JP2021188676A - 管継手 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、図17に示した管継手は、作業現場にて、被接続パイプpの端部に、専用工具を使用して、フレア加工部fを形成する必要があり、作業能率が悪く、品質のバラツキも生じる。さらに、パイプpのフレア加工部fの小径端縁f1 に亀裂を生じ易い。また、袋ナットnを締付けた際にパイプpが減肉して、その結果、密封性の低下や袋ナットnに緩みを発生し易いという問題もあった。
そこで、本出願人等は、図17に示すフレア加工部fを全く省略したパイプpを、接続できる管継手を提案した。
このストップリング56は、シール凹溝57を有し、Oリング58が内装され、挿入されるパイプPとの間の密封作用は、このOリング58によって行われる。特に、ストップリング56は、継手本体51のテーパ部53に圧接する圧接勾配面59を有する。また、先端側には薄肉円筒部60が同一径をもって延設され、この薄肉円筒部60の最先端には、断面三角形のパイプ外周面食い込み用爪部61が付設されている。
この爪部61は、袋ナット54の螺進に伴って、パイプPの外周面に食い込ませる構成である(特許文献2参照)。
(i)袋ナット54を螺進してゆくとストップリング56が共廻りを生じ、テーパ部53と圧接勾配面59の間で相対的スリップを発生し、これによって、その金属圧接シールが破壊される。これを防ぐために、爪部61を、特別な治具を使用して、パイプPの外周面に、予め、食い込ませておく「予備加工」を必要とする点。
このような「予備加工」は配管接続現場での作業能率を著しく低下させる。
(ii)現実のパイプPは、その肉厚が、薄肉円筒部60の肉厚と同程度であり、図18に示した肉厚Tpの約1/3の場合もあり得る。従って、三角形断面の爪部61といえども、Cu製パイプPの表面に食い込まず、パイプPを局部的に内径方向に塑性変形させるのみで、パイプ耐引抜力が小さい点。
0.40・T50≦T35≦0.75・T50 …(数式1)
また、強力圧接状態で、上記ダブルシール機能を発揮して、ストップリングの内周面と外周面にシール材が省略されている。
また、上記強力圧接状態下で、上記第1先端辺と上記第2先端辺が、上記パイプの軸心から等距離に在るように、後歯と前歯が上記パイプの外周面に対して同一深さに食い込ませるよう構成した。
また、上記袋ナットの上記孔部において、先端縮径テーパ部が、基端側急勾配テーパ部と中間緩勾配テーパ部と、中間急勾配テーパ部と先端側緩勾配テーパ部をもって、構成されている。
また、上記ストップリングの後歯と前歯が、パイプの外周面に対する上記強力圧接状態で、パイプの先端部を内周側から支持するサポート用インコアを、付設した。
図1〜図5に示す実施の形態に於て、本発明に係る管継手Jは、フレア継手本体1と袋ナット2とストップリング3を具備し、さらに、被接続用パイプPの先端には(従来のフレア加工を全く省略して)ストレート状先端部10を有している。
また、全体形状は、ストレート状、T字型、Y字型、十字型等自由であるが、図1,図2の図外に存在する他の接続端部の形状は、図1,図2と同様の接続筒部7を有していても、あるいは、テーパ雄ネジ,平行雌ネジ,溶接用筒部等を有していても、自由である。
要するに、図1,図2に示すように少なくとも1個の接続筒部7を備え、また、図1,図2の図例では、上記勾配面5の基端縁に連設した短いストレート部8を介して、平行ネジの雄ネジ部9を、上記接続筒部7が有している。このフレア継手本体1の材質としては、黄銅(真鍮)が好適である。
上記孔部11の同一径部14A,14B、段付部15、短ストレート部16と先端縮径テーパ部17をもって、ストップリング3を収納するための収納空間部Eを形成している。(なお、短ストレート部16は省略可能な場合もある。)この袋ナット2の材質は、黄銅(真鍮)、又は、アルミニウムとする。
上記基端側急勾配テーパ部17Aと中間急勾配テーパ部17Cとは、相等しい勾配(傾斜)角度に設定する。しかも、両急勾配テーパ部17A,17Cの幅寸法も同等に設定する。
