JP2021187512A - 二重容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物の残留を少なくすると共に内容物に外気が触れることを抑制できる二重容器を提供する。【解決手段】口部11、胴部12及び底部13を有するボトル形状の外層体10と、外層体10の内側に収められ、内容物の収容空間Sを形成すると共に減容変形可能な内層体20とを有する二重容器1であって、外層体10と内層体20との間の空間に外気を導入する外気導入孔が設けられ、底部13の下端部から所定高さ位置における胴部12の横断面が扁平形状を有し、扁平形状の長径方向端部における胴部12の厚みは、短径方向端部における胴部12の厚み以上であることを特徴とする。【選択図】図1A

Description

本開示は、外層体の内側に減容変形可能な内層体が収められた二重容器に関する。
黴取り剤や洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤等の内容液を入れた容器においては、容器の口部に装着され、トリガー部を牽曳することによって本体部に設けたポンプを駆動して容器内の液体を直線状、霧状、または泡状などにして噴射させるトリガー式液体噴出器が多用されており(例えば特許文献1参照)、これにより内容液の効率的な供給や高い操作性を可能にしている。
特開平11−290731号公報
上記のようなトリガー式液体噴出器を装着するのに適した容器本体として、トリガー式液体噴出器との重量バランスや操作性、収納性などを確保したものが知られている。しかし、容器本体内に噴出できない内容物が残留したり、内容物を噴出させる際に外気が噴出口から容器本体内に入ることにより内容物が影響を受ける可能性があるため、改善の余地があった。
本開示は、上記問題を解決することを課題とし、内容物の残留を少なくすると共に内容物に外気が触れることを抑制できる二重容器を提供することを目的とする。
本開示の二重容器は、
口部、胴部及び底部を有するボトル形状の外層体と、
前記外層体の内側に収められ、内容物の収容空間を形成すると共に減容変形可能な内層体と
を有する二重容器であって、
前記外層体と前記内層体との間の空間に外気を導入する外気導入孔が設けられ、
前記底部の下端部から所定高さ位置における前記胴部の横断面が扁平形状を有し、
前記扁平形状の長径方向端部における前記胴部の厚みは、短径方向端部における前記胴部の厚み以上であることを特徴とする。
本開示の二重容器は、上記構成において、前記扁平形状の長径方向端部における前記胴部の厚みは、短径方向端部における前記胴部の厚みの1.15倍以上2.5倍以下であることが好ましい。
本開示の二重容器は、上記構成において、前記扁平形状の扁平率は、0.3以上0.5以下であることが好ましい。
本開示の二重容器は、上記構成において、前記口部の中心軸線と前記胴部の中心軸線とは、水平方向に離間していることが好ましい。
本開示の二重容器は、上記構成において、前記底部には、前記外層体と前記内層体との間に外気を導入する外気導入孔が形成されていることが好ましい。
本開示の二重容器は、上記構成において、前記内層体の減容変形に伴い、前記胴部の中心軸線周りの全周に亘って、前記内層体は前記外層体から離間可能であることが好ましい。
本開示によれば、内容物の残留を少なくすると共に内容物に外気が触れることを抑制できる二重容器を提供することができる。
本開示の一実施形態に係る二重容器の口部にトリガー式液体噴出器を装着した状態を示す正面一部断面図である。 図1AにおけるB部拡大図である。 本開示の一実施形態に係る二重容器の正面図である。 本開示の一実施形態に係る二重容器の底面一部断面図である。 本開示の一実施形態に係る二重容器において、測定位置と厚みとの関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本開示の一実施形態に係る二重容器1の構成について詳細に例示説明する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、図1Aに示すように二重容器1を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとする。また、ノズル5が設けられる側を前方(図1Aにおける左側)とし、その反対側を後方(図1Aにおける右側)とする。また、上下方向及び前後方向に対して直交する方向(図1Aにおける紙面に垂直な方向)を左右方向とする。また、径方向とは、二重容器1の口部11については、中心軸線O1(図2参照)を通り当該中心軸線O1に垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。二重容器1の胴部12については、中心軸線O2(図2参照)を通り当該中心軸線O2に垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
