JP2021188509A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、燃料噴射量のばらつきを低減した燃料噴射弁を提供することにある。
【解決手段】
本実施例の燃料噴射弁200は、流路の開閉を行う弁体201と、電磁力を生成する固定コア207と、固定コア207と対向するアンカー206と、を有する。アンカー206は、アンカー206を弁体軸方向に貫通する燃料通路穴32aと、アンカー206を弁体軸方向に貫通する補助穴33aと、が形成される。補助穴33aは、入口面におけるアンカー206の最内径側に位置する最内径側端部が、固定コア207に形成される貫通孔207dの燃料出口面の最外径34と同位置に位置するように、又は最外径34よりも径方向外側に位置するように、配置される。
【選択図】図3B

Description

本発明は、ガソリンエンジン等の内燃機関に用いられる燃料噴射弁に関する。
燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射式エンジンでは、燃料噴射弁に、噴射量のばらつきを小さくすることが求められる。噴射量のばらつきを低減する従来技術として、特許文献1に記載の燃料噴射弁がある。
特許文献1の燃料噴射弁は、ボディの軸方向に沿って形成され噴口(噴孔)を開閉弁する弁体と、弁体の外周に配置され電磁コイルへの通電によって固定コアに吸引され電磁コイルへの通電の停止によって固定コアから離反するアンカーと、を備え、弁体とアンカーとがボディの軸方向に相対移動できる構成である(要約参照)。特許文献1の燃料噴射弁は、開弁時に生じる弁体のオーバーシュートを抑制することを目的として、弁体とアンカーとの間には燃料溜りが形成されると共に、アンカーには燃料溜りと燃料通路とを連通させる制限流路が形成されており、制限流路はアンカーが固定コアに吸引されたときに燃料通路との連通が遮断される(要約参照)。
さらに特許文献1の燃料噴射弁は、アンカーの外径がボディの大径孔部の内径と略同径であり、アンカーは大径孔部の内周面を摺動しながらボディの軸方向に沿って移動する(段落0016参照)。
特開2015−124612号公報
特許文献1の燃料噴射弁では、弁体とアンカーとがボディの軸方向に相対移動できる構成であり、またアンカーはボディの大径孔部の内周面を摺動しながらボディの軸方向に沿って移動する。この場合、弁体とアンカーとの接触状態やアンカーとボディの大径孔部の内周面との接触状態が変化することにより、弁体やアンカーの挙動が変化する。特に、アンカーとボディの大径孔部の内周面との接触状態が変化すると、弁体の開閉弁動作時におけるアンカーの挙動が変化し、燃料噴射量にばらつきが生じる。
さらに燃料噴射弁が開弁動作を繰り返すうちに、アンカーとボディの大径孔部の内周面との接触部が摩耗し、アンカーとボディの大径孔部の内周面との接触状態に経年変化が生じる。その結果、燃料の噴射量を含む燃料の流量特性にも経年変化しが生じる。
特許文献1では、アンカーとボディの大径孔部の内周面との接触状態が変化する現象や、弁体の開閉弁動作時におけるアンカーの挙動変化による燃料噴射量のばらつきに関して配慮がない。なお特許文献1では、アンカー及び弁体を含む弁部(以下、可動部という)の移動をボディの大径孔部の内周面でガイドする構成であるが、可動部をガイドする構成(ガイド構成)にはこれ以外にも種々の構成があり、本発明が対象とするガイド構成は特許文献1のガイド構成に限定される訳ではない。
本発明の目的は、燃料噴射量のばらつきを低減した燃料噴射弁を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の燃料噴射弁は、
流路の開閉を行う弁体と、電磁力を生成する固定コアと、前記固定コアと対向するアンカーと、を有する燃料噴射弁において、
前記アンカーは、当該アンカーを軸方向に貫通する燃料通路穴と、当該アンカーを軸方向に貫通する補助穴と、が形成され、
前記補助穴は、入口面における前記アンカーの最内径側に位置する最内径側端部が、前記固定コアに形成される貫通孔の燃料出口面の最外径と同位置に位置するように、又は前記最外径よりも径方向外側に位置するように、配置される。
本発明によれば、アンカーに加わる横力を低減し、アンカーの偏心を抑制することによって、弁体及びアンカーを含む可動部の挙動変化を安定化させることができる。その結果、燃料噴射量のばらつきを低減すると共に、燃料噴射量の経年変化を低減することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る燃料噴射弁が適用される内燃機関の一実施例について、その構成の概要を示す概略構成図である。 本発明に係る燃料噴射弁の一実施例について、その構成の概要を示す断面図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁のアンカーを、上流側から見た上面図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁について、アンカーと固定コアとの対向部の近傍を拡大して示す断面図(図3AのIIIA−IIIA断面図)である。 アンカーが図3Aに示す状態から偏心した状態を示す上面図である。 図4AのIVB−IVB断面を示す断面図である。 図4Aとは異なる偏心状態を示すアンカーの上面図である。 本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁について、図4Bと同様な偏心状態を示すアンカーの断面図である。 本発明の第3実施例に係る燃料噴射弁のアンカーを、上流側から見た上面図である。 図7AのVIIB−VIIB断面を示す断面図である。
