JP5028394B2 - 樹脂管継手 - Google Patents

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Description

本発明は、流体移送路としてのチューブを拡径(フレア)させて接続させる構造の樹脂管継手に係り、詳しくは、半導体製造や医療・医薬品製造、食品加工、化学工業等の各種技術分野の製造工程で取り扱われる高純度液や超純水の配管にも好適であって、ポンプ、バルブ、フィルタ等の流体機器や流体移送路であるチューブの接続手段として用いられる樹脂管継手に関するものである。
この種の樹脂管継手としては、特許文献1において開示されるチューブ継手が知られている。即ち、合成樹脂製のチューブ(1)を継手本体(4)の嵌合筒(5)に強制的に押し込むか、又は特許文献1の図2に示されるように、予めチューブ端部(2)を拡径させて嵌合筒(5)に嵌め込むかする。それから、予めチューブに嵌装されているユニオンナット(6)を継手本体に螺合させ、締込み操作して継手本体(4)の軸心方向に強制移動させることにより、チューブ(1)の拡径付け根部分(2a)をエッヂ部(6a)で軸心方向に強く押圧し、チューブ(1)と嵌合筒(5)との間をシールする構造である。
上述の構造と同様なものとしては、特許文献2の図8,図9において開示された樹脂管継手も知られている。また、特許文献2の図5や特許文献3において開示されるように、インナーリングに拡径外嵌されているチューブ端を継手本体の嵌合筒に内嵌させ、ユニオンナットの締付によってチューブにおけるインナーリングへの拡径部を押圧してシールさせる構造の樹脂管継手もある。いずれにしても、チューブ端を拡径(フレア)させてユニオンナットの締付でシールさせる構造である。チューブの先端を嵌合筒部外嵌させてナット止めする前者の構造のものでは、継手本体とユニオンナットとの2部品で経済的に管継手を構成できる良さがあり、インナーリングを用いる後者の構造のものでは、確実に漏れが回避できて安定した性能が得られ、かつ、信頼性に優れる良さがある。
ところで、これらのように種々の優れたメリットを持つ樹脂管継手の実際の施工において、ユニオンナットの締付終了時点が分り難いという慢性的な要改善項目があった。もともと、樹脂製の継手においては、その材料の特性上、ユニオンナットの回し操作に対して締付けトルクが漸増するので、金属材料のように締付トルクが急激に大きくなることによる締切り感に乏しく、感覚的に締付終了が分かり難いのである。締付が不足すると漏れのおそれがあり、締め付け過ぎると継手を損壊させるおそれがある。樹脂製であるが故にそれらの不都合が起こり易いので、正しくユニオンナットの締付を終える必要がある。
例えば、作業者が完全に視認できる状態に管継手が露出配備されている場合であれば、ユニオンナットの締込みに伴う螺進具合の位置確認によって締付終了状態になったこと、或いはそれに近い状態になることを知ることが比較的容易ではある。ところが、管継手の配置場所は、他の装置類の間の狭い場所であるとか天井裏の隠れた箇所といった具合に、視認が行えない又は困難な状況となることが多く、手探りでのユニオンナット締付作業となることが多い。従って、視認できなくてもユニオンナットの締付終了又終了が近づいたことを、何らかの手段によって作業者に知らせる必要があった。
そこで、特許文献3において、継手本体(1)に片持ち状態で軸心方向に突設させた突片(15)と、ユニオンナット(2)の軸心方向端部に隆起形成された突起(23)とが、ユニオンナット(2)の締付終了間際になると周方向で接近干渉して当接し、その際に突片(15)が発する弾かれ音により、作業者は締付終了又はそれに近づいたことを知ることが可能となる技術が開示されている。つまり、音によって作業者に締付終了状態を知らしめる音発生手段である。
実登3041899号公報 特開平7−27274号公報 特開平11−230463号公報
前記音発生手段により、管継手部分が見えなくてもユニオンナット操作による締付終了状態の音認識による確認が可能になり、一定の効果が得られるものとなった。ところが、実際の配管作業現場は静寂状況であることはまれであり、稼動中の工場内であるとか、他の工事や施工が一緒に行われる状況での作業等、得てしてある程度の騒音状況下で行われることになる。従って、樹脂製突片の弾ける音程度では作業者には聞えないことが多く、ユニオンナットの締付終了を知らせる手段、即ち、締付終了認知手段としては更なる改善の余地が残されているものであった。
本発明の目的は、上記実情に鑑みて、管継手部分が見えない又は見難い場所にあり、かつ、騒音状況下にある作業現場においても、ユニオンナットが締付終了又はそれに近い状態であることの確認が行えるようにし、組付作業性や取扱い性に優れるように改善される樹脂管継手を提供する点にある。
請求項1に係る発明は、合成樹脂製チューブ3の端部を拡径させて嵌合装着可能な嵌合部4と、雄ねじ5とを備える合成樹脂製の継手本体1、及び、
