミン(Q)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の591位のアミノ酸置換は、アルギニン(R)のグルタミン(Q)による置換である。
トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の103位、194位、372位、375位、450位、509位および570位の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を含んでもよいし、Super piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素はこれをさらに含んでもよい。トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の103位、194位、372位、375位、450位、509位および570位のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くにおけるアミノ酸置換を含んでもよいし、Super piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素はこれをさらに含んでもよい。トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の103位、194位、372位、375位、450位、509位および570位におけるアミノ酸置換を含んでもよいし、Super piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素はこれをさらに含んでもよい。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の103位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の194位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の372位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のアルギニン(R)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の375位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のリシン(K)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の450位のアミノ酸置換は、アスパラギン(N)のアスパラギン酸(D)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の509位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の570位のアミノ酸置換は、セリン(S)のアスパラギン(N)による置換である。ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換を含み得る。piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素が配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換を含み得る実施形態を含め、ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の372位、375位および450におけるアミノ酸置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換、配列番号4の372位におけるアラニン(A)のアルギニン(R)による置換および配列番号4の375位におけるアラニン(A)のリシン(K)による置換を含み得る。ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換、配列番号4の372位におけるアラニン(A)のアルギニン(R)による置換、配列番号4の375位におけるアラニン(A)のリシン(K)による置換および配列番号4の450位におけるアスパラギン(N)のアスパラギン酸(D)による置換を含み得る。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、改変T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、Sleeping Beautyトランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、過剰活性Sleeping Beauty(SB100X)トランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含む。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、改変T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。Helitronトランスポザーゼにより、約3000〜3600万年前に活動的であったコウモリゲノム由来の古来のエレメントであるHelraiserトランスポゾンが移動する。本開示の例示的なHelraiserトランスポゾンとしては、
を含む核酸配列を含むHelibat1が挙げられる。
他のトランスポザーゼとは異なり、Helitronトランスポザーゼは、RNase−H様触媒ドメインを含有しないが、その代わりに、複製開始ドメイン(Rep)およびDNAヘリカーゼドメインで構成されるRepHelモチーフを含む。Repドメインは、ヌクレアーゼのHUHスーパーファミリーのヌクレアーゼドメインである。
本開示の例示的なHelitronトランスポザーゼは、
を含むアミノ酸配列を含む。
Helitron転移では、トランスポゾンの3’末端の近くのヘアピンがターミネーターとして機能する。しかし、このヘアピンは、トランスポザーゼによって迂回され、それによって、隣接する配列の形質導入がもたらされ得る。さらに、Helraiser転移により、共有結合により閉じた環状中間体が生じる。さらに、Helitron転移は、標的部位重複を欠き得る。Helraiser配列では、トランスポザーゼは、LTSおよびRTSと称される左末端配列および右末端配列に挟まれている。これらの配列は、保存された5’−TC/CTAG−3’モチーフで終結する。ヘアピン終結構造が形成される潜在性がある19bpのパリンドローム配列がRTSの11ヌクレオチド上流に位置し、配列GTGCACGAATTTCGTGCACCGGGCCACTAG(配列番号29)からなる。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、改変T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Tol2トランスポゾンである。トランスポゾンがTol2トランスポゾンである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。Tol2トランスポゾンは、メダカのゲノムから単離するまたは引き出すことができ、hATファミリーのトランスポゾンと類似したものであり得る。本開示の例示的なTol2トランスポゾンは、約4.7キロベースを含む配列によりコードされ、4つのエクソンを含有する、Tol2トランスポザーゼをコードする遺伝子を含有する。本開示の例示的なTol2トランスポザーゼは、以下:
を含むアミノ酸配列を含む。
本開示の例示的なTol2トランスポザーゼは、逆方向反復、末端近くの配列およびTol2トランスポザーゼを含め、以下:
の核酸配列にコードされる。
本開示は、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法を提供し、この方法は、改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、改変T細胞は、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。本開示は、複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも25%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも50%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも60%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも75%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも80%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも85%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも90%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の改変T細胞を作製し、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも95%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、プラスミドDNAトランスポゾンであり、抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列は、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Tol2トランスポゾンである。トランスポゾンがTol2トランスポゾンである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。
本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変TSCMおよび複数の改変TCMを含む組成物を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変TSCMは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現し、複数の改変TCMは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現し、それによって複数の改変TSCMおよび複数の改変TCMを含む組成物が作製される。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占める。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、プラスミドDNAトランスポゾンであり、抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列は、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Tol2トランスポゾンである。トランスポゾンがTol2トランスポゾンである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは任意の種に由来するまたはそこから組換えられてもよい。代替的にまたは追加で、トランスポゾンは。合成トランスポゾンであり得る。
本開示の方法のある特定の実施形態では、抗原受容体は、T細胞受容体である。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在する。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在しない。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、野生型T細胞受容体と比較して1つまたは複数の突然変異を含む。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、組換えT細胞受容体である。この方法のある特定の実施形態では、抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。ある特定の実施形態では、CARは、CARTyrinである。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたは複数のVHH配列を含む。ある特定の実施形態では、CARは、VCARである。
方法が、初代ヒトT細胞に(a)抗原受容体を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を導入するステップを含む実施形態を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、方法は、改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に(c)治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含む第2のトランスポゾン組成物を導入するステップであり、改変T細胞は治療用タンパク質を発現することができるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、治療用タンパク質は分泌型タンパク質であり、方法によって治療用タンパク質を分泌することができる改変T細胞が作製される。ある特定の実施形態では、(b)のトランスポザーゼ組成物は、(a)のトランスポゾンおよび(c)のトランスポゾンで転移が生じる。ある特定の実施形態では、この方法は、初代ヒトT細胞に(d)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含む第2のトランスポザーゼ組成物を導入するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、第2のトランスポザーゼ組成物は、(c)のトランスポゾンで転移が生じる。ある特定の実施形態では、(b)のトランスポザーゼ組成物は、(a)のトランスポゾンで転移が生じ、(d)のトランスポザーゼ組成物は、(c)のトランスポゾンで転移が生じる。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列を有するプラスミドDNAトランスポゾンである。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Tol2トランスポゾンである。トランスポゾンがTol2トランスポゾンである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。
本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であって、(a)複数の改変T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞に、抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップと、(b)複数の活性化された改変T細胞を作製するために、複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化因子組成物を接触させるステップとを含み、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも25%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%または99%が幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される、方法を提供する。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であって、(a)複数の改変T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞に、抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップと、(b)複数の活性化された改変T細胞を作製するために、複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化因子組成物を接触させるステップとを含み、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される、方法を提供する。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、活性化された改変TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、活性化された改変TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。
(a)初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップと、(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップとを含む改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する本開示の方法のある特定の実施形態では、(b)のT細胞活性化組成物は、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体をさらに含む。ある特定の実施形態では、この方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、活性化された改変T細胞と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%が、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する。この方法のある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも60%が、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、この方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、この方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも60%含む組成物を作製するステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の富化された改変T細胞から幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することを含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の増大した富化された改変TSCMを作製するために、単離された改変TSCMと、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸および約1mg/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。
本開示は、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法であり、(a)初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化された改変T細胞は、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによってセントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。本開示は、複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法であり、(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化された改変T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも25%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも50%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも60%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも75%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも80%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも85%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも90%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化された改変T細胞を作製し、ここで、複数の活性化された改変T細胞の少なくとも95%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。ある特定の実施形態では、活性化された改変TCMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。
(a)初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップを含む改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する本開示の方法のある特定の実施形態では、(b)のT細胞活性化組成物は、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体をさらに含む。ある特定の実施形態では、この方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、活性化された改変T細胞と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する。この方法のある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも60%が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、この方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、この方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも60%含む組成物を作製するステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の富化された改変T細胞からセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することを含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の増大した富化された改変TCMを作製するために、単離された改変TCMと、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸および約1mg/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。
本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製する方法であり、(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製するステップを含む方法を提供し、複数の活性化された改変TSCMは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現し、複数の活性化された改変TCMは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現し、それによって複数の改変TSCMおよび複数の改変TCMを含む組成物が作製される。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占める。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製するステップを含む複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製する本開示の方法のある特定の実施形態では、(b)のT細胞活性化組成物は、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体をさらに含む。ある特定の実施形態では、この方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、組成物、複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)をヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物と接触させるステップであり、複数の増大した改変TSCMは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現し、複数の増大した改変TCMは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現し、それによって、複数の増大した改変TSCMおよび複数の増大した改変TCMを含む組成物が作製されるステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の富化された改変T細胞から幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離すること、または複数の富化された改変T細胞からセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することを含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の富化された改変T細胞からを単離すること幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞、および複数の富化された改変T細胞からセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することを含む。この方法のある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の増大した富化された改変TSCMおよび複数の増大した富化された改変TCMを含む組成物を作製するために、単離された改変TSCMおよび単離された改変TCMを含む組成物をヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物と接触させるステップをさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸および約1mg/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数をさらに含む。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占める。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、1つまたは複数の抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体を含むT細胞活性化組成物とを接触させるステップを含む方法を含む本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、導入するステップは、相同組換えを含む。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物を複数のT細胞の少なくとも1つの初代T細胞のゲノム配列と接触させる。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物を複数のT細胞の初代T細胞の一部のゲノム配列と接触させる。ある特定の実施形態では、初代T細胞の一部は、複数のT細胞内の初代T細胞の総数の少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率である。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物を複数のT細胞の各初代T細胞のゲノム配列と接触させる。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物により一本鎖切断が誘導される。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物により二本鎖切断が誘導される。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、導入ステップは、ドナー配列組成物をさらに含む。ある特定の実施形態では、ドナー配列組成物は、抗原受容体をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、ドナー配列組成物は、抗原受容体をコードする配列、5’ゲノム配列および3’ゲノム配列を含み、ここで、5’ゲノム配列は、ゲノム編集組成物によって誘導される切断点に対して5’側にある、初代T細胞のゲノム配列と相同または同一であり、3’ゲノム配列は、ゲノム編集組成物によって誘導される切断点に対して3’側にある、初代T細胞のゲノム配列に相同または同一である。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物およびドナー配列組成物をゲノム配列に同時にまたは逐次的に接触させる。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物およびドナー配列組成物をゲノム配列と逐次的に接触させ、ゲノム編集組成物を最初にもたらす。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物は、DNA結合性ドメインをコードする配列およびヌクレアーゼドメインをコードする配列を含む。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物は、DNA結合性ドメインおよびヌクレアーゼドメインを含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、ガイドRNA(gRNA)を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、TALENのDNA結合ドメインを含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、ZFNのDNA結合ドメインを含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、Cas9ヌクレアーゼまたはその配列を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、不活性Cas9(配列番号33、10位におけるアラニン(A)のアスパラギン酸(D)による置換(D10A)、および840位におけるアラニン(A)のヒスチジン(H)による置換(H840A)を含む)を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、短い不活性Cas9(配列番号32、10位におけるアラニン(A)のアスパラギン酸(D)による置換(D10A)および540位におけるアラニン(A)のアスパラギン(N)による置換(N540A)を含む)を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、IIS型エンドヌクレアーゼを含む、またはさらに含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、BfiI、MboII、Acc36I、FokIまたはClo051を含む。ある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、Clo051を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、TALENまたはそのヌクレアーゼドメインを含むかまたはこれをさらに含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、ZFNまたはそのヌクレアーゼドメインを含むかまたはこれをさらに含む。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物によりゲノム配列内の切断を誘導し、初代T細胞の内因性DNA修復機構を使用してドナー配列組成物を挿入する。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ドナー配列組成物の挿入によりゲノム編集組成物のDNA結合性部位が排除され、それにより、ゲノム編集組成物のさらなる活性が妨げられる。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させるステップを含む方法を含む本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、RNAウイルスから単離された、それに由来するまたはそこから組換えられた1つまたは複数の配列を含む。ある特定の実施形態では、RNAウイルスは、単鎖または二本鎖ウイルスである。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、DNAウイルスから単離された、それに由来するまたはそこから組換えられた1つまたは複数の配列を含む。ある特定の実施形態では、DNAウイルスは、単鎖または二本鎖ウイルスである。ある特定の実施形態では、ウイルスは、複製欠損である。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させるステップを含む方法を含む本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルスから単離されたまたはこれに由来する配列を含む。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、レンチウイルスから単離されたまたはこれに由来する配列を含む。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させるステップを含む方法を含む本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルスから単離されたまたはこれに由来する配列を含む。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、ガンマレトロウイルスから単離されたまたはこれに由来する配列を含む。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させるステップを含む方法を含む本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離されたまたはこれに由来する配列を含む。ある特定の実施形態では、AAVは、血清型のAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10またはAAV11である。ある特定の実施形態では、AAVは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10またはAAV11の1つまたは複数からの配列を含む。ある特定の実施形態では、AAVは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10またはAAV11の1つまたは複数から単離された、それに由来するまたは組換えられた配列を含む。ある特定の実施形態では、AAVは、AAV2から単離された、それに由来するまたは組換えられた配列を含む。ベクターが血液脳関門(BBB)を横切る実施形態を含むある特定の実施形態では、AAVは、AAV9から単離された、それに由来するまたは組換えられた配列を含む。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスとしては、これだけに限定されないが、自己相補的AAV(scAAV)および1つの血清型のゲノムおよび別の血清型のカプシドを含有するAAVハイブリッド(例えば、AAV2/5、AAV−DJおよびAAV−DJ8)が挙げられる。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスとしては、これだけに限定されないが、rAAV−LK03、rAAV−NP59およびrAAV−NP84が挙げられる。
本開示の活性化改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、核酸ベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、DNAベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、mRNAベクターは、抗原受容体を含む。ある特定の実施形態では、核酸ベクターは、プラスミドまたはミニサークルベクターである。
本開示の活性化改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、抗原受容体を含む。ナノ粒子は、例えば、国際特許公開第WO2012/094679号、国際特許公開第WO2016/022805号、国際特許公開第WO/2011/133635号、国際特許公開第WO/2016/090111号、国際特許公開第WO/2017/004498号、同第WO/2017/004509号、国際特許出願第PCT/US2017/030271号、米国特許第6,835,394号、米国特許第7,217,427号、および米国特許第7,867,512号に開示されているポリマーで構成されるものであってよい。
