JP2021188127A - 結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法 - Google Patents

結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子層堆積(ALD)による、より効率的なGaN膜の製造方法であって、レーザーアニールなどの高温熱処理を行わずに、一価のガリウム化合物を用いて、不純物が極めて少なく結晶性の高いGaN膜を製造する方法を提供する。【解決手段】一価の有機ガリウム錯体を、基板温度を350℃以下とした反応室内に供給する工程1と、該反応室内に窒化ガスを供給する工程2とを含む、ALDを用いた結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、原子層堆積(ALD)法による結晶性の窒化ガリウム薄膜の形成方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)は、発光ダイオード(LED)および青色レーザーにおいて青〜青紫光を放出するのに使用される重要な半導体材料である。シリコン基板の上に単結晶GaN層を成長させることが非常に望ましいが、GaNとシリコンとの結晶格子面間隔の不整合のため、GaNと格子定数の近いサファイア基板に結晶性のGaNをエピタキシャル成長させることが行われている。しかしながら、単結晶サファイア基板は一般にシリコン基板に比べて著しくコストがかかるため、シリコン基板のように汎用性で廉価な基板に結晶性の高いGaN膜を成長させる技術が望まれている。
GaNの製膜には、一般に化学気相成長(CVD)法が用いられる。CVD法の一種である、原子層堆積(ALD)法では、原料を連続的に堆積させず、一層ずつ堆積させるため、数ナノメータ単位の超薄膜を、高精度に制御された方法で堆積することができる。
そこで、ALDを用いた結晶性GaNの成膜方法が検討されている。例えば、水素をキャリアガスにして、トリエチルガリウム(TEG)およびアンモニアを用いて、450〜900℃で、サファイア基板上に単結晶GaN薄膜を形成する方法が報告されている(非特許文献1)。サファイアは450〜900℃の高温に耐え、耐熱性が高い点でも、GaNをエピタキシャル成長させるのに好適である。
特許文献1では、GaN−ALD膜の形成方法として、窒化アルミニウム(AlN)核生成層を塗布したシリコン基板上にGaNデバイス層を形成し、レーザーアニールによってGaNを結晶化させる方法が開示されている。
レーザーアニール以外の結晶化の方法として、トリメチルガリウム(TMG)、水素ラジカル、およびアンモニアをこの順に導入して、100℃でALDを実施する際に、水素ラジカル導入の後、及びアンモニア導入の後に電子線を照射して、水素を脱離させることによって結晶性のGaN膜を形成する方法もある(非特許文献2)。ただし、この方法で得られたGaN膜は炭素不純物が10〜35at%と多い。
また、プラズマを用いて結晶化する例として、非特許文献3では、TMGと、アンモニアプラズマ、窒素および水素の混合ガスのプラズマ(以下「窒素/水素プラズマ」と記す。)、または窒素プラズマとを使用して、200℃で結晶性薄膜を形成している。ただし、前記結晶性薄膜において、N/Ga比は有意にNリッチであり、水素なしの窒素プラズマでは膜の品質が不良である。非特許文献4では、TEGおよび窒素/水素プラズマを使用して、200℃、285℃、および350℃で、結晶性GaN薄膜を形成している。前記結晶性薄膜について、Si(100)面への成膜では、シリコン基板との界面から18nm程のアモルファス層がある。いずれの膜も、N/Ga比は、大幅にNリッチである。非特許文献5では、TMGおよび窒素/水素の混合プラズマ使用して、250℃でALDを行い、結晶性膜を形成している。
非特許文献5では、プラズマを用いても、210℃未満ではALD成膜できず、250℃で得られたALD膜のN/Ga比はややGaリッチであるがC不純物が約9%含まれている。プラズマを用いる結晶化については、特許文献2にも例示されている。特許文献2では、TMGあるいはTEGと窒素/水素プラズマを使用してGaN薄膜を形成していて、GaCl、GaCl、GaI等のハロゲン化ガリウムも例示されている。
特表2016−533645号公報 US8,846,502公報
「Atomic layer epitaxy of GaN over sapphire using switched metalorganic chemical vapor deposition」、M. Asif Khan et al., Appl. Phys. Lett. 60,1366 (1992) 「Electron enhanced growth of crystalline gallium nitride thin films at room temperature and 100 °C using sequential surface reactions」、Jaclyn K. Sprenger et al., Chem. Mater. 