図1A〜図3に示すように、本開示の一実施形態に係る二重容器1は、この二重容器1の外殻を構成する外層体10と、外層体10の内側に収められた内層体20とを備えた二重構造となっている。
外層体10は、略円筒状の口部11と、該口部11の下端に連なり下方に向かって拡径する肩部14と、肩部14の下端に連なり内容物の収容空間S(図1B参照)を形成する胴部12と、胴部12の下端に連なって胴部12の下端を閉塞する底部13とを有するボトル形状となっている。肩部14における前部には、図1Aに示すように、後方に向かって凹み利用者が内容物をノズル5から噴出させる際に、中指等で二重容器1を把持するための把持部14aが設けられている。胴部12には、ラベル等を貼付する凹所12aが左右に1か所ずつ設けられている。
本実施形態において、二重容器1は、平面視において胴部12及び底部13が前後方向に長い扁平形状を有している(図3参照)。そして、二重容器1の口部11の中心軸線O1(図2参照)に対して胴部12の中心軸線O2(図2参照)を前方にシフトさせ胴部12を前方に突出させることで内容量を確保すると共にトリガー式液体噴出器2との重量バランスや操作性、収納性を確保している。
内層体20は、外層体10よりも薄肉で柔軟な袋状に形成されており、外層体10の内面に剥離可能に積層されている。内層体20の開口部は外層体10の口部11の開口端に連ねられており、その内部は開口部に連なる収容空間Sとなっている。収容空間Sには、例えば黴取り剤や洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤等の液状の内容物を収容することができる。内層体20は減容変形可能となっており、収容空間Sから外部に内容物が注出されるのに伴って、外層体10から剥離しつつ内容積を減少させるように変形することができる。
本実施形態では、横断面(中心軸線O2に直交する平面による断面)において胴部12が前後方向(図1A及び図2における左右方向)が長径となる扁平形状を有するように構成されている。また、通常の押し出しブロー成形では、扁平形状の短径方向端部の方が伸長の度合いが小さいために肉厚が厚くなる傾向にあるが、本実施形態では、発明者が検討した製造工程の採用によって、長径方向端部(図3のC部及びG部)における胴部12の厚みが、短径方向端部(図3のA部及びE部)における厚み以上であるように構成している。この構成によって、肉厚が薄い胴部12の短径方向端部(図3のA部及びE部)における剛性が下がるため外層体10から内層体20が剥離し易くなる。このように、短径方向端部において内層体20が剥離し易くすることによって、内層体20の扁平形状の扁平率が更に高まる方向に変形させて収容空間Sが長径方向に延びた状態を維持することができる。従って、トリガー式液体噴出器2から垂下する内容物吸い上げ用のパイプの長径方向両側に内容物で満たされた収容空間Sが隣接して配置された状態を維持することができる。従って、内層体20が歪んで変形することによって収容空間S内に内容物が注出されずに残留することを抑制することができる。
本実施形態では、胴部12における最大径となる高さ位置において長径方向端部における胴部12の厚み(図3における外層体10cと内層体20cの合計厚み、及び外層体10gと内層体20gの合計厚み)が、短径方向端部における胴部12の厚み(図3における外層体10aと内層体20aの合計厚み、及び外層体10eと内層体20eの合計厚み)の1.15倍以上2.5倍以下となるように構成している。このように厚み比を1.15倍以上とすることによって、短径方向端部(図3のA部及びE部)における胴部12の剛性を下げることができるので、短径方向端部において内層体20を剥離し易くすることができる。また、上記厚み比を2.5倍以下とすることによって、偏肉を適正範囲内に抑えて二重容器1の機械的剛性を確保することができる。なお、図示の例では、胴部12における最大径となる高さ位置は、底部13の接地面(外縁部13a)から40mmの高さ位置(図2のg点の高さ位置)となっている。
また、本実施形態では、胴部12における最大径となる高さ位置において、上記扁平形状の扁平率が0.3以上0.5以下となるように構成している。ここで、扁平率とは、扁平形状が円に対してどの程度扁平であるか(つぶれているか)を表す指標であり、扁平形状の長半径をa、短半径をbとすると、扁平率Fは、以下の数式(1)によって表すことができる。