また、図3(B)で明らかなように、中間緩勾配テーパ部17Bの勾配(傾斜)角度は、先端側緩勾配テーパ部17Dの勾配(傾斜)角度と相等しい値に設定するか、或いは、後者のテーパ部17Dの勾配(傾斜)角度を僅かに大きく設定する。しかも、後者のテーパ部17Dの幅寸法の方が小さい。
なお、僅かに内径寸法を相違した前記第1・第2同一径部14A,14Bをもって、同一径部(ストレート部)14とした場合を、図3(A)に於て、説明したが、所望により、第1同一径部14Aと第2同一径部14Bとを全く同一内径としても良い場合もある。
また、内周面27は、軸心方向中間に基本内径部28を有し、パイプPは、(図1に示すように)この基本内径部28に挿入される。
32は、アール(凸)状圧接勾配面であり、ストップリング3の基端に形成され、図1,図2に示す如く、継手本体1の先端縮径勾配面5に圧接して、メタルタッチで密封作用をなす。
具体的に説明すれば、図1,図2,図4(A)に示したように、継手本体1の先端縮径勾配面5の先端と、継手本体孔部6とによって形成された円環状先端エッジ部20に対し、内径側から引掛ける円環状小突条40を、ストップリング3が有する。
このように、継手本体1の円環状先端エッジ部20に対し、円環状小突条40を、内径側から、図1,図2に示すように、引掛け状とすることで、ストップリング3の基端部が、過大にラジアル外方へ変形することを阻止できる。なお、図4(B)に示す如く、図4(A)に示した円環状小突条40を省略するも、好ましい場合もある。
図5に、拡大断面をもって示すように、この歯部36は、微小間隔W36をもって配設された後歯36Bと前歯36Fにて、構成される。
なお、薄肉略円筒部35は、先端方向へ僅かに拡径状の円錐筒型とする(図4,図5参照)。
そして、図4(A)と図5に於て、上記基本内径部28と基本外径部24から成る基本短円筒部50の肉厚寸法をT50とし、さらに、薄肉略円筒部35の平均肉厚寸法をT35とすれば、0.40・T50≦T35≦0.75・T50(数式1)が、成立するように、薄肉略円筒部35を比較的に厚く形成する。(なお、図5に於て、点線LF,LBにて区画した前歯36Fと後歯36Bを除いて、平均肉厚寸法T35を求める。)
なお、好ましくは、0.43・T50≦T35≦0.65・T50(数式2)のように設定する。
さらに、望ましくは、0.45・T50≦T35≦0.55・T50(数式3)のように設定する。
上記数式に於て、下限値未満では内圧に耐えることが難しい。逆に、上限値を越すと、段付部25の段差寸法が過小となり、(後述の)袋ナット2の螺進抵抗の増加を、作業者が検知することが困難となる。また、下限値未満あるいは上限値を越えると、(後述する)図8〜図15に示すように確実かつスムーズに先端頭部37がパイプPの外周面10Aに食い込んで(絞り込んで)ゆかなくなる。
そして、図6(D)と図5に示すように、後歯36Bの断面形状は、略台形状であり、しかも、略台形状の上辺から成る第1先端辺41は、アール状中間段差部62を介して、背の低い後半辺部63と背の高い前半辺部64を、有する。あるいは後歯36Bの断面形状は、直線状第1先端辺41を上辺として有する台形乃至略台形である(図6(A)(B)(C)参照)。なお、図6は図4のX部における後歯36Bの拡大図であると、見ることができる。
いずれにせよ、後歯36Bと前歯36Fのいずれも、その断面形状は、上辺が直線状又は折れ線状であり、いわば「テーブルマウンティン型」と呼ぶことも可能である。
言い換えると、第1先端辺41と第2先端辺42とは、パイプPの軸心LP、及び、ストップリング3の軸心L3 からの寸法に差がある(段違い状である)。
図8〜図15に順次示すように、薄肉略円筒部35とその先端頭部37がラジアル内方向へ変形───絞り込み変形───してゆく。図3(B)に於て、先端縮径テーパ部17の形状について既に説明したので、ここでは、まず薄肉略円筒部35とその先端頭部37の形状から、説明する。
