JP2021187867A - 起泡性洗浄剤及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、起泡量が増大された起泡性洗浄剤及びその使用方法を提供することを課題とする。具体的には、起泡性洗浄剤の総使用量を増やさずに起泡量を増加させた起泡性洗浄剤及びその使用方法を提供することを課題とする。【解決手段】起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末の組み合わせを含んでなる起泡性、当該起泡性洗浄剤の製造方法、並びに当該起泡性洗浄剤を用いて洗浄対象物を洗浄する方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、台所、洗面所、トイレ等の水溜り部又は排水管を有する水周りの硬質面の洗浄に好適に用いることができる起泡性洗浄剤及びその使用方法に関する。
台所、洗面所、トイレ等の水溜り部又は排水管を有する水周りの硬質表面を洗浄するために漂白剤や界面活性剤等を配合した起泡性洗浄剤組成物が使用されている。このような起泡性洗浄剤組成物は、水と接触した際に起泡し、漂白剤や界面活性剤等の洗浄剤成分が泡と共に被洗浄物に行き渡ることにより洗浄効果を発揮する。
従来、起泡性洗浄剤組成物を用いて効率的に汚れを除去するために、漂白効果の向上や起泡量の増加といった観点から、主に起泡性洗浄剤組成物の配合組成に着目した検討がされてきた(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。例えば、起泡性洗浄剤組成物において、炭酸ガスの発生源となる炭酸塩等の配合量を出来るだけ増加させること等が検討されてきた。しかし、炭酸ガス等の起泡量を増大させるためには、水溶液を酸性とする必要があるため、炭酸塩等の配合量に加えて有機酸等の酸の配合量をも増加させる必要がある。また、洗浄効果を高めるためには、漂白剤、界面活性剤等の洗浄剤成分を配合する必要がある。つまり、起泡力及び洗浄効果を両立するために、起泡性洗浄剤組成物には、起泡成分以外にも種々の化合物を配合する必要があった。
そのため、起泡量をより増大させるために、使用する起泡性洗浄剤組成物の総使用量を増加させるという選択がなされ、起泡量とは直接関係の無い成分まで過剰に使用することとなり、経済的に非効率になるという問題があった。
このように、従来における配合組成の最適化に着目して起泡量を増加させる試みには限界があったため、起泡性洗浄剤の総配合量を増やさずに、より起泡量を増大できる起泡性洗浄剤及びその使用方法が求められていた。
特開2018−024875号公報 特開2008−013611号公報
本発明は、起泡量が増大された起泡性洗浄剤及びその使用方法を提供することを課題とする。具体的には、起泡性洗浄剤の総使用量を増やさずに起泡量を増加させた起泡性洗浄剤及びその使用方法を提供することを課題とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、洗浄剤組成物の剤形や使用方法に着目して、起泡量を増加するための技術を鋭意検討した結果、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末を組み合わせた起泡性洗浄剤を使用することにより、起泡剤を含む粉末洗浄剤を単独で使用したときよりも、起泡量が増大することを見出した。かかる知見に基づいて、さらに検討を加えて本発明を完成するに至った。本発明は、以下の起泡性洗浄剤及びその使用方法に関する。
項1.起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末の組み合わせを含んでなる起泡性洗浄剤。
項2.粉末に対する錠剤の質量比(錠剤/粉末)が0.14〜7である、項1に記載の起泡性洗浄剤。
項3、錠剤及び粉末に含まれる起泡剤の含有量の合計が、10質量%〜99質量%である、項1又は2に記載の起泡性洗浄剤。
項4.起泡剤が、酸素を発生する起泡剤及び二酸化炭素を発生する起泡剤からなる群から選択される1以上である、項1〜3のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
項5.錠剤及び粉末が、それぞれ同一又は異なって、次亜塩素酸発生源及び過酸化水素発生源からなる起泡剤、並びに有機酸及び炭酸塩からなる起泡剤のいずれか又は両方を含む、項1〜4のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
項6.錠剤及び粉末が、それぞれ同一又は異なって、次亜塩素酸発生源及び過酸化水素発生源からなる起泡剤を含む、項1〜5のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
項7.次亜塩素酸発生源が、ハロゲン化イソシアヌル酸、ハロゲン化ヒダントイン、及び次亜塩素酸カルシウムからなる群から選択される1以上であり、過酸化水素発生源が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、及び有機過酸化物からなる群から選択される1以上である、項5又は6に記載の起泡性洗浄剤。
項8.起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末の混合物を含有する、項1〜7のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
項9.起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末がそれぞれ異なる容器に収容されてなる、項1〜7のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
項10.項8に記載の起泡性洗浄剤の製造方法であって、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末を混合する工程を含む、製造方法。
項11.項9に記載の起泡性洗浄剤の製造方法であって、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末をそれぞれ異なる容器に収容する工程を含む、製造方法。
項12.起泡性洗浄剤の使用方法であって、項1〜9のいずれかに記載の起泡性洗浄剤に含まれる起泡剤を含む粉末及び起泡剤を含む錠剤を、水が付着した洗浄対象物に接触させる(水溜まりを有する洗浄対象物に投入する)工程を含む、使用方法。
項13.洗浄対象物の洗浄方法であって、項1〜9のいずれかに記載の起泡性洗浄剤に含まれる起泡剤を含む粉末及び起泡剤を含む錠剤を、水が付着した洗浄対象物に接触させる(水溜まりを有する洗浄対象物に投入する)工程を含む、洗浄方法。
本発明は、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末を組み合わせた起泡性洗浄剤であることを特徴とする。この起泡性洗浄剤を水と接触させることにより、従来の粉末のみからなる起泡性洗浄剤及び錠剤のみからなる起泡性洗浄剤と比べて、起泡量が飛躍的に増大する。この効果は、同一組成(成分及び含有量)の、錠剤及び粉末を組み合わせた起泡性洗浄剤、粉末のみからなる起泡性洗浄剤、及び錠剤のみからなる起泡性洗浄剤を評価した、実施例及び比較例の結果から明確である。
本発明の起泡性洗浄剤は、台所、洗面所、風呂、トイレ等の水溜り部や排水口や排水管を有する水周りの硬質面の洗浄に好適に用いることができる。
本明細書において、「起泡量が増大する」とは、粉末のみ又は錠剤のみからなる起泡性洗浄剤と比較した場合において、起泡性洗浄剤を水に投入して起泡開始から所定時間経過後に生じた泡が減少するまでの期間内における最大起泡量が増加する場合、及び、起泡性洗浄剤を水に投入して起泡開始から洗浄に要する所定の時間経過後の時点における起泡量が増加する場合のいずれか一方、或いは両方であることをいう。
本発明の起泡性洗浄剤は、最大起泡量が増加することにより、水溜り部の喫水面、排水口の周辺、排水管内部等の汚れが付着した部位に対し、広範囲に起泡により生じた洗浄剤成分を含む泡を届かせることができるため効率よく洗浄することができる。
また、起泡開始から洗浄に要する所定の時間経過後の時点における起泡量が増大することにより、起泡性洗浄剤を含有した泡が長時間洗浄対象に作用することができるため高い洗浄効果を得ることができる。つまり、洗浄対象物の洗浄に必要な時間、起泡量を持続することができる。
さらに、起泡性洗浄剤を水に投入して起泡開始から所定時間経過後に生じた泡が減少するまでの期間内における最大起泡量が増加し、かつ、起泡性洗浄剤を水に投入して起泡開始から洗浄に要する所定の時間経過後の時点における起泡量が増加する場合は、洗浄対象物を広範囲に効率的に洗浄できると共に、洗浄剤成分を含んだ泡が長時間洗浄対象に作用することができるという効果の両方を得ることができるため、より好ましい。
一般的に、粉末の起泡性洗浄剤と錠剤の起泡性洗浄剤とを比較すると、両者の組成(成分及びその含有量)が同一の場合には、粉末の方が錠剤よりも水に速やかに溶解して起泡するため最大起泡量は多くなる。一方、錠剤は、粉末と比べると水に接する単位質量当りの表面積が小さいため緩やかに溶解し、最大起泡量は粉末より少なくなるのが通常である。そのため、粉末と錠剤を組み合せた起泡性洗浄剤の最大起泡量は、粉末のみを用いた場合の最大起泡量と錠剤のみを用いた場合の最大起泡量の中間程度になると予測された。ところが、当該予測に反して、粉末と錠剤を組み合わせた起泡性洗浄剤とすることにより、粉末のみの起泡性洗浄剤と比べて、最大起泡量が増加すること、更に所定の時間経過後の時点における起泡量が増加することが確認された。
(起泡性洗浄剤)
本発明の起泡性洗浄剤は、台所、洗面所、風呂、トイレ等の水溜り部や排水口や排水管を有する水周りの硬質面の洗浄に好適に用いることができる。