前記雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ8と、前記チューブ3の拡径部3Aにおける拡径変化領域9に作用可能なシール用押圧部10とを備える合成樹脂製のユニオンナット2を有し、
前記嵌合筒4に前記チューブ3が嵌合装着される状態における前記雌ねじ8を前記雄ねじ5に螺合させての前記ユニオンナット2の前記継手本体1の軸心P方向への螺進により、前記拡径変化領域9が前記シール用押圧部10で前記軸心P方向に押圧されてシール部Sが形成されるように構成されている樹脂管継手において、
前記継手本体1の外周部に径方向に凹む凹部20が、かつ、前記ユニオンナット2の軸心P方向端部の外周部に径方向に突出する凸部19がそれぞれ形成されており、前記シール用押圧部10が前記拡径変化領域9を押圧しての前記ユニオンナット2の螺進終了手前付近からの締込み回転に伴って前記凹部20と前記凸部19とがそれらの一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱されるトルク変動部26が構成され
前記凸部19は、前記ユニオンナット2の先端側から軸心P方向に片持ち支持突設される円弧状のカバー庇18の径内側に一体形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の樹脂管継手において、前記凹部20及び/又は前記凸部19が周方向に複数形成されており、前記ユニオンナット2が一回転される間に前記嵌合及び離脱が繰り返されるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の樹脂管継手において、前記凹部20及び/又は前記凸部19が周方向で前記軸心Pに関する均等角度毎に形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記凹部20及び/又は前記凸部19が前記軸心P方向視において円弧状を呈していることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記凹部20が径外側に向って開放される径内向き凹部であり、前記凸部19が径内側に向って突出する径内向き凸部であることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記凸部19が、前記ユニオンナット2から軸心P方向に延出される片持ちアーム状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記継手本体1及び前記ユニオンナット2がフッ素樹脂製であることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、ユニオンナットの締込み回転に伴うトルク変動部の作用、即ち、凹部と凸部との何れか一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱することによるトルク変動が大となり、ユニオンナットを回す工具(スパナ、レンチ等)を介してそのトルク変動を明確に感じ取ることが可能になる。故に、締付終了又は終了が近づくと大なるトルク変動が生じるので、操作感覚でもってユニオンナットの締付終了又はほぼ終了であることを認識可能となる。その結果、管継手部分が見えない又は見難い場所にあり、かつ、騒音状況下にある作業現場においても、ユニオンナットが締付終了又はそれに近い状態であることの確認が行えるようになり、組付作業性や取扱い性に優れるように改善される樹脂管継手を提供することができる。
請求項2のように、凹部や凸部を周方向で複数形成して、ユニオンナットの一回転中における嵌合及び離脱が繰り返されるように構成すれば、前述した大なるトルク変動の頻度が増してより感覚認識が明確になり、請求項1の発明による前記効果が強化される利点がある。この場合、請求項3のように、凹部や凸部を周方向で均等角度毎に形成すれば、前記嵌合及び離脱が複数重複されてトルク変動がより顕著化され、好ましい。
凹部や凸部の形成手段としては、請求項4のように、軸心方向視で円弧状を呈するようにするとか、請求項5のように、凹部を径外側に向って凹ませたり、凸部を径内側に向って突出させたりするとか、請求項6のように、凸部をユニオンナットから軸心方向に延出される片持ちアーム状としたりすることができる。
請求項7の発明によれば、継手本体もユニオンナットも耐薬品性及び耐熱性に優れた特性を有するフッ素系樹脂で形成されているので、流体が薬液であるとか化学液体であっても、或いは高温流体であっても継手構造部分が変形して漏れ易くなることがなく、良好なシール性や耐引抜力が維持できるようになる。尚、フッ素系樹脂は高温にも安定で、撥水性に優れ、摩擦係数が小さく、耐薬品性も極めて高く、電気絶縁性も高い点で好ましい。また、継手本体とユニオンナットとを互いに同じフッ素樹脂材で形成すれば線膨張係数も互いに同じになり、高温時のシール性も向上する利点がある。
