JP2021187812A - コエンザイムq10安定化組成物、コエンザイムq10を安定化するための組成物、コエンザイムq10の安定化方法 - Google Patents

コエンザイムq10安定化組成物、コエンザイムq10を安定化するための組成物、コエンザイムq10の安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善する組成物やコエンザイムQ10の安定化方法を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、コエンザイムQ10、微粒多孔質物質、及びカルシウム又はマグネシウムを含有することを特徴とするコエンザイムQ10安定化組成物を提供する。これにより、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善する組成物やコエンザイムQ10の安定化方法を提供することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、コエンザイムQ10安定化組成物、コエンザイムQ10を安定化するための組成物及びコエンザイムQ10の安定化方法に関する。より詳しくは、医薬品、健康食品などの分野で用いるコエンザイムQ10安定化組成物、コエンザイムQ10を安定化するための組成物及びコエンザイムQ10の安定化方法に関する。
コエンザイムQ10は、CoQ10、補酵素Q、ユビキノン、ユビデカレノンなどと呼ばれ、高等生物に存在する補酵素の1種である。また、コエンザイムQ10は、補酵素としての機能だけではなく、生体の酸素利用効率を改善させる作用、フリーラジカルを捕捉する作用などを有し、種々の健康機能に関与するとされている。コエンザイムQ10の臨床的効果としては、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患、筋ジストロフィーなどの症状改善、高血圧、動脈硬化、糖尿病、歯周病などの予防や治療、制癌剤や向精神薬の副作用の予防などが報告されている。また、コエンザイムQ10が酸素利用効率を改善することから、疲労回復、運動機能回復、体重減少のための健康食品、サプリメントとしても利用されている。このようにコエンザイムQ10は高い生理活性を有しつつ、生体内に存在することから、安全性の高い有効成分として有用な物質である。
一方、カルシウムは、骨や歯の主要成分となるだけでなく、細胞分裂、細胞分化、筋肉収縮、神経機能、血液凝固作用などに関与している。また、マグネシウムは、補酵素として、神経機能、筋肉の収縮、ホルモン分泌、体温調節など代謝機構全般に関わっている。近年、カルシウムやマグネシウムの摂取量は、食生活の変化などから不足する傾向にあり、健康食品、サプリメントなどで補うことが多くなっている。
健康食品、サプリメントなどの分野では、コエンザイムQ10だけでなく、カルシウム、マグネシウムを配合した食品などが商品化されている。しかし、コエンザイムQ10は、ミネラル類としてカルシウムやマグネシウムと混合すると不安定になることが明らかとなっている。そこで、カルシウムやマグネシウムを含有し、かつコエンザイムQ10の安定性を改善した食品などが検討されている。安定なコエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有する食品としては、例えば、特許文献1には、造粒物やマイクロカプセル封入物の形態であるコエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有する錠剤が開示されている。
特開2006−320311号公報
特許文献1に記載の食品は、コエンザイムQ10の安定性を改善するために、コエンザイムQ10とカルシウム、マグネシウムを別個の造粒物やマイクロカプセル封入物とした後に、それらを混合して錠剤やカプセル剤、顆粒剤としたものである。この製造方法では、コエンザイムQ10とカルシウム、マグネシウムを一度に混合することができず、製造工程の増加により製造効率や品質の低下が懸念される。そのため、カルシウム、マグネシウムの存在下でも、コエンザイムQ10を安定化する簡便な方法が望まれている。
本発明の課題は、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善する組成物やコエンザイムQ10の安定化方法を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、コエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有する組成物に微粒多孔質物質を配合することによって、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善することができるという知見に至り、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供する。
[1]コエンザイムQ10、微粒多孔質物質、及びカルシウム又はマグネシウムを含有することを特徴とするコエンザイムQ10安定化組成物。
このコエンザイムQ10安定化組成物によれば、微粒多孔質物質の作用により、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善した組成物とすることができる。
[2]前記微粒多孔質物質は、微粒二酸化ケイ素であることを特徴とする[1]に記載のコエンザイムQ10安定化組成物。
