JP2021187400A - ガス発生器 - Google Patents

ガス発生器 Download PDF

Info

Publication number
JP2021187400A
JP2021187400A JP2020097292A JP2020097292A JP2021187400A JP 2021187400 A JP2021187400 A JP 2021187400A JP 2020097292 A JP2020097292 A JP 2020097292A JP 2020097292 A JP2020097292 A JP 2020097292A JP 2021187400 A JP2021187400 A JP 2021187400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
gas
gas generator
cup
igniter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020097292A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7361660B2 (ja
Inventor
才浩 藤
Takahiro To
雅基 平岡
Masaki Hiraoka
大空 冨田
Ozora TOMITA
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2020097292A priority Critical patent/JP7361660B2/ja
Publication of JP2021187400A publication Critical patent/JP2021187400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7361660B2 publication Critical patent/JP7361660B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】従来に比べて部品点数を増加させることなく、性能調整が従来よりも容易なガス発生器を得る。【解決手段】ガス発生器100は、長尺略円柱状の外形を有しており、ハウジング10と、ハウジング10の一方の開口端に取付けられているホルダ20と、ハウジング10の他方の開口端を閉塞するようにハウジング10の他端部に取付けられている閉塞部材12と、点火部50と、ガス発生剤31及びフィルタが装填されている収容器34を含む。ハウジング10は、周壁10a〜10eを有し、軸方向の両端に開口を有する長尺の円筒状部材からなる。周壁10bはテーパー形状であり、収容器34の端部の位置決めに用いられる。周壁10cは、点火器51のスクイブカップ51の筒状部51aの周囲を覆うように縮径加工されてなるものである。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等に搭載される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関し、より特定的には、長尺円筒状の外形を有するいわゆるシリンダ型のガス発生器に関する。
シリンダ型のガス発生器においては、小型化に伴い、この小型化されたガス発生器内にガス発生剤を装填しやすくするため、また、筒状にして着火面積を拡張することにより燃焼性能を向上するために、近年においては、ハウジングの内径の大きさに近い外径であって一体成型された筒状のガス発生剤を用いることがある(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2000−127887号公報
ここで、錠剤型の複数のガス発生剤を内包したシリンダ型のガス発生器を構成する場合、当該複数のガス発生剤を密封してガス発生器の内部に設ける方法として、キャニスタと呼ばれる密閉容器が用いられることがある。この密閉容器は、アルミニウムなどの金属からなり、ガス発生器の点火器で発生する火炎を受けて破断し、内部のガス発生剤が燃焼するようになっている。なお、ガス発生器の性能調整には様々な方法があるが、当該密閉容器を用いる場合、点火器の点火性能、密閉容器の厚みなどによって、点火器と密閉容器とを所定距離離してハウジング内部の空間容積を所定のものとすることで、調整することが可能である。
しかしながら、上記特許文献のガス発生器について、密閉容器をハウジング内部に設けた場合、点火器と密閉容器とが直接接触するようにしか構成できず、点火器と密閉容器との距離が所定距離になるように設定することができない。したがって、上記特許文献のガス発生器において、錠剤型の複数のガス発生剤を内包した密閉容器を用いる場合、点火器と密閉容器との距離調整で、ガス発生器の性能調整をすることが困難であった。