本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、抗原受容体は、T細胞受容体である。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在する。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在しない。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、野生型T細胞受容体と比較して1つまたは複数の突然変異を含む。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、組換えT細胞受容体である。この方法のある特定の実施形態では、抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。ある特定の実施形態では、CARは、CARTyrinである。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたは複数のVHH配列を含む。ある特定の実施形態では、CARは、VCARである。
(a)複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入して複数の改変T細胞を作製するステップであり、ここで抗原受容体または治療用タンパク質がトランスポゾン中に含有されていない、ステップ、および(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させるステップを含む方法を含む本開示の活性化された改変TSCMまたはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、方法は、治療用タンパク質を発現することができる改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に治療用タンパク質を含む組成物を導入するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、治療用タンパク質は分泌型タンパク質であり、方法によって、治療用タンパク質を分泌することができる改変T細胞が作製される。ある特定の実施形態では、導入するステップは、相同組換えを含み、ドナー配列は、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、抗原受容体を含むドナー配列は、治療用タンパク質をさらに含む。ある特定の実施形態では、第1のドナー配列は抗原受容体を含み、第2のドナー配列は、治療用タンパク質を含む。ある特定の実施形態では、ベクターは、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。ある特定の実施形態では、ベクターは、ナノ粒子である。ある特定の実施形態では、抗原受容体を含むベクターは、治療用タンパク質をさらに含む。ある特定の実施形態では、第1のベクターは抗原受容体を含み、第2のベクター鋳型は、治療用タンパク質を含む。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化された改変−T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって、改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)複数の改変T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化された改変T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、複数の活性化された改変−T細胞の少なくとも25%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%または99%が幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって、改変幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。この方法のある特定の実施形態では、複数の活性化された改変−T細胞の少なくとも60%は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する。この方法のある特定の実施形態では、(b)のT細胞活性化組成物は、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体をさらに含む。本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)CAR−T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)CAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化されたCAR−T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによってCAR発現幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)複数のCAR−T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)複数のCAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって、複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、活性化された改変T細胞と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、ここで、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%が、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数を含むかまたはこれをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも60%が、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも60%含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の富化された改変T細胞から幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の増大した富化された改変TSCMを作製するために、単離された改変TSCMと、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)のうちの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/
kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。
本開示は、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法であり、(a)改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化された改変−T細胞は、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。本開示は、複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法であり、(a)複数の改変T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)複数の改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化された改変T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、複数の活性化された改変−T細胞の少なくとも25%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%または99%はセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。この方法のある特定の実施形態では、複数の活性化された改変−T細胞の少なくとも60%は、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する。この方法のある特定の実施形態では、(b)のT細胞活性化組成物は、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体をさらに含む。ある特定の実施形態では、方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、活性化された改変T細胞と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数を含むかまたはこれをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)のうちの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞の少なくとも60%が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、方法、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、方法は、(d)複数の増大した改変T細胞を富化させて、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも60%含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の富化された改変T細胞からセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の増大した富化された改変TCMを作製するために、単離された改変TCMと、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)のうちの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。
本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製する方法であり、(a)複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製するために、複数の初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)組成物と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化された改変幹メモリーT細胞(TSCM)および複数の活性化された改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を含む組成物を作製するステップを含む方法を提供し、複数の活性化された改変TSCMがCD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現し、複数の活性化された改変TCMがCD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現し、それによって、複数の改変TSCMおよび複数の改変TCMを含む組成物が作製される。この方法のある特定の実施形態では、(b)のT細胞活性化組成物は、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体をさらに含む。ある特定の実施形態では、方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、組成物と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、複数の増大した改変T細胞を含む組成物の少なくとも2%が、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、方法は、(c)複数の増大した改変T細胞を作製するために、組成物と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、複数の増大した改変T細胞を含む組成物の少なくとも2%が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数を含むかまたはこれをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)のうちの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変TSCMおよび複数の増大した改変TCMを含む組成物の細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変TSCMおよび複数の増大した改変TCMを含む組成物の細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、方法は、(d)組成物を富化させて、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、方法は、(d)組成物を富化させて、セントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む組成物を作製するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、組成物から幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離すること、または組成物からセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、から幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離すること、および組成物からセントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現する改変T細胞を単離することをさらに含む。ある特定の実施形態では、富化させるステップは、複数の増大した富化された改変TSCMおよび/またはTCMを含む組成物を作製するために、単離された改変TSCMおよび/またはTCMと、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)のうちの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの
濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数のうち少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率の細胞を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも90%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも10%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも80%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも20%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも70%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも30%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも60%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも40%を占める。この方法のある特定の実施形態では、改変幹メモリーT細胞(TSCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占め、改変セントラルメモリーT細胞(TCM)は、組成物の細胞の総数の少なくとも50%を占める。
方法が、初代ヒトT細胞に導入するステップ、(a)改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップを含む実施形態を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、方法は、改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に(c)治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含む第2のトランスポゾン組成物を導入するステップであり、ここで、改変T細胞は治療用タンパク質を発現することができるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、治療用タンパク質は分泌型タンパク質であり、方法によって、治療用タンパク質を分泌することができる改変T細胞が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、トランスポザーゼ組成物を導入するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ組成物は、(a)のトランスポゾンおよび第2のトランスポゾンで転移する。ある特定の実施形態では、方法は、第1のトランスポザーゼ組成物および第2のトランスポザーゼ組成物を導入するステップを含む。方法が、第1のトランスポザーゼ組成物および第2のトランスポザーゼ組成物を導入するステップを含む実施形態を含むある特定の実施形態では、第1のトランスポザーゼ組成物は、(a)のトランスポゾンで転移し、第2のトランスポザーゼ組成物は、第2のトランスポゾンで転移する。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列を有するプラスミドDNAトランスポゾンである。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。この方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Tol2トランスポゾンである。トランスポゾンがTol2トランスポゾンである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。
方法が、初代ヒトT細胞に導入するステップ、(a)改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に抗原受容体を含む組成物を導入するステップであり、トランスポゾンが抗原受容体を含む、ステップと、(b)改変T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化された改変T細胞を作製するステップを含む実施形態を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、方法は、改変T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞に治療用タンパク質をコードする配列を導入するステップであり、ここで、改変T細胞は治療用タンパク質を発現することができるステップをさらに含む。治療用タンパク質をコードする配列を導入するステップのある特定の実施形態では、導入するステップは、相同組換えを含む。治療用タンパク質をコードする配列を導入するステップのある特定の実施形態では、ベクターは、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。ある特定の実施形態では、ベクターは、ナノ粒子である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、導入するステップは、ゲノム編集構築物を含む組成物をさらに含む。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、ガイドRNAおよびクラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)関連タンパク質9(Cas9)DNAエンドヌクレアーゼを含む。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、DNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、融合タンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、DNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼをコードし、発現されるDNA結合ドメインおよび発現されるIIS型エンドヌクレアーゼは、非共有結合的に連結されている。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、DNA結合ドメインである。Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列がDNA結合ドメインである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、不活性Cas9をコードする。Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列がDNA結合ドメインである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、短縮型Cas9をコードする。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、10位におけるアラニン(A)のアスパラギン酸(D)によるアミノ酸置換(D10A)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、840位におけるアラニン(A)のヒスチジン(H)によるアミノ酸置換(H840A)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、dCas9(配列番号33)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、580位におけるアラニン(A)のアスパラギン(N)によるアミノ酸置換(N580A)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、dSaCas9(配列番号32)を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)に由来する配列を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、TALENに由来する配列は、DNA結合ドメインである。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、TALENを含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)に由来する配列を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ZFNに由来する配列は、DNA結合ドメインである。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列を有するプラスミドDNAトランスポゾンである。この方法のある特定の実施形態では、導入するステップは、トランスポザーゼをコードするmRNA配列を含む組成物をさらに含む。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。ある特定の実施形態、特に、トランスポザーゼがSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである実施形態では、トランスポザーゼをコードする配列は、mRNA配列である。ある特定の実施形態では、piggyBacトランスポザーゼは、配列番号4を含むアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、piggyBacトランスポザーゼが過剰活性バリアントであり、過剰活性バリアントが、配列番号4の30位、165位、282位および538位の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を含む。ある特定の実施形態では、配列番号4の30位のアミノ酸置換は、バリン(V)のイソロイシン(I)(I30V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の165位のアミノ酸置換は、セリン(S)のグリシン(G)(G165S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の282位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)(M282V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の538位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアスパラギン(N)(N538K)による置換である。ある特定の実施形態では、Super piggyBac(SPB)トランスポザーゼは、配列番号5を含むアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Tol2トランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがTol2トランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。ある特定の実施形態では、トランスポザーゼをコードする配列は、mRNA配列である。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは任意の種に由来するまたはそこから組換えられてもよい。代替的にまたは追加で、トランスポゾンは、合成トランスポゾンであり得る。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、選択遺伝子をさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、選択剤をさらに含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、抗原受容体は、T細胞受容体である。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在する。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在しない。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、野生型T細胞受容体と比較して1つまたは複数の突然変異を含む。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、組換えT細胞受容体である。この方法のある特定の実施形態では、抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。ある特定の実施形態では、CARは、CARTyrinである。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたは複数のVHH配列を含む。ある特定の実施形態では、CARは、VCARである。
本開示の方法のある特定の実施形態では、改変TSCMの細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、改変TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、改変TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞は、ナイーブT細胞(改変TN)を含み、CAR−TNの細胞表面マーカーは、CD45RA、CCR7およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞は、セントラルメモリーT細胞(改変TCM)を含み、CAR−TCMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞は、エフェクターメモリーT細胞(改変TEM)を含み、CAR−TEMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞は、エフェクターT細胞(改変TEFF)を含み、CAR−TEFFの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞は、セントラルメモリーT細胞(改変TCM)を含み、CAR−TCMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞におけるもっとも豊富なT細胞は、セントラルメモリーT細胞(改変TCM)であり、CAR−TCMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。複数の増大した改変T細胞におけるもっとも豊富なT細胞がセントラルメモリーT細胞(改変TCM)であるある特定の実施形態では、複数の増大した改変T細胞は、TSCM細胞を含み、TSCM細胞の細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)CAR−T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)CAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化されたCAR−T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによってCAR発現幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)複数のCAR−T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)複数のCAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD2単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、活性化されたCAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、活性化されたCAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)CAR−T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)CAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化されたCAR−T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによってCAR発現幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)が作製される。
本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)複数のCAR−T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)複数のCAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、活性化されたCAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、活性化されたCAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。
ある特定の実施形態では、この方法は、(c)複数の増大したCAR−T細胞を作製するために、活性化されたCAR−T細胞と、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物とを接触させるステップであり、複数の増大したCAR−T細胞の少なくとも2%が幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現するステップをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)のうちの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)の細胞表面マーカーを発現する。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の細胞表面マーカーを発現するCAR−T細胞(CAR−TSCM)について富化させることができ、そうすることで富化させるステップの後、方法は、幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)の細胞表面マーカーを発現するCAR−T細胞を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率含む富化された組成物を作製し得る。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、CAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、ナイーブT細胞(CAR−TN)を含み、CAR−TNの細胞表面マーカーは、CD45RA、CCR7およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、セントラルメモリーT細胞(CAR−TCM)を含み、CAR−TCMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、エフェクターメモリーT細胞(CAR−TEM)を含み、CAR−TEMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、エフェクターT細胞(CAR−TEFF)を含み、CAR−TEFFの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。追加の細胞表面マーカーは、Gattinoniら(Nat Med.2011 Sep 18;17(10):1290−7;その内容は、その全体が参考として本明細書に援用される)に記載される。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)CAR−T細胞を作製するために、初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)CAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、活性化されたCAR−T細胞は、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによってCAR発現幹メモリーT細胞(TSCM)(CAR−TSCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)を作製する方法であり、(a)複数のCAR−T細胞を作製するために、複数の初代ヒトT細胞にキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップ、および(b)複数のCAR−T細胞と、抗ヒトCD3単一特異的な四量体の抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異的な四量体の抗体複合体および活性化補充物質の1つまたは複数を含むT細胞活性化組成物とを接触させて複数の活性化されたCAR−T細胞を作製するステップを含む方法を提供し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率が、幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって、複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも25%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも50%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも60%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法は、複数の活性化されたCAR−T細胞を作製し、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも75%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法によって、複数の活性化されたCAR−T細胞が作製され、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも80%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法によって、複数の活性化されたCAR−T細胞が作製され、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも85%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法によって、複数の活性化されたCAR−T細胞が作製され、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも90%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、方法によって、複数の活性化されたCAR−T細胞が作製され、ここで、複数の活性化されたCAR−T細胞の少なくとも95%は幹メモリーT細胞(TSCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって複数の活性化されたCAR幹メモリーT細胞(TSCM)が作製される。ある特定の実施形態では、細胞表面マーカーは、CD62LおよびCD45RAを含む。ある特定の実施形態では、活性化されたCAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、活性化されたCAR−TSCMの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、ナイーブT細胞(CAR−TN)を含み、CAR−TNの細胞表面マーカーは、CD45RA、CCR7およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、セントラルメモリーT細胞(CAR−TCM)を含み、CAR−TCMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、エフェクターメモリーT細胞(CAR−TEM)を含み、CAR−TEMの細胞表面マーカーは、CD45RO、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、複数の増大したCAR−T細胞は、エフェクターT細胞(CAR−TEFF)を含み、CAR−TEFFの細胞表面マーカーは、CD45RA、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、本開示のキメラ抗原受容体(CAR)を含む。トランスポゾンは、2つのシス調節性インスレーターエレメントに挟まれたCARをコードする配列を有するプラスミドDNAトランスポゾンであってよい。ある特定の好ましい実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態では、本開示のキメラ抗原受容体(CAR)を含む組成物を導入するステップは、トランスポザーゼをコードするmRNA配列を含む組成物を導入することをさらに含み得る。ある特定の好ましい実施形態では、トランスポザーゼは、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。