この特徴によれば、微粒二酸化ケイ素を選択することにより、微粒多孔質物質を簡便に入手することができる。
[3]前記カルシウム又はマグネシウムは、ドロマイト、貝殻から選ばれる1種又は2種を由来とすることを特徴とする[1]又は[2]に記載のコエンザイムQ10安定化組成物。
この特徴によれば、ドロマイトや貝殻由来のカルシウム、マグネシウムを用いることにより、安全性の高い組成物を提供することができる。
[4]微粒多孔質物質を有効成分として含有することを特徴とする、コエンザイムQ10、及びカルシウム又はマグネシウム含有組成物中のコエンザイムQ10を安定化するための組成物。
このコエンザイムQ10を安定化するための組成物によれば、微粒多孔質物質の作用により、コエンザイムQ10、及びカルシウム、マグネシウムを含有する組成物中のコエンザイムQ10の安定性を向上させることができる。
[5]前記微粒多孔質物質は、微粒二酸化ケイ素であることを特徴とする[4]に記載のコエンザイムQ10を安定化するための組成物。
この特徴によれば、微粒二酸化ケイ素を選択することにより、微粒多孔質物質を簡便に入手することができる。
[6]前記カルシウム又はマグネシウムは、ドロマイト、貝殻から選ばれる1種又は2種を由来とすることを特徴とする[4]又は[5]に記載のコエンザイムQ10を安定化するための組成物。
この特徴によれば、コエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有する安全性の高い組成物中におけるコエンザイムQ10の安定性を向上することができる。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の組成物を含有することを特徴とするコエンザイムQ10含有錠剤。
この錠剤によれば、微粒多孔質物質の作用により、安定なコエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有することができる。
[8]コエンザイムQ10の安定化方法であって、コエンザイムQ10、及びカルシウム又はマグネシウムを含有する組成物に微粒多孔質物質を添加することを特徴とするコエンザイムQ10の安定化方法。
このコエンザイムQ10の安定化方法によれば、微粒多孔質物質を添加することにより、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善することができる。
[9]前記微粒多孔質物質は、微粒二酸化ケイ素であることを特徴とする[8]に記載のコエンザイムQ10の安定化方法。
この特徴によれば、微粒二酸化ケイ素を選択することにより、微粒多孔質物質を簡便に入手することができる。
本発明によれば、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善する組成物やコエンザイムQ10の安定化方法を提供することができる。
本発明の錠剤におけるコエンザイムQ10の残存率について示す図である。
以下、本発明のコエンザイムQ10安定化組成物、コエンザイムQ10を安定化するための組成物、錠剤、コエンザイムQ10の安定化方法について説明する。
なお、実施形態に記載するコエンザイムQ10安定化組成物、コエンザイムQ10を安定化するための組成物、錠剤、コエンザイムQ10の安定化方法については、本発明を説明するために例示したに過ぎず、これに制限されるものではない。
[コエンザイムQ10安定化組成物]
本発明のコエンザイムQ10安定化組成物は、コエンザイムQ10、微粒多孔質物質、カルシウム、マグネシウムを含有するコエンザイムQ10の安定化組成物である。
まず、コエンザイムQ10安定化組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量について、特に断りがない場合はコエンザイムQ10安定化組成物における含有量を示す。
(コエンザイムQ10)
コエンザイムQ10は、ベンゾキノン構造を有し、補酵素としての生理活性を奏するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、酸化型コエンザイムQ10(ユビキノン)、還元型コエンザイムQ10(ユビキノール)、コエンザイムQ10誘導体などが挙げられる。
コエンザイムQ10の具体例としては、例えば、商品名「コエンザイムQ10パウダー50」(三菱ケミカルフーズ株式会社製)などが挙げられる。
コエンザイムQ10誘導体の具体例としては、例えば、乳化処理や水溶化処理によりコエンザイムQ10の水可溶性、生体吸収性、生体安定性などを向上させたもの、コエンザイムQ10のリン酸化合物などが挙げられる。また、これらのコエンザイムQ10は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
コエンザイムQ10の含有量は、特に制限されるものではなく、例えば、0.05質量%以上2.0質量%以下である。下限値としては、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
コエンザイムQ10の含有量を上記範囲とすることで、コエンザイムQ10の生理作用を十分に発揮することができる。
(微粒多孔質物質)
微粒多孔質物質は、無数の空孔を有する微粒子であり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、微粒二酸化ケイ素、活性炭、微結晶セルロースなどが挙げられる。また、これらの微粒二酸化ケイ素は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