そこで、本発明は、錠剤型の複数のガス発生剤を内包した密閉容器を用いる場合において、従来に比べて部品点数を増加させることなく、性能調整が従来よりも容易なガス発生器を提供することを目的とする。
(1) 本発明のガス発生器は、燃焼することによってガスを発生させるガス発生剤が装填され、両端部が閉塞された第1の筒状部材と、前記ガスが通過するフィルタと、を内部に含み、前記フィルタに対応する位置に前記ガスを噴出するガス噴出口が形成されている長尺円筒状のハウジングと、点火薬を内包したカップ状部材を有し、前記カップ状部材が前記ハウジングの軸方向の一端部側において前記第1の筒状部材の一端部と対向して配置され、前記ガス発生剤を着火燃焼させることが可能な点火器と、前記点火器の一部が嵌合する嵌合部を有し、前記ハウジングの軸方向の一端部に固定されているホルダと、を備え、前記ハウジングのうち前記カップ状部材の少なくとも一部に対応する位置を縮径加工して、前記ハウジングの内壁と前記カップ状部材の外壁とを接触させるとともに、前記ハウジングのうち前記カップ状部材の先端部側の所定箇所から前記第1の筒状部材側の所定の途中部分までにおいて徐々に拡径するテーパー部が形成されており、前記第1の筒状部材の外径は前記カップ状部材の外径よりも大きいものであり、前記第1の筒状部材の前記点火器側の端部は、前記テーパー部に接触していることを特徴とする。
(2) 上記(1)のガス発生器においては、前記カップ状部材の先端部と反対側には、前記カップ状部材の先端部よりも拡径してなる傾斜部が形成されており、前記ハウジングには、前記傾斜部に接触する周壁が一部に形成されており、前記周壁と前記嵌合部とで前記点火器を挟持していることが好ましい。
(3) 上記(1)又は(2)のガス発生器においては、前記第1の筒状部材内に、前記フィルタが設けられており、前記第1の筒状部材の外径は、前記ハウジングの内径と略同じものであることが好ましい。
(4) 別の観点として、上記(1)又は(2)のガス発生器においては、前記フィルタが第2の筒状部材内に密封されており、前記第2の筒状部材の外径は、前記ハウジングの内径と略同じものであってもよい。
(5) 上記(1)〜(4)のガス発生器においては、前記フィルタが、円柱状の中空部を有した中空筒状に形成されており、前記中空部に、さらにガス発生剤が装填されていることが好ましい。
(6) 上記(1)〜(5)のガス発生器においては、前記所定箇所が、前記ハウジングのうち前記カップ状部材の先端部の位置に対応する箇所であることが好ましい。
本発明によれば、錠剤型の複数のガス発生剤を内包した密閉容器を用いる場合において、従来に比べて部品点数を増加させることなく、性能調整が従来よりも容易なガス発生器を提供することができる。
一部を断面で表した本発明の第1実施形態に係るガス発生器の内部構造を示す模式図(一部省略)である。 図1の一部拡大断面図である。 図1の一部拡大断面図である。 図1のガス発生器内の収容器への収容物の収容工程の一部を説明するための図である。 図1のガス発生器内の収容器への収容物の収容工程の一部を説明するための図である。 一部を断面で表した本発明の第2実施形態に係るガス発生器の内部構造を示す模式図(一部省略)である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係るシリンダ型のガス発生器の内部構造について説明する。
(ガス発生器100の構成)
ガス発生器100は、長尺略円柱状の外形を有しており、ハウジング10と、ハウジング10の一方の開口端に取付けられているホルダ20と、ハウジング10の他方の開口端を閉塞するようにハウジング10の他端部に取付けられている閉塞部材12と、を含んでいる。
ハウジング10は、周壁10a、10b、10c、10d、10eを有し、軸方向の両端に開口を有する長尺の円筒状の部材からなる。閉塞部材12は、所定の厚みを有する円盤状の部材からなり、その周面に後述するかしめ(縮径加工方法の一例)固定のための環状溝部13を有している。このかしめ固定のための環状溝部13は、閉塞部材12の周面に周方向に向かって延びるように形成されている。また、ハウジング10の閉塞部材12が取付けられた側の端部近傍の周壁には、ガス噴出口11が設けられている。このガス噴出口11は、ガス発生器100の内部において発生したガスを外部に噴出するための孔であり、ハウジング10の周方向及び軸方向に沿って複数個設けられている。
閉塞部材12は、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム合金、又はステンレス合金等の金属製であって、所定の厚みを有する円盤状の部材からなる。そして、図1及び図2に示したように、ハウジング10の一方の開口端に閉塞部材12の一部が内挿された状態で、閉塞部材12の周面に設けられた環状溝部13に対応する部分のハウジング10の周壁10aを径方向内側に縮径させて(かしめて)当該環状溝部13に係合させることにより、ハウジング10に対する閉塞部材12のかしめ固定が行なわれている。