ある特定の実施形態では、本開示のトランスポゾンは、選択遺伝子をさらに含み得る。本開示のトランスポゾンが選択遺伝子を含む場合、本開示の方法のT細胞増大組成物は、本開示の活性化または改変T細胞を同時に選択し、増大させるために、選択剤をさらに含み得る。
ある特定の実施形態では、本開示のCARは、CARTyrinであり得る。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたは複数のVHH配列を含む。ある特定の実施形態では、CARは、VCARである。
本開示の改変TSCMを作製する方法のある特定の実施形態では、導入するステップは、電気穿孔またはヌクレオフェクションを含み得る。導入するステップが、ヌクレオフェクションを含む場合、ヌクレオフェクションは、(a)トランスポゾン組成物、トランスポザーゼ組成物、および複数の初代ヒトT細胞を含む組成物をキュベット中で接触させるステップと、(b)キュベットに1つまたは複数の電気パルスを印加するステップと、(c)複数の初代ヒトT細胞を含む組成物を、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含むT細胞増大組成物を含む組成物中、37℃でインキュベートするステップとを含み得る。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、ニコチンアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸ヒドラジド、オレアミド、ステロールおよびアルカンの1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、T細胞増大組成物は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールを含む。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、トランスポゾン組成物は、ヌクレアーゼ不含水を含む0.5μg/μl溶液であり、キュベットは2μlのトランスポゾン組成物を含み、1μgのトランスポゾンを生じる。トランスポゾン組成物は、piggyBacトランスポゾンを含み得る。トランスポゾン組成物は、Sleeping Beautyトランスポゾンを含み得る。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、トランスポザーゼ組成物は、5μgのトランスポザーゼを含む。トランスポザーゼ組成物は、過剰活性piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼを含み得る。トランスポザーゼ組成物は、過剰活性Sleeping Beauty(SB100X)トランスポザーゼを含み得る。ある特定の実施形態では、トランスポゾンはHelraiserトランスポゾンを含んでもよく、トランスポザーゼ組成物は、Helitronトランスポザーゼを含み得る。ある特定の実施形態では、トランスポゾンはTol2トランスポゾンを含んでもよく、トランスポザーゼ組成物は、Tol2トランスポザーゼを含む。
導入するステップがヌクレオフェクションまたは電気穿孔を含む実施形態を含めた本開示の方法のある特定の実施形態では、ヌクレオフェクションは、第1のトランスポゾン組成物および第1のトランスポザーゼ組成物および複数の初代ヒトT細胞を含む組成物をキュベット中で接触させることを含む。導入するステップがヌクレオフェクションまたは電気穿孔を含む実施形態を含めた本開示の方法のある特定の実施形態では、ヌクレオフェクションは、第1のトランスポゾン組成物、第2のトランスポゾン組成物、第1のトランスポザーゼ組成物および複数の初代ヒトT細胞を含む組成物をキュベット中で接触させることを含む。導入するステップがヌクレオフェクションまたは電気穿孔を含む実施形態を含めた本開示の方法のある特定の実施形態では、ヌクレオフェクションは、第1のトランスポゾン組成物、第2のトランスポゾン組成物、第1のトランスポザーゼ組成物、第2のトランスポザーゼ組成物および複数の初代ヒトT細胞を含む組成物をキュベット中で接触させることを含む。ある特定の実施形態では、第1のトランスポゾンは、抗原受容体をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、第2のトランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、第1のトランスポゾン組成物と第2のトランスポゾン組成物は同一である。ある特定の実施形態では、第1のトランスポゾン組成物と第2のトランスポゾン組成物は同一ではない。ある特定の実施形態では、第1のトランスポザーゼにより、第1のトランスポゾン組成物および第2のトランスポゾン組成物が移動する。ある特定の実施形態では、第1のトランスポザーゼにより、第1のトランスポゾン組成物が移動するが、第2のトランスポゾン組成物は移動しない。ある特定の実施形態では、第2のトランスポザーゼにより、第2のトランスポゾン組成物が移動するが、第1のトランスポゾン組成物は移動しない。ある特定の実施形態では、第1のトランスポザーゼにより、第1のトランスポゾン組成物が移動し、第2のトランスポザーゼにより、第2のトランスポゾン組成物が移動する。ある特定の実施形態では、第1のトランスポゾン組成物または第2のトランスポゾン組成物は、抗原受容体をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、第1のトランスポゾン組成物または第2のトランスポゾン組成物は、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、第1のトランスポゾン組成物は、抗原受容体をコードする配列を含み、第2のトランスポゾン組成物は、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、治療用タンパク質は、分泌型または分泌可能なタンパク質である。導入するステップがヌクレオフェクションまたは電気穿孔を含む実施形態を含めた本開示の方法のある特定の実施形態では、ヌクレオフェクションは、トランスポゾン組成物、第1のトランスポザーゼ組成物、第2のトランスポザーゼ組成物および複数の初代ヒトT細胞を含む組成物をキュベット中で接触させることを含む。ある特定の実施形態では、トランスポゾン組成物は、抗原受容体をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、トランスポゾン組成物は、治療用タンパク質をコードする配列を含む。導入するステップがヌクレオフェクションまたは電気穿孔を含む実施形態を含めた本開示の方法のある特定の実施形態では、ヌクレオフェクションは、ゲノム内の特定の部位において相同組換えを誘導することが可能な組成物を複数の初代ヒトT細胞を含む組成物とキュベット中で接触させることをさらに含む。ある特定の実施形態では、相同組換えを誘導することが可能な組成物は、外因性ドナー分子を含む。ある特定の実施形態では、外因性ドナー分子は、抗原受容体をコードする配列を含み、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、外因性ドナー分子は、治療用タンパク質をコードする配列を含み、トランスポゾンは、抗原受容体をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、トランスポゾンを含む組成物、トランスポザーゼを含む組成物、およびゲノム内の特定の部位において相同組換えを誘導することが可能な組成物を、複数の初代ヒトT細胞を含む組成物と同時に接触させる。ある特定の実施形態では、第1に、トランスポゾンを含む組成物およびトランスポザーゼを含む組成物を複数の初代ヒトT細胞を含む組成物と接触させ、第2に、ゲノム内の特定の部位において相同組換えを誘導することが可能な組成物を複数の初代ヒトT細胞を含む組成物と接触させる。ある特定の実施形態では、第1に、ゲノム内の特定の部位において相同組換えを誘導することが可能な組成物を複数の初代ヒトT細胞を含む組成物と接触させ、第2に、トランスポゾンを含む組成物およびトランスポザーゼを含む組成物を複数の初代ヒトT細胞を含む組成物と接触させる。本開示の改変TSCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞を含む組成物は、初代ヒトT細胞の細胞生存能力のレベルおよび/または幹様表現型を維持または増強する緩衝液を含む。ある特定の実施形態では、ヌクレオフェクションの前に、緩衝液により初代ヒトT細胞の細胞生存能力のレベルおよび/または幹様表現型を維持または増強する。ある特定の実施形態では、ヌクレオフェクション中に、緩衝液により初代ヒトT細胞の細胞生存能力のレベルおよび/または幹様表現型を維持または増強する。ある特定の実施形態では、ヌクレオフェクション後に、緩衝液により初代ヒトT細胞の細胞生存能力のレベルおよび/または幹様表現型を維持または増強する。ある特定の実施形態では、緩衝液は、P3初代細胞溶液(Lonza)を含む。ある特定の実施形態では、緩衝液は、KCl、MgCl2、ClNa、グルコースおよびCa(NO3)2の1つまたは複数を任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含み、任意選択で、緩衝液は、HEPES、Tris/HCl、およびリン酸緩衝液からなる群から選択される補充物質をさらに含む。ある特定の実施形態では、緩衝液は、5mMのKCl、15mMのMgCl2、90mMのClNa、10mMのグルコースおよび0.4mMのCa(NO3)2を含む。ある特定の実施形態では、緩衝液は、5mMのKCl、15mMのMgCl2、90mMのClNa、10mMのグルコースおよび0.4mMのCa(NO3)2、ならびに20mMのHEPESおよび75mMのTris/HClを含む補充物質を含む。ある特定の実施形態では、緩衝液は、5mMのKCl、15mMのMgCl2、90mMのClNa、10mMのグルコースおよび0.4mMのCa(NO3)2、ならびに40mMのNa2HPO4/NaH2PO4、pH7.2を含む補充物質を含む。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞を含む組成物は、緩衝液100μlおよび細胞5×106個〜25×106個を含む。
本開示の改変TSCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞を含む組成物で、CD14、CD56、および/またはCD19を発現する細胞が枯渇している。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞を含む組成物は、緩衝液100μlおよび細胞5×106個〜25×106個を含む。
本明細書で使用される「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含む培地、37℃と互換的に使用することができる。その代わりに、またはそれに加えて、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、リン、オクタン脂肪酸、パルミチン脂肪酸、リノール脂肪酸およびオレイン酸の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、培地は、例えば、イスコフ改変ダルベッコ培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)((IMDM);ThermoFisher ScientificにおいてCatalog number12440053で入手可能)に見ることができる量の10倍の量のリンを含む。
本明細書で使用される「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含む培地、37℃と互換的に使用することができる。その代わりに、またはそれに加えて、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、以下の要素:ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、およびカルシウムの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、対応する平均濃度で存在する以下の要素: ホウ素、3.7mg/L、ナトリウム、3000mg/L、マグネシウム、18mg/L、リン、29mg/L、カリウム、15mg/Lおよびカルシウム、4mg/Lの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含む培地、37℃と互換的に使用することができる。その代わりに、またはそれに加えて、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、以下の成分:オクタン酸(CAS No.124−07−2)、ニコチンアミド(CAS No.98−92−0)、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)(CAS No.126−86−3)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)(CAS No.6938−94−9)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド(CAS No.3622−84−2)、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル(CAS No.84−69−5)、パルミチン酸(CAS No.57−10−3)、リノール酸(CAS No.60−33−3)、オレイン酸(CAS No.112−80−1)、ステアリン酸ヒドラジド(CAS No.4130−54−5)、オレアミド(CAS No.3322−62−1)、ステロール(例えば、コレステロール)(CAS No.57−88−5)、およびアルカン(例えば、ノナデカン)(CAS No.629−92−5)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、以下の成分:オクタン酸(CAS No.124−07−2)、ニコチンアミド(CAS No.98−92−0)、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)(CAS No.126−86−3)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)(CAS No.6938−94−9)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド(CAS No.3622−84−2)、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル(CAS No.84−69−5)、パルミチン酸(CAS No.57−10−3)、リノール酸(CAS No.60−33−3)、オレイン酸(CAS No.112−80−1)、ステアリン酸ヒドラジド(CAS No.4130−54−5)、オレアミド(CAS No.3322−62−1)、ステロール(例えば、コレステロール)(CAS No.57−88−5)、アルカン(例えば、ノナデカン)(CAS No.629−92−5)、およびフェノールレッド(CAS No.143−74−8)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、以下の成分:オクタン酸(CAS No.124−07−2)、ニコチンアミド(CAS No.98−92−0)、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(TMDD)(CAS No.126−86−3)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)(CAS No.6938−94−9)、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド(CAS No.3622−84−2)、1,2−ベンゼンジカルボン酸、ビス(2−メチルプロピル)エステル(CAS No.84−69−5)、パルミチン酸(CAS No.57−10−3)、リノール酸(CAS No.60−33−3)、オレイン酸(CAS No.112−80−1)、ステアリン酸ヒドラジド(CAS No.4130−54−5)、オレアミド(CAS No.3322−62−1)、フェノールレッド(CAS No.143−74−8)およびラノリンアルコールの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含む培地、37℃と互換的に使用することができる。その代わりに、またはそれに加えて、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、以下のイオン:ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩化物イオン、硫酸およびリン酸の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、イスコフMDM、および増大補充物質の1つまたは複数を含む培地、37℃と互換的に使用することができる。代替的にまたは追加で、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、以下の遊離アミノ酸:ヒスチジン、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、トレオニン、アラニン、プロリン、システイン、リシン、チロシン、メチオニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニンおよびトリプトファンの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、対応する平均モル百分率で以下の遊離アミノ酸:ヒスチジン(約1%)、アスパラギン(約0.5%)、セリン(約1.5%)、グルタミン(約67%)、アルギニン(約1.5%)、グリシン(約1.5%)、アスパラギン酸(約1%)、グルタミン酸(約2%)、トレオニン(約2%)、アラニン(約1%)、プロリン(約1.5%)、システイン(約1.5%)、リシン(約3%)、チロシン(約1.5%)、メチオニン(約1%)、バリン(約3.5%)、イソロイシン(約3%)、ロイシン(約3.5%)、フェニルアラニン(約1.5%)およびトリプトファン(約0.5%)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、対応する平均モル百分率で以下の遊離アミノ酸:ヒスチジン(約.78%)、アスパラギン(約0.4%)、セリン(約1.6%)、グルタミン(約67.01%)、アルギニン(約1.67%)、グリシン(約1.72%)、アスパラギン酸(約1.00%)、グルタミン酸(約1.93%)、トレオニン(約2.38%)、アラニン(約1.11%)、プロリン(約1.49%)、システイン(約1.65%)、リシン(約2.84%)、チロシン(約1.62%)、メチオニン(約0.85%)、バリン(約3.45%)、イソロイシン(約3.14%)、ロイシン(約3.3%)、フェニルアラニン(約1.64%)およびトリプトファン(約0.37%)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、オクタン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸およびステロール(例えば、コレステロール)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、端点を含め0.9mg/kg〜90mg/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.2mg/kg〜20mg/kgの濃度のオレイン酸;および端点を含め約0.1mg/kg〜10mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、約9mg/kgの濃度のオクタン酸、約2mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2mg/kgの濃度のリノール酸、約2mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、約2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および約1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、9.19mg/kgの濃度のオクタン酸、1.86mg/kgの濃度のパルミチン酸、2.12mg/kgの濃度のリノール酸、約2.13mg/kgの濃度のオレイン酸、および1.01mg/kgの濃度のステロール(mg/kg=百万分率)の1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、端点を含め6.4μmol/kg〜640μmol/kgの濃度のオクタン酸;端点を含め0.7μmol/kg〜70μmol/kgの濃度のパルミチン酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のリノール酸;端点を含め0.75μmol/kg〜75μmol/kgの濃度のオレイン酸;端点を含め0.25μmol/kg〜25μmol/kgの濃度のおよびステロールの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、約64μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.5μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.5μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.5μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、約7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および約2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。ある特定の実施形態では、「補充されたT細胞増大組成物」または「T細胞増大組成物」という用語は、約63.75μmol/kgの濃度のオクタン酸、約7.27μmol/kgの濃度のパルミチン酸、約7.57μmol/kgの濃度のリノール酸、7.56μmol/kgの濃度のオレイン酸および2.61μmol/kgの濃度のステロールの1つまたは複数を含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「P3緩衝液」という用語は、KCl、MgCl2、ClNa、グルコースおよびCa(NO3)2の1つまたは複数を任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含み、任意選択で、HEPES、Tris/HCl、およびリン酸緩衝液からなる群から選択される補充物質をさらに含む緩衝液と互換的に使用することができる。「P3緩衝液」という用語は、5mMのKCl、15mMのMgCl2、90mMのClNa、10mMのグルコースおよび0.4mMのCa(NO3)2を含み、任意選択で、HEPES、Tris/HCl、およびリン酸緩衝液からなる群から選択される補充物質をさらに含む緩衝液と互換的に使用することができる。「P3緩衝液」という用語は、5mMのKCl、15mMのMgCl2、90mMのClNa、10mMのグルコースおよび0.4mMのCa(NO3)2および20mMのHEPESおよび75mMのTris/HClを含む補充物質を含む緩衝液と互換的に使用することができる。「P3緩衝液」という用語は、5mMのKCl、15mMのMgCl2、90mMのClNa、10mMのグルコースおよび0.4mMのCa(NO3)2および40mMのNa2HPO4/NaH2PO4、pH7.2を含む補充物質を含む緩衝液と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「補充されたRPMI−1640培地」または「T細胞馴化培地(TCCM)」という用語は、水、ウシ胎仔血清、HEPES、ピルビン酸ナトリウム、1つまたは複数の非必須アミノ酸、フェノールレッド指示薬、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム(無水)、L−アラニル−L−グルタミン、L−アルギニン、L−アスパラギン(無水)、L−アスパラギン酸、L−システイン2HCl、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、ヒドロキシ−L−プロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシンHCl、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン 2Na 2H2O、L−バリン、D−ビオチン、塩化コリン、葉酸、ミオイノシトール、ナイアシンアミド、p−アミノ安息香酸、D−パントテン酸(ヘミカルシウム)、ピリドキシンHCl、リボフラビン、チアミンHCl、ビタミンB12、D−グルコース、グルタチオン(還元型)、L−グルタミンおよび2−メルカプトエタノールの1つまたは複数を任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含む培地と互換的に使用することができる。「補充されたRPMI−1640培地」または「T細胞馴化培地(TCCM)」という用語は、水、ウシ胎仔血清、HEPES、ピルビン酸ナトリウム、1つまたは複数の非必須アミノ酸、フェノールレッド指示薬、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム(無水)、L−アラニル−L−グルタミン、L−アルギニン、L−アスパラギン(無水)、L−アスパラギン酸、L−システイン2HCl、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、ヒドロキシ−L−プロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシンHCl、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン2Na2H2O、L−バリン、D−ビオチン、塩化コリン、葉酸、ミオイノシトール、ナイアシンアミド、p−アミノ安息香酸、D−パントテン酸(ヘミカルシウム)、ピリドキシンHCl、リボフラビン、チアミンHCl、ビタミンB12、D−グルコース、グルタチオン(還元型)、L−グルタミンおよび2−メルカプトエタノールを任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「補充されたAIM−V」または「補充されたAIMV」培地という用語は、水、ヒト血清アルブミン、ストレプトマイシン硫酸塩、ゲンタマイシン、ウシ胎仔血清、HEPES、ピルビン酸ナトリウム、1つまたは複数の非必須アミノ酸、フェノールレッド指示薬、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム(無水)、L−アラニル−L−グルタミン、L−アルギニン、L−アスパラギン(無水)、L−アスパラギン酸、L−システイン2HCl、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、ヒドロキシ−L−プロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシンHCl、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン 2Na 2H2O、L−バリン、D−ビオチン、塩化コリン、葉酸、ミオイノシトール、ナイアシンアミド、p−アミノ安息香酸、D−パントテン酸(ヘミカルシウム)、ピリドキシンHCl、リボフラビン、チアミンHCl、ビタミンB12、D−グルコース、グルタチオン(還元型)、L−グルタミンおよび2−メルカプトエタノールの1つまたは複数を任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含む培地と互換的に使用することができる。「補充されたAIM−V」または「補充されたAIMV」培地という用語は、水、ヒト血清アルブミン、ストレプトマイシン硫酸塩、ゲンタマイシン、ウシ胎仔血清、HEPES、ピルビン酸ナトリウム、1つまたは複数の非必須アミノ酸、フェノールレッド指示薬、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム(無水)、L−アラニル−L−グルタミン、L−アルギニン、L−アスパラギン(無水)、L−アスパラギン酸、L−システイン2HCl、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、ヒドロキシ−L−プロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシンHCl、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン2Na2H2O、L−バリン、D−ビオチン、塩化コリン、葉酸、ミオイノシトール、ナイアシンアミド、p−アミノ安息香酸、D−パントテン酸(ヘミカルシウム)、ピリドキシンHCl、リボフラビン、チアミンHCl、ビタミンB12、D−グルコース、グルタチオン(還元型)、L−グルタミンおよび2−メルカプトエタノールを任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含む培地と互換的に使用することができる。
本明細書で使用される「ImmunoCult(商標)培地」という用語は、水、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、L−グルタミン、フェノールレッド、グリシン、L−アラニン、L−アルギニン塩酸塩、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン2HCl、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジン塩酸塩H20、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン塩酸塩、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン二ナトリウム塩、L−バリン、ビオチン、塩化コリン、D−パントテン酸カルシウム、葉酸、ナイアシンアミド、塩酸ピリドキサール、リボフラビン、チアミン塩酸塩、ビタミンB12、i−イノシトール、塩化カルシウム(無水)、硫酸マグネシウム(無水)、塩化カリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、一塩基リン酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、D−グルコース、HEPESおよびピルビン酸ナトリウムの1つまたは複数を任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含む培地と互換的に使用することができる。「ImmunoCult(商標)培地」という用語は、水、ヒト血清アルブミン、組換えヒトインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、L−グルタミン、フェノールレッド、グリシン、L−アラニン、L−アルギニン塩酸塩、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン2HCl、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジン塩酸塩H20、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン塩酸塩、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン二ナトリウム塩、L−バリン、ビオチン、塩化コリン、D−パントテン酸カルシウム、葉酸、ナイアシンアミド、塩酸ピリドキサール、リボフラビン、チアミン塩酸塩、ビタミンB12、i−イノシトール、塩化カルシウム(無水)、硫酸マグネシウム(無水)、塩化カリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、一塩基リン酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、D−グルコース、HEPESおよびピルビン酸ナトリウムを任意の絶対的または相対的存在量または濃度で含む培地と互換的に使用することができる。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを含めた本開示の改変T細胞を、手順の方法の任意のステップにおいて、PI3K経路の1つまたは複数のインヒビター成分を含む成長培地と共にインキュベートする、培養する、成長させる、保管する、または他のやり方で合わせることができる。PI3K経路の例示的なインヒビター成分としては、これだけに限定されないが、TWS119(GSK 3BインヒビターXIIとしても公知;CAS番号601514−19−6、化学式C18H14N4O2を有する)などのGSK3βインヒビターが挙げられる。PI3K経路の例示的なインヒビター成分としては、これだけに限定されないが、bb007(BLUEBIRDBIO(商標))が挙げられる。
本明細書で使用される「電気穿孔」および「ヌクレオフェクション」という用語は、本開示の核酸、トランスポゾン、ベクターまたは組成物を、電気パルスを供給して細胞膜(細胞膜、核膜、もしくは両方)が本開示の核酸、トランスポゾン、ベクターまたは組成物に対して透過性になるようにまたはより透過性になるように誘導することによって細胞に送達するための代替手段を記載することが意図されている。
ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、当該方法を1つまたは複数のキュベット中で同時に実施する。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、当該方法を2つのキュベット中で同時に実施する。臨床的または商業的適用のためにより大きな規模で実施されるプロセスに関しては、例えば、ヌクレオフェクションを、大きな体積カセットで多くの手順を同時に行いながら実施することができる。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、インキュベートするステップは、複数の初代ヒトT細胞を含む組成物を、予め温めたT細胞増大組成物中でインキュベートすることを含む。インキュベーションステップの期間は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、またはこれらの間の任意の時間数/部分であり得る。インキュベーションステップの期間は、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間または7日間またはこれらの間の任意の日数/部分であり得る。インキュベーションステップの期間は、少なくとも1週間であり得る。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、インキュベーションステップの期間は2日間である。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、適用ステップは、以下のプログラム、EI−115、EI−151、EI−156、EI−158、EG−115、EG−142、EG−151、ES−115、ES−151、EO−151、EO−148、EO−156、EO−210、EO−213、およびFI−156の1つまたは複数を適用することを含み得る。ある特定の実施形態では、適用ステップは、以下のプログラム、EI−115、EI−151、EI−156、EI−158、EG−115、EG−142、EG−151、ES−115、ES−151、EO−151、EO−148、EO−156、EO−210、EO−213、およびFI−156の1つもしくは複数、または各パルスが同じ持続時間および強度を有する同数の電気パルスならびに実質的に同様の中間パルス持続時間をもたらすプログラムを適用することを含み得る。ある特定の実施形態では、適用ステップは、これだけに限定されないが、Lonza Amaxa、MaxCyte technology、BTX PulseAgile、およびBioRad GenePulserを含めた公知の電気穿孔/ヌクレオフェクションデバイスを使用して実施することができる。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、適用ステップは、少なくとも1つの電気パルスを適用することを含み得る。ヌクレオフェクションのある特定の実施形態では、適用ステップは、細胞の細胞膜および/または核膜を本開示の組成物に対して透過性になるように誘導するために十分な少なくとも1つの電気パルスを適用することを含み得る。
