JP2021188182A - 機能紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐水性を有するとともに、印刷適性に優れた機能紙を提供すること。【解決手段】本発明の機能紙は、パルプを含み、かつ、第1のポリアミン樹脂が内添されている原紙と、填料としてのカオリンおよび炭酸カルシウム、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン樹脂、ならびに、耐水化剤としての第2のポリアミン樹脂を含む材料で構成された塗工層とを有し、前記原紙は、前記パルプとして、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとを含み、前記原紙中における、前記針葉樹晒クラフトパルプの含有率をXN[質量%]、前記広葉樹晒クラフトパルプの含有率をXL[質量%]としたとき、0.33≦XN/XL≦1.5の関係を満足することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、機能紙に関する。
古くから、紙は、印刷されて、包装紙、手提げ袋、ポスター等として、広く用いられている。
また、ラベルとしては、プラスチック製の基材(プラスチック基材)を備えるものが広く用いられてきたが(例えば、特許文献1参照)、近年、環境問題や埋蔵資源の節約に対応するために、石油由来の材料の使用を抑制することが求められており、ラベルにおいても、プラスチック基材の代わりに紙製の基材を備えるものが求められている。
しかしながら、一般に、紙は、耐水性が低いという問題がある。
特開2005−265913号公報
本発明の目的は、優れた耐水性を有するとともに、印刷適性に優れた機能紙を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)に記載の本発明により達成される。
(1) パルプを含み、かつ、第1のポリアミン樹脂が内添されている原紙と、
填料としてのカオリンおよび炭酸カルシウム、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン樹脂、ならびに、耐水化剤としての第2のポリアミン樹脂を含む材料で構成された塗工層とを有し、
前記原紙は、前記パルプとして、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとを含み、
前記原紙中における、前記針葉樹晒クラフトパルプの含有率をXN[質量%]、前記広葉樹晒クラフトパルプの含有率をXL[質量%]としたとき、0.33≦XN/XL≦1.5の関係を満足することを特徴とする機能紙。
(2) 前記カオリンは、扁平板状をなすものである上記(1)に記載の機能紙。
(3) 前記炭酸カルシウムは、柱状をなすものである請求項上記(1)または(2)に記載の機能紙。
(4) 前記パルプ:100質量部に対する前記第1のポリアミン樹脂の含有率が0.5質量部以上3.0質量部以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の機能紙。
(5) JIS P8155に準拠した試験で求められる機能紙の前記塗工層が設けられた面についての平滑度が200秒以上1500秒以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の機能紙。
本発明によれば、優れた耐水性を有するとともに、印刷適性に優れた機能紙を提供することができる。
本発明の機能紙の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の機能紙に印刷層を設けた印刷物の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明に係る粘着シートの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明に係る粘着ラベルの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]機能紙
図1は、本発明の機能紙の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
本実施形態の機能紙10は、パルプを含み、かつ、第1のポリアミン樹脂が内添されている原紙11と、填料としてのカオリンおよび炭酸カルシウム、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン樹脂、ならびに、耐水化剤としての第2のポリアミン樹脂を含む材料で構成された塗工層12とを有する。そして、原紙11は、前記パルプとして、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとを含み、原紙11中における、針葉樹晒クラフトパルプの含有率をXN[質量%]、広葉樹晒クラフトパルプの含有率をXL[質量%]としたとき、0.33≦XN/XL≦1.5の関係を満足する。
このような構成により、優れた耐水性を有するとともに、印刷適性に優れた機能紙を提供することができる。特に、耐水擦過性に優れた機能紙を提供することができる。
このような優れた効果が得られるのは、前述した各成分を含むことにより、これらの機能が相乗的に作用するためであると考えられる。
これに対し、上記のような条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない。
例えば、原紙が第1のポリアミン樹脂を含んでいないと、原紙、機能紙の湿潤時における紙力が著しく低下する。また、耐水擦過性も低下する。
また、塗工層がカオリンを含んでいないと、印刷適性が著しく低下する。また、耐水擦過性も低下する。