微粒二酸化ケイ素は、二酸化ケイ素、シリカゲル、フュームドシリカを微粉末化したものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、ケイ酸ソーダを硫酸で直接分解する湿式法により作製される微粒二酸化ケイ素、四塩化ケイ素の酸水素焔中で高温加水分解する気相法により作製される微粒二酸化ケイ素などが挙げられる。
微粒二酸化ケイ素の具体例としては、例えば、商品名「サイロページ720」(富士シリシア化学株式会社製;平均粒子径2.9μm)などが挙げられる。また、これらの微粒二酸化ケイ素は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
微粒多孔質物質の平均粒子径は、特に制限されるものではなく、例えば、50μm以下である。上限値としては、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
微粒多孔質物質の平均粒子径を上記範囲とすることで、コエンザイムQ10に対する安定性効果を更に発揮することができる。
微粒多孔質物質の含有量は、特に制限されるものではなく、例えば、0.1質量%以上3.5質量%以下である。下限値としては、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.7質量%以下である。
また、カルシウム、マグネシウムの含有量に対する微粒多孔質物質の含有量の質量比は、特に制限されるものではなく、例えば、0.002以上3.0以下である。下限値としては、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.015以上である。一方、上限値としては、より好ましくは2.7以下、更に好ましくは2.6以下である。
微粒多孔質物質の含有量を上記範囲とすることで、コエンザイムQ10に対する安定性効果を更に発揮することができる。
(カルシウム、マグネシウム)
カルシウム、マグネシウムは、生体必須ミネラルであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、塩化物、炭酸化物、硫酸化物、水酸化物、リン酸化物などの化学合成したカルシウム化合物やマグネシウム化合物、天然物由来のカルシウムやマグネシウムなどが挙げられる。好ましいカルシウム、マグネシウムとしては、安全性の観点から、天然物由来のカルシウム、マグネシウムである。
カルシウムの具体例としては、例えば、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、パントテン酸カルシウムなどが挙げられる。
天然物由来のカルシウムの具体例としては、例えば、ホタテ貝殻やカキ貝殻などの貝殻由来のカルシウム、ドロマイト、卵殻カルシウム、珊瑚カルシウム、ウニ殻カルシウム、石化海藻カルシウム、真珠カルシウム、牛骨カルシウム、魚骨粉カルシウム、魚鱗片カルシウム、海水カルシウムなどが挙げられる。これらの天然物由来のカルシウムは、焼成カルシウムであっても未焼成カルシウムであってもよい。
マグネシウムの具体例としては、例えば、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、L−グルタミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
天然物由来のマグネシウムの具体例としては、例えば、ドロマイト、珊瑚マグネシウム、ウニ殻マグネシウム、海藻マグネシウム、酵母マグネシウム、苦汁(にがり)、海水マグネシウム、穀類果皮マグネシウムなどが挙げられる。これらの天然物由来のマグネシウムは、焼成マグネシウムであっても未焼成マグネシウムであってもよい。また、これらのカルシウム、マグネシウムは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
カルシウムの含有量(カルシウム元素の含有量)は、特に制限されるものではなく、例えば、1.5質量%以上20質量%以下である。下限値としては、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは2.2質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは17質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
マグネシウムの含有量(マグネシウム元素の含有量)は、特に制限されるものではなく、例えば、2質量%以上15質量%以下である。下限値としては、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは9質量%以下である。なお、カルシウム、マグネシウムの含有量は、組成物や錠剤などの成分量を分析することにより求めてもよいし、カルシウムやマグネシウムの供給源の組成物や錠剤などにおける配合量から算出してもよい。
カルシウム、マグネシウムの含有量を上記範囲とすることで、コエンザイムQ10に対する微粒多孔質物質の安定性効果を更に発揮することができる。
(コエンザイムQ10安定化組成物の形態)