本明細書に提示される量は、例示的であり、限定するものではないが、これらの量の間の関係(例えば、比または相対的な存在量)を使用して、本明細書において例示されている方法をより大きな規模のプロセスおよび製造のために修正することができる。
本開示の改変T細胞(例えば、TSCMおよび/またはTCM)を作製する方法のある特定の実施形態では、活性化補充物質は、1つまたは複数のサイトカインを含む。1つまたは複数のサイトカインは、リンホカインが挙げられるがこれに限定されない任意のサイトカインを含み得る。例示的なリンホカインとして、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−21(IL−21)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)およびインターフェロン−ガンマ(INFγ)が挙げられるがこれに限定されない。1つまたは複数のサイトカインは、IL−2を含み得る。
本開示の改変T細胞(例えば、TSCMおよび/またはTCM)を作製する方法のある特定の実施形態では、増大補充物質は、1つまたは複数のサイトカインを含む。1つまたは複数のサイトカインは、リンホカインが挙げられるがこれに限定されない任意のサイトカインを含み得る。例示的なリンホカインとして、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−21(IL−21)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)およびインターフェロン−ガンマ(INFγ)が挙げられるがこれに限定されない。1つまたは複数のサイトカインは、IL−2を含み得る。
本開示の改変T細胞(例えば、TSCMおよび/またはTCM)を作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、ナイーブT細胞である。ナイーブT細胞は、CD45RA、CCR7およびCD62Lを発現し得る。ある特定の実施形態では、方法は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはこれらの間の任意の百分率のナイーブT細胞を含む細胞集団に適用される。ある特定の実施形態では、本開示の改変TSCMおよび/またはTCMの作製の効率を、本開示の方法を適用する細胞集団内のナイーブT細胞の割合または百分率を上昇させることによって上昇させることができる。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、メモリーT細胞である。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現する。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞はナイーブT細胞(改変TN)であり、改変TNは、CD45RA、CCR7およびCD62Lの1つまたは複数を発現する。本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は改変TSCMTメモリー幹細胞(改変TSCM)であり、改変TSCMは、CD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現する。本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞はセントラルメモリーT細胞(改変TCM)であり、改変TCMは、CD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現する。本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞はエフェクターメモリーT細胞(改変TEM)であり、改変TEMは、CD45RO、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現する。本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞はエフェクターT細胞(改変TEFF)であり、改変TEFFは、CD45RA、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現する。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、CD4および/またはCD8を発現し得る。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、CD4および/またはCD8を種々の比で発現し得る。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、天然に存在しないCD4および/またはCD8を種々の比で発現し得る。ある特定の実施形態では、天然に存在しない可能性があるCD4および/またはCD8を種々の比で発現する初代ヒトT細胞は、異種細胞集団である。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCMを作製する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、例えば、全血、末梢血、臍帯血(umbilical cord blood)、リンパ液、リンパ節組織、骨髄、および脳脊髄液(CSF)から単離する、調製するまたは引き出すことができる。「末梢血」という用語は、本明細書で使用される場合、血液の循環プールから得られたまたは調製され、リンパ系、脾臓、肝臓または骨髄内に隔離されていない血液の細胞成分(例えば、赤血球、白血球および血小板)を指す。臍帯血(umbilical cord blood)は、末梢血およびリンパ系、脾臓、肝臓または骨髄内に隔離されている血液とは別個である。「臍帯血(umbilical cord blood)」、「臍帯血(umbilical blood)」または「臍帯血(cord blood)」という用語は、互換的に使用することができ、出産後に胎盤内に留まり、臍帯に付着している血液を指す。臍帯血(cord blood)は、多くの場合、造血細胞を含めた幹細胞を含有する。
本開示の初代ヒトT細胞は、汎T細胞を含み得る。本明細書で使用される汎T細胞は、生体試料から、亜型、活性化の状態、成熟化の状態、または細胞表面マーカーの発現による選別を伴わずに単離された全てのTリンパ球を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、方法は、改変TSCMまたはTCM細胞にゲノム編集構築物または組成物を含む組成物を導入するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、ガイドRNAおよびクラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)(CRISPR)関連タンパク質9(Cas9)DNAエンドヌクレアーゼを含む。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、DNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、融合タンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、DNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼをコードし、発現されるDNA結合ドメインおよび発現されるIIS型エンドヌクレアーゼは、非共有結合的に連結されている。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、DNA結合ドメインである。Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列がDNA結合ドメインである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、不活性Cas9をコードする。Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列がDNA結合ドメインである実施形態を含め、ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、短縮型Cas9をコードする。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、10位におけるアラニン(A)のアスパラギン酸(D)によるアミノ酸置換(D10A)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、840位におけるアラニン(A)のヒスチジン(H)によるアミノ酸置換(H840A)を含むかまたはこれをさらに含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、不活性化されたCas9(dCas9)(配列番号33)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、580位におけるアラニン(A)のアスパラギン(N)によるアミノ酸置換(N580A)を含む。ある特定の実施形態では、Cas9エンドヌクレアーゼに由来する配列は、短縮型かつ不活性化されたCas9(dSaCas9)(配列番号32)を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)に由来する配列を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、TALENに由来する配列は、DNA結合ドメインである。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、TALENを含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)に由来する配列を含む。ゲノム編集構築物がDNA結合ドメインおよびIIS型エンドヌクレアーゼを含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、ZFNに由来する配列は、DNA結合ドメインである。ある特定の実施形態では、ゲノム編集構築物は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を含む。
本開示の改変TSCMおよび/またはTCM細胞を作出する方法は、より多くの数またはより大きな割合の改変TSCMおよび/またはTCM細胞が作製されるように最適化することができる。例えば、本開示の方法に供される細胞の集団を、増加した数またはより大きな割合のナイーブT細胞が含有されるように富化することができる。本開示の方法に供されるT細胞の集団内のナイーブT細胞の数および/または割合が増大するにしたがって、作製される本開示の改変TSCMおよび/またはTCM細胞の数および/または割合も増大する。その代わりに、またはそれに加えて、開示の方法を先に行うのに必要な時間の長さまたは持続時間が減少するにしたがって、当該方法によって作製される本開示の改変TSCMおよび/またはTCM細胞の数および/または割合が増大する。開示の方法を先に行うのに必要な時間の長さもしくは持続時間、または「製造期間」は、本開示の方法に供されるT細胞の「アウトオブライフ(out−of−life)期間」とも称することができる。
本開示の改変T細胞を作出する方法のある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、CD62L、CD45RA、CD28、CCR7、CD127、CD45RO、CD95、CD95およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現する。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、ナイーブT細胞(TN)であり、TNはCD45RA、CCR7およびCD62Lの1つまたは複数を発現する。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、Tメモリー幹細胞(TSCM)であり、TSCMはCD45RA、CD95、IL−2Rβ、CR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現する。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、セントラルメモリーT細胞(TCM)であり、TCMはCD45RO、CD95、IL−2Rβ、CCR7、およびCD62Lの1つまたは複数を発現する。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、エフェクターメモリーT細胞(TEM)であり、EMはCD45RO、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現する。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、エフェクターT細胞(TEFF)であり、TEFFはCD45RA、CD95、およびIL−2Rβの1つまたは複数を発現する。ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞は、CD4および/またはCD8を発現する。
本開示は、本開示の方法で作製された改変TSCMを含む組成物を提供する。本開示は、本開示の方法で作製された改変TCMを含む組成物を提供する。本開示は、本開示の方法で作製された改変TSCMおよび改変TCMを含む組成物を提供する。本開示の方法によって作製された改変TSCMおよび改変TCMを含む組成物のある特定の実施形態では、複数のTSCMは、組成物の少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%を占め得る。本開示の方法によって作製された改変TSCMおよび改変TCMを含む組成物のある特定の実施形態では、複数のTCMは、組成物の少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%を占め得る。
本開示は、それを必要とする対象を処置するための医薬を製造するための、本開示の方法で作製された改変TSCMおよび/またはTCMを含む組成物の使用を提供する。この使用のある特定の実施形態では、改変TSCMおよび/またはTCMは自己由来である。この使用のある特定の実施形態では、改変TSCMおよび/またはTCMは同種異系である。ある特定の実施形態では、抗原受容体は、T細胞受容体である。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在する。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在しない。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、野生型T細胞受容体と比較して1つまたは複数の突然変異を含む。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、組換えT細胞受容体である。ある特定の実施形態では、抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。ある特定の実施形態では、CARは、CARTyrinである。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたは複数のVHH配列を含む。ある特定の実施形態では、CARは、VCARである。
本開示は、それを必要とする対象における疾患または障害を処置するための方法であって、本開示の方法で作製された改変TSCMおよび/またはTCMを含む治療有効量の組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。この方法のある特定の実施形態では、改変TSCMおよび/またはTCMは自己由来である。この方法のある特定の実施形態では、改変TSCMおよび/またはTCMは同種異系である。ある特定の実施形態では、抗原受容体は、T細胞受容体である。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在する。ある特定の実施形態では、T細胞受容体は天然に存在しない。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、野生型T細胞受容体と比較して1つまたは複数の突然変異を含む。ある特定の実施形態、特に、T細胞受容体が天然に存在しない実施形態では、T細胞受容体は、組換えT細胞受容体である。ある特定の実施形態では、抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。ある特定の実施形態では、CARは、CARTyrinである。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたは複数のVHH配列を含む。ある特定の実施形態では、CARは、VCARである。この方法のある特定の実施形態では、疾患または障害は、がんであり、抗原受容体は、がん抗原を特異的に標的とする。この方法のある特定の実施形態では、疾患または障害は、感染性疾患または障害であり、抗原受容体は、ウイルス抗原、細菌抗原、酵母抗原または微生物抗原を特異的に標的とする。ある特定の実施形態では、疾患または障害は、分泌型タンパク質の活性が欠如していることまたは量が不十分であることによって引き起こされる疾患または障害である。ある特定の実施形態では、疾患または障害は、治療用タンパク質の活性を置き換えることによって、または治療用タンパク質の量を増加させることによって処置される疾患または障害である。ある特定の実施形態では、治療用タンパク質は、分泌タンパク質である。ある特定の実施形態では、体の局所領域内の分泌型タンパク質の活性が欠如しているまたはその量が不十分である。ある特定の実施形態では、体の局所領域は、ネイティブなT細胞または改変T細胞によって接近可能である。ある特定の実施形態では、改変T細胞は、in vivo、ex vivo、in vitroまたはin situで作製される。
詳細な説明
本開示は、ヒトキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を、piggyBac(商標)Transposon Systemを使用し、強力なCAR活性を有する幹細胞メモリーT細胞(TSCM)(本明細書では、CAR−TSCMと称される)が保存または誘導される条件下で作製するための方法を提供する。本開示の方法を使用して作製されたCAR−TSCMを含む組成物は、≧60%のCAR−TSCMを含み、このT細胞サブセットと一致する別個の機能的プロファイルを示す。本開示の組成物中に見出される他のT細胞サブセットとしては、これだけに限定されないが、セントラルメモリーCAR−T細胞(CAR−TCM)、エフェクターメモリーCAR−T細胞(CAR−TEM)、エフェクターCAR−T細胞(CAR−TE)、および高分化型エフェクターCAR−T細胞(CAR−TTE)が挙げられる。TNが親前駆細胞であり、TSCMを直接生じさせ、次いで、今度はそれがTCMを直接生じさせるなどの分化の直線的経路:ナイーブT細胞(TN)>TSCM>TCM>TEM>TE>TTEがこれらの細胞の生成に関与し得る。本開示のCAR−TSCM、CARTyrin−TSCMおよび/またはVCAR−TSCMを含む組成物は、各親CAR−T細胞サブセットの1つまたは複数を含み得、CAR−TSCMが最も豊富である(例えば、TSCM>TCM>TEM>TE>TTE)。各親T細胞サブセットの絶対的な分量/存在量および相対的な割合は、患者血液の試料および天然に存在する細胞集団の間で変動し得、天然に存在する細胞集団はTSCMの存在量および/または割合が高い可能性があり、疾患およびがんに対する患者の処置では天然に存在しないCAR−TSCMを含む本開示の組成物がより強力かつ効果的である。
キメラ−抗原受容体(CAR)−T細胞を使用する免疫療法は、がん療法に関する刺激的な治療手法として浮上しつつある。腫瘍関連抗原(Ag)を標的とする自己由来CAR−改変T細胞により、頑強な腫瘍死滅をもたらすことでき、一部の場合では、CD19+血液悪性腫瘍の完全寛解がもたらされる。従来の生物学的製剤および化学療法薬とは異なり、CAR−T細胞は、Agが認識されると急速に再生する能力を有し、それにより、処置を繰り返す必要性が潜在的になくなる。これを実現するために、CAR−T細胞は、最初に腫瘍破壊を駆動するだけでなく、潜在的ながん再発を予防するために患者において生存可能なメモリーT細胞の安定な集団として持続されなければならない。したがって、Ag非依存性(トニック)シグナル伝達を通じたT細胞疲弊を引き起こさないCAR分子、ならびに、初期メモリー細胞、特に、幹細胞メモリー(TSCM)を含有するCAR−T製品の開発に集中的な試みの焦点が当てられている。幹細胞様CAR−Tは、自己再生の最大能力およびセントラルメモリーT細胞(TCM)、エフェクターメモリーT細胞(TEM)およびエフェクターT細胞(TE)を引き出す多分化能を示し、それにより、より良好な腫瘍の根絶および長期間にわたるCAR−Tの生着が生じる。
本開示のCAR−TSCMは、CARTyrinと称される、センチリンに基づくCARを含み得る(したがって、当該細胞は、CARTyrin−TSCMと称することができる)。センチリンは、ヒトコンセンサステネイシンFN3ドメインに基づく代替足場分子であり、scFv分子よりも小さく、安定性に好都合な単量体性に関して選択することができ、また、CAR分子におけるトニックシグナル伝達の可能性を低下させる。本開示のCARTyrinは、不適切な遺伝子活性化またはサイレンシングを遮断することによってCARTyrin発現を安定化するのに役立つように2つのシス調節性インスレーターエレメントに挟まれたCARTyrinをコードするプラスミドDNAトランスポゾンを使用してT細胞に導入することができる。
本開示のCAR−TSCMは、VCARと称される、VHHに基づくCARを含み得る(したがって、当該細胞は、VCAR−TSCMと称することができる)。本開示のVCARは、不適切な遺伝子活性化またはサイレンシングを遮断することによってVHH発現を安定化するのに役立つように2つのシス調節性インスレーターエレメントに挟まれたVHHをコードするプラスミドDNAトランスポゾンを使用してT細胞に導入することができる。
本開示の方法のある特定の実施形態では、抗原特異的CARTyrinまたはVCAR(がん抗原特異的CARTyrinまたはVCARを含む)を休止状態の汎T細胞に安定に組み込むために、単一の電気穿孔反応でトランスポゾンがmRNAトランスポザーゼ酵素と共送達される(トランスポゾンとトランスポザーゼは、それらが細胞に導入されるまで別々の組成物中に含まれるにもかかわらず)、Super piggyBac(商標)(SPB)と称されるpiggyBac(商標)(PB)Transposon Systemを使用することができる。もとのままの休止状態の初代ヒト汎T細胞へのpiggyBac(商標)トランスポゾンの送達の結果、20〜30%の細胞が、PBにより送達された遺伝子の安定な組み込みおよび発現を伴った。予想外に、大多数のこれらの改変CARTyrin発現T細胞が幹メモリーT細胞(stem memory T−cell)(TSCM細胞)に一般に関連付けられるマーカーであるCD62LおよびCD45RAの発現について陽性であった。この表現型がCAR−T細胞の刺激および増大の際に保持されたことを確認するために、CD62LおよびCD45RAの発現について陽性の改変CARTyrin発現T細胞を、CD3およびCD28による刺激によって活性化した。CD3およびCD28による刺激の結果として、CARTyrin+T細胞の>60%が幹細胞メモリー表現型を示した。さらに、がん抗原に対して特異的なCARTyrinを発現したこれらの細胞は、強力な抗腫瘍エフェクター機能を発現することが十分に可能であった。
PB系が幹様マーカーの発現の増強に直接寄与するか否かを決定するために、PBによる転移またはレンチウイルスによる(LV)形質導入のいずれかによって生成したCAR−T細胞の表現型を比較した。これを行うために、CARTyrin導入遺伝子をウイルス産生のための共通のLV構築物にサブクローニングすることによって新しいベクターを構築した。CARTyrinをもとのままの休止状態のT細胞にPBによる転移またはLVによる形質導入によって導入した後、CARTyrin+細胞を増大させ、次いで、休止状態に戻した。メモリーおよび疲弊関連マーカーの動態解析、恒常性サイトカインまたは腫瘍関連Agに応答した二次的な増殖、サイトカイン産生、および標的腫瘍細胞に応答した溶解能を含めた、種々の表現型特性および機能特性を測定した。PBによる転移を行ったCARTyrin+T細胞とは異なり、LVによる形質導入を行ったCARTyrin+T細胞では、メモリー表現型の強化が示されなかった。さらに、PBによる転移を行った細胞は、二次的な増殖および標的腫瘍細胞の死滅に関して同等またはより大きな能力を示した。まとめると、これらのデータから、PBによる転移によって作製されたCAR−T細胞が、主に、CAR−T分野で高度に望ましい製品表現型であるTSCM細胞であることが実証される。さらに、これらのCARTyrin+T細胞は、強力な抗腫瘍活性を示し、また、トニックシグナル伝達および機能的疲弊を起こしにくい可能性がある、センチリンに基づくCARの使用に起因してin vivoにおいてより長く持続する細胞を生じさせることができる。
キメラ抗原受容体
本開示は、(a)抗原認識領域を含む外部ドメインであって、抗原認識領域が、抗原に特異的に結合する1つまたは複数の配列を含む、外部ドメイン;(b)膜貫通ドメイン、および(c)少なくとも1つの共刺激ドメインを含むエンドドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、二重特異性またはタンデムCARが生じるように、それぞれ抗原に特異的に結合する2つの配列を含み得る。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、三重特異性CARが生じるように、それぞれ抗原に特異的に結合する3つの配列を含み得る。ある特定の実施形態では、外部ドメインは、シグナルペプチドをさらに含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、外部ドメインは、抗原認識領域と膜貫通ドメインの間にヒンジをさらに含み得る。それぞれが抗原に特異的に結合する配列としては、これだけに限定されないが、単鎖抗体(例えば、scFv)、抗体の1つまたは複数の断片を含む配列(例えば、VHH、CARに関してはVCARと称される)、抗体模倣物、およびセンチリン(CARに関してはCARTyrinと称される)を挙げることができる。
本開示のCARのある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、ヒトCD2、CD3δ、CD3ε、CD3γ、CD3ζ、CD4、CD8α、CD19、CD28、4−1BBまたはGM−CSFRシグナルペプチドをコードする配列を含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、ヒトCD8αシグナルペプチドをコードする配列を含み得る。ヒトCD8αシグナルペプチドは、MALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号8)を含むアミノ酸配列を含み得る。ヒトCD8αシグナルペプチドは、MALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号8)を含むアミノ酸配列またはMALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号8)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。ヒトCD8αシグナルペプチドは、atggcactgccagtcaccgccctgctgctgcctctggctctgctgctgcacgcagctagacca(配列番号9)を含む核酸配列によりコードされ得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、ヒトCD2、CD3δ、CD3ε、CD3γ、CD3ζ、CD4、CD8α、CD19、CD28、4−1BBまたはGM−CSFR膜貫通ドメインをコードする配列を含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、ヒトCD8α膜貫通ドメインをコードする配列を含み得る。CD8α膜貫通ドメインは、IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC(配列番号10)を含むアミノ酸配列またはIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC(配列番号10)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。CD8α膜貫通ドメインは、atctacatttgggcaccactggccgggacctgtggagtgctgctgctgagcctggtcatcacactgtactgc(配列番号11)を含む核酸配列によりコードされ得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、エンドドメインは、ヒトCD3ζエンドドメインを含み得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、少なくとも1つの共刺激ドメインは、ヒト4−1BB、CD28、CD40、ICOS、MyD88、OX−40細胞内セグメント、またはそれらの任意の組合せを含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、少なくとも1つの共刺激ドメインは、CD28および/または4−1BB共刺激ドメインを含み得る。CD28共刺激ドメインは、RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR(配列番号12)を含むアミノ酸配列またはRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR(配列番号12)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。CD28共刺激ドメインは、cgcgtgaagtttagtcgatcagcagatgccccagcttacaaacagggacagaaccagctgtataacgagctgaatctgggccgccgagaggaatatgacgtgctggataagcggagaggacgcgaccccgaaatgggaggcaagcccaggcgcaaaaaccctcaggaaggcctgtataacgagctgcagaaggacaaaatggcagaagcctattctgagatcggcatgaagggggagcgacggagaggcaaagggcacgatgggctgtaccagggactgagcaccgccacaaaggacacctatgatgctctgcatatgcaggcactgcctccaagg(配列番号13)を含む核酸配列によりコードされ得る。4−1BB共刺激ドメインは、KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL(配列番号14)を含むアミノ酸配列またはKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL(配列番号14)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。4−1BB共刺激ドメインは、aagagaggcaggaagaaactgctgtatattttcaaacagcccttcatgcgccccgtgcagactacccaggaggaagacgggtgctcctgtcgattccctgaggaagaggaaggcgggtgtgagctg(配列番号15)を含む核酸配列によりコードされ得る。4−1BB共刺激ドメインは、膜貫通ドメインとCD28共刺激ドメインの間に位置し得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、ヒンジは、ヒトCD8α、IgG4、および/またはCD4配列に由来する配列を含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、ヒンジは、ヒトCD8α配列に由来する配列を含み得る。ヒンジは、TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD(配列番号16)を含むヒトCD8αアミノ酸配列またはTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD(配列番号16)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。ヒトCD8αヒンジアミノ酸配列は、actaccacaccagcacctagaccaccaactccagctccaaccatcgcgagtcagcccctgagtctgagacctgaggcctgcaggccagctgcaggaggagctgtgcacaccaggggcctggacttcgcctgcgac(配列番号17)を含む核酸配列によりコードされ得る。
本開示は、本開示のCARおよび少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
本開示は、本開示のCARを含むトランスポゾンを提供する。本開示のトランスポゾンは、エピソームとして維持されるまたは組換え/改変細胞のゲノム中に組み込まれる。トランスポゾンは、非ウイルス性遺伝子移入を増強するためにトランスポゾンおよびトランスポザーゼを利用する2成分piggyBac系の一部であり得る。
本開示のトランスポゾンは、トランスポゾンを発現する細胞を同定、富化および/または単離するための選択遺伝子を含み得る。例示的な選択遺伝子は、細胞の生存能力および生存に必須の任意の遺伝子産物(例えば、転写物、タンパク質、酵素)をコードする。例示的な選択遺伝子は、選択遺伝子によりコードされる遺伝子産物の非存在下では細胞が感受性である(または細胞に対して致死的であり得る)薬物による攻撃に対する耐性を付与するために必須の任意の遺伝子産物(例えば、転写物、タンパク質、酵素)をコードする。例示的な選択遺伝子は、選択遺伝子の非存在下で細胞の生存能力および/または生存に必須の1つまたは複数の栄養分を欠く細胞培地中での生存能力および/または生存に必須の任意の遺伝子産物(例えば、転写物、タンパク質、酵素)をコードする。例示的な選択遺伝子としては、これだけに限定されないが、neo(ネオマイシンに対する耐性を付与する)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、TYMS(チミジル酸シンテターゼをコードする)、MGMT(O(6)−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼをコードする)、多剤耐性遺伝子(MDR1)、ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA1をコードする)、FRANCF、RAD51C(RAD51パラログCをコードする)、GCS(グルコシルセラミドシンターゼをコードする)、およびNKX2.2(NK2ホメオボックス2をコードする)が挙げられる。
本開示のトランスポゾンは、例えば、本開示の抗原および選択遺伝子に特異的に結合する配列の1つまたは複数の間に位置する、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含み得る。少なくとも1つの自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示のトランスポゾンは、第1の自己切断性ペプチドおよび第2の自己切断性ペプチドを含む場合があり、第1の自己切断性ペプチドは、例えば、本開示の抗原に特異的に結合する配列の1つまたは複数の上流に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、例えば、本開示の抗原に特異的に結合する配列の1つまたは複数の下流に位置する。第1のおよび/または第2の自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号023)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示は、本開示のトランスポゾンを含む組成物を提供する。ある特定の実施形態では、組成物を導入する方法は、トランスポザーゼ酵素をコードする配列を含むプラスミドを含む組成物をさらに含み得る。トランスポザーゼ酵素をコードする配列は、mRNA配列であり得る。
本開示のトランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンを含み得る。本開示のトランスポザーゼ酵素は、piggyBacトランスポザーゼまたは適合する酵素を含み得る。
本開示は、本開示のCARを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。ベクターは、組換えベクターであり得る。
本開示のウイルスベクターは、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスまたはそれらの任意の組合せから単離されたまたはそれに由来する配列を含み得る。ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離されたまたはそれに由来する配列を含み得る。ウイルスベクターは、組換えAAV(rAAV)を含み得る。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、抗原に特異的に結合する配列の1つまたは複数の隣にシスで位置する、2つまたはそれよりも多くの末端逆位配列(ITR)配列を含む。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、全ての血清型(例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9)を含むが、これだけに限定されない。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、自己相補的AAV(scAAV)および1つの血清型のゲノムおよび別の血清型のカプシドを含有するAAVハイブリッド(例えば、AAV2/5、AAV−DJおよびAAV−DJ8)を含むが、これだけに限定されない。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、rAAV−LK03を含むが、これだけに限定されない。