また、塗工層が炭酸カルシウムを含んでいないと、印刷適性が著しく低下する。また、耐水擦過性も低下する。
また、塗工層がスチレン−ブタジエン樹脂を含んでいないと、原紙、機能紙の湿潤時における紙力が著しく低下する。また、耐水擦過性も低下する。
また、塗工層が第2のポリアミン樹脂を含んでいないと、耐水性、特に、耐水擦過性が著しく低下する。
原紙が針葉樹晒クラフトパルプを含んでいないと、原紙、機能紙の紙力が著しく低下する。
原紙が広葉樹晒クラフトパルプを含んでいないと、機能紙の表面の凹凸が大きくなり、印刷適性が著しく低下する。より具体的には、印刷の解像度が著しく低下する。
また、基材が針葉樹晒クラフトパルプおよび広葉樹晒クラフトパルプを含んでいても、XN/XLの値が前記下限値未満であると、原紙、機能紙の紙力を十分に優れたものとすることができない。
また、基材が針葉樹晒クラフトパルプおよび広葉樹晒クラフトパルプを含んでいても、XN/XLの値が前記上限値を超えると、機能紙の印刷適性を十分に優れたものとすることができない。
上記のように、原紙11中における、針葉樹晒クラフトパルプの含有率をXN[質量%]、広葉樹晒クラフトパルプの含有率をXL[質量%]としたとき、0.33≦XN/XL≦1.5の関係を満足すればよいが、0.50≦XN/XL≦1.4の関係を満足するのが好ましく、0.66≦XN/XL≦1.3の関係を満足するのがより好ましく、0.80≦XN/XL≦1.2の関係を満足するのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
[1−1]原紙
原紙11は、上述したように、パルプを含み、かつ、第1のポリアミン樹脂が内添されているものである。
これにより、原紙11や機能紙10全体としての紙力、特に、湿潤時における紙力を優れたものとすることができる。
[1−1−1]パルプ
原紙11を構成するパルプは、主として天然パルプであるのが好ましい。天然パルプとしては、例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材パルプ、亜麻、大麻、楮、三椏等の靭皮繊維が挙げられるが、原紙11は、少なくとも、針葉樹晒クラフトパルプおよび広葉樹晒クラフトパルプを含んでいる。特に、針葉樹晒クラフトパルプおよび広葉樹晒クラフトパルプを、前述したような比率で含んでいる。
針葉樹晒クラフトパルプを含むことにより、パルプの繊維同士(特に、針葉樹晒クラフトパルプの繊維同士)を効率的に絡み合わせることができ、原紙11の強度を高めることができる。
また、広葉樹晒クラフトパルプを含むことにより、原紙11の表面の平滑性を高めることができ、機能紙10の印刷適性の向上に大きく寄与する。
原紙11は、通常、パルプを主成分として含んでいる。
原紙11中におけるパルプの含有率は、特に限定されないが、60質量%以上99質量%以下であるのが好ましく、65質量%以上98質量%以下であるのがより好ましく、70質量%以上97質量%以下であるのがさらに好ましい。
なお、本明細書において「主成分」とは、50質量%超の濃度を有する成分を意味する。
前述したように、原紙11を構成するパルプは、少なくとも、針葉樹晒クラフトパルプおよび広葉樹晒クラフトパルプを含んでいるが、さらに、他のパルプ成分を含んでいてもよい。
ただし、原紙11を構成するパルプ含有率全体に占める針葉樹晒クラフトパルプの含有率および広葉樹晒クラフトパルプの含有率の和の割合は、質量比で、80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましく、95%以上であるのがさらに好ましい。
[1−1−2]第1のポリアミン樹脂
原紙11は、前述したパルプに加えて、第1のポリアミン樹脂を含んでいる。この第1のポリアミン樹脂は、通常、架橋剤として機能し、原紙11や機能紙10の耐水性、特に、湿潤時における紙力を、優れたものとする機能を有する。
第1のポリアミン樹脂は、通常、パルプ間で架橋構造を形成している。なお、第1のポリアミン樹脂は、第1のポリアミン樹脂同士で架橋構造を形成していてもよいし、原紙11中に含まれる第1のポリアミン樹脂以外の樹脂材料と架橋構造を形成していてもよいし、塗工層12中に含まれる樹脂材料(例えば、第2のポリアミン樹脂等)と架橋構造を形成していてもよい。
なお、ポリアミン樹脂は、分子内にアミノ基またはイミノ基を2つ以上持つ化合物であり、第1のポリアミン樹脂としては、例えば、いわゆるポリアミン類とエピクロロヒドリン等のエピハロヒドリンから得られる樹脂やその誘導体が挙げられる。このような第1のポリアミン樹脂は、反応基としてエポキシ基を有している。第1のポリアミン樹脂としては、星光PMC社よりWS−4011(ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂)として市販されているもの等を使用できる。また、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂も使用できる。
原紙11中における第1のポリアミン樹脂の含有率は、特に限定されないが、パルプ:100質量部に対する第1のポリアミン樹脂の含有率が、0.5質量部以上3.0質量部以下であるのが好ましく、0.7質量部以上2.5質量部以下であるのがより好ましく、1.0質量部以上2.0質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、原紙11、機能紙10の紙力および耐水性をより高いレベルで両立することができる。
[1−1−3]その他の成分