以下に、本発明による樹脂管継手の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は樹脂管継手の構造を示す断面図、図4は凹部を示す要部の軸心方向図、図5は凸部を示す要部の軸心方向図、図6は締付終了状態を示す平面図、図7は締付終了認知手段を示す要部の軸心方向図、図8は凸部が撓んで残存山部をやり過す状況を示す要部の断面図、図9はユニオンナット締込に伴うトルク変動グラフを示す図、図10は最終増締め状態を示す平面図である。
〔実施例1〕
実施例1による樹脂管継手Aは、図1,図2に示すように、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製のチューブ3をポンプ、バルブ等の流体機器や、異径又は同径のチューブに連通接続するものであり、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製の継手本体1とフッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製ユニオンナット2との2部品で構成されている。尚、図1,2はユニオンナット2を所定量締め込んだ組付状態を示している。
継手本体1は、図1,図2に示すように、チューブ3の端部を拡径して外嵌装着可能な一端のインナ筒(嵌合筒の一例)4と、インナ筒4の内奥側部分の外周側に拡径されたチューブ3先端の入り込みを許容すべく軸心P方向に延びる周溝(「径方向の間隙」の一例)mを有して被さるカバー筒部6と、台形ねじで成る雄ねじ5と、軸心Pを持つ円柱空間状の流体経路7とを備える筒状部材に形成されている。インナ筒4は、チューブ3を徐々に拡径させる先端先窄まり筒部4Aと、先端先窄まり筒部4Aの大径側に続いて形成される直胴筒部分4Bとを有する先細りストレート形のものとして構成されている。
周溝mは、その径内側の周面である外周面は直胴筒部分4Bの外周面4bであり、その径外側の周面である外周面はカバー筒部6の内周面6aである。周溝mの奥側周面21から軸心P方向に所定長さ離れた箇所に継手フランジ1Aが形成されており、その継手フランジ1Aの略根元部位からカバー筒部6の端部の外周面に亘って雄ねじ5が形成されている。インナ筒4の先端面は、径方向で内側ほど内奥側(軸心P方向で奥側)に寄る逆テーパの角度が施される、即ち、先端ほど大径となるカット面16が形成されており、チューブ3の内周面が拡径部(フレア部)に向けて拡がり変位することに因る液溜り周部17の形状を内周側拡がり形状として、その流体が液溜り周部17に停滞し難くしてある。尚、カット面16は、その最大径が自然状態のチューブ3の内径と外径の略中間値となるように形成されているが、それにはこだわらない。
ユニオンナット2は、図1,図2に示すように、雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ8と、チューブ3のインナ筒4に外嵌される拡径部3Aにおける拡径変化領域9の小径側端部分に作用可能なシール用周エッヂ(シール用押圧部の一例)10と、拡径変化領域9の大径側端部分に作用可能な抜止め用周エッヂ11と、拡径部3Aにおける径一定の直胴筒部分4Bに外囲される拡径ストレート部12に外嵌可能な押え内周部13と、シール用周エッヂ10に続いてチューブ3を軸心P方向の所定長さに亘って外囲するガイド筒部14とを備えて形成されている。
シール用周エッヂ10は、その内径がチューブ3の外径に略等しく、その押圧面10aは軸心Pに直交する側周面とされている。抜止め用周エッヂ11は、その内周面の径がインナ筒4の最大径である直胴筒部分4Bの外周面4bよりも大径であり、かつ、チューブ3の肉厚を足した径、即ち押え内周部13の径よりは小さい値に設定されているが、そうでなく(例:外周面4bよりも小径)でも良く、拡径変化領域9の大径側部分に作用すれば良い。抜止め用周エッヂ11の押圧面11aも軸心Pに直交する側周面である。
押え内周部13は、これと拡径ストレート部12とに径方向の隙間が無く、かつ、ユニオンナット2の締込みによる拡径部3Aの連れ回りが生じない程度に拡径ストレート部12に圧入(圧接外嵌)される値に設定されて抜止め手段Nが構成されている。これは、ユニオンナット2の締込みにより、チューブ3の抜出しを阻止すべく抜止め用周エッヂ11が拡径ストレート部12を軸心方向で食い込むように押圧するが、その押圧力によって拡径ストレート部12が径外側に膨らむように逃げ変形できないようにして、抜止め用周エッヂ11との協働による耐引抜力を高めて得るためのものである。
次に、チューブ3の端部をインナ筒4に外嵌挿入するには、常温下で強制的にチューブ3を押し込んで拡径させて装着するか、熱源を用いて暖めて膨張変形し易いようにしてから押し込むか、或いは拡径器(図示省略)を用いて予めチューブ端を拡径させておいてからインナ筒4に押し込むかして、図1に示すように、チューブ端3tがカバー筒部6の端壁15よりも内奥に位置する状態となるまで差し込む。インナ筒4に外嵌装着される拡径部3Aは、図1,図2に示すように、先端先窄まり筒部4Aの外周面4aに外嵌される拡径変化領域9と、直胴筒部分4Bの外周面4bに外嵌される拡径ストレート部12とで成る。