Figure 2021187512
発明者が鋭意検討した結果、胴部12の扁平率Fを0.3以上とすることによって、扁平形状を維持し易くすることができる。また、扁平率Fを0.5以下とすることによって、合成樹脂の押し出しブロー成形による扁平形状の成形を容易化することができる。
底部13は、接地面となる円環状の外縁部13aの内周側に上向きに凹む凹部13bを有し、凹部13bの部分にはピンチオフ部15が設けられている。ピンチオフ部15は、二重容器1を押出ブロー成形により形成する場合に、円筒状の積層パリソンがブロー成形用金型により押し潰されるとともに食い切られてその開口が閉塞されることによって形成されている。したがって、二重容器1は、ピンチオフ部15においても外層体10と内層体20とが積層された構成となっている。
ピンチオフ部15は、凹部13bから下方に向けて突出するとともに、凹部13bの略中央位置を通り、前後方向に真っ直ぐに延びた突条形状となっている。ピンチオフ部15の前後方向の厚みは、下方に向かって漸減する形状となっており、凹部13bから下方に向けたピンチオフ部15の突出高さは凹部13bの深さの範囲内となっている。これにより、二重容器1を正立姿勢としたときに、ピンチオフ部15の下端面15aが、接地面となる外縁部13aよりも下方に突出しないようにして、二重容器1を正立姿勢で安定して設置することができる。
外層体10の口部11には、図1Aの例では、トリガー部4を前後方向に駆動することによってポンプを作動させ、二重容器1の収容空間S内に収容された内容物を噴出器本体6経由でノズル5から噴出させるトリガー式液体噴出器2が装着されている。トリガー式液体噴出器2は、キャップ3を二重容器1の口部11に設けられた雄ねじ部11a(図2参照)にねじ係合させることにより、二重容器1に装着されている。
なお、トリガー式液体噴出器2の各構成は、例えば合成樹脂を用いた成型品とすることができる。
本実施形態では、外層体10の底部13におけるピンチオフ部15には、外気導入孔として機能するスリットが設けられている。トリガー部4の作動により内容物をノズル5から噴出させると、外層体10が自らの剛性によって初期形状を維持する一方、底部13の外気導入孔としてのスリットを通じて外層体10と内層体20との間の空間に外気が導入されることで内容物を収容する内層体20が外層体10から剥離して減容変形することができる。これによって、内容物を噴出後に内層体20の収容空間S内に外気が入り込むことを抑止できるので、内容物が外気と接触して劣化/変質することを抑制することができる。
なお、トリガー式液体噴出器2に代えて、注出用の逆止弁が配設された注出キャップ等の他の注出具(図示省略)を装着するように構成してもよい。また、注出具の装着は、例えば口部11に設けられた雄ねじ部11aを用いたねじ結合によるものの他、打栓によるアンダーカット係合で行う構成とすることもできる。また、外気導入孔は、底部13に設ける代わりに、口部11等に設けるようにしてもよい。
本実施形態では、二重容器1は、内層体20の合成樹脂素材と外層体10の合成樹脂素材とを積層して形成されるパリソンに対し、押出しブロー成形を行うことによって積層剥離容器を形作っている。そして、二重容器1を構成する内層体20の材料には、外層側からナイロン/接着性ポリオレフィンの二層構造を用いている。また、外層体10の材料には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を用いている。外層体10にHDPEを用いた場合には、内層体20が減容変形しても変形しづらい高い剛性を付与することができる。本実施形態において、HDPEには、ハイゼックス(プライムポリマー社製)を用いている。また、ナイロンには、NOVAMID(三菱ケミカル社製)を用いており、接着性ポリオレフィンには、アドマー(三井化学社製)を用いている。しかし、この態様には限定されず、内層体20の材料には、エチレン―ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)等を用いてもよい。また、外層体10の材料には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)に代えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いることもできる。また、外層体10は、複数の樹脂からなるが剥離しない積層体であってもよい。その他、例えば二軸延伸ブロー成形を行うことによって積層剥離容器を形成する場合には、内層体20の材料にはポリプロピレン(PP)を用い、外層体10の材料にはポリエチレンテレフタレート(PET)を用いてもよい。また、内層体20及び外層体10の材料には、相互に相溶性が低い他の樹脂を用いることができる。更に、二重容器1は、積層剥離容器ではなく、外層体10と内層体20とを個別に形成して組み付けるものであってもよい。
