JP2021190636A - 電気検査用基板 - Google Patents

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【課題】 電気検査用基板において、亀裂の発生を抑制する技術を提供する。【解決手段】 電気検査用基板は、各層が自身の60体積%以上のガラスを含有する多層セラミック基板を備える電気検査用基板であって、多層セラミック基板は、多層セラミック基板の一方の主面を構成する第1表層と、多層セラミック基板の他方の主面を構成する第2表層と、第1表層と隣接して配置される第1中間層と、第2表層と隣接して配置される第2中間層と、第1中間層と第2中間層との間に配置される内層と、を備え、第1表層、第2表層、および内層は、ガラスとして、第1ガラスを主に含み、第1中間層および第2中間層は、ガラスとして、第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含む。【選択図】 図2

Description

本発明は、電気検査用基板に関する。
従来、ガラス成分とセラミック成分との混合物を焼成した、いわゆるガラスセラミックで形成された複数のセラミック層を積層した多層セラミック基板において、内層と外層の熱膨張率を違えることにより、多層セラミック基板の強度を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2010−147101号公報 国際公開第2014/073604号公報 特開2014−236072号公報 特開平6−29664号公報
ところで、シリコンウエハの電気検査を行うための電気検査用冶具は、セラミック基板を含む電気検査用基板に、複数のプローブが形成されたものからなる。電気検査用基板では、基板の変形が小さいことが望まれるため、ガラスセラミックで形成された多層セラミック基板が用いられる場合がある。電気検査用基板で、多層セラミック基板の表面に樹脂層やスタッドを形成することや、検査時の冷熱サイクルに起因して発生する応力により亀裂が生じる虞がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電気検査用基板において、亀裂の発生を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、電気検査用基板が提供される。この電気検査用基板は、各層が自身の60体積%以上のガラスを含有する多層セラミック基板を備える電気検査用基板であって、前記多層セラミック基板は、前記多層セラミック基板の一方の主面を構成する第1表層と、前記多層セラミック基板の他方の主面を構成する第2表層と、前記第1表層と隣接して配置される第1中間層と、前記第2表層と隣接して配置される第2中間層と、前記第1中間層と第2中間層との間に配置される内層と、を備え、前記第1表層、前記第2表層、および前記内層は、前記ガラスとして、第1ガラスを主に含み、前記第1中間層および前記第2中間層は、前記ガラスとして、前記第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含む。
この構成によれば、第1中間層および第2中間層(以下、単に「中間層」とも呼ぶ)は、第1表層、第2表層(以下、単に「表層」とも呼ぶ)、および内層に主に含まれる第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含むため、多層セラミック基板を製造する際、焼成降温時にガラスが硬化するタイミングを、表層および内層と、中間層とで異ならせることができる。中間層は、表層および内層よりも硬化し始めるタイミングが遅く、表層が硬化した後にも収縮するため、表層の主面方向に圧縮力を発生させることができ、多層セラミック基板における亀裂の発生を抑制することができる。
また、多層セラミック基板において、内層を備えず、第1表層と第2表層との間が全て中間層の場合、第2ガラスは第1ガラスより軟化点が低いため、溶融時に、中間層が先に溶融されてつぶれるため、多層セラミック基板の厚みの制御が困難になる。これに対し、この構成によれば、内層を備えるため、内層を備えない場合と比較して、厚みの制御を容易にすることができる。
