JP2021188173A - タオル織物 - Google Patents
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Abstract
Description
他方、1本の糸に、太い部分、細い部分をランダムに施したムラ糸は、紡績技術が未発達の段階では糸のムラとして嫌われる傾向にあったが、紡績技術の発達に伴い均一な太さの糸が安定して供給されるようになった近年では、不均一な色落ちや風合いなどが評価され、特許文献1に示すようにジーンズに意図的に用いられたりしている。また、特許文献2にあっては、モップのような床面や壁面を清掃するための清掃具に適するパイル用繊維糸として、以上の単糸を寄り合わせて原糸とし、複数本の前記原糸を撚り合わせたものとして、複数本の前記原糸が、最大太さを有する第1原糸と、次に太い太さを有する第2原糸とを少なくとも有し、前記パイル用繊維糸の繊維方向の表面に前記第1原糸により第1凸部が形成され、前記第2原糸により第2凸部が形成され、前記第1凸部と前記第2凸部の高低差により前記繊維方向の表面に凹凸パターンを形成することによって、ペット毛などの捕集性を向上させるが提案されている。ところがこの特許文献2の提案は、清掃用具としての捕集性の向上という特殊な用途における提案であることがもちろん、前記第1原糸と前記第2原糸のそれぞれは均一な糸の太さのものを用いることを前提としている。
また、複数本の前記原糸のうち、少なくとも1本の前記ムラ糸と、少なくとも他の一本の前記原糸との色が異なるようにすることもできる。色が異なるとは、色相、彩度、明度のうち少なくとも一つが異なることを言い、染料の相違によるものの他、金属反射などの反射性の顔料や粒子の有無や相違によるものであっても構わない。
本発明のタオル織物にあっては、織物表面の前記パイルに凹凸による外観と色による外観との少なくとも一方の外観の変化が不規則に表れており、織物地の全体として斑模様状の形態外観を出現させることができる。
その結果、新規で独特の風合いや手触りを備えたタオル織物を提供することができたものである。また、人がデザインした斑模様ではなく、いわば偶然によって生まれた新規で独特な色彩変化を備えたタオル織物を提供することができたものである。
一般にタオル織物は、図示は省略するが、平織や綾織の地組織の片面または両面にパイル糸によるパイルが形成された片面パイルと両面パイルがあるが本発明の実施に際してはその何を採用することもできる。また、ジャカードやドビー機で織物の表面に紋様に応じて自由にパイルが出る組織であっても構わない。
この実施の形態に係るパイル糸は、第1原糸10と第2原糸20の2本の原糸が撚られた撚糸である。
第1原糸10は、糸の太さが長さ方向において変化しているムラ糸であり、この例では大別して太番手部分11、中番手部分12、細番手部分13の3種類の太さの部分がランダムに現れるものが用いられている。
第2原糸20は、糸の太さが長さ方向において変化しているムラ糸であり、この例では大別して太番手部分21、中番手部分22、細番手部分23の3種類の太さの部分がランダムに現れるものが用いられている。
第1原糸10と第2原糸20とは、それぞれ綿100%の紡績糸であるが、レーヨン、アクリル、ポリエステル等のスパン糸であっても構わない。
またこの例では、太番手部分11と太番手部分21とは20s、中番手部分12と中番手部分22とは40s、細番手部分13と細番手部分23とは60sの糸番のものが用いられているが、各部の糸番は種々を変更して実施することができるものである。
具体例としては、80s〜20sの組み合わせのものを好適に用いることができる。
このように、好適に用いることができる番手の範囲は80s〜20sであるが、この範囲を超えて実施することを妨げるものではない。
原糸の撚りについては、一般的なタオル用のパイル糸と同様の製法に従い行えばよく、撚り数についても特に制約はないが、6〜15(回/インチ)が適当である。
それ以上撚ると柔らかさが無くなり、少ないとパイル立ちが悪くなり、凹凸感が減少するおそれがあるが、変更して実施することを妨げない。
この実施の形態に係るパイル糸は、第1原糸10と第2原糸20の2本の原糸が撚られた撚糸である。
第2原糸20については、すべてが30sの糸番の太番手部分21であり、糸の太さが長さ方向において変化していない普通糸が用いられている。好適に用いることができる番手の範囲は10s〜40sであるが、この範囲を超えて実施することを妨げるものではない。
この実施の形態に係るパイル糸は、第1原糸10と第2原糸20と第3原糸30の3本の原糸が撚られた撚糸である。
第1原糸10は、糸の太さが長さ方向において変化しているムラ糸であり、この例では30sの糸番の太番手部分11と、80sの糸番の細番手部分13との大別して2種類の太さの部分がランダムに現れるものが用いられている。
第2原糸20については、糸の太さが長さ方向において変化しているムラ糸であり、この例では30sの糸番の太番手部分21と、40sの糸番の中番手部分22と、80sの糸番の細番手部分23との大別して3種類の太さの部分がランダムに現れるものが用いられている。
これらの3本の原糸は、図示は省略するが常法に従って撚りがかけられパイル糸が形成される。先の実施例と同様、一つの番手部分に対しては、少なくとも一回望ましくは複数回の撚りがかかっていることが、その変化が見る者に対して訴え易い点で好ましい。
第2原糸20の中番手部分22(40s)と、第3原糸30の中番手部分32(50s)との相手が異なることからも明らかなように、これらの番手部分の太中細は相対的な糸の太さの差異を表すに止まり、絶対的な糸の太さを示すものではなく、複数種類の番手を適宜組み合わせて実施することができる。
11 太番手部分
12 中番手部分
13 細番手部分
20 第2原糸
21 太番手部分
22 中番手部分
23 細番手部分
20 第3原糸
21 太番手部分
22 中番手部分
23 細番手部分
Claims (5)
- 織物地の片面又は両面にパイル糸によるパイルを備えたタオル織物において、
前記パイル糸は、複数本の原糸が撚られた撚糸であり、
前記原糸の少なくとも1本が、糸の太さが長さ方向において変化しているムラ糸であることを特徴とするタオル織物。 - 複数本の前記原糸がすべて前記ムラ糸であることを特徴とする請求項1記載のタオル織物。
- 複数本の前記原糸のうち、少なくとも1本が前記ムラ糸であり、少なくとも他の一本が糸の太さが長さ方向に変化していない普通糸であることを特徴とする請求項1記載のタオル織物。
- 複数本の前記原糸のうち、少なくとも1本の前記ムラ糸と、少なくとも他の一本の前記原糸との色が異なることを特徴とする請求項1〜3の何かに記載のタオル織物。
- 織物表面の前記パイルに凹凸による外観と色による外観との少なくとも一方の外観の変化が不規則に表れており、織物地の全体として斑模様状の形態外観を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何かに記載のタオル織物。
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JP2020094196A JP2021188173A (ja) | 2020-05-29 | 2020-05-29 | タオル織物 |
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