なお、内層体20の厚みは、後述するように外層体10の厚みよりも薄くされている。
上記構成を有する二重容器1は、外層体10に対応した層構成を有する合成樹脂層と内層体20に対応した層構成を有する合成樹脂層とを共押出して円筒状の積層パリソンを形成し、この積層パリソンを、左右分割型の金型を用いて押出ブロー成形することにより、外層体10の内面に内層体20が剥離可能に積層された積層剥離容器に構成される。なお、押出ブロー成形に用いる金型としては、左右分割型のものに限らず、少なくとも2以上に分割される金型であれば、例えば3方向に分割される金型や4方向に分割される金型などを用いることもできる。
本実施形態では、二重容器1は、外層体10と内層体20との間に、外層体10と内層体20とを互いに接合する接着帯層を設けない構成としている。この構成によって、胴部12の全周に亘って外層体10から内層体20が剥離可能となるが、本実施形態では、上述のように横断面が扁平形状を有する胴部12の長径方向端部(図3のC部及びG部)における胴部12の厚みが、胴部12の短径方向端部(図3のA部及びE部)における胴部12の厚み以上であるように構成している。この構成によって、肉厚が薄い胴部12の短径方向端部(図3のA部及びE部)における剛性が下がるため、短径方向端部において外層体10から内層体20が剥離し易くなる。従って、外層体10と内層体20とを互いに接合する接着帯層を設けなくても胴部12の短径方向端部において外層体10から内層体20を剥がれ易くして内層体20の扁平率が高まる方向に減容変形させることができる。従って、接着帯層を設けなくても内層体20の内部に内容物が注出されずに残留することを抑制することができる。
なお、内層体20の減容変形に伴い、胴部12の中心軸線O2周りの全周に亘って内層体20は外層体10から離間可能であると記載したが、本実施形態における離間は、外層体10と内層体20との間の積層剥離である。また、「全周に亘って内層体20は外層体10から離間可能」とは、外層体10と内層体20とを互いに接合する接着帯層を設けない構成としたことを意味するのであって、内層体20が全周に亘って外層体10から均一に剥離することを意味するものではない。
以上述べたように、本実施形態は、口部11、胴部12及び底部13を有するボトル形状の外層体10と、外層体10の内側に収められ、内容物の収容空間Sを形成すると共に減容変形可能な内層体20とを有する二重容器1であって、外層体10と内層体20との間の空間に外気を導入する外気導入孔が設けられ、底部13の下端部から所定高さ位置における胴部12の横断面が扁平形状を有し、扁平形状の長径方向端部における胴部12の厚みは、短径方向端部における胴部12の厚み以上であるように構成した。このような構成の採用によって、肉厚が薄い胴部12の短径方向端部において剛性が下がるため当該端部において外層体10から内層体20が剥離し易くなる。このように、短径方向端部において内層体20が剥離し易くすることによって、内層体20の扁平形状の扁平率が更に高まる方向に変形させて収容空間Sが長径方向に延びた状態を維持することができる。従って、内層体20が不適切に歪んで変形することによって収容空間S内に内容物が注出されずに残留することを抑制することができる。また、内容物を噴出させると外気導入孔から外層体10と内層体20との間の空間に外気が導入されることで内層体20が減容変形する。従って、外気が内層体20内に入って内容物に触れることを抑制することができる。
また、本実施形態では、扁平形状の長径方向端部における胴部12の厚みは、短径方向端部における胴部12の厚みの1.15倍以上2.5倍以下であるように構成した。上記厚み比を1.15倍以上とすることによって、短径方向端部における内層体20が長径方向端部における内層体20と比較して更に剥離し易くすることができる。また、上記厚み比を2.5倍以下とすることによって、二重容器1内の過度の偏肉を抑制することができるので二重容器1の機械的剛性を確保することができる。
また、本実施形態では、胴部12の扁平形状の扁平率は、0.3以上0.5以下であるように構成した。胴部12の扁平率Fを0.3以上とすることによって、扁平形状を維持し易くすることができる。一方、扁平率Fを0.5以下とすることによって、合成樹脂の押し出しブロー成形による扁平形状の成形を容易化することができる。