原紙11は、少なくとも、前述したパルプ(少なくとも針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとを含むパルプ)、および、第1のポリアミン樹脂を含んでいればよいが、これら以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、PAM(ポリアクリルアミド)系等の紙力増強剤、酸化デンプン、ロジン系サイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)系サイズ剤等のサイズ剤、第1のポリアミン樹脂以外の樹脂材料(例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリビニルアルコール等)、染料、顔料等の着色剤、定着剤、抄紙助剤、凝集剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。第1のポリアミン樹脂以外の樹脂材料は、サイズ剤として機能するものを用いてもよい。
PAM系の紙力増強剤としては、例えば、荒川化学工業社よりポリストロン191として市販されているもの等を使用できる。
原紙11中におけるパルプ:100質量部に対するPAM系の紙力増強剤の含有率は、例えば、0.5質量部以上5.0質量部以下とすることができる。
ロジン系サイズ剤としては、例えば、荒川化学工業社よりサイズパインNシリーズ、同NTシリーズ、ハリマ化成社よりハーサイズ、星光PMC社よりAL、CCシリーズとして市販されているもの等を使用できる。
原紙11中におけるパルプ:100質量部に対するロジン系サイズ剤の含有率は、例えば、0.1質量部以上3.5質量部以下とすることができる。
ウレタン樹脂としては、例えば、第一工業製薬社よりスーパーフレックス870として市販されているもの等を使用できる。
原紙11中におけるパルプ:100質量部に対するウレタン樹脂の含有率は、例えば、0.1質量部以上1.5質量部以下とすることができる。
AKD系サイズ剤としては、例えば、星光PMC社よりADシリーズ、荒川化学工業社よりサイズパインKシリーズとして市販されているもの等を使用できる。
原紙11中におけるパルプ:100質量部に対するAKD系サイズ剤の含有率は、例えば、0.1質量部以上2.0質量部以下とすることができる。
ただし、原紙11中におけるパルプおよび第1のポリアミン樹脂以外の成分の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、8.0質量%以下であるのがより好ましく、7.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
原紙11の厚さは、特に限定されないが、30μm以上190μm以下であるのが好ましく、50μm以上130μm以下であるのがより好ましい。
[1−2]塗工層
塗工層12は、填料としてのカオリンおよび炭酸カルシウム、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン樹脂、ならびに、耐水化剤としての第2のポリアミン樹脂を含む材料で構成されている。
これらの各成分を含むことにより、機能紙10全体としての耐水性、印刷適性を優れたものとすることができるとともに、原紙11と塗工層12との層間強度も優れたものとすることができる。
[1−2−1]カオリン
塗工層12は、填料としてのカオリンを含んでいる。
塗工層12中に含まれるカオリンの形状は、特に限定されないが、扁平板状であるのが好ましい。
これにより、塗工層12の表面の平滑度をより優れたものとすることができ、機能紙10の印刷適性をより優れたものとすることができる。
カオリンが扁平板状をなすものである場合、その平均粒径は、特に限定されないが、7.0μm未満であるのが好ましく、0.1μm以上5.5μm以下であるのがより好ましく、0.2μm以上4.0μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、塗工層12の表面の平滑度をさらに優れたものとすることができ、機能紙10の印刷適性をさらに優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、「平均粒径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指す。平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置による測定により求めることができる。
カオリンが扁平板状をなすものである場合、その平均厚さに対する平均粒径の比率、すなわち、アスペクト比は、3.0以上であるのが好ましく、5.0以上であるのがより好ましく、7.0以上であるのがさらに好ましい。
機能紙10の単位面積当たりのカオリンの含有量は、特に限定されないが、4.0g/m以上15.0g/m以下であるのが好ましく、6.0g/m以上12.0g/m以下であるのがより好ましい。
これにより、機能紙10の耐水性を十分に優れたものとしつつ、機能紙10の印刷適性をより優れたものとすることができる。
カオリンとしては、例えば、イメリス社よりアストラコートとして市販されているもの等を使用できる。
[1−2−2]炭酸カルシウム
塗工層12は、填料としての炭酸カルシウムを含んでいる。
塗工層12中に含まれる炭酸カルシウムの形状は、特に限定されないが、柱状であるのが好ましい。
これにより、塗工層12の表面の平滑度をさらに優れたものとすることができ、機能紙10の印刷適性をさらに優れたものとすることができる。
機能紙10の単位面積当たりの炭酸カルシウムの含有量は、特に限定されないが、1.0g/m以上5.0g/m以下であるのが好ましく、1.5g/m以上3.5g/m以下であるのがより好ましい。
これにより、機能紙10の耐水性を十分に優れたものとしつつ、機能紙10の印刷適性をより優れたものとすることができる。