つまり、図1,図2に示すように、インナ筒4にチューブ3が外嵌装着された状態における雌ねじ8を雄ねじ5に螺合させてのユニオンナット2の締込みによる継手本体1の軸心P方向への螺進により、拡径ストレート部12に押え内周部13が外嵌され、かつ、拡径変化領域9の大径側部分におけるインナ筒4の径よりも大径となる部分が抜止め用周エッヂ11で軸心P方向に押圧され、かつ、拡径変化領域9の小径側部分がシール用周エッヂ10で軸心P方向に押圧されるように設定されている。尚、チューブ3の流体移送路3Wの径と流体経路7の径とは、円滑な流体の流れとすべく互いに同径に設定されているが、互いに異なっていても良い。
この場合、前述したように、押え内周部13と拡径ストレート部12との径方向には隙間が無く、直胴筒部分4Bと押え内周部13との間に拡径ストレート部12が圧接挟持されているような状態になっている。また、実施例1においては、チューブ3の拡径変化領域9が先端先窄まり筒部4Aに被さる部分として形成されている。拡径変化領域9は、徐々に拡がるテーパ管の状態であり、シール用周エッヂ10と抜止め用周エッヂ11とは軸心P方向で互いに離れた位置関係にあるが、先端先窄まり筒部4Aの外周面4aの軸心Pに対する角度が急になればなる程、シール用周エッヂ10と抜止め用周エッヂ11との軸心P方向の距離は接近する。また、シール用周エッヂ10とインナ筒4の先端とは軸心P方向で少し離れている(図2等参照)が、前記外周面4aの角度が急になればその離間距離は拡大され、緩くなればその離間距離は縮小される。
さて、図1,図2に示すように、樹脂管継手Aの所定の組付け状態においては、シール用周エッヂ10はチューブ3の拡径変化領域9の小径側端部分を軸心P方向に押圧するので、拡径変化領域9の外周面4aの小径側端と、その箇所に接するチューブ3の内周面とが強く圧接されてシール部Sが形成される。このインナ筒4の先端箇所でのシール部Sにより、インナ筒4と拡径部3Aと間に洗浄液、薬液等の流体が入り込むことなくチューブ3と継手本体1とが良好にシールされている。
そして、インナ筒4に圧入的に外嵌されている拡径部3Aの拡径ストレート部12が直胴筒部分4Bの外周面4bと押え内周部13とで囲まれていて、まず膨張変形できないようにホールドされており、かつ、抜止め用周エッヂ11がほぼその拡径ストレート部12に食い込むように位置している。これにより、拡径変化領域9の大径側端部分、即ち実質的に拡径ストレート部12に食い込むように押す抜止め用周エッヂ11の引掛かりによって拡径部3Aに作用する引抜力に抗することができるとともに、抜止め用周エッヂ11を基点として拡径ストレート部12が引抜力によって径方向に膨張変形できることに起因して拡径部3Aが抜き出る方向にずり動くことが牽制阻止されるようにもなる。
拡径部3Aが軸心P方向に少しでもずり動くと、シール部Sにおけるシールポイントもずれてシール機能が不確実化するおそれがあるが、それが未然に防止されるようになる。従って、拡径部3Aが軸心P方向でインナ筒4から抜け出る方向の移動が強固に規制される抜止め手段Nが構成されており、それによって優れた耐引抜力が実現されている。その結果、継手本体1とユニオンナット2とから成るフレア型の樹脂管継手Aを、チューブがインナ筒に装着されている状態でのナット操作によって簡単に組付けできて組付性に優れるとともに、シール部Sによる優れたシール性と抜止め手段Nによる優れた耐引抜力との両立も図れる改善されたものとして実現できている。
加えて、抜止め用周エッヂ11による拡径変化領域9の大径側部分の押圧が開始された後にシール用周エッヂ10による拡径変化領域9の小径側部分の押圧が開始される状態に設定されていること、即ち押圧時差手段により、次のような作用や効果もある。即ち、図3に示すように、ユニオンナット2を回して締め込んで(螺進させて)ゆくと、まず、抜止め用周エッヂ11が先に拡径変化領域9(詳しくは拡径変化領域9の大径側部分)に当接し、そのときはシール用周エッヂ10は拡径変化領域9にまだ達していない。これにより、抜止め用周エッヂ11のみが拡径変化領域9の大径側部分、より詳しくは直胴筒部分4Bよりも大径となる部分を軸心P方向に押すから、ユニオンナット2の締付操作によって拡径ストレート部12をインナ筒4のより内奥側に押し込もうとする作用が生じる。
直胴筒部分4Bに圧入外嵌される拡径ストレート部12は押え内周部13にも圧接されるが、その圧接力が比較的弱い場合には拡径部3Aをズリ動かしてインナ筒4のより内奥側に挿入させようとするから、より確実にチューブを継手本体1に差し込めるとか、それに加えて、軸心P方向に押される拡径ストレート部12が軸心P方向に動きに難いことに起因して径方向に膨張しようとして、より圧接力が高まってしっかりと挟持される作用が生じるといった好ましい効果が得られる。前記圧接力が比較的強い場合には、軸心P方向に押される拡径ストレート部12が軸心P方向にまず動けないことによって径方向に膨張しようとする強い作用が生じ、インナ筒4と押え内周部13との間で拡径ストレート部12がより一層強固に保持される効果が得られる。