(2)上記形態の電気検査用基板であって、前記第1ガラスの軟化点と、前記第2ガラスの軟化点との差は、200℃以上であってもよい。このようにすると、多層セラミック基板を製造する際、焼成降温時にガラスが硬化するタイミングを、表層および内層と、中間層とで、比較的大きく異ならせることができる。そのため、表層の主面方向に生じる圧縮力によって、多層セラミック基板における亀裂の発生を、より抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、多層セラミック基板を備える電子部品のパッケージ、多層セラミック基板を備える無線通信モジュール基板、多層セラミック基板を備える制御回路、電気検査基板の製造方法、多層セラミック基板の製造方法などの形態で実現することができる。
第1実施形態の電気検査用冶具の使用方法を示す説明図である。 電気検査用基板の断面を模式的に表した説明図である。 グリーンシート積層体の構成を模式的に表した説明図である。 積層焼結体の構成を模式的に表した説明図である。 実施例1の多層セラミック基板の構成を模式的に表した説明図である。 実施例および比較例のセラミック基板の破壊靭性の評価結果を示す図である。 実施例および比較例のセラミック基板の破壊靭性値を示す図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電気検査用冶具100の使用方法を示す説明図である。本実施形態の電気検査用冶具100は、電気検査用基板1と、導電性の複数のプローブ2とを備える。
電気検査用冶具100は、例えば直径が300mmのシリコンウエハSWに対応したものである。シリコンウエハSWには、複数のデバイス(IC等)が形成されている。このようなシリコンウエハSWに形成された複数の端子TMにプローブ2を接触させることにより、シリコンウエハSWに形成された複数のデバイスの電気的な検査が一度にまとめて行われる。
図2は、電気検査用基板1の断面を模式的に表した説明図である。電気検査用基板1は、多層セラミック基板3と、多層セラミック基板3の表面3aに形成された電極4と、多層セラミック基板3の裏面3bに形成された電極5と、を備える。図2において、多層セラミック基板3を構成する各層の積層方向SDを、矢印で図示している。多層セラミック基板3は、例えば、厚み5mm×縦300mm×横300mmの直方体状に形成されている。
多層セラミック基板3は、積層方向SDの下(図2の紙面下)から順に、第1表層11,第1中間層12,第1内層13,第2内層14,第3内層15,第2中間層16,および第2表層17を、備える。第1表層11は、多層セラミック基板3の一方の主面である裏面3bを構成し、第2表層17は、多層セラミック基板3の他方の主面である表面3aを構成する。第1表層11と第2表層とを区別しないときには、単に「表層」とも呼ぶ。第1中間層12は、第1表層11と隣接して配置され、第2中間層16は、第2表層17と隣接して配置される。第1中間層12と第2中間層16とを区別しないときには、単に「中間層」とも呼ぶ。第1内層13,第2内層14,および第3内層15は、第1中間層12と第2中間層16との間に配置される。第1内層13と、第2内層14と、第3内層15と、を区別しないときには、単に「内層」とも呼ぶ。また、これらの各層を区別しないときには、単に、「セラミック層」とも呼ぶ。
多層セラミック基板3は、上記各セラミック層11〜17の間に、6層の配線層21,22,23,24,25,26を備える。具体的には、配線層21はセラミック層11とセラミック層12との間に配置され、配線層22はセラミック層12とセラミック層13との間に配置され、配線層23はセラミック層13とセラミック層14との間に配置される。また、配線層24はセラミック層14とセラミック層15との間に配置され、配線層25はセラミック層15とセラミック層16との間に配置され、配線層26はセラミック層16とセラミック層17との間に配置される。
また、各セラミック層11〜17の内部には、積層方向SD(厚み方向)に延びて各セラミック層11〜17を貫通するビア導体31,32,33,34,35,36,37が形成される。これにより、セラミック層11を挟むようにセラミック層11の両面に形成されている電極5と配線層21とがビア導体31により電気的に接続される。また、セラミック層12を挟むようにセラミック層12の両面に形成されている配線層21と配線層22とがビア導体32により電気的に接続される。また、セラミック層13を挟むようにセラミック層13の両面に形成されている配線層22と配線層23とがビア導体33により電気的に接続される。また、セラミック層14を挟むようにセラミック層14の両面に形成されている配線層23と配線層24とがビア導体34により電気的に接続される。また、セラミック層15を挟むようにセラミック層15の両面に形成されている配線層24と配線層25とがビア導体35により電気的に接続される。また、セラミック層16を挟むようにセラミック層16の両面に形成されている配線層25と配線層26とがビア導体36により電気的に接続される。また、セラミック層17を挟むようにセラミック層17の両面に形成されている配線層26と電極4とがビア導体37により電気的に接続される。