炭酸カルシウムとしては、例えば、奥多摩工業社よりタマパールTP123として市販されているもの等を使用できる。
[1−2−3]スチレン−ブタジエン樹脂
塗工層12は、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン樹脂(スチレン−ブタジエン共重合体)を含んでいる。
これにより、上述した原紙11の特性を損なうことなく、機能紙10に対するインクの定着性を高めることができ、また、インクのにじみをより効果的に抑制することができる。
塗工層12中に含まれるスチレン−ブタジエン樹脂のガラス転移温度は、−50℃以上50℃以下であるのが好ましく、−20℃以上20℃以下であるのがより好ましい。
これにより、乾燥工程でスチレン−ブタジエン樹脂を好適に溶融させることができ、機能紙10においてカオリンや炭酸カルシウムが脱落することをより好適に防止し、機能紙10の平滑性をより優れたものとすることができる。
機能紙10の単位面積当たりのスチレン−ブタジエン樹脂の含有量は、特に限定されないが、0.5g/m以上3.5g/m以下であるのが好ましく、1.0g/m以上2.5g/m以下であるのがより好ましい。
これにより、原紙11の耐水性や強度をより優れたものとしつつ、後述する印刷層30を形成したときのインクのにじみをより好適に抑制することができる。
スチレン−ブタジエン共重合体としては、例えば、日本エイアンドエル社よりスマーテックス SN−309Rとして市販されているもの等を使用できる。
[1−2−4]第2のポリアミン樹脂
塗工層12は、耐水化剤としての第2のポリアミン樹脂を含んでいる。
塗工層12が第2のポリアミン樹脂を含むことにより、前述した成分との相乗効果により、機能紙10全体としての耐水性、特に、耐水擦過性を向上させることができる。
第2のポリアミン樹脂は、分子内にアミノ基またはイミノ基を2つ以上持つ化合物であればよいが、分子内にエポキシ基を有さない化合物であるのが好ましい。
第2のポリアミン樹脂のガラス転移温度は、0℃以上120℃以下であるのが好ましく、40℃以上100℃以下であるのがより好ましい。
これにより、乾燥やスーパーカレンダー工程で第2のポリアミン樹脂を好適に液状化させることができ、製造される機能紙10の平滑性をより優れたものとすることができる一方で、室温では固体化して、機能紙10の耐水擦過性をより優れたものとすることができる。
第2のポリアミン樹脂としては、例えば、住友化学社よりスミレーズレジンSPI−102Aとして市販されているもの等を使用できる。また、星光PMC社よりPAシリーズとして市販されているポリアミドポリアミン樹脂を使用することもできる。
機能紙10の単位面積当たりの第2のポリアミン樹脂の含有量は、特に限定されないが、0.005g/m以上0.05g/m以下であるのが好ましく、0.01g/m以上0.04g/m以下であるのがより好ましい。
これにより、機能紙10の印刷適性を十分に優れたものとしつつ、機能紙10の耐水性、特に、耐水擦過性をより優れたものとすることができる。
[1−2−5]その他の成分
塗工層12は、少なくとも、カオリン、炭酸カルシウム、スチレン−ブタジエン樹脂および第2のポリアミン樹脂を含んでいればよいが、これら以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、カオリン、炭酸カルシウム以外の填料(例えば、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等)、スチレン−ブタジエン樹脂、第2のポリアミン樹脂以外の樹脂材料(例えば、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等)、第2のポリアミン樹脂以外の耐水化剤、酸化デンプン、染料、顔料等の着色剤、定着剤、凝集剤、消泡剤、分散剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
消泡剤としては、例えば、ADEKA社よりプルロニック TR−701(エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー)として市販されているもの等を使用できる。
填料の分散剤としては、例えば、東亞合成社よりアロンT50(アクリル酸系分散剤)として市販されているもの等を使用できる。
ただし、塗工層12中におけるカオリン、炭酸カルシウム、スチレン−ブタジエン樹脂および第2のポリアミン樹脂以外の成分の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、8.0質量%以下であるのがより好ましく、7.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
塗工層12の厚さは、特に限定されないが、2μm以上20μm以下であるのが好ましく、4μm以上15μm以下であるのがより好ましい。
図示の構成では、塗工層12は、原紙11の一方の面側のみに設けられているが、原紙11の両面側に設けられていてもよい。
[1−3]機能紙の全体構成
機能紙10は、原紙11および塗工層12以外の構成を有していてもよい。例えば、機能紙10は、原紙11と塗工層12との間に設けられた少なくとも1層の中間層を有していてもよい。また、機能紙10は、原紙11の塗工層12が設けられている面とは反対の面側に、少なくもとも1層の被覆層を有していてもよい。
機能紙10の厚さは、特に限定されないが、40μm以上200μm以下であるのが好ましく、50μm以上150μm以下であるのがより好ましい。