コエンザイムQ10安定化組成物の形態は、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、糖衣錠、バッカル錠、コーティング錠、チュアブル錠などの錠剤、丸剤、散剤、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などの液剤、トローチ剤、加工食品、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品など)、サプリメント、病者向け食品(病院食、病人食、介護食など)、菓子、油脂類、乳製品、レトルト食品、レンジ食品、冷凍食品、調味料、健康補助食品、飲料、栄養ドリンクなどが挙げられる。
以上の特徴により、本発明におけるコエンザイムQ10安定化組成物は、微粒多孔質物質の作用により、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善するという効果を発揮することができる。
[コエンザイムQ10を安定化するための組成物]
本発明のコエンザイムQ10を安定化するための組成物は、微粒多孔質物質を含有する組成物である。この組成物は、コエンザイムQ10を含有する組成物に適用することにより、カルシウムやマグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善することができる。
まず、コエンザイムQ10を安定化するための組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量について、特に断りがない場合はコエンザイムQ10を安定化するための組成物の含有量を示す。
なお、コエンザイムQ10を安定化するための組成物を構成する微粒多孔質物質、本発明を適用するコエンザイムQ10含有組成物中に含まれるコエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムについては、上記本発明のコエンザイムQ10安定化組成物と同様でもよい。また、コエンザイムQ10を安定化するための組成物における微粒多孔質物質の含有量は、上記[コエンザイムQ10安定化組成物]における(微粒多孔質物質)の項の記載におけるコエンザイムQ10安定化組成物をコエンザイムQ10を安定化するための組成物に置き換え、その説明を充足するものであればよい。
コエンザイムQ10を安定化するための組成物の使用量は、特に制限されるものではなく、例えば、上記[コエンザイムQ10安定化組成物]における(微粒多孔質物質)、(カルシウム、マグネシウム)の項の説明を充足するものであればよい。
以上の特徴により、本発明におけるコエンザイムQ10を安定化するための組成物は、微粒多孔質物質を有効成分とすることにより、カルシウム、マグネシウムの存在下におけるコエンザイムQ10の安定性を改善するという効果を発揮することができる。
[コエンザイムQ10含有錠剤]
本発明のコエンザイムQ10含有錠剤は、コエンザイムQ10、微粒多孔質物質、カルシウム、マグネシウムを含有する錠剤である。
まず、コエンザイムQ10含有錠剤を構成する各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量について、特に断りがない場合はコエンザイムQ10含有錠剤の含有量を示す。
なお、コエンザイムQ10含有錠剤を構成するコエンザイムQ10、微粒多孔質物質、カルシウム、マグネシウムについては、上記本発明のコエンザイムQ10安定化組成物と同様でもよい。また、コエンザイムQ10含有錠剤におけるコエンザイムQ10、微粒多孔質物質、カルシウム、マグネシウムの含有量は、上記[コエンザイムQ10安定化組成物]における(コエンザイムQ10)、(微粒多孔質物質)、(カルシウム、マグネシウム)の項の記載におけるコエンザイムQ10安定化組成物をコエンザイムQ10含有錠剤に置き換え、その説明を充足するものであればよい。
(その他の成分)
本発明におけるコエンザイムQ10含有錠剤は、コエンザイムQ10、微粒多孔質物質、カルシウム、マグネシウム以外に、必要に応じて有効成分、添加剤を含有してもよい。添加剤の具体例としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、着色剤などが挙げられる。
有効成分は、効能、効果を発揮するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、医薬品、医薬部外品、OTC医薬品、漢方薬、生薬、化粧品、化粧料、健康食品、サプリメント、動物用薬品、飼料などに用いられる医薬成分、機能性成分などが挙げられる。
医薬成分、機能性成分の具体例としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、クロム、モリブデン、ポリグルタミン酸、藤茶ポリフェノール、脂質調整剤、抗糖尿病剤、食欲抑制剤、降圧剤、血管拡張剤、βアドレナリン受容体遮断薬、強心イオンチャンネル剤、不整脈治療剤、抗凝血剤、中枢神経機能改善剤、交感神経刺激剤、副交感神経刺激剤、抗ムスカリン様作動剤、ドーパミン作動剤、精神安定剤、抗鬱剤、抗癲癇剤、抗不安剤、催眠剤、覚醒剤、動物由来物質、植物由来物質、ラピジン、ノビレチン、スルフォラファン、アンペロプシン、クルクミン類、レスベラトロール類、ゲラニオール、オサジン、イソリキリチゲニン、ヒドロキシチロソール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、S−アデノシルメチオニン、アントシアニン、アスコルビン酸2−グルコシド、プロテオグリカン、N−アセチルグルコサミン、コラーゲン、ビルベリーエキス、ニンジン末、ゴカヒ、カンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、ウイキョウ、シュクシャ、ビフィズス菌、乳酸菌、酵母、ポリデキストロースなどの食物繊維などが挙げられる。また、これらの医薬成分、機能性成分は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