薄肉略円筒部35の外周面は、段付部25の内端側のアール部73から、円筒状ストレート部74と、第2凸部72の低三角丘陵部と、先端方向へ縮径する傾斜部75と、から形成されている。
さらに、後歯36Bは、その上記第1先端辺41の後端にエッジ部85を有する(図6参照)。
図10と図11に示したように、傾斜部75(図5参照)は、中間緩勾配テーパ部17Bに対して微小間隙が形成されている(非接触状である)。
図9に示した第1回押し込み工程の後には、図12に示す第2回押し込み工程が行われる。この図12にあっては、前歯36Fは、約2°〜2.5°も回転しながら、沈む動作が発生する。
その後、図15に示すように、袋ナット2の段付部15に対して、ストップリング3の段付部25が当接して、接続作業は、完了する。即ち、袋ナット2の締付完了状態において、ストップリング3の基本短円筒部50の先端面から成る段付部25と、袋ナット2の孔部11の段付部15とが、当接して、袋ナット2の螺進抵抗の増加を作業者が検知可能とした。
即ち、図15に示す破線L36は、パイプPの軸心LPから等しい半径(等距離)を示し、この破線L36の上に、上記前半辺部64と前半辺部67(図6(D)と図7(D)参照)が、パイプ外周面10Aに沈み込んでいる(食い込んでいる)。
このように、先端頭部37の外周面の形状、及び、先端縮径テーパ部17の傾斜角度とアキシャル方向位置(寸法)を、適宜設定すれば、後歯36Bの前半辺部64(図6(D)参照)と、前歯36Fの前半辺部67(図7(D)参照)が、パイプ軸心LPからの等距離L36に在るように、強力圧接状態下で、沈みこむ───同一深さに食い込む───。
上記強力圧接状態下で、パイプPが外力(回転トルク)を受けて、その軸心LP廻りに回転を生じた場合を想定すれば、後歯36Bの前半辺部64がパイプ外周面10Aに閉円環状小凹周溝U64を、図15(B)に示した拡大図のように、形成する。この閉円環状小凹周溝U64は、誘導案内溝(レール溝)の機能を果たすこととなる。
このように、パイプPが回転したとしても、蛇行回転及び螺旋回転することを、小凸条68と小凹周溝U64の係合にて、防止(抑制)して、シール破壊を起こすことを、防止できる。
特に、上記矢印P62をもって示した高い面圧力が、小凸条68の後方側面のアール状中間段差部62に、発生することで、シール(密封)機能を発揮する。
なお、図15(C)は図15(B)と同様に、パイプPを非断面をもって表示している。
図15(B)(C)に示したように、後歯36Bと前歯36Fは、幅の小さい前半辺部64,67を設けることによって、前述した図18の課題(ii)を解決できた。つまり、パイプPの外周面10Aに食い込み易いという利点がある。しかも、図15(B)(C)に示した後歯36Bのアール状中間段差部62、前歯36Fの勾配面65は、優れたシール機能(性能)を発揮する。しかも、後歯36Bは、パイプPが回転してしまった際、小凸条68がパイプPの小凹周溝U64に案内誘導されて、シール面が蛇行することを有効に防止でき、シール性能も向上できた。
上述のように、本発明では、後歯36Bと前歯36Fとが共働して、パイプPの引抜阻止機能、及び、シール機能を、十分発揮できる構成であると言える。
これに伴って、配管接続現場での作業能率が飛躍的に改善される。
さらに、パイプ耐引抜力は、後歯36Bと前歯36Fの二重の強力圧接状態であって、十分に強大となる。かつ、このような二重圧接状態によって、従来の(図18に示した)管継手の三角形断面の爪部61よりも、パイプPの軸心廻りの回転を確実に阻止できる。特に、薄肉略円筒部35の平均肉厚寸法T35が、基本短円筒部50の肉厚寸法T50の40%〜75%として十分に大きいので、パイプPの強度と同等以上の強度をもって薄肉略円筒部35の先端の後歯36Bと前歯36Fはパイプ外周面10Aに強く圧接できる。しかも、薄肉略円筒部35の肉厚寸法T35が十分に大きいにかかわらず、袋ナット2の螺進のための回転トルクは十分に低くすることが可能であることが、(実験の結果から)明らかとなっている。また、メタルシール性能は、後歯36Bと前歯36Fのダブルシールであるため、十分に高く維持できる。