JIS P8155に準拠した試験で求められる機能紙10の塗工層12が設けられた面についての平滑度は、200秒以上1500秒以下であるのが好ましく、500秒以上1400秒以下であるのがより好ましく、800秒以上1200秒以下であるのがさらに好ましい。
これにより、機能紙10の印刷適性をより優れたものとすることができる。
機能紙10の塗工層12が設けられた面についての平滑度は、例えば、熊谷理機工業社製の王研式平滑度・透気度試験機「No.2040−C」を用いた測定により求めることができる。
機能紙10は、例えば、それ単独で、印刷用紙として用いてもよいが、例えば、粘着層が設けられた粘着シートとして用いてもよいし、印刷層が設けられた機能紙10に加えて、粘着剤層を有する粘着ラベルとして用いてもよい。
[1−4]機能紙の製造方法
機能紙10は、例えば、以下のような方法で製造することができる。
すなわち、まず、パルプ原料を水中で叩解処理してパルプスラリーを生成する。そのパルプスラリーに、第1のポリアミン樹脂を添加し、必要に応じて、スチレン樹脂や、その他の内添剤も添加する。第1のポリアミン樹脂は、添加する際に、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を用いて活性化させてもよい。
次に、上記のようにして得られたパルプおよび第1のポリアミン樹脂を含むスラリーを抄紙することにより原紙11を得る。また、必要に応じて、抄紙後に、サイズ剤を付与してもよい(サイズプレス;S/P)。サイズ剤としては、例えば、酸化デンプン、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアマイド樹脂等を用いることができる。サイズ剤を付与する場合、通常は、前記紙の両面に付与するが、一方の面のみに付与してもよい。
その後、上記のようにして得られた原紙11に対して、エアナイフ塗工(A/K)により、カオリン、炭酸カルシウム、スチレン−ブタジエン樹脂および第2のポリアミン樹脂を含む組成物を付与して、塗工層12を形成する。エアナイフ塗工は、通常、紙の一方の面、特に、後述する粘着シート100における粘着剤層20側の面とは反対側の面となるべき面に対して行うが、紙の両面に対して行ってもよい。
その後、必要に応じて、スーパーカレンダー処理によって、紙の表面を平滑化してもよい。
以上のようにして、機能紙10が製造される。
[2]印刷物
次に、本発明の機能紙を適用した印刷物について説明する。
図2は、本発明の機能紙に印刷層を設けた印刷物の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
印刷物500は、前述した機能紙10に、印刷層30が設けられた構成を有している。
これにより、耐水性に優れる印刷物500を提供することができる。また、印刷物500は、所定の情報を表示することができ、その観察者等に、例えば、印刷物500の情報を与えることができる。特に、印刷層30は、例えば、油性インク、水性インク、光硬化型インク(紫外線硬化型インク、電子線硬化型インク)等を用いて形成することができるが、特に光硬化型インクを用いて形成されたものである場合、印刷物500が水で濡れた場合であっても好適な印刷状態を保持することができる。なお、本明細書において、情報とは、文字、記号、マーク、キャラクター等の絵柄等のほか、装飾模様等の各所模様も含む概念である。また、前記情報は、例えば、単なる色情報であってもよく、印刷層は、単色のベタ印刷等であってもよい。
印刷層30による表示内容等は、特に限定されない。
印刷層30は、例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザビーム乾式電子写真印刷、溶融型または昇華型熱転写印刷等の各種印刷法により形成することができる。
印刷層30を形成するのに用いるインクは、特に限定されず、例えば、油性インク、水性インク、光硬化型インク(紫外線硬化型インク、電子線硬化型インク)等が挙げられる。
紫外線硬化型インクとしては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のオリゴマー、紫外線重合開始剤や顔料等の着色剤、分散剤、添加剤、単官能性または多官能性のモノマー等が配合されたもの等が挙げられる。印刷層30を紫外線硬化型インクで形成する場合には、該インクを用いて印刷した後、紫外線(UV)ランプによりUVを照射して硬化させる。インクとして光硬化型インクを用いることにより、製造工程の無溶剤化が可能となり、環境に留意しつつ、印刷層30をより安価にかつ生産効率よく製造することができる。また、インクの乾燥に要する時間を省略することができ、印刷物500の生産性をより優れたものとすることができる。
図示の構成では、印刷層30が機能紙10の全面に設けられているが、印刷層30は、機能紙10の表面の一部にのみ設けられていてもよい。
[3]粘着シート
以下、本発明の機能紙を適用した粘着シートについて説明する。
図3は、本発明に係る粘着シートの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
粘着シート100は、前述した機能紙10と、機能紙10の一方の面側に積層された粘着剤層20とを備える。なお、本明細書において「シート」にはフィルムの概念が含まれるものとする。
[3−1]粘着剤層
粘着剤層20は、粘着剤を含む材料で構成され、粘着性を有する層である。また、粘着剤層20は、機能紙10の粘着剤層20が設けられた面とは反対の面側に、塗工層12が露出するように配されている。
粘着剤層20を構成する粘着剤としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等の合成ゴム系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の粘着剤から選択される少なくとも1種を用いることができる。