ホルダ20は、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム合金、又はステンレス合金等の金属製であって、図3に示したように、後述する点火器50の傾斜部51cが嵌合するテーパー形状の嵌合部23と、外周面に周方向に向かって延びるように形成されたかしめ固定のための環状溝部22と、点火器50の保持位置と反対側において、点火器50に通電するための雌型コネクタ(不図示)が嵌合可能な嵌合部21と、を有している。なお、ホルダ20の外周面に設けられた環状溝部22に対応する部分のハウジング10の周壁10eを径方向内側に縮径させて(かしめて)当該環状溝部22に係合させることにより、ハウジング10に対するホルダ20のかしめ固定が行なわれている。
なお、上述した通り、ホルダ20の嵌合部21には、雌型コネクタが取付けられる。この雌型コネクタは、ガス発生器100とは別途設けられる衝突検知手段からの信号を伝達するハーネスの雄型コネクタが接続される部位である。雌型コネクタには、リテーナ(不図示)が取付けられる。このリテーナは、ガス発生器100の搬送時等において静電放電等によってシリンダ型のガス発生器100が誤動作することを防止するために取付けられるものであり、エアバッグ装置への組付け段階においてハーネスの雄型コネクタが雌型コネクタに挿し込まれることによってその端子ピン52への接触が解除されるものである。
図1及び図3に示すように、ハウジング10の軸方向の一端部(すなわち、ホルダ20寄りの部分)には、ガス発生剤31の点火手段としての点火器50が配置されている。なお、点火器50及び点火器50を固定するホルダ20は、後述する粒状のガス発生剤31を燃焼させるための火炎を発生させる点火手段としての機能を有している。
図1及び図3に示すように、点火器50は、ホルダ20の嵌合部23に内挿された状態で、保持されている。点火器50は、より具体的には、一対の端子ピン52を挿通かつ保持する基枠と、基枠上に取付けられたスクイブカップ51(カップ状部材)とを備えており、スクイブカップ51内に挿入された端子ピン52の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むように又はこの抵抗体に接するようにスクイブカップ51内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。なお、スクイブカップ51内には、点火薬だけでなくさらに伝火薬を充填してもよいが、点火薬と同時に配置され得る伝火薬としては、ホウ素/硝酸カリウム等に代表される金属/酸化剤からなる組成物、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、又は、ホウ素/5-アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。
衝突を検知した際には、端子ピン52を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、この熱を受けて点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップ51を破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器50が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には2ミリ秒以下である。
また、スクイブカップ51は、筒状部51aと、筒状部51aの端部から途中まで連続して拡径してなる傾斜部51bと、傾斜部51bの傾斜方向と交差する方向に縮径してなる傾斜部51cと、を少なくとも備えたものであり、一般に金属製又は樹脂製である。なお、筒状部51aに対応する部分のハウジング10の周壁10cを径方向内側に縮径させて(かしめて)当該筒状部51aの外周の形状に合致させた筒状に形成することにより、ハウジング10に対する筒状部51aのかしめ固定が行なわれている。これにより、周壁10cは、点火器50の先端部から放出される火炎の方向をガス発生剤31側に向けるための指向性部材としての役目を果たすことができる。また、ハウジング10における周壁10bは、ハウジング10の途中から周壁10cにかけて徐々に縮径された形状に形成されている。これにより、周壁10bは、後述する収容器34(第1の筒状部材)の端部のハウジング10内における位置決めを行うことができる。また、ハウジング10における周壁10dは、周壁10cからハウジング10の途中にかけて、傾斜部51bの外形に沿って拡径されたテーパー形状に形成されている。これにより、周壁10dの内壁と嵌合部23とで、傾斜部51b、傾斜部51cを挟持し、点火器50をハウジング10及びホルダ20に固定することができる。