本開示のウイルスベクターは、選択遺伝子を含み得る。選択遺伝子は、細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択遺伝子は、選択的な細胞培養条件による攻撃時に細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択的な細胞培養条件は、細胞の生存能力または生存に対して有害な化合物を含み得、遺伝子産物により当該化合物に対する耐性が付与される。本開示の例示的な選択遺伝子としては、これだけに限定されないが、neo(ネオマイシンに対する耐性を付与する)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、TYMS(チミジル酸シンテターゼをコードする)、MGMT(O(6)−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼをコードする)、多剤耐性遺伝子(MDR1)、ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA1をコードする)、FRANCF、RAD51C(RAD51パラログCをコードする)、GCS(グルコシルセラミドシンターゼをコードする)、NKX2.2(NK2ホメオボックス2をコードする)またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。
本開示のウイルスベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含み得る。一部の実施形態では、ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで自己切断性ペプチドは、CARと選択遺伝子との間に位置する。一部の実施形態では、ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARの上流に位置す、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流に位置する。自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示は、本開示のCARを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、ベクターは、mRNAベクターである。ベクターは、組換えmRNAベクターであり得る。本開示のT細胞は、T細胞と本開示のCARを含むmRNAベクターを接触させる前に増大させることができる。次いで、mRNAベクターを含むT細胞、改変T細胞を対象に投与することができる。
本開示は、本開示のCARを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、ベクターは、ナノ粒子である。本開示の例示的なナノ粒子ベクターとしては、これだけに限定されないが、核酸(例えば、RNA、DNA、合成ヌクレオチド、修飾ヌクレオチドまたはそれらの任意の組合せ)、アミノ酸(L−アミノ酸、D−アミノ酸、合成アミノ酸、修飾アミノ酸、またはそれらの任意の組合せ)、ポリマー(例えば、ポリマーソーム(polymersome))、ミセル、脂質(例えば、リポソーム)、有機分子(例えば、炭素原子、シート、線維、チューブ)、無機分子(例えば、リン酸カルシウムまたは金)またはそれらの任意の組合せが挙げられる。ナノ粒子ベクターは、細胞膜をわたって受動的にまたは能動的に輸送することができる。
本開示のナノ粒子ベクターは、選択遺伝子を含み得る。選択遺伝子は、細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択遺伝子は、選択的な細胞培養条件による攻撃時に細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択的な細胞培養条件は、細胞の生存能力または生存に対して有害な化合物を含み得、遺伝子産物により当該化合物に対する耐性が付与される。本開示の例示的な選択遺伝子としては、これだけに限定されないが、neo(ネオマイシンに対する耐性を付与する)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、TYMS(チミジル酸シンテターゼをコードする)、MGMT(O(6)−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼをコードする)、多剤耐性遺伝子(MDR1)、ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA1をコードする)、FRANCF、RAD51C(RAD51パラログCをコードする)、GCS(グルコシルセラミドシンターゼをコードする)、NKX2.2(NK2ホメオボックス2をコードする)またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。
本開示のナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含み得る。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで自己切断性ペプチドは、CARとナノ粒子との間に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARの上流に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARとナノ粒子との間に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARとナノ粒子との間に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流、例えば、CARおよび選択遺伝子の間に位置する。自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示は、本開示のベクターを含む組成物を提供する。
CARTyrin
本開示は、(a)抗原認識領域を含む外部ドメインであって、抗原認識領域が、少なくとも1つのセンチリンを含む、外部ドメイン;(b)膜貫通ドメイン、および(c)少なくとも1つの共刺激ドメインを含むエンドドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。本開示全体を通して使用される、センチリンを含むCARは、CARTyrinと称される。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、二重特異性またはタンデムCARが生じるように、2つのセンチリンを含み得る。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、三重特異性CARが生じるように、3つのセンチリンを含み得る。ある特定の実施形態では、外部ドメインは、シグナルペプチドをさらに含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、外部ドメインは、抗原認識領域と膜貫通ドメインの間にヒンジをさらに含み得る。
本開示は、(a)抗原認識領域を含む外部ドメインであって、抗原認識領域が、少なくとも1つのタンパク質足場または抗体模倣物を含む、外部ドメイン;(b)膜貫通ドメイン、および(c)少なくとも1つの共刺激ドメインを含むエンドドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、二重特異性またはタンデムCARが生じるように、2つのタンパク質足場または抗体模倣物を含み得る。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、三重特異性CARが生じるように、3つのタンパク質足場または抗体模倣物を含み得る。ある特定の実施形態では、外部ドメインは、シグナルペプチドをさらに含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、外部ドメインは、抗原認識領域と膜貫通ドメインの間にヒンジをさらに含み得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、ヒトCD2、CD3δ、CD3ε、CD3γ、CD3ζ、CD4、CD8α、CD19、CD28、4−1BBまたはGM−CSFRシグナルペプチドをコードする配列を含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、ヒトCD8αシグナルペプチドをコードする配列を含み得る。ヒトCD8αシグナルペプチドは、MALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号8)を含むアミノ酸配列を含み得る。ヒトCD8αシグナルペプチドは、MALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号8)を含むアミノ酸配列またはMALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号8)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。ヒトCD8αシグナルペプチドは、atggcactgccagtcaccgccctgctgctgcctctggctctgctgctgcacgcagctagacca(配列番号9)を含む核酸配列によりコードされ得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、ヒトCD2、CD3δ、CD3ε、CD3γ、CD3ζ、CD4、CD8α、CD19、CD28、4−1BBまたはGM−CSFR膜貫通ドメインをコードする配列を含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、ヒトCD8α膜貫通ドメインをコードする配列を含み得る。CD8α膜貫通ドメインは、IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC(配列番号10)を含むアミノ酸配列またはIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC(配列番号10)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。CD8α膜貫通ドメインは、atctacatttgggcaccactggccgggacctgtggagtgctgctgctgagcctggtcatcacactgtactgc(配列番号11)を含む核酸配列によりコードされ得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、エンドドメインは、ヒトCD3ζエンドドメインを含み得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、少なくとも1つの共刺激ドメインは、ヒト4−1BB、CD28、CD40、ICOS、MyD88、OX−40細胞内セグメント、またはそれらの任意の組合せを含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、少なくとも1つの共刺激ドメインは、CD28および/または4−1BB共刺激ドメインを含み得る。CD28共刺激ドメインは、RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR(配列番号12)を含むアミノ酸配列またはRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR(配列番号12)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。CD28共刺激ドメインは、cgcgtgaagtttagtcgatcagcagatgccccagcttacaaacagggacagaaccagctgtataacgagctgaatctgggccgccgagaggaatatgacgtgctggataagcggagaggacgcgaccccgaaatgggaggcaagcccaggcgcaaaaaccctcaggaaggcctgtataacgagctgcagaaggacaaaatggcagaagcctattctgagatcggcatgaagggggagcgacggagaggcaaagggcacgatgggctgtaccagggactgagcaccgccacaaaggacacctatgatgctctgcatatgcaggcactgcctccaagg(配列番号13)を含む核酸配列によりコードされ得る。4−1BB共刺激ドメインは、KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL(配列番号14)を含むアミノ酸配列またはKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL(配列番号14)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。4−1BB共刺激ドメインは、aagagaggcaggaagaaactgctgtatattttcaaacagcccttcatgcgccccgtgcagactacccaggaggaagacgggtgctcctgtcgattccctgaggaagaggaaggcgggtgtgagctg(配列番号15)を含む核酸配列によりコードされ得る。4−1BB共刺激ドメインは、膜貫通ドメインとCD28共刺激ドメインの間に位置し得る。
本開示のCARのある特定の実施形態では、ヒンジは、ヒトCD8α、IgG4、および/またはCD4配列に由来する配列を含み得る。本開示のCARのある特定の実施形態では、ヒンジは、ヒトCD8α配列に由来する配列を含み得る。ヒンジは、TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD(配列番号16)を含むヒトCD8αアミノ酸配列またはTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD(配列番号16)を含むアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%同一性を有する配列を含み得る。ヒトCD8αヒンジアミノ酸配列は、actaccacaccagcacctagaccaccaactccagctccaaccatcgcgagtcagcccctgagtctgagacctgaggcctgcaggccagctgcaggaggagctgtgcacaccaggggcctggacttcgcctgcgac(配列番号17)を含む核酸配列によりコードされ得る。
本開示のセンチリンは、タンパク質足場を含み得、足場は、抗原に特異的に結合することが可能である。本開示のセンチリンは、少なくとも1つのフィブロネクチンIII型(FN3)ドメインのコンセンサス配列を含むタンパク質足場を含み得、足場は、抗原に特異的に結合することが可能である。少なくとも1つのフィブロネクチンIII型(FN3)ドメインは、ヒトタンパク質に由来するものであり得る。ヒトタンパク質は、テネイシン−Cであり得る。コンセンサス配列は、LPAPKNLVVSEVTEDSLRLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAINLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVKGGHRSNPLSAEFTT(配列番号1)またはMLPAPKNLVVSEVTEDSLRLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAINLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVKGGHRSNPLSAEFTT(配列番号2)を含み得る。コンセンサス配列は、atgctgcctgcaccaaagaacctggtggtgtctcatgtgacagaggatagtgccagactgtcatggactgctcccgacgcagccttcgatagttttatcatcgtgtaccgggagaacatcgaaaccggcgaggccattgtcctgacagtgccagggtccgaacgctcttatgacctgacagatctgaagcccggaactgagtactatgtgcagatcgccggcgtcaaaggaggcaatatcagcttccctctgtccgcaatcttcaccaca(配列番号3)を含む核酸配列によりコードされ得る。コンセンサス配列は、(a)コンセンサス配列の13〜16位のアミノ酸残基TEDSを含む、またはそれからなるA−Bループ;(b)コンセンサス配列の22〜28位のアミノ酸残基TAPDAAFを含む、またはそれからなるB−Cループ;(c)コンセンサス配列の38〜43位のアミノ酸残基SEKVGEを含む、またはそれからなるC−Dループ;(d)コンセンサス配列の51〜54位のアミノ酸残基GSERを含む、またはそれからなるD−Eループ;(e)コンセンサス配列の60〜64位のアミノ酸残基GLKPGを含む、またはそれからなるE−Fループ;(f)コンセンサス配列の75〜81位のアミノ酸残基KGGHRSNを含む、またはそれからなるF−Gループ;または(g)(a)〜(f)の任意の組合せ内の1つまたは複数の位置で改変されていてよい。本開示のセンチリンは、少なくとも5個のフィブロネクチンIII型(FN3)ドメイン、少なくとも10個のフィブロネクチンIII型(FN3)ドメインまたは少なくとも15個のフィブロネクチンIII型(FN3)ドメインのコンセンサス配列を含み得る。足場は、抗原に、10−9Mよりも小さいまたはそれと同等、10−10Mよりも小さいまたはそれと同等、10−11Mよりも小さいまたはそれと同等、10−12Mよりも小さいまたはそれと同等、10−13Mよりも小さいまたはそれと同等、10−14Mよりも小さいまたはそれと同等、および10−15Mよりも小さいまたはそれと同等のKDから選択される少なくとも1つの親和性で結合し得る。KDは、表面プラズモン共鳴によって決定することができる。
本開示は、本開示のCARおよび少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
本開示は、本開示のCARを含むトランスポゾンを提供する。本開示のトランスポゾンは、エピソームとして維持されるまたは組換え/改変細胞のゲノム中に組み込まれる。トランスポゾンは、非ウイルス性遺伝子移入を増強するためにトランスポゾンおよびトランスポザーゼを利用する2成分piggyBac系の一部であり得る。
本開示のトランスポゾンは、トランスポゾンを発現する細胞を同定、富化および/または単離するための選択遺伝子を含み得る。例示的な選択遺伝子は、細胞の生存能力および生存に必須の任意の遺伝子産物(例えば、転写物、タンパク質、酵素)をコードする。例示的な選択遺伝子は、選択遺伝子によりコードされる遺伝子産物の非存在下では細胞が感受性である(または細胞に対して致死的であり得る)薬物による攻撃に対する耐性を付与するために必須の任意の遺伝子産物(例えば、転写物、タンパク質、酵素)をコードする。例示的な選択遺伝子は、選択遺伝子の非存在下で細胞の生存能力および/または生存に必須の1つまたは複数の栄養分を欠く細胞培地中での生存能力および/または生存に必須の任意の遺伝子産物(例えば、転写物、タンパク質、酵素)をコードする。例示的な選択遺伝子としては、これだけに限定されないが、neo(ネオマイシンに対する耐性を付与する)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、TYMS(チミジル酸シンテターゼをコードする)、MGMT(O(6)−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼをコードする)、多剤耐性遺伝子(MDR1)、ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA1をコードする)、FRANCF、RAD51C(RAD51パラログCをコードする)、GCS(グルコシルセラミドシンターゼをコードする)、およびNKX2.2(NK2ホメオボックス2をコードする)が挙げられる。
本開示のトランスポゾンは、例えば、本開示のタンパク質足場の1つまたは複数、センチリンまたはCARTyrinと本開示の選択遺伝子の間に位置する、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含み得る。少なくとも1つの自己切断性ペプチドは、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示のトランスポゾンは、第1の自己切断性ペプチドおよび第2の自己切断性ペプチドを含む場合があり、第1の自己切断性ペプチドは、例えば、本開示のタンパク質足場、センチリンまたはCARTyrinの1つまたは複数の上流に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、例えば、本開示のタンパク質足場、センチリンまたはCARTyrinの1つまたは複数の下流に位置する。第1のおよび/または第2の自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示は、本開示のトランスポゾンを含む組成物を提供する。ある特定の実施形態では、組成物を導入する方法は、トランスポザーゼ酵素をコードする配列を含むプラスミドを含む組成物をさらに含み得る。トランスポザーゼ酵素をコードする配列は、mRNA配列であり得る。
本開示のトランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンを含み得る。本開示のトランスポザーゼ酵素は、piggyBacトランスポザーゼまたは適合する酵素を含み得る。
本開示は、本開示のCARを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。ベクターは、組換えベクターであり得る。
本開示のウイルスベクターは、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスまたはそれらの任意の組合せから単離されたまたはそれに由来する配列を含み得る。ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離されたまたはそれに由来する配列を含み得る。ウイルスベクターは、組換えAAV(rAAV)を含み得る。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、本開示のタンパク質足場、センチリンまたはCARTyrinをコードする配列の隣にシスで位置する、2つまたはそれよりも多くの末端逆位配列(ITR)配列を含む。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、全ての血清型(例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、およびAAV9)を含むが、これだけに限定されない。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、自己相補的AAV(scAAV)および1つの血清型のゲノムおよび別の血清型のカプシドを含有するAAVハイブリッド(例えば、AAV2/5、AAV−DJおよびAAV−DJ8)を含むが、これだけに限定されない。本開示の例示的なアデノ随伴ウイルスおよび組換えアデノ随伴ウイルスは、rAAV−LK03を含むが、これだけに限定されない。
本開示のウイルスベクターは、選択遺伝子を含み得る。選択遺伝子は、細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択遺伝子は、選択的な細胞培養条件による攻撃時に細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択的な細胞培養条件は、細胞の生存能力または生存に対して有害な化合物を含み得、遺伝子産物により当該化合物に対する耐性が付与される。本開示の例示的な選択遺伝子としては、これだけに限定されないが、neo(ネオマイシンに対する耐性を付与する)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、TYMS(チミジル酸シンテターゼをコードする)、MGMT(O(6)−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼをコードする)、多剤耐性遺伝子(MDR1)、ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA1をコードする)、FRANCF、RAD51C(RAD51パラログCをコードする)、GCS(グルコシルセラミドシンターゼをコードする)、NKX2.2(NK2ホメオボックス2をコードする)またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。
本開示のウイルスベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含み得る。一部の実施形態では、ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで自己切断性ペプチドは、CARと選択遺伝子との間に位置する。一部の実施形態では、ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARの上流に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流に位置する。自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示は、本開示のCARを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、ベクターは、mRNAベクターである。ベクターは、組換えmRNAベクターであり得る。本開示のT細胞は、T細胞と本開示のCARを含むmRNAベクターを接触させる前に増大させることができる。次いで、mRNAベクターを含むT細胞、改変T細胞を対象に投与することができる。
本開示は、本開示のCARを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、ベクターは、ナノ粒子である。本開示の例示的なナノ粒子ベクターとしては、これだけに限定されないが、核酸(例えば、RNA、DNA、合成ヌクレオチド、修飾ヌクレオチドまたはそれらの任意の組合せ)、アミノ酸(L−アミノ酸、D−アミノ酸、合成アミノ酸、修飾アミノ酸、またはそれらの任意の組合せ)、ポリマー(例えば、ポリマーソーム(polymersome))、ミセル、脂質(例えば、リポソーム)、有機分子(例えば、炭素原子、シート、線維、チューブ)、無機分子(例えば、リン酸カルシウムまたは金)またはそれらの任意の組合せが挙げられる。ナノ粒子ベクターは、細胞膜をわたって受動的にまたは能動的に輸送することができる。
本開示のナノ粒子ベクターは、選択遺伝子を含み得る。選択遺伝子は、細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択遺伝子は、選択的な細胞培養条件による攻撃時に細胞の生存能力および生存に必須の遺伝子産物をコードし得る。選択的な細胞培養条件は、細胞の生存能力または生存に対して有害な化合物を含み得、遺伝子産物により当該化合物に対する耐性が付与される。本開示の例示的な選択遺伝子としては、これだけに限定されないが、neo(ネオマイシンに対する耐性を付与する)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、TYMS(チミジル酸シンテターゼをコードする)、MGMT(O(6)−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼをコードする)、多剤耐性遺伝子(MDR1)、ALDH1(アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA1をコードする)、FRANCF、RAD51C(RAD51パラログCをコードする)、GCS(グルコシルセラミドシンターゼをコードする)、NKX2.2(NK2ホメオボックス2をコードする)またはそれらの任意の組合せを挙げることができる。
本開示のナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含み得る。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで自己切断性ペプチドは、CARとナノ粒子との間に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARの上流に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARとナノ粒子との間に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流に位置する。一部の実施形態では、ナノ粒子ベクターは、少なくとも1つの自己切断性ペプチドを含んでもよく、ここで第1の自己切断性ペプチドは、CARとナノ粒子との間に位置し、第2の自己切断性ペプチドは、CARの下流、例えば、CARおよび選択遺伝子の間に位置する。自己切断性ペプチドは、、例えば、T2Aペプチド、GSG−T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG−E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG−F2Aペプチド、P2Aペプチド、またはGSG−P2Aペプチドを含み得る。T2Aペプチドは、EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列、またはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号18)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列、またはGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号19)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−T2Aペプチドは、ggatctggagagggaaggggaagcctgctgacctgtggagacgtggaggaaaacccaggacca(配列番号20)を含む核酸配列を含み得る。E2Aペプチドは、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列、またはQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号21)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−E2Aペプチドは、GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列、またはGSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号22)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。F2Aペプチドは、VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列、またはVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号23)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−F2Aペプチドは、GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列、またはGSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号24)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。P2Aペプチドは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列、またはATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号25)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。GSG−P2Aペプチドは、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列、またはGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号26)を含むアミノ酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の同一性を有する配列を含み得る。
本開示は、本開示のベクターを含む組成物を提供する。
足場タンパク質
センチリンは、本開示のタンパク質足場の1つの例である。本開示のCARの抗原認識領域は、少なくとも1つのタンパク質足場を含み得る。
本開示のタンパク質足場は、フィブロネクチンIII型(FN3)リピートタンパク質、コードするまたは相補的な核酸、ベクター、宿主細胞、組成物、組合せ、製剤、デバイス、およびそれらを作出し、使用する方法から引き出すことができる。好ましい実施形態では、タンパク質足場は、ヒトテネイシン−C(以下「テネイシン」)由来の多数のFN3ドメインのコンセンサス配列で構成される。さらに好ましい実施形態では、本発明のタンパク質足場は、15種のFN3ドメインのコンセンサス配列である。本開示のタンパク質足場は、種々の分子、例えば、細胞標的タンパク質に結合するように設計することができる。好ましい実施形態では、本開示のタンパク質足場を、抗原の野生型および/またはバリアント形態のエピトープに結合するように設計することができる。
本開示のタンパク質足場は、追加的な分子または部分、例えば、抗体のFc領域、アルブミン結合性ドメイン、または半減期に影響を及ぼす他の部分を含み得る。さらなる実施形態では、本開示のタンパク質足場を、タンパク質足場をコードし得る核酸分子に結合させることができる。
本開示は、多数のFN3ドメインのコンセンサス配列に基づく少なくとも1つのタンパク質足場を宿主細胞において発現させるための少なくとも1つの方法であって、本明細書に記載の宿主細胞を、少なくとも1つのタンパク質足場が検出可能なおよび/または回収可能な量で発現する条件下で培養するステップを含む方法を提供する。
本開示は、(a)本明細書に記載の多数のFN3ドメインのコンセンサス配列に基づくタンパク質足場および/またはコードする核酸;ならびに(b)適切かつ/または薬学的に許容される担体または希釈剤を含む少なくとも1つの組成物を提供する。
本開示は、フィブロネクチンIII型(FN3)リピートタンパク質、好ましくは多数のFN3ドメインのコンセンサス配列、より好ましくはヒトテネイシン由来の多数のFN3ドメインのコンセンサス配列に基づくタンパク質足場のライブラリーを生成する方法を提供する。ライブラリーは、足場の一部の特定の部分、例えば、ループ領域内の分子内のアミノ酸またはアミノ酸の数を変更すること(突然変異により)によって足場の連続的な世代を作出することによって形成される。ライブラリーは、単一のループのアミノ酸組成を変更することまたは多数のループもしくは足場分子の追加的な部分を同時に変更することによって生成することができる。変更されるループは、適宜延長または短縮することができる。そのようなライブラリーは、各位置において可能性がある全てのアミノ酸が含まれるように生成することもでき、アミノ酸のサブセットを設計することもできる。ライブラリーメンバーを、in vitroまたはCISディスプレイ(DNA、RNA、リボソームディスプレイなど)、酵母ディスプレイ、細菌ディスプレイ、およびファージディスプレイなどのディスプレイによるスクリーニングのために使用することができる。
本開示のタンパク質足場は、生物物理学的性質の増強、例えば、還元条件下での安定性および高濃度での溶解性などをもたらすものであり、これらを、E.coliなどの原核生物系において、酵母などの真核生物系において、およびウサギ網状赤血球溶解物系などのin vitro転写/翻訳系において発現およびフォールディングさせることができる。
本開示は、これだけに限定することなく、哺乳動物由来の足場を含めた、フィブロネクチンIII型(FN3)リピートタンパク質のコンセンサス配列に基づく単離された組換えおよび/または合成タンパク質足場、ならびに、コンセンサスFN3配列に基づくタンパク質足場をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む組成物およびコードする核酸分子を提供する。本開示は、これだけに限定されないが、診断用および治療用組成物、方法およびデバイスを含めた、そのような核酸およびタンパク質足場を作出し、使用する方法をさらに含む。
本開示のタンパク質足場により、従来の治療薬を超える利点、例えば、局所的に、経口的に、または血液脳関門を渡って投与できること、E.coliにおいて発現させ、それにより、哺乳動物細胞の発現能力に対して、リソースに応じたタンパク質の発現を増大できること、工学的に操作して多数の標的または同じ標的の多数のエピトープに結合する二重特異性またはタンデム分子にできること、薬物、ポリマー、およびプローブとコンジュゲートできること、高濃度で製剤化できること、ならびに、そのような分子が患部組織および腫瘍に有効に透過できることなどがもたらされる。
さらに、タンパク質足場は、抗体の可変領域を模倣するそれらのフォールディングとの関連で、抗体の性質の多くを有する。この配向性により、FN3ループが抗体相補性決定領域(CDR)と同様に露出することが可能になる。タンパク質足場は、細胞標的に結合することができるべきであり、ある特定の結合または関連する性質を改善するために、ループを変更すること、例えば、親和性成熟させることができる。