本明細書において「起泡性洗浄剤」とは、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末を組み合わせたものであり、特に断りのない限り、錠剤と粉末とが混合された形態、並びに、錠剤と粉末とが分離しており両者が使用時に組み合わせて使用できるようひとまとまりになった形態のいずれも包含し、さらに当該錠剤及び粉末以外の成分を含む形態も包含される。
本発明の起泡性洗浄剤は、錠剤と粉末とを組み合わせて使用されるため、洗浄剤組成物の合計使用量を増やすことなく起泡量を増大することができる。本発明で使用する錠剤及び粉末はそれぞれ、複数の成分を配合した組成物であり、錠剤及び粉末は別々に調製されても良い。
粉末は、複数成分の粉末原料をミキサー等で混合することにより調製することができる。錠剤は、複数の成分を配合した後に、圧縮工程(以下、打錠ということがある)を経て成形することができる。
本発明の起泡性洗浄剤は、錠剤及び粉末を組み合わせたものであるため、錠剤のみの洗浄剤及び粉末のみの洗浄剤と比較して起泡量が増大する。錠剤と粉末は、同一組成でも良いし異なった組成でも良い。
また、錠剤と粉末とを組み合わせて使用するとは、錠剤を先に水に投入してから粉末を投入して使用すること、粉末を先に水に投入してから錠剤を投入して使用すること、錠剤と粉末を同時に水に投入して使用することのいずれをも包含するものとする。錠剤と粉末との混合物を同一包装容器内に包装した起泡性洗浄剤は、洗浄時に錠剤と粉末とを同時に使用でき操作が容易となるため好ましい。
(錠剤)
本明細書において錠剤とは、起泡剤を含む錠剤成分を打錠により圧縮成形して得られた成形品をいう。打錠前の錠剤成分の形態は、打錠に適したものであればよく、例えば、粉末、顆粒、ブリケット等が挙げられる。打錠は、例えば、ロータリー式打錠機、レシプロ式打錠機等の広く知られた打錠機を用いることができる。打錠圧は、生産性及び成形性の点から、5〜100MPa程度が好ましい。得られる錠剤の硬度は、形状安定性の点から、通常、200〜800N程度が好ましい。
錠剤の形状は特に限定されない。例えば、円柱型;俵型;碁石型;三角型、四角型、星型等を含む多角柱型;隅角型等が挙げられる。加工のし易さ、取扱いのし易さの観点から円柱型であることが好ましい。
本発明で使用する錠剤の大きさは、加工のし易さ、強度、保形性、取扱いのし易さ等の観点から、錠剤底面のもっとも長くなる線分の長さ(例えば、錠剤底面の形状が円の場合は直径、三角形の場合は最も長い1辺の長さ、長方形の場合は対角線の長さ)と錠剤高さの合計の長さとが所定の範囲内であることが好ましい。ここで、錠剤底面のもっとも長くなる線分の長さと錠剤高さとの合計の長さとは、錠剤が円柱型の場合は錠剤底面の円の直径と錠剤高さとの合計値を意味し、三角柱の場合は錠剤底面の三角形の最も長い1辺の長さと錠剤高さとの合計を意味し、四角柱の場合は錠剤底面の四角形の対角線の長さと錠剤高さとの合計を意味(直方体以外の四角柱の場合は底面の対角線と高さの合計の組合せのうち最大のものとする)し、碁石型や俵型の場合は、垂直方向の厚みの最大値と水平方向の幅の最大値の合計値を意味する。
本発明においては、錠剤底面のもっとも長くなる線分の長さと錠剤高さとの合計の長さが、粉末の平均粒子径より大きいことが好ましい。錠剤底面のもっとも長くなる線分の長さと錠剤高さとの合計の長さは、加工のし易さ及び取扱いのし易さの観点から、5mm〜400mmが好ましく、10mm〜200mmがより好ましい。また、錠剤は、起泡剤に加えて、洗浄に有益な種々の化合物を組み合わせて配合し組成物とすることができる。
錠剤が円柱型である場合には、円柱の底面の直径は、通常、3〜200mmであり、5〜100mmが好ましく、10〜50mmがより好ましい。円柱の高さは、通常、3〜200mmであり、5〜100mmが好ましく、10〜50mmがより好ましい。錠剤底面の直径と錠剤の高さとの合計長さは、通常、6〜400mmであり、10〜200mmが好ましく、20〜100mmがより好ましい。
また、錠剤が円柱型である場合には、錠剤の直径(mm)を錠剤の高さ(mm)で除した値が所定の範囲であれば、錠剤が割れたり欠けたりし難いため、錠剤の直径(mm)を錠剤の高さ(mm)で除した値は、1〜10であることが好ましく、1.5〜6であればより好ましく、1.5〜3.5であればさらに好ましい。
(粉末)
本明細書において粉末とは、起泡剤を含む粒子の集まりを意味する。当該粒子の形状は特に限定されず、不定形、球形、回転楕円形等が挙げられる。本発明の粉末には、例えば、微粉を流動層造粒等の従来知られた方法で加工した場合や、チルソネーター等での従来知られた方法で圧縮成形した後に粉砕した場合等のように、二次的に加工して顆粒状にした場合をも包含する。原料化合物を予め混合してから造粒等の二次的な加工を施しても良いし、予め造粒等の二次的な加工を施した原料を混合して調製しても良い。また、粉末は、起泡剤の他にも洗浄に有益な種々の化合物の粒子を組み合わせて配合し組成物とすることができる。
粉末の平均粒子径は、例えば、1〜5000μmであることが好ましく、10〜3000μmであることがより好ましく、100〜1500μmであることがさらに好ましい。平均粒子径が5000μm以下の場合は、粒子として大きすぎず取り扱い性がよく、3000μm以下ではより取り扱い性がよく、1500μm以下ではさらに取り扱い性がよい。また、平均粒子径が5000μm以下の場合は、直接洗浄や漂白に使用する場合に、開口部の小さい排水口などに直接入れることができるため使用し易く、3000μm以下ではより使用し易く、1500μm以下ではさらに使用し易い。一方、平均粒子径が1μm以上であれば、取り扱い時に僅かな風や静電気で飛散することが少ないため使用し易く、10μm以上ではより使用し易く、100μm以上ではさらに使用し易い。
粉末の平均粒子径の測定は、次のようにして行うことができる。目開き75μm、106μm、150μm、250μm、425μm、600μm、710μm、850μm、1000μm、1180μm、1400μm、1700μm、2000μmの13段のふるいと受け皿を用いて、受け皿の上に目開きの大きいふるいが上段になるように積み重ねる。最上部の目開き2000μmのふるいの上から試料を入れ、受け皿の上に目開きの大きいふるいが上段になるように積み重ねる。重ねたふるいをふるい振とう機にセットし、10分間振とうし、ふるい分けを行う。ふるい振とう機は振動数3600回/分で振幅1mmの条件で使用してよい。粒度分布の測定にはJIS Z 8815やJIS Z 8801に記載された方法や器具(ふるい)を用いても良い。
ふるい振とう機としては、例えば、レッチェ社製「AS200CONTROL」を使用することができるが、これに限定されるものではない。ふるい振とう機を使用できない場合は、重ねたふるいを片手で支え、1分間に約120回の割合でふるいの枠をたたく。時折、ふるいを水平に置き、ふるい枠を数回強くたたく。この操作を繰り返し、ふるい分けを十分に行なう。試料が凝集している場合や、ふるいの内側や裏面に微粉が付着している場合には、ブラシで静かに試料をほぐし、ふるい分け操作を再度行ない、ふるい網を通過したものはふるい下とする。なお、ふるい下とは、ふるい分け終了までに、ふるい網を通過した試験試料のことをいう。
試料に粒径2000μmを超える粒子が含まれる場合は、目開き2000μmを超える段階的に目開きの異なる複数のふるいを追加してもよい。例えば、目開き2360μm、2800μm、3350μm、4000μm、4750μm、5600μm、又はそれ以上の目開きのふるいを追加してもよい。粒径75μm以下の粒子が多い場合には、目開き75μm未満の段階的に目開きの異なる複数のふるいを追加してもよい。例えば、目開き63μm、53μm、45μm、38μm、又はそれ以下の目開きのふるいを追加してもよい。その他の目開きのふるいを選択することもできる。
それぞれのふるい及び受け皿上に残留した粒子の質量を測定し、各ふるい上の粒子の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さなふるい上の粒子の質量割合を足し合わせることにより積算していく。積算した質量割合が50%以上となる最初のふるいの目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きいふるいの目開きをbμmとし、受け皿から目開きaμmのふるいまでの積算した質量割合をc%、また目開きaμmのふるい上の質量割合をd%とした場合、平均粒子径は次の数式1から求められる。
(数式1)

Figure 2021187867
本発明の起泡性洗浄剤に含まれる粉末と錠剤との質量比は、所定の範囲内であることが好ましい。例えば、起泡性洗浄剤が粉末と錠剤とが混合された形態である場合、当該混合物中の粉末に対する錠剤の質量比が所定の範囲内であることが望ましい。また、起泡性洗浄剤が粉末と錠剤とが分離した形態である場合、投入する粉末に対する錠剤の質量比が所定の範囲内であることが望ましい。
具体的には、起泡性洗浄剤中の粉末に対する錠剤の質量比(錠剤の質量を粉末の質量で除した数値;錠剤/粉末)は、0.14〜7であることが好ましく、0.14〜5であることがより好ましく、0.3〜2.5であることがさらに好ましい。粉末に対する錠剤の質量比が、0.14〜7であれば優れた起泡量の増大効果が期待でき、0.14〜5ではより優れた起泡量の増大効果が期待でき、0.3〜2.5ではさらに優れた起泡量の増大効果が期待できる。
起泡性洗浄剤に含まれる錠剤は1個でも複数個でも良い。上述したように、起泡性洗浄剤に含まれる粉末に対する錠剤の質量比が、所望の範囲になるように調製することが好ましく、その範囲で錠剤を1個又は2個以上使用しても良い。予め質量を調節した錠剤を用いて、錠剤の個数を調整しても良い。
(起泡剤)
