JP2021187772A - 発泡性組成物、発泡性顆粒、発泡性顆粒の製造方法 - Google Patents

発泡性組成物、発泡性顆粒、発泡性顆粒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、保存安定性及び製造効率が改善された発泡性組成物を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウムを含有する発泡性組成物であって、前記発泡助剤が前記クエン酸カルシウムでコーティングされていることを特徴とする発泡性組成物を提供する。これにより、保存安定性及び製造効率に優れた発泡性組成物を提供することができる。また、発泡性組成物を用いることにより、保存安定性及び製造効率に優れた発泡性顆粒及び発泡性顆粒の製造方法も提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性組成物、発泡性顆粒、発泡性顆粒の製造方法に関する。
小児、高齢者、嚥下困難な患者など固形物の飲み込みが困難な消費者や患者において、医薬品の服用や食品の摂取がし易い剤形として、口腔内の水分により速やかに崩壊するものが適している。また、このような水なしでも服用、摂取できる口腔内速崩壊性の剤形は、健常人においても好まれている。
固形物の崩壊性を高める成分としては、発泡成分である炭酸塩、炭酸水素塩、及び発泡助剤である有機酸が混合された発泡性組成物が用いられる。発泡性組成物は、水分の存在下で炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸が反応して炭酸ガスを発生させる。発泡性組成物を含有する固形物は、発泡成分及び発泡助剤の発泡作用により崩壊させることができる。
しかしながら、発泡性組成物は、空気中の水分と反応して発泡するなど保存安定性に問題がある。そこで、保存安定性に優れた発泡性組成物が検討されている。保存安定性に優れた発泡性組成物として、例えば、特許文献1には、粉末状態の重炭酸塩含有物と酸含有物の少なくとも一方の粉末表面が被覆材で被覆されているか、又は重炭酸塩含有物と酸含有物の一方のみが粉末状態であって、その表面が被覆材で被覆されている発泡食品材が開示されている。
特開2019−10012号公報
特許文献1に記載の発泡食品材は、保存安定性が改善されているものの、発泡成分、発泡助剤の少なくとも一方を粉末状態にする必要があり、粉末のコーティング工程には時間を要するために製造効率が低下する。そのため、保存安定性だけでなく、製造効率も改善された発泡性物質が望まれている。
本発明の課題は、保存安定性及び製造効率が改善された発泡性組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、クエン酸カルシウムを配合することにより、有機酸などの発泡助剤と重炭酸塩又は炭酸塩などの発泡成分を含有する発泡性組成物の保存安定性及び製造効率を改善することができるという知見に至り、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供する。
[1]発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウムを含有する発泡性組成物であって、前記発泡助剤が前記クエン酸カルシウムでコーティングされていることを特徴とする発泡性組成物。
この発泡性組成物によれば、発泡助剤をコーティングするクエン酸カルシウムが発泡成分と発泡助剤の反応を阻害することにより、保存安定性が改善した発泡性組成物を効率よく製造することができる。
[2]前記発泡助剤が粉末状態でないことを特徴とする[1]に記載の発泡性組成物。
この特徴によれば、粉末状態でない発泡助剤を用いることにより、製造工程が簡便になり、製造効率が向上するという効果を更に発揮することができる。
[3]前記発泡助剤が炭素数2〜6の有機酸からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の発泡性組成物。
この特徴によれば、発泡助剤として、炭素数2〜6の有機酸を選択することにより、本発明に適した発泡助剤を簡便に入手することができる。
[4]前記発泡成分が炭酸塩、炭酸水素塩からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする[1]〜[3]に記載の発泡性組成物。
この特徴によれば、発泡成分として、炭酸塩、炭酸水素塩を選択することにより、本発明に適した発泡成分を簡便に入手することができる。
[5]更に、結合剤を含有することを特徴とする[1]〜[4]に記載の発泡性組成物。
この特徴によれば、結合剤によりクエン酸カルシウムでコーティングされた発泡助剤と発泡成分を結合することにより、成形性に優れた発泡性組成物とすることができる。
[6]前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、シェラック、ツェインからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする[1]〜[5]に記載の発泡性組成物。
この特徴によれば、結合剤として、ヒドロキシプロピルセルロース、シェラック、ツェインを選択することにより、発泡性組成物の成形性が向上するという効果を更に発揮することができる。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の発泡性組成物を含有することを特徴とする発泡性顆粒。
この発泡性顆粒によれば、発泡成分と発泡助剤の反応をクエン酸カルシウムが阻害することにより、保存安定性が改善した発泡性顆粒を効率よく製造することができる。