粘着剤層20を構成する粘着剤は、特に限定されず、例えば、溶剤系粘着剤、エマルション系粘着剤、ホットメルト型粘着剤等が挙げられるが、エマルション系粘着剤であるのが好ましい。
これにより、粘着シート100の被着体に対する粘着力や、粘着シート100の生産性を優れたものとしつつ、粘着シート100の製造過程で用いられる有機溶媒の量を抑制することができ、環境負荷を低減することができる。
粘着剤層20がエマルション系粘着剤を含む材料で構成されている場合、特に、架橋剤による架橋処理が施されたエマルション系粘着剤を含む材料で構成されているのが好ましい。
これにより、粘着シート100の被着体に対する粘着力を十分に高いものとしつつ、必要に応じて粘着シート100を被着体から容易に剥離することができる。特に、被着体に貼着された粘着シート100に、水を含む液体を付与すること、中でも温水を付与することにより、粘着シート100を被着体から容易に剥離することができる。
粘着剤層20は、粘着剤以外の成分(以下、「その他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、乳化剤、粘着付与剤、可塑剤等が挙げられる。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン、ロジンフェノール樹脂、およびそのエステル化合物、水添ロジンエステル等のロジン系樹脂、テルペン低重合体、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂等の粘着付与剤等を使用できる。
粘着剤層中におけるその他の成分の含有率は、10.0質量%以下であるのが好ましく、7.0質量%以下であるのがより好ましく、5.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
[3−2]剥離ライナー
未使用の粘着シート100の粘着剤層20の表層は、図示しない剥離ライナーによって覆われているのが好ましい。
これにより、未使用の粘着シート100が取り回しやすくなるとともに、被着体に貼付される前の粘着剤層20を好適に保護できる。
剥離ライナーとしては、グラシン紙にシリコーンを塗布したもの、グラシン紙または上質紙にポリエチレンを貼り合せてシリコーンを塗布したもの等が挙げられる。
[3−3]粘着シートの製造方法
粘着シート100は、いかなる方法で製造してもよいが、例えば、剥離ライナーに粘着剤層20を構成する粘着剤組成物を付与する粘着剤組成物付与工程と、剥離ライナーに付与された粘着剤組成物上に機能紙10を被覆する転写工程とを備える方法を用いて好適に製造することができる。
粘着剤組成物付与工程では、剥離ライナーに粘着剤組成物を付与する。
通常、粘着剤組成物には、予め上述した架橋剤が含まれている。また、粘着剤組成物には、必要に応じて、上述した乳化剤やその他の成分が添加されている。
粘着剤組成物は、公知の塗工方法により、剥離ライナーに塗工することができる。
塗工方法としては、例えば、カーテンコーター、ホットメルトコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター等の塗布装置による方法を採用することができる。
本工程では、剥離ライナーに付与された粘着剤組成物から、水分の一部を除去してもよい。
転写工程では、剥離ライナーに付与された粘着剤組成物上に機能紙10を被覆する。これにより、粘着剤組成物により形成された粘着剤層20が機能紙10に転写される。このとき、機能紙10の粘着剤組成物(粘着剤層20)と接触する面とは反対側の面に塗工層12が存在するようにする。
上記の説明では、粘着剤組成物を剥離ライナー上に付与した後に機能紙10に転写する場合について説明したが、粘着剤組成物を機能紙10上に直接的に付与してもよい。
[4]粘着ラベル
次に、本発明の機能紙を適用した粘着ラベルについて説明する。
図4は、本発明に係る粘着ラベルの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
粘着ラベル200は、前述した粘着シート100を構成する機能紙10に、印刷層30が設けられた構成を有している。
これにより、耐水性に優れる粘着ラベル200を提供することができる。特に、印刷層30が光硬化型インク(紫外線硬化型インク、電子線硬化型インク)等を用いて形成されたものである場合、粘着ラベル200が水で濡れた場合であっても好適な印刷状態を保持することができる。
印刷層30による表示内容等は、特に限定されない。例えば、複数の粘着ラベル200は、同じ内容が印刷されて大量生産されるようなものであってもよいし、IDナンバー、シリアルナンバー等、個体識別のために個々に異なる内容が印刷されて用いられるものであってもよい。
粘着ラベル200は、商品等に貼着され、購入者、消費者等に情報を示すものであってもよいし、工程管理、物流管理のために用いられるものであってもよい。
印刷層30は、例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザビーム乾式電子写真印刷、溶融型または昇華型熱転写印刷等の各種印刷法により形成することができる。
印刷層30を形成するのに用いるインクは、特に限定されず、例えば、油性インク、水性インク、光硬化型インク(紫外線硬化型インク、電子線硬化型インク)等が挙げられる。