また、本実施形態では、口部11の中心軸線O1と胴部12の中心軸線O2とは、水平方向に離間するように構成した。このような構成の採用によって、胴部12を前方に突出させることで収容空間Sに収容可能な内容量を確保すると共にトリガー式液体噴出器2との重量バランスや操作性、収納性を確保することができる。
また、本実施形態では、底部13に、外層体10と内層体20との間に外気を導入する外気導入孔が形成されるように構成した。このような構成の採用によって、二重容器1を押し出しブロー成形によって製造する際に底部13に形成されるピンチオフ部15を利用して外気導入孔を設けるので、口部11等に新たに外気導入孔を配置する必要がない。
また、本実施形態では、内層体20の減容変形に伴い、胴部12の中心軸線O2周りの全周に亘って、内層体20は外層体10から離間可能であるように構成した。このような構成の採用によって、外層体10と内層体20との間に、両者を互いに接合する接着帯層を設けない構成とすることができるので、二重容器1の製造コストを抑制し、製造工程を簡素化することができる。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、本実施形態においては、底部13に外気導入孔を設けるようにしているが、外気導入孔は、例えば口部11や胴部12など底部13以外の部分に設けてもよく、また、その個数や形状も種々変更可能である。
さらに、本実施形態においては、外層体10と内層体20の間に接着帯層を設けないように構成したが、この態様には限定されず、例えば、扁平形状の長径方向端部に一対の接着帯層を設けるようにしてもよい。また、接着帯層を1本のみ設けるようにしてもよい。
さらに、二重容器1は、口部11にポンプを備えたトリガー式液体噴出器2を装着し、ポンプを作動させて内容物を注出させる構成としたが、この態様には限定されない。胴部12をスクイズして内容物を注出させる構成としてもよいし、外層体10を口部11が下方を向く姿勢に傾けることにより内層体20の収容空間Sに収容されている内容物を自重で口部11から注出させる構成としてもよい。胴部12をスクイズして内容物を注出させる構成とした場合には、外層体10として可撓性を有しているものを用いることもできる。
本実施形態では、胴部12における横断面が扁平形状を有するように構成したが、この扁平形状は、図3に示す形状の他、楕円形状やトラック形状など、長径と短径とを有する他の形状であってもよい。
本実施形態の二重容器1の効果を確認するために、図2及び図3に示す二重容器1を試作した。図4には、図2に示す各測定位置aからlにおける、図2のA部、E部、C部及びG部における肉厚をプロットしている。なお、胴部12における最大径となる高さ位置(実施例では底部13の接地面(外縁部13a)から40mmの高さ位置)は、図2の測定位置gである。測定位置gにおける胴部12の前後方向幅(図2の左右方向幅)は100mmであり、左右方向幅(図2の紙面に垂直方向の幅)は55.7mmである。従って、測定位置gにおける扁平率Fは、0.443である。二重容器1の重量は約25gである。
図4によれば、長径方向端部である図2のC部及びG部においては、短径方向端部である図2のA部及びE部と比較して外層体10、内層体20のいずれにおいても厚みが厚くなっていることが分かる。通常の押し出しブロー成形では、長径方向端部の方が短径方向端部よりも中心軸線O2から距離が長く押し出しブロー成形時の延伸の度合いが大きいため、肉厚が薄くなる傾向にあるが、本実施形態に係る二重容器1では、長径方向端部の方が短径方向端部よりも肉厚が厚くなるように構成している。このような構成によって、肉厚が薄い胴部12の短径方向端部における剛性が下がるため外層体10から内層体20が剥離し易くなる。このように、短径方向端部において内層体20が剥離し易くすることによって、内層体20の扁平形状の扁平率が更に高まる方向に変形させて収容空間Sが長径方向に延びた状態を維持することができる。従って、内層体20が不適切に歪んで変形することによって収容空間S内に内容物が注出されずに残留することを抑制することができる。
また、図4によれば、A部、E部、C部及びG部のいずれの周方向位置においても、胴部12に相当する測定位置f,g,hの間では肉厚に顕著な差異が無く、同一の周方向位置では、内層体20の剥離のし易さが胴部12の高さ位置にあまり依存しないものと考えられる。また、胴部12では、口部11(測定位置aに対応)と比較して、押し出しブロー成形時の延伸の度合いが大きいため、肉厚が口部11よりも薄い傾向にある。