以下、図面を用いて本発明に係る実施例を説明する。
本発明に係る燃料噴射弁200とこの燃料噴射弁200が適用される内燃機関の一実施例について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本発明に係る燃料噴射弁が適用される内燃機関の一実施例について、その構成の概要を示す概略構成図である。
図1において、シリンダヘッド101と、シリンダブロック102と、シリンダブロック102に挿入されたピストン103と、により燃焼室104が形成され、燃焼室104に向けて吸気管105と排気管106とがそれぞれ2つに分岐して接続されている。吸気管105の開口部には吸気弁107が、排気管106の開口部には排気弁108がそれぞれ設けられ、カム動作方式により開閉するように動作する。
ピストン103はコンロッド114を介してクランク軸115と連結されており、クランク軸115の近傍に配置されたクランク角センサ116によりエンジン回転数が検知される。エンジン回転数の値はECU(エンジンコントロールユニット)118に送られる。クランク軸115には図示しないセルモータが連結され、エンジン始動時にはセルモータによりクランク軸115を回転させ始動することができる。シリンダブロック102には水温センサ117が備えられ、図示しないエンジン冷却水の温度を検知できる。エンジン冷却水の温度はECU118に送られる。
図1は1気筒のみを図示しているが、吸気管105の上流には図示しないコレクタが備えられ、複数設けられた気筒ごとに空気を分配する。コレクタの上流には図示しないエアフローセンサとスロットル弁が備えられ、燃焼室104に吸入される空気量をスロットル弁の開度によって調節できる。
燃料は燃料タンク109に貯蔵され、フィードポンプ110によって高圧燃料ポンプ111に送られる。フィードポンプ110は燃料を0.3MPa程度まで昇圧して高圧燃料ポンプ111に送る。高圧燃料ポンプ111により昇圧された燃料はコモンレール112に送られる。高圧燃料ポンプ111は燃料を30MPa程度まで昇圧してコモンレール112に送る。コモンレール112には燃圧センサ113が設けられ、燃料圧力(燃圧)を検知する。燃圧の値はECU118に送られ、燃圧が所定の値になるよう高圧燃料ポンプ111の燃料吐出量が制御される。
コモンレール112には、燃料噴射弁200が取り付けられており、コモンレール112に送られた燃料は燃料噴射弁200から燃焼室104内に噴射される。燃料噴射弁200による燃料噴射はECU118により制御される。本実施例では、燃料噴射弁200は筒内噴射用の燃料噴射弁としているが、吸気管105内に燃料を噴射する燃料噴射弁であってもよい。しかし、燃圧値が大きい筒内噴射用燃料噴射弁の方が、大きな燃圧値を利用でき、大きな効果が得られる。
図2は、本発明に係る燃料噴射弁200の一実施例について、その構成の概要を示す断面図である。
燃料噴射弁200は、中心軸線200aに沿う方向における一端部(基端部)に燃料供給口214が設けられ、他端部(先端部)に燃料噴射孔216が設けられる。この場合、燃料供給口214が設けられる基端部が燃料の流れ方向における上流端となり、燃料噴射孔216が設けられる先端部が下流端となる。以下の説明においては、上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は図1における上下方向に基づいており、燃料噴射弁200の実装状態における上下方向を指定するものではない。
また本実施例では、弁体201、アンカー206、固定コア207の各中心軸線は、燃料噴射弁200の中心軸線200aに一致するように配置されている。従って、弁体113の移動方向である開閉弁方向は、中心軸線100aに沿う。
本実施例の燃料噴射弁200は、内燃機関の燃焼室104に直接、燃料を噴射する筒内噴射用燃料噴射弁である。燃料は燃料供給口214から供給され、燃料噴射弁200の内部に供給される。図2に示す燃料噴射弁200は、通常時閉型の電磁駆動式の燃料噴射弁(電磁式燃料噴射弁)であって、コイル208に通電がないときには、弁体201がスプリング(第1スプリング)210によって閉弁方向に付勢され、ノズル体204に溶接などで接合されたシート部材202に押し付けられ、燃料がシールされるようになっている。このとき、筒内噴射用の燃料噴射弁200では、供給される燃料圧力がおよそ10MPaから50MPaの範囲である。
コイル208が通電されていない閉弁状態においては、固定コア(磁気コア)207とアンカー(可動コア)206との間には弁体201の軸方向(弁体軸方向)に所定の大きさの空隙が形成される。アンカー206は上面から下面側(下流側)に向かって凹む凹み部206aが形成され、凹み部206aの底面と弁体201の大径部(鍔部)201aの下面とが係合した状態になっている。本実施例の燃料噴射弁200では、弁体201とアンカー206とは弁体軸方向に相対変位可能に構成されており、開閉弁時には、アンカー206の凹み部206aの底面と弁体201の大径部(鍔部)201aの下面とが係合した状態で、一体となって動作するように構成されている。