2016, 28, 15, 5282-5294 「Hollow cathode plasma-assisted atomic layer deposition of crystalline AlN, GaN and AlxGa1-xNthin films at low temperatures」、Cagla Ozgit-Akgun et al., J. Mater. Chem. C, 2014, 2, 2123 「PEALD-deposited crystalline GaN films on Si (100) substrates with sharp interfaces」、San-JieLiu et al., Chin. Phys. B Vol. 28, No. 2 (2019) 026801 「Low temperature depositions of GaN thin films by plasma-enhanced atomic layer deposition」、Tang Wen-Hui et al., Acta Physica Sinica, 66, 098101 (2017)
GaN膜をALD法によって形成するためのGa源は、TMGやTEGが広く用いられているが、これらは空気中で非常に不安定で自然発火するため、取り扱いが容易とはいえない。さらに、結晶性の高いGaN薄膜を形成させるには、高温でALDを行うか、またはALDと同時もしくは直後に、高温熱処理をレーザー、または電子線の照射によるアニール技術とを組み合わせて行う必要があった。
基板上に形成されるGaN膜は一価のガリウム化合物である。そのため、原料にTMGやTEGなどの三価のガリウム錯体を用いれば、ガリウムを還元する必要があるためCの混入のおそれがあり、ひいては結晶性の良くないGaN膜になってしまうという問題があった。また、一価のガリウム錯体であっても、無機ガリウム錯体の場合、無機元素がGaNに混入するおそれがあった。そこで、本発明では、より効率の良いALDによるGaN膜の製造方法であって、不純物が極めて少なく、結晶性の高いGaN膜を製造する方法を提供することを目的とする。
また、従来は、GaN薄膜の結晶性を高めるために、GaN、あるいはサファイアやAlNなどのGaNと格子定数の近い基板を用いていたが、本発明では、GaNやサファイアの構成元素である、窒素、ガリウム、およびアルミニウムのいずれも主成分として含まない基板上であっても、結晶性の高いGaNが得られることも目的とする。
本発明の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法は、原子層堆積(ALD)法を用いて、一価の有機ガリウム錯体を、基板温度を350℃以下とした反応室内に供給する工程1と、該反応室内に窒化ガスを供給する工程2とを含むことを特徴とする。
前記窒化ガスは窒素プラズマガスであることが好ましい。
前記有機ガリウム錯体はシクロペンタジエニル系錯体であることが好ましい。
前記工程1と工程2との間に、さらに、酸素を含まない還元ガスを供給する工程3を含むことが好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、前記基板の表面は、窒素、ガリウム、およびアルミニウムのいずれも主成分として含まない。
前記工程1の前に、基板の前処理として、前記原料と酸化剤を用いて、5nm以下の酸化ガリウムを堆積する工程を含むことが好ましい。
本発明のALD法によれば、レーザーアニールなどの高温熱処理を行わなくても、有機ガリウム錯体から結晶性の高いGaN膜を形成させることができる。
図1は、実施例1で、自然酸化膜付きのシリコンウエハ上に形成したGaN膜の断面TEM像を表す。 図2は、実施例2で成膜したGaN膜の断面TEM像を表す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の窒化ガリウム(GaN)薄膜の製造方法は、ALDを用いて、一価の有機ガリウム錯体を、基板温度を350℃以下とした反応室内に供給する工程1と、該反応室内に窒化ガスを供給する工程2とを有する。
ALDには、熱ALDおよびプラズマALD(PEALD)の2つがある。熱ALDでは高アスペクト比表面に沿って均一な膜を形成することができる。一方、PEALDは、高アスペクト比表面への膜形成能は熱ALDより劣る場合もあるが、低温で行うことができる。本発明ではどちらの方法を用いることもできるが、一価のガリウム化学種を用いて、効率良く結晶性の高いGaN膜を形成するという本発明の目的からすると、PEALDが好適である。
本発明の好ましい実施形態であるPEALDでは、下記(i)〜(ii)の堆積サイクルによってGaNを製膜する。堆積サイクルの一形態は、(i)基板の表面上に、前駆体を吸着するために、反応室内に気相の前駆体を送り込むステップと、(ii)該反応室内にプラズマによりラジカル種を生成させた窒化ガスを送り込み、表面に吸着した前駆体と反応させてGaN結晶層を形成するステップとを有する。そして、各サイクルは、形成される膜が所望の厚さに達するまで、繰り返される。
前記(i)において、基板が設置された反応室内に、前駆体である一価の有機ガリウム錯体を気相で供給する(工程1)。基板温度は、室温〜350℃の範囲内の任意の温度とし、一価の有機ガリウム錯体は、基板上で凝縮しないように、基板温度よりも低い温度で蒸発させる。