賦形剤は、素錠のかさを調節するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、糖類、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられる。
賦形剤の具体例としては、例えば、結晶セルロース、乳糖、白糖、マンニトール、グルコース、デンプン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。また、これらの賦形剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
賦形剤を添加することにより、素錠のかさを調節し、錠剤を服用しやすくすることができる。
結合剤は、粉体成分の結合力を高めるものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、セルロース誘導体、合成樹脂、糖類、ポリエーテル、ワックス類などが挙げられる。
結合剤の具体例としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、パラフィン、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプン、プルランなどが挙げられる。また、これらの結合剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
結合剤を添加することにより、粉末成分に結合力を与え、安定な固形製剤を製造することができる。
崩壊剤は、錠剤を崩壊させ、有効成分の吸収性を高めるものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、糖類、セルロース誘導体、合成樹脂、アルギン酸塩などが挙げられる。
崩壊剤の具体例としては、例えば、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、これらの崩壊剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
崩壊剤を添加することにより、錠剤の崩壊を促進し、吸収性を向上させることができる。
滑沢剤は、粉体成分の付着力を低減して流動性を高めるものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、フィロケイ酸塩鉱物粉末、ケイ素酸化物、飽和脂肪酸、エステル類、ワックス類、硬化植物油、脂肪、ポリエーテルなどが挙げられる。
滑沢剤の具体例としては、例えば、タルク、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、パルミチン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ミツロウ、ダイズ硬化油、カカオ脂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。また、これらの滑沢剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
滑沢剤を添加することにより、錠剤の製造時に、スティッキングなどの打錠障害の発生を抑制することができる。
安定剤は、有効成分の化学的分解、物理的分解を抑制するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、無機化合物、有機酸、有機酸塩、ビタミン類などが挙げられる。
安定剤の具体例としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、エデト酸ナトリウム、トコフェロールなどが挙げられる。また、これらの安定剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
安定剤を添加することにより、有効成分の失活を抑制することができる。
保存剤は、微生物の増殖を抑制するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、安息香酸塩、パラオキシ安息香酸エステル類などが挙げられる。
保存剤の具体例としては、例えば、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、メチルパラベン、プロピルパラベンなどが挙げられる。また、これらの保存剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
保存剤を添加することにより、錠剤が微生物汚染されることを防ぐことができる。
着色剤は、錠剤の嗜好性や識別性を向上させるものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然色素、合成色素などが挙げられる。