本発明の起泡性洗浄剤に含まれる錠剤及び粉末にはいずれも、起泡剤を含んでいる。起泡剤は、水に投入した際に気体を発生し得るものである。起泡剤としては、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤、酸素ガスを発生する起泡剤、又はそれらの混合物が挙げられる。錠剤及び粉末には、それぞれ、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤及び酸素ガスを発生する起泡剤のいずれか又は両方が配合される。より起泡量の増大効果を得るためには、本発明の起泡性洗浄剤に含まれる錠剤及び粉末のいずれもが、酸素ガスを発生する起泡剤を含んでいることが好ましい。
本明細書においては、単に「起泡剤の配合量」と言う場合には、起泡性洗浄剤中における、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤と酸素ガスを発生する起泡剤との合計の配合量をいう。二酸化炭素ガスを発生する起泡剤と酸素ガスを発生する起泡剤とを区別する場合には、いずれの起泡剤であるかを明記するものとする。
起泡性洗浄剤中における錠剤及び粉末に含有される起泡剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。10質量%以上とすることで充分なガス発生量が確保されるため、錠剤及び粉末を組み合わせることにより起泡量が増加しやすくなり、20質量%以上とすることでさらに起泡量が増加しやすくなり、50質量%以上とするとさらに起泡量が増加しやすい。また、起泡性洗浄剤には洗浄効果を高めるためにその他の成分を配合するため、起泡剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85%質量以下が更に好ましい。起泡性洗浄剤中には、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤と酸素ガスを発生する起泡剤とを組合せて配合しても良い。
(二酸化炭素ガスを発生する起泡剤)
二酸化炭素ガスを発生する起泡剤としては、例えば、炭酸塩と酸との組み合わせが挙げられる。
炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム(以下、ソーダ灰ということがある)、炭酸水素ナトリウム(以下、重曹ということがある)、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム、これらの混合物からなる群から選択される1以上が好ましく、入手容易性や安価であること等から、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、これらの混合物からなる群から選択される1以上がより好ましい。これらの炭酸塩は、水に溶解した際に炭酸イオンを生じ、酸性条件下では炭酸イオンが二酸化炭素となり起泡する。
pHを酸性にするための酸として、無機酸及び有機酸が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酸性ボウ硝(硫酸ナトリウム)等の水に溶解した際に酸性を呈するものであれば特に限定されない。そのうち、起泡性洗浄剤として他の洗浄剤成分と配合するためには、常温常圧で固体であるものが好適であり、例えば、酸性ボウ硝(硫酸ナトリウム)等が挙げられる。有機酸としては、水に溶解した際に酸性を呈するものであれば特に限定されない。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、D−酒石酸、L−酒石酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、グルタル酸、D−グルタミン酸、L−グルタミン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、クエン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。有機酸として、常温常圧において固形で取扱いが容易であることから、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、D−酒石酸、L−酒石酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸、D−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸、グルタル酸、D−グルタミン酸、L−グルタミン酸、クエン酸、及びこれらの混合物から選択される1以上が好ましい。
酸化剤であるジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の次亜塩素酸発生源(塩素系漂白剤)との配合安定性に優れるという観点から、酸としては、コハク酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択される1以上がより好ましい。
本発明の起泡性洗浄剤中に含まれる粉末及び/又は錠剤が、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含む場合、炭酸塩に対する酸の配合比(酸/炭酸塩)は、反応当量比として、0.5〜1.4とすると効率良く発泡するため好ましく、0.7〜1.4とすることがより効率よく発泡するため好ましく、0.7〜1.3とすることがさらに効率よく発泡するため好ましい。ここで、反応当量比とは、炭酸塩の反応当量に対する有機酸の反応当量の割合であり、炭酸塩及び有機酸の反応当量はそれぞれ次の数式2により算出する。
(数式2)
反応当量=(100g×配合率(質量%))/(1グラム当量)
但し、1グラム当量は、1グラム当量=(分子量)/(酸又は塩基の価数)により算出する。なお、価数とは、酸としての価数又は塩基としての価数を意味する。
本明細書において、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含有するとは、酸(特に有機酸)及び炭酸塩を含有している場合を意味し、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤の配合量とは、起泡性洗浄剤中における有機酸と炭酸塩の配合量の合計を意味する。
二酸化炭素ガスを発生する起泡剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し(起泡性洗浄剤中)、10〜99質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、30〜80質量%が更に好ましい。
(酸素ガスを発生する起泡剤)
酸素ガスを発生する起泡剤としては、酸化剤(以下、本明細書で酸化剤というときは、過酸化水素発生源となる化合物を除くこととする。)と過酸化水素発生源となる化合物を組み合わせて使用することができる。
酸化剤として次亜塩素酸発生源となる化合物を使用することが好ましく、例えば、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、ジクロロヒダントイン、クロロブロモヒダントイン、ジブロモヒダントイン、次亜塩素酸カルシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が好ましく、水への溶解性や取扱性の観点から、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が好ましい。また、次亜塩素酸発生源となる化合物以外の酸化剤としてはモノ過硫酸カリウム複塩などが使用できる。
過酸化水素発生源となる化合物としては、例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過酢酸や安息香酸過酸化物等の有機過酸化物及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が好ましく、配合安定性に優れ水への溶解性が良いことと入手のし易さや取扱い性の観点から、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が好ましい。
錠剤と粉末の配合組成は同一組成でも良いし、異なる組成でも良い。
酸化剤と過酸化水素発生源となる化合物とを組み合わせて使用することにより、酸素ガス発生により起泡剤として作用する。例えば、酸化剤として次亜塩素酸発生源となるジクロロイソシアヌル酸ナトリウム1モルは、水に溶解した際に2モルの次亜塩素酸を発生する。一方、例えば、過酸化水素発生源となる過炭酸ナトリウム1モルは、炭酸ナトリウム1モルに計算上1.5モルの過酸化水素が付加しており、水に溶解した際に1.5モルの過酸化水素を発生する。水中で次亜塩素酸と過酸化水素は下記反応式(I)に従って塩酸と水と酸素を生じる。即ち、3モルのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから生じる6モルの次亜塩素酸と当量の過酸化水素6モルを得るためには4モルの過炭酸ナトリウムが必要になる。
HClO+H → HCl+HO+O ・・・(I)
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの分子量は220であり、炭酸ナトリウム1モルに計算上1.5モルの過酸化水素が付加している過炭酸ナトリウムの分子量が157であるため、3モル(660g)のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから生じる次亜塩素酸と過不足無く反応するように過酸化水素を放出するために必要な過炭酸ナトリウムは4モル(628g)となる。この場合、過不足無く反応する次亜塩素酸と過酸化水素を得るためのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムとの質量比は、1.05:1と考えることができる。なお、次亜塩素酸は、水中においてはpH等の影響により次亜塩素酸イオンや塩素ガスの形態を取り得るが、いずれの形態でも過酸化水素と反応し得る。