図1に示すように、ハウジング10の内部空間には、ガス発生剤31及びフィルタ41などが密封された筒状の収容器34が装填されている。収容器34は、アルミニウムなどの金属製であることが好ましい。
収容器34は、有底筒状部34aと蓋部34bとを有し、内部には、ガス発生剤31と、巻きバネ35と、フィルタ41と、AI剤32と、カバー部材33と、が配設されている。なお、蓋部34bと点火器50の先端部とは、所定距離を有するように離間して配設されている。これにより、点火器50が作動する場合において、スクイブカップ51が開裂しやすくなっている。
ガス発生剤31は、点火器50によって点火されることによって生じた火炎によって着火され、燃焼することによってガスを発生させる一体成型物である。また、ガス発生剤31は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成型体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等又はこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジン、硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば、塩基性硝酸銅や塩基性炭酸銅等の塩基性金属水酸化物、過塩素酸アンモニウム又は過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダ、スラグ形成剤、又は燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばヒドロキシプロピレンメチルセルロース等のセルロース誘導体、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダ、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
巻きバネ35は、図1及び図3に示したように、外観全体として円錐台形状に相似するように、らせん状に巻き回して形成されている。また、巻きバネ35は、一端部が蓋部34bに当接しているとともに、渦巻状に形成されている他端部がガス発生剤31に当接して、ガス発生剤31に弾性力を付勢するように設けられている。この付勢により、ガス発生剤31は、収容器34内において、巻きバネ35と、フィルタ41の巻きバネ35側の端部及び有底筒状部34aの底部とに挟まれるようにして固定される。また、巻きバネ35は、全体として点火器50側からガス発生剤31側にかけて円錐台形状となっていることで、点火器50から放出された火炎の方向をガス発生剤31側に向けやすくすることができる。
フィルタ41は、中心に略円柱状の中空部41aを有した円筒状の部材からなるものであって、中空部41a内にはガス発生剤31が装填されている。AI剤32は、点火器50の作動によらずに自動発火するオートイグニッション(AI)機能を有しているものである。また、フィルタ41と収容器34の閉塞部材12側の底部との間には、AI剤32を保持するカバー部材33が密封収容されている。なお、カバー部材33には、複数の穴が設けられている。
なお、上述の円筒状の部材からなるフィルタ41を利用することで、作動時において流動する作動ガスの流動抵抗が低く抑えられ、効率的なガスの流動が可能である。フィルタ41は、たとえばステンレス鋼或いは鉄鋼等の金属からなる線材、又は、網材を巻き回したもの或いはプレス加工することによって押し固めたもの等が利用される。具体的には、メリヤス編みの金網、平織りの金網、又はクリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。フィルタ41は、収容器34内にて発生したガスがこのフィルタ41中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ等を除去する除去手段としても機能する。ここで、フィルタ41の一変形例として、金属からなる略円筒状又はすり鉢状の部品を組み合わせて形成した迷路状流路を有したフィルタを使用してもよい。これにより、作動ガスの進路を様々な方向に変更させることができるので、ガスの冷却及びスラグの除去を行うことが可能である。