[8]発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウムを含有する発泡性顆粒の製造方法であって、発泡助剤をクエン酸カルシウムでコーティングする工程、前記クエン酸カルシウムでコーティングされた発泡助剤及び発泡成分を混合する工程、結合剤を含有する結合剤溶液を準備する工程、前記混合物に前記結合剤溶液を添加して、前記混合物を造粒する工程、前記造粒した混合物を乾燥する工程、を有することを特徴とする発泡性顆粒の製造方法。
この発泡性顆粒の製造方法によれば、発泡助剤をクエン酸カルシウムで簡便にコーティングすることができるとともに、発泡成分と発泡助剤の反応を阻害することにより、保存安定性が改善した発泡性顆粒を効率よく製造することができる。
[9]発泡成分、発泡助剤を含有する発泡性顆粒の製造方法であって、前記発泡助剤及び前記発泡成分を混合する工程、溶媒として水の濃度が40体積%以下である有機溶媒を用いて、結合剤を含有する結合剤溶液を準備する工程、前記混合物に前記結合剤溶液を添加して、前記混合物を造粒する工程、前記造粒した混合物を乾燥する工程、を有することを特徴とする発泡性顆粒の製造方法。
この発泡性顆粒の製造方法によれば、水の濃度が40体積%以下である有機溶媒を用いて結合剤を溶解することにより、水分による発泡助剤及び発泡成分の反応を低減して効率的に発泡性顆粒を製造することができる。
本発明によれば、保存安定性及び製造効率に優れた発泡性組成物、発泡性顆粒、発泡性顆粒の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る発泡性組成物、発泡性顆粒、発泡性顆粒の製造方法の実施形態を詳細に説明する。
なお、実施形態に記載する発泡性組成物、発泡性顆粒、発泡性顆粒の製造方法については、本発明を説明するために例示したに過ぎず、これに制限されるものではない。
[発泡性組成物]
本発明の発泡性組成物は、発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウムを含有するものである。発泡成分と発泡助剤の反応をクエン酸カルシウムが阻害することにより、保存安定性が改善した発泡性組成物を効率よく製造することができる。
なお、発泡性組成物は、水分を実質的に含まない。なお、「実質的に含まない」とは、例えば、5体積%未満である。
発泡性組成物に含まれる発泡助剤は、クエン酸カルシウムと接しているものであれば、特に制限されるものではない。好ましい発泡助剤とクエン酸カルシウムの接触形態としては、発泡性組成物の保存安定性の観点から、発泡助剤がクエン酸カルシウムでコーティングされているものである。
発泡成分、発泡助剤の形態は、固体状態であれば、特に制限されるものではない。発泡成分、発泡助剤の形態としては、例えば、塊状、粒状などが挙げられる。好ましい発泡成分、発泡助剤の形態としては、発泡性組成物の製造効率の観点から、粉末状態にないものである。ここで、粉末とは、平均粒径が100μm未満の固体物質である。発泡成分、発泡助剤の粒度は、第十七改正日本薬局方に記載の粒度の試験法などにより測定することができる。
まず、発泡性組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量について、特に断りがない場合は発泡性組成物における含有量を示す。
(発泡成分)
発泡成分は、発泡助剤と反応して炭酸ガスを発生するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。発泡成分としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
発泡成分の具体例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。好ましい発泡成分としては、汎用性の観点から、炭酸水素ナトリウムである。また、これらの発泡成分は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
発泡成分の含有量は、特に制限されるものではない。発泡成分の含有量としては、例えば、20質量%以上80質量%以下である。下限値としては、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下、特に好ましくは60質量%以下である。
発泡成分の含有量を上記範囲とすることで、発泡性組成物の発泡性を向上することができる。
(発泡助剤)
発泡助剤は、発泡成分と反応して炭酸ガスを発生するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。発泡助剤としては、例えば、炭素数2〜6の有機酸などが挙げられる。
発泡助剤の具体例としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸などが挙げられる。好ましい発泡助剤としては、汎用性の観点から、クエン酸である。また、これらの発泡助剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
発泡助剤の粒径は、粉末状態でなければ特に制限されるものではない。発泡助剤の粒径としては、例えば、100μm以上である。下限値としては、より好ましくは125μm以上、更に好ましくは150μm以上、特に好ましくは175μm以上である。
発泡助剤の粒径を上記範囲とすることで、発泡性組成物の製造効率を向上させることができる。
発泡助剤の含有量は、特に制限されるものではない。発泡助剤の含有量としては、例えば、10質量%以上70質量%以下である。下限値としては、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。