本開示のタンパク質足場の6つのループのうち3つは抗体の相補性決定領域(CDR1〜3)、すなわち抗原結合性領域に位相幾何学的に対応するが、残りの3つのループは、抗体CDRと同様の様式で表面に露出している。これらのループは、配列番号1の残基13〜16または残基13〜16付近、残基22〜28または残基22〜28付近、残基38〜43または残基38〜43付近、残基51〜54または残基51〜54付近、残基60〜64または残基60〜64付近、および残基75〜81または残基75〜81付近に及ぶ。残基22〜28または残基22〜28付近、残基51〜54または残基51〜54付近、および残基75〜81または残基75〜81付近のループ領域を結合特異性および親和性に関して変更することが好ましい。これらのループ領域の1つまたは複数を、それらの配列を骨格部分として維持する他のループ領域および/または他の鎖とランダム化してライブラリーに追加し、特定のタンパク質標的に対する高親和性を有する強力な結合物質をライブラリーから選択することができる。ループ領域の1つまたは複数は、抗体CDRのタンパク質との相互作用と同様に標的タンパク質と相互作用し得る。
本開示の足場は、単鎖抗体(例えば、scFv)を含み得る。本開示の単鎖抗体は、抗体の3つの軽鎖および3つの重鎖CDRを含み得る。ある特定の実施形態では、本開示の単鎖抗体は、抗体の3つの軽鎖および3つの重鎖CDRを含み、単鎖抗体の相補性決定領域(CDR)は、ヒト配列である。本開示は、(a)抗原認識領域を含む外部ドメインであって、抗原認識領域が、少なくとも1つの単鎖抗体(例えば、scFv)を含む、外部ドメイン;(b)膜貫通ドメイン、および(c)少なくとも1つの共刺激ドメインを含むエンドドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、二重特異性またはタンデムCARが生じるように、2つの単鎖抗体(例えば、2つのscFv)を含み得る。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、三重特異性CARが生じるように、3つの単鎖抗体(例えば、3つのscFv)を含み得る。ある特定の実施形態では、外部ドメインは、シグナルペプチドをさらに含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、外部ドメインは、抗原認識領域と膜貫通ドメインの間にヒンジをさらに含み得る。
本開示の足場は、抗体の1つまたは複数の断片を含む配列(例えば、VHH)を含み得る。本開示の抗体の1つまたは複数の断片を含む配列は、抗体の2つの重鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、配列は、抗体の2つの重鎖可変領域を含み、VHHの相補性決定領域(CDR)は、ヒト配列である。本開示の足場は、抗体の1つまたは複数の断片を含む配列(例えば、VHH)を含み得る。本開示は、(a)抗原認識領域を含む外部ドメインであって、抗原認識領域が、抗体の1つまたは複数の断片を含む少なくとも1つの配列(例えば、VHH)を含む、外部ドメイン;(b)膜貫通ドメイン、および(c)少なくとも1つの共刺激ドメインを含むエンドドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、二重特異性またはタンデムCARが生じるように、抗体の1つまたは複数の断片を含む2つの配列(例えば、2つのVHH)を含み得る。ある特定の実施形態では、抗原認識領域は、三重特異性CARが生じるように、抗体の1つまたは複数の断片を含む3つの配列(例えば、3つのVHH)を含み得る。ある特定の実施形態では、外部ドメインは、シグナルペプチドをさらに含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、ある特定の実施形態では、外部ドメインは、抗原認識領域と膜貫通ドメインの間にヒンジをさらに含み得る。
本開示の足場は、抗体模倣物を含み得る。
この非共有結合的連結は、例えば、抗体模倣物を含み得る。本明細書で使用する場合、用語「抗体模倣物」は、標的配列を特異的に結合し、天然に存在する抗体とは別個の構造を有する有機化合物を記載するよう意図される。抗体模倣物は、タンパク質、核酸または小分子を含み得る。本開示の抗体模倣物が特異的に結合する標的配列は、抗原であり得る。抗体模倣物は、優れた溶解度、組織透過、熱および酵素に対する安定性(例えば、酵素的分解に対する耐性)ならびにより低い産生コストが含まれるが、これらに限定されない、抗体を超える優れた特性を提供し得る。例示的な抗体模倣物には、アフィボディ、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、およびアビマー(アビディティマルチマー(avidity multimer)としても公知)、DARPin(デザインされたアンキリンリピートタンパク質)、フィノマー、クニッツドメインペプチド、ならびにモノボディが含まれるが、これらに限定されない。
本開示のアフィボディ分子は、いかなるジスルフィド架橋も伴わない、1つまたは複数のアルファヘリックスを含むまたはそれらからなるタンパク質足場を含む。好ましくは、本開示のアフィボディ分子は、3つのアルファヘリックスを含むまたはそれらからなる。例えば、本開示のアフィボディ分子は、免疫グロブリン結合ドメインを含み得る。本開示のアフィボディ分子は、プロテインAのZドメインを含み得る。
本開示のアフィリン分子は、例えば、ガンマ−Bクリスタリンまたはユビキチンのいずれかの曝露されたアミノ酸の改変によって産生されたタンパク質足場を含む。アフィリン分子は、抗原に対する抗体の親和性を機能的に模倣するが、抗体を構造的には模倣しない。アフィリンを作製するために使用される任意のタンパク質足場では、適切に折り畳まれたタンパク質分子中の、溶媒または可能な結合パートナーにアクセス可能なアミノ酸が、曝露されたアミノ酸とみなされる。これらの曝露されたアミノ酸のうちの任意の1つまたは複数は、標的配列または抗原に特異的に結合するように改変され得る。
本開示のアフィマー分子は、特異的標的配列に対する高親和性結合部位を提供するペプチドループをディスプレイするように操作された高度に安定なタンパク質を含むタンパク質足場を含む。本開示の例示的なアフィマー分子は、シスタチンタンパク質またはその三次構造に基づくタンパク質足場を含む。本開示の例示的なアフィマー分子は、アンチパラレルベータ−シートの上部に存在するアルファ−ヘリックスを含む共通の三次構造を共有し得る。
本開示のアフィチン分子は、人工タンパク質足場を含み、その構造は、例えば、DNA結合性タンパク質(例えば、DNA結合性タンパク質Sac7d)に由来し得る。本開示のアフィチンは、抗原の全体または部分であり得る標的配列を選択的に結合する。本開示の例示的なアフィチンは、DNA結合性タンパク質の結合表面上の1つまたは複数アミノ酸配列をランダム化し、得られたタンパク質をリボソームディスプレイおよび選択に供することによって、製造される。本開示のアフィチンの標的配列は、例えば、ゲノム中、またはペプチド、タンパク質、ウイルスもしくは細菌の表面上で見出され得る。本開示のある特定の実施形態では、アフィチン分子は、酵素の特異的阻害剤として使用され得る。本開示のアフィチン分子は、耐熱性タンパク質またはその誘導体を含み得る。
本開示のアルファボディ分子は、細胞透過性アルファボディ(CPAB)とも呼ばれ得る。本開示のアルファボディ分子は、種々の標的配列(抗原を含む)に結合する小さいタンパク質(典型的には、10kDa未満のもの)を含む。アルファボディ分子は、細胞内標的配列に到達および結合することが可能である。構造的に、本開示のアルファボディ分子は、単鎖アルファヘリックス(天然に存在するコイルドコイル構造と類似)を形成する人工配列を含む。本開示のアルファボディ分子は、標的タンパク質に特異的に結合するように改変された1つまたは複数のアミノ酸を含むタンパク質足場を含み得る。分子の結合特異性に関わらず、本開示のアルファボディ分子は、正確なフォールディングおよび熱的安定性を維持する。
本開示のアンチカリン分子は、タンパク質または小分子のいずれか中の標的配列または部位に結合する人工タンパク質を含む。本開示のアンチカリン分子は、ヒトリポカリン由来の人工タンパク質を含み得る。本開示のアンチカリン分子は、例えば、モノクローナル抗体またはその断片の代わりに使用され得る。アンチカリン分子は、モノクローナル抗体またはその断片よりも優れた組織透過および熱的安定性を実証し得る。本開示の例示的なアンチカリン分子は、およそ20kDaの質量を有する、約180アミノ酸を含み得る。構造的に、本開示のアンチカリン分子は、ループおよび結合されたアルファヘリックスによって対で接続されたアンチパラレルベータ−鎖を含むバレル構造を含む。好ましい実施形態では、本開示のアンチカリン分子は、ループおよび結合されたアルファヘリックスによって対で接続された8つのアンチパラレルベータ−鎖を含むバレル構造を含む。
本開示のアビマー分子は、標的配列(これは抗原であってもよい)に特異的に結合する人工タンパク質を含む。本開示のアビマーは、同じ標的内または別個の標的内の複数の結合部位を認識し得る。本開示のアビマーが1つよりも多い標的を認識する場合、このアビマーは、二重特異性抗体の機能を模倣する。人工タンパク質アビマーは、各々およそ30〜35アミノ酸の2つまたはそれ超のペプチド配列を含み得る。これらのペプチドは、1つまたは複数のリンカーペプチドを介して接続され得る。アビマーのペプチドのうちの1つまたは複数のアミノ酸配列は、膜受容体のAドメイン由来であり得る。アビマーは、ジスルフィド結合および/またはカルシウムを任意選択で含み得る強固な構造を有する。本開示のアビマーは、抗体と比較して、より高い熱安定性を実証し得る。
本開示のDARPin(デザインされたアンキリンリピートタンパク質)は、標的配列に対する高い特異性および高い親和性を有する、遺伝子操作された、組換えの、またはキメラのタンパク質を含む。ある特定の実施形態では、本開示のDARPinは、アンキリンタンパク質由来であり、任意選択で、アンキリンタンパク質の少なくとも3つのリピートモチーフ(反復構造単位とも呼ばれる)を含む。アンキリンタンパク質は、高親和性のタンパク質−タンパク質相互作用を媒介する。本開示のDARPinは、大きい標的相互作用表面を含む。
本開示のフィノマーは、ヒトFyn SH3ドメインに由来する、抗体と等しい親和性および等しい特異性で標的配列および分子に結合するように操作された、小さい結合性タンパク質(約7kDa)を含む。
本開示のクニッツドメインペプチドは、クニッツドメインを含むタンパク質足場を含む。クニッツドメインは、プロテアーゼ活性を阻害するための活性部位を含む。構造的に、本開示のクニッツドメインは、ジスルフィド−リッチなアルファ+ベータフォールディング構造(fold)を含む。この構造は、ウシ膵トリプシン阻害剤によって例証される。クニッツドメインペプチドは、特異的タンパク質構造を認識し、競合的プロテアーゼ阻害剤として機能する。本開示のクニッツドメインは、エカランチド(ヒトリポタンパク質関連凝固阻害剤(LACI)由来)を含み得る。
本開示のモノボディは、単鎖抗体と匹敵するサイズの小さいタンパク質(約94アミノ酸を含み、約10kDaの質量を有する)である。これらの遺伝子操作されたタンパク質は、抗原を含む標的配列を特異的に結合する。本開示のモノボディは、1つまたは複数の別個のタンパク質または標的配列を特異的に標的化し得る。好ましい実施形態では、本開示のモノボディは、ヒトフィブロネクチンの構造を模倣する、より好ましくは、フィブロネクチンの10番目の細胞外III型ドメインの構造を模倣する、タンパク質足場を含む。フィブロネクチンの10番目の細胞外III型ドメイン、ならびにそのモノボディ模倣物は、バレルを形成する7つのベータシートおよび抗体の3つの相補性決定領域(CDR)に対応する各側の3つの曝露されたループを含有する。抗体の可変ドメインの構造とは対照的に、モノボディは、金属イオンのためのあらゆる結合部位、ならびに中心のジスルフィド結合を欠く。多特異性モノボディは、ループBCおよびFGを改変することによって最適化され得る。本開示のモノボディは、アドネクチン(adnectin)を含み得る。
足場タンパク質の産生および生成
本開示の少なくとも1つの足場タンパク質は、任意選択で、当技術分野で周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞または不死化細胞のクローン集団により産生させることができる。例えば、Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., NY, N.Y. (1987−2001); Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor, N.Y. (1989); HarlowおよびLane, Antibodies, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989); Colliganら編、Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons, Inc., NY (1994−2001); Colliganら、Current Protocols in Protein Science, John Wiley & Sons, NY, N.Y., (1997−2001)を参照のこと。
足場タンパク質由来のアミノ酸を変更する、付加する、および/または欠失させて、免疫原性を低下させる、または、結合性、親和性、会合速度(on−rate)、解離速度(off−rate)、結合活性、特異性、半減期、安定性、溶解性もしくは当技術分野で公知の任意の他の適切な特性を低下、増強もしくは改変することができる。
任意選択で、抗原に対する高親和性および他の好都合な生物学的性質を保持する足場タンパク質を工学的に操作することができる。この目標を実現するために、任意選択で、足場タンパク質を、親配列ならびに親配列および工学的に操作された配列の3次元モデルを使用して種々の概念的な工学的に操作された産物の解析のプロセスによって調製することができる。3次元モデルは、一般に利用可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補配列の推定3次元コンフォメーション構造を例示し、表示し、また、可能性がある免疫原性を測定することができるコンピュータプログラムが入手可能である(例えば、Xencor,Inc.、Monrovia、Calif.のImmunofilter program)。これらの表示を検査することにより、候補配列の機能性における残基の可能性がある役割の解析、すなわち、候補足場タンパク質のその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の解析が可能になる。このように、所望の特性、例えば、標的抗原(単数または複数)に対する親和性などが実現されるように、親配列および参照配列から残基を選択し、組み合わせることできる。上記の手順の代わりに、またはそれに加えて、他の適切な工学的操作方法を使用することができる。
piggyBacトランスポゾン系
本開示の方法では、本開示の初代ヒトT細胞に抗原受容体を導入するために使用される方法にかかわらず、本開示の改変TSCMがもたらされる。本開示の方法では、有効性がより大きな本開示の改変TSCM、および/または、piggyBacトランスポゾン系を使用して本開示の抗原受容体または治療用タンパク質を初代ヒトT細胞に導入した際の本開示の改変TSCMのより大きな存在量、割合、収率がもたらされる。本開示のpiggyBacトランスポゾン系は、本開示の抗原受容体を含むpiggyBacトランスポゾンを含み得る。初代ヒトT細胞は、本開示の抗原受容体を含むpiggyBacトランスポゾンおよび本開示のトランスポザーゼが細胞に導入される前に、トランスポゾンおよびトランスポザーゼと同時に(または時間的に非常に近く、例えば、初代ヒトT細胞、トランスポゾンおよびトランスポザーゼが同じ容器(例えば、キュベットなど)内に含有される)と接触するが、これらは細胞の非存在下では相互作用できないことが好ましい。初代ヒトT細胞は、本開示の抗原受容体を含むpiggyBacトランスポゾンおよび本開示のSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼが細胞に導入される前に、トランスポゾンおよびトランスポザーゼと同時に接触することが好ましい。ある特定の好ましい実施形態では、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼは、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼをコードするmRNA配列である。
piggyBacトランスポゾンおよびSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼに関する追加的な開示は、その内容全体がそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる、国際特許公開第WO2010/099296、米国特許第8,399,643号、米国特許第9,546,382号、米国特許第6,218,185号、米国特許第6,551,825号、米国特許第6,962,810号、および米国特許第7,105,343号において見ることができる。
本開示は、DNA配列を含むポリヌクレオチド構築物を宿主細胞に導入する方法を提供する。好ましくは、導入するステップは、piggyBacトランスポゾン系によって媒介される。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、2つのシス調節性インスレーターエレメントに隣接する抗原受容体または治療用タンパク質をコードする配列を有するプラスミドDNAトランスポゾンである。ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、piggyBacトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがpiggyBacトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである。ある特定の実施形態、特に、トランスポザーゼがSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼである実施形態では、トランスポザーゼをコードする配列は、mRNA配列である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、piggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。piggyBac(PB)トランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含んでもよいし、からなってもよい。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列
の30位、165位、282位、または538位の1つまたは複数にアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。
ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列の30位、165位、282位、または538位のうちの2またはそれより多くにアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列の30位、165位、282位、または538位のうちの3またはそれより多くにアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列の以下の30位、165位、282位、および538位のそれぞれにアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるpiggyBac(商標)(PB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の30位のアミノ酸置換は、バリン(V)のイソロイシン(I)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の165位のアミノ酸置換は、セリン(S)のグリシン(G)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の282位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4の配列の538位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアスパラギン(N)による置換である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼ酵素は、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼ酵素である。ある特定の実施形態では、本開示のSuper piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の配列のアミノ酸配列を含んでもよいし、からなってもよく、30位のアミノ酸置換は、バリン(V)のイソロイシン(I)による置換であり、165位のアミノ酸置換は、セリン(S)のグリシン(G)による置換であり、282位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換であり、538位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアスパラギン(N)による置換である。ある特定の実施形態では、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含んでもよいし、からなってもよい。
トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の3位、46位、82位、103位、119位、125位、177位、180位、185位、187位、200位、207位、209位、226位、235位、240位、241位、243位、258位、296位、298位、311位、315位、319位、327位、328位、340位、421位、436位、456位、470位、486位、503位、552位、570位および591位の1つまたは複数におけるアミノ酸置換をさらに含み得る。トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)またはSuper piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、46位、119位、125位、177位、180位、185位、187位、200位、207位、209位、226位、235位、240位、241位、243位、296位、298位、311位、315位、319位、327位、328位、340位、421位、436位、456位、470位、485位、503位、552位および570位の1つまたは複数におけるアミノ酸置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の3位のアミノ酸置換は、アスパラギン(N)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の46位のアミノ酸置換は、セリン(S)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の46位のアミノ酸置換は、トレオニン(T)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の82位のアミノ酸置換は、トリプトファン(W)のイソロイシン(I)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の103位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の119位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のアルギニン(R)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の125位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の125位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の177位のアミノ酸置換は、リシン(K)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の177位のアミノ酸置換は、ヒスチジン(H)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の180位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の180位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の180位のアミノ酸置換は、バリン(V)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の185位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の187位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の200位のアミノ酸置換は、トリプトファン(W)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の207位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の209位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の226位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の235位のアミノ酸置換は、アルギニン(R)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の240位のアミノ酸置換は、リシン(K)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の241位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のフェニルアラニン(F)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の243位のアミノ酸置換は、リシン(K)のプロリン(P)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の258位のアミノ酸置換は、セリン(S)のアスパラギン(N)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の296位のアミノ酸置換は、トリプトファン(W)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の296位のアミノ酸置換は、チロシン(Y)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の296位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の298位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の298位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の298位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の311位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のプロリン(P)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の311位のアミノ酸置換は、バリンのプロリン(P)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の315位のアミノ酸置換は、リシン(K)のアルギニン(R)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の319位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のトレオニン(T)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の327位のアミノ酸置換は、アルギニン(R)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の328位のアミノ酸置換は、バリン(V)のチロシン(Y)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の340位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の340位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のシステイン(C)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の421位のアミノ酸置換は、ヒスチジン(H)のアスパラギン酸(D)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の436位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の456位のアミノ酸置換は、チロシン(Y)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の470位のアミノ酸置換は、フェニルアラニン(F)のロイシン(L)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の485位のアミノ酸置換は、リシン(K)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の503位のアミノ酸置換は、ロイシン(L)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の503位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の552位のアミノ酸置換は、リシン(K)のバリン(V)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の570位のアミノ酸置換は、トレオニン(T)のアラニン(A)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の591位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のグルタミン(Q)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の591位のアミノ酸置換は、アルギニン(R)のグルタミン(Q)による置換である。
トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の103、194、372、375、450、509および570の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を含んでもよいし、Super piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素はこれをさらに含んでもよい。トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、本開示の方法のある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の103位、194位、372位、375位、450位、509位および570位のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多くにおけるアミノ酸置換を含んでもよいし、Super piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素はこれをさらに含んでもよい。トランスポザーゼが30位、165位、282位および/または538位の上記変異を含む実施形態を含め、ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の103位、194位、372位、375位、450位、509位および570位のアミノ酸置換を含んでもよく、Super piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素はこれをさらに含んでもよい。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の103位のアミノ酸置換は、プロリン(P)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の194位のアミノ酸置換は、バリン(V)のメチオニン(M)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の372位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のアルギニン(R)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の375位のアミノ酸置換は、アラニン(A)のリシン(K)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の450位のアミノ酸置換は、アスパラギン(N)のアスパラギン酸(D)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の509位のアミノ酸置換は、グリシン(G)のセリン(S)による置換である。ある特定の実施形態では、配列番号4または配列番号5の570位のアミノ酸置換は、セリン(S)のアスパラギン(N)による置換である。ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換を含み得る。piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素が配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換を含み得る実施形態を含め、ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4または配列番号5の配列の372位、375位および450位におけるアミノ酸置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換、配列番号4の372位におけるアラニン(A)のアルギニン(R)による置換および配列番号4の375位におけるアラニン(A)のリシン(K)による置換を含み得る。ある特定の実施形態では、piggyBac(商標)トランスポザーゼ酵素は、配列番号4の194位におけるバリン(V)のメチオニン(M)による置換、配列番号4の372位におけるアラニン(A)のアルギニン(R)による置換、配列番号4の375位におけるアラニン(A)のリシン(K)による置換および配列番号4の450位におけるアスパラギン(N)のアスパラギン酸(D)による置換を含み得る。
「導入すること」とは、植物にポリヌクレオチド構築物を当該構築物が宿主細胞の内部に進入する様式でもたらすことを意図している。本発明の方法は、ポリヌクレオチド構築物を宿主細胞に導入することに関して、ポリヌクレオチド構築物が宿主の1つの細胞の内部に進入しさえすれば、特定の方法に依存しない。ポリヌクレオチド構築物を細菌、植物、真菌および動物に導入するための方法は、これだけに限定されないが、安定な形質転換方法、一過性の形質転換方法、およびウイルス媒介性の方法を含め、当技術分野で公知である。
本開示全体を通して使用される「内因性」という用語は、標的遺伝子またはそれが導入される宿主細胞と天然に関連する核酸またはタンパク質配列を指す。
「安定な形質転換」とは、植物に導入されたポリヌクレオチド構築物が宿主のゲノムに組み込まれ、その後代に遺伝することが可能であることを意図している。
「一過性の形質転換」とは、宿主に導入されたポリヌクレオチド構築物が宿主のゲノムには組み込まれないことを意図している。
好ましい実施形態では、外因性配列を初代ヒトT細胞に安定な形質転換によって導入して改変TSCMまたはTCMを生成するために、piggyBacトランスポゾン系を使用する。
追加的なトランスポゾン系
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。
本開示は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)または改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法を提供し、この方法は、改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体または治療用タンパク質を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、改変T細胞は、改変幹メモリーT細胞(TSCM)または改変セントラルメモリーT細胞(TCM)の1つまたは複数の細胞表面マーカーを発現し、それによって改変幹メモリーT細胞(TSCM)または改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。本開示は、複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)または複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)を作製する方法を提供し、この方法は、複数の改変T細胞を作製するために、(a)抗原受容体を含むトランスポゾンを含むトランスポゾン組成物、および(b)トランスポザーゼまたはトランスポザーゼをコードする配列を含むトランスポザーゼ組成物を複数の初代ヒトT細胞に導入するステップを含み、ここで、複数の改変T細胞の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率は幹メモリーT細胞(TSCM)またはセントラルメモリーT細胞(TCM)の細胞表面マーカーの1つまたは複数を発現し、それによって複数の改変幹メモリーT細胞(TSCM)または複数の改変セントラルメモリーT細胞(TCM)が作製される。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンである。ある特定の実施形態、特に、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンである実施形態では、トランスポザーゼは、Sleeping Beautyトランスポザーゼまたは過剰活性Sleeping Beautyトランスポザーゼ(SB100X)である。