また、後歯36Bは、パイプPに回転が起こっても、背の高い前半辺部64が小凸条68を形成しつつパイプ外周面10Aに沈み込み、小凹周溝U64が形成されて、パイプPの螺旋回転や蛇行回転を減少乃至防止する誘導案内を行って、密封性能が高く維持される。
さらに、基端側急勾配テーパ部17Aと中間急勾配テーパ部17Cとに分離配設することによって、アキシャル内方向にストップリング3全体が押圧される工程を、複数回に分けることができる。このストップリング3の押圧される工程によって、圧接勾配面32が継手本体1の先端縮径勾配面5に密接して、メタルシール(圧接)をなさしめるのであるが、後歯36Bと前歯36Fが少しずつ順にパイプ外周面10Aに絞り込まれつつ、上記メタルシール(圧接)も少しずつ強化されてゆく。
このように、アキシャル方向に相違した2箇所の作用───後歯36B・前歯36Fの絞り込み作用とメタルシール(圧接)作用───を、バランス良く、同時進行させることを実現したと言える。
なお、基端側急勾配テーパ部17Aが存在することによって、袋ナット2の総回転数が少なくて済む。つまり、図8に示した円筒部35の絞り開始直後は、後歯36Bと前歯36FはパイプPに対して非接触状態であるから、袋ナット2の回転トルクは小さくて済み、そのときに基端側急勾配テーパ部17Aによって急速に円筒部35を絞ることは、袋ナット2の総回転数を減少できて、合理的であると言える。
特に、(図8〜図10に示した)前半の第1回押し込み工程では、主として後歯36Bが押し込まれ、(図11〜図13に示した)後半の第2回押し込み工程では、主として前歯36Fが押し込まれ、その結果、図15に示したように、後歯36B及び前歯36Fは、(破線L36のラジアル方向深さ位置まで)均等に食い込ませる(沈み込ませる)ことが可能となる。
第1回押し込み工程と第2回押し込み工程として、2回に分けて、絞り込みを行ってゆくので、袋ナット2を締付ける作業工具の回転トルクは、(均等化して)小さくすることもできる。
しかも、ストップリング3の圧接勾配面32が継手本体1の先端縮径勾配面5に密接して、メタルシール(圧接)をなさしめるのであるが、このメタルシール(圧接)が一度に急激に行わずに、2回に分けて、少しずつ強化されてゆくので、好都合である。
言い換えれば、第1回押し込み工程と第2回押し込み工程とに、時差を設けて、後歯36B・前歯36Fの押し込み作用と、圧接勾配面32と勾配面5とのメタルシール(圧接)作用とを、バランス良く、各々2回に分割して、同時に進行させることが可能となる。これによって、図15に示したように、後歯36Bと前歯36Fとが、破線L36に示すように同一の深さまで均等に押し込まれ、大きなパイプ引抜抵抗力(ZB+ZF)を発揮できると共に、メタルタッチのダブルシールによる優れた冷媒等に対する密封性能を発揮する。
言い換えると、このようなサポート用インコア83によって、パイプPが柔らかい場合、あるいは、(海外規格等によって)パイプPの寸法公差、又は、外径寸法やパイプ肉厚寸法自体が大きな差異を有する場合に、本発明の構成の管継手を適用可能となる。
2 袋ナット
3 ストップリング
5 先端縮径勾配面
9 雄ネジ部
10 ストレート状先端部
10A 外周面
11 孔部
12 雌ネジ部
14 同一径部
15 段付部
17 先端縮径テーパ部
17A 基端側急勾配テーパ部
17B 中間緩勾配テーパ部
17C 中間急勾配テーパ部
17D 先端側緩勾配テーパ部
24 基本外径部
25 段付部
28 基本内径部
32 基端側圧接勾配面
35 薄肉略円筒部
36 歯部
36B 後歯
36F 前歯
37 先端頭部
41 第1先端辺
42 第2先端辺
50 基本短円筒部
62 アール状中間段差部
63 後半辺部
64 前半辺部
65 勾配面
66 後半辺部
67 前半辺部