そして、弁体201を閉弁方向に付勢するスプリング210の付勢力は、アンカー付勢ばね213の付勢力よりも大きく、閉弁状態においては、アンカー206はアンカー付勢ばね(第2スプリング)213により下流側から上流側に向かう方向(開弁方向)に付勢されることで、アンカー206の凹み部206aの底面と弁体201の大径部(鍔部)201aの下面とが係合した状態で、静止する。
コネクタ211を介してコイル208に通電されると、電磁弁の磁気回路を構成する固定コア207、ヨーク209及びアンカー206に磁束密度が生じ、固定コア207とアンカー206との間に磁気吸引力を生じる。磁気吸引力が、スプリング210の付勢力と燃料圧力とを合わせた力よりも大きくなると、アンカー206が固定コア207に向かって吸引され、これによりアンカー206は上記した弁体軸方向の空隙の大きさが0となるように移動する。このときアンカー206の凹み部206aの底面が弁体201の大径部201aの下面と係合し、弁体201を押し上げる。これにより、弁体201のロッド部201bは、下流側のガイド部材203及び上流側の弁体ガイド205にガイドされながら上流方向(開弁方向)に駆動され、開弁状態となる。開弁状態となると、シート部材202のシート部202aと弁体201の弁体側シート部201cとの間に隙間が生じ、燃料の噴射が開始される。燃料の噴射が開始されると、燃料圧力として与えられたエネルギーは運動エネルギーに変換され、燃料は燃料噴射弁200の下端部に設けられた燃料噴射孔216に至り噴射される。
[実施例1]
図3A乃至図5を用いて、本発明の第1実施例について説明する。以下に説明する本発明に係る構成は、上述した燃料噴射弁200に適用することができる。
図3Aは、本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁200のアンカー206を、上流側から見た上面図である。図3Bは、本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁200について、アンカー206と固定コア207との対向部の近傍を拡大して示す断面図(図3AのIIIA−IIIA断面図)である。なお、図3Aは、燃料噴射弁200のアンカー206を水平方向(中心軸線200aに垂直な方向)に切った断面図であり、固定コア207側からアンカー206を見た図を示す。図3Aでは、アンカー206が偏心していない状態(非偏心状態)を示している。また図3Bは、燃料噴射弁200を燃料通路穴32aの中心とアンカー中心206xとを含む面で切った断面図であり、アンカー206の上面206dの近傍を拡大している。
図3Bでは、弁体201及びアンカー206に係る構成の一部を、図2に示す燃料噴射弁200と異なる構成にしている。ここで、弁体201及びアンカー206の構成について、図3Bを用いて詳細に説明する。
アンカー206は、貫通孔206cを有し、弁体201のロッド部201bが貫通孔206cを挿通するように構成される。これにより、アンカー206と弁体201とは弁体軸方向に相対変位可能に構成されている。
弁体201は、上流側端部に、ロッド部201bの直径よりも大きい外径を有する大径部201aを有する。アンカー206は、上流側端面206dが大径部201aの下端面(下流側端面)201abと対向し、相対変位時に上流側端面206dが大径部201aの下端面201abに当接することで、弁体201に対する上流側(開弁方向)への相対変位が規制される。
大径部201aの上端面(上流側端面)201aaから上部は大径部201aよりも小径の突起部201dが設けられており、突起部201dの上端部にはロッドヘッド302が設けられている。ロッドヘッド302の最外径は、ロッド部201bの直径よりも大きい。
弁体201の大径部201aの上流側には、中間部材308が設けられている。中間部材308の下端面(下流側端面)308bには上流側(上面308a側)に向けて凹部308cが形成されており、凹部308cは大径部201aが収まる直径(内径)と深さを有している。すなわち、凹部308cの直径(内径)は大径部201aの直径(外径)よりも大きく、凹部308cの深さ寸法は大径部201aの上端面201aaと下端面201abとの間の寸法(高さ寸法又は厚み寸法)よりも大きい。凹部308cの底面308eには弁体軸方向の貫通孔308dが形成されている。貫通孔308dには、突起部201dが挿通される。
中間部材308の上流側には中間部材付勢ばね(第3スプリング)307が支持されており、中間部材308の上端面308aは中間部材付勢ばね307の下流側端部が当接するばね座を構成する。中間部材付勢ばね307の上流側端部はロッドヘッド302の下端面に当接している。ロッドヘッド302は上方(上流側)からスプリング210の付勢力を受け、下方(下流側)から中間部材付勢ばね307の付勢力を受ける。この場合、スプリング210の付勢力は中間部材付勢ばね307の付勢力よりも大きい。
閉弁状態では、中間部材308は中間部材付勢ばね307の付勢力を受けて、凹部308cの底面308eが弁体201の大径部201aの上端面201aaに当接している。