また、発泡成分の含有量に対する発泡助剤の含有量の比は、特に制限されるものではない。発泡成分の含有量に対する発泡助剤の含有量の比としては、例えば、0.1以上2.0以下である。下限値としては、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上である。一方、上限値としては、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5以下である。
発泡助剤の含有量を上記範囲とすることで、発泡性組成物の発泡性を向上することができる。
(クエン酸カルシウム)
クエン酸カルシウムは、発泡成分と発泡助剤の反応を阻害するためのものである。クエン酸カルシウムは、発泡成分と発泡助剤の反応を阻害するために、発泡助剤をコーティングしていることが好ましい。
クエン酸カルシウムの含有量は、特に制限されるものではない。クエン酸カルシウムの含有量としては、例えば、0.2質量%以上9.0質量%以下である。下限値としては、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下、特に好ましくは3.0質量%以下である。
また、発泡助剤の含有量に対するクエン酸カルシウムの含有量の比は、特に制限されるものではない。発泡助剤の含有量に対するクエン酸カルシウムの含有量の比としては、例えば、0.01以上0.11以下である。下限値としては、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上、特に好ましくは0.04以上である。一方、上限値としては、より好ましくは0.09以下、更に好ましくは0.07以下、特に好ましくは0.06以下である。
クエン酸カルシウムの含有量を上記範囲とすることで、発泡性組成物の発泡力及び保存安定性を向上することができる。
(結合剤)
結合剤は、組成物の結合力を高めるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。結合剤としては、例えば、セルロース類、合成樹脂、糖類、ポリエーテル、ワックス類などが挙げられる。
結合剤の具体例としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、クロスカルメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、パラフィン、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプン、プルラン、シェラック、ツェインなどが挙げられる。好ましい結合剤としては、成形性の観点から、ヒドロキシプロピルセルロース、シェラック、ツェインである。また、これらの結合剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
結合剤を添加することにより、発泡性組成物に結合力を与え、発泡性組成物の発泡力及び保存安定性を向上することができる。
本発明の発泡性組成物は、発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウム、結合剤以外に、必要に応じて医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に用いられる添加剤を含有してもよい。
以上の特徴により、本発明の発泡性組成物は、クエン酸カルシウムの作用によって、発泡成分と発泡助剤の反応を抑制することにより、発泡性組成物の保存安定性を向上させるという効果を発揮することができる。
[発泡性顆粒]
本発明の発泡性顆粒は、発泡性組成物を含有するものである。発泡成分と発泡助剤の反応をクエン酸カルシウムにより阻害する発泡性組成物を含有することにより、保存安定性に優れた発泡性顆粒を効率よく製造することができる。
なお、発泡性顆粒は、水分を実質的に含まない。なお、「実質的に含まない」とは、例えば、5体積%未満である。
発泡性顆粒の粒度は、顆粒としての形態を有するものであれば、特に制限されるものではない。発泡性顆粒の粒度としては、例えば、100μm以上1500μm以下である。下限値としては、より好ましくは200μm以上、更に好ましくは225μm以上、特に好ましくは250μm以上である。一方、上限値としては、より好ましくは1200μm以下であり、更に好ましくは1000μm以下であり、特に好ましくは900μm以下である。なお、発泡性顆粒の粒度は、第十七改正日本薬局方に記載の粒度の試験法などにより測定することができる。
発泡性顆粒の粒度を上記範囲とすることにより、顆粒として最適な形態とすることができる。
本発明の発泡性顆粒は、発泡性組成物以外に、必要に応じて添加剤を含有してもよい。添加剤の具体例としては、例えば、賦形剤、甘味剤、酸味剤、香料、着色剤などが挙げられる。
賦形剤は、顆粒の成分組成物のかさを調節するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。賦形剤としては、例えば、デキストリン、澱粉、糖類、糖アルコール、セルロース、微結晶セルロースなどが挙げられる。また、これらの賦形剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
賦形剤を添加することにより、顆粒の大きさを調節することができる。
甘味剤は、顆粒に甘味をもたせるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。甘味剤としては、例えば、天然甘味料、人工甘味料などが挙げられる。
甘味剤の具体例としては、例えば、エリスリトール、ソルビトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸、ソーマチン、サッカリン、サッカリンナトリウムなどが挙げられる。また、これらの甘味剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