酸化剤及び過酸化水素発生源となる化合物の両方が、式(I)で示す反応を過不足無く行う比率で配合されている場合には、起泡剤の配合量は酸化剤と過酸化水素発生源となる化合物の合計量と等しい。一方、酸化剤又は過酸化水素発生源となる化合物のどちら一方が過不足なく反応する必要量を超えて配合されている場合には、当該余剰量分の酸化剤又は過酸化水素発生源となる化合物は漂白剤として作用する。そのため、本明細書においては、酸素ガスを発生する起泡剤の配合量という場合には、過不足無く反応する範囲で酸化剤と過酸化水素発生源となる化合物の合計量をいい、余剰分の酸化剤又は過酸化水素発生源となる化合物は漂白剤として分類する。従って、酸化剤や過酸化水素発生源となる同一の化合物を起泡剤又は漂白剤として区別することがある。
通常入手可能な過炭酸ナトリウムは、炭酸ナトリウム1モルに、計算上1.5モルの過酸化水素が付加しているものが多い。しかし、安全上の理由等から過炭酸ナトリウム中の炭酸ナトリウムの含有比率が高い(相対的に過酸化水素の付加数が少ない)過炭酸ナトリウムが存在している。本明細書において、過炭酸ナトリウムとは、このように炭酸ナトリウム1モルに対し1.5モル以下の過酸化水素が付加しているものを包含する。換言すれば、過炭酸ナトリウムには、過酸化水素が付加した炭酸ナトリウムと過酸化水素が付加していない炭酸ナトリウムとの混合物を包含するものとする。
本明細書において、「酸素ガスを発生する起泡剤を含有する」とは、前記の次亜塩素酸発生源と前記の過酸化水素発生源をいずれも含有する場合を意味し、「酸素ガスを発生する起泡剤の配合量」とは、次亜塩素酸発生源と過酸化水素発生源が過不足無く反応する範囲での次亜塩素酸発生源の配合量と過酸化水素発生源の合計量を意味する。前記の酸素ガス発生反応には寄与しない余剰量の次亜塩素酸発生源又は過酸化水素発生源については、起泡剤の配合量には含めないものとする。
酸素ガスを発生する起泡剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し(起泡性洗浄剤中)、10〜99質量%が好ましく、15〜95質量%がより好ましく、20〜90質量%が更に好ましい。
(他の添加物)
本発明の錠剤及び粉末は、種々の洗浄に有益な化合物を組み合わせて配合した組成物とすることができる。本発明の錠剤及び粉末には、本発明の効果を損なわない範囲で、起泡剤に加えて、漂白剤、界面活性剤、キレート剤(金属イオン捕集剤)、有機高分子、香料、色素、酵素、無機物等の他の添加剤を配合することができる。固体の添加物に限らず液体の添加物も使用でき、例えば、液体の添加物を、ゼオライト等の多孔質無機粉体等と予め混合して、液体成分を無機物に担持させてから配合しても良い。
漂白剤としては、水に溶解した際に次亜塩素酸発生源となる塩素系漂白剤や、水に溶解した際に過酸化水素発生源となる酸素系漂白剤等が挙げられる。
塩素系漂白剤や酸素系漂白剤は、酸素ガスを発生する起泡剤としても使用されるが、起泡剤として反応当量を越えて配合された部分については漂白剤として作用する。例えば、酸素ガスを発生する起泡剤として、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと過炭酸ナトリウムを使用する場合、前記の通り水に溶解した際に次亜塩素酸と過酸化水素が発生し、これらが反応して酸素ガスを発生する。このとき、反応当量を超える量のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが配合されている場合は、起泡後の水溶液に遊離した次亜塩素酸が残存しており、残存した次亜塩素酸は漂白剤として作用する。また、反応当量を超える量の過炭酸ナトリウムを配合している場合には、起泡後の水溶液に遊離した過酸化水素が残存しており、残存した過酸化水素は漂白剤として作用する。
このように、漂白剤を配合する場合においては、酸素ガスを発生する起泡剤として次亜塩素酸発生源又は過酸化水素発生源のいずれかを、酸素ガス発生の反応当量を超えて配合することにより、超えて配合された成分を漂白剤とすることができる。
二酸化炭素を発生する起泡剤のみを配合する場合においては、適宜、漂白剤を配合することができる。
好適な塩素系漂白剤としては、例えば、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、ジクロロヒダントイン、クロロブロモヒダントイン、ジブロモヒダントイン、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられる。入手のし易さや取扱い性の観点からトリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物が好ましい。これらの塩素系漂白剤は、単独でも又は2以上組み合わせて使用しても良い。
酸素系漂白剤としては、例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、安息香酸過酸化物等の有機過酸化物、モノ過硫酸カリウム複塩等が挙げられる。入手のし易さや取扱い性の観点から過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムが好ましい。これらの酸素系漂白剤は、単独でも又は2以上組み合わせて使用しても良い。
漂白剤としての次亜塩素酸発生源となる化合物(塩素系漂白剤等)の有効塩素含有量(Cl換算値)は、よう素滴定法を用いて算出することができる。すなわち、活性塩素とよう化カリウムとが反応して遊離するよう素をチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、次の数式3により有効塩素含有量を算出する。
(数式3)
有効塩素含有量(%)=a×f×0.35452/b
a:滴定に要した0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液(ml)
b:試料(g)
f:0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液のファクター
なお、トリクロロイソシアヌル酸の理論上の有効塩素含有量は91.5%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムでは64.5%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物では55.4%である。
過酸化水素発生源として、例えば、過炭酸ナトリウムに代表される過酸化水素付加物等の酸素系漂白剤の有効酸素含有量(O換算値)は、よう素滴定法を用いて、次の数式4により算出することができる。
すなわち、活性酸素とよう化カリウムとが反応して遊離するよう素をチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、次の数式4により有効酸素含有量を算出する。活性酸素とよう化カリウムとの反応を速めるために、1質量%に調製したモリブデン酸アンモニウム水溶液を少量加えてもよい。
(数式4)
有効酸素含有量(%)=a×f×0.08000/b
a:滴定に要した0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液(ml)
b:試料(g)
f:0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液のファクター
なお、炭酸ナトリウム1モルに計算上1.5モルの過酸化水素が付加している過炭酸ナトリウムの理論上の有効酸素含有量は15.3%である。
漂白剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し(起泡性洗浄剤中)、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましく、5〜35質量%が更に好ましい。
起泡性洗浄剤の錠剤及び粉末には、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤を配合することにより、起泡性洗浄剤の起泡により生成した泡が持続し、被洗浄物に対して洗浄剤成分を接触させやすくすると共に、界面活性剤自体が被洗浄物の汚れの除去に寄与する。界面活性剤は粉末のみに配合しても良く、錠剤のみに配合しても良く、粉末及び錠剤の両方に配合しても良い。速やかに溶解して起泡するという観点から粉末のみに界面活性剤を配合することが好ましい。
界面活性剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対する質量%で表される。例えば、粉末又は錠剤のいずれか一方のみに界面活性剤を配合する場合、粉末又は錠剤のいずれか一方のみに配合する界面活性剤の質量を、粉末及び錠剤の質量の合計値で除して100倍した値が界面活性剤の配合率(質量%)である。
界面活性剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。0.1質量%以上であれば十分な界面活性作用が得られて起泡量が増加するため好ましく、1質量%以上であればより起泡量が増加するため好ましく、2質量%以上であればさらに起泡量が増加するため好ましい。
界面活性剤の配合量が多過ぎる場合には、起泡に寄与しないだけでなく起泡剤等のその他の洗浄剤成分の配合量が制限されてしまう。そのため、界面活性剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。20質量%以下であれば界面活性剤が無駄になることが無いため好ましく、10質量%以下であれば界面活性剤が無駄になることが無くより多くの他の洗浄剤成分を配合できるためより好ましく、8質量%以下であればさらに多くの他の洗浄剤成分を配合できるためさらに好ましい。