一方、アンカー206は中間部材付勢ばね307の付勢力を受けて固定コア207側に向けて付勢される。このため、アンカー206の上流側端面206dが中間部材308の下端面308bに当接する。アンカー付勢ばね213の付勢力は中間部材付勢ばね307の付勢力よりも小さいため、アンカー206は中間部材付勢ばね307により付勢された中間部材308を押し返すことはできず、中間部材308と中間部材付勢ばね307とにより開弁方向への動きを止められる。このとき、中間部材308は、底面308cが弁体201の大径部201aの上端面201aaに当接した状態で下端面308bがアンカー206の上流側端面206dと当接することにより、弁体201の大径部201aの下端面201abとアンカー206の上流側端面206dとの間に間隙が形成される。
コイル208に通電されると、アンカー206は固定コア207に向かって吸引され、最初に中間部材308を持ち上げて弁体201の大径部201aの下端面201abに当接する。さらにアンカー206が固定コア207に向かって吸引されると、アンカー206は弁体201を持ち上げる。このとき、弁体201の弁体側シート部201cとシート部材202のシート部202aとの間に隙間が生じ始める。このようにアンカー206は、開弁時に、運動量を有する状態で弁体201に係合して弁体201を開弁動作させることができ、弁体201の開弁動作を速めることができる。
なお、この構成においては、ロッドヘッド302の最外径が固定コア207のコア内壁207cに摺接し、弁体201は弁体軸方向の移動をガイドされる。この場合、図2で説明した弁体ガイド205は設けられない。
アンカー206は、燃料を燃料噴射孔216側に流す役割を持った燃料通路穴32a,32b,32cと、アンカー206が偏心した際に復元力を発生する役割を持つ補助穴33a,33b,33cと、を有している。そして、例えば補助穴33bの入口のアンカー径方向における最内径側端部301と、固定コア内径34との最短距離35が、アンカー206に許容される最大偏心量36よりも小さくなるように構成される。この最大偏心量36は、例えば弁体201のロッドヘッド302の最外径部と固定コア207の貫通孔207cの最内径部との間の径方向長さと、弁体201のロッド部201bとアンカー206の貫通孔206cの内径との間の最大距離と、の和である。
特に本実施例では、アンカー206は補助穴33a,33b,33cが複数形成される。複数の補助穴33a,33b,33cは、アンカー206の中心軸206xを中心とする一つの円38に沿って配置されると共に、円38の周方向に等間隔に配置される。
またアンカー206は、燃料通路穴32a,32b,32cが複数個形成される。複数の燃料通路穴32a,32b,32cは、アンカー206の中心軸206xを中心とする一つの第1円37に沿って配置される。複数の補助穴33a,33b,33cは、アンカー206の中心軸206xを中心とする一つの第2円38に沿って配置される。第1円37の半径は第2円38の半径よりも大きい。
複数の補助穴33a,33b,33cは、第2円38の周方向に等間隔に配置され、複数の燃料通路穴32a,32b,32cは、第1円37の周方向に等間隔に配置される。これにより、燃料がアンカー206の周方向に均一に分散して流れ、アンカー206が偏心した場合に、復元力を安定して発生することができる。
図3Aに示すように、アンカー206の非偏心時において、燃料通路穴32a,32b,32cは、入口(入口開口面)の一部分が固定コア内径34よりも径方向内側(貫通孔207cの内側)に位置している。その一方で、補助穴33a,33b,33cの入口(入口開口面)は、すべて固定コア内径34よりも径方向外側に位置している。図3Bにおいて、燃料は、固定コア207の内壁(貫通孔)207cと、弁体201の大径部201aを覆う中間部材308とによって、流れを制限される。そのため、燃料噴射弁200から燃料を噴射した場合、燃料は固定コア内壁207cに沿ってアンカー206に流れる。そして、燃料の多くが燃料通路穴32aから下流の燃料噴射孔216側に流れる。一方で、補助穴33aの入口は固定コア207の下端面207dと対面しており、かつアンカー206の上面206dと固定コア下端面207dとの距離が小さい。そのため、補助穴33aに流れ込む燃料の量は、燃料通路穴32aに流れ込む燃料の量と比較して少ない。燃料通路穴32a及び補助穴33aに流れ込む燃料の量の関係は、燃料通路32b,32c及び補助穴33b,33cでも同様であり、アンカー206の非偏心時において、補助穴33a,33b,33cを通る燃料量は燃料通路32a,32b,32cを通る燃料量に比べて少ない。
なお本実施例では、燃料通路穴32a,32b,32cは同一の配置円上において周方向に等間隔に配置され、補助穴33a,33b,33cは同一の配置円上において周方向に等間隔に配置され、燃料通路穴32a,32b,32cが配置される配置円と補助穴33a,33b,33cが配置される配置円とは異なる半径(直径)を有する。また燃料通路穴32a,32b,32c及び補助穴33a,33b,33cは、燃料通路穴と補助穴とが周方向に交互に並ぶように、配置される。
ここで、図4A及び図4Bを用いて、アンカー206が偏心した場合について、説明する。図4Aは、アンカー206が図3Aに示す状態から偏心した状態を示す上面図である。図4Bは、図4AのIVB−IVB断面を示す断面図である。