71 第1凸部
72 第2凸部
83 サポート用インコア
E 収納空間部
L36 破線(軸心からの等距離)
LP パイプ軸心
P パイプ
T35 平均肉厚寸法
T50 肉厚寸法
U64 小凹周溝
W36 微小間隔
Z パイプ引抜抵抗力
ZB 後歯による引抜抵抗力
ZF 前歯による引抜抵抗力
Claims (11)
- 雄ネジ部(9)と先端縮径勾配面(5)を有するフレア継手本体(1)と、
上記雄ネジ部(9)に螺着される雌ネジ部(12)を孔部(11)の基端に有し、かつ、該孔部(11)の中間には同一径部(14)と段付部(15)と先端縮径テーパ部(17)とを有する収納空間部(E)を形成した袋ナット(2)と、
該収納空間部(E)に内装されると共に、上記先端縮径勾配面(5)に圧接する基端側圧接勾配面(32)を有すると共に、先端側には塑性変形可能な薄肉略円筒部(35)とその先端頭部(37)のパイプ引抜阻止用歯部(36)とを有するストップリング(3)と、
を具備した管継手に於て、
上記歯部(36)は、微小間隔(W36)をもって配設された後歯(36B)と前歯(36F)にて構成され、
被接続パイプ(P)のストレート状先端部(10)の外周面(10A)に対し、上記ストップリング(3)の上記後歯(36B)の第1先端辺(41)と、上記前歯(36F)の第2先端辺(42)が、上記袋ナット(2)の螺進に伴って、強力圧接状態となって、パイプ引抜抵抗力(Z)を発生するよう構成し、
上記ストップリング(3)は、パイプ(P)が挿入される基本内径部(28)と、袋ナット(2)の収納空間部(E)に内装される基本外径部(24)とを、有し、上記基本内径部(28)と基本外径部(24)から成る基本短円筒部(50)の肉厚寸法を(T50)とし、さらに、上記薄肉略円筒部(35)の平均肉厚寸法を(T35)とすると、下記数式1が成立するように設定したことを特徴とする管継手。
0.40・T50≦T35≦0.75・T50 …(数式1) - 雄ネジ部(9)と先端縮径勾配面(5)を有するフレア継手本体(1)と、
上記雄ネジ部(9)に螺着される雌ネジ部(12)を孔部(11)の基端に有し、かつ、該孔部(11)の中間には同一径部(14)と段付部(15)と先端縮径テーパ部(17)とを有する収納空間部(E)を形成した袋ナット(2)と、
該収納空間部(E)に内装されると共に、上記先端縮径勾配面(5)に圧接する基端側圧接勾配面(32)を有すると共に、先端側には塑性変形可能な薄肉略円筒部(35)とその先端頭部(37)のパイプ引抜阻止用歯部(36)とを有するストップリング(3)と、
を具備した管継手に於て、
上記歯部(36)は、微小間隔(W36)をもって配設された後歯(36B)と前歯(36F)にて構成され、
上記後歯(36B)の断面形状は、略台形状であって、しかも、該略台形状の上辺から成る上記第1先端辺(41)は、アール状中間段差部(62)を介して、背の低い後半辺部(63)と背の高い前半辺部(64)を有し、
上記前歯(36F)の断面形状は、略台形状であって、しかも、該略台形状の上辺から成る上記第2先端辺(42)は、後方下傾の勾配面(65)を介して、背の低い後半辺部(66)と背の高い前半辺部(67)を有する折れ線状である
ことを特徴とする管継手。 - 被接続パイプ(P)のストレート状先端部(10)の外周面(10A)に対し、上記ストップリング(3)の上記後歯(36B)の第1先端辺(41)と、上記前歯(36F)の第2先端辺(42)が、上記袋ナット(2)の螺進に伴って、強力圧接状態となって、パイプ引抜抵抗力(Z)を発生するよう構成し、さらに、上記強力圧接状態では、上記後歯(36B)の第1先端辺(41)、及び、上記前歯(36F)の第2先端辺(42)がパイプ(P)の上記外周面(10A)に対して食い込み状に圧接してダブルシール機能をなすように構成した請求項2記載の管継手。
- 強力圧接状態で、上記ダブルシール機能を発揮して、ストップリング(3)の内周面と外周面にシール材が省略されている請求項3記載の管継手。