紫外線硬化型インクとしては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のオリゴマー、紫外線重合開始剤や顔料等の着色剤、分散剤、添加剤、単官能性または多官能性のモノマー等が配合されたもの等が挙げられる。印刷層30を紫外線硬化型インクで形成する場合には、該インクを用いて印刷した後、紫外線(UV)ランプによりUVを照射して硬化させる。インクとして光硬化型インクを用いることにより、製造工程の無溶剤化が可能となり、環境に留意しつつ、印刷層30をより安価にかつ生産効率よく製造することができる。また、インクの乾燥に要する時間を省略することができ、粘着ラベル200の生産性をより優れたものとすることができる。
図示の構成では、印刷層30が機能紙10の全面に設けられているが、印刷層30は、機能紙10の表面の一部にのみ設けられていてもよい。
印刷層30は、粘着シート100を被着体に貼着する前に形成されるものであってもよいし、粘着シート100を被着体に貼着した後に形成されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の機能紙は、いかなる方法で製造されたものであってもよく、前述した実施形態で述べたような方法で製造されたものに限定されない。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の実施例中の処理、測定で、温度条件を示していないものについては、25℃で行った。
[5]機能紙の製造
(実施例1)
針葉樹晒クラフトパルプ:50質量部、および、広葉樹晒クラフトパルプ:50質量部を水中でショッパーリグラー法による叩解度が25°SRとなるように叩解処理し、これを水に分散して濃度約2.7質量%のパルプスラリーを得た。
次いで、このパルプスラリー中のパルプ100質量部に対して、予め水酸化ナトリウムで活性化した第1のポリアミン樹脂(星光PMC社製、WS−4011)、PAM(荒川化学工業社製、内添紙力増強剤、ポリストロン191)、サイズ剤(荒川化学工業社製、サイズパインCA−956)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を、それぞれ、所定の割合で付与することにより組成物を得た。そして、この組成物を長網多筒式抄紙機を用いて抄紙し坪量94g/mの原紙を得た。
さらに、サイズプレス(S/P)により、紙材の両面に、酸化デンプン(王子コーンスターチ社製、王子エースA)、スチレンアクリル樹脂(星光PMC社製、エマルション型表面サイズ剤、SE2325)、アクリル樹脂(荒川化学工業社製、表面紙質向上剤、ポリマセット305A)、および、水を、それぞれ、所定の割合で含む組成物を塗布し、乾燥することにより、原紙を得た。
続いて、紙材の一方の面に、エアナイフ塗工(A/K)により、扁平板状のカオリン(イメリス社製、アストラコート)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー(ADEKA社製、非イオン系界面活性剤、プルロニックTR−701)、アクリル酸系分散剤(東亞合成社製、アロンT50)、炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、タマパールTP123)、スチレン−ブタジエン樹脂(日本エイアンドエル社製、スマーテックスSN−309R)、酸化デンプン(王子コーンスターチ社製、王子エースA)、第2のポリアミン樹脂(住友化学社製、スミレーズレジンSPI−102A)、および、純水を、それぞれ、所定の割合で含む組成物を塗布し、塗工層を形成した。形成された塗工層の厚さは、10μmであった。なお、カオリンは平均粒径が3μmであり、アスペクト比が8のものであった。また、炭酸カルシウムの形状は柱状であった。
その後さらに、スーパーカレンダーを施して機能紙を得た。
本実施例の機能紙は、架橋処理された第1のポリアミン樹脂を含む材料で構成された原紙を有するものであり、坪量が100g/m、厚さが98μmであった。最終的に得られた機能紙での塗工層の厚さは8μmであった。
(実施例2)
原紙および塗工層の構成が表1に示すものとなるように、各工程で用いる組成物の組成を調整した以外は、前記実施例1と同様にして機能紙を製造した。
本実施例の機能紙は、架橋処理された第1のポリアミン樹脂を含む材料で構成された原紙を有するものであり、坪量が100g/m、厚さが100μmであった。
(比較例1〜7)
原紙および塗工層の構成が表1に示すものとなるように、各工程で用いる組成物の組成を調整した以外は、前記実施例1と同様にして機能紙を製造した。
前記各実施例および各比較例で得られた機能紙の構成、条件を表1にまとめて示す。表1中、針葉樹晒クラフトパルプを「N−BKP」、広葉樹晒クラフトパルプを「L−BKP」、星光PMC社製のWS−4011を「第1のポリアミン樹脂」、荒川化学工業社製のポリストロン191を「PAM」、荒川化学工業社製のサイズパインCA−956を「サイズ剤」、星光PMC社製のAD−1600を「AKD系サイズ剤」、王子コーンスターチ社製の王子エースAを「酸化デンプン」、星光PMC社製の表面サイズ剤SE2325を「スチレンアクリル樹脂」、荒川化学工業社製のポリマセット305Aを「アクリル樹脂」、イメリス社製のアストラコートを「カオリン」、ADEKA社製のプルロニックTR−701を「EO−POブロックポリマー」、東亞合成社製のアロンT50を「アクリル酸系分散剤」、奥多摩工業社製のタマパールTP123を「炭酸カルシウム」、日本エイアンドエル社製のスマーテックスSN−309Rを「スチレン−ブタジエン樹脂」、住友化学社製のスミレーズレジンSPI−102Aを「第2のポリアミン樹脂」と示した。
Figure 2021188182
[6]機能紙についての評価
[6−1]平滑度
前記各実施例および各比較例の機能紙の塗工層が設けられた側の面について、JIS P8155に準拠した試験により、平滑度を求め、以下の基準に従い評価した。
A:平滑度が800秒以上。