つまり、いずれせよ、シール用周エッヂ10が拡径部3Aに刺さり込み作用していない状況で抜止め用周エッヂ11が拡径部3Aを軸心P方向に押すことにより、直胴筒部分4Bと押え内周部13とによる拡径ストレート部12の圧接保持力が強化されるという効果が得られる。例えば、図2に示すように、拡径部3Aにおける抜止め用周エッヂ11で押される部分が径外側に流動して押圧面11aと押え内周部13とで成される隅角空間部が埋まってしまうとか、押え内周部13による径外側の拘束が解けた部分が径外側に膨張して盛上り部(図示省略)が形成されるといった現象が起りうる程である。
以上のように、押圧時差手段により、チューブ3のインナ筒4に対する圧接保持力も耐引抜力も一層向上する効果が得られるようになる。尚、図3に示す仮想線のユニオンナット2は、シール用周エッヂ10が拡径変化領域9(詳しくは拡径変化領域9の小径側部分)に達したときを示し、そのときには抜止め用周エッヂ11は既に拡径変化領域9に明確に食い込んでいる。
また、図1,図2に示すように、インナ筒4の内奥側とカバー筒部6とで形成される周溝m、及び透視可能なフッ素樹脂で形成されるユニオンナット2とにより、チューブ3が正しくインナ筒4に差し込まれている否かを目視チェック可能なインジケータ手段Bが構成されている。つまり、押え内周部13の内奥側で、かつ、雌ねじ8に至るまでの間の谷状内周面22を通るライン(図2の矢印イ参照)での目視により、拡径部3Aが見え、かつ、拡径端部3tが見えない正常状態であるならば、チューブ3がインナ筒4に正しく外嵌装備されていると判断できる。そして、拡径部3Aが見え、かつ、拡径端部3tも見える差込不良状態、或いは拡径部3A自体が見えない差込不足状態であれば、チューブ3の差込がまだ規定量に達していないと判断できるのであり、この場合は前記正常状態が目視できるまでチューブ3をさらに押し込む操作を行うことになる。
インジケータ手段Bにおいては、ユニオンナット2が透明又は半透明(乳白色等)のフッ素樹脂を用いて形成されていてその内側にある物体を目視視認可能であり、特に、押え内周部13の内奥側で、かつ、雌ねじ8に至るまでの間の谷状内周面22を通るライン(図2の矢印イ参照)での目視では、ユニオンナット2の厚みの少ない部分のみの透視によって拡径部3Aを比較的はっきりと視認し易いものとなっている。それに対して、谷状内周面22の部位よりも肉厚が厚い押え内周部13の部位では拡径部3Aの視認度が劣り、見難いものとなっている。
そして、チューブ3の端部が入り込み可能な周溝mの部分では、ユニオンナット2とカバー筒部6が重なっているので、継手本体1も透視可能であるとしても、厚みが谷状内周面22の部分よりも厚くなる上、雄ねじ5と雌ねじ8との重なりによる境界面での屈折率の変化も加わり、拡径端部3tが何処にあるかの視認は先ず無理な状態になる。また、継手本体1が着色されている等の透視不可の場合には、カバー筒部6の端壁15よりも内奥側においては、言うまでもなく拡径部3Aや拡径端部3tを見ることはできない。
従って、谷状内周面22から拡径部3Aが見え、かつ、拡径端部3tが見えないという正常状態を視認できるか否かというインジケータ手段Bの機能によって、ユニオンナット2を締め付け操作した後の組付状態にて目視確認できるものであり、便利で使い勝手に優れる樹脂管継手Aが提供できている。
また、インジケータ手段Bを構成するための周溝m及びカバー筒部6の存在により、チューブ3をインナ筒4に差し込む際におけるインジケータとしても機能する、という効果も得られる。即ち、チューブ3をフレアしてのインナ筒4への差込量が所定量になっているか否かの確認ができる。つまり、インナ筒4に差し込まれた拡径部3Aとしての端部3tが端壁15より奥にあれば良く、その良否をチューブ3のインナ筒4への組付時において視認判断できる手段としても機能する利点がある。
ここで、拡径部3Aの軸心P方向でのインナ筒4への嵌合長をL(拡径嵌合長L)、インナ筒4の先端からカバー筒部6の端壁15までの距離をD(最低嵌合長D)、そして、周溝mのチューブ最大嵌合長さをd(調節嵌合長d)とすれば、拡径嵌合長Lは、最低嵌合長D以上で、かつ、最低嵌合長Dに調節嵌合長dを加えた長さ以下に設定されれば良く、そのことがインジケータ手段Bにより、ユニオンナット2の締付後においても知ることができる。即ち、D≦L≦(D+d)であればチューブ3のインナ筒4への差込量が適量であることになる。