まず、アンカー206が偏心した図4Aの状態においても、偏心方向E側に位置する燃料通路32aは、符号41で示す上流側入口(入口開口面)の一部が固定コア内径34よりも径方向内側に露出しており、アンカー206が偏心した場合でも、全ての燃料通路32a,32b,32cは燃料通路として機能する。一方で、偏心方向E側とは反対側に位置する補助穴33aは、アンカー206が偏心方向E側に偏心することで、符号42で示す入口開口面の一部が固定コア内径34よりも径方向内側に露出することになる。これにより補助穴33aは、開口部42が燃料通路を形成することになる。図4Bでは、この状態における燃料噴射弁200について、燃料通路穴32aの中心とアンカー中心(中心軸)206xとを含む面で切った断面を示している。
ここで、固定コア内径34は、アンカー206の上面206dと対向する、固定コア207の下端面207dの内周縁207da、またはその直径である。言い換えれば、固定コア内径34は、固定コア207の貫通孔207cの出口面(出口開口面)の最外径(外周縁)である。
図4Bでは、アンカー206が紙面左方向に偏心したことによって、補助穴33aが固定コア207の内径34の内側に移動し、固定コア下端面207dから露出する開口部42(図4A参照)を形成している。このとき、補助穴33aには開口部42を通して燃料が流れ込む。そして、開口部42において、燃料流れF1の剥離が生じる。この結果、図4Bに示すように、補助穴33aにおいて、他の部分よりも圧力が低下した低圧部LPが生じる。この低圧部LPの存在によって、補助穴33aの内側壁面に加わる流体力のバランスが変化し、補助穴33aは偏心前の位置に移動する方向に、つまりアンカー206が偏心方向E側とは反対側(図4Bにおける紙面右側)に移動する方向に、流体力FFを受けることになる。このとき、ほかの補助穴33bおよび33cはアンカー206の偏心によって移動するものの、それらの入口はその全体が固定コア下端面207dに対向しており、補助穴33aの開口部42のような開口部を形成しない。このため、補助穴33aで起きるような燃料流れの剥離は発生せず、アンカー206の偏心を助長する向きの流体力は発生しない。この結果、アンカー206は偏心方向Eと逆方向に力を受け、アンカー206を偏心させる横力が低減する。
次に、アンカー206が図4Aとは逆方向に偏心した場合にアンカー206に加わる流体力FFについて、図5を用いて説明する。図5は、図4Aとは異なる偏心状態を示すアンカー206の上面図である。
ここでは、アンカー206が偏心することによって補助穴33bと33cとが固定コア内径34よりも径方向内側に露出し、図4Aの補助穴33aの開口部42と同様に補助穴33bと33cとに開口部43と44とがそれぞれ形成される。その結果、上記と同様に、補助穴33b及び33cにはそれぞれ、開口部43及び44を通して燃料が流れ込む。そして補助穴33b及び33cの開口部43及び44において、燃料流れF1の剥離が生じ、ほかの部分よりも圧力の低下した低圧部LPが生じる。低圧部LPの存在により、補助穴33b及び33cの内側壁面に加わる流体力のバランスが変化し、補助穴33bと補助穴33cとをそれぞれ径方向外側に移動させるような流体力FF33bとFF33cとが発生する。実際にアンカー206に加わる流体力FFは補助穴33b及び33cで生じた流体力FF33bとFF33cとの合力であるから、アンカー206は、図5に示すように紙面上方向に力FFを受ける。また、補助穴33aの入口はすべて固定コア下端面207dに対向しており、開口部43及び44のような開口部を形成しないため、燃料流れの剥離による流体力は補助穴33aでは発生しない。そのため、アンカー206の偏心を助長する向きの流体力は発生しない。したがって、アンカー206は偏心方向の逆方向に力を受け、アンカー206を偏心させた横力が低減する。
以上のように、本実施例では、補助穴33a,33b,33cにおける燃料流れの剥離強度をアンカー206の偏心によって変化させ、各補助穴33a,33b,33cに発生する流体力のバランスを崩すことにより、アンカー206に復元力を発生させる。ただし、各補助穴33a,33b,33cの入口には面取り加工を施してもよく、面取り部分は固定コア内径34よりも径方向内側に露出していてもよい。
すなわち、本実施例の燃料噴射弁200は、流路の開閉を行う弁体201と、電磁力を生成する固定コア207と、固定コア207と対向するアンカー206と、を有する。アンカー206は、アンカー206を弁体軸方向に貫通する燃料通路穴32a,32b,32cと、アンカー206を弁体軸方向に貫通する補助穴33a,33b,33cと、が形成される。補助穴33a,33b,33cは、入口面におけるアンカー206の最内径側に位置する最内径側端部301が、固定コア207に形成される貫通孔207dの燃料出口面の最外径34と同位置に位置するように、又は最外径34よりも径方向外側に位置するように、配置される。
この場合、補助穴33a,33b,33cは、入口面の最内径側端部301と固定コア207の貫通孔207cの燃料出口面の最外径34との間の径方向距離35がアンカー206の最大偏心量36よりも小さくなるように構成される。