また、上述した本発明の実施の形態においては、フィルタとして、いわゆるメリヤス編みの金網で製作されたものを利用した場合を例示したが、これに代えてパンチングメタルを巻き回すことで製作されたものを利用することや、エキスパンドメタルを巻き回すことで製作されものを利用することも可能である。ここで、パンチングメタルとは、板状金属部材に開口部のみを設けた(すなわち開口部の周縁に突起部を設けない)金属板のことであり、エキスパンドメタルとは、板状金属部材にたとえば千鳥状に切れ目を入れるとともにこれを押し広げることにより、当該板状金属部材に開口部を設けて網目状にした金属板のことである。このようなパンチングメタルやエキスパンドメタルを上述したメリヤス編みの金網に代えて使用した場合にも、上述した本発明の実施の形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
また、上述したパンチングメタルやエキスパンドメタルにおいては、単一の金属製の板状部材を巻き回すことで積層体からなるフィルタが構成されているが、フィルタの構成は、当該構成に限定されるものではない。すなわち、それぞれの層が別々の金属製の板状部材にて構成されてこれを組み合わせることで積層体からなるフィルタが構成されていてもよいし、複数の層の一部が単一の金属製の板状部材巻き回すことで形成されるとともに、残る層が別の単一の金属製の板状部材巻き回すことで形成され、これらが組み合わされることで積層体からなるフィルタが構成されていてもよい。
AI機能を有するAI剤32は、ガス発生剤31よりも低い温度で自動発火するので、ガス発生器100が組み込まれたエアバッグ装置などが装備された車両等において万が一火災等が発生した場合、外部から加熱されることによるガス発生器100の異常動作の誘発を防ぐことができる。
ここで、収容器34の収容物の収容工程について、図4及び図5を用いて説明する。まず、図4(a)に示したように、カバー部材33と有底筒状部34aの底部とにおいてAI剤32が保持されるように、AI剤32およびカバー部材33を、有底筒状部34aの底部に配設する。次に、図4(b)に示したように、有底筒状部34aを図4(a)の状態から上下反対に向けた後に、フィルタ41をカバー部材33と接するように配設する。続いて、図5(a)に示したように、フィルタ41の中空部41a内にも充填されるように、ガス発生剤31を有底筒状部34a内に装填する。そして、図5(b)に示したように、巻きバネ35の下端部がガス発生剤31群の上部に接するように、有底筒状部34a内に巻きバネ35を装填する。最後に、図5(c)に示したように、蓋部34bの底部によって巻きバネ35の上端部を有底筒状部34a内部側に押圧した状態として、かつ、蓋部34bの内周壁34b1と、折り返したフランジ部34b2とで、有底筒状部34aの開口部端を挟み込んだ状態としてから、フランジ部34b2の外側からかしめ固定することによって、有底筒状部34aの開口部を蓋部34bによって閉塞する。これらの一連の工程によって、収容器34の収容物の収容が完了する。
このように、ガス発生剤31、巻きバネ35、フィルタ41、AI剤32、カバー部材33、が予め収容された収容器34としておくことによって、ガス発生器100のハウジング10への組み込み作業が簡略化できるので、従来に比べて製造工程を簡略化できる。また、燃焼室、フィルタ室などに仕切るような仕切り部材も必要がなくなるとともに、ガス噴出口11をシール(閉塞)するためだけのシール部材を別途設ける必要もないので、従来に比べて、ガス発生器全体の部品点数の削減が可能となる。また、ガス発生剤31をフィルタ41の中空部41aにまで一度に充填できることから、製造が容易である。
次に、以上において説明したガス発生器100の作動時における動作について説明する。本実施の形態におけるガス発生器100が組み込まれたエアバッグ装置が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器50が作動する。点火器50が作動すると、点火薬の燃焼によって点火器50内の圧力が上昇し、これによって点火器50のスクイブカップ51先端が破裂し、火炎が点火器50のスクイブカップ51先端からハウジング10内部の収容器34側へと流出する。
このようにして流れ込んだ火炎により、収容器34の蓋部34bを開裂させて、さらに収容器34内におけるガス発生剤31を着火して燃焼させ、多量のガスを発生させる。このガス発生剤31の燃焼により、収容器34内の圧力が上昇し、発生したガスは、フィルタ41を経由して収容器34のガス噴出口11と接触している部分を開裂させる。また、収容器34のガス噴出口11と接触している部分が開裂することで、発生したガスが、ガス噴出口11からガス発生器100の外部へと噴出されることになるが、フィルタ41を経由するので、発生したガスは所定の温度にまで冷却される。そして、ガス噴出口11から噴出されたガスは、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。
(ガス発生器100の主な特徴)