本開示の方法のある特定の実施形態では、Sleeping Beautyトランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、過剰活性Sleeping Beauty(SB100X)トランスポザーゼ酵素は、
に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%またはこれらの間の任意の百分率同一なアミノ酸配列を含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Helitronトランスポザーゼである。Helitronトランスポザーゼにより、約3000〜3600万年前に活性であったコウモリゲノム由来の古来のエレメントであるHelraiserトランスポゾンが移動する。本開示の例示的なHelraiserトランスポゾンとしては、
を含む核酸配列を含むHelibat1が挙げられる。
他のトランスポザーゼとは異なり、Helitronトランスポザーゼは、RNase−H様触媒ドメインを含有しないが、その代わりに、複製開始ドメイン(Rep)およびDNAヘリカーゼドメインで構成されるRepHelモチーフを含む。Repドメインは、ヌクレアーゼのHUHスーパーファミリーのヌクレアーゼドメインである。
本開示の例示的なHelitronトランスポザーゼは、
を含むアミノ酸配列を含む。
Helitron転移では、トランスポゾンの3’末端の近くのヘアピンがターミネーターとして機能する。しかし、このヘアピンは、トランスポザーゼによって迂回され、それによって、隣接する配列の形質導入がもたらされ得る。さらに、Helraiser転移により、共有結合により閉じた環状中間体が生じる。さらに、Helitron転移は、標的部位重複を欠き得る。Helraiser配列では、トランスポザーゼは、LTSおよびRTSと称される左末端配列および右末端配列に挟まれている。これらの配列は、保存された5’−TC/CTAG−3’モチーフで終結する。ヘアピン終結構造が形成される潜在性がある19bpのパリンドローム配列はRTSの11ヌクレオチド上流に位置し、配列GTGCACGAATTTCGTGCACCGGGCCACTAG(配列番号29)からなる。
本開示の方法のある特定の実施形態では、トランスポザーゼは、Tol2トランスポザーゼである。Tol2トランスポゾンは、メダカのゲノムから単離するまたは引き出すことができ、hATファミリーのトランスポゾンと類似したものであり得る。本開示の例示的なTol2トランスポゾンは、約4.7キロベースを含む配列によりコードされ、4つのエクソンを含有する、Tol2トランスポザーゼをコードする遺伝子を含有する。本開示の例示的なTol2トランスポザーゼは、以下:
を含むアミノ酸配列を含む。
逆方向反復、末端近くの配列およびTol2トランスポザーゼを含む本開示の例示的なTol2トランスポゾンは、以下:
を含む核酸配列によりコードされる。
相同組換え
本開示の方法のある特定の実施形態では、本開示の改変CAR−TSCMまたはCAR−TCMを、抗原受容体を本開示の初代ヒトT細胞に相同組換えによって導入することによって作製する。本開示のある特定の実施形態では、相同組換えを、本開示のゲノム編集組成物または構築物によって誘導される一本鎖切断または二本鎖切断によって誘導する。本開示の相同組換え方法は、配列内の少なくとも1つの切断を誘導するため、およびゲノム配列内に外因性ドナー配列組成物の進入点をもたらすために、本開示のゲノム編集組成物または構築物をゲノム配列に接触させることを含む。本開示のドナー配列組成物は、誘導された進入点において細胞のネイティブなDNA修復機構によってゲノム配列に組み込まれる。
本開示の方法のある特定の実施形態では、相同組換えにより、本開示の抗原受容体をコードする配列および/またはドナー配列組成物が「ゲノムセーフハーバー」部位に導入される。ある特定の実施形態では、哺乳動物ゲノム配列は、ゲノムセーフハーバー部位を含む。ある特定の実施形態では、霊長類ゲノム配列は、ゲノムセーフハーバー部位を含む。ある特定の実施形態では、ヒトゲノム配列は、ゲノムセーフハーバー部位を含む。
ゲノムセーフハーバー部位により、新しい遺伝子材料の組み込みを、新しく挿入された遺伝子エレメントが確実に機能し(例えば、治療的に有効な発現のレベルで発現し)、かつ、宿主生物体に対するリスクを引き起こすような宿主ゲノムに対する有害な変更が引き起こされないことを確実にする様式で適応させることができる。潜在的なゲノムセーフハーバーとしては、これだけに限定されないが、ヒトアルブミン遺伝子、アデノ随伴ウイルス部位1(AAVS1)、19番染色体上に天然に存在するAAVウイルス組み込み部位、ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体5(CCR5)遺伝子の部位およびマウスRosa26遺伝子座のヒトオルソログの部位のイントロン配列が挙げられる。
本開示の方法のある特定の実施形態では、相同組換えにより、本開示の抗原受容体をコードする配列および/またはドナー配列組成物を内因性T細胞受容体または主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)の1つまたは複数の構成成分をコードする配列に導入する。ある特定の実施形態では、内因性T細胞受容体またはMHCをコードするゲノム配列内で相同組換えを誘導することにより、内因性遺伝子を妨害し、任意選択で、内因性遺伝子のコード配列の一部を本開示のドナー配列組成物で置き換える。ある特定の実施形態では、内因性T細胞受容体またはMHCをコードするゲノム配列内で相同組換えを誘導することにより、内因性遺伝子を妨害し、任意選択で、内因性遺伝子のコード配列全体を本開示のドナー配列組成物で置き換える。本開示の方法のある特定の実施形態では、本開示の抗原受容体またはドナー配列組成物をコードする配列の相同組換えによる導入により、抗原受容体が内因性T細胞プロモーターに作動可能に連結される。本開示の方法のある特定の実施形態では、本開示の抗原受容体またはドナー配列組成物をコードする配列の相同組換えによる導入により、抗原受容体または治療用タンパク質が転写または翻訳調節エレメントに作動可能に連結される。本開示の方法のある特定の実施形態では、本開示の抗原受容体またはドナー配列組成物をコードする配列の相同組換えによる導入により、抗原受容体または治療用タンパク質が転写調節エレメントに作動可能に連結される。ある特定の実施形態では、転写調節エレメントは、内因性T細胞5’UTRを含む。
相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物を複数のT細胞の少なくとも1つの初代T細胞のゲノム配列と接触させる。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物を複数のT細胞の初代T細胞の一部のゲノム配列と接触させる。ある特定の実施形態では、初代T細胞の一部は、複数のT細胞内の初代T細胞の総数の少なくとも1%、2%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%またはこれらの間の任意の百分率である。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物を複数のT細胞の各初代T細胞のゲノム配列と接触させる。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物により一本鎖切断が誘導される。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物により二本鎖切断が誘導される。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、導入ステップは、ドナー配列組成物をさらに含む。ある特定の実施形態では、ドナー配列組成物は、抗原受容体をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、ドナー配列組成物は、抗原受容体をコードする配列、5’ゲノム配列および3’ゲノム配列を含み、ここで、5’ゲノム配列は、ゲノム編集組成物によって誘導される切断点に対して5’側にある、初代T細胞のゲノム配列と相同または同一であり、3’ゲノム配列は、ゲノム編集組成物によって誘導される切断点に対して3’側にある、初代T細胞のゲノム配列と相同または同一である。ある特定の実施形態では、5’ゲノム配列および/または3’ゲノム配列は、少なくとも50bp、100bp、少なくとも200bp、少なくとも300bp、少なくとも400bp、少なくとも500bp、少なくとも600bp、少なくとも700bp、少なくとも800bp、少なくとも900bp、少なくとも1000bp、少なくとも1100bp、少なくとも1200bp、少なくとも1300bp、少なくとも1400、または少なくとも1500bp、少なくとも1600bp、少なくとも1700bp、少なくとも1800bp、少なくとも1900bp、少なくとも2000bpの長さまたは終点を含めたその間の任意の長さの塩基対(bp)を含む。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物およびドナー配列組成物をゲノム配列と同時にまたは逐次的に接触させる。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物およびドナー配列組成物をゲノム配列と逐次的に接触させ、ゲノム編集組成物を最初にもたらす。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物は、DNA結合性ドメインをコードする配列およびヌクレアーゼドメインをコードする配列を含む。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物は、DNA結合性ドメインおよびヌクレアーゼドメインを含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、ガイドRNA(gRNA)を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、TALENのDNA結合ドメインを含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、ZFNのDNA結合ドメインを含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、Cas9ヌクレアーゼまたはその配列を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、不活性Cas9(配列番号33、10位におけるアラニン(A)のアスパラギン酸(D)による置換(D10A)および840位におけるアラニン(A)のヒスチジン(H)による置換(H840A)を含む)を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、短い不活性Cas9(配列番号32、10位におけるアラニン(A)のアスパラギン酸(D)による置換(D10A)および540位におけるアラニン(A)のアスパラギン(N)による置換(N540A)を含む)を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、IIS型エンドヌクレアーゼを含むかまたはこれをさらに含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、BfiI、MboII、Acc36I、FokIまたはClo051を含む。ある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、Clo051を含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、TALENまたはそのヌクレアーゼドメインを含むかまたはこれをさらに含む。ゲノム編集組成物のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、ZFNまたはそのヌクレアーゼドメインを含むかまたはこれをさらに含む。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物によりゲノム配列内の切断を誘導し、初代T細胞の内因性DNA修復機構を使用してドナー配列組成物を挿入する。相同組換えを含む導入ステップのある特定の実施形態では、ドナー配列組成物の挿入によりゲノム編集組成物のDNA結合性部位が排除され、それにより、ゲノム編集組成物のさらなる活性が妨げられる。
本開示の相同組換えの方法のある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物または構築物のヌクレアーゼドメインは、初代ヒトT細胞のゲノム配列内の定義された場所に切断を導入することができるものであり、さらに、ホモ二量体またはヘテロ二量体を含む、それから本質的になる、またはそれからなるものであり得る。ある特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼである。ホモ二量体またはヘテロ二量体を含むエフェクター分子を含めたエフェクター分子は、Cas9、Cas9ヌクレアーゼドメインまたはその断片を含む、それから本質的になる、またはそれからなるものであり得る。ある特定の実施形態では、Cas9は、触媒として不活性であるまたは「不活化」Cas9(dCas9)である。ある特定の実施形態では、Cas9は、触媒として不活性であるまたはCas9の「不活化」ヌクレアーゼドメインである。ある特定の実施形態では、dCas9は、本明細書では「低分子」dCas9またはdSaCas9と称される、全長の触媒として不活化したCas9に由来するより短い配列によりコードされる。
ある特定の実施形態では、不活化した低分子Cas9(dSaCas9)は、活性ヌクレアーゼと作動可能に連結している。ある特定の実施形態では、本開示は、DNA結合性ドメインおよび分子ヌクレアーゼを含む、それから本質的になる、またはそれからなる融合タンパク質であって、ヌクレアーゼが、低分子不活化Cas9(dSaCas9)を含む、融合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、本開示のdSaCas9は、触媒部位を不活化する突然変異D10AおよびN580A(下線が引かれており、太字になっている)を含む。ある特定の実施形態では、本開示のdSaCas9は、
のアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、本開示のdCas9は、Staphyloccocus pyogenesから単離されたまたは引き出されたdCas9を含む。ある特定の実施形態では、dCas9は、触媒部位を不活化する、dCas9のアミノ酸配列の10位および840位の置換を有するdCas9を含む。ある特定の実施形態では、これらの置換は、D10AおよびH840Aである。ある特定の実施形態では、dCas9のアミノ酸配列は、
の配列を含む。
本開示のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、dCas9またはdSaCas9およびIIS型エンドヌクレアーゼを含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。本開示のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、BfiI、MboII、Acc36I、FokIまたはClo051が挙げられるが、これらに限定されないdSaCas9およびIIS型エンドヌクレアーゼを含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。本開示のある特定の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、dSaCas9およびClo051を含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。例示的なClo051ヌクレアーゼドメインは、
のアミノ酸配列を含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。
例示的なdCas9−Clo051ヌクレアーゼドメインは、
のアミノ酸配列(Clo051配列に下線が引かれており、リンカーは太字のイタリック体になっており、dCas9配列はイタリック体になっている)を含む、それから本質的になる、またはそれからなるものであり得る。
ある特定の実施形態では、初代ヒトT細胞のゲノムDNA内の定義された場所に切断を導入することができるヌクレアーゼは、ホモ二量体またはヘテロ二量体を含む、それから本質的になる、またはそれからなるものであり得る。本開示のゲノム編集組成物または構築物のヌクレアーゼドメインは、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)から単鎖された、引き出された、または組み換えられたヌクレアーゼドメインを含む、それから本質的になる、またはそれからなるものであり得る。TALENは、所定のDNA配列または個々の核酸に結合するデザイナータンパク質を創出する手段をもたらすプログラム可能なDNA結合性ドメインを有する転写因子である。転写活性化因子様(TAL)タンパク質、または、より詳細には、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)においてモジュラーDNA結合性ドメインが同定されており、それにより、目的のDNA配列に結合する合成転写因子の新規創出が可能になり、望ましい場合には、タンパク質またはポリペプチド上に存在する第2のドメインがDNAに関連する活性を示すことも可能になる。TALタンパク質は、生物XanthomonasおよびRalstoniaから引き出されている。
本開示のある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物または構築物のヌクレアーゼドメインは、TALENおよびIIS型エンドヌクレアーゼから単離された、それに由来するまたはそこから組換えられたヌクレアーゼドメインを含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。本開示のある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、BfiI、MboII、Acc36I、FokIまたはClo051を含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。本開示のある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、Clo051(配列番号34)を含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。
本開示のある特定の実施形態では、ゲノム編集組成物または構築物のヌクレアーゼドメインは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)およびIIS型エンドヌクレアーゼから単離された、それに由来するまたはそこから組換えられたヌクレアーゼドメインを含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。本開示のある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、AciI、Mn1I、AlwI、BbvI、BccI、BceAI、BsmAI、BsmFI、BspCNI、BsrI、BtsCI、HgaI、HphI、HpyAV、Mbo1I、My1I、PleI、SfaNI、AcuI、BciVI、BfuAI、BmgBI、BmrI、BpmI、BpuEI、BsaI、BseRI、BsgI、BsmI、BspMI、BsrBI、BsrBI、BsrDI、BtgZI、BtsI、EarI、EciI、MmeI、NmeAIII、BbvCI、Bpu10I、BspQI、SapI、BaeI、BsaXI、CspCI、BfiI、MboII、Acc36I、FokIまたはClo051を含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。本開示のある特定の実施形態では、IIS型エンドヌクレアーゼは、Clo051(配列番号34)を含んでもよいし、から本質的になってもよいし、またはからなってもよい。
本開示のゲノム編集組成物または構築物のある特定の実施形態では、DNA結合性ドメインとヌクレアーゼドメインが共有結合により連結していてよい。例えば、融合タンパク質は、DNA結合性ドメインおよびヌクレアーゼドメインを含んでよい。本開示のゲノム編集組成物または構築物のある特定の実施形態では、DNA結合性ドメインとヌクレアーゼドメインは非共有結合性の連結によって作動可能に連結していてよい。
改変T細胞からの分泌タンパク質
本開示の組成物および方法のある特定の実施形態では、改変T細胞は、治療用タンパク質を発現する。本開示の治療用タンパク質は、分泌タンパク質を含む。治療に関しては、治療用タンパク質は、分泌ヒトタンパク質を含めたヒトタンパク質であることが好ましい。本開示のCAR−T細胞によって発現または分泌された場合、CAR−T細胞とそれらから分泌された治療用タンパク質を含む組合せは、単独療法とみなすことができる。しかし、本開示のCAR−T細胞を第2の薬剤との併用療法として投与することもできる。本開示の改変T細胞によって発現または分泌させることができるヒト分泌タンパク質のデータベースは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、proteinatlas.org/search/protein_class:Predicted%20secreted%20proteinsにおいて見出され得る。例示的なヒト分泌タンパク質を表1のヒト分泌タンパク質に提示するが、これらに限定するものではない。
本開示の一部の実施形態では、T細胞を、分泌タンパク質および分泌ヒトタンパク質を含めた治療用タンパク質を発現するように改変する。障害の方法の一部の実施形態では、ヒトタンパク質を発現するようにまたは分泌するように改変されたCAR−T細胞を含む組成物を、凝固障害を処置するために使用する。血液凝固は、凝固カスケードとして公知の多段階プロセスを通じて起こる。外来性経路では、組織因子(第III因子またはトロンボプラスチンとしても公知)が第VII因子と接触した状態になって、活性化VIIa複合体が形成される。これにより、凝固プロテアーゼカスケードが開始され、不活性第X因子が活性なプロテアーゼ第Xa因子に変換され、これが、活性化第V因子とともに、プロトロンビン(II)からトロンビン(IIa)を生じさせる。内在性経路では、コラーゲンが高分子量キニノーゲン、プレカリクレインおよび第XII因子と複合体を形成し、それにより、第XII因子の第XIIa因子への変換がもたらされる。第XIIa因子により第XI因子が第XIa因子に変換され、第XIa因子により第IX因子が活性化されて第IXa因子が生じ、第IXa因子がFVIIIaと共にテナーゼ複合体を形成し、テナーゼ複合体により、第X因子が活性化され、これにより、プロトロンビン(II)のトロンビン(IIa)への変換が補助される。今度はトロンビンによりフィブリノーゲン(I)のフィブリンへの変換がもたらされ、フィブリンが第XIIIa因子と一緒になって架橋フィブリン塊を形成する。多くの凝固障害は、凝固カスケードに関与する血液中の分泌タンパク質のレベルが低いことの結果である。凝固障害は、傷害時に体から出ていく血液の量を強烈に増加させる、または皮下または生命維持に必要な臓器における出血を引き起こす可能性がある。これらの障害は、遺伝的なものである頻度が高い。凝固因子の欠損によって引き起こされる例示的であるが非限定的な疾患としては、血友病、フォン・ヴィルブランド病およびアンチトロンビンIII、プロテインCまたはプロテインSの欠損が挙げられる。血友病AおよびBはX連鎖であり、それぞれ凝固第VIII因子および第IX因子(FIX)のレベルが不十分であることによって引き起こされる。血友病Cは、第XI因子が不十分であることによって引き起こされる。第II因子、第VII因子、第X因子または第XII因子の欠損によっても出血障害が引き起こされる。フォン・ヴィルブランド病は、血液中のフォン・ヴィルブランド凝固因子のレベルが低いことに起因する。一部の場合では、凝固を調節する血液タンパク質の欠損により、過剰な凝固がもたらされる可能性がある。第V因子ライデンは、第V因子ライデンタンパク質が過剰に反応し、それにより、血液があまりにも頻繁にまたは過剰に血餅になる遺伝障害である。出血の調節を補助するアンチトロンビンIII、プロテインCまたはプロテインSの欠損によっても過剰な凝固が引き起こされる可能性がある。現在、血友病などの凝固障害は、輸血または欠如した凝固因子の注入(補充療法)を用いて処置されている。しかし、補充療法の併発症として、凝固因子に対する抗体の発生、血液由来製品によるウイルス感染の罹患、および関節に対する損傷が挙げられる。したがって、追加的な療法が必要とされている。
本開示の一部の実施形態では、T細胞を、分泌タンパク質および分泌ヒトタンパク質を含めた治療用タンパク質を発現するように改変する。障害の方法の一部の実施形態では、ヒトタンパク質を発現するようにまたは分泌するように改変されたCAR−T細胞を含む組成物を酵素補充療法のために使用する。酵素補充療法は、一般には、疾患の症状を引き起こす根源的な酵素欠損症にバランスをもたらす酵素を含む組成物を治療有効量で静脈内注入することを伴う。したがって、欠如した酵素活性がこのように外因的に供給される。本開示の改変T細胞によって処置することができる例示的な疾患としては、これだけに限定されないが、リソソーム蓄積症、ゴーシェ病(グルコセレブロシダーゼ酵素)、ファブリー病、ムコ多糖症I(MPS I)、ムコ多糖症I(MPS II、またはハンター症候群、イズロン酸−2−スルファターゼ欠損によって引き起こされる)、ムコ多糖症VI(MPS VI、アリールスルファターゼB欠損によって引き起こされる)およびポンペ病(または糖原病II型、酸性アルファ−グルコシダーゼの欠損によって引き起こされる)が挙げられる。酵素補充療法を用いて処置可能な追加的な疾患としては、これだけに限定されないが、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損、肝臓酵素N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)の欠損に起因する高アンモニア血症、低ホスファターゼ血症、リソソーム酸性リパーゼ欠損症、モルキオ症候群A型、ウォルマンLALリソソーム酸性リパーゼ欠損症、A1AT(アルファ1−抗トリプシン)欠損および尿素サイクル異常症が挙げられる。酵素補充療法の間に患者に供給される酵素としては、これだけに限定されないが、アルファ1−抗トリプシン、β−グルコセレブロシダーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼA、α−L−イズロニダーゼ、イズロン酸−2−スルファターゼ、N−アセチルガラクトサミン−6スルファターゼ、−アセチルガラクトサミン−4スルファターゼおよびリソソーム酸リパーゼが挙げられる。
本開示の一部の実施形態では、T細胞を、分泌タンパク質および分泌ヒトタンパク質を含めた治療用タンパク質を発現するように改変する。障害の方法の一部の実施形態では、ヒトタンパク質を発現するようにまたは分泌するように改変されたCAR−T細胞を含む組成物を使用して、ヒト抗体を作製する。一部の実施形態では、分泌タンパク質を発現する改変T細胞によって処置される疾患は、抗体または抗体断片の静脈内注入または静脈内注射によって処置することができる疾患である。がんに加えて、関節炎および喘息、および感染などの免疫に基づく疾患、ならびに他の疾患を含めた多くの型の疾患の処置に、抗体に基づく療法を使用する。本開示の改変T細胞を用いて処置することができる疾患の例示的であるが非限定的な一覧としては、血小板凝集、Clostridium difficile感染、関節リウマチ、クローン病、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、アルツハイマー病、敗血症、多発性硬化症、高コレステロール血症、全身性エリテマトーデス、臓器移植拒絶反応の予防、ウイルス感染、喘息、重症アレルギー性障害、網膜症、骨粗鬆症、炎症性腸疾患、炎症性疾患、A型インフルエンザ、発作性夜間ヘモグロビン尿症、グラム陰性菌によって引き起こされる敗血症、乾癬、浸潤性Candida感染、潰瘍性大腸炎、低コレステロール血症、呼吸器合胞体ウイルス感染、限局性分節性糸球体硬化症、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、HIV感染症、潰瘍性大腸炎、自己免疫疾患、慢性喘息、緑内障手術後の瘢痕形成の低下、高コレステロール血症、白血球疾患、全身性強皮症、呼吸器合胞体ウイルス(予防)、エリテマトーデス、1型糖尿病、炎症、Pseudomonas aeruginosa感染、黄斑変性症、炭疽、サイトメガロウイルス感染症、気道、皮膚および胃腸管の炎症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性疾患、ぶどう膜炎、サイトメガロウイルス感染症、皮膚筋炎、多発性筋炎、線維症、脈絡膜および網膜血管新生、筋ジストロフィー、Staphylococcus aureus感染、ループス腎炎、濾胞性リンパ腫、慢性B型肝炎および潰瘍性大腸炎が挙げられる。
養子細胞療法としての改変細胞の注入
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり2×105個から5×108個の間、またはそれらの任意の範囲、値または分数の細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.2×106個〜20×106個の細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.2×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり2×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり20×106個の細胞、またはそれらの間の任意の投与当たり患者の体重1kg当たりの細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり1×106個の細胞または約1×106個の細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり3×106個の細胞または約3×106個の細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.7×106個〜6.7×106個の細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.7×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり6.7×106個の細胞またはそれらの間の任意の投与当たり患者の体重1kg当たりの細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.7×106個〜16×106個の細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.7×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり2×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり6×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり10.7×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり16×106個の細胞またはそれらの間の任意の投与当たり患者の体重1kg当たりの細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり1.2×106個〜7.1×106個の細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり1.2×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり7.1×106個の細胞または任意の数の投与当たり患者の体重1kg当たりの細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり2×106個〜3×106個の細胞を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり1106×106個〜2106×106個の細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり1106×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり2106×106個の細胞またはそれらの間の任意の投与当たり患者の体重1kg当たりの細胞数を含む。本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.7×106個〜1.3×106個の細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、投与当たり患者の体重1kg当たり0.7×106個の細胞、投与当たり患者の体重1kg当たり1.3×106個の細胞またはそれらの間の任意の投与当たり患者の体重1kg当たりの細胞数を含む。
本開示のある特定の実施形態では、本開示の改変細胞を患者に注射または静脈内注入によって送達する。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、単一用量または複数用量を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、分割用量を含む。ある特定の実施形態では、治療有効用量の、本開示の組成物または本開示の改変細胞を含む組成物は、初回用量および維持用量を含む。
本開示のある特定の実施形態では、改変細胞はT細胞であり、T細胞は、in vitroにおける増大または薬学的に許容される担体を用いた製剤化のいずれかの前にT細胞マーカーに応じて選別することができる。一部の実施形態では、改変T細胞は、CD8+および/またはCD4+マーカーを使用して選別することができる。
核酸分子
タンパク質足場をコードする本開示の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNAまたは任意の他の形態などのRNAの形態であってもよく、これだけに限定されないが、cDNAおよびクローニングによって得られるまたは合成により作製されるゲノムDNA、またはそれらの任意の組合せを含めた、DNAの形態であってもよい。DNAは、三本鎖、二本鎖または一本鎖、またはそれらの任意の組合せであってよい。DNAまたはRNAの少なくとも1つの鎖の任意の部分は、センス鎖としても公知のコード鎖であってもよく、アンチセンス鎖とも称される非コード鎖であってもよい。
本開示の単離された核酸分子は、任意選択で1つまたは複数のイントロン、例えば、これだけに限定されないが、少なくとも1つのタンパク質足場の少なくとも1つの指定の部分を有するオープンリーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子;標的タンパク質に結合するタンパク質足場またはループ領域のコード配列を含む核酸分子;および上記のものとは実質的に異なるヌクレオチド配列を含むが、遺伝暗号の縮重に起因して、本明細書に記載のおよび/または当技術分野で公知のタンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼをなおコードする核酸分子を含み得る。当然、遺伝暗号は当技術分野において周知である。したがって、本発明の特定のタンパク質足場をコードするそのような縮重核酸バリアントの生成は、当業者には常套的であろう。例えば、Ausubelら、上記を参照されたい。また、そのような核酸バリアントは本発明に包含される。
本明細書に示されている通り、タンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼをコードする核酸を含む本開示の核酸分子としては、これだけに限定されないが、タンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼ断片のアミノ酸配列を単独でコードする核酸;タンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼ全体またはその一部のコード配列;タンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼ、断片または部分のコード配列、ならびに、これだけに限定されないが、転写、スプライシングおよびポリアデニル化シグナルを含めたmRNAプロセシング(例えば、mRNAのリボソーム結合性および安定性)において役割を果たす転写された非翻訳配列などの非コード5’および3’配列を含めた追加的な非コード配列と共に、少なくとも1つのイントロンなどの上述の追加的なコード配列を有するまたは有さない、少なくとも1つのシグナルリーダーまたは融合ペプチドのコード配列などの追加的な配列;追加的な官能性をもたらすものなどの追加的なアミノ酸をコードする追加的なコード配列を挙げることができる。したがって、タンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼをコードする配列を、タンパク質足場断片または部分を含む融合したタンパク質足場、センチリン、CAR、CARTyrin、トランスポゾン、および/またはトランスポザーゼの精製を容易にするペプチドをコードする配列などのマーカー配列と融合することができる。
核酸の構築
本開示の単離された核酸は、当技術分野で周知の(a)組換え方法、(b)合成技法、(c)精製技法、および/または(d)これらの組合せを使用して作出することができる。