これにより、補助穴33a,33b,33cにおける燃料流れの剥離強度をアンカー206の偏心によって変化させ、各補助穴33a,33b,33cに発生する流体力のバランスを崩すことにより、アンカー206に復元力を発生させることができる。さらに、各補助穴33a,33b,33cの、貫通孔207cの出口面に対する開口部における燃料流れの剥離強度を上げることによって、より大きな流体力を補助穴33a,33b,33cに発生させることができる。また、補助穴33a,33b,33cの入口面の面積を出口面の面積より小さく構成することで、燃料の剥離強度を上昇させることが可能となる。
本実施例では、3つの補助穴33a,33b,33cを設けているが、補助穴が1つの場合でも、アンカー206の復元力となる流体力を発生させることができる。そのため、アンカー206の偏心方向が決まっている場合には、補助穴は1つでもよい。また、本実施例では燃料通路穴32a,32b,32c及び補助穴33a,33b,33cの断面形状は円形としているが、円形に限定される訳ではなく、その他の形状であってもよい。
なお、360°すべてのアンカー偏心方向において復元力となる流体力を得たい場合には、アンカー206がどの方向に偏心しても、複数の補助穴33a,33b,33cのうち最低一つが固定コア内径34よりも径方向内側に露出するように、補助穴33a,33b,33cを配置する必要がある。この場合、複数の補助穴33a,33b,33cがアンカー206の中心軸206xに対して同心円状に配置され、かつ周方向に等間隔に配置されることが好ましい。これにより、すべてのアンカー偏心方向に対して復元力を発生させることができる。
また、補助穴の数はいくつでもよいが、1つの補助穴で発生させることのできる復元力の向きは1方向のみであるため、アンカー206の偏心方向すべてに対する復元力を発生させるためには、本実施例のように最低3つの補助穴が必要である。すなわち、アンカー206は補助穴が3個以上形成される。これによって、アンカー206の偏心方向すべてに対して、復元力を発生させることが可能となる。さらにアンカー206は、補助穴が3個だけ形成されることが好ましい。
アンカー206に多くの補助穴を構成した場合、アンカー偏心時に補助穴に流れ込む燃料が複数の補助穴に分散して、補助穴に流体力を発生させるのに十分な燃料流れの剥離が発生しにくくなると考えられる。またアンカー206に多くの穴を設けることは、固定コア207による磁気吸引面の面積を減らすことになり、燃料噴射弁200の高速動作を阻害することになる。よって、アンカー206に構成する補助穴は最低限にとどめることが好ましい。すなわち、補助穴を3つ有することによって、補助穴で生じる燃料流れの剥離強度を上げて、アンカー31に発生する流体力を大きくすることができる。
また、これらの流体力の変化は、補助穴33a,33b,33cが固定コア内径34よりも径方向内側に露出した際に最も大きくなるため、補助穴33a,33b,33cのうち少なくともいずれか1つが、アンカー206の最大偏心時に必ず固定コア内径34よりも径方向内側に露出している必要がある。上述した様に、補助穴33a,33b,33cの入口面の最内径側端部が固定コア207の貫通孔207cの出口面における最外径34と同位置、又は最外径34よりも径方向外側にあるように配置され、補助穴33a,33b,33cの入口面の最内径側端部から固定コア207の貫通孔207cの出口面における最外径34までの径方向長さがアンカー206の最大偏心量36より小さくなるようにすることで、アンカー206が偏心した際に大きな復元力を発生させることができる。
弁体201と固定コア207とが摩耗する原因としては、弁体201を駆動するアンカー206に径方向の力(横力)が加わることで、アンカー206が偏心して弁体201と衝突することがあげられる。この横力には、アンカー206を駆動する磁力、アンカー206を付勢するばね力などが関係する。弁体201のロッドヘッド302が偏心したアンカー206によって固定コア207の内壁207cに押し付けられ、ロッドヘッド302と固定コア207との間の摩擦力が増加することによって、固定コア207の内壁207cが摩耗する。摩耗が進展すると、弁体201が径方向に偏心しやすくなり、結果として弁体201の閉弁が遅れる。加えて、燃料噴射弁200の高燃圧対応のためには、アンカー206を駆動させる磁力を大きくする必要があり、アンカー206に加わる横力の増大によりに弁体201が偏心して摩耗の要因となりうる。本実施例では、補助穴33a,33b,33cによりアンカー206に偏心からの復元力を発生することができ、このような課題を解決することができる。
以上説明したように、本実施例によってアンカー206を偏心させる横力を低減し、燃料噴射弁200の電磁弁を構成する部品の摩耗を抑制することができる。
[実施例2]
図6を用いて、第2実施例に係るアンカー206について説明する。図6は、本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁200について、図4Bと同様な偏心状態を示すアンカー206の断面図である。
以下、図6に示す第2実施例の補助穴60について、第1実施例と異なる点を説明する。なお、第1実施例と同じ符号は、第1実施例と同一の機能物を示すものであって、重複する説明を省略する。