甘味剤を添加することにより、顆粒に甘味を付与して服用しやすくすることができる。
酸味剤は、顆粒に酸味をもたせるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。酸味剤としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸、リン酸などの無機酸が挙げられる。また、これらの酸味剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
酸味剤を添加することにより、顆粒に酸味を付与して服用しやすくすることができる。
香料は、顆粒の口腔内での官能感覚を改善するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。香料は、液体香料、粉末香料のいずれの形態でもよい。
香料の具体例としては、例えば、スペアミント油、ペパーミント油、シナモン油、果実エッセンスなどが挙げられる。また、これらの香料は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
香料を添加することにより、顆粒を服用しやすくすることができる。
着色剤は、顆粒の嗜好性や識別性を向上させるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。着色剤としては、例えば、天然色素、合成色素などが挙げられる。
着色剤の具体例としては、例えば、コチニール、カルミン、クルクミン、リボフラビン、アンナット、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、タルク、焼成シリカ、炭酸マグネシウム、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号などの食用合成着色料などが挙げられる。また、これらの着色剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
着色剤を添加して顆粒を着色することにより、嗜好性や識別性を高めることができる。
以上の特徴により、本発明の発泡性顆粒は、クエン酸カルシウムの作用によって、発泡成分と発泡助剤の反応を抑制することにより、発泡性顆粒の保存安定性を向上させるという効果を発揮することができる。
[発泡性顆粒の製造方法]
本発明の発泡性顆粒の製造方法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの技術分野において使用されている通常の手段を用いることができる。
発泡性顆粒の具体的な製造方法としては、例えば、発泡助剤をクエン酸カルシウムでコーティングする工程、結合剤を含有する結合剤溶液を準備する工程、前記混合物に前記結合剤溶液を添加して、前記混合物を造粒する工程、前記造粒した混合物を乾燥する工程、及び前記発泡助剤及び前記発泡成分を混合する工程、溶媒として水の濃度が40体積%以下である有機溶媒を用いて、結合剤を含有する結合剤溶液を準備する工程、前記混合物に前記結合剤溶液を添加して、前記混合物を造粒する工程、前記造粒した混合物を乾燥する工程などが挙げられる。
発泡助剤をクエン酸カルシウムでコーティングする方法は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。コーティング方法としては、例えば、造粒コーティング法、パンコーティング法、転動コーティング法、流動コーティング法、ドライコーティング法などが挙げられる。
顆粒成分の混合方法は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。これらの混合方法で用いられる混合機としては、例えば、タンブラー混合機、V型混合機、ダブルコーン混合機、撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機、無限ミキサーなどが挙げられる。
顆粒成分の造粒方法は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。造粒方法としては、例えば、湿式造粒法、乾式造粒法、加熱造粒法、噴霧造粒法などが挙げられる。好ましい造粒方法としては、汎用性の観点から、湿式造粒法である。湿式造粒法の具体例としては、例えば、攪拌造粒法、流動層造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法、転動造粒法などが挙げられる。これらの造粒方法で用いられる造粒機としては、例えば、流動層造粒機、転動流動層造粒機、ワースター型造粒機、転動型造粒機、攪拌造粒機、加熱造粒機、噴霧造粒機などが挙げられる。
なお、顆粒成分への結合剤の添加は、溶液として造粒工程において噴霧で添加してもよい。結合剤を溶解する溶液は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。結合剤を溶解する溶液としては、例えば、水、エタノール、ヘキサン、酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。好ましい溶液としては、汎用性の観点から、無水エタノール、又は水とエタノールを混合したエタノール水溶液である。
結合剤を溶解する有機溶媒の濃度は、特に制限されるものではない。有機溶媒の濃度としては、例えば、水の濃度が50体積%以下である。上限値としては、より好ましくは45体積%以下、更に好ましくは42体積%以下、特に好ましくは40体積%以下である。
結合剤を溶解する有機溶媒の濃度を上記範囲とすることで、水分による発泡助剤及び発泡成分の反応を低減して効率的に発泡性顆粒を製造することができる。