着色剤の具体例としては、例えば、コチニール、カルミン、クルクミン、リボフラビン、アンナット、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、タルク、焼成シリカ、炭酸マグネシウム、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号などの食用合成着色料などが挙げられる。また、これらの着色剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
着色剤を添加することにより、錠剤を着色し、被覆固形製剤の嗜好性や識別性を高めることができる。
その他の添加剤としては、溶解補助剤、界面活性剤、乳化剤、抗酸化剤、光沢化剤、発泡剤、防湿剤、防腐剤、流動化剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、着香剤、香料、芳香剤、崩壊補助剤などが挙げられる。また、これらの添加剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(コーティング成分)
本発明におけるコエンザイムQ10含有錠剤は、当業者に公知の方法により糖衣コーティング、フィルムコーティングしてもよい。
コーティング成分は、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、糖類、コーティング基剤、増粘剤、可塑剤、甘味剤、香味物質、着色剤、光保護剤などが挙げられる。
糖類は、糖衣コーティングの主成分であり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、単糖、二糖、糖アルコールなどが挙げられる。
糖類の具体例としては、例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトールなどが挙げられる。また、これらの糖類は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
糖類を添加することにより、錠剤の光安定性、服用性を向上することができる。
コーティング基剤は、素錠をコーティングするための組成物における基剤であり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、セルロース誘導体、合成樹脂、多糖類などが挙げられる。
コーティング基剤の具体例としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、プルラン、ゼイン(ツェイン)、シェラック、イーストラップなどが挙げられる。また、これらのコーティング基剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
コーティング基剤を添加することにより、コーティングの効率や性能を向上することができる。
増粘剤は、組成物に水分に対する溶解性と粘度を付与するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、多糖類、水溶性アクリル酸重合体、セルロース誘導体などが挙げられる。
増粘剤の具体例としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、ジェランガム、ペクチン、アラビアガム、ローストビンガムなどが挙げられる。また、これらの増粘剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
増粘剤を添加することにより、粉末成分に結合力を与え、安定な固形製剤を製造することができる。
可塑剤は、組成物の柔軟性、弾力性を付与するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、ポリエーテル、多価アルコール、エステル類、有機酸、植物油などが挙げられる。
可塑剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセロール、ポリオール、クエン酸トリエチル、アセチルモノグリセリド、ブチルフタリルブチルグリコレート、酒石酸ジブチル、プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセロール、トリプロピオイン、ジアセチン、クエン酸、中鎖脂肪酸油、菜種油などが挙げられる。また、ポリエチレングリコールの分子量としては、例えば、4000以上20000以下である。ポリエチレングリコールの具体例としては、例えば、PEG6000、PEG8000などが挙げられる。また、これらの可塑剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
可塑剤を添加することにより、素錠をコーティングするための組成物の柔軟性、弾力性を調節し、塗布性能を向上することができる。
甘味剤は、錠剤に甘味をもたせるものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然甘味料、人工甘味料などが挙げられる。
甘味剤の具体例としては、例えば、エリスリトール、ソルビトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸、ソーマチン、サッカリン、サッカリンナトリウムなどが挙げられる。また、これらの甘味剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
甘味剤を添加することにより、錠剤に甘味を付与して服用しやすくすることができる。