抜け止め周エッヂ11を作用させず、チューブ3をインナ筒4に差し込んだ状態で、軸心P方向にどの位の力で引張ればチューブ3がインナ筒4から抜けるか、という試験を標準的な径のチューブ3を用いて行った結果を次に記す。標準的な径の一例として、内径15.8mm、外径19mmのものを用いた場合には、L=5mmでは引抜力が○であり、L=10mmでは引抜力が◎、L=15mmでも引抜力は◎である、という結果が得られた。ここで、耐引抜力が80kg以上であれば判定は○であり、90kg以上であれば判定は◎である。これから、Lは最低10mmあれば良好な耐引抜力が実現できるから、L≧10mmが得られる。この場合、Lの上限規定が無いが、そうなると周溝mが徒に長くなって管継手としての軸心方向長さが大型化してしまう。
ところで、チューブ3を適宜の長さで切断するのに、正確に切るには切断工具を用いるが、通常は一般の作業者がハサミを使って切断されることが殆どであり、その場合には切り口がチューブ軸心に対して正確に直角にはならず、斜めにカットされてしまうことが多い。その斜めカットによる切断面の軸心方向位置のばらつきは凡そ最大で5mm程度であることがデータから判明しているので、周溝の実質深さ(軸心P方向長さ)、即ちd=5としてL≦15mm、結果として、10mm≦Lmm≦15mm(D=10mm、D+d=15mm)に設定すれば、チューブ3の切断面が斜めになること、及び管継手として軸心P方向長さを極力抑えることの双方を考慮しながら、十分な耐引抜力を持つ状態にチューブ3とインナ筒4とを嵌合させることができる。
従って、拡径端部3tの軸心P方向の位置は、図1,図2に実線で示すように、カバー筒部6の端壁15から少しでも奥にあればOKであればチューブ3のインナ筒4への差込量はOKであり、図2に仮想線で示すように、周溝mの内奥端近くの位置まで入っていても良い。勿論、L<Dであれば差込不足であり、さらにチューブ3を押し込むのは言うまでももない。尚、前述の10mmや15mmmという具体長さはあくまでも実施例であり、実際の値は、チューブ3の材質、径、肉厚、インナ筒4への拡径量、等の諸条件を考慮して適宜に決まるものである。
この樹脂管継手Aは、組付状態におけるユニオンナット2の締付終了又は終了が近づいたことを操作感覚をもってして作業者に知らしめることが可能な締付終了認知手段Cが設けられている。締付終了認知手段Cは、図1〜3,図6,図7に示すように、継手本体1のフランジ1Aに均等角度(軸心P周りの45度)毎の8箇所に形成される凹部20と、ユニオンナット2の先端側(雌ねじ8側端)の均等角度(軸心P周りの45度)毎の8箇所において径方向で内向きに突出形成される凸部19とで成るトルク変動部26を設けることによって構成されている。
図2,4,6に示すように、継手本体1の凹部20は、フランジ1Aの外周部において径内方向に円弧状に凹むように形成されており、周方向で隣り合う凹部20どうしの間は径外方向に突出する残存山部24が形成されているような構造になっている。その残存山部24の外周面は径一定の最大外周面1aに、かつ、雄ねじ側の側周面は間欠側周面1bにそれぞれ形成されている。また、フランジ1Aの軸心P方向で雄ねじ5と反対側には、軸心P方向に一定の幅を有する操作用の六角ナット部23、及びそれに続く丸パイプ部25が形成されている。尚、フランジ1Aの外径は、後述するカバー庇18の内径と同じか又は若干小さい。
図2,5,6に示すように、ユニオンナット2の先端側の側周壁2aから軸心P方向に突設され、かつ、径内方向に突出される凸部19は、同様に軸心P方向に片持ち支持突設される円弧状のカバー庇18の径内側に一体形成されている。即ち、凸部19は、ユニオンナット2から軸心P方向に延出される片持ちアーム状に形成されている。
凸部19は、軸心P方向視では円弧状を呈する湾曲周面19bを持ち、この湾曲周面19bの曲率半径は凹部20の曲率半径と同等か僅かに小さいものに設定されている。ユニオンナット2と同じ外径を持つカバー庇18の周方向長さ及び軸心P方向長さは、共に凸部19における対応する長さよりも若干長く設定されている。図2,図10に示すように、凸部19の突設長さeは、凹部20の軸心P方向長さ(フランジ1Aの厚さ)fよりも少し長く設定されている。カバー庇18の軸心P方向長さは凸部19のそれよりも距離gだけ長く設定されているが、同じ突設長さでも良い。
次に、締付終了認知手段Cの作用について説明する。継手本体1に螺装されているユニオンナット2を回して螺進させて行くと、カバー庇18先端部がフランジ1Aの径外側に被さり、直後に凸部19の先端面19aがいずれかの間欠側周面1b又はこれに続く凹部20との境目の円弧状角に緩い入射角度でもって当接する。尚もユニオンナット2を締付方向に回すと、図8に示すように、片持ち状で比較的支持強度の弱い凸部19が径外側に向かってそっくり返るように撓み変位し、それによって残存山部24をかわしてやり過ごし、図7に示すように、次の凹部20に嵌り込む(図1,2も参照)のである。
即ち、ユニオンナット2の回し操作に伴って8箇所の凸部19の(凸部19とカバー庇18との)残存山部24をかわすための径外側への撓み変位(図8参照)、及びそれに続く凸部19の(凸部19とカバー庇18との)径内側への復元変位による凹部20への嵌り込みが以後繰り返されることとなる。凸部19のフランジ1Aに干渉することによる径外側への撓み変位が始まるときには、各エッヂ10,11がある程度拡径部3Aに食い込んだ状態、つまり、樹脂管継手Aの組付けが完了すべくユニオンナット2を回しての締付(螺進)がほぼ終了している設定となっている。