造粒物の乾燥方法は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥法、流動層乾燥法、棚乾燥法、真空乾燥法、振動乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法、凍結乾燥法などが挙げられる。これらの乾燥方法で用いられる乾燥装置としては、噴霧乾燥装置、流動層式乾燥装置、加熱減圧乾燥機装置、凍結乾燥装置などが挙げられる。
なお、顆粒成分の混合、造粒、結合剤の添加、乾燥を一つの装置で行ってもよいし、複数の装置を用いてもよい。作業効率、品質の観点から、顆粒成分の混合、造粒、結合剤の添加、乾燥を一つの装置で行うことが好ましい。
以上の特徴により、本発明の発泡性顆粒の製造方法によって、保存安定性に優れた発泡性組成物を効率的に製造することができる。
[発泡性顆粒の用途]
本発明の発泡性顆粒の用途は、特に制限されるものではない。発泡性顆粒の用途としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などに用いられる。
また、発泡性顆粒を含有する医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などは、ヒト又は非ヒト動物用として使用する。非ヒト動物は、特に制限されるものではないが、例えば、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類などであり、好ましくは、ニワトリ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなどが挙げられる。
発泡性顆粒を含有する医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの形態は、特に制限されるものではない。発泡性顆粒を含有する製品の形態としては、例えば、経口投与形態として、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤などが挙げられる。また、非経口投与形態としては、うがい用溶解剤や膣錠などの外用錠剤、コンタクトレンズや入歯などの洗浄剤、オーラルケア剤、入浴剤、錠剤型農薬などが挙げられる。食品分野における発泡性顆粒を利用した製品としては、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品など)、サプリメント、病者向け食品(病院食、病人食、介護食など)、健康補助食品などが挙げられる。
好ましい形態としては、汎用性、利便性の観点から、錠剤、顆粒剤である。
(錠剤)
錠剤は、発泡性顆粒を含有していれば、特に制限されるものではない。錠剤としては、例えば、発泡性顆粒のみを含有するものでもよいし、他の有効成分、添加剤などを含有するものでもよい。
錠剤の形態としては、例えば、素錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、チュアブル錠、トローチ錠、バッカル錠や舌下錠などの口腔内崩壊錠、有核錠や多層錠、スパスタブ型錠剤などの持続性錠や徐放性錠などが挙げられる。
錠剤の形状は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの技術分野において使用されているものであれば、特に制限されるものではない。錠剤の形状としては、例えば、円形錠、楕円形錠、花形錠などが挙げられる。また、錠剤は、必要に応じて2分割、4分割するための1本から2本の割線を設けることができる。
錠剤の大きさは、特に制限されるものではない。錠剤の大きさとしては、例えば、直径が3mm以上50mm以下である。下限値としては、より好ましくは4mm以上であり、更に好ましくは5mm以上であり、特に好ましく6mm以上である。一方、上限値としては、より好ましくは40mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、特に好ましくは20mm以下である。
錠剤の厚さは、特に制限されるものではない。錠剤の厚さとしては、例えば、1.0mm以上20.0mm以下である。下限値としては、より好ましくは2.0mm以上であり、更に好ましくは2.5mm以上であり、特に好ましくは3.0mm以上である。一方、上限値としては、より好ましくは15.0mm以下であり、更に好ましくは12.0mm以下、特に好ましくは10.0mm以下である。
錠剤の大きさ、厚さを上記範囲とすることにより、服用のしやすい錠剤とすることができる。
錠剤は、発泡性顆粒を含有していれば、特に制限されるものではない。錠剤は、発泡性顆粒以外に、必要に応じて、他の有効成分、添加剤などを含有してもよい。添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、増粘剤、可塑剤、安定剤、保存剤、糖類、フィルムコーティング剤、甘味剤、酸味剤、着色剤、滑沢剤、光保護剤、香料などが挙げられる。結合剤、賦形剤、甘味剤、酸味剤、香料、着色剤については、上記[発泡性組成物]、[発泡性顆粒]の項の説明と重複するため、ここでは説明を省略する。