本実施の形態によれば、ハウジング10のうちスクイブカップ51の先端部の位置に対応する箇所を始端として、周壁10bがテーパー形状に形成されている。したがって、本実施の形態によれば、収容器34の一端部のハウジング10内における位置決めを行うことができる。すなわち、錠剤型の複数のガス発生剤31を内包した収容器34を用いる場合において、従来に比べて部品点数を増加させることなく、点火器50と収容器34との距離を所定距離に調整できる。その結果として、本実施の形態によれば、性能調整が従来よりも容易なガス発生器100を提供できる。
また、本実施の形態においては、ハウジング10における周壁10dは、周壁10cからハウジング10の途中にかけて、傾斜部51bの外形に沿って拡径された形状に形成されている。また、点火器50の傾斜部51cが嵌合するテーパー形状の嵌合部23が形成されている。これらにより、周壁10dの内壁と、ハウジング10に固定された嵌合部23とで、傾斜部51b、傾斜部51cを挟持し、点火器50をハウジング10及びホルダ20に固定することができる。すなわち、本実施の形態によれば、ホルダ20の嵌合部23を従来のように複雑な形状を加工形成することなく、周壁10dの内壁と嵌合部23とで、点火器50をハウジング10及びホルダ20に固定することができるので、従来よりも軽量化及びコスト削減することができる。
また、本実施の形態においては、収容器34自体をガス噴出口11の閉塞部材(シール部材)として利用し、収容器34内の圧力が所定以上に上昇した場合に、収容器34のガス噴出口11と接触している部分を開裂させるように構成している。また、収容器34内に、フィルタ41、ガス発生剤31、AI剤32などを密封したものとしている。したがって、本実施の形態によれば、フィルタ41の酸化を防止することができる。また、フィルタ41内の中空部41aにガス発生剤31を収容しているので、デッドスペースを従来よりも減少させることができるとともに、ガス発生剤31が燃焼する空間の容積の変動がないため、ガス発生剤31の燃焼性能の安定化が可能となる。
また、本実施の形態においては、スクイブカップ51の筒状部51aの周囲を覆うように周壁10cが形成されているので、点火器50の作動時の火炎方向を収容器34側に仕向けることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と下2桁まで同じ符号の部位は、第1実施形態の部位と同様であるので、説明を省略することがある。また、本実施形態において、特に説明しない部位についても、第1実施形態と同様であるので、説明を省略することがある。
本実施形態に係るガス発生器200は、収容器34の代わりに、(1)巻きバネ135とガス発生剤131とが収容された収容器134と、(2)ガス発生剤131が中空部141aに配設されたフィルタ141と、AI剤132と、カバー部材133と、が収容された収容器140と、が用いられている点で、第1実施形態と異なっている。
なお、収容器134は、第1実施形態における有底筒状部34aよりも短尺な有底筒状部134aと、第1実施形態の蓋部34bと同様の蓋部134bと、を有している。したがって、収容器134の点火器151側の端部の形状は、第1実施形態の収容器34の点火器51側の端部の形状と同様である。また、収容器140は、外周壁がガス噴出口111のすべてに対向するとともに、ハウジング110の内径と略同一の外径を有した筒状部材であって、この筒状部材の両端部が閉塞されてなる部材である。
このように、収容器134と収容器140とを分けて製造しておくことで、収容器134と収容器140とでガス発生剤について形状・種類を異ならせたものを採用してもよい(当然、同一形状または同一種類でもよい)。また、フィルタ性能(冷却性能、残渣除去性能など)またはガス発生剤の種類によって収容器140の作り分けをしておいてもよい。これらを適宜組み合わせることにより、ガス発生器200の製造段階で、様々な性能のガス発生器に容易に変更できる。
次に、以上において説明したガス発生器200の作動時における動作について説明する。本実施の形態におけるガス発生器200が組み込まれたエアバッグ装置が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器150が作動する。点火器150が作動すると、点火薬の燃焼によって点火器150内の圧力が上昇し、これによって点火器150のスクイブカップ151先端が破裂し、火炎が点火器150のスクイブカップ151先端からハウジング110内部の収容器134側へと流出する。