B:平滑度が600秒以上800秒未満。
C:平滑度が400秒以上600秒未満。
D:平滑度が200秒以上400秒未満。
E:平滑度が200秒未満。
[6−2]引張強さ
前記各実施例および各比較例の機能紙について、JIS P8113に準拠した試験により、縦方向(長手方向)の引張強さを求め、以下の基準に従い評価した。
A:引張強さが9kN/m以上。
B:引張強さが7kN/m以上9kN/m未満。
C:引張強さが5kN/m以上7kN/m未満。
D:引張強さが3kN/m以上5kN/m未満。
E:引張強さが3kN/m未満。
[6−3]耐水性(湿潤引張強さ)
前記各実施例および各比較例の機能紙について、JIS P8135に準拠した試験により、縦方向(長手方向)の湿潤引張強さを求め、以下の基準に従い評価した。
A:湿潤引張強さが2.5kN/m以上。
B:湿潤引張強さが2.0kN/m以上2.5kN/m未満。
C:湿潤引張強さが1.5kN/m以上2.0kN/m未満。
D:湿潤引張強さが1.0kN/m以上1.5kN/m未満。
E:湿潤引張強さが1.0kN/m未満。
[6−4]印刷適性(外観評価)
前記各実施例および各比較例の機能紙の塗工層が設けられた側の面に、紫外線硬化型インク(T&K TOKA社製、UV161)を用いて、所定のパターンで印刷を行い、印刷層を形成し、印刷層が設けられた面側を観察し、これらについての外観を、以下の基準に従い評価した。
A:微細なパターンも忠実に表現されており、極めて優れた外観を呈していた。
B:微細なパターンもほぼ忠実に表現されており、優れた外観を呈していた。
C:微細なパターンについてはやや難があるものの、全体として比較的優れた外観を呈していた。
D:微細なパターンについては難があり、全体としてやや劣った外観を呈していた。
E:印刷パターンが荒れており、劣った外観を呈していた。
[6−5]耐水性(水浸漬後耐摩耗性)
前記[6−4]で印刷層が形成された各機能紙について、水に1時間浸漬後、印刷層が設けられた面について、学振摩耗試験機でカナキンを学振子として荷重200gをかけ往復100回擦過し、その後の外観を、以下の基準に従い評価した。この評価が優れているほど、耐水擦過性に優れていると言える。
A:全く変化なし。
B:わずかに摩耗痕が残っているが印刷層は削れていない。
C:わずかに印刷層が削れている。
D:大幅に印刷層が削れ、カスが発生する。
E:全面的に印刷層が削れ、カスが発生する。
[6−6]印刷適性(爪スクラッチ)
前記[6−4]で印刷層が形成された各機能紙の印刷層が設けられた面について、印刷部を爪で往復10回擦過し、剥がれが生じるかを、以下の基準に従い評価した。
A:全くインキ剥がれが発生していない。
B:わずかにインキ剥がれが発生する。
C:一部インキ剥がれが発生する。
D:数回でインキ剥がれが発生する。
E:容易にインキ剥がれが発生する。
[6−7]層間強度
前記各実施例および各比較例の機能紙について、2枚の粘着テープで機能紙の両面を挟み込むように貼り合せ、T字ピールをしたときの強度を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:原紙と塗工層との層間強度が2500mN/25mm以上。
B:原紙と塗工層との層間強度が2000mN/25mm以上2500mN/25mm未満。
C:原紙と塗工層との層間強度が1500mN/25mm以上2000mN/25mm未満。
D:原紙と塗工層との層間強度が1000mN/25mm以上1500mN/25mm未満。
E:原紙と塗工層との層間強度が1000mN/25mm未満。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2021188182
表2から明らかなように、前記各実施例の機能紙は、優れた耐水性を有するとともに、平滑度に優れ印刷適性にも優れていた。また、前記各実施例の機能紙は、引張強さや原紙と塗工層との層間強度にも優れており、優れた耐久性を有するものであった。これに対し、各比較例の機能紙では、満足のいく結果が得られなかった。
100…粘着シート
200…粘着ラベル
500…印刷物
10…機能紙
11…原紙
12…塗工層
20…粘着剤層
30…印刷層

Claims (5)

  1. パルプを含み、かつ、第1のポリアミン樹脂が内添されている原紙と、
    填料としてのカオリンおよび炭酸カルシウム、バインダーとしてのスチレン−ブタジエン樹脂、ならびに、耐水化剤としての第2のポリアミン樹脂を含む材料で構成された塗工層とを有し、
    前記原紙は、前記パルプとして、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとを含み、
    前記原紙中における、前記針葉樹晒クラフトパルプの含有率をXN[質量%]、前記広葉樹晒クラフトパルプの含有率をXL[質量%]としたとき、0.33≦XN/XL≦1.5の関係を満足することを特徴とする機能紙。
  2. 前記カオリンは、扁平板状をなすものである請求項1に記載の機能紙。
  3. 前記炭酸カルシウムは、柱状をなすものである請求項1または2に記載の機能紙。
  4. 前記パルプ:100質量部に対する前記第1のポリアミン樹脂の含有率が0.5質量部以上3.0質量部以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の機能紙。
  5. JIS P8155に準拠した試験で求められる機能紙の前記塗工層が設けられた面についての平滑度が200秒以上1500秒以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の機能紙。
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