JP2021191067A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図5において、電力系統102に系統インピーダンス103を介して接続される負荷としてのアーク炉104に対して、無効電力補償装置101が並列接続されている。この無効電力補償装置101は、サイリスタ、リアクトル、コンデンサ等からなり、変成器113及び変流器105により検出した電圧、電流に基づいて制御部114が無効電力補償装置101内のサイリスタをオン・オフ制御するように構成されている。
すなわち、アーク炉104が発生する無効電力をQf、無効電力補償装置101が出力する無効電力をQt、電力系統102の無効電力をQs(=Qf−Qt)とすると、Qt=Qfとなるように無効電力補償装置101を制御することにより、電力系統102の無効電力はQs=0となる。これにより、電力系統102の電圧変動ひいては電圧フリッカを抑制することができる。
なお、図5では無効電力補償装置101を他励式無効電力補償装置として示してあるが、自励式無効電力補償装置の場合も基本的動作は同一である。
図6に示すように、溶解期は比較的大きな負荷電流が速い周期で変動し、精錬期は溶解期に対して比較的小さい負荷電流が遅い周期で変動する。図6における縦軸のIfrmsは、アーク炉104に流入する負荷電流Ifの実効値である。
上記の精錬期のように負荷電流が小さい期間では、電圧フリッカの発生量が少なくなる一方、電力系統102の力率は悪化する。
この制御方式では、アーク炉の昇降速度を検出して溶解期と精錬期とを判別し、電圧フリッカが大きい溶解期ではフリッカ補償制御を行うと共に、力率が悪化する精錬期では制御方式を力率改善制御に切り替えることにより、受電点の力率を改善し、アーク炉への投入電力を削減して低コストでの操業を可能にしている。
前記制御部は、前記負荷の操業状態に応じて制御定数の異なる2つのモードの何れかにより前記無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
前記負荷がアーク炉である場合に、前記2つのモードは、前記操業状態としての溶解期に対応する第1モードと精錬期に対応する第2モードとからなり、前記第1モードにおける制御定数が前記第2モードにおける制御定数より大きいことを特徴とする。
前記第2モードにおける制御定数を、負荷電流が過去の運転における制御定数を超えた時間に基づいて設定することを特徴とする。
前記第2モードにおける制御定数を、所定時間にわたる負荷電流の積分値が過去の運転における制御定数を超えた時間に基づいて設定することを特徴とする。
前記制御定数が、前記無効電力補償装置に与える補償電流指令の制限値であることを特徴とする。
例えば、負荷がアーク炉である場合、操業状態が溶解期であって無効電力補償装置が熱的に余裕のある場合には半導体スイッチング素子を電流限界値にて運転するように制御定数を設定し、操業状態が精錬期であって無効電力補償装置に熱的な余裕がない場合には定格容量にて運転するように制御定数を溶解期より小さい値に設定することにより、無効電力補償装置の容量を必要最小限にして装置のコストを低減することができる。
図1は、この実施形態に係る電力変換装置の全体構成図である。図5と同様に、電力系統102には、系統インピーダンス103を介して負荷としてのアーク炉104が接続されている。
また、無効電力補償装置(自励式SVC)101を含む電力変換装置100が、系統インピーダンス103とアーク炉104との間に接続されている。
なお、電力系統102及び電力変換装置100等は三相回路であるが、図1では単線図により表示している。
一方、電流検出器107により検出した無効電力補償装置101の出力電流Ioutが電流制御演算手段110に入力されており、電流制御演算手段110は、出力電流Ioutが第2補償電流指令Iref2に一致するように演算を行う。
PWM演算手段111では、電圧指令Vrefとキャリアとを比較する等の演算を行ってPWMパルスを生成し、このPWMパルスを用いて無効電力補償装置101内の半導体スイッチング素子を駆動することにより、所望の無効電力を出力して電力系統102との連系点に注入する。
無効電力補償装置101は無効電力Qfを補償するため、負荷電流Ifから有効電流を除いた電流を出力する必要がある。このため、まず、負荷電流Ifをベクトル回転手段108aに入力して回転座標変換し、d軸成分Ifdとq軸成分Ifqとに分解する。なお、回転座標系は連系点電圧Vpccに同期して回転する座標系であり、連系点電圧Vpcc方向をd軸と定義し、このd軸から90°進んだ方向をq軸と定義する。
第1補償電流指令Iref1は乗算手段109fに入力されると共に、絶対値演算手段109aに入力されて三相各相の第1負荷電流指令(絶対値)Ifabs1が演算される。これらの第1負荷電流指令(絶対値)Ifabs1は最大値選択演算手段109bに入力されて三相のうちの最大値が選択され、この最大値は1次遅れフィルタ109cを介して第2負荷電流指令(絶対値)Ifabs2となり、除算手段109eに入力されている。
なお、切替手段109dの切替操作は、アーク炉104の操業状態を把握している運用管理者により実行される。
なお、前述した1次遅れフィルタ109cを下り方向(Ifabs1からIfabs2に向かう方向)のみに作用する特性とすることにより、負荷電流Ifの過渡的な変化に対しても適切に制限された第2補償電流指令Iref2を求めることができる。
図4に示すように、アーク炉104の操業状態が溶解期である場合の第1指令制限値に対して、精錬期である場合の第2指令制限値を小さく設定する。
これにより、装置の熱余裕に応じて無効電力補償量を制限できるため、無効電力補償装置101の能力をその容量に応じて最大限活用したシステムを実現することができる。
更に、過去の運転における第2指令制限値を超えた負荷電流の所定時間当たりの積分値が所定の積分値閾値を超えた場合に第2指令制限値を大きくし、前記積分値が前記積分値閾値より小さい場合に第2指令制限値を小さくしても良い。ここで、負荷電流の所定時間当たりの積分値としては、例えば、前回運転時の平均値を判断基準としても良いし、所定時間単位で区切った場合の最大値を判断基準としても良い。
101:無効電力補償装置
102:電力系統
103:系統リアクトル
104:アーク炉(負荷)
105,107:電流検出器
106:電圧検出器
108:補償電流演算手段
108a,108d:ベクトル回転手段
108b:移動平均手段
108c:減算手段
109:補償電流制限手段
109a:絶対値演算手段
109b:最大値選択演算手段
109c:1次遅れフィルタ
109d:切替手段
109e:除算手段
109f:リミッタ
109g:乗算手段
110:電流制御演算手段
111:PWM演算手段
112:加算手段
Claims (5)
- 電力系統に接続された負荷の無効電力によって発生する電圧フリッカを抑制するために、前記電力系統に無効電力を注入する無効電力補償装置及びその制御部からなる電力変換装置において、
前記制御部は、前記負荷の操業状態に応じて制御定数の異なる2つのモードの何れかにより前記無効電力補償装置を制御することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載した電力変換装置において、
前記負荷がアーク炉である場合に、前記2つのモードは、前記操業状態としての溶解期に対応する第1モードと精錬期に対応する第2モードとからなり、前記第1モードにおける制御定数が前記第2モードにおける制御定数より大きいことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2に記載した電力変換装置において、
前記第2モードにおける制御定数を、
負荷電流が過去の運転における制御定数を超えた時間に基づいて設定することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2に記載した電力変換装置において、
前記第2モードにおける制御定数を、
所定時間当たりの負荷電流の積分値が、過去の運転における制御定数を超えた時間に基づいて設定することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換装置において、
前記制御定数が、前記無効電力補償装置に与える補償電流指令の制限値であることを特徴とする電力変換装置。
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