また、界面活性剤を錠剤及び粉末には配合せず、洗浄対象の水溜り部等に別途添加しても良い。例えば、洗浄対象物に接する水溜り部に予め界面活性剤を投入しておいて、起泡性洗浄剤を投入しても良い。この場合、別途添加する界面活性剤の使用量は、錠剤及び/又は粉末に界面活性剤を配合する場合と同様の範囲とすることができる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの群から選択される1以上を使用できる。
このように、錠剤、粉末及び他の成分(界面活性剤等)をまとめて用いて洗浄できるように、錠剤及び粉末を含む容器と、他の成分を含む容器とをひとまとまりにした形態(例えば、これらがまとめて一包装されている等の形態)も本発明の起泡性洗浄剤に含まれる。
本発明で使用し得る陰イオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸カリウム石ケン、ヒマシ油カリウム石ケン、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石ケン、半硬化牛脂脂肪酸カリウム石ケンなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;C12〜C14の分岐又は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;C14〜C18のα−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルジアリールエーテルスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのアルキルリン酸塩;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などの芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;アルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩;及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、エチレンジアミン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのポリオキシエチレンアルキルアミン;ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなどのアルキルアルカノールアミド;ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、パルミチン酸ジグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸ジグリセライドなどのグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジイソテトラデシルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩;及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイド;及びこれらの群から選択される1以上が挙げられる。
本発明において使用する界面活性剤としては、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の塩素系漂白剤との配合安定性に優れるという観点から、陰イオン性界面活性剤が好ましい。塩素系漂白剤との配合安定性に特に優れ、起泡時の泡もちが良く、泡がきめ細かいという観点から、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上であることがより好ましい。
有機高分子としては、例えば、カラギーナン、グアガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸のアルカリ金属塩;デキストリン、キサンタンガム、ペクチン、デンプンあるいはこれらの誘導体などの多糖類;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他のセルロース誘導体;及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。或いは、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、オレフィン−無水マレイン酸ナトリウム塩共重合体、アクリル酸−マレイン酸ナトリウム塩共重合体、ジアリルジメチルアンモニウム−アクリル酸ナトリウム塩共重合体、ジアリルメチルアミン−マレイン酸ナトリウム塩共重合体、その他の合成高分子化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。また、複数の有機高分子を組み合わせて使用しても良い。
有機高分子の中では、起泡により生じた泡を長時間維持するという効果に優れるため多糖類を配合することがより好ましい。多糖類の中では、塩素系漂白剤との配合安定性の観点から、カラギーナン、グアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガムが好ましく、グアガムがさらに好ましい。多糖類は、錠剤及び粉末のいずれか一方のみ配合しても良いし、両方に配合しても良い。速やかに溶解するという観点から粉末のみに配合することが好ましい。
多糖類の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対して、0.01〜2.5質量%が好ましく、0.01〜1.25質量%がより好ましく、0.01〜0.25質量%がより好ましい。起泡性洗浄剤を水に溶解した際に、水の粘度が高くなりすぎず起泡量の低下を抑制するために、多糖類の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対して、2.5質量%以下が好ましい。2.5質量%以下であれば泡を長時間維持することができつつ起泡量が低下し難いため好ましく、1.25質量%以下であれば泡を長時間維持しつつより起泡量が低下し難いためより好ましく、0.25質量%以下であれば泡を長時間維持しつつさらに起泡量が低下し難いため更に好ましい。
キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩などのアミノカルボン酸塩及びこれらの水和物;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩などのヒドロキシアミノカルボン酸塩及びこれらの水和物;トリポリリン酸塩、1−ジホスホン酸、α−メチルホスホノコハク酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸等のホスホノカルボン酸、これらのアルカリ金属塩及びこれらの水和物;ポリアクリル酸及びこれらのアルカリ金属塩;グルタミン酸二酢酸塩及びこれらの水和物;及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上を使用することが出来る。入手容易性、取り扱い容易性、金属イオン捕集効果の観点から、アミノカルボン酸塩、アミノカルボン酸塩の水和物、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩の水和物、及びこれら混合物からなる群から選択される1以上のキレート剤が好ましい。
色素としては、例えば、スカーレットGコンク、パーマネントレッドGY、セイカファースト(登録商標)カーミン3870、セイカファーストエロー2200、セイカファーストエロー2700(B)(以上、商品名、大日精化工業社製)、Acid Blue 9、Direct Yellow 12(以上、商品名、東京化成工業社製)、フタロシアニンブルー、リボフラビン(以上、商品名、和光純薬工業社製)、ウルトラマリンブルー(以上、商品名、林純薬工業社製)などが挙げられる。これらの色素は、単独でも又は2種以上を組み合わせて配合しても良い。
香料としては、従来知られた香料を使用することができる。
酵素としては、洗浄に有用な種々の酵素を使用することができる。
無機物(炭酸塩を除く)としては、例えば、ケイ酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の塩化物、硫酸アルミニウム塩、シロキサン類、粘土状鉱物、ホウ素化合物などが挙げられる。
ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、これらの水和物等のアルカリ金属ケイ酸塩;硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩、硫酸マグネシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩;リン酸塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、リン酸二水素アンモニウム;アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム;アルカリ金属の塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム;粘土状鉱物としては、ヘクトライト;ホウ素化合物としては、ホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素、及びこれらの混合物等からなる群から選択される1以上が挙げられる。シロキサン類としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらのケイ酸塩、硫酸塩、リン酸塩、アルカリ金属の水酸化物、シロキサン類、粘度状鉱物、ホウ素化合物は、単独でも又は2種以上を組み合わせて配合しても良い。