次いで、前記(ii)では、反応室内に窒化ガスを供給して(工程2)、工程1で基板表面上に吸着した前駆体と窒化ガスを反応させて前記基板上に結晶性のGaN薄膜を成長させる。このとき、GaN薄膜は多結晶であっても良いが、単結晶であることが好ましい。単結晶の場合、薄膜のN/Ga比は1となるが、多結晶の場合、緻密な膜が好ましく、GaリッチとなるN/Ga比1以下が好ましい。前記GaN薄膜において、アモルファス部分はほとんど存在しないが、1体積%未満が好ましく、0.01体積%未満がより好ましく、0.0001体積%未満が特に好ましい。また、前記GaN薄膜は高純度の薄膜であり、不純物中の炭素は、好ましくは、5原子%以下、より好ましくは、1原子%以下、さらに好ましくは、0.01原子%以下、特に好ましくは、0.001原子%以下である。同様に、不純物中の酸素は、好ましくは、5原子%以下、より好ましくは、1原子%以下、さらに好ましくは、0.01原子%以下、特に好ましくは、0.001原子%以下である。
工程2で供給する窒化ガスは、窒素を含むガスであって、プラズマによってラジカル種を発生させたガスが好ましい。窒化ガスとしては、窒素ラジカルが発生できるガスであれば特に制限はないが、炭素を含まないことが好ましく、アンモニア/水素プラズマガス、および窒素プラズマガスがより好ましく、簡便に用いることのできる窒素プラズマガスであることが特に好ましい。なお、「アンモニア/水素プラズマガス」は、アンモニアおよび水素の混合ガスのプラズマをいう。
ここで、本発明の前駆体は一価の有機ガリウム錯体である。一価のガリウム錯体が、塩化ガリウム(I)や臭化ガリウム(I)などの無機錯体であった場合、混入や腐食のおそれがあり好ましくない。例えば、GaClの場合は、Clの混入や副生成物による基板やチャンバーの腐食の懸念がある。
一価の有機ガリウム錯体としては、下記一般式(1)で表されるシクロペンタジエニル錯体が挙げられる。
Figure 2021188127
一般式(1)中、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基である。
前記一般式(1)において、R1〜R5のうち4つはメチル基であり、残りの1つはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基又はイソプロピル基であることがより好ましい。一般式(1)で表される前駆体は、具体的には、下記構造式で表されるη5−ペンタメチルシクロペンタジエニルガリウム(I)(以下「Cp*Ga」又は「Ga(C5(CH35)」とも記す。)であることが特に好ましい。
Figure 2021188127
GaNを成長させるための基板としては、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板およびGaN基板などが用いられる。これらのうち、結晶性の高いGaN膜を形成するのに、材質が同一であるGaN基板が好適であることは言うまでもないが、GaNと格子定数が近い点でサファイア基板も好適である。
本発明では、結晶性の高いGaN膜を形成するのに、窒素、ガリウム、およびアルミニウムのいずれも主成分として含まない基板を用いることができ、このような基板としては、シリコン基板が好適である。シリコン基板は、大気中で自然酸化して、非常に薄い二酸化ケイ素の膜でその表面が被覆されていてもよい。
基板に対して、GaN膜を形成するための前処理として、ごく薄い酸化ガリウム薄膜を形成することも好ましい。この酸化ガリウム薄膜の膜厚は、GaN膜の特性に悪影響を与えないため5nm以下が好ましく、2nm以下がより好ましく、1.5nm以下が特に好ましい。酸化ガリウム薄膜を形成する方法としては、原子層堆積法が好ましく、連続して成膜できることから、本発明と同一の原料を用いることが好ましい。酸化剤としては酸化ガリウム薄膜を形成することができれば、水、酸素、オゾン、酸素プラズマ、あるいはそれらの組み合わせなど、任意の酸化剤が使用できる。この酸化ガリウム薄膜は、アモルファスでも結晶性でも良いが、形成の容易なアモルファスであることが好ましい。また、1〜5原子層であっても、単原子層であっても良い。
ALDを行うときの温度は、基板に吸着した一価の有機ガリウム錯体が熱分解する温度よりも低く、窒化ガスと十分に反応する程度の温度にする必要があり、50〜350℃が好ましく、150〜250℃がより好ましい。前駆体にペンタメチルシクロペンタジエニルガリウム(Cp*Ga、GaC5(CH35)を用いる場合は、Cp*Gaが熱分解しない200℃が好適な温度といえる。なお、基板温度と反応温度は同一になる。
工程1と工程2との間に、さらに、酸素を含まない還元ガスを供給する工程3を有してもよい。還元ガスは、基板上に吸着した一価の有機ガリウム錯体からGaの対イオンやシクロペンタジエニル基を脱離させる効果を有する。つまり、還元ガスは、通常、前駆体である一価の有機ガリウム錯体を供給して基板に吸着させた後、窒化ガスを供給して反応させる前に、配位子を脱離させるために供給する。
還元ガスとしては、アンモニアおよび/または水素が好ましく、さらにこれらに窒素および/または不活性ガス(例えば、アルゴン)を適当な比率で導入したガスを用いてもよい。このとき、これらのガスのプラズマによってラジカル種を発生させることも好ましい。
なお、前記工程1、工程2および工程3の後には、未反応原料および副生成物を反応空間からパージするため、通常、窒素やアルゴンのような不活性ガスを導入する。