香味物質は、錠剤の口腔内での官能感覚を改善するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然植物油、アルデヒド化合物などが挙げられる。
香味物質の具体例としては、例えば、スペアミント油、ペパーミント油、シナモン油、果実エッセンス、ベンズアルデヒド、ネラール、デカナール、トリルアルデヒド、2−ドデナール、アルデヒドC−8、アルデヒドC−9、アルデヒドC−12、2,6−ジメチルオクタナールなどが挙げられる。また、これらの香味物質は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
香味物質を添加することにより、錠剤を服用しやすくすることができる。
着色剤は、錠剤の嗜好性や識別性を向上させるものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然色素、合成色素などが挙げられる。
着色剤の具体例としては、例えば、コチニール、カルミン、クルクミン、リボフラビン、アンナット、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、タルク、焼成シリカ、炭酸マグネシウム、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号などの食用合成着色料などが挙げられる。また、これらの着色剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
着色剤を添加することにより、錠剤を着色し、被覆固形製剤の嗜好性や識別性を高めることができる。
光保護剤は、錠剤に遮光性を付与するものであり、医薬品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、酸化物、タール系色素などが挙げられる。
光保護剤の具体例としては、例えば、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用黄色5号、食用黄色4号などが挙げられる。また、これらの光保護剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
光保護剤を添加することにより、錠剤に含まれる成分を光から保護することができる。
以上の特徴により、本発明におけるコエンザイムQ10含有錠剤は、微粒多孔質物質の作用により、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善するという効果を発揮することができる。
[コエンザイムQ10の安定化方法]
本発明のコエンザイムQ10の安定化方法は、コエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有する組成物に微粒多孔質物質を添加する方法である。
なお、コエンザイムQ10の安定化方法を構成するコエンザイムQ10、微粒多孔質物質、カルシウム、マグネシウムについては、上記本発明のコエンザイムQ10安定化組成物と同様でもよい。
微粒多孔質物質の添加量は、特に制限されるものではなく、例えば、上記[コエンザイムQ10安定化組成物]、[コエンザイムQ10を安定化するための組成物]、[コエンザイムQ10含有錠剤]における(微粒多孔質物質)の項の説明を充足するものであればよい。
以上の特徴により、本発明におけるコエンザイムQ10の安定化方法は、微粒多孔質物質の作用により、カルシウム、マグネシウムによるコエンザイムQ10の不安定化を改善するという効果を発揮することができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
(試験試料の作製)
各錠剤は、以下のとおり作製した。
[比較例1]
コエンザイムQ10(コエンザイムQ10パウダー50、小川香料株式会社)0.118g、ホタテ貝殻末(ホタテ末、株式会社エヌ・シー・コーポレーション)1.288g、セルロース(セオラスFD−101、旭化成株式会社)18.394g、ステアリン酸カルシウム(ステアリン酸カルシウム、堺化学工業株式会社)0.2gを混合機(透視式混合器S−3、筒井理化学器機械株式会社)で混合して混合物とした。錠剤は、前記混合物を、単発式打錠機(N−30E、岡田精工株式会社)を用いて、打錠圧1000kgf、錠剤径8mm、錠剤重量300mgの錠剤を得た。なお、コエンザイムQ10パウダー50は、コエンザイムQ10を50質量%含有する。
比較例1の錠剤は、1錠あたり0.885mgのコエンザイムQ10、7.34mgのカルシウム(カルシウム元素量)を含有する。
[比較例2]
コエンザイムQ10(コエンザイムQ10パウダー50、小川香料株式会社)0.118g、ドロマイト(ドロマイト90、八宝食産株式会社)7.902g、セルロース(セオラスFD−101、旭化成株式会社)11.78g、ステアリン酸カルシウム(ステアリン酸カルシウム、堺化学工業株式会社)0.2gを混合機(透視式混合器S−3、筒井理化学器機械株式会社)で混合して混合物とした。錠剤は、前記混合物を、単発式打錠機(N-30E、岡田精工株式会社)を用いて、打錠圧1000kgf、錠剤径8mm、錠剤重量300mgの錠剤を得た。
比較例2の錠剤は、1錠あたり0.885mgのコエンザイムQ10、26.67mgのカルシウム(カルシウム元素量)、16mgのマグネシウム(マグネシウム元素量)を含有する。
[実施例1]