セラミック層11〜17は、ガラス成分とセラミック成分との混合物を焼成した、いわゆるガラスセラミックで形成されており、セラミック層11〜17は、それぞれ、自身の60体積%以上のガラスを含有する。なお、各セラミック層11〜17の製造過程で添加されるバインダ成分、溶剤等の他の成分は、基本的に、焼成時に焼失する。
表層11,17,および内層13,14,15は、ガラスとして第1ガラスを主に含み、第1中間層12および第2中間層16は、ガラスとして第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含む。ここで、「主に含む」とは、各層に含まれるガラスの90体積%以上含むこという。すなわち、中間層12,16は、結晶質ガラスを含んでもよいし、第1ガラスより軟化点が高いガラスを含んでもよい。
多層セラミック基板3において、中間層12,16は、表層11,17、および内層13,14,15に主に含まれる第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含むため、多層セラミック基板3を製造する際、焼成降温時にガラスが硬化するタイミングを、表層11,17および内層13,14,15と、中間層12,16とで異ならせることができる。中間層12,16は、第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含むため、表層11,17および内層13,14,15よりも硬化し始めるタイミングが遅く、表層11,17が硬化した後にも収縮するため、表層11,17の主面(裏面3b,表面3a)方向に圧縮力を発生させることができる。そのため、多層セラミック基板3における亀裂の発生を抑制することができる。また、多層セラミック基板3に、小さな亀裂が発生しても、その亀裂の成長を、上記の圧縮力により、抑制することができる。
第1ガラスの軟化点と、第2ガラスの軟化点との差は、特に限定されないが、200℃以上の差があることが好ましい。
第1ガラスの軟化点と、第2ガラスの軟化点は、以下の方法により特定することができる。多層セラミック基板3を積層方向SDに沿って切断し、断面方向に研磨した上で、EPMA(電子プローブマイクロアナライザ)で定量評価することにより、セラミック、およびガラスの組成を特定することができる。ガラスの組成を特定した後、組成比からガラスの軟化点を特定することができる。
各セラミック層11〜17に含まれるセラミックは、特に限定されないが、例えば、アルミナ、ムライト等を用いることができる。例えば、セラミックとして、アルミナとムライトとを両方含んでもよい。
各セラミック層11〜17の厚みは、特に限定されないが、例えば、70μm以上340μm以下に設定してもよい。
配線層21〜26およびビア導体31〜37は、例えば、ガラスセラミックの焼成の際に低温で同時焼成可能な、Ag、Ag/Pt合金、Ag/Pd合金、Cu、Cu合金等の導体で形成されている。
電極4,5は、Ti、Cr、Mo、Cu、NiおよびAuの少なくとも1つの導体で形成されている。
ここで、電気検査用基板1の製造方法を説明する。電気検査用基板1を製造するために、先ず、表層17,11および内層13,14,15を形成するための第1グリーンシートを用意する。また、中間層16,12を形成するための第2グリーンシートを用意する。また、拘束シートとしての第3グリーンシートを用意する。第1グリーンシート、第2グリーンシート、および第3グリーンシートの具体的な作製方法は後述する。
次いで、用意された第1グリーンシートおよび第2グリーンシートの所定箇所に、パンチにより、例えば直径が0.12mmのビアホールを形成する。その後、第1グリーンシートおよび第2グリーンシートに形成されたビアホールの内部に、導電性ペーストを充填する。導電性ペーストは、銀粉末100質量部に対して、軟化点が700℃のホウケイ酸系ガラス粉末を2質量部添加した粉末原料に、エチルセルロース樹脂を加えると共に、溶剤としてターピネオールを加え、3本ロールミルに混練して作製される。