他の有効成分の具体例としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、クロム、モリブデン、ポリグルタミン酸、藤茶ポリフェノール、脂質調整剤、抗糖尿病剤、食欲抑制剤、降圧剤、血管拡張剤、βアドレナリン受容体遮断薬、強心イオンチャンネル剤、不整脈治療剤、抗血栓剤、中枢神経機能改善剤、交感神経刺激剤、副交感神経刺激剤、抗ムスカリン様作動剤、ドーパミン作動剤、精神安定剤、抗鬱剤、抗癲癇剤、抗不安剤、催眠剤、覚醒剤、動物由来物質、植物由来物質、ラピジン、ノビレチン、スルフォラファン、アンペロプシン、クルクミン類、レスベラトロール類、ゲラニオール、オサジン、イソリキリチゲニン、ヒドロキシチロソール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、S−アデノシルメチオニン、アントシアニン、アスコルビン酸2−グルコシド、プロテオグリカン、N−アセチルグルコサミン、コラーゲン、ビルベリーエキス、ニンジン末、ゴカヒ、カンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、ウイキョウ、シュクシャ、ビフィズス菌、乳酸菌、酵母、ポリデキストロースなどの食物繊維などが挙げられる。また、これらの有効成分は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
崩壊剤は、吸水性を高めて製剤の崩壊性を高めるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。崩壊剤としては、例えば、糖類、合成樹脂、アルギン酸塩などが挙げられる。
崩壊剤の具体例としては、例えば、トウモロコシデンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが挙げられる。また、これらの崩壊剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
崩壊剤を添加することにより、顆粒の崩壊を促進し、吸収性を向上させることができる。
増粘剤は、組成物に粘度を付与するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。増粘剤としては、例えば、多糖類、水溶性アクリル酸重合体などが挙げられる。
増粘剤の具体例としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ジェランガム、ペクチン、アラビアガム、ローストビンガムなどが挙げられる。また、これらの増粘剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
増粘剤を添加することにより、顆粒の大きさを調節することができる。
可塑剤は、顆粒の成分組成物に柔軟性、弾力性を付与するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。可塑剤としては、例えば、ポリエーテル、多価アルコール、エステル類、有機酸、植物油などが挙げられる。
可塑剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセロール、ポリオール、クエン酸トリエチル、アセチルモノグリセリド、ブチルフタリルブチルグリコレート、酒石酸ジブチル、プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセロール、ジアセチン、中鎖脂肪酸油、菜種油などが挙げられる。また、ポリエチレングリコールの分子量としては、例えば、4000以上20000以下である。ポリエチレングリコールの具体例としては、例えば、PEG6000、PEG8000などが挙げられる。また、これらの可塑剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
可塑剤を添加することにより、顆粒の成分組成物における柔軟性、弾力性を調節し、成形性を向上することができる。
安定剤は、顆粒成分の化学的分解、物理的分解を抑制するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。安定剤としては、例えば、無機化合物、有機酸、有機酸塩、ビタミン類などが挙げられる。
安定剤の具体例としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、エデト酸ナトリウム、トコフェロールなどが挙げられる。また、これらの安定剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
安定剤を添加することにより、顆粒成分の失活を抑制することができる。
保存剤は、微生物の増殖を抑制するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。保存剤としては、例えば、安息香酸塩、パラオキシ安息香酸エステル類などが挙げられる。
保存剤の具体例としては、例えば、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、メチルパラベン、プロピルパラベンなどが挙げられる。また、これらの保存剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
保存剤を添加することにより、顆粒が微生物汚染されることを防ぐことができる。
糖類は、糖衣コーティングの主成分であり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。糖類としては、例えば、単糖、二糖、糖アルコールなどが挙げられる。
糖類の具体例としては、例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトールなどが挙げられる。また、これらの糖類は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
糖類を添加することにより、顆粒の服用性を向上することができる。
フィルムコーティング剤は、顆粒をフィルムコーティングするための組成物に用いる基剤であり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。フィルムコーティング剤としては、例えば、合成樹脂、多糖類などが挙げられる。