要するに、8箇所の凸部19が(凸部19とカバー庇18とが)径外側に撓み変位する際の抵抗がユニオンナット2の強烈な回動抵抗となり、そのトルク変動(トルク増加)が六角ナット部2bを操作するスパナやレンチ等の工具を介して明確に手指に伝わってくるようになる。そして、ユニオンナット2を回し込むに連れて(凸部19のフランジ1Aへの被さり量が増すに連れて)、残存山部24をかわすための凸部19の径外側への撓み変位が顕著化され、前述のトルク変動も次第に強くなるので、ユニオンナット2の締込操作終了又は終了に近づいたことを作業者は感覚的に確実に知ることが可能になっている。
つまり、継手本体1のフランジ1Aの外周部に形成される径方向に凹む凹部20と、ユニオンナット2の軸心P方向端部の外周部に形成される径方向に突出する凸部19とが、シール用押圧部10が拡径変化領域9を押圧してのユニオンナット2の螺進終了手前付近からの締込み回転により、凹部20と凸部19との何れか一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱されるトルク変動部26が構成されており、そのトルク変動部26の存在によって締付終了認知手段Cが構成されている。
ユニオンナット2の締付(締込)終了は、工具を用いての明確なトルク変動を感じ始めてから0.5〜1回転(図9では0.75回転)操作された状態、即ち、図1,2や図6に示すように、軸心P方向でカバー庇18の先端とフランジ1Aの六角ナット部23側端とが一致する状態、即ち、締付終了状態である。従って、締付終了認知手段Cの機能により、管継手Aが視認できない箇所にあっても操作感覚でもって締付終了を認識することが可能に構成されている。尚、その状態(図6に示す状態)を目視することで締付終了であることを知ることも可能である。
図9に示すグラフは、ユニオンナット2の締付方向の回転に伴う締付トルクの変動を表したものであり、実線で描かれたラインaが本発明(実施例1)による樹脂管継手Aで、一点破線で描かれたラインbが第1従来製品、二点破線で描かれたラインcが第2従来製品のものである。第1,第2従来製品は、共に締付終了認知手段Cを持たない管継手である。横軸である締付回転は、締付終了状態(図6参照)を0としてあり、そこからユニオンナット2を1回転緩めた状態は「−1」で表される。尚、図示は省略してあるが、横軸の0を超えた+側の回転域は増締めを表す。
実施例1の樹脂管継手Aによるラインaでは、凡そ−0.875回転付近で最初の軽いトルク増加(ポイントp1)が現れており、それは凸部19の先端面19aが残存山部24(間欠側周面1b)に途中から触れることによるものと考えられる。そして、各凸部19が最初に対応する凹部20に嵌った状態(ポイントp2)からユニオンナット2が回されて各凸部19が径外側に撓み変位して残存山部24に乗り上げてやり過すときが第1回目のトルク急増(急激な締付トルクの変動)現象(ポイントp3)が生じ、次いで各凸部19が対応する凹部20に嵌ると急激に締付トルクが減少する第1回目のトルク急減(急激な締付トルクの変動)現象(ポイントp4)が現れる。
実施例1の樹脂管継手Aでは、ユニオンナット2における凸部19が8箇所形成されているので、1回転当たり8回のトルク急増現象が生じているのが図9から見て取れる。0.5回転ではトルク急増現象は4回生じる。α=T/y(T:トルク変動量、y:ユニオンナットの回転量)で表されるトルク増加率(トルク変動率)α、即ち、ラインaの右上がり傾き角度は、ラインb、cそれぞれのトルク増加率に比べて顕著に大である。つまり、凹部20及び凸部19が周方向に複数形成されており、ユニオンナット2が一回転される間に凹部20と凸部19との嵌合及び離脱が繰り返されるように構成されている。
この極めて大なるトルク増加率αにより、スパナ等の工具を介しても作業者の手指にはユニオンナット2の回し操作時における「ゴリゴリ感」、即ちデテント機構による節度感に相当する感触が明確に伝わってくるのであり、それによって締付終了が近づいたことを認識できるのである。実施例1による樹脂感継手Aでは、最初の明確な「ゴリゴリ感」を含む6回の「ゴリゴリ感」を認識したらユニオンナット2の回し操作を止めれば良く、そのときには図6に示す締付終了状態が得られる設定である。ラインb、cで表される第1,第2従来製品のものでは、トルク増加率が微増又は漸増しているだけであって急激なトルク変動が起きないので、締切り節度感に乏しく、従って締付終了を作業者が手指の感触として知ることはできない。
次に、ユニオンナット2の増締めについて説明する。樹脂管継手Aでは、経時によるチューブ3の保持力低下を補えるようにすべく、ユニオンナット2の増締めが若干行えるように設定されている。即ち、締付終了状態(図6参照)では、側周壁2aとフランジ1Aとには軸心P方向に隙間が存在しており、ユニオンナット2の更なる回し込みによる増締め操作が可能となっている。その軸心P方向の増締め量はe+g−fである。