本実施例は、補助穴60の入口61における燃料流れF1の剥離強度を上げ、アンカー206の偏心を復元させる流体力FFを増加させる。本実施例では、補助穴60の出口63の最内径側端部62を補助穴60の入口61の最内径側端部64よりもアンカー206の内径側(中心側)に構成している。その他の構成は、第1実施例で説明したのと同様に構成することができる。
本構成においても、アンカー206の偏心時に、補助穴60の入口61が固定コア内径34よりも径方向内側(中心側)に移動し、開口部65を形成する。これによってアンカー206の偏心時において、開口部65を通して補助穴60に燃料が流れ込む。そして開口部65に燃料流れF1の剥離が生じ、ほかの部分よりも圧力の低い低圧部LPが発生する。ただし本実施例では、補助穴60の入口61で燃料流れF1の剥離が起きた後、燃料流れF1が再付着するまでの距離が大きくなるため、低圧部LPの領域が第1実施例よりも大きくなる。そのため補助穴60に加わる流体力が第1実施例よりもさらに大きくなり、結果としてアンカー206の偏心を復元する向きの流体力FFが増加する。
本実施例のような補助穴60の構成でも、補助穴60の入口61が固定コア下端面207dに対向している場合には、補助穴60に流入する燃料の量が少ないため、燃料流れF1の剥離は生じない。また、第1実施例と同様に、補助穴60が複数配置されたアンカー206においても、固定コア下端面207dから補助穴60の入口61の一部分が径方向内側に露出していない場合には、燃料流れF1の剥離による流体力FFは生じない。
しかし本実施例では、アンカー206が偏心した際に補助穴60の入口61の一部分が固定コア下端面207dから径方向内側に露出することにより、その偏心を復元する向きに流体力FFが加わり、かつ第1実施例に比べて大きな流体力FFを得ることが期待できる。
すなわち本実施例の燃料噴射弁200では、補助穴60は、アンカー206の中心軸206xと当該補助穴60の出口面におけるアンカー206の最内径側に位置する最内径側端部との間の径方向距離67が、アンカー206の中心軸206xと入口面の最内径側端部301との径方向距離66よりも短く構成される。これにより、低圧部LPの領域を大きくすることができ、アンカー206が偏心した際にアンカー206の偏心に対する大きな復元力を発生させることができる。
以上から、本実施例によってアンカー206を偏心させる横力を低減し、燃料噴射弁200の電磁弁を構成する部品の摩耗を抑制することができる。
[実施例3]
図7A及び図7Bを用いて、第3実施例に係るアンカー206について説明する。図7Aは、本発明の第3実施例に係る燃料噴射弁200のアンカー206を、上流側から見た上面図である。図7Bは、図7AのVIIB−VIIB断面を示す断面図である。なお、図7Aはアンカー206が偏心していない状態を図示しており、図7Bはアンカー206が偏心している状態を図示している。
以下、図7A及び図7Bに示す第3実施例の補助穴71a,71b,71cについて、第1実施例と異なる点を説明する。なお、第1実施例と同じ符号は、第1実施例と同一の機能物を示すものであって、重複する説明を省略する。
本実施例において、例えば図7Aの補助穴71aは、アンカー206の径方向における最内径側端部72aと最外径側端部72bとの間の距離が、燃料通路穴32a,32b,32cの、アンカー206の径方向における最内径側端部73aと最外径側端部73bとの間の距離よりも小さくなるように構成される。
本実施例においても、アンカー206の偏心時に、補助穴71a,71b,71cにおいて燃料流れF1の剥離が生じ、アンカー206に偏心を復元する向きの流体力FFを発生させる。図7Bに示すように、アンカー206が偏心した場合、補助穴71aは入口の一部分が第1実施例と同様に固定コア内径34よりも径方向内側に露出し、開口部74を形成する。開口部74を通して補助穴71aに燃料が流れ込み、補助穴71aの入口におけるアンカー径方向内側部分において、燃料流れF1の剥離が生じ、補助穴71aにおいて、ほかの部分よりも圧力の低い低圧部LPが発生する。
本実施例では、剥離した燃料流れF1が補助穴71aのアンカー外径側の壁に衝突するため、燃料流れF1の剥離による低圧部LPとは別に、燃料流れF1の衝突による高圧部HPが補助穴71aのアンカー外径側に形成される。そのため、第1実施例で説明した流体力に加えて、剥離した燃料流れF1が補助穴71aをアンカー外径側に押す力が発生する。低圧部LPによって補助穴71aに加わる流体力と高圧部HPによって補助穴71aに発生する流体力とは、双方とも、補助穴71aをアンカー径方向において同じ向きに移動させるように作用することから、アンカー206の偏心を復元する流体力FFは第1実施例よりも増加する。偏心方向Eが図7Aと逆の場合でも同様である。
すなわち本実施例の燃料噴射弁200では、補助穴71a,71b,71cは、入口面の最内径側端部72aとアンカー206の最外径側に位置する最外径側端部72bとの間の径方向距離が、燃料通路穴32a,32b,32cの入口面におけるアンカー206の最内径側に位置する最内径側端部73aとアンカー206の最外径側に位置する最外径側端部73bとの間の径方向距離よりも小さくなるように構成される。
特に本実施例では、燃料通路穴32a,32b,32c及び補助穴71a,71b,71cはそれぞれの断面が円形の穴で形成され、補助穴71a,71b,71cの直径は燃料通路穴32a,32b,32cの直径よりも小さい。