フィルムコーティング剤の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、プルラン、ゼイン(ツェイン)、シェラック、イーストラップなどが挙げられる。また、これらのフィルムコーティング剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
フィルムコーティング剤を添加することにより、フィルムコーティングの効率や性能を向上することができる。
滑沢剤は、粉体成分の付着力を低減して流動性を高めるものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。滑沢剤としては、例えば、フィロケイ酸塩鉱物粉末、ケイ素酸化物、飽和脂肪酸、エステル類、ワックス類、硬化植物油、脂肪、ポリエーテルなどが挙げられる。
滑沢剤の具体例としては、例えば、微粒二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、炭酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、パルミチン酸、ミツロウ、ダイズ硬化油、カカオ脂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。また、これらの滑沢剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
滑沢剤を添加することにより、錠剤の製造時に、スティッキングなどの打錠障害の発生を抑制することができる。
光保護剤は、顆粒に遮光性を付与するものであり、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの用途に許容されるものであれば、特に制限されるものではない。光保護剤としては、例えば、酸化物、タール系色素などが挙げられる。
光保護剤の具体例としては、例えば、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号などが挙げられる。また、これらの光保護剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
光保護剤を添加することにより、顆粒に含有する成分を光から保護することができる。
その他の添加剤としては、溶解補助剤、界面活性剤、乳化剤、抗酸化剤、光沢化剤、発泡剤、防湿剤、防腐剤、流動化剤、矯味剤、清涼化剤、着香剤、芳香剤、崩壊補助剤などが挙げられる。また、これらの添加剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
発泡性顆粒を含有する錠剤の製造方法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの技術分野において使用されている通常の手段を用いることができる。錠剤の製造方法における混合方法、造粒方法、造粒物の乾燥方法については、上記[発泡性顆粒の製造方法]の項の説明と重複するため、ここでは説明を省略する。
錠剤成分の打錠方法は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。打錠方法としては、例えば、直接打錠法、顆粒圧縮法などが挙げられる。これらの打錠方法で用いられる打錠機としては、例えば、単発打錠機、連続打錠機、ロータリー式打錠機、積層打錠機などが挙げられる。
錠剤のフィルムコーティング方法は、本技術分野において使用されている通常のものであれば、特に制限されるものではない。フィルムコーティング方法としては、例えば、パンコーティング法、流動コーティング法、転動コーティング法などが挙げられる。これらのフィルムコーティング方法で用いられるフィルムコーティング装置としては、例えば、パンコーティング装置、ドラムタイプコーティング装置などが挙げられ、フィルムコーティング装置に付帯する噴霧装置は、エアースプレー型であってもよいし、エアレススプレー型などでもよい。
錠剤におけるフィルムコーティングの被覆量は、特に制限されるものではない。フィルムコーティングの被覆量としては、例えば、錠剤100質量%あたり0.1質量%以上20.0質量%以下である。下限値としては、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、特に好ましくは2.0質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは12.5質量%以下、特に好ましくは10.0質量%以下である。
錠剤におけるフィルムコーティングの被覆量を上記範囲とすることで、フィルムコーティングの効率や効果を十分に発揮することができる。
(顆粒剤)
顆粒剤は、発泡性顆粒を含有していれば、特に制限されるものではない。顆粒剤としては、例えば、発泡性顆粒のみからなるものでもよいし、他の有効成分を含有する顆粒、添加剤などと混合してもよい。
添加剤の具体例としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、増粘剤、可塑剤、安定剤、保存剤、糖類、フィルムコーティング剤、甘味剤、酸味剤、着色剤、光保護剤、溶解補助剤、界面活性剤、乳化剤、抗酸化剤、光沢化剤、発泡剤、防湿剤、防腐剤、流動化剤、矯味剤、清涼化剤、着香剤、香料、芳香剤、崩壊補助剤などが挙げられる。添加剤、有効成分については、上記[発泡性組成物]、[発泡性顆粒]、(錠剤)の項の説明と重複するため、ここでは説明を省略する。
発泡性顆粒を含有する顆粒剤の製造方法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、動物用薬品、飼料などの技術分野において使用されている通常の手段を用いることができる。顆粒剤の製造方法における混合方法、造粒方法、造粒物の乾燥方法については、[発泡性顆粒の製造方法]の項の説明と重複するため、ここでは説明を省略する。