本発明の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法の好ましい形態では、Cp*Ga等の前駆体、アンモニア/水素プラズマガス、および窒素プラズマガスの順のサイクルで成膜する。前駆体にアンモニア/水素プラズマガスを照射すると、基板上に吸着した前駆体とアンモニア/水素プラズマガスとが反応して前駆体の配位子が脱離する。次いで、窒素プラズマを照射することで、基板上に形成された膜に残留するNH基やNH2基中のHが除去されて、結晶性のGaN薄膜が形成される。この窒化反応では、真空下に0.1〜1000mTorrの窒素を含むガスを導入しながら、例えば、400Wの電力を用いて窒化ガスを励起・解離・電離させてプラズマを発生させる。このとき、電力はプラズマが発生できる電力であれば大きさに制限はない。また、電力を基板付近に直接かけてプラズマを発生させても、少し離れたところにかけて発生させても良い。
以上のとおり、本発明のALD法によれば、レーザーアニールなどの高温熱処理を行わなくても、一価の有機ガリウム錯体から結晶性の高いGaN膜を形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
(1)Cp*Gaの調製
Cp*Ga(ペンタメチルシクロペンタジエニルガリウム)はP. Jutzi et al., J. Organomet. Chem. 654, 176 (2002)に記載された方法に従って合成した。
示差走査熱量測定(DSC)の結果、Cp*Gaは250℃に分解による発熱ピークが観測された。
(2)ALDによるGaN膜の形成
ALD装置(FlexAL;オックスフォード・インストゥルメンツ(株)製)内に自然酸化膜付きシリコンウエハを設置し、前駆体としてCp*Gaを用い、還元ガスおよび窒化ガスとして、それぞれ、アンモニア/水素プラズマガスおよび窒素プラズマガスを用いてALD成膜を行った。このとき、Cp*Gaを外部で気化する温度は80℃とし、基板温度は200℃とした。
すなわち、GaN膜を得るのに、Cp*Ga→アンモニア/水素プラズマ→窒素プラズマの順のサイクルでALD成膜を行った。
この方法で300サイクル成膜したGaN膜を透過電子顕微鏡(TEM)によって断面を観察したところ、結晶化していた。この結果(XTEM像)を図1に示す。
また、このサンプルのGaN膜部分を高分解能RBS分析装置(HRBS500;(株)神戸製鋼所製)で組成分析を行った結果、C、O不純物は検出限界(C;4原子%程度、O;3原子%程度)以下であり、N/Ga比は0.9であった。
このように本発明の方法によれば、不純物が極めて少なく、結晶性の高いGaN膜が製造できる。
[実施例2]
(1)Cp*Gaの調製
実施例1と同様にして調製した。
(2)ALDによるGaN膜の形成
ALD装置(FlexAL;オックスフォード・インストゥルメンツ(株)製)内に自然酸化膜付きシリコンウエハを設置し、前駆体としてCp*Gaを用い、酸化剤として、水および酸素プラズマガスをこの順に用いて、自然酸化膜付きシリコンウエハ上に厚さ1.1nmの酸化ガリウム薄膜を形成した。次いで、Cp*Gaならびに、還元ガスおよび窒化ガスとして、それぞれ、アンモニア/水素プラズマガスおよび窒素プラズマガスを用いてALD成膜を行った。このとき、Cp*Gaを外部で気化する温度は40℃とし、Arバブリングを行った。このときの基板温度は200℃とした。
すなわち、GaN膜を得るのに、Cp*Ga→アンモニア/水素プラズマ→窒素プラズマの順のサイクルでALD成膜を行った。この方法で500サイクル成膜したGaN膜を透過電子顕微鏡(TEM)によって断面を観察したところ、結晶化していた。この結果(XTEM像)を図2に示す。

Claims (6)

  1. 一価の有機ガリウム錯体を、基板温度を350℃以下とした反応室内に供給する工程1と、該反応室内に窒化ガスを供給する工程2とを含む、原子層堆積(ALD)法を用いた結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。
  2. 前記窒化ガスが窒素プラズマガスである、請求項1に記載の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。
  3. 前記有機ガリウム錯体がシクロペンタジエニル系錯体である、請求項1または2に記載の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。
  4. 前記工程1と工程2との間に、さらに、酸素を含まない還元ガスを供給する工程3を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。
  5. 前記基板の表面が、窒素、ガリウム、およびアルミニウムのいずれも主成分として含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。
  6. 前記工程1の前に、基板の前処理として、前記原料と酸化剤を用いて、5nm以下の酸化ガリウムを堆積する工程を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の結晶性の窒化ガリウム薄膜の製造方法。
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