核酸は、本発明のポリヌクレオチドに加えて、配列を都合よく含み得る。例えば、ポリヌクレオチドの単離を補助するために、1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニング部位を核酸に挿入することができる。また、翻訳された本開示のポリヌクレオチドの単離を補助するために、翻訳可能な配列を挿入することができる。例えば、ヘキサ−ヒスチジンマーカー配列により、本開示のタンパク質を精製するための都合のよい手段がもたらされる。コード配列を除いた本開示の核酸は、任意選択で、本開示のポリヌクレオチドのクローニングおよび/または発現のためのベクター、アダプター、またはリンカーである。
クローニングおよび/または発現における機能を最適化するため、ポリヌクレオチドの単離を補助するため、または細胞へのポリヌクレオチドの導入を改善するために、そのようなクローニングおよび/または発現配列に追加的な配列を付加することができる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター、およびリンカーの使用は当技術分野において周知である(例えば、Ausubel、上記;またはSambrook、上記を参照されたい)。
核酸を構築するための組換え方法
本開示の単離された核酸組成物、例えば、RNA、cDNA、ゲノムDNA、またはそれらの任意の組合せなどは、生物学的供給源から、任意の数の当業者に公知のクローニング方法体系を使用して得ることができる。一部の実施形態では、ストリンジェントな条件下で本発明のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを使用して、cDNAまたはゲノムDNAライブラリー内の所望の配列を同定する。RNAの単離、およびcDNAおよびゲノムのライブラリーの構築は、当業者に周知である(例えば、Ausubel、上記;またはSambrook、上記を参照されたい)。
ベクターおよび宿主細胞
本開示は、本開示の単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターを用いて遺伝子工学操作される宿主細胞、および当技術分野で周知の組換え技法による少なくとも1つのタンパク質足場の作製にも関する。例えば、それぞれが完全に参照により本明細書に組み込まれるSambrookら、上記;Ausubelら、上記を参照されたい。
例えば、PB−EF1aベクターを使用することができる。ベクターは、以下のヌクレオチド配列を含む:
ポリヌクレオチドは、任意選択で、宿主における増殖のための選択マーカーを含有するベクターと接合することができる。一般に、プラスミドベクターを、リン酸カルシウム沈殿物などの沈殿物、または荷電した脂質との複合体に導入する。ベクターがウイルスである場合、in vitroにおいて適切なパッケージング細胞株を使用してパッケージし、次いで、宿主細胞に形質導入することができる。
DNA挿入断片は、適切なプロモーターに作動可能に連結しているべきである。発現構築物は、転写開始、終結のための部位、および、転写領域内に翻訳のためのリボソーム結合性部位をさらに含有する。構築物によって発現される成熟転写物のコード部分は、最初に翻訳開始コドン、および翻訳されるmRNAの最後に適切に位置させた終結コドン(例えば、UAA、UGAまたはUAG)を含むことが好ましく、哺乳動物または真核細胞での発現にはUAAおよびUAGが好ましい。
発現ベクターは、少なくとも1つの選択マーカーを含むことが好ましいが、任意選択である。そのようなマーカーとしては、例えば、これだけに限定されないが、真核細胞培養に関しては、アンピシリン耐性遺伝子、ゼオシン耐性遺伝子(Sh bla遺伝子)、ピューロマイシン耐性遺伝子(pac遺伝子)、ハイグロマイシンB耐性遺伝子(hygB遺伝子)、G418/ジェネテシン耐性遺伝子(neo遺伝子)、ミコフェノール酸耐性遺伝子、またはグルタミンシンテターゼ耐性遺伝子(GS、米国特許第5,122,464号;同第5,770,359号;同第5,827,739号)、ブラストサイジン耐性遺伝子(bsd遺伝子)、ならびに、E.coliおよび他の細菌または原核生物の培養に関しては、アンピシリン耐性遺伝子、ゼオシン耐性遺伝子(Sh bla遺伝子)、ピューロマイシン耐性遺伝子(pac遺伝子)、ハイグロマイシンB耐性遺伝子(hygB遺伝子)、G418/ジェネテシン耐性遺伝子(neo遺伝子)、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子、カルベニシリン耐性遺伝子、ブレオマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、ポリミキシンB耐性遺伝子、またはテトラサイクリン耐性遺伝子が挙げられる(上記の特許はこれによって参照により完全に組み込まれる)。上記の宿主細胞に対する適切な培養培地および条件は、当技術分野で公知である。適切なベクターは当業者には容易に明らかになろう。宿主細胞へのベクター構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、カチオン性脂質媒介性トランスフェクション、電気穿孔、形質導入、感染または他の公知の方法によって実施することができる。そのような方法は、例えば、Sambrook、上記、第1〜4章および第16〜18章;Ausubel、上記、第1章、第9章、第13章、第15章、第16章など、当技術分野において記載されている。
発現ベクターは、本開示の組成物および方法によって改変された細胞を単離するための少なくとも1つの選択可能な細胞表面マーカーを含むことが好ましいが、任意選択である。本開示の選択可能な細胞表面マーカーは、細胞または細胞のサブセットを別の定義された細胞のサブセットと区別する表面タンパク質、糖タンパク質、またはタンパク質の群を含む。選択可能な細胞表面マーカーは、本開示の組成物または方法によって改変された細胞と本開示の組成物または方法によって改変されていない細胞を区別するものであることが好ましい。そのような細胞表面マーカーとしては、例えば、これだけに限定されないが、「cluster of designation」または「classification determinant」タンパク質(多くの場合「CD」と省略される)、例えば、短縮形態または全長形態のCD19、CD271、CD34、CD22、CD20、CD33、CD52、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。細胞表面マーカーは、自殺遺伝子マーカーRQR8(Philip Bら、Blood.、2014年8月21日;124巻(8号):1277〜87頁)をさらに含む。
発現ベクターは、本開示の組成物および方法によって改変された細胞を単離するための少なくとも1つの選択可能な薬物耐性マーカーを含むことが好ましいが、任意選択である。本開示の選択可能な薬物耐性マーカーは、野生型または突然変異Neo、DHFR、TYMS、FRANCF、RAD51C、GCS、MDR1、ALDH1、NKX2.2、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
本開示の少なくとも1つのタンパク質足場を融合タンパク質などの改変形態で発現させることができ、分泌シグナルだけでなく、追加的な異種機能性領域を含めることができる。例えば、精製中、またはその後の取扱いおよび保管中の宿主細胞における安定性および持続性を改善するために、追加的なアミノ酸、特に、荷電アミノ酸の領域をタンパク質足場のN末端に付加することができる。また、精製を容易にするために、ペプチド部分を本開示のタンパク質足場に付加することができる。そのような領域は、タンパク質足場または少なくとも1つのその断片の最終的な調製の前に除去することができる。そのような方法は、Sambrook、上記、第17.29〜17.42章および第18.1〜18.74章;Ausubel、上記、第16章、第17章および第18章などの、多くの標準の実験マニュアルに記載されている。
当業者は、本開示のタンパク質をコードする核酸を発現させるために利用可能な多数の発現系に関する知識がある。あるいは、本開示の核酸を、本開示のタンパク質足場をコードする内因性DNAを含有する宿主細胞においてオンにする(操作により)ことにより、宿主細胞において発現させることができる。そのような方法は、例えば、完全に参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,746号、および同第5,733,761号に記載されている通り、当技術分野で周知である。
タンパク質足場、その指定の部分またはバリアントの作製に有用な細胞培養物の例は、当技術分野で公知の細菌細胞、酵母細胞、および哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞系は多くの場合に細胞の単層の形態になるが、哺乳動物細胞浮遊液またはバイオリアクターも使用することができる。インタクトなグリコシル化タンパク質を発現することができるいくつもの適切な宿主細胞株が当技術分野において開発されており、それらとして、COS−1細胞株(例えば、ATCC CRL 1650)、COS−7細胞株(例えば、ATCC CRL−1651)、HEK293細胞株、BHK21細胞株(例えば、ATCC CRL−10)、CHO細胞株(例えば、ATCC CRL 1610)およびBSC−1細胞株(例えば、ATCC CRL−26)、Cos−7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0−Ag14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、例えば、American Type Culture Collection、Manassas、Va.(www.atcc.org)から容易に入手可能である。好ましい宿主細胞としては、骨髄腫細胞およびリンパ腫細胞などのリンパ起源の細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞は、P3X63Ag8.653細胞(ATCC受託番号CRL−1580)およびSP2/0−Ag14細胞(ATCC受託番号CRL−1851)である。特に好ましい実施形態では、組換え細胞は、P3X63Ab8.653細胞またはSP2/0−Ag14細胞である。
これらの細胞に対する発現ベクターは、以下の発現制御配列、例えば、これだけに限定されないが、複製開始点;プロモーター(例えば、後期または初期SV40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許第5,168,062号;同第5,385,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモーター、EF−1アルファプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくとも1つのヒトプロモーター;エンハンサー、および/またはプロセシング情報部位、例えば、リボソーム結合性部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Ag ポリA付加部位)、および転写ターミネーター配列などの1つまたは複数を含み得る。例えば、Ausubelら、上記;Sambrookら、上記を参照されたい。本発明の核酸またはタンパク質の作製に有用な他の細胞は公知であり、かつ/または、例えば、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybridomas(www.atcc.org)または他の公知のまたは商業的な供給源から入手可能である。
真核生物宿主細胞を使用する場合、一般には、ポリアデニル化または転写ターミネーター配列をベクターに組み入れる。ターミネーター配列の例は、ウシ成長ホルモン遺伝子由来のポリアデニル化配列である。転写物の正確なスプライシングのための配列も含めることができる。スプライシング配列の例は、SV40由来のVP1イントロンである(Spragueら、J. Virol.、45巻:773〜781頁(1983年))。さらに、当技術分野で公知の通り、宿主細胞における複製を制御するための遺伝子配列をベクターに組み入れることができる。
タンパク質足場の精製
タンパク質足場は、これだけに限定されないが、プロテインA精製、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた周知の方法によって組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を精製のために使用することができる。例えば、それぞれが完全に参照により本明細書に組み込まれるColligan、Current Protocols in Immunology、またはCurrent Protocols in Protein Science、John Wiley & Sons、NY、N.Y.(1997〜2001年)、例えば、第1章、第4章、第6章、第8章、第9章、第10章を参照されたい。
本開示のタンパク質足場は、天然に精製された産物、化学合成手順の産物、ならびに、例えば、E.coli、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含めた原核生物または真核生物宿主から組換え技法によって産生された産物を含む。組換え産生手順に使用される宿主に応じて、本開示のタンパク質足場はグリコシル化されたものであってもグリコシル化されていないものであってもよい。そのような方法は、全てが参照により本明細書に完全に組み込まれるSambrook、上記、第17.37〜17.42節;Ausubel、上記、第10章、第12章、第13章、第16章、第18章および第20章、Colligan、Protein Science、上記、第12〜14章などの、多くの標準の実験マニュアルに記載されている。
バリアント
本開示のタンパク質足場を構成するアミノ酸は、多くの場合、略される。アミノ酸の名称は、アミノ酸を当技術分野においてよく理解されているその1文字コード、その3文字コード、名称、または3ヌクレオチドのコドン(単数または複数)で表すことによって示すことができる(Alberts, B.ら、Molecular Biology of The Cell、第3版、Garland Publishing, Inc.、New York、1994年を参照されたい)。本開示のタンパク質足場は、本明細書で規定される通り、自然突然変異またはヒトによる操作のいずれかに由来する1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失または付加を含み得る。機能に不可欠な本開示のタンパク質足場のアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発などの、当技術分野で公知の方法によって同定することができる(例えば、Ausubel、上記、第8章、第15章;CunninghamおよびWells、Science、244巻:1081〜1085頁(1989年))。後者の手順では、分子内の残基毎に単一のアラニン突然変異を導入する。次いで、得られた突然変異分子を、例えば、これだけに限定されないが、少なくとも1つの中和活性などの生物学的活性について試験する。タンパク質足場の結合性に重大な部位も、結晶化、核磁気共鳴または光親和性標識などの構造解析によって同定することができる(Smithら、J. Mol. Biol.、224巻:899〜904頁(1992年)およびde Vosら、Science、255巻:306〜312頁(1992年))。
本開示全体を通して使用される「実質的に相補的」という用語は、第1の配列が、第2の配列の相補物と8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540、もしくはそれよりも多くのヌクレオチドまたはアミノ酸の領域にわたって少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%同一であること、または、2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを指す。
本開示全体を通して使用される「実質的に同一」という用語は、第1の配列と第2の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540またはそれよりも多くのヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%同一であること、または、核酸に関しては、第1の配列が第2の配列の相補物と実質的に相補的である場合を指す。
本開示全体を通して使用される「バリアント」という用語は、核酸を記載するために使用される場合、(i)参照ヌクレオチド配列の一部分もしくは断片;(ii)参照ヌクレオチド配列もしくはその一部の相補物;(iii)参照核酸もしくはその相補物と実質的に同一である核酸;または(iv)ストリンジェントな条件下で参照核酸、その相補物、またはそれと実質的に同一の配列とハイブリダイズする核酸を指す。
本開示全体を通して使用される「ベクター」という用語は、複製開始点を含有する核酸配列を指す。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体または酵母人工染色体であってよい。ベクターは、DNAベクターであってもRNAベクターであってもよい。ベクターは、自己複製する染色体外ベクターであってよく、DNAプラスミドであることが好ましい。
本開示全体を通して使用される「バリアント」という用語は、ペプチドまたはポリペプチドを記載するために使用される場合、アミノ酸の挿入、欠失、または保存的置換によってアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持するペプチドまたはポリペプチドを指す。バリアントは、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質も意味し得る。
アミノ酸の保存的置換、すなわち、アミノ酸を同様の性質(例えば、親水性、電荷領域の程度および分布)を有する異なるアミノ酸で置き換えることは、一般には、軽微な変化を伴うと当技術分野において認められている。これらの軽微な変化は、一部において、当技術分野において理解されているアミノ酸のハイドロパシー指数を考察することによって同定することができる(Kyteら、J. Mol. Biol.、157巻:105〜132頁(1982年))。アミノ酸のハイドロパシー指数は、疎水性および電荷の考察に基づく。ハイドロパシー指数が同様のアミノ酸は、置換することができ、それでもタンパク質機能が保持される。一態様では、ハイドロパシー指数が±2であるアミノ酸を置換する。生物学的機能を保持するタンパク質をもたらす置換を明らかにするために、アミノ酸の親水性を使用することもできる。ペプチドに関しては、アミノ酸の親水性の考察により、そのペプチドの最大の局所的な平均親水性を算出することが可能になり、これは、抗原性および免疫原性とよく相関することが報告されている有用な尺度である。参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第4,554,101号。
親水性値が同様のアミノ酸の置換により、生物学的活性、例えば免疫原性を保持するペプチドがもたらされ得る。置換は、親水性値が互いと±2以内であるアミノ酸を用いて実施することができる。アミノ酸の疎水性指数および親水性値はどちらも、そのアミノ酸の特定の側鎖による影響を受ける。この知見と一致して、生物学的機能と適合するアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、サイズ、および他の性質により明らかになるように、アミノ酸、特に、それらのアミノ酸の側鎖の相対的な類似性に依存することが理解される。
本明細書で使用される「保存的」アミノ酸置換は、以下の表A、B、またはCに記載の通り定義することができる。一部の実施形態では、融合ポリペプチドおよび/またはそのような融合ポリペプチドをコードする核酸は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの改変によって導入された保存的置換を含む。アミノ酸は、物理的性質およびタンパク質二次構造および三次構造への寄与に従って分類することができる。保存的置換は、1つのアミノ酸での同様の性質を有する別のアミノ酸の置換である。例示的な保存的置換を表Aに記載する。
あるいは、保存的アミノ酸は、表Bに記載されている通り、Lehninger、(Biochemistry、第2版;Worth Publishers, Inc. NY、N.Y.(1975年)、71〜77頁)に記載されている通り群分けすることができる。
あるいは、例示的な保存的置換は、表Cに記載されているものである。
本開示のポリペプチドは、アミノ酸残基の1つまたは複数の挿入、欠失、または置換、またはそれらの任意の組合せ、ならびにアミノ酸残基の挿入、欠失、または置換以外の改変を有するポリペプチドを含むことを意図していることが理解されるべきである。本開示のポリペプチドまたは核酸は、1つまたは複数の保存的置換を含有し得る。
本開示全体を通して使用される、上述のアミノ酸置換のうちの「1つよりも多く」という用語は、記載されているアミノ酸置換のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20またはそれよりも多くを指す。「1つよりも多く」という用語は、記載されているアミノ酸置換のうちの2、3、4、または5を指し得る。
本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、それらの配列全体、またはその任意の一部のいずれでも、天然に存在しないものであり得る。本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、天然に存在せず、アミノ酸配列全体を天然に存在しないものにする1つまたは複数の突然変異、置換、欠失、または挿入を含有し得る。本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、1つまたは複数の重複、逆または反復配列を含有し得、それにより得られる配列は、天然に存在せず、アミノ酸配列全体が天然に存在しないものになる。本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、天然に存在せず、アミノ酸配列全体を天然に存在しないものにする修飾、人工、または合成アミノ酸を含有し得る。
本開示全体を通して使用される「配列同一性」は、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ftpサイトから、デフォルトパラメータを使用して検索することができる2つの配列をブラスティングするための独立型の実行可能なBLASTエンジンプログラム(bl2seq)を使用することによって決定することができる(TatusovaおよびMadden、FEMS Microbiol Lett.、1999年、174巻、247〜250頁;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。「同一」または「同一性」という用語は、2つまたはそれよりも多くの核酸またはポリペプチド配列に関して使用される場合、配列のそれぞれの指定の領域にわたって同じである残基の指定の百分率を指す。百分率は、2つの配列を最適にアラインメントし、2つの配列を指定の領域にわたって比較し、両方の配列内で同一の残基が存在する位置の数を決定してマッチする位置の数を得、マッチする位置の数を指定の領域内の位置の総数で割り、結果に100を掛けて配列同一性の百分率を得ることによって算出することができる。2つの配列の長さが異なるまたはアラインメントにより1つもしくは複数の付着末端が生じ、指定の比較領域に単一の配列のみが含まれる場合には、単一の配列の残基は算出の分母には含めるが、分子には含めない。DNAとRNAを比較する場合、チミン(T)とウラシル(U)を等価とみなすことができる。同一性は、手動で行うこともでき、BLASTまたはBLAST2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを使用することによって行うこともできる。
(実施例1)
幹様改変T細胞の作製
以下は、T細胞を、T細胞の望ましい幹様性質が誘導または保存される条件下で、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように改変するための1つのプロトコールの、例示的であるが非限定的な例である。
0日目:T細胞のヌクレオフェクション
ImmunoCult(商標)−XF T細胞増大培地(Stemcell Technologies、Cat番号:10981)を37℃、5%CO2、高湿度のインキュベーター中で予め温める。反応(キュベットサイズ100μL)当たりT細胞5×106個に対して、反応当たり培地3mLを6ウェルプレートの単一のウェル中で温める。反応(キュベットサイズ100μL)当たりT細胞25×106個に対して、反応当たり培地20mLをG−Rex10(Wilson Wolf、Cat番号:80040S)中で温める。
P3初代細胞溶液(Lonza、Cat番号:PBP3−02250)を室温まで温め、必要であれば補充物質を添加する。
4D−Nucleofector(商標)Systemのコアユニット(Lonza、Cat番号:AAF−1002B)をオンにし、これにより、X−ユニット(Lonza、Cat番号:AAF−1002X)を制御する。P3緩衝液の使用が必要なヌクレオフェクションの数をプログラムする。EO−210をプログラムする。
キュベットを標識し、トランスファーピペット(Lonza P3キットにより供給)を予め開封し、核酸の妥当な希釈物を調製した後、細胞を用いて作業する。
トランスポゾンプラスミドに関して、ヌクレアーゼを含まないH2O中0.5μg/μL溶液を作製する。
収集されたCD14枯渇細胞、CD56枯渇細胞、およびCD19枯渇細胞をCliniMACs Prodigyを使用して計数し、必要とされる細胞数に必要な体積を算出する。
T細胞をHeraeus Multifuge X3Rベンチトップ遠心分離機(Thermofisher Scientific)で90g、7でのブレーキを伴って10分遠心分離する。同じ数の細胞/反応を使用して多数の反応を実施する場合、必要な細胞全てを単一の遠心管で遠心分離する。体積に応じて15mL(Fisher、Cat番号:14−959−49B)または50mL(Fisher、Cat番号:14−959−49A)のいずれかの円錐管を使用することができる。遠心分離中に、P3初代細胞溶液ボックス(Lonza、Cat番号:PBP3−02250)を伴うキュベットの底部に核酸を直接添加する。ステップ4においてトランスポゾン合計1μgに対して作製した0.5μg/μLトランスポゾンプラスミド溶液2μLをキュベットの底部の1つの隅に添加する。Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポザーゼmRNA 5μgをキュベットの他の隅に添加する。
mRNAは急速に分解する場合があるので、RNaseが存在する潜在性があるので電気穿孔前に他の核酸溶液および細胞と接触する時間を最小限にすることが最適である。このような理由で、混合を防ぐために、例えば、トランスポゾンおよびトランスポザーゼをキュベットの逆の隅に送達する。さらに、核酸の総体積を総反応体積に対して10μL(10%)よりも下に保つことが最適である。
トランスポゾンの量(1μg)とトランスポザーゼの量(5μg)はどちらも、反応当たりの細胞数にかかわらず、同じままにする。転移効率は、反応100μL当たり細胞5×106個から反応100μL当たり細胞25×106個の間で変化しないままである。
遠心分離後、細胞ペレットを妨害せずに培地を完全に吸引除去する。
細胞ペレットを、反応当たり、補充物質を含有する室温のP3緩衝液100μLに浮遊させる。
P3緩衝液中の細胞100μLを、最適には溶液中にいかなる気泡も導入されないように注意を払いながら、適切な核酸を含有するキュベットに移す。一度に最大2つのキュベットのみに細胞をローディングすべきであることが推奨される。細胞をキュベットに添加した後、直ちに作業することが最適であり、ヌクレオフェクション前のmRNAと細胞の接触時間を減らすことが効率的である。最大10分まではP3緩衝液中で休止状態の細胞に関して転移効率の低下は観察されていないが、細胞をP3中にとどめる時間を最小限にすることが推奨される。
キュベットの内容物を、数回はじくことによって混合し、最大2つのキュベットを4D−Nucleofector(商標)X−ユニットにローディングする。
細胞をプログラムEO−210でパルスし、機械によって記録される誤差がないことを確実にする。
ヌクレオフェクトした細胞を、6ウェルプレートまたはG−Rex10のいずれかに、Lonza P3キットにより供給されるトランスファーピペットを使用してすぐに移す。細胞を移すために、まず、少量の予め温めた培地を6ウェルプレートまたはG−Rexフラスコからトランスファーピペット中に引き込む。次いで、培地をキュベット中にピペットで入れ、ピペットを使用してキュベットの全内容物を最終的な培養皿に移す。キュベット中または最終的な培養皿中で細胞を上下にピペッティングしないことが推奨される。
残りのどの反応についても、P3緩衝液中の細胞を適切な核酸を含有するキュベットに移すところから、混合し、パルスし、ヌクレオフェクトした細胞を6ウェルプレートまたはG−Rex10中に移すところまでプロトコールを繰り返す。
細胞を37℃、5%CO2、高湿度のインキュベーターに入れる。
2日目:T細胞活性化
ImmunoCult(商標)ヒトCD3/CD28/CD2T細胞活性化因子(Stemcell Technologies、Cat番号:10970)25μL/mLをヌクレオフェクトした細胞に添加する。
細胞をピペッティングによって穏やかに混合する。
細胞を37℃、5%CO2、高湿度のインキュベーターに戻す。
G−Rexフラスコ中で成長させる細胞に関して:可視の細胞凝集塊が観察されるまで培養物を妨害しないことが必須である。したがって、培地添加および交換を細胞の破壊/混合/ピペッティングと分けることが推奨される。
培養培地の留意点:G−Rexフラスコ中で細胞を成長させるためには、培地添加および/または交換をグルコースおよび他の代謝産物のレベルに基づいて行うべきである。グルコースレベル(または別の指示的な代謝産物)が決定的レベル(例えばグルコース約100mg/dL)まで低下した場合には、予め温めたImmunoCult(商標)XF T細胞増大培地を使用して、培地体積を2倍にするおよび/または培地を半分交換することによって補給する。培地添加は、ゆっくりと実施し、細胞をできるだけ破壊しないように注意を払うべきである。培地半分の交換は、細胞を培養フラスコの底部に完全に静置させるために、細胞培養物の機械的破壊後の少なくとも12時間後に行うべきである。
細胞試料採取および破壊:細胞は、培養期間の大半の間は妨害せずにおくべきである。
活性化試薬の添加後の細胞培養物の第1の破壊は、大きな可視の細胞の凝集体が形成されたら行うべきである(凝集体は、G−Rex膜上に見ることができる格子の3〜4マス×3〜4マスになる)。
細胞凝集体が必要なサイズに到達したら、それらを、10mLの血清用ピペットを使用して機械的に破壊してもよい。この時点は、ドナーおよび転移効率に応じて11〜14日目になり得る。ある特定の状況、例えば、ヌクレオフェクションにマニュアルカセット、大きな体積および/または大きな細胞数を使用する場合には、この時点は、11日目よりも14日目に近づき得る。細胞計数、生存能力、およびフロー解析のために細胞の試料採取をこの時点で収集するべきである。この時点の培養培地の体積は使用した最初の体積(G−Rex100に関しては200mL)の2倍を超えないことが理想的である。細胞を再度妨害する必要がないように、必要とした細胞の全てを一度に収集することが推奨される。
細胞を破壊したら、それらを、出発時と同じ体積の培地中で12時間にわたって妨害せずに放置する。細胞はこの時点で再度凝集しているはずであるが、凝集体はより小さく、より多くなる。これらの凝集体はG−Rex膜の格子の1〜2マス×1〜2マスになるはずである。
細胞の第1の破壊(培養物に応じて14〜17日目)の3日後、細胞を2回目のピペッティングを行うことができる。試料を細胞計数、生存能力、およびフローサイトメトリーのために再度取得すべきである。再度、細胞を、試料採取後少なくとも12時間にわたって妨害せずに放置すべきである。細胞を再度妨害する必要がないように、必要とした細胞の全てを一度に収集することが推奨される。
この第2の破壊後、細胞はいかなる凝集塊も形成せず、細胞の成長速度は相当に遅くなる可能性がある。
細胞の採取を、培養17日目から20日目の間の細胞の第2の破壊の3日後に実施すべきである。
フローサイトメトリー
フローを5日目、D−Day、D−Day+3、およびD−Day+6に実施すべきである。
5日目、D−Day、およびD−Day+3に関しては、CD45、CD4、CD8、およびCARTyrinフローパネルを使用する
D−Day+6に関しては、標的パネルが3つある:
a.パネル 1:CD3、CD8、CD4、CARTyrin、CD45RA、CD45RO、CD62L
b.パネル 2:CD3、CD8、CD4、CARTyrin、CD25、CXCR4、PD−1
c.パネル 3:CD45、CD14、CD20、CD56、CD8、CD4、CD3 (実施例2)
CARTyrin+幹メモリーT細胞の機能的特徴付け
本開示のCARTyrinは、不適切な遺伝子活性化またはサイレンシングを遮断することによってCARTyrin発現を安定化するのに役立つように2つのシス調節性インスレーターエレメントに挟まれたCARTyrinをコードするプラスミドDNAトランスポゾンを使用してT細胞に導入することができる。
本開示の方法のある特定の実施形態では、抗原特異的(がん抗原特異的を含む)CARTyrinを休止状態の汎T細胞に安定に組み込むために、単一の電気穿孔反応でトランスポゾンがmRNAトランスポザーゼ酵素と共送達される、Super piggyBac(商標)(SPB)と称されるpiggyBac(商標)(PB)Transposon Systemを使用することができる。もとのままの休止状態の初代ヒト汎T細胞へのpiggyBac(商標)トランスポゾンの送達の結果、20〜30%の細胞が、PBにより送達された遺伝子の安定な組み込みおよび発現を伴った。予想外に、大多数のこれらの改変CARTyrin発現T細胞が幹メモリーT細胞(TSCM細胞)に一般に関連付けられるマーカーであるCD62LおよびCD45RAの発現について陽性であった。この表現型がCAR−T細胞の刺激および増大の際に保持されたことを確認するために、CD62LおよびCD45RAの発現について陽性の改変CARTyrin発現T細胞を、CD3およびCD28による刺激によって活性化した。CD3およびCD28による刺激の結果として、CARTyrin+T細胞の>60%が幹細胞メモリー表現型を示した。さらに、がん抗原に対して特異的なCARTyrinを発現したこれらの細胞は、強力な抗腫瘍エフェクター機能を発現することが十分に可能であった。
PB系が幹様マーカーの発現の増強に直接寄与するか否かを決定するために、PBによる転移またはレンチウイルスによる(LV)形質導入のいずれかによって生成したCAR−T細胞の表現型を比較した。これを行うために、CARTyrin導入遺伝子をウイルス産生のための共通のLV構築物にサブクローニングすることによって新しいベクターを構築した。CARTyrinをもとのままの休止状態のT細胞にPBによる転移またはLVによる形質導入によって導入した後、CARTyrin+細胞を増大させ、次いで、休止状態に戻した。メモリーおよび疲弊関連マーカーの動態解析、恒常性サイトカインまたは腫瘍関連Agに応答した二次的な増殖、サイトカイン産生、および標的腫瘍細胞に応答した溶解能を含めた、種々の表現型特性および機能特性を測定した。PBによる転移を行ったCARTyrin+T細胞とは異なり、LVによる形質導入を行ったCARTyrin+T細胞では、メモリー表現型の強化が示されなかった。さらに、PBによる転移を行った細胞では、二次的な増殖および標的腫瘍細胞の死滅に関して同等またはより大きな能力が示された。まとめると、これらのデータから、PBによる転移によって作製されたCAR−T細胞が、主に、CAR−T分野で高度に望ましい製品表現型であるTSCM細胞であることが実証される。さらに、これらのCARTyrin+T細胞は、強力な抗腫瘍活性を示し、また、トニックシグナル伝達および機能的疲弊を起こしにくい可能性がある、センチリンに基づくCARの使用に起因してin vivoにおいてより長く持続する細胞を生じさせることができる。
(実施例3)
Sleeping Beautyによる転移では主にTSCM表現型が得られる
Sleeping Beauty(SB100x)による転移では、本開示の方法を使用し、TSCM表現型が主に得られる。図10に示されている通り、ヒト汎T細胞を、1μgのSleeping BeautyトランスポゾンプラスミドまたはpiggyBacトランスポゾンプラスミドのいずれか、およびそれぞれSB100xまたはSPB mRNAを使用して転移を生じさせた。転移後、細胞をex vivoにおいて増大させ、全ての非転移細胞を、薬物選択系を使用して枯渇させた。18日間培養した後、細胞を表現型マーカーCD4、CD8、CD45RA、およびCD62Lで染色した。幹細胞メモリー表現型(TSCM)は、CD45RAおよびCD62L二重陽性細胞によって定義され、全試料中の細胞の>65%を構成する。
(実施例4)
改変T細胞における第IX因子の発現
第IX因子の遺伝学的欠損(図11)により、血友病Bと称される、命にかかわる疾患がもたらされる。血友病Bは、25,000人に1人〜30,000人に1人に影響を及ぼす稀な疾患である。現行の血友病B処置は、組換え第IX因子タンパク質を2〜3日ごとに注入することを伴い、費用は1年当たり約250,000ドルである。
幹メモリーT細胞(TSCM細胞)はヒトにおいて数十年維持され、したがって、頻繁な輸血を必要とせずに、血友病B患者において欠如している第IX因子を分泌させる、第IX因子を供給する理想的なビヒクルである。T細胞を、第IX因子を分泌するようにPiggyBacを用いて形質転換した。ヒト第IX因子導入遺伝子をコードするトランスジェニックT細胞を、FACSを使用してT細胞マーカーおよびTSCM細胞マーカーについて試験したところ、全細胞のおよそ80%がTSCM表現型を示した(図12)。これらの改変T細胞はヒト第IX因子を分泌することができ(図13A)、この分泌第IX因子により、凝固活性がもたらされた(図13B)。
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