以上の特徴により、本発明の発泡性顆粒は、錠剤、顆粒剤などの製造に利用することができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
(試験試料の作製)
表1に示す各成分を含有するクエン酸カルシウムでコーティングしたクエン酸(CCA)、表2に示す各成分を含有する錠剤を作製した。なお、各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。
CCAは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を用いた。CCAの成分組成は、表1に示すとおりである。なお、CCAの粒度は、約300μmであり、粉末状態にないものである。
Figure 2021187772
次に、表2に示す各成分を混合した顆粒混合物を、打錠機を用いて1gの錠剤とした。
Figure 2021187772
また、参考例1として、表3に示す成分を含有する顆粒GBミックス(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を、打錠機を用いて1gの錠剤とした。なお、顆粒GBミックスは、発泡性持続性が高い食品添加物である。
Figure 2021187772
(発泡力の評価)
各試験試料の発泡力は、ガス発生量と発泡持続時間により評価した。ガス発生量としては、錠剤1錠あたりの炭酸ガス量を水上置換法により測定した。発泡持続時間は、試験試料が水と接してからガスが発生しなくなるまでの時間として測定した。
(保存安定性の評価)
各試験試料の保存安定性は、各試験試料の顆粒混合物10gを、空気を抜いたアルミ製の袋(ラミジップ底開き平袋タイプAL-E 140×100mm、株式会社生産日本社製)に入れて密封し、40℃で2週間保管した後に袋の膨らみを確認することにより評価した。
保存安定性の評価は、袋の膨らみがほとんどなかった場合を「◎」、袋が少ししか膨らまなかった場合を「○」、袋が大きく膨らんだ場合を「×」とした。
Figure 2021187772
表4に示すように、実施例1、2、比較例1を比較すると、CCAを含有する実施例1、2では、クエン酸をコーティングしていない比較例1よりも保存安定性が向上した。また、実施例1、2を比較すると、結合剤であるヒドロキシプロピルセルロースを添加することにより、ガス発生量発、泡持続時間、保存安定性が向上することが示された。この向上効果について、保存安定性は参考例1と同等であり、ガス発生量発及び泡持続時間は参考例1を顕著に超えるものであった。
以上の結果から、発泡成分、発泡助剤にクエン酸カルシウムを配合することにより、発泡性顆粒の発泡力及び保存安定性が向上するということが明らかとなった。
本発明によって、保存安定性に優れた発泡性組成物、発泡性顆粒を効率的に製造することができる。これにより、本発明は、保存安定性に優れた発泡性成分を含有する錠剤などの医薬品、医薬部外品、飲む化粧料、飲む化粧品、食品、健康食品(栄養補助食品、栄養機能食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品など)、サプリメント、動物用薬品、飼料などを提供することができる。

Claims (9)

  1. 発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウムを含有する発泡性組成物であって、前記発泡助剤が前記クエン酸カルシウムでコーティングされていることを特徴とする発泡性組成物。
  2. 前記発泡助剤が粉末状態でないことを特徴とする請求項1に記載の発泡性組成物。
  3. 前記発泡助剤が炭素数2〜6の有機酸からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の発泡性組成物。
  4. 前記発泡成分が炭酸塩、炭酸水素塩からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡性組成物。
  5. 更に、結合剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡性組成物。
  6. 前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、シェラック、ツェインからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性組成物を含有することを特徴とする発泡性顆粒。
  8. 発泡成分、発泡助剤、クエン酸カルシウムを含有する発泡性顆粒の製造方法であって、
    発泡助剤をクエン酸カルシウムでコーティングする工程、
    前記クエン酸カルシウムでコーティングされた発泡助剤及び発泡成分を混合する工程、
    結合剤を含有する結合剤溶液を準備する工程、
    前記混合物に前記結合剤溶液を添加して、前記混合物を造粒する工程、
    前記造粒した混合物を乾燥する工程、
    を有することを特徴とする発泡性顆粒の製造方法。
  9. 発泡成分、発泡助剤を含有する発泡性顆粒の製造方法であって、
    前記発泡助剤及び前記発泡成分を混合する工程、
    溶媒として水の濃度が40体積%以下である有機溶媒を用いて、結合剤を含有する結合剤溶液を準備する工程、
    前記混合物に前記結合剤溶液を添加して、前記混合物を造粒する工程、
    前記造粒した混合物を乾燥する工程、
    を有することを特徴とする発泡性顆粒の製造方法。


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