コエンザイムQ10(コエンザイムQ10パウダー50、小川香料株式会社)0.118g、微粒二酸化ケイ素(サイロページ720、富士シリシア化学株式会社)0.2g、ホタテ貝殻末(ホタテ末、株式会社エヌ・シー・コーポレーション)1.288g、セルロース(セオラスFD−101、旭化成株式会社)18.194g、ステアリン酸カルシウム(ステアリン酸カルシウム、堺化学工業株式会社)0.2gを混合機(透視式混合器S−3、筒井理化学器機械株式会社)で混合して混合物とした。錠剤は、前記混合物を、単発式打錠機(N−30E、岡田精工株式会社)を用いて、打錠圧1000kgf、錠剤径8mm、錠剤重量300mgの錠剤を得た。
実施例1の錠剤は、1錠あたり0.885mgのコエンザイムQ10、3mgの微粒二酸化ケイ素、7.34mgのカルシウム(カルシウム元素量)を含有する。
[実施例2]
コエンザイムQ10(コエンザイムQ10パウダー50、小川香料株式会社)0.118g、微粒二酸化ケイ素(サイロページ720、富士シリシア化学株式会社)0.2g、ドロマイト(ドロマイト90、八宝食産株式会社)7.902g、セルロース(セオラスFD−101、旭化成株式会社)11.58g、ステアリン酸カルシウム(ステアリン酸カルシウム、堺化学工業株式会社)0.2gを混合機(透視式混合器S−3、筒井理化学器機械株式会社)で混合して混合物とした。錠剤は、前記混合物を、単発式打錠機(N−30E、岡田精工株式会社)を用いて、打錠圧1000kgf、錠剤径8mm、錠剤重量300mgの錠剤を得た。
実施例2の錠剤は、1錠あたり0.885mgのコエンザイムQ10、3mgの微粒二酸化ケイ素、26.67mgのカルシウム(カルシウム元素量)、16mgのマグネシウム(マグネシウム元素量)を含有する。
(安定性試験)
安定性試験は、作製した試験試料をアルミ袋に入れて封をした状態で、50℃の恒温槽で2週間処理した。その後、試験試料に含まれるコエンザイムQ10を高速液体クロマトグラフィー(Shimadzu prominence、株式会社島津製作所)で測定した。コエンザイムQ10の残存率は、50℃の恒温槽で処理する前の含有量に対する重量百分率(%)で算出した。
(結果)
図1は、比較例1、2、実施例1、2の錠剤におけるコエンザイムQ10の残存率を示したグラフである。
カルシウムを含有する比較例1では、50℃、2週間の処理により、コエンザイムQ10の残存率が70%未満となった。また、カルシウム及びマグネシウムを含有する比較例2では、50℃、2週間の処理により、コエンザイムQ10の残存率が60%未満となった。
一方、カルシウムに加えて微粒二酸化ケイ素を配合した実施例1、及びカルシウム、マグネシウムに加えて微粒二酸化ケイ素を配合した実施例2では、50℃、2週間の処理により、コエンザイムQ10の残存率が約80%となった。
比較例1、2と実施例1、2を比較すると、カルシウム、マグネシウムの存在下で60〜70%未満に低下したコエンザイムQ10の残存率が、微粒二酸化ケイ素を配合することにより約80%まで改善することがわかった。
本発明は、安定なコエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムを含有する組成物を簡便に製造できるので、コエンザイムQ10、カルシウム、マグネシウムが有する有利な効果を利用した医薬品、医薬部外品、飲む化粧料、飲む化粧品、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品など)、サプリメント、飼料などを提供することができる。

Claims (9)

  1. コエンザイムQ10、微粒多孔質物質、及びカルシウム又はマグネシウムを含有することを特徴とするコエンザイムQ10安定化組成物。
  2. 前記微粒多孔質物質は、微粒二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載のコエンザイムQ10安定化組成物。
  3. 前記カルシウム又はマグネシウムは、ドロマイト、貝殻から選ばれる1種又は2種を由来とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のコエンザイムQ10安定化組成物。
  4. 微粒多孔質物質を有効成分として含有することを特徴とする、コエンザイムQ10、及びカルシウム又はマグネシウム含有組成物中のコエンザイムQ10を安定化するための組成物。
  5. 前記微粒多孔質物質は、微粒二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項4に記載のコエンザイムQ10を安定化するための組成物。
  6. 前記カルシウム又はマグネシウムは、ドロマイト、貝殻から選ばれる1種又は2種を由来とすることを特徴とする請求項4又は5に記載のコエンザイムQ10を安定化するための組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を含有することを特徴とするコエンザイムQ10含有錠剤。
  8. コエンザイムQ10の安定化方法であって、
    コエンザイムQ10、及びカルシウム又はマグネシウムを含有する組成物に微粒多孔質物質を添加することを特徴とするコエンザイムQ10の安定化方法。
  9. 前記微粒多孔質物質は、微粒二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項8に記載のコエンザイムQ10の安定化方法。


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