本発明の錠剤には、打錠時の生産効率の向上を目的として、滑沢剤を配合することができる。使用可能な滑沢剤は特に限定されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩、タルク、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上が挙げられる。
(起泡性洗浄剤の好適な態様)
本発明の起泡性洗浄剤は、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末を組み合わせてなる。粉末に対する錠剤の質量比(錠剤/粉末)が、0.14〜5が好ましく、0.3〜2.5がより好ましい。
錠剤の形状は、円柱型が好ましい。円柱の底面の直径は、5〜40mmが好ましく、20〜30mmがより好ましい。円柱の高さは、5〜40mmが好ましく、10〜30mmがより好ましい。錠剤底面の直径と錠剤の高さとの合計長さは、10〜50mmが好ましく、20〜45mmがより好ましい。錠剤底面の直径を錠剤の高さで除した値は、1〜10が好ましく、1.5〜3.5がより好ましい。
錠剤及び粉末に含まれる起泡剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対し(起泡性洗浄剤中)、20質量%〜90質量%が好ましく、40質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜85質量%が更に好ましい。
錠剤及び粉末に含まれる起泡剤としては、次亜塩素酸発生源及び過酸化水素発生源からなる起泡剤、並びに有機酸及び炭酸塩からなる起泡剤のいずれか又は両方を含むことが好ましい。そのうち、次亜塩素酸発生源及び過酸化水素発生源からなる起泡剤を含むことがより好ましい。次亜塩素酸発生源としては、ハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩(特に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム等)等が好ましく、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムがより好ましい。過酸化水素発生源としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等が好ましく、過炭酸ナトリウムがより好ましい。有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、クエン酸、安息香酸等が好ましく、コハク酸、フマル酸がより好ましい。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が好ましく、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明の起泡性洗浄剤の錠剤及び/又は粉末には、さらに漂白剤及び/又は界面活性剤を含むことが好ましい。特に、粉末には界面活性剤を含むことがより好ましい。
漂白剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対して(起泡性洗浄剤中)、1〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
漂白剤としては、塩素系漂白剤が好ましく、そのうち、ハロゲン化イソシアヌル酸又はその塩(特に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム等)等がより好ましく、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムがさらに好ましい。
界面活性剤の配合率は、錠剤及び粉末の合計質量に対して(起泡性洗浄剤中)、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8質量%がより好ましい。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤が好ましく、そのうち、アルキル硫酸エステル塩(ラウリル硫酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホン酸塩(α−オレフィンスルホン酸ナトリウム)等がより好ましい。
本発明の起泡性洗浄剤は、さらに、有機高分子(特に多糖類等)、無機物(特にホウ素化合物、ケイ酸塩、リン酸塩等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)等の他の添加剤を含んでいることが好ましい。
(起泡性洗浄剤の使用方法)
本発明の起泡性洗浄剤は、水溜まりを有する洗浄対象物に投入することにより、洗浄対象物の汚れを効率的に洗浄又は漂白することができる。洗浄対象物としては、常時に水と接し汚れが蓄積しやすい水周りの硬質面が挙げられる。具体的には、台所、洗面所、風呂、トイレ等の水溜り部、排水口、排水管内部等が例示される。
本発明の起泡性洗浄剤は、水に投入した際に起泡量が多く、起泡により生じた洗浄剤成分を含む泡を、水溜り部の喫水面や排水口の周辺や排水管内部の汚れが付着した部位の広範囲に行き届けることができ、効率よく洗浄することができる。
例えば、本発明の洗浄剤組成物をトイレの水溜り部に投入すると、泡が大きく盛り上がって喫水面周辺(便器の内壁)に到達すると同時に、水溜り部の水底や奥の配管内にも洗浄剤成分が行き渡らせることができ、また、本発明の洗浄剤組成物を、台所の排水口下部の水溜り部の水に投入すると、泡が大きく盛り上がって、排水口の蓋や内壁、ストレーナー等にも洗浄剤成分が行き渡らせることができる。さらに、本発明の起泡性洗浄剤は、通常は水が溜まっていないような場所でも、水を組み合わせて投入できる場所であれば使用可能である。例えば、浴室等の排水口、バスタブ、キッチンのシンク等が挙げられる。
本発明の起泡性洗浄剤の効果を有効に発揮するためには、投入後の水溶液中の起泡性洗浄剤の濃度を、1〜500g/Lとすることが好ましく、5〜300g/Lとすることがより好ましく、10〜100g/Lとすることがさらに好ましい。起泡性洗浄剤の濃度は、1g/L以上であれば十分な起泡量が得られるため、粉末のみを使用する場合と比べて起泡量の増大効果が得られ易く、5g/L以上であればより起泡量の増大効果が得られ易く、10g/L以上であればさらに起泡量の増大効果が得られ易い。
本発明の起泡性洗浄剤は、使用上の安全性の観点から、水に溶解した際のpHが中性付近であることが好ましい。水溶液のpHが中性付近であるとは、起泡性洗浄剤の錠剤及び粉末の両方を水に溶解した場合、5質量%水溶液(20〜25℃)のpHが6〜8であることを意味する。本発明の起泡性洗浄剤は、5質量%水溶液のpHが6〜8であることが好ましく、pH6.5〜7.5であることがさらに好ましい。5質量%水溶液のpHが6以上になると塩素ガスなど有害なガス発生リスクが低下し、pHが6.5以上になるとさらにそのリスクが低下する。一方、pHが8以下になるとアルカリ性による皮膚や目に対する腐食性のリスクが低くなり、pHが7.5以下になるとさらにそのリスクが低くなり、起泡性洗浄剤をより安全に使用できる。また、起泡性洗浄剤は、洗浄対象物に高濃度で作用して用いることができる。そのため、起泡性洗浄剤の水溶液のpHは、比較的高濃度である5質量%水溶液を用いて測定することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した原材料や実験機器は次のとおりである。
[原材料]
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム:四国化成工業社製、商品名「ネオクロール60MG」(有効塩素含有量64.0%)
・過炭酸ナトリウム:保土ヶ谷化学社製、商品名「PC−A」(有効酸素含有量11.8%)
・炭酸水素ナトリウム(重曹ということがある):トクヤマ社製
・コハク酸:日本触媒社製
・酸化ほう素:新日本電工社製
・ほう酸:新日本電工社製
・ラウリル硫酸ナトリウム: 花王社製、商品名「エマール10PT 」
・α−オレフィンスルホン酸ナトリウム:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「リポランPB800」
・グアガム:三晶社製、商品名「ネオビスコG」
・ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業株式会社製
・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製
・合成層状シリケート:ビックケミ-・ジャパン社製、商品名「ラポナイト」
[機器]
[ふるい振とう機]
・レッチェ社製「AS200CONTROL」
[ポットミキサー]
・アズワン社製「PM−01」
[pHメーター]
・堀場製作所社製「F−51」
[pH電極]
・堀場製作所社製「9615S−10D」
[起泡性洗浄剤の製造方法]
各表に記載の錠剤の配合組成で混合した組成物を、ハードクロムメッキを施した鋼鉄製の臼杵を用いて、小型の油圧式圧縮機(ラボ用ベンダー)を用いて20MPaの圧力で加圧して円柱型の錠剤を得た。なお、各表に記載の通り錠剤の直径は20.0〜30.0mm、高さは9.50〜18.5mm、質量は5.00〜20.0gとなるように調製した。