この場合、燃料流れF1の剥離によって生じる負圧LPに加えて、燃料流れF1が、偏心しようとするアンカー206を押し戻す流体力を発生させることができ、アンカー206の偏心に対する大きな復元力FFを発生させることができる。
以上から、本実施例によってアンカー206を偏心させる横力を低減し、燃料噴射弁200の電磁弁を構成する部品の摩耗を抑制することができる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
32a,32b,32c…燃料通路穴、33a,33b,33c…補助穴、34…固定コア内径(貫通孔207dの燃料出口面の最外径)、35…補助穴33a,33b,33cの入口面の最内径側端部301と固定コア内径34との間の径方向距離、36…アンカー206の最大偏心量、37…第1円、38…第2円、60…補助穴、66…アンカー206の中心軸206xと補助穴60の入口面の最内径側端部301との径方向距離、67…アンカー206の中心軸206xと補助穴60の出口面におけるアンカー206の最内径側に位置する最内径側端部との間の径方向距離、71a,71b,71c…補助穴、72a…補助穴71a,71b,71cの入口面の最内径側端部、72b…補助穴71a,71b,71cの入口面の最外径側端部、73a…燃料通路穴32a,32b,32cの入口面における最内径側端部、73b…燃料通路穴32a,32b,32cの入口面の最外径側端部、200…燃料噴射弁、201…弁体、206…アンカー、206x…アンカー206の中心軸、207…固定コア、301…補助穴33a,33b,33cの最内径側端部。

Claims (11)

  1. 流路の開閉を行う弁体と、電磁力を生成する固定コアと、前記固定コアと対向するアンカーと、を有する燃料噴射弁において、
    前記アンカーは、当該アンカーを軸方向に貫通する燃料通路穴と、当該アンカーを軸方向に貫通する補助穴と、が形成され、
    前記補助穴は、入口面における前記アンカーの最内径側に位置する最内径側端部が、前記固定コアに形成される貫通孔の燃料出口面の最外径と同位置に位置するように、又は前記最外径よりも径方向外側に位置するように、配置される燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記補助穴は、前記入口面の前記最内径側端部と前記固定コアの前記貫通孔の前記燃料出口面の最外径との間の径方向距離が前記アンカーの最大偏心量よりも小さくなるように構成される燃料噴射弁。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記アンカーは前記補助穴が複数形成され、
    複数の前記補助穴は、前記アンカーの中心軸を中心とする一つの円に沿って配置されると共に、前記円の周方向に等間隔に配置された燃料噴射弁。
  4. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記補助穴は、前記アンカーの中心軸と当該補助穴の出口面における前記アンカーの最内径側に位置する最内径側端部との間の径方向距離が、前記アンカーの中心軸と前記入口面の前記最内径側端部との径方向距離よりも短く構成された燃料噴射弁。
  5. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記補助穴は、前記入口面の前記最内径側端部と前記アンカーの最外径側に位置する最外径側端部との間の径方向距離が、前記燃料通路穴における前記アンカーの最内径側に位置する最内径側端部と前記アンカーの最外径側に位置する最外径側端部との間の径方向距離よりも小さくなるように構成された燃料噴射弁。
  6. 請求項5に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料通路穴及び前記補助穴は、それぞれ断面が円形の穴で形成され、
    前記補助穴の直径は前記燃料通路穴の直径よりも小さい燃料噴射弁。
  7. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記アンカーは、前記補助穴が3個以上形成された燃料噴射弁。
  8. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記アンカーは、前記補助穴が3個だけ形成された燃料噴射弁。
  9. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記アンカーは、前記燃料通路穴及び前記補助穴がそれぞれ複数個形成され、
    複数の前記燃料通路穴は、前記アンカーの中心軸を中心とする一つの第1円に沿って配置され、
    複数の前記補助穴は、前記アンカーの中心軸を中心とする一つの第2円に沿って配置され、
    前記第1円の半径は前記第2円の半径よりも大きい燃料噴射弁。
  10. 請求項9に記載の燃料噴射弁において、
    複数の前記補助穴は、前記第2円の周方向に等間隔に配置された燃料噴射弁。
  11. 請求項9に記載の燃料噴射弁において、
    複数の前記補助穴は、前記第2円の周方向に等間隔に配置され、
    複数の前記燃料通路穴は、前記第1円の周方向に等間隔に配置された燃料噴射弁。
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