このようにして流れ込んだ火炎により、収容器134の蓋部134bを開裂させて、さらに収容器134内におけるガス発生剤131を着火して燃焼させ、多量のガスを発生させる。このガス発生剤131の燃焼により、収容器134内の圧力が上昇し、有底筒状部134aが開裂する。その後、収容器134内の圧力上昇によって圧力を増した該ガスは、さらに収容器140の収容器134側の端部を開裂させ、該ガスは収容器140内へと流れ込む。収容器140へ流れ込んだガスは、収容器140の中空部141a内のガス発生剤131も着火して燃焼させ、さらにガスを発生させる。このとき、収容器140内の圧力が上昇し、発生したガスは、フィルタ141を経由して収容器140のガス噴出口111と接触している部分を開裂させる。また、収容器140のガス噴出口111と接触している部分が開裂することで、発生したガスが、ガス噴出口111からガス発生器200の外部へと噴出されることになるが、フィルタ141を経由するので、発生したガスは所定の温度にまで冷却される。そして、ガス噴出口111から噴出されたガスは、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、収容器134と収容器140とに分けておくことで、たとえば、ガス発生器200で達成したい性能によって、収容器134と収容器140との収容物(ガス発生剤、フィルタなど)について様々な組み合わせに変更できるガス発生器200を容易に製造することが可能である。
以上、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、ハウジング10の周壁10b、10c、10dの形状の度合いによって、点火器50近傍のハウジング10の内部体積を変化させることによって、ガス発生器100の性能調整をすることができる。
また、ハウジング10の縮径方法については、かしめ加工を例に説明したが、ハウジング10を縮径できる加工方法ならどのようなものであってもよい。
10、110 ハウジング
10a、10b、10c、10d、10e、110a、110b、110c、110d、110e 周壁
11、111 ガス噴出口
12、112 閉塞部材
13、113 環状溝部
20、120 ホルダ
21、121 嵌合部
22、122 環状溝部
23、123 嵌合部
31、131 ガス発生剤
32、132 AI剤
33、133 カバー部材
34、134、140 収容器
34a、134a 有底筒状部
34b、134b 蓋部
35、135 巻きバネ
41、141 フィルタ
41a、141a 中空部
50、150 点火器
51、151 スクイブカップ
51a 筒状部
51b、51c 傾斜部
52、152 端子ピン
100、200 ガス発生器

Claims (6)

  1. 燃焼することによってガスを発生させるガス発生剤が装填され、両端部が閉塞された第1の筒状部材と、前記ガスが通過するフィルタと、を内部に含み、前記フィルタに対応する位置に前記ガスを噴出するガス噴出口が形成されている長尺円筒状のハウジングと、
    点火薬を内包したカップ状部材を有し、前記カップ状部材が前記ハウジングの軸方向の一端部側において前記第1の筒状部材の一端部と対向して配置され、前記ガス発生剤を着火燃焼させることが可能な点火器と、
    前記点火器の一部が嵌合する嵌合部を有し、前記ハウジングの軸方向の一端部に固定されているホルダと、
    を備え、
    前記ハウジングのうち前記カップ状部材の少なくとも一部に対応する位置を縮径加工して、前記ハウジングの内壁と前記カップ状部材の外壁とを接触させるとともに、前記ハウジングのうち前記カップ状部材の先端部側の所定箇所から前記第1の筒状部材側の所定の途中部分までにおいて徐々に拡径するテーパー部が形成されており、
    前記第1の筒状部材の外径は前記カップ状部材の外径よりも大きいものであり、
    前記第1の筒状部材の前記点火器側の端部は、前記テーパー部に接触していることを特徴とするガス発生器。
  2. 前記カップ状部材の先端部と反対側には、前記カップ状部材の先端部よりも拡径してなる傾斜部が形成されており、
    前記ハウジングには、前記傾斜部に接触する周壁が一部に形成されており、
    前記周壁と前記嵌合部とで前記点火器を挟持していることを特徴とする請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記第1の筒状部材内に、前記フィルタが設けられており、
    前記第1の筒状部材の外径は、前記ハウジングの内径と略同じものであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス発生器。
  4. 前記フィルタが第2の筒状部材内に密封されており、
    前記第2の筒状部材の外径は、前記ハウジングの内径と略同じものであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス発生器。
  5. 前記フィルタが、円柱状の中空部を有した中空筒状に形成されており、
    前記中空部に、さらにガス発生剤が装填されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス発生器。