次に、第1グリーンシートおよび第2グリーンシートの表面における必要な箇所に、導電性ペーストを用いて、印刷により、配線層21〜26となる配線パターンを形成する。
その後、第1グリーンシート、第2グリーンシート、および第3グリーンシートを積層して、グリーンシート積層体を作製する。具体的には、3つの第1グリーンシートを積層することにより、第1グリーンシート積層体を作製する。続いて、その第1グリーンシート積層体の表面および裏面のそれぞれに、1つずつ第2グリーンシートを積層することにより、第2グリーンシート積層体を作製する。また、第2グリーンシート積層体の表面および裏面のそれぞれに、1つずつ第1グリーンシートを積層することにより、第3グリーンシート積層体を作製する。そして、その第3グリーンシート積層体の表面および裏面のそれぞれに、1つずつ第3グリーンシートを積層することにより、目的とするグリーンシート積層体が得られる。
その後、プレス機を用いて、積層方向SDの両側からグリーンシート積層体を挟んで、グリーンシート積層体に0.2MPaの圧力を加えながら、そのグリーンシート積層体を850℃にて30分間焼成(即ち、脱脂焼成)して、積層焼結体を作製する。
その後、プレス機による加圧が解除され、積層焼結体の表面および裏面に残っている未焼結の第3グリーンシートを、水を媒体とした超音波洗浄機により除去する。そして、アルミナ質砥粒を用いたラップ研磨により、積層焼結体の表面および裏面を研磨する。次いで、研磨した積層焼結体の表面および裏面におけるビア導体31,37に対応する位置に、例えば、Ti膜をスパッタ法により形成した後に順次Cuメッキ、NiメッキおよびAuメッキを施して、電極4,5を形成し、電気検査用基板1の製造を終了する。
このように構成された電気検査用基板1は、表面3aおよび裏面3bをそれぞれ構成し、かつ第1グリーンシートより形成される表層17,11を備える。
また、電気検査用基板1は、第2グリーンシートより形成され、第1表層11と隣接して配置される第1中間層12と、第2表層17と隣接して配置される第2中間層16と、を備える。
また、電気検査用基板1は、第1中間層12と第2中間層16との間に配置され、第1グリーンシートより形成される内層13,14,15を備える。
以上のような電気検査用基板1が備える多層セラミック基板3において、中間層12,16は、表層11,17、および内層13,14,15に主に含まれる第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含むため、多層セラミック基板3を製造する際、焼成降温時にガラスが硬化するタイミングを、表層11,17および内層13,14,15と、中間層12,16とで異ならせることができる。中間層12,16は、第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含むため、表層11,17および内層13,14,15よりも硬化し始めるタイミングが遅く、表層11,17が硬化した後にも収縮するため、表層11,17の主面(裏面3b,表面3a)方向に圧縮力を発生させることができる。このような多層セラミック基板3を有する電気検査用基板1は、亀裂の発生や成長が抑制され、強度が向上する。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(第1グリーンシートの作製)
セラミック原料粉末として、平均粒径が3.0μmであり、SiO2、Al23、B23を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末と、平均粒径が2.0μmのムライト粉末と、平均粒径が2.0μmのアルミナ粉末を用意した。更に、シート成形時のバインダー成分及び可塑剤成分として、アクリル系バインダー及びDOP(ジ・オクチル・フタレート)を用意した。そして、アルミナ製のポットに、ホウケイ酸ガラス粉末とムライト粉末及びアルミナ粉末を、質量比で50:30:20、総量1000gとなるように投入するとともに、アクリル樹脂を120g投入した。更に、適当なスラリー粘度とシート強度を持たせるのに必要な量の溶剤(MEK:メチルエチルケトン、トルエン)と可塑剤(DOP)を上記ポットに入れ、3時間混合することにより、セラミックスラリーを得た。得られたセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚み0.25mmの第1グリーンシートを作製した。