増締めは、図10に示すように、側周壁2aが間欠側周面1bに当接してそれ以上回せなくなる状態、即ち最終増締め状態まで可能である。最終増締め状態になることにより、雄ねじ5や雌ねじ8のねじ飛び、首破断等の管継手Aとしての破損防止が行える利点がある。さらに、隣合う凸部19,19間の切欠き空間部分から側周壁2aと間欠側周面1bとの当接が視認できるので、目視によって最終増締め状態を知ることも可能である。
〔別実施例〕
トルク変動率αとしては、急激なトルク減少によるもの、即ちトルク減少率が顕著に大となることによるものでも良く、それによってユニオンナット2の回し操作に「ゴリゴリ感」が伴うようにされた構成の樹脂管継手も可能である。また、本発明を、インナーリングを用いてチューブ拡径部が嵌合筒に内嵌される構造の継手、即ち、ユニオンナット、継手本体、インナーリングの3部品で成る樹脂管継手に適用しても良い。
図示は省略するが、継手本体1に形成される凹部20が径外方向に凹む凹部であり、かつ、ユニオンナット2に形成される凸部19が径外側に突出する凸部である構成も可能である。この場合、径方向に撓み変位するのは凹部20でも凸部19でも可能である。さらにあ、実施例1の樹脂管継手Aにおいて、凹部20を径方向に撓み変位する構成とすることも可能である。また、締付終了認知手段Cを構成する凹部20及び凸部19は、周方向で単一又は複数形成される等、それら凹部20や凸部19の数や配置構造は適宜に設定することが可能である。
実施例1による樹脂管継手の構造を示す断面図 図1の要部を示す拡大断面図 シール用及び抜止め用の各周エッヂの相対位置関係を示す要部の拡大断面図 継手本体のフランジ部分の構造を示す軸心方向図 ユニオンナットの端部構造を示す軸心方向図 組付状態における締付終了認知手段を示す平面図 図6の部分的な軸心方向図 凸部が撓んで残存山部を乗り越える状況を示す要部の断面図 ユニオンナット締込に伴うトルク変化グラフを示す図 最終増締め状態を示す平面図
符号の説明
1 継手本体
2 ユニオンナット
3 チューブ
3A 拡径部
4 嵌合筒
5 雄ねじ
8 雌ねじ
9 拡径変化領域
10 シール用押圧部
19 凸部
20 凹部
26 トルク変動部
P 軸心
S シール部

Claims (7)

  1. 合成樹脂製チューブの端部を拡径させて嵌合装着可能な嵌合筒と、雄ねじとを備える合成樹脂製の継手本体、及び、
    前記雄ねじに螺合可能な雌ねじと、前記チューブの拡径部における拡径変化領域に作用可能なシール用押圧部とを備える合成樹脂製のユニオンナットを有し、
    前記嵌合筒に前記チューブが嵌合装着される状態における前記雌ねじを前記雄ねじに螺合させての前記ユニオンナットの前記継手本体の軸心方向への螺進により、前記拡径変化領域が前記シール用押圧部で前記軸心方向に押圧されてシール部が形成されるように構成されている樹脂管継手であって、
    前記継手本体の外周部に径方向に凹む凹部が、かつ、前記ユニオンナットの軸心方向端部の外周部に径方向に突出する凸部がそれぞれ形成されており、前記シール用押圧部が前記拡径変化領域を押圧しての前記ユニオンナットの螺進終了手前付近からの締込み回転に伴って前記凹部と前記凸部とがそれらの一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱されるトルク変動部が構成され
    前記凸部は、前記ユニオンナットの先端側から軸心方向に片持ち支持突設される円弧状のカバー庇の径内側に一体形成されている樹脂管継手。
  2. 前記凹部及び/又は前記凸部が周方向に複数形成されており、前記ユニオンナットが一回転される間に前記嵌合及び離脱が繰り返されるように構成されている請求項1に記載の樹脂管継手。
  3. 前記凹部及び/又は前記凸部が周方向で前記軸心に関する均等角度毎に形成されている請求項2に記載の樹脂管継手。
  4. 前記凹部及び/又は前記凸部が前記軸心方向視において円弧状を呈している請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂管継手。
  5. 前記凹部が径外側に向って開放される径内向き凹部であり、前記凸部が径内側に向って突出する径内向き凸部である請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂管継手。
  6. 前記凸部が、前記ユニオンナットから軸心方向に延出される片持ちアーム状に形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂管継手。
  7. 前記継手本体及び前記ユニオンナットがフッ素樹脂製である請求項1〜6の何れか一項に記載の樹脂管継手。
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