同様に各表に記載した粉末の配合組成となるように各成分をポリエチレン製の袋に入れ、袋の口を硬く封をして、袋全体を手動で5分以上激しく振ることにより混合し、粉末の組成物を得た。
粉末の平均粒子径は、本明細書の(粉末)の項に記載した方法により測定した。本発明で使用した原材料の粉末は、いずれも平均粒子径が200μm〜1000μmの範囲内であった。
得られた錠剤及び粉末を所定の質量比でそれぞれ混合し、アルミラミネートフィルム容器に包装し、錠剤及び粉末からなる起泡性洗浄剤(実施例)を得た。得られた錠剤をアルミラミネートフィルム容器に包装し、錠剤のみからなる起泡性洗浄剤(比較例)を得た。得られた粉末をアルミラミネートフィルム容器に包装し、粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例)を得た。
[起泡性洗浄剤の使用方法]
上記で得られた錠剤及び粉末からなる起泡性洗浄剤(実施例)が入ったアルミラミネートフィルムを開封し、錠剤及び粉末を同時に水溜り部に投入した。即ち、同一包装した錠剤及び粉末を同時に水溜り部に投入することにより、粉末のみの起泡性洗浄剤を投入する場合と比較した。
比較のために、上記で得られた錠剤のみ又は粉末のみからなる起泡性洗浄剤についても同様の試験を実施した。一般に、錠剤のみからなる起泡性洗浄剤は、粉末のみからなる起泡性洗浄剤と比べて通常は起泡量が少ないので、起泡量測定試験では、主に粉末のみからなる起泡性洗浄剤について評価した。
[起泡量測定試験]
起泡性洗浄剤の泡量は、容量5000mlの樹脂製のメスシリンダーに、25℃に調節した水道水を2000ml入れ、起泡性洗浄剤40.0gを投入し、2、5、10、20、30、60分後の泡の到達点のメスシリンダーの目盛を読み取り、それから水量(2000ml)を差し引いた量を各時間後の泡量(ml)とした。投入して0分後の泡量は0mlとした。60分後の泡量を所定時間経過後(60分後)の起泡量とした。
2、5、10、20、30、60分後の中で最も泡量が多くなった際の泡量を、最大泡量(ml)とした。
0、2、5、10、20、30、60分後の泡量をそれぞれ、A、B、C、D、E、F、G(ml)とした場合、
(a)=[(B+A)/2]×(2−0)
(b)=[(C+B)/2]×(5−2)
(c)=[(D+C)/2]×(10−5)
(d)=[(E+D)/2]×(20−10)
(e)=[(F+E)/2]×(30−20)
(f)=[(G+F)/2]×(60−30)
を計算し、[(a)〜(f)の合計値]/60を算出して、平均泡量(ml)とした。
30分後保持率(%)及び60分後保持率(%)は、最大泡量に達した後、30分後及び60分後の泡量を測定し、それらの泡量が最大泡量に対して保持されている割合を意味する。
30分後保持率(%)=[(30分後の泡量)/(最大泡量)]×100
60分後保持率(%)=[(60分後の泡量)/(最大泡量)]×100
最大泡量増加率(%)は、粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例)の最大起泡量に対する、本発明による起泡性洗浄剤(実施例)の最大起泡量の割合を意味する。最大泡量増加率が100%を超えている場合、最大泡量が増大していると評価する。
最大泡量増加率(%)=[(実施例の最大泡量)/(比較例の最大泡量)]×100
60分後泡量の増加率(%)は、粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例)の60分後泡量に対する、本発明による起泡性洗浄剤(実施例)の60分後泡量の割合を意味する。60分後泡量の増加率が100%を超えている場合、60分後泡量が増大していると評価する。
60分後泡量の増加率(%)=[(実施例の60分後の泡量)/(比較例の60分後の最大泡量)]×100
本発明による起泡性洗浄剤(実施例)が、粉末のみの起泡性洗浄剤に比べて、最大泡量及び60分後の泡量の少なくとも一方が増大していれば、起泡量が増大していると評価する。
最大泡量が多いほど、泡が広範囲に行き渡るため、洗浄対象物に対し広範囲に洗浄剤成分を行き渡らせることができる。また、60分後の泡量が多いほど長時間経過後も泡が維持されることを意味する。起泡性洗浄剤は、水に投入した際に、泡が洗浄対象物に広範囲に行き渡り、且つ、泡が長時間維持されて洗浄対象物に洗浄成分を含有する泡を長時間作用させることができる。本発明による起泡性洗浄剤(実施例)は、粉末のみの起泡性洗浄剤(比較例)と比較して、最大泡量と60分後泡量の両方が増大していることが好ましい。
従って、起泡量測定試験の結果、粉末のみの起泡性洗浄剤を使用した場合と比較して、最大泡量又は60分後泡量のどちらか一方のみが増大している場合を起泡量が増大しているとして「〇」と評価し、最大泡量及び60分後泡量の両方が増大している場合を起泡量がより増大しているとして「◎」と評価した。
[pHの測定]
水の質量に対して5質量%の起泡性洗浄剤を蒸留水(イオン交換水を用いても良い)に溶解し、30分間撹拌した。撹拌後の水溶液約50mlをガラス製ビーカーに移し、pHメーターで測定した。測定の直前にpH4標準液及びpH7標準液及びpH9標準液を用いて3点校正を実施した。なお、測定時の起泡性洗浄剤5質量%水溶液の温度は20℃から25℃であった。
(実施例1〜9、比較例1〜9)
表1〜3に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含まず酸素ガスを発生する起泡剤を含有する錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤を調製した。表1〜3で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例1〜9)。
比較として、実施例1〜9に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤を調製し、同様に評価した(比較例1〜9)。
結果は表4に記載した通りであった。実施例1〜9はいずれも、比較例1〜9と比較して、60分後の泡量増加率が増大した。実施例3〜8はさらに最大泡量増加率も増大した。
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(実施例10〜16、比較例10〜16)
表5〜7に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含有し酸素ガスを発生する起泡剤を含まない粉末を調製し、酸素ガスを発生する起泡剤を含有して二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含まない錠剤を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤を調製した。表5〜7で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例10〜16)。
比較として、実施例10〜16に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤を調製し、同様に評価した(比較例10〜16)。
結果は表8に記載した通りであった。実施例10〜16はいずれも、同一組成の粉末のみからなる比較例10〜16と比較して、60分後の泡量増加率が増大し、実施例11〜16はさらに最大泡量増加率も増大した。
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(実施例17〜25、比較例17〜25)
表9〜11に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含まず酸素ガスを発生する起泡剤を含有する粉末を調製し、酸素ガスを発生する起泡剤を含まず二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含有する錠剤を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤を調製した。表9〜11で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例17〜25)。
比較として、実施例17〜25に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤を調製し、同様に評価した(比較例17〜25)。
結果は表12に記載した通りであった。実施例17〜25はいずれも、同一組成の粉末のみからなる比較例17〜25と比較して、60分後の泡量増加率が増大し、さらに最大泡量増加率も増大した。
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(実施例26〜34、比較例26〜34)
表13〜15に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含有し酸素ガスを発生する起泡剤を含まない錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤を調製した。表13〜15で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例26〜34)。
比較として、実施例26〜34に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤を調製し、同様に評価した(比較例26〜34)。
結果は表16に記載した通りであった。実施例26〜34はいずれも最大泡量増加率が増大し、さらに実施例26〜30、32〜34は60分後の泡量増加率も増大した。
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(実施例35〜41、比較例35〜38)