(第2グリーンシートの作製)
セラミック原料粉末として、平均粒径が3.0μmであり、SiO2、ZnO、Na2O、B23を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末と、平均粒径が2.0μmのムライト粉末と、平均粒径が2.0μmのアルミナ粉末を用意した。更に、シート成形時のバインダー成分及び可塑剤成分として、アクリル系バインダー及びDOP(ジ・オクチル・フタレート)を用意した。そして、アルミナ製のポットに、ホウケイ酸ガラス粉末とムライト粉末及びアルミナ粉末を、質量比で50:30:20、総量1000gになるように投入するとともに、アクリル樹脂を120g投入した。更に、適当なスラリー粘度とシート強度を持たせるのに必要な量の溶剤(MEK:メチルエチルケトン、トルエン)と可塑剤(DOP)を上記ポットに入れ、3時間混合することにより、セラミックスラリーを得た。得られたセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚み0.25mmの第2グリーンシートを作製した。
(第3グリーンシートの作製)
セラミック原料粉末として、平均粒径が2.0μmのアルミナ粉末を用意した。更に、シート形成時のバインダー成分としてアクリル系バインダー、可塑剤成分としてDOP、溶剤としてMEKを用意した。そして、前記第1グリーンシートと同様に、アルミナ製のポットに、アルミナ粉末を1000g、アクリル樹脂を120g投入し、更に、スラリー粘度とシート強度を持たせるために、必要な量の溶剤(MEK、トルエン)と可塑剤(DOP)を投入し、3時間混合してスラリーを得た。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚み0.50mmの第3グリーンシートを作製した。
(グリーンシート積層体の作製)
図3は、グリーンシート積層体40の構成を模式的に表した説明図である。上記のようにして製造された第1グリーンシート50、第2グリーンシート60および第3グリーンシート70を積層して、グリーンシート積層体40を得た。具体的には、3枚の第1グリーンシート50を積層することにより、第1グリーンシート積層体41を作製した。続いて、その第1グリーンシート積層体41の表面および裏面のそれぞれに、1枚ずつ第2グリーンシート60を積層することにより、第2グリーンシート積層体42を作製した。また、第2グリーンシート積層体42の表面および裏面のそれぞれに、1つずつ第1グリーンシートを積層することにより、第3グリーンシート積層体43を得た。そして、その第3グリーンシート積層体43の表面および裏面のそれぞれ、1枚ずつ第3グリーンシート70を積層することにより、目的とするグリーンシート積層体40を得た。
図4は、グリーンシート積層体40を積層方向SDに圧縮した状態で焼成することにより得られる積層焼結体44の構成を模式的に表した説明図である。図3に示されるグリーンシート積層体40を、プレス機を利用して、積層方向の両側(表面側および裏面側)から、0.2MPaの押圧力を加えながら、850℃の温度条件で30分間焼成(脱脂焼成)し、図4に示されるような積層焼結体44を得た。
図5は、実施例1の多層セラミック基板3の構成を模式的に表した説明図である。上記のようにして得られた積層焼結体44の両面に残っている未焼結の第3グリーンシート70を、水を媒体として超音波洗浄機により除去することで、図5に示されるような実施例1の多層状の多層セラミック基板3を得た。なお、この多層セラミック基板3は、基本的な構成が、上述した図2に示される多層セラミック基板3に対応するものである。
〔比較例1〕
実施例の第2グリーンシート60に替えて第1グリーンシート50使用したこと(つまり、第3グリーンシート70以外はすべて第1グリーンシート50を使用したこと)以外は、実施例と同様にして、比較例1のセラミック基板を作製した。
〔比較例2〕
実施例の第2グリーンシート60におけるZnO、Na2O、B23を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末に替えて、SiO2、BaO、CaOを主成分とするガラス粉末を使用して、第2グリーンシート60を作製したこと以外は、実施例と同様にして、比較例2のセラミック基板を作製した。