  6. 前記ハウジングのうち前記カップ状部材の先端部側の所定箇所が、前記ハウジングのうち前記カップ状部材の先端部の位置に対応する箇所であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス発生器。
JP2020097292A 2020-06-03 2020-06-03 ガス発生器 Active JP7361660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020097292A JP7361660B2 (ja) 2020-06-03 2020-06-03 ガス発生器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020097292A JP7361660B2 (ja) 2020-06-03 2020-06-03 ガス発生器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021187400A true JP2021187400A (ja) 2021-12-13
JP7361660B2 JP7361660B2 (ja) 2023-10-16

Family

ID=78847964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020097292A Active JP7361660B2 (ja) 2020-06-03 2020-06-03 ガス発生器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7361660B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005349934A (ja) 2004-06-10 2005-12-22 Daicel Chem Ind Ltd エアバッグ用インフレータ
US7568728B2 (en) 2006-05-25 2009-08-04 Autoliv Asp, Inc. Inflator device having modular construction and radial inflation gas flow
EP2487075A1 (en) 2009-10-08 2012-08-15 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Method of manufacturing perforated pipe for gas generator, as well as gas generator
JP6579992B2 (ja) 2016-04-18 2019-09-25 日本化薬株式会社 ガス発生器
JP6851176B2 (ja) 2016-10-28 2021-03-31 日本化薬株式会社 ガス発生器

Also Published As

Publication number Publication date
JP7361660B2 (ja) 2023-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5455932B2 (ja) ガス発生器
JP6814201B2 (ja) ガス発生器
JP5442749B2 (ja) ガス発生器用多孔管の製造方法及びガス発生器
WO2010126057A1 (ja) ガス発生器
CN108367727B (zh) 气体发生器
JP4953838B2 (ja) ガス発生器
JP2018069924A (ja) ガス発生器
JP2009286218A (ja) ガス発生器
WO2022138134A1 (ja) ガス発生器
JP2021138190A (ja) ガス発生器
JP5734746B2 (ja) ガス発生器
JP2015171847A (ja) ガス発生器
JP2021187400A (ja) ガス発生器
JP2017081343A (ja) ガス発生器
WO2013080796A1 (ja) ガス発生器
JP5545703B2 (ja) ガス発生器
JP6869879B2 (ja) 点火器
WO2022209798A1 (ja) ガス発生器
WO2022138285A1 (ja) ガス発生器
JP2011143777A (ja) ガス発生器
WO2023112643A1 (ja) ガス発生器
JP2017043119A (ja) ガス発生器
JP6899019B2 (ja) ガス発生器
JP7249237B2 (ja) ガス発生器
JP2023088234A (ja) ガス発生器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7361660

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150