- 上記強力圧接状態下で、パイプ(P)がその軸心(LP)廻りに回転を生じたとしても、上記後歯(36B)の第1先端辺(41)の上記前半辺部(64)がパイプ(P)の外周面(10A)に閉円環状小凹周溝(U64)を形成するように食い込み、パイプ(P)の螺旋回転を防止し、さらに、上記第1先端辺(41)の上記アール状中間段差部(62)が上記小凹周溝(U64)の後側面に圧接して、シール機能を発揮する請求項2記載の管継手。
- 上記パイプ(P)の外周面(10A)に対し、上記後歯(36B)及び前歯(36F)が、上記強力圧接状態において、後歯(36B)のパイプ引抜抵抗力(ZB)よりも、前歯(36F)のパイプ引抜抵抗力(ZF)が大きくなるように分担すると共に、
上記前歯(36F)の第2先端辺(42)が、上記折れ線状をもって上記外周面(10A)に強力圧接してパイプ(P)が曲げ方向の外力を受けて抜け出ることを阻止するパイプ引抜阻止機能を、上記前歯(36F)が分担する請求項2記載の管継手。 - 上記強力圧接状態下で、上記第1先端辺(41)と上記第2先端辺(42)が、上記パイプ(P)の軸心(LP)から等距離(L36)に在るように、後歯(36B)と前歯(36F)が上記パイプ(P)の外周面(10A)に対して同一深さに食い込ませるよう構成した請求項1,2,3,4,5又は6記載の管継手。
- 上記袋ナット(2)の上記孔部(11)において、先端縮径テーパ部(17)が、基端側急勾配テーパ部(17A)と中間緩勾配テーパ部(17B)と、中間急勾配テーパ部(17C)と先端側緩勾配テーパ部(17D)をもって、構成されている請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の管継手。
- 上記袋ナット(2)の上記孔部(11)において、先端縮径テーパ部(17)が、基端側急勾配テーパ部(17A)と中間緩勾配テーパ部(17B)と、中間急勾配テーパ部(17C)と先端側緩勾配テーパ部(17D)とをもって、構成され、
さらに、上記薄肉略円筒部(35)の上記先端頭部(37)は、最先端外周角部から成る第1凸部(71)と、上記後歯(36B)のアキシャル方向位置に対応したアキシャル方向位置において上記先端頭部(37)の外周に形成された低三角丘陵状第2凸部(72)とを、有し、
上記袋ナット(2)の螺進に伴って、上記先端頭部(37)が上記先端縮径テーパ部(17)に摺接進入してゆくと、上記第2凸部(72)が上記基端側急勾配テーパ部(17A)によってラジアル内方向へ押圧されて、上記後歯(36B)をパイプ(P)の外周面(10A)に押圧する第1回押し込み工程を行い、その後、上記第1凸部(71)が上記中間急勾配テーパ部(17C)によってラジアル内方向へ押圧されて、上記前歯(36F)をパイプ(P)の外周面(10A)に押圧する第2回押し込み工程を行うように構成した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の管継手。 - 上記袋ナット(2)の締付完了状態において、上記ストップリング(3)の上記基本短円筒部(50)の先端面から成る段付部(25)と、上記袋ナット(2)の上記孔部(11)の上記段付部(15)とが、当接して、袋ナット(2)の螺進抵抗の増加を作業者が検知可能とした請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9記載の管継手。
- 上記ストップリング(3)の後歯(36B)と前歯(36F)が、パイプ(P)の外周面(10A)に対する上記強力圧接状態で、パイプ(P)の先端部(10)を内周側から支持するサポート用インコア(83)を、付設した請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載の管継手。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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