以下の表1は、図4の測定位置gにおける胴部12の厚みをまとめたものである。表1において、「短径方向端部平均」は、図2のA部及びE部における厚みの平均値を示しており、「長径方向端部平均」は、図2のC部及びG部における厚みの平均値を示している。表1によれば、外層体、内層体、全体(外層体と内層体の合計)のいずれにおいても短径方向端部の厚みよりも長径方向端部の厚みが大きく形成されている。そして、長径方向端部における胴部12の厚み(外層体と内層体の合計厚み)は、短径方向端部における胴部12の厚みの1.393倍であった。
Figure 2021187512
上記の二重容器1について、内層体20の収容空間S内に内容物を充填し、口部11にトリガー式液体噴出器2を装着して噴出試験を行った。内容物の使用を開始した「初期」、内容物を半分程度使用した「中盤」、内容物の残量が僅かになった「終盤」の各ステージごとに二重容器1における内層体20の剥離の状態を確認したところ、「初期」から「中盤」にかけては内層体20の剥離はあまり見られず、外層体10の扁平率が更に増加する方向に減容変形が発生した。これは、「初期」から「中盤」にかけては内層体20の減容変形がまだ小さく、外層体10と内層体20との間の空間内の負圧が小さいため、外気導入孔を通じて十分な外気が導入されない結果、外層体10が内層体20の減容変形に追従して変形していると考えられる。
これに対して、「中盤」から「終盤」にかけては、内層体20内の内容物の多くが使用され、内層体20の減容変形が大きくなっており、外層体10と内層体20との間の空間に発生する負圧が大きくなる。これによって、外気導入孔を通じて外気が導入されるため、外層体10が自らの剛性により元の形状に復元する。
発明者が検討した結果、扁平形状の長径方向端部における胴部12の厚みが短径方向端部における胴部12の厚みの1.15倍以上とすることによって、短径方向端部における内層体20が長径方向端部における内層体20と比較して更に剥離し易くすることができる。また、扁平形状の長径方向端部における胴部12の厚みが短径方向端部における胴部12の厚みの2.5倍以下とすることによって、二重容器1内の過度の偏肉を抑制することができるので二重容器1の機械的剛性を確保することができる。従って、扁平形状の長径方向端部における胴部12の厚みは短径方向端部における胴部12の厚みの1.15倍以上2.5倍以下とすることが好ましい。
また、発明者が検討した結果、胴部12の扁平率Fを0.3以上とすることによって、扁平形状を維持し易くすることができる。また、扁平率Fを0.5以下とすることによって、合成樹脂の押し出しブロー成形による扁平形状の成形を容易化することができる。従って、胴部12の扁平形状の扁平率Fは、0.3以上0.5以下であることが好ましい。
1 二重容器
2 トリガー式液体噴出器
3 キャップ
4 トリガー部
5 ノズル
6 噴出器本体
10,10a,10c,10e,10g 外層体
11 口部
11a 雄ねじ部
12 胴部
12a 凹所
13 底部
13a 外縁部
13b 凹部
14 肩部
14a 把持部
15 ピンチオフ部
15a 下端面
20,20a,20c,20e,20g 内層体
O1,O2 中心軸線
S 収容空間

Claims (6)

  1. 口部、胴部及び底部を有するボトル形状の外層体と、
    前記外層体の内側に収められ、内容物の収容空間を形成すると共に減容変形可能な内層体と
    を有する二重容器であって、
    前記外層体と前記内層体との間の空間に外気を導入する外気導入孔が設けられ、
    前記底部の下端部から所定高さ位置における前記胴部の横断面が扁平形状を有し、
    前記扁平形状の長径方向端部における前記胴部の厚みは、短径方向端部における前記胴部の厚み以上であることを特徴とする二重容器。
  2. 前記扁平形状の長径方向端部における前記胴部の厚みは、短径方向端部における前記胴部の厚みの1.15倍以上2.5倍以下である、請求項1に記載の二重容器。
  3. 前記扁平形状の扁平率は、0.3以上0.5以下である、請求項1又は2に記載の二重容器。
  4. 前記口部の中心軸線と前記胴部の中心軸線とは、水平方向に離間している、請求項1から3のいずれか一項に記載の二重容器。
  5. 前記底部には、前記外層体と前記内層体との間に外気を導入する外気導入孔が形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の二重容器。
  6. 前記内層体の減容変形に伴い、前記胴部の中心軸線周りの全周に亘って、前記内層体は前記外層体から離間可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の二重容器。
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