表17に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含有し酸素ガスを発生する起泡剤を含まない錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤(実施例35〜36)を調製した。また、表18〜19に記載の配合組成で、酸素ガスを発生する起泡剤と二酸化炭素を発生する起泡剤の両方を含有する錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤(実施例37〜41)を調製した。表17〜19で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例35〜41)。
比較として、実施例35〜36に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例35)と、実施例35〜36に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の錠剤のみからなる起泡性洗浄剤(比較例36)を調製し、同様に評価した。比較例36の錠剤は、実施例35〜36で使用したものと同じ錠剤(φ20.0mm、5.00g)を8個用いた。
同様に、実施例37〜41に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例37)と、実施例37〜41に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の錠剤のみからなる起泡性洗浄剤(比較例38)を調製し、同様に評価した。比較例38の錠剤は、実施例37〜41で使用したものと同じ錠剤(φ20.0mm、5.00g)を8個用いた。
実施例35〜36及び比較例35〜36の結果、並びに実施例37〜41及び比較例37〜38の結果は、表20に記載した通りであった。実施例35〜36はいずれも、60分後泡量増加率が増大し、さらに最大泡量増加率も増大した。実施例37〜41はいずれも、60分後泡量増加率が増大し、加えて実施例37〜39及び41は最大泡量増加率も増大した。
Figure 2021187867
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(実施例42〜47、比較例39〜41)
表21に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤を含まず酸素ガスを発生する起泡剤を含有する錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤(実施例42〜44)を調製した。また、表22に記載の配合組成で、二酸化炭素を発生する起泡剤と酸素ガスを発生する起泡剤の両方を含有する錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤(実施例45〜47)を調製した。表21〜22で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例42〜47)。
比較として、実施例42〜44に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例39)と、実施例42〜44に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の錠剤のみからなる起泡性洗浄剤(比較例40)を調製し、同様に評価した。比較例40の錠剤は、実施例42〜44で使用したものと同じ錠剤(φ20.0mm、5.00g)を8個用いた。
同様に、実施例45〜47に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例41)を調製し、同様に評価した。
実施例42〜44及び比較例39〜40の結果、並びに実施例45〜47及び比較例41の結果は、表23に記載した通りであった。実施例42〜44はいずれも、最大泡量増加率と60分後泡量増加率のどちらも増大した。実施例45〜47もいずれも最大泡量増加率と60分後泡量増加率のどちらも増大した。
Figure 2021187867
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(実施例48〜54、比較例42)
表24〜26に記載の配合組成で、二酸化炭素ガスを発生する起泡剤と酸素ガスを発生する起泡剤の両方を含有する錠剤及び粉末を調製し、当該錠剤及び粉末を混合してアルミラミネートフィルム容器に包装して起泡性洗浄剤(実施例48〜54)を調製した。表24に記載した実施例48〜50ではそれぞれ、直径φ20.0mmの錠剤を1〜3個使用した。表25〜26に記載した実施例51〜54では、直径φ30.0mmの錠剤を1個使用した。表24〜26で調製した起泡性洗浄剤を用いて、洗浄対象を模した水道水を入れたメスシリンダーに錠剤及び粉末を同時に投入し、起泡量等を測定した(実施例48〜54)。
同様に、実施例48〜54に含まれる粉末及び錠剤の組成と同一組成の粉末のみからなる起泡性洗浄剤(比較例42〜48)を調製し、同様に評価した。
実施例48〜54及び比較例42〜48の結果は表27に記載した通りであった。実施例48〜54はいずれも最大泡量増加率と60分後泡量増加率のどちらも増大した。
Figure 2021187867
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以上の結果より、本発明の錠剤と粉末を組み合せた起泡性洗浄剤は、同一組成の粉末のみ又は錠剤のみの起泡性洗浄剤と比べて、最大泡量増加率と60分後泡量増加率のいずれか又は両方が増大することが明らかとなった。この起泡量の増大効果により、本発明の起泡性洗浄剤は、喫水面付近の汚れをより効率的に洗浄できることが判った。
一般に、起泡性洗浄剤の組成を同一にした場合において、錠剤の方が粉末に比べて最大起泡量が劣るため、粉末と錠剤を組み合わせた起泡性洗浄剤の起泡量は、粉末のみの起泡性洗浄剤と錠剤のみの起泡性洗浄剤の中間程度の起泡量になると予想された。しかし、本発明のように錠剤と粉末を組み合わせることにより、粉末のみ及び錠剤のみのいずれの場合よりも高い起泡量を有することが明らかとなった。このような効果は、従来技術からは予想することが出来ない顕著な効果である。さらに、当該組合せにより泡の持続性が向上し、60分後泡量増加率が増大したことも、従来技術から予想することができない顕著な効果である。
本発明によれば、高い起泡量を有し、さらに広範囲に洗浄剤成分を行き渡らせる事ができる起泡性洗浄剤及びその使用方法を提供することができ、産業上の利用可能性は多大である。

Claims (13)

  1. 起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末の組み合わせを含んでなる起泡性洗浄剤。
  2. 粉末に対する錠剤の質量比(錠剤/粉末)が0.14〜7である、請求項1に記載の起泡性洗浄剤。
  3. 錠剤及び粉末に含まれる起泡剤の含有量の合計が、10質量%〜99質量%である、請求項1又は2に記載の起泡性洗浄剤。
  4. 起泡剤が、酸素を発生する起泡剤及び二酸化炭素を発生する起泡剤からなる群から選択される1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
  5. 錠剤及び粉末が、それぞれ同一又は異なって、次亜塩素酸発生源及び過酸化水素発生源からなる起泡剤、並びに有機酸及び炭酸塩からなる起泡剤のいずれか又は両方を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
  6. 錠剤及び粉末が、それぞれ同一又は異なって、次亜塩素酸発生源及び過酸化水素発生源からなる起泡剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
  7. 次亜塩素酸発生源が、ハロゲン化イソシアヌル酸、ハロゲン化ヒダントイン、及び次亜塩素酸カルシウムからなる群から選択される1以上であり、過酸化水素発生源が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、及び有機過酸化物からなる群から選択される1以上である、請求項5又は6に記載の起泡性洗浄剤。
  8. 起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末の混合物を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
  9. 起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末がそれぞれ異なる容器に収容されてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の起泡性洗浄剤。
  10. 請求項8に記載の起泡性洗浄剤の製造方法であって、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末を混合する工程を含む、製造方法。
  11. 請求項9に記載の起泡性洗浄剤の製造方法であって、起泡剤を含む錠剤及び起泡剤を含む粉末をそれぞれ異なる容器に収容する工程を含む、製造方法。
  12. 起泡性洗浄剤の使用方法であって、請求項1〜9のいずれかに記載の起泡性洗浄剤に含まれる起泡剤を含む粉末及び起泡剤を含む錠剤を、水が付着した洗浄対象物に接触させる工程を含む、使用方法。
  13. 洗浄対象物の洗浄方法であって、請求項1〜9のいずれかに記載の起泡性洗浄剤に含まれる起泡剤を含む粉末及び起泡剤を含む錠剤を、水が付着した洗浄対象物に接触させる工程を含む、洗浄方法。
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