〔破壊靭性の測定〕
実施例および比較例1,2のセラミック基板を用いて、JIS R 1607−1995に準じて、破壊靭性値を求めた。
図6は、実施例および比較例のセラミック基板の破壊靭性の評価結果を示す図である。図6では、実施例および比較例のセラミック基板に含まれるガラスの組成および軟化点を、併せて図示している。図7は、実施例および比較例のセラミック基板の破壊靭性値を示す図である。
図7に示すように、実施例の多層セラミック基板の破壊靭性値は1.9(Pa m1/2)、比較例1の多層セラミック基板の破壊靭性値は1.5(Pa m1/2)、比較例2の多層セラミック基板の破壊靭性値は1.4(Pa m1/2)であった。図6に示すように、比較例1を基準とすると、破壊靭性の評価は、実施例の多層セラミック基板が〇、比較例2の多層セラミック基板が×になる。破壊靭性の評価において、比較例1を基準としたのは、比較例1の多層セラミック基板は、全ての層が同じガラスセラミックから形成されているためである。
実施例は、中間層に含まれるガラスが、表層および内層に含まれるガラスより軟化点が低い非晶質のガラスであり、軟化点の差が200℃以上である例である。比較例1は、中間層に含まれるガラスの軟化点と、表層および内層に含まれるガラスの軟化点とが等しい例である。比較例2は、中間層に含まれるガラスが、表層および内層に含まれるガラスより軟化点が高い例である。
上述の通り、実施例の多層セラミック基板は、中間層に含まれるガラスが、表層および内層に含まれるガラスより軟化点が低い非晶質のガラスであるため、破壊靭性を向上させることができ、亀裂の発生および亀裂の成長を抑制することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・上記実施形態において、多層セラミック基板3が3つの内層13,14,15を備える例を示したが、内層の数は、上記実施形態に限定されない。例えば、多層セラミック基板は、4つ以上の内層を備えてもよいし、2つ以下の内層を備えてもよい。
・上記実施形態では、表層11,17と内層13,14,15とが、第1グリーンシートから形成される同一のセラミック層である例を示したが、これに限定されない。表層および内層に主に含まれるガラスの軟化点が、中間層に主に含まれるガラスの軟化点より高ければよく、表層および内層に含まれる残余のガラスが互いに異なってもよい。また、表層および内層に含まれるセラミックが互いに異なってもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…電気検査用基板
2…プローブ
3…多層セラミック基板
3a…表面
3b…裏面
4…電極
5…電極
11…第1表層
12…第1中間層
13…第1内層
14…第2内層
15…第3内層
16…第2中間層
17…第2表層
21〜26…配線層
31〜37…ビア導体
40…グリーンシート積層体
41…第1グリーンシート積層体
42…第2グリーンシート積層体
43…第3グリーンシート積層体
44…積層焼結体
50…第1グリーンシート
60…第2グリーンシート
70…第3グリーンシート
100…電気検査用冶具
SD…積層方向
SW…シリコンウエハ
TM…端子

Claims (2)

  1. 各層が自身の60体積%以上のガラスを含有する多層セラミック基板を備える電気検査用基板であって、
    前記多層セラミック基板は、
    前記多層セラミック基板の一方の主面を構成する第1表層と、
    前記多層セラミック基板の他方の主面を構成する第2表層と、
    前記第1表層と隣接して配置される第1中間層と、
    前記第2表層と隣接して配置される第2中間層と、
    前記第1中間層と第2中間層との間に配置される内層と、
    を備え、
    前記第1表層、前記第2表層、および前記内層は、前記ガラスとして、第1ガラスを主に含み、
    前記第1中間層および前記第2中間層は、前記ガラスとして、前記第1ガラスより軟化点が低い非晶質の第2ガラスを主に含むことを特徴とする、
    電気検査用基板。
  2. 請求項1に記載の電気検査用基板であって、
    前記第1ガラスの軟化点と、前記第2ガラスの軟化点との差は、200℃以上であることを特徴とする